西武(★5対8☆)日本ハム =リーグ戦25回戦(2025.09.26)・ベルーナドーム=
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日本ハム
01303100081501
西武
3010010005702
勝利投手:加藤 貴之(9勝6敗0S)
(セーブ:田中 正義(1勝1敗12S))
敗戦投手:糸川 亮太(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】水野 達稀(7号・5回表3ラン)
【西武】渡部 聖弥(11号・3回裏ソロ),ネビン(19号・6回裏ソロ)

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◆日本ハムが逆転勝ち。日本ハムは2点を追う3回表、清宮幸と石井の連続適時打で3点を挙げ、試合をひっくり返す。その後同点を許すも、5回に水野が3ランを放ち、再びリードを奪った。投げては、先発・加藤貴が今季9勝目。敗れた西武は、投手陣が精彩を欠いた。

◆日本ハム松本剛外野手(32)が国内フリーエージェント(FA)権を取得した。この日、出場選手登録日数が8年に達した。球団を通じて「プロの世界に入ってきた時は国内FA権を取得できるとは想像もしていませんでした。取得できたのは、僕をここまで育ててくれたファイターズの指導者、今まで支えてくれたファイターズ関係者をはじめ、携わってくれた全ての方々のおかげで、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今は残りの1試合1試合、1打席1打席をしっかり準備して全力で臨みたいと思います」とコメントした。11年ドラフト2位で帝京(東京)から入団。プロ6年目の17年に初めてシーズン規定打席に到達し、同年11月に開催された第1回アジアプロ野球チャンピオンシップでは侍ジャパンのメンバーとして選出された。その後は故障もあって苦しんだが、新庄剛志監督(53)が就任1年目の22年は開幕4番に抜てきされ、再びブレーク。自打球で左膝を骨折するアクシデントを乗り越えて、打率3割4分7厘でパ・リーグ首位打者を獲得。同年はベストナインにも輝いた。プロ14年目の今季は、ここまで65試合出場で打率1割9分2厘、0本塁打、7打点。22年オフからチームの選手会長も務めている。

◆西武のドラフト5位ルーキー篠原響投手(19)が日本ハム打線に打ち込まれ、3回途中8安打4失点でKOされた。プロ2試合目の先発は、初回は大きな飛球を打たれながらも3者凡退に。2回は先頭の4番郡司は153キロ直球で空振り三振にしたものの、そこから3安打を集められ1失点。さらに1番打者から始まった3回は3連打で1死満塁とされ、清宮、石井に連続適時打を浴び、4点目を奪われたところで交代を告げられた。さらに1死一、二塁のピンチは2番手の浜屋将太投手(26)がしのいだ。篠原は5回途中4失点で降板したデビュー戦よりも早い降板に。この日が誕生日でもある西口文也監督(53)は、わずかながらCS進出の可能性が残る中での篠原起用に「1回目、投球内容はそんなに悪くなかったし、もう1度投げさせたいなと思わせる内容だったところの2回目ですね」と話していたが、この日は打者15人に8安打を浴びせられての降板になった。

◆西武のドラフト2位ルーキー、渡部聖弥外野手(23)が今季11号ソロを放った。先発で同5位ルーキーの篠原響投手(19)が序盤の3点リードから4失点で逆転され降板し。そうして迎えた3回の第2打席、日本ハム加藤貴の内角直球を豪快に左中間スタンドへ放り込み、同点に。篠原の負け投手を消した。渡部聖は、篠原がプロ初登板の試合でも本塁打を放っている。2戦連続のアシストに「2ストライクと追い込まれていたのでコンパクトなスイングを心がけて振りました。本塁打になって良かったです」とコメントした。パ・リーグの新人選手でプロ1年目に本塁打11本に到達したのは、03年の後藤武敏(西武)以来22年ぶりとなった。春先に高打率で快走したルーキーは途中でスランプを味わったものの、間の取り方を見直して再び上昇気流に。ともにシーズン100安打超のロッテ西川史礁外野手(22)楽天宗山塁内野手(22)、さらにはチームメートで高卒3年目にしてセットアッパーの座を確立させた山田陽翔投手(21)、日本ハムの達孝太投手(21)らと、新人王を争っている。

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◆2位日本ハムが連敗を3で止め、この日のV逸は回避した。初回に3点を先制されるも、2回2死一、二塁で田宮裕涼捕手(25)が左前適時打を放ち1点をかえす。3回1死満塁、清宮幸太郎内野手(26)の右前2点適時二塁打で同点に追い付くと、1死一、三塁で石井一成内野手(31)が中前適時打を放ち、勝ち越した。その裏、先発加藤貴之投手(33)が西武渡部に同点ソロを浴びるも、5回1死二、三塁で水野達稀内野手(25)が2戦連発となる7号3ランをバックスクリーンに放り込み、再び勝ち越した。25日の9回のチャンスで併殺に倒れた清宮幸は今季10度目の猛打賞で、勝利に貢献した。先発加藤貴は5回68球を投げ5安打4失点も、打線の援護を受け9勝目。自己最多10勝(24年)に王手をかけた。

◆西武のAクラス入りの可能性が今季136試合目にして消滅した。昨季は同117試合目での消滅だった。7試合を残し、3年連続でのBクラスが確定した。昨季は借金42という歴史的敗北を喫し、再建期にある。昨季から比べれば着実に前進し、この日終了時点で借金は11。しかし勝利を求めるファンの声は決して少なくなく、来季への課題改善は急務となる。すでに昨季の数字をクリアしたとはいえ、得点数は12球団ワーストの387点。打力不足は顕著で、決して長距離打者ではないタイラー・ネビン外野手(28)に頼る部分が多かった。ネビンは一塁を守った。一方で一般的に打力が求められることが多い三塁、左翼、DHで起用された選手たちがネビンと競うような結果を出せなかった。三塁には外崎修汰内野手(32)を二塁からコンバート。不慣れで失策も多く、敗戦に直結するミスも。ライバルと目された佐藤龍世内野手(28)は寝坊騒動もあり開幕2軍に。好結果を出すも一度も1軍に呼ばれず、6月半ばに金銭トレードで中日へ移籍した。約1カ月後に三塁候補のJ・D・デービス内野手(32)を獲得するも、本領発揮の前に故障で戦線離脱した。山村崇嘉内野手(22)はまだ攻守に安定しない。DHでは4番候補で獲得したレアンドロ・セデーニョ内野手(27)が大不振。ようやく9月に打ち始めたが、すでにチームの借金はかさんでいた。中村剛也内野手(42)栗山巧外野手(42)の両ベテランも低調。2軍で本塁打を量産していた、当時育成選手の仲三河優太外野手(22)の支配下登録も外国人選手の見極めと重なっていたのか、7月下旬になった。左翼ではドラフト2位ルーキーの渡部聖弥外野手(23)が開幕から好調も、故障離脱が相次ぎ、その間に"代役"となった選手たちはなかなか安打を打てなかった。ネビン残留はすでに決定。中堅の西川愛也外野手(26)、二遊間の滝沢夏央内野手(22)と次世代のセンターラインが固まりつつあるだけに、特に三塁とDHの強化は必須になる。投手陣では平良海馬投手(25)をリリーフに再転向させ、先行逃げ切りのスタイルを確立させた。今井達也投手(27)隅田知一郎投手(26)らが好調の前半戦はチームも上位にいた。最大の収穫は山田陽翔投手(21)の活躍だ。高卒2年目まではファームでもパッとしない数字だったが、3年目の今季はリリーフに転向し、春先には一気に必勝リレーに抜てきされた。肝の強さと独特の球筋で多くのピンチを切り抜け、試合終盤での高い適性を披露。経験者組もそろう中で、大役に抜てきし好投に導いた西口文也監督(52)や投手コーチたちの決断が光った。【金子真仁】

◆2位日本ハムが連敗を3で止め、この日のV逸は回避した。負ければソフトバンクの優勝が決まっていたが、ぎりぎり阻止。それでも崖っぷちの状況は変わらず、新庄剛志監督(53)は「なんもないっすよ。全員で勝つのみ。なんもない。ほんとなんもない。勝つのみ」と、短いメッセージに思いを込めた。首位ソフトバンクが勝ったため優勝マジック1。日本ハムは27日のロッテ戦(午後6時、ZOZOマリン)に勝っても、ソフトバンクが同日の西武戦(同、ベルーナドーム)に勝つと、9年ぶりの優勝を逃すことになる。

◆日本ハム加藤貴之投手(33)が5回5安打4失点と苦しみながら、打線の援護を受け9勝目を挙げた。初回に3失点。逆転してもらった直後の3回に西武渡部聖に同点ソロを浴びるなど、決して万全の内容ではなかった。白星にも「打線が勝ち越してくれた直後に、同点に追いつかれてしまい申し訳ないです」と反省の言葉しかなかった。

◆日本ハムが逆転勝ちでV逸を阻止した。初回に3点を先行されたが、強打の海賊打線が本領を発揮した。3回までに4得点を奪って、初対戦となった高卒新人右腕の篠原をKO。5回には水野が2戦連発となる決勝の7号3ランも飛び出し、6回は打点王を独走するレイエスが89打点目となる犠飛。1番右翼でスタメン出場した矢沢が攻守で躍動するなど、15安打8得点での快勝だった。試合後の新庄剛志監督(53)は「なんもないっすよ。全員で勝つのみ。なんもない。ほんと、なんもない。勝つのみ」とだけ、ほぼ足を止めずに言った。今季最短となる約10秒の取材対応。試合内容よりも、勝ったことが全て。チームはリーグ優勝&日本一に輝いた16年以来の80勝に到達したが、多くを語ることなく足早に球場を後にした。その約2分後。仙台では首位ソフトバンクが楽天に逆転勝ちを収めた。これで優勝マジックを1とされ、日本ハムは残り4試合。土俵際に立たされた状況は変わらない。27日ロッテ戦は勝ってもV逸の可能性があるが、指揮官の言葉通りに「全員で勝つのみ」。目の前の試合を1つずつ大事に戦っていく。【木下大輔】

◆日本ハム水野達稀内野手(25)が決勝3ランを放った。同点の5回1死二、三塁で、西武糸川から2戦連発となる7号をバックスクリーンに放り込んだ。シーズン自己最多に並ぶ1発。「昨日たみちゃん(田宮)にラーメンをごちそうしたので、自分にも良い事が起きました。打ち損じがなくなってきました」と振り返った。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(26)が、3回1死満塁で右前2点適時打を放つなど、今季10度目の猛打賞&2打点でチームの3連敗ストップに貢献した。3試合計11安打だった打線も、15安打8得点と一気に爆発。崖っぷちの状況は変わらないが、この日のソフトバンクの優勝を阻止した。崖っぷちでも、海賊打線はあきらめない。リーダー清宮幸がスイッチを入れた。1回に3失点の嫌な流れも、「初回だったので、徐々にというか、別にそこまで気落ちすることなく」。2回の第1打席にチーム初安打となる左前打を放つと、2点を追う3回1死満塁では同点打。5回にも水野の決勝弾へとつながる左前打で、今季10度目の猛打賞を記録した。プロ8年目で初の逆方向弾を放った前夜は、痛恨の逆転負け。自身も9回に遊撃併殺打で好機をつぶした。それでも「切り替えてっていう感じで、引きずらずにできたかなと思います」。一夜明け、初めて対戦した西武ルーキー篠原を相手に気を吐いた。「初めてのピッチャーの子だったのですが積極的に。中途半端になって打たされないよう、しっかり割り切っていくというのは意識してました」と、頭は整理されていた。首位ソフトバンクも逆転勝利し、優勝マジックは1に減った。「途中まで(ソフトバンクが)負けてたのに、あれ...勝ってるみたいな感じだった。ちょっと気になりました」。27日ロッテ戦に勝っても、相手が引き分け以上でV逸が決まる。厳しい状況には変わらないが「大事なところで1本打つ。当たり前のことをちゃんとやるっていうのは大事。そういうところを意識してやりたい」。最後まで全力を出し切る。

◆西武・西口文也監督が26日、53歳の誕生日を迎えた。報道陣から贈られたケーキを前に「笑顔のあふれる1年にしたいです」と誓いを立てた。試合前時点でチームの得点数は両リーグワーストの382点。「そりゃあ点数をもっと取れば笑うけど」とユーモアを交えて語った。就任1年目の今季は6月中旬までAクラスに推移していたが「夏バテした」と夏場以降は失速し、現在は5位。あと1敗すれば、クライマックスシリーズ(CS)進出が消滅する状況が続いている。そんな苦しい状況下でも、前夜は2位日本ハムに一挙5得点の猛攻で逆転勝ち。球団ワースト91敗を喫した昨季から着実に前進しており「(シーズンの)最後にまたいい形はできてきていると思う」とうなずいた。この日の先発はプロ初勝利を狙う1年目の19歳篠原。西口監督は「どれだけ相手打線に立ち向かっていってくれるか。そういう強気な投球を見てみたいですね」と期待を込めた。福井工大福井高からドラフト5位で入団した右腕は「自分の初勝利という形で(監督にとって)いい誕生日になれば」と力強く呼応。節目の一日をバースデー勝利で飾れるか。(加藤次郎)

◆日本ハムが連敗を3で止めた。4-4の五回に水野瞬外野手の7号3ランで勝ち越し、六回は犠飛で1点を追加。細かい継投でリードを守った。先発の加藤貴之投手は5回を4失点で8月16日以来の白星となる9勝目(6敗)を手にした。

◆パ・リーグ5位の西武は2位の日本ハムに逆転負けを喫し、53歳を迎えた西口文也監督の誕生日を白星で飾ることができず。クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性も消滅した。球団ワースト91敗の昨季から再建を託された就任1年目の指揮官は「そこは目標にしていた。かなわなかったですけど残りをしっかり戦っていくだけです」と前を向いた。打線が一回にセデーニョの2点中前適時打などで3点を奪い、試合の主導権を握ったが、投手陣がリードを守り切れなかった。プロ初勝利を狙ったD5位・篠原(福井工大福井高)が、石井に勝ち越し中前適時打を許すなど、2回?を投げて8安打4失点KO。プロの洗礼を浴び「今日の結果は悔しいです。追い込んでから決めるところで決めきれなかった点に関しては力不足だと感じました」と唇をかんだ。指揮官は来季を見据え「メンバーは変えたいと思います」。27日から若手中心のメンバーに変更することを示唆した。

◆2強のハイレベルなV争いを象徴するかのように、日本ハムも9年ぶり球団史上5度目のシーズン80勝に到達した。新庄剛志監督(53)就任1年目の2022年はシーズン81敗、翌23年も82敗。それが2年後にはリーグ優勝してもおかしくはない80勝の〝大台〟に到達した。指揮官は試合後「本当、何もないっスよ。全員で勝つのみ」とだけ語って球場をあとにした。ただ、23日には「1年目から今日までのレベルアップは計算に入れていたので、(80勝は)自分としては脚本通り。優勝を逃したとしても、次の年に(選手が)『てっぺんに行くぞ』という気持ちで取り組める」と熱く話していた。連敗を3で止めたのは新庄監督と〝同期〟の22年入団の7番・水野だった。同点の五回1死二、三塁でバックスクリーンに決勝の7号3ラン。自身初となる2戦連発に、「一応、バッティングを評価されてプロの世界に入ってきたので、下位打線だからといってナメられたくない。チャンスのときはボールの見え方がいい気がする」と胸を張った。胴上げを阻止する意地の1勝も、ソフトバンクの優勝マジックは「1」。3安打2打点の清宮幸は「途中まで負けてたのに、『あれっ?勝ってる。何だよー』って」と苦笑いだったが、まだ首の皮一枚つながっている。(東山貴実)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
83514 0.619
(↑0.002)
M1
(↑1)
5527
(+4)
381
(+3)
93
(+1)
97
(-)
0.256
(-)
2.420
(-)
2
(-)
日本ハム
80563 0.588
(↑0.003)
4
(-)
4540
(+8)
402
(+5)
127
(+1)
72
(-)
0.250
(↑0.001
2.570
(↓0.02)
3
(-)
ORIX
69643 0.519
(-)
13.5
(↓0.5)
7467
(-)
492
(-)
94
(-)
57
(-)
0.254
(-)
3.360
(-)
4
(-)
楽天
64702 0.478
(↓0.003)
19
(↓1)
7428
(+3)
499
(+4)
70
(-)
106
(+1)
0.247
(↑0.001)
3.360
(-)
5
(-)
西武
61723 0.459
(↓0.003)
21.5
(↓1)
7387
(+5)
432
(+8)
77
(+2)
87
(-)
0.233
(-)
2.930
(↓0.04)
6
(-)
ロッテ
55793 0.410
(-)
28
(↓0.5)
6432
(-)
538
(-)
73
(-)
67
(-)
0.242
(-)
3.640
(-)