日本ハム(☆5対4★)オリックス =クライマックスシリーズ2回戦(2025.10.12)・エスコンフィールド北海道=
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ORIX
0130000004602
日本ハム
01200002X51200
勝利投手:上原 健太(1勝0敗0S)
(セーブ:齋藤 友貴哉(0勝0敗2S))
敗戦投手:岩嵜 翔(0勝1敗0S)

本塁打
【オリックス】杉本 裕太郎(1号・2回表ソロ),紅林 弘太郎(1号・3回表3ラン)

  DAZN
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◆接戦を制した日本ハムがファイナルステージ進出を決めた。日本ハムは3点ビハインドの3回裏、清宮幸の適時三塁打で1点差に迫る。そのまま迎えた8回には、レイエスの適時打で2点を奪い、試合をひっくり返した。敗れたオリックスは、3番手・岩嵜が踏ん張れなかった。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)が有言実行した。前日の第1戦は「5番三塁」だった郡司裕也捕手(27)を「4番三塁」でスタメン起用した。同監督は10日の会見で宣言通り、第1戦は清宮幸太郎内野手(26)を4番起用。だが、1点リードの4回無死一塁のチャンスで併殺に倒れ、レギュラーシーズン終盤に4番起用していた続く5番郡司が、直後に左越えソロを放ち、オリックス先発の好投手山下から貴重な2点目をたたき出していた。試合後、指揮官は郡司について「明日は4番でいってもらおうかな(笑い)」と話しており、その通り、4番起用に戻した。さらに選手会長の松本剛外野手(32)が「2番左翼」で、今CS初めてスタメンに名を連ねた。

◆日本ハム先発の北山亘基投手(26)が序盤で、まさかの2被弾した。0-0の2回先頭でオリックス杉本に左中間へ先制ソロを許すと、1-1に追い付いた直後の3回2死一、三塁から紅林に左越え3ランを浴び、4失点した。北山の今季レギュラーシーズンでの1試合2被弾は、8月22日ソフトバンク戦(エスコンフィールド)のみ。シーズン通算7被弾は、規定投球回を満たしている投手では西武今井、オリックス宮城の6被弾に次ぐリーグ3位タイの好成績だった。想定外の展開に、加藤投手コーチは「これ以上追加点を許さないように。それだけです」とコメントした。

◆今CS初出場の日本ハム水谷瞬外野手(24)が、オリックス宮城大弥投手(24)から今季初安打を放った。1点を追う2回1死二塁、カウント1ボールから宮城の内角低めへの直球を捉え、中前に運んだ。貴重な同点打に「打ったのはストレート。8番バッターらしいバッティングができたと思います。現場からは以上です」とコメントした。水谷は今季、宮城とはレギュラーシーズンで6度対戦し、6打数無安打3三振と苦しめられていた。

◆負けられない1戦で、オリックスがアーチ攻勢をかけた。2回、「4番右翼」の杉本裕太郎外野手(34)が左中間へ1発。「真っすぐを完璧に捉えることができました。とにかく勝つために、最後まで頑張ります」。日本ハム先発北山亘基投手(26)の150キロ速球をはじき返し、先制アーチを放った。同点に追いつかれた直後の3回には2死一、三塁から、オリックス紅林弘太郎内野手(23)が左翼席へ3ランを放り込んだ。紅林は「打席に入る前に(水本)ヘッド(コーチ)に思い切っていけと言われましたので、思い切りいきました。ヘッドのおかげです」とコメントした。

◆オリックスが4-3と1点リードの4回から継投策に出て場内騒然となった。先発した宮城大弥投手(24)は3回まで毎回走者を許し、3失点を喫していた。まだ58球だったが、4回からはこの日登録された先発要員の九里亜蓮投手(34)に交代。場内でアナウンスされると、大きなどよめきが起きた。

◆オリックス先発のエース宮城大弥投手(24)が3回5安打5三振3失点で降板した。負けたら終わりのゲーム。必勝を期して先発した宮城だったが、1-0の2回、日本ハム水谷瞬外野手(24)に同点タイムリーを許した。さらに4-1の3回には1死一、二塁から清宮幸太郎内野手(26)にセンターへの2点適時二塁打を浴び、結局、58球で降板。「打線が得点した直後の失点を何とか防ぎたかったです。大事なイニングだということが分かっているだけに、粘りたかったですし、悔しいです」とコメントした。第3戦、さらにはファイナルステージに進出した場合のことを考慮すると、苦しい先発ローテション事情ではあるが、負けたら終戦となる試合。2番手で九里亜蓮投手(34)がスクランブル登板した。

◆今CS初出場の日本ハム水谷瞬外野手(24)が、オリックスの2番手九里亜蓮投手(34)から、今季初安打を放った。1点を追う4回先頭で、カウント1-2から外角低めのシンカーを捉え、左前に運んだ。水谷は今季レギュラーシーズンで、九里と7度対戦し、7打数無安打1三振と抑えられていた。1点を追う2回2死二塁では、今季レギュラーシーズン6打数無安打だった宮城大弥投手(24)からも、同点打となる今季初安打を放っており、CSで苦手としていた2投手を、いきなり攻略した。

◆日本ハム先発の北山亘基投手(26)が4回63球を投げ、4安打3三振4失点で降板した。0-0の2回先頭でオリックス杉本に左中間へ先制ソロを許すと、1-1に追い付いた直後の3回2死一、三塁から紅林に左越え3ランを浴び、4失点した。5回から金村尚真投手(25)に交代。北山は「紅林選手に許した1発が本当に悔やまれます。先発投手としての役割を果たせず、チームに申し訳ないです。勝利を信じて、応援します」とコメントした。

◆オリックス杉本裕太郎外野手(34)が6回、左手首付近に死球を受けた。無死一塁の場面、初球だった。146キロの内角球が当たった。杉本はバットを放り出して打席でうずくまり、すぐさま治療のためにベンチへ。オリックスの応援団からはブーイングが上がった。約3分後、ベンチから姿を見せて、そのまま一塁ベースへ。スタンドから拍手が起こった。杉本は2回の第打席に左中間に先制アーチを放っていた。

◆オリックスが逆転負けで2連敗を喫し、終戦した。先発のエース宮城大弥投手(24)は2回、日本ハム水谷瞬外野手(24)に同点タイムリーを許した。さらに4-1の3回では1死一、二塁から清宮幸太郎内野手(26)にセンターへの2点適時二塁打を浴び、3回5安打5三振3失点で降板。2番手で先発要員の九里亜蓮投手(34)がスクランブル登板した。九里は4回から7回までの4イニングを無失点。1点リードの8回2死一、二塁、3番手の岩崎翔投手(35)がフランミル・レイエス外野手(30)に右翼フェンス直撃の逆転2点適時打を浴びた。打線はアーチ攻勢をかけた。2回、「4番右翼」の杉本裕太郎外野手(34)が左中間へ1発。日本ハム先発北山亘基投手(26)の150キロ速球をはじき返し、先制アーチを放った。同点に追いつかれた直後の3回には2死一、三塁から、オリックス紅林弘太郎内野手(23)が左翼席へ3ランを放り込んだ。しかし、4回以降は得点を奪えなかった。

◆レギュラーシーズン2位の日本ハムが逆転勝ちをおさめ、2連勝で王者ソフトバンクとのCSファイナルステージ(みずほペイペイドーム)に2年連続進出を決めた。1点を追う終盤8回2死一、二塁、フランミル・レイエス外野手(30)が右翼フェンス直撃の2点適時打を放ち、逆転した。先発の北山亘基投手(26)が0-0の2回先頭でオリックス杉本に左中間へ先制ソロを許すと、1-1に追い付いた直後の3回2死一、三塁から紅林に左越え3ランを浴び、序盤で4失点。苦しい展開も、3点を追う3回1死一、二塁で清宮幸太郎内野手(26)が中堅へ2点適時三塁打を放ち、1点差に詰め寄った。4回から7回までは両者チャンスをつくるも加点できずにいたが、土壇場で日本ハムがひっくり返した。

◆パ・リーグ王者ソフトバンクのCSファイナルステージの相手は、ファーストステージを2連勝で突破した新庄監督率いる日本ハムに決まった。2年連続で同じ顔合わせ。昨季はソフトバンクが3連勝し、アドバンテージの1勝を含めて4勝0敗。無傷で日本シリーズ進出を決めた。今季のレギュラーシーズン対戦成績は13勝12敗でソフトバンクが勝ち越した。CSファイナルステージはみずほペイペイドームで15日から開幕する。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます地鳴りが響く大地を揺るがす咆哮レイエス 逆転タイムリー?CSファーストステージ第2戦 (2025/10/12)??日本ハム×オリックス#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/BEyVUqQzB4

◆日本ハムが、フランミル・レイエス外野手(30)の起死回生のタイムリーで逆転に成功した。1点を追う終盤8回2死一、二塁、右翼フェンス直撃の2点適時打を放った。この日のレイエスはいつもとは違う、ソックスを見せる"オールドスタイル"。一塁上ではヘルメットを両手で突き上げ、喜びを表したが、興奮しすぎたのか、二塁へは進塁しなかった。ベンチの新庄剛志監督(53)や選手たちはガッツポーズを繰り返した。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られますNext Stop: Fukuoka??ファイターズ逆転勝ち2連勝で掴んだ再挑戦の切符?CSファーストステージ第2戦 (2025/10/12)??日本ハム×オリックス#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ #lovefighters #だったらDAZN pic.twitter.com/zzFZf1iDIV

◆日本ハムが、フランミル・レイエス外野手(30)の起死回生のタイムリーで逆転に成功。連勝で2年連続のCSファイナルシリーズ進出を決めた。1点を追う終盤8回2死一、二塁、右翼フェンス直撃の2点適時打を放った。一塁上ではヘルメットを両手で突き上げ、ガッツポーズ。ベンチの新庄剛志監督(53)ら選手たちも大興奮だった。お立ち台に上がったレイエスは「ヨッシャ~! ホントニ(大興奮です)」と日本語で絶叫。「とてもエキサイトしました。打席の一部始終、ずっと独り言言ってました。『大丈夫、レイエス、おまえには経験がある。おまえには実力がある』と言い聞かせてました」と喜んだ。「ホントニ、エブリデー、ワタシのニアーマンション、ウオーキング、分かる? メニメニーファンズ、レイエス選手、クライマックスシリーズ、ガンバッテ。ホントにガンバリマース!」と再び日本語で叫び、大歓声を浴びた。CSファイナルステージに向けて「ファンのミナサン、マダマダ、マダマダ、OK?」とさらなる躍進を誓った。

◆レギュラーシーズン2位の日本ハムが逆転勝ちをおさめ、2連勝で王者ソフトバンクとのCSファイナルステージ(みずほペイペイドーム)に2年連続進出を決めた。1点を追う終盤8回2死一、二塁、フランミル・レイエス外野手(30)が右翼フェンス直撃の2点適時打を放ち、逆転した。お立ち台でレイエスは「ヨッシャー、エキサイトしてまーす! お前は大丈夫、経験がある、実力があると言い聞かせて打席に立ちました~!」と振り返った。先発の北山亘基投手(26)が0-0の2回先頭でオリックス杉本に左中間へ先制ソロを許すと、1-1に追い付いた直後の3回2死一、三塁から紅林に左越え3ランを浴び、序盤で4失点。苦しい展開も、3点を追う3回1死一、二塁で清宮幸太郎内野手(26)が中堅へ2点適時三塁打を放ち、1点差に詰め寄った。4回から7回までは両者チャンスをつくるも加点できずにいたが、土壇場で日本ハムがひっくり返した。

◆レギュラーシーズン2位の日本ハムが逆転勝ちをおさめ、2連勝で王者ソフトバンクとのCSファイナルステージ(みずほペイペイドーム)に2年連続進出を決めた。日本ハムが2連勝で1Sを突破。日本ハムのファイナルS出場は2年連続9度目。レギュラーシーズン1位で出場が5度あり、1Sを勝ち抜いたのは08、14、24年に次いで4度目。2連勝で突破はオリックスと対戦した08年以来2度目だ。ファイナルSでは昨年に続いてソフトバンクと対戦。パ・リーグのプレーオフ、CSのファイナルSで2年連続同じカードは18、19年の西武-ソフトバンク戦に次いで2度目になる。1Sを勝ち抜いた時の日本ハムは過去3度ともファイナルSで敗退しているが、今年はどうか。

◆レギュラーシーズン2位の日本ハムが逆転勝ちをおさめ、2連勝で王者ソフトバンクとのCSファイナルステージ(みずほペイペイドーム)に2年連続進出を決めた。1点を追う終盤8回2死一、二塁、フランミル・レイエス外野手(30)が右翼フェンス直撃の2点適時打を放ち、逆転した。先発の北山亘基投手(26)は4回4失点で降板も救援陣が踏ん張った。

◆オリックスは逆転負けで2連敗を喫し、終戦を迎えた。先発したエース宮城大弥投手(24)が3回5安打5奪三振3失点で降板。先発要員の九里亜蓮投手(34)が2番手でスクランブル登板し、4回から7回までの4イニングを無失点と好投した。総力戦で勝利に近づいたが、8回裏、日本ハム・レイエスに逆転打を許して下克上の夢はついえた。見せ場は作った。2回に杉本が先制ソロ。3回には紅林が3ランを放った。昨年の5位から3位に浮上。シーズン後半に見せたしぶとさは来季につながる。岸田護監督(44)は「今現状では力の差は少しあったかも分からないですけど、埋められないことはない。来年は全員で巻き返せるようにやっていきます。首脳陣もアップデートしながら、選手らを本当に輝かせられるようにやっていきたいなと思います」。結果を受け止め、悔しさをバネに、来季こそ頂上を目指す。▽オリックス九里(2番手で登板し、4イニングを無失点)「行けと言われたところで行くだけだと思っていた。中継ぎでベンチに入っている以上、どこで行っても変わらないので」▽オリックス杉本(2回、左中間に先制ソロ)「(水本ヘッドに)本塁打を打てるやつは本塁打を狙って、得点圏に強いやつは得点圏で思い切れと言ってもらって、勇気をもらった。来年はもっと打ってチームを勝たせられるようにしたい。悔しいですけど(日本ハムには)僕らの分まで日本一になってほしい」▽オリックス宮城(先発で3回を5安打5奪三振3失点)「打線が得点した直後の失点を何とか防ぎたかったです。大事なイニングだということが分かっているだけに、粘りたかったですし、悔しいです」

◆日本ハム斎藤友貴哉投手(30)が2試合連続セーブを挙げた。逆転した直後の9回に登板するとオリックス西野、来田を連続で空振り三振。最後は159キロのツーシームで森を二ゴロに打ち取り、試合を締めた。ソフトバンクとのファイナルステージに向け「去年の忘れ物を取りに行く。4勝という忘れ物を、オールファイターズで取って、(日本シリーズで)エスコンに戻ってきたいなと思います」と意気込んだ。

◆今季2位の日本ハムが同3位のオリックスに2連勝してCSファーストステージを突破した。1点を追う8回に逆転して勝ちきった選手たちの成長ぶりに新庄剛志監督(53)も満面の笑みを浮かべた。15日からはリーグ連覇の王者ソフトバンクと2年連続でCSファイナルステージを戦う。3連敗で終わった1年前のリベンジを果たすべく、確かな手応えと勢いを持って福岡へ乗り込む。2連勝で福岡行きを決めた新庄監督は「ふらついてます」と試合後も余韻に浸った。無理もない。試合終盤は大興奮の連続だった。序盤から先行される苦しい展開でも食らいつき、1点差に迫っていた8回2死から万波が中前打で出塁。迷わずに代走細川を送った。まずは同点を狙って大砲を下げた采配に続いて、途中出場の矢沢が左前打でつないだ。そして本塁打、打点の2冠王レイエスが右翼フェンス直撃の逆転適時打。青写真以上のきれいな景色が広がると、新庄監督も思わずベンチを飛び出してバンザイだ。新庄監督 こういう試合を今日来てくれたファンのみんなと、全国のファイターズファンに見せられたのが一番うれしいですね。1点リードの9回は、レギュラーシーズン終盤から覚醒した斎藤が完璧なクローザーぶりで締めた。周囲のコーチ陣とハイタッチした新庄監督は、力強く戦い抜いた選手たちを笑顔で出迎え、最後は大歓声で背中を押してくれたファンに「ご声援、ありがとうございました」という思いを込めて拍手を送った。新庄監督 こういう勝ち方ができるチームになっている。あとはファイナルで去年の悔しさを胸に、どうやって戦って、またこっちに戻ってくるか。そこは選手たちが一番強い気持ちを持ってるんで、もう信頼して臨みたいと思います。心は早くも福岡に飛んでいた。1年前は初戦から3連敗で終わった最終決戦でのリベンジへ「もう行きたい。明日(試合を)したいぐらい。このノリでね。向こうはだいぶ(試合間隔が)空いてるわけだし。変更できるかな」とチームの勢い、手応えは昨季以上だ。故郷でもある敵地には、ペナントレースでしのぎを削った同学年指揮官が待っている。新庄監督 小久保監督も認めてくれていると思う。最後の最後までパ・リーグが、プロ野球が盛り上がってくれたらっていう気持ちは僕と一緒ですからね。さぁチーム一丸で、まだ見ぬ景色を、まずは福岡へ見に行く。【木下大輔】

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(26)は初戦から2連勝でのCSファーストステージ突破に、昨年との違いを感じていた。「僕も泣いてないし、その辺は違うと思います(笑い)」。お立ち台で歓喜の涙を流して「これからも一生僕たちについてきてください」と叫んでから約1年。涙の数だけ強くなっていた。第1戦の4番から1つ打順を下げて5番スタメンで「(4番の)郡司さんが打てなかった時、絶対打ってやろうって。そこまでがセットだなと思っていた」と振り返って笑った。第1戦では5番でソロ本塁打を放った郡司から「"4番の清宮君"が情けないゲッツーを打ちまして」と受けた愛あるいじりにきっちりとアンサー。3点を追う3回に放った2点適時三塁打は「"4番の郡司君"がデッドボールで出てくれたんで、その足を"酷使"してホームにかえってきてくれて良かった」と、してやったり。「自信を持っていきたいです」と次はソフトバンクにやり返す。

◆主砲が決めた! 日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)が1点を追う終盤8回2死一、二塁で、右翼フェンス直撃の2点適時打を放ち、逆転勝利に導いた。お立ち台では「ヨッシャー! お前は大丈夫、実力がある、と言い聞かせながら打席に立ちました~!」と振り返った。初めてストッキングを見せる"オールドスタイル"で臨んだが、深い意図はない。「今日の気分で、自分がかっこいいと思ったのがこのスタイルだった。これじゃなきゃいけないってそういうことはないです」。"第六感"に誘われるがまま着用した戦闘着で、偶然にもオリックス岩崎の6球目のストレートを打ち返し、決勝点を招き入れた。今季32本塁打、90打点で打撃2冠に輝いたスーパー助っ人。新庄監督は「自分だったらフォーク待ってましたね。真っすぐを捉えたところはすごい。さすが打点王、ホームラン王。頼りになりますね」と喜んだ。次は昨季3連敗で終わった福岡でのファイナルステージ。「今朝4時ぐらいに起きてコーヒー飲んで。マンションからの景色を改めて見て、自分も高い場所に行くんだって、メンタルが整いました」。打ちまくって、チームをマンションよりもずっと高い、日本の頂へと導く。【永野高輔】

◆オリックスが今季国内フリーエージェント(FA)権を取得した山岡泰輔投手(29)の慰留に全力を注ぐことが12日、分かった。チームはCSファーストステージで敗退。球団関係者は「しっかり話をしないといけない」と条件提示などを含めて交渉を進めていく意向だ。今季は41試合登板で5勝3敗13ホールド、防御率4・25。CSでの登板がなかった山岡は試合後、「終わったばかりなので。そこ(FA権)を取れたというのはうれしいです。これから考えるべきで、まずはオリックスの話を聞きたいと思います」とコメント。FA宣言した場合は複数球団の争奪戦が予想される。

◆オリックスは今後、外国人との契約交渉も本格的に進める。今季来日2年目を迎えたアンダーソン・エスピノーザ投手(27)、アンドレス・マチャド投手(32)、ルイス・ペルドモ投手(32)は今季も主力として活躍。ただ、契約更新については新外国人獲得の兼ね合いもあって流動的な状況だ。すでに帰国しているジョーダン・ディアス内野手(25)、エドワード・オリバレス外野手(29)の退団は決定的となっている。

◆オリックスのスターティングメンバーが発表され、クリーンアップは紅林弘太郎内野手(23)、杉本裕太郎外野手(34)、頓宮裕真捕手(28)が並んだ。

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(34)が意地の一発を放った。「まっすぐを完璧に捉えることができました。とにかく勝つために、最後まで頑張ります」二回に日本ハム・北山の直球を強振し、左中間席へ。今シリーズチーム初の本塁打となるソロで、先発の宮城を援護した。打った瞬間にスタンドインを確信し、バットを突き上げ、ベンチでは昇天ポーズも決めてファンの前でセレブレーションした。負ければファーストステージ敗退となる一戦で4番が勝負強さを見せた。

◆オリックス・宮城大弥手(23)が3回58球、5安打3失点で降板。ベンチは本調子ではなかった左腕を代える決断を下し、2番手に九里亜連投手(34)が登板した。宮城は二回に安打と犠打で1死一、二塁とされ、水谷に同点打を許した。紅林の3ランで勝ち越した直後の三回にもレイエスへの四球からピンチを招き、清宮幸2点三塁打を食らうなど苦しい投球が続いていた。

◆前日11日の第1戦で出場機会がなかった日本ハム・水谷瞬外野手(24)がスタメン起用に応えた。「8番・左翼」で先発出場すると、0―1の二回1死二塁で同点打を放った。1ボールからオリックス先発左腕、宮城の149キロの直球をたたいた。鋭いゴロはダイビングキャッチを試みた遊撃手・紅林のグラブをはじき中前へ。しぶとく中前へ運び「8番打者らしい打撃ができたと思います。現場からは以上です」と振り返った。

◆日本ハム・清宮幸太郎内野手(26)が「5番・一塁」で先発出場。1―4の三回1死一、二塁で2点三塁打を放った。「点を取られた後だったので、ここで何とか1点でも取って相手に流れを渡したくないという気持ちでした」。1ボールからオリックス先発左腕、宮城の直球を捉えた。1点差に詰め寄る適時打を放った左打者は「この後も集中していきます」と表情を引き締めた。

◆日本ハムの先発、北山亘基投手(26)は4回4安打4失点。1点リードを許した状態でマウンドを降り「先発投手としての役割を果たせず、チームに申し訳ないです」と肩を落とした。二回、杉本に左中間席への先制ソロを浴びると、続く三回には紅林に左越え3ランを被弾。一発攻勢を許し「紅林選手に許した一発が本当に悔やまれます」と唇をかんだ。

◆オリックスは終盤に逆転を許して敗戦。CSファーストステージで敗退が決まった。序盤から試合が動いた。二回に杉本が先制ソロを放ったが、その裏に先発の宮城が水谷に一時同点打を許した。それでも三回に1死一、三塁で紅林の3ランで勝ち越した。宮城は3回5安打3失点、58球を投げて降板。四回から2番手で登板した九里が走者を出しながらも4回無失点の好救援で1点のリードを守った。しかし、八回に岩崎が登板し、暗転する。テンポよく2死としたが、連打で一、二塁とされ、レイエスに外角の直球をはじき返されて右翼フェンス直撃の2点打で逆転を許した。 打線は四回以降は無得点と追加点を取れなかったことも展開に響いた。チームは2008、2014年にもCSファーストステージで敗退しており、今回も日本ハムの壁を越えることはできなかった。

◆日本ハムが逆転勝ち。3―4の八回2死一、二塁で、レイエスが走者を一掃する適時打を放った。五回から救援陣が無失点でつなぎ、最後は斎藤が締めた。オリックスは九里が2番手で4回無失点と好投したが、続く岩崎が誤算だった。

◆?レギュラーシーズン2位の日本ハムが2連勝でファーストステージ(S)を突破。ファイナルS出場は昨年(2位)に続く9度目。ファーストSから勝ち上がったのは2008年、14年(ともに3位)、昨年(2位)に次いで4度目。無敗で突破したのは、08年以来17年ぶり2度目。ファーストSを勝ち上がってファイナルS進出した過去3度はいずも敗退したが、今年はどうか。?日本ハムがプレーオフ、CSで最大3点以上のビハインドから逆転勝利したのは、16年ファイナルS第5戦(一回表終了0-4→最終7-4、対ソフトバンク)以来9年ぶり4度目。

◆日本ハムのドラフト5位ルーキー、山県秀内野手(23)=早大=が「6番・遊撃」でCS初スタメンに抜擢(ばってき)された。この日の朝7時半に起床すると、前夜10時50分に新庄監督からダイレクトメール(DM)が届いていることに気付いた。開けてみると「明日、6番・ショートで。超満員を愉(たの)しめ」のメッセージ。慌てて「おはようございます。ありがとうございます。愉しませてもらいます」と返信したという。3万5024人の大観衆の中で、二回の第1打席で左前打、七回には犠打も決めた。「自分の経験を積ませるために使ってもらっているとは思いたくない。短期決戦はどれだけ打つかじゃなく、どこで打つか」と鼻息も荒かった。(貴)

◆「5番・一塁」で先発出場した日本ハム・清宮幸太郎内野手(26)が1―3の三回1死一、二塁で1点差に詰め寄る中堅への2点三塁打を放った。前日の第1戦では併殺打に倒れるなど無安打に終わり、次打者の郡司から「前を打つ清宮君が情けないゲッツーを打ったり、4番の仕事ができていなかった」と愛のあるイジリを受けていた。第2戦で汚名返上の一打を放ち「郡司さんが打てなかったときは絶対打ってやろうと思っていました。そこまでがセット」とユーモアを交えて語った。

◆レギュラーシーズン3位のオリックスは2位の日本ハムに逆転負けし、敗退が決まった。就任1年目の岸田護監督(44)は「首脳陣もアップデートしながら選手を輝かせられるように」とレベルアップを誓った。緊迫した終盤戦で、相手の勢いと敵地の雰囲気にのみ込まれた。レギュラーシーズンで9ゲーム差をつけられた2位日本ハムとの力の差が浮き彫りとなり、岸田監督は率直に心境を打ち明けた。「うちは3位で怖いもの知らずで(北海道に)乗り込んだんですけどね。現状では力の差があった。本当に今日は悔しかった」勝利まで一息だった。本調子ではなかった先発の宮城を3回で下げて2番手に九里を投入。4回無失点の好救援で1点のリードを守ったが、八回に暗転した。実績と経験豊富な35歳の岩崎にマウンドを託したが、2死走者なしから連打されるとレイエスにフルカウントからの外角直球を右翼後方にはじき返されて逆転を許した。現役時代に先発から抑えまで経験した指揮官は「こういうことは起こる。ステップアップしていくための糧にしてもらわないといけない」と責めなかった。今季は開幕前から救援候補の投手が故障で次々に長期離脱。手薄となったブルペンのやりくりに苦労しながらも、トレードで途中加入した岩崎や若手を積極起用し立て直した。来季からはリーグ最年長投手の平野がコーチ兼任となることが決定しており、投手陣の育成や強化に期待がかかる。12球団最年少監督は2年目となる来季へ「みんなには大胆に野球をしてもらわないと困る。首脳陣もアップデートしながら選手を輝かせられるように」とチーム全体のレベルアップを誓った。北海道で味わったこの悔しさを胸に刻む。3季ぶりのV奪還を目指す戦いは始まっている。(織原祥平)

◆海の向こうではドジャース・佐々木朗希が、そして日本では日本ハム・斎藤友貴哉投手(30)がポストシーズンの絶対守護神に躍り出た。「基本、自信がないとあのマウンドには立てない。プレッシャーを感じられるのは、プロ野球選手として幸せ。(リードして)『俺につないでくれ』という気持ちでブルペンにいました」逆転した直後の九回にコールされると、全8球ツーシーム。最後は森を159キロで二ゴロに仕留めて、右拳を高々と突き上げた。第1戦に続く三者凡退で、CS2試合連続のセーブを挙げた。今季の斎藤は中継ぎが主戦場で、わずか3セーブ。大舞台で守護神に起用した新庄監督も「すごかったね、びっくりするぐらい。斎藤君の毎日の努力でこのポジションをつかみ取った」と目を細めた。昨年8月27日の楽天戦で自らの失策などで無死満塁の大ピンチを作りながらも切り抜けると、指揮官は自身のインスタグラムで「明日から登録名を『さいこう ゆきや』に変更させてもらいます」。同9月4日のソフトバンク戦でも無死満塁から無失点に抑えると「心臓に悪いので、せめて1死満塁からのスタートでお願いします」と投稿していた。もう「斎藤劇場」は昔の話。ソフトバンクとのCSファイナルSに向けて「投げたくてうずうずしている。オールファイターズで去年の4勝という忘れ物を取りに行く」と力を込め、お立ち台では最後に「エスコンに帰ってきます。待っててください。絶対に、日本シリーズをここでするぞぉー」と絶叫で締めた。(東山貴実)

◆チーム全体で、よく選手個々をここまで育てたものだ。まずは日本ハムに敬意を表したい。そして、この先までのぼり詰める上で、気になるポイントを挙げたい。「想定外」の事態への準備だ。日本ハム・北山、オリックス・宮城の両先発。得点はなかなか入らないと覚悟してゲームに入ったはず。ところが北山が三回までに2本塁打を浴びて4失点。それだけでなく、宮城まで3失点で早々に降板。二重の想定外となったことだろう。ここで日本ハムは、オリックスの2番手で登板した九里への対策を、どこまで練っていたか。4回無失点で乗り切られたのを見る限り、①ゾーンを上げて高めの球を狙う②変化球のタイミングで打ちにいく-などの対応はできていなかった。ベンチにも円陣を組むなどの動きは見えなかった。想定外の、そのまた先の想定外を次々に、着々と、同じ厚みで準備しておくのが、ポストシーズンの戦い方。ソフトバンクはそれができるチームだけに、ファイナルステージを左右するポイントにもなる。野球は体を動かさない時間が長いスポーツ。考えて、備える時間を、有効に使ってもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)