DeNA(2対2)阪神 =リーグ戦25回戦(2025.09.23)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】大山 悠輔(12号・6回表ソロ)
【DeNA】筒香 嘉智(18号・2回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは1-1で迎えた5回裏、桑原の適時打で1点を勝ち越す。対する阪神は6回に大山のソロで同点とした。投げては、DeNAの先発・ケイが6回2失点、阪神の先発・ネルソンが5回2失点の投球。その後は両軍の救援陣が無失点リレーを展開し、試合は規定により引き分けに終わった。

◆阪神工藤泰成投手(23)が出場選手登録を抹消された。今季3度目となった。球団初の開幕前に支配下昇格した、育成ドラフト1位ルーキーの最速161キロ右腕。今月11日に約3カ月ぶりの1軍登録となり、4試合に登板し無失点だった。自身に失点はつかなかったが、前回登板の21日ヤクルト戦では2死一、二塁からマウンドに上がり、四球で満塁にして押し出しの死球を与えていた。代わってグラント・ハートウィグ投手(27)が出場選手登録された。シーズン途中の7月に加入。1軍ではここまで14試合に登板し防御率3・86で、9月11日に出場選手登録を抹消されていた。

◆前夜22日のラスト神宮での敗戦後、藤川球児監督(45)は、ファンへ手を振りあいさつした。「まずは最後、素晴らしい報告ができたこと。1年間が終わって、最後の神宮でしっかりとした報告ができたり、球場に来てくださったファンの方々も共有をしてくれたことは一番ですね」。そして、続けた。「1つのゲームと分けて考えないといけないですから。情けないゲームだったけれど、これがすごくいいきっかけになるんですよね」。22日のヤクルト戦は2-3で敗戦。7日の優勝決定後は初の3連敗となった。先発才木が6回に打球直撃のアクシデントに見舞われ、途中降板。8回に4番手ドリスがオスナに決勝ソロ本塁打を浴びた。2点リードの5回には、途中出場した一塁糸原の悪送球がからんで失点した。藤川監督には前を向ける理由がある。「悔しさとか情けなさとか、失敗したことを糧にしなければいけないので、常に順調で何も起こらずに行っている時の方が非常に危険なことが待っている。最初から言っている通り、糧にしてというところでは、課題が非常に多く出て、それはチームにとって非常にプラスなので楽しみですね」。今、目指しているのはCS突破、そして日本一。"本番"につながる黒星になるはずだ。

◆阪神森下翔太外野手(24)が約1カ月半ぶりにスタメンを外れた。代打で出場した8月8日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、37試合ぶり。今季2度目のベンチスタートとなった。ここまで全試合で出場を続けており、欠場なら今季初めてとなる。代わって3番には前川右京外野手(22)が入った。前日22日ヤクルト戦(神宮)では4回の守備から交代。藤川監督は「みんな、コンディションが常にパーフェクトという状態ではないですから。なので、これ以上にならないところで(止めているので)まあ大丈夫だと思いますけどね」と説明していた。この日の試合前練習ではトレーナーとともにストレッチなどを入念に行い、屋外でのフリー打撃には参加していなかった。

◆阪神先発のニック・ネルソン投手(29)が来日後初めて出塁した。5回1死二塁の第2打席。初球は空振りとなったが、豪快なスイングに観客がざわついた。その後フルカウントからDeNA先発ケイの152キロ速球を見逃して四球。同点につながった。来日1年目の右腕。初登板から20試合連続でリリーフとしてマウンドに上がっていた。9月4日中日戦から登板3試合連続で先発。NPB5打席目での初出塁となった。

◆阪神前川右京外野手(22)が難敵左腕相手に貴重な同点打を決めた。1点を追う5回2死満塁。DeNAケイの154キロ速球を捉えた。三遊間寄りに守備位置を寄せていた三塁筒香。シフトをあざ笑うように三塁線寄りにはじき返し、飛びつく筒香の横を抜いた。三塁走者を悠々と生還させる、同点打となった。この日は森下が今季2度目のベンチスタートとなり、「3番左翼」で先発。今季初の3番出場だった。この試合までケイに対しては今季6打数無安打だった中、初回2死の第1打席でも二塁への内野安打で出塁。CSでも対戦の可能性がある左腕相手にマルチ安打の結果を残した。

◆阪神大山悠輔内野手(30)が値千金の1発で、節目のアーチに王手をかけた。 1点を追う6回先頭。先発ケイに対し、フルカウントからの9球目だった。144キロの曲がり球を捉え、左翼席にたたき込む1発。20日DeNA戦(甲子園)以来、3試合ぶりの今季12号同点ソロとなった。この1発が大山の通算149号目。150号の大台にリーチをかけた。

◆阪神先発のニック・ネルソン投手(29)が来日最長タイの5回を投げ、2失点で降板した。自身の先発2連勝とはならなかった。来日1年目で、初登板から20試合連続でリリーフとして登板していた右腕。4日中日戦から、登板3試合連続で先発マウンドに上がった。2回にDeNA4番筒香に左越えソロを浴び、先制を許した。3、4回はともに四球で走者を背負いつつ無失点。同点とした直後の5回は桑原に右前適時打を許し、再び勝ち越された。5回を5安打2四球3奪三振の2失点。6回に大山悠輔内野手(30)の左越えソロで再度追いつき、勝ち負けつかずとなった。

◆今季2度目のベンチスタートとなった阪神森下翔太外野手(24)が、6回の守備から途中出場した。高寺に代わって右翼の守備につき「9番右翼」で出場。今季続けている全試合出場は継続された。この日は代打で出場した8月8日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、37試合ぶりのベンチスタート。前日22日ヤクルト戦(神宮)では4回の守備から交代しており、藤川監督は「みんな、コンディションが常にパーフェクトという状態ではないですから」と説明していた。

◆阪神及川雅貴投手(24)が、ついにNPB記録に並んだ。2-2の同点の7回に登板し、DeNA先頭の林を空振り三振に仕留めて降板した。これで17試合連続ホールド。藤川球児監督(45)が現役時代の05年に記録したNPB記録に並んだ。前夜の22日ヤクルト戦(神宮)でセ・リーグ単独2位となっており、連夜の記録更新となった。さらに51としたホールドポイント(HP)は21試合連続。こちらも藤川監督が05年に記録した球団記録を塗り替え、NPB2位タイとなった。高卒6年目の今季は開幕から好投を続け、ここまでリーグトップの65試合に登板。2年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。及川が8月13日広島戦から17試合連続ホールド。05年藤川(阪神)15年バリオス(ソフトバンク)がマークした連続試合ホールドのプロ野球記録に並んだ。また、及川は救援勝利を含む連続試合ホールドポイント(HP)が8月5日中日戦から21試合。連続試合HPの記録は10年浅尾(中日)の25試合で、21試合は05年藤川の20試合を抜いて24年松山(中日)に並び2位。HPの記録にもあと4試合に迫っている。

◆阪神が「佐野シフト」成功で大ピンチを守り切った。同点の延長10回、2死一、二塁の場面。打席には3番佐野を迎えた。この日も3本の二ゴロを放つなど、引っ張り傾向の打球が印象的な打者。阪神内野陣は一塁大山が一塁線上に寄り、二塁中野も一、二塁間へ。遊撃小幡、三塁佐藤輝もそれぞれ一塁側に守備位置をずらした。畠世周投手(31)が打たせた打球は、痛烈な当たりで一塁線上へ。一瞬ヒヤリとするような当たりとなったが、真正面を守っていた大山がガッチリつかんで一ゴロとなった。ベンチワークで一打サヨナラの場面を防いだ。

◆阪神及川雅貴投手(24)が、ついにNPB記録に並んだ。2-2の同点の7回に登板し、DeNA先頭の林を空振り三振に仕留めて降板した。これで17試合連続ホールド。藤川球児監督(45)が現役時代の05年に記録したNPB記録に並んだ。前夜の22日ヤクルト戦(神宮)でセ・リーグ単独2位となっており、連夜の記録更新となった。さらに51としたホールドポイント(HP)は21試合連続。こちらも藤川監督が05年に記録した球団記録を塗り替え、NPB2位タイとなった。及川が8月13日広島戦から17試合連続ホールド。05年藤川(阪神)15年バリオス(ソフトバンク)がマークした連続試合ホールドのプロ野球記録に並んだ。また、及川は救援勝利を含む連続試合ホールドポイント(HP)が8月5日中日戦から21試合。連続試合HPの記録は10年浅尾(中日)の25試合で、21試合は05年藤川の20試合を抜いて24年松山(中日)に並び2位。HPの記録にもあと4試合に迫っている。

◆阪神が珍しい走塁妨害を取られた。同点の延長11回無死一塁。5番山本の犠打は投手前に転がり、投手岩崎は一塁へ送った。しかしこの際、打球処理で前に出た捕手坂本が一塁へ向かう山本と接触。プレー直後に審判団で協議がなされ、直後に走塁妨害で無死一、二塁からのプレー再開がアナウンスされた。球審は「捕手が打者走者の妨害をしましたので、走者一塁、二塁で試合を再開します」と説明した。

◆阪神岩崎優投手(34)がサヨナラ負けの大ピンチを切り抜けた。2-2の11回に7番手として登板。四球や走塁妨害等で無死一、二塁とされ、犠打、申告敬遠で1死満塁となった。1点でも失えば敗戦決定の場面。DeNAの代打ビシエド、代打加藤を2者連続で空振り三振に斬り無失点とした。試合は同点のまま延長12回に突入した。

◆これぞ虎のガーディアン岩崎優 一死満塁のピンチを2者連続三振に抑える!試合は12回に突入!?プロ野球 (2025/9/23)??DeNA×阪神??live on DAZN#オレをみろ#阪神タイガース #だったらDAZN pic.twitter.com/TkLbxGgyIG

◆阪神は延長12回の激闘を今季4度目の引き分けで終えた。何度も走者を背負いながら、強力リリーフ陣が最後まで粘った。試合中盤は難敵の助っ人撃ちに成功した。1点を追う5回1死、DeNA先発ケイから坂本誠志郎捕手(31)が右翼へ二塁打を放ち出塁。ネルソンの四球、近本が右前打で続き2死満塁の好機で、3番前川右京外野手(22)がツーシームを捉えて同点の左前適時打を放った。再び1-2とビハインドになった6回には、先頭の大山悠輔内野手(30)が同点の12号ソロ。大山にとって通算149号となり、大台の150号に王手をかけた。ケイは試合前時点で今季の対戦防御率0・57と苦戦してきた相手。この日の計6安打は今季最多で、CSを前に布石を打った。阪神先発のニック・ネルソン投手(29)は先発2勝目こそならなかったが、5回5安打2失点の粘投。また、7回に登板して1アウトを奪った及川雅貴投手(24)は17試合連続ホールドとし、藤川球児監督(45)が現役時代の05年に記録したNPB記録に並んだ。

◆阪神は4時間29分戦って引き分け。DeNAとは14勝8敗3分けでレギュラーシーズンの対戦を終えた。試合後は、一列に並んで横浜スタジアムの左翼席に向かってあいさつした。全員での一礼を終えると選手会長の中野拓夢内野手(29)が1人進み出て、右翼席のDeNAファンにも深々と頭を下げた。続くように藤川球児監督(45)らも相手ファンに向かってあいさつした。DeNAファンからも拍手が起きた。ビジョンには「阪神タイガースファンの皆さま 今シーズンもご来場ありがとうございました」のメッセージが表示された。DeNAはCS進出を決めており、CSファイナルで相まみえる可能性がある。

◆DeNAが4時間超の大熱戦の末に引き分けに終わった。今季のリーグ戦での阪神最終戦を終え、8勝14敗3分けで対阪神の借金は6とした。残り5試合で2位を死守し、CSホーム開催へ半歩前進した。2回に4番の一振りで幸先よく先制した。先頭の筒香が阪神ネルソンの外角高め速球を捉えて左翼席へ18号ソロ。横浜スタジアムでは13本塁打目となる一打でリードをもたらした。10勝目を狙う先発のアンソニー・ケイ投手(30)は5回2死満塁で、前川に同点適時打を浴びて自身26イニングぶりに失点。直後の5回2死三塁、桑原が勝ち越し適時打を放つも、6回に大山に同点ソロを被弾して追いつかれた。ケイは6回6安打2失点8奪三振と試合を作るも、10勝目はならず。そのまま延長戦に突入した。延長戦は両軍ともにチャンスを生かし切れない展開が続いた。延長12回には1死二塁とチャンスを作ったが、無得点に終わった。

◆日本記録にオヨヨ! 阪神及川雅貴投手(24)が敵地DeNA戦で17試合連続ホールドを達成し、藤川球児監督(45)が現役時代の05年に記録したNPB記録に並んだ。2-2の7回に登板し、DeNA先頭の林を空振り三振に仕留めて降板した。今季51まで積み上げたホールドポイント(HP)も21試合連続で球団記録を塗り替え、NPB2位タイに浮上。リーグトップ65試合登板の左腕が球界屈指のリリーバーへ、猛スピードで突っ走っている。及川が8月13日広島戦から17試合連続ホールド。05年藤川(阪神)15年バリオス(ソフトバンク)がマークした連続試合ホールドのプロ野球記録に並んだ。また、及川は救援勝利を含む連続試合ホールドポイント(HP)が8月5日中日戦から21試合。連続試合HPの記録は10年浅尾(中日)の25試合で、21試合は05年藤川の20試合を抜いて24年松山(中日)に並び2位。HPの記録にもあと4試合に迫っている。

◆DeNAの今季本拠地最長の4時間29分の大熱戦は勝てなかったが、負けなかった。阪神との今季リーグ最終戦、延長戦では毎回サヨナラチャンスを作るも無得点に終わった。それでも伊勢の今季初回またぎなどリリーフ5投手で無失点リレーをつないだ。守備でも山本が延長戦で2度、二盗を阻止して守り抜き、2位死守へ残り5試合。三浦監督は「引き分けは引き分けですから。負けではなく。もう1つというところもありましたけど、リリーフも守備もよく守れてました」と粘りの戦いを評価した。▽DeNA筒香(2回無死、阪神ネルソンから左翼席へ先制の18号ソロ)「自分の感覚と打球方向も一致していた。感覚的にはずっと良いです」

◆阪神森下翔太外野手(25)がフルスイングで周囲の心配を吹き飛ばした。今季2度目のベンチスタート。前日22日のヤクルト戦(神宮)で途中交代し、藤川監督が体調に配慮したことを示唆していた。どこか痛めたような雰囲気もあった。一夜明け、練習は完全別メニュー。状態が心配されたが、6回の守備からグラウンドに飛び出した。3打席目となった延長12回1死二塁では入江から三塁線を襲う内野安打。「(試合を)決められれば良かったんですけど、そんな簡単に打てる投手ではない。途中からいく難しさは感じましたけど、最後ぎりぎり、引き分けで終われたので良かったんじゃないかと思います」と振り返った。23本塁打、89打点はともにリーグ2位。出塁率のタイトルも狙える。体調については「問題ないです」と繰り返した。全試合出場まで残り4試合。主軸の務めを果たすつもりだ。

◆阪神岩崎優投手(34)が不運でピンチを招きながらサヨナラ負けを防いだ。同点の延長11回、無死一塁からバントした山本と捕手坂本が接触。走塁妨害をとられ無死一、二塁となった。ここから犠打、申告敬遠で1死満塁になったがビシエド、加藤を空振り三振にしとめた。「いろいろなことが起こるのが野球ですから。カバーできたので良かったです」と少し笑みを浮かべた。

◆阪神大山悠輔内野手(30)が、難敵からの1発で通算150本塁打に王手をかけた。「CSで当たる可能性もある。そういう意味では良かったのかなと思います」。1点を追う6回先頭、DeNA先発ケイにフルカウントと追い込まれてから3球ファウルで粘った。そして9球目、内に入ってきたカットボールを完璧に捉え、左翼スタンドへ悠々と運んだ。3試合ぶりにかけたアーチは今季12号の同点ソロとなった。プロ野球史上182人目の大台にあと1と迫る通算149号。そして、CSに向けても大きな意味のある1本だ。ケイとは今季8度目の顔合わせ。試合前時点でチームは対戦防御率0・57と抑え込まれてきた。特に右打者は苦戦が続き、ここまで放った安打は7月26日の甲子園での大山の中前打のみだった。「1年間やられてきて、スコアラーさんをはじめ、チームでどういう対策をするのか1年間話し合って。それでもなかなかうまくいかなくて。最後の最後に相手に、ちょっと変えてきているなというイメージをつけられたと思います」この日は右打者の坂本も5回に二塁打をマーク。やられてばかりではいられない。チーム一丸で研究を続けた先に突破口が見えてきた。「どうなるか分からないけど、しっかり準備しつつやりたい。いつも言うように、残り試合少ないですけど、しっかり準備して、またやりたいです」。頼れる5番がいれば、怖くない。【磯綾乃】

◆阪神前川右京外野手(22)が難敵撃ちで猛アピールした。1点を追う5回2死満塁。1ボールから先発ケイの154キロツーシームを逆らわず、はじき返した。遊撃側に守備位置を寄せていた三塁手・筒香をすり抜ける三塁線への鋭い打球。値千金の同点打となった。「自分の中では消化試合でも何でもない。必死に食らいついて頑張りたい」今季初めて任された「3番左翼」スタメン。初回にもケイから二塁への内野安打を放ち、8回先頭の打席ではウィックから左前打を放った。4月20日広島戦以来、今季2度目の3安打猛打賞だ。「もう、結果だけだと思うので。当たりは良くなかったけど、3本打ててよかった」と表情を引き締めたまま振り返った。ケイに対しては自身今季3試合目の対戦。この試合までは今季6打数無安打に抑えられていた。「結果的にヒットになったので。次につながるかなと思います」。チームとしても試合前時点で対戦防御率0・57と苦しめられ続けた好左腕。今後のCSで戦うことも十分に考えられる相手に、価値ある2安打となった。開幕スタメンで幕を開けた25年だが、苦しみながらのシーズンを送っている。昨季は自己最多116試合に出場しながら、今季はここまで65試合。3度の2軍再調整を味わってきた。それでも1軍再昇格を果たした前日22日のヤクルト戦(神宮)では、左中間への適時二塁打を放って即アピール。2試合連続のスタメン起用となったこの日も結果を残した。「9・7」でリーグ優勝を決め、日本一を目標に掲げる現在。藤川監督は以前にも「この1カ月、すごい勢いできた選手が出てくれば、非常にその時に心強い」と話していた。再び存在感を高めつつあるシーズン最終盤。1打席たりとも無駄にはしない。【波部俊之介】

◆阪神畠世周投手(31)が連続無失点を10試合に伸ばした。同点の延長10回、1死二塁から蝦名を空振り三振、佐野もスライダーで一ゴロに仕留めた。力のある直球だけでなく、変化球の割合も多かった。9月3日の"阪神デビュー"以来、好投を続ける前巨人の右腕は「いやあ、何とかなりましたね。ゼロで帰れてよかった。継続できるようにしたい」と粘りの27球を振り返った。

◆阪神島本浩也投手(32)が今季初めて2イニングを任された。同点の8回に5番手で登板。先頭に安打を許したが併殺で切り抜け、9回も3人で制球よく打ち取った。「しっかり2イニングをゼロで抑えられたのはよかったと思います」と納得して振り返った。今季はなかなか調子を上げられず、再調整を繰り返してきたが、ここにきて本来の姿を取り戻している。

◆阪神伊原陵人投手(25)が攻めの投球で、3試合ぶりの無失点投球だ。延長12回、先頭蝦名に中前打を浴び1死二塁とされるも、3番佐野に直球を続けて遊飛。三森には四球を与えたが、最後は山本を142キロ直球で遊ゴロに打ち取った。2試合連続で回またぎで失点が続いていた左腕に、藤川監督は「伊原は違う姿をファンの方、チームメートも含めて見てもらえたのかな」と名前を挙げて評価。伊原も「強気で攻めるのが持ち味だったので、そこを思い出させてもらえた」と振り返った。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が攻守で奮闘した。0-1の5回1死、DeNAケイから右翼へ二塁打を放ち、前川の同点適時打につなげた。守っては投手8人を粘り強くリード。「みんな粘って投げてくれたので、今後対戦する可能性もあるし、負けるよりも、というのもあった」。延長11回の打球処理の際に、打者走者と接触し走塁妨害を取られたことに触れ「ザキさん(岩崎)にも迷惑をかけてしまったので申し訳ない。粘って投げてもらって、僕がザキさんに救ってもらった」と感謝した。

◆3度目の先発となった阪神ニック・ネルソン投手(29)は何とか仕事を果たした。2回に筒香に先制ソロを浴び、1-1の5回にも1点与えたが5回2失点にまとめた。「ロースコアの試合で無失点では終われなかったけど、最低限の仕事はできたと思う。いいアウトを重ねていけているのはいいこと」。最長6日連続で試合があるCSファイナル。先発候補の1人として準備を進める。

◆日本記録にオヨヨ! 阪神及川雅貴投手(24)が敵地DeNA戦で17試合連続ホールドを達成し、藤川球児監督(45)が現役時代の05年に記録したNPB記録に並んだ。2-2の7回に登板し、DeNA先頭の林を空振り三振に仕留めて降板した。今季51まで積み上げたホールドポイント(HP)も21試合連続で球団記録を塗り替え、NPB2位タイに浮上。両リーグトップ65試合登板の左腕が球界屈指のリリーバーへ、猛スピードで突っ走っている。笑顔のナインとハイタッチする及川が、やっと目尻を下げた。高校時代を過ごした横浜で、球史に名を刻むマウンドとなった。「いろんな人に助けてもらいながらの記録。感謝の気持ちを忘れずにいたい」2-2の7回に登板。フルカウントからDeNA先頭の林を空振り三振に斬った。1死を奪い、ハートウィグと交代。連続ホールド試合を17に伸ばし、藤川監督が現役時代の05年に作ったNPB記録に並んだ。「監督という立ち位置のタイミングで達成できてうれしい。抜かせるように頑張ります」さらに21試合連続ホールドポイント(HP)も、05年に指揮官が打ち立てた球団記録を塗り替えてNPB2位タイとなった。及川のフォームは繊細だ。左膝の使い方、重心の位置...。チェックポイントが多岐にわたる中、過去には疲労からフォームにズレが生まれるケースが少なくなかった。疲労がたまった時の対処法が課題だったが、25年の左腕はひと味違う。「疲れで思い通りに体を動かせていない時、どこをどう使えていないからなのか、考えられるようになってきました」自身の体を研究し尽くした結果、張りがある部位、動きにくくなった部位に気づけるようになった。「疲れで筋肉が張ることで、他の筋肉が働かなくなることが多い」。張った部位をほぐし、かたまった部位を動かすドリルを施すことで、パフォーマンスの向上に成功。今季は現時点で両リーグ最多の65試合でマウンドに上がっている。フル回転でブルペンを支えてきた左腕は現在リーグ2位の51HP。逆転でのタイトル奪取も現実味を帯びてきた。藤川監督は「目指すところがあるのは限られたプレーヤーだけ。よくきっちり抑えた」と左腕の成長に目を細める。チームはシーズン186HPでNPB記録を更新中。この日は計7人のリリーバーで6回からの7イニングを無失点に封じ込め、延長12回引き分けに持ち込んだ。及川は「ブルペンの雰囲気はずっといい。変わらず継続していけたら」と力強い。ポストシーズンでも、自慢のリリーフ陣がさらなる栄冠に貢献する。【塚本光】<及川雅貴(およかわ・まさき)>出身 2001年(平13)4月18日生まれ。難読で知られる千葉県匝瑳(そうさ)市の出身。スーパー中学生 匝瑳シニアで活躍しU15日本代表。テレビ番組の企画で現役プロと対戦し、当時中日の平田良介から三振を奪い全国的な有名人に。四天王 横浜高1年夏に甲子園デビュー。2年夏、3年春にも出場。奥川恭伸、佐々木朗希、西純矢と「ビッグ4」「四天王」と呼ばれたが1人だけU18日本代表から漏れた。プロ入り 19年ドラフト3位で阪神入り。2年目に39試合登板。23年は33試合で優勝に貢献。愛称 高校時代はオヨヨ、今はオヨ。「オヨヨ」のギャグを持つ落語家の桂文枝が「誰よりもオヨヨ及川雅貴投手をほめてあげたい」と今季優勝を祝福。サイズなど 184センチ、84キロ。左投げ左打ち。推定年俸3000万円。

◆阪神が敵地で延長12回の末に、今季4度目の引き分けとなった。試合後、リリーフについて聞かれた藤川球児監督(45)は、自ら1人の左腕の名前を挙げた。「個人名で言うと、伊原は違う姿をファンの方も含めて、チームメートも含めて見てもらえたのかなと。ああやって少しずつ成長するのかなというのは一つ感じましたね。失敗も成功もね」ルーキー伊原陵人投手(25)は2-2の延長12回に、ラストの8番手でマウンドへ。先頭蝦名に中前打を浴び1死二塁とされるも、3番佐野に直球を続け遊飛。三森には四球を与えたが、最後は山本を142キロ直球で遊ゴロに打ち取った。伊原は4月から先発が続いていたが、リリーフへ再び配置転換。この試合前まで回またぎで2戦連続の失点が続いていた。2回2失点を喫した20日DeNA戦(甲子園)の後、指揮官は伊原に「かわす技より強さを。うまさというものは、時期はもう過ぎているので、次は強さを身につけるということがこれからは必要になる」とさらなる成長を促していた。この日は「違う姿」を見せ、伊原も「やっぱり強気で攻めるのが持ち味だったので、そこを忘れないように、また思い出させてもらえた」とうなずいていた。

◆阪神のグランド・ハートウィグ投手(27)が試合前練習に合流した。出場選手登録されれば、11日以来となる。助っ人右腕は今季14試合に登板、2勝0敗、4ホールド、防御率3・86。直近2戦のウエスタンでは1回をいずれも三者凡退に抑えていた。

◆阪神・森下翔太外野手(25)は本隊とともに横浜スタジアムに入った。22日のヤクルト戦(神宮)では三回に空振り三振を喫した際に左肩付近を気にするしぐさを見せ、四回の守備から途中交代となっていた。一夜明けて、状態については「大丈夫です」と一言。試合の出場については「今日のことはまだわからないです」と話した。

◆阪神・工藤泰成投手(23)が23日、出場選手登録を抹消され、代わってグラント・ハートウィグ投手(27)が登録された。工藤は今季18試合に救援登板して0勝2敗、1ホールド、防御率3・31。11日に再昇格して、14日の中日戦(甲子園)でクリーンアップを三者連続三振に斬るなど存在感を見せたが、21日のヤクルト戦(神宮)では救援登板して1/3回を2四死球。今季3度目の登録抹消となった。7月に新加入したハートウィグは、14試合に登板して2勝0敗、防御率3・86。直近2戦のウエスタンではいずれも1回を三者凡退に抑えていた。

◆3連敗中の阪神はニック・ネルソン投手(29)が先発する。今季は22試合に登板して2勝1敗、防御率1・63。直近2戦は先発としてマウンドに上がり、前回登板の15日の中日戦(甲子園)では5回1失点の好投で先発初勝利を挙げた。打線は、22日のヤクルト戦(神宮)で四回の守備から途中交代していた森下翔太外野手(25)がベンチスタート。3番には前日に1軍に昇格して適時二塁打を放った前川右京外野手(22)。高寺望夢内野手(22)がプロ初の右翼スタメンとなった。

◆先発した阪神のニック・ネルソン投手(29)が先制点を献上した。一回は3人で抑えるも二回だった。先頭・筒香にカウント2―0から、外角への147キロの直球を打ち返され、左翼スタンドギリギリに、18号ソロをたたき込まれた。ネルソンは、これが7月21日の巨人戦(東京ドーム)以来の被弾。直近2戦は先発としてマウンドに上がり、前回登板の9月15日の中日戦(甲子園)では5回1失点の好投で先発初勝利を挙げていた助っ人右腕だったが、手痛い一発を浴びた。

◆DeNA・筒香嘉智外野手(33)が4番で先発出場し、二回に先制の18号ソロ本塁打を放った。ネルソンの直球を逆方向にはじき返しすと、打球は左翼スタンドに吸い込まれた。自身14試合ぶりの4番で期待に応えた一発。9月18戦14勝と好調のチームを支える大砲は、「アウトコースの強いボールに対して、コンパクトにハードヒットできました。チームにとって勢いづくきっかけになってくれればうれしいです」と笑顔で振り返った。

◆阪神がDeNAのケイから19イニングぶりに得点を挙げ、同点に追いついた。0-1の五回1死、坂本誠志郎捕手(31)が右翼の横を抜く二塁打を放った。これが今季8度目の対戦となったケイから、佐藤輝明内野手(26)以外の選手がマークした初の長打。さらに続くニック・ネルソン投手(29)の四球、近本光司外野手(30)の右前打で1死満塁と絶好機を演出。中野拓夢内野手(29)が倒れて2死となるも、3番に座った前川右京外野手(22)が左前打を放って同点に追いついた。22日に1軍昇格した前川は2試合連続適時打を記録。森下翔太外野手(25)がスタメンを外れた一戦で存在感を見せた。

◆先発した阪神のニック・ネルソン投手(29)が同点に追いついた直後に、再びリードを許す失点を喫した。五回に前川右京外野手(22)の適時打で同点に追いついた。しかしその裏、先頭の林に中前打で出塁を許すと、犠打で得点圏に走者を背負う。1番・蝦名は二ゴロに打ち取るも、2番・桑原に初球チェンジアップを右前へ運ばれ、勝ち越しを許した。

◆阪神がDeNAのケイから19イニングぶりに得点を挙げ、同点に追いついた。0-1の五回1死、坂本誠志郎捕手(31)が右翼の横を抜く二塁打を放った。これが今季8度目の対戦となったケイから、佐藤輝明内野手(26)以外の選手がマークした初の長打。さらに続くニック・ネルソン投手(29)の四球、近本光司外野手(30)の右前打で1死満塁と絶好機を演出。中野拓夢内野手(29)が倒れて2死となるも、3番に座った前川右京外野手(22)が左前打を放って同点に追いついた。22日に1軍昇格した前川は2試合連続適時打を記録。森下翔太外野手(25)がスタメンを外れた一戦で存在感を見せた。「打ったのはツーシーム。皆さんが繋いでくれたチャンスだったので、思い切ってファーストストライクから仕掛けていく気持ちで打席に立ちました」とコメントした。

◆阪神が大山悠輔内野手(30)の12号ソロで同点に追いついた。1-2の六回先頭でDeNAの先発・ケイのカットボールを仕留めた。粘ってフルカウントにこぎつけての9球目。低い軌道で飛び出した打球は、虎党が陣取る左翼スタンドに突き刺さった。今季の阪神はケイに7試合で防御率0・57と完璧に抑えられてきた。大山も試合前まで16打数1安打と苦しめられてきた天敵からの一発。短期決戦を見据えても意味のある一発で、試合を振り出しに戻した。

◆先発した阪神のニック・ネルソン投手(29)は5回78球を投じ、5安打2失点で降板した。一回は安打を許しながら併殺で切り抜けた。しかし、二回先頭の筒香に18号ソロを叩き込まれ、先制点を献上。三、四回は四球で走者を背負ったが、直球とチェンジアップを軸にゼロに封じた。前川右京外野手(22)の適時打で同点に追いついた直後の五回には、ヒットと犠打でピンチを背負い、桑原の適時打で一時勝ち越しを許した。六回からは岩貞祐太投手(34)が登板する。ネルソンは直近2戦、先発としてマウンドに上がり、前回登板の9月15日の中日戦(甲子園)では5回1失点の好投で先発初勝利を挙げた。先発として3戦目となったこの日も得点こそ与えたが、試合を作る力投を見せた。

◆阪神の森下翔太外野手(25)が六回の守備から途中出場。開幕から挑んできた全試合出場は継続となった。22日のヤクルト戦(神宮)では途中交代。藤川球児監督(45)も「コンディションが常にパーフェクトという状態ではない」と話していただけに心配されたが、試合復帰となった。「9番・右翼」として試合に入り、七回先頭では2番手の森原と対戦して右飛に倒れた。

◆先発した阪神のニック・ネルソン投手(29)は5回78球を投じ、5安打2失点で降板した。一回は安打を許しながら併殺で切り抜けた。しかし、二回先頭の筒香に18号ソロを叩き込まれ、先制点を献上。三、四回は四球で走者を背負ったが、直球とチェンジアップを軸にゼロに封じた。前川右京外野手(22)の適時打で同点に追いついた直後の五回には、ヒットと犠打でピンチを背負い、桑原の適時打で一時勝ち越しを許した。六回からは岩貞祐太投手(34)が登板する。ネルソンは直近2戦、先発としてマウンドに上がり、前回登板の9月15日の中日戦(甲子園)では5回1失点の好投で先発初勝利を挙げた。先発として3戦目となったこの日も得点こそ与えたが、試合を作る力投を見せた。「前回登板も5イニングだったけど今日は変化球もある程度ゾーンにコントロールすることができて、いい感触だったね。先制され勝ち越しもされてしまったけど、1点ずつで崩れなかった。ゲームメイクできたところはよかったね」とコメントした。

◆阪神・及川雅貴投手(24)が金字塔を打ち立てた。2-2の七回に3番手で登板。先頭の林をフルカウントから内角カットボールで空振り三振に斬った。1人を抑えたところで藤川球児監督(45)はグラント・ハートウィグ投手(27)をマウンドへ。わずか6球で及川は降板し、ホールドを記録した。勝利の方程式として1年間フル回転した及川は、今季65試合に登板して6勝3敗、45ホールド、防御率0・89。8月13日の広島戦(マツダ)から17試合連続ホールドとし、2005年の藤川球児、15年のバリオス(ソフトバンク)のNPB記録に並んだ。また、同5日の中日戦(バンテリンドーム)から21試合連続ホールドポイントとなり、05年に藤川が樹立した球団記録を抜いて、単独1位に躍り出た。

◆阪神が今季4度目のドロー。苦手としていたアンソニー・ケイ投手(30)から前川右京外野手(22)の適時打、大山悠輔内野手(30)の12号本塁打で2点を奪うも、六回以降は無得点。投手陣は十回から3イニング連続のサヨナラ負けの窮地で粘りの投球を見せた。40号の期待がかかった佐藤輝明内野手(26)は無安打2三振1四球。スタメン外の森下翔太外野手(25)は六回に守備に就き、中野拓夢内野手(29)とともに全試合出場を継続した。また七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録に並ぶ17戦連続Hとし、21戦連続HPは2位タイで球団記録となった。

◆阪神が今季4度目のドロー。苦手としていたアンソニー・ケイ投手(30)から前川右京外野手(22)の適時打、大山悠輔内野手(30)の12号本塁打で2点を奪うも、六回以降は無得点。投手陣は十回から3イニング連続のサヨナラ負けの窮地で粘りの投球を見せた。40号の期待がかかった佐藤輝明内野手(26)は無安打2三振1四球。甲子園4試合に持ち越しとなった。スタメン外の森下翔太外野手(25)は六回に守備に就き、中野拓夢内野手(29)とともに全試合出場を継続した。また七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録に並ぶ17戦連続Hとし、21戦連続HPは2位タイで球団記録となった(成績=83勝52敗4分、観衆=3万3880人)。

◆DeNA・ケイは6回2失点と試合をつくり「完璧な投球ではなかったが、及第点の投球ができた」と振り返った。1点リードの五回は前川に左前適時打を浴び、再び1点をリードした六回には大山にソロ本塁打を浴びた。今季10勝目を逃したが、阪神戦は今季8度目の登板で防御率0・85(53回を自責点5)。全登板でクオリティースタート(先発で6回以上、自責点3以内)を記録した。

◆DeNAは二回、筒香の18号ソロで先制。同点の五回には桑原の適時打で突き放したが、再び追いつかれると、その後は何度も好機を作りながら得点を奪えず。今季6度目の引き分けとなった。投げては先発のケイが6回2失点、救援の5投手が無失点リレーをみせた。

◆阪神が今季4度目のドロー。苦手としていたアンソニー・ケイ投手(30)から前川右京外野手(22)の適時打、大山悠輔内野手(30)の12号本塁打で2点を奪うも、六回以降は無得点。投手陣は十回から3イニング連続のサヨナラ負けの窮地で粘りの投球を見せた。40号の期待がかかった佐藤輝明内野手(26)は無安打2三振1四球。甲子園4試合に持ち越しとなった。スタメン外の森下翔太外野手(25)は六回に守備に就き、中野拓夢内野手(29)とともに全試合出場を継続した。また七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録に並ぶ17戦連続Hとし、21戦連続HPは2位タイで球団記録。

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)がDeNAアンソニー・ケイ投手(30)を攻略できなかった佐藤輝明内野手(26)を中心の阪神打線に言及したシーズンを通して抑えられたケイを、またしても攻略できなかった。前川の適時打と大山の一発で2点は奪ったが、六回まで投げられて、相変わらず8三振を奪われた。バットがクルクル回っていたという印象だ。抑えられ方がまずい。カットボールに全く対応できず、それがこの試合でも繰り返された。攻略できる気配すらない。一年間、同じやられた方だった。しかも佐藤輝は全く合っていない。今年の阪神は、やはり佐藤輝次第の部分がある。佐藤輝が打てば、阪神ペースで得点できるが、佐藤輝が抑えられると、一気に得点力が落ちる。この試合が象徴的だ。DeNAはCSファーストステージはジャクソン、東の2枚を投入して、ケイをなんとか阪神戦に温存したいだろう。ケイの投球は広い甲子園でさらに威力を増す。阪神打線は、横浜では一発で得点できても、甲子園ではそれが望めない。さらに、先日抑えられた竹田、さらには石田裕ら、阪神戦で好投する先発投手が複数いる。阪神の投手陣が安定しているとはいえ、DeNA投手陣と阪神打線の対戦を考えると、不安要素がかなり増している。

◆阪神が今季4度目のドロー。苦手としていたアンソニー・ケイ投手(30)から前川右京外野手(22)の適時打、大山悠輔内野手(30)の12号本塁打で2点を奪うも、六回以降は無得点。投手陣は十回から3イニング連続のサヨナラ負けの窮地で粘りの投球を見せた。40号の期待がかかった佐藤輝明内野手(26)は無安打2三振1四球。甲子園4試合に持ち越しとなった。スタメン外の森下翔太外野手(25)は六回に守備に就き、中野拓夢内野手(29)とともに全試合出場を継続した。また七回に登板した及川雅貴投手(24)はNPB記録に並ぶ17戦連続Hとし、21戦連続HPは2位タイで球団記録。

◆DeNAは延長で続けて好機を得たが、あと一本が出なかった。延長十一回1死二、三塁からの代打策が失敗。オースティンは敬遠で勝負を避けられ、ビシエド、加藤がともに3球三振に倒れた。三浦監督は相手の満塁策も想定した上で、3人の状態によって代打起用の順番を決めたという。「結果論。点が入らなかったらベンチの責任」と唇をかんだ。26日からは本拠地で3位巨人と2連戦。2位を死守すべく、監督は「目の前の試合を全力で戦っていくだけ」と意気込んだ。

◆阪神ニック・ネルソン投手(29)は5回5安打2失点だった。「5イニングだったけど、変化球もある程度ゾーンにコントロールすることができて、いい感触だった」。二回に先制ソロ、1―1の五回に勝ち越し点を許したが、中継ぎから先発に配置転換となって3度目の先発だった今回登板を終え「いいアウトを重ねていけているということは、自分の中でもいいことかな」と納得顔だった。

◆阪神・島本浩也投手(32)が回またぎで奮闘した。2-2の八回に5番手で登板。先頭の桑原に安打を許したが、続く佐野を併殺打に打ち取って2死を奪うと、筒香を遊飛に仕留めて無失点。2イニング目は山本、度会、石上を三者凡退に抑えた。21日に昇格後、2戦連続無失点とし「しっかり2イニングをゼロで抑えられたのはよかった」と胸を張った。

◆22日のヤクルト戦(神宮)で途中交代した阪神・森下翔太外野手(25)は六回の守備から出場。延長十二回1死二塁では、チャンスを拡大する痛烈な三塁への内野安打を放った。「(体は)問題ないです。途中からの難しさはあったが3打席もあったので。最後ギリギリ、引き分けで終われてよかった」。地元・横浜での今季最終戦で元気な姿を披露し、チーム一丸でのドローに胸を張った。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)は五回にケイから右翼への二塁打を放ち、一時同点となる攻撃の起点となった。六回以降の救援陣の無失点リレーも女房役としてリードし、「本当に粘って投げてくれた」と仲間をたたえた。延長十一回の無死一塁では犠打の処理で打者走者・山本と接触し、走塁妨害をとられた。「ザキさん(岩崎)に迷惑をかけてしまったので申し訳ないけど、粘って投げてもらって、救ってもらった」。ピンチを2者連続三振などで断った先輩に感謝した。

◆延長十一回に7番手で登板した阪神・岩崎優投手(34)は絶体絶命のピンチを切り抜けた。先頭の筒香に四球を与えると、続く山本の犠打で坂本誠志郎捕手(31)が走塁妨害を取られてオールセーフ。1死満塁の場面を招いたが、代打ビシエド、代打加藤を2者連続三球三振に斬った。5試合連続無失点とした左腕は「カバーできたので良かったです。また頑張ります」とコメントした。

◆延長十二回を任された阪神・伊原陵人投手(25)が強気の投球でドローをもぎ取った。「『チームが負けないように』という思いだけは持ってマウンドに上がれた」。安打と犠打で1死二塁を招くも、後続を断った。変化球主体で2失点を喫した20日のDeNA戦(甲子園)後に「強さを身につけるということがこれからは必要になる」と指摘をしていた藤川球児監督(45)は直球主体の投球に「伊原は違う姿を見てもらえた。ああやって少しずつ成長するのかな」と目を細めていた。

◆2位・DeNAが阪神に引き分け、3位・巨人が広島に敗れたため、2位を争う2球団のゲーム差は2・5に広がった。DeNAの2位確定は最短で27日。26、27日のDeNA-巨人(横浜)の直接対決でDeNAが連勝もしくは1勝1分けで、2022年以来3年ぶりの2位が決定する。

◆虎の絶対的リリーバーが金字塔を打ち立てた。阪神・及川雅貴投手(24)が同点の七回に3番手で登板すると、打者1人を抑えてお役御免。2005年の藤川球児(阪神)、15年のバリオス(ソフトバンク)のNPB歴代1位に並ぶ、17試合連続ホールド(H)を記録し、拍手に包まれながらマウンドを降りた。「単純にうれしいです。本当にいろんな人に助けてもらいながらの記録なので、感謝の気持ちを忘れずに」今季65試合目の登板でも淡々と仕事をこなしてみせた。先頭の林をフルカウントから内角カットボールで空振り三振。すると、わずか6球にも関わらず藤川監督は交代を告げた。指揮官は「本当ならシャットダウンして休みでも良かったんですけど。目指すべきところがあるのは、限られたプレーヤーだけですから」と説明。現役時代に自身が樹立した記録に挑戦する若虎をアシストした。21試合連続ホールドポイント(HP)は藤川監督の球団記録を抜いて単独1位だ。高卒6年目での大ブレークの裏には、先輩左腕からの金言があった。「去年、ツーシームが良くなくて...。高橋遥人さんに相談しました」。ツーシームに落差が出ないことに悩んでいた及川は、キレのあるツーシームを武器とする高橋に助言を求めた。高橋からは「スプリットのように落ちる系のツーシームで、高さで勝負するボールだから(ベースの)横幅から外れたらバッターの反応もない」とアドバイスをもらい、手首が寝ている癖も指摘されて修正した結果、ボールに磨きがかかった。「去年途中から変えて終盤良くなった。それを継続して、今年いいことにもつながっています」今季は進化した武器が投球を支え、ここまで防御率0・89という圧倒的な数字をマークしている。今季45HはNPB歴代5位タイ。51HPで1位の大勢(巨人)に1差とし、最優秀中継ぎのタイトル獲得も現実味を帯びてきた。「(連続Hは)年間通して投げていないと達成できない記録だと思うし、そこは自分が求めていたところ。今年だけに限らず、来年、再来年と続けていけるように頑張ります」覚醒した左腕が、前人未到の領域に足を踏み入れる。(萩原翔)

◆2位DeNAは23日、阪神最終戦に延長十二回の末、2―2で引き分けた。横浜スタジアムでは今季最長4時間29分の死闘で救援陣が奮闘。九回から登板した伊勢大夢投手(27)が今季初のイニングまたぎで2回を無失点に抑えるなど、七回以降は5投手が投げて得点を与えなかった。広島に敗れた3位巨人とのゲーム差は2・5。26日からの巨人2連戦(横浜)で連勝するか1勝1分けで、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを本拠地で開催できる2位が確定する。どこまでも冷静に仕事を全うした。不振の入江に代わり抑えを務める伊勢が、九回から登板して今季初のイニングまたぎ。勝利こそならなかったが、引き分けに持ち込む力投に息をついた。「われながら周りがよく見えていた。リリーフで最近、一番状態がいいと思ってもらえていると自分では思っている。序盤はウィックがそういう場面をやってくれていた。今は自分の番」二回に筒香が先制の18号ソロ、五回には桑原が適時打。先発のケイは2度追い付かれたものの、6回2失点と試合をつくった。同点のまま、七回以降は5人のリリーフ陣が〝奮投〟。その中でただ一人、2イニングを任されたのが伊勢だった。七回から森原、ウィックとつなぎ、九回のマウンドへ。先頭打者の小幡が初球でセーフティーバントを狙い捕ゴロ。伊勢はこの時点で延長十回のマウンドを想定したという。今季開幕前は志願して先発に挑戦した右腕は「先発できるじゃんってアピールしちゃおうって思った」と冗談交じりに語りながらも「結構、冷静だった。先発をやったから、(球数は)そんなに気にならない」。2回25球を投じて無失点。貫禄の投球だった。1年目から救援を務めてきた右腕は、2022年に71試合で防御率1・72を記録。抜群の安定感を誇り、ファンの間で「伊勢大明神」の異名を取った。今季は32ホールド、12セーブ。阪神とはこの日がレギュラーシーズン最終戦で、クライマックスシリーズ(CS)を見据えて「本番は、こうはいかないと思いながらマウンドを降りた」と気を引き締めた。その後は宮城、入江が無失点リレー。十回と十一回には1死一塁から捕手・山本が盗塁を刺して二塁を踏ませず、スコアボードに「0」を並べた。打線こそあと1本が出なかったが、三浦監督は「追い付かれた中、リリーフ陣が走者を出した後も、しっかり粘れていた。粘り強く、中盤以降に1点もやらずにいけたのは大きかった」と評価した。2・5ゲーム差とした3位巨人とは横浜スタジアムで26、27日に直接対決する。連勝するか1勝1分けで2位が確定し、CSファーストステージを本拠地で開催する権利を得る。三浦監督は「目の前の試合を全力で戦っていくだけ」と意気込んだ。(阿部慎)

◆白球が黄色く染まった左翼スタンドに吸い込まれると、この日一番の歓声が沸き起こった。今季やられ続けてきたケイに意地の一発。阪神・大山悠輔内野手(30)が〝右の大砲″のプライドをかけ、同点弾をたたき込んだ。「一年間やられてきて、スコアラーさんをはじめ、チームで対策してきた。最後の最後に『(対策を)変えてきているな』というイメージをつけられた。CSで当たる可能性もあるので、そういう意味ではよかった」粘りに粘った末の失投を見逃さなかった。1―2の六回、先頭で打席に入ると、フルカウントから3球連続でファウル。9球目の甘く入ったカットボールを迷いなく振りぬいた。「とにかく塁に出ることを考えた結果がいい結果につながった」。通算150本塁打に王手をかける3試合ぶりの12号ソロ。ケイも思わず苦悶(くもん)の表情を浮かべた。試合前の時点でチームは昨季からケイに対して通算打率・188。今季は・135と抑えられてきた。本塁打は昨年と今年に放った佐藤輝の2発。右打者の今季の安打は大山の1安打のみだったが、ようやくケイに対してチームの右打者として初アーチを食らわせた。CSでも対戦する可能性があるだけに、価値ある一発だった。大山は今季1号が20試合85打席目。開幕直後はなかなか本塁打が出なかったが、最終盤に頼もしさが戻ってきた。これが月別で最多となる9月4発目。8月も3本のアーチを架けており、今季12の本塁打のうち、半数以上を直近2カ月で記録している。第1、5打席には四球を選び、今季69個はリーグトップ。出塁率は・357に上昇した。「残り試合は少なくなってきているので、しっかりと準備していきたい」いつも通り、目の前の戦いを見据えた。森下や佐藤輝だけじゃない。大山も脅威を与え続ける。(秋葉元)

◆CS左翼は俺や! 阪神・前川右京外野手(22)がDeNA戦に「3番・左翼」で出場。0-1の五回に難敵のケイから19イニングぶりの得点となる左前適時打を放つなど、3安打1打点をマークした。今季は開幕左翼で迎えながら、不振で2軍落ちも経験したが、前日に1軍再昇格後2試合連続タイムリー。クライマックスシリーズ(CS)でのスタメン取りへ猛アピールだ。一年間の意地がバットに宿った。このまま終わるわけにはいかない。前川が必死に食らいついた。難敵からの適時打を含む3安打。CSに向け、必死のアピールだ。「(求められるものは)もう結果だけだと思うので。当たりは良くなかったですけど、3本出てよかったかなと思います」ベンチスタートとなった森下に代わって今季初の「3番・左翼」でスタメン出場。チャンスをものにした。左腕・ケイから一回に二塁への内野安打でHランプをともすと、0―1の五回は2死満塁の好機で速球にアジャストした。「前で打とうと思ったら差されて、逆方向に飛んだ」と大きく三遊間に寄っていた三塁手の左を抜く左前適時打。試合前まで防御率0・57と、虎を完璧に抑えてきた左腕から、19イニングぶりとなる得点をたたき出した。八回にも詰まりながら左翼の前に落とし、4月20日の広島戦(甲子園)以来、今季2度目となる猛打賞。「まだまだ完成はしていないと思うが、よくはなってきているので、外野の前に落ちるのかなと思う」。再昇格即スタメンで適時二塁打と存在感を見せた前日22日のヤクルト戦(神宮)を合わせ、2日で8打数4安打と結果を残した。2年連続の開幕左翼を勝ち取って迎えた4年目は、思うような道のりではなかった。4月には14試合連続安打を記録したが、そこから不調に陥ると5月22日に初降格。再び6月中旬に登録されても7月にまた抹消。8月には僅か6打席でファームに逆戻りし、1カ月の長い2軍生活となった。

◆1死一、三塁から一塁走者が盗塁を狙ってスタート。打者が打って、遊直。三塁走者も走っていたため、三塁へ送球されて併殺-。阪神の攻撃で二回に起きたプレーだ。眺めながら、ピヨピヨ記者時代の記憶がよみがえった。全く同じプレーが起きた。「三走が飛び出してしまい...」という原稿を書いた。翌日の練習前、当時の近鉄監督だった仰木彬に手招きされた。「野球教室や!」そう言って始まった1対1の〝野球塾〟は生涯忘れられない。「あの状況で、一塁走者がスタートして、打者が打って、ライナーならどこへ飛んでも、戻れない。だから、もう併殺は仕方ない。ということは、一走のスタートによって、必然的に三塁走者も絶対にスタートを切らなければいけない。わかるか?」はい...。「ということは、三走が飛び出したことを責める原稿を書いたらアカン。もっともっと野球の勉強をしろ」ニヤリと笑って、「さあ、選手の取材をしてこい」と励まし付きで送り出された。申し訳ありませんでした...。

◆たかが消化試合、されど消化試合。わが阪神はもう一度、最速で優勝を決めた日に藤川監督が発した「ペナントを取る、そのチームだけがチャンピオンですから、われわれがリーグチャンピオンです」、あの言葉とプライドを胸に戦うべきなのだ!!9月に試合前まで14勝(4敗)と確かに強いDeNAだろうけど、大事なところでバント失敗や走塁ミス...。DeNAにおびえすぎやろー!!唯一、チャンピオンの尊厳をみせてくれたのは延長十一回に登板した岩崎だったのだ。捕手の坂本がバント処理で打者走者と接触したことにより、走塁妨害をとられ、1死満塁という絶体絶命のサヨナラのピンチに顔色ひとつ変えず、DeNA・ビシエド、加藤を2者連続で3球三振!! 藤川監督のあの言葉の裏には「もしCSで負けても覇者はうちやでェ」なんて小さい気持ちは一切ないから!! チャンピオンは必ずCSも勝利します!! 宣言に猛虎よ、気付いてるかー!!おっと、17試合連続ホールドでプロ野球記録に並んだ及川のプライド、麗しかったでェ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
阪神
83524 0.615
(-)
-
(-)
4479
(+2)
339
(+2)
90
(+1)
99
(-)
0.244
(-)
2.180
(↑0.01)
2
(-)
DeNA
68646 0.515
(-)
13.5
(-)
5474
(+2)
430
(+2)
103
(+1)
63
(-)
0.242
(-)
2.860
(↑0.01)
3
(-)
巨人
67683 0.496
(↓0.004)
16
(↓0.5)
5437
(-)
440
(+5)
93
(-)
51
(+1)
0.248
(-)
2.920
(↓0.02)
4
(-)
中日
61752 0.449
(↑0.005)
22.5
(↑0.5)
5388
(+3)
443
(-)
79
(+2)
79
(-)
0.231
(-)
2.940
(↑0.02)
5
(-)
広島
59745 0.444
(↑0.005)
23
(↑0.5)
5435
(+5)
464
(-)
71
(+1)
56
(-)
0.247
(-)
3.080
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
52776 0.403
(↓0.003)
28
(↓0.5)
8403
(-)
537
(+3)
83
(-)
58
(-)
0.233
(-)
3.610
(↑0.01)