ソフトバンク(☆3対0★)日本ハム =クライマックスシリーズ2回戦(2025.10.16)・みずほPayPayドーム福岡=
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日本ハム
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ソフトバンク
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勝利投手:松本 裕樹(1勝0敗0S)
(セーブ:杉山 一樹(0勝0敗1S))
敗戦投手:福島 蓮(0勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】柳田 悠岐(1号・8回裏3ラン)

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◆ソフトバンクが日本シリーズ進出に王手をかけた。ソフトバンクは両軍無得点で迎えた8回裏、1死一二塁から柳田の3ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・有原が6回無失点。その後は3投手の継投で完封リレーを展開した。敗れた日本ハムは、打線が10残塁とつながりを欠いた。

◆日本ハム今川優馬外野手(28)が出場選手登録を抹消された。CSファイナルステージ第1戦が行われた15日に昇格。9月9日の対戦で本塁打を放っていたソフトバンク・モイネロ対策で「5番左翼」でスタメン出場し、1安打を放ったが、6回の守備から途中交代となっていた。シーズン終盤に右太ももを痛めた影響で、昇格までに参加していたフェニックスリーグでも出場はDHのみで、15日の第1戦もぶっつけ本番で左翼守備に就いていた。

◆アドバンテージを含め2勝0敗としているソフトバンクのスタメンが発表された。第1戦と同じ打順となり、1番は柳田悠岐外野手(37)。前日にサヨナラ打を放った山川穂高内野手(33)は「7番DH」で出場する。先発は有原航平投手(33)。今季は26試合に先発し、14勝9敗、防御率3・03。2年連続の最多勝右腕で日本シリーズ進出に王手をかける。

◆日本ハム上原健太投手(31)が試合前にソフトバンク周東佑京外野手(29)に謝罪した。上原は9月18日のソフトバンク戦の7回1死一、二塁で、背中付近に死球を与えていた。うずくまる周東に、上原はすぐ帽子を取って謝罪。その後、コーチ陣が周東の元へ駆け寄ったが、立ち上がり自ら歩いて一塁へ。その後も出場を続け、20日のオリックス戦にも出場したが、その後のレギュラーシーズンは欠場が続いていた。そんな経緯もあり、上原はグラウンド入りし、先に練習していた周東と目が合うと、頭を下げるそぶりを見せ、周東も笑顔で応じていた。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)がメンバーを複数入れ替え、巻き返す。外野2人を入れ替え、浅間大基外野手(29)を「2番中堅」で今CS初スタメン、初戦は「4番三塁」だった郡司裕也捕手(27)を「7番左翼」に変更した。ファイナル初戦で「6番一塁」だった清宮幸太郎内野手(26)は「3番三塁」に変え、アリエル・マルティネス捕手(29)を「5番一塁」で、今CS初のスタメン起用した。

◆ソフトバンクや巨人で活躍した松田宣浩氏(42)が始球式を行った。背番号「5」の特別Tシャツを着用してノーバウンド投球。最後はお決まりのフレーズ「熱男~!」と叫んで球場を盛り上げた。「最高の始球式です。100点満点の始球式だったと思います」と振り返った。松田氏はパ・リーグ最多となるCS通算55試合に出場。短期決戦での心得については「とにかく常にヒーローになるというか。1打席失敗しても常にヒーローになれる。チームが勝てば次のステージに進めますし、インパクトが残せる。シーズンの数字じゃなく、とにかく結果。チームが勝つことを一番に考えてそのピースになることが大事かなと思います」と語った。

◆2試合連続で一進一退の攻防を繰り広げている。5回終了時点で両チームとも無得点。前夜の一戦も、6回まで0-0の展開だった。ソフトバンク打線は3回まで日本ハムの先発福島蓮投手(22)にパーフェクト投球を許した。4回に1死から柳町達外野手(28)がこの日チーム初安打となる左翼フェンス直撃の二塁打で出塁。だが、後続の3番栗原陵矢内野手(29)、4番中村晃外野手(35)が空振り三振に倒れた。先発マウンドに上がった有原航平投手(33)は5回まで無失点投球を披露。3回、5回を除く3イニングで走者を背負うも、粘りの投球で先制のホームを踏ませなかった。

◆ソフトバンク有原航平投手(33)が、粘りの投球で6回4安打無失点と先発の役目を果たした。最後は気迫で押し切った。0-0で迎えた6回2死満塁の場面。日本ハム石井をわずか2球で追い込み、カウント1-2からの5球目だ。最後は真ん中低めに投じたチェンジアップで空振り三振。雄たけびを上げ、グラブもたたいた。窮地を切り抜け、湧き出る感情を抑えきれなかった。序盤から苦しんだ。5回まで3者凡退は2イニングのみ。計4四死球を与えるなど再三走者を背負う投球も、先制のホームを踏ませなかった。今季は2年連続で開幕投手を務め、日本ハム伊藤と並ぶパ・リーグ最多の14勝(9敗)をマークしていた。

◆日本ハムが2連敗し、ソフトバンクに日本シリーズ進出へ王手をかけられた。"海賊打線"は初回1死一、三塁、4回1死二、三塁、6回1死満塁の好機で無得点。先発の福島蓮投手(22)は7回まで2安打無失点、自己最多10奪三振と快投したが、8回1死一、二塁のピンチを招いたところで上原健太投手(31)に交代となった。その上原がソフトバンク柳田に左越え先制3ランを被弾し、敗れた。ファイナルステージは、これで昨季からソフトバンクに5連敗となった。

◆CS初先発登板の日本ハム福島蓮投手(22)が自己最多10奪三振の快投を披露したが、0-0の8回1死一、二塁のピンチを招いたところで、上原と交代。直後、上原がソフトバンク柳田に均衡を破る3ランを浴びた。3回までは完全投球。4回1死でソフトバンク柳町に左翼フェンス直撃の二塁打を許すも、続く栗原、中村を空振り三振に切って取った。5回1死からは今宮から自己最多タイとなる7つ目の三振を奪うと、7回は中村、牧原大、今宮を3者連続三振と、快調に飛ばしていた。7回1/3、125球はイニング数、球数ともに自己最多となった。

◆ソフトバンクのセットアッパー松本裕樹投手(29)が日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)にリベンジした。0-0の8回に3番手でマウンドへ。先頭の助っ人砲を二ゴロに仕留めるなど無失点で切り抜けた。前日15日の第1戦ではレイエスに同点ソロを浴びていた松本裕。小久保監督は「力勝負にいってあんなところに打つレイエスがすごい。またやり返したらいい」と話しており、一夜明けてやり返した。

◆ソフトバンクが2連勝し、アドバンテージを含め3勝0敗とした。2年連続の日本シリーズ進出に王手。無傷でCS突破も見えてきた。0-0の8回1死一、二塁で柳田悠岐外野手(37)が逆方向の左翼スタンド最前列にシリーズ1号3ラン。両軍無得点の緊迫した展開が続いていたが、チームの顔の一振りで均衡が破れた。柳田は内川聖一氏に並ぶCS通算トップの10本塁打目。打点36は自身の持つ最多記録を更新した。17日に勝利すれば日本シリーズ進出が決まる。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(37)が、均衡を破る先制3ランを放った。0-0で迎えた8回1死一、二塁の場面。カウント1-1からの3球目だった。日本ハム上原の外角高め150キロ直球を流し打ち。左翼スタンドへ放り込んだ。球団を通じ「アドレナリンMAX! とにかくピッチャーが踏ん張っている中で得点を取ることができて良かった」とコメントした。自身にとって内川聖一氏に並ぶ歴代最多のCS通算10本塁打目となり、同最多を更新する36打点目をマークした。

◆第3戦の予告先発投手が発表され、2連敗で崖っぷちの日本ハムは、伊藤大海投手(28)、日本シリーズへ王手をかけたソフトバンクは、23年まで日本ハムに在籍した上沢直之投手(31)になった。2年連続最多勝のエース伊藤は、大事な一戦に向け、以下のようにコメントした。「いつも通り平常心でマウンドに上がりたいです。簡単に見えて難しいので、まずは良いメンタルで試合に入れるようにしたい。ペイペイドームのマウンドは投げやすくて好きですし、良いイメージを持っている。どの試合でもそうですが、より一層、先頭打者の出塁を許さないことが大事。当たり前のことを当たり前にできるようにしたいと思います。あとはワンチームで愉しみます」。日本ハムは、まず1勝を挙げて、逆襲につなげる。

◆CS放送「スポーツライブ+」で解説を務めた元ソフトバンクの柴原洋氏(51)が、8回に手痛い決勝点を奪われた日本ハム救援陣を残念がった。両チーム無得点のまま迎えた7回、日本ハム先発の福島蓮投手(22)はソフトバンク打線を7回までわずか2安打無失点、116球の熱投。援護がない中、自己最長の8回のマウンドに上がったが、先頭の山川に三塁手強襲の痛烈な内野安打を許し、犠打を挟んで1死二塁から代打川瀬に四球を与えて降板した。なおも1死一、二塁から2番手の上原健太投手(31)が柳田に先制3ランを浴び、これが決勝点となった。柴原氏は「なかなか打ち崩すことのできなかったピッチャーが代わってくれて、各バッターは楽になったと思いますよ」と分析。続けて、先発が終盤まで粘投した後、救援陣がつかまる一連の流れを見た柴原氏は「こういうところなんでしょうね。先発を長いイニング投げさせないといけないってところで。中継ぎもいいピッチングをしているんですけどね。シーズン中もこのような試合が多かったですよね」と指摘。力投を見せた福島には「本当に良く投げました。良いピッチングでした」と、ねぎらいの言葉をかけた。

◆日本ハムが2連敗し、ソフトバンクに日本シリーズ進出へ王手をかけられた。先発の福島蓮投手(22)は7回まで2安打無失点、自己最多10奪三振と快投したが、8回1死一、二塁のピンチを招いたところで上原健太投手(31)に交代となった。その上原がソフトバンク柳田に左越え先制3ランを被弾し、敗れた。ファイナルステージは、これで昨季からソフトバンクに5連敗となった。

◆ソフトバンクが完封で日本ハムを下し、アドバンテージの1勝を含めると3勝0敗とした。ソフトバンクがアドバンテージの1勝を含め3勝0敗となり、今日の試合で○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで46チームのうち43チームが進出。今回のように無傷で王手は昨年のソフトバンクまで24チームすべて突破している。小久保監督のCSは昨年から5戦5勝(アドバンテージ除く)。プレーオフ、CSで初采配から無傷の5連勝以上は07~08年落合監督(中日)6連勝、15~16年工藤監督(ソフトバンク)5連勝、21~22年高津監督(ヤクルト)に次いで4人目。

◆日本ハムが2連敗し、ソフトバンクに日本シリーズ進出へ王手をかけられた。先発の福島蓮投手(22)は7回まで2安打無失点、自己最多10奪三振と快投したが、8回1死一、二塁のピンチを招いたところで上原健太投手(31)に交代となった。その上原がソフトバンク柳田に左越え先制3ランを被弾し、敗れた。 ファイナルステージは、これで昨季からソフトバンクに5連敗となった。福島が10三振を奪いながら敗戦投手。プレーオフ、CSの2桁奪三振は13人、19度目で、日本ハムでは06年2S<1>戦と08年1S<1>戦ダルビッシュ、14年ファイナルS<5>戦大谷に次いで3人、4度目。プレーオフ、CSで2桁奪三振の敗戦投手は福島が初めてだ。また、公式戦の福島は7奪三振が最多で、プレーオフ、CSで自身初の2桁奪三振は22年1S<2>戦大貫(DeNA)に次いで2人目。

◆ソフトバンク上沢直之投手(31)で2年連続の日本シリーズ進出を決める。3勝0敗で王手をかけて迎える17日のCSファイナルステージ第3戦(みずほペイペイドーム)に先発予定。「レギュラーシーズンと変わらず自分のピッチングをして、チームの勝利に貢献できるよう頑張ります」と意気込んだ。今季は12勝(6敗)を挙げ、8月以降は無傷の自身6連勝でレギュラーシーズンを終えた男が短期決戦でも先発の役目を果たす。

◆ソフトバンクが完封で日本ハムを下し、アドバンテージの1勝を含めると3勝0敗とした。柳田悠岐外野手(37)が8回に決勝の3ラン。CSの本塁打は内川(ソフトバンク)に並び最多となる通算10本目。通算36打点はすでに1位で、柳田がプレーオフ、CSで通算本塁打と打点の2部門でトップに立った。V打点は23年1S<2>戦以来6度目。こちらは内川の7度に次ぎ、丸(広島、巨人)と並び2位。通算安打は内川の54本に次ぎ、坂本(巨人)に並び2位の52本。4部門が2位以内のCS男の1発で王手をかけた。

◆CS初先発登板の日本ハム福島蓮投手(22)が自己最長となる7回1/3、自己最多125球を投げ、キャリアハイの10三振を奪う熱投を披露も、勝利にはつなげられなかった。8回先頭の山川に内野安打を許した後、1死一、二塁のピンチを招き上原に交代。昨年のCSファイナルでは第2戦にリリーフ登板して山川に被弾しており「今日も山川さんにやられてしまった。次は勝てるように」と先を見据えた。日本ハム上原(8回、ソフトバンク柳田に3ランを被弾)「できることはあったと思いますし、組み立て方を変えることもできたのかなとは思う。意図のあるボールを選択できたところに関しては間違いではなかったと思いますけど、結果としては間違いだった」

◆日本ハム新庄剛志監督(53)は敗戦から約30秒後、報道陣の前に現れた。「もう打たれた上原君より、打った柳田君が素晴らしいってことだけですね。しかも逆方向にね。完璧でしたね」。あっぱれな一撃を明るくたたえた。勝てそうで、また勝てなかった。先発した育成出身、高卒4年目右腕の福島が快投。7回までに116球だったが、ベンチで「行くよ」と声をかけて8回も続投。「福島君が一番いい(選択だ)と思ったもん」と迷わなかったが、先頭山川の打球が8回から三塁守備に就いた細川を強襲する安打に。「山川君の打球、細川君もなんとかしてほしかったけど、あれはちょっと難しかった。ドライブかかった打球だったから」。そこからピンチが広がって柳田の決勝弾につながった。海賊打線も4番レイエスが初回の好機で空振り三振。4回は先頭で安打を放って1死二、三塁とチャンスメークも7番郡司が一邪飛。「ちょっと郡司君が止まったかな。(4回は)スクイズも考えたけど、サードランナー見たらレイエス...あ、ダメだと」。歯車がかみあわず、これでCSファイナルステージは昨年から5連敗。「明日から4つ勝ったら、またドラマ起こるんで」。もう負けられない第3戦は、エース伊藤に託す。【木下大輔】

◆スーパースターで王手だ! パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは第2戦が行われ、リーグ王者のソフトバンクが2連勝を飾った。0-0の8回1死一、二塁で柳田悠岐外野手(37)が決勝3ラン。球団OBの内川聖一氏に並ぶ歴代トップのCS通算10本塁打、同最多を更新する36打点目を記録した。これでアドバンテージを含め3勝0敗。2年連続の日本シリーズ進出へ、あと1勝だ。柳田は余韻に浸っていた。「若い頃はよー打ってたんで、懐かしいなって」。フルスイングで仕留めた打球は左翼スタンドの最前列に着弾。37歳になってなお、小久保監督に「打球が若い」と言わしめる男は逆方向へ鮮やかなアーチを描いた。レギュラーシーズンは右足すねに自打球を受け、約5カ月半の長期離脱。「初めまして! 柳田でぇ~す!」。お立ち台で、とびきりの笑顔で"ギータ節"をさく裂させた。息詰まる展開で均衡を破った。0-0の8回1死一、二塁。左腕上原の3球目、150キロ直球を完璧に仕留めた。「もうほんと、アドレナリン出たんで疲れました」。決勝3ランの殊勲打は、内川聖一に並ぶ歴代トップのCS通算10本塁打目。柳田は「意識してました」とニヤリ。前日15日、始球式で球場を来訪した内川氏とも会話が弾んだという。「内川さんに会って、そういう話をしたんでね。次は内川さんを超えたいなと思います」。打点36も自身が持つ最多記録を更新した。小久保監督が指揮を執る24年から2年連続で長期離脱を経験した。指揮官から背番号「9」を引き継いだ柳田にとって、歯がゆい気持ちがないわけがない。シーズンオフは海外旅行に出かけてもトレーニングの日々だった。「ずっと次の年に向けてやってるんで」。当たり前のように体をいじめてきた。天然キャラのように見えて、練習の鬼。努力してきた柳田だからこそ放てる弾道だった。小久保監督は「あそこで打つのがスーパースター」とたたえた。これでアドバンテージを含め3勝0敗。2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。17日の第3戦で無傷突破へ。指揮官は「もう一気にいきたいです」と引き締めた。柳田は言う。「(ファーム施設のある)筑後で僕のことをサポートしてくださった人がいっぱいいた。そういう人のためにも僕が結果を残すという気持ちではずっといます」。強いタカには頼れるスーパースターがいる。【只松憲】

◆日本ハムが2連敗し、ソフトバンクに日本シリーズ進出へ王手をかけられた。先発の福島蓮投手(22)は7回まで2安打無失点、自己最多10奪三振と快投したが、8回1死一、二塁のピンチを招いたところで登板した上原健太投手(31)がソフトバンク柳田悠岐外野手(37)に左越え先制3ランを被弾し、敗れた。上原は「コースはボールゾーンではあったので、どこかのカウントで真っすぐでファウルを取っておきたいというところも、僕自身も腹をくくった球ではあったので、それで押し込めなかった」と振り返った。「もっと高さを頑張るとか、できることはやっぱりあったと思いますし、組み立て方を変えることもできたのかなとは思うんですけど。あの場面で意図のあるボールをしっかり選択できたってところに関しては間違いではなかったかなと思いますけど、結果としては間違いだったのかなと思います」と言葉を絞り出した。「福島もすごいいいピッチングをしてくれた。どうにかそのピッチングを無駄にしたくないなという思いはあったんですけど。そこがすごい反省すべき点」と悔しさをにじませた。前日の試合後、チームに同行するベテラン左腕宮西尚生投手(40)からかけられていた言葉がある。「『失敗が経験だから』と。こういうことなのかな。これをほんと次につなげないといけないですし、また明日も試合がある。同じことをしないようにしっかり明日も投げたいなと思います」。先輩の言葉を胸に、目の前の1勝のために腕を振るだけだ。

◆日本ハム福島蓮投手(22)がCS初先発で大好投も、悔しい黒星を喫した。3回までは完全投球。4回1死でソフトバンク柳町に左翼フェンス直撃の二塁打を許すも、続く栗原、中村を空振り三振に切って取った。5回1死からは今宮から自己最多タイとなる7つ目の三振を奪うと、7回は中村、牧原大、今宮を3者連続三振と、快調に飛ばしていた。0-0の8回1死一、二塁のピンチを招いたところで、上原と交代。直後、上原がソフトバンク柳田に決勝3ランを浴びた。黒星が付いた福島だが、7回1/3を125球、3安打2失点でイニング数、球数ともに自己最多となった。

◆日本ハム上原健太投手(31)が決勝弾を浴びた。0-0の8回1死一、二塁で登板。外角への150キロ直球を柳田に捉えられ、左翼へ3ランを献上した。「福島もすごいいいピッチングをしてくれたので、それを無駄にしたくないなという思いはあったんですけど...そこがすごい反省すべき点。僕自身も腹をくくった球ではあった。それで押し込めなかった」と悔しさを押し殺しながら言葉を絞り出した。

◆最多勝エースが土俵際からうっちゃる。日本ハム伊藤大海投手(28)が17日のCSファイナルステージ第3戦に先発登板する。昨季は大勝負を見据えファーストステージ登板を回避。ファイナルステージ初戦に先発も、5回2/3を10安打4失点と打ち込まれ流れをつくれなかった。今季は11日のファーストステージ初戦に登板し、7回115球を投げ4安打無失点の好投で既にスイッチオン。負ければ終わる大事な一戦で快投し、逆襲への道を切り開く。2連敗という逆境こそが、エースの力になる。崖っぷちの3戦目先発が決まり伊藤は「いつも通り平常心でマウンドに上がりたい。簡単に見えて難しいので、まずは良いメンタルで試合に入れるようにしたい」と、気を引き締めた。23年までチームメートで「お兄ちゃんみたいな存在」と話していた上沢との初対戦になる。昨オフ、ソフトバンク入りが決まった際は「周りからはいろいろ言われることもあると思いますけど、1選手としても人間としても好き」と話すなど、敬愛する姿勢は変わらない。その上で「個人的にはすごく愉しみ」と待望していたガチンコバトルに、全力で挑む。昨年10月16日、6回途中10安打4失点と打ち込まれた悪夢から366日。1年かけ積み重ねてきた成長の証を、タカ打線にぶつける。今季ソフトバンク戦は3勝3敗の五分も、みずほペイペイドームでは2勝1敗と分が良く、唯一敗れた8月10日の前回登板も、モイネロと投げ合い、8回4安打1失点完投負けと、安定。「投げやすくて好きですし、良いイメージを持っている」。敵地の大声援を逆に追い風に変え、巻き返しへの1勝をたぐり寄せる。2連敗で、ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含め3勝差。王手をかけられた状態での登板となるが、戦いはまだ終わっていない。「どの試合でもそうですが、より一層、先頭打者の出塁を許さないことが大事。当たり前のことを当たり前にできるように。あとはワンチームで愉しみます」。当然、勝つことが最優先で、球数もイニング設定もない。いけるところまで投げ抜き、逆転突破へののろしを上げる。【永野高輔】

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◆アドレナリンMAX??値千金決勝ホームランの柳田悠岐久々のヒーローインタビューには「初めまして!」?CSファイナルステージ第2戦 (2025/10/16)??ソフトバンク×日本ハム#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #sbhawks#だったらDAZN pic.twitter.com/9oCuuDi04k

◆ソフトバンクは1番から9番まで第1戦オーダーで臨む。15日にサヨナラ打を放った山川穂高内野手(33)は「7番・DH」。小久保裕紀監督(54)は「一番点を取れるところで」と下位打線での起用を継続する。先発有原航平投手(33)は昨年はCSファイナルS初戦で7回8奪三振2失点の好投で勝利を挙げ、再現を狙う。

◆緊迫する短期決戦でもポーカーフェースを崩すことなく、淡々と投げ込んだ。日本ハム・福島が先発としてポストシーズン初登板。登板前に「初回から全力でいくことじゃないですか。それだけです」と意気込みを語っていた190センチの長身右腕が三回まで、リーグトップのチーム打率・257を誇る強力打線を完璧に封じ込めた。150キロ超の切れのある直球と130キロ台のスライダーとフォークボール、120キロ台のカーブをアクセントに打者のタイミングを外した。三回まで走者を一人も許さない完全投球を披露。「本塁打もあるし、足も使えるし、めちゃくちゃ嫌」と警戒を強めていた相手打線を沈黙させた。青森・八戸西高から育成ドラフト1位で2022年に日本ハムに入団した22歳。2軍で着実に経験を積み、昨年3月に支配下登録を勝ち取った。ひょうひょうと投げ込むスタイルは高校時代に指導を受けた元日本ハム・中村渉氏(46)の「マウンド上で表情を出すな」という教えから。プロ4年目の今季は7月13日に初昇格を果たすと、8試合の登板で無傷の5勝、防御率2・25をマークした。第1戦では同学年で同期入団の達が先発し、6回6安打無失点と好投。「僕と達で(勝ちを)取れたら、良いプレッシャーにはなると思う」と〝共闘〟を誓っていた福島が存在感を放った。

◆日本ハム・伊藤と並ぶ14勝を挙げ、2年連続の最多勝のタイトルを獲得したソフトバンク・有原航平投手(33)が先発し、6回を4安打無失点。再三のピンチも踏ん張った。一回、先頭の万波にストレートで四球を与え、清宮幸の右前打で1死一、三塁のピンチを招いたが、レイエスを空振り三振、マルティネスを三ゴロに仕留めた。四回ももレイエス、マルティネスに連打を浴び、1死二、三塁とされたが後続を打ち取った。六回には先頭の清宮幸に右前打を浴び、マルティネスに死球、田宮に四球を与え、1死満塁。郡司を遊ゴロ、石井を空振り三振に仕留め、無失点でマウンドを降りた。

◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(37)が八回に3ランを放ち、均衡を破った。0-0で迎えた八回、先頭の山川が三塁強襲ヒットで出塁。続く海野が初球で犠打を決めると、代打・川瀬が四球。1死一、二塁とした。ここで好投していた日本ハム・福島が降板。代わった2番手・上原の外角高めの真っすぐをとらえた。大きな放物線を描いた打球は左翼席へ飛び込む3ラン。膠着していた試合を一振りで打ち破った。勝てばリーグ優勝アドバンテージの1勝を加えて、3勝0敗。ベテランが勝利に近づく一発を放った。

◆ソフトバンクが2連勝で、リーグ優勝のアドバンテージ1勝を加えて3勝0敗。2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。ベテランの柳田悠岐外野手(37)の一発が均衡を破った。0-0で迎えた八回、先頭の山川が三塁強襲ヒットで出塁。続く海野が初球で犠打を決めると、代打・川瀬が四球。1死一、二塁とした。ここで好投していた日本ハム・福島が降板。代わった2番手・上原の外角高めの真っすぐをとらえた。大きな放物線を描いた打球は左翼席へ飛び込む3ラン。終盤に劇的なアーチで連勝を決めた。

◆日本ハムのエース伊藤が第3戦に先発する。今季は最多勝(14勝)、最多奪三振(195個)の2冠に輝いた。福岡での登板は3試合で2勝1敗、防御率1・50。「マウンドは投げやすくて好きだし、良いイメージを持っている」と自信を見せる。ソフトバンクの先発は米大リーグから日本球界に復帰した上沢。元同僚との投げ合いに向けて伊藤は「いつも通り平常心でマウンドに上がりたい」と語った。

◆日本ハム・上原健太投手(31)が0―0の八回1死一、二塁の場面から2番手として救援登板。ソフトバンクの1番・柳田に先制で決勝の3ランを浴びた。「(自軍先発の)福島もすごくいい投球をしてくれていたので、どうにかその投球を無駄にしたくないという思いはあった」カウント1―1から選択したのは直球。渾身(こんしん)の150キロを、ものの見事に左翼席へ運ばれた。プロ10年目左腕は「意図のある球をしっかり選択できたことに関しては間違いではなかったと思いますけど、結果としては間違いだった」とガックリ。その上で「また明日も試合があるので、同じことをしないようにしっかり明日は投げたいと思います」と前を向いた。

◆連敗スタートで崖っぷちに追い込まれた日本ハム・新庄剛志監督(53)は「(決勝3ランを)打たれた上原君より、打った柳田君が素晴らしいの一言。明日から4つ勝ったら、またドラマが起こる。これもまた、面白いというところで」と淡々と振り返った。最大の敗因は10残塁の拙攻だ。特に郡司が四回1死二、三塁、六回1死満塁で凡退。ファイナルステージで無安打が続く郡司は「反省はあとにして、気持ちを切り替えるしかない。相手バッテリーがしっかり対策をしてきている。それを上回る準備をしないと...」と唇をかんだ。これでファーストステージ第2戦からチームの残塁数は11、12、10。好機での〝タイムリー欠乏症〟は深刻で、指揮官も「特に有原君のときはいつもあと一歩。(四回の郡司の打席は)スクイズもちょっと考えたけど、三塁ランナー見たらレイエスだから、アカンわって」と苦笑した。昨季同様、ソフトバンクに初戦から3連敗で終戦となるのか。それでも、指揮官は確かな手応えも感じている。第1戦で達、この日は福島と2022年入団の2人が連夜の快投。「今年出てきた若いピッチャーを(CS)ファイナルで先発させる監督は頭おかしい? ハハハッ。もう、いい経験していますよね」。敗戦の中でも、リーグ優勝からの日本一を目指す来季への布石はしっかり打たれている。(東山貴実)

◆?日本ハムの先発・福島が10奪三振。プレーオフ、CSで2桁奪三振をマークしたのは、2022年ファイナルステージ(S)第1戦のオリックス・山本由伸(10個)以来3年ぶり13人目(19度目)。日本ハムではダルビッシュ(06年第2S第1戦=11、08年第1S第1戦=14)、大谷翔平(14年ファイナルS第5戦=12)に次いで11年ぶり3人目。?清宮幸が1試合に2盗塁。プレーオフ、CSでの1試合2盗塁は19年ファーストS第1戦の阪神・近本光司以来6年ぶり。日本ハムでは11年ファーストS第2戦の陽岱鋼以来14年ぶり2人目。

◆?レギュラーシーズン1位のソフトバンクが第2戦に勝利し、アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を3勝0敗とした。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたケースは過去46度のうち、日本シリーズ進出が43度で、突破率は93・5%。敗退したのは、1977年のロッテ(対阪急)、2010年のソフトバンク(対ロッテ)、12年の中日(対巨人)の3度。今回のように無敗で王手をかけたケースは昨年のソフトバンクまで過去24度全て日本シリーズに進出、突破率は100%(セ9度、パ15度)。?柳田のCSでの本塁打は23年ファーストステージ(S)第1戦以来2年ぶり通算10本目。プレーオフ、CSでの通算本塁打数で歴代1位の内川聖一(ソフトバンク)に並んだ。通算36打点は自身の持つ歴代最多記録(2位は内川の31打点)を更新。?みずほペイペイでは19年ファーストS第2戦から11連勝となった。

◆ソフトバンク・有原航平投手(33)が6回を4安打無失点。14勝で2年連続の最多勝右腕が、再三のピンチを踏ん張り、「きょうは本当に内容というより、とにかくゼロに抑えるのがテーマだったんで、ランナーを出しましたけど、何とか投げ切れた」と安堵(あんど)の表情をみせた。一回1死一、三塁で、レイエスをツーシームの徹底した内角攻めで空振り三振、マルティネスを三ゴロに仕留めた。四回1死二、三塁もしのぐと、最大の山場は六回だ。1死満塁の大ピンチを迎えたが、郡司を遊ゴロ、石井を空振り三振に打ち取り、雄たけびを上げた。執拗(しつよう)な内角攻めを要求した女房役の海野に「勇気をもって配球してくれた」と感謝。小久保監督は「3回目(の満塁のピンチ)は普通やられるもの。そこを抑えたから連勝できた」とエースをたたえた。(澄田垂穂)

◆しびれる展開で待望のアーチが飛び出した。ソフトバンク・柳田悠岐外野手(37)が決勝3ラン。2連勝で2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。「ここで打ったら、お立ち台で皆さんに『はじめまして』とあいさつできると思って、必死こいて打ちました」千両役者のひと振りが大歓声を巻き起こした。0-0の八回1死一、二塁で打席へ。打ちあぐねた福島が降板し、代わった2番手・上原の3球目150キロを振りぬいた。打球は左翼席へ。膠着(こうちゃく)状態を打破し、右腕を振り上げて気持ちをあらわにした。「シーズン中、活躍できなかったので、取り返せるように」偽らざる思いだろう。今季序盤の4月に自打球で右脛骨骨挫傷で長期離脱。回復は遅れ、約5カ月半にわたって不在となった。リーグ優勝にほとんど貢献できなかった思いがある分、いまこそ短期決戦での強さを発揮するときだ。CSでの通算本塁打は、球団OBの内川聖一氏と並び歴代最多の10本目となった。15日に球場を訪れていた内川氏と会った際に話題になったといい、「意識していました。内川さんを超えたい」と笑った。小久保監督は「あそこで打てるのがスーパースター。ここしかないという場面でよく打ってくれた」と柳田に脱帽し、「一気にいきたい」とCS突破へ力を込めた。5年ぶりの日本一に向け、大きな舞台でスポットライトをかっさらうベテランの力は、まだまだ必要だ。(上阪正人)

◆17日の第3戦に先発するソフトバンク・上沢直之投手(31)はダッシュなどで調整。日本シリーズ進出がかかる古巣・日本ハムとの対戦を前にしても「レギュラーシーズンと変わらず、自分のピッチングをしてチームの勝利に貢献できるよう頑張ります」と平常心を強調した。CSは日本ハム時代に計3度登板し0勝1敗。今度こそ白星を挙げる。

◆CSファイナルステージに12回出場中、12球団最多となる8回の日本シリーズ進出を決めているソフトバンクの経験値が随所に表れた試合だった。先発の有原はシーズン最終戦から中10日と登板間隔が空いた影響か、本調子には遠く、一回1死一、三塁、四回1死二、三塁、六回1死満塁と度重なるピンチ。それでも肝心なところで制球を間違えず、粘り切った。鍵となったのは四、六回の好機で打席に立った郡司への投球。シーズンでここぞの場面で仕事を重ねてきたクラッチヒッターに対し、徹底してツーシームで内角を攻めた。四回は149キロで一邪飛。六回も148キロで遊ゴロ。チームとして攻め方をあらかじめ決めていたのだろう。清宮幸、レイエス、マルティネスのクリーンアップとは無理な勝負に行かず、「単打OK」の攻め方を徹底。日本ハム打線を分断できた要因だ。日本ハムは好機はつくっているが、2試合でレイエスのソロによる1点のみ。適時打で壁を破って流れを変える選手が欲しい。(サンケイスポーツ専属評論家)