1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 2 | 4 | 0 | 1 |
勝利投手:大竹 耕太郎(8勝3敗0S) 敗戦投手:石田 裕太郎(2勝5敗0S) 本塁打 |

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◆阪神が投手戦を制した。阪神は0-0で迎えた4回裏、森下の2ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・大竹が9回3安打無失点の快投。自身2年ぶりの完封で今季8勝目をマークした。敗れたDeNAは、先発・石田裕が好投するも、打線が援護できなかった。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が8勝目をかけて11日のDeNA戦(甲子園)に先発する。DeNA戦は今季初登板。先発機会はあと3回程度とみられる。3年連続の2桁勝利へ、簡単ではない挑戦になるが「経験上、数字を追い求めるとあまりよくない。やっぱり目の前の1試合、1試合を投げて結果的に10勝をできれば。投げさせてもらえる1試合を全力でいくだけです」と冷静に話した。
◆すでに優勝を決めた阪神の遊撃争いが、ここにきて混とんとしてきた。大半の70試合に先発してきた小幡竜平内野手(24)が打撃不振のため、優勝決定の次戦(9日)から2軍再調整に入った。小幡の次に先発が多いのは開幕当初メインだった木浪聖也内野手(31)で36試合。熊谷敬宥内野手(29)が8月以降、一気にスタメン機会を増やし、計20試合に先発。実質、三つどもえ状態といえる。2試合スタメンの高寺望夢内野手(22)を含め、今季先発したのは4人だけ。小幡は8月以降の打率が1割5分9厘と課題が明らか。熊谷も10日まで11打席ノーヒット。バットに一時期の勢いがない。1カ月後から始まるポストシーズンは、その時のコンディションがすべて。誰が調子を状態を上げてくるか、目が離せない。
◆今季初めて2番で先発した梅野隆太郎捕手(34)の「勢い」が、指揮官にも響いた。昨年4月14日以来の「2番捕手」で出場。初回1死の打席でDeNA東から左翼フェンスまで飛ばす二塁打を放ち、先制点の好機をつくった。5回には鋭い左前打でマルチ安打とし、出場4試合連続の安打となった。藤川球児監督(45)は試合後、2番起用の意図を明かした。「バッティングの状態も非常にいいですしね、梅野を6番以降でいくより、2番で攻撃的にいった方が、6番に熊谷がいますから、そういう意味で梅野の良さも出るのかなと思った」。起用に応える姿を見て、CS、日本シリーズの短期決戦で必要な勢いを感じ取った。「楠本なり、井坪なり、今日の梅野のように、グーッと勢いが出てくるとね」と指揮官。「今まで出てた選手が少し休養をとりながら、すごい勢いで来た選手が出てくれば、これは非常にその時に心強い」。独走優勝を決めたチームに、さらなる勢いをもたらしそうだ。
◆阪神は7日のリーグ優勝決定後に連敗を喫し、15カードぶりの負け越しとなった。阪神藤川球児監督(45)は「しっかりとチームを1回、洗濯してですね、洗ってですね、それからまた強いチームに仕上げていく」とポストシーズンを見据えた。この日は打線を大幅変更。2番で先発した梅野隆太郎捕手(34)がマルチ安打、「7番左翼」で今季3度目のスタメンとなった高卒3年目の井坪陽生外野手(20)も第1打席で安打をマーク。途中出場となった楠本泰史外野手(30)もDeNAから移籍後初安打をマークした。指揮官はこの3人にポストシーズンで不可欠な「勢い」を感じ取った。「楠本なり、井坪なり、今日の梅野のように、グーッと勢いが出てくるとね、それが一番必要になってきますから。向かう方向があるということで。それをいかにうまくやっていくか。もう1回、作り上げていくところですね」。独走優勝を成し遂げた力に勢いも加えて、次は日本一へ。さらに強いチームをつくる。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が年間100打点ペースを守っている。前日10日の試合で適時二塁打を放って1打点をマーク。打点がなければ99打点ペースだったが、ちょうど大台をキープした。36本でトップを独走する本塁打も、ぴったり「40」に乗せている。タイトル対象ではないが、総合的な貢献度を示すOPS(出塁率+長打率)「・925」はひとり旅。8割台すらいない。2位は同僚・森下翔太外野手(25)の「・798」だ。今季、阪神勢が打点3傑を独占中。2位の森下は80打点で89打点ペース。続く大山悠輔内野手(30)は66打点で、73打点に届く計算。チーム残り試合は15。どこまで伸ばせるかにも注目だ。
◆阪神の最速161キロ右腕、工藤泰成投手(23)が出場選手登録された。昨秋の育成ドラフトで1位指名され、3月の開幕前に支配下昇格。1軍ではここまで14試合に登板し、防御率3・95の成績を残している。6月5日の今季2度目の出場選手登録抹消後は約3カ月間、2軍調整。前日10日のウエスタン・リーグオリックス戦(SGL)で延長10回に登板。タイブレークで無死一、二塁から始まったが、3者連続三振で無失点の快投を披露した。「昨日(10日)の試合で、3月ぐらいの自分を思い出した。気合を入れて投げたい」と燃えた。代わって、伊藤将司投手(29)、グラント・ハートウィグ投手(27)が出場選手登録を抹消された。伊藤将は前日10日のDeNA戦に先発。6回1/3を6失点で今季2敗目を喫していた。ハートウィグは7月に加入し、8月5日の初昇格。1軍でプレーを続け、14試合登板で防御率3・86だった。前日の同戦では7回1死一、二塁から登板。暴投で二、三塁とした後、中前2点適時打を浴びた。
◆7人組アイドルグループ「FRUITS ZIPPER」の鎮西寿々歌(26)が、ファーストピッチセレモニーに登場した。SNSで大流行した「わたしの一番かわいいところ」が流れる中、マウンドに向かった。投球前には、藤川球児監督(45)が現役時代に球宴で披露したように、ボールを持った右手を前に突き出し「ストレート宣言」。山なりのボールを投じ、惜しくもノーバウンド投球とはならなかったが、観客からは大きな拍手が送られた。甲子園の所在地でもある兵庫・西宮市出身で「昔からたびたび訪れている、思い出のある場所です。こうしてマウンドに立たせていただけるなんて、本当に夢のようでした」と感激。同球場での阪神戦は「藤川監督が選手だった頃とか、うろ覚えなぐらいの時から来させてもらっています。『天才てれびくん』(NHK)という番組で藤川監督と1度共演させていただいたりもしていて、すごくうれしかったです」と縁を明かし「最速優勝で地元が盛り上がって本当にうれしいです」とリーグ制覇を喜んだ。主砲の佐藤輝明内野手(26)は同じ西宮市出身で同学年。「やっぱりホームランはかっこいいなというか、憧れがあるので、同学年、同郷としてリスペクトがいっぱいです」と話した。大流行した曲「NEW KAWAII」になぞらえて、"NEW KAWAII"選手を問われると、「湯浅選手がSNSで楽曲を使ってくださったりしているんですけど、先ほど練習に付き合ってくださって、めちゃくちゃ"NEW KAWAII"、キュートな部分がたくさん見られました」と答えた。
◆セ・リーグの最多安打争いが大混戦となった。長らくトップを走ってきた阪神近本光司外野手(30)が4回にこの日1本目となる左前打。今季145安打とした。ただ、この時点で広島小園海斗内野手(25)と中日岡林勇希外野手(23)が2本ずつマーク。まだ試合中ながら3人が一時的に「145安打」で並んだ。残り試合は阪神がこの試合を含めて15。広島と中日は16ずつ。
◆阪神近本光司外野手(30)が5試合ぶりの盗塁を決めた。4回の先頭で左前打。次打者の時に好スタートを切って二盗を決めた。29盗塁はリーグトップ。2位の中日上林誠知外野手(30)に2差とした。3年ぶり4度目の30盗塁に王手をかけた。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が、今季初の完封勝利で8勝目を挙げた。23年7月5日の広島戦(マツダスタジアム)以来2年ぶり、移籍後2度目で甲子園では初となる。初回から3者凡退で順調な立ち上がり。2回1死走者なしからDeNA佐野恵太外野手(30)に死球を与えるも、続く戸柱恭孝捕手(35)を遊ゴロ併殺に抑えた。その後3、4回は出塁を許さず3者凡退。4回までは無安打投球を披露した。5回に先頭ダヤン・ビシエド内野手(36)に右前打を浴び、この日初の被安打。それでも後続を左飛、二ゴロ併殺で抑え、相手に得点は許さなかった。6回には2死一、二塁のピンチを迎えるも、空振り三振で無失点。その後も点を失うことはなかった。今後も白星を積み重ね、10勝目に到達すれば3年連続の2ケタ勝利となる。
◆DeNAがリーグ王者阪神に4試合ぶりに黒星を喫した。阪神先発大竹の緩急自在の投球を前に打線が沈黙した。5回先頭でビシエドがチーム初安打を放つも、1死から戸柱が二ゴロ併殺打に倒れてチャンスを生かせず。6回には2死から投手・石田裕と蝦名の連打で一、二塁とするも、桑原が空振り三振に倒れて無得点に終わった。7月26日の阪神戦(甲子園)以来、39試合ぶりに完封負けを喫した。先発の石田裕太郎投手(23)は4回1死二塁、中大時代の1学年先輩・阪神森下に甘く入ったスライダーを捉えられて先制2ランを被弾した。それでも以降はテンポよい投球を披露。7回は2死一、二塁で木浪を空振り三振。白星とはならなかったが、7回3安打2失点8奪三振と好投した。前日に「長い回を投げるのは意識している」と話した通り、3試合連続で7回を投げきったが援護に恵まれなかった。チームの連勝、阪神戦の連勝は3でストップしたが、3カード連続のカード勝ち越しで9月は6勝3敗と勢いに乗ったまま、12日からはヤクルト2連戦(神宮)に臨む。
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます虎を牽引する背番号1スライダーを完璧に捉えた森下翔太が先制21号ホームラン?プロ野球(2025/9/11)??阪神×DeNA??Live on DAZN #オレをみろ #阪神タイガース#だったらDAZN
◆阪神が優勝決定次戦からの連敗を2で止めた。この日は大山悠輔内野手(30)を休養させ、原口文仁内野手(33)を「5番一塁」で今季初めてスタメン起用した。打線は4回、先頭の1番近本光司外野手(30)が左前打で出塁。5試合ぶりの二盗を決め、3番森下翔太外野手(25)が7試合ぶりの21号2ランを放って先制した。森下は両リーグトップとなる今季19度目の勝利打点を挙げた。先発大竹耕太郎投手(30)は緩急を織り交ぜたピッチングでDeNA打線を翻弄(ほんろう)。9回完封で自身2連勝とし、今季8勝目を挙げた。完封勝利は23年7月5日広島戦以来、2年ぶり2度目。
◆DeNA石田裕太郎投手(23)が1球に泣いた。4回1死二塁、中大時代の1学年先輩・阪神森下に甘く入ったスライダーを捉えられて先制2ランを被弾し「同じチームでよくベンチからみたホームランをうまく打たれた」と悔やんだ。それでも以降はテンポよくアウトを重ねて7回3安打8奪三振2失点。「全体的には良かった。うまく試合を作れたかなと思います」と、3試合連続で7回を投げきった。
◆DeNAは3安打と打線が沈黙し、39試合ぶりに完封負けを喫した。ドラフト3位ルーキーの加藤響内野手(23)をプロ初先発に起用。8回1死の3打席目では強烈な当たりを放つも好守に阻まれて三ゴロに倒れた。阪神大竹耕太郎投手(30)の緩急自在の投球に3打数無安打に封じられ、三浦大輔監督(51)は「ストライクゾーンを広く使われた感じですね。きわどいボールも緩急を使いながらで捉えきれなかったですね」と振り返った。▽DeNA加藤(プロ初先発で3打数無安打)「守備も打撃もそつなくじゃないですけど、できたかなというのはある。しっかり整理して次の試合を迎えたい」
◆阪神原口文仁内野手(33)が「5番一塁」で今季初めて先発出場した。スタメンは昨年6月14日ソフトバンク戦以来。3打数無安打で今季初安打は生まれなかったが、4回の三ゴロ、7回1死二塁の二ゴロで一塁まで激走した。試合後は「内容も良くないですし、何もできなかったので。悔しい思いがありますけど、また試合に出られるチャンスがあればそこでしっかり準備したいなと思います」と前を向いた。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が大竹の好投を堅守で支えた。2回1死一塁、5回1死一塁でいずれも遊撃・木浪とのコンビで併殺を完成。「リズムよく投げてくれたんで。野手のリズムもできるんで、そこはやりやすかったです」と大竹の投球との相互作用だったとうなずいた。打っては2試合ぶりの安打を放った。
◆虎が誇るリードオフマンが沈黙を打破した。阪神近本光司外野手(30)が4回、先頭で左前にチーム初安打を放った。「いいところに投げられていた。見逃し三振も多かった。でも、自分のスイングは崩さず、しっかり振っていこうというのはありました」。DeNA先発石田裕に3回までパーフェクトに抑えられていた。近本も第1打席は見逃し三振に倒れたが、2打席目ですぐさま順応。攻撃の起点となった。打つだけではない。次打者中野の2球目、5試合ぶり今季29個目の盗塁を決めた。2位の中日上林とは2差。3年ぶり4度目の30盗塁に王手をかけ、打線のスイッチを入れた。その後、森下が決勝2ラン。「得点につながったのでよかった」と笑顔を浮かべた。第4打席でも右前打を放ち、今季40度目のマルチ安打を達成。安打数は146とし、広島小園と並びリーグトップタイだ。残り14試合、近本がタイトル争いでファンの熱視線を集める。
◆阪神女房役の坂本誠志郎捕手(31)が、甲子園初完封の大竹をねぎらった。「試合前、いろいろ話をしながら『こういうのどうですか』と言ってくれていた」と意欲的な準備を明かした上で「自分で目標とか、どういう風に投げたいとかを持ってマウンドに上がってくれている」と納得顔。「球数も少なく、テンポよく投げてくれて良かった」と快投左腕をねぎらった。
◆会心の一撃で勝利をつかんだ。阪神森下翔太外野手(25)は左翼席へ大飛球を運ぶと、本塁を踏む瞬間、大きく広げた両手をパチンと合わせた。「久しぶりに角度もしっかり出て芯で捉えられた。やっといい形でホームランが出て、すごくうれしい」また試合を決めた。両チーム無安打無得点で迎えた4回。先頭の近本がこの試合初安打を放ち、二盗を決めた。1死二塁。森下は低めの126キロスライダーを強振した。21号先制2ラン。決勝弾でV決定後初白星に貢献した。これで決勝打は両リーグ最多の今季19度目。リーグ優勝した05年の今岡に並び、球団歴代2位タイとなった。同年に球団記録の147打点をたたき出した昨季の打撃コーチに肩を並べる勝負強さに、本人も納得顔だ。「それだけ勝利に貢献できていると実感できる数字」。リーグ優勝&日本一を成し遂げた85年のバースが積み上げた球団最多22度の決勝打まで、残り3本に迫っている。相手先発の石田裕は中大の1学年後輩。初対戦の前回は2打数無安打だった。この日も3回まで完全投球。自身も初回は外角いっぱいのボールで見逃し三振に倒れ、膝から崩れ落ちていた。それでも切り替え、修正しての決勝弾。「前回やられて悔しかった。今日は1本出そうと。最高の形になった」。先輩としての威厳をしっかり保った。歓喜の瞬間を迎えても気は緩めない。V奪回決定後の全3試合で安打をマーク。プロ入り後最長の12試合連続安打を記録した。打点も82に増やし、1位佐藤輝の90に8打点差まで近づいた。「優勝してもCS、日本シリーズにつながるので気を引き締めている」。余韻に浸っている暇はない。チームは負ければ今季初となっていた甲子園での同一カード3連敗を阻止。「勝ち癖というか勝ちに徹して、最高な形でCSを迎えたい」。勝負強さに磨きをかける。【塚本光】
◆CSでも頼みまっせ! 阪神大竹耕太郎投手(30)が今季初&甲子園初の完封勝利を飾った。DeNA打線を散発3安打に封じ込め、23年7月5日広島戦(マツダスタジアム)以来2年ぶりの完封を決めた。中5日でCSファイナルステージを戦う可能性もある打線を翻弄(ほんろう)し、藤川監督も納得顔だ。優勝決定後のチームの連敗を2で止め、シーズン8勝目。3年連続の2ケタ勝利へ、ポストシーズンへ、1試合たりとも無駄にしない。登場曲「グランメゾン東京のテーマ」が流れる中、9回のマウンドに歩いた。「あと1人コール」を聞いた大竹は「甲子園のマウンドで聞くのは初めてだな。岩崎さんはいつもこういう雰囲気の中で投げているのか。そんなことを考える余裕もありました。堪能できました」。完投、完封の投手にだけ許されるごほうびを全身で味わった。まさに名料理人。リズミカルに打者29人を、わずか104球で片付けた。2時間14分は阪神の今季最短ゲームだ。完封は阪神移籍1年目だった23年の7月5日広島戦(マツダスタジアム)以来。甲子園では初めて。最後はチェンジアップで桑原のバットに空を切らせ、感情を出して喜んだ。「坂本さんと9回まで話しながら進められた。0点で終われてよかったという気持ち」と汗をぬぐった。今のテーマは直球の強さ。序盤から思い切り腕を振り、力強い直球をコースに突き刺した。直球が効いていると見れば、緩い球で泳がせた。「気持ちよく振らせないことを意識しました」。技巧派の真骨頂だった。シーズン中でも、まだまだ成長できる実感があるという。「受験勉強もだけど、1回伸び悩んでからポーンって来る。どうしたら来るか模索している。現状維持でいいという考え方では終わり。常に書き換えていきたい」と貪欲だ。夏場に2度、登板中に体がつる症状が出た。必死に対処法を探し、サプリを口にするほか、肌に直接塗り込んでマグネシウムを摂取するオイルも試した。効果もあってか、蒸し暑い夜に9回を投げきった。8勝目。今回の中5日登板は10勝達成のためでもあるが、藤川監督は「他の要素も少しある。間を空けて投げる時と、詰めて投げる時(の姿)を知りたかった」と明かした。1カ月後、CSファイナル、日本シリーズと続く戦いでは状態のいい投手を優先して詰めていくパターンもあり得る。村上、才木、高橋、伊藤将らとともにフル回転が期待されている。大竹も「CS」を意識していた。9回は代打オースティンを右飛に。昨季2本塁打された相手に3球ボールが続いてから、気持ちを入れ直してストライクを投げ込んだ。「強い気持ちで投げられるか。代打で出てきてもらって、CSに向けていい経験になった」と悪い印象を払拭した。多くの「消化試合」を戦う阪神だが、次なる戦いへのテーマはある。チームにとっても大きな意味を持つ大竹の完封劇だった。【柏原誠】
◆2連敗中の阪神は大竹耕太郎投手(31)が先発する。今季は13試合に先発して7勝3敗、防御率2・84。3年連続2桁勝利に向け、今季初対戦のDeNAに立ち向かう。打線はスタメン外の大山悠輔内野手(30)に代わって今季無安打の原口文仁内野手(33)が「5番・一塁」で初先発する。
◆阪神・森下翔太外野手(25)が先制の21号2ランを放った。先発・石田裕に三回までノーヒットと苦しんでいたが、四回だった。先頭の近本光司外野手(30)がチーム初安打となる左前打で出塁。中野拓夢内野手(29)は右飛に倒れたが、ここで森下が打席に立った。2球目の低めの変化球を一閃。豪快に打ち上げた打球は左翼スタンドに吸い込まれた。3日の中日戦(バンテリン)以来となる21号2ランで、重苦しいゲームで先制に成功した。
◆期待の新人内野手が、プロ初先発を果たした。「7番・二塁」で出場したDeNAのドラフト3位・加藤響(四国IL徳島)は、打力が売りの右打者だ。7日に1軍初昇格。「数多くチャンスはない」と早いカウントから積極的にバットを振った。神奈川・厚木市出身。小学生の頃にベイスターズジュニアに名を連ね、高校時代は東海大相模で腕を磨いた。今季はイースタン・リーグで86試合に出場し、打率・234、5本塁打、31打点。牧、宮崎と右打ちの内野手が相次いで負傷離脱する中、三浦監督は「打撃だけじゃない」と守備や走塁への期待も口にしていた。同期として入団したドラフト1位・竹田(三菱重工West)が一足先に1軍に昇格し、8月中旬のデビュー戦から2戦2勝を挙げた。互いに春先から2軍で思うような結果を残せず、一日でも早く戦力になろうと励まし合ってきた。竹田の3歳下で23歳の加藤は「(竹田が)先に活躍したのはうれしかったけど、悔しい思いもあった」と胸の内を明かす。「竹田さんは『頑張れよ』と言ってくれていて、すごい励みになる」と感謝も語っていた。レギュラーシーズン最終盤に手にしたチャンス。「最後の最後まで諦めない。走攻守そろったところを見せられたら」と貪欲にプレーする。(鈴木智紘)
◆阪神はDeNAに勝利し、連敗を2で止めた。大竹耕太郎投手(30)が3安打完封。わずか104球で、甲子園初完封を飾った。立ち上がりからテンポよくアウトを積み重ね、四回までノーヒットに封じた。六回には、連打でこの日唯一得点圏に走者を背負ったが、2番・桑原を139キロの直球で空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。七回以降も三者凡退に斬り、今季8勝目を手にした。打線は四回に森下翔太外野手(25)の21号2ランで先制するも、以降は得点できず。七回に2四球で2死一、二塁の好機を作ったが、木浪聖也内野手(31)は空振り三振に倒れた。「5番・一塁」で今季初スタメンの原口文仁内野手(34)は3打数無安打だった
◆阪神が27度目の完封勝利でカード3連敗を阻止。四回1死二塁、森下翔太外野手(25)の21号2ランで先制。自己最長の12戦連続安打を記録した森下の3日中日戦(バンテリンD)以来、28打席ぶり本塁打で挙げた2点を大竹耕太郎投手(30)が死守。2023年7月5日広島戦(マツダ)以来の完封で8勝目(3敗)を挙げた。3度目のスタメン外の大山悠輔内野手(30)に代わって「5番・一塁」で今季初スタメンの原口文仁内野手(33)は左飛、三ゴロ、二ゴロで12打席11打数無安打1四球。大山に出番はなく、今季2度目の欠場。打線は3安打で試合時間2時間14分はチーム今季最短(成績=78勝48敗3分、観衆=4万2611人)。
◆DeNAは打線が沈黙し、連勝は「3」でストップした。先発の石田は四回に阪神・森下に21号先制2ランを被弾したが7回2失点と好投。だが、打線は阪神先発の大竹に3安打に封じられ、得点を奪えなかった。
◆阪神が27度目の完封勝利でカード3連敗を阻止。四回1死二塁、森下翔太外野手(25)の21号2ランで先制。自己最長の12戦連続安打を記録した森下の3日中日戦(バンテリンD)以来、28打席ぶり本塁打で挙げた2点を大竹耕太郎投手(30)が死守。2023年7月5日広島戦(マツダ)以来の完封で8勝目(3敗)をマークした。3度目のスタメン外の大山悠輔内野手(30)に代わって「5番・一塁」で今季初スタメンの原口文仁内野手(33)は左飛、三ゴロ、二ゴロで12打席11打数無安打1四球。大山に出番はなく、今季2度目の欠場。打線は3安打で試合時間2時間14分はチーム今季最短。
◆DeNA・石田裕太郎投手(23)が先発し、7回3安打2失点と好投したものの、打線の援護に恵まれず5敗目を喫した。「全体的に内容は良かった。試合はつくれた」と振り返った。三回まで一人の走者も許さない完全投球を見せたが、四回に均衡を破られた。左前打で出た先頭の近本に二盗を許し、1死二塁で迎えた森下にスライダーを捉えられ、決勝の2ランを左翼席に運ばれた。森下は中大の1学年先輩。長打を警戒していたが「自信のあるスライダーを投げてクルっと回られた(鋭い軸回転で打たれた)。よく(大学時代に)同じチームでベンチから見ていたホームランをきれいに打たれた」と反省。「次はリベンジしたい」と雪辱を期した。
◆阪神が27度目の完封勝利でカード3連敗を阻止。四回1死二塁、森下翔太外野手(25)の21号2ランで先制。自己最長の12戦連続安打を記録した森下の3日中日戦(バンテリンD)以来、28打席ぶり本塁打で挙げた2点を大竹耕太郎投手(30)が死守。2023年7月5日広島戦(マツダ)以来の完封で8勝目(3敗)を挙げた。3度目のスタメン外の大山悠輔内野手(30)に代わって「5番・一塁」で今季初スタメンの原口文仁内野手(33)は左飛、三ゴロ、二ゴロで12打席11打数無安打1四球。大山に出番はなく、今季2度目の欠場。打線は3安打で試合時間2時間14分はチーム今季最短。
◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(71)は完封勝利の大竹耕太郎投手(30)と決勝2ランの森下翔太外野手(25)の阪神コンビに言及した。大竹は文句なしだった。一回から九回まで直球の速さは変わらず、これまで試合中盤に交代することが多かったが、七回以降は三者凡退で疲れもなかった。DeNAで4打席立てたのは蝦名、桑原の1、2番コンビだけ。緩急自在で、相手からすれば、タイミングが合わずに終わったなという印象しかない。これから必死で対策を練るはずだ。DeNAとは今季初対戦。内容を見ると、ポストシーズンの相手となれば間違いなく大竹の出番だ。スローボールは普通に打ちにいけば打てない。最初から逆方向という気持ちでいかないとダメだし、引きつけていても我慢できずに泳がされてしまう。そして、内角に直球を投げられると手も足も出なくなる。DeNA打線は速球派には強いが、かわされる投手がくるとこうなってしまうのかと思った。決勝2ランの森下のスライダー打ちは素晴らしい。スライダーの軌道に、うまくバットが入っていく。相手はより慎重にならざるを得ない。リーグ優勝した後ではあるが、甲子園で同一カード3連敗は避けたかった。大竹、森下の活躍は今後に必ず生きてくる。
◆「5番・一塁」で今季初スタメンの阪神・原口文仁内野手(33)は起用に応えられなかった。3打席に立ち、左飛と内野ゴロ2つに倒れた。「(打席の)内容もよくなかったですし、何もできなかった」。今季ウエスタンでは打率・280を残しているが、1軍では12打席に立っていまだ無安打。「悔しい思いはあるが、また試合に出られるチャンスがあれば、しっかりと準備したい」と前を向いた。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)は巧みなリードで大竹耕太郎投手(30)を104球完封勝利に導いた。「試合前に『こういうのどうですか』と言ってくれていた。今日は風がいつもと逆の時もあったので、そこにも気を遣いながら丁寧に投げてくれた」。中5日での登板ながら、マダックス目前の快投に「ちょっと(登板の)間隔が詰まっていたが、球数も少なく、テンポよく投げてくれた」と感謝した。
◆DeNAのドラフト3位・加藤響内野手(23)=四国IL徳島=が「7番・二塁」でプロ初先発し、3打数無安打だった。相手先発は緩急を付けた投球を持ち味とする左腕の大竹。打力が売りの右打者は打ち気を逆手に取られたが、2球目の直球を捉えた3打席目の三ゴロは鋭い当たりだった。「ヒットにはならなかったけど、打席での狙いは悪くなかった」と前向きに語った。三浦監督は「捉えた当たりもあった。(守備で)打球もしっかりさばいていて良かった」と評価した。
◆阪神・近本光司外野手(30)が四回先頭で左前にチーム初安打を放った。「(DeNA・石田裕は)コントロールがよかったし、いいところ投げられていたので、見逃し三振も多かったと思いますけど、しっかり自分のスイングは崩さずしていこうとは思いました」その後、リーグトップの29個目の盗塁を決め、森下翔太外野手(25)の本塁打で先制のホームを踏んだ。3年ぶりの30盗塁に王手をかけたが「いや、別にそこはあまりないです」と個人タイトルよりも、チームの勝利のために尽くす。八回の第4打席では2死から右前打で今季40回目のマルチをマーク。今季146安打を放ち、試合前まで1本差に迫っていた広島・小園がこの日3安打で並ばれたが、リーグ2冠を死守した。
◆阪神・中野拓夢内野手(29)が当たり前のように軽快な守備を見せ、大竹耕太郎投手(30)を援護した。七回にビシエドの痛烈なゴロ打球を好捕すると、1回転しながら一塁へ送球した。「リズムよく投げてくれたのでよかった。野手のリズムもできるのでそこは守りやすかったです」。六回には中前打をマークし、打率・288でリーグ3位をキープ。「(調子は)良くも悪くもないので、明後日以降も頑張りたい」と力を込めた。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 (-) |
阪神 |
79 | 47 | 3 | 0.627 (↓0.002) | - (-) |
14 | 440 (+3) | 305 (+6) | 81 (+1) | 94 (+1) |
0.243 (↓0.001) | 2.140 (↓0.02) |
2 (-) |
巨人 |
63 | 63 | 3 | 0.500 (-) | 16 (-) |
14 | 405 (+6) | 396 (+6) | 86 (+2) | 48 (-) |
0.246 (-) | 2.770 (-) |
3 (-) |
DeNA |
60 | 63 | 5 | 0.488 (-) | 17.5 (-) |
15 | 425 (+6) | 406 (+3) | 94 (+2) | 60 (-) |
0.238 (↓0.001) | 2.910 (↑0.02) |
4 (-) |
中日 |
57 | 69 | 2 | 0.452 (-) | 22 (-) |
15 | 368 (+11) | 407 (+9) | 75 (+1) | 76 (-) |
0.232 (↑0.002) | 2.910 (↓0.02) |
5 (-) |
広島 |
55 | 68 | 5 | 0.447 (↑0.001) | 22.5 (-) |
15 | 394 (+6) | 426 (+6) | 67 (+3) | 54 (+1) |
0.245 (-) | 3.070 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
47 | 71 | 6 | 0.398 (↑0.001) | 28 (-) |
19 | 365 (+9) | 494 (+11) | 78 (+2) | 52 (-) |
0.232 (-) | 3.590 (↑0.01) |
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