1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 1 |
阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2X | 5 | 9 | 0 | 1 |
勝利投手:及川 雅貴(2勝0敗0S) 敗戦投手:佐々木 千隼(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆阪神が劇的なサヨナラ勝利。阪神は1点ビハインドの8回裏、佐藤輝がこの日2本目となる適時打を放ち、試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長10回には、無死一塁から森下の2ランが飛び出し、試合を決めた。敗れたDeNAは、打線が5回以降に追加点を奪えなかった。
◆指揮官をも驚かせる? 俊足だった。阪神はCS第1戦で、DeNA先発東を前に5回まで散発2安打。突破口を開いたのは1番近本光司外野手(30)だった。6回先頭で、快足を飛ばして遊撃への内野安打で出塁。そして1死二塁から、東の投球モーションを盗み、完璧な三盗を決めた。試合後、そのシーンについて問われた藤川球児監督(45)は「よく分かりませんでしたね」と返答。驚いたということか、と続けて問われると「そうですね」と答えた。近本は「盗塁とか走塁は流れが変わるものなのでそういう走塁ができたらいいなと思いながら」と振り返った。まさに流れを変える1プレーだった。
◆アドバンテージ1勝を含めて阪神の2勝0敗で第3戦を迎える。阪神の抜け目ない攻撃が短期決戦の武器になっている。第1戦では6回に近本光司外野手(30)が三盗。森下翔太外野手(25)の先制中前打が生まれた。その森下の好走塁も見逃せない。6回の先制打のあと、佐藤輝明内野手(26)のバットが折れた打球は中前にふらふらと上がった。二塁付近まで来ていた森下は打球が落ちると判断し、加速して三塁に到達した。さらに大山悠輔内野手(30)の三ゴロで三本間に挟まれた。ぎりぎりのところで粘って、一塁走者の佐藤輝を三塁まで進めた。次打者の小野寺暖外野手(27)の右前打で貴重なもう1点が入った。1つの進塁が少しずつ試合を動かした。森下は「短期決戦では、そういうところまでこだわってやっていきたい。チームとしても次の塁を狙っていこうというのがある。今日のチカさんみたいに、1つでも塁を進めたい。本当に助けられたので。ああいう走塁ができたらなと思っています」と振り返った。筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチ(50)は「あの後、(塁上で)佐藤輝明にあいつは素晴らしいねって話をしました。打球判断に関して素晴らしいものを持っています」と称賛した。
◆第1戦に先発した阪神村上頌樹投手(27)は出場選手登録を抹消されなかった。シリーズがもつれて第6戦までいった場合、中4日で先発が可能になる。第6戦は勝った方が日本シリーズ進出の大一番。村上も含めた総動員態勢に備える。同じく初戦先発のDeNA東克樹(29)も同様に出場選手登録されたまま。抹消されると再登録は10日後なので、CSには出場できない。日本シリーズでは改めて出場資格選手40人が選定される。ベンチ入り枠は同じ26人。試合ごとに40人の中から選抜する。
◆DeNAのスタメンとベンチ入りメンバーが発表された。先発はドラフト1位ルーキーの竹田祐投手(26)が務める。8月に1軍昇格し、4勝1敗と躍進。9月20日阪神戦(甲子園)では7回1失点に抑え、4勝目をつかんだ。登板前日には「気持ちで負けたらどんどん押される。気持ちを強く持ってマウンドに立ち続ける」と意気込んでいた。先発投手以外は、初戦と同じ顔ぶれで臨む。
◆日本シリーズ進出王手をかけて、阪神がDeNAとのCSファイナルステージ第2戦に臨む。前夜の初戦に代わって6番左翼では前川右京外野手(22)、8番遊撃には小幡竜平内野手(25)が出場。先発の右腕竹田に対し、より左打者を並べたオーダーとなった。阪神先発は才木浩人投手(26)。今季のセ・リーグ最優秀防御率右腕で一気に連勝を狙う。
◆豪快なだけじゃない佐藤輝明 渋~い一打レフト線にポトリと先制タイムリー大山悠輔も続きこの回2得点?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??阪神×DeNA#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/6ztwXLD68s
◆阪神佐藤輝明内野手(26)がラッキーな一打で先制点をもたらした。0-0の初回1死二、三塁。先発右腕竹田から放った打球は、詰まりながらも左翼方向へ高く上がった。やや浅めの距離。後方に下がっていた左翼佐野は猛チャージをかけたが、ライン際にポトリと打球は落ちた。2戦連続での先制に成功。佐藤輝は二塁も陥れた。直後も1死二、三塁となり、5番大山が中堅深くへの犠飛で追加点を奪取。勝てば日本シリーズ進出に王手がかかる一戦で、幸先良く初回に2得点を挙げた。
◆大の阪神ファンで知られる、お笑いコンビ「ロッチ」の中岡創一(47)が始球式に登場した。登板直前には両軍ベンチに向かって深々と一礼。最後に捕手坂本に向かって一礼した。大きなワインドアップから、ノーバウンド投球を披露。大きな歓声に包まれた。「感無量でしたね。息がずっと浅かったです。緊張して。なんせ、クライマックスシリーズですから。そこで投げさせていただくありがたみを感じて投げました」と振り返った。投球後、坂本からボールを手渡される際には声もかけられたという。「ボールを僕に渡してくださる時に、『いい球すぎてボールを投げ返しそうになりました』と言ってくださいました。気の利いた一言をいただきました」と喜びをにじませながら明かした。
◆第3戦の先発が発表された阪神高橋遥人投手(29)が気持ちをたかぶらせた。「緊張してるっす」と苦笑いした。「みんなの勢いに自分も乗っていけるようにしたい。どんどん強いボールを投げて、その中でも甘くならないように。シンプルですけど、いつも意識していることを意識して投げたい。相手もこっちも一生懸命にやっている。当たり前ですけど」と話した。左前腕の手術から復帰し3勝1敗、防御率2・28の成績を残した。昨年はCSファーストステージDeNA戦の第2戦で5回4失点。2連敗での敗退が決まった。同じ甲子園で1年前の借りを返すつもりだ。
◆阪神才木浩人投手(26)が4回、DeNAに勝ち越しを許した。2点リードの3回、蝦名と佐野に適時打を浴びて同点にされた。さらに4回、先頭の牧に3ボール1ストライクからの149キロストレートを左中間スタンドぎりぎりに運ばれ、DeNAにリードを許す展開となった。5回のDeNAの攻撃終了時に突如、雨が降り出し、試合は47分間中断。午後8時27分に再開後、才木は代打を送られ、5回3失点で降板した。
◆今季限りで現役を引退した中日中田翔内野手(36)がカンテレのナイター中継でゲスト解説を務めた。試合は初回1死二、三塁で阪神佐藤輝明内野手(26)がDeNA竹田の149キロ直球に詰まりながらも左前に運び先制点。日本ハム時代に3度の打点王に輝いた中田は、大一番の先制機に打点を挙げた佐藤輝を「昨季までは三振が多かったが、ボール球を振らなくなった」と称賛していた。
◆5回裏の阪神の攻撃前に降雨のため試合が中断された。すかさず、阪神園芸のスタッフが巨大な防水シートを内野に敷いた。そのスピーディーさと手際の良さに、甲子園の観客から大きなどよめきと、拍手が起きた。阪神ファンは一斉に黄色いレインポンチョを着込み、銀傘の下に移動する観客もいた。5回裏まで完了すれば試合が成立し、コールドゲームになる。試合不成立ならノーゲームで中止と同じあつかい。
◆もう、大丈夫牧秀悟 逆転のデスターシャ!甘い球をフルスイング7月31日以来のホームラン?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??阪神×DeNA#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #baystars #だったらDAZN pic.twitter.com/oE1wW0iyep
◆5回裏の阪神の攻撃前に、強い雨のため試合が中断された。5回が終了してないため、このまま再開できなければ試合不成立でノーゲーム。中止と同じあつかいになる。CSファイナルは20日の第6戦が最終戦だが、21日と22日が予備日。以降は順延しない。それでも決着しない(勝ち数が並んだ)場合はリーグ優勝の阪神が日本シリーズに進出する。入場券は1日ずつ繰り下げて有効。
◆今季タイガースやヤンキース3Aでプレーした前田健太投手(37)がBSテレ東で解説を務めた。DeNA先発のドラフト1位ルーキー竹田祐投手(26)について「僕自身も初めてのCS先発の時はプレッシャーも感じましたし、緊張もしたので。ルーキーってことでなおさら緊張感があるのでは」と話した。初回1死二、三塁から阪神佐藤輝が放った打球は左翼線にポトリ。先制の適時二塁打を許した。前田は「こういう当たりはピッチャーのダメージが大きい。嫌なヒットですよね。ただヒットはヒットなので、うまく気持ちの整理をつけないといけない。そこが難しいところです」とコメントした。なおも1死二、三塁から、大山の中犠飛で追加点。初回に2点を失った。前田は竹田の初回の投球について「良いボールは投げられています。本当に微妙なずれなんですよね、ボール1個分とか。投げているところは悪くないですし、うまく打たれただけと深く考えない方がいい」と解説した。
◆DeNAは牧秀悟内野手(27)の復帰後初アーチで勝ち越しに成功した。同点の4回、先頭の牧が阪神才木の149キロ直球を強振。打球は左中間スタンドギリギリに飛び込んだ。牧は左手親指の靱帯(じんたい)手術から11日のCSファーストステージ巨人戦(横浜)で1軍に復帰。だが、前日のファイナルステージ第1戦では、得点圏で3度凡退していた。「相手もリズムに乗ってしまいますし、チームに言いリズムを持ってこられなかったので、そこが今日の敗因」と責任を口にしていた。一夜明け、7月31日ヤクルト戦(横浜)以来の本塁打でチームに流れを引き寄せた。【動画】DeNA牧秀悟が逆転のデスターシャ! 甘い球をフルスイング 7月31日以来の本塁打
◆BSテレ東の解説陣が、DeNA佐野恵太外野手(30)の同点打を称賛した。今季タイガースやヤンキース3Aでプレーした前田健太投手(37)と元西武監督の松井稼頭央氏(49)が解説を担当。2点ビハインドの3回1死一塁から蝦名達夫外野手(28)の適時二塁打で1点差。なおも2死二塁から佐野の適時二塁打で同点に追いついた。松井氏は「コンパクトに振りました。ランナー一塁や二塁からの得点っていうのが大きい。得点圏になかなか進めなかったのでこの得点は大きい」とコメント。前田は「(才木は)悪くないボールだと思います。佐野選手のバッティング技術が素晴らしい。ピッチャーからするとお手上げというか、打たれてもしょうがないというバッティング技術でした」と佐野をたたえた。
◆5回裏の阪神の攻撃前に降雨のため試合が中断された。かなりの雨だったが、ぎっしり埋まった右翼席の阪神ファンは黄色いレインポンチョを着てスタンドを動かない。大音量で各選手の応援歌を演奏、合唱を続けた。
◆阪神小幡竜平内野手(25)が美技でピンチ拡大を防いだ。4回の守備だ。1点を勝ち越され、なおも1死一塁の場面。8番林の打球は三遊間に鋭くライナーで飛んだ。安打性の打球に対し、遊撃小幡はダイビング。ボールをこぼすことなくつかみとった。この日は8番遊撃でスタメン出場。ポストシーズンでは自身初のスタメンとなっていた。抜けていればさらに追加点のピンチを、ファインプレーで救った。
◆5回裏の阪神の攻撃前に降雨のため試合が中断した。17年のCSファーストステージでも、阪神とDeNAは甲子園で対戦。10月15日に行われた第2戦は、午前中から雨が降ってグラウンド整備に時間を要したため、1時間3分遅れでプレーボール。内野はまるで沼、ゴロは水たまりで失速し、外野に飛べば水しぶきを上げた。プレーに支障が出る状態での強行開催だった。X(旧ツイッター)では「泥試合ふたたび?」「2017年を思い出す」「どろんこ甲子園の再来なるか」「伝説の試合が懐かしい」など、当時を思い出すコメントが多数見られた。
◆阪神園芸の尽力もあり、豪雨による中断から試合が再開された。5回表終了時点の、午後7時40分に強い雨が降り始めて試合が中断。ものの数分で内野全域への巨大シートが設置された。その後は30分近く雨が降り注いだが、次第に雨脚が弱まり再び阪神園芸が登場。総勢20人以上で手際良く進められたシート撤去、外野に浮いた水の吸収などさすがの整備だった。内野グラウンド上には水ひとつ浮いておらず、球場からは拍手が送られていた。試合は1点を追う5回の阪神の攻撃から再開。中断時間は47分間と発表された。
◆降雨による中断時、右翼席の虎党から阪神原口文仁内野手(33)の応援歌が演奏された。今季限りでの引退を発表している原口。午後7時40分から始まった中断が、約20分に差しかかろうとした頃だった。その後は木浪聖也内野手(31)や梅野隆太郎捕手(34)の応援歌も演奏。雨の降りやまぬ中、演奏を通じたエールが送られた。
◆今季限りで現役を引退した中田翔氏(36)がカンテレのナイター中継でゲスト解説を務めた。5回表途中に降雨のため試合は中断。その間に今季40本塁打、102打点で初タイトルの打撃2冠を獲得した佐藤輝明内野手(26)の今季本塁打を振り返るVTRが流された。佐藤輝は球団生え抜きでは85年の掛布雅之以来の40-100も達成。中田は「フォロースルーが大きい。逆方向への長打は魅力的。逆方向に(長打を)出せるのはすごい」と打点王3度のスラッガーも虎の主砲の覚醒を認めた。さらに40-100は、今季最終戦の10月2日ヤクルト戦(甲子園)で到達した。「40発はすごい。最終戦で決めるのは、スター性というか"持っています"ね」とニヤリ。大阪桐蔭時代から甲子園のスターとして鳴り物入りで球界入りした中田が虎の主砲に太鼓判を押した。
◆今季限りで現役を引退した中日中田翔内野手(36)がカンテレのナイター中継でゲスト解説を務めた。1点を追う6回から2番手登板した阪神畠世周投手(31)の粘りを称賛した。中田は23年まで在籍した巨人では畠のチームメート。「気持ちはあんまり強い子じゃない。自信を持って投げてもらいたい」とエールを送った。6回先頭牧に四球を与え、犠打で1死二塁のピンチ。続く石上にはカウント2-0から変化球を続け2ストライクを奪うと最後は、内閣低めへの148キロで空振りの三振を奪った。「気持ちがこもっていましたね」と、現役ドラフトで阪神に移籍した後輩を持ち上げた。畠は林も二ゴロに打ち取って、6回1イニングを無失点で後続リリーフにバトンをつないだ。
◆今季タイガースやヤンキース3Aでプレーした前田健太投手(37)がBSテレ東で解説を務め、DeNA竹田祐投手(26)の投球をたたえた。先発したドラフト1位ルーキーの竹田は5回0/3を6安打2失点の粘投。初回に2点を失ったものの、その後はスコアボードに0を並べた。前田は「初回以降は無失点。ガタガタと崩れてもおかしくない中でしっかり修正して、ゲームをつくった。本当に素晴らしいピッチングだった」と竹田に賛辞を贈った。前田は、降板後の表情にも注目した。6回先頭の森下に出塁を許したところで途中降板。竹田はベンチで悔しい表情を浮かべた。「ここで悔しがるのはいいと思うんです。CSのプレッシャーがかかる場面で降板した時にホッとする選手と、自分がランナー出してしまったんで悔しがる選手がいる。やっぱり悔しがる選手の方がいいですよね。こういう気持ちが成長につながると思います」とコメントした。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が起死回生の同点適時打を放った。2-3のまま迎えた8回。先頭の近本が四球で出塁すると、中野が犠打をきっちり決めて1死二塁。続く森下も四球を選び1死一、二塁とし、ここで打席に立った4番佐藤輝がDeNA伊勢の初球のフォークをはじき返し、同点の右前適時打を放った。この日は初回にも1死二、三塁で、左翼線へ先制の適時二塁打をマーク。4回に逆転を許してリードされたまま終盤を迎えていたが、頼れる主砲が8回に大きな一打を放った。
◆5回裏の阪神の攻撃前に突然の降雨で試合が中断した。阪神園芸が巨大な防水シートを、あっという間に内野に敷く早ワザを披露すると、場内の観客から大きな拍手が起こった。雨が弱まると今度は試合再開に向けて再始動。絶妙な連係プレーでシートを巻き上げ、吸水ローラーも使ってグラウンドを整備。中断時間を47分にとどめた。
◆阪神の5番大山悠輔内野手(30)は今シリーズ初打点を記録した。初回、4番佐藤輝の適時二塁打で先制した直後の1死二、三塁。竹田の149キロ直球を押し返し、中堅右に犠飛を運んだ。「先制してもらった後だったので、どんな形でも追加点を取ることだけを考えて打席に入りました。得点につながって良かったです」。第1戦の4打数無安打から一夜明け、立ち上がりから丁寧に仕事を果たした。
◆DeNAが阪神に競り負けた。阪神が持つアドバンテージの1勝をあわせて0勝3敗となり、日本シリーズ進出へは4連勝しかなくなった。2点ビハインドの3回1死一塁から蝦名達夫外野手(28)の適時二塁打で1点差。なおも2死二塁から佐野恵太外野手(30)の適時二塁打で同点に追いついた。同点の4回には、先頭の牧秀悟内野手(27)が才木の149キロ直球を強振。打球は左翼席ギリギリに飛び込み、勝ち越しに成功した。しかし、8回1死一、二塁から伊勢大夢投手(27)が佐藤輝に同点の適時打を許し、試合は振り出しに。さらに10回に失点し、サヨナラ負けを喫した。先発の竹田祐投手(26)は5回0/3を6安打2失点の粘投も、リリーフ陣が踏ん張りきれず。接戦をものにすることができなかった。
◆阪神が延長にもつれこんだ熱戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、3勝0敗とした。あと1勝か1分けで、2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。先制は阪神だった。先頭の近本が四球で出塁すると、1死一塁から森下が右翼線へ二塁打を放ち好機拡大。1死二、三塁で4番佐藤輝明内野手(26)が、左翼線へ先制の適時二塁打を放つと、なおも2死二、三塁で大山悠輔内野手(30)が中犠飛を放ち、この回2点を先制した。しかし、2回まで無安打無失点でスタートを切った先発の才木浩人投手(26)がつかまった。3回1死一塁で、DeNA蝦名に左翼へ適時二塁打を許すと、2死二塁で佐野に初球を捉えられ同点の二塁打を浴びた。さらに、4回先頭の牧に逆転のソロ本塁打献上。突如降り始めた強い雨により、47分間の中断となったが、終盤までDeNAの流れが続いた。阪神の反撃は8回だった。先頭の近本が四球で出塁し、中野が犠打を決めて1死二塁。続く森下も四球を選び1死一、二塁とすると、4番佐藤輝がDeNA伊勢の初球のフォークをはじき返し、同点の右前適時打を放った。続く劣勢の中で、主砲の一打で球場の空気は一変。延長戦の末に劇的な森下の2ランでサヨナラ勝ち。日本シリーズ進出へ王手をかけた。
◆阪神が延長にもつれこんだ熱戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、3勝0敗とした。3-3で迎えた延長10回に森下翔太外野手(25)が左中間へサヨナラ2ランを放った。あと1勝か1分けで、2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。先制は阪神だった。先頭の近本が四球で出塁すると、1死一塁から森下が右翼線へ二塁打を放ち好機拡大。1死二、三塁で4番佐藤輝明内野手(26)が、左翼線へ先制の適時二塁打を放つと、なおも2死二、三塁で大山悠輔内野手(30)が中犠飛を放ち、この回2点を先制した。しかし、2回まで無安打無失点でスタートを切った先発の才木浩人投手(26)がつかまった。3回1死一塁で、DeNA蝦名に左翼へ適時二塁打を許すと、2死二塁で佐野に初球を捉えられ同点の二塁打を浴びた。さらに、4回先頭の牧に逆転のソロ本塁打献上。突如降り始めた強い雨により、47分間の中断となったが、終盤までDeNAの流れが続いた。阪神の反撃は8回だった。先頭の近本が四球で出塁し、中野が犠打を決めて1死二塁。続く森下も四球を選び1死一、二塁とすると、4番佐藤輝がDeNA伊勢の初球のフォークをはじき返し、同点の右前適時打を放った。続く劣勢の中で、主砲の一打で球場の空気は一変。延長戦の末に劇的なサヨナラ勝ちで、日本シリーズ進出へ王手をかけた。
◆雨あがりの甲子園乾いた音が響き渡る森下翔太 サヨナラホームランウォーターシャワーでびしょ濡れに新人から3年連続CS弾は史上初?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??阪神×DeNA#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/8oSKY16jid
◆DeNAが阪神に逆転負けを喫した。アドバンテージをあわせて0勝3敗。日本シリーズ進出へは、4連勝しかなくなった。初回に先発の竹田祐投手(26)が2失点も、3回に追いついた。同点の4回、先頭の牧秀悟内野手(27)が才木の149キロ直球を強振。打球は左翼席ギリギリに飛び込み、勝ち越しに成功。しかし、8回1死一、二塁から伊勢大夢投手(27)が佐藤輝に同点の適時打を許し、試合は振り出しに。 延長10回無死一塁から6番手の佐々木千隼投手(31)が森下にサヨナラ2ランを浴びた。サヨナラ負けで連敗。2年連続の日本一へ、崖っぷちに立たされた。
◆これぞ千両役者佐藤輝明 4番の仕事値千金の同点タイムリー?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??阪神×DeNA#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/VjNnd2uWi3
◆「最高に気持ち良かったです」ウォーターシャワーでめちゃくちゃにお立ち台では笑いも忘れず?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??阪神×DeNA#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/wBCAei8pk9
◆DeNAが阪神に逆転負けを喫した。アドバンテージをあわせて0勝3敗。日本シリーズ進出へは、4連勝しかなくなった。番長DeNAが土俵際に追い詰められた。1回先頭、先発竹田が四球を与えると、阪神中野の強いゴロを石上がはじいて併殺をとれず。1死一塁とされたから森下、佐藤輝の連打と大山の犠飛で2点を先制された。逆転して1点リードした8回には4番手伊勢が先頭四球。1死一、二塁とされて佐藤輝に同点適時打を許した。先頭四球がいずれも失点に直結し、三浦監督は「先頭にフォアボールというところで追いつかれてしまいました」と悔やんだ。たられば、で言えば打線もチャンスを生かし切れなかった。1点リードの8回、佐野、筒香の連打で無死二、三塁。ダメ押しの大チャンスだったが牧が浅い右飛、山本は三ゴロで本塁を狙った三走がタッチアウト。続く石上も三振で好機を逸した。それでも3、4回と打線がつながって一時は逆転。指揮官は「そう簡単に点を取れる(阪神の)投手陣じゃない。悪くないと思います」と前を向いた。これでアドバンテージ含めて0勝3敗。2年連続での日本シリーズ優勝へ、望みは4連勝しかない。今季限りでの辞任が決まっている三浦監督は「もう負けられないですから。全員で戦っていきます」と強調。力を結集して奇跡を起こしに行く。【小早川宗一郎】
◆阪神がサヨナラ勝ちで2連勝した。アドバンテージ1勝を含めて3勝として、日本シリーズ進出に王手をかけた。同点の延長10回無死一塁。森下翔太外野手(25)が左翼越えにサヨナラ2ランを放ち、決着させた。試合後の阪神のベンチ裏。引き揚げてくる選手の中から、絶叫に似た大声が聞こえてきた。「やばすぎ! マジで!」。声の主は先発した才木浩人投手(26)だった。森下の劇弾に、興奮のあまり感情を抑えきれずにいた。5回3失点で降板していたが、最後の最後にドラマが待っていた。「すごいっすね、本当に。途中、いい流れを自分が断ち切ってしまったところはあった。これで終わりではないと思うので。終わりではないというか、これで終われない」。日本シリーズでの熱投を約束した。
◆DeNA牧秀悟内野手(27)の目覚めの1発は勝利につながらなかった。4回先頭、阪神才木から左中間席へ飛び込む一時勝ち越しソロ。ただ「良い1本が出たのは良かったですけど、チームが負けてしまった。意味ないと思います」と表情は硬い。8回無死二、三塁の好機で右飛に倒れ「ああいう所で1本出れば、今日の試合も勝てた」と悔やんだ。8月に右手親指の靱帯(じんたい)を手術し、CSで復帰。万全ではないが「いい準備をしていきたい」と第3戦の勝利につなげる。
◆阪神がサヨナラ勝ちで2連勝した。アドバンテージ1勝を含めて3勝として、日本シリーズ進出に王手をかけた。同点の延長10回無死一塁。森下翔太外野手(25)が左翼越えにサヨナラ2ランを放ち、決着させた。入団から3年連続でCSで本塁打を記録したのは史上初めて。お立ち台を独占した25歳は興奮を隠さなかった。「勝ちました~!。もうね、(中野)拓夢さんが出てくれたので(佐藤)テルさんに何とかいい形でつなごうと思って打席に立った結果が、自分もビックリしましたが、最高の形になったかなと思います」-自分で決めてやろうと「もちろんありましたけど、ランナー一塁だったので、球場一体となりながら、10回の攻撃をしたいなと思ってました」-声援がすごい「(午後10時で)鳴り物がなくなってからもすごい大きな声援が選手たちに届いていた。自分にも聞こえてましたし、拓夢さんがヒット打った時に、これ乗ってきたなって思ったのでその勢いのままいきました」-入った時の気持ち「内心は伸びろって思いながら走っていましたけど、フェンス直撃だとしても拓夢さんの足なら帰ってこられるだろうと思って、自分もホームランだと思っていなかったので、全力疾走していました」-ガッツポーズ「サヨナラホームランが自分の記憶では初めてだった思うので、どう対応していいのか分からなかったですけど、本当にすごくうれしかったです」-ウオーターシャワー「もう最高に気持ち良かったし、今日の試合、勝ちきったなという実感が湧きました」-覚えていること「めちゃくちゃだったので本当に覚えていないんですけど(小幡)竜平にはバントしっかり決めとけって言っておきました」-これで昨日と合わせて打率7割1分4厘「できすぎです。前にいいバッターもいますし、後ろにもいいバッターがいるのでその勢いのままがむしゃらにやっているだけです」-ここまで残ったファンへ「遅くまで応援ありがとうございました! 明日勝って決めま~す!」
◆DeNAが阪神に逆転負けを喫した。アドバンテージをあわせて0勝3敗。日本シリーズ進出へは、4連勝しかなくなった。三浦大輔監督(51)は「もう負けられない。ベンチにいるメンバー全員で戦います」と前を向いた。初回に先発の竹田祐投手(26)が2失点も、3回に追いついた。同点の4回、先頭の牧秀悟内野手(27)が才木の149キロ直球を強振。打球は左翼席ギリギリに飛び込み、勝ち越しに成功。三浦監督は「そう簡単に点取れる投手陣じゃない。その中でも、昨日は攻めていく中で押していくところでもう一押しできなった。今日は中盤はできたかなと思います」と振り返った。しかし、8回1死一、二塁から伊勢大夢投手(27)が佐藤輝に同点の適時打を許し、試合は振り出しに。三浦監督は「チームとして戦いましたので、伊勢もね頑張ってくれてますから。先頭がねちょっとフォアボールっていうところで、追いつかれましたけど」とねぎらった。延長10回無死一塁から6番手の佐々木千隼投手(31)が森下にサヨナラ2ランを浴びた。サヨナラ負けで連敗し、2年連続の日本一へは、崖っぷちに立たされた。
◆阪神の5番大山悠輔内野手(30)は今シリーズ初打点を記録した。初回、4番佐藤輝の適時二塁打で先制した直後の1死二、三塁。竹田の149キロ直球を押し返し、中堅右に犠飛を運んだ。試合中には「先制してもらった後だったので、どんな形でも追加点を取ることだけを考えて打席に入りました。得点につながって良かったです」とコメント。4打数無安打に終わった第1戦から一夜明け、貴重な2点目をたたき出して熱戦を呼び込んだ。
◆DeNAが阪神に逆転負けを喫し、アドバンテージをあわせて0勝3敗。2年連続の日本一へ、崖っぷちに立たされた。先発のドラフト1位ルーキー竹田祐投手(26)は5回0/3を6安打2失点の粘投も、報われなかった。竹田はCS初登板を「すごく応援してもらえましたし、相手の応援もすごかったので楽しかったですけど、負けてしまったので。それは悔しいし、反省するところはたくさんある」と振り返った。
◆虎の主砲・佐藤輝明内野手(26)がCSで輝いた。1点を追う8回1死一、二塁。DeNA4番手伊勢の初球、甘く入った132キロフォークを振り抜くと打球は一、二塁間を破った。二走近本が同点のホームを踏むと、超満員のスタンドが揺れた。「良かったです。(狙いは)言えないですけど。しっかり1球でね。いいバッティングできたと思います」初回1死二、三塁では先発竹田の2球目149キロ直球を詰まりながらも左前に運ぶラッキーな一打で先制点を呼び込んだ。CSでは初の3安打猛打賞をマーク。前日初戦を含め8打数4安打2打点、打率5割を刻んだ。昨年までCSでは通算13試合、打率1割6分3厘と苦戦。今季は40本塁打、102打点で、初タイトルの本塁打王、打点王を獲得。1年前とはひと味違う虎の主砲がCSでも勝負強さを光らせた。10月2日の今季最終ヤクルト戦(甲子園)からCSファイナルまで実戦は12日間遠ざかった。当初はみやざきフェニックス・リーグで調整出場予定が、台風接近の影響で回避。代替の11日に甲子園シート打撃でデュプランティエの150キロ直球をバックスクリーン左に運んだ。先発ローテ投手との本気対決で不測の事態もプラスに転換。1点を追う8回守備では1死二、三塁のピンチで、山本の三ゴロで三走を素早い動きで封殺し二走の進塁を許さない好プレーでディフェンス面でもチームを救った。打点王3度獲得し、今季限りで現役を引退した中日中田翔内野手(36)がナイター中継のゲスト解説で大絶賛。日本ハム、巨人、中日で主軸を務めた和製大砲は「(40本塁打をシーズン)最終戦で決めるのは、スター性というか"持っています"ね」。3戦目のDeNA先発は今季対戦成績が防御率0・85と虎打線が苦手にしているケイ。佐藤輝は今季打率2割5分と牙をむいた。"持っている"主砲がケイ攻略の先陣役を務める。【伊東大介】
◆アッパレ! 阪神森下翔太外野手(25)が日本シリーズへ王手をかけるサヨナラ本塁打を放った。「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ第2戦のDeNA戦(甲子園)で、3-3で迎えた延長10回、DeNA佐々木から左中間席へ2ランを放った。新人から3年連続のCSアーチは史上初。CS通算4割8分を誇る虎のお祭り男が連夜の大暴れだ。甲子園が熱気に包まれた。3時間41分の熱戦にケリをつけた、森下のサヨナラ弾。興奮の渦に包まれた球場内は、もはや大歓声で何も聞こえない。ナインに出迎えられてホームインを果たすと、もみくちゃになりながらウオーターシャワーを浴びた。「もう、最高に気持ち良かったですし。すごく今日の試合を勝ちきったなという実感が湧きました」同点の延長10回。先頭の中野が左前打で出塁し、無死一塁の場面だった。前夜に続く対戦となった、DeNA6番手佐々木の初球外角119キロスライダーを強振。引っ張り込んだ打球は放物線を描き、そのまま左中間席に飛び込んだ。「記憶では初めてだったかな」と話すサヨナラ弾だ。「短期決戦の何が何でも勝つというところで会場の雰囲気も変わるし、得点が取れる。ホームランはすごく重要だなと、CSを通して思っています」前日15日の第1戦でも、難敵東から中前適時打で決勝点をマーク。連夜のお立ち台に上がり、2日間の打率は7割1分4厘と絶好調だ。これで入団から3年連続でCSでの本塁打をマーク。NPB史上初の快挙となり、この日でCS通算打率も4割8分に上昇。止まらないお祭り男は藤川監督からも「森下、すごいですね」と感嘆された。この日もとてつもない熱気が注がれた甲子園。まったく物おじを感じさせない初球打ちで、勝負を決めた。東海大相模(神奈川)では1年時から試合に出場し、中大でも1年時から大学日本代表に選出。アマチュア時代から何度も大舞台を経験した男は、かつて緊張についてサッパリと語っていた。「緊張する場面もあるんですけど。それもしょうがないというか、深く考えても仕方ないので」どんな場面もまずは自分に集中。できる準備を尽くし、構えを決めてピッチャーと対戦する。頼もしい3番が、この日も自分の打撃を貫いた。8回の守備では強烈なバックホームで三塁走者生還も阻止。攻守の活躍で、日本シリーズ進出王手に貢献した。お立ち台では「明日勝って決めまーす!」と高らかに宣言。3連勝で日本シリーズの切符をつかむ。【波部俊之介】森下のサヨナラ本塁打で阪神が3勝0敗とし日本シリーズ進出に王手をかけた。ファイナルSでセ、パ両リーグとも無傷の王手は21、22年のヤクルトとオリックスに次いで3度目だ。阪神がCSでサヨナラ勝利は23年ファイナルS<3>戦に次いで2度目で、23年は木浪の右安。ポストシーズンで阪神選手のサヨナラ本塁打は03年日本シリーズ<4>戦金本に次いで2人目。森下はCSで3年連続本塁打。プレーオフ、CSの連続シーズン本塁打は15~19年デスパイネ(ロ→ソ)16~20年中村晃(ソフトバンク)の5年連続が最長だが、新人から3年連続は初めて。<1>、<2>戦とも勝利投手が及川でV打点が森下。プレーオフ、CSの同一シリーズで2戦以上連続V打点は22年ファイナルS<1>、<2>戦杉本(オリックス)以来7人、8度目。2戦連続勝利投手は06年1S<2>、<3>戦柳瀬(ソフトバンク)20年<1>、<2>戦モイネロ(ソフトバンク)に次いで3人目で、2戦連続同一コンビによる「勝利+V打点」は初めてだ。
◆阪神畠世周投手(31)は縦じま初のCS登板を無失点で切り抜けた。1点ビハインドの6回に登板。先頭への四球から1死二塁とされたが、7番石上を空振り三振、8番林は二ゴロに仕留めて耐えた。試合後は「先頭に四球はあかんですね」と反省しつつ「まあまあゼロに終わったからオッケーです。名脇役になれるように頑張ります」と劇的サヨナラ勝ちに安堵(あんど)していた。
◆阪神湯浅京己投手(26)は土俵際で踏ん張った。1点ビハインドの7回表に登板し、1イニング目は難なく3者凡退。8回表は2連打で無死二、三塁とされたが、5番牧を浅い右飛、6番山本を三ゴロに仕留めた。バトンをつないだ岩貞もピンチを切り抜け、湯浅は1回2/3を無失点。「点は絶対にやれない展開だったので、なんとか粘ろうと思って頑張りました。本当にサダさんに助けていただいた」。熱投で8回裏の同点劇を呼び込み、先輩にも感謝した。
◆阪神中野拓夢内野手(29)の今年のCS初安打がサヨナラ劇につながった。10回、先頭で左前打を放って出塁。「森下に回せばなんとかしてくれるんじゃないかと」という思いでバトンを渡し、サヨナラ弾につなげた。日本シリーズ進出に王手をかけた劇的勝利に「すごくいい雰囲気で野球ができているんで、まずあと1つ勝っていい流れで締めくくれるように、まずはこの試合を勝てるようにやっていきたい」と第3戦も勝って決める。
◆DeNAは移動式の大型スピーカーを甲子園に持ち込み、試合前練習時に曲を流して選手のモチベーションを高めている。音楽のテンポとセットリストにこだわり、同じBGMを使う横浜スタジアムに似た環境づくりに努めている。1分間の拍数を表すBPMは、60-100が安静時の正常値とされる。ウオーミングアップの際はBPM130の曲をかけ、高まる鼓動と同調させ、心地よく汗を流せる工夫を凝らす。打撃や守備の練習が始まる頃にはアップテンポの洋楽をかけ、テンションを上げていくといった具合だ。遠藤メンタルパフォーマンスコーディネーターによると、季節やチーム状況に応じて使い分けるセットリストは何十通りもある。今年のCSでは、昨年のポストシーズンを勝ち上がった際に使った〝勝負曲〟をゲン担ぎで使用。「ビジターだからこそ環境にこだわりたい」とナインを後押しする。(智)
◆アドバンテージを含めて2勝の阪神は防御率1・55で最優秀防御率に輝いた才木浩人投手(26)が先発する。DeNAに対しては7月26日に完封勝利を挙げるなど好相性。打線は大山悠輔内野手(30)に注目。DeNAの先発・竹田とは9月20日に対戦して本塁打を記録した。「6番・左翼」では10月2日のヤクルトとのシーズン最終戦(ともに甲子園)で今季1号を記録した前川右京外野手(22)が出場し、遊撃には小幡竜平内野手(25)が入った。
◆17日の第3戦に先発する阪神・高橋遥人投手(29)は試合前練習に参加。キャッチボールなどで汗を流した。「レギュラーシーズンも緊張しているんですけど、より緊張するのかなと思うので、その緊張を力に変えられるようにやっていきたい」今季のレギュラーシーズンは6月に手術から実戦復帰。7月中旬から1軍に合流すると、8試合に先発し、3勝1敗、防御率2・28と安定感を示した。チームは第1戦に勝利し、アドバンテージを含め2勝。15日の第2戦の結果次第では日本シリーズ進出が決まる重要なゲームを高橋は任された。CSは苦い記憶がある。昨年10月のDeNAとのファーストS第2戦(甲子園)に先発するも5回4失点。敗戦投手となり、チームはシリーズ敗退が決まった。奇しくも相手は同じDeNAだが「意識しないようにと思うんですけど、消えるものじゃない。そういうのもありながらも、自分のピッチングできるように、負けないように頑張りたいです」と意気込んだ。
◆セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)DeNAのアンソニー・ケイ投手(30)が、17日の第3戦に先発する。巨人との11日のファーストステージ第1戦から中5日での登板。キャッチボールで調整し「自分のベストを出し切って勝ちを付けたい」と意気込んだ。レギュラーシーズンでは阪神相手に8試合登板し、勝ち星こそ1勝ながら防御率0・85と相性が良かった。15日の第1戦で三盗を決めた近本、中野の機動力を警戒。中軸は長打力のある佐藤輝らが控えているだけに「なるべく彼らを塁に出さないことが大事。思い切りのあるピッチングが大事になる」と表情を引き締めた。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回に先制二塁打を放った。先頭の近本光司外野手(30)が四球で出塁。中野拓夢内野手(29)は遊ゴロに倒れるも併殺は免れ、続く森下翔太外野手(25)が右翼線への二塁打でチャンス拡大。1死二、三塁で佐藤輝に打席が回ってきた。2球目の高め直球をフルスイング。詰まった打球は高々と左翼方向へ。打球は左翼手・佐野の手前に落ち、三走・中野が生還し、先制に成功した。さらに1死二、三塁で大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点目を奪った。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回に先制二塁打を放った。先頭の近本光司外野手(30)が四球で出塁。中野拓夢内野手(29)は遊ゴロに倒れるも併殺は免れ、続く森下翔太外野手(25)が右翼線への二塁打でチャンス拡大。1死二、三塁で佐藤輝に打席が回ってきた。2球目の高め直球をフルスイング。詰まった打球は高々と左翼方向へ。打球は左翼手・佐野の手前に落ち、三走・中野が生還し、先制に成功した。さらに1死二、三塁で大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点目を奪った。佐藤輝は「打ったのはストレート。チャンスで回してもらったので、初回に先制できたのは良かったです。次の打席も頑張ります」とコメント。大山は「打ったのはストレート。先制してもらった後だったので、どんな形でも追加点を取ることだけを考えて打席に入りました。得点に繋がって良かったです」と話した。
◆セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)DeNA・蝦名達夫外野手(28)が「1番・右翼」で出場し、2点を追う三回1死一塁で左中間を破る適時二塁打を放った。才木からファウルで粘った末の9球目、真ん中付近に入った149キロの直球を逃さなかった。巨人との12日のCSファーストステージ第2戦でサヨナラ打を放ったリードオフマン。CSは4試合連続安打と好調を維持する。
◆阪神・才木浩人投手(26)が3本の安打を浴びて2失点。今シリーズ、12イニング目でチーム初失点を喫し、同点に追いつかれた。2-0で迎えた三回、先頭の林に10球粘られた末に中前打で出塁を許すと、1死後、1番・蝦名に9球目の真ん中直球を左中間へ運ばれて1失点。続く桑原からフォークで空振り三振を奪い2死としたが、佐野に左翼線へ適時二塁打を浴びて同点に追いつかれた。才木は三回までに球数71。粘るDeNA打線に苦戦を強いられている。
◆先発した阪神・才木浩人投手(26)が四回に勝ち越しを許した。2-2の四回。先頭で5番・牧を迎えた。カウント3-1から5球目の甘く入った149キロの直球を完ぺきにとらえられた。打球は左中間スタンドに一直線。手痛い勝ち越し点を献上した。レギュラーシーズンでは12勝、防御率1・55と安定感を見せたエースだが、四回まで球数88球を投じ、序盤から失点が続いている。
◆セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)DeNA・牧秀悟内野手(27)が「5番・一塁」で出場し、2-2の四回先頭でCS1号となるソロを左中間席に運んだ。真ん中に入った才木の149キロの直球を仕留め、高々と右拳を掲げた。打線は2点を追う三回に3安打を集めて試合を振り出しに戻した。前夜は好機での凡退が続いた牧は「前の回に同点に追いついてくれた流れで打席に入れたので、さらに集中して打つことができた」と振り返った。
◆逆転された直後に迎えたチャンスを阪神打線が生かすことはできなかった。2-3で迎えた四回。先頭の佐藤輝明内野手(26)がこの日2本目となる二塁打で好機を演出した。しかし、大山が空振り三振に倒れると、続く前川は三邪飛に打ち取られて2死。坂本も遊ゴロに倒れた。DeNAの先発・竹田から一回に2点を奪ったが、以降は無得点。1点を追う展開で試合は中盤戦に突入した。
◆セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)DeNA・佐野恵太外野手(30)が「3番・左翼」で出場し、2点を追う三回に1点差に詰め寄ってなお2死二塁で同点の適時二塁打を放った。内寄り高めのスライダーに詰まらされながらも、しぶとく左翼線に落とした。才木の初球を捉え「チャンスで回ってきたので、どんな形でも得点に結びつけたかった。良いところに落ちてくれてよかった」と安堵の表情を浮かべた。
◆甲子園にかけた放物線にスタンドは静まり返った。2-2で迎えた四回無死。左手親指付け根の手術から復帰したDeNAの主将・牧が勝ち越しのソロアーチを放った。打球がスタンドに入ると、一塁上を回り拳を突き上げた。左翼スタンドの一角を埋めたDeNAファンへ、デスターシャも披露した。「前の回に同点に追いついてくれた流れで打席に入れたので、さらに集中して打つことができました」才木の甘く入った149キロを振り抜いた。第1打席ではフルカウントから四球。特大のファウルを左翼側に放つなど、復帰4戦目で長打の兆しを見せていた。牧の本塁打は離脱前最後の試合だった7月31日のヤクルト戦(横浜)以来、77日ぶり。帰ってきた主将の快音に、ベンチは総立ちで沸き立った。負ければ王手をかけられる一戦。第1戦はエース東を立てながら、12残塁とベイスターズらしい攻撃が鳴りを潜めた。3度、得点圏で回ってきた打席で凡退した牧も責任感をにじませる一人。「相手もリズムに乗ってしまうし、チームにいいリズムを持ってこれなかった。そこが敗因」と振り返りながらも、「何とか次は打てるように、明日はやっていく」と前向きな言葉で締めくくっていた。本職の二塁ではなく、一塁で集中力を研ぎ澄ませる背番号2。長いリハビリ生活を経て飛び出した一発が、横浜反撃ののろしとなる。(阿部慎)
◆阪神-DeNAは降雨のため、一時中断となった。先発した阪神・才木浩人投手(26)が五回2死一塁の場面で筒香を右飛に打ち取ったところで雨脚が急激に強まり、午後7時40分に中断が発表。グラウンドにはシートが敷かれた。
◆五回途中に降雨のため試合は一時中断に。内野の黒土部分には大きなシートがかけられた。再開を待つ間、バックスクリーンのビジョンでは今季のVTRが放映された。放映が終了すると、右翼スタンドの応援席から今季限りでの現役引退が発表された原口文仁内野手(33)の応援歌が演奏された。雨に打たれながら、黄色い合羽を着た虎投が大合唱。原口はCS第2戦の時点では出場選手に登録されていないが、最後の雄姿を待ちわびるファンの思いが大雨の中で響いた。その後もさまざまな選手の応援歌が演奏されながら、試合再開までの時間応援団がスタンドを沸かせた。
◆降雨により一時中断していた阪神-DeNAは、中断から47分後の午後8時27分に再開した。阪神は一回に2点を先取するも、先発の才木浩人投手(26)が逆転を許し、2-3と追いかける展開。五回、先頭の8番・小幡竜平内野手(25)から反撃を試みる。
◆先発した阪神の才木浩人投手(26)は5回6安打3失点、101球で降板した。立ち上がりは抜群だった。蝦名、桑原をともに遊ゴロに仕留めると、3番・佐野を高め直球で空振り三振。援護を受けた直後の二回は四球で走者を1人出すも無失点で切り抜けた。しかし2点リードの三回に3本の安打を浴びて同点に追いつかれ、さらに四回には牧に勝ち越し本塁打を許してリードを許した。五回表終了時に雨天のため約47分間の中断。試合が再開されると、裏の攻撃で代打・高寺望夢内野手(22)が送られてマウンドを降りた。
◆阪神・畠世周投手(31)がピンチを脱してスコアボードにゼロを刻んだ。2-3の六回に2番手で登板。先頭の牧を四球で歩かせ、犠打で1死二塁を招いたが、石上を内角低め148㌔直球で空振り三振、林を二ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。レギュラーシーズンで12試合連続無失点。ポストシーズンでも防御率0・00を継続した。
◆阪神打線がまたしても好機を生かすことができなかった。1点を追う六回、先頭の森下翔太外野手(25)が左前打で出塁。ここでDeNAベンチは先発の竹田に代えて中川虎をマウンドへ送った。佐藤輝明内野手(26)への3球目が暴投となり、森下が二進。一打同点のチャンスを迎えたが、佐藤輝、大山悠輔内野手(30)、代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)がともにフォークで空振り三振に倒れた。阪神打線は一回に2点を奪うも、二回以降は5イニング連続で無得点に抑え込まれている。
◆セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)DeNA・中川虎大投手(26)が1点リードの六回無死一塁から2番手で登板し、1回無安打無失点の好投を見せた。暴投で無死二塁のピンチを招いたが、佐藤輝、大山、代打のヘルナンデスを3者連続三振。いずれも得意のフォークボールでバットに空を切らせ、力強くガッツポーズをつくった。2018年に和歌山・箕島高から育成ドラフト1位で入団した右腕が、1回無失点に抑えた前夜に続く好投で期待に応えた。
◆阪神は八回に大ピンチを迎えるも、森下翔太外野手(25)のファインプレーと岩貞祐太投手(34)の好救援で無得点に抑えた。2-3の七回に3番手で登板した湯浅京己投手(26)は見事に三者凡退に封じ、八回もマウンドに上がった。しかし、先頭の佐野に中前打、筒香に右翼への二塁打を浴びて無死二、三塁。5番・牧に右飛を打たれたが、ここは右翼手・森下が飛び上がりながら本塁への完ぺきなストライク返球を決め、失点を許さなかった。窮地を救う好プレーにスタンドからは大歓声が起こった。湯浅は続く山本を三ゴロに仕留めると、岩貞にマウンドを託す。ベテラン左腕は石上を貫録の3球連続スライダーで三球三振に斬り、無失点で切り抜けた。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が八回に同点打を放った。2-3の八回、先頭の近本光司外野手(30)が四球で出塁。中野拓夢内野手(29)が犠打で送って1死二塁。森下翔太外野手(25)も四球を選んで1死一、二塁の絶好機で先制打を放った佐藤輝に打席が回ってきた。初球のフォークをたたくと、打球は一、二塁間を抜け、同点適時打に。リーグ2冠の主砲がここぞの場面で力を発揮した。
◆DeNAのドラフト1位新人、竹田が六回途中まで6安打2失点と粘った。一回に四球からピンチを招いて2点を失ったが、二回以降は修正。スライダーや落ちる球を効果的に織り交ぜて阪神打線をかわし「最初はうまくリズムをつくることができなかったが、皆さんに助けられて何とか試合をつくることができた」と安堵した。緩急巧みな投球術で、8月の初登板から6試合で4勝(1敗)をマークした26歳の右腕。重圧の増すCSでも先発の役目を果たした。
◆阪神が森下翔太外野手(25)のプロ初のサヨナラ本塁打で劇勝。アドバンテージを含む3連勝とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。3-3で迎えた延長十回無死一塁、左中間に放物線を描き、NPB初の新人から3年連続CS弾を記録した。攻撃は一回1死二、三塁、佐藤輝明内野手(26)の左前に落ちる二塁打と大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点を先取。才木浩人投手(26)が5回3失点で降板したが、八回1死一、二塁で佐藤輝が右前に同点打を放った。3安打2打点の佐藤輝はPS22試合目にして初の複数安打。阪神は17日の第3戦で引き分け以上で2年ぶりの日本シリーズ進出となる(観衆=4万2647人)。
◆DeNAは延長十回、6番手で登板した佐々木千隼が阪神・森下にサヨナラ被弾を許した。打線は五回までに6安打したが、六回以降は2安打と阪神の中継ぎ陣に抑えられた。チームは2連敗を喫し、後がなくなった。
◆阪神が森下翔太外野手(25)のプロ初のサヨナラ本塁打で劇勝。アドバンテージを含む3連勝とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。3-3で迎えた延長十回無死一塁、左中間に放物線を描き、NPB初の新人から3年連続CS弾を記録した。攻撃は一回1死二、三塁、佐藤輝明内野手(26)の左前に落ちる二塁打と大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点を先取。才木浩人投手(26)が5回3失点で降板したが、八回1死一、二塁で佐藤輝が右前に同点打を放った。3安打2打点の佐藤輝はPS22試合目にして初の複数安打。阪神は17日の第3戦で引き分け以上で2年ぶりの日本シリーズ進出となる(観衆=4万2647人)。
◆DeNAが窮地に立たされた。同点で迎えた延長十回。6番手・佐々木が無死一塁から、森下にサヨナラ本塁打を被弾した。これでアドバンテージを含めて0勝3敗で王手をかけられた。先発のルーキーの竹田は六回途中2失点。2点を追う三回に蝦名、佐野に適時打が飛び出し、四回には牧に復帰後初本塁打となる勝ち越しソロが生まれた。中川、石田裕と七回まで好リリーフを見せたが、4番手・伊勢が佐藤輝に同点打を食らった。打線は阪神の救援陣の前に中盤以降、本塁が遠かった。
◆阪神は3―3の延長十回無死一塁、森下が左中間へ2ランを放ちサヨナラ勝ちした。佐藤輝が一回の先制打、八回の同点打と3安打2打点。DeNAは四回に牧のソロでリードしたがその後は好機を生かせず、救援陣がつかまった。阪神のデータは以下のとおり。?レギュラーシーズン1位の阪神が第2戦に勝利。アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を3勝0敗とし日本シリーズ出場に王手。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたケースは過去46度で、日本シリーズに43度進出、敗退は1977年のロッテ(対阪急)、2010年のソフトバンク(対ロッテ)、12年の中日(対巨人)の3度で、突破率は93・5%。無敗で王手をかけたケースは昨年のソフトバンクまで過去24度全て日本シリーズに進出、突破率は100%(セ9度)。?森下が十回にサヨナラ本塁打。プレーオフ、CSでのサヨナラ本塁打は04年ファーストステージ(S)第3戦の西武・和田一浩、09年第2S第1戦の日本ハム・スレッジ(満塁)、19年ファーストS第2戦のDeNA・乙坂智(代打)に次いで6年ぶり4人目で、阪神の選手では初。?阪神の選手のポストシーズンでのサヨナラ本塁打は03年日本シリーズ第4戦の金本知憲以来22年ぶり2人目。
◆阪神が森下翔太外野手(25)のプロ初のサヨナラ本塁打で劇勝。アドバンテージを含む3連勝とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。3-3で迎えた延長十回無死一塁、左中間に放物線を描き、NPB初の新人から3年連続CS弾を記録した。攻撃は一回1死二、三塁、佐藤輝明内野手(26)の左前に落ちる二塁打と大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点を先取。才木浩人投手(26)が5回3失点で降板したが、八回1死一、二塁で佐藤輝が右前に同点打を放った。3安打2打点の佐藤輝はPS22試合目にして初の複数安打。阪神は17日の第3戦で引き分け以上で2年ぶりの日本シリーズ進出となる。
◆DeNAは延長十回に森下にサヨナラ2ランを浴びて、アドバンテージを含め3敗目を喫した。四回には一時勝ち越しのソロ本塁打を放った主将の牧は、「いい1本は出てよかったですけど、チームが負けてしまったので意味がない」と振り返り、「明日負ければ終わりですし、勝てば続きがあるという戦い。明日勝てるようにいい準備をしていきたい」と語って球場を後にした。
◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(59)は阪神・森下翔太外野手(25)の守備と中継ぎ陣を絶賛した短期決戦になると、選手が意識したりするものだが、阪神はシーズン同様の戦いができている。しっかり守って、救援陣がほぼ全員、仕事を果たす。これが2025年の阪神だろう。象徴的だったのが八回の守備だ。無死二、三塁の大ピンチ。1点でも奪われれば、試合は決する場面。牧の右飛は浅かったが、三塁走者はどうするか、微妙なケースだった。でも森下の肩があるから、相手は無理できない。シーズンから、その強肩を見せていたから、DeNAは突入をためらわざるを得なかった。さらに山本の三ゴロで三本間の挟殺プレーになったが、ここでも三走をアウトにするのが非常に早かった。結果、二走は三塁へ進めなかった。2死一、二塁で岩貞にスイッチしたわけだが、救援投手にとって、走者が二塁と三塁では天と地ほどの開きがある。三塁に走者がいるケースで一番怖いのは暴投だ。つまり、三塁に走者がいなければ、思い切って低めに投げられるのだ。岩貞は3球連続でスライダーを投じたが、これがすべて低いコースに決まり、最後は空振りの三振を奪った。すべては、挟殺プレーが絶妙だったから。継投もシーズン同様に素晴らしかった。16日に及川、石井がイニングまたぎをしているので1点ビハインドの状況では投げさせにくい。代わって出番になった畠、湯浅、そして岩貞が役割を果たした。勝ちパターンの救援陣に目が行きがちな今年の阪神だが、劣勢が仕事場の投手たちが我慢の投球をするので、あの独走Vがあった。中身の濃いサヨナラ勝利だったといえる。
◆阪神が森下翔太外野手(25)のプロ初のサヨナラ本塁打で劇勝。アドバンテージを含む3連勝とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。3-3で迎えた延長十回無死一塁、左中間に放物線を描き、NPB初の新人から3年連続CS弾を記録した。攻撃は一回1死二、三塁、佐藤輝明内野手(26)の左前に落ちる二塁打と大山悠輔内野手(30)の中犠飛で2点を先取。才木浩人投手(26)が5回3失点で降板したが、八回1死一、二塁で佐藤輝が右前に同点打を放った。3安打2打点の佐藤輝はPS22試合目にして初の複数安打。阪神は17日の第3戦で引き分け以上で2年ぶりの日本シリーズ進出となる。
◆リーグ王者の阪神がリーグ2位のDeNAに5-3でサヨナラ勝ちした。3-3の延長十回無死一塁、森下翔太外野手(25)が左中間へサヨナラ2ラン。1勝のアドバンテージを含め3勝0敗とし、17日の第3戦に勝つか引き分ければ2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。森下のためにCSがあるのか-。ひと振りで、勝負を決めた。鳴り物もなくなった午後10時29分。白球が夜空に舞い上がった。プロ初のサヨナラ弾。連夜のヒーローは歓喜のウオーターシャワーの中で、何度も何度も、雄たけびを上げた。「勝ちましたー! サヨナラホームランが自分の記憶では初めて。どうしたらいいか分からなかったけど、すごくうれしかったです」降雨による47分間もの中断をはさみ、試合は3―3で延長戦へ。のべ4時間28分のロングゲームに、終止符を打った。延長十回、先頭の中野が左前で出塁。「とにかくチャンスを広げて、球場と一体になりながら攻撃をしたい」と強い気持ちを胸に打席に向かった。
◆同点の延長十回に6番手で登板した阪神・及川は疲れを感じさせない好救援を披露した。先頭の桑原を見逃し三振、神里を三邪飛に仕留めると、最後は横浜高の先輩・筒香を低めの変化球で空振り三振に斬った。「3人で切れたのが一番よかった」。15日の第1戦で6月以来のイニングまたぎをこなしていたが、連投もいとわず三者凡退に封じた。
◆阪神・近本が2出塁でリードオフマンとしての役割を果たした。1点を追う八回に先頭で打席に立つと四球を選んで出塁。中野の犠打で二塁へ進み、4番・佐藤輝の右前打で一気に本塁に突入した。右翼・蝦名の好返球でクロスプレーになるも、間一髪で本塁セーフ。持ち味の快走が同点劇を呼び込んだ。
◆3-3の延長十回、先頭の阪神・中野が左前打を放って、森下のサヨナラ2ランのおぜん立てをした。「塁に出た状態で回せば、なんとかしてくれるんじゃないかと。しっかりと(チャンス)メークできてよかった」。CS9打席目での初安打は劇的勝利を呼び込む一打となった。「あとひとつ勝って、いい流れで(CSを)締めくくれるようにやっていきたい」と声を弾ませた。
◆阪神・湯浅がイニングまたぎの登板を無失点で踏ん張った。「絶対に点をやれない展開だった。何とか粘ろうと思って頑張った。岩貞さんに助けていただいた」。マウンドに上がった七回は三者凡退に片づけ、八回は連打で無死二、三塁のピンチを招いた。それでも牧を右飛、山本を三ゴロに打ち取る。ここで降板し、代わった岩貞が後続を締めた。勝ち投手となった2023年の日本シリーズ第5戦以来となるポストシーズンでの登板で、粘り強さを発揮した。
◆先発した阪神・才木は5回6安打3失点で降板した。「次は自分がチームを鼓舞できるような投球をしたい」。一回は12球で三者凡退で片付けたが、三回に2点を失って追いつかれ、四回に牧に一時勝ち越しのソロを許した。「チームの流れを止めても仕方ないピッチングでした」。今季は防御率1・55でタイトルを獲得したが、ポストシーズンは4試合に登板して、勝ち星に恵まれていない。
◆阪神・岩貞が窮地をしのいで同点を呼び込んだ。八回、湯浅がピンチを作るも2死一、二塁までこぎつけ、左打者の石上を迎えたところで登板。変化球を連投し、すべてボール球をスイングさせて三球三振を奪った。「冷静に打ち取ることだけ集中して投げることができた」。直後の攻撃で佐藤輝に同点打。経験豊富な34歳の左腕が、左殺しとして輝いた。
◆大粒の雨が黒土をぬらした。よみがえる8年前の悪夢-。ただ、あのときとは違う。虎には佐藤輝がいた。降雨中断もあった緊迫の2戦目。ほえた主砲が立ち込める暗雲を吹き飛ばした。「よかったです。しっかり一球でいいバッティングできたと思います」2-3で迎えた八回1死一、二塁。伊勢の初球をとらえた。鋭い打球が一、二塁間を破る。二走・近本が一気に同点のホームへかえってきた。劣勢をはね返す一打に、佐藤輝は塁上で雄たけびを上げた。一回1死二、三塁は左翼線際に先制の二塁打。四回先頭は右翼線へ二塁打。3安打2打点と完全に目覚めた。五回表が終わったとき、上空に分厚い雨雲が垂れ込め、試合は47分間の中断を強いられた。雨が降る甲子園でのCS。思い出すのは2017年。相手はDeNA。当時も初戦をとって、2戦目は落とした。そして、そのまま3戦目に負け、日本一の夢を断たれた。虎党の脳裏によぎる8年前の悪夢。それでも、黄金時代を迎えた令和の虎は違う。15日の試合前練習後、佐藤輝はクラブハウスへとつながる通路で笑顔を見せていた。「短期決戦のポイントですか? 自分自身、こういう舞台で結果を残しているわけではないので分からないですけど...」過去4年間のCS通算成績は打率・163(43打数7安打)と芳しくないことは理解している。だからこそ、今年は考えを変えた。40発&102打点で、セ・リーグの本塁打王&打点王としての自負。4番としての責任。それに加えて「しっかり体も動かせて調整できたし、とにかく今は楽しんでやろうと思っていますよ」。純粋に野球を、このCSという舞台を楽しむことを忘れない。それが、日本シリーズへの最短ルートだと信じている。「勝つつもりで、みんなやっていたので結果そうなってよかった。(森下のサヨナラ弾は)しびれましたね」2年ぶりの日本一に立つまで-。セ・リーグの王者として、2冠として、どんな劣勢も悪夢も、そのバットで打ち砕く。(原田遼太郎)2017年10月15日、CSファーストS第2戦、阪神-DeNA。第1戦で2位阪神が勝ち、阪神が勝利か引き分け、DeNAが勝利のみでファイナルS進出という状況だったため、降雨でも開催を強行した。約1時間遅れで秋山と今永の先発で試合開始。筒香が打席で尻もちをついてユニホームがドロドロになるなど、グラウンドは田んぼ状態だった。試合は4-4の七回にDeNAが桑原を攻略し、一挙6得点。九回にも3点を追加し、CS史上最多の21安打で13得点と圧勝。17日の第3戦もDeNAが6-1で勝利し、ファイナルSに進出した。
◆DeNAが猛虎の勢いに飲み込まれた。逃げ切りに失敗して延長十回の末にサヨナラ負けを喫し、相手のアドバンテージ1勝を含め3敗と崖っぷちに立たされた。1点リードの八回から4番手で登板した伊勢が誤算だった。先頭を含む2四球でピンチを招き、佐藤輝に初球の浮いたフォークボールを痛打されて一、二塁間を破る同点打を許した。それでも三浦監督は「頑張ってくれていますから」と責めなかった。悔やまれるのは直前の攻撃。先頭の佐野、続く筒香の連打で無死二、三塁の絶好機をつくりながら後続が打ち取られて得点を奪えず、流れを失った。一回に2点を先行されながら三回に追いつき、四回に牧のソロで一時は勝ち越した。五回表終了後には雨で47分間の中断を強いられたが、続投した先発の竹田は六回途中2失点と粘り、後を受けた中川、3番手の石田裕はともに1回無失点と好投。中継ぎ陣は必死にバトンをつないだが、十回は6番手の佐々木が森下に初球を捉えられてサヨナラ2ランを浴びた。もう後はない。今季限りで退任する三浦監督は「ベンチにいるメンバー全員で。負けられないですから」と努めて前を向いた。(鈴木智紘)
◆同点とした直後の九回に5番手で登板した阪神・石井は、DeNA打線を寄せ付けなかった。「いつも通り入れた」と先頭の林を三ゴロに仕留めると、代打・度会を内角148キロ直球で見逃し三振。1番・蝦名は右飛に打ち取った。第1戦ではイニングまたぎをこなして零封勝利に貢献。「いつも通りやっていれば、こうやって野手が打ってくれる」。レギュラーシーズンでは防御率0・17を記録した右腕が、ポストシーズンでも力を発揮している。
◆阪神・畠が、2―3の六回に2番手で登板。先頭の牧に四球を与え、犠打で1死二塁を招いたが、続く石上を内角直球で空振り三振、林を二ゴロに仕留めた。レギュラーシーズンでは登板した12試合すべて無失点。現役ドラフトで巨人から今季加入した右腕が、CSでも力を発揮した。
◆野球界に新たなる言葉が生まれたー!! それは『モリシタ!!』なのだ!! なぜだか分からないけど、ここ一番で本日のサヨナラホームランのような、どデカイ仕事をするという意味なのだ!! ホラ、体操だとその技をやった選手の名前、例えば『シライ』とか『トカチェフ』とかあるじゃないですか...。あんな感じで大仕事をする男を野球界ではこれから「モリシタしとるやん!」という具合にしたろうや!!本日のヒーローはもちろん森下だけど、やはり藤川阪神は投手力のチームなのだ!! 先発才木が5回3失点でよもやの降板後、畠、湯浅、岩貞、石井、及川が5回を無失点リレーと耐えて勝利を呼び寄せた。これぞ阪神野球を見せてくれたのだ!!さあ、これで日本シリーズに王手! 第4戦以降のチケットを持っている阪神ファンや営業担当者(試合数が多いと収益が増す)には申し訳ないけど、第3戦で一気に決めなきゃアカンよ! 何があるか分からないのが野球のコワサだし...。てか、ストレートで勝ち「今年はCSいらんかったやんかー!」と野球ファンをボヤかせたろーや!!
◆40年前の1985年10月16日は、阪神が21年ぶりに優勝を決めた日だ。神宮球場で宙を舞う監督・吉田義男。21年ぶり...。途方もなく長いブランクの末の栄冠だった。涙する虎党をいっぱい見た記憶がある。40年前も延長戦だった。掛布雅之が左翼ポールを直撃するホームランを放って、ファンを思い切り泣かせた。そして、40年後は、森下がサヨナラホームラン。最高の笑顔を、日本中の虎党にプレゼントしてくれた。長い夜になった。長い夜になった理由の一つは、もちろん雨による中断。47分間、降りしきる雨の中、甲子園の阪神ファン、DeNAファンは待ち続けた。そんなファンを喜ばせたのは、またしても「神整備」だ。急に振り出した雨の中、阪神園芸が披露したのは、大きなシートを、あっという間に敷き詰めるという芸術的な動き。甲子園は大拍手だ。そして、雨が上がると、今度は一糸乱れぬ連係でシートをたたんでしまった。みんなで作り上げた、最高の夜だ。今の虎党は幸せだ。名将(になるかもしれない)藤川監督のおかげで、来年以降も見せてもらえそうな気配がプンプンしているのだから。「もう40年もたつんか? あの頃はCSもなかったし、野球自体も変わったよなぁ」〝きょうは何の日〟を知らせると、当時の主役(?)川藤幸三前OB会長も感慨深げだった。同じことを、トラ番・萩原翔に伝えると「こんな時期にリーグ優勝が決まっていたんですか」と驚いていた。ことしの阪神は9月7日。確かに昔とは「暦」にも違いが。
◆ひと振りで試合が終わる本塁打だけは、許されない延長戦。最も失点する確率の高い、先頭打者への四球。DeNAには2つの痛恨事だった。十回無死一塁で打席には3番・森下。バントや足をからめる攻撃は考えにくい。つまり打者との勝負に神経の大半を割ける局面で、佐々木の初球は、真ん中から曲がる甘いスライダー。失投でした...では済まされない結果を招いてしまった。八回に伊勢が同点に追いつかれたのは、先頭・近本への四球が発端。好投手が安打を連ねられる可能性は低い。その分、四球がからむと失点につながるということだ。短期決戦ならではの策も、確かにある。同時に、避けるべきことは避けるという基本的な部分も、大舞台になればなるほど大事になる。そこまでの試合運びは見応え十分だった。先発の竹田が47分間もの降雨中断をはさみ、五回も登板し、六回途中まで2失点。コンディション面と精神面のコントロールは、新人らしからぬものだった。四回には牧が、カウント3-1からの才木の速球を仕留めて、勝ち越しの左中間本塁打。コンタクト能力と勝負強さはさすがだ。3番・佐野も3安打の固め打ち。巻き返しへのキーマンに指名したい。(サンケイスポーツ専属評論家)

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