1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 | 0 | 1 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 0 |
勝利投手:下川 隼佑(2勝1敗0S) (セーブ:星 知弥(1勝2敗17S)) 敗戦投手:佐藤 柳之介(1勝2敗0S) 本塁打 |

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◆ヤクルトがシーズン最終戦を勝利で飾った。ヤクルトは3回表、濱田のソロで先制に成功する。続く4回には中村悠の適時打などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・下川が6回3安打1失点の好投で今季2勝目。敗れた広島は、打線が5安打1得点と沈黙した。
◆広島の今季最終戦のスタメンが発表され、田中広輔内野手(36)が1番に入り、2番菊池と上位打線を組む。1番からタナキクコンビが並ぶのは、21年4月6日ヤクルト戦以来。同じく退団が決まっている松山竜平外野手(40)、上本崇司内野手(35)も出場選手登録され、ベンチ入りしている。
◆広島のルーキー渡辺悠人内野手(23)が今季最終戦でプロ初安打初打点を記録した。「6番一塁」で先発出場し、迎えた4回2死一、三塁。ヤクルト下川のスライダーを引っ張り、三遊間を破った。三塁走者を迎え入れ、チーム初得点をもたらした。「チャンスの場面だったので、何とか1本出したいと強い気持ちで行きました。1打席目は刺されていたので、タイミングを早く取ってポイントを前にして打ちに行った結果、うまく引っかかってくれました」二ゴロに倒れた前の打席の反省を生かしてプロ初安打につなげ、メモリアルヒットを「素直にうれしいです」と喜んだ。
◆球団から戦力外通告を受け、今季限りでの現役引退を決めた広島上本崇司内野手(35)が現役最後の打席に立った。7回1死から代打で出場すると、大歓声に思わず涙を流した、カウント1-1から2球ファウルで粘って5球はショートへのゴロとなった。ウエスタン・リーグで右足を痛めており、リハビリ中ながら一塁まで最後まで懸命に走り抜けた。アウトのコールにも再び大歓声のスタンドに、上本はヘルメットを取って応えた。
◆ヤクルトが今季最終戦で広島に完勝した。今シーズンを57勝79敗7敗で終えた。今季限りで退任が決まっている高津臣吾監督(56)にとっては、最後の指揮となる試合。今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦が決まっている村上宗隆内野手(25)は"日本ラストゲーム"だった。白星で締めた。先発のルーキー下川隼佑投手(25)が6回3安打1失点と好投した。サブマリンの新人右腕はテンポのいい投球で凡打の山を築いた。球数105。来季に向けても収穫多い内容と結果だった。7回2死二塁から登板した荘司宏太投手(25)は代打大盛を一飛に抑えて火消しに成功。プロ野球史上10人目となる1年目での30ホールドポイントを達成した。打線は3回に先頭の浜田太貴外野手(25)が4号ソロを放って先制した。4回は相手の暴投と、2死満塁から中村悠平捕手(35)が中前適時打をマークした。村上は6回先頭で右前打を放つなど4打数1安打だった。8回には応援団から「メジャーで頑張れ」のコールも注がれた。結果は空振り三振だったが、フルスイングを貫いた。
◆ヤクルトが逃げ切り、今季最終戦を飾った。今シーズンを57勝79敗7敗で終えた。今季限りで退任が決まっている高津臣吾監督(56)にとっては、最後の指揮となる試合。今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦が決まっている村上宗隆内野手(25)は"日本ラストゲーム"。白星で締めた。6年間指揮した高津臣吾監督(56)は「大変なことばっかりでしたけど、選手、コーチ、スタッフと一緒に楽しいこともたくさんあったし、本当に素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。本当に感謝しかないです」と、瞳を潤ませた。最も印象的だったことにはオリックスに敗れた22年の日本シリーズを挙げた。「あれはもう絶対に勝ちたかったので。(21年日本一の)勝ったこともすごく大きな思い出ですけど、負けた悔しさというのはずっと持っています」と回想した。先発のルーキー下川隼佑投手(25)が6回3安打1失点と好投した。サブマリンの新人右腕はテンポのいい投球で凡打の山を築いた。球数105。来季に向けても収穫多い内容と結果だった。7回2死二塁から登板した荘司宏太投手(25)は代打大盛を一飛に抑えて火消しに成功。プロ野球史上10人目となる1年目での30ホールドポイントを達成した。打線は3回に先頭の浜田太貴外野手(25)が4号ソロを放って先制した。4回は相手の暴投と、2死満塁から中村悠平捕手(35)が中前適時打をマークした。村上は6回先頭で右前打を放つなど4打数1安打だった。8回には応援団から「メジャーで頑張れ」のコールも注がれた。結果は空振り三振だったが、フルスイングを貫いた。最後は勝って締めた。試合後は広島工の後輩でもある広島新井監督から花束を手渡された。高津監督は「シーズン大変だったですが、『最後はみんなで力を合わせて頑張って勝って終わりましょう』という話をさせてもらって、その通りに、投げる方も、打線の方も非常にいい展開で今日は締めくくれたのかなと思います」と話した。
◆今季限りで退団が決まっている広島田中広輔内野手(36)と広島松山竜平外野手(40)がそろってシーズン最終戦に出場した。ともに来季は他球団での現役続行を希望しているが、新井監督が3連覇の功労者への花道として舞台を整えた。田中はスタメン出場し、松山は代打出場。試合後にはそろってファンの前に立ち、感謝と別れのあいさつを行った。「1番遊撃」で先発した田中は、同じくこの日出場選手登録された菊池と上位に並んだ。19年4月6日ヤクルト戦以来のタナキクコンビは二遊間も組んだ。「やっぱり懐かしいなという感じもありました。つらいときから一緒に二遊間を守ってきた。歓声をいただいて、本当に頑張ってきて良かったなと思いました」。4打数無安打に終わったものの、8回表途中の交代時にはスタンドからの「広輔コール」で見送られた。松山は9回無死一塁から代打出場し、遊ゴロ併殺打に終わった。「中途半端な選手が18年もカープのユニホームを着てやれるとは思っていませんでした」と感謝しつつも、未練は断った。「11球団でやれたら一番いいんですけど。僕はもうそういうのは取っ払ってどこでも行こうと思っている」。NPB以外であっても、選手として勝負する覚悟をあらためて口にした。▽広島小園(いずれも初の首位打者と最高出塁率を獲得)「取れたので良かったです。次はチームが優勝して、タイトルを取れたらいいかなと。次の目標はWBCに行けるように頑張りたいなと思います」▽広島渡辺(4回2死一、三塁から左前適時打でプロ初安打初打点)「チャンスをいただいて、そこで打てたのでうれしかった。もっと早く打ちたかったですけど、打てて良かったです」
◆今季限りでの引退を決めた広島上本崇司内野手(35)が現役最後の打席に立った。7回1死から代打で出場。「ネクストに立つと、いろんなことがよみがえってきて"やばい、やばい"と思って。我慢したんですけどダメでした」。あふれる涙を抑えきれないまま5球目を打ってショートゴロに。右足を痛めている中、一塁まで懸命に走り抜けた。試合後にはセレモニーも行い「もう感無量です。幸せすぎます」と球団に感謝した。
◆2年連続Bクラスに終わった広島新井貴浩監督(48)がファンの前で覚悟を口にした。Bクラス決定後、若手を大胆に起用したが、5連敗で今季最終戦を終えた。「変わろうとするとき、また新しい力が生まれるとき、必ず苦しみが生じます。来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」。スタンドがざわつき、怒号も聞こえる中で続けた。「そこから逃げることなく、忍耐強く立ち向かっていきたいと思います」。指揮を執ることが決定的な来季、チーム改革を進めていく。
◆シーズン最終戦を終えた広島新井貴浩監督(48)は、セレモニーでファンに固い決意を口にした。今季は夏場以降に失速し、2年連続Bクラスが決まった後は大胆なほど若手を起用したが、十分にアピールできた選手は少なく、黒星を積み重ねた。9月17日以降は1勝10敗。5連敗でシーズンを終え、59勝69敗5分け、勝率4割2分8厘の5位で終えた。
◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が"日本ラストゲーム"を白星で締めた。シーズン最終戦となる広島戦で4打数1安打。6回先頭、ハーンから一、二塁間を破る右前打を放った。試合後の勝利のハイタッチは、高揚感の中に寂しさも少し入り交じった。今オフ、ポスティングシステムでメジャーに挑戦する。ヤクルトで過ごした8年間を「いろんな方に関わっていただき、今の自分がいる。感謝しかない」。8回の最終打席は空振り三振に倒れたが、応援席から「ありがとう村上」「メジャーで暴れろ村上」コールが届き、心が熱くなった。同時に悔しさも募る。今季は56試合出場の打率2割7分3厘、22本塁打、47打点と、シーズンをフルで戦えなかった。「やっぱり悔しさが最初に来ます。でも、終わったことなので、またけがをしないように。(今後)いいシーズンだったなと言えるようにしていければ」。ツバメの主砲は世界の「MURAKAMI」となるべく羽ばたいていく。▽ヤクルト荘司(7回2死二塁から火消しに成功し、プロ野球史上10人目の1年目での30ホールドポイント)「今年の数字はでき過ぎている部分もあるが、いい経験ができた。来年も超えられるようにしっかり頑張っていきたい」
◆広島のスターティングメンバーが発表され、今季限りでチームを退団する田中広輔内野手(36)が「1番・遊撃」で名を連ねた。場内アナウンスで名前がコールされると広島ファンから歓声が起き、「2番・二塁」で菊池涼介内野手(35)との1、2番コンビが発表されると、一段と大きな歓声が起きた。また、田中と同様に今季限りで退団する松山竜平外野手(40)と、今季限りでの現役引退する意向を示している上本崇司内野手(35)もベンチ入りした。
◆ヤクルト・浜田太貴外野手(25)が三回、今季4号となる左越えの先制ソロをマークした。「7番・右翼」で先発出場。5試合ぶりのスタメン起用に応えるように、第1打席にアーチを描いた。広島先発の佐藤柳が投じた初球の直球を振り抜き、9月12日のDeNA戦(神宮)以来の一発とし、球団を通じて「初球から積極的に仕掛けていきました。良い角度で上がってくれました」とコメントした。
◆ヤクルト・大西広樹投手(27)が七回に2番手で登板し、2年連続で50試合に登板した。登板数はチームトップ。状態が上がらず、5月7日に今季初昇格を果たしたが、フル回転の活躍を見せた。この日は、先頭・渡辺を左飛、続く代打・上本を遊ゴロに抑え、石原に左翼フェンス直撃の二塁打とされたところで、ドラフト3位・荘司(セガサミー)と交代した。
◆今季限りで現役引退の意向を示している上本崇司内野手(35)が七回に代打で登場。目には涙を浮かべながら打席に立った。場内に名前がコールされると、ファンからは大声援が送られ、ヤクルトベンチも拍手で迎えた。そして、ユニホームで何度も涙をぬぐいながら、フルスイングを披露。最後は遊ゴロに終わったが、懸命にプレーする姿を見せた。上本は2013年にドラフト3位で明大から入団。主にユーティリティープレーヤーとしてチームの勝利に貢献した。今年10月1日には球団側から来季の戦力構想から外れていることを伝えられ、「正直体もボロボロですし悔いは全然ないですし、ちょっと肩の荷が下りたというか、もう頑張らなくていいんだという気持ちのほうが強い」と現役引退の考えを口にしていた。3日時点での今季成績は20試合で打率・192、0本塁打、0打点で、通算成績は561試合で打率・250、3本塁打、50打点、23盗塁。
◆先発したヤクルト育成ドラフト3位の下川隼佑投手(25)=オイシックス=が6回3安打1失点と好投した。下手投げ右腕は、テンポのいい投球で広島打線を翻弄。6回105球。5奪三振で高津監督の期待に応えた。下川は「最終戦を投げさせていただいたので、何とか勝ちを導けるようにという思いでマウンドに上がった。最少失点で粘れた」と安堵(あんど)した。
◆先発した広島・佐藤柳之介投手(22)は5回を3失点で今季2敗目を喫した。また、今季限りで退団する松山竜平外野手(40)、田中広輔内野手(36)に今季限りでの現役引退する意向を示した上本崇司内野手(35)が出場選手登録され、ベンチ入り。田中は「1番・遊撃」で先発出場し、「2番・二塁」の菊池と1、2番コンビを組み、ファンを沸かせた。上本、松山も代打で登場し、安打とはならなかったが懸命なプレーを見せた。
◆今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実なヤクルト・村上宗隆内野手(25)が今季最終戦に「4番・三塁」で先発出場し、日本での〝ラストゲーム〟に臨んだ。二回の第1打席は空振り三振、四回の第2打席は見逃し三振に倒れたが、六回先頭の第3打席では広島2番手のハーンから右前打を放った。八回の第4打席は空振り三振。これが日本での最後の打席となり、4打数1安打で試合を終えた。
◆ヤクルトの下川がテンポ良く打ち取り、6回3安打1失点で2勝目を挙げた。浜田が三回に先制ソロ。四回に中村悠の適時打などで2点を加えた。広島は渡辺のプロ初安打、初打点で1点を返したが5連敗。負け越し20で今季を終えた。
◆ヤクルトが今季最終戦、今季限りで退任する高津臣吾監督のラストゲームを白星で飾った。三回に浜田太貴外野手の4号ソロで先制。四回には暴投と中村悠平捕手の中前適時打で2点を加えた。先発の下川隼佑投手は6回3安打1失点で今季2勝目をマーク。今オフにポスティングシステムで米大リーグ移籍が確実な村上宗隆内野手は4打数1安打だった。チームは今季57勝79敗7分の6位で全日程を終了した。
◆今季限りで退団する松山竜平外野手(40)、田中広輔内野手(36)に、今季限りでの現役引退する上本崇司内野手(35)が出場し、広島ファンに別れを告げた。
◆来季の戦力構想から外れ、現役続行を希望して今季限りで広島を退団する田中と松山が最終戦に出場し、広島のファンに別れを告げた。田中は「1番・遊撃」で先発出場し、「2番・二塁」の菊池と2016年からのリーグ3連覇を支えた「タナキク」コンビを再結成。田中は「懐かしいなという感じもありましたし、当時は丸(現巨人)もいましたけど」と感慨を込めて振り返りつつ、「辞めるならボロボロになるまでやって終わっていきたいと思ったので、そういう決断をした。(NPBにこだわるかは)はっきりとは決めていない。体を動かしていきたい」と今後について説明した。松山は九回に代打で登場。試合後のセレモニーでは「僕自身まだ終われません。もう少し野球をさせてください」と広島のファンにあいさつし、試合後の取材では「どこでも行こうと思っている」とNPB以外も視野に入れ、移籍先を模索していく。(西垣戸理大)
◆借金20の5位に終わり、広島・新井監督はファンに頭を下げた。試合後のセレモニーで「悔しい気持ちとともに自分の力のなさを反省しています」と謝罪。ただ、「いまチームは変革期であります。変わろうとするとき、また新しい力が生まれるとき、必ず苦しみが生じます」と説明した。その上で「来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」と来季の苦戦が予想されることに言及すると球場中がざわついたが、「そこから逃げることなく、忍耐強く立ち向かっていきたい」と力強く宣言すると、ファンからは拍手が送られた。
◆感謝の思いを胸に、指揮官としての役目を終えた。今季限りで退任するヤクルト・高津臣吾監督(56)が、レギュラーシーズン最終戦となった広島戦(マツダ)で勝利。有終の美を飾り、6年間の監督人生にピリオドを打った。「大変なことばっかりでしたけど、選手と一緒に、コーチと一緒に、スタッフと一緒に、楽しいこともたくさんあったし、本当に素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。本当に感謝しかないです」山あり谷ありだった。就任1年目の2020年は新型コロナウイルスが流行。無観客試合も経験し、リーグ最下位に終わった。それでも、21年にはリーグ制覇と20年ぶりの日本一を達成。22年は球団2度目のリーグ連覇を成し遂げるなど球団史に名を刻んだ。23、24年はリーグ5位と低迷。今季は開幕前から主力に故障者が相次ぎ、57勝79敗7分けで5年ぶりのリーグ最下位で終えた。その中でも、育成出身の選手や次世代を担う若手選手を起用し、来季の巻き返しに向けて着実に土台を築いた。故郷の広島で監督最後の試合を迎えた。毎度、広島に来た際には、13年に死去した父・年明さんの墓前で手を合わせてきた。「18歳まで(広島の)赤いユニホームを見て、赤いキャップを被って、ずっと野球をやってきたので、広島で最後のゲームをできてよかった」。現役時代を合わせて27年間、袖を通してきたスワローズのユニホームを脱ぐ。(赤尾裕希)
◆ヤクルトは今季最終戦で広島に勝利。今季限りで退任する高津臣吾監督(56)のラストゲームを白星で飾った。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が今季のレギュラーシーズン最終戦となった広島最終戦(マツダ)に「4番・三塁」でフル出場し、六回に右前打を放つなど4打数1安打だった。今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。日本での〝ラストゲーム〟を白星で締め、仲間と勝利のハイタッチを交わした。今季限りで退任する高津監督にはウイニングボールを渡して抱き合い「2021年、22年は優勝もできて、たくさん(仲間とハイタッチする)あの光景があったので、今日もすごくうれしかった。寂しいというより感謝」とかみしめた。今季は56試合の出場で打率・273、22本塁打、47打点。上半身のコンディション不良に苦しんだ1年を振り返り「やっぱり悔しさが最初に来ます。143試合出て、もっともっと打つことがが目標だった。チームとしても優勝することが目標だった」と悔やんだ上で、「皆にいいプレーはある程度たくさん見せられたのかな」と話した。熊本・九州学院高から18年に入団して8年。21年はリーグ優勝と日本一に貢献し、連覇を達成した22年はプロ野球史上初の5打席連発など日本選手最多の56本塁打を放ち、最年少の22歳で三冠王に輝いた。「8年間いろんな方々と関わって、今の自分がいるので、本当に感謝しかない」と感慨に浸り、ヤクルトというチームについては「強いときも、弱いときも、ファンの皆さんが温かく応援してくださる。ファンの方含め球団の方々もチーム一丸じゃないですけど、そういった感じで戦ってきたので、そういう印象がすごくある」と語った。試合後、燕党からは「メジャーで暴れろ」コールでエールを送られ「もちろん、聞こえていました」と笑顔。今後に向けて「本当に今まで通り、目の前の1試合、1打席に集中して過ごすことを目標に頑張りたい」と力を込めた。
◆ヤクルトのD3位・荘司(セガサミー)が3-1の七回2死二塁で登板。代打・大盛を一飛に封じ、28ホールド目をマークした。1年目の今季は、中継ぎとして45試合に登板し、2勝1敗、防御率1・05。堂々たる活躍で新人王の最有力候補に挙がる左腕に高津監督は「彼がいなかったらここまで勝てていないのは事実。他の資格を持っている人と比べても突き抜けた成績を残している。ぜひ、新人王をとってほしい」と太鼓判を押した。
◆ヤクルト・古賀優大捕手(27)がリーグ13年ぶりとなる盗塁阻止率5割をクリアした。五回の守備から途中出場。五回1死一塁で田中が空振り三振を喫した際に二盗を試みた一走の小園を刺し、試合前時点で・492だった盗塁阻止率が・500に上がった。リーグトップの成績を残し、古賀は「5割という数字は、自分だけの数字じゃないと思っている。二遊間を含め、投手にもクイックしてもらったおかげで取れた数字だと思うので、他の投手や野手に感謝したい」と謙虚に語った。守備中の意識については「なるべくタッチしやすいところに投げようというのは、ここ一年間やってきたこと。そこが数字として表れたのは良かった」と話した。ヤクルトでは1993年に古田敦也が盗塁阻止率・644を記録している。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が4日、今季のレギュラーシーズン最終戦となった広島最終戦(マツダ)に「4番・三塁」でフル出場し、4打数1安打で3-1での勝利に貢献した。今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。日本での〝ラストゲーム〟を白星で締め、プロ入りから8年間在籍したチームの仲間とファンに感謝の思いを伝えた。苦楽を分かち合ってきた仲間との勝利のハイタッチ。プロ入りから8年間見てきた〝いつも〟の景色がこれで見納めとなる。村上は感慨に浸り、感謝の言葉を紡いだ。「今後どうなるか決まっていない中ですけど、シーズン最終戦ということで僕の中でもいろいろ思うことがあった。寂しいというより感謝。8年間いろんな方々と関わって今の自分がいるので、本当に感謝しかない」今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。日本での〝ラストゲーム〟は六回に右前打を放つなど4打数1安打だった。退任する高津監督にとっても最後の一戦は白星締め。試合後には指揮官にウイニングボールを渡して抱き合い「2021年、22年は優勝もできて、たくさん(仲間とハイタッチする)あの光景があった。今日もすごくうれしかった」と特別な一勝をかみしめた。今季は56試合の出場で打率・273、22本塁打、47打点。けがに苦しんだ1年を振り返り「悔しさがやっぱり最初にくる。143試合出て、もっともっと打つことが目標だった」と無念の思いを明かしたが、18年に入団してから8年間で、村上が残したものは計り知れない。2年目の19年に36本塁打を放って新人王に輝くと、21年は自身初の打撃タイトルとなる本塁打王(39本)を獲得する活躍で、チームのリーグ優勝と日本一に貢献。連覇を達成した22年はプロ野球史上初の5打席連発など日本選手最多の56本塁打を放ち、最年少の22歳で三冠王に輝いた。通算892試合で打率・270、246本塁打、647打点。記憶に残るプレーでプロ野球の歴史を動かした。その魂は確かに受け継がれていく。けがの影響で2軍で調整した期間。ファームには珍しい光景が広がっていた。坪井2軍打撃コーチが選手の村上に打席での意識やフォームなどの打撃理論を〝質問攻め〟。若き主砲は丁寧に自身の考えを伝えていた。坪井コーチが「率も残る強打者はすごい。あんないい〝教材〟があるなら丸裸にしないと。それを若い子に伝えていく。ムネはこうやって言ってたよ、とも伝えられる」と話せば、村上は「若い選手が少しでもよくなってくれればなという思いはある」。若燕たちへのレガシーだ。今季はメッツやダイヤモンドバックスなど複数のメジャー球団が球場に視察に訪れた。燕党から「メジャーで暴れろ、村上」とのコールでエールを送られた主砲。代理人としてエクセル・スポーツ・マネジメント社のケーシー・クロース氏と契約しており、次なる夢に向けて準備を進める。「ほんとに今まで通り、目の前の1試合、その1打席に集中して過ごすことを目標に頑張りたい」。燕の魂を胸に、海を渡る。(武田千怜)
◆ヤクルト・村上は状態が良いときのスイングではなかった。2022年にシーズン56本塁打をマークしたのが最終戦の最終打席。そういう星の下に生まれただけに、またラストに一発を...と必要以上に期待されてしまう。気温がそれほど高くなく、肉離れなどの故障にも気を使ったか。思い切って振れなかったとしても、無理はない。シングル1本で、ヨシとすべきだろう。渡米するとなると、やはり注意すべきは、そのコンディション面。試合数が多く、大型連戦もある。移動も西海岸→内陸部→東海岸と長距離で、時差もある。フルシーズン近くプレーできるよう、まずは体を鍛えて開幕に臨み、日々のケアを心がけてもらいたい。その上で、メジャーの投手との対戦だ。どんどん速球で押してきて、追い込むと、ツーシームやフォークボールを落としてくる。この主流パターンに早く慣れ、対応したい。また、長打を追い求めすぎると、打率は上がらない。これらのバランスを「日本の三冠王」として、どう取るか。注目するとともに、エールを送りたい。頑張れ!!(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 (-) |
阪神 |
85 | 54 | 4 | 0.612 (-) | - (-) |
0 | 496 (-) | 352 (-) | 93 (-) | 100 (-) |
0.245 (-) | 2.210 (-) |
2 (-) |
DeNA |
71 | 66 | 6 | 0.518 (-) | 13 (-) |
0 | 510 (-) | 456 (-) | 110 (-) | 66 (-) |
0.247 (-) | 2.940 (-) |
3 (-) |
巨人 |
70 | 69 | 4 | 0.504 (-) | 15 (-) |
0 | 463 (-) | 461 (-) | 96 (-) | 53 (-) |
0.250 (-) | 2.950 (-) |
4 (-) |
中日 |
63 | 78 | 2 | 0.447 (-) | 23 (-) |
0 | 403 (-) | 463 (-) | 83 (-) | 80 (-) |
0.232 (-) | 2.970 (-) |
5 (-) |
広島 |
59 | 79 | 5 | 0.428 (↓0.003) | 25.5 (↓0.5) |
0 | 441 (+1) | 497 (+3) | 71 (-) | 57 (-) |
0.246 (-) | 3.200 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
57 | 79 | 7 | 0.419 (↑0.004) | 26.5 (↑0.5) |
0 | 443 (+3) | 564 (+1) | 90 (+1) | 61 (-) |
0.234 (-) | 3.590 (↑0.02) |
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