| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 3 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 12 | 1 | 0 |
巨人 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2X | 11 | 14 | 0 | 2 |
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勝利投手:中川 皓太(2勝3敗0S) 敗戦投手:ドリス(2勝1敗0S) 本塁打 | |||||||||||||
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◆巨人が打撃戦を制した。巨人は6-10で迎えた7回裏、岡本の適時二塁打とリチャードの適時打で1点差に迫る。その後9回には代打・坂本が2点適時打を放ち、逆転サヨナラ勝利を収めた。投げては、6番手・中川が今季2勝目。敗れた阪神は、7番手・ドリスが踏ん張りきれなかった。
◆阪神高橋遥人投手(29)が、今季最後の「伝統の一戦」となる13日巨人戦(東京ドーム)に先発する。チームにとっては勝利すれば23年に並びシーズン最多の巨人戦18勝。さらに97年ヤクルト以来となる東京ドームシーズン10勝となる。甲子園での指名練習で調整した左腕は「しっかり試合をつくれるよう頑張る」と燃えた。宿敵にめっぽう強かった今季を象徴するゲームにする。たび重なる手術を乗り越えた高橋にとって、東京ドームのマウンドは21年10月14日以来4年ぶりだ。巨人戦は8月30日(甲子園)以来、2試合連続で今季2度目。前回は今季最短5回で最多8安打も2失点で3勝目を挙げている。今後はポストシーズンを見据えた先発枠の争いも激化するが「目の前の1試合1試合という感じ」と登板に集中する。チームは7日にリーグVを決め、ここまで129戦で79勝47敗、3分け。2年ぶりのシーズン80勝に王手。03、05年と並ぶ球団最多87勝も十分に射程圏内だ。今季3戦負けなしの左腕が、最後の巨人戦でも虎の強さを見せつける。【塚本光】
◆巨人のドラフト2位ルーキー、浦田俊輔内野手(23)が東京ドームでの試合前練習に参加した。午前11時過ぎに球場に姿を見せると、阿部慎之助監督(46)ら首脳陣にあいさつ。その後はキャッチボールなどで体を動かした。浦田は5月6日阪神戦(東京ドーム)でプロ初安打を記録したが、同14日に2軍に降格。ファームでは91試合に出場して打率2割8分、16打点、20盗塁の成績を残していた。
◆近鉄、巨人、オリックスで活躍したタフィ・ローズ氏(57)が東京ドームに来場した。巨人阿部慎之助監督(46)ら、かつてのチームメートとも談笑しながら巨人の練習を見守った。ローズ氏は90年にメジャーデビューし、カブス、レッドソックスでもプレーした。メジャー通算225試合、132安打、13本塁打、44打点、打率2割2分4厘。96年に来日し、近鉄でプレー。日本球界通算464本塁打は外国人最多記録となっている。
◆阪神畠世周投手(31)が、古巣・巨人のナインと交流した。昨年12月の現役ドラフトで加入。移籍後初の東京ドームでの試合となる。阿部慎之助監督(46)や投手陣らにあいさつをした。前回対戦の8月31日(甲子園)で1軍初昇格。選手らにはあいさつしたが、「阿部さんにはあいさつできていない」と明かしていた。この日は今季最後の「伝統の一戦」で、マウンドに上がれば巨人戦での初登板。「投げたい」と意気込んでいた。
◆巨人門脇誠内野手(24)が右臀部(でんぶ)痛のため、1軍出場登録を抹消された。今季はここまで81試合に出場して打率2割2分3厘、4打点、6盗塁をマークしていた。門脇に代わって、ドラフト2位ルーキーの浦田俊輔内野手(23)が1軍登録された。この日は、午前11時過ぎに球場に姿を見せると、阿部慎之助監督(46)ら首脳陣にあいさつ。その後はキャッチボールなどで体を動かした。2軍戦には91試合に出場して打率2割8分、16打点、20盗塁の成績を残していた。
◆阪神は今季最後の「伝統の一戦」を戦う。勝利すれば23年に並びシーズン最多の巨人戦18勝。さらに97年ヤクルト以来で、球団記録をさらに更新する、東京ドームシーズン10勝となる。大山悠輔内野手(30)が、「5番一塁」。10日DeNA戦以来2試合ぶりの先発出場となった。小野寺暖外野手(27)が「6番左翼」で8試合ぶり、熊谷敬宥内野手(29)が「8番遊撃」で2試合ぶりのスタメン出場となった。先発は今季3勝負けなしの高橋遥人投手(29)。たび重なる手術を乗り越えた左腕にとって、東京ドームのマウンドは21年10月14日以来4年ぶりだ。
◆女優の桜田ひより(22)がファーストピッチを行った。自身が主演を務める日本テレビ系列の新水曜ドラマ「ESCAPE それは誘拐のはずだった」の初回放送日である10月8日にちなんで背番号「108」のユニホーム姿で登場した。ワインドアップの美しい投球フォームから投じたボールは、ホームベースのかなり手前でバウンド。目標としていたノーバウンドとはならなかったが、スタンドからは大きな拍手が送られた。
◆巨人横川凱投手(25)が痛恨のボークで追加点を献上した。今季東京ドームで2度目の先発マウンドに上がったが、阪神先頭打者の近本に左前打を打たれると、1死一、二塁から佐藤輝にフェンス最上段に当たる適時二塁打で先制点を許した。その直後、大山のカウント1-1からの3球目で投球モーションに入った所でバランスを崩した。何とかボールは投げたが判定はボーク。三塁から森下が本塁にかえって2点目を与えた。今季は救援含め22試合の登板中最多7試合が阪神戦だった。「悪いイメージはそこまではない。でも、何があるかわからない。しっかり自分の投球を、まずそこだけ優先して投げたい」と見据えていたが、苦しい立ち上がりとなった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が、本塁打まであと数十センチの適時二塁打を放った。初回1死一、二塁。巨人先発横川凱投手(25)の高め136キロ変化球を捉えた。右中間への大飛球となり、ボールは跳ね返ってグラウンドへ。二塁走者が生還し、佐藤輝は二塁まで到達。ベース上で両手を広げ、阪神藤川球児監督(45)はリクエストを要求した。観客も「本塁打か?」と思った打球だったが、フェンスの最上部に当たっており判定はそのまま。右中間への先制適時二塁打となった。なおも1死二、三塁で、打席には大山悠輔内野手(30)。カウント1-1から3球目を投げようとした横川がバランスを崩し、ボークの判定で追加点が入った。1死三塁となり8球目を捉えて左前適時打。初回から一気に3点を奪った。
◆巨人中山礼都内野手(23)が自身初の満塁弾を放った。3点ビハインドの初回2死満塁。阪神先発高橋の初球、外角への148キロ直球を振り抜いた打球は、右翼席最前列に飛び込む今季第7号満塁本塁打となった。「打ったのは真っすぐです。流れを変えたいと思っていたので、最高の結果になってよかったです」と喜んだ。初回の攻撃が終わり右翼の守備に就いた際は、右翼席を中心とした巨人ファンからの大声援に帽子を取って応えた。
◆阪神高橋遥人投手(29)がまさかの初回逆転満塁弾を許した。味方が3点を先制した直後の立ち上がり。 2死から自身の失策と四球、5番岸田の左前打で満塁のピンチ。迎えた6番中山に、初球148キロ速球を完璧に捉えられた。打球はそのまま右翼席へ。場内大歓声の逆転弾となった。1試合4失点はすでに今季7試合目でワーストとなった。
◆巨人増田大輝内野手(32)が苦悶(くもん)の表情を見せた。3点リードで迎えた3回2死一塁での第2打席、阪神高橋の2球目の変化球を空振りすると、泳いだ形で1回転。その際に左肘を痛めた様子でいったんベンチに下がって治療を受けた。幸い、数分後に姿をみせてプレー続行となり空振り三振。4回表の守備が始まる前に交代が告げられ、この日1軍昇格したルーキーの浦田俊輔内野手(23)が出場した。巨人は正二塁手の吉川尚輝内野手(30)が2試合連続でスタメンを外れ、増田大が「8番二塁」で今季初めて2試合連続のスタメン出場をしていた。この日、門脇誠内野手(24)も右臀部(でんぶ)痛のため、1軍出場登録を抹消されており、苦しい台所事情となっている。
◆阪神高橋遥人投手(29)が今季最短となる3回KOで降板となった。初回から3点の援護をもらった立ち上がり。しかし2死から満塁のピンチを招くと、6番中山礼都内野手(23)に右翼席への逆転満塁弾を浴びた。その後、3回にも1死二塁の場面で5番岸田行倫捕手(28)に左翼への2ランを被弾。3回5安打6失点(自責2)で、攻撃時に代打を告げられた。高橋が6失点を喫したのは21年9月9日ヤクルト戦以来、4年ぶり。2被弾は20年11月1日DeNA戦以来、5年ぶりとなった。
◆阪神近本光司外野手(30)の死球を受けた。4回2死三塁でカウント3-2と追い込まれ、巨人先発横川の6球目143キロツーシームが抜けて左前腕を直撃。近本はバットを手放して、すぐさま一塁へ向かったが、左翼スタンドからはブーイングが飛んだ。死球は4月12日、中日戦(甲子園)以来、今季2度目。近本は広島小園らと最多安打争いを演じていて、第1打席の左前打で通算147安打に伸ばしたばかり。死球後は二盗も決め中日上林と競う盗塁数も「30」の大台に乗せた。
◆場内が巨人中山礼都内野手(23)、岸田行倫捕手(28)の本塁打で沸く中、「すしレース」はマグロが快勝した。コハダが好スタート。だが、マグロがすぐにコハダの背中を捉えると、中盤からは独走態勢に入った。後続を突き放して、そのまま1着でゴール。5貫差で2着エビ、3着コハダ、4着タマゴ、5着アナゴの順で入線した。通算成績はアナゴが19勝。マグロ14勝、エビ13勝(白エビ1勝を含む)、タマゴ13勝、コハダ8勝となっている。すしレース 3回終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの計5体。参加対象は公式ファンクラブ「CLUB GIANTS KIDS MEMBER」で当日の開場から1回裏終了まで応募受け付けし、東京ドーム内ファンクラブブースで抽選によって決定する。
◆阪神近本光司外野手(30)が、今季30個目の盗塁を決めた。3年ぶり4度目のシーズン30盗塁。プロ野球史上81人目となる通算200盗塁まで、あと「2」とした。4回2死三塁から左前腕に死球を受け出塁。続く中野拓夢内野手(29)の打席で、3球目に二塁への盗塁を成功した。盗塁成功時点では2位の中日上林誠知外野手(30)に3個差で、リーグトップ。プロ7年目の近本は昨季までの6年間で、5度の盗塁王に輝いている。
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られますオレンジが舞う弾丸ライナー一直線中山礼都 プロ初のグランドスラム?プロ野球(2025/9/13)??巨人×阪神??Live on DAZN #オレをみろ #ジャイアンツ#だったらDAZN
◆阪神原口文仁内野手(33)が、気迫の今季初安打で試合を振り出しに戻した。3点ビハインドで迎えた5回。3者連続四球で1死満塁とすると、坂本誠志郎捕手(31)の左前適時打で2点差。続く熊谷敬宥内野手(29)が押し出し四球を選び1点差として、なおも1死満塁で原口が打席に入った。カウント1-1から外角への141キロシュートを捉えた。投手強襲の打球となり、一塁ベースにはヘッドスライディング。闘志むきだしのプレーで、同点の内野安打とした。今季13打席目での初安打となった。
◆巨人カイル・ケラー投手(32)、高梨雄平投手(33)がそろって崩れ、まさかの1イニング7失点を喫した。3点リードの5回。ケラーが2番手としてマウンドに上がるも、1死から3者連続四球で満塁のピンチを招いた。ここから7番坂本に左前適時打を浴びると、続く8番熊谷には押し出し四球で2失点。ここで阿部慎之助監督(46)は、たまらず高梨にスイッチした。だが、高梨も流れを止められない。なお1死満塁から代打の代打・原口に同点の適時内野安打を許すと、2死満塁から中野に走者一掃となる中越え適時三塁打を浴びた。さらに、続く森下にも中前適時打を許し、この回7点を奪われた。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が勝ち越しの3点適時三塁打を放った。3-6で迎えた5回、巨人ケラーの大乱調でじわじわと得点を重ね、ついに同点。なおも2死満塁と続いた絶好機で、巨人3番手の高梨の変化球を捉えた。打球は前進していた外野陣の間を抜けて右中間を破り、打者3人を一気にかえす適時三塁打になった。中野は「みんなでつないだチャンスでしたし、原口さんの気迫とか打線の流れに乗って打つことができたと思います」と、一塁に頭から滑り込んで今季初安打をもぎ取ったベテランに感謝した。
◆阪神が今季最多の1イニング7得点で、試合をひっくり返した。3-6で迎えた5回。3者連続四球で1死満塁とすると、坂本誠志郎捕手(31)の左前適時打で2点差。続く熊谷敬宥内野手(29)が押し出し四球を選び1点差として、原口文仁内野手(33)が投手強襲の適時内野安打を放ち同点となった。なおも2死満塁で、中野拓夢内野手(29)が勝ち越しの3点適時三塁打。2死三塁から、続く森下翔太外野手(25)が中前適時打をマークした。7得点で逆転に成功した。5回までに10得点で、1試合の得点でもすでに今季最多タイだ。
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます必死のヘッスラ代打の切り札に返り咲くために原口文仁 今シーズン初安打?プロ野球(2025/9/13)??巨人×阪神??Live on DAZN #オレをみろ #阪神タイガース#だったらDAZN
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます笑顔がなによりもいい東京ドームに熱気の渦が巻いた坂本勇人 サヨナラタイムリー?プロ野球(2025/9/13)??巨人×阪神??Live on DAZN #オレをみろ #ジャイアンツ#だったらDAZN
◆巨人が今季最後の東京ドームでの「伝統の一戦」で逆転サヨナラ勝ちした。9-10で1点ビハインドの9回裏に阪神ドリスから先頭の中山礼都内野手(23)が四球、続くリチャード内野手(26)が内野安打で出塁。浦田俊輔内野手(23)の犠打で1死二、三塁で代打で登場したのは坂本勇人内野手(36)。粘って最後は中前に転がして、2人が帰って逆転で今季7度目逆転勝ちを決めた。負ければ阪神戦での年間ワースト記録(23年の6勝18敗1分け)に並ぶ屈辱寸前。ベテランが見事な1打でチームを救った。初回から二転三転のゲーム展開となった。先発の横川凱投手(25)が初回にボークなども絡んで3失点。その裏に中山礼都内野手(23)のプロ初の満塁弾で逆転したが、5回に救援陣が打ち込まれて7失点。6ー10とされた苦境から、諦めずに逆転につなげた。【動画】巨人坂本勇人がサヨナラ打 本拠地東京ドームに熱気の渦が巻く
◆阪神が4点差をかえされるサヨナラ負けを喫し、23年以来の球団最多タイのシーズン巨人戦18勝を逃した。10-9で迎えた9回、7番手でマウンドを任された6番ラファエル・ドリス投手(37)が先頭四球からの1死二、三塁で代打坂本に中前サヨナラ打を許した。試合は大山悠輔内野手(30)が10日DeNA戦以来2試合ぶりに「5番一塁」でスタメン復帰。小野寺暖外野手(27)を「6番左翼」、熊谷敬宥内野手(29)を「8番遊撃」でオーダーを組んだ。初回初回1死一、二塁で佐藤輝のフェンス上段直撃に二塁打で先制。ボーク、大山の適時打で3点を先取した。今季3勝負けなしの高橋遥人投手(29)が先発したが、1回裏に2死満塁から中山に痛恨逆転満塁本塁打を被弾。さらに3回にも2点を失って3回で降板した。打線は巨人2番手ケラーが制球に苦しみ、1死からの3四球後の坂本の適時打、熊谷の押し出し死球、代打原口文仁内野手(33)の今季初安打となる投手強襲安打で同点に。中野拓夢内野手(29)の走者一掃三塁打などで逆転に成功した。4回から4点のリードをでバトンを受けたリリーフ陣は巨人の反撃を8回まで3点に抑えたが、最後は逆転された。
◆巨人坂本勇人内野手(36)が、自身12度目のサヨナラ打を放ち、チームを劇的な勝利に導いた。1点を追いかける9回1死二、三塁から代打で出場。阪神ドリスのフルカウントからの6球目を中前にはじき返した。坂本が代打で逆転サヨナラ安打。坂本のサヨナラ安打は23年6月16日楽天戦でのサヨナラ弾以来12本目だが、代打では自身初めてになる。サヨナラ安打の最多記録は清原(オリックス)の20本があり、坂本の12本は9位タイ、セ・リーグでは5位タイに進出。巨人では川上の11本を抜いて、原の12本に並んだ。この試合は11-10で決着。両軍2桁得点で巨人がサヨナラ勝ちは、04年4月13日中日戦(11-10)以来5度目。阪神戦では77年4月28日以来48年ぶり2度目。同試合は10-10の9回に王が押し出し四球を選んでサヨナラ勝ちだった。
◆巨人が、坂本勇人内野手(36)のサヨナラ打でリーグ優勝した阪神に劇的な勝利を飾った。1点を追いかける9回1死二、三塁から代打で出場。阪神ドリスのフルカウントからの6球目を中前にはじき返した。レギュラーシーズンでの巨人戦はこの日で終了。通算8勝17敗と大きく負け越し、V逸の1つの原因にも挙がる。現在、チームは2位でCS進出を目指す。CSファーストステージを勝ち上がり、CSファイナルで阪神へのリベンジに燃える。
◆巨人が今季最後の東京ドームでの「伝統の一戦」で逆転サヨナラ勝ちした。9-10で1点ビハインドの9回裏に阪神ドリスから先頭の中山礼都内野手(23)が四球、続くリチャード内野手(26)が内野安打で出塁。浦田俊輔内野手(23)の犠打で1死二、三塁で代打で登場したのは坂本勇人内野手(36)。粘って最後は中前に転がして、2人が帰って逆転で今季7度目逆転勝ちを決めた。負ければ阪神戦での年間ワースト記録(23年の6勝18敗1分け)に並ぶ屈辱寸前。ベテランが見事な一打でチームを救った。阿部慎之助監督(46)は坂本のサヨナラ打に「ああやって打てるのは大したもんですよね」と称賛した。その上で「(代打の)難しさは僕も知ってるので、とにかくインフィールドに飛ばすっていうのはね、すごく難しいこと。それができるからこそ一番大事なところにとっておいている」と話した。初回から二転三転のゲーム展開となった。先発の横川凱投手(25)が初回にボークなども絡んで3失点。その裏に中山礼都内野手(23)のプロ初の満塁弾で逆転したが、5回に救援陣が打ち込まれて7失点。6ー10とされた苦境から、諦めずに逆転につなげた。
◆巨人阿部慎之助監督(46)が四球の多い投手陣に苦言を呈した。3点リードの5回に悪夢が起きた。2番手のカイル・ケラー投手(32)が1死から3者連続四球で満塁のピンチを招くと、7番坂本の左前適時打、8番熊谷には押し出し四球を与えた。後を受けた高梨雄平投手(33)も流れを止められなかった。なお1死満塁から代打の代打・原口に同点の適時内野安打を許すと、2死満塁から中野に走者一掃となる中越え適時三塁打。さらに、続く森下にも中前適時打を許し、この回だけで7点を奪われた。阿部監督はケラーの4四球に対して「あの四球4つ出した時はらわたが出てきそうだったよ」と苦笑いを浮かべた。坂本勇人内野手(36)の劇的なサヨナラ打で試合には勝利したが「やっぱり四球も多いですし、キャッチャーは配球にならないのでね。キャッチャーを配球させられるように頑張ってほしいなと思います」と投手陣に対して奮起を促した。
◆巨人門脇誠内野手(24)が13日、右臀部(でんぶ)痛のため、出場選手登録を外れた。今季はここまで81試合に出場して打率2割2分3厘、4打点、6盗塁をマーク。代わりに浦田俊輔内野手(23)が緊急昇格した。正二塁手の吉川尚輝内野手(30)はコンディション不良で2試合連続で欠場。この日、二塁で先発出場した増田大輝内野手(32)は空振りした際に左肩が抜けた影響で途中交代した。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)がシーズン最後の東京ドームであと10センチで本塁打という適時打を放った。初回1死一、二塁で右翼フェンス最上部を直撃する先制の二塁打。スタンドインぎりぎりの当たりで「メシ(パワー)、足りてないっすねー」と苦笑いだった。巨人戦では打率2割7分8厘、6本塁打、17打点の個人成績で「結果も出たし、またしっかり。CSもあるのでね、準備してやっていきたいと思います」と今後を見据えた。阪神森下(5回にチーム10点目の適時打)「試合には負けたんですけど、自分たちの攻撃っていうのはできたと思う」
◆阪神が巨人との今季最終戦でサヨナラ負けを喫した。10-9の9回に7番手でマウンドに送ったのは、かつて守護神も務めたラファエル・ドリス投手(37)。先頭に四球を許すと、1死二、三塁で代打坂本勇人内野手(36)にカウント3-2からの6球目151キロのツーシームをはじきかえされた。前進守備の遊撃熊谷敬宥内野手(29)が球に飛びついたが、グラブをかすめて中前へ転がった。石井、岩崎が疲労の考慮もあり、出場登録抹消中。代役を務め上げられなかったラファエル・ドリス投手(37)は「先頭のフォアボールは誰が見ても痛かった。自分で修正していくところだと思う」とガックリだ。球団助っ人最多の96セーブを挙げる右腕が、NPB6年ぶりのセーブとはならなかった。初回、主砲佐藤輝の先制打で幕を開けた。その裏、先発高橋遥人投手(29)が巨人中山にまさかの逆転満塁弾を被弾。代打原口文仁内野手(33)の同点初安打や中野拓夢内野手(29)の3点三塁打もあったが、投手陣はシーズン130試合目で今季初の2桁失点。両軍合わせて26安打21得点の乱打戦に屈した。藤川球児監督(45)は試合後、左翼席に陣取る阪神ファンにナインとともにあいさつ。23年以来2年ぶり、球団最多のシーズン巨人戦18勝には失敗したが、すでにペナントは勝ち取った。「らしいというか、いい勝負になったんじゃないかなと思いますね。まあいい攻撃もあったしね」。指揮官は敗戦の先に、10月15日から甲子園で幕を開ける、CSファイナルをしっかり見据えていた。【伊東大介】阪神高橋(3回5安打6失点で今季最短KO。勝ち負けつかず)「簡単に点を取られてしまって、野手のみんなにも早いイニングから負担をかけた中継ぎのみんなにも申し訳ないです」
◆阪神が4点差をかえされるサヨナラ負けを喫し、23年以来の球団最多タイのシーズン巨人戦18勝を逃した。10-9で迎えた9回、7番手でマウンドを任された6番ラファエル・ドリス投手(37)が先頭四球からの1死二、三塁で代打坂本に中前サヨナラ打を許した。阪神が巨人との最終戦に逆転サヨナラ負け。9回に2点を奪われ11失点。今季130試合目で初めて2ケタ失点を喫した。今季はここまで12球団で阪神だけ2ケタ失点がなかった。シーズン2ケタ失点ゼロなら44年、56年、57年に次いで球団4度目だった。この日の敗戦で今季の巨人戦は17勝8敗、東京ドームでは9勝4敗となり、球団最多タイの巨人戦18勝と、97年ヤクルト以来の東京ドーム10勝を逃した。阪神坂本(2桁失点を振り返り)「すべて複数得点入ってしまったんで、なんとか1点でも少なくというふうに工夫してできたら違った展開になったと思う。また反省して次に生かしていきたいと思います」
◆阪神畠世周投手(31)が古巣相手に2回無失点と好投した。5回に登板。1死一塁を招くも、中山を二ゴロ併殺で無失点。回またぎで上がった6回も1死から浦田に四球を与えたが、またも代打大城卓を二ゴロ併殺に仕留めた。昨オフの現役ドラフトで巨人から移籍してきた右腕。巨人戦での登板は初で、試合前には阿部監督や投手陣にもあいさつに向かっていた。「『クソ、畠』と言われるくらいに、頑張りたいです」と活躍での恩返しを誓った。
◆阪神及川雅貴投手(24)が大ピンチで踏ん張った。1点リードの8回に登板。2死満塁で3安打の岸田を迎えたが、右飛に打ち取った。両リーグ単独トップとなる61試合目の登板。セ・リーグ2位となる47個目のホールドポイントをマークし、同1位の大勢には2差に迫った。「ゼロで帰れたので、そこはよかった。(タイトルは)頑張るだけなので。目の前の試合をしっかり抑えていけたら」と引き締めた。
◆東京ドームでは今季最後の「伝統の一戦」で、逆襲への劇的な逆転勝ちをつかんだ。巨人坂本勇人内野手(36)が9-10の9回1死二、三塁で登場し、自身初の代打でのサヨナラ打。二転三転した首位阪神との攻防戦を総力戦で制し、2位死守で乗り込みたいCSへ、大きな弾みとなった。「神様」の出番を皆が待っていた。1点ビハインドの9回。先頭中山が四球を選び、リチャードがしぶとく内野安打。ルーキー浦田が犠打でつないだ。準備をしていたのは坂本だった。好機をつくれば決めてくれると、皆が信じていた。背番号6の姿に、満員のスタンドから降り注ぐ応援。中山は「すごい歓声でしたし、やっぱり神様でした」。浦田は「勇人さんなら決めてくれる」と確信していた。代打として6日中日戦(バンテリンドーム)では9回に同点打、10日広島戦(東京ドーム)では8回に決勝の左犠飛。阿部監督も「一番大事な所で取って置いている」と全幅の信頼で送り出していた。「何とか事を起こしたい」。坂本が期待、重圧に頭を動かす。阪神ドリスに「シュートがくる」の予想は外れ、5球連続スライダーでフルカウント。「何とか前に」と6球目、151キロのツーシームをたたいた。球足鋭く遊撃熊谷のグラブをはじき中前へ転がした。サヨナラの舞台を演出したリチャードは「かっこ良すぎますよね」と、しびれた。一気に歓喜の輪ができ、ウオーターシャワーかと思いきや「浴びてないです。リスペクトがあるので大丈夫でした」と、殊勲の36歳はおどけた。代打で3度続けての大仕事。初回に3失点、その裏に中山の満塁弾で逆転しながら、5回に一挙7失点で敗色ムードが漂った。今季を象徴するように、虎に威圧された。ただ、諦めない。切り札が、今の巨人にはある。「みんな諦めずにシチュエーションを作ってくれた。勝ちに貢献できて良かった」。頼もしすぎるベテラン。試合後のスタンドでは「坂本勇人はなぜ神なのか」と書かれたタオルが振られていた。【阿部健吾】
◆阪神中野拓夢内野手(29)が一時勝ち越しとなる3点適時三塁打を放った。5回、3点差を追いつき、なおも2死満塁で巨人高梨の変化球を捉えて23年4月27日巨人戦(甲子園)以来の1試合3打点をたたき出した。最終結果は惜敗ながら「そのままやられるよりはしっかりチームとしてやり返す。取られた分を取り返す、という展開はチームとして大事。しっかりとやっていきたい」と今後につながる反発力を体現した。▽阪神大山(2安打1打点で今季巨人戦は通算打率3割7分6厘、3本塁打、16打点。ポストシーズンに向けて)「1試合1試合しっかりやるだけです」
◆巨人浦田俊輔内野手(23)が4カ月前の悔しさを晴らした。4回の守備から途中出場すると、1点ビハインドの最終9回に見せ場がやってきた。先頭の中山礼都内野手(23)が四球、続くリチャード内野手(26)が内野安打で無死一、二塁。しびれる場面で打席に入った浦田は、初球で犠打を決め「ホッとしたっていうのが一番。1点差だったので、絶対決めたいっていう思いが強かったので、よかったです」と振り返った。大忙しの一日だった。門脇誠内野手(24)が右臀部(でんぶ)痛のため登録抹消。浦田が急きょ1軍に呼ばれた。約4カ月前の5月6日阪神戦(東京ドーム)でプロ初安打を記録するも、同14日に2軍降格。「5月に(1軍に)上がらせてもらった時にだいぶ悔しい思いをした。絶対やり返そうと思って来ました」と強い覚悟を持って1軍の舞台に戻ってきた。そんな姿に阿部慎之助監督(46)も「ちゃんと2軍でしっかりやってくれた成果だと思います」とたたえた。
◆必死のパッチ! プロ16年目の阪神原口文仁内野手(33)が執念のヘッドスライディングで今季初安打をマークした。5回の満塁の場面で「代打の代打」で登場。投手強襲の内野安打を放った。チームは10-9で迎えた9回にラファエル・ドリス投手(37)が代打坂本に中前打を浴びてサヨナラ負け。今季初めて2ケタ失点を喫し、球団最多タイとなるシーズン巨人戦18勝も逃した。原口が気迫をむき出しにした。5回の攻撃だ。1点差に迫り、なおも1死満塁。鋭いゴロを打ち返すと、相手投手が捕球できず白球は後ろに転がった。全力疾走し一塁にヘッドスライディング。力強く手を2度たたいた。「きれいなヒットじゃなかったので、何とか1本ほしいという気持ちが出た」。自身がお立ち台でたびたび用いるフレーズ「必死のパッチ」。そのフレーズを体現するような鬼気迫るプレーを見せた。厳しいプロの世界を生き抜いてきたプロ16年生が打線に火を付けた。3点ビハインドの5回は3者連続四球で1死満塁。坂本の適時打、熊谷の押し出し四球で1点差とした。1度は代打楠本が告げられるも、「代打の代打」で原口が登場。「みんながつないでくれた、すごく重要な場面。そこで打てて良かった」。今季チーム最多1イニング7得点。打者11人の猛攻につなげた。「やっと。だいぶ期間も打席数も、かかってしまった」チーム130試合目、自身13打席目でようやく飛び出した今季初安打だった。今季は開幕1軍も4月13日に2軍降格。7、8月に1度ずつ昇格も、ともに2週間以内で出場選手登録抹消となった。国内FA権行使も残留し迎えたシーズン。2軍練習で志願してシート打撃の打席に立つなど若虎に負けじと汗を流してきた。7日リーグ優勝を決めたチームは、今季最後の「伝統の一戦」でサヨナラ負け。それでもCS、日本シリーズに向けて原口の活躍は明るい材料だ。「次の戦いがあるので、それに向けてもっと結果出していきたい」。残り13試合とシーズンも終盤の9月中旬。背番号94が、頼もしい姿を見せ始めた。【塚本光】
◆阪神近本光司外野手(30)がアクシデントに見舞われた。3点を追う4回2死三塁の第3打席。左腕横川の143キロ速球が、自身の左前腕付近に直撃した。今季2個目の死球。苦悶(くもん)の表情を浮かべながらも一塁へ向かい、プレーは続行した。直後には今季30個目の盗塁もマーク。22年以来3年ぶりの大台到達となり、セ・リーグ単独トップを走り続けている。その後は守備にも就き、5回には空振り三振に倒れながらも打席を完了した。しかし直後の守備から中堅の守備に植田が入り、途中交代となった。初回の第1打席では左前打も放ち、今季147本目の安打をマーク。セ・リーグの最多安打争いでも1位の小園を3本差で追いかけている。大事を取った交代だとみられ、次戦以降は状態を見ながら出場を判断する。藤川監督は「まだ分からない状況ですから」と話すにとどめた。
◆巨人中山礼都内野手(23)が人生初の満塁弾を放った。3点を先制された直後の初回2死満塁。阪神先発高橋の初球、外角直球を振り抜いた打球は右翼席に飛び込み「初球から振りに行く準備はしていた。それが最高の結果になって良かった」と振り返った。アマチュア時代も含め、自身初めてのグランドスラムとなったが「こういう試合だったので、もうみんな忘れてるんじゃないかな」と苦笑いを浮かべた。
◆前日アクシデントに見舞われた阪神近本光司外野手(30)について、山下幸志チーフトレーナーが現状を説明した。前日13日の巨人戦(東京ドーム)では4回に左前腕付近に死球を受け、その後に途中交代。病院にも向かい「左前腕の打撲」だったという。山下チーフトレーナーは「今のところ、骨折はないかなというところです。左の利き腕でもありますので、ちょっと今日の段階では外でも練習ができる状況にはないので、中でしっかり動いて確認していくという感じです」と明かした。現在はテーピングなどで処置をしているが、患部以外は元気な状態。この日もグラウンドには姿を現さなかったが、室内練習場で練習したとみられる。近本本人も「(病院には)行きました。大丈夫です」と話して引き上げていた。
◆近鉄、巨人、オリックスで通算464本塁打を記録したタフィ・ローズ氏が試合前練習中の巨人を訪問した。おなじみのドレッドヘアーでグラウンドに現れ、巨人時代にチームメートだった阿部監督や二岡ヘッドコーチ、村田善則総合コーチ、解説者の清水隆行氏らとハグを交わして再会を楽しんだ。96年に来日したローズ氏は2001年には当時のプロ野球記録だった王貞治と並ぶシーズン55本塁打をマークし、MVPを受賞。巨人に移籍後も04年の「重量打線」の中心として活躍。オリックスでもプレーした。大阪でのイベントに出席するために来日している。
◆巨人・門脇誠内野手(24)が右臀部痛のため出場選手登録を抹消された。この日東京ドームに来たものの、試合前練習には参加しなかった。代わってドラフト2位・浦田俊輔内野手(23)=九産大=が2軍から試合前練習中に緊急合流し、出場選手登録された。門脇は3年目の今季、内野のバックアップとして81試合に出場し、打率.223、4打点、6盗塁をマークしていた。
◆勝てばシーズン80勝となる阪神は高橋が4年ぶりとなる東京Dで先発。同球場では2021年にプロ初完封を記録するなど、相性がいい。ここまで無傷の3勝で防御率は1・77を記録する左腕が、ポストシーズンに向け、宿敵巨人との今季最終戦を勝利で締めくくる。
◆俳優の桜田ひより(22)が、今季最後の伝統の一戦で始球式を務めた。投球はバウンドしながら、ホームベースへ。捕手役を務めたのは、この日1軍昇格した浦田俊輔内野手(23)。同じ2002年生まれのルーキーから、記念のボールを手渡された。
◆巨人との今季最終戦は、阪神・佐藤輝明内野手(26)の先制二塁打で幕を開けた。一回、先頭の近本光司外野手(30)が左前打で出塁すると、続く中野の投ゴロで二進。森下翔太外野手(25)は四球を選び、1死一、二塁で佐藤輝が先発・横川の外角高め変化球を捉えた。打球は右中間方向へぐんぐん伸び、フェンス最上部に直撃して先制の走者が生還。藤川球児監督(45)は本塁打ではないかとリクエストしたが、判定は変わらず二塁打となった。さらに続く大山悠輔内野手(30)の打席で、横川が投球中に体勢を崩してボーク判定。2点目の走者が悠々ホームを踏むと、大山がカウント2-2からの8球目を詰まりながらも左前に運んでこの回一挙3点を奪った。佐藤は「打ったのはたぶんカットボール。先制に繋がる一打を打てて良かったです。試合が終わるまで気を緩めることなく頑張ります」とコメントした。
◆巨人・中山礼都内野手(23)がプロ初となる7号満塁弾を放った。0-3の一回2死満塁。阪神・高橋が投じた1球目、148キロの直球を右翼席へ運んだ。11試合連続「6番・右翼」で先発している中山の一振りで試合をひっくり返した。
◆阪神の先発・高橋遥人投手(29)が一回に満塁本塁打を浴び、逆転を許した。一回に味方が3点を先制し、2021年以来4年ぶりに東京ドームのマウンドに上がった左腕。簡単に2死を取ったが、3番・泉口の投ゴロをはじくエラーで出塁を許すと、ここから流れを止められなかった。岡本には四球を許し、岸田にも左前打でつながれて2死満塁。6番・中山への初球だった。直球が甘く入ったところをとらえられると、ボールは右翼スタンドへ一直線。まさかの逆転満塁弾で、3-4と試合をひっくり返されてしまった。
◆巨人・岸田行倫捕手(28)が2試合ぶりとなる8号2ランを放った。4-3の三回1死二塁。高めの直球を振り抜くと、打球は高々と舞い上がり、左翼ポールに直撃した。試合前時点で打率.289の〝打てる捕手〟がこの日も結果を出した。
◆阪神の先発・高橋遥人投手(29)が手痛い追加点を奪われた。3-4で迎えた三回。1死から4番・岡本に右翼フェンス直撃の二塁打を許すと、続く岸田にカウント1-2からの高め147キロ直球を捉えられ、左翼ポール直撃の2ランを浴びた。6失点は2021年9月9日のヤクルト戦(甲子園)以来、4年ぶり。試合前時点で防御率1・77を記録していた左腕が巨人打線に捕まった。
◆巨人にアクシデントだ。吉川に代わって二塁で先発した増田大輝内野手(32)も負傷交代に見舞われた。増田大は6-3で迎えた三回2死一塁での第2打席、阪神・高橋の2球目のツーシームを空振りした際に痛めたのか、左ひじを抑えて表情をゆがめた。一度トレーナーとともにベンチに下がり、引き続き打席に立ったが、次の球を空振りして三振に倒れた。直後、四回の守備でこの日昇格したD2位・浦田(九産大)と交代した。万能なスーパーサブとしてチームを支える増田大は、腰のコンディションが万全でない吉川に代わり、2試合連続で「8番・二塁」で先発起用され、第1打席では中前打を放っていた。
◆阪神の近本光司外野手(30)が左手前腕付近に死球を受けた。3-6の四回、坂本の二塁打などで2死三塁で打席に立つと、カウント3-2から横川の速球が直撃。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、バットを投げ捨てた。東京ドームはざわめきに包まれたが、直後に二盗を決めて今季30盗塁をマーク。しかし2死二、三塁で中野が投ゴロに倒れ、反撃とはならなかった。近本はベンチに戻ってもしばらく座ってトレーナーと話し込む場面もあったが、無事にそのまま中堅の守備に就いた。
◆巨人が3点リードで迎えた五回に一挙7失点で逆転を許した。この回に起用された2番手のカイル・ケラー投手(32)が1死後、1安打を挟んで4四球と大乱調。熊谷に押し出し四球を与えたところでバトンを受けた左腕の高梨雄平投手(33)も代打・原口に投手強襲の適時内野安打で同点を許した。さらに2死満塁から中野に走者一掃の右中間3点三塁打、森下に中前適時打を浴び、この回打者一巡の猛攻を受けて7失点(ケラー5失点、高梨2失点)。阪神ファンが狂喜乱舞となる中、6-10で五回裏へ進んだ。
◆阪神が五回、一挙7得点の猛攻で試合をひっくり返した。3-6と3点を追う五回、巨人の2番手・ケラーが崩れたところを逃さなかった。1死から三者連続四球で満塁のチャンスを作ると、坂本誠志郎捕手(31)の左前適時打でまず1点を奪う。さらに熊谷敬宥内野手(29)も押し出し四球を選んで1点差。続く投手の打順では楠本泰史外野手(30)が代打で告げられるも、巨人が左腕・高梨にスイッチしたのを見て代打の代打で原口史仁内野手(33)を起用。原口は強い打球で投手のグラブをはじき、一塁にヘッドスライディング。今季初安打となる同点適時打で試合を振り出しに戻した。さらに2死満塁から中野拓夢内野手(29)の右中間への走者一掃の3点三塁打で勝ち越し。森下翔太外野手(25)にも適時打が飛び出し、なんとこの回一挙7点。打者一巡の猛攻で10-6と大逆転に成功した。
◆昨オフに現役ドラフトで巨人から新加入した阪神・畠世周投手(31)が凱旋登板を果たした。7点を奪って逆転した直後の五回。プロ入りから8年間、慣れ親しんだ東京ドームのマウンドへ。先頭の4番・岡本に三塁線へ鋭い打球を飛ばされるも、近大の後輩・佐藤輝の好守に救われ1死。岸田に中前打を許したが、続く中山を二塁併殺打に打ち取った。
◆先発した阪神・高橋遥人投手(29)は3回5安打6失点(自責2)でマウンドを降りた。得意とする東京ドームで、巨人打線に捕まった。3点を先制した直後の一回に、自身の失策から走者を許すと、2死満塁で中山に逆転の満塁本塁打を浴びた。満塁被弾は2019年8月2日の広島戦(マツダ)でバティスタに許して以来、自身2度目。さらに三回には岸田に2ランを運ばれた。四回の攻撃で代打・中川が送られ、今季自己ワーストの6失点で降板した。高橋は降板後「初回から得点を取って投げやすい状況を作ってもらったのに、すぐに逆転を許してしまいました。簡単に点を取られてしまって、野手のみんなにも早いイニングから負担をかけた中継ぎのみんなにも申し訳ないです」とコメントした。
◆阪神は七回に3失点を喫し、1点差に詰め寄られた。10-6とリードして迎えた相手のラッキーセブンだった。この回から4番手として桐敷が登板するも、連打で無死一、二塁とピンチを背負う。1死を取ったところで5番手・湯浅にスイッチするも、4番・岡本にフェンス直撃の2点二塁打を浴びた。さらに2死一、二塁からリチャードに右前適時打とされて10-9と1点差に。それでも2死一、三塁で浦田を投ゴロに打ち取り、同点は許さなかった。七回まで両軍合わせて23安打19得点の打ち合いとなり、5投手を起用し合う総力戦となっている。
◆巨人・坂本勇人内野手(36)が9-10の九回1死二、三塁で代打で登場。中前にサヨナラの2点打を放ち、代打で3試合連続で〝仕事〟を果たした。6日の中日戦(バンテリンD)では九回に代打で同点打、10日の広島戦(東京D)では八回に代打で決勝犠飛を放っていた。
◆阪神が九回、逆転サヨナラ負けを喫した。1点リードの九回、ドリスが先頭打者に四球。続くリチャードに投手強襲の内野安打を浴びて、無死一、二塁。浦田に犠打を決められて、1死二、三塁とされ、代打坂本にセンターへの逆転2点打を浴びて、サヨナラ負けを喫した。阪神は一回に佐藤輝明内野手(26)の適時二塁打で先制すると、巨人の先発・横川のボーク、大山悠輔内野手(30)の適時打で3点を奪った。3点の援護を受けた先発した高橋遥人投手(29)は一回、中山に逆転満塁本塁打を被弾。さらに三回にも岸田に2ランを許して、今季ワーストの3回6失点で降板した。3点を追う展開となったが、五回に打線が爆発。1死から3連続四球で満塁の好機をつくると、坂本誠志郎捕手(31)の適時打、熊谷敬宥内野手(29)の押し出し四球で1点差。代打の代打・原口文仁内野手(33)の内野安打で同点に追いついた。なおも2死満塁で中野拓夢内野手(29)が走者一掃の3点三塁打。打者11人の猛攻で一挙7点を奪い、逆転に成功していたが、七回に3点を失って1点差に迫られ、最終回に暗転した。
◆阪神が九回、逆転サヨナラ負けを喫した。1点リードの九回、ドリスが先頭打者に四球。続くリチャードに投手強襲の内野安打を浴びて、無死一、二塁。浦田に犠打を決められて、1死二、三塁とされ、代打坂本にセンターへの逆転2点打を浴びて、サヨナラ負けを喫した。阪神は一回に佐藤輝明内野手(26)の適時二塁打で先制すると、巨人の先発・横川のボーク、大山悠輔内野手(30)の適時打で3点を奪った。3点の援護を受けた先発した高橋遥人投手(29)は一回、中山に逆転満塁本塁打を被弾。さらに三回にも岸田に2ランを許して、今季ワーストの3回6失点で降板した。3点を追う展開となったが、五回に打線が爆発。1死から3連続四球で満塁の好機をつくると、坂本誠志郎捕手(31)の適時打、熊谷敬宥内野手(29)の押し出し四球で1点差。代打の代打・原口文仁内野手(33)の内野安打で同点に追いついた。なおも2死満塁で中野拓夢内野手(29)が走者一掃の3点三塁打。打者11人の猛攻で一挙7点を奪い、逆転に成功していたが、七回に3点を失って1点差に迫られ、最終回に暗転した。東京ドームの巨人戦は今季最後とあり、試合後、藤川監督以下選手は左翼席に向かって、あいさつをした。
◆セ2位の巨人はリーグ優勝を決めた阪神との乱打戦を制した。阿部慎之助監督(46)は、「最後、みんなが気持ち一つになったので勝てた」とねぎらった。九回1死二、三塁、代打で逆転サヨナラの遊撃強襲2点打を放った坂本勇人内野手(36)には「ああやって打てるのは大したもんですよね。(代打の)難しさは僕も知っているので。とにかくインフィールド内に飛ばすのはすごく難しいことで、それができるからこそ一番大事なところにとっておいているので」とたたえた。また、大乱戦の展開に監督もややお疲れ気味。3点リードから一挙7失点で逆転を許した五回、2番手で投入したケラーが1死から1安打4四球と大乱調となった場面には「4四球出したときは、はらわたが出てきそうだった」と苦笑いした。
◆巨人が逆転サヨナラ勝ち。9―10の九回1死二、三塁から代打坂本が中前に2点打を放ち、乱打戦に決着をつけた。6番手の中川が2勝目。阪神は3―6の五回に一挙7点を奪ったが、桐敷と湯浅が追い上げを許し、ドリスが抑え失敗。
◆巨人は坂本勇人内野手(36)が逆転サヨナラ打を放ちチームを勝利に導いた。坂本は2点を追う九回、1死二、三塁のチャンスで代打で登場すると、前進守備の二遊間を破る2点打を放ち試合を決めた。以下、坂本のヒーローインタビュー。--水曜日に続き今週2度目のお立ち台「何回立ってもうれしいです」--打席を振り返って「前の(打者の)浦田(俊輔)が一発でバントを決めてくれたので、すごくいい流れで打席に入れたと思います」--どんな準備をして打席に入った「みんな、諦めずに追いつくのを裏で見ていたので、最後、いい場面で回してくれたらいいなと思いながら、試合見てました」--負けられない9月の戦いをどう見ている「阪神の優勝が決まってしまいましたけど、CSを東京ドームでできるようにみんなで頑張っているので、もっともっと声援をください」--明日から横浜スタジアムで天王山のDeNA戦「勝つしかないと思う。全員で力合わせて頑張るので、横浜まで応援しに来てください」
◆阪神が五回に今季最多の1イニング7得点を挙げるも、逆転サヨナラ負けを喫した。10ー9の九回に登板したラファエル・ドリス投手(37)が1死二、三塁で代打坂本勇人内野手(36)に中前打を浴びて、今季7度目のサヨナラ負けとなった。3点を追う五回は坂本誠志郎捕手(31)の左前打、熊谷敬宥内野手(29)の押し出し四球、代打原口文仁内野手(33)が13打席目の初安打を投手強襲でマークして同点。中野拓夢内野手(29)の3点三塁打、森下翔太外野手(25)の中前適時打で7点を奪った。しかし、七回の3失点で1点差に迫られ、逃げ切りに失敗した。近本光司外野手(30)は左肘付近への死球で出塁した四回の二盗で3年ぶり4度目の30盗塁に到達したが、五回の守備から退いた。巨人戦17勝で2023年の18勝(6敗1分)に並ぶ球団最多勝を逃した。
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)は阪神・高橋遥人投手と捕手に苦言を呈した。高橋は中13日と登板間隔が空いていた影響があったのか、一回、自らの失策から力みが目立ち、球の切れがなくなった。一回、中山の満塁本塁打は初球の外角直球。絶対に一発だけは許してはいけないところ。ボール球から入るなど、バッテリーで工夫がほしかった。三回、岸田に浴びた2ランも直球。カウント1-2から坂本は内角に要求し、高橋はそこに投げた。捕手からすれば空振りかファウルになると想定したのだろうが、高橋の状態からすればもっと慎重になるべきだった。高橋は今季、岸田に5打数5安打。野球には相性というものがある。投手、打者がお互いに意識するため、その傾向は強くなるが、ポストシーズンに向けてスコアラーを中心に研究に研究を重ねるため、まったく違った結果になることが多い。オープン戦と公式戦の違いぐらいのイメージでいい。むしろ、短期決戦で注意しなければいけないことは一球の怖さ。リーグ優勝後だけに勝敗は度外視していいが、バッテリーには入り方をしっかりと考えてほしい。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆四回に死球を受けた阪神・近本光司外野手(30)は試合中に球場から引き揚げた。四回の第3打席で巨人先発・横川のボールが左手の前腕付近に直撃。顔をゆがめ、バットを落とした。その後は出塁して盗塁をし、中堅の守備にも就いていたが、五回の打席を終えて途中交代。試合終了後の本隊の中に姿は見えず、チームより一足早く球場を後にしたとみられる。試合後に取材に応じた藤川球児監督(45)は「まだわからない状況ですから、状況は」と話した。
◆巨人は坂本勇人内野手(36)が逆転サヨナラ打を放ちチームを勝利に導いた。坂本は2点を追う九回、1死二、三塁のチャンスで代打で登場すると、前進守備の二遊間を破る2点打を放ち試合を決めた。?巨人・坂本が九回に代打で登場し、逆転サヨナラ適時打。サヨナラ安打は2023年6月16日の楽天戦(九回=本塁打)以来2年ぶり通算12本目。巨人でサヨナラ安打12本は、王貞治の15本、長嶋茂雄の14本、阿部慎之助の13本に次ぐ、原辰徳と並ぶ歴代4位。並んでいた川上哲治の11本を抜いた。?巨人-阪神で両軍2桁得点をしたのは、1948年6月13日(●10-12、後楽園)、73年10月11日(△10-10、同)、77年4月28日(○11-10、同)、97年6月22日(○13-10、東京ドーム)、01年6月9日(○15-10、同)に次いで24年ぶり6度目で、77年から巨人が4連勝し、通算4勝1敗1分け。
◆巨人・中山礼都内野手(23)がプロ初となる7号満塁弾を放った。?巨人・中山が一回に満塁本塁打。満塁本塁打は9月9日のリチャード(対広島の一回、東京ドーム)に次いで今季チーム4本目。チームでシーズン4本以上マークしたのは、2023年(5本=大城卓三2、丸佳浩、岡本和真、ブリンソン)以来2年ぶり。?巨人に満塁本塁打が出た試合は18年9月16日の中日戦(○11-3、満塁弾=阿部慎之助、東京ドーム)からチーム23連勝。対阪神で44試合目(45本目)で、チームの勝敗は42勝1敗1分け。負けたのは03年4月29日(●6-8、満塁弾=ペタジーニ、甲子園)だけ。
◆一振りで流れを変えた。巨人・中山礼都内野手(23)が、0-3の一回2死からプロ初となる逆転満塁弾。打球は右翼席へ突き刺さった。「芯に当たりましたし、いい角度で上がってくれた。最高の結果になってよかった」高橋の初球、148キロの直球を仕留めた。「もともと初球から振りにいけるタイプ。頭を整理して準備はできていた」と積極的にスイングを掛け、「課題ではあった」と語る左投手からの柵越えにうなずいた。内野を本職とするが、持ち味の打撃を生かすため今季は外野に挑戦。11試合連続で「6番・右翼」で先発し、バットで存在感を見せている。この日は両軍合わせて26安打、21得点の乱打戦の末に代打・坂本のサヨナラ打で劇的な決着。序盤の自身の一発に「もう、みんな忘れているんじゃないかな」とおどけた。阿部監督は「高橋君も結構いいボールを放っていた。それを打てたので自信になると思います」と目を細めた。今後、クライマックスシリーズで対戦する可能性のある阪神に競り勝ち、中山は「一ついい勝ち方ができた」と胸を張った。(原田優介)
◆阪神・大山悠輔が貴重な追加点をたたき出した。一回に佐藤輝の適時二塁打とボークで2点を先制し、なおも1死三塁で打席へ。カウント2-2から横川の8球目を詰まりながら左前に運んだ。三回にも中前打を放ってマルチ安打を記録。今季巨人戦では打率・376とGキラーぶりを発揮した男は、ポストシーズンに向けて「一試合一試合やるだけです」と冷静に話した。
◆1点差の九回に7番手で登板した阪神のラファエル・ドリスがサヨナラ打を浴び、阪神復帰後初黒星となった。「先頭の四球が誰が見ても痛かった。そこは修正していくところ」と、先頭の中山への四球を悔やんだ。その後、犠打で1死二、三塁とされ、代打・坂本に中前へ2点打を運ばれ、逆転された。乱打戦となったが「それはゲームの展開で起こること。僕は僕の仕事をするだけ」と前を向いた。
◆同点で迎えた五回2死満塁で打席に入った阪神・中野拓夢は一時勝ち越しとなる走者一掃の三塁打を放った。「まずはしっかり甘く来たボールを仕留めようという意識でした」。1ストライクから甘く入ったシンカーを捉えると、中堅手の頭を越え、自身も快足を飛ばし、三塁に到達した。この回7得点となった攻撃に「そのままやられるというよりはチームとしてやり返す、取られたら取り返すという展開がチームとして大事だと思う」と反発力をみせた。
◆巨人・門脇誠内野手(24)が13日、右臀部痛のため出場選手登録を外れた。3年目の今季は内野の控えで81試合に出場し、打率・223、4打点、6盗塁をマークしていた。「8番・二塁」で先発した増田大輝内野手(32)は三回の打席で空振りした際に左肩を痛めて交代。「肩がちょっと抜けて、力の入れ方が分からなかった」と話し、試合中にアイシングなど治療を受けた。また、腰に不安を抱えて2試合連続で出場のなかった吉川尚輝について阿部監督は「無理させると今季が終わってしまうような状態なので、本人は出たいでしょうけど、こちらが我慢させています」と説明した。
◆代打の〝神〟が、また打った!! 巨人は13日、阪神最終戦(東京ドーム)に11-10で逆転サヨナラ勝ち。坂本勇人内野手(36)が1点を追う九回に代打で中前への2点打を放ち、乱打戦に決着をつけた。プロ19年目のベテランは、代打で3試合連続打点の大仕事。通算12本目のサヨナラ打とし、球団では川上哲治を抜いて原辰徳と並ぶ4位に浮上した。大激戦の勝敗は、最後に〝神〟がひっくり返した。9-10の九回1死二、三塁。坂本がたたいた打球は遊撃手を強襲して中前へ。三塁走者の生還に続き、二塁走者の若林がヘッドスライディングで逆転サヨナラのホームを陥れた。「何とか事を起こしたいと思っていた。当たりは悪かったですけどね。(祝福の)水、誰もかけてないっしょ。リスペクトがあるんで大丈夫です」プロ19年目、36歳のスターはチーム内での〝格の違い〟を自らアピールして笑いを誘った。今や1軍選手の全員が年下。ペットボトルのウオーターシャワーを浴びせたのは1学年下の丸だけで、他の後輩たちは坂本の御利益をもらうかのように抱きついたり、肩を触ったりして敬意と喜びを爆発させた。NPB現役最多となる2447本目の安打は、川上哲治を抜き、原辰徳と並んで球団4位となる通算12本目のサヨナラ打。6日の中日戦(バンテリンドーム)の九回2死満塁で同点打、10日の広島戦(東京ドーム)の八回1死満塁では決勝の左犠飛を放っており、代打では3打席連続打点。今季の代打成績は17打数6安打、打率・353で11打点と代名詞の勝負強さが際立っている。現役生活の終盤に代打稼業を経験した阿部監督は「大したもんですよね。(代打の)難しさは僕も知っている。とにかくインフィールド内に飛ばすのはすごく難しいことで、それができるからこそ(坂本を)一番大事なところにとっておいている」と実感を込めてたたえた。長年、シーズンオフにグアムで行う自主トレをともにした指揮官の思いに応え続ける坂本は「監督も全試合勝つつもりでやると言っていますし、他の選手もそういうつもりでやっている。勝つしかない」と2位でのクライマックスシリーズ進出を誓った。ときにファンや若手から「神」と呼ばれ、『坂本勇人はなぜ神なのか』のフレーズ入りのタオルも販売されている坂本が、〝代打の神様〟になりつつある。(谷川直之)
◆先発した阪神・高橋遥人は3回を投げ、今季ワーストの6失点。3点リードの一回、自らの失策からピンチを招き、2019年以来、自身2度目となる満塁本塁打を中山に浴びた。「(ミスを)カバーできる球を投げられなかった」。三回には岸田に2ランを被弾し、今季の対戦成績は5打数5安打1本塁打。左腕は「単純に抑えるすべをもっと探さないといけない」と対策を誓った。
◆捕手の坂本誠志郎は本塁打による複数失点を悔やんだ。「バタバタとした展開がこういうゲームになってしまった。流れを作っていかないといけない」。3点を先制した直後の一回、2死満塁で先発の高橋が中山に初球を捉えられ、逆転満塁本塁打を献上。今季チームワーストの11失点を喫し「全部、複数得点が入ってしまった。1点でも少なく、もうちょっと工夫してできたら違った展開になった」と反省した。
◆昨オフに現役ドラフトで巨人から加入した阪神・畠世周が古巣相手に登板。五回から2番手として2回を無失点に抑えた。「与えられたところを100点で帰ってこられるように頑張りたい」。試合前には阿部監督ら、元同僚とあいさつを交わした。5試合連続無失点とし「(巨人から)『くそ畠』って言われるぐらいに頑張りたい」とハタケ節で意気込んだ。
◆10―9の八回に登板した阪神・及川雅貴は無失点で切り抜けた。「一発のある打者が並んでいるところで、厳しくいった結果、四球を出してしまいました。ゼロで抑えられたのはよかった」。2死からキャベッジに中前打を許すと、連続四球で満塁とされたが、最後は岸田を右飛に打ち取った。これで47ホールドポイント。トップの巨人・大勢(49HP)に近づいたが「目の前の試合をしっかり抑えていきたい」と気を引き締めた。
◆杞憂に終わればいいが...。阪神は巨人との最終戦で10-11の逆転サヨナラ負け。12球団最速の80勝はお預けとなった。近本光司外野手(30)は左前腕への死球で出塁した四回の二盗で3年ぶり4度目の30盗塁に到達したが、五回の守備から退いた。試合途中に球場を離れていたことも判明。大事に至らないことを祈るばかりだ。不動のリードオフマンにアクシデントが襲った。左前腕に死球を受けた近本が、五回の守備から途中交代。藤川監督も、状態を気にかけた。「まだわからない状況ですから、状況は」2死三塁での第3打席だった。カウント3―2からの6球目。左腕・横川の速球が抜けた。近本は打ちに行きながら避けようとするも、左手の前腕付近に直撃。苦悶の表情を浮かべ、たまらずバットを投げ捨てた。一塁ベース上でしゃがみ込む場面もあったが、直後には二盗を記録。2022年以来3年ぶり4度目となる30盗塁に到達し、リーグトップを死守。痛みの影響を感じさせないスピードを見せたが...。
◆白球が大きな弧を描く。スタンドまであと数十センチ。わずかに届かなかった一打を口惜しそうに振り返りながらも、阪神・佐藤輝明内野手(26)が打点キャリアハイまであと「1」と迫った。「飯、足りてないっすねー。攻撃はうまくできたと思います。また切り替えて頑張りますよ」一回1死一、二塁の先制機。左腕・横川の136キロカットボールに軽くバットを合わせた。打球は右中間フェンス最上段に直撃。リプレー検証後も判定は二塁打で変わらなかったが、先制打で4番の仕事を果たした。これが今季91打点目。2023年にマークした自己最多のシーズン92打点まであと「1」とした。昨年のセ・リーグ覇者である巨人に勝つことこそ、覇権奪還へ一番の近道だと意気込んで臨んだシーズン。まさかのサヨナラ負けで2023年9月8日の広島戦(甲子園)から続いていた森下&大山と打点そろい踏みすれば負けなしの不敗神話は23試合でストップしたが、今季の巨人戦を17勝8敗と大きく勝ち越した事実は変わらない。佐藤輝も今季の巨人戦は対戦打率・278、17打点、6本塁打と上々の成績。次の戦いを見据え、主砲は力を込めた。「(巨人戦で)結果も出たし、クライマックスシリーズもあるので準備してやっていきたい」頼もしき4番。セ・リーグの代表をかけた戦いでも、快音を響かせる。(原田遼太郎)
◆魂のヘッドスライディング! 阪神は巨人との今季最終戦で逆転サヨナラ負け。巨人戦17勝で2023年の18勝(6敗1分け)に並ぶ球団最多勝を逃した。五回には今季最多の1イニング7得点を挙げ、原口文仁内野手(33)が13打席目で今季初安打&一時同点打。現役最長となる虎16年目の執念は日本一を目指すチームにとって必ずプラスになる。喉から手が出るほど、体を投げ出しユニホームを赤茶色に染めるほど、欲しくて仕方がない一本だった。原口がみせた執念、ともした「H」のランプを合図に、虎打線が一挙7得点の猛攻だ。巨人を圧倒し続けた2025年。レギュラーシーズン最後の「伝統の一戦」でやっと、熱い魂を持つ男が球児虎に加わった。「当たり的にはきれいなヒットじゃなかった。何とか一本欲しいという気持ちが出たのかなと思います」決して速くない足を、ちぎれんばかりにフル回転させた。5-6の五回1死満塁で代打・楠本の代打に立ち、左腕の高梨から投手強襲の同点内野安打。無我夢中で一塁にヘッドスライディングした。この回に中野の中越え3点三塁打など打者一巡。今季最多タイ10得点を刻みながらサヨナラで敗れたが、藤川監督は「最後らしいというか、いい勝負になった」と納得の表情。原口には大きな意味を持つ「はじまりの日」になった。
◆巨人は阪神に11-10で逆転サヨナラ勝ち。坂本勇人内野手(36)が1点を追う九回に代打で中前へサヨナラの2点打を放ち、乱打戦に決着をつけた。坂本の卓越した集中力の裏にあったのは〝銀の粒〟だ。坂本は6月下旬から8月にかけて、練習中や試合中のベンチで銀色に輝く小さな粒を顔につけていた。温泉療法からヒントを得た集積機能性ミネラルの結晶体(通称イフミック)を含む〝ツボシール〟だという。近年は乱視を抱える36歳。「疲れるってだけで、球が見える、見えないは変わらない」とプレーに支障はないものの、ピントのブレを抑える際に目の周りの筋肉を使うことで疲れが残っていた。蓄積すれば集中力の低下や肩こりにつながる。そこで、こめかみの「太陽」、目頭と鼻の間にある「睛明(せいめい)」という眼精疲労に効くツボに〝銀の粒〟をつけ、効果は徐々に表れた。回数が多かったまばたきが減ったのが、その証拠。クリアにさえ渡った精神状態が、勝負強い打撃を生んでいる。(巨人担当キャップ・谷川直之)
◆カー! 何で優勝決めてんのに、頭に血がのぼらなきゃあかんねん!!ブツブツ...。いや今シーズン、虎の投手陣はホントに良く投げてくれたから文句を言いたくはないんだけど...。先発の高橋、なんで投げ急いで三回までに6点も取られとるんやー! 奪った三振は3回で6つあるってことは、慌てずジックリ放ったらええだけやろー!!桐敷も、湯浅も、及川も、ドリスも、みんな鉄壁な投手陣なんて見るカゲもない、ボロボロ状態...。クライマックスシリーズ(CS)大丈夫かいな? と不安が頭をよぎったけど、優勝ボケでこんなこともあるわ~! とCSの快投を信じて、今日はこのくらいにしといたる!!カリカリする一方、ジワ~ッと、胸が温かくなるシーンもあったのだ。五回、16年目の原口の今季初ヒットが同点打! 内野安打で一塁にヘッドスライディング。そして、現役ドラフトで巨人から来た畠が巨人打線を2回無失点。マウンド上で「俺を出して後悔してるじゃろー!」とほえているように見えたのだ!! 14日、ニッポン放送で午後6時から『阪神優勝特番』やるので虎党必聴やでェ!!
◆レギュラーシーズン最後の「伝統の一戦」にふさわしく、大熱戦? どうかなあ...。前提として、両チームの臨み方がまるで違うからね。阪神は消化ゲームであると同時に、クライマックスシリーズ(CS)をにらみ、選手のコンディション維持など、難題や悩みも抱えながら戦う。対して巨人は2位を確保しようと必死で、どうCSを勝ち上がろうかと躍起になっていくところ。その差を冷静に見つめる必要がある。坂本のサヨナラ打の場面。阪神バッテリーは四球の満塁策も視野に入れ、正直に勝負することはなかった。何より決定的なのは、石井と岩崎の抑えの切り札が休養中ということ。普段の逃げ切り野球はできなかった。一回の中山の逆転満塁本塁打は高橋の初球、真ん中へ入ってきた真っすぐ。優勝争いの最中だったら、これも正直にストライクなど取りにこないだろう。派手で大味なゲームになったのもひとえに、阪神が大独走し、史上最速で優勝したため。この時期の「伝統の一戦」が、これでいいのか。複雑な思いだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆勝ちまくった今季のレギュラーシーズンの「伝統の一戦」が東京ドームで最終戦を迎えた13日、同じ東京では華々しく陸上の世界選手権が始まった。最初の競技となる男女の35キロ競歩は午前7時半にスタート。虎番の中屋友那は必死でホテルのテレビにかじりつき、今大会日本勢メダル第1号となる銅メダルに輝いた勝木隼人のレースを見つめていたという。「朝からいいものを見せてもらいましたね~。僕は小学生の頃も男子100メートルのウサイン・ボルトの走りが楽しみで、世界陸上はずっと見ていましたよ」どちらかというとカール・ルイス世代の虎ソナからすると、小学生の頃にボルトを見たという中屋の若さ(25歳)に衝撃を受けるが、何にでも関心があるのは記者として素晴らしいことだ。「徒競走で1位になったヤツだけがボルトのポーズをマネをできる風潮もありましたもんねぇ。僕ですか? ほとんど1位でしたよ! ただ長距離走の方が得意で、そちらは小学1~4年まで高知県大会1位でしたが」のちに高知高のエース右腕として選抜高校野球大会のマウンドに立ったような男だから、自慢されても不思議とイヤミに感じない。虎ソナはもちろん、1位になってカール・ルイスのポーズ(そんなのないが)をする資格を得たことなんて一度もない。
<セ・リーグ順位表推移>
| 順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 優勝 (-) |
阪神 |
79 | 48 | 3 | 0.622 (↓0.005) | - (-) |
13 | 450 (+10) | 316 (+11) | 81 (-) | 95 (+1) |
0.244 (↑0.001) | 2.180 (↓0.04) |
| 2 (-) |
巨人 |
64 | 63 | 3 | 0.504 (↑0.004) | 15 (↑1) |
13 | 416 (+11) | 406 (+10) | 88 (+2) | 48 (-) |
0.247 (↑0.001) | 2.830 (↓0.06) |
| 3 (-) |
DeNA |
62 | 63 | 5 | 0.496 (↑0.004) | 16 (↑1) |
13 | 441 (+6) | 410 (+2) | 96 (+2) | 60 (-) |
0.241 (↑0.001) | 2.900 (-) |
| 4 (-) |
広島 |
57 | 68 | 5 | 0.456 (↑0.004) | 21 (↑1) |
13 | 408 (+5) | 426 (-) | 68 (+1) | 55 (-) |
0.248 (↑0.001) | 3.020 (↑0.03) |
| 5 (-) |
中日 |
57 | 71 | 2 | 0.445 (↓0.004) | 22.5 (-) |
13 | 368 (-) | 421 (+5) | 75 (-) | 77 (+1) |
0.232 (-) | 2.950 (↓0.02) |
| 6 (-) |
ヤクルト |
47 | 73 | 6 | 0.392 (↓0.003) | 28.5 (-) |
17 | 369 (+2) | 510 (+6) | 80 (-) | 52 (-) |
0.232 (↑0.001) | 3.660 (↓0.02) |



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