DeNA(☆7対6★)巨人 =クライマックスシリーズ2回戦(2025.10.12)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 1234567891011
巨人
5000000000161312
DeNA
50000000002X71112
勝利投手:坂本 裕哉(1勝0敗0S)
敗戦投手:田中 瑛斗(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】佐々木 俊輔(1号・1回表ソロ),中山 礼都(1号・1回表3ラン)
【DeNA】佐野 恵太(1号・1回裏2ラン),石上 泰輝(1号・1回裏3ラン)

  DAZN
チケットぴあ DeNA戦チケット予約 巨人戦チケット予約
◆DeNAがファイナルステージ進出を決めた。DeNAは5点を先制された直後の1回裏、佐野の2ランと石上の3ランですぐさま同点とする。その後1点を勝ち越された延長11回には、林と蝦名の適時打が飛び出し、劇的なサヨナラ勝利を収めた。敗れた巨人は、先発・戸郷が乱調だった。

◆CSファイナルステージ進出に向けて後がない巨人のスタメンが発表された。前日から大きくオーダーが変わり、佐々木俊輔外野手(25)が「1番中堅」、中山礼都内野手(23)が「6番右翼」で出場する。また、リチャード内野手(26)は「8番一塁」でスタメンに名を連ねた。先発は戸郷翔征投手(25)が務める。今季は21試合に登板して8勝9敗、防御率4・14。登板前日には「いい調整はできました。シーズンと違って1点の重みはすごく感じますし、1人1人初回から全力でいくことが一番。後先考えず飛ばしていけたら」と意気込んでいた。

◆スタメンとベンチ入りメンバーが発表された。DeNAは初戦に勝利し、ファイナルステージ進出へ王手をかけた。史上初となる本拠地開催のファーストステージ突破を目指す一戦となる。DeNA筒香嘉智外野手(33)は初戦に続き「4番三塁」で先発出場。初戦で2本塁打含む4安打3打点でセCS通算8本塁打をマークした主砲が、連勝での突破を狙うチームをけん引する。先発投手以外は初戦と同じ顔ぶれで臨む。

◆巨人佐々木俊輔外野手(25)が"プロ初本塁打"を放った。「1番中堅」でスタメン出場。第1打席でDeNA先発ジャクソンの真ん中高め153キロ直球を捉えた打球は、右翼スタントに飛び込む先頭打者本塁打となった。プロ2年目の佐々木は、今季1軍で53試合に出場して打率2割4分8厘、0本塁打、10打点の成績を残していた。1軍では本塁打を記録したことがなかった。

◆目覚めの一撃佐々木俊輔 先頭打者本塁打今季ノーアーチの男がここで一発?CSファーストステージ第2戦 (2025/10/12)??DeNA×巨人#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ#ジャイアンツ #だったらDAZN pic.twitter.com/IGVcjpm1Ke

◆巨人打線が初回から打者一巡の猛攻を見せた。初回、先頭の佐々木俊輔外野手(25)が先頭打者アーチを放った。その後、2死一、二塁から中山礼都内野手(23)が右中間席に飛び込む3ラン。なおも打線がつながると、9番戸郷翔征投手(25)にも適時打が飛び出し、5点を先制した。チームは前日のCSファースト第1戦でわずか2安打2得点で敗れていたが、この日は初回から打線が爆発した。

◆巨人戸郷翔征投手(25)が初回に5点を失い、同点に追いつかれた。5点リードの初回1死二塁からDeNA3番佐野に右翼席に飛び込む2ランを許した。さらに、2死一、二塁から7番石上に左翼ポール際最前列に飛び込む3ランを浴びた。戸郷は登板前日に横浜スタジアムで調整。「いい調整はできました。シーズンと違って1点の重みはすごく感じますし、1人1人初回から全力でいくことが一番。後先考えずに飛ばしていけたら」と意気込んでいたが、初回から苦しい投球となった。

◆DeNAが初回に一気の反撃で試合を振り出しに戻した。先発ジャクソンが初回5失点と炎上し、苦しい立ち上がりとなったが、直後の攻撃で打線が爆発。1死から桑原将志外野手(32)が左翼線への二塁打で出塁すると、3番佐野恵太外野手(30)が右翼席へ反撃の2ランを放ち、3点差に迫った。佐野は「初回だったのでチームを勢いづけるために積極的にいこうと思っていました。良い結果になって良かった」とニッコリ。さらに2死一、二塁から7番石上泰輝内野手(24)が巨人先発・戸郷の150キロ直球を完璧に捉え、左翼席へ同点3ラン。石上は「初回にエラーをしてしまったので、何とか取り返そうと思い、それだけを考えて打席に立ちました。このあとも守備を頑張ります」と冷静に振り返った。主砲と若手のアーチ競演で、試合は早くも振り出しに戻った。

◆DeNA先発のアンドレ・ジャクソン投手(29)が初回から炎上した。先頭の佐々木にいきなり先制ソロを被弾。続くキャベッジ、泉口を打ち取って2死としたが、4番岡本に左前打を許すと、岸田に四球で2死一、二塁。続く中山に右中間への3ランを浴び、早くも4失点となった。いずれも甘く入った球を痛打され、巨人打線の勢いを止められない。なおも2死走者なしから吉川に中前打を許すと、続くリチャードは石上泰輝内野手(24)の遊失策で出塁。2死一、二塁から投手戸郷に中前適時打を浴びて5点目を失った。打者一巡の猛攻を受け、再び迎えた佐々木には右前打を許したものの、最後はキャベッジを右飛に打ち取り、24分間に及ぶ初回の攻撃をようやく終えた。

◆巨人戸郷翔征投手(25)が3回6安打5失点で早々に降板となった。初回1死二塁からDeNA3番佐野に右翼席に飛び込む2ランを許した。さらに、2死一、二塁から7番石上に左翼ポール際最前列に飛び込む3ランを浴びて、大量5失点を喫した。2回は1死から蝦名に中前打を浴びるも、2番桑原を三ゴロ併殺打に打ち取って無失点で切り抜けた。3回も無失点に抑えたが、直後の攻撃で打席が回ってきたところで丸佳浩外野手(36)が代打に送られ、早々にマウンドを降りることになった。

◆DeNA石田裕太郎投手(23)と巨人西舘勇陽投手(23)の「中大同期対決」が思わぬ形で実現し、ファンが沸いた。DeNAは先発ジャクソンが初回にまさかの5失点で炎上。それでも直後の攻撃で佐野、石上の2発が飛び出し、一気に同点に追いついた。2回からは2番手として石田裕が登板。制球良く多彩な変化球を操り、巨人打線の勢いをピタリと止めた。対する巨人は先発戸郷が3回5失点で降板。2番手でマウンドに上がったのは、石田裕と中大時代の同期西舘だった。23年ドラフトでそれぞれの球団に入団した2人の投げ合いが、クライマックスシリーズという大舞台で実現。X上では「激アツ」「中大同期対決やんけ」「エモい」「この舞台で見られるとは」といった興奮の声が相次いだ。

◆第2戦は1回に両チームが5点ずつ奪い合う展開になった。DeNA先発のジャクソンが初回5失点と炎上し、苦しい立ち上がりとなったが、直後の攻撃で打線が爆発。巨人戸郷翔征投手(25)を攻め、1死二塁から3番佐野恵太外野手(30)が右翼席へ2ランを放ち3点差に。4番筒香嘉智外野手(33)は四球を選び、2死一、二塁から7番石上泰輝内野手(24)が150キロ直球を完璧に捉え、左翼席へ同点3ランを放った。戸郷は3回6安打5失点で降板した。NHKで解説した元中日の今中慎二氏(54)は、佐野の2ラン直後、前日2本塁打の筒香に与えた四球をポイントに挙げた。外角への直球とカーブで3ボールとカウントを悪くし、最後はフルカウントから低めのフォークが外れた。「(佐野の2ランは)引っかかった投げミスじゃないですか。それをやられた部分では切り替えないといけないんですけど。そのあとの筒香のフォアボールが5失点につながってますし、ボール先行になる部分は佐野のホームランのダメージが相当に残って切り替えられてない」と分析した。「ビッグイニングになる時にはどこかでフォアボールとかエラーが重なって、頑張り切れないから大量失点するわけですよね。ベンチから見て、攻めて仕方なくフォアボール出したなっていうフォアボールならそこまで傷口は広がらないですけど、打たれちゃいけないとか、コースを狙ってボール、ボールのフォアボールは相手を勢いづける部分はありますよね」と語った。

◆DeNA林琢真内野手(24)と巨人・中川皓太投手(30)の"ネバネバ対決"に大観衆が沸いた。同点の7回1死走者なしで林が打席へ。カウント2-2から鬼の粘りを発揮した。5球目の直球をファウルにすると、さらに6球続けてファウルで食らいつき、1球ボールを見極めてカウントは3-2に。両者は時折間を置きながら譲らぬ攻防を続け、直球とシュートをファウルで粘った末、19球目の外角球を見送って四球をもぎ取った。粘る林に顔をしかめる中川。場内は1球ごとに溜息と歓声が入り交じる異様な雰囲気に包まれた。X(旧ツイッター)では「粘り勝ちや」「いやがらせのようにファウルを打ち続けている」「林もすごいけど投げ続ける中川もすごかった」といった声が相次いだ。

◆「5番一塁」で出場したDeNA牧秀悟内野手(27)の守備を、NHKで解説を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が絶賛した。6回1死一塁、巨人丸の一、二塁間への痛烈なゴロをダイビングキャッチ。素早く立ち上がり二塁へ送球、一塁に戻り二塁からの返球で併殺を完成させた。宮本氏は「近い距離にランナーがいるので、そういった中で飛びついて捕るのは難しい。捕ってから、片膝ついた状態で良いボールを投げたことで、ダブルプレーがとれた」と解説。「しっかり立ち上がってから投げてると、おそらくファーストがセーフになっている。もともとセカンドやっている選手なので、全然(時間の)ロスがない。1つもロスがないプレーなので、ダブルプレーがとれた」と牧をたたえた。

◆巨人阿部慎之助監督(46)の執念の継投策が実った。ライデル・マルティネス投手(29)が絶体絶命のピンチを無失点に抑えた。同点の8回。7回1死から登板し、回またぎしていた大勢投手(26)が先頭の1番蝦名を空振り三振に仕留めたかに見えたが、捕手の岸田行倫捕手(29)がボールを後逸(記録は大勢の暴投)し、振り逃げでの出塁を許した。さらに、大勢の一塁へのけん制球が悪送球となり、一走の蝦名は二塁へ。2番桑原の犠打、3番佐野の敬遠で1死一、三塁となると、阿部監督は投手の交代を決断し、マルティネスにスイッチした。マルティネスは4番筒香を空振り三振に抑えると、5番牧に死球を与え2死満塁とするも、6番山本を遊ゴロに抑え、ピンチを脱出した。

◆"死球リクエスト"に場内が沸いた。8回2死一、三塁、一打出れば勝ち越しの場面でDeNA牧秀悟内野手(27)が打席へ。巨人7番手・マルティネスの初球が左手のグリップ付近に当たり、牧は顔をゆがめた。しかし球審は「ファウル」の判定。牧はホームベース付近から一塁側ベンチへ向かい、小さく四角のポーズで「リクエスト」を要求。ベンチの三浦大輔監督(51)も身を乗り出して審判団にリクエストを伝えた。選手自身の牧もリクエストのポーズを実行した、その一部始終に場内は笑顔と歓声で包まれた。リプレー検証中、顔をゆがめていた牧はベンチへ下がり治療を受け、判定は死球に変わり一塁へ出塁。その後も2死満塁の絶好機を作ったが、次打者山本が遊ゴロに倒れ、勝ち越しには至らなかった。

◆DeNAが連勝で2年連続のCSファイナルステージ進出を決めた。15日から敵地の甲子園でリーグ王者・阪神に挑む。初回の5点ビハインドをすぐさま追いつく粘り強い戦いで、最後はサヨナラで決めた。先発アンドレ・ジャクソン投手(29)が1回にまさかの2被弾を含む5失点で炎上。しかしその裏の攻撃で佐野恵太外野手(30)が巨人先発・戸郷翔征投手(25)から反撃の2ラン。さらに石上泰輝内野手(24)が同点3ランを放ち、試合を振り出しに戻した。短期決戦ならではの継投で2回から石田裕太郎投手(23)が登板。多彩な変化球を制球良く操り、巨人打線の勢いを止めて4回無失点の好投を見せた。3番手の平良拳太郎投手(30)も2回を無失点で0を並べ、救援陣が粘った。2回以降は両チームとも得点を奪えず、延長へ。11回表に巨人に1点勝ち越しを許したが、その裏に林、蝦名の適時打で2点を奪い、サヨナラで試合を決めた。打線と投手陣がかみ合った総力戦で、ベイスターズがCSファーストステージ突破を決めた。

◆巨人がサヨナラ負けを喫した。2位DeNAに2連敗で、CSファーストステージ敗退が決まった。先発の戸郷翔征投手(25)は5点の援護を守ることができなかった。初回1死二塁からDeNA3番佐野に右翼席に飛び込む2ラン。さらに、2死一、二塁から7番石上に左翼ポール際最前列に飛び込む3ランを許した。2、3回は無失点に抑えるも、3回6安打5失点でKOされ「初回に点を取ってもらったのですが、その点を守ることができずに申し訳ないです」と肩を落とした。打線は2回以降につながりを欠いた。初回は打者一巡の猛攻で5得点。先頭の佐々木俊輔外野手(25)の先頭打者アーチで先制すると、その後も中山礼都内野手(23)の3ランと戸郷翔征投手(25)にも中前適時打が飛び出した。同点の8回1死一、三塁のピンチでは、守護神のライデル・マルティネス投手(29)を投入。この回を無失点に抑えたが、阿部監督の執念の継投も勝利にはつながらなかった。延長11回に1点勝ち越すもその裏、2死ランナーなしから逆転を許し、サヨナラ負けで力尽きた。チームは今季レギュラーシーズン70勝69敗4分けで貯金1。リーグ3位からの下克上を狙ったが、2連敗で今季の戦いは幕を閉じた。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られますドラマは最後に待っていた石上泰輝・林琢真・蝦名達夫で決めたベイスターズ 甲子園への切符逆転サヨナラでファイナル進出!?CSファーストステージ第2戦 (2025/10/12)??DeNA×巨人#クライマックスシリーズDAZNで全試合配信!#オレをみろ#baystars #だったらDAZN pic.twitter.com/jCJykLe8zv

◆DeNAが連勝で2年連続のCSファイナルステージ進出を決めた。15日から敵地の甲子園でリーグ王者・阪神に挑む。初回の5点ビハインドをすぐさま追いつく粘りで、最後は競り勝った。延長11回に1点を勝ち越されたが、2死から内野安打で出塁した石上泰輝内野手(24)が二盗を決め、同点に追い付くと、最後は蝦名達夫外野手(28)がサヨナラ打を放った。お立ち台に立った三浦大輔監督(51)は「すごい試合でした。ゲームセットまで戦おうと、誰1人としてあきらめなかった」と語り、大きな声援を浴びた。先発アンドレ・ジャクソン投手(29)が1回にまさかの2被弾を含む5失点で炎上。しかしその裏の攻撃で佐野恵太外野手(30)が巨人先発・戸郷翔征投手(25)から反撃の2ラン。さらに石上が同点3ランを放ち、試合を振り出しに戻した。短期決戦ならではの継投で2回から石田裕太郎投手(23)が登板。多彩な変化球を制球良く操り、巨人打線の勢いを止めて4回無失点の好投を見せた。3番手の平良拳太郎投手(30)も2回を無失点で0を並べ、救援陣が粘った。打線と投手陣がかみ合った総力戦で、ベイスターズがCSファーストステージ突破を決めた。

◆DeNAが連勝で2年連続のCSファイナルステージ進出を決めた。11回表に巨人に1点勝ち越しを許したが、その裏に林琢真内野手(25)、蝦名達夫外野手(28)の適時打で2点を奪い、サヨナラで試合を決めた。DeNAがサヨナラ勝ちで2勝0敗とし、1Sを突破。DeNAのファイナルS出場は16、17、24年に次いで4度目。過去3度は3位からの進出で、本拠地での1Sを突破したのは今回が初めて。プレーオフ、CSでのサヨナラ試合は18度目で、DeNAでは乙坂の代打本塁打でサヨナラ勝ちした19年1S<2>戦以来2度目。延長回に勝ち越されながら裏に逆転してサヨナラ勝ちは、23年1S<3>戦のロッテに次ぎ2度目。サヨナラでファイナルS進出を決めたのも同試合のロッテ以来。この試合は初回表にいきなり5失点も、裏に5得点。プレーオフ、CSで5点差以上の逆転勝ちは、09年2S<1>戦日本ハム(1-6→9-8)19年1S<1>戦阪神(1-7→8-7=6点差)に次ぎ3度目。また、プレーオフ、CSで両軍がイニング5得点を記録したのは初めて。日本シリーズでは04年<3>戦で6回に中日が5点、7回に西武が6点したケースがあるが、同一イニングの表裏で5点はポストシーズン初だった。

◆巨人は延長11回の熱戦の末にサヨナラ負けを喫し、CSファーストステージ敗退が決まった。初回に5点を取り合う展開で始まった試合は、その後は救援陣による投手戦に。緊迫の攻防が続く中、巨人は11回に1点を勝ち越したが、その裏に2死ランナーなしから逆転を許し、力尽きた。4時間31分の激闘を見届けた阿部慎之助監督(46)は「いやあ、すっげえ試合だったな。勝たせてあげたかったけど、本当、総力戦で、素晴らしい試合だったと思うし。敗戦の責任は僕にあるんで、選手は必死にやってくれたし、自分自身もね、何が足りなくて勝てなかったのかっていうのもね、しっかり課題として、自問自答したいなと思います」と振り返り、「野球って恐ろしいなって、それだけですよね」と語った。チームは今季レギュラーシーズン70勝69敗4分けで貯金1。リーグ3位からの下克上を狙ったが、2連敗で今季の戦いは幕を閉じた。指揮官は「来年にどうそれをつなげるか、っていうのが一番大事だと思いますんで」「みんな必死にやってくれたし、それをすごく大きな糧にして、来年のシーズンにぶつけてほしいなって言うのがね、僕が思うところですかね」と総括した。

◆NHKで解説を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が延長11回裏、巨人がDeNA石上に盗塁を許した場面に言及した。1点リードの11回裏2死一塁からDeNA石上に盗塁され、2死二塁。宮本氏は「これでいろいろ変わってくる。巨人は油断しましたね。石上はよく走った」とコメント。直後、林の適時打で同点とされ、なおも2死一、三塁から蝦名の適時打でサヨナラ負けを喫した。宮本氏は「2アウトになって、ちょっと表情映ったときに(巨人の選手は)ホッとした表情のように僕は感じた。やっぱり、最後の最後までゲームセットって言われるまでは、歯を食いしばってやらないといけないっていうのはすごい感じた」と振り返った。

◆DeNA石田裕太郎投手(23)が緊急ロングリリーフでチームを救った。先発ジャクソンが初回に5失点で降板。初回途中から登板の打診があったが、「ロッカーにいたので頭からにしてもらった」と2回から登板し、4回無失点。登場曲には三浦監督の現役時代の曲、竹内力の「リーゼントブルース」をサプライズ使用。指揮官は「びっくりしました。いい曲だなと」と感慨に浸りつつ、「難しいところをしっかり引き戻してくれた」と目尻を下げた。

◆DeNA三浦大輔監督(51)が石田裕太郎投手(23)のサプライズを喜んだ。2回、俳優の竹内力が歌う「リーゼントブルース」がハマスタに響いた。三浦監督が現役時代に使用していた横浜ファンにはなじみの曲とともに、石田裕がリリーフカーに乗って登場。今季限りでの退任がすでに決定している三浦監督へ、粋なプレゼントを贈った。三浦監督は「出てきた時、ちょっとびっくりしましたけど。いい曲使ってるなと思って」と笑顔を見せた。石田裕は4回を2安打無失点の好投。ロングリリーフでチームのサヨナラ勝ちに貢献した。三浦監督は「思いが伝わった。難しいところで、しっかりと無失点でつないでくれた。非常に素晴らしい投球だった」とたたえた。

◆DeNA坂本裕哉投手(28)が踏ん張ってサヨナラ勝ちを呼び込んだ。同点の11回1死一、三塁から救援。1点を勝ち越され、なお1死満塁も若林を空振り三振、泉口を二飛に抑えて無失点で切り抜け、その裏に打線が2得点で勝利投手に。昨季ポストシーズン10試合連続無失点を記録した左腕は「ポストシーズンは得意だと思っている。もう点を取られないように頑張りたい」と頼もしく話した。

◆劇的な逆転勝利で締めた。今季2位のDeNAが3位巨人との「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージ第2戦をサヨナラ勝ちで制した。1回表に5点を先制されるも、佐野恵太外野手(30)の2ラン、石上泰輝内野手(24)の3ランでその裏に5点を取り返した。1点を勝ち越された延長11回には2死走者なし2ストライクから石上が内野安打と二盗でチャンスメークし、林琢真内野手(25)が同点適時打。最後は蝦名達夫外野手(28)がサヨナラ打で締めた。15日からの甲子園での阪神とのCSファイナルステージを勝ち抜き、2年連続での日本シリーズ制覇を狙う。やられたらやり返す。DeNAが気迫を込めたプレーで劇的勝利を呼び込んだ。1点を追う延長11回2死。敗北まであとストライク1つ。でも、諦めている人間はいなかった。石上は追い込まれながらも、巨人田中瑛のシュートに食らいついた。ヘッドスライディングで内野安打。二盗を決めてチャンスを拡大すると、林が同点適時打。「なんとか試合を終わらせないぞ、次につなごうと」。引き分けでも勝ち抜けが決まる一戦。土壇場での一打にハマスタが大きく揺れた。仕上げはリードオフマンの蝦名。2死一、三塁、内角寄りのシュートを捉えた。三遊間を抜けた瞬間、一塁側ベンチへガッツポーズ。「もう覚えてないですけど、素直に出たポーズでした」ともみくちゃになった。4時間31分の熱戦を終え、声をからしながら「今日にかけてました。結構声も出して疲れました」と心地よい疲労感に浸った。信じ抜けば何かが起こる。熱戦の予感は序盤から漂っていた。1回に先発ジャクソンが5失点。それでも不思議とベンチは落ち着いていた。三浦監督は「さあ、いくぞという形ですぐに切り替える雰囲気をみんなが作ってくれた」と証言。佐野の2ラン、石上の3ランですぐさま振り出しに戻した。全ては自分を、チームを信じ抜けているから。昨年の日本シリーズ優勝の経験値、9月は16勝6敗1分けという勢い-。サヨナラ打の蝦名は「実力があってレベルの高い打線なので、そこが一番の要因」と明かす。林は7回に19球投げさせて四球をもぎ取るなど、自らの役割を理解して遂行。お立ち台では「自分を信じられなくなる時もあったんですけど、周りの方に支えられてきた。自分もチームのことも信じて戦っていきたい」と言葉を紡いだ。圧巻の2連勝でCSファイナルに駒を進めた。第3戦が開催予定だった13日は休みに充てて万全の態勢で敵地・甲子園に乗り込む。「水曜日(15日)からまた全部出しきれるように準備していきたい」と三浦監督。この強さは本物だ。【小早川宗一郎】

◆巨人が延長サヨナラ負けを喫し、CSファーストステージ敗退が決まった。1回表に5点を先制しながら、その裏に先発の戸郷翔征投手(25)がまさかの5失点。3回で降板した以降は今季を支えてきた中継ぎ陣を総動員し、延長11回まで8人の継投で投げ抜いた。最後は回またぎとなった田中瑛斗投手(26)がDeNA蝦名にサヨナラ打を浴びて、4時間31分の試合に終止符。今季の戦いが終わった。試合後、杉内俊哉投手チーフコーチ(44)は「瑛斗は責められない。今後の課題にしてくれたら良いと思います。来年、もっとワンランク上の投手になれるようないい経験をしてくれたと思っているんで」とおもんぱかった。先発の戸郷に関しては「今日は気合入っていたんですよ、ブルペンから。ああいうことがあるっていうのは、野球怖いですね。5点取って5点取りかえされるのは。僕も初めて見たので」と言及。今季は開幕投手を務めながら、不振にあえぎ、最後も悔しさが募るマウンドになった。同コーチは「苦しいシーズンでしたね。でも、そういう時はあるんですよね。ずーっと、なかなか順風満帆ではいかないんで、野球人生は。これを糧にしてもらって、来年また飛躍してほしいなと思いますね」と願った。先発陣は完投が2試合。「中継ぎ陣に負担をかけたと先発陣は分かっていると思う。中継ぎ陣に甘えることなく、1球でも多く投げるのが先発の役目。1週間もらってますからね。それも含めて来年、成長してくれたら良いなと思っています」と来季を見据えた。

◆巨人が2連敗で敗退した。1回に大量5点を先制するも、直後に先発の戸郷が5失点。延長11回に1点を勝ち越したが、またしても直後に同点打、サヨナラ打を浴びて散った。勝ちパターンの大勢投手(26)を同点の7回2死から投入。8回1死一、三塁で筒香を打席に迎えると守護神ライデル・マルティネス投手(29)に託した。いずれもイニングまたぎの登板で無失点で切り抜けた。阿部慎之助監督(46)は「いやあ、すっげえ試合だったな。勝たせてあげたかったけど、本当、総力戦で素晴らしい試合だったと思うし、敗戦の責任は僕にある。選手は必死にやってくれた」と死闘を振り返った。今季は若手を積極的に起用した。泉口が遊撃の定位置をつかみ、規定打席に到達。この日は佐々木が先頭打者で"プロ1号"を放ち、中山も3ランで続いた。最後に痛打を浴びた田中瑛も現役ドラフトで加入し、62試合に登板して36ホールドをマークした。若い芽が主戦へと伸び、阿部監督は「すごく大きな糧にして、来年のシーズンにぶつけてほしい」。悔しさを胸に刻み、長い鍛錬の秋が始まる。【為田聡史】

◆DeNA石田裕太郎投手(23)が、指揮官へ粋なプレゼントを贈った。先発のアンドレ・ジャクソン投手(29)が初回に5失点。2回から緊急登板した石田裕は、三浦大輔監督(51)の現役時代の登場曲「リーゼントブルース」とともにリリーフカーに乗って登場。「僕が入った時、ドラフトで取っていただいたのは三浦監督ですし、この2年間は本当にたくさん使っていただいたので、1個恩返しというか。感謝の気持ちじゃないですけど」とサプライズに至った経緯を明かした。この演出に三浦監督も「出てきた時、ちょっとね、びっくりしましたけど。いい曲使ってるなと思って」と笑顔。石田裕は4回を2安打無失点の好投。三浦監督は「裕太郎がしっかりと流れを引き戻して、無失点でつないでくれた。非常に素晴らしい投球だった」と賛辞を贈った。

◆巨人岡本和真内野手(29)が今オフのポスティングシステムを利用してのメジャー移籍について言及した。試合後に取材に応じ「今何か言えることはない。まだ終わったばっかりですし」。吉村編成本部長も「まだ球団として発表できることは、今のところはない」と話すにとどめた。岡本は今季5月に左肘靱帯(じんたい)損傷で長期離脱を余儀なくされたが、69試合に出場して打率3割2分7厘、15本塁打、49打点。昨オフの契約更改時には将来的なメジャー挑戦の目標を口にしていた。

◆「1番・中堅」に抜擢された巨人・佐々木俊輔外野手(25)がプロ1号となる先頭打者本塁打を放った。0-0の一回無死。先頭で打席に入ると、DeNA・ジャクソンの153キロ直球を右翼席へ運んだ。佐々木は今季、横浜スタジアムで試合に出場して打率.462(26打数12安打)と好相性を誇っていた。その後、2死から岡本の左前打と岸田の四球で2死一、二塁。中山礼都内野手(23)が右越え3ランを放った。

◆巨人・戸郷翔征投手(25)が先発。4-0の一回2死一、二塁で打席が回り、ジャクソンの152キロを捉え中前適時打を放った。先発投手がマウンドに立つ前に、タイムリーを放つ異例の展開。巨人が打者一巡11人の攻撃で一回に一挙5点を先取した。

◆DeNA・石上泰輝内野手(24)が「7番・遊撃」で出場し、5点を先行された直後の一回に3点差に詰め寄ってなお2死一、二塁で同点の3ランを放った。外角高めに浮いた戸郷の150キロの直球を逆らわずにはじき返し、左翼席に運んだ。一回の守備で緩いゴロにバウンドを合わせられず、大量失点に絡む失策を犯していた。名誉挽回の一発に「初回にエラーをしてしまったので、何とか取り返そうと思い、それだけを考えて打席に立ちました」と汗を拭った。

◆巨人・戸郷翔征投手(25)が先発し、3回6安打5失点で降板した。一回、味方から5点の大量援護を受けてマウンドへ。1死二塁から佐野に右越え2ランを浴びた。その後四球と中前打で2死一、二塁とし、石上に左越え3ランを許して同点に追いつかれた。二、三回は安打で走者を許しながらも無失点。四回の攻撃で打順が回り、代打を送られた。戸郷は今季、2年連続の開幕投手を務め、8勝9敗、防御率4.14。春先には不振による2軍再調整も経験した。

◆がけっ縁の巨人は5-5の八回1死一、三塁のピンチで、今季最多セーブのタイトルを獲得した絶対的守護神、ライデル・マルティネス投手(29)を投入する勝負手を打ち、成功した。マルティネスは前日2本塁打の筒香に対し、3ボールから追い込んで155キロの直球で空振り三振斬り。牧に死球を与え2死満塁となり、続く山本を遊ゴロに仕留め無失点で切り抜けた。

◆中日から移籍した今季、最多セーブのタイトルを獲得した巨人の絶対的守護神、ライデル・マルティネス投手(29)が八回のピンチで登場。来日9年目で初となるCS登板で、1回?を無安打無失点に抑える好救援を見せた。まずは5-5の八回1死一、三塁で、前日2本塁打の筒香を155キロの直球で空振り三振斬り。牧に死球を与え2死満塁となったが、続く山本を遊ゴロに仕留め無失点で切り抜けた。そのまま回をまたいで九回も三者凡退斬り。球界屈指のクローザーが最高のCSデビューを果たした。

◆DeNAが逆転サヨナラ勝ち。5―6の延長十一回2死無走者から安打と二盗で攻め、林が同点打。さらに一、三塁として蝦名が左前に打ち返した。巨人は十一回に佐々木の安打でリードを奪ったが、2イニング目の田中瑛がつかまった。DeNA・三浦監督 「本当にすごい試合だった。最後まで誰一人諦めることなく、全員で戦えた。2連勝は大きい。林は粘り強く、全打席で良さを出してくれた」

◆セ3位の巨人は2連敗で敗退が決まり、今シーズンの戦いが終わった。4時間半の激闘に敗れた阿部慎之助監督(46)は悔しさをにじませながら「すげえ試合だったな」と語り出し、「勝たせてあげたかった。本当に総力戦の素晴らしい試合だった。敗戦の責任は僕にある。選手は必死にやってくれた」と語った。一回に佐々木が先頭打者アーチを放ち、中山の3ラン、投手戸郷の適時打で5点を先制。先発の戸郷がその裏に5失点の大乱調。佐野に2ラン、石上に3ランを許し、すぐに5-5の同点とされた。そのまま同点で迎えた八回1死一、三塁で、大勢に代えて守護神マルティネスを投入。決死の継投でピンチを切り抜けた。延長十一回に佐々木の野選で6-5と勝ち越したが、その裏に2イニング目の田中瑛が林に同点打、蝦名にサヨナラ打を許した。指揮官は「野球って恐ろしい」と唇をかんだ。試合後すぐにチームミーティングを開いたといい、「自分自身も何が足りなくて勝てなかったのか、課題として自問自答したい。選手にも、同じことを今言った。来年にどうそれをつなげるかが一番大事。みんな必死にやってくれたし、大きな糧にして来年にぶつけてほしい」と語った。

◆DeNAが劇的な逆転サヨナラ勝ちでファイナルステージ進出を決めた。延長十一回に野選で勝ち越されたその裏、2死無走者から内野安打、盗塁でチャンスを作り、林琢真内野手が左前に同点タイムリー。さらに一、三塁で蝦名達夫外野手が三遊間を破る左前タイムリーを放った。先発のジャクソンが一回、佐々木に先頭打者弾、中山に3ランを浴びるなど5失点した。しかし、その裏に佐野恵太外野手の2ラン、石上泰輝内野手の3ランであっという間に試合を振り出しに戻した。その後は両チームとも無得点が続いた。

◆DeNAが逆転サヨナラ勝ち。5―6の延長十一回2死無走者から安打と二盗で攻め、林が同点打。さらに一、三塁として蝦名が左前に打ち返した。巨人は十一回に佐々木の安打でリードを奪ったが、2イニング目の田中瑛がつかまった。巨人・阿部監督 「素晴らしい試合だったと思うし、敗戦の責任は僕にある。みんな必死にやってくれたし、大きな糧にして、来年のシーズンにぶつけてほしい」

◆?巨人・佐々木が初回先頭打者本塁打。プレーオフ、CSの初回先頭打者本塁打は、2023年ファーストステージ(S)第1戦のロッテ・荻野貴司以来2年ぶり12人目(14本目)。セでは08年第2S第1戦の中日・李炳圭、13年ファーストS第2戦の阪神・西岡剛に次いで12年ぶり3人目で、巨人では初めて。?佐々木はレギュラーシーズンで本塁打を打ったことがなく、日本シリーズを含むポストシーズンでプロ初本塁打を放ったのは、1950年日本シリーズ第3戦の毎日・荒巻淳、52年同第6戦の南海・森下正夫、87年同第6戦の西武・清家政和、昨年CSファイナルS第5戦の巨人・中山礼都に次いで5人目で、初回先頭打者本塁打だったのは初めて。?巨人、DeNAともに一回に5得点。ポストシーズンで両軍が同じイニングの表と裏で5点を奪い合ったのは初めて。これまでは日本シリーズの62年第1戦の三回に東映が5点、阪神が4点、82年第6戦の三回に西武と中日がともに4点を奪ったのが最多だった。?プレーオフ、CSで巨人の1イニング5得点は最多タイで、09年第2S第4戦の三回以来16年ぶり2度目。

◆?レギュラーシーズン2位のDeNAが連勝でファーストステージ(S)を突破。ファイナルSに進出したのは、2016、17、24年(いずれも3位)に続く4度目。2位からファイナルSに進出したのは球団初。?プレーオフ、CSでのサヨナラ勝ちは、昨年年ファーストS第2戦の日本ハム(十回表終了2-2→最終3-2ロッテ、浅間大基の単打)に続く18度目。最終イニングでの逆転サヨナラ勝ちは、23年ファーストS第3戦のロッテ(十回表終了0-3→最終4-3ソフトバンク、安田尚憲の二塁打)以来2年ぶり4度目で、セ・リーグでは初。DeNAのサヨナラ勝ちは19年ファーストS第2戦(九回表終了4-4→最終6-4阪神、乙坂智の代打本塁打)以来6年ぶり2度目。?サヨナラ勝ちでステージを突破したのは、23年ファーストSのロッテ以来7度目。セでは10年ファイナルS第4戦の中日(○4-3巨人)以来15年ぶり2度目。?無敗でファーストSを突破したのは、昨年に続く2度目。複数回記録したのは、ロッテ(3度=05、10、21年)、巨人(3度=10、18、21年)、ソフトバンク(2度=16、22年)、広島(2度=13、23年)に次いで5球団目で、2年連続でマークしたのはDeNAが初めて。

◆巨人はCSに敗れ、今季の全日程を終了。岡本和真内野手(29)は「くらいついていたと思いますし、その中で負けたので。それは勝負なので仕方ないかなと思います」と語った。来季中に海外FA権を取得する見込みで、今オフにポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦するか注目が集まる主砲は今後については「今何か言えることはないので。終わったばかりですし、まずは11月(侍ジャパン)に向けて準備していきたい」と語るにとどめた。岡本は今季、5月に左肘靱帯(じんたい)損傷で長期離脱となったが、8月に復帰。69試合に出場し打率・327、15本塁打、49打点だった。

◆巨人・中川皓太投手(31)は七回に5番手で登板したが、林に粘られ19球目で四球を与えたところで降板。1回を投げ切れず「自分としてはふがいない。悔しい登板になった。僕が1イニングを投げ切れていたら、そのあとの投手もまだ楽になった」と悔やんだ。今季の全日程を終了。8月に国内フリーエージェント(FA)権の資格条件を満たした左腕は、権利の行使については「終わったばかりなので、これからしっかり話をしながら決めたい」と熟考する意向を語った。中川は10年目の今季、自身2番目に多い63試合に登板し36ホールドをマーク。復活を印象付け「個人的にも、今まで、けがをしてというシーズンが多かったので、今年は2軍スタートだったが、上がってきてからは最後まで1軍にいることができたので、そこは自分をちょっとは、ホメてあげたいなと思います」と語った。

◆セ・リーグ3位の巨人は、CSファーストステージで敗退し今季の全日程を終了。吉村禎章編成本部長(62)が報道陣の取材に応じ「チームが最終的には勝てなかった。それは残念だけど、選手は一生懸命やってくれたし、監督コーチも必死で戦ってくれたので。あとはわれわれ、編成の方がもう少しいろんな面で、まだ力になれたことがあったのかなというところの反省から始まってやっていきたいと思います」と語った。9月に国内フリーエージェント(FA)権の資格条件を満たし、来季中には海外FA権を取得する見込みで、今オフにポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦するか注目が集まる主砲の岡本については「まだ何もその話は、今のところ。まだ球団として発表できることは、今のところはないということですね」と明言を避けた。

◆巨人・泉口友汰内野手(26)はCS2試合に「3番・遊撃」で先発。計9打数無安打に終わり、悔しさをにじませた。「CSで全然打てなくて、『お前まだまだやることあるぞ』という風に言われてるような感じがした。秋から冬にかけてめちゃくちゃ練習しようかなと思います」2年目の今季は遊撃のレギュラーに定着。133試合に出場し、打率.301、6本塁打、39打点をマーク。打率3割の大台に到達した。シーズンを振り返り「自信になりました」と語った一方、「これを続けていかないと全く意味がない。今は本当に危機感しかない。終わった瞬間から、来年に向けてという風に僕は思っています」と口元を引き締めた。

◆中日から移籍した今季、最多セーブのタイトルを獲得した巨人の絶対的守護神、ライデル・マルティネス投手(29)が八回のピンチで登場。1回?を無安打無失点に抑える好救援を見せ「前回、八回を投げていたこともありますし、きょうは事前に、状況によって八回から行くよって言われていたので、しっかり頭に入れて準備できた」と胸を張った。まずは5-5の八回1死一、三塁で、前日2本塁打の筒香を155キロの直球で空振り三振斬り。牧に死球を与え2死満塁となったが、続く山本を遊ゴロに仕留め無失点で切り抜けた。そのまま回をまたいで九回も三者凡退斬り。球界屈指のクローザーは、来日9年目で初となるCS登板を終え「(CSで)プレーできたことは、ほんとによかったなって思いです。やっぱりシーズン中の雰囲気とは違くて、またアドレナリンもたくさん出ましたし、本当に楽しんでプレーできた。残念ながらいい結果にはならなかったけど、(CSを)プレーしたんだっていう、そういう実感はありますね」と明かした。巨人での1年目を終えた守護神は「ジャイアンツのスタッフ、選手、首脳陣の皆さんにはこの1年間、ほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。あとはもう、また来年に向けてしっかり準備していく。そういう風に思っています」と語った。

◆先発した巨人・戸郷翔征投手(25)が3回6安打5失点で降板し「後がない中での投球がああいう形になってしまったので、すごく責任を感じる」と唇をかんだ。5点の援護を受けた直後の一回、佐野に2ラン、石上に同点の3ランを浴びた。今季は2年連続の開幕投手を務めたが、不調による2軍降格も経験。8勝9敗、防御率4・14と苦しんだシーズンが終わり「チームの役に立てず、すごく悔しかった。自分を強くして帰ってきたい」と雪辱を期した。

◆巨人・長野久義外野手(40)はこの日、出場選手登録されたが、出場機会はなかった。チームのCS敗退が決まり、「個人的にもチームとしてもすごく悔しいシーズンでした」と振り返った。長野は16年目の今季17試合の出場にとどまった。7月29日に登録抹消されて以降、1軍での出場機会はなかった。

◆DeNA・石田裕太郎投手(23)が、1回5失点で降板したジャクソンの後を受けて二回から緊急登板し、4回無失点と好投した。テンポ良く低めに変化球を集めて試合をつくり「先発の気持ちでいけた。最後まで投げてやろうって気持ちだった」と胸を張った。2年目の今季は先発、救援とフル回転。三浦監督が現役時代に使っていた俳優、竹内力が歌う『リーゼントブルース』を登場曲にマウンドへ。前夜に決めたサプライズで「(監督への)恩返しというか、感謝の気持ち。いい曲やなって言われました」と笑みを浮かべた。

◆激闘が繰り広げられたCSの裏で、米大リーグのポストシーズンも白熱を極める。試合前、DeNAのロッカールームではMLBの中継が流れており、エース東克樹投手は熱視線を送っている。「やっぱりポストシーズンの面白さを目で見て感じる」と明かした。印象に残ったのは10日(日本時間11日)のア・リーグの地区シリーズ、マリナーズ―タイガース。延長十五回、マリナーズが3―2でサヨナラ勝ちを収め、24年ぶりにリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。自身が登板した場合はどう投げるのか―。イメージを膨らませる。「延長タイブレークがない中での駆け引きや、投手をどういうふうに使うかとか。見ていて面白い」。チームは王者阪神の待つ甲子園へ、エースの躍動に期待がかかる。(慎)

◆DeNAは15日から始まる阪神とのCSファイナルステージ(甲子園)の第1戦の先発にエースの東克樹を立てる見込み。大原チーフ投手コーチは「基本的にいいピッチャーから当てはめるのが定石」とした上で「もう一回考え直したい。ベストの状態でいきたい」と話すにとどめた。上半身のコンディション不良から復帰を目指す東は、巨人とのCSファーストステージが第3戦までもつれた場合、先発する予定だった。ファイナルステージ第2戦以降はドラフト1位・竹田(三菱重工West)らが先発候補とみられ、ファーストステージに先発したケイやジャクソンが中5日など間隔を詰めて投げる可能性もある。

◆迷うことなく飛び込んだ。1点を追う延長十一回2死。売り出し中のDeNA・石上(いしかみ)泰輝内野手(24)が二塁へのゴロで一塁にヘッドスライディングしてセーフをもぎ取ると、続く林の3球目に田中瑛のモーションを完璧に盗んで二盗に成功。さらに林の左前打で再び頭から同点のホームに滑り込んだ。土壇場からのサヨナラ勝利の立役者。「初回にエラーをしていたので、何とか取り返すという思いで打席に立っていた」とお立ち台で表情を緩ませた。先発ジャクソンが制球に苦しみ一回に5失点。石上も失点に絡む失策を犯したが、失敗を引きずらなかった。一回裏、佐野の2ランで3点差に詰め寄ると、2死一、二塁から逆方向となる左翼席へ同点3ラン。8月29日のプロ初本塁打を含む通算2本塁打の2年目が、打って走って存在感を見せつけた。8月下旬に右手小指の骨折で離脱したが、9月に最短10日で復帰。けがの影響を感じさせず、遊撃の定位置を一気に確保した。「去年はファームでこの時期を過ごしていて悔しい気持ちがあった」。黙々とバットを振り込み、チームの2位に貢献した。上昇気流の乗る若手に失うものはない。「一戦一戦、全力で出し切ると決めています」。2年連続の下克上へ、甲子園の舞台で〝石神様〟になる。(阿部慎)

◆青色に染まった敵地の重圧に屈した。レギュラーシーズン3位の巨人は延長十一回、あとアウト1つからDeNAに逆転され、2連敗で今季終了。阿部慎之助監督(46)は悔しさをにじませた。「すげえ、試合だったな...。勝たせてあげたかった。本当に総力戦の素晴らしい試合だった。敗戦の責任は僕にある。選手は必死にやってくれた」一回に佐々木の先頭打者本塁打、中山の3ランなどで5点を先制するも、先発の戸郷が一回に5失点。開幕から苦しみ続けたエースは力を発揮できず、3回で降板した。5-5の八回1死一、三塁では、阿部監督が大勢に代え、今季加入して最多セーブ(46)を獲得した守護神マルティネスを投入。決死の継投でピンチを切り抜ける場面もあった。延長十一回に佐々木の一塁内野安打で6-5と勝ち越したが、その裏に2イニング目に挑んだ田中瑛が林に同点打、蝦名にサヨナラ打を浴びた。指揮官は「野球って恐ろしい」と唇をかんだ。球団初となる3位からの日本シリーズ進出はかなわず。阿部監督は試合後にチームミーティングを開いたという。「自分自身も何が足りなくて勝てなかったのか、課題として自問自答したい。選手にも同じことを言った。大きな糧にして来年にぶつけてほしい」と、3年契約3年目で続投が決まっている来季へ、選手たちの成長を期待した。(谷川直之)