1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 |
勝利投手:ケイ(8勝6敗0S) (セーブ:伊勢 大夢(0勝4敗9S)) 敗戦投手:村上 頌樹(11勝4敗0S) |

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◆DeNAは0-0で迎えた2回表、佐野とケイの適時打が飛び出し、3点を先制する。投げては、先発・ケイが7回3安打無失点の好投。その後はウィックと伊勢の継投で完封リレーを展開し、ケイは今季8勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が無得点と振るわなかった。
◆阪神井坪陽生外野手(20)が1軍に合流した。今季は2試合でスタメン出場。プロ初出場初先発となった8月19日中日戦(京セラドーム大阪)では、初打席から三塁への内野安打でHランプをともした。8月24日に出場選手登録を抹消されながらも、ファームでは直近4試合で16打数9安打、4打点と好調を維持している。チームは7日に2年ぶりのリーグ優勝を達成。残り17試合は消化試合となる一方、若手選手にとってはチャンスでもある。「優勝が決まったので、どこかでチャンスがあると思ってずっと準備して待っていたので。アピールのチャンスだと思います」と気合をにじませた。
◆7日にリーグ優勝決定の阪神は、投手以外は同日の広島戦と同じスタメンで臨む。この日1軍に昇格した、伊原陵人投手(25)がベンチ入りした。7月31日広島戦から、登板4試合連続で先発。プロ1年目の今季はここまで23試合の登板中16度先発しているが、リリーフ待機となる。先発は村上頌樹投手(27)。勝利投手となれば才木浩人投手(26)、DeNA東克樹投手(29)に並ぶ、リーグトップタイの12勝目となる。野手では試合前時点で、佐藤輝明内野手(26)が36本塁打、89打点、近本光司外野手(30)が142安打、28盗塁でリーグトップ。森下翔太外野手(25)は打点王の座を狙っており、佐藤輝を9打点差で追う。投手、野手合わせ全12部門で虎戦士が3位以内。優勝は決まったが、今後も激しいタイトル争いは続く。
◆阪神前監督の岡田彰布顧問(67)が、サンテレビのテレビ解説で、佐藤輝に「3冠王」を期待した。初回2死二塁の打席を解説しながら「本塁打王はもう決まりだから」と前置きした上で、打率のタイトルも狙うなら「ヒットを狙っていったらいいんやないかな」と語った。ただ、その打席は佐藤輝は空振り三振に倒れた。
◆阪神の右翼を守る森下翔太外野手(25)が、守備でスタンドを沸かせた。2回無死二塁。DeNA山本の右飛を捕球すると、すぐに二塁へのレーザービームを披露した。二、三塁間にいた二塁走者は帰塁の最中で、きわどいタイミング。セーフとなったが、観客はざわついた。直後の1死二塁からは、前方に落ちそうな打球をスライディングキャッチ。虎党は歓声を上げた。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(30)が"自援護"で阪神戦初白星をたぐり寄せた。1点のリードを得た2回、2死二塁から京田が申告敬遠されて2死一、二塁。フルカウントからの6球目、外角高めの直球に詰まりながらも押し込んだ。前進守備の中堅・近本の頭上をわずかに越える2点適時二塁打。試合前まで打率0割9分7厘だったが、今季初打点となる一打に、二塁ベース上で両手を掲げて喜んだ。試合前までで対阪神は通算0勝4敗。今季に限れば6試合で防御率0・68と圧倒的な数字で相手打線を封じ込めていたが、味方の援護なく0勝2敗に沈んでいた。リーグ優勝を決めたばかりの相手打線から主導権を握り、球団の外国人左腕では史上最多となる8勝目に向けて、好スタートを切った。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が、サンテレビのテレビ解説で、クライマックスシリーズへの懸念を示した。「(阪神は)やりづらいですよ」とため息をつくことしきり。現在2位につける巨人も、9日の試合前時点で61勝62敗3分けで借金1を抱える。「2位で借金は史上初やからね」と知識を披露したあと、挑戦者たちには「失うものは何もないから。(優勝チームは)勝って当たり前やから」と、CSでの王者の立場の厳しさを憂えた。
◆阪神の7年ぶり2度目のリーグ優勝から2日後も、甲子園周辺は盛り上がっていた。甲子園駅の駅名表示は、黄色にチャンピオンロゴが輝く特別仕様。構内のデジタルビジョンにも、ロゴと「優勝」の文字が大きく輝いた。阪神電鉄は甲子園駅や大阪梅田駅など、沿線6駅に優勝記念スタンプを設置。甲子園駅のスタンプ台は、試合開始2時間前にもかかわらず長蛇の列ができた。また、リーグ優勝を記念した阪神電車主要6駅の入場券セットも、1500円(税込み)で発売されている。
◆阪神近本光司外野手(30)が、3回2死走者なしから打席に入ると、登場曲として嵐の「感謝カンゲキ雨嵐」が流れた。この日から第2、3打席に入る際に、使用される予定だ。阪神ファンはSNS上で「優勝したからかな? ありがとぉーー!」、「嵐ファンなので泣きかけた」、「優勝の感謝? うれしい」、「動揺止まらんくて泣くよ」など驚きや喜びの感想を投稿した。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が、サンテレビのテレビ解説で、27年からのDH制に「最初、ちょっと監督めちゃめちゃ暇よ」と言及した。「3人くらいかな、代打要員ね。代走と守備固め...そんなにいらないよね」と、投手に打順が回るたびに作戦展開に頭を巡らせる今との違いを指摘。その上で「今年からDH用の選手とらないとね。ソフトバンクの山川とか、ああいうタイプはセ・リーグはあんまり取らなかったから」とドラフト戦略に与える影響を語った。
◆阪神先発村上頌樹投手(27)が7回3失点で降板した。2回につかまった。DeNA先頭タイラー・オースティン内野手(34)に左中間への二塁打を許すと、続く佐野恵太外野手(30)に中越えの先制適時二塁打を打たれた。なおも、2死二塁から8番京田陽太内野手(31)を申告敬遠して一、二塁の場面、フルカウントからの6球目、アンソニー・ケイ投手(30)に中越えの2点適時二塁打を許し、この回、3点を失った。チームはセ・リーグ優勝を果たした。次はタイトル争いに注目が集まる。村上は今季、試合前時点では23試合に登板し、11勝3敗、防御率2・04。最多勝、最高勝率、最多奪三振のタイトルを狙える位置につけている。失点した2回以外は好投した。しかし、7回4安打7三振1四球3失点で降板した。奪三振数は124個に伸ばしたが、同僚・才木浩人投手(26)、DeNA東克樹投手(29)に並ぶ、リーグトップタイの12勝目はつかめなかった。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が、サンテレビのテレビ解説で、DeNAケイの好投に「クライマックスで当たるようになると、あんまりいい感じはしないね」と予告した。初回こそ三塁・筒香の失策で2死二塁と得点圏に走者を送ったが、2回以降はなかなか走者すら出せず。阪神打線を抑え込むケイに「もう1回、当たるんかな。そのときはなんとかしないと。このままではダメやね。1回、右打者はベースからめちゃめちゃ離れて立ってみたら。そうしたら相手、考えるからね」と揺さぶりの方策も示した。
◆阪神井坪陽生外野手(20)が、プロ入り後初めて甲子園での1軍戦に出場した。この日、今季2度目の1軍昇格。8回1死走者なしから、代打として打席に入った。東京・八王子市が地元の井坪。奇数打席の登場曲である、「FUNKY MONKEY BABYS」の「太陽おどり ~新八王子音頭~」が聖地に響いた。結果は三ゴロに終わった。
◆7日に2年ぶり7度目のセ・リーグ優勝を決めた阪神は、5試合ぶりの黒星を喫した。完封負けは7月16日中日戦(甲子園)以来、今季6度目となった。阪神先発の村上頌樹投手(27)は、7回4安打3失点で4敗目。初回は3者凡退でスタートも、2回に4番オースティン、佐野に2連続二塁打を浴び先制点を献上。さらに2死一、二塁から先発投手のケイに中越え適時二塁打を浴び、さらに2点を失った。打線はDeNAケイに苦戦。初回先頭の近本光司外野手(30)が左前打を放ってスタートも、その後好投を許して7回まで散発3安打無得点。この日まで今季対戦防御率0・68と抑え込まれてきた助っ人を、この日も攻略とはならなかった。18年ぶりリーグ優勝を果たし、日本一にも輝いた23年も、リーグ優勝翌日の9月15日は5-6で広島に敗れていた。
◆DeNAが甲子園を沈黙させた。7日に阪神がリーグ優勝を決めてからの初戦となったこの日。ベストメンバーで臨む王者から先手を奪った。2回、オースティンと佐野の2者連続の二塁打であっさり先制に成功。さらに1点のリードを得た2回、2死二塁から京田が申告敬遠されて2死一、二塁。投手のアンソニー・ケイ投手(30)が打席へ。フルカウントからの6球目、外角高めの直球に詰まりながらも押し込んだ。前進守備の中堅・近本の頭上をわずかに越える2点適時二塁打。試合前まで打率0割9分7厘だったが、今季初打点となる一打に、二塁ベース上で両手を掲げて喜んだ。投げては阪神打線を寄せ付けず、三塁を踏ませない投球で7回3安打無失点、無四死球と快投した。ケイは試合前までで対阪神は通算0勝4敗。今季に限れば6試合で防御率0・68と圧倒的な数字で相手打線を封じ込めていたが、味方の援護なく0勝2敗に沈んでいた。しかしこの日は自らのバットで2点をもぎ取って"自援護"。球団の外国人左腕では04年と05年のセドリック、04年のマレンの7勝を上回って史上最多となる8勝目を挙げた。さらに防御率も1・83と1点台をキープ。09年中日チェン・ウェイン、15年広島ジョンソン以来、リーグ史上3人目となる外国人左腕防御率1点台も見えてきた。8回はローワン・ウィック投手(32)、9回はここまで22セーブも、不安定な投球が続いていた入江大生投手(27)ではなく、伊勢大夢投手(27)が締めた。これで今季は6勝12敗2分とし、リーグ制覇した阪神に8月28日から2連勝を収めた。
◆7日に2年ぶり7度目のセ・リーグ優勝を決めた阪神は、5試合ぶりの黒星を喫した。完封負けは7月16日中日戦(甲子園)以来、今季6度目となった。先発の村上頌樹投手(27)は、7回4安打3失点で4敗目。2回に3点を失うも、3回以降は無失点投球。藤川球児監督(45)は「そうですね、良かったんじゃないですか」と振り返った。9回には、この日再登録された伊原陵人投手(25)が登板し3者凡退。4月中旬から主に先発ローテを回ってきたが「この先、いろんな可能性を見ながらですね」とポストシーズンも見据えた起用だったとみられる。この日は、苦手とするDeNAケイに7回散発3安打に抑えられるなど完封負け。「負ければまたそれはいい糧として、勝てば何が良かったのか。課題として出る分にはいいんじゃないですか、チームですから」と話した。18年ぶりリーグ優勝を果たし、日本一にも輝いた23年も、リーグ優勝翌日の9月15日は5-6で広島に敗れている。
◆阪神井坪陽生外野手(20)が再昇格即、代打起用された。8月23日ヤクルト戦以来の1軍戦で、8回1死から打席に立ったがウィックの前に三ゴロ。プロ2本目の安打は奏でられなかった。甲子園も1軍初打席だったが「打席に立ったらそこはあまり考えてなくて。ヒットとか、結果出すだけなんで。今日は結果出なかったんで、また明日からやっていきます」とポストシーズン生き残りへアピールを期した。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)がサンテレビで解説を務め、DeNAケイの好投に「クライマックスで当たるようになると、あんまりいい感じはしないね」と苦戦する可能性を心配した。「(シーズンで)もう1回、当たるんかな。そのときは何とかしないと。このままではダメやね」と厳しい表情。特に右打者が打てていないことも指摘し「右打者はベースからめちゃめちゃ離れて立ってみたら。そうしたら相手も考えるからね」と揺さぶり作戦も示した。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(30)が、リーグ王者阪神を手玉に取った。1回に味方のミスで2死二塁とこの日唯一の得点圏のピンチを招くも、佐藤輝を内角速球で空振り三振。7回3安打無失点でリーグ優勝決定後初戦となった甲子園を沈黙させた。「早めに援護点をもらったので、積極的にゾーンに投げ込めた」と攻めの投球を貫いた。その「援護点」も自らのバットから。2回2死一、二塁、村上の外角高め直球を詰まりながらも前進守備の外野を破る2点適時二塁打で「目をつぶって振ったら当たってくれました。本当にラッキー。人生で一番の会心の当たりが出ました」と自らもびっくりの一打だった。対阪神は昨季から10試合目で初勝利。今季は防御率0点台ながら打線の援護に恵まれずに未勝利だったが「ようやく勝ててうれしい」とCSファイナルまで勝ち上がれば相まみえる王者に敵地で快投。球団の外国人左腕史上最多の8勝目を挙げた。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)は4打数無安打に終わった。CSで当たるかもしれないDeNA先発ケイとの対戦は注目を集めた。初回の第1打席、2死二塁の先制チャンスではカウント2-2からツーシームで空振り三振。第2打席は強い当たりの一ゴロ、第3打席は三邪飛に倒れた。それでも、いいイメージはつかんだようで、本塁打&打点の2冠トップを走る主砲は「いい当たりもあったんで」と前向きだった。
◆阪神ドラフト1位左腕の伊原陵人投手(25)が最終回に3番手で登板し、3人斬りを決めた。この日1軍に再昇格した左腕は「準備はしていたので。リリーフは1球で試合が動いちゃうので、そういうところは1球1球しっかり投げきることを意識しました」と汗を拭った。開幕は中継ぎスタートで経験もある。先発からの転向を聞いたのは優勝後。ポストシーズンを見据えた起用とみられる。藤川監督は「この先、いろんな可能性を見ながらですね」と含みをもたせた。
◆阪神村上頌樹投手(27)は笑顔なき投手2冠となった。勝率に加えて奪三振数でもセ界単独トップに立ったが、7回4安打3失点で今季4敗目。試合後は反省ばかりが口を突いた。「勝ちたかった。そこができなかったので。まあ、次に向けて頑張ります」0-0の2回だった。無死からオースティン、佐野に連続二塁打を浴びて先制点を献上。その後2死一、二塁となり、9番投手のケイにも中越えの走者一掃二塁打を食らった。1イニングで3失点。3回以降は立ち直ったが、悔しさが残る116球となった。「ピッチャーに打たれたので。そこは反省したいと思います。立ち直れたと言っても、3失点してから。初回からしっかりしていけるようにしたい」7日に2年ぶりリーグ優勝を果たして迎えた最初のゲーム。個人タイトルも意識した戦いに入る中、DeNAから7三振を奪って今季124奪三振とし、1位に浮上した。11勝4敗の勝率も7割3分3厘で1位をキープ。現時点では2冠の好成績だ。最高勝率タイトルには13勝以上がノルマだが、中6日以上の間隔を空けたとしても、残り2試合以上は登板できる見込み。勝利数も同僚の才木とDeNA東に1差で3冠も射程圏だ。前回優勝時の23年にはMVPと最優秀防御率、新人王の3冠を獲得した。苦い夜甲子園の夜を胸に刻み、残り試合も全力で腕を振る。【波部俊之介】
◆虎党のみなさん、優勝を後押ししてくれてありがとう! 阪神近本光司外野手(30)が優勝明け初戦となったDeNA戦(甲子園)でファンに感謝を伝えた。登場曲を第2打席から嵐の「感謝カンゲキ雨嵐」に変更。打っては御礼のマルチ安打でセ最多の144安打とし、同じくトップを走る盗塁、最高出塁率の3冠に前進した。試合は0-3で完敗したが、超満員の甲子園はVの余韻たっぷり。さあ今夜から景気づけの快勝連発といこう!近本は感謝を込めて、打席に立った。7日の広島戦でプロ野球史上最速のリーグ優勝を決めて迎えた最初の試合。その初回先頭で初球を捉えた。阪神が苦手とするDeNA先発ケイが投じた内角への150キロ速球。「初球からいくつもりはなかった。初球からいかないといけないピッチャーではない」。狙ってはいなかったが、タイミングを合わせて反応した。いきなりの快音を響かせて左前打。歓喜の余韻に浸るる虎党が、早速飛び出した"優勝御礼ヒット"に歓声を上げた。打つだけではない。サプライズで第2、3打席の登場曲を変更した。3回2死走者なし。甲子園では耳なじみのない歌が響いた。嵐の「感謝カンゲキ雨嵐」だ。虎党はSNSで「優勝の感謝? うれしい」、「ファンへの感謝が伝わるね。ありがとう」などとすぐに反応して喜んだ。「優勝したら変えようと思っていました」ファンに感謝を伝えるための粋な選曲。23年のリーグ優勝後にも考えていたが、タイミングが合わず、変えられなかったという。2年後のV奪回で、抱いていたプランを実行することができた。嵐は来年5月での解散を発表しており、同曲はライブの最後に披露されることも多い。「そういった意味で、優勝を決めた後はまた違うものでもいいかなと思いました」。同グループの解散前では最後となるリーグ制覇。この日も超満員で甲子園を埋めた虎党へ、近本流で感謝を伝えた。御礼安打も1本では終わらない。初回の難敵ケイ撃ちに続き、9回も先頭で伊勢から投手への内野安打。今季39度目のマルチ安打で、完封負け試合でも最後までファンを楽しませた。シーズンは残り16試合。144安打、28盗塁はリーグトップで、現在6位の最高出塁率を合わせた打撃3冠も射程圏だ。その先にCS、日本シリーズも控える。「コンディションと調子をポストシーズンに向けて、合わせられたらいい」。完敗でも温かい拍手を送ってくれたファンへ「感謝カンゲキ」。アンコールに応えるべく、日本一への旅を続ける。【塚本光】
◆優勝の歓喜が冷めない甲子園に、六甲おろしを響かせることはできなかった。7月16日中日戦(甲子園)以来約2カ月ぶり、今季6度目の完封負け。連勝も4で止まった藤川球児監督(45)は「課題として出る分にはいいんじゃないですか」と捉えた。難敵だったケイがこの日も立ちはだかった。初回に先頭近本が左前打を放って幸先よくスタートしたが、その後5回2死から高寺がヒットを打つまで沈黙。結局、助っ人左腕から放った安打は近本、高寺、中野の左打者による散発3安打。ほぼノーチャンスで7回を0封された。ケイに今季献上した白星はこの日が初めてだったが、苦戦が続いている。7度の対戦ですべてQS(クオリティースタート、6回以上自責3以下)を許し、対戦打率は1割3分5厘。左打者の2割6厘に対し、特に右打者は1分7厘と完全に抑え込まれている。右打者が放った安打は7月26日(甲子園)の大山の1本だけだ。この日も3番森下と5番大山がそろって3打数無安打。森下はケイに18打数無安打と苦手にしてしまっている。圧倒的な強さで独走優勝を決めたが、CSは新たな短期決戦。現在3位のDeNAと対戦する可能性は十分ある。それだけに嫌なイメージを植え付けたかったか、と問われた指揮官は「いいとか嫌だとかはないですね。野球ですから」と淡々。「負ければまたいい糧として、勝てば何がよかったのか」と前を向いた。シーズンで再び対戦する可能性もあるだけに次回こそは攻略の糸口を見つけたい。この日は1~8番まで、7日のリーグ優勝決定日と同じオーダーを組んだ。藤川監督は「みんな選手は自分の技術を上げるために日々戦っていますから。『疲れました』という選手がいればそう(変更)しますけど、そういうふうには感じないので。試合に出たい、打席に立ちたい、登板したい選手たちが集まっている」と説明。10日の相手先発は才木と並ぶトップタイの12勝を挙げているエース東がくる。CS前哨も見据え、才木のタイトルを援護するためにも、しっかり打ち崩したい。【磯綾乃】▽阪神森下(最終回に左前打を放ち10試合連続安打も)「ケイから何とか1本打ちたかったですけど...。ちょっと工夫が必要かなと思いました。カットボール、真っ直ぐのコントロール、強さもあるので、そういうところかなと思います」▽阪神高寺(5回2死、DeNAケイから左前打)「自分としても左ピッチャーから打ちたいと思っていました。いいピッチャーなんで、(今後の対戦でも)打ってアピールしたいです」
◆阪神中野拓夢内野手(29)がDeNAケイから左前打を放ち、連続試合安打を4に伸ばした。他の打者が打ちあぐねる中、6回2死でカットボールを捉えた。クライマックスシリーズで対戦する可能性を残す相手だけに「ある程度イメージしたような感じで打てたんで、その感じを次当たるときにしっかりと再現というか。短期決戦になったら配球とかも変わってくるかもしれないんで、それはちょっとわかんないですけど、苦手意識なく打席に立てるのはいいことだと思って」と今後への貴重な1本ととらえていた。
◆阪神の井坪陽生外野手(20)が1軍の試合前練習に合流した。高卒3年目で今季2度目の昇格となる見込み。8月19日の中日戦(京セラ)ではプロ初安打を放ったが、24日に抹消となっていた。ファームでは2試合連続でマルチ安打を記録し、好調での抜てき。「優勝が決まったのでどこかでチャンスがあると思ってずっと準備して待っていた。アピールのチャンスだと思います」と力を込めた。
◆阪神は伊原陵人投手(25)と井坪陽生外野手(20)を出場選手に登録した。8月29日に抹消されていた伊原はこの日の練習を中継ぎ陣とともに行い、ブルペン待機となる見込み。8月19日にプロ初安打を放った3年目の井坪は、今季2度目の昇格。ポストシーズンに向けても、アピールを狙う。代わって小幡竜平内野手(24)が抹消された。今季は出場試合数を大きく伸ばし遊撃ではチームトップの70試合でスタメン起用されていたが、9月は打率・143と低迷。けがや試合のない期間での抹消を除けば2022年以来の降格となり、SGLスタジアムの2軍本隊に合流した。
◆10日の21回戦に先発する阪神・伊藤将司投手(29)はキャッチボール、ランニングなどで調整。「残り試合もわずかなので、しっかり、いい状態で終われたら」と気合をにじませた。相手先発は才木浩人投手(26)と並んでリーグトップの12勝をマークしている東克樹投手(29)。伊藤将が国際武道大2年時に日米大学野球で、知り合ったのが1学年上の立命大・東。今でも目標にする先輩と今季初のマッチアップ。「気合を入れて勝ちます」。7月13日のヤクルト戦(甲子園)での4勝目後、6試合連続で勝ち星から遠ざかっている。2カ月ぶりの白星で、最多勝を目指す才木の援護を約束した。
◆阪神は9日、JERA セ・リーグ公式戦2025の優勝を受け、甲子園で開催する「2025 JERA クライマックスシリーズ セ ファイナルステージ」の入場券を発売することを発表した。10月15日から最大6試合(試合開始時間未定)で行われる。年間予約席契約者は先行発売が行われ、別途郵送と年間予約席契約者専用「オーナーズサイト」にて先行発売方法の詳細が案内される。先行抽選販売は今年度の公式ファンクラブ会員を対象として行われ、9月24日正午から同27日午後11時までがエントリー期間となる。一般発売はレフトビジター専用応援席のぞく各席種で10月8日正午から、残席がある場合には同10日午前10時から店舗発売も行われる。なお、レフトビジター専用応援席は10月14日正午からインターネットで発売され、同日時点でファーストステージ勝利球団が未定の場合は同15日午前10時で発売開始となる。詳細は球団公式サイトまで。
◆7日に史上最速のリーグ優勝を達成した阪神はクライマックスシリーズで対戦する可能性があるDeNAとの3連戦に臨む。初戦の先発はエース・村上頌樹投手(27)。奪三振は最多と2差の「117」を記録する右腕が、タイトル獲得へ大事な登板に臨む。相手投手は苦手の左腕・ケイ。前回対戦でも7回1安打ピッチングを許すなど、今季は6試合の対戦で防御率0・68と抑え込まれている。CSでの再戦に向け、難敵左腕の攻略に挑む。
◆阪神は9日、予定していた19日のDeNA戦(甲子園)でのファーストピッチセレモニーの中止を公式サイトなどで発表した。登場予定だったOBのトーマス・オマリー氏(64)がドクターストップにより、来日不可能となったため。当日は打席に立ち、タイガースアカデミー生がバッテリー役として登場する予定だった。
◆DeNA・神里和毅外野手(31)が9日、出場登録日数が7年に達し、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。2018年に日本生命からドラフト2位で入団。球団を通じ「ここまでの野球人生に関わっていただき、成長させていただいたすべての方々に感謝しています。これからも感謝の気持ちを忘れず、日々全力でプレーしていきたいと思います」とコメントした。
◆リーグ単独トップの13勝目をかけて10日の阪神戦に先発するDeNA・東克樹投手(29)が、キャッチボールやダッシュで調整した。リーグ3位のチームは混戦となっているクライマックスシリーズ(CS)進出争いのさなかにあり「負けていい試合、気を抜いていい試合はない。いい調整ができている。チームのために腕を振るだけ」と口元を引き締めた。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がサンテレビの放送席に登場。「これからは、そっち(タイトル争い)に専念すればいい」と個人記録を優先させることに賛同。監督時代の思い出を聞かれると「セーブとかで並んでいるときは、相手チームの監督に電話をして並んでとれるように」したことを笑いながら明かした。先発の村上頌樹投手(27)が勝てば才木浩人投手(26)、東(DeNA)と並び、リーグトップとなる12勝目。岡田顧問は「才木は一昨日(7日)の危険球退場が痛かった。五回(途中)やったもんな」と指摘し、リーグ2冠の佐藤輝明内野手(26)については「本塁打と打点は減らないから楽」と語った。
◆阪神・村上頌樹投手(27)が先発し、二回に先制点を献上した。今季DeNA戦は2試合に先発し、ともにハイクオリティスタート(先発で7回以上、自責2以下)と好相性。一回は2三振を奪うなど三者凡退で滑り出した。しかし、二回は先頭の4番・オースティンに左中間フェンス直撃の二塁打で出塁されると、続く佐野の打球も中堅右へ鋭いライナー。近本がこの打球を懸命に追ってグラブを伸ばすも及ばず、オースティンが生還した。さらに2死後に申告敬遠で京田との勝負を避けたあと、投手のケイにはまたも近本のグラブをかすめる左中間への2点二塁打を浴び、3-0。さらなる失点は防いだが、ベンチへ戻る姿には悔しさがにじんでいた。
◆DeNA先発のアンソニー・ケイ投手(30)がバットで自身を援護した。二回、1点を先制してなお2死二塁から前を打つ京田が申告敬遠を告げられた後の打席。フルカウントから高めに浮いた6球目の直球を捉えた。前進守備を敷いた中堅手のグラブの先をかすめた打球は左中間を破る2点二塁打に。好投手の村上から放った一打に「びっくりしている。思い切り振った結果」と照れ笑いを浮かべた。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がサンテレビの放送席に登場した。DeNA・ケイとは今季7度目の対戦。試合前まで防御率0・68の好投を許している中、阪神打線は序盤から苦戦した。四回、森下翔太外野手(25)が中飛に倒れた直後には「差し込まれている打球が多い」と指摘。「右の懐にはクロスファイアーがある」とした上でポイントは左打者にあると力説した。先発した村上頌樹投手(27)は二回に3失点。「重い感じがある。暑いからかなぁ」と首をひねった。
◆阪神が成し遂げたリーグ制覇の余韻が残る甲子園で、DeNAの攻撃陣が畳みかけた。打線がつながったのは二回だ。試合前時点で防御率2.04の村上に対し、4番に座るオースティンが左中間フェンスに直撃する二塁打で口火を切った。続く佐野は1ボールから甘く入った2球目の直球を逃さず、右中間に運ぶ先制の適時二塁打。「ファーストスイングから良い感覚で打つことができた」と納得顔で振り返った。この回は投手のケイにも2点二塁打が飛び出し、一挙3点を先行した。佐野は今季チーム最多の123試合に出場し、主に中軸で打線を引っ張ってきた。試合前時点でシーズン128安打。球団では1999年の駒田徳広に次いで6人目となる6年連続の130安打が目前に迫っていた。前半戦に苦しんだ強みの打線は8月に息を吹き返し、ともにリーグトップの打率.271、38本塁打を記録した。好調を維持する1番の蝦名が得点源となり、佐野や筒香が走者をかえす役割を担った。主将の牧が故障で戦線離脱する中、前任のチームリーダーは「最終盤にきているので、何とか打線として機能できるように頑張っていきたい」と責任感を示す。シーズン佳境でも変わらず、背番号7のバットは頼りになる。(鈴木智紘)
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がサンテレビの放送席に登場。今季対戦防御率0・68(試合前まで)の好投を許しているDeNA・ケイに7回無得点。「CSで当たるとなると、いい感じはしない」と、クライマックスシリーズで難敵になることを予言した。「このままじゃダメやね」と指摘。右打者が苦しめられている現状から打破するために「右打者はめちゃくちゃベースから離れたらいい。相手は考えるから。ずっとバット振らないとか」と、普段とは違うスタイルで臨むことを提案した。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(27)は7回3失点で降板。才木、東(DeNA)に並ぶ12勝目とはならなかった。一回は三者凡退で立ち上がるも、二回にオースティン、佐野の連打で1点を失うと、なおも2死一、二塁から投手のケイに2点二塁打を浴び、3失点を喫した。ここからは持ち直して追加点は許さなかったが、味方の援護もなく3-0の七回で降板。7回4安打3失点で交代となり、勝利投手の権利は得られなかった。それでも7つの三振を奪い、124奪三振でリーグトップに立った。八回のマウンドには岩貞祐太投手(34)が上がり、三者凡退に仕留めた。
◆阪神はDeNAに零封負けを喫した。先発の村上頌樹投手(27)は二回に3本の二塁打を浴びるなど一挙3失点。以降は無失点で抑えたが、7回3失点で4敗目を喫し、リーグトップに並ぶ12勝目とはならなかった。打線も試合前まで今季0・68と抑えられていたケイに苦戦。7回までわずか3安打に抑えられ、三塁も踏めずに今季初めて白星を献上した。八回、九回もDeNAの救援陣を攻略できず、今季6度目となる無得点での敗戦となった。
◆7日に最速優勝を決めた阪神が7月16日中日戦(甲子園)以来、6度目の零敗を喫した。CSファイナルステージ(10月15日開幕)で対戦する可能性があるDeNAのアンソニー・ケイ投手(30)の前に沈黙。7回降板の左腕に左打者のみの3安打に抑えられた。8勝目(6敗)のケイの今季阪神戦成績は7戦1勝2敗で防御率0・57。リーグ最多勝利に1差の村上頌樹投手(27)はケイに2点二塁打を浴びるなど3点を献上。7回を投げ、7月11日ヤクルト戦(甲子園)以来の黒星で4敗目(11勝)を喫した。また7三振を加えて、「124」とし、セ最多に立った。森下翔太外野手(25)は九回の左前打で10戦連続安打。また再登録の伊原陵人投手(25)は九回に登板し、三者凡退。昇格した井坪陽生外野手(20)は八回、代打で三ゴロに倒れた(観衆=78勝46敗3分、観衆=4万2640人)。
◆7日に最速優勝を決めた阪神が7月16日中日戦(甲子園)以来、6度目の零敗を喫した。CSファイナルステージ(10月15日開幕)で対戦する可能性があるDeNAのアンソニー・ケイ投手(30)の前に沈黙。7回降板の左腕に左打者のみの3安打に抑えられた。8勝目(6敗)のケイの今季阪神戦成績は7戦1勝2敗で防御率0・57。リーグ最多勝利に1差の村上頌樹投手(27)はケイに2点二塁打を浴びるなど3点を献上。7回を投げ、7月11日ヤクルト戦(甲子園)以来の黒星で4敗目(11勝)を喫した。7三振を加えて、「124」とし、セ最多に立った。森下翔太外野手(25)は九回の左前打で10戦連続安打。また再登録の伊原陵人投手(25)は九回に登板し、三者凡退。昇格した井坪陽生外野手(20)は八回、代打で三ゴロ。
◆DeNAが阪神に快勝した。先発のケイ投手は球威、切れともに抜群で、7回を単打3本の無失点で8勝目(6敗)。打線は二回に佐野恵太外野手の先制二塁打とケイの2点二塁打で3点を先取した。
◆7日に最速優勝を決めた阪神が7月16日中日戦(甲子園)以来、6度目の零敗を喫した。CSファイナルステージ(10月15日開幕)で対戦する可能性があるDeNAのアンソニー・ケイ投手(30)の前に沈黙。7回降板の左腕に左打者のみの3安打に抑えられた。8勝目(6敗)のケイの今季阪神戦成績は7戦1勝2敗で防御率0・57。リーグ最多勝利に1差の村上頌樹投手(27)はケイに2点二塁打を浴びるなど3点を献上。7回を投げ、7月11日ヤクルト戦(甲子園)以来の黒星で4敗目(11勝)を喫した。また7三振を加えて、「124」とし、セ最多に立った。森下翔太外野手(25)は九回の左前打で10戦連続安打。また再登録の伊原陵人投手(25)は九回に登板し、三者凡退。昇格した井坪陽生外野手(20)は八回、代打で三ゴロ。
◆DeNAのアンソニー・ケイ投手(30)が先発し、7回3安打無失点と好投。球団の外国人左腕では2004、05年のセドリック、04年のマレンを抜いて単独最多となる8勝目を挙げた。一回は2死から味方の失策で二塁に走者を背負ったが、4番の佐藤輝を153キロの速球で空振り三振に仕留めた。以降は得点圏に走者を進めさせず、クリーンアップは無安打に封じた。二回には自らを援護する2点二塁打を放ち、バットでも存在感を放った。好投手の村上から放った一打に「びっくりしている。目をつぶって振ったら当たってくれた」と冗談めかして笑い「人生で一番の会心の当たりが出た」と胸を張った。
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)はDeNAアンソニー・ケイ投手(30)の前に、7回3安打ゼロ封に抑え込まれた阪神打線に助言を送った。早く優勝を決めた阪神はポストシーズンまで時間が空く。打撃には波があり、1カ月以上、絶好調を維持することなど不可能なので、今は慌てず、落ち着いて次の決戦に向けて調整すればいい。ただ苦手な投手を放置してはいけない。その代表格がDeNA・ケイだった。またしても攻略できなかった。7度対戦して、一度も打ち崩せない。これは非常事態だろう。特に右打者が入ってくるストレート、スライダー、カットボールに苦しめられている。とはいえ、これは4月に対戦した時から変わっていない。なぜ同じ攻め方でやられ続けるのか。阪神サイドに工夫が見られないからだ。全く打てない森下、大山らが同じような球種で抑えられている。森下は徹底した内角攻めに対して、ムキになって振る。ボール球まで手を出すから、自打球になる。この状況では攻略できない。同じ投手に何度も抑えられることはある。ならば、工夫するしかない。打席のホームベース寄りに立てば、死球になるかもしれないから、投手は内角へ投げにくい。ベースから離れれば、手を出していた内角のボール球が見極められるだろう。思い切り投手寄りに立っても面白い。大きく変化する前に捉えることができる。逆に捕手寄りに立てば、苦しんでいたストレートが遅く感じたりする。相性のいい投手には、同じ位置で打てばいいが、そうでないときは「景色を変える」。これが大事。景色が変われば、攻略の糸口が見えてくる。こちらが打席の立ち位置を変えると、相手バッテリーは考え始める。今までと一緒ではまずいのではないか、と。相手の景色も変えてやればいい。迷わせるだけで、今までのように気分よく投げられなくなる。ケイ以外にも当てはまる。CSで対戦するかどうかは別にして、苦手は順番に消していく。それが頂点への近道だ。
◆DeNAが二回に佐野の先制二塁打と投手のケイの2点二塁打で3点を先取した。ケイは球威、切れともに抜群で、7回を単打3本の無失点で8勝目。阪神は零敗で連勝が4で止まった。4敗目の村上は制球が甘かった二回が悔やまれた。
◆高卒3年目の阪神・井坪陽生外野手(20)が3点を追う八回1死、再登録即代打で登場。甲子園初打席は三ゴロに終わった。「打席に立ったら(初打席のことは)あまり考えていなかった」。8月19日の中日戦(京セラ)でプロ初安打。その後、2軍に降格し、再び1軍に呼ばれた「結果を出すだけなので。また明日からやっていきます」と前を向いた。
◆阪神・高寺望夢内野手(22)は「7番・左翼」で出場し、ケイから快音を響かせた。「自分としても左投手から打ちたいと思っているので、一本出たことは良かった」。左腕投手に打率・100(20打数2安打)と苦しんできた中、五回2死で鋭く三遊間を破った。ポストシーズンでの出番を勝ち取るためにも「いい投手から打ってアピールしたい。一戦一戦、頑張ります」と意気込んだ。
◆阪神・中野拓夢内野手(29)は打線が苦労したケイから左前打を放った。「なかなか簡単に打てるピッチャーじゃないんで。なんとか一本打てて良かった」。今季の対戦打率は・263(19打数5安打)。クライマックスシリーズで対戦する可能性もあるだけに「ある程度イメージ通りに打てた。短期決戦になったら配球も変わってくるかもしれないけど、苦手意識なく打席に立てるのはいいこと」とうなずいた。
◆1軍昇格した阪神・伊原陵人投手(25)が0-3の九回に登板し、筒香、オースティン、佐野を抑えた。「リリーフは一球で試合が動くので、一球一球後悔しないように投げ切ることを意識した」。6月8日のオリックス戦(甲子園)の5勝目後6連敗。今季24試合で救援は8試合目だった左腕について、藤川球児監督(45)は「この先、いろんな可能性を見ながらですね」とCSを視野に入れて適性を見極める姿勢を示した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は4打数無安打2三振。試合前時点でケイには打率・333(18打数6安打)、1本塁打と打ち込んでいたが、3打席凡退。それでも四回にバットの芯で捉えた一ゴロを振り返り、「いい当たりもあったので...。(いいイメージかと問われて)もちろん」と納得の表情だった。
◆阪神・森下翔太外野手(25)はケイの前に3打数無安打。今季の対戦は18打数無安打となった。3点を追う九回1死二塁、伊勢から左前打を放ち、今季最長タイとなる10試合連続安打としたが「ケイからなんとか一本打ちたかった。もうちょっと工夫が必要かな」と悔しさをにじませた。大山も左腕の前に3打数無安打(今季16打数1安打)となった。
◆二回がすべてだった。阪神・村上頌樹投手(27)は7回4安打3失点で約2カ月ぶりの黒星となる4敗目。リーグトップに立つ才木浩人投手(26)、東(DeNA)の12勝に並ぶことはできなかった。「勝ちたかった。投手に打たれた。そこは十分反省したいと思います」0-0の二回にオースティン、佐野に連続二塁打を浴びて先制を許すと、2死一、二塁では投手のケイに左中間への2点二塁打を浴びて3失点。三回以降は本来の投球を取り戻したが「立ち直れたのは3失点してからなので。初回からしっかりできるようにしていきたい」と唇をかんだ。この日、7三振を奪い、今季124奪三振でリーグ最多に躍り出た。しかし、7月30日の広島戦(甲子園)からの連勝は3でストップ。最多勝は足踏みし、最高勝率は後退。残りの登板では勝利だけが求められる。(萩原翔)
◆DeNA・伊勢大夢投手(27)が3点リードの九回に登板し、完封リレーを締めた。調子を落としている抑えの入江の代役を託され、3試合連続のセーブで9セーブ目。2安打で1死一、三塁のピンチを背負ったが、佐藤輝、続く大山を連続で三振に斬った。抑えの起用は流動的となる見込み。伊勢は「チームとして(穴を)埋められる人間はいる。必要な戦力はそろっている」と一致団結を強調した。
◆いつもと違う登場曲に、4万2640人を詰め込んだ甲子園がざわついた。『感謝カンゲキ雨嵐』。国民的アイドルグループ・嵐の代表曲に、思いを乗せる。一年間応援をしてくれたファンへ、リードオフマンから感謝の気持ちを伝えた。「優勝したら(曲を)変えようというのは思っていた。嵐も来年のライブで最後になる。ライブの最後の曲があの曲。そういった意味で、優勝を決めた後のところは、また違うものでもいいかなと思って変えました」7日に史上最速でのリーグ優勝を決めてから臨んだ試合。C&K「ドラマ」などを使っていた登場曲をこの日になって変え、第2、3打席で嵐のナンバーに耳を傾けながら打席に入った。2000年に4枚目のシングルとして発売された楽曲。「Smile again ありがとう」というストレートなフレーズがファンからも人気を集め、ライブの定番曲となった。20年の大みそかに行われた活動休止前ラストライブでも、最後のメンバーからのあいさつの前に歌唱。今の自分の思いを表すために、近本はそんな一曲を選んだ。
◆リーグ優勝後の初戦。1番近本から、上位はベストメンバーで組み、ケイに嫌なイメージを植えつけたかったが...。「いいとか嫌だ、とかはないですね。野球ですから」阪神・藤川球児監督(45)は静かに答えた。一回2死二塁の好機を逸すると、その後は二塁を踏めず、7回を散発3安打に封じられた。今季は全7戦でクオリティースタート(先発で6回以上、自責3以内)とされ、対戦防御率も0・57。藤本総合コーチは「このままやられっぱなしではアカン」と説いた。「負ければそれはいい糧として、勝てば何が良かったのか(を考える)。課題が出るぶんにはいいんじゃないですか」と指揮官。残り15試合。ケイが中6日で回れば23日の横浜スタジアムで対戦する可能性もある。10月15日のCSファイナルステージ開幕へ、チャンピオンは対策を練る。(須藤佳裕)
◆セ・リーグ3位のDeNAは9日、阪神20回戦(甲子園)に3-0で勝利した。二回に佐野恵太外野手(30)が先制の適時二塁打を放つと、先発のアンソニー・ケイ投手(30)は2点二塁打。投げては7回3安打無失点と好投し、球団の外国人左腕では2004、05年のセドリック、04年のマレンを抜いて単独最多となる8勝目を挙げた。リーグ3位から日本一に輝いた昨季の下克上の起点となった甲子園で、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けて弾みをつけた。自身も驚きの一打だった。バットで自らを援護したケイは「びっくりしている。目をつぶって振ったら当たってくれた」と冗談めかして笑った。二回に1点を先制してなお2死二塁から前を打つ京田が申告敬遠で歩かされた後の打席。高めに浮いた直球を捉えた当たりは、前進守備を敷いた中堅手のグラブの先をかすめ、左中間への2点二塁打に。好投手の村上から快音を響かせ「人生で一番の会心の当たりが出た」と得意げだった。投球も抜群だった。一回は2死から味方の失策で二塁に走者を背負ったが、佐藤輝を内角高めの153キロの速球で空振り三振に斬った。以降は得点圏に走者を進めさせない。森下や大山ら右打者は無安打に抑え、無四球と付け入る隙を与えなかった。今季阪神戦に7試合登板し、防御率は0・57(1勝2敗)。無類の相性の良さを誇る。球団の外国人左腕では単独最多の8勝目。来日2年目の助っ人は「2位の巨人を猛追してホームでCSができるように」と意欲的に語った。
◆セ・リーグ3位のDeNAは9日、阪神20回戦(甲子園)に3-0で勝利した。二回に佐野恵太外野手(30)が先制の適時二塁打を放つと、先発のアンソニー・ケイ投手(30)は2点二塁打。投げては7回3安打無失点と好投し、球団の外国人左腕では2004、05年のセドリック、04年のマレンを抜いて単独最多となる8勝目を挙げた。リーグ3位から日本一に輝いた昨季の下克上の起点となった甲子園で、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けて弾みをつけた。歓喜の残り香が漂う甲子園で、DeNA打線が畳みかけた。つながりを見せたのは二回だ。4番のオースティンが、左中間フェンス直撃の二塁打で口火を切る。続く佐野は1ボールから甘く入った2球目の直球を逃さず、右中間に運ぶ先制の適時二塁打。好投手の村上を攻め立て、納得顔で振り返った。「週の始まりのファーストスイングできっちり捉えられたのは、いい準備ができたからかな」リーグ2位の得点圏打率・357を誇る好打者の先制打は、シーズン129安打目。球団では1999年の駒田徳広に次いで6人目となる6年連続の130安打に残り1本と迫った。二回は投手のケイにも2点二塁打が飛び出し、一挙3点を奪って主導権を握った。阪神にリーグの覇権を奪われてから2日。優勝を逃したチームは次なる目標へかじを切った。横浜スタジアムでのCS開催だ。レギュラーシーズン3位からの下克上で日本一に立った昨季は、CSファーストステージで阪神を2連勝で破った。その舞台は甲子園。佐野は2試合で1本塁打を含む9打数4安打3打点と勝負強さを発揮し、逆襲を彩る一人となった。今季は阪神に6勝12敗2分けと水をあけられているが、「(CS)ファイナルステージで当たる。そこに向けて明日もいい試合をやっていきたい」と挽回を期した。三浦監督は「(阪神とCSで)当たるためにやっていくけど、決まったわけではない。明日の試合に集中する」と口元を引き締めた。「リーグ優勝という目標はかなわなかったけど、次の目標に向けて一試合一試合、大切にやっていきたい」と佐野。追う者の強さを知るベイスターズが、再び意地を見せる。(鈴木智紘)
◆甲子園へ向かうため、駅のホームで待っていたら、やってきた阪神電車の運転席の窓にステッカーが貼られていた。「2025JERAセントラル・リーグ 優勝」よく目立つこと。何とも誇らしげである。なぜか、電車の〝どや顔〟にも見えた。甲子園駅に到着すると、ホームに横断幕が。「リーグ優勝おめでとう! 阪神タイガース」「選手・監督・スタッフのみなさん! 感動ありがとう!」立ち止まって記念撮影する乗客も多数。優勝っていいもんだ。駅の改札を出ると、今度は目の前に大行列が。改札を出たところに、優勝記念スタンプ台が設置されていた。行列は駅前のローソンを越え、スターバックスを越え、タイガースグッズのお店まで延びていた。ことし、何度も「大阪・関西万博」会場に足を運んだが、スタンプって人気がある。どのパビリオンでも大行列だった。阪神ファンの行列も、みんなうれしそう。待ち時間ですら楽しいんだろう。球場に入ると、プ~ンと花の香りが。メディア各社やスポンサーなどから贈られた花が並び、振り返ったら、放送局などから贈られた祝いの菰樽がズラズラっと。優勝したんやなぁ。改めて感じさせてくれる〝おめでたい〟光景ばかりだ。優勝を決めた選手たちは、7日の夜は各テレビ局の特番をはしご出演。大忙しだったが、負けないぐらい大忙しだったのは、阪神OBであり、本紙専属評論家でもある藪恵壹氏だった。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 (-) |
阪神 |
78 | 46 | 3 | 0.629 (↓0.005) | - (-) |
16 | 437 (-) | 299 (+3) | 80 (-) | 93 (-) |
0.244 (↓0.001) | 2.120 (-) |
2 (-) |
巨人 |
62 | 62 | 3 | 0.500 (↑0.004) | 16 (↑1) |
16 | 399 (+6) | 390 (+4) | 84 (+1) | 48 (-) |
0.246 (-) | 2.770 (-) |
3 (-) |
DeNA |
59 | 62 | 5 | 0.488 (↑0.005) | 17.5 (↑1) |
17 | 419 (+3) | 403 (-) | 92 (-) | 60 (-) |
0.239 (↓0.001) | 2.930 (↑0.02) |
4 (-) |
中日 |
56 | 68 | 2 | 0.452 (↓0.003) | 22 (-) |
17 | 357 (+2) | 398 (+3) | 74 (-) | 76 (-) |
0.230 (-) | 2.890 (↓0.01) |
5 (-) |
広島 |
54 | 67 | 5 | 0.446 (↓0.004) | 22.5 (-) |
17 | 388 (+4) | 420 (+6) | 64 (+1) | 53 (-) |
0.245 (-) | 3.070 (↓0.03) |
6 (-) |
ヤクルト |
46 | 70 | 6 | 0.397 (↑0.006) | 28 (↑1) |
21 | 356 (+3) | 483 (+2) | 76 (-) | 52 (-) |
0.232 (-) | 3.600 (↑0.02) |
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