1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 8 | 0 | 0 |
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 6 | 2 | 1 |
勝利投手:山﨑 福也(1勝0敗0S) 敗戦投手:大津 亮介(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆日本ハムが快勝で決着を最終戦に持ち込んだ。日本ハムは4回表、矢澤の適時二塁打などで3点を先制する。続く5回には、清宮幸の適時二塁打と田宮のスクイズで3点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・古林が5回途中無失点。その後は4投手の継投でリードを守った。敗れたソフトバンクは、投打ともに精彩を欠いた。
◆ソフトバンク中村晃外野手(35)は別メニュー調整となった。前日18日の第4戦で一塁塁審と衝突し、グラウンドで後頭部を強打。救急車で病院に運ばれて「後頭部の打撲」と診断されていた。試合前練習には不在だったが、試合前には球場にくる予定だという。出場選手登録は抹消されなかった。
◆2連敗中のソフトバンクが打線改造した。4番には1番起用が続いていた柳田悠岐外野手(37)が入り、1番は野村勇内野手(28)。5番は指名打者で正木智也外野手(25)が入り、リーグ首位打者の牧原大成内野手(33)は「9番二塁」で2試合ぶりにスタメン復帰した。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、2連勝した第4戦から1~5番、7、9番の7選手の打順、守備位置を固定した。前日からの流れに乗って、3連勝を目指す。
◆ソフトバンク先発の大津亮介投手(26)が初回から闘志をむき出しにした。2死からレイエスに左前打を浴びるも冷静。4番の郡司をカウント2-2からの5球目、チェンジアップで空振り三振に仕留めると、グラブをたたいてほえた。ソフトバンクはCSファイナル突破王手から2連敗。アドバンテージを含め3勝2敗で第5戦を迎えている。
◆ソフトバンク周東佑京内野手(29)が、相手遊撃手の日本ハム山県と交錯するアクシデントがあった。初回1死に四球を選んで出塁。続く、柳町達外野手(28)の打席で盗塁を試みた。判定はセーフも、二塁ベースカバーに入った山県と交錯。周東は苦悶(くもん)の表情を浮かべ、足を引きずりながら治療でベンチ裏へ下がった。数分後。グラウンドに姿を見せ、プレーを続行。直後の中堅守備にも就いた。山県はそのまま交代となった。
◆日本ハム先発の古林睿煬投手(25)が自己最速タイの157キロ直球で、ピンチをしのいだ。初回1死からソフトバンク周東に四球を許した。続く柳町への4球目に周東が二盗を試みた際、スライディングした足が遊撃手の山県秀内野手(23)と接触。山県は左膝付近を負傷して、交代となった。さらに柳町の右飛の間に二塁走者の周東は三塁へタッチアップ。2死三塁のピンチを招いたが、4番柳田を、フルカウントから内角高めを突く鋭い157キロのストレートで空振り三振に切って取った。
◆日本ハム山県秀内野手(23)が負傷交代した。1回裏1死一塁で、二塁ベース上でカバーに入った遊撃・山県が、盗塁を試みたソフトバンク一塁走者周東と衝突。スライディングした周東の左足と山県の左膝がぶつかり、山県はその場で倒れ込んだ。左膝のユニホームが破れ、担架でベンチで運ばれた。その後、新庄剛志監督(53)が選手の交代を告げ、二塁の水野達稀内野手(25)が遊撃に回り、二塁に石井一成内野手(31)が入った。山県は第3戦で本塁打、第4戦で適時三塁打を放つなど、活躍を見せていた。
◆NHKBSで解説を務めた元ヤクルト宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が、1回の接触プレーについて言及した。1回1死一塁からソフトバンク周東佑京内野手(29)が盗塁。パ・リーグ盗塁王の俊足に、日本ハム田宮裕涼捕手(25)からの送球を捕球したのは遊撃手の日本ハム山県秀内野手(23)。わずかに一塁側にそれたボールに合わせたが、左膝をついた箇所に周東のスライディングがかぶさる形となった。山県はユニホームの左膝が破れ、担架で退場して途中交代。周東も足首を痛めて治療のためにいったんベンチに下がり、出場は続けた。宮本氏は「お互い必死のプレーなので仕方ない部分ではあるんですけどね」と両者をおもんぱかった上で、「自分もショートをやってましたけど、今の入り方だと危ないですよね。あの辺の対応は覚えていかないといけない」と指摘した。宮本氏はヤクルトの選手時代、遊撃手として6度を含め、計10度のゴールデングラブ賞を受賞している。
◆日本ハムが4回に3点を奪って先制に成功した。0-0の4回、安打と2つの四球で無死満塁の好機をつくると、5番清宮幸太郎内野手(26)の一塁へのゴロを放った。ソフトバンク一塁手山川が弾く間に三塁走者が生還。なおも1死一、三塁で、6番田宮裕涼捕手(25)が左犠飛を放ち「このシリーズはチャンスで打てていなかったので、まずは打点をあげられてよかった」とCS初打点を記録した。さらに万波中正外野手(25)が左前打でつなぐと、8番矢沢宏太投手(25)が「結果的にいいところに飛んだのでよかった」と詰まりながらも右翼線へ適時二塁打を放ち、リードを広げた。現在シリーズは、2勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。第4戦はフランミル・レイエス外野手(30)の2本塁打など海賊打線が2桁安打9得点で連勝。この日も3試合連続で先制に成功し、下克上へ流れをつかみかけている。
◆ソフトバンク大津亮介投手(26)は4回途中3失点で降板した。初回から闘志むき出し。1回2死からレイエスに左前打を浴びるも冷静。4番の郡司をカウント2-2からの5球目、チェンジアップで空振り三振に仕留めると、グラブをたたいてほえた。2、3回は3者凡退。しかし4回に捕まった。先頭石井に中前打を浴び、レイエス、郡司に四球を献上。無死満塁で清宮幸の内野ゴロ間に先制点を与え、なお1死一、三塁で田宮に犠飛を浴びた。2死一塁から万波は左前打。一、三塁となったところで小久保監督は2番手に左腕ヘルナンデスを送った。しかしヘルナンデスも矢沢に右翼線へのポテン二塁打を浴びて3点目を与えてしまった。大津は「先に点を与えないようにと思ってマウンドに上がりましたが、粘ることができなかった。チームに申し訳ないです」とコメントした。
◆試合中盤の円陣の意図は-。NHKBSで解説を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が、ある場面に着目した。5回表が始まる前、日本ハムがベンチ前で円陣を組んだ。中心で話をしていたのは森本稀哲コーチ(44)。この光景に宮本氏は「なかなか勝っているチームが円陣はしないですね」と言及した。日本ハムは4回に矢沢宏太投手(25)の適時二塁打などで3点を先制していた。同氏は「チームに共有することか、気を引き締め直す円陣なのか」と推測した。3-0で中盤に入った試合展開に、「(ソフトバンクは)とにかくこの2イニングで止めないと。3点は重い」と流れを読んだが、円陣直後の5回、日本ハムは1死満塁から日本ハム清宮幸太郎内野手(26)の2点適時二塁打、スクイズで3点を追加し、6-0とリードを広げた。
◆ソフトバンクはまたも大量ビハインドとなった。5回表が終了して0-6。日本ハムに小技を絡められて劣勢に回った。2連勝で突破王手から2連敗中。この日も敗れれば、アドバンテージを含め3勝3敗。日本シリーズ進出の行方は第6戦で決着がつくことになる。
◆NHKBSで解説を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が、「野村さんを見ているよう...」と思わずつぶやいた。思い出したのは、ヤクルト時代の恩師である野村克也氏の采配だった。日本ハムが3点リードで迎えた5回。1死満塁から日本ハム清宮幸太郎内野手(26)の2点適時二塁打で追加点を挙げた。続く6番田宮裕涼捕手(25)の打席だった。3番手で継投したソフトバンク松本晴が投じた初球に、スクイズを試みた。惜しくもファウルとなったが、このプレーに宮本氏は「一瞬のすき。想定してなかったと思う。ダメ押しで、精神的にダメを押す」と評した。新庄剛志監督の采配に、ID野球で球界を席巻した野村氏のような戦術を感じた場面だった。ファウルに「ここで決めなきゃという所ですよね」と指摘したが、田宮は2球目をバントで投手前に転がしてスクイズ成功。二塁から2ランスクイズを狙った清宮はアウトになったが、この回に3点を追加して、試合の流れを大きく引き寄せた。宮本氏は「ファイターズのやりたい放題にみえる」と印象を語った。
◆"らしさ"全開!新庄剛志監督2ランスクイズ仕掛ける二塁走者・清宮幸太郎は惜しくもアウトファイターズがこの回3点を追加?CSファイナルステージ第5戦 (2025/10/19)??ソフトバンク×日本ハム#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/WiYJKMNsAo
◆日本ハム古林睿煬投手(25)が4回2/3無失点で降板した。6-0の5回、先頭栗原に二塁打を浴びた。その後無死二塁から、山川を右飛、海野を三振に打ち取ったところで新庄剛志監督(53)が投手の交代を告げた。2番手でマウンドに上がった山崎福也投手(33)は牧原を投ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。古林睿煬は立ち上がりから最速157キロの速球と、カーブ、スプリットなどの変化球を交えソフトバンク打線を翻弄(ほんろう)。打者17人と対戦し許した安打はわずか2本。6奪三振を奪う快投を見せ「連戦中にホークスのことをしっかり分析して、相手のことを理解して試合に臨むことができた結果だと思います。前回対戦が悪かったので、不安はありましたが「やるしかない」と自分に言い聞かせてマウンドに上がりました。0点のままでバトンを託すことができて本当によかったです」。CS初登板で役割を果たした。
◆ソフトバンク山川穂高内野手(33)が、1プレー2失策でダメ押し点を与えた。0-6の1死三塁の場面だった。一塁守備に就いていた山川が日本ハム水野の放った一ゴロをファンブル。はじいたボールを素早く拾うも、一塁へ悪送球した。その間に三塁走者の万波がホームに生還。1プレー2失策で、追加点を許してしまった。この日は「7番一塁」で2試合ぶりのスタメン出場となっていた。
◆日本ハムが追加点を奪い、主導権を握った。3-0の5回、安打と犠打、2つの四球で1死満塁の好機をつくると、5番清宮幸太郎内野手(26)がソフトバンク2番手ヘルナンデスの2球目を捉えた。152キロ直球を引っ張り、一塁線を破る2点適時二塁打を放った。「抜けてくれてよかった」とこの日3打点の清宮幸は塁上で喜びをあらわにした。さらに「絶対に決めてやると、気持ちでいきました」と田宮裕涼捕手(25)がスクイズを決め、6-0とリードを広げた。現在シリーズは、2勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。第4戦はフランミル・レイエス外野手(30)の2本塁打など海賊打線が2桁安打9得点で連勝。この日も打線がつながり、リードを奪う展開に。下克上へ流れをつかんでいる。
◆ソフトバンク山川穂高内野手(33)が汚名返上の1発を放った。0-7で迎えた7回1死の第3打席。カウント1-2からの5球目、日本ハム加藤貴の内角高め142キロ直球をフルスイングした。打球は左中間スタンドへ飛び込み、今シリーズでは初アーチを放った。「自分のスイングができたと思います。何とかこの流れを変えていきたいです」と振り返った。6回の守備では1死三塁から一ゴロをファンブルし、一塁にも悪送球した。1プレー2失策で、追加点を献上。守備のミスをバットで一矢報いた。
◆ソフトバンクが日本ハムに"逆王手"をかけられた。2連勝から3連敗。アドバンテージを含め3勝3敗となり、ついに勝敗で並ばれた。20日の第6戦で勝利した方が日本シリーズに進出する。引き分けた場合はリーグ王者のソフトバンクが勝ち上がり。なお、パ・リーグのCSファイナルで第6戦目までもつれたのは、14年のソフトバンク対日本ハム以来、11年ぶり。同年は1位ソフトバンクが勝利して阪神との日本シリーズに進出した。無傷2連勝から3連敗するのは史上初。4連敗となればさらに初で、日本シリーズ進出を逃すことになる。屈辱だけは避けたい。勢いに乗る日本ハムを今度こそ止めたい。
◆土俵際から3連勝最後は田中正義が締めるファイターズが勝敗を五分に戻すファイナルの決着は第6戦へ?CSファイナルステージ第5戦 (2025/10/19)??ソフトバンク×日本ハム#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/pi9Z24gPuw
◆ソフトバンクが痛恨3連敗。3勝3敗で20日の第6戦に突入する。試合は投打に精彩を欠き、完敗。試合後に小久保裕紀監督(54)は「試合展開よりも明日がパ・リーグ最後の試合。今年一騎打ちで戦ったチームとやりきって、勝ったら日本シリーズ、負けたら今シーズン終了。分かりやすいです。やるだけです」と言葉短めに前を向いた。
◆日本ハムがプレーオフ、CSでは史上初の0勝3敗からの3連勝を果たした。4回無死満塁、清宮幸太郎内野手(26)の一ゴロの間に先制。1死一、三塁で田宮裕涼捕手(25)の左犠飛で2点目を挙げ、まずソフトバンク大津をKOした。さらに矢沢宏太投手(25)が2番手ヘルナンデスからバットを折りながら右翼線の適時二塁打を放ち、3点をリードした。5回1死満塁では清宮幸の右翼線への2点適時打、1死二、三塁から田宮のスクイズで3点を追加し6-0と突き放し、6回1死三塁では水野達稀内野手(25)の一ゴロを一塁山川が悪送球した間に、三塁走者の万波中正外野手(25)が、7点目の生還を果たした。投げてはCS初先発の古林睿煬投手(25)が4回2/3を投げ2安打6三振無失点と好投。5回途中からリリーフの2番手山崎福也投手(33)も1回1/3を投げ2安打無失点と好リリーフで、勝利への流れをつくった。新庄剛志監督(53)は試合後の取材で、右手で1番ポーズをしながら「ワンモア、ワンモア、ワンモア、ワンモア」とコメントした。これでソフトバンクのアドバンテージ1勝を含め3勝3敗のタイ。20日の最終6戦目で、逆転での日本シリーズ進出を狙う。
◆日本ハムがプレーオフ、CSでは史上初の0勝3敗スタートからの3連勝を果たした。NHKBSで解説を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が勝負の分かれ目に挙げたのは4回、先頭打者の日本ハムの2番石井一成内野手(31)がソフトバンク先発大津亮介投手(26)から中前打を放った場面だった。変化球を3球続けてカウントは1-2。4球目に直球を選んで、中堅に打ち返された。宮本氏は「『そろそろストレートで』という感じで(投げた)。もう1個探ってもよかったのではないか」と指摘。試合前から注目したのは、好調の3番フランミル・レイエス外野手(30)の前にいかにランナーをためるか、ためないか。その視点を前提に「全力で丁寧に抑えにいっていれば。ちょっとあっさりいったかな。あそこがポイントだった」と指摘した。直後、大津はレイエス、続く日本ハム郡司裕也捕手(27)と連続四球でピンチを広げ、この回3失点。試合の流れが決まっていった。これで3勝3敗。20日の第6戦の勝者が日本シリーズに進む。宮本氏は「短期決戦はすごく勢いが大事。ファイターズにとってこの勢いは大事。ホークスは修羅場の経験が多い。勢い対経験値になる。がっぷり四つで。手に汗握るゲームになるはず。投手はつぎ込んでいく。トーナメントのような試合になる」と見通しを語った。
◆日本ハムがプレーオフ、CSでは史上初の0勝3敗スタートからの3連勝を果たした。新庄剛志監督(53)は試合後の取材で、右手で1番ポーズをしながら「ワンモア、ワンモア、ワンモア、ワンモア」とコメント。ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含め3勝3敗のタイとなり、20日の最終6戦目で、逆転での日本シリーズ進出を狙う。日本ハムの3連勝中のスコアは6-0→9-3→7-1。プレーオフ、CSで3試合連続6得点以上は、18年ファイナルS<3>~<5>戦のソフトバンク(15→8→6)19年ファイナルS<1>~<4>戦のソフトバンク(8→8→7→9=4試合)に次いで3度目で、ソフトバンク以外のチームでは初めて。また、3試合続けて6点差以上の勝利はプレーオフ、CSでは初で、日本シリーズを含めても05年<1>~<3>戦ロッテ(10-1→10-0→10-1)以来、ポストシーズン2度目。
◆日本ハムがプレーオフ、CSでは史上初の0勝3敗スタートからの3連勝を果たした。新庄剛志監督(53)は試合後の取材で、右手で1番ポーズをしながら「ワンモア、ワンモア、ワンモア、ワンモア」とコメント。ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含め3勝3敗のタイとなり、20日の最終6戦目で、逆転での日本シリーズ進出を狙う。日本ハムが3連勝で3勝3敗のタイとなった。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSの逆王手は24年巨人以来10度目。0勝3敗から3連勝は初めてだ。過去9度のうち逆王手から連勝でシリーズ出場は77年阪急、10年ロッテ、12年巨人の3度。今回と同じくソフトバンクと対戦した14年日本ハムは、逆王手をかけるも最終戦に敗れてシリーズ進出を逃している。日本シリーズでは0勝3敗から3連勝が4度ある。最終戦を本拠地で迎えた76年巨人は敗れ、最終戦が敵地だった58年西鉄、86年西武、89年巨人が0勝3敗から4連勝で日本一になった。シリーズは3連勝で追いついた方が有利だが、最終戦を敵地で戦う日本ハムの結果はどうなるか。
◆ソフトバンクが痛恨3連敗。3勝3敗で20日の第6戦に突入する。試合は投打に精彩を欠き、完敗。試合後に小久保裕紀監督(54)は「試合展開よりも明日がパ・リーグ最後の試合。今年一騎打ちで戦ったチームとやりきって、勝ったら日本シリーズ、負けたら今シーズン終了。分かりやすいです。やるだけです」と言葉短めに前を向いた。ソフトバンクは毎回の12三振。ソフトバンクは<3>戦でも毎回三振を喫していたが、プレーオフ、CSの同一シーズンで2度も毎回三振を喫したのは初めて。ソフトバンクの<2>戦からの三振数は7→11→12→10→12で、今季のレギュラーシーズンでは1度しかなかった4試合連続2桁三振(9月18日日本ハム戦~22日オリックス戦)。プレーオフ、CSでは3試合連続2桁三振が24年ファイナルS<1>~<3>戦の巨人まで過去4度あったが、4試合連続は初のワースト記録となった。
◆「8番中堅」でCSファースト第1戦以来のスタメンとなった日本ハム矢沢宏太投手(25)が、貴重な適時打を放った。2点リードの4回2死一、三塁、ソフトバンク2番手ヘルナンデスの内角153キロ直球に、バットを折られながらも対応。右翼線に運ぶ、貴重な適時二塁打となった。勝利に貢献し「アグレッシブにいった。詰まったが、結果的にいいところに飛んだのでよかった」と、振り返った。
◆ソフトバンク山川穂高内野手(33)が今CS初アーチで一矢報いた。0-7で迎えた7回1死の場面。日本ハム加藤貴の内角高め142キロ直球を強振し、バックスクリーン左へ運んだ。「自分のスイングができたと思います」。6回には1死三塁で自らの失策が絡んでダメ押し点を献上した。汚名返上の1発を放つも、ダイヤモンドを周回する主砲の表情に笑顔はなかった。
◆日本ハムのベテラン左腕・山崎福也投手(33)が5回途中から登板し、1回1/3 2安打無失点でCS初勝利を挙げた。レギュラーシーズンは主に先発も、終盤はリリーフで準備。この日は5回2死二塁のピンチから継投も「チームに勢いがあって雰囲気がいいので、いい感じで投げてます」。ポストシーズンではオリックス時代の22年10月29日、日本シリーズ第6戦(対ヤクルト)以来3年ぶりの白星となった。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が就任以降、最も強化してきた2000年度生まれの"ミレニアム世代"が躍動した。田宮裕涼捕手(25)が同い年の先発古林睿煬投手(25)を好リードし、打席でも4回に左犠飛、5回にはスクイズを決める2打点の活躍。00年世代は、矢沢宏太投手(25)も1安打1打点、万波中正外野手(25)が2安打、水谷瞬外野手(24)は1安打1得点と気を吐き、勝利を引き寄せた。田宮がどきどきのプレーをしっかり成功させ、流れを引き寄せた。5回、清宮幸の適時二塁打で5点リードした直後の1死二、三塁。「1球目はちょっと狙い過ぎちゃったので。もう気持ちで前に転がそうといきました」。代わったばかりのソフトバンク松本晴の初球でスクイズを試みたがファウル。続く2球目を投前に転がし、大きな6点目をたたき出した。守っては、6月3日阪神戦以来、先発は約4カ月ぶりの古林睿煬を4回2/3、2安打無失点に導くなど、8回まで4投手を好リードし1失点のみ。「(古林は)短いイニングと言われていたので、グーリンのいろんなボールを使って、相手に的を絞らせないように。そしていいまっすぐをうまく使っていった結果」と振り返った。4回1死一、三塁では左犠飛も決め、計2打点。「このシリーズはチャンスで打てていなかったので、まず打点を挙げられて良かった」。直後に同学年の7番万波が左前打で続き、2死一、三塁から8番矢沢が右翼への適時二塁打を放った。"ミレニアム3連続チャージ"で、ソフトバンク投手陣を攻め立てた。00年4月~01年3月生まれの世代は、新庄監督が22年の就任1年目から力を入れ強化してきたチームの軸。昨季ブレークした田宮、水谷を始め、野村は今季開幕4番を務め、シーズン序盤の打線をけん引した。金村は3月28日の開幕西武戦先発を任せられ、プロ初完封勝利で応えた。18日のCSファイナル第4戦では水谷がCS1号、水野が2安打1打点。田宮は「同級生が活躍すると僕もしっかり活躍しなきゃという気持ちがある。いい刺激になっている」と、相乗効果を口にした。育ててくれた指揮官に、崖っぷちから日本シリーズ進出王手をかける、大きな3連勝をプレゼント。最終6戦目へ、田宮は「もう勝つだけ。全力を出し切るだけ」。土俵際からの4連勝で、王者を一気に寄り切る。【永野高輔】
◆日本ハムは19日、20日のCSクライマックスシリーズファイナル最終戦に勝利し、日本シリーズ進出が決まった際は、福岡市内の宿舎でシャンパンファイトを行うと発表した。昨年オフ、選手会からCS突破など、複数の節目でビールかけを行いたいと要望があり、球団も実施を検討。アサヒグループホールディングス株式会社にシステム障害が起こっており、ビール提供が滞っているため「ビールかけ」ではなく「シャンパンファイト」という形で、準備を進めていた。
◆日本ハムのエース伊藤大海投手(28)も日本シリーズ進出へ向けてブルペン待機することになりそうだ。CSファイナルS第3戦で8回116球、5安打無失点11奪三振の快投から中2日で迎える20日の第6戦へ向けて「もう勝つだけなんで。どんな状況、どんな場面であろうと行く準備はします」と力強く話した。後輩右腕を心強くバックアップする。予告先発は第1戦で先発して6回93球、6安打無失点6奪三振と好投した達だ。プロ初の中4日での先発に「もう1度、登板機会が回ってきた時のために準備をしていたので『来たな』という気持ちです。相手はモイネロ投手なので、簡単に点は取れないと思う。自分も球数がどれだけ多くなっても、1点も与えない投球をしたいです」と意気込んだ。そんな達の好投を信じながら、出番が来たら全力を尽くすだけだ。伊藤は「体調は全然問題ない。いい準備して入っていけたらなとは思います。やるべきことをしっかりやって、勝つべくして勝てたら。地に足をつけてやらないと、やっぱ勝てる相手ではない。このまま自分たちの野球を続けて、みんなで最後、笑いたい」。笑顔で日本シリーズへ向かう。
◆日本ハム万波中正外野手(25)がマルチ安打で勝利に貢献した。4回2死一塁からエンドランのサインに反応し、大津の低めのフォークをうまく拾って左前打に。6回には右翼フェンス直撃の三塁打を放ち、7点目のホームも踏んだ。CS7試合で5度目の複数安打、打率4割4分と好調。日本シリーズ進出を懸けた運命の第6戦に向け全集中しており、試合後は「全部終わってからしゃべります」とだけ話した。
◆日本ハムが"新庄マジック"さく裂で、日本シリーズ進出に逆王手をかけた。ソフトバンクとのCSファイナルステージ第5戦(みずほペイペイドーム)は、新庄剛志監督(53)が偽装バントにエンドラン、2ランスクイズなど次々と仕掛けて得点を重ねて快勝。プレーオフ、CSで0勝3敗(アドバンテージの1敗を含む)からは史上初となる3連勝で勝敗をタイに戻した。残すは20日の第6戦だけ。最後の最後で、さぁ、どっちが勝つんだ-。野球の神様に願った以上のドラマチックなCS突破を決める。日本シリーズ進出に逆王手をかけた新庄監督は、さっそうと球場を後にした。歓喜する選手たちをハイタッチで出迎えてから約30秒で帰路へ。報道陣の前に立ち止まることなく、右手で"1番ポーズ"をしながら「ワンモア、ワンモア、ワンモア、ワンモア(あと1勝)」と言っただけだが、表情は明るく、声のトーンも高い。攻めダルマになって仕掛けまくった"新庄マジック"が決まっての3連勝に笑顔だ。試合を動かしたのは4回だ。CS絶好調のレイエスが勝負を避けられるように四球を選んで無死一、二塁。4番郡司は初球と4球目に構えても見逃す偽装バントを実行するなど相手を揺さぶって四球を勝ち取り、満塁とした。続く清宮幸の一ゴロの間に先制点を奪った。さらに2死一塁ではエンドランが成功。万波が大きく空いた三遊間を抜く左前打で一塁走者の清宮幸は三塁まで進み、矢沢の適時二塁打が生まれた。3点リードながら円陣も組んで臨んだ5回は1死二、三塁で2ランスクイズを仕掛けた。二塁走者の清宮幸は本塁でアウトとなったが、場内が大きくどよめくなど新庄監督が繰り出す采配で完全に試合全体を制圧。監督就任から4年間で醸成してきたチーム戦術、選手の対応力、勝負勘。すべてがかみあって、史上初の0勝3敗からの3連勝で逆王手につなげた。下克上突破へ、選手たちのムードも最高潮だ。試合後のロッカーは「ウェーイ!」と大盛り上がり。エンドランに絡み、5回には適時二塁打も放った清宮幸によると「『おい、おい、おい』のかけ声でヒーローが踊るみたいな。昨日はモーレ(レイエスの愛称)が踊ってました。古林も知らなかったと思うんですけど、いい対応力でした(笑い)」と歓喜のダンスタイムでさらに結束は高まった。振り返れば、CSファイナル前日会見で新庄監督は言った。「もしもどこかに神様がいるのであれば、交互に勝っていって最後の最後で、さぁ、どっちが勝つんだっていうシリーズになってくれたらいいなぁ」。そんな劇的展開を超えるドラマを用意していた神様に応えてこそ、新庄監督だ。選手を信じて、決着をつける。【木下大輔】
◆日本ハム古林睿煬投手(25)がCS初登板初先発で4回2/3無失点と好投した。自己最速タイの157キロをマークするなど2安打6奪三振。「不安もあったが、みんなの勢いを止めるわけにはいかない。持っているものを全て出した」。9月18日ソフトバンク戦でリリーフ登板後、上半身のコンディション不良で一時離脱していたが「もういい状態なので、これを維持していきたい」と話した。
◆日本ハムの4番郡司裕也捕手(27)が価値ある2四球で勝利に貢献した。4回は「バントか打つか分からない中でうまく見極めながら」と偽装バントなど1球ごとにサインが変わる中で冷静に対応して四球を選び、先制点につなげた。5回の四球も追加点につながった。ともに好調な3番レイエスの四球の後の打席で「郡司勝負をしたかったんでしょうね」と相手バッテリーの狙いを読み、最高の仕事を果たした。
◆ソフトバンク東浜巨投手(35)が8回に5番手で登板し、1回を無安打無失点に抑えた。先頭の万波を二飛に仕留め、後続も二ゴロ、遊ゴロで3者凡退に抑えた。今シリーズ初登板を終え「緊張しましたけどマウンドに上がって自分の力を出すことだけを考えていたので」と振り返った。チームは3連敗で逆王手をかけられ、CSファイナル第6戦に臨む。「どこでも、何イニングでも投げたいです」と意気込んだ。
◆日本ハム山県秀内野手(23)が19日、ソフトバンクとのCSファイナルステージ第5戦(みずほペイペイドーム)で負傷交代した。1回1死一塁で二盗したソフトバンク周東佑京内野手(29)の左足のスパイクがベースカバーに入った山県の左足に直撃。その場で倒れ込んだ山県は担架で運ばれて途中交代。試合中に福岡市内の病院へ向かって検査を受け、左大腿(だいたい)部挫創と診断されて縫合処置を受けた。
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは最終第6戦にもつれ込んだ。リーグ王者のソフトバンクが2連勝で突破王手から痛恨3連敗。3試合とも6点差の完敗で投打に精彩を欠いた。最終決戦は、15日の第1戦で7回無失点の好投を見せたリバン・モイネロ投手(29)が先発。中4日で左腕エースを投入し、日本シリーズ進出を狙う。第1戦から2連勝。アドバンテージを含め3勝0敗とし、ソフトバンクは日本シリーズ進出に王手をかけていた。しかし一転、第3戦から3連敗。さらに全て6点差以上の完敗で、合計22失点、得点はわずか4だ。CSファイナルステージで3勝0敗からの3連敗は史上初の屈辱。新庄ハムを先に追い込んだはずが、逆に追い込まれた。4番に柳田を据える打線改造も実らなかった。先発大津は無念の4回途中3失点。2番手のヘルナンデスも乱調で傷口を広げた。得点はほぼ勝負が決した0-7の7回に飛び出した山川のソロアーチのみ。投打で見せ場がなかった。本拠地のはずが、連日みずほペイペイドームは不穏な空気に包まれる。3勝3敗の五分となり、20日の第6戦が最終決戦となった。引き分け以上で日本シリーズ進出。負ければ今シーズン終了が決まる。流れを変えるべく先発は左腕エースのモイネロ。中4日でマウンドに上がる男は「ここまで全員で戦ってきて、積み上げてきたものがある。あとは自分の役割をしっかり果たすだけだと思っている」と力を込めた。モイネロは15日の第1戦に先発し、7回110球を投げて5安打無失点。中20日もの登板間隔がありながら、チームをサヨナラ勝利に導いた。今季の本拠地日本ハム戦は、CSを含め防御率0・29。先発4試合で1完封を含む計31回を投げ自責1だ。みずほペイペイドームで強力打線の前に仁王立ちしてきたモイネロ。「1球1球に集中して、自分の投球を貫くだけ。チームを勝たせるために、全力で腕を振りたいと思う。とにかく、最後に勝つ。それだけだね」。大一番での快投を誓った。シーズン最終盤まで覇権を争った日本ハムがCSでも立ちはだかった。突破か、敗退か。セ界王者の阪神に挑むのは小久保ホークスか新庄ハムか。運命の第6戦は王者の意地を見せてほしい。【只松憲】
◆日本シリーズ進出に王手をかけながら2連敗したソフトバンクは、柳田悠岐外野手(36)が「4番・左翼」で先発する。第2戦で決勝3ラン本塁打を放っており、正念場での猛打発揮に期待がかかる。大津亮介投手(26)が先発する。「チーム一丸となって戦うこのCSの舞台で、自分の投球でチームを勝利に導けるように、1球1球に魂を込めて全力で腕を振ります。ファンの皆さんの声援を力に変えて、必ず優勝をつかみ取ります!」と宣言してマウンドに立つ。
◆「2番・遊撃」で先発出場した日本ハムのドラフト5位・山県秀内野手(23)が一回の守備中に負傷し、途中交代した。0―0の一回1死一塁。二盗を狙ったソフトバンク・周東佑京の左足が二塁ベースカバーに入った遊撃手、山県の左膝が接触した。山県は自力で歩くことができず。担架に運ばれ、ベンチに引き揚げた。
◆ソフトバンク先発・大津亮介投手(26)は四回途中でマウンドを降りた。一回は2死からレイエスに左前打を許したが郡司を空振り三振に斬って無難に立ち上がる。二回、三回を三者凡退で抑えたが、四回、先頭の途中出場・石井に中前打で出塁させ、レイエス、郡司に連続四球を与えて満塁。清宮幸の一ゴロの間に1点先制を許した。さらに1死一、三塁で田宮に左犠飛を上げられて0-2とされると、続く万波に 左前に運ばれ2死一、三塁とされたところで2番手ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)への交代を告げられた。ヘルナンデスは矢沢に適時二塁打を許し0-3とリードを広げられた。登板前に「どんな相手にも絶対に負けないという強い気持ちを持ってマウンドに上がりたいと思います」と気持ちを高めていた大津だったが、3回?、62球を投げて3安打3失点の結果となった。
◆日本ハムが四回に3点を先制。試合の主導権を握った。安打と連続四球で無死満塁とすると、5番・清宮幸の一ゴロの間に1点を先制。6番・田宮が「このシリーズはチャンスで打てていなかったので、まずは打点をあげられてよかったです」と左犠飛を打ち上げると、8番・矢沢の右翼線への適時二塁打で3点目を奪った。矢沢はカウント2―1から2番手左腕、ヘルナンデスの153キロをフルスイング。バット折りながらも右翼線へ運び「詰まりましたが、結果的にいいところに飛んだのでよかったです」と振り返った。
◆ソフトバンクは0-6の六回の守備で4番・一塁でスタメン出場した山川穂高内野手(33)が痛いダブルエラーを犯した。三塁打で出塁した万波を塁に置いた1死三塁の場面で、9番水野が放った打球を山川がファンブル。慌ててつかみなおしたがベースカバーに入った松本晴へのトスが逸れてファウルグラウンドへ転々とする間に三塁走者の万波の生還を許し0-7とされた。
◆ソフトバンクは0-7の七回に山川穂高内野手(33)が左中間にソロ本塁打を放って1点を返した。1死走者なしで迎えた第3打席で、カウント1-2から、この回から登板した加藤貴の内角高め直球を放った打球が高々と上がり、左中間スタンドに飛び込んだ。ダイヤモンドを一周した山川はベンチ前に戻ると「どすこーい!」のポーズを決めて盛り立てた。六回の一塁守備では1死三塁で打球をファンブルしてさらに一塁悪送球と失策を重ねて失点を許していた。「自分のスイングができたと思います。何とかこの流れを変えていきたいです」とコメントした。
◆ソフトバンクは3試合連続の6点差で3連敗。対戦成績を3勝3敗(アドバンテージ1勝を含む)とタイに持ち込まれた。先発の大津亮介投手(26)は四回に満塁のピンチを招くと清宮幸の内野ゴロの間に1点先制される。さらに田宮の犠飛で失点し、続く万波に左前打を浴びたところで降板。代わった2番手ヘルナンデスも矢沢に右翼線への二塁打を許して3点をリードされた。ヘルナンデスは五回にも清宮幸に2点二塁打を浴びるなど3失点。六回には一塁・山川穂高内野手(33)のダブルエラーもあり、1点を加えられた。打線は七回に山川が左中間越えにソロを放って1点を返したが反撃はそこまで。ソフトバンクは第1戦から2-1、3?0のスコアでアドバンテージを含んで3連勝したが、17日の第3戦から0?6、3?9、1?7で3連敗。20日の第6戦では引き分け以上で日本シリーズに進出する。
◆日本ハムが効果的に加点した。0―0の四回に矢沢の適時二塁打などで3点を先行。五回は清宮幸の2点打と田宮のスクイズで加点し、六回も1点を奪った。古林睿煬は五回途中まで無失点と好投。ソフトバンクは投打に精彩を欠いた。
◆昨季、台湾プロ野球でMVPに輝いた剛腕が、負けられない一戦で力を発揮した。日本ハム・古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(25)=前統一ライオンズ=が6月3日の阪神戦(エスコン)以来、約4カ月半ぶりに先発し、4回?を投げて2安打無失点と好投。力強い直球が最大の武器で「火球男」との異名を持つ右腕がチームを救った。「自分の持っているものを全て出して、抑えることを考えながら投げました」自慢の剛速球がうなりを上げた。最大のピンチは立ち上がりの一回。四球と盗塁などで2死満塁とされ、左打席に4番の柳田を迎えた。窮地で「初回に失点すると野手にも負担がかかってしまうので」とギアチェンジ。今季最速を2キロ更新する自己最速に並ぶ157キロの直球で空振り三振に仕留めた。やり返した。9月18日、ソフトバンクとの首位攻防戦で1点リードの八回に3番手としてマウンドに上がると、栗原に同点ソロを被弾。勝ち越しにつながる1死満塁のピンチを招いて降板し、チームはその後、逆転負けした。同じ轍を踏まないため、準備を怠らなかった。今回は前日までに先発した伊藤ら4投手に相手打線の傾向や特徴を聞くなど、データ収集を徹底。イニング数を上回る6奪三振の快投につなげ「あの試合がいい経験になった」とうなずいた。これでチームは負けたら敗退の崖っぷちから3連勝。最終第6戦へ持ち込んだ。敵地でヒーローインタビューを受けた古林は日本語で「明日も一緒に頑張ろう!!」と左翼席の一角で声援を送る応援団に呼び掛けた。ミラクルを起こし、日本シリーズへ突き進む。(加藤次郎)
◆〝NEW福也〟がブルペンを支えている。先発を務めてきた日本ハム・山崎福也投手(33)はレギュラーシーズン最終盤から中継ぎに配置転換された。ソフトバンクとのCSファイナルステージでは計2試合で2回?を投げて無失点と好投しており「やっぱりゼロなんで、それはよかった。違和感なくいけています」と手応えをにじませる。救援投手として直球の出力を高める力投派にモデルチェンジした。17日の第3戦では今季最速を1キロ更新する146キロの直球をマーク。この日の第5戦では2番手で登板し、1回?を投げて2安打無失点で勝ち投手になった。ブルペンを管轄する武田投手コーチは「元々140キロ後半を投げられる。良いときの状態に戻ってきた」と目を細める。「結果を残すことだけ意識したい」と山崎。チームの勝利のため、どんな場面でも懸命に腕を振る。(次)
◆日本ハムは15日の第1戦で93球を投げ、6回6安打無失点と好投した達孝太投手(21)が、中4日で第6戦に先発する。相手の先発はモイネロで第1戦と同じマッチアップ。最優秀防御率(1・46)に輝いた助っ人左腕との再戦に向けて「もう一度、登板機会が回ってきたときのために準備をしていたので、来たな...という気持ちです。相手はモイネロ投手なので簡単に点は取れないと思う。球数がどれだけ多くなっても、1点も与えない投球をしたいです」と誓った。
◆ソフトバンクは日本シリーズ進出にあと1勝としながら3連敗。日本ハムに「逆王手」をかけられ、もう負けられない最終決戦を迎えることになった。「一騎打ちでやってきたチームと今年パ・リーグの最後の試合。勝てば日本シリーズ、負ければ今季終了。わかりやすい。やるだけです」もう開き直るしかないといわんばかりに、小久保監督は短く言い残して会見を終えた。2連勝してから3試合連続で6点差をつけられての大敗。パ・リーグではレギュラーシーズン1位チームがCS初戦を勝った場合、過去19度全てで日本シリーズ進出と圧倒的優位に立っていたはずが、逆に追い込まれた。前日2安打の柳田を2季ぶりの4番に据えるなど打順を大幅に組み替えるも、一回は2死三塁の先制機で柳田が空振り三振。0―6の五回は先頭の栗原が二塁打で出塁しながら、後続が倒れた。前日に負傷した中村に代わり、「7番・一塁」で出場した山川は0-6の六回1死三塁で、水野の打球に対してファンブルと悪送球を続けるダブルエラーを犯して1点を献上。それでも、七回に唯一の得点となるソロ本塁打を放ち、試合後は「明日は絶対勝ちましょう!」と話し、球場を後にした。泣いても笑っても今シリーズはあと1試合。言い訳なしの勝負に全員でぶつかる。(上阪正人)最終戦へ向けて選手会長のソフトバンク・周東 「全員が終わったときにグラウンドで倒れるぐらい必死にいかないと勝てない相手。きれいな野球はいらない、泥臭く」CS初の「4番・左翼」でスタメン出場し、六回に中前打を放ったソフトバンク・柳田 「(第6戦へ)日々新たにいきましょう」八回に登板し三者凡退に抑えたソフトバンク・東浜 「久しぶりなんで緊張しました。あしたも、どこでも何イニングでも投げます」
◆ソフトバンク・王球団会長は、静まり返るドームの通路を歩きながら、宿敵相手の敗戦を受け止めた。「しようがない。きょうは向こうのいい面が出て、うちの悪いところが出た。守りのミスもあったからね」四回に3点を奪われて相手に主導権を握られると、打線も反撃の糸口を見つけられない。六回には山川のダブルエラーも絡んで追加点を許し、七回に山川のソロ本塁打でやっと完封負けを阻止するのが精いっぱいだった。今季最後までリーグ優勝を争った日本ハムの勢いに完全に飲まれてしまった形だ。レギュラーシーズンと同様、CSでも、王会長は本拠地での試合前には一塁ベンチに座り、打撃練習を一球一球チェックする姿を見せた。引き揚げてくる選手には激励の声をかける。監督時代はケージ裏でのルーティーンだったが、ユニホームを脱いでからもその姿勢は変わらない。最終戦で勝利するか引き分けで、大舞台への切符をつかむ。その先に待ち構えるのは、ダイエー監督時代の2003年の日本シリーズで、4勝3敗の激闘の末に制した阪神だ。総力戦となる大一番へ「あしたはコイン投げみたいなものだから、あした、あした」と鼓舞した。(澄田垂穂)
◆20日の第6戦に先発するリバン・モイネロ投手(29)は中4日で臨む登板へ闘志を高めた。「一球一球に集中して、自分の投球を貫くだけ。チームを勝たせるために全力で腕を振りたい。とにかく最後に勝つ。それだけだね」。第1戦では7回5安打無失点。チームの命運を握るマウンドで再び快投を見せる。
◆ソフトバンクは3試合連続の6点差で3連敗。対戦成績を3勝3敗(アドバンテージ1勝を含む)とタイに持ち込まれた。
◆?レギュラーシーズン2位の日本ハムが0勝3敗(ソフトバンクにアドバンテージの1勝)から3連勝し、対戦成績を3勝3敗のタイにした。プレーオフ、CSでともに日本シリーズ出場に王手をかけたケースは、昨年の巨人-DeNAに続く通算10度目。過去9度のうち、追いついた球団が逆転で日本シリーズ進出を決めたのは、1977年の阪急(対ロッテ)、2010年のロッテ(対ソフトバンク)、12年の巨人(対中日)の3度で、突破率は33・3%。?プレーオフ、CSで3連敗した後に3連勝したケースは、12年の巨人(対中日、1勝3敗=アドバンテージの1勝を含む=から3連勝して日本シリーズ進出)以来13年ぶり2度目。0勝3敗から3連勝は史上初。?日本シリーズで3連敗から3連勝したのは、58年の西鉄(対巨人、日本一)、76年の巨人(対阪急、敗退)、86年の西武(1分けを含む、対広島、日本一)、89年の巨人(対近鉄、日本一)の4度のうち、逆転の日本一が3度。?第3戦から3試合全て6点差をつけて勝利。プレーオフ、CSで3試合連続で6点差以上をつけて勝利したのは初めてで、日本シリーズを含めたポストシーズンでは05年日本シリーズ第1-3戦のロッテ(9点差→10点差→9点差、対阪神)以来20年ぶり2度目。

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