| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 0 |
ソフトバンク | 3 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | X | 10 | 14 | 0 | 1 |
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勝利投手:上沢 直之(1勝0敗0S) 敗戦投手:デュプランティエ(0勝1敗0S) 本塁打 | |||||||||||||
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◆ソフトバンクが対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。ソフトバンクは1点を追う1回裏、栗原の適時打と山川の適時二塁打で3点を奪い、逆転に成功する。続く2回には、山川の3ランなどで一挙6点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・上沢が6回1失点7奪三振の好投。敗れた阪神は、先発・デュプランティエが誤算だった。
◆阪神中野拓夢内野手(29)の「つなぎ」が改めてクローズアップされている。第1戦の6回無死一塁。初球で近本光司外野手(30)が二盗を成功。状況が変わったことを踏まえて、中野は三塁線にバントを転がした。三塁手の野村勇内野手(28)は三塁ベースを空けたくないため、思い切った前進はできない。それを見透かしたように、三塁手に捕らせるためにバットを押し出して強めに当てた。野村はファウルになることを狙ってスルーしたが、測ったようにラインの数センチ内側で止まった。捕りにいっても、一塁セーフになりそうなタイミングだった。無死一、三塁となり、二盗も決めてチャンス拡大。森下翔太外野手(25)の遊ゴロで同点とし、佐藤輝明内野手(26)の二塁打で勝ち越しと鮮やかな逆転劇が生まれた。今季、中野が決めた44犠打は12球団断トツ。リーグ2位の中日田中幹也内野手(24)のちょうど2倍。状況に応じて「泣きどころ」を狙う"職人"らしいバント技術が光った。
◆阪神はジョン・デュプランティエ投手(31)が先発する。下肢のコンディション不良で8月9日を最後に戦線離脱していた。今季成績は15試合に先発して6勝3敗、防御率1・39。2完封している。話題になったのが奪三振の多さ。90回3分の2しか投げていないのに113個でリーグ8位。1試合(9イニング)換算を示す奪三振率は驚異の11・22だ。奪三振数の30傑の中で、2桁を超えたのは中日の守護神・松山晋也投手(25)の12・30だけ。規定投球回をクリアした投手の中ではDeNAアンソニー・ケイ(30)の7・55がトップ。デュプランティエの数字は先発投手としてはズバ抜けている。離脱せずに投げ続けていたらどうなっていたか、興味は尽きない。強力打線のソフトバンクを相手に2カ月半ぶりのマウンドでどんな投球を見せるか。
◆ベテランのためにもチーム一丸となれるか。ソフトバンク中村晃外野手(35)がシリーズ第1戦を右股関節のコンディション不良で欠場した。CSファイナルステージでは全力完走中に一塁塁審と衝突し、グラウンドで後頭部を強打。入念な検査を経て日本シリーズへの準備を整えていたが、またしてもアクシデントが起こってしまった。今後の復帰は不透明だが、欠場となれば痛手になる。中村は連覇の立役者のひとりだった。代打専任から一転、開幕序盤に相次いで故障者が出たことによりスタメン起用が続いた。4番で40試合、5番で41試合に出場するなど中軸として打線を支えた。8月26日には通算1500安打を達成。「頑張っていればなんかいいことがあるな」と心境を語っていた。苦しい春先に、ホークス生え抜き18年目の男は黙々とチームを支えてきた。中村は日本シリーズ復帰へ尽力する一方、グラウンドに出るナインの奮起に期待だ。シリーズは初戦黒星もまだ0勝1敗。何とか1勝1敗のタイで敵地甲子園に乗り込みたい。【只松憲】
◆阪神のスタメンは第1戦と変わらない可能性がある。相手投手は右腕の上沢直之(31)だ。DHの人選が注目された初戦は今季スタメンがわずか4試合の島田海吏外野手(29)が「6番左翼」で起用され、安打、盗塁に、チームを救う終盤の超美技で、勝利に大きく貢献した。DHには高寺望夢内野手(22)が入った。島田は足が速く、守備力も高い上にパンチ力もある。ケース打撃がうまい糸原健斗内野手(32)の選択肢もあるが、勝負どころの代打が手薄になるため、島田が再びスタメン指名されるかもしれない。
◆練習前の阪神ベンチに、ソフトバンクの主軸打者である山川穂高内野手(33)と近藤健介外野手(32)が相次いでやってきた。ともにお目当ては屋宜照悟打撃投手(36)。山川は中部商の後輩で、近藤は日本ハム時代のチームメート。敵のビッグネーム2人と笑顔で応対していた。日本シリーズ
◆ソフトバンクの日本シリーズ第2戦のスタメンが発表された。山川穂高内野手(33)が「6番一塁」で今シリーズ初めて先発出場。また、中村晃外野手(35)は右股関節のコンディション不良のため、2戦連続でベンチから外れた。先発は移籍1年目で12勝(6敗)をマークした上沢直之投手(31)。チームは第1戦を落とし、何とか1勝1敗のタイで28日からの敵地甲子園に乗り込みたいところだ。
◆日本シリーズ連勝へ阪神は、2年ぶりの日本シリーズ制覇を目指す阪神は、初戦とメンバーを変えずに臨んだ。1番近本光司外野手(30)から5番大山悠輔内野手(30)は不動で、この日は指名打者(DH)の高寺望夢内野手(23)を7番から6番に昇格。パンチ力のある小幡竜平内野手(25)を9番から7番に上げた。前日、シリーズ初スタメンで攻守に存在感を見せた島田海吏外野手(29)を9番左翼で継続起用した。先発は来日1年目のジョン・デュプランティエ投手(31)。開幕からローテの一角を担い、先発15試合で2完封を含む6勝3敗、防御率1・39の好成績をマーク。8月中旬に下肢の張りで戦列を離脱するまで113三振を奪い、奪三振王も射程に入れていた。約2カ月半ぶりの実戦マウンドでシリーズ連勝を呼び込めるか注目される。
◆阪神が佐藤輝明内野手(26)の2試合連続適時打となる先制打でいきなり試合を動かした。初回1死走者なしから2番中野拓夢内野手(29)が中前打で出塁。短期決戦に強い3番森下翔太外野手(25)が遊撃手のグラブをはじく打球で、2試合連続の第1打席の二塁打とし1死二、三塁のチャンスをつくった。続く4番佐藤輝が甘く入った変化球を捉え先制の右前適時打を放った。今季は主に「4番三塁」で本塁打、打点のリーグ2冠に輝いた虎の主砲。前日25日の同戦には6回に勝ち越しの適時二塁打で決勝点を入れた。早くも日本シリーズ2打点目で前回の23年を超える自己最多となった。日本シリーズ第2戦 巻き返すかソフト上沢、連勝か阪神デュプランティエ両先発
◆阪神ファンが敵地で"猛威"をふるっている。左翼のビジター応援席を中心に球場の左半分はほぼ阪神ファン。三塁側の内野席にはソフトバンクの「赤」も多少混じっているが、阪神の黄色が大半で、声援のボリュームも地元ソフトバンクをしのぐほどの大迫力になっている。2連勝を狙うこの日は、初回から打線がつながった。佐藤輝明内野手(26)の先制打が飛び出すと、大音量の歓声がドーム内に響いた。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が冷静な判断を見せた。初回無死一、二塁。ジョン・デュプランティエ投手(31)が投じた初球を、バントの構えを見せていたソフトバンク柳町達外野手(28)がバットを引いて見逃しストライクとなった。二塁走者の柳田悠岐外野手(37)が飛び出していた。それに気づいた捕手の坂本は二塁へ送球しようとしたが、三塁へ進まれる可能性がある中でやめて二、三塁間までボールを持ったまま歩きタッチアウトとした。その間に一塁走者の周東佑京内野手(29)が二塁へ進んだが、無死一、二塁から1死二塁にかわった。日本シリーズ第2戦 巻き返すかソフト上沢、連勝か阪神デュプランティエ両先発
◆1点を追うソフトバンクがすぐに1回に逆転した。2死一、二塁から栗原陵矢内野手(29)が阪神先発デュプランティエの低めカーブをすくい上げ右前へ運ぶ同点適時打。さらになおも2死一、二塁で続く山川穂高内野手(33)が外角151キロ直球をとらえ、右翼フェンス直撃の勝ち越し2点適時二塁打で一気に3点を奪った。1、2番の連打で無死一、二塁のチャンスをつくったが、3番柳町達(28)が初球バントを試みるもストライクを見逃し。二塁走者の柳田悠岐外野手(37)が飛び出しアウトになり、反撃ムードがしぼみかけた中、2死から逆転に成功した。さらに2回も猛攻。四球や長打を絡めて6-1とすると、2死一、二塁で山川が左中間スタンドに特大3ラン。日本シリーズで「どすこ~い」と響かせてビックイニングを作った。日本シリーズ
◆ソフトバンク牧原大成内野手(33)が日本シリーズ初盗塁を決めた。「9番二塁」でスタメン出場し、3-1の2回1死で四球。その後に二塁を陥れ、周東佑京内野手(29)の左中間適時三塁打で4点目のホームを踏んだ。さらに相手先発デュプランティエの暴投で周東は5点目のホーム、近藤健介外野手(32)の適時二塁打も飛び出し助っ人右腕をマウンドから引きずりおろした。今季のポストシーズンで4点以上を奪ったのは初めて。レギュラーシーズン最終戦の10月5日ロッテ戦で5得点を奪って以来の4点以上となった。日本シリーズ第2戦 巻き返すかソフト上沢、連勝か阪神デュプランティエ両先発
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)が立ち上がりからまさかの大量失点を喫した。1点リードの初回2死一、二塁。5番栗原に右翼への同点適時打を浴びると、なおも2死一、二塁の場面では6番山川に中堅フェンス直撃の二塁打で2点を献上した。2回も四球や盗塁で2死二塁を招き、周東の左中間適時三塁打、自身の暴投、近藤の右翼線への適時二塁打で一挙3失点。2回途中7失点で降板。続いて上がった2番手岩貞も、山川に左翼への3ランを浴びた。デュプランティエの2回途中降板はシーズンを含めて来日最短。下肢のコンディション不良で今季終盤は戦線離脱しており、1軍登板は、8月9日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、約2カ月ぶりだった。日本シリーズ
◆阪神岩貞祐太投手(34)がアクシデントに見舞われた。8点ビハインドの3回2死一、二塁。3番柳町の放ったライナーが、自身の左肩付近に直撃した。そのままボールは一塁方向へ転々とし、打者走者はセーフ。岩貞はそのまま患部を抑えてうずくまり、その後歩いてベンチへ帰った。先発デュプランティエがまさかの2回途中7失点降板を喫したこの日。2番手岩貞に代わり、伊原陵人投手(25)の名前が告げられた。
◆先発の阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)は序盤の大量失点に失意を隠せなかった。2回、周東佑京内野手(29)に4失点目となる適時三塁打を浴びた。新球を捕手の坂本誠志郎(31)が投げると、グラブではなく素手でキャッチした。この回途中でKO。マウンドに集まった野手陣全員に1人1人の腰に手を回し「申し訳ない」という気持ちを伝えてから、ベンチに下がった。日本シリーズ
◆阪神伊原陵人投手(25)が、日本シリーズデビュー戦で満塁での火消し投球を披露した。8点ビハインドの3回。2死一、二塁から2番手岩貞が左肩付近直撃のピッチャーライナーを受けて降板。代わって伊原が緊急登板を果たした。いきなり迎えた4番近藤を、1ストライクからの139キロ変化球で遊ゴロに仕留めてピンチ脱出。2球で満塁機を切り抜けた。DeNAとのCSファイナルステージでも伊原は登板しておらず、これがポストシーズンデビュー戦となった。日本シリーズ
◆阪神高寺望夢内野手(23)が日本シリーズ初安打を放った。8点を追う4回2死走者なし。外角136キロ落ち球をうまく捉えて右前打とした。チームにとって、初回の佐藤輝明内野手(26)の先制打以来となる安打だった。前日25日に「7番DH」スタメンで高卒5年目での初の日本シリーズ出場。この日は「6番DH」で、2試合連続の先発出場となった。
◆ソフトバンク周東佑京内野手(29)が5回にこの日4本目の安打を放ち、日本シリーズ1試合最多タイ記録をマークした。1回に右前安打を放つと2回には右翼へ適時三塁打。「牧さん(牧原大成)が早いカウントでスチール(二盗)を決めてくれて、自分の役割はランナーをかえすことだけだと気合が入った。しっかり自分の役割を果たすことができてよかった」とコメント。3回には中前へ放ち猛打賞。5回2死一塁の第4打席では阪神の左腕伊原の初球高めカーブをとらえ中前へしぶとく落とした。まだまだ打席も回ってきそうで、新記録も期待できそうだ。日本シリーズ
◆ソフトバンク周東佑京内野手(29)が7回にこの日5安打目を放ち、日本シリーズ1試合最多安打の新記録をつくった。7回2死走者なし。1ボール2ストライクから阪神湯浅の浮いたフォークボールを逃さず、はらうようにバットをポーンと出し、左翼線へ落とす二塁打。二塁に到達すると「新記録達成」のビジョン表示と場内アナウンスがあった。1回に右前安打を放つと2回には右翼へ適時三塁打。3回には中前へ放ち猛打賞とすると5回2死一塁の第4打席では中前安打を放ち、最多タイ記録としていた。2番の周東が5打数5安打。シリーズのゲーム最多安打は過去24人、28度あった4安打で、1試合5安打は新記録となった。この試合は1、2、3、5、7回にヒット。3イニング連続で安打は98年<5>戦佐伯(横浜=7~9回)03年<4>戦鳥越(ダイエー=6~8回)10年<2>戦荒木(中日=1~3回)に次いで4人目のシリーズタイ記録。1番柳田も3安打。同じチームの1、2番がそろって猛打賞は、67年<4>戦のウインディ、阪本(阪急)83年<4>戦の石毛、立花(西武)94年<4>戦の辻、大塚(西武)23年<1>戦の近本、中野(阪神)に次いで5度目。ソフトバンクの猛打賞コンビは5度目になるが、1、2番では球団初。日本シリーズ
◆阪神梅野隆太郎捕手(34)が坂本誠志郎捕手(31)の代打で登場した。今シリーズ初出場。大量点差がついた8回の先頭で梅野の名前がコールされると、地元福岡のファンから大きな拍手が起きた。打席結果は空振り三振。裏の守備からマスクをかぶった。
◆ソフトバンクが2回までに大量9点を奪い阪神に打ち勝ち1勝1敗とした。初回、阪神に1点を先制されるが、その裏2死一、二塁から栗原陵矢内野手(29)が右前へ同点適時打。続く山川穂高内野手(33)が右翼フェンス直撃の決勝打となる勝ち越し2点適時二塁打。2回には打者9人で一挙6点、山川は阪神岩貞から1号3ランを放ち「いいイメージをもって打席に入ることができ、スライダーを完璧に捉えることができた。いい展開にもってくるホームランとなって良かった」とコメント。1人で5打点を稼いだ。また周東佑京内野手(29)が7回にこの日5安打目を放ち、日本シリーズ1試合最多安打の新記録を達成した。先発上沢直之投手(31)は6回5安打1失点と好投。「早い回から野手の方が援護してくれたおかげで、最少失点で粘り強く投げることができたと思います」とコメントした。第3戦は移動日を挟み、28日に敵地甲子園で行われる。ソフトバンクが1勝1敗のタイに戻した。1勝1敗のシリーズは通算36度目。過去35度は●○スタート(△●○含む)のVが18度、○●スタートのVが17度でほぼ互角。ソフトバンクの1勝1敗は10度目で、南海時代の6度は優勝1度、敗退5度だったが、福岡移転後は99年○●→○○○、14年●○→○○○、18年△●○→○○○とすべて1勝1敗から3連勝で優勝。昨年のシリーズは6試合すべて先制チームの勝利で逆転勝ちがなかったが、今年は<1>戦が阪神、<2>戦はソフトバンクが逆転勝ち。両軍が逆転勝ちの1勝1敗は08年以来6度目。
◆初戦を制した阪神がまさかの2ケタ失点を喫し、逆転負けで1勝1敗となった。初回1死から中野、森下が連打で1死二、三塁の好機をつくり、佐藤輝明内野手(26)が先制の右前適時打。主砲の2戦連続の適時打でいいスタートを切ったかと思われたが、ソフトバンク打線に猛攻を許した。先発のジョン・デュプランティエ投手(31)が初回2死一、二塁からソフトバンク5番栗原に同点適時打を許すと、続く山川に中堅フェンス直撃の二塁打を浴びて2点を献上した。さらに2回2死二塁から周東の左中間適時三塁打、自身の暴投、近藤の右翼線への適時二塁打で一挙3失点。1回2/3を7失点で降板した。続いて登板した2番手岩貞祐太投手(34)も、山川に左翼へ3ランを献上。打球直撃で降板するアクシデントにも見舞われ、3回2死満塁から登板したのは3番手伊原陵人投手(25)。回またぎとなった4回は3者凡退に抑えたが、5回2死一、三塁から自身の暴投で10点目を与えた。今季の2ケタ失点は、レギュラーシーズンの9月13日巨人戦の1度だけ。デュプランティエの1回2/3での降板は、今季の阪神先発陣で最短となった。27日を挟んで、28日から甲子園3連戦。本拠地から日本一への流れを取り戻す。阪神が10失点で大敗。今季はレギュラーシーズンでも2桁失点は1度しかなかった。阪神が日本シリーズで2桁失点は、05年のロッテとの対戦で1~3戦にそれぞれ10失点して以来5度目。2回までに9失点したのは球団史上初めてだ。05年は4連敗で敗退したが、4試合の得点合計は4-33の大差だった。阪神の日本シリーズでの1試合最多失点は03年10月19日の13失点。相手は今回と同じソフトバンク(当時ダイエー)で、球場もみずほペイペイドーム(当時福岡ドーム)だった。
◆ソフトバンク周東佑京内野手(29)が7回にこの日5安打目を放ち、日本シリーズ1試合最多安打の新記録をつくった。2番の周東が5打数5安打。シリーズのゲーム最多安打は過去24人、28度あった4安打で、1試合5安打は新記録となった。この試合は1、2、3、5、7回にヒット。3イニング連続で安打は98年<5>戦佐伯(横浜=7~9回)03年<4>戦鳥越(ダイエー=6~8回)10年<2>戦荒木(中日=1~3回)に次いで4人目のシリーズタイ記録。1番柳田も3安打。同じチームの1、2番がそろって猛打賞は、67年<4>戦のウインディ、阪本(阪急)83年<4>戦の石毛、立花(西武)94年<4>戦の辻、大塚(西武)23年<1>戦の近本、中野(阪神)に次いで5度目。ソフトバンクの猛打賞コンビは5度目になるが、1、2番では球団初。ソフトバンクが2回までに9点を挙げ、10得点で快勝。シリーズで2回までに9得点したのは07年<3>戦の中日(1回7点、2回2点)以来18年ぶり2度目。なお、ソフトバンクの2桁得点は20年<2>戦(13-2)以来5度目で、イニング6得点は17年<1>戦の5回(7点)以来4度目。
◆阪神森下翔太外野手(25)が2試合連続安打を放ち、2試合連続で得点にからんだ。1回1死一塁で相手先発・上沢のフォークを捉えた。遊撃の川瀬がスライディングキャッチを試みるもはじき、二塁打に。1死二、三塁と好機を広げ、佐藤輝の先制打につなげた。第1戦は遊ゴロでチームの初得点をたたき出していたが、この日は完敗。「自分の中では内容良くないアウトが続いたんで、明日試合ないんで、修正してあさって、甲子園からやりたいなと思います」と出直しを誓った。
◆初戦を制した阪神がまさかの2ケタ失点を喫し、逆転負けで1勝1敗となった。阪神が10失点で大敗。今季はレギュラーシーズンでも2桁失点は1度しかなかった。阪神が日本シリーズで2桁失点は、05年のロッテとの対戦で1~3戦にそれぞれ10失点して以来5度目。2回までに9失点したのは球団史上初めてだ。05年は4連敗で敗退したが、4試合の得点合計は4-33の大差だった。阪神の日本シリーズでの1試合最多失点は03年10月19日の13失点。相手は今回と同じソフトバンク(当時ダイエー)で、球場もみずほペイペイドーム(当時福岡ドーム)だった。
◆まさかの大量失点だった。2回、山川穂高内野手(33)にこの回6点目となる3ランを打たれ、1-9とまさかのワンサイドゲームになった。なりやまない敵地の大歓声の中、山川はベースを1周した。三塁手の佐藤輝明内野手(26)はビジョンの方向をじっと見つめていた。1-10の大敗。今季のレギュラーシーズンでは9月13日の巨人戦(東京ドーム)で11失点したのが唯一の2桁失点。初回に先制右前打で唯一の得点を挙げた佐藤輝もソフトバンクの猛攻について「すごかったですね」と話していた。
◆阪神高寺望夢内野手(23)が日本シリーズ初安打を放った。8点を追う4回2死走者なし。上沢の外角136キロ落ち球をうまく捉えて右前打とした。チームにとって、初回の佐藤輝の先制打以来となる安打だった。前日25日の第1戦は「7番DH」で先発し、高卒5年目での初の日本シリーズ出場。この日は「6番DH」で2試合連続のスタメンを任された。「DHでも守っても、あまり変わらない。どっちでもできるようにやっていきます」と力を込めた。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が先制の口火を切った。初回1死から中前打で出て好機をつくり、佐藤輝の右前適時打で先制のホームを踏んだ。前日の第1戦は6回無死二塁から、バント安打で一、三塁とチャンスメークし逆転勝利に貢献。2番打者として2夜連続で得点につながる働きを見せた。「塁に出ることだけを考えた。何点差で負けようが1敗は1敗。引きずることなく、ホームでファンの皆さんの声援も力に変えて、やり返したい」と選手会長らしく話した。
◆前夜とは一転、阪神藤川球児監督(45)はベンチで渋い表情を浮かべていた。今季リーグ戦143試合で1度しかなかった2桁失点。日本シリーズでは05年ロッテ戦の3試合連続10失点以来、20年ぶりの大敗を喫した。「勝つか負けるかだけなので。内容はもう。今日は終わったので、明日しっかり1日空けて、甲子園で3つ戦うと。それだけですね」。負けられない短期決戦。立ち止まる時間はない。満を持して送り出した助っ人が大誤算だった。先発を託したのはジョン・デュプランティエ投手(31)。初回に佐藤輝の先制打で1点を先取したのもつかの間、その裏2死一、二塁から、5番栗原にあっさり同点適時打を献上した。続く山川に右中間フェンス直撃の2点適時二塁打を浴びあっという間に逆転を許した。続投で立ち直りを期待されたが、負の流れは止まらない。2回は2死二塁から周東に左中間へ適時三塁打を浴び、さらに自身の暴投でも失点。近藤に右翼線への適時二塁打を許したところで、降板となった。今季終盤から下肢のコンディション不良でリハビリを続け、8月9日ヤクルト戦以来約2カ月ぶりの1軍マウンドだった。1回2/3を7失点KOは、阪神先発陣では今季最短。シーズンで90回2/3を投げてリーグ8位の113個を奪った三振も、1つだけとキレも球威も欠き、反省ばかりが口をついた。「悪い登板だった。チームのためにという自分の仕事を全うできなかった。言い訳はない。野球をやってきて悪い1日はいくつかあるが、その中の1つ」。送り出した指揮官も「立ち上がりにちょっと押し切られましたね。向こうの集中力が上回ったというところですね。こういう日だったんでしょうね」と受け入れた。後を継いだ2番手岩貞も、山川にダメ押し3ランを献上。2回までの9失点をは、阪神の日本シリーズ史上、ワーストの屈辱だった。悪い流れは、甲子園に帰ってきっちり断ち切りたい。【磯綾乃】
◆阪神ラファエル・ドリス投手(37)がNPB通算5年目のシーズンで初めて日本シリーズに登板した。16~19年に阪神でプレーし、今年7月に6年ぶりに復帰した37歳右腕。9点ビハインドの6回に4番手でマウンドに上がった。ソフトバンクの先頭栗原を二ゴロ、続く山川を空振り三振。代打今宮に左前打を許したが、海野を空振り三振に切って無失点にまとめた。
◆阪神ドラフト1位新人の伊原陵人投手(25)が日本シリーズデビューで堂々の投球を見せた。2番手岩貞に打球直撃のアクシデントがあり、8点ビハインドの3回2死満塁で救援。2回に適時二塁打を放っていた4番近藤と対戦し、2球で遊ゴロに打ち取った。「シーズンと雰囲気はそんなに大きく変わったと思わなかった。点差もあったので、とにかく自分のやるべきことをしようとマウンドに上がりました」。その後、回またぎの4回は3者凡退。3イニング目となった5回は2死一、三塁から自身の暴投で失点したが、最少失点で踏ん張った。序盤から大量ビハインドの展開となった中、ロングリリーフで2回1/3を2安打1失点にまとめた。DeNAとのCSファイナルステージは登板機会なく、この日がポストシーズン初登板。1軍登板は6回1失点だった9月28日中日戦(甲子園)以来、約1カ月ぶりだったが、しっかり爪痕を残した。
◆阪神藤川球児監督(45)は先発ジョン・デュプランティエ(31)の大乱調も冷静に受け止めた。1-0の初回にいきなり3失点。2死を奪ったあとに栗原陵矢内野手(29)に同点の右前打。さらに山川穂高内野手(33)に勝ち越し2点二塁打を打たれた。「立ち上がりにちょっと押し切られましたね。あとアウト1個でしたけど」と指摘した。2回は四球と長打でさらに4失点。だが、そこには触れずにあくまでポイントは初回だったと強調。「向こうの集中力が上回ったというところですね。(初回の)もう1個のアウトをね。栗原選手がいいタイムリーを打ったので。まあ、こういう日だったんでしょうね」と表情を変えることなく淡々と話した。下半身の故障から復帰。2カ月半ぶりのマウンドが日本シリーズとなった。硬さがあったかの問いには「全然感じないですね」とした。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が大量失点にくちびるをかんだ。2-1で勝利した前夜に続くスタメンマスク。先発デュプランティエが2回までに7失点するなど、手の施しようがなかった。「昨日はなんとか抑えられましたけど、今日はこれだけやられたので。やられたまま終わるわけにいかないし、やり返せるチャンスはいくらでも残っている。またみんなで、やり返しに行きたいと思います」と逆襲を期した。阪神が10失点で大敗。今季はレギュラーシーズンでも2桁失点は1度しかなかった。阪神が日本シリーズで2桁失点は、05年のロッテとの対戦で1~3戦にそれぞれ10失点して以来5度目。2回までに9失点したのは球団史上初めてだ。05年は4連敗で敗退したが、4試合の得点合計は4-33の大差だった。阪神の日本シリーズでの1試合最多失点は03年10月19日の13失点。相手は今回と同じソフトバンク(当時ダイエー)で、球場もみずほペイペイドーム(当時福岡ドーム)だった。
◆ソフトバンクが2回までに大量9点を奪い阪神に打ち勝ち1勝1敗とした。 初回、阪神に1点を先制されるが、その裏2死一、二塁から栗原陵矢内野手(29)が右前へ同点適時打。続く山川穂高内野手(33)が右翼フェンス直撃の決勝打となる勝ち越し2点適時二塁打。2回には打者9人で一挙6点を奪った。第3戦は移動日を挟み、28日に敵地甲子園で行われる。ソフトバンクが1勝1敗のタイに戻した。1勝1敗のシリーズは通算36度目。過去35度は●○スタート(△●○含む)のVが18度、○●スタートのVが17度でほぼ互角。ソフトバンクの1勝1敗は10度目で、南海時代の6度は優勝1度、敗退5度だったが、福岡移転後は99年○●→○○○、14年●○→○○○、18年△●○→○○○とすべて1勝1敗から3連勝で優勝。昨年のシリーズは6試合すべて先制チームの勝利で逆転勝ちがなかったが、今年は<1>戦が阪神、<2>戦はソフトバンクが逆転勝ち。両軍が逆転勝ちの1勝1敗は08年以来6度目。
◆タカの逆襲だ。ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2025」第2戦で勝利し、1勝1敗のタイに戻した。CSファイナルステージ6試合で計11得点だった打線が爆発。14安打10得点を奪い、小久保裕紀監督(54)は日本シリーズ本拠地初勝利を手にした。山川穂高内野手(33)が3ランを含む5打点、周東佑京内野手(29)がシリーズ新記録となる1試合5安打。阪神デュプランティエを攻略した。就任2年目の小久保監督が記念すべき1勝を手にした。2年連続出場の日本シリーズで本拠地初勝利。昨年は福岡でDeNAに3連敗し、今季も第1戦を落としたが、5戦目でようやく白星だ。「昨年はここで3連敗してみなさんに勝ちを見せることができなかったのでうれしいです」。勝利監督インタビューの声も弾んでいた。山川のスタメン起用が的中した。第1戦はベンチスタートもこの日は「6番一塁」で送り出した。CSファイナルは打率2割2分2厘も、その山川が決勝打を含む2安打1本塁打5打点の活躍。「昨日(第1戦)が終わった時点でファーストは山川と決めていました」。ベテラン中村は右股関節のコンディション不良で欠場。チームの中心選手不在の危機を救った。初回に1点先制されたが、直後の2死一、二塁で栗原が同点打。なお2死一、二塁で山川が決勝の右中間2点適時二塁打を放った。小久保監督は「もちろん山川が素晴らしいバッティングで勝ち越したんですけど、その前の栗原の同点打。走塁ミスもあったんですけど、栗原の同点打があって今日の展開になった」。無死一、二塁で柳町が初球バントの構えでストライクを見逃し。二塁走者の柳田が飛び出してアウトになっていた。沈みそうな展開で再び流れを引き寄せた栗原にも称賛の言葉を並べた。さらに周東は日本シリーズ新記録となる1試合5安打。小久保監督は「歴史に名を刻みましたね」と何度もうなずいた。14安打10得点で阪神を撃破。シーズンで驚異の奪三振率「11・22」を残した虎のドクターK、デュプランティエをKOした。CSファイナル6試合で計11得点だった打線がお目覚め。指揮官は「次につながる? いや、そんなことはない。相手ピッチャーも違うし。でも(柳町)達にヒットが出た。海野のノーヒットは想定内。それ以外の選手で乗り遅れた選手はいない」。これで1勝1敗のタイ。一切の油断はせず、第3戦から敵地甲子園に乗り込む。【只松憲】ソフトバンクが2回までに9点を挙げ、10得点で快勝。シリーズで2回までに9得点したのは07年<3>戦の中日(1回7点、2回2点)以来18年ぶり2度目。なお、ソフトバンクの2桁得点は20年<2>戦(13-2)以来5度目で、イニング6得点は17年<1>戦の5回(7点)以来4度目。
◆阪神藤川球児監督(45)は大敗にも感情の起伏を見せることはなかった。初回に中野拓夢内野手(29)、森下翔太外野手(25)の連打から、佐藤輝明内野手(26)の右前打で幸先よく1点先制した。すぐに大量失点で逆転され、序盤でワンサイドゲームとなったが「勝つか負けるかだけなので。内容はもう。今日は終わったので、明日しっかり1日空けて、甲子園で3つ戦う。それだけです。気持ちが切り替えやすいとか、そういうのはないです。とにかく、純粋にあさってから試合がある。1勝1敗。それだけですね」と動じなかった。
◆ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2025」第2戦で逆襲の1勝を挙げた。今シリーズ初スタメンの山川穂高内野手(33)がV打&特大3ランで5打点の大暴れ。山川は自身2度目の日本シリーズで2年連続弾、本拠地球場では初アーチとなった。大砲の爆発でタカ打線は14安打&10得点。強力打線が完全復活し、1勝1敗のタイに戻した。27日の移動日をはさみ、28日の第3戦からは甲子園に舞台を移す。山川はドヤ顔で一塁に歩き出した。5点リードとした2回2死一、二塁の場面。ぐんぐん伸びていく打球を満足そうに見つめていた。着弾地点は阪神ファンが陣取る左翼スタンド。ビジターとは思えない声量で応援する虎党を沈黙させた。「いいイメージをもって打席に入ることができた。スライダーを完璧にとらえることができました」。ダイヤモンドをゆっくりと1周する姿は貫禄十分だった。逆転の一打も山川だった。1回に阪神が先制も、直後に栗原の右前適時打で同点。なお2死一、二塁で右中間フェンス直撃の勝ち越し2点適時二塁打を放った。「仕留めることができました」。柵越えまでもうひと伸びも、リードを奪うには十分な飛距離だった。「いい流れにもってくることができて良かった」。逆襲への1勝を引き寄せた。敗れた日本シリーズ第1戦はスタメンから外れた。「ホームランは技術」と言い続ける男は現実に左右されることなく鍛錬を積んだ。第2戦の試合前、アーリーワークでカーブマシンを相手にフリー打撃を繰り返した。打撃フォームの見直しや「間」を修正。西武時代から続ける"ルーティン"である。庄子、緒方ら若手と静寂のみずほペイペイドームで汗を流した。地道な努力がシリーズ2年連続アーチ、さらに本拠地球場での初本塁打につながった。レギュラーシーズン最終盤にたどり着いた右足に重心を乗せる新打法も板についてきた。山川が2安打5打点と爆発し、打線は14安打10得点で大勝した。CSファイナルステージでは最大3得点。湿っていた強力打線が完全復活した。これで阪神とは1勝1敗のタイ。パ・リーグ王者の実力を見せつけた。第3戦以降は敵地開催。完全アウェーの甲子園でもタカ打線は暴れまくる。【只松憲】
◆甲子園で倍返しだ! 「SMBC日本シリーズ2025」第2戦で、阪神はソフトバンクに1-10の大敗を喫し、1勝1敗のタイに戻された。投手陣は踏ん張れなかったが、4番の佐藤輝明内野手(26)が前日のV打に続く2試合連続タイムリーで奮闘。2冠の勝負強さを見せつけた。28日の第3戦は舞台を甲子園に移す。阪神過去2度の日本一はすべて敵地だったが、一気の3連勝なら初めて本拠地で美酒を味わえる。2年ぶりの頂点へ、好調主砲のバットに期待がかかる。虎の4番は勝負強い。佐藤輝がまたも初回、ホークス投手陣に襲いかかった。1死二、三塁の好機で、先発上沢の甘く入ったカーブを見逃さない。ライナーで右前にはずむ先制タイムリー。三塁側と左翼を埋めた阪神ファンを、試合開始早々の熱狂に包み込んだ。1死から中野が中前打で出た。森下が遊撃のグラブをはじく二塁打で好機を広げた理想的な攻撃パターン。主砲が満を持して役割を果たした。「よかったです」。前日25日の第1戦でも6回に決勝の適時二塁打をマーク。日本シリーズの大舞台で決めた2試合連続タイムリーに手応え十分だ。上沢には良いイメージがあった。6月21日の交流戦(甲子園)でプロ初対戦。初回1死一、二塁の好機で先制の中前適時打を放って勝利を呼び込んだ。再現VTRのような展開で、改めて相性の良さを体現した。初回の適時打後、大山の打席では二盗にも成功。今季は40本塁打、102打点、打率2割7分7厘と3部門でキャリアハイの成績を残したが、盗塁も22年の自己最多11個に迫る10個を決めた。この日の盗塁は得点につながらなかったが、打って走れる4番を小久保ホークスに印象づけた。23年のオリックスとの日本シリーズは7試合に出場したが、打点は内野ゴロの間の1つのみで4安打。チームは日本一に輝いたが、主軸としては寂しい数字に終わった。だが今シリーズの佐藤輝はひと味もふた味も違う。本塁打、打点の2冠を掲げて堂々4番を張り、「しっかり準備をいつも通りして頑張るだけ」と前を向く。試合は先発デュプランティエが2回途中7失点KOの大炎上。5回までに10点を失う大敗で1勝1敗のタイに戻された。だが28日から戦う次の舞台は甲子園だ。85年と23年の日本一は、吉田監督が西武球場、岡田監督は京セラドーム大阪で胴上げされた。今回、甲子園で一気の3連勝を決めれば、球団初の本拠地日本一が達成できる。「声援を背に、頑張れたらなと思います」。超満員の確実の熱狂的なファンが後押ししてくれる。球団創設90周年の有終を、テルのバットで飾りにいく。【伊東大介】
◆阪神は1回に先手を取ったが、上沢を畳みかけられなかったのが痛かった。佐藤輝明内野手(26)の先制適時打後、なお1死一、三塁で大山悠輔内野手(30)がボール球に手を出して三振。持ち味の勝負強さが影を潜め、敗戦後は報道陣の問いかけに無言のまま球場を離れた。「準備を大切に臨む」と語っていた5番の打撃に力強さが見られず、2試合続けて無安打に終わった。舞台を移す甲子園での復調が待たれる。
◆阪神の2番手岩貞祐太投手(34)がアクシデントで緊急降板した。大量失点した先発デュプランティエの後を受けて、2回2死二塁から登板。山川に3ランを浴び、回またぎした3回2死一、二塁では柳町の放ったライナーが、左肩付近を直撃した。患部を押さえてうずくまり、何とか歩いてベンチへ戻ったところで交代が告げられた。1回4安打2失点。次回登板への影響が心配される。
◆ソフトバンクの1番柳田悠岐外野手(37)が猛打賞で打線に火をつけた。初回、阪神デュプランティエのカーブを左前へ。3回には中前打、5回は2死走者なしから中前打でつなぎ、周東の中前打で三塁進塁後、相手の暴投で10点目のホームを踏んだ。シリーズ2試合で打率5割5分6厘の絶好調で「(リハビリをしていた)筑後にいる時よりは全然いいです。(ボールの)見え方も」と笑顔だった。
◆逆転勝ちで初戦を制した阪神はジョン・デュプランティエ投手(31)が先発する。今季は15試合に先発して6勝3敗、防御率1・39。8月に下肢の張りの影響で戦線を離脱したが、日本一を決める大舞台で頼れる助っ人右腕が帰ってきた。打線は1~5番は不動のオーダー。第1戦で先発に抜擢され、走攻守で躍動した島田海吏外野手(29)は「9番・左翼」で先発する。
◆阪神は一回、佐藤輝明内野手(26)の適時打で先制に成功した。ソフトバンクの先発・上沢の立ち上がりに襲い掛かった。1死から中野拓夢内野手(29)が中前打で出塁すると、森下翔太外野手(25)も遊撃手のグラブをはじく二塁打で出塁。1死二、三塁とチャンスを拡大で打席に立った佐藤輝がカウント1-1からの変化球を右前に運び、流れるような3連打で試合を動かした。佐藤輝は25日の第1戦でも決勝打を放っており、2戦連続の打点をマーク。自慢の上位打線がつながり、幸先よく先制点を奪った。
◆阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)が逆転を許した。1点を先行した直後の一回、先頭の柳田に左前打を浴びると、続く周東には右前に運ばれ、無死一、二塁のピンチ。それでも、バントの構えを見せた柳町が初球をバットを引いて見逃すと、二走・柳田が塁を飛び出し、1死二塁と状況が変わった。しかし、柳町に四球で再び一、二塁。不安定な投球が続く中、25日の第1戦で2安打の4番・近藤を迎えた。近藤は直球で空振り三振。2死一、二塁から栗原に右前適時打を許して同点。さらに山川に右中間フェンス直撃の2点二塁打を浴びて逆転された。8月下旬に下肢の張りを訴えて離脱した右腕は、1軍公式戦では8月9日のヤクルト戦(京セラ)以来の実戦登板だった。
◆ソフトバンク・栗原陵矢内野手(29)が同点打を放ち、山川穂高内野手(33)が勝ち越しの2点二塁打を放った。1点を追う一回2死一、二塁の好機で、まずは栗原が阪神・デュプランティエの変化球をとらえ、右前へ同点打。なおも一、二塁の好機で、続く山川が直球を弾き返し、右中間フェンス直撃の2点二塁打を放った。一回に先発の上沢が先取点を奪われる展開となったが、打線がすぐさま援護射撃した。
◆阪神の先発、ジョン・デュプランティエが二回にも3点を失い、二回途中6失点で降板となった。一回にも4安打を浴びて3点を失っていたが、二回も1死から四球で走者を許す。2死後盗塁を許して2死二塁と得点圏に走者を背負うと、周東に左中間への適時三塁打を浴びた。続く柳町の打席ではワイルドピッチでこの回2点目を献上。さらに四球で歩かせ、近藤にも右翼線への適時二塁打を浴びてこの回も3失点。2回も持たず降板となった。ここで2番手として岩貞がマウンドに上がったが、栗原に死球を与え、2死一、二塁から山川に3ランを許し、一挙6失点。二回までに1-9と厳しい展開となった。
◆ソフトバンク・山川穂高内野手(33)が豪快な今シリーズ初本塁打となる3ランを放った。二回に周東や近藤の適時打などで6|1とし、なおも2死一、二塁だ。阪神2番手、岩貞が投じた1ストライクからの2球目、132キロのスライダーをフルスイングし、阪神ファンが陣取る左翼席へアーチを描いた。打った瞬間、スタンドインを確信した山川は、ゆっくりと一塁へ歩みを進めながら打球の行方を見届け、ダイヤモンドを一周。一塁ベンチ前でソフトバンクファンとともに「どすこいポーズ」を決めた。「6番・一塁」で今シリーズ初先発出場した山川は、1|1の一回の第1打席でも右中間フェンス直撃の勝ち越し2点二塁打。どちらもファーストスイングでとらえており、状態の良さを感じさせた。
◆阪神の岩貞祐太投手(34)が投手強襲の打球を受け、緊急降板となった。二回途中から2番手として登板するも、山川に3ランを被弾。三回は2死から柳田、周東に連打を浴び、柳町の投手強襲の打球が左肩に直撃。ボールは一塁ベース付近に大きく跳ね返り、内野安打となった。岩貞は顔をしかめて膝に手を突き、トレーナーと安藤コーチもマウンドへ。ベンチに引き揚げ、そのまま交代となった。貴重な火消しも担う左のリリーフであるだけに、状態が心配される。その後は伊原が3番手として後を受け、2死満塁から近藤を遊ゴロに打ち取って追加点は与えなかった。
◆8点ビハインドの三回途中から3番手で登板した阪神・伊原陵人投手(25)は、2回1/3を投げて2安打1失点だった。初めての日本シリーズのマウンドは、2死満塁のピンチで迎えた。対するは第2打席で適時二塁打を放っている4番・近藤。それでもルーキー左腕は初球に外角低め145キロ直球を投げ込むと、2球目のカットボールを打たせて遊ゴロでピンチを脱出した。続く四回は栗原、山川、川瀬を3者凡退。五回に2死から連打と暴投で1点を失ったが、堂々とした投球を披露した。
◆ヘルナンデス対ヘルナンデスに球場がざわついた。七回、ソフトバンクは上沢の後を受け、2番手でダーウィンゾン・ヘルナンデスが登板。先頭の大山悠輔内野手(30)を空振り三振に斬ると、続く高寺望夢内野手(23)の打順で代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が登場。〝鷹ヘルナンデス〟が150キロを超える直球を中心に攻め立て、〝虎ヘルナンデス〟は4球ファウルでねばったが、最後は緩いカーブに手を出し、空振り三振に倒れた。
◆ソフトバンク・周東が日本シリーズ新記録となる1試合5安打。23年第7戦の阪神・近本光司ら25人(29度、延長での記録も含む)の同4安打を上回った。プレーオフ、クライマックスシリーズ(CS)を含めたポストシーズンでは、19年CSファイナルステージ第4戦のソフトバンク・今宮健太と並ぶ最多記録。
◆ソフトバンク・山川が決勝点を含む5打点。日本シリーズで1試合5打点以上を挙げたのは、2020年第2戦のソフトバンク・デスパイネ(6打点)以来5年ぶり10人目。勝利打点を含む1試合5打点以上は、15年第3戦のヤクルト・山田哲人(5打点)以来10年ぶり6人目で、パでは04年第3戦の西武・カブレラ(6打点)以来21年ぶり2人目。
◆ソフトバンク・周東佑京内野手(29)が、日本シリーズ1試合最多安打の新記録となる5安打をマークした。一回の第1席は右前打。第2打席には左中間へ適時三塁打を放ち、第3打席は中前打。第4打席にも中堅左へ弾き返し、七回の第5打席では左翼線へ二塁打を放った。これまでの日本シリーズでは1試合4安打が最多だったが、それを更新した。
◆阪神は10失点で大敗を喫し、対戦成績は1勝1敗のタイとなった。一回に中野拓夢内野手(29)、森下翔太外野手(25)の連打でチャンスを作ると、佐藤輝明内野手(26)の2試合連続となる適時打で幸先よく先制する。しかし、投手陣が誤算だった。約3カ月となる先発のマウンドを任されたジョン・デュプランティエ投手(31)が一回に2本の適時打て3点を失って逆転を許す。さらに二回には自身の暴投などで失点を重ね、1回1/3を7失点と試合を作れなかった。さらに後を受けた岩貞祐太投手(34)もソフトバンク・山川穂高内野手(33)に痛恨の3ランを浴びると、三回にはライナーが左肩付近に直撃して緊急降板。三回2死からシリーズ初登板となった伊原陵人投手(25)も五回に暴投で追加点を与えるなど、14被安打10失点。打線も二回以降4安打と沈黙し、投打ともにふるわなかった。1日の移動日を挟み、28日から本拠地・甲子園に戻って3連戦に臨む。
◆ソフトバンクは打線が爆発し、大勝した。先発した上沢直之投手(31)は6回を1失点で勝利投手となった。一回に上沢が先取点を奪われるが、直後の攻撃で打線が援護射撃。2死一、二塁の好機で、まずは栗原が右前へ同点打。なおも一、二塁の好機で、続く山川が右中間フェンス直撃の2点二塁打を放った。二回には2死二塁から周東が左中間へ適時三塁打。相手の暴投で1点を加え、続く近藤も右翼線へ適時二塁打。その後、一、二塁とし、山川が左翼席へ豪快な3ランを放った。また、周東が日本シリーズ1試合最多安打記録となる5安打を放ち躍動した。これで1勝1敗のタイに。28日から甲子園に舞台を移して3連戦。
◆阪神が完敗。対戦成績1勝1敗で28日からの甲子園3連戦に向かう。一回に1点の援護を受けたジョン・デュプランティエ投手(31)が直後に栗原陵矢内野手(29)、山川穂高内野手(33)に連続適時打を浴びて、3点を献上。二回にも失点を重ね、8月9日ヤクルト戦(京セラ)以来の1軍マウンドで、1回?を投げて7失点。2番手岩貞祐太投手(34)も山川に3ランを浴びるなど、この回だけで6失点。二回までに9点を奪われた。打球直撃降板の岩貞に代わった伊原陵人投手(25)も五回に暴投で10点目を与えた。打線は上沢直之投手(31)から佐藤輝明内野手(26)の2試合連続適時打で先制したが、二回以降は無得点。大山悠輔内野手(30)は2戦8打席無安打。阪神の日本S2桁失点は3戦連続10失点敗戦を喫した05年ロッテ第3戦以来(1-10)となった(観衆=3万6910人)。
◆阪神が完敗。対戦成績1勝1敗で28日からの甲子園3連戦に向かう。一回に1点の援護を受けたジョン・デュプランティエ投手(31)が直後に栗原陵矢内野手(29)、山川穂高内野手(33)に連続適時打を浴びて、3点を献上。二回にも失点を重ね、8月9日ヤクルト戦(京セラ)以来の1軍マウンドで、1回?を投げて7失点。2番手岩貞祐太投手(34)も山川に3ランを浴びるなど、この回だけで6失点。二回までに9点を奪われた。打球直撃降板の岩貞に代わった伊原陵人投手(25)も五回に暴投で10点目を与えた。打線は上沢直之投手(31)から佐藤輝明内野手(26)の2試合連続適時打で先制したが、二回以降は無得点。大山悠輔内野手(30)は2戦8打席無安打。阪神の日本S2桁失点は3戦連続10失点敗戦を喫した05年ロッテ第3戦以来(1-10)。
◆?ソフトバンクが第2戦に勝利し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。日本シリーズで1勝1敗(引き分けを含む)となったケースは過去35度。○●スタートの日本一が17度、●○スタートが18度とほぼ互角。1勝1敗から先に2勝目を挙げた球団の日本一が27度、優勝確率が77・1%と次戦が重要となる。?チーム1イニング6得点以上は昨年第6戦のDeNA(五回=7得点)以来。ソフトバンクでは2017年第1戦(五回=7得点)以来8年ぶり4度目。一回に3点、二回に6点と序盤に9得点。シリーズで二回までに9得点を挙げたのは最多タイ記録で、07年第3戦の中日(一回7点、二回2点)以来18年ぶり2度目。?シリーズでのチーム2桁得点は昨年第6戦のDeNA(○11-2ソフトバンク)以来。ソフトバンクは20年第2戦(○13-2巨人)以来5年ぶり5度目。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(57)が二回途中7失点降板の阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)に言及した。予想を覆して、勝負手のような先発デュプランティエは大誤算だった。力強いホークス打線に対して、力のある球に託したのだろうが、あれだけ変化球、特にスライダーでストライクが取れなければ、話にならない。そして、勝敗を分けたのが2死一、二塁で栗原を迎えた場面だ。初球のナックルカーブはボール気味だったが、栗原が手を出してファウル。これによバッテリーは「ひょっとしたら使えるかも」と判断し、1ボール2ストライクからの5球目、勝負球で再びナックルカーブを選択した。いいコースに決まってくれれば...サインを出した坂本も祈ったのではないか。ところが完全に裏目だった。それまでストライクゾーンに行かなかった得意球が、この時だけ甘くストライクゾーンに入った。栗原が見逃してくれるはずがない。右前へ同点タイムリーになった。直後には山川に右中間へ2点二塁打。変化球が入らず、苦し紛れに投じた真っすぐが通用するほど、日本シリーズは甘くない。完全に流れはソフトバンクに傾いてしまった。デュプランティエを見る限り、短期決戦で再びの先発は任せられない。ただ、阪神の投手陣は豊富。3戦目以降は才木、高橋、大竹、村上の先発が濃厚だが、7戦目にもつれても、伊藤将の選択肢もあるし、救援陣の層の厚さを考えるとブルペンデーでも十分だ。1勝1敗になったが、阪神が有利だとみる。
◆阪神が完敗。対戦成績1勝1敗で28日からの甲子園3連戦に向かう。一回に1点の援護を受けたジョン・デュプランティエ投手(31)が直後に栗原陵矢内野手(29)、山川穂高内野手(33)に連続適時打を浴びて、3点を献上。二回にも失点を重ね、8月9日ヤクルト戦(京セラ)以来の1軍マウンドで、1回?を投げて7失点。2番手岩貞祐太投手(34)も山川に3ランを浴びるなど、この回だけで6失点。二回までに9点を奪われた。打球直撃降板の岩貞に代わった伊原陵人投手(25)も五回に暴投で10点目を与えた。打線は上沢直之投手(31)から佐藤輝明内野手(26)の2試合連続適時打で先制したが、二回以降は無得点。大山悠輔内野手(30)は2戦8打席無安打。阪神の日本S2桁失点は3戦連続10失点敗戦を喫した05年ロッテ第3戦以来(1-10)。
◆阪神・森下翔太外野手(25)は2戦連続の長打で先制点を呼び込んだ。一回1死一塁から上沢の変化球にうまく合わせると、痛烈な打球で遊撃・川瀬のグラブをはじく安打に。ボールが左翼線付近に転がると、隙を見せずに二塁を陥れた。九回には四球を選び、最後まで戦う姿勢を崩さず。「自分の中では内容の良くないアウトが続いた。明日は試合がないので、修正して、明後日(28日)の甲子園からやりたい」と前を向いた。
◆投げれば打たれ、試合は早々に壊れた。第2戦の先発を託したデュプランティエだったが6安打7失点と大炎上し、来日最短の二回途中降板。藤川球児監督(45)は鷹打線の力をたたえた。「向こうの集中力が上回ったというところですね。(初回の)もう1個のアウトをね、栗原選手がいいタイムリーを打ったので。まあ、こういう日だったんでしょうね」右腕は一回に1点の援護をもらってマウンドに向かうも、2死一、二塁で栗原に同点打を浴び、さらに山川には右中間への2点二塁打を浴びて逆転を許した。仕切り直したい二回も四球に盗塁、そして長打を見舞われる散々な内容。下肢の張りなどの影響で、約2カ月半ぶりの1軍登板だった右腕は「本当に悪い一日だった」とガックリだ。さらに代わった岩貞も山川に3ランを浴び、1―9と大差をつけられた。
◆一回に2戦連続の適時打を放った阪神・佐藤輝明内野手(26)は舞台を甲子園に移す28日の第3戦に向けて「声援を背に頑張る」と約束した。自慢の投手陣がサンドバッグ状態にされた。球団ワーストタイの日本シリーズ1試合10失点。あっという間に対戦成績を1勝1敗に戻された。次は甲子園。4万超の大観衆が待つ。主砲・佐藤輝は言葉に力を込めた。「一試合一試合集中してやるだけです。(阪神ファンの)声援を背に頑張れたらなと思います」第1戦は逆転勝利。この日はプレーボール直後から勢いを見せつけた。一回1死二、三塁。佐藤輝は上沢のカーブにバットを振り抜いた。鋭く放たれた白球は、あっという間に右前で弾む。2試合連続タイムリーに「よかったです」。左翼席を陣取った虎党から大歓声があがった。
◆DeNA・石田裕太郎投手(23)が26日までに取材に応じ、23日のドラフト会議で1位指名された青学大の小田康一郎内野手(4年)の実力に太鼓判を押した。東都大学リーグ、中大時代に何度も対戦した間柄で、「僕が一番嫌なバッターだったのが小田。いいバッターだと思うし、本当によく打たれた。敵じゃなくて良かった」と声を弾ませた。2023年にドラフト5位で入団した右腕とは2学年差。共通の知人は多いものの、自身は交流はない。ただ嫌でも意識する相手だった。「振ればヒットっていう感じ。タイプ的には隆輝(度会)とか。左で広角に打てて長打も出るし、(打撃が)柔らかい」と賛辞を惜しまなかった。2年目の今季は先発(13試合)に中継ぎ(8試合)とフル回転し、21試合で3勝5敗1ホールド、防御率・3・57。クライマックスシリーズではロングリリーフも連投も経験して投手陣を支えた。来季に向けては「チームで必要とされているところで投げたい」とした上で、「ローテで回りたい」と先発へのこだわりを見せる。かつての敵との共闘に胸を膨らませ、右のエースへ歩みを進める。(阿部慎)
◆俳優の渡辺謙(66)が、2試合連続で観戦に訪れた。藤川監督を就任当初から見守り続け「あんまり、揺るがない感じがしますよね。彼自身が平常心って言っていますので」と「凡事徹底」を掲げる将の印象を語った。しかし「やっぱり、燃えるものは相当あるんですよ」と切り出すと「でも、それをいかにフラットにして、きょう一日のゲームを、どうまかなっていくか。彼は監督というよりも僕はすごく優秀なマネジャーだと思うんですよ。僕らは安心して見ていられるし、楽しめる」と持論を展開した。2年ぶりの王座奪還に向けては「今年は本当に強い。何勝何敗になるかわからないですけど、すごく楽しんで見られます。楽しんで見るのが一番ですよ」とニンマリ。28日からは本拠地甲子園に戦いの場を移す。「安心はしないけど、楽しめるかな。僕も僕らも平常心できょう一日のゲームを楽しむ」と、選手と同じ気持ちでスタンドから応援する。(渡辺洋次)
◆阪神・中野拓夢内野手(29)が2戦連続安打をマーク。一回に上沢の変化球を中前に運んで口火を切ると、森下、佐藤輝の連打で先制のホームを踏んだ。三回の守備でも一、二塁間の打球に一回転して送球する軽快なプレーを見せ、9点差での大敗にも落胆はない。「何点差で負けようが1敗は1敗。この負けを引きずることなく。次はホームで戦えるので、ファンのみなさんの声援を力に変えて、やり返せるようにやっていきたい」と決意を語った。
◆5番・大山が敵地2連戦ではブレーキとなった。一回に佐藤輝の適時打で先制し、なおも1死一、三塁で打席へ。しかし上沢の前に空振り三振に倒れ、追加点を奪うことはできなかった。2試合で8打数無安打、3三振と精彩を欠く。試合後、報道陣からの問いかけに無言を貫き、バスへ乗り込んだ。2023年の日本シリーズ第4戦ではサヨナラ打を放った男が苦しんでいる。
◆高寺が、日本シリーズ初安打を記録した。8点を追う四回2死で上沢から右前打。「これを機にしっかりいいところで打てるように」とうなずいた。敵地2連戦では、ともにDHで起用され5打数1安打、2三振。「打つ、走るしかなかったので。もっと打ちたかったですけど、明後日からしっかり打てるようにやっていきます」と28日からの本拠地決戦に向けて意気込んだ。
◆伊原が、8点ビハインドの三回途中から3番手として日本シリーズ初登板。岩貞が左肩に打球を受け、2死満塁のピンチで火消しを命じられた。4番・近藤を遊ゴロに仕留め、四回も三者凡退に片付けたが、五回は2死から連打と暴投で1失点。「チームとして逆転するために、点を取られてはいけない場面だった。反省して生かさなければいけない」。ホロ苦いデビュー戦となった。
◆今年も日本シリーズ全戦をチェック予定のサンケイスポーツ専属評論家・江本孟紀氏(78)は、ソフトバンクの大勝となった第2戦をどう、とらえたか。投手起用は? ベンチは? 気になるポイントは多々あるようだ。まずは阪神・デュプランティエに焦点を当てざるをえない。先発投手はどんなに調子が悪くても、せめて三回まではもってくれないと、ベンチも策の立てようがない。下肢の張りによる影響で、1軍での登板は8月9日のヤクルト戦以来。練習試合で良かったとしても、現実的には「まだまだ練習中です」という空気が漂っていた。単調になると、合わされやすいピッチング。二回途中で6安打された球は順に、カーブ、真っすぐ、カーブ、真っすぐ、真っすぐ、スライダー。どれもこれも打たれている。レギュラーシーズンは15試合で6勝3敗、防御率1・39だったとしても、リーグ優勝した両チームによる正真正銘の日本シリーズ。日本プロ野球の最高峰の舞台は、生易しいものではない、ということよ。そもそもベンチも、2戦目の先発に誰を送り出すか、迷ったのではないかな。この結果になると、才木を選んでいたら...との思いにもかられることだろう。シリーズが第6、7戦へともつれこんだ場合、ローテーションにどう影響してくるか。考えどころだね。それにしてもソフトバンク打線は、甘い球を逃さない。相手の弱みと隙を見つけると一気に総がかりで、つけこんでくる。激しいV争いを制しただけのことはある。エモトは第1戦の評論で、書き出しから「藤川は10年くらい監督をしているのか?」などと阪神のベンチワークを持ち上げた。一夜明けて惨敗ときたら、舌もそれほど回らない。ただ、接戦の強さが持ち味のチームは、こういう負け方をあまり引きずらないものだ。甲子園でどうリセットするか。しっかり見てこよう。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆どすこ~い!ホークス名物を見られたことを感謝しましょうか。こんな日もある。忘れましょうね。阪神もだが、トラ番も負け慣れていないので、特に大敗はあまり経験がないので、ちょっぴり動揺した福岡の夜だった。実はトラ番たちは頂上決戦だけに専念していればいい、というわけではない。精鋭・中屋友那は第1戦(25日)の前日に、ドラフト1位・立石正弘(創価大)の指名あいさつを、第1戦当日にドラフト2位・谷端将伍(日大)の指名あいさつを、それぞれ取材して、飛行機に飛び乗って福岡入り。試合開始直前に決戦場のドームに到着して、シリーズ取材のトラ番部隊に合流した。「いきなり、本当に強い勝ち方をする阪神を見せてもらいましたが、新人を取材して、未来も明るすぎるぐらいに明るいと感じました」実は、中屋はこの2人の活躍するシーンを以前に目に焼き付けていた。「森下らと雑談する中で、日米大学野球の話題になって。ことし、5戦全勝で米国を圧倒したんですが、その大会で、ボク個人的には立石という選手と、谷端という選手が、1番目と2番目にすごいなぁと感じてたんです。まさか、その2人を阪神が指名するなんて...。奇跡です」2人を直接取材してきた中屋が一番印象に残ったのが、立石の〝愛されキャラ〟だとか。「指名直後も、チームメートにいじられていたんです。だから『愛されキャラ?』と質問したら...」本人の答えが-。「愛されていたらいいんですけれど」その答え方が実にかわいくて、ずば抜けた野球の実力とはマッチしないキャラが、3球団競合ドライチ君の魅力だと感じたらしい。
◆手も足も出ない見事な負けに、悔しさなーし!!虎の先発デュプランティエはストレートがシュート回転するわ、高いわ、変化球はキレのないヘロヘロ球だわ...。で、当然のKOマウンド...。だけど、俺はデュプランティエを責めてまへ~ん! レギュラーシーズンの防御率は1・39なのに、8月9日のヤクルト戦以降、この日まで1軍のマウンドを踏ませなかった...。そんなもん、首脳陣のせいやんかー!!さあ、いよいよ藤川監督、ホントの戦いの始まりでっせ!! 苦しいペナントレースと言いながら交流戦で7連敗したときも、実は貯金8あったし~、CSもあっさり勝ったし~!でも、今回の最後の最後に日本シリーズの大舞台で、ソフトバンクの第3戦の予想先発は、言いたくないけど、猛虎打線では攻略がヒジョ~に厳しいモイネロなのだ!!おまけに、阪神打線は湿っているし(特に5番大山以降の下位打線は期待を持てない状況)、日本一に輝くためには、もう投手陣は1点も許さない阪神投手王国を見せつけ、打撃はクリーンアップ以外は全員セーフティーバントやスクイズでもやる気じゃないと、虎は空を飛ぶ鷹を食えないぞ!!



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