1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 10 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 13 | 0 | 0 |
勝利投手:齋藤 綱記(4勝0敗0S) (セーブ:松山 晋也(0勝1敗46S)) 敗戦投手:岩崎 優(1勝3敗31S) |

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◆中日は1点ビハインドの9回表、ボスラーの適時三塁打で同点とする。続く好機では代打・福永の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・齋藤が今季4勝目。敗れた阪神は、守護神・岩崎が誤算だった。なお、この試合で阪神・及川がNPB新記録となる18試合連続ホールドを達成した。
◆阪神勢のタイトルラッシュが期待されている。残りは2試合だ。野手は6部門のうち、首位打者以外の5部門を占める可能性がある。佐藤輝明内野手(26)の本塁打と打点は確実。近本光司外野手(30)の盗塁も堅い。大接戦になっているのは最多安打と最高出塁率。最多安打は、近本がトップの広島小園海斗内野手(25)と中日岡林勇希外野手(23)に1差の三つどもえ。近本は27日に3安打して食らいついた。最高出塁率は大山悠輔内野手(30)が27日に4出塁し、小園を抜いて5毛差でトップに立った。出塁率は「安打+四死球」を「打数+四死球+犠飛」で割って計算する。大山の2年ぶり奪回も可能性十分だ。残り試合は阪神が2、広島と中日が3。
◆阪神藤川球児監督(45)が初回最初のプレーからリクエストを行った。中日の先頭、岡林勇希外野手(23)の打球は一、二塁間へ。大山悠輔内野手(30)からベースカバーの伊原陵人投手(25)にトスされたが判定はセーフ。藤川監督がリクエストした。リプレー映像で見てもかなり微妙。審判団は通常よりもかなり時間をかけて協議した結果、判定は変わらなかった。岡林は最多安打のタイトルを争っている。この1本でリーグ暫定トップの160安打。一方、阪神近本光司外野手(30)も初回に安打を放って159本とした。同じく159本の広島小園海斗内野手(25)は午後6時から試合がある。
◆勝てば阪神に今季勝ち越しとなる中日は、1回にジェイソン・ボスラー外野手(32)の中前適時打で先制した。1回、最多安打のタイトルを争う1番岡林勇希外野手(23)が今季160安打目となる一塁内野安打。その後1死満塁となり、ボスラーが阪神先発伊原の初球低めカットボールを中前へ運んだ。中日は阪神を相手に今季12勝12敗で、この試合が今季最終戦。勝ち越せばセ5球団で唯一の勝ち越しとなる。
◆阪神森下翔太外野手(26)が好走塁で同点のホームに飛び込んだ。0-1の5回2死から右前打で出塁。続く佐藤輝明内野手(26)はバットを根元から折りながら、三遊間にハーフライナーを飛ばした。勢いを失いながら左翼前に転がっていくのを見て、一塁から全力疾走で三塁をおとしいれた。さらに中継が乱れているのを確認し、思い切って再スタート。間一髪でホームインした。同学年の伊原陵人投手(25)が新人王へ望みをつなぐ力投を続けていた。森下の気持ちがこもったプレーだった。森下は26日に審判の判定に不服を示し、藤川球児監督(45)は「少し昨日から心の揺れ動きが出ている。そのあたりは彼はまだ成長段階」と話していた。
◆中日が守備の乱れで痛恨の失点だ。1点リードの5回2死一塁、阪神佐藤輝がバットを折りながら左前打。一塁走者森下は判断よく三塁を陥れた。ここで打球に飛び込んでいた遊撃手・山本泰寛内野手(31)が起き上がる前に、前進して打球を処理した左翼手・細川成也外野手(27)が内野に返球。三塁手・森駿太内野手(18)も気付くのが遅れ、内野を白球が転がっている間に三塁から森下が本塁生還。二塁手・田中幹也内野手(24)が慌てて拾ったが間に合わなかった。同点を許した金丸夢斗投手(22)は今季15試合目も失点。細川の失策で自責点にはならないが、今季自身最終登板で初の無失点投球を目指す中、守備陣に足を引っ張られた。
◆阪神及川雅貴投手(24)が18試合連続ホールドの日本新記録を打ち立てた。前回登板の23日DeNA戦で、05年阪神藤川球児と15年ソフトバンク・バリオスに並ぶ1位の17試合連続試合ホールドを達成した左腕。8月13日広島戦から継続している連続試合ホールドで虎の指揮官の記録を超えた。24、25日は試合がなく前回登板から中4日。この日は1点勝ち越した直後の7回にマウンドへ。先頭の山本、森駿、石伊と3者連続三振に仕留めた。今季52まで積み上げた、救援勝利も含むホールドポイント(HP)も7月30日広島戦から22試合連続。球団記録をさらに伸ばし、NPB単独2位に浮上した。今季はプロ初の開幕1軍で初登板から17試合連続自責点ゼロの好発進。チームへの貢献を続け、両リーグトップ66試合登板の左腕が球界史に名を刻んでいる。
◆阪神打線は新人王を狙う伊原陵人投手(25)に土壇場で勝ち投手の権利をプレゼントした。0-1の5回に森下翔太外野手(25)佐藤輝明内野手(26)の連打と敵失で追いついた。そして6回、2死三塁で伊原の代打に出たラモン・ヘルナンデス内野手(29)がしぶとく右前打を放ち、勝ち越しに成功した。前半戦は新人王の最有力候補だったルーキー伊原だが、6月8日を最後に白星から遠ざかっていた。今回は1カ月ぶりの先発だった。
◆新人王を狙う阪神ドラフト1位左腕・伊原陵人投手(25)が先発で猛アピールした。6回4安打1失点。勝ち投手の権利を得た状態で降板した。初回1死満塁から、中日ジェイソン・ボスラー外野手(32)に先制の中前適時打を許したが、後続を打ち取り1失点で切り抜けた。初回こそ3安打を集められたが、2回から6回までは、わずか1安打に抑えた。1-1の6回に代打を送られて交代も、代打に出たラモン・ヘルナンデス内野手(29)が右前タイムリー。伊原は6月8日オリックス戦以来112日ぶりとなる勝ち星の権利を得た。プロ1年目の今季は開幕1軍入りを果たし、リリーフでスタート。4月後半から先発に転向した。7月に1度リリーフで登板したものの、基本的には先発を務め、9月から再びリリーフに配置された。役割を変えながらも柔軟に適応。チームの優勝に貢献してきた。試合前時点で、28試合に登板し、5勝7敗1ホールド、防御率2・33。この日が17試合目の先発だった。先発起用には訳があった。藤川球児監督(45)が新人王獲得を猛プッシュ。アピールの場を設定したからだ。8月28日DeNA戦以来となる先発のマウンドで、指揮官の期待にこたえる好投を見せた。
◆阪神石井大智投手(28)が絶体絶命のピンチを切り抜け、49イニング連続無失点とした。8回に3番手で登板。先頭上林誠知外野手(30)を中飛に仕留めたが、窮地はここからだった。岡林勇希外野手(23)に中前打を許し、盗塁をされた後、鵜飼航丞外野手(26)にも右前打を浴び、甲子園のスタンドからは悲鳴が上がった。だが、岡林は三塁にストップし、失点を免れた。なおも一、三塁の場面では、田中幹也内野手(24)がセーフティースクイズを狙うも空振り。三塁走者の岡林が飛び出して戻りきれずにタッチアウトになった。田中も右飛に打ち取り、記録が途絶えそうな大ピンチを脱出した。石井はすでに26日中日戦で藤川監督の持っていた連続イニング無失点の球団記録を更新していた。また日本記録を更新中の連続試合無失点も50試合に伸ばした。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)に"歴史的"なビッグプレーが飛び出した。2-1の8回1死一、三塁。連続無失点の日本記録を伸ばし続けている石井大智投手(28)が大ピンチを招いた。打者の田中幹也内野手(24)は初球、セーフティースクイズの構えでボール。2球目のスライダーを再びセーフティースクイズにいったが空振り。坂本はわずかに飛び出していた三塁走者の動きを見逃さず、素早く三塁に送球してタッチアウトにした。次打者も打ち取り、石井の連続無失点試合はついに「50」になった。記録の重みを知る甲子園のファンは、このビッグプレーに大歓声。しばらくどよめきが収まらず、プレー再開が少し遅れたほどだった。
◆阪神の7回の攻撃前にジェット風船飛ばしの演出が行われた。入場者全員に無料で配られた黄色のジェット風船が、ファンファーレに合わせて一斉に上がった。新型コロナウイルスで20年から中止されていたが、今年のオープン戦1試合、公式戦1試合で将来的な再開に向けた実証実験を予定。だが4月の試合が雨天中止になり、この日が代替日程だった。事前に「必ず7回表終了後に膨らませてください」「専用ポンプを使用して」「使用済みジェット風船は回収ボックスへ」とアナウンスがあった。6回裏が終了すると観客が一斉に膨らまし始め、「シュポシュポ」というポンプの音がどんどん大きくなり、場内は異様にざわついた。時折起こる破裂音に悲鳴がところどころから上がった。ジェット風船演出は26年シーズンから全面解禁される。
◆阪神が9回に逆転された。2-1で登板した抑えの岩崎優投手(34)が先頭の細川成也外野手(27)に中前打された。続くジェイソン・ボスラー外野手(32)の右越え三塁打で、一塁走者が一気に生還した。この瞬間に、新人王を狙う伊原陵人投手(25)の白星も消えた。1カ月ぶりに先発し、6回1失点と力投。その裏、伊原の代打に出たラモン・ヘルナンデス内野手(29)が勝ち越し打を放ち、土壇場で伊原に勝ち投手の権利が生まれていた。勝てば、新人王への後押しとなるところだったが、勝利数を伸ばすことはできなかった。岩崎はさらに福永裕基内野手(29)にも詰まった当たりの右前打を打たれ、勝ち越しを許した。イニング途中での降板となった。
◆阪神が中日に9回に逆転を許し、今季12勝13敗で対中日に負け越しが決まった。他のセ・リーグ4球団には勝ち越しが決まっていたが、全球団勝ち越しとはならなかった。1点リードで迎えた9回。守護神岩崎優投手(34)が、先頭の中日細川に中前打を許し、ボスラーに同点の適時三塁打を献上。さらに1死三塁から、福永に勝ち越しの右前適時打を浴び、ここでマウンドを降りた。代わった畠世周投手(31)も上林に左翼へ適時二塁打を許し、さらにリードを広げられた。先発した阪神ドラフト1位左腕・伊原陵人投手(25)は、6回4安打1失点と粘投。初回に1死満塁のピンチを招き、ボスラーに先制の中前適時打を浴びるも、1失点にとどめた。打線は5回2死から森下翔太外野手(26)が右前打で出塁。続く佐藤輝明内野手(26)が左翼へ打球を飛ばすと、相手の中継の乱れもあり、同点のホームイン。さらに6回2死三塁で、伊原の代打で送られたラモン・ヘルナンデス投手(29)が一時勝ち越しの右前適時打を放った。7回に登板した及川雅貴投手(24)は、日本新記録の18試合連続ホールドを達成した。
◆中日が逆転勝ちを飾り、阪神を相手に今季13勝12敗となり、セ5球団で唯一勝ち越した。1点を追う9回、阪神守護神岩崎から先頭の細川成也外野手(27)が中前打で出塁すると、続くジェイソン・ボスラー外野手(32)の右翼線への適時三塁打で同点に追いついた。1死後、代打福永裕基内野手(29)が詰まりながらも右前へ勝ち越し打を放ち、岩崎を降板させた。さらに上林誠知外野手(30)の左越え適時二塁打を放った。9回は守護神の松山晋也投手(25)が締め、05年中日岩瀬仁紀、07年阪神藤川球児に並ぶセ・リーグ最多タイ記録の46セーブを達成した。今季残り2試合での記録更新も期待できる。また、最多安打を争っている岡林勇希外野手(23)は今季15度目の猛打賞で今季162安打とした。プロ野球
◆偉大な記録がまた一つ及川雅貴 18試合連続ホールド藤川球児監督の記録を上回るNPB新記録を樹立?プロ野球 (2025/9/28)??阪神×中日??Live on DAZN#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/TJIkTGECo9
◆最多安打のタイトルを争う阪神近本光司外野手(30)と中日岡林勇希外野手(23)はそろって「1番」でスタメン。阪神は2-4の9回2死二塁で5打席目を迎えた岡林を申告敬遠した。この試合ですでに3安打を打たれ、一塁も空いている場面だった。左翼席の中日ファンからは大ブーイングが起こった。近本は5打席立って1安打だった。岡林は162安打として暫定トップをキープ。近本は159安打。159安打の広島小園海斗内野手(25)は午後6時から試合がある。
◆阪神の森下翔太外野手(25)が息を吹き返した。ここ数試合、やや結果がついてこなかったが、二塁打など中堅から右方向に3安打。9回も中堅に大飛球。5回には佐藤輝の左前打と敵失を突いた好判断で一塁から一気に同点のホームインした。金丸からの3本に「1打席目に直球に少し差し込まれた(右飛)ので打ち方も待ち方も修正して2打席目以降はやりました」と振り返った。
◆阪神石井大智投手(28)が連続無失点試合を「50」に乗せた。2-1の8回に登板。連打で1死一、三塁とされたが、バント空振りで飛び出した三塁走者を坂本が刺し、その田中を右飛に抑えた。「展開的に8回、9回は嫌な感じがしたのでどんな形でも粘りたかった。(坂本)誠志郎さんが流れを止めてくれた。僕は何もしていない」。薄氷の日本記録更新。連続イニング無失点の球団記録も49に伸ばした。
◆阪神の坂本誠志郎捕手(31)が石井大智投手(28)の絶体絶命ピンチを救った。2-1の8回1死一、三塁。中日の田中がセーフティースクイズを試みたが空振り。捕手坂本はわずかに飛び出していた三塁走者を見逃さず、素早く三塁に送球して佐藤輝がタッチアウトにした。石井の記録の重みを知る観客から大歓声が起きた。ただ9回に逆転負けし、坂本は「別に何もないですよ」と言葉少なに引き揚げた。
◆中日守護神の松山晋也投手(25)が28日の阪神戦(甲子園)で今季46セーブ目をゲットし、05年岩瀬仁紀(中日)、07年藤川球児(阪神)のセ・リーグシーズン最多セーブに並んだ。敗色濃厚の中、9回表に味方打線が3点を奪って逆転。9回裏、1番からの好打順を1安打無失点で締めた。シーズンは残り2試合。貪欲に記録更新を狙う。
◆阪神が中日に9回に逆転を許し、今季12勝13敗で対中日に負け越しが決まり、全球団勝ち越しとはならなかった。1点リードで迎えた9回。守護神岩崎優投手(34)が、先頭の中日細川に中前打を許し、ボスラーに同点の適時三塁打を献上。さらに1死三塁から、福永に勝ち越しの右前適時打を浴び、代わった畠世周投手(31)も上林に左翼へ適時二塁打を許した。試合後、阪神藤川球児監督(45)は「勝負じゃないから。自分たちは準備中で選手を整えてリフレッシュのところから戻ってきて、ひとたたきといいますかね。準備に入っているので」と結果を重要視せず。「内容等は今じゃないんですよね。形作りという部分では十分じゃないかなと思います」とぶれなかった。
◆ついに大台石井大智 50試合連続無失点49イニング連続無失点坂本誠志郎 好守でアシスト?プロ野球 (2025/9/28)??阪神×中日??Live on DAZN#オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/9mEe6dCliJ
◆最多安打を争う中日岡林勇希外野手が今季15度目の猛打賞で今季162安打とした。1回、快足を飛ばして一塁へ内野安打。阪神側からリクエストを要求されたが、判定は変わらずボスラーの先制適時打で生還した。5回、8回にも安打。井上監督は「あいつは『そんなこと知らないよ、関係ないよ』って言うけど、言ってるだけで多分意識はしている。取れるもんは取りにいきなさいよっていう話」と22年以来2度目のタイトル奪取を期待した。▽中日福永(9回代打で詰まりながらも右前へ決勝打)「ケガから復帰してもなかなか思うようなプレーができず迷惑をかけていた。遅すぎるかもしれないが、自分の中では大きい」
◆中日が逆転勝ちを飾り、阪神を相手に今季13勝12敗となり、セ5球団で唯一勝ち越した。1点を追う9回、阪神守護神の岩崎からジェイソン・ボスラー外野手(32)が右翼線へ同点の適時三塁打。1死後、代打福永裕基内野手(29)が詰まりながらも右前に適時打を落として勝ち越した。
◆中日ドラフト1位金丸夢斗投手(22)の1年目が終わった。阪神戦に先発し7回2失点(自責1)。毎回の11安打を浴びながら粘りの投球だった。「球数も多くヒットも多かった。ピンチをなんとか2失点で抑えられたのは大きかった」と話した。「ピンチの場面での集中力が、最初の方よりよくなっていると思う。プラスにとらえながら来年に生かしたい」と自分自身でもピンチに強くなっていることを感じている。神戸出身で関大時代も投げていた甲子園での初登板。「とても声は聞こえていたが意外と落ち着いてできた」。4万2469人の超満員、大歓声の中でも自分の投球ができた。「今季のうちにプロ初安打を」と意気込んだ打撃面では阪神伊原の前に2打席とも空振り三振の2打数無安打。「無理...」と苦笑いした。今季は23打数無安打。投手も打席に立つラストシーズンとなる来季へ、初安打は持ち越しとなった。1年目は初勝利まで10試合かかるなど苦しんだ。15試合で2勝6敗、防御率2・61。井上一樹監督(54)は「課題がいっぱいあるんだよとは(本人に)言った。さらに高みを目指してもらわないと困る」と秋、春と来季に向けて成長を期待した。
◆中日は最後まで難敵だった。1点リードで迎えた9回。守護神岩崎優投手(34)が、先頭の中日細川に中前打を許し、ボスラーに同点の適時三塁打を献上した。さらに1死三塁から、福永に勝ち越しの右前適時打を浴び降板。代わった畠も上林に適時二塁打を許し、リードを広げられた。今季ワースト3失点を喫した左腕は、責任を一身に背負った。「伊原のこともそうですし、中日戦の勝ち越しがかかっていたので、情けないです」。先発ルーキー伊原の白星を守ることができず、これで今季の中日戦は12勝13敗と負け越しが決定。セ・リーグ全5球団に勝ち越してのセ界制覇とはならなかった。一方で藤川球児監督(45)は、目の前の結果を一切気にしなかった。「リリーフは準備中なので。うちのチームは次の準備に取りかかっているので、勝負とはちょっと違うんですよね」。見据えているのはもちろんクライマックスシリーズ、そして日本シリーズ。今はそのための準備期間だと強調した。「選手を整えてリフレッシュから戻ってきて、ひとたたきといいますかね。内容等は今じゃないんですよね。形作りという部分では十分じゃないかなと思います」。今季のレギュラーシーズンは10月2日ヤクルト戦(神宮)が最後。残り1試合も有意義なゲームにする。【磯綾乃】
◆阪神及川雅貴投手(24)が18試合連続ホールドの日本新記録を打ち立てた。2-1の7回にマウンドに上がり3者連続三振で無失点。05年阪神藤川、15年ソフトバンク・バリオスを抜いて単独1位となった。52まで積み上げたホールドポイント(HP)も、7月30日広島戦から22試合連続。球団記録をさらに伸ばし、NPB単独2位に浮上した。試合は9回に逆転を許し、中日に今季12勝13敗とセ・リーグで唯一の負け越しが決定した。及川は集中していた。1点リードの7回に登板。球場にはラッキーセブンに向けて準備が始まっていた。ジェット風船がフライングで飛ぶ音や、割れる音が響く。「割れる音がちょっと気になりました。膨らましすぎには注意してください」。冗談っぽく笑ったが、集中力を切らすことはなかった。3者連続三振と圧巻の内容。あっという間に日本新記録を打ち立てた。「本当に周りの人たちの支えがあってのピッチング。感謝だけは忘れないようにやっていけたら」先頭山本、森駿から空振り三振。最後は石伊から、内角144直球で反応すらさせず見逃し三振を奪った。並んでいた藤川監督の日本記録を超える、18試合連続ホールド。「実感はないです」と心境を語った。ホールドポイントも22試合連続となり、NPB単独2位。登板直後には大記録を祝うように、黄色いジェット風船が上空を舞った。同学年投手たちにくらいつき、ここまで来た。横浜高時代は3年間すべてで甲子園を経験。ドジャース佐々木らとともに「高校BIG4」と呼ばれた逸材だ。しかし、プロ入り後は先に活躍する同学年選手たちの姿を見せつけられることも多かった。中学時代から知るオリックス宮城は、2年目から3年連続で2ケタ勝利を達成。「プロで活躍するには、このくらいのレベルにならないと活躍できないのか」と悔しさも味わってきた。それでも焦らず自分を信じた。「同級生だから、自分にもできるのかなとか。離されないように頑張ろうとは思っていました」。先発挑戦なども挟みながら迎えたプロ6年目の今季。両リーグトップの66試合に登板し、防御率は0・87。ライバルに負けじと積み重ねてきた努力が、ついに開花の時を迎えた。「自信になったし、スタートラインに立てた。ずっと続けなきゃいけない」石井らとともに、虎のブルペンを中心で支える25年。日本一へ、変わらずゼロを積み重ねる。【塚本光】18試合連続ホールドのプロ野球新記録=及川(阪神) 28日中日戦でホールドを挙げ、8月13日広島戦から18試合連続ホールド。05年藤川(阪神)15年バリオス(ソフトバンク)の17試合を抜いた。救援勝利を含む連続試合ホールドポイントは8月5日中日戦から22試合連続となり、こちらは10年浅尾(中日)の25試合に次いで2位。
◆阪神が中日に9回に逆転を許し、今季12勝13敗で対中日に負け越しが決まり、全球団勝ち越しとはならなかった。先発の伊原陵人投手(25)は、6回4安打1失点と粘投。初回に1死満塁のピンチを招き、ボスラーに先制の中前適時打を浴びるも、1失点にとどめた。今季6勝目こそならなかったが、藤川球児監督(45)はドラ1ルーキーのここまでを高く評価した。「新人の全選手の中で、(チームが)1位でいながらシーズン最後まで。ペナント以外のところは別のゲームですから、今日で伊原はシーズン走りきったということはすごく価値のあること」開幕は中継ぎでスタートし、4月中旬に先発へ配置転換。9月上旬から再び中継ぎで登板を重ね、最後に先発で好投。「最後のピッチングは見てもらったら分かる通り、来年さらに期待できるようなフィニッシュストロングになってすごく良かったと思います」。さらなる飛躍につながるマウンドとなった。
◆阪神が中日に9回に逆転を許し、今季12勝13敗で対中日に負け越しが決まり、全球団勝ち越しとはならなかった。この日は1点リードの9回に、守護神岩崎優投手(34)が逆転を許し、代わった畠世周投手(31)も火消しとはならなかった。それでも藤川球児監督(45)は結果も内容も一切気にとめなかった。「リリーフは準備中なので、本当の意味では戦ってない。うちのチームは次の準備に取りかかっているので、勝負とはちょっと違うんですよね」。あくまでCS、日本シリーズに向けた準備期間。7日の優勝決定後に岩崎、石井大智投手(28)の出場選手登録を抹消し、リフレッシュ期間を作ったのもその一環だ。「自分たちは準備中で選手を整えて、リフレッシュのところから戻ってきて、ひとたたきといいますかね。準備に入っているので。石井もそうだし。内容等は今じゃないんですよね。形作りという部分では十分じゃないかなと思います」。次なる目標の日本一に向けて、歩みはぶれない。
◆阪神・石黒佑弥投手(24)が1軍に合流した。今季は8試合に救援登板して1ホールド、防御率4・50。6日に2軍に降格後はウエスタンで3試合に登板。23日の広島戦(SGL)ではプロ初先発で5回1失点の好投を見せていた。前日27日の試合で左脇腹痛のためわずか2球で降板したグラント・ハートウィグ投手(27)は、試合前練習に姿を見せなかった。
◆阪神が石黒佑弥投手(24)を出場選手に登録した。石黒は6日の降格以来、今季5度目の昇格となった。この期間ファームでは3試合に登板し、23日には先発で5回1失点と好投。「しっかり自分をアピールして、やれることをやるだけ。(先発で)長いイニングを投げられたおかげで得たものも課題も見えたので、収穫できたものを見せられれば」と意気込んだ。代わって大竹耕太郎投手(30)とグラント・ハートウィグ投手(27)が抹消された。3年連続の2桁勝利を目指して27日の中日戦(甲子園)で先発した大竹は、打球を足に受けるなどのアクシデントもあって8回5失点で4敗目を喫していた。登板機会がなくなるための抹消とみられるが、この日の試合前練習ではグラウンドに姿を見せず、患部の状態が心配される。ハートウィグも同戦の九回に救援登板するも、コンディション不良のアクシデントによりわずか2球で降板となっていた。
◆阪神は勝てばセ・リーグの全球団に今季の勝ち越しが決まる一戦。先発のマウンドには伊原陵人投手(25)が上がる。ルーキーイヤーの今季は、ここまで27試合に投げて5勝7敗、防御率2・34。中日・金丸とのドラ1対決を制して、約4カ月ぶりとなる6勝目を狙う。打線は「6番・左翼」で先発する中川勇斗捕手(21)に注目。8月7日(バンテリンドーム)で金丸からプロ初本塁打を記録している。40本塁打&100打点に王手を懸けている佐藤輝明内野手(26)は「4番・三塁」で先発する。
◆阪神の先発・伊原陵人投手(25)が立ち上がりに1点を失った。8月28日以来の先発登板で一回、先頭の岡林に内野安打で出塁を許すと、鵜飼にも不運な右翼前へのポテンヒットで連打を浴びる。その後犠打と四球で1死満塁となり、5番・ボスラーに初球を中前に運ばれ、適時打とされた。なおも1死満塁のピンチだったが、後続を遊ゴロ、三振で打ち取って最少失点でっ切り抜けた。藤川球児監督(45)に「新人王を狙って、チャレンジしてほしい」と上がったマウンド。立ち上がりのピンチも傷口を最小限にとどめた。
◆阪神が同点のチャンスを演出するも、クリーンアップが倒れて無得点に終わった。1点を追う一回に中日の先発・金丸から好機を演出した。先頭の近本光司外野手(30)が左翼線へポトリと落ちる安打で出塁すると、続く中野拓夢内野手(29)が中前打で続いて一打同点のチャンス。しかし森下、佐藤輝は打ち取られ、大山は空振り三振に倒れた。
◆阪神が相手のミスに付け込んで同点に追いついた。0-1で迎えた五回2死。中日の先発・金丸から森下翔太外野手(25)が右前打で出塁すると、続く4番・佐藤輝明内野手(26)が直球にバットを折られながらも左前に運んで一、三塁。さらに左翼・細川の内野への返球が悪送球となって、三走の森下が一気に本塁に生還した。先発の伊原陵人投手(25)は五回まで4安打1失点6奪三振。左腕の好投に応えるように、阪神打線が試合を振り出しに戻した。
◆阪神がラモン・ヘルナンデス内野手(29)の一打で勝ち越しに成功した。1-1で迎えた六回、中日の先発・金丸から先頭の中川勇斗捕手(21)が左前打で出塁。代走・高寺望夢内野手(22)が送られ、坂本誠志郎捕手(31)の犠打で進塁すると、熊谷敬宥内野手(29)の三ゴロの間に好走塁で三塁を陥れた。一打勝ち越しのチャンスで、6回1失点と好投していた伊原に代わって、代打・ヘルナンデス。2球で追い込まれるも、3球目の低めに落ちるスプリットにバットを合わせて右前を放った。
◆阪神・伊原陵人投手(25)が先発し、6回4安打1失点で降板した。一回は打ち取った当たりが安打になる不運もあり、1死満塁でボスラーに中前への先制打を許したが、ここから見事に立ち直った。伸びのある直球と緩い変化球のコンビネーションで中日打線に立ち向かい、二回以降の5イニングで浴びた安打は1本のみ。計7三振を奪うなどしっかりとゲームメークをした。同点の六回2死三塁の場面で巡った打席で代打が送られたが、代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が右前への勝ち越し打を放ち、6連敗中の左腕にとっては6月8日オリックス戦(甲子園)以来、登板14試合(先発9試合)ぶりとなる勝利投手の権利が発生した。
◆七回裏の阪神の攻撃を前に、甲子園名物のジェット風船が秋空を黄色く染めた。実証実験としてジェット風船演出が行われる予定だった4月13日の中日戦が雨天中止になったことを受け、振替試合でイベントを実施。試合開始2時間後までに入場した観客全員に「ジェット風船と専用ポンプのセット」が配布され、周囲への飛沫防止のため、球場ビジョンでは何度も専用ポンプの使用がアナウンスされた。七回の攻撃直前にはポンプで風船を膨らませる音が甲子園に流れ、徐々にスタンドが黄色一色に染まっていった。3月9日の巨人とのオープン戦でも実施されたが、公式戦で行われるのはコロナ禍以降初めて。2026年シーズンからジェット風船演出が再開されることが決まっている。
◆阪神の及川雅貴投手(24)が圧巻の投球でプロ野球記録を更新する18試合連続ホールドを達成した。2-1と勝ち越した直後の七回、2番手としてマウンドへ上がった。先頭の山本から変化球で空振り三振を奪うと、続く森も変化球で三振。最後は石伊から直球で見逃し三振を奪い、貫録の三者連続三振だった。今季46ホールドとし、8月13日から積み上げて18試合連続ホールドを記録し、歴代1位タイの17試合連続で並んでいた藤川球児監督、バリオス(ソフトバンク)を超えて日本記録を更新した。
◆阪神・伊原陵人投手(25)が先発し、6回4安打1失点で降板した。一回は打ち取った当たりが安打になる不運もあり、1死満塁でボスラーに中前への先制打を許したが、ここから見事に立ち直った。伸びのある直球と緩い変化球のコンビネーションで中日打線に立ち向かい、二回以降の5イニングで浴びた安打は1本のみ。計7三振を奪うなどしっかりとゲームメークをした。同点の六回2死三塁の場面で巡った打席で代打が送られたが、代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が右前への勝ち越し打を放ち、6連敗中の左腕にとっては6月8日オリックス戦(甲子園)以来、登板14試合(先発9試合)ぶりとなる勝利投手の権利が発生した。「点を取られてから、ずるずるといかなかったところもよかったと思います。二回以降は思い切って腕を振って低めに集めて、打たせて取ることができました。テンポよくゲームを作ることができてよかったです」とコメントした。
◆阪神がラモン・ヘルナンデス内野手(29)の一打で勝ち越しに成功した。1-1で迎えた六回、中日の先発・金丸から先頭の中川勇斗捕手(21)が左前打で出塁。代走・高寺望夢内野手(22)が送られ、坂本誠志郎捕手(31)の犠打で進塁すると、熊谷敬宥内野手(29)の三ゴロの間に好走塁で三塁を陥れた。一打勝ち越しのチャンスで、6回1失点と好投していた伊原に代わって、代打・ヘルナンデス。2球で追い込まれるも、3球目の低めに落ちるスプリットにバットを合わせて右前を放った。「打ったのはスプリット。2ストライクだったし、しっかりコンタクトする意識で打ちにいったよ。伊原もナイスピッチングだったし、良い結果が出てよかったね」とこコメントした。
◆阪神・岩崎優投手(34)が痛恨の失点を喫し、逆転を許した。2-1の九回に4番手で登板。先頭の細川に中前打で出塁されると、続くボスラーに適時三塁打を浴びて同点。1死後に代打・福永に勝ち越しの右前打を許した。逆転を許したところで畠世周投手(31)が5番手でマウンドへ。2死後に上林に適時二塁打を浴びて2点差に広げられた。先発して6回1失点だった伊原陵人投手(25)は6月8日のオリックス戦(甲子園)以来、約4カ月ぶりの勝利が消滅した。
◆阪神は中日に逆転負けを喫して対戦成績が12勝13敗となり、全球団勝ち越しでの完全優勝を逃した。8月28日以来の先発登板となった伊原陵人投手(25)は一回に1点を失いながらも、二回以降は二塁も踏ませぬ好投で6回1失点と好投。打線が五回に敵失で同点とし、六回には2死三塁から代打のラモン・ヘルナンデス内野手(29)の適時打で2-1と一時勝ち越しに成功する。七回には及川雅貴投手(24)が圧巻の三者三振で1イニングを完璧に抑え、日本新記録の18試合連続ホールドを達成した。しかし逃げ切りを図った1点差の九回、岩崎優投手(34)が3失点を喫してセーブ失敗で逆転負け。レギュラーシーズンは10月2日のヤクルト戦(甲子園)の1試合を残すのみとなった。
◆阪神が逆転負けで中日戦13敗目を喫し、1962、2023年に次ぐ球団3度目のセ5チームに勝ち越す〝完全優勝〟を逃した。1点リードの九回、岩崎優投手(34)が3安打を浴び、2点を奪われて降板。畠世周投手(31)も4点目を与えた。六回に代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)の右前打で勝ち越すも、九回に3点を失った。伊原陵人投手(25)は6回1失点。七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録の18戦連続Hとし、22戦連続HPは10年中日・浅尾拓也の「25」に次いで2位。八回1死一、三塁の窮地をしのいだ石井大智投手(28)は50戦連続無失点で49回ゼロ封。1安打に終わった佐藤輝明内野手(26)は10月2日のヤクルトとの最終戦(甲子園)で球団6人目の「40本塁打&100打点」を目指す(成績=84勝54敗4分、観衆=4万2469人)。
◆中日・松山晋也投手(25)が今季46セーブを挙げて、2005年の中日・岩瀬仁紀と07年の阪神・藤川球児の持つセ・リーグ記録に並んだ。プロ野球記録はソフトバンク・サファテが17年にマークした54セーブ。
◆?阪神・及川雅貴投手(24)がリーグ最多の今季46ホールド目を挙げて、2005年の藤川球児と07年の久保田智之の持つ球団記録に並んだ。8月13日の広島戦(マツダ)から18試合連続でホールドをマークし、05年の阪神・藤川と15年のソフトバンク・バリオスの17試合連続を抜くプロ野球新記録を達成した。?石井が4月5日の巨人戦(東京ドーム)から50試合連続無失点とし、自身の持つ連続試合無失点のプロ野球記録を更新。連続イニング無失点はプロ野球歴代8位の49回(球団記録)に伸ばし、歴代7位の巨人・別所毅彦の49回?(1955年、セ・リーグ歴代2位)にあと?回。同6位はセネタース・野口二郎(40年)と朝日・林安夫(43年)の51回。プロ野球記録は国鉄・金田正一(58年)の64回?。
◆中日が6年ぶりに阪神戦勝ち越し。1―2の九回にボスラーの同点三塁打、代打福永の勝ち越し打などで計3得点した。松山がリーグ記録に並ぶ46セーブ目。阪神は及川がプロ野球新の18試合連続ホールドをマークしたが、岩崎が誤算。
◆阪神が逆転負けで中日戦13敗目を喫し、1962、2023年に次ぐ球団3度目のセ5チームに勝ち越す〝完全優勝〟を逃した。1点リードの九回、岩崎優投手(34)が3安打を浴びて、2点を奪われて降板。畠世周投手(31)も4点目を与えた。六回に代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)の右前打で勝ち越すも、九回に3点を失った。伊原陵人投手(25)は6回1失点。七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録の18戦連続Hとし、22戦連続HPは10年中日・浅尾拓也の「25」に次いで2位。八回1死一、三塁の窮地をしのいだ石井大智投手(28)は50戦連続無失点で49回ゼロ封。1安打に終わった佐藤輝明内野手(26)は10月2日のヤクルトとの最終戦(甲子園)で球団6人目の「40本塁打&100打点」を目指す。
◆阪神が逆転負けで中日戦13敗目を喫し、1962、2023年に次ぐ球団3度目のセ5チームに勝ち越す〝完全優勝〟を逃した。1点リードの九回、岩崎優投手(34)が3安打を浴びて、2点を奪われて降板。畠世周投手(31)も4点目を与えた。六回に代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)の右前打で勝ち越すも、九回に3点を失った。伊原陵人投手(25)は6回1失点。七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録の18戦連続Hとし、22戦連続HPは10年中日・浅尾拓也の「25」に次いで2位。八回1死一、三塁の窮地をしのいだ石井大智投手(28)は50戦連続無失点で49回ゼロ封。1安打に終わった佐藤輝明内野手(26)は10月2日のヤクルトとの最終戦(甲子園)で球団6人目の「40本塁打&100打点」を目指す。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(57)が九回に登板し、?回を投げ、3失点で3敗目を喫した阪神・岩崎優投手(34)に言及した。ポストシーズンに向けて、一番の心配は岩崎。元々高めの球で勝負し、フライアウトを取る投手だが、全くできていない。変化球が多いのも気になるし、九回、福永に許した勝ち越し打も内角への直球で詰まらせていたのだが...。藤川監督は基本的に岩崎がベンチ入りしている試合では石井、岩崎の順に送り出していたが、それも再考しなければいけない。レギュラーシーズン最終戦となる10月2日のヤクルト戦(甲子園)は〝追試〟の場になるような気がする。同じような状態であれば、九回を任せるのは石井にするべきで、そのまま入れ替えるわけにはいかないため、八回は及川になる。及川は体調の良さが腕の振りにも表れている。ひねるような独特なフォームでスライダー、フォークを織り交ぜるため、打者からすればボールの出どころが、ほとんど見えていないような状況ではないか。短期決戦での投手起用はレギュラーシーズンとは別もの。調子の善しあしがはっきりするし、首脳陣は見極めなければいけない。今の状態で九回を岩崎を任せるのは怖い。
◆中日は金丸が毎回の11安打を浴びた中でも粘り、7回2失点。九回の味方の逆転で黒星を免れた。故郷兵庫の甲子園球場でルーキーイヤーの登板を終え「ピンチで集中力を出せたことは良かった」と振り返った。ドラフト1位サウスポーは5月のデビューから全15試合で5回以上を投げ、2勝6敗、防御率2・61。「来季はもっと攻撃に流れを呼び込める投球がしたい。一から見直していく」とさらなる成長を期した。
◆約4カ月ぶりの白星が目前で消えた。自身5試合ぶりに先発した阪神・伊原陵人投手(25)は6回1失点の好投も6勝目はならなかった。「立ち上がりはバタバタしましたけど、最少(失点)でしのいで、そこからリズムよく投げられたので良かった」一回に先制を許した。内野安打と外野の前に落ちるポテンヒットでピンチを招くと、ボスラーの適時打で1失点。それでも後続を断つと、二回以降は二塁を踏ませない投球を披露した。今季は最終登板とみられ、28試合で5勝7敗、防御率2・20。藤川球児監督(45)は「シーズンを走り切ったことはすごく価値のあること。最後のピッチングは来年さらに期待できる」と話した。目標の新人王争いは42試合に登板し、2勝1敗25ホールド、防御率1・10(27日現在)を挙げるヤクルト・荘司が強敵になる。ポストシーズンに向けて伊原は「『行け』って言われたところで行けるように準備するだけ」と前を向いた。ようやく本来の姿を取り戻すことができた。飛躍の秋にする。(萩原翔)
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一時同点につなげる左前打を放った。1点を追う五回1死一塁で金丸の内角直球をバットを折られながら左前へ。一、三塁とすると、左翼・細川の内野への返球が悪送球になり森下翔太外野手(25)が生還した。39本塁打99打点で、40本塁打&100打点達成は最終戦の結果次第。主砲は「しっかり準備して頑張ります」と意気込んだ。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)の好判断が石井大智投手(28)を救った。2―1の八回1死一、三塁を招いた場面。田中がバントを空振りすると、すぐさま三塁へ送球し、飛び出した岡林をタッチアウトにした。この回をゼロに抑えた石井は50試合&49イニング無失点記録を更新。「別に何もないですよ」とクールな女房役が甲子園に大歓声を呼んだ。
◆阪神・森下翔太外野手(25)が金丸に襲いかかった。「1打席目で真っすぐにちょっとさされたので、2打席目以降は打ち方も待ち方も自分なりに修正した」。三回に中前打で11打席ぶりの安打。0―1の五回は右前打で出塁すると、佐藤輝の左前打での三進後に相手の悪送球を見逃さず同点の生還を果たした。七回には右中間への二塁打で9試合ぶりの猛打賞。攻めの姿勢が目立った。
◆阪神ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が六回に代打で一時勝ち越し打。来季への残留争いに向けて猛アピールした。助っ人が必死の一打で、甲子園を沸かせた。リーグ優勝を達成しても、一打席一打席が持つ重要さは変わらない。ヘルナンデスが、ポストシーズン、そして来季に向けて、アピールに成功する適時打を放った。「配球は一回から全てずっとチェックしながらの打席だった。それがいい結果につながってよかった」プレーボールから相手の攻め方を分析し、役目を果たす一打を生み出した。1―1で迎えた六回、新人左腕の金丸から先頭の中川勇斗捕手(21)が左前打で出塁する。代走・高寺望夢内野手(22)が出場し、坂本誠志郎捕手(31)の犠打で二塁に進むと、熊谷敬宥内野手(29)の三ゴロの間に好走塁で三塁を陥れた。2死三塁と一打勝ち越しのチャンス。藤川球児監督(45)は新人王獲得のためにも送り出した先発・伊原陵人投手(25)の交代を決断。代打・ヘルナンデスを送って、勝負に出た。打てなければ伊原の勝利投手の権利は完全に消えてしまう。そんなケースで打席に立ち、2球で追い込まれるも、助っ人は冷静だった。「もう2ストライクだったので、どこに狙うというよりは、とにかく当てて結果を残したいなというところだった」3球目、低めに落ちるスプリットに食らいついた。うまくバットを合わせてはじき返した打球は、ゴロで一、二塁間を抜けて右前へ。19日のDeNA戦(甲子園)以来となる適時打とし、2―1と一時勝ち越しに成功した。九回に岩崎がつかまり逆転負けを喫し、伊原の勝利は消えてしまったが、与えられたチャンスで役目を果たし「伊原もナイスピッチングだったし、良い結果が出てよかった」とうなずいた。助っ人にとって、来季の場所のためにもアピールの一打となった。この日ウエスタン・リーグの全日程が終了し、29日からは第1次戦力外通告が始まる。外国人の去就も注目される期間になる。今季メキシカンリーグから加入したヘルナンデスは、一塁、三塁を守れる助っ人としてここまで47試合に出場。打率229、1本塁打、8打点と満足できる数字ではない。交流戦期間はスタメン出場も増えたが夏場以降は主に代打での起用が続き、2軍での生活も経験した。それでもファームで調整を続けてリーグ優勝直後に再昇格すると、18日の広島戦(マツダ)では虎の外国人では2季ぶりの本塁打となる来日1号をマーク。日本野球への対応力を見せ、そしてこの日も同点の場面で価値ある適時打。最終盤で磨いてきた力を発揮し、残留争いに挑む。「しっかりとチームの助けになれるようにどこでも準備して、引き続きやっていきたい」居場所をつかむためにも毎日が勝負。一球に懸けて、結果を残す。(中屋友那)■Ramon Hernandez(ラモン・ヘルナンデス) 1996年3月2日生まれ、29歳。ドミニカ共和国出身。2014年にダイヤモンドバックス傘下でデビュー。メジャー出場なし。メキシカンリーグのモンクローバから加入した今季は47試合に出場し、打率・229、1本塁打、8打点。年俸30万ドル(約4700万円)。右投げ右打ち。193センチ、102キロ。背番号「95」
◆阪神の勝利は一気にしぼんだ。九回に岩崎優投手(34)岩崎が炎上。今季苦しめられた中日に最後の最後で逆転され、虎党の肩をぬらす雨粒はむなしさを増幅させた。「自分たちは準備中で、選手(のコンディション)を整えて、リフレッシュのところから戻ってきて〝ひとたたき〟といいますかね。準備に入っているので」藤川監督は守護神左腕を責めなかった。2―1の九回にマウンドに送り出すも、細川の中前打にボスラーの右翼線への三塁打と7球で追いつかれる。1死後には代打・福永に詰まりながら右前に落とされて勝ち越しを献上。岩崎は交代となり、代わった畠世周投手(31)が2死二塁で上林に適時二塁打を浴びたことで、昨年5月11日のDeNA戦(横浜)以来となる3失点だった。「伊原の勝ちも中日戦の勝ち越しもかかっていた中で、情けないです」岩崎は言葉少なにベンチから引き揚げた。伊原は6月8日のオリックス戦(甲子園)以来の白星が目前で、チームも2023年以来、球団3度目となるセ・リーグ5球団に勝ち越す〝完全優勝〟に王手だった。ただ、中日には今季12勝13敗と唯一負け越し、霧散した。10月15日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを見すえれば周囲の不安は募る。それでも指揮官は落ち着いていた。「内容などは今じゃないんですよね。形作りという部分では十分じゃないかなと思います」湧き上がった悔しさを岩崎がポストシーズンでぶつける。指揮官の言葉を信じるしかない。(須藤佳裕)
◆〝球児超え〟は石井だけじゃない。1点を勝ち越した直後の七回に登板した阪神・及川雅貴投手(24)が3者連続三振と圧巻の投球。日本記録となる18試合連続ホールドをマークした。「実感はないです。きょうもゼロで帰ってこられた。そこはよかった」実証実験でジェット風船が6年ぶりに阪神の公式戦で復活。及川がマウンドに上がった七回表にスタンドは黄色く染まった。コロナ禍の2020年に入団した左腕は初体験。「(風船が)割れる音がちょっと気になった」。だが、いつものように冷静だった。山本をツーシームで、続く森駿をスライダーで、ともにバットの空を切らせると、石伊を外角低めに144キロの直球を決めて見逃し三振に仕留めた。「きょうは正直、(坂本)誠志郎さんの(リードの)おかげ。自分の良さを引き出してくれた」8月13日の広島戦(マツダ)から始まった連続ホールド。23日のDeNA戦(横浜)で日本記録だった藤川監督の17試合に並び、ついに超えた。「周りの人たちの支えがあってのピッチングだと思っている」藤川監督からは昨年10月下旬の甲子園での秋季練習で「体の動きが横振りだから制球が安定しない」と指摘された。このひと言が大ブレークとなった6年目のプロローグ。今年1月の自主トレや、シーズン中も毎日、キャッチボールの相手をする岩崎は「夏ぐらいですかね。ボールが横にそれることがなくなり、きれいな縦回転のボールが投げられるようになったのは」と証言する。52ホールドポイント(HP)で最優秀中継ぎ投手も狙う。「(タイトルは)意識はしています。頑張ります」。残るレギュラーシーズンは10月2日のヤクルト戦(甲子園)のみ。次は自身初となるタイトルへ-。ブルペンで出番を待つ。(三木建次)
◆両リーグともVチームが決まったこの季節は、どの球団も寂しい話題、見どころに乏しいゲームが増えてしまいがち...。それでも、冷たい雨も落ちた9月最後の甲子園のゲームはアツかった。伊原と金丸のドラフト1位左腕同士の投げ合いで始まると、七回をゼロで封じた及川の日本新記録「18試合連続ホールド」を祝うかのように、七回裏の阪神の攻撃前には実証実験でジェット風船が舞った。八回には石井が1死一、三塁のピンチを背負ったが無失点で切り抜け、連続無失点記録を「50試合&49イニング」に伸ばした。この季節で、結果的に敗れたにもかかわらず、なんともにぎやかな一戦だった。順調にポストシーズンへと突き進む虎だが、実は試合前には、ごくごく一部のエリアで〝不穏な空気〟が漂っていた。わが社のベテラン虎番、ビヤ樽こと三木建次が球団のトレーナーとゴニョゴニョと話し込んでいて、なかなか離れなかったせいだ。クライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズも控える時期だけに、他社の虎番が「けが人の取材か? はて、けが人なんていたか?」とほんの少しザワついた。「三木さん、何の話をしていたんですか?」本来ならそんなことを聞くのはご法度かもしれないが、他社の記者はビヤ樽に尋ねた(大事な取材をしているワケがないという確信もあったのだろう)。ビヤ樽はやむを得ず白状した。「じ、実は自分の膝が痛くて...。どうしたらよくなるかというのを、トレーナーさんに個人的に相談していたんや」
◆ガーン! ほぼ手中に収めていた全ての球団から勝ち越しての完全優勝が、クローザー・岩崎の乱調で消えてもうたがなあ...。唯一の救いは、今季苦しめられた中日がクライマックスシリーズ(CS)に出てこないことや~。(何たる弱気な言葉...。情けないわ~)いや、まだあった~、大の里が優勝したでェ!!(オイ、それ大相撲やんか!)だったらこれはどうや! 及川の18試合連続ホールドの新記録に、石井の50試合連続無失点の世界記録継続はスゴイやろ!! とりわけ石井なんて、今季1失点ポッキリ! 防御率0・17って信じられまっか!?でも、その1点をたたき出した選手もある意味スゲ~よな? 実はそれは巨人の甲斐です! さすが巨人、いい補強するねェ(笑)と、巨人をおちょくっている場合じゃなく...。ポストシーズンに向けてクローザーは課題なのだ!!考えられるのは、①岩崎で優勝したのだから岩崎を信じる②八回及川、九回石井の記録コンビに託す③その日のブルペンの調子を見極め臨機応変に起用。さあ、藤川監督、どないしますか? えっ、俺う~ん、う~ん、悩むけど、俺はやはり①岩崎を信じた~い!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 (-) |
阪神 |
84 | 53 | 4 | 0.613 (-) | - (-) |
2 | 488 (-) | 346 (-) | 91 (-) | 100 (-) |
0.244 (-) | 2.200 (-) |
2 (-) |
DeNA |
69 | 65 | 6 | 0.515 (-) | 13.5 (-) |
3 | 487 (-) | 443 (-) | 106 (-) | 63 (-) |
0.243 (-) | 2.910 (-) |
3 (-) |
巨人 |
68 | 69 | 3 | 0.496 (-) | 16 (-) |
3 | 450 (-) | 453 (-) | 95 (-) | 52 (-) |
0.249 (-) | 2.970 (-) |
4 (-) |
中日 |
62 | 76 | 2 | 0.449 (-) | 22.5 (-) |
3 | 395 (-) | 452 (-) | 81 (-) | 79 (-) |
0.232 (-) | 2.950 (-) |
5 (-) |
広島 |
59 | 76 | 5 | 0.437 (-) | 24 (-) |
3 | 437 (-) | 478 (-) | 71 (-) | 56 (-) |
0.247 (-) | 3.130 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
54 | 77 | 6 | 0.412 (-) | 27 (-) |
6 | 417 (-) | 539 (-) | 85 (-) | 58 (-) |
0.235 (-) | 3.570 (-) |
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