ソフトバンク(★0対6☆)日本ハム =クライマックスシリーズ3回戦(2025.10.17)・みずほPayPayドーム福岡=
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日本ハム
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ソフトバンク
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勝利投手:伊藤 大海(1勝0敗0S)
敗戦投手:上沢 直之(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】レイエス(2号・4回表ソロ),山縣 秀(1号・7回表ソロ)

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◆日本ハムは初回、郡司の犠飛で先制に成功する。その後は4回表にレイエスのソロが飛び出すと、7回には郡司の適時二塁打などで4点を加え、リードを広げた。投げては、先発・伊藤が8回無失点11奪三振の快投。最後は山崎福也が三者凡退で締めた。敗れたソフトバンクは、投打ともに振るわなかった。

◆日本シリーズ進出に王手をかけているソフトバンクは、きょう○か△でファイナルステージ突破が決まる。アドバンテージを含めて3勝0敗。先発は上沢直之投手(31)が務める。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで46チームのうち43チームが進出。今回のように無傷で王手は昨年のソフトバンクまで24チームすべて突破している。断然有利に変わりないが、油断は禁物だ。昨年のDeNAとの日本シリーズでは、敵地で2連勝した後に本拠地で3連敗、再び横浜に戻って4連敗。日本一の座をつかむことはできなかった。忘れられない屈辱がある。小久保監督は「あと1勝? はい。もう一気にいきたいですね」ときょう決める覚悟を示した。足元を見つめながら、あと1勝をつかむ。【只松憲】

◆日本ハム伏見寅威捕手(35)が出場選手登録された。レギュラーシーズン最終盤の9月29日に抹消されていた。CSファーストステージが始まる前には1軍へ合流していたが、ここまで登録されていなかった。代わりに、16日のCSファイナルステージ第2戦に先発した福島蓮投手(22)が同第3戦以降で登板機会がないため、抹消された。前夜はプロ最多125球を投げてプロ最長7回1/3を3安打2失点、プロ最多10奪三振の快投も打線の援護に恵まれず、黒星を喫していた。

◆引き分け以上で日本シリーズ進出が決まるソフトバンクのスタメンが発表された。2番は「伊藤大海キラー」の川瀬晃内野手(28)。対伊藤はポストシーズンを含めて50打数19安打の打率3割8分。今年の5月20日の対戦ではエスコンフィールドでプロ1号を放っている。9番には背部痛から復帰した周東佑京内野手(29)が入った。先発は移籍1年目の上沢直之投手(31)が務める。日本ハム戦は5月1日に先発し、7回3安打3失点(自責は2)で敗戦投手になった。CS突破がかかる大一番で古巣から"初勝利"をあげられるか。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)がスタメンを3人入れ替え、崖っぷちからの逆襲に出る。16日はベンチ外だった水谷瞬外野手(24)を「1番左翼」、前日はベンチスタートの山県秀内野手(23)を「7番遊撃」、五十幡亮汰外野手(26)を「9番中堅」で、今CS初スタメン起用する。

◆日本ハムがファイナル3戦目で初めて先制点を奪った。1回1死一、三塁、4番郡司裕也捕手(27)が右犠飛を放ち、得点を挙げた。郡司は第2戦の4回1死二、三塁のチャンスで一邪飛に倒れるなど、ファイナル2戦8打数無安打と苦しんでいたが、負ければ終わりという崖っぷちの一戦で貴重な一打を放ち「打ったのはフォークです。勝つ」と短いコメントに、思いを込めた。日本ハムは第1戦の8回にレイエスのソロによる1点を奪ったが、16日の第2戦は無得点。この先制点が今ファイナル2点目となった。

◆ソフトバンク牧原大成内野手(33)が右翼の守備でスーパーキャッチを見せた。0-1で迎えた3回1死の場面だった。日本ハム水谷の放った打球が右翼方向へ舞う。牧原大はグラブを目いっぱいに伸ばし、最後は右翼フェンスぎりぎりでジャンピングキャッチした。フェンスに激突しながらのスーパープレーに、スタンドからは大きな拍手が送られた。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)がCSファイナルステージ2発目となるアーチで追加点をもたらした。1点リードの4回先頭、ソフトバンク上沢の外角高めツーシームを角度よく捉えた。ややバットの先だったが、力で押し込んだ。打球は左翼テラス席に飛び込み、巨体を揺らしてゆっくりとダイヤモンドを1周した。「エネルギーたっぷりで、勝つ気満々です。高いモチベーションで打席に入り打つことができました」とみなぎる活力を結果につなげた。15日のソフトバンクとのCSファイナル第1戦でも一時同点となるソロを放っていた。負ければシーズン終了の崖っぷちで、頼れる助っ人が自慢のパワーを発揮した。

◆バチバチに威光を放つ初球のストレートを"粉砕"レイエスがソロホームラン?CSファイナルステージ第3戦 (2025/10/17)??ソフトバンク×日本ハム#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/KViLqyw3I8

◆ルーキー山県秀内野手(23)が"DM弾"を決めた。CSファイナルステージ1号アーチを放った。2点リードの7回先頭、ソフトバンク上沢のカーブを芯でつかまえた。力みなくスイングし、両手に残る好感触が残った。打球は左翼スタンドまで届き、ベンチの新庄監督も驚きと歓喜が入り交じった表情で、両手を上げた。山県は「昨日の夜中にボス(新庄剛志監督)から「力むなよ」とDM(ダイレクトメッセージ)が来たので、その通りにリラックスして打席に入りました」とコメント。新庄監督からSNS経由で届いた助言を意識し、最高の結果を導いた。ペナントでは3本塁打で、守備が持ち味のルーキー。ただ9月9日ソフトバンク戦でモイネロから2打席連発の本塁打を放っていた。意外性を秘めたパンチ力を、負ければファイナルステージ敗退の土壇場で発揮した。

◆CS放送「スポーツライブ+」で解説を務めた元ソフトバンクの摂津正氏(43)が、日本ハムドラフト5位ルーキー山県秀内野手(23)のポストシーズン初本塁打に脱帽した。日本ハムが2点リードで迎えた7回、ソフトバンク先発上沢の2球目、高めに浮いたカーブを完璧に捉え、左翼席へソロアーチを描いた。摂津氏は「ここでの3点目は重い。厳しくなりましたね」とコメント。両先発が好投を続ける投手戦の中、痛恨の追加点となった。山県は1年目の今季、レギュラーシーズンで3本塁打を放ち、そのうち2本はソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)から。遊撃守備が持ち味ながらパンチ力も備え、「うまくやられていますよね」と摂津氏は振り返った。ホークアイのデータによると、打球速度158キロ、打球角度33度、推定飛距離111メートルだった。

◆ガタシューのパンチ力笑顔のダイヤモンド一周ルーキー・山縣秀が値千金のホームラン?CSファイナルステージ第3戦 (2025/10/17)??ソフトバンク×日本ハム#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/Qvqa6mdlqz

◆日本ハムが負ければ終戦の崖っぷちで1勝を挙げた。初回1死一、三塁、郡司裕也捕手(27)の右犠飛で今ファイナルステージ初の先制点を奪うと、4回先頭でフランミル・レイエス外野手(30)が左越えソロ。さらに、7回先頭でルーキー山県秀内野手(23)が、ポストシーズン初本塁打となる左越えソロで3点目を加えると、2死満塁で郡司がセンターへ走者一掃の二塁打を放ち、この回一挙4点を追加した。投げては2年連続最多勝のエース伊藤大海投手(28)が8回5安打11三振無失点と好投。昨季はCSファーストステージ登板を回避し、満を持してソフトバンクとのファイナルステージ初戦に先発も、5回2/3で10安打4失点と打ち込まれていたが、リベンジを果たした。日本ハムは前回日本一に輝いた16年以来9年ぶりにファイナルステージ白星。敵地でのファイナルステージ勝利は、ヤフオクドーム(現みずほペイペイドーム)で行われた14年(対ソフトバンク)以来11年ぶりとなった。

◆ソフトバンクが敗戦し、日本シリーズ進出は第4戦以降に持ち越しとなった。アドバンテージを含め3勝1敗。先発の上沢直之投手(31)がレギュラーシーズン含め今季最多126球の熱投も7回途中7安打6失点(自責は5)。0-3の7回に2死満塁のピンチを背負って降板し、後続のピッチャーが3点適時打を許した。打線も日本ハム伊藤の前に沈黙。小久保裕紀監督(54)は昨年からCS6戦目にして初黒星となった。

◆日本ハムが負ければ終戦の崖っぷちで1勝を挙げた。初回1死一、三塁、郡司裕也捕手(27)の右犠飛で今ファイナルステージ初の先制点を奪うと、4回先頭でフランミル・レイエス外野手(30)が左越えソロ。さらに、7回先頭でルーキー山県秀内野手(23)が、ポストシーズン初本塁打となる左越えソロで3点目を加えると、2死満塁で郡司がセンターへ走者一掃の二塁打を放ち、この回一挙4点を追加した。投げては2年連続最多勝のエース伊藤大海投手(28)が8回5安打11三振無失点と好投。昨季はCSファーストステージ登板を回避し、満を持してソフトバンクとのファイナルステージ初戦に先発も、5回2/3で10安打4失点と打ち込まれていたが、リベンジを果たした。新庄剛志監督(53)はファイナル6戦目にして初勝利を挙げ「つり名人(伊藤)と4番の顔(郡司のこと)。あとは選手に聞いてあげて!」と粋なコメントを残して球場を後にした。日本ハムは前回日本一に輝いた16年以来9年ぶりにファイナルステージ白星。敵地でのファイナルステージ勝利は、ヤフオクドーム(現みずほペイペイドーム)で行われた14年(対ソフトバンク)以来11年ぶりとなった。

◆日本ハム北山亘基投手(26)がチームの夢をつなぐ。試合後にCSファイナルステージ第4戦の予告先発として発表された。「(伊藤)大海さんとチームのみんながつないでくれたバトンを、しっかり次につなげるように出し切るのみです」とコメント。CSファーストステージ第2戦ではオリックス相手に4回4失点で降板した悔しさも、負けられない一戦でぶつける。

◆日本ハムが負ければ終戦の崖っぷちで1勝を挙げた。エース伊藤大海投手(28)が8回5安打11三振無失点と好投。日本ハムは前回日本一に輝いた16年以来9年ぶりにファイナルステージ白星。敵地でのファイナルステージ勝利は、ヤフオクドーム(現みずほペイペイドーム)で行われた14年(対ソフトバンク)以来11年ぶりとなった。伊藤が11奪三振、上沢が10奪三振。ポストシーズン(プレーオフ、CS、日本シリーズ)の同じ試合で2人が2桁奪三振は初めて。プレーオフ、CSの1試合2桁奪三振は前日16日の福島蓮(日本ハム)に次いで14、15人目(20、21度目)となり、同一シーズンでは初めてチーム2人がマークした。ソフトバンク打線はプレーオフ、CS通算12度目(セ5度、パ7度)の毎回三振を喫した。

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)がCSファイナルステージ2号となるソロ本塁打を放った。1点リードの4回先頭、ソフトバンク上沢の高めツーシームを左翼テラス席に運んだ。第1戦に続く1発。レギュラーシーズン後の休養期間を有効的に使い、ポストシーズンに調子を合わせてきた。「本塁打が打てたことは実際、どちらでもいい。勝ったという結果にすごく満足」とチームの勝利を喜んだ。

◆背部痛から復帰したソフトバンク周東佑京内野手(29)が今CS初、約1カ月ぶりに「9番中堅」でスタメン出場した。2打数ノーヒットだったが、8回は先頭で四球を選んで出塁。守備では7回2死満塁で郡司が放ったライナー性の打球に勢いよく飛び込むハッスルプレーを見せた。走者一掃の適時二塁打となり、体もグラウンドで強打したが「大丈夫です」と問題なしを強調した。

◆ソフトバンクは完封負けの中、柳町達外野手(28)が3安打で気を吐いた。2回無死で中前打を放ち、4回には1死から中越え二塁打。7回は先頭で左前打をマークし、日本ハムのエース伊藤から固め打ちを決めた。今シリーズは3試合とも2安打以上を記録し、打率5割8分3厘と打ちまくっている。「チームのために(打つ)っていうのがいい方向にいっているのかなと思います」とうなずいた。

◆日本ハムが崖っぷちから4番の一打で踏みとどまった。ソフトバンクとのCSファイナルステージ第3戦(みずほペイペイドーム)の1回に第2戦まで8打数無安打だった郡司裕也捕手(27)が決勝の先制犠飛を放った。7回には満塁で走者一掃となる適時二塁打も放って海賊打線のキーマンが完全復活。負ければ敗退が決まる一戦でも信頼してスタメン起用してくれた新庄剛志監督(53)にCSファイナル初勝利を贈った。郡司は腹をくくって"4番の顔"を決めていた。「今日打てんかったらもう...切腹ぐらいの覚悟で。チャンスが追ってきますね、僕にね」。この日も1回1死一、三塁で、最初の打席が回った。「いきなり来たか」。プレッシャーもある中で、冷静に状況を整理。高く浮いてきたフォークを右翼へ運んで、先制の犠飛とした。4番の仕事を果たして「ちょっとホッとした」と気持ちも落ち着いた。新庄監督からの信頼、期待に応えた。第2戦まで8打数無安打。CSファーストステージでは本塁打も放ったが、ソフトバンクの徹底マークを攻略できていなかった。「今日は正直(スタメンから)外されるかなって...」と覚悟していたが、前夜の試合後。指揮官からインスタグラムのDMで「『今年は郡司がいなかったら...』って、あらためて言ってもらった」と意気に感じ、覚悟を決めていた。2位に終わったレギュラーシーズン。新庄監督は「郡司君がいなかったらゾッとする1年」と振り返っていた。今季も本職の捕手だけでなく一塁、三塁、左翼に中堅も守り、打順も経験しなかったのは9番だけ。もちろん代打としても重宝された。常にチームに足りない部分を補う、唯一無二の存在感は日に日に大きさを増し、最後は4番にも定着。だから負ければ終わりの試合でも「4番郡司」で勝負に出て、勝った。郡司は7回には満塁の走者を一掃する適時二塁打でダメ押しした。試合中には新庄監督からも声をかけられたが、「ちょっと"ピー"が入りそうなんで言えないです(笑い)。ねぎらいというか"おわらい"というか」とウイットに富む"郡司節"も復活。「ホークスも余裕があるとはいえ、プレッシャーはあると思う。攻めの姿勢を続けられれば」。大逆転4連勝まで、あと3つだ。【木下大輔】

◆左肩の亜脱臼から復帰したソフトバンク正木智也外野手(25)が約6カ月ぶりに1軍出場した。7回に2死一塁から代打出場。結果は遊飛に倒れたが「冷静に入れた。ボールもよく見えていた」と手応えを明かした。その後は右翼守備に就き「守備にも就かしてもらって、無難にこなせた。そこは収穫」と納得の表情だ。宮崎でのフェニックスリーグでアピールし「右の代打」としてCSからメンバー入りした。

◆ソフトバンクが日本ハムに完敗し、日本シリーズ進出は第4戦以降にお預けとなった。先発の上沢直之投手(31)がレギュラーシーズン含め今季最多126球の熱投も、7回途中7安打6失点(自責は5)で無念の黒星。打線も日本ハムのエース伊藤の前に沈黙し、今シリーズ初の完封負けを喫した。18日は今季最高勝率のタイトルを獲得した大関友久投手(27)をたてて仕切り直しを図る。上沢の力投は実らなかった。0-3の7回2死一、三塁。振り絞って投じた126球目のフォークはレイエスに見定められ、四球で歩かせてしまった。ここで小久保監督は継投策に出る。2番手に木村光をマウンドに送ったが、郡司に走者一掃の左中間3点適時二塁打を献上。6点差となり、勝負の行方が決した。上沢は古巣日本ハム相手に7回途中7安打6失点(自責は5)で無念の黒星。「何とか粘り強く投げなければと思いましたが、最後にあのような形でマウンドを降りることになってしまい悔しい」と肩を落とした。レイエスの直前は2死三塁で田宮に四球を与え、この時点で球数は119球。絶好調の助っ人砲の前に継投策も考えられたが、小久保監督は上沢に託し「レイエスで代えても良かったけど、最後に振り絞ることができるピッチャーなので」と意図を説明した。期待した結果とは違うが、今季の先発陣を引っ張ってきた上沢への信頼の証だった。打線も日本ハムのエース伊藤の前に沈黙。今シリーズ初の完封負けを喫した。小久保監督は「昨日の(16日に先発した)福島もですけど、こんな大舞台ですごいピッチングをされますね」と脱帽。この日は2番に「伊藤キラー」の川瀬を起用したが、最後までホームが遠かった。「それくらい向こうのピッチャーがいいということでしょう。どうやったら(打線が)つながるのかを考えます」と切り替えを強調した。これでアドバンテージを含め3勝1敗となり、日本シリーズ進出は第4戦以降に持ち越し。18日の先発は今季最高勝率のタイトルを獲得した大関に託された。セ・リーグではリーグ王者の阪神が一足先に日本シリーズに進出。次こそ決める。【只松憲】

◆エースが望みをつないだ。負ければ終わりの崖っぷちで、日本ハム伊藤大海投手(28)が8回5安打11奪三振無失点の好投。CSファイナルS初勝利を挙げた。昨年はファーストSを回避してソフトバンクとのファイナルS初戦に先発も敗戦。1年後に戻って来た同じ舞台で雪辱を果たし、チームの対戦成績を1勝3敗(アドバンテージ含む)とした。エース伊藤は、ヒーローインタビューの最後に叫んだ。王手をかけられてからの逆転突破へ「絶対勝つぞ~!」。熱い思いをこめた雄たけびがやや聞き取りにくいものになったのは、投球に全集中していた証し。「何も考えてなくて。とりあえず叫べばいいかなと。すみません。口が回ってませんでした」。重圧をはねのけた崖っぷちでの1勝に、ホッとしていた。11日のCSファーストS初戦は、感情を封印して"クール"に決めたが、この日は勝負どころで目いっぱいに声を張り上げた。「今日、勝ちきれないことには意味がなかったので」。援護が2点となった4回、1死から柳町に中越え二塁打を浴びたが、牧原大をスプリットで二ゴロ、野村を152キロの直球で空振り三振に斬った。激しく雄たけびを上げ、チームを鼓舞した。"先輩と後輩"の存在が、好投を引き出した。兄のように慕う上沢との直接対決。「プロ野球選手として1から全て教わった。感謝もありましたし、勝てたのは本当にうれしい」。さらに第2戦の有原の投球も「すごく勉強になった」と言った。一方で「(1、2戦目で好投した達)孝太と(福島)蓮に『僕らは抑えましたよ』みたいなことを言われていたので、彼らより長いイニング、より多い三振を絶対に取ろうと思ってマウンド上がりました」。2人よりイニングも三振数もしっかり上積みした8回11奪三振無失点。絶対エースが、崖っぷちからのミラクル劇を、開演させた。【永野高輔】

◆ルーキー山県秀内野手(23)がCSファイナルステージ1号アーチを放った。2点リードの7回先頭、ソフトバンク上沢のカーブを芯でつかまえた。力みなくスイングし、両手に残る好感触が残った。打球は左翼スタンドまで届き、ベンチの新庄監督も驚きと歓喜が入り交じった表情で、両手を上げた。ルーキー山県がCS初本塁打。プレーオフ、CSで新人の本塁打は23年ファイナルS<1>戦森下(阪神)以来7人目で、日本ハムでは初めて。日本シリーズで本塁打を打った日本ハムの新人は東映時代の62年<5>戦でサヨナラ弾の岩下だけで、ポストシーズンでは球団63年ぶりの新人の1発だった。

◆ソフトバンク上沢直之投手(31)が手痛い1発を猛省した。0-1の4回先頭でレイエスにソロアーチを浴び、7回先頭でも山県にCS発アーチを許した。「やっぱり要所要所での1発で流れが相手にいっている感じがあった。あの2発。レイエスのホームランと山県のホームランは防ぎたかった」と振り返った。特に山県の本塁打は高めに浮いたカーブを左翼スタンドに運ばれた。上沢は「浮いたのは浮いたんですけど、あそこに手を出してくる人はなかなか少ないというか。ちょっと予想外ではありました。あそこに運ばれたのは」と驚き。その後は2死満塁のピンチを背負って降板。2番手の木村光が郡司に走者一掃適時打を浴び、レギュラーシーズン含め今季最多126球の熱投も7回途中7安打6失点(自責は5)で無念の黒星を喫した。アドバンテージを含めて3勝1敗。日本シリーズ進出は第4戦以降に持ち越しとなった。

◆日本ハム山県秀内野手(23)が1学年下の右腕からの重圧をはねのけ? ソロ本塁打を放った。2点リードの7回先頭、ソフトバンク上沢の高めカーブを左翼席に運んだ。この日の朝食時、第2戦で好投した福島から「山県さんにかかってますよ」と鼓舞され「3打席連続本塁打」を宣言。さすがに実現ならずも「プレッシャーに自分で打ち勝ってよかった」と、貴重な追加点となるアーチをかけた。

◆日本ハム山県秀内野手(23)がCSファイナルステージ1号となる本塁打を放った。2点リードの7回先頭、ソフトバンク上沢の高めカーブを左翼席まで運んだ。直後の球団配信コメントは「昨日の夜中にボス(新庄監督)から「力むなよ」とDMが来たので、その通りにリラックスして打席に入りました」。試合後、新庄監督から届いたインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)のより細かな中身や状況を明かした。

◆ソフトバンクが日本ハムに完敗し、日本シリーズ進出はお預けとなった。先発の上沢直之投手(31)がレギュラーシーズン含めて今季最多126球の熱投を見せたが、7回途中7安打6失点(自責は5)で無念の黒星。打線も日本ハムのエース伊藤らの前に沈黙し、5安打完封負けを喫した。セ・リーグはこの日、阪神が3連勝でCS突破を決定。ホークスは18日に13勝左腕大関友久投手(27)を立てて必勝を期し、虎の相手に名乗り出る。上沢の力投は実らなかった。0-3の7回2死一、三塁。振り絞って投じた126球目のフォークはレイエスに見極められ、四球で歩かせてしまった。ここで小久保監督は継投策に出た。2番手に木村光をマウンドに送ったが、郡司に走者一掃の左中間3点適時二塁打を献上。6点差が開き、勝負の行方は決した。上沢は古巣日本ハム相手に7回途中7安打6失点(自責は5)で無念の黒星。「何とか粘り強く投げなければと思いましたが、最後にあのような形でマウンドを降りることになってしまって悔しい」と肩を落とした。レイエスの直前は2死三塁で田宮に四球を与え、この時点で球数は119球。絶好調の助っ人砲の前に継投策も考えられたが、小久保監督は上沢に託した。「レイエスで代えてもよかったけど、最後に振り絞ることができるピッチャーなので」。期待した結果とは違うが、今季の先発陣を引っ張ってきた上沢への信頼の証しだった。打線も日本ハムのエース伊藤らの前に沈黙。今CS初黒星の完封負けを食らった。小久保監督は「昨日の(16日に先発した)福島もですけど、こんな大舞台ですごいピッチングをされますね」と脱帽。この日は2番に「伊藤キラー」の川瀬を起用するなど手を打ったが、最後までホームが遠かった。「それくらい向こうのピッチャーがいいということでしょう。どうやったら(打線が)つながるのかを考えます」と切り替えを強調した。この日は日本政府が2025年度の文化勲章を、スポーツ振興のソフトバンク王貞治球団会長(85)らに贈ることが決定した日だった。CS突破でお祝いといきたかったが小休止。アドバンテージを含め3勝1敗となり、日本シリーズ進出は18日の第4戦に持ち越しとなった。今日こそ1日遅れの「シャンパンファイト」でダブルのおめでたを祝いたい。先発は今季の最高勝率のタイトルを獲得した13勝左腕、大関に託された。セ・リーグはこの日、王者阪神が一足先に日本シリーズ進出を決めた。ホークスもしっかり決めにいく。【只松憲】

◆日本ハム伏見寅威捕手(35)が「8番捕手」でスタメン出場する。今CSでのスタメンは初となる。

◆日本ハムが初回に先制を許した。先発の北山亘基投手(26)が、ソフトバンク1番柳田に中前打を許す。続く、周東、柳町を打ち取ったが、4番中村晃に対しカウント1-2から外角152キロ直球を捉えられた。右翼線へ鋭い打球を運ばれ、先制の適時三塁打となった。現在シリーズは、1勝3敗。ソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられる苦しい状況で、痛い先制点を献上した。

◆日本ハムが"サイクル4連打"で、ソフトバンク先発大関をKOした。1点を追う3回、1死から水谷瞬外野手(24)が四球で出塁すると、続く山県秀内野手(23)が左翼フェンス直撃の三塁打を放ち同点。さらに、フランミル・レイエス外野手(30)が「初戦でモイネロから打てなくて、昨日もチャンスで四球だったので、気負いすぎず、ガタシュー(山県)をホームに返すことだけを考えていました。内野の頭を越える意識で打ったのが、良い結果につながりました」という、左中間への2ランで逆転に成功した。火が付いた"海賊打線"は止まらない。郡司裕也捕手(27)が左翼線への二塁打で出塁し、清宮幸太郎内野手(26)の右前打で"サイクル4連打"。1死一、三塁とチャンスをつくったところで、ソフトバンクは大関から松本晴に継投したが、攻撃はまだ続く。アリエル・マルティネス捕手(29)が四球を選び1死満塁とし、万波中正外野手(25)の中犠飛で、4点目を加えた。

◆日本ハムがあっという間に逆転した。0-1の3回1死一塁から、山県秀内野手(23)が適時三塁打を放ち同点に追いつくと、続くフランミル・レイエス外野手(30)が勝ち越しの2ランを放った。1番水谷瞬外野手(24)が四球で出塁すると、2番山県がフォークを捉えた。3球けん制球を挟んだ後の初球に、集中力を研ぎ澄ませ振り抜いた。「チームと北山さんに迷惑ばかりかけていられないので、打って応えたいと思っていました」。打球は左中間フェンスに直撃し、ソフトバンク外野陣がクッションボールの処理にもたつく間に、一塁走者が生還。続くレイエスも初球のフォークを捉え、クライマックスシリーズ3号となる勝ち越し2ラン。すぐさま逆転した。現在シリーズは、1勝3敗。ソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられる苦しい状況で、打線がチームを勢いづけた。

◆日本ハムが貴重な追加点を挙げた。2点リードの4回1死、1番水谷瞬外野手(24)がカウント3-1から、ソフトバンク2番手松本晴の149キロ直球を捉えた。打球は右翼ポールに直撃。「真っすぐをうまく捉えられました」。クライマックスシリーズでは自身初となるソロ本塁打は、貴重な追加点となった。右翼ポール直撃弾の景品として、株式会社マルタイから北海道日本ハムファイターズにマルタイ棒ラーメン360袋(1年分)が贈られる。"パイナポー弾"で、棒ラーメンをゲットした水谷は「グルテンフリーをしていますが、気持ちはおいしくいただきます。現場からは以上です」とコメントした。現在シリーズは、1勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。流れが傾きかけた中で迎えた第4戦、打線がチームを勢いづけている。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、2連勝に向け、早々と守備固めに入った。4回1死から水谷瞬外野手(24)の右翼ポール直撃のソロ、さらに2死一、二塁、清宮幸太郎内野手(26)の中前適時打で6点目を加えた。リードを4点に広げ、4回裏の守備から一塁のアリエル・マルティネス捕手(29)に代わり、五十幡亮汰外野手(26)が中堅で途中出場。中堅の万波中正外野手(25)を右翼、右翼だった水谷を左翼、左翼の郡司裕也捕手(27)を三塁、三塁の清宮幸を一塁と、5ポジションを入れ替えた。現在クライマックスシリーズファイナルステージは、アドバンテージを含めて1勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、17日の第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。流れが傾きかけた中で迎えた第4戦は、自慢の"海賊打線"がチームを勢いづけている。

◆日本ハムが貴重な追加点を挙げた。4点リードの5回1死三塁から、9番水野達稀内野手(25)が一塁線を破る適時二塁打を放った。「追加点が欲しい場面だったので、仕事ができてよかったです」。2試合連続の長打で結果を残した。先頭の万波中正外野手(25)が右前打で出塁。続く伏見寅威捕手(35)の打席でバスターエンドランを仕掛けたが空振りに倒れ、一塁走者もアウトとなった。走者がなくなり、流れが絶たれたかに思えたが、伏見の当たりは中堅方向へ。ソフトバンク中堅手・周東がグラブで弾いた。打球が転々と転がり、ラッキーな形で三塁打となった。1死三塁の好機で水野がカウント1-0から、直球を捉え適時打とし、リードを5点に広げた。現在シリーズは、1勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。流れが傾きかけた中で迎えた第4戦、打線がチームを勢いづけている。

◆日本ハム打線の猛攻が止まらない。4点リードの7回2死一塁、フランミル・レイエス外野手(30)が左翼席へ飛び込む2ランを放った。ソフトバンク4番手上茶谷の149キロ内角直球を完璧に捉えた。5球連続の厳しい内角攻めが続いたが、主砲は対応しきった。この日2発目の本塁打は、クライマックスシリーズ4本目。パ・リーグの2冠王はCSでも勝負強さを発揮している。現在シリーズは、1勝3敗。シリーズ開幕から連敗でソフトバンクに日本シリーズ進出王手をかけられたが、第3戦はエース伊藤大海投手(28)の好投で快勝。この日も打線が2桁安打と爆発し、流れが日本ハムに傾きかけている。

◆日本ハムの同学年コンビが、華麗な連係プレーを見せた。4点リードの6回無死、ソフトバンク栗原の放った弱い打球が、投手と一塁手の間に転がった。一塁手清宮幸太郎内野手(26)が捕球し、一塁ベースカバーに入った北山亘基投手(26)へグラブトスを決めた。とっさの判断で息の合ったプレーを見せた同学年コンビに、Xでは「呼吸ピッタリ」「グラブトスうますぎる」「投内連係素晴らしい」など絶賛の声が多く上がった。ニッカン式スコア ソフトバンク対日本ハム

◆日本ハム先発北山亘基投手(26)が7回8安打3失点と粘投し、流れをつくった。初回に先制点を許すも打線の援護を受け、逆転した3回以降は終始リードを保った中での投球となった。ファーストステージ第2戦は4回4安打4失点と苦しんだが、雪辱のCS初白星に「逆転してもらって追加点たくさん取ってもらって、すごく安心してイニングを重ねることできた。野手に感謝の一言です」と振り返った。

◆ソフトバンク柳町達外野手が2安打1打点と気を吐いた。3回2死の第2打席で右前打を放ち、5回は2死一塁から中越え適時二塁打をマークした。CSファイナルでは全4試合で2安打以上を記録。ここまで打率5割6分3厘(16打数9安打)の絶好調だ。「ボールの見え方がすごくいいので」と振り返り「勝負ごとなのでこういうことも全然ある。(CS突破まで)あと1勝は考えず、やるだけかなと思います」と前を向いた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(26)が攻守で魅せた。3点リードの4回2死一、二塁、ソフトバンク松本晴の直球を捉え、中前適時打。「2塁ランナーがモーレ(レイエス)だったので、心配でしたが快足でしたね。ナイスラン」。3回にも右前打でマルチ安打を記録。6回の守備では、投手北山への華麗なグラブトスで一ゴロに仕留め、ビジター応援席を沸かせた。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手が2安打を放ち、プレーオフとCSを合わせて歴代トップの通算55安打をマークした。初回先頭で中前打を放ち、7回には2死から右翼二塁打。球団OB内川聖一の通算54安打を超え、10本塁打、36打点を含めた打撃3部門でトップに立った。「(CSの試合に)いっぱい出たからじゃないですか」と謙遜。「勝たないと楽しくないので、勝ちたいです」と第5戦の必勝を期した。

◆日本ハム万波中正外野手が2安打1打点と存在感を示した。2点を勝ち越し、なおも1死満塁の3回、ソフトバンク松本晴の149キロ直球をはじき返し中犠飛。「このシリーズで初めての得点圏だったので、絶対に仕事したいと思って打席に入った」。2回に内野安打、5回にも右前打を放ち、CSで早くも4度目のマルチ安打を記録した。

◆日本ハム山県秀内野手(23)が、1点を追う3回1死一塁で、左中間フェンス直撃の同点適時三塁打を放ち"海賊打線"に火を付けた。右拳を力強く突き出し、ガッツポーズ。17日の上沢からの1発に続き2戦連続長打で勝利に貢献。「感触的にはそんなに(よくない感じ)だったんですけど、思ったより伸びてくれた。しっかり振ったおかげかな」と振り返った。守備を評価されて入団も、9月9日ソフトバンク戦でモイネロから2打席連発。CS1号を含め、長打力が目覚めてきた。1軍に同行している横尾2軍打撃コーチの「簡単には打てないから、常に何ができるか考えながら打席に入りなさい」という言葉を胸に急成長。「定石は一、二塁間にゴロを打って一、三塁にする」この日の状況も、「でもそれだけじゃなくて、普通に振りに行った」と、頭脳をフル回転させ、相手バッテリーとの駆け引きを制した。"みそぎ"の一打でもあった。北山のレギュラーシーズン最終登板だった9月25日西武戦。4点リードの7回から守備固めで出場し、逆転負けにつながる失策を犯した。北山は10勝目を逃し、9勝でシーズンを終えた。この日は1回無死一塁で送りバントを失敗(捕ゴロ)。「チームと北山さんに迷惑ばかりかけていられないので、打って応えたいと思っていた。取り返せて良かった」と安堵(あんど)した。2戦連続の打棒爆発で"シリーズ男"の予感が漂ってきたが、「逆に長打以外の打席も、もっと工夫できると思う」。偏差値70超えの名門、早大学院出身のルーキーが、逆転突破への道を切り開く。【永野高輔】

◆CSのファイナルステージ突破に王手をかけているソフトバンクが2連敗の足踏みだ。日本ハムに14安打9得点の猛攻を浴び、2日連続の完敗。アドバンテージを含めて3勝2敗となり、戦況がやや苦しくなってきた。決勝2ランを浴びた主砲レイエスには4戦4被弾となり対策が急務だ。さらに4番中村晃外野手(35)が一塁塁審と衝突して緊急搬送されるアクシデントに見舞われた。後頭部を強打しており、今CS中の復帰は不透明。試練を乗り越え、19日こそ2年連続日本シリーズ進出を決めたい。球場が静まり返った。3回2死一塁。全力疾走の中村が一塁ベースを駆け抜けた後、一塁塁審と正面衝突した。中村はグラウンドに倒れ込んだまま動けない。小久保監督や選手らをはじめ、スタンドの観客も固唾(かたず)をのんで見守った。背番号7は担架で医務室に運ばれ、救急車で病院に搬送された。小久保裕紀監督(54)は「明日(19日)もどうなるか分からない。脳振とうの所見があるので、その精密検査です」と心配そうに言った。試合終了から約1時間半後、みずほペイペイドームに戻ってきた中村は「後頭部の打撲」と診断されたことを明かし、脳振とうの有無については「まだ分からない。とりあえず後頭部の打撲」と説明。搬送先の病院ではCT検査、MRI検査を行ったという。審判とぶつかった際にグラウンドで後頭部を強打した。「僕も最初は何が起こったか分からなかった」。現状については「ちょっとフラフラしているな、というのはある。箇所が箇所なので、様子を見ながらという感じにはなると思います」と話すにとどめた。頭を強打したことでより慎重を期す必要があり、今CS中の復帰は不透明。第1打席でタイムリー三塁打を放った精神的支柱の4番が離脱となれば大きな痛手だ。試合は日本ハムに力負け。先発大関らが踏ん張れず、14安打9得点の猛攻を浴びて2連敗を喫した。特に主砲レイエスには決勝2ランを含む2発3安打を献上。CSファイナルステージ4試合で4被弾を食らっている。小久保監督の表情も険しく「手がつけられない」と脱帽。完敗には「切り替えやすい」と前を向いたが、絶好調の助っ人対策は急務の課題だ。2連勝での王手から一転、日本ハムの逆襲を食らっている。アドバンテージを含めて3勝2敗。戦況が苦しくなってきたが、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけている優位は変わらない。残り2戦で1試合の引き分け以上が突破条件。「勝利の方程式」も惜しみなくつぎ込める。セは一足早く阪神が日本シリーズ進出を決めている。一丸で試練を乗り越え、今日こそシャンパンファイトといきたい。【只松憲】

◆勝てば2年連続の日本シリーズ進出が決まるソフトバンクは9番・中堅で周東佑京外野手(29)が先発出場する。レギュラーシーズン終盤に死球を受けた影響で背部痛により欠場が続いていたが、9月20日のオリックス戦(みずほペイペイ)以来となる久々の試合出場となる。今シリーズに入る際に小久保裕紀監督(54)は周東について「できる範囲でも戦力になるとみなしている」と代走や守備固めでの起用を想定していたが、16日の第2戦で九回から守備で途中出場。3戦目でいよいよスタメン起用となった。先発上沢直之投手(31)が先発。日本ハム時代は3試合経験しているCSの舞台にソフトバンクの一員として初めて投げる。

◆日本ハムがソフトバンクとの同シリーズで初めて先制点を奪った。「4番・三塁」で先発出場の郡司裕也捕手(27)が0―0の一回1死一、三塁で右犠飛を打ち上げた。カウント1―1からソフトバンク先発右腕、上沢の135キロのフォークボールにスイングをかけ、右中間に犠飛を飛ばした。直近は12日のオリックスとのCSファーストステージ第2戦(エスコン)から出場4試合連続無安打。元気がなかった右打者が4番の役割を果たし、一言「勝つ」と気合を入れた。

◆崖っぷちに立たされても、日本ハム・新庄監督の〝らしい〟選手起用は変わらなかった。ファイナルステージ第1戦は5打数無安打。4番から7番に降格となった第2戦でも四回1死二、三塁、六回1死満塁で凡退するなど、3打数無安打と〝絶不調〟の郡司を再び4番に戻した。「昨日は僕のせいで負けたといっても過言ではない中で...、4番。(新庄監督は)僕と心中してくださるということだと思うので、意気に感じて打ちたいと思う。僕が打てば勝つし、打たなければ負けると、責任を感じて試合に挑みます」郡司は逃げ場のない覚悟を口にした。ただ、決して思いつめた表情ではない。「昨夜も意外と眠れました。切り替えはできている。今日負けたら、(初戦から3連敗で敗退した)去年と同じ。去年と変わった姿を見せられれば」と力を込めた。打順が下がってもチャンスに回ってきた前夜。「そういう星の下というか、そういう運命だと感じた」と振り返ったが、この日もいきなり好機で打席が巡ってきた。一回1死一、三塁。ソフトバンク先発・上沢対策として「ストレートが高めに集まる投手。曲がり球もあるので、球種と狙う高さをはっきりさせて」と話していた中、カウント1-1からフォークボールを運んで右犠飛。今シリーズ初めてチームに先制点をもたらし、ベンチに戻ると球団広報に「勝つ」とだけコメントを残した。捕手、内野、外野とユーティリティーな働きをみせた今季。レギュラーシーズン終了後、新庄監督も「彼がいなかったらゾッとする。どこを守らせても、どの打順を打たせても仕事をしてくれる。これはもう、給料3倍上がりますね」と最大級の賛辞を贈っていた。(東山貴実)

◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)が「3番・DH」で先発出場。1―0の四回、リードを2点に広げるソロを放った。「高いモチベーションで打席に入り打つことができました」ソフトバンク先発右腕、上沢の初球、145キロの直球を一閃。左翼本塁打テラスへ運び「エネルギーたっぷりで、勝つ気満々です」と胸を張った。15日の第1戦以来、出場2試合ぶりにアーチを描いた。

◆特別な思いを抱きプレーする男がいる。ファイナルステージの舞台、みずほペイペイドームからほど近い福岡市西区出身の日本ハム・進藤勇也捕手(23)だ。2年目の今季は13試合の出場に留まったが、15日の第1戦でスタメンに抜てきされると、ポストシーズン初出場で二回にチーム初安打となる左前打をマーク。「福岡の地で試合に出させてもらえることは幸せなことです」と感慨深げに振り返った。博多っ子の進藤にとって、幼少期から生活の一部にソフトバンクがあり「テレビをつけたらホークス。朝のニュースは全部ホークスでした」と回顧。特に、同じ名前の長谷川勇也氏(40)を応援していたという。今シリーズは両親が現地で観戦。第3戦はベンチ外となったが、試合前の練習では精力的に汗を流した。「変わらず、思い切ったプレーができれば」。これからも郷里に活躍を届ける。(次)

◆「7番・遊撃」で先発出場した日本ハムのドラフト5位・山県秀内野手(23)=早大=が2―0の七回、追加点となるソロを放った。1ストライクからソフトバンク先発右腕、上沢の122キロのカーブをフルスイング。左翼ポール際へ運び「昨日の夜中にボス(新庄監督)から『力むなよ』とDMが来たので、その通りにリラックスして打席に入りました」と振り返った。

◆今季ソフトバンクに加入した上沢直之投手(31)が古巣日本ハムとのCSに登板。七回途中7安打6失点で降板した。日本ハム時代の2018年以来となるCSのマウンド。上沢がコールされると、左翼席のファンからブーイングも飛んだ。一回、先頭の水谷に右前打を許すなど、1死一、三塁を招く。郡司に右犠飛を上げられていきなり1点を失った。二回、三回は三者凡退としたが四回、先頭のレイエスに初球の153キロを左翼ホームランテラス席へのソロを被弾。七回にも先頭の山県に左翼へソロを浴びた。続く水野に右中間へ三塁打を浴び、2死から田宮、レイエスに連続四球を与え、満塁としたところで降板。変わった2番手・木村が郡司に走者一掃の中越え二塁打を浴びてしまった。上沢はレギュラーシーズン12勝6敗、防御率2・74。古巣日本ハム戦に登板したのは5月1日の1試合のみ。7回3失点で黒星を喫しており、CSの舞台でも勝ち星を挙げることはできなかった。

◆ソフトバンクが零封負けで連勝がストップ。リーグ優勝のアドバンテージ1勝を含めて3勝1敗とし、日本シリーズ進出はならなかった。今季ソフトバンクに加入した上沢直之投手(31)が古巣相手に七回途中7安打6失点(自責5)。一回、先頭の水谷に右前打を許すなど、1死一、三塁を招く。郡司に右犠飛を上げられていきなり1点を失った。二回、三回は三者凡退としたが四回、先頭のレイエスに初球の153キロを左翼ホームランテラス席へのソロを被弾。七回にも先頭の山県に左翼へソロを浴びた。続く水野に右中間へ三塁打を浴び、2死から田宮、レイエスに連続四球を与え、満塁としたところで降板。変わった2番手・木村が郡司に走者一掃の中越え二塁打を浴びてしまった。打線も第1戦でサヨナラ打を放った主砲・山川が4番に復帰したものの、日本ハム先発の伊藤の前に封じられ、5安打。この日は「5番・左翼」でスタメン出場した柳町が3安打と気を吐いたが、ホームが遠かった。

◆拙攻続きだった日本ハム打線が、新庄監督の〝魔法のDM(ダイレクトメール)〟で覚醒した。「今日打てんかったら、切腹ぐらいの覚悟で。僕と心中してくださるということだと思ったので、意気に感じた」そう語ったのは郡司だった。不振から7番に降格となった第2戦でも六回1死満塁で凡退するなど3打数無安打。「正直、今日は(スタメンを)外されるかなと思った」という傷心の中で、深夜に指揮官からDMが届いた。「『今年は郡司がいなかったら』ということを改めて言ってもらって...」。その言葉を胸に、再び4番に起用されて先制犠飛を含む2安打4打点。試合後は「きのう打てや、って感じですね」といつもの郡司に戻っていた。先発復帰して、七回にCS1号を放ったD5位ルーキー・山県(早大)も「夜中の1時50分ぐらいですかね、DMが来て。『1年目からこれだけ試合に出れたのはすごいことだから、明日も心から愉(たの)しんで。力むなよ』と」。新庄監督はやはり希代のモチベーターだ。(東山貴実)