| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 1 |
阪神 | 1 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | X | 6 | 9 | 0 | 2 |
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勝利投手:村上 頌樹(14勝4敗0S) 敗戦投手:青柳 晃洋(0勝2敗0S) 本塁打 | |||||||||||||
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◆阪神は初回、佐藤輝の犠飛で1点を先制する。その後は3回裏に前川の3ラン、5回には佐藤輝の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・村上が7回2失点の好投で今季14勝目。なお、今季限りでの現役引退を表明している阪神・原口は7回に代打で登場。9回には4年ぶりとなるキャッチャーの守備にもついた。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦を迎える。タイトルがかかった選手が多く、個人記録も注目される。表彰対象の個人記録のほか、MVP、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブと記者投票による表彰はレギュラーシーズンが対象。CSや日本シリーズでの活躍は反映されない。今年の阪神はゴールデングラブ賞も注目。坂本誠志郎捕手(31)、一塁の大山悠輔祐輔内野手(30)、二塁の中野拓夢内野手(29)、中堅の近本光司外野手(30)は受賞経験者。今年もチャンスがありそうだ。加えて、三塁の佐藤輝明内野手(26)が守備の評価を一気に高めた。12球団最多だった昨年の23失策から大幅改善。ここまでわずか6失策で、土のグラウンドを本拠地とする阪神では誇れる数字。守備率は9割7分7厘。強肩で見せる場面も多かった。また、右翼を守る森下翔太外野手(25)も球際、フェンス際の強さとスローイングで貢献。刺殺数が310と多い。外野はライバルが多いがどうなるか。
◆この日引退セレモニーが行われる阪神原口文仁内野手(33)が、ヤクルト青柳晃洋投手(31)との再会を喜んだ。この日先発の青柳は、阪神の試合前練習時にグラウンドへ。アップするナインらにあいさつを交わす中、原口に駆け寄った。昨季までの同僚で、過去にはバッテリーも組んだ間柄。固い握手とハグを交わし、笑顔の再会を果たした。
◆阪神はレギュラーシーズン最終戦。大山悠輔内野手(30)は逆転での最高出塁率のタイトルに挑戦する。試合前の段階で出塁率3割5分9厘6毛。トップの巨人泉口友汰内野手(26)と2厘5毛、2位の広島小園海斗内野手(25)とは1厘9毛の大接戦。大山は4打席で3出塁すれば泉口を超えて暫定1位でシーズンを終える。泉口は全日程を終了。小園の残り2試合の結果待ちとなる。
◆阪神森下翔太外野手(24)は今季3度目となるベンチスタートとなった。ここまで142試合すべてに出場中。途中出場なら、3年目で自身初のシーズン全試合出場となる。また、代わって3番の打順では佐藤輝明内野手(26)が先発。4月12日中日戦(甲子園)以来、約6カ月ぶりの打順となる。今季はここまで39本塁打、99打点を挙げており、ともに大台到達へリーチ。より打順の回る3番に座り、前回対戦でも本塁打を放った元同僚青柳から節目の1発を狙う。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が自身初のシーズン100打点を達成した。0-0の初回1死三塁。先発青柳から高々と左翼に上がった先制犠飛。節目の打点を挙げた。97打点で迎えた9月26日中日戦で、2安打2打点の活躍を見せて大台に王手。同戦以降も2試合連続で安打を放ちながら、遠かった1打点だ。3番に座って臨んだ今季最終戦で決めてみせた。阪神では14年に109打点を挙げたゴメス以来の3ケタ到達。球団生え抜きでは、104打点を挙げた10年の鳥谷敬以来、15年ぶりの大台到達となった。今季は開幕直後の3月を除き、4月から9月まですべて月間10打点以上をマーク。特に4月は8本塁打、22打点の大暴れだった。順調に積み重ねた本塁打と同様、4番としてきっちりと打点を積み重ねてきた。これまでのキャリアハイだった92打点は、9月15日の中日戦(甲子園)で2本塁打を含む3安打5打点を放ち、軽々と到達。プロ5年目の今季は本塁打、打点の「2冠」が確実視されている。30本塁打と並び、開幕前から打撃の目標に掲げていた「100打点」。虎党で埋まったシーズン最終戦で、最後に目標到達を決めた。
◆阪神村上頌樹投手(27)が最多奪三振争いでトップに並んだ。1回2死一塁、村上を131キロチェンジアップで空振り三振。2回先頭オスナも131キロチェンジアップで空振り三振に仕留め、今季の奪三振数を138個にして、すでに今季全日程を終えているトップの中日高橋宏斗投手(23)に並んだ。村上は前日まで13勝4敗、防御率2・09、136奪三振、勝率7割6分5厘。この日14勝目を挙げると、DeNA東の14勝に並び、勝率も7割7分8厘に上昇、投手3冠をほぼ手中にする。
◆阪神村上頌樹投手(27)が最多奪三振争いで単独トップに立った。3回1死無走者で青柳晃洋投手(31)から見逃し三振を奪い、この日3個目の奪三振。今季全日程を終えている中日高橋宏斗投手(23)を1個上回り、139奪三振とした。この日は2回までに村上、オスナから空振り三振を奪い、高橋宏に並んでいた。村上は前日まで13勝4敗、防御率2・09、136奪三振、勝率7割6分5厘。この日14勝目を挙げると、DeNA東の14勝に並び、勝率も7割7分8厘に上昇、投手3冠をほぼ手中にする。青柳は昨季まで阪神に所属。村上は昨オフまで3年連続で自主トレをともにしてきた。
◆阪神ハビー・ゲラ投手(30)が2日、母国パナマに向けて日本を離れた。15日開幕のCSファイナルには出場しない。来季の契約も更新しない見込み。来日1年目の昨季は岩崎優(34)とのダブル守護神として59試合に投げて31ホールド、14セーブ、防御率1・55と活躍した。最速160キロの快速球が魅力だった。今季は開幕から調子が上がらず6試合登板だけに終わった。球団を通じて「タイガースで過ごした時間は私にとって大きな財産になりました。ファンの皆さん、チームメート、スタッフの皆さんの支えに心から感謝しています。残りのシーズン、阪神タイガースが日本一になることを応援しています」とコメントを残した。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)がシーズン最終戦で今季40本塁打を達成した。9月22日のヤクルト戦(神宮)で王手をかける今季39号ソロ。そこから4試合の足踏みを経て、甲子園で大台到達を決めた。4点リードでの5回1死二塁。青柳の初球142キロ直球を豪快に引っ張り込んだ。弾丸ライナーで右翼に飛ばした一打は、そのままフェンスオーバー。大歓声の中、ダイヤモンドを一周した。阪神では10年に47本を放ったブラゼル以来15年ぶり。助っ人以外では05年の金本知憲以来20年ぶり。生え抜きに限れば85年の掛布雅之以来、40年ぶりの40号到達となった。この日の初回には1死三塁の場面で、先発青柳から先制犠飛。打点でも大台到達となる、シーズン100打点を達成していた。40本塁打&100打点のダブル達成も、球団生え抜きでは85年掛布雅之以来の記録となった。プロ5年目の今季は4月までに9本塁打。6月と8月も8本ずつと安定して本数を伸ばし、両リーグ独走を続けてきた。過去最多の24本には早々と7月13日に到達した。9月7日の優勝決定後は疲労によるコンディション不良で2試合を欠場。同19日のDeNA戦(甲子園)で復帰後も11打席無安打と苦しんだが、最終的に月間成績は2割7分6厘、5本塁打、15打点。復調を印象づけていた。4月途中から4番に座り、打線の中心として優勝に導いた。本拠地の甲子園は左打者が引っ張った打球が押し返される「浜風」が吹き、佐藤輝もずっと悩まされてきた。年々磨いてきた技術で今季は、中堅から左方向への本塁打を増やした。甲子園では今季11本目。これまでタイトルとは無縁だったが、本塁打、打点の「2冠」が確実視されている。
◆阪神前川右京外野手(22)がシーズン最終戦で今季初本塁打を放った。「5番左翼」で今季50試合目のスタメン出場となったこの日。1点リードの3回2死一、二塁。1ボールから先発青柳の141キロ速球を捉えた。中堅やや右に高く上がった打球はそのままスタンドイン。4点差に突き放す今季1号3ランとなった。昨季までの同僚でもあるヤクルト青柳。前回9月22日の対戦でも左中間を破る適時二塁打を放っており、2試合連続で打点を挙げた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が3打席連続出塁を決め、セ・リーグの出塁率トップに躍り出た。初回の第1打席では2死走者なしから四球で出塁。3回2死一塁の第2打席でもきっちり四球を選び、前川の3ランをお膳立てした。5回1死の第3打席でも四球を選び、これで出塁率は3割6分2厘8毛に上昇。トップを走っていた巨人泉口を「7毛差」でわずかに上回った。
◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が22号ソロを放った。4点を追う4回2死、阪神村上の内角148キロ直球をかち上げた。白球は長い滞空時間で右翼席の最前列まで届いた。9月30日DeNA戦以来、2試合ぶりの1発で「しっかりと押し込むことができました。入ってくれてよかったです」と話した。乾いた打球の余韻が残る甲子園は、スタンドに打球が飛び込むと、静まり返った。これで出場54試合で22本目のアーチとなった。今オフにはポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦する主砲。日本での試合も残り3試合となる。だんだんと日本での見納めが近づいてくる中、ファンに最高の雄姿を示した。
◆阪神森下翔太外野手(24)がプロ3年目で自身初となるシーズン全試合出場を達成した。この日は今季3度目となるベンチスタートとなったが、5回2死一塁に代打で出場。結果は空振り三振に倒れたが、名前がコールされると球場中から大きな歓声がわいた。新人年からの2年間は、2軍降格なども経験しながらのシーズンを送ってきた。1軍での完走も未経験だった中、今季はすべての試合で存在感を発揮した。
◆Be ambitious!通算250本塁打まではあと4つ村上宗隆 第22号ホームラン?プロ野球 (2025/10/2)??阪神×ヤクルト??live on DAZN#オレをみろ#swallows #だったらDAZN pic.twitter.com/DDmRxOyGNs
◆ヤクルト青柳晃洋投手(31)が古巣阪神に打ち込まれ、加入後初勝利はならなかった。5回途中6安打6失点と試合をつくれなかった。初回に1死三塁から佐藤輝に左犠飛で先制された。2回は3者凡退で仕留めたが、3回は2死一、二塁から前川に3ランを献上。5回は1死二塁から佐藤輝に40号2ランを浴び、粘れなかった。走者を背負った場面での2発に沈んだ。青柳は7月末に米フィリーズ傘下2Aを自由契約後、7月末に新加入。移籍後、初先発だった9月15日広島戦は4回4失点、同22日阪神戦は5回2失点だった。3度目の先発で加入後初白星を目指し、甲子園のマウンドに立ったが、猛虎打線にのみこまれた。
◆阪神村上頌樹投手(27)が14勝目の権利を得て、4点リードの状態で7回5安打2失点で降板した。14勝目を手に入れると、勝利数トップのDeNA東の14勝に並ぶ。奪三振数もこの日8個を積み上げ、通算144個にし、すでに今季全日程を終えている中日高橋宏斗投手(23)に6差をつけ単独トップになった。白星が確定すると勝率も7割7分8厘に上昇。投手3冠王をほぼ手中にする。阪神で投手3冠は、この日ヤクルト先発として登板した青柳晃洋投手(31)が22年の阪神在籍時代に最優秀防御率、最多勝、最高勝率の3冠を獲得して以来になる。
◆ヤクルト高津臣吾監督(56)が阪神原口文仁内野手(33)の引退試合に粋な継投で花を添えた。7回2死一塁、今季限りでの引退を表明している原口が大山悠輔内野手(30)の代打でコールされた。すかさず高津監督はベンチから歩を進め、木沢尚文投手(27)から清水昇投手(28)に投手交代を告げた。原口と清水は、ともに帝京高(東東京)の出身。"帝京魂"を持つ2人の対決を実現させた。原口の5学年後輩の右腕をマウンドに送り、引退試合を盛り上げた。結果は中飛。甲子園が「原口コール」に包まれる中、清水は何度も頭を下げて原口をねぎらった。
◆ヤクルトが阪神に敗れた。先発の青柳晃洋投手(31)が2被弾と古巣に打ち込まれた。5回途中6安打6失点で加入後、初勝利はならなかった。3回は2死一、二塁から前川に3ラン、5回は1死二塁から佐藤輝に40号2ランを浴びた。かつての本拠地での登板だったが、走者を置いた場面での本塁打に沈んだ。打線では村上宗隆内野手(25)が22号ソロを放った。4回2死、阪神村上の内角148キロ直球を右翼席の最前列に運んだ。村上は7回先頭でも左中間への二塁打を放った。その主砲がチャンスメークに、ホセ・オスナ内野手(32)が右翼への適時二塁打を放った。しかし、試合をひっくり返せなかった。
◆阪神石井大智投手(28)が、史上初の防御率「0・1」台のまま、レギュラーシーズンを終えた。この日の最終戦で登板はなく、防御率0・17をキープ。自身が持つ日本記録は、50連続試合無失点、球団記録のイニング数は49イニング連続無失点のまま最終戦を終えた。石井は8月13日広島戦(マツダスタジアム)でセ・リーグ記録を更新する39試合連続無失点とすると、同17日の巨人戦(東京ドーム)でプロ野球新の40試合連続無失点を達成した。9月26日には、06年に当時現役の阪神藤川球児監督(45)が記録した球団記録の47回2/3を上回る、48イニング無失点としていた。石井は今季54試合、54イニングの登板でわずか1失点。4月5日巨人戦(東京ドーム)からリーグ最終戦のこの日まで無失点と、驚異の安定感を見せた。
◆阪神の佐藤輝明内野手(26)が1本塁打3打点で、シーズン40本塁打、100打点に到達。40本・100打点は22年ヤクルト村上宗隆内野手(25)以来で、阪神では10年ブラゼル以来15年ぶり6人目(7度目)。佐藤輝は26歳。阪神では掛布雅之が23歳の78年に102打点、24歳の79年に48本塁打しているが、同時に達成は球団史上最年少となった。初回の犠飛が決勝点となり、勝利打点(V打)は同僚の森下翔太外野手(25)に並ぶ今季20度目。同一チームの2人がV打20本以上をマークしたのは、2リーグ制後初めて。
◆今季限りで引退する阪神原口文仁内野手(33)がレギュラーシーズン最終戦に出場した。6-2とリードしていた7回2死一塁。代打がコールされると大歓声が起こった。大音量の「燃えろ、燃えろ、原口」のコールを背に打席に入り、中飛に倒れたが、力強いスイングに大きな拍手が起きた。そのまま一塁の守備についたが、9回にはサプライズがあった。なんと原口が捕手の防具をつけてマウンドへ。プロ入りは捕手。22年からは内野手登録に変わり、以来捕手の練習は一切行っていなかった。マウンドには若手時代からバッテリーを組んできた同学年の岩貞祐太(34)が上がった。2人の関係性をよく知る藤川球児監督(45)の粋な演出だった。先頭の内山壮真捕手(23)に対して四球を出したところでバッテリーごと交代。仲間がベンチ前に出てきて、盛大に出迎えた。大きな原口コールが起きると、右翼席に向かって捕手のミットを高々と上げて応じた。
◆今季限りでの退任が発表されているヤクルト高津臣吾監督(56)が、甲子園のファンからも温かく送り出されてた。試合後、高津監督は阪神藤川球児監督(45)とともにベンチから出てグラウンド中央へ。藤川監督が自身の背番号「22」をつかみながら、何かを笑顔で伝えると、高津監督も柔らかい表情を見せた。最後に藤川監督から花束を手渡されると、ライバルとしてシーズンを戦った指揮官の肩をたたいてねぎらった。
◆阪神藤川球児監督(45)が試合後、グラウンドからファンへあいさつを行った。今季最終戦を勝利で締め、23年以来の年間85勝でフィニッシュ。V戦士とともに、マウンド付近に整列。「みなさま、レギュラーシーズン最後になりましたが多大なる声援、本当にありがとうございました。まいったね。最後に選手達は全てかなえました。自分たちの目標を。このあと、15日から(CS)ファイナルステージが始まります。先のことを言うのはあんまり好きではないですけど、あそこバックネット裏の2003年の隣の色が何色になるかの勝負が始まる。甲子園で3つ勝たないといけません。そのためには球場に来られているファンの方、以外の全国の応援が必要です。明日からクライマックスシリーズファイナルに向けてしっかりと調整してきます。胸を張って皆さんの前にまた戻ってこられるように頑張ってきます。1年間ありがとうございました」とあいさつした。
◆今季限りで引退する阪神原口文仁内野手(33)がレギュラーシーズン最終戦に出場した。6-2とリードしていた7回2死一塁。代打がコールされると大歓声が起こった。近年は代打の切り札として何度も勝利に導く一打を放ってきた。大音量の「燃えろ、燃えろ、原口」のコールを背に打席に入った。初球から清水の外角球にフルスイングして空振り。2球目は147キロをファウル。3球目の146キロも積極果敢に振りにいき、とらえた当たりだったが中飛。アウトになっても大きな拍手が起きた。そのまま一塁の守備につくことがアナウンスされると、また大きな歓声が湧いた。試合後にはセレモニーを実施。ただ、これでユニホームは脱ぐわけではなく、15日から始まるCSファイナル、その後の日本シリーズでも戦力になるために「現役」を続け、スタンバイする。帝京から09年ドラフト6位で入団して阪神一筋16年目。故障で育成再契約の苦難もあったが、16年に支配下復帰して1軍デビューにたどり着いた。19年にステージ3の大腸がん手術という試練に見舞われたが同6月に復帰し、大活躍。奇跡的な復活劇で多くの人に勇気を与えた。近年は代打の切り札として絶大な存在感を示したが、今季は9月13日の巨人戦で放った1安打だけ。9月29日に今季限りでの現役引退が発表された。
◆阪神が最終戦を快勝で飾った。2年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした今季は、85勝54敗4分け、貯金31でレギュラーシーズンを終えた。この日3番で先発した佐藤輝明内野手(26)は40本塁打、100打点のダブル大台を達成した。初回1死三塁で、ヤクルト先発青柳から先制犠飛。幸先よく100打点に到達すると、4点リードの5回1死二塁で右翼スタンドへ弾丸ライナーを飛ばし、40号2ランとした。先発の村上頌樹投手(27)は好投。トップタイ14勝を挙げ、勝率7割7分8厘、144三振はどちらも単独トップ。3冠を確実にした。3回には前川右京外野手(22)が右中間へ今季1号3ランを放つなど、打線が大きく援護した。また、今季限りで引退する阪神原口文仁内野手(33)が出場。6-2の7回2死一塁、代打で登場すると、初球から清水の外角球にフルスイングして空振り。3球目まで積極的に振りにいき、最後は捉えた当たりも中飛となった。そのまま一塁の守備に就き、最後まで歓声はやまなかった。
◆ヤクルト高津臣吾監督(56)が阪神原口文仁内野手(33)の引退試合に粋な継投で花を添えた。7回2死一塁、今季限りでの引退を表明している原口が大山の代打でコールされた。すかさず高津監督はベンチから歩を進め、木沢から清水に投手交代を告げた。原口と清水は、ともに帝京高(東東京)の出身。"帝京魂"を持つ2人の対決を実現させた。原口の5学年後輩の右腕をマウンドに送り、引退試合を盛り上げた。結果は中飛。甲子園が「原口」コールに包まれる中、清水は何度も頭を下げて原口をねぎらった。直球3球で勝負した清水は「高校で(学年は)被っていないですけど、プロに入ってあいさつ行くたびに『頑張れよ』と言ってくださった。ここ一番の代打で出てきた時の圧はすごかった。けがであったり、体調不良もありましたけど、あそこまで復帰できるっていう姿を見せてもらった。帝京魂を継いでいけるように頑張っていきたいと思います」と話した。
◆今季限りで現役引退する阪神原口文仁内野手(33)がレギュラーシーズン最終戦に出場した。7回に代打で左飛。9回には4年ぶりに捕手の防具をつけて登場。マウンドには若手時代からバッテリーを組んできた同学年の岩貞祐太(34)が上がった。打者1人でバッテリーごと交代となった。試合後にはセレモニーが行われた。スポットライトの中であいさつ。「小中高とタテジマのユニホームを着ました。やはりタテジマとの縁は深く、阪神タイガースで16年。今シーズンをもって現役を引退します。鳴尾浜球場から始まったプロ野球生活。近くて遠い甲子園を目指す日々。練習に明け暮れました。たくさんケガもしました。悔しい思いもしました。それでも大きな目標があったので心が折れることはありませんでした」と話し、家族や関わった人々への感謝の思いを連ねた。ファンに「ただただ感謝しかありません」と伝えると盛大な拍手。まだユニホームを脱がずに戦い続ける意思も示した。「今シーズンはまだ道半ばです。CS、日本シリーズと続きます。戦力になれるよう僕も最後の最後までやり抜きます。タイガースファンは世界一です。幸せな野球人生を、最高の時間をありがとうございました」と締めた。家族と記念撮影、川藤幸三氏や、仲間からの花束贈呈のあと、胴上げも行われた。
◆ヤクルトが阪神に敗れた。先発の青柳晃洋投手(31)が2被弾と古巣に打ち込まれた。5回途中6安打6失点で加入後、初勝利はならなかった。3回は2死一、二塁から前川に3ラン、5回は1死二塁から佐藤輝に40号2ランを浴びた。かつての本拠地での登板だったが、走者を置いた場面での本塁打に沈んだ。高津臣吾監督(56)は「ストライクとボールがはっきりしていたので、本人も苦しかったかなと思います。今年はバタバタした1年だったと思うので。また来年しっかり調整して、彼本来のピッチングを目指してほしい」と来季の"復活"に期待を込めた。打線では村上宗隆内野手(25)が22号ソロを放った。4回2死、阪神村上の内角148キロ直球を右翼席の最前列に運んだ。村上は7回先頭でも左中間への二塁打を放った。その主砲がチャンスメークに、ホセ・オスナ内野手(32)が右翼への適時二塁打を放った。しかし、試合をひっくり返せなかった。今季、甲子園での最後の試合だった。試合後、今季限りで退任する高津監督は、阪神藤川監督から花束を受け取った。スタンドからは万雷の「高津」コールがわいた。高津監督は「甲子園で最後、勝って終わりたかったですけど。甲子園でこんな大歓声をもらえるなんてなかなかないことなので、すごく感謝しています」と感謝。その上で「前の矢野監督の時から非常にライバル関係というか、すごくしのぎを削ってきたので、非常に意識していた。関西はタイガースが盛り上がって、関東はジャイアンツとうちが盛り上がっていけば、プロ野球にとっては一番だと思います」と続けた。
◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が22号ソロを放った。4点を追う4回2死、阪神村上頌樹投手(27)の内角148キロ直球をかち上げ、右翼席最前列に運んだ。「しっかりと押し込むことができた。厳しい球でしたが、いいスイングをすることができた」と村上対決を制した。7回先頭では左中間への二塁打を放ち、その後に代走を送られた。今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦する主砲にとっては、日本での"ラスト甲子園"だった。交代時には虎党からも惜別と激励の拍手が注がれ、村上は「ありがたかった」と感謝した。
◆阪神森下翔太外野手(25)がプロ入り3年目で自身初のシーズン全試合出場を達成した。今季3度目のベンチスタートも、5回に代打で出場。空振り三振に倒れたが、目標としていた全試合出場を決めた。151安打、89打点、23本塁打など、キャリアハイの数字がズラリと並び、主軸として優勝に貢献。「とりあえず全試合出られた。ひとつ目標にしている部分は達成できたと思います」と振り返った。▽阪神中野(3年連続のシーズン全試合出場達成)「ケガなくレギュラーシーズンを終われたことは本当に良かった。毎試合、自分のやるべきことをやった結果の積み重ねだと思っているので」
◆阪神前川右京外野手(22)が最終戦で待望の今季1号を放った。3回2死一、二塁、ヤクルト先発青柳の141キロ直球をとらえ、右中間席へ今季1号3ランを放り込んだ。「1年間のシーズンが今日で終わって、トータルで見たらやっぱりふがいない成績。そういった中で本塁打を最後に打てたというのは良かったかなと思います」。昨年9月15日以来のアーチはCSへとつながる1発となった。
◆今季限りで現役引退する阪神原口文仁内野手(33)が最終戦に出場した。7回に代打。大歓声の中、3球とも力強く振って中飛。「しっかり振れました。小さいころの3回振って帰ってこい、の教えを思い出しましたね」。9回には4年ぶりのマスク。かつての名コンビ岩貞とバッテリーが復活した。打者1人で交代すると、大歓声に捕手ミットを高々と上げて応えた。練習後に「点差が開いたら」の条件を伝えられ、全く練習せずに臨んだという。試合後のセレモニー。「鳴尾浜から始まったプロ野球生活。近くて遠い甲子園を目指す日々。たくさんケガも悔しい思いもしましたが大きな目標があったので心が折れることはありませんでした」と胸を張った。6分超の大半を感謝の言葉で埋め尽くした。小さな3人の娘を力強く抱き上げると涙がこぼれた。BGMは「栄光の架橋」。代打の"師匠"川藤幸一氏やヤクルト青柳もサプライズで登場。胴上げされたあと、場内をゆっくり回ってファンに感謝の意を示した。最後の1年も苦しかった。4月8日まで無安打。「パパはまだヒット打ってないんだね」。そう娘が話していたと翌9日に夫人から聞いた。喜ばせたい一心で奮い立った。「これくらいでくじけていられませんよ」。その後に降格。2軍でも出られない時期があったが歯を食いしばった。19年にステージ3の大腸がんを宣告された。最悪のことも想定した。スマホにはその時の気持ちを書き留めたメモが残る。「娘たちが成人式を迎える姿を見たい。妻がおばあちゃんになる姿を見たい」-。生きるため、グラウンドに戻るため闘病生活に耐えた。感謝と喜びに包まれた復活劇に「第2の野球人生が始まる感じだった」と言った。まだユニホームは脱がず、CSファイナル、日本シリーズに備える。「僕も戦力になれるよう最後の最後までやり抜きます」とファンに約束。刀を研いで、最後の大仕事に向かう。【柏原誠】
◆阪神大山悠輔内野手(30)が最終戦で3打席連続四球を選び、出塁率でセ・リーグトップに躍り出た。「4番一塁」で出場。初回2死で迎えた第1打席は四球。3回2死一塁の第2打席でも四球を選び、前川の3ランをお膳立て。さらに5回1死の第3打席も四球を選び、出塁した。出塁率は3割6分2厘8毛に上昇し、トップを走っていた巨人泉口を7毛差で上回り、1位に浮上。タイトル争いは2試合を残す広島小園がライバルとなる。ただ、この日は原口の引退試合。自らのタイトル争いよりも、大山のハートを熱くした。「いろんな思いがありますし、入団してからたくさんお世話になった。今日、試合に出てもらってファーストについてもらうというのを何とかしたかった。最後、実現できて本当によかったと思います。今日は原口さんのための試合ですから」としみじみと語った。
◆阪神石井大智投手(28)が史上初となる防御率「0・1」台でシーズンを終えた。この日の最終戦で登板はなく、防御率0・17をキープ。25年は日本記録となる50試合連続無失点に、球団記録となる49イニング連続無失点と抜群の数字を残した。計53試合53イニングに登板し、1勝0敗、9セーブ、36ホールド。失点は4月4日巨人戦での1点のみだった。「もちろん防御率に関しては出来過ぎな部分があります。野手の皆さんに守っていただいて、そういうところで仕事ができた。周りのみなさんに感謝したいです」と感謝を口にした。
◆阪神村上頌樹投手(27)が投手3冠を確実にした。7回5安打2失点と好投。DeNA東克樹投手(29)と並ぶリーグ最多14勝目を最終戦で手にした。奪三振数も通算144個となり、中日高橋宏に6差をつけて単独首位に浮上。勝率も7割7分8厘に上昇させ、3冠に当確ランプをともした。「ヤギ(青柳)さんも自分(村上)のタイトルが頭にあったと思う。しっかり勝負した中で(3冠を)できたので良かった」。青柳とは22年オフから自主トレをともにしてきた。22年に最優秀防御率、最多勝、最高勝率の3冠を獲得している師匠以来の阪神投手3冠に喜びをかみしめた。リーグ優勝した23年は防御率1・75で初タイトルを手にした。しかし昨季は7勝11敗と負け越し、リーグ最多黒星を喫していた。「3つ取れたんでよかった。去年は一番負けていたのが、今年は一番勝てるようになった。そこは一番良かった」と胸をなで下ろした。今季は初の開幕投手を任され、最終戦も締めた。2年越しで先発投手のタイトルをコンプリート。「最初と最後の試合を任されて両方勝てた。いい1年になった」。3冠右腕は最後、CSファイナルへ気持ちを切り替えた。【伊東大介】
◆最終戦で阪神藤川球児監督(45)の好演出が光った。今季での現役引退を決めた原口文仁内野手(33)を7回に大山の代打で送ると、一塁守備へ。9回には原口のかつてのポジション、捕手として送り出した。マウンドには捕手時代にバッテリーを組んだ同学年の岩貞祐太投手(34)をセッティング。球場のボルテージを上げた。「彼が入団したときに捕手でスタートをしているということがありましたから。展開さえ向けば、ということはありましたけど、運を呼び込むためにいろいろなことを準備をしていると。何も考えずにはなかなかできないですね。彼が頑張ってきたことがここで、そういう瞬間が訪れたんじゃないですか」。現役時代もかぶる後輩へ、最高の舞台を作り上げた。打線では4番を主戦場として佐藤輝明内野手(26)を3番に起用。39本塁打99打点で最終戦を迎えた主砲に初回から打席をプレゼントした。佐藤輝は初回1死三塁で先制犠飛を放ち、100打点に到達。5回1死二塁では右翼スタンドへ特大の40号2ランを突き刺し、球団生え抜きでは掛布OB会長以来の40発100打点をクリアさせた。「前日に記者さんから打順を上げることも、ということがあり、その後部屋に戻って少し考えて、今日の午前中ぐらいには決めていた。これも運が向くといいますか、彼が運を引き寄せる準備をして、最終的にそこに到達するというところですから。ファンの方も喜ばしい1日になったんじゃないですかね」指揮官のタクトが、23年優勝時に並ぶシーズン85勝とともにスタンドに熱狂を呼び寄せた。
◆今季限りで引退する阪神原口文仁内野手(33)が、レギュラーシーズン最終戦に出場し、約4年ぶりにマスクをかぶった。7回2死一塁で代打で出場。力強いスイングで中飛を放った後、そのまま一塁の守備へ。サプライズは9回。原口が捕手の防具をつけてグラウンドへ向かい、同学年の岩貞祐太投手(34)とバッテリーを組んだ。プロ入り時は捕手で、22年から内野手登録に変わった。21年9月19日巨人戦(甲子園)以来となるマスク。先頭のヤクルト内山に対し、四球を出したところでバッテリーごと交代。仲間たちがベンチ前に出て、盛大に出迎えた。試合後の会見で、原口は裏側を明かした。「サダ(岩貞)もいろいろ急いで作ってくれたと思う。試合の流れの中で急きょ決まったので。準備がうまくできない中で投げてくれた。見ていた人はなんで四球? と思うかもしれないけど、そういうことなので、許してほしい。頑張ってくれたので。マウンド行った時に本当に申し訳なさそうな顔をしていたけど、全然悪くないと。キャッチャーボックスに座れたということが。自分でもまさかだったので。配慮していただいて感謝です」最後まで仲間や周囲を気遣う原口らしい優しさがあった。
◆今季限りで現役引退する阪神原口文仁内野手(33)がレギュラーシーズン最終戦に出場した。7回に代打で左飛。9回には4年ぶりに捕手の防具をつけて登場。マウンドには若手時代からバッテリーを組んできた同学年の岩貞祐太(34)が上がった。打者1人でバッテリーごと交代となった。阪神原口に私ごとのお願いをしたことがある。知人が「がん」と診断された。家族はどうサポートしたらいいかという内容。原口は19年に大腸がんの手術を受け、復活を果たしている。最初に「お仕事はされているんですか?」とたずねられた。している、と答えると落ち着いた声で話してくれた。「それなら、お仕事に専念できるようにしてあげるのが一番じゃないかと思います。僕の場合は奥さんが、野球だけに集中できるように振る舞ってくれたのが一番ありがたかった。もちろん気をつかうことも多いと思いますが、何げない普段の彼女の行動がすごく支えになった。本当に助けられましたから」。経験を無駄にしたくないと、よく話す。「たくさんの方に応援していただいている職業。大きな病気にかかったプロ野球選手はそういません。僕が活躍することで、患者さんとご家族に何か伝えられるのではないかと思います」。胸に刻んだ使命はユニホームを脱いでも変わらない。【遊軍=柏原誠】
◆これぞヒーロー! 阪神佐藤輝明内野手(26)がレギュラーシーズン最終戦の甲子園ヤクルト戦で「40-100」を達成した。39本塁打、99打点で迎えた一戦。初回に先制犠飛で100打点を達成すると、5回1死二塁から右翼ポール際に大飛球で40号2ランを運んだ。虎の生え抜き選手では85年掛布雅之氏以来40年ぶりとなる40本塁打&100打点をクリア。2年ぶりのリーグ優勝に個人記録で花を添え、今度は日本一へ突っ走る!打席前から割れんばかりの大声援に包まれた。360度から起こるホームランコール。すさまじい熱気を全身に浴びながら、佐藤輝は一振りで期待に応えた。 「最終戦というところで。プレッシャーというか、達成したい気持ちはあったので。うれしい。ただそれだけですね」5回1死二塁。ヤクルト青柳の初球142キロ直球を引っ張り込んだ。右翼ポール際へ突き刺さるような今季40号2ラン。4試合足踏みしていた大台だった。「絶対意識してしまうので。『その気持ちも楽しもう』という感じでした」。初回には先制の左犠飛も放ち、100打点も達成。球団生え抜きでは85年掛布雅之以来、40年ぶりのシーズン40発&100打点到達だ。「平常心を保とうと頑張っていました。本当、ホッとしています」終わってみれば今季は2割7分7厘、40本塁打、102打点。3部門すべてキャリアハイで、打点&本塁打の2冠もほぼ確実だ。打撃へ理解を深めた25年。進化の兆しは昨オフの自主トレからすでに見えていた。5学年下の日本ハム阪口ら、毎年同じメンバーで練習する同期間。これまでに比べ、積極的に後輩へ助言を送る姿があった。「一緒にやるということは、やっぱり教えるということ。そういうテーマも自分の中でありました」特に阪口は自身と同じ左の長距離打者タイプ。同じ体の動かし方を目指す後輩には、試行錯誤してきた経験を惜しみなく伝えた。「こうなっているよ」。「俺はこう直してきた」-。他人の修正ポイントが見えるのも、自身のつまずいた箇所を理解している証拠。ある時は投手との駆け引きなど、より実戦的な部分を教えることもあった。「教えるということは、自分で理解しないと無理なので。アウトプットすることで、自分も再確認できるところはある」かみ砕き洗練させた技術で、打撃開眼を証明した1年。迫力満点の成績を引っ提げ、次なる目標は日本一だ。「また新しく。しっかり切り替えられるかなと思います」。最高の形で締めた最終戦。ポストシーズンでも、変わらない快音を響かせる。【波部俊之介】阪神佐藤輝が1本塁打3打点で、シーズン40本塁打、100打点に到達。40本・100打点は22年ヤクルト村上以来で、阪神では10年ブラゼル以来15年ぶり6人目(7度目)。佐藤輝は26歳。阪神では掛布雅之が23歳の78年に102打点、24歳の79年に48本塁打しているが、同時に達成は球団史上最年少となった。また、初回の犠飛が決勝点となり、勝利打点(V打)は同僚の森下に並ぶ今季20度目。同一チームの2人がV打20本以上をマークしたのは、2リーグ制後初めて。
◆阪神が最終戦を快勝で飾った。2年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした今季は、85勝54敗4分け、貯金31でレギュラーシーズンを終えた。リーグ戦143試合を終えて、いよいよポストシーズンへ。藤川球児監督(45)は試合後、戦う上で大切な攻めて行く姿勢を口にした。「対戦相手は関係ないです。あとは待ち受けてはいけない。立ち向かわなければいけない。(白星)3つ取るために立ち向かっていくことが非常に大事になります」。この日は佐藤輝明内野手(26)は、40本塁打、100打点のダブル大台を達成。先発の村上頌樹投手(27)は7回5安打2失点の好投で14勝目。勝率、奪三振数ともに3冠を確実にするなど、快勝締めだった。「あと2週間弱ですか。しっかり使いますし、きょうの状態を見てもらったら、上がってきていますからね。全国のタイガースファンの力を結集してですね、この甲子園ですから。どんなバックアップをもらえるか」。本拠地でファンもともに総力戦で勝ち上がることを誓った。【
◆阪神が最終戦を快勝で飾った。2年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした今季は、85勝54敗4分け、貯金31でレギュラーシーズンを終えた。試合後、阪神藤川球児監督(45)は今季限りでの退任が発表されているヤクルト高津臣吾監督(56)へ花束を手渡し、功績をねぎらった。「長く続けていくというのは非常に難しい仕事だなと、1年終えてね。勝っても大変だし、負けても大変だし、というような職業ですから」。指揮官1年目、その大変さを痛感した。「最後どこの球場にいっても見送られるような形になってきたというのはやっぱり、世の中の皆さんが大変さを理解して、その中で各チームの監督さんも全力で、その任務を果たそうとしている。(高津監督に)また相談させて下さいという話はしましたけどね」。ライバル指揮官の去り際を見ながら、ファンの温かさも実感。あらためて、やりがいを感じているようでもあった。
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は40号本塁打を放った阪神・佐藤輝明内野手(26)に言及した。佐藤輝の40号本塁打は文句なし。完璧だった。しかも、明らかに本塁打を狙って、本当に本塁打にした点を高く評価したい。本塁打を狙うとオーバースイングになりがち。ヘッドアップして、打撃を崩してしまうパターンが多い。しかし佐藤輝は狙っていながらヘッドアップもしていなかった。これは「自分のところまでボールを引っ張ってきて、つかまえて、振っている」から。これができるから、打球は遠くへ飛んでいく。自分の形をつかんだ証拠だ。去年までの佐藤輝は「そのへんに来たボールを振っている」感じだった。すると、空振りも増えるし、コンスタントに数字も残せない。40発は自信になるはず。次は50発を目標にすればいい。チームはポストシーズンの大仕事が残っている。本番までの期間が長いことは、はっきり言って大変。打者は試合がないと必ず調子が落ちる。これを気にしても仕方がない。慌てず、落ち着いて、CSへ調子を上げていってもらいたい。
◆9月29日に現役引退を発表した阪神・原口文仁内野手(33)の引退セレモニーが行われた。シーズン最終戦では代打で出場し、九回には捕手の守備にも就き、虎党に挨拶した。「小学4年生から野球を始め、小、中、高と、タテジマのユニフォームをしました。そして、やはりタテジマとの縁は深く、阪神タイガーズで16年。今シーズンをもって現役を引退します」晴れやかな顔で、丁寧に言葉を紡いだ。家族が登場すると、3人の娘を抱き抱えて花束を受け取った。さらに同じく代打として活躍した球団OB・川藤幸三氏(76)から、そして選手を代表し、岩崎優投手(34)、岩貞祐太投手(34)、梅野隆太郎捕手(34)の同学年3人からも花束を受け取り、熱く抱擁。最後にはチームメートとハイタッチ。最後にはヤクルト・青柳晃洋投手(31)を呼び寄せ、隣に座らせて記念撮影を行った。「皆様の応援がなければ、このような幸せな野球人生はありません。病気を伝えたとき、待ってるぞ、と言葉をいただき、復帰した時はおかえりという声も、本当にうれしかったです。ただただ感謝しかありません。今シーズンはまだ道半ば。CS、日本シリーズと続きます。その戦力になれるよう、僕も最後の最後までやり抜きます」まだユニホームは脱いでいない。力強い宣言に、大歓声が原口を包んだ。
◆横浜スタジアムに続き、粋な演出があった。甲子園での今季最終戦後、左翼席のスワローズファンへのあいさつを終えると、ビジョンには「高津臣吾監督 ありがとうございました」と今季限りで退任する指揮官へのメッセージが表示された。阪神・藤川監督から花束を贈られた高津監督は「タイガースが強かった。甲子園で最後に勝って終わりたかったけど、甲子園でこんな大歓声をもらえるなんてなかなかないことなので、すごく感謝しています」と頭を下げた。
◆今季途中に加入したヤクルト・青柳晃洋投手(前フィリーズ傘下2A)は古巣の阪神に4回?を投げ6安打6失点。前川に3ラン、佐藤輝に2ランを浴びるなど、かつての本拠地で無念の黒星を喫した。日本球界復帰後は3試合に先発し、0勝2敗、防御率8・10。白星がないまま今季最後の登板を終え「何もありません」と肩を落とした。高津監督は「ストライクとボールがはっきりしていた。また来年しっかり調整して、彼本来の投球を目指してほしい」と話した。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。村上頌樹投手(27)がDeNA・東克樹投手(29)に並ぶ14勝目を挙げ、トップに浮上した最多奪三振(144)、最高勝率(14勝4敗=・778)と合わせて、投手3冠を確実にした。一回の左犠飛で2014年マウロ・ゴメス(109打点)以来の100打点に到達した佐藤輝明内野手(26)は五回の2ランで、17年クレイグ・ブラゼル(47本、117打点)以来、球団6人目の「40本塁打&100打点」を達成した。大山悠輔内野手(30)は3連続四球で出塁率でリーグトップ。五回に代打から右翼に入った森下翔太外野手(25)は3年目で初の全試合出場。前川右京外野手(22)の三回の3ランは207打席目にして今季初アーチ。現役引退を表明した原口文仁内野手(33)は七回2死一塁で代打での中飛後に一塁に入り、九回は捕手に就いた。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。村上頌樹投手(27)がDeNA・東克樹投手(29)に並ぶ14勝目を挙げ、トップに浮上した最多奪三振(144)、最高勝率(14勝4敗=・778)と合わせて、投手3冠を確実にした。一回の左犠飛で2014年マウロ・ゴメス(109打点)以来の100打点に到達した佐藤輝明内野手(26)は五回の2ランで、17年クレイグ・ブラゼル(47本、117打点)以来、球団6人目の「40本塁打&100打点」を達成した。大山悠輔内野手(30)は3連続四球で出塁率でリーグトップ。五回に代打から右翼に入った森下翔太外野手(25)は3年目で初の全試合出場。前川右京外野手(22)の三回の3ランは207打席目にして今季初アーチ。現役引退を表明した原口文仁内野手(33)は七回2死一塁で代打での中飛後に一塁に入り、九回は捕手に就いた。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。一回の左犠飛で2014年マウロ・ゴメス(109打点)以来の100打点に到達した佐藤輝明内野手(26)は五回の2ランで、17年クレイグ・ブラゼル(47本、117打点)以来、球団6人目の「40本塁打&100打点」を達成した。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。阪神・村上頌樹投手(27)がDeNA・東克樹投手(29)に並ぶ14勝目を挙げ、トップに浮上した最多奪三振(144)、最高勝率(14勝4敗=・778)と合わせて、投手3冠を確実にした。
◆阪神・原口文仁内野手(33)の引退セレモニーが行われるシーズン最終戦に先発するヤクルト・青柳晃洋投手(31)があいさつに訪れた。青柳は阪神のクラブハウスから球場入りすると、グラウンドで昨年までのチームメートと談笑。そして中野拓夢内野手(29)に居場所を尋ね聞くと、走って原口の元に向かった。2016年には1軍でバッテリーを組んだ。青柳が深く頭を下げると2人は硬く手を握り合い、熱く抱擁を交わした。
◆ヤクルト・橋本星哉捕手(25)が2日、1軍に合流した。今季はイースタン・リーグでチーム最多の91試合に出場し、打率・281、2本塁打、37打点の成績を残していた。大阪・興国高、中央学院大を経て、2023年に育成ドラフト1位で入団した3年目の左打者。昨年5月に支配下登録され、昨季は1軍で1試合に出場した。今季はここまで1軍戦13試合に出場し、打率・091。5月3日の阪神戦(甲子園)ではプロ初安打を記録していた。
◆阪神・岩貞祐太投手(34)が2日、海外フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。「長くやれていることはうれしいことですし、周りのみなさん、監督、コーチ、トレーナーのおかげだと思う。今後も感謝しながらプレーしたいと思います」岩貞は2014年にドラフト1位で入団し、16年には先発で10勝をマークした。22年からは中継ぎで2年連続50試合以上に登板。今季も中継ぎで28試合に登板し、3勝1敗、4ホールド、防御率2・12。強力ブルペン陣を支えている。岩貞は22年、取得した国内FA権を行使せず、23年シーズンから3年契約で残留。今年が契約最終年にあたる。
◆阪神が原口文仁内野手(33)、栄枝裕貴捕手(27)、湯浅京己投手(26)を出場選手に登録した。原口は9月30日に現役引退を発表。最終戦となる試合後には、引退セレモニーが予定されている。栄枝、湯浅はともに9月19日に抹消されて以来の1軍復帰となった。代わって9月21日のヤクルト戦(神宮)でプロ初登板を果たした茨木秀俊投手(21)が抹消となった。
◆阪神は40本塁打&100打点にともにリーチをかける佐藤輝明内野手(26)が「3番・三塁」で出場する。3番での出場は4月12日の中日戦(甲子園)以来。藤川球児監督(45)は1日に打順変更を示唆した通りの3番起用で、偉業達成を目指す。森下翔太外野手(25)はベンチスタートとなった。先発の村上頌樹投手(27)は2奪三振以上で勝利を挙げれば、最高勝率、最多勝、最多奪三振の3冠が決定的となる。試合後に引退試合が予定される原口文仁内野手(33)もベンチ入りした。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回1死三塁の好機で先制の左犠飛を放ち、シーズン100打点に到達した。球団では2014年のゴメス(109打点)以来、11年ぶり。試合前の時点で39本塁打、99打点と2つの大台にリーチをかけていた主砲が打点で節目の数字を達成した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回1死三塁の好機で先制の左犠飛を放ち、シーズン100打点に到達した。球団では2014年のゴメス(109打点)以来、11年ぶり。試合前の時点で39本塁打、99打点と2つの大台にリーチをかけていた主砲が打点で節目の数字を達成した。「打ったのはストレート。作ってもらったチャンスだったので、得点に繋がるバッティングができて良かったです」とコメントした。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(27)が三回一死、3つ目の三振を奪って、リーグトップに立った。一回は1死から安打を許すも、村上から空振り三振を奪う。二回先頭でもオスナから変化球で空振り三振を奪って今季138奪三振とし、中日・高橋宏に並んでリーグトップタイ。三回一死、青柳から3つ目の三振を奪って、自身初の最多奪三振のタイトルが決定的となった。このまま逃げ切って白星をつかめばDeNA・東と並ぶ14勝となり、最多勝、最高勝率の3冠となる。
◆阪神・前川右京外野手(22)が今季のレギュラーシーズン最終戦で待望の一発を放った。三回2死一、二塁の好機で迎えた第2打席。青柳の141キロ直球を振り抜いた。白球は右中間スタンド最前列に着弾。前川にとって今季207打席目にして放った待望の1号3ランとなった。この日の先発は奈良・智弁学園高の先輩にあたる村上。最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠がかかる先輩右腕を前川が大きな一撃で援護した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回1死三塁の好機で先制の左犠飛を放ち、シーズン100打点に到達した。?阪神・佐藤輝がシーズン100打点に到達。2023年のDeNA・牧秀悟(103打点)以来2年ぶりの大台到達選手となった。阪神では14年のゴメス(109打点)以来11年ぶり13人目(19度目)。?阪神生え抜き選手のシーズン100打点以上は、1948-50年の藤村富美男(108→142→146)、49年の別当薫(126)、78、85年の掛布雅之(102→108)、85年の岡田彰布(101)、05年の今岡誠(147)、10年の鳥谷敬(104)に次いで15年ぶり7人目(10度目)。入団5年目での達成したのは、49年の別当(2年目)に次ぐ、78年の掛布と並ぶ2番目のスピード。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(27)がヤクルト・村上宗隆内野手(25)にソロ本塁打を浴びた。4-0の四回2死からの第2打席。1ストライクからの148キロ直球を、右中間最深部に運ばれた。村上が本塁打を浴びたのは8月26日のDeNA戦(横浜)以来5登板ぶりとなった。続くオスナにも中堅左に強い打球を打たれたが、近本の好守備で中飛とし、最少失点で切り抜けた。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が球団史にまた名を刻んだ。五回1死二塁の第3打席。青柳の145キロ直球を振り抜いた。打った瞬間、バットを高々と上げて確信歩き。白球はあっという間に右翼席へと消えていった。第1打席で先制の犠飛を放ってシーズン100打点に到達した大砲は、これでシーズン40本塁打も達成。同一シーズンの40本塁打&100打点は球団では2010年のブラゼル(47本、109打点)以来で15年ぶり。生え抜きでは1949年の藤村富美男(46本、142打点)、85年の掛布雅之(40本、108打点)に次ぐ3人目で40年ぶりの快挙となった。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が「4番・三塁」で先発出場し、0-4の四回に今季22号となる右越えソロを放った。カウント0-1から、阪神先発の村上が投じた2球目の直球を引っ張り、球団を通じて「しっかりと押し込むことができました。入ってくれて良かったです」とコメントした。プロ8年目で通算本塁打数は246本に到達。村上は現在、25歳8カ月で、王貞治(巨人)の26歳2カ月を抜く史上最年少での250本塁打達成まで4本となった。
◆阪神の大山悠輔内野手(30)が出塁率リーグトップに立った。元チームメートの青柳から3打席連続で四球を選び、出塁率は試合前の・360から363に上昇。試合前まで1位だった泉口(巨人)の・3621、同2位の小園(広島)の・3615を一気に抜いた。泉口は全試合が終了。小園は2試合を残しているがトップに立つ打率を考慮されての起用も続いており、大山の2023年以来2年ぶり2度目の最高出塁率のタイトル獲得が大きく近づいた。
◆慣れ親しんだマウンドに、約1年ぶりに立った。今季途中に加入したヤクルト・青柳晃洋投手(31)=前フィリーズ傘下2A=が、阪神最終戦(甲子園)に登板。移籍後3度目の先発は、昨季まで所属した古巣の本拠地で実現した。「ずっと応援してもらっていた球場なので、楽しみではあります。ただ、ビジターで行くというのは結構怖いというか、360度阪神ファンで埋まる球場はなかなかないので、楽しみであり、怖さがあり、違った緊張感があると思う」阪神時代の昨年9月30日のDeNA戦以来となる甲子園球場での登板。帝京大から2016年にドラフト5位で阪神に入団して以来、9年間ホームグラウンドとしていただけに思い出は詰まっている。「タイガース側で見ていたときは、自分が喜ぶタイミングでみんなが喜んでいた。今度は自分が打たれたタイミングでみんなが喜ぶので、なるべく大歓声を聞かないようにしたい」と阪神ファンのすごさも知っていれば、敵になったときの怖さも感じていた。異様な雰囲気に飲まれぬよう、心してマウンドに上がったが序盤から失点を重ねた。一回、先頭・近本に右翼線二塁打とされると、1死三塁から佐藤輝の左犠飛で先制を許す。三回には2死一、二塁から前川に中越え3ランを被弾。五回も1死一塁で佐藤輝に右翼席への特大2ランを浴びた。4回?を投げ6安打6失点で、日本球界復帰後初勝利はならず。悔しさを力に変えるしかない。(赤尾裕希)
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が球団史にまた名を刻んだ。五回1死二塁の第3打席。青柳の145キロ直球を振り抜いた。打った瞬間、バットを高々と上げて確信歩き。白球はあっという間に右翼席へと消えていった。第1打席で先制の犠飛を放ってシーズン100打点に到達した。?阪神・佐藤輝が40本塁打、100打点に到達。同一シーズンに40本塁打&100打点を達成したのは、2022年のヤクルト・村上宗隆(56本、134打点)以来3年ぶり。阪神では10年のブラゼル(47本、117打点)以来15年ぶり6人目(7度目)。生え抜き選手では1949年の藤村富美男(46本、142打点)、85年の掛布雅之(40本、108打点)に次いで40年ぶり3人目。?阪神でシーズン40本塁打以上は10年のブラゼル以来15年ぶり8人目(11度目)。生え抜き選手では85年の掛布以来40年ぶり4人目(6度目)。?阪神ではシーズン100打点以上は14年のゴメス(109打点)以来11年ぶり13人目(19度目)。生え抜き選手では10年の鳥谷敬(104)以来15年ぶり7人目(10度目)。入団5年目での達成したのは、49年の別当薫(2年目)に次ぐ、78年の掛布と並ぶ2番目のスピード。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が球団史にまた名を刻んだ。五回1死二塁の第3打席。青柳の145キロ直球を振り抜いた。打った瞬間、バットを高々と上げて確信歩き。白球はあっという間に右翼席へと消えていった。第1打席で先制の犠飛を放ってシーズン100打点に到達した大砲は、これでシーズン40本塁打も達成。同一シーズンの40本塁打&100打点は球団では2010年のブラゼル(47本、109打点)以来で15年ぶり。生え抜きでは1949年の藤村富美男(46本、142打点)、85年の掛布雅之(40本、108打点)に次ぐ3人目で40年ぶりの快挙となった。「打ったのはストレート。チャンスで繋いでもらったので、思い切って打つことだけを考えていました。ただただ嬉しいです!」とコメントした。
◆今シーズン限りでの現役引退を発表している阪神・原口文仁内野手(33)が代打で出場した。七回2死一塁で、大山悠輔内野手(30)に代わって名前がコールされると球場からは大歓声が起こった。ネクストバッターサークル付近のスタンドに手を振る様子を見せ、ゆっくりと打席へ。ヤクルトは投手を原口と同じ帝京高出身の清水に代え、後輩との対戦となった。スタンドからは応援歌の大合唱。空振り、ファウルで追い込まれての3球目をとらえた痛烈なライナーは中堅手の正面を突き、中飛に倒れた。それでも「原口コール」にヘルメットを脱いで応えた。原口はミットを手に取り、そのまま一塁の守備へ。守りに就くことがアナウンスされると、再び大歓声が上がった。
◆ヤクルト・高津臣吾監督(56)が粋な演出で甲子園を沸かせた。2-6の七回2死だ。今季限りでの現役引退を表明している阪神・原口が、4番・大山の代打としてコールされると、投手交代を告げた。木沢に代わって4番手で送り出したのは清水。原口の東京・帝京高の後輩にあたる清水との対戦をつくりだし、〝引退セレモニー〟に花を添えた。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦を快勝で締めくくった。昨年までチームメートの青柳との対戦となったが、一回から佐藤輝明内野手(26)の今季100打点目となる犠飛で先制に成功する。三回にはスタメン起用の前川右京外野手(22)が今季初本塁打となる1号3ランをたたき込んだ。そして五回には佐藤輝が右翼ポール際に確信の40号2ラン。球団の生え抜き選手では藤村富美男、掛布雅之に次ぐ3人目の40本&100打点達成となった。先発の村上頌樹投手(27)は7回2失点の好投で白星をつかんで14勝4敗に。8つの三振を奪ってシーズン144奪三振とし、最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠を決定づけた。9月30日に現役引退を発表された原口文仁内野手(33)は七回に代打で出場。帝京高の後輩・清水から中飛に倒れたが、スタンドからは16年間をたたえる大歓声が送られた。そのまま八回は一塁の守備に就き、九回は入団から守ってきた捕手で出場。同学年の岩貞祐太投手(34)とバッテリーを組んで打者1人に対してマスクを被り、大拍手に送られての交代となった。藤川球児監督(45)のもとリーグ優勝を果たしたシーズンの最終戦を好ゲームで飾り、85勝54敗4分けでのシーズンを終えた。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。阪神・村上頌樹投手(27)がDeNA・東克樹投手(29)に並ぶ14勝目を挙げ、トップに浮上した最多奪三振(144)、最高勝率(14勝4敗=・778)と合わせて、投手3冠を確実にした。一回の左犠飛で2014年マウロ・ゴメス(109打点)以来の100打点に到達した佐藤輝明内野手(26)は五回の2ランで、17年クレイグ・ブラゼル(47本、117打点)以来、球団6人目の「40本塁打&100打点」を達成した。大山悠輔内野手(30)は3連続四球で出塁率でリーグトップ。五回に代打から右翼に入った森下翔太外野手(25)は3年目で初の全試合出場。前川右京外野手(22)の三回の3ランは207打席目にして今季初アーチ。現役引退を表明した原口文仁内野手(33)は七回2死一塁で代打で中飛に倒れ、その後は一塁に入り、九回は捕手に就いた(成績=85勝54敗4分、観衆=4万2594人)。
◆ヤクルトの青柳は、古巣・阪神の本拠地の甲子園で先発し、五回途中6失点で降板。今季2敗目を喫し、日本球界復帰後の初勝利はお預けとなった。村上は四回、22号ソロを放ち、通算250本塁打達成まで4本となった。試合後には、今季限りでの退任を発表している高津監督に、阪神・藤川監督から花束が手渡され、虎党からも温かい拍手が送られた。
◆阪神・原口文仁内野手(33)が中学時代に所属した硬式野球チーム「寄居リトルシニア」(現・深谷彩北リトルシニア)の常木正浩監督(56)も、引退セレモニーを球場で見届けた。今も鮮明に思い出すのは、荒川の河川敷にある同チームのグラウンドが2019年10月の台風19号により変わり果てた姿となった直後のことだ。「あのとき、東京でクライマックスシリーズが終わった直後だった原口が、突然来てくれたんですよ」水没し、用具も流されて役場のグラウンド担当の人には「もう駄目だね...」と言われた。チームは関東大会出場を控えていたが、絶望の淵に立たされた。そこへ、寄付を手に現れたのが原口だった。その場で子供たちを集めて〝即席トークショー〟をしてくれただけでなく、その後は阪神球団の力も借り、20ダースものボールを贈ってくれた。「うわぁ助かったぁ、という気持ちですよね。ヒーローに助けてもらうってこういう心境なんだな、と。僕らの世代ではまさにウルトラマンですよね。あの恩は忘れられないです」かつての教え子ではあるが、尊敬してやまない。「彼には野球の神様がついていると、よく聞きますが、僕もそう思います。神様が乗り移っている。神様の使いなんだと思いますよ。そして、皆さんに愛されて。そんな子にかかわれたことは私の誇りです」第二の原口を育てたいという一心で、よみがえったグラウンドに立ち続けている。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)がシーズン40本塁打、100打点をレギュラーシーズン最終戦で達成。2021年の入団当初からサトテルを誰よりも近くで見て、その素顔を誰よりも知っている〝神ドラフト〟の同期たちが覚醒の理由を語った。度肝を抜く飛距離とチームを勝利に導く勝負強さ。2025年、覚醒した虎の4番・佐藤輝。40本塁打&100打点の大台に達したドラ1を、同期入団でドラ2の伊藤将は頼もしく見つめていた。「追い込んでから粘って打てる球をしっかり打つ。その対応が今年は変わったなと思いますね。振ってほしい球を我慢されるのは投手としてすごく嫌ですね」例え打ち取られたとしても、簡単には終わらない。チームの中心打者として執念が垣間見える。そんな姿は、仲間として「4番としてああやって打ってくれるのは投手陣として助かります。もっといっぱい打ってほしいです」と心強い限りだ。エースとしてチームを引っ張った同5位の村上も投手目線で佐藤輝を語ってくれた。「甘く入った変化球をしっかり仕留めていますよね。確実性が増した。大振りすることなく、当てただけでも飛んでいくのが(佐藤)輝の持ち味なので」。コンタクト率の増した規格外の長距離砲は、打線にいるだけで投手にとって脅威となる。「相手にいたら嫌ですよ。投げ手としたらその前の打者が大事になってくるし、いかに走者なしで対戦できるかに神経を使う。そうなるとしんどいですよね」
◆4番に座った阪神・大山が3四球を選び、出塁率・363でセ・リーグトップに浮上。同3位の広島・小園(・361)が2試合を残している中で、最高出塁率のタイトル戴冠の可能性を残した。「まだ先があるのでそれが終わってから一年間を振り返りたい」。今季は打率・264、75打点、13本塁打で2年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
◆阪神・中野は五回に佐藤輝の40号を呼ぶ左翼線への二塁打を放ち、今季150安打でレギュラーシーズンを締めくくった。「昨年のこと(2位)があったので、何とかやり返すという意味でもいいシーズンを送れたかな」。自身はこれで3年連続の全試合出場。「毎試合毎試合、自分がやるべきことをやっている結果の積み重ね。けがなくやり切れたことはよかった」と冷静に振り返った。
◆ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が2日、阪神最終戦(甲子園)に「4番・三塁」で先発し、四回2死で右翼席への22号ソロを放った。25歳8カ月の主砲は通算246本塁打目で、王貞治(巨人)の26歳2カ月を抜く史上最年少での通算250本塁打到達まで4本とした。今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。熊本・九州学院高時代からプレーしてきた甲子園球場で最後の雄姿を見せた。試合は2―6で敗れた。大きな弧を描いた打球が、右翼席に吸い込まれた。4点を追う四回2死で、村上が22号ソロ。勝利にはつながらなかったが、敵地・甲子園に集まった4万2594人の観衆がくぎ付けになる一発だった。「厳しい球でしたけど、いいスイングをすることができました」決して簡単な球ではなかった。カウント0―1からの2球目、阪神・村上が投じた内角寄りの直球を強振。25歳8カ月の主砲にとって通算246本塁打目で、王貞治(巨人)の26歳2カ月を抜く史上最年少での通算250本塁打到達まで4本とした。七回先頭では左中間二塁打を放ち、代走・西村と交代。三塁側ベンチに戻る際、左翼席一部に陣取ったスワローズファンからはもちろん、球場全体から拍手が送られ「球場(にいる観客)から拍手をいただいたので、ありがたかったです」と感謝した。今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することが確実。村上にとって全ての球場でのプレーが〝ラスト〟になるが、甲子園は特別な思いがある球場の一つだろう。熊本・九州学院高1年夏に甲子園大会に4番打者として出場。これまでも「夏といえば甲子園」と口にしてきた。高2、3年時には、熊本県大会決勝で秀岳館高に敗戦。「手の届かなかった場所」とも表現してきた球場だ。プロ入り後は、何度も甲子園を沸かせてきた。2022年7月31日の阪神戦では、3打席連続本塁打をマーク。続く8月2日の中日戦(神宮)でプロ野球新記録となる5打席連続本塁打を達成した〝始まり〟の場所だった。「高校のときは甲子園を目指して頑張っていましたし、プロになってからは、また違う形でしたけど、すごく歴史のある球場でプレーができてよかったと思います」レギュラーシーズンは、3、4日の広島戦(マツダ)を残すのみ。「勝てるように、とにかくチーム一丸となって、残り2試合頑張りたい」と村上。すでに5年ぶりのリーグ最下位が確定しているが、4番打者として、中心選手として最後の最後までファンに勝利を届ける使命がある。(赤尾裕希)
◆阪神・原口文仁内野手(33)の引退セレモニーに際して、母のまち子さんが手記を寄せた。引退会見で息子が流した大粒の涙は、母にとっても予想外のものだった。四苦八苦しながら練習パートナーを務めた日もあった。何度も「こんなに野球が好きな子に産んでくれてありがとう」と言ってくる息子に、最後にかける言葉は-。会見の映像を見たら私も涙ぐんでしまってね。泣かないですもんね、あの子はね。お父さん(2023年9月に亡くなった秀一さん)のお見舞いにいったときに、少し涙を見せていたことはありましたけど。自分のことで泣いたことはないもんね。あんなに泣いていてびっくりしたよね。電車の中でいろんな記事をみていても、フミのことが書いてあると涙が出ちゃって。でも、一番いい辞め方になったのかな。町のみんながびっくりしちゃってね。知り合いから電話もたくさんかかってきたり「本当に辞めるんかい!」と、うちまで来ちゃった人もいてね。「そうなんです~」と答えたり。「まだやれるんじゃねえか」と言ってくれる方もいました。野球を始めたときのことを思い出しますよね。土曜日に学校が休みになって、友達がみんなが少年野球に行ってしまうので「俺、一人なんだよ。遊び相手がいない」っていうんです。最後は、お父さんが仕事(造園業)で使うユンボを庭で動かして穴を掘ったり、今じゃ怒られそうですけどそんな遊びをしていたんですよ。「じゃあ野球をしようか」って、小学4年から始めたんです。フミとのことで一番思い出す、ツラかったことはやっぱり練習ですね。高校のときにお父さんと夜遅くまで練習していたことや、私がお弁当の準備や洗濯で大変だったということも、よくいろんなところでも取り上げてもらうんだけど。野球を始めたころには、私も練習相手をしていたんですよ。それが永遠に続く練習なの。打ったり、ペッパーしたり。「このラインに投げてね。そうすれば俺が打つから」と言ってくるんだけど、それが大変で。「このラインに投げるんだよ。なんでわからないんだよ。ホントにヘタだね」とフミが言うから。「そんなに言わないで」って。近所のおばさんが庭で草むしりしているから「フミくんが威張ってる!」とびっくりしちゃうよ、と言って。永遠に続くんですよ。「もういい」というのがないので。学校が終わった後とか、休みの昼間とか。あれが私にとっては一番大変でしたね。それで小学6年生の終わり頃かな。「こんなに野球が好きな子に産んでくれてありがとう」って言ってきたんですよ。でも私は「それはまだ早い」って言ったんです。「これからシニアに行くんだよ」と-。それで帝京高に行って、2年生になってキャッチャーをやらせてもらえるようになったときぐらいですかね。朝早く駅まで車で送っていくときに「こんなに野球が好きな子に産んでくれてありがとう」って、フミがまた言ってきたんですよね。私は「これからまだ甲子園があるんじゃないの? その言葉はまだ早すぎる」って言ってやったんです(笑)。今回また、言うかな。「こんなに野球が好きな子に-」って。今回ぐらいは「そうだね」って、言ってあげないといけないですかね。犬を飼いたがっていたまち子さんに、原口が最近「俺が見てきてあげる!」と、犬をプレゼントしてくれたという。「ココ」と名付けられたトイプードルは「なんかデカくなってしまってね。びっくりしちゃいました」。父・秀一さんがいなくなって寂しいといけないから...という息子の思いもこもっていた。まだ散歩には出られないが、まち子さんは「フミのようにじゃないけれど、気ままに育てます」とうれしそうに話した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が、レギュラーシーズン最終戦でシーズン40本塁打&100打点をダブル達成。球団の生え抜き選手では1949年の藤村富美男、85年の掛布雅之に次いで40年ぶり3人目となった。とどろく大歓声と甲子園の秋風に乗り、白球が飛んでいく。打った瞬間、佐藤輝は両手を天高く掲げた。打球の行方は見るまでもない。最後の最後に決める。まさに千両役者。輝く大砲が、長きにわたって閉ざされてきた重い扉をこじ開けた。「平常心を保とうと頑張っていましたけど、本当にほっとしています。最終戦というところでプレッシャーというか、(40本塁打&100打点を)達成したいなという気持ちはあったのでうれしいです」待望の瞬間は五回1死二塁の第3打席に訪れた。青柳の初球142キロ直球を一閃。両手に残る完璧な手応えにスタンドインを確信して歩き出す。今季レギュラーシーズン最終戦で飛び出した40号の大台に、4万2594人の観衆が酔いしれた。一回1死三塁の第1打席は先制の左犠飛を放ってシーズン100打点に到達。同一シーズンでの40本塁打&100打点は、球団では2010年のブラゼル以来15年ぶり。生え抜きでは1949年の藤村富美男、85年の掛布雅之に次ぐ3人目で、実に40年ぶりの快挙だ。「一番は本塁打王をとれるようにやっていきます」2020年12月に行われた新人選手の入団会見。このときから、キングの座を目指して突っ走ってきた。「ホームランを打つために野球をやっているようなもんですよ。これは小さい頃から変わりません」。そこには飽くなき放物線への思い、そして探求心がある。
◆今季限りでの現役引退を表明している阪神・原口文仁内野手(33)が途中出場し、試合後に引退セレモニーが行われた。すべてが「ここに立つため」だった。プロ16年目のレギュラーシーズン最後のゲームを終え、セレモニーのマイクの前に進む。「原口のすべて」が詰まったスピーチで、甲子園を震わせた。「タイガースファンの皆さん。ともにプロ野球人生を歩んでいただき、本当にありがとうございました。皆さまの応援がなければ、このような幸せなプロ野球人生はありません」6-2の七回2死一塁、代打で最後の打席を迎えた。帝京高の5学年後輩、清水が向かってくる。3球目の高め146キロを振り抜き、結果は中飛。その後は一塁の守備に就き、九回は防具とマスクに身を包んで登場した。大歓声の中、4年ぶりの捕手を務め、打者1人だけ同学年の岩貞とバッテリーを組んだ。同学年の梅野との交代を告げられ、ガッチリと握手した。みんなが、最高の形で送り出してくれた-。「鳴尾浜球場からはじまったプロ野球生活。近くて遠い甲子園球場を目指し、日々練習に、試合に明け暮れました」スピーチでも「鍛え抜いた日々」を述懐した。まだ育成選手だった頃のあるオフ。甲子園駅から虎風荘へ帰る前に、ふと球場周りを散歩したくなった。「絶対に僕が優勝させるから。僕が1軍へ行くまで待っていてほしいんですよね...」。目の前にそびえたつ真っ暗な甲子園に、そう誓った日があった。7年目の2016年に初めて、1軍選手としてここに立つことがかなった。「金本さん(当時監督)、掛布さん(当時2軍監督)に1軍の舞台に押し上げていただき、野球人の聖地・甲子園でプレーできる喜び、あの日の興奮した気持ちは今でも忘れません」。この日も丁寧に振り返った。
◆阪神がレギュラーシーズン最終戦で快勝。阪神・村上頌樹投手(27)がDeNA・東克樹投手(29)に並ぶ14勝目を挙げ、トップに浮上した最多奪三振(144)、最高勝率(14勝4敗=・778)と合わせて、投手3冠を確実にした。最終戦で夢をかなえた。中5日で先発した村上が7回5安打2失点、8奪三振の力投。球団では2022年の青柳晃洋(現ヤクルト)以来となる「投手3冠」をほぼ手中に収めた。「3つ取れたのでよかった。去年、一番負けていたが、今年は一番勝てた、セ・リーグで。そこは一番よかった」23年はMVPと新人王に輝いたが、昨季はリーグワーストの11敗(7勝)。「好投しても勝たないと意味がない」と雪辱に燃えた中、最高勝率に加え、東(DeNA)と並ぶ14勝で最多勝のタイトルも確定させたことに胸を張った。一回2死一塁から村上をチェンジアップで空振り三振。すでに全日程を終えている奪三振トップの高橋宏(中日)の「138」にリーチをかけると、続く二回、先頭のオスナを外角チェンジアップでバットの空を切らせて、最多奪三振のタイトルも事実上確定。さらに6個積み重ねて144奪三振とした。昨年まで虎に在籍し、師匠と慕う青柳との初めての投げ合いに圧勝。「(前川)右京や、テル(佐藤輝)が40本と100打点を達成して、すげえなあと」。三回に3ランで援護してくれた智弁学園高の後輩と、五回に2ランで強力アシストしてくれた同学年の本塁打王に感謝した。「いい一年になったし、いい締めくくりもできた」。次は2年ぶりの日本一へ、気持ちを切り替える。(三木建次)
◆「5番・右翼」で出場した阪神・前川が右中間席に待望の今季1号3ラン。「ずっとホームランを打ていなかったので、最後の最後に打ててよかった」。207打席目の一発に胸をなでおろした。1-0の三回、青柳の直球を振り抜いた。レギュラー定着が期待された高卒4年目の今季は69試合出場で、打率・246に終わり、「トータルで見たらふがいない成績だった」と振り返った。
◆143試合目も見事な勝利。一つの区切りを迎えた阪神・藤川監督は試合後、マイクの前に立ってあいさつをした。「参ったね。最後に選手たち、すべてかなえましたよ、自分たちの目標」佐藤輝が40号&100打点をダブル達成し、村上は投手3冠を確実とした。個々が準備を徹底し続けて結果を積み重ね、2023年に並ぶ球団歴代3位のシーズン85勝(54敗4分け)。チームの背中を押すファンの声援にも感謝は尽きなかった。ここからは15日からのCSファイナルへ集中する。「待ち受けてはいけない。3つ取るために立ち向かっていくことが非常に大事になりますから。全国のタイガースファンの力を結集して、3つ取るためにどんなバックアップをもらえるか。それを楽しみに頑張っていきます」。グラウンドとスタンド、一丸となって突き進む。(須藤佳裕)
◆最終戦で登板がなかった阪神・石井は防御率0・17で、自責点がある投手ではNPB史上初となる0・1点台という快挙を成し遂げた。「出来過ぎな部分がある。野手のみなさんに守っていただいて、そういうところで仕事ができた。周りのみなさんに感謝したい」。今季は50試合&49イニング連続無失点を更新し続け、大きく飛躍。ただ「求めるところはまだ先がある。全く満足していない」と腕を磨き続ける。
◆阪神・森下が3年目で初めて全試合出場を果たした。「目標のひとつにしている部分は達成できた」。この日はベンチスタート。五回に代打で空振り三振。その後、右翼の守備につき、八回の打席は遊ゴロに倒れて最終戦は無安打に終わった。だが、今季は打率・275、23本塁打、89打点は、いずれも自己ベスト。「自分の中では、もっとできたのかなと思うけど。いろんな数字でキャリアハイができたので。よかったです」と納得の表情だった。
◆阪神・原口文仁内野手(33)の入団時に担当スカウトだった中尾孝義氏(69)がサンケイスポーツに手記を寄せた。「不屈の精神」で頑張ったな。スカウトになって、初めて担当したのが原口。わたしと同じ捕手で思い入れもあってね。(2019年1月に)大腸がんを患ったことを公表したときは驚いた。阪神を退団(16年)していたけど、すぐに電話をして「今、がんは治る病気なんだから落ち込まずにしっかり治せ」と激励したな。彼のほうが冷静だったけど(笑)。それから5カ月...。また驚かされた。1軍に復帰した試合(19年6月4日のロッテ戦)でヒットを放つシーンを、テレビで見て、涙が止まらなかったよ。その後、代打で結果を残して23年には日本一に。あれ(大腸がん)があったから余計に頑張れたと思うな。たくさんの選手をみてきたが、原口ほど練習をする子はいなかった。見えないところでバットを振っている、とコーチからも聞いた。3、4年前だったか、テレビで見ていて「調子が悪いのはスイング時にグリップが上がっているから。もっと低い位置で」と電話でアドバイスしたことがあったな。もう阪神を退団して何年もなるのにね。いい思い出だよ。ひと言でいえば、クソまじめ。根性論じゃないけど〝昭和の匂い〟がする子かな。原点は帝京高校時代だろうな。埼玉の自宅(埼玉・寄居町)から学校まで片道2時間かけて通学。それだけでも大変なのに、練習後、家に帰ってからは、お父さんが自宅の庭に作った鳥かご(打撃ケージ)でティー打撃。ご両親、妹さんも手伝っていたという話を聞いてね。家族のためにも頑張らないと...という気持ちがあったから、いろんな困難を乗り越えられたと思う。毎年、球団との契約更改が終わった日、春季キャンプ初日の前の日に必ず電話をくれる律義な子。わたしが阪神を退団してからも続いている〝儀式〟みたいなものかな。それがなくなるのは寂しいね。でも、彼には摂生と努力、負けん気で、けがやがんに打ち勝った「不屈の精神」を後輩に伝えていくという任務がある。それは原口にしかできないこと。これからも東京から応援しているよ。■中尾 孝義(なかお・たかよし) 1956(昭和31)年2月16日生まれ、69歳。兵庫県出身。滝川高から専大、プリンスホテルを経て、81年D1位で中日入団。82年に正捕手として優勝に貢献してMVPを受賞。88年オフに西本聖らとのトレードで巨人に移籍し、92年に西武に移籍し93年に引退。通算980試合出場で打率・263、109本塁打、335打点。ベストナイン、ゴールデングラブ賞各2度(ともに82、89年)。引退後は西武、阪神などでコーチを歴任し、2009年から阪神の東日本担当スカウトに就任。16年に退任後は専大北上高(岩手)監督に就任し、退任後は少年野球や大学などアマチュア界で臨時コーチを務めている。
◆甲子園のペナントレース最終戦には、いろんな〝顔〟がある。過去の名&迷場面が、次々と脳裏によみがえってくる。そんなシーンに間違いなく仲間入りする、原口の引退セレモニーだった。カンペなしのあいさつは見事。ファンの歓声で甲子園が一つになり、最後はマウンド上で家族写真をパチリ。これって、史上初めてでは? こんなハッピーな引退セレモニー、見たことがない。タテジマの歴史に残ると思う。「いろんなシーンは見てきましたが、引退セレモニーは初めてです」記者席のトラ番・中屋友那は感激しながら、パソコンで原稿を書き続けていた。本当は雰囲気に浸りたいところだが、そこは新聞記者の難しいところだ。デスク長友孝輔は原口の場内一周では、記者席の最前列まで行って、手を振っていた。これも、いい光景だった。みんなの心に、いつまでも残るセレモニー。サンスポを読んで、再び涙してください。もちろん、原口だけでなく-。トラ番キャップ・須藤佳裕は感慨深げにヤクルトの背番号55を見つめていた。「日本で村上宗隆がプレーする姿を見るのは、きょう、これが最後になるかもしれません」2017年のドラフト会議当日。須藤は福岡で待機。九州学院高のスラッガーがヤクルトに1位指名されると、すぐに学校へ行け!指令。だが、すでに会見は終了していた。
◆シーズン最終戦、猛虎の勝利は『100打点満点!!』。おっと100打点と40号はサトテルちゃんでしたー!! 最後の最後に歓喜の贈り物、サイコーでーす!!さて、本日は全国の虎党みんなであの大レスラー、ハルク・ホーガンになっちゃいましょう!! 俺の言葉に続いてあの掛け声をご一緒に!! 先発村上、本日の勝利でDeNA・東に並んで勝ち星せ~の「イチバーン!」。勝率ももちろん「イチバーン!」。そして奪三振も中日・高橋宏を逆転して「イチバーン!」。おまけに投球回数も完封も「イチバーン!」。だけど、本日は縦ジマ16年でユニホームを脱ぐ魂の虎戦士、原口を代打起用しただけでなく、九回に一塁から元々の捕手に交代させた藤川采配が涙、涙の「イチバーン!」や!!さ、いよいよポストシーズン。10日以上間隔が開くのがやたら不安なのだ。まずは完全に疲れをとるためにボールもバットも3日間触れるのは禁止!! 心身ともにリフレッシュしてポストシーズンを勝ち続け、2025年の「イチバーン!」になるでェ!!
<セ・リーグ順位表推移>
| 順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 優勝 (-) |
阪神 |
85 | 54 | 4 | 0.612 (↑0.003) | - (-) |
0 | 496 (+6) | 352 (+2) | 93 (+2) | 100 (-) |
0.245 (-) | 2.210 (↑0.01) |
| 2 (-) |
DeNA |
71 | 66 | 6 | 0.518 (-) | 13 (↓0.5) |
0 | 510 (-) | 456 (-) | 110 (-) | 66 (-) |
0.247 (-) | 2.940 (-) |
| 3 (-) |
巨人 |
70 | 69 | 4 | 0.504 (-) | 15 (↓0.5) |
0 | 463 (-) | 461 (-) | 96 (-) | 53 (-) |
0.250 (-) | 2.950 (-) |
| 4 (-) |
中日 |
63 | 78 | 2 | 0.447 (-) | 23 (↓0.5) |
0 | 403 (-) | 463 (-) | 83 (-) | 80 (-) |
0.232 (-) | 2.970 (-) |
| 5 (-) |
広島 |
59 | 77 | 5 | 0.434 (-) | 24.5 (↓0.5) |
2 | 439 (-) | 488 (-) | 71 (-) | 57 (-) |
0.246 (-) | 3.180 (-) |
| 6 (-) |
ヤクルト |
55 | 79 | 7 | 0.410 (↓0.004) | 27.5 (↓1) |
2 | 434 (+2) | 562 (+6) | 88 (+1) | 61 (-) |
0.234 (↓0.001) | 3.620 (↓0.02) |



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