阪神(☆4対1★)広島 =リーグ戦22回戦(2025.09.06)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:ドリス(2勝0敗0S)
(セーブ:石井 大智(1勝0敗9S))
敗戦投手:常廣 羽也斗(1勝2敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う4回裏、佐藤輝の適時打で同点とする。その後は6回に森下の適時打などで2点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・ドリスが今季2勝目。敗れた広島は、打線が12安打で1得点とつながりを欠いた。なお、この試合で阪神が優勝マジックを1とした。

◆優勝マジック3としている阪神は、通常通りの練習を行った。台風一過で気温が上昇。佐藤輝明内野手(26)や森下翔太外野手(25)は室内練習場で打撃練習を行った。8月下旬から採用した日よけのテントも打撃ケージ裏に出され、選手らがいすで休むシーンもあった。全体的にも、リラックスムードが漂った。最短の優勝決定は7日。この日は優勝が決まらないため、報道陣の数も通常から微増程度だった。警備態勢も、優勝決定の可能性がある当日までは大きな変更はないという。

◆阪神石黒佑弥投手(24)が、出場選手登録を抹消された。前日5日に1軍昇格し、当日の9回に約3カ月ぶりの登板。1回を無失点で抑えていた。この日は、試合前練習に姿を現さなかった。2年目の今季は初の開幕1軍も、6月9日に「脇腹の筋損傷」で3度目の出場選手登録抹消。8月13日のウエスタン・リーグ中日戦で実戦復帰した。その後は同戦を含め2軍8試合に登板。直近4試合は、すべて1回無失点に抑えていた。1軍では8試合に登板し、防御率4・50。今季4度目の出場選手登録抹消となった。島本浩也投手(32)も、今季3度目の出場選手登録抹消となった。4日の中日戦では、0回2/3を投げて1失点。今季は1軍で13試合に登板し、防御率2・45となっている。代わって桐敷拓馬投手(26)が1軍昇格。8月27日に出場選手登録を抹消されており、最短10日での再登録となった。前日5日から1軍に合流。「戦力になれるように頑張るだけです。任された場面をゼロでいくことが一番です」と燃えていた。昨季は1軍で70試合に登板し、防御率1・79とフル回転。今季は40試合で防御率2・52の成績を残している。試合前時点で優勝マジックは3。V奪回目前で、チームへの貢献を続けてきた左腕が帰ってきた。この日の予告先発となっている門別啓人投手(21)も、出場選手登録された。

◆優勝マジック「3」の阪神はブルペンに9人を控えさせ、最短7日の本拠地胴上げへの必勝体制を敷いた。3年目の門別啓人投手(21)が6月4日日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約3カ月ぶりの先発マウンドに送ったが、栄枝裕貴捕手(27)をベンチから外し、リリーフを9人スタンバイ。打線は上位に変動はなく、遊撃は前日5日の木浪聖也内野手(31)に代え小幡竜平内野手(24)を8月30日巨人戦(甲子園)以来、6試合ぶりに「8番遊撃」でスタメン起用した。

◆小児がんを乗り越えた2人の子どもたちが、ファーストピッチセレモニーを務めた。ピッチャーとして坂牧快莉(かいり)くん(8)、キャッチャーとして前田悠真(はるま)くん(15)が登場。球場中から拍手が送られるなかで、バウンド投球になりながらも思い切り投げた。小児がん啓発の「ゴールドセプテンバーキャンペーン」の一環として行われた今回のセレモニー。終了後にはベンチ前で佐藤輝明内野手(26)との交流。サインボールも受け取った。好きな選手が佐藤輝という快莉くんは「変なところに投げちゃったけど、いい運動になりました。うれしかった。サインボールいる?って言ってくれました」と明かした。悠真くんは「『頑張ったね』と言ってもらって、すごくうれしかったです」と振り返った。

◆阪神は6日、石井大智投手(28)の連続無失点記録を記念したグッズの発売を発表した。石井は8月22日のヤクルト戦(神宮)で日本記録に続いてメジャー記録も超える、41試合連続無失点を達成した。Tシャツは前面に特別ロゴ、背中に背番号が入る。ほかにフェイスタオル、スクエアクッション、巾着、アクリルキーホルダー、記念ボール。実際に使用された直筆サイン入り記念ロゴパネルもファンクラブ会員限定で販売する。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)がド根性の守備を見せた。4回先頭のサンドロ・ファビアン外野手(27)が強振するとバットが粉々に砕けた。ボールもバットの大きな破片も、ほぼ同じ三塁方向に飛んだ。三塁手の佐藤輝は逃げることなく、ボールに集中。体を半身にして、バウンドを合わせにいった。ジャッグルしたが、すぐにつかみ直して一塁送球。ぎりぎりのタイミングでセーフとなった。記録は内野安打。場内からは佐藤輝のプレーに大きな拍手が送られた。藤川球児監督(45)がリクエストしたが判定は変わらなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が1点を追う4回に同点適時打を放った。阪神打線は3回まで広島先発常広に無安打。4回1死から中野拓夢内野手(29)が一塁失策で二塁を陥れると、森下翔太外野手が四球で続いた。1死一、二塁で佐藤輝はカウント3-2まで追い込まれたが、浮いたフォークを強振。打球は一、二塁間を破る右前打になり、中野がホームを滑り込んだ。1打点を加え、2位森下との10点差にするリーグトップの89打点にした。【動画】頼りになる男・佐藤輝明がライトへ同点タイムリー チーム初ヒットが値千金の一打

◆約3カ月ぶりの1軍先発となった阪神門別啓人投手(21)は、5回を投げきることができなかった。初回、小園に中前打を許して2死一塁。続く4番モンテロに右翼線への適時三塁打を食らい、先制点を献上した。毎回走者を出す投球となり、4回には2死満塁を招くも小園を遊飛に打ち取ってなんとか無失点。粘りの投球を見せながらも、4回7安打1失点で降板を告げられた。門別にとって、6月4日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来となった先発マウンド。勝利投手の権利を得ることはできず、今季3勝目はお預けとなった。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます頼りになりすぎるチーム初ヒットが値千金の一打佐藤輝明 ライトへ同点タイムリーを放つ?プロ野球(2025/9/6)??阪神×広島??Live on DAZN #オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN

◆阪神大山悠輔内野手(30)を申告敬遠した広島バッテリーに阪神ファンから大ブーイングが起きた。6回、森下翔太外野手(25)の左前打で2-1と勝ち越し。なお続くチャンスでは佐藤輝明内野手(26)が空振り三振に倒れた。佐藤輝の打席の間に、森下が二盗を決めて二、三塁となり、一塁が空いていた。1死二、三塁で5番大山を迎えたところで広島はすぐさま敬遠を選択した。前日5日に満塁アーチを放っている大山。大量得点の期待も高まっていただけに、阪神ファンも容赦なかった。>

◆阪神森下翔太外野手(25)が1-1の同点で迎えた6回、勝ち越しタイムリーを放った。無死一、三塁のカウント3-1から、広島先発常広の147キロ外角ストレートを左中間へ運ぶ適時打。マジック「3」で迎えた1戦で超満員のスタンドのボルテージも上がった。打点はプロ入り初めて80の大台に乗せた。トップの佐藤輝明内野手(26)が4回の同点適時打で89打点に伸ばしていたが、負けじと追走している。

◆阪神森下翔太外野手(25)への死球に客席から怒号が鳴り響いた。6回に勝ち越しの左前打を打っている森下。続く7回無死一塁で打席が回ってきたが、カウント3-1から中崎翔太投手(33)の投球がエルボーガード付近に当たった。痛そうに顔をしかめたが、そのまま一塁にゆっくりと歩いた。死球はリーグ最多で12個目。

◆7回終了後に他球場の経過が表示され、優勝マジック対象チームのDeNAが2-3で負けていることを知った甲子園のファンが大喜びした。阪神もその時点で4-1とリードを広げていた。阪神の優勝マジックは試合前の時点で3。DeNAが負けるとマジックが1つ減る。阪神も勝てばマジック1。7日に史上最速優勝の期待が高まる。

◆甲子園は「優勝前夜」の異様な盛り上がりとなった。広島常広羽也斗投手(23)の前に4回1死まで1人も走者を出せなかったが、佐藤輝明内野手(26)がこの回に同点の右前打。少しずつ場内のボールテー時が上がり、同点の6回には森下翔太外野手(25)の左前打でついに勝ち越し。敵失でもう1点加えた。7回にも中野拓夢内野手(29)の中前打でもう1点。試合前の時点で優勝マジックは3。勝てば2になり、さらにDeNAが負ければ1。イニングが進むごとに7日の甲子園胴上げへの期待が高まった。

◆阪神近本光司外野手(30)が安打トップを堅持する141安打目を放った。2位につける広島小園が目の前で3回までマルチ安打で1安打差の139安打に肉薄。2点リードの7回1死でカウント3-2と粘り広島3番手中崎の7球目、146キロ直球を左中間に運ぶ左前二塁打でチャンスメークした。続く中野拓夢内野手(29)の二遊間破る中前打で一気に三塁を蹴り、5点目のホームイン。打率3位につけていた中野もこの時点で打率を2割9分に上げた。

◆DeNAがヤクルトに敗れ、阪神の優勝マジックは1減の2となった。阪神のこの日の勝敗にかかわらず、最短Vは7日となる。阪神は初回に先制を許すも、1点を追う1死一、二塁で佐藤輝明内野手(26)が同点の右前適時打。1-1の6回に、近本の四球から中野が左前打でつなぎ無死一、三塁の好機をつくると、森下翔太外野手(25)が勝ち越しの左前適時打を放った。

◆阪神が3連勝を飾り、DeNAも敗れ、ついに優勝マジックは1となった。7日にも2年ぶり優勝が決定。2リーグ制後のプロ野球史上最速優勝は、90年9月8日の巨人。歴史を塗り替える1日になる可能性がある。初回2死一塁から、広島モンテロの右翼への適時三塁打で先制を許すも、中盤に反撃に出た。4回1死一、二塁で佐藤輝明内野手(26)が同点の右前適時打。試合を振り出しに戻した。6回は近本光司外野手(30)の四球から中野拓夢内野手(29)が左前打でつなぎ無死一、三塁の好機をつくると、森下翔太外野手(25)が勝ち越しの左前適時打。さらに2死満塁から敵失で3点目を追加した。7回は1死から近本が左翼へ二塁打を放つと、中野が中前適時打で続きさらに1点をもぎとった。この日の先発は、6月4日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約3カ月ぶりの先発となった門別啓人投手(21)。毎回走者を背負う展開も、4回7安打1失点と粘り降板。その後は盤石なリリーフ陣が継投でリードを守り抜いた。阪神はこれで貯金を今季最多32とし、5カード連続の勝ち越しが決定。7月8~10日広島3連戦以来の同一カード3連勝で、2年ぶりの優勝を決められるか。

◆阪神石井大智投手(28)が自身の日本記録を更新する47試合連続無失点を達成した。この日は2日中日戦(バンテリンドーム)以来のマウンド。この日も0を並べて、連続無失点イニングは46となった。石井は13日広島戦(マツダスタジアム)でセ・リーグ記録を更新する39試合連続無失点とすると、17日の巨人戦(東京ドーム)でプロ野球新の40試合連続無失点を達成。19日の中日戦(京セラドーム大阪)から、この日まで0を並べて記録を更新し続けている。また、石井は26日に42イニング連続無失点とし、1969年(昭44)にマークしたレジェンド江夏豊を抜いて、球団単独3位。同2位の小山正明まであと1回と王手。1位の藤川監督まで1回2/3と、新たな記録更新にも1歩ずつ近づいている。

◆広島が3連敗を喫した。初回2死から小園海斗内野手(25)とエレフリス・モンテロ内野手(27)の連打で1点を先制。阪神戦プロ初登板初先発の23年ドラフト1位右腕、常広羽也斗投手(23)が、3回まで阪神打線を完全に抑えた。だが序盤で追加点を奪えなかったツケが、中盤に回ってきた。3回無死一、二塁、4回2死満塁、5回2死一、二塁と何度も得点圏に走者を送りながら、あと1本が出ず。もたついている間に、4回にモンテロの失策がからんで阪神に追いつかれ、6回に森下翔太外野手(25)の適時打で勝ち越された。5日に優勝の可能性が消滅したばかり。この日ももどかしい試合展開で敗れ、優勝に向かって独走する阪神との大きな差を見せつけられる敗戦となった。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られますどこまで神なのか緊迫する場面で石井大智を救った佐藤輝明が"超絶"背面キャッチ!?プロ野球(2025/9/6)??阪神×広島??Live on DAZN #オレをみろ #阪神タイガース #だったらDAZN

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が最終回にスーパーキャッチを見せた。3点リードの9回1死一、二塁。モンテロの打球は三塁ファウルゾーン後方へ上がった。佐藤輝は背走すると、フェンスぎりぎりでそのままスライディングキャッチ。最終回に出たスーパープレーにスタンドからは特大の「輝コール」が起こった。マウンドの石井も少し表情を崩し、20年ドラフト同期の好プレーを手をたたいて喜んだ。

◆阪神が3連勝を飾り、DeNAも敗れ、ついに優勝マジックは1となった。7日にも2年ぶり優勝が決定。2リーグ制後のプロ野球史上最速優勝は、90年9月8日の巨人。歴史を塗り替える1日になる可能性がある。阪神が勝ち、DeNAが敗れ、優勝へのマジックが1となった。7日に優勝が決まる条件は、阪神が広島戦で勝てば他チームの結果にかかわらずV決定。引き分けなら、巨人が中日戦で△か●。敗れた場合でも、巨人が中日戦で●、DeNAがヤクルト戦に△か●でV。2リーグ制後では90年巨人の9月8日を抜く最速での優勝決定になる。阪神は77勝目。新人監督の最多勝利は昨季の小久保監督(ソフトバンク)の91勝があるが、阪神では70年村山監督の77勝に並ぶ球団最多となった。

◆阪神が3連勝を飾り、DeNAも敗れ、ついに優勝マジックは1となった。7日にも2年ぶり優勝が決定。2リーグ制後のプロ野球史上最速優勝は、90年9月8日の巨人。歴史を塗り替える1日になる可能性がある。試合後、藤川球児監督(45)はマジック1となった心境を問われ「ちょっと試合が終わったばかりで頭がそんなに動いてないですけど」と前置きした一方「監督という立場で見届けていますから、『さあ行くか』というところですね」と挑む姿勢を見せた。「ペナントレースという意味では、明日どんな1日になるかというのは、僕自身も監督としてそうだし、タイガースの選手たち、スタッフたち、それからファンの方々も全て含めてですね。この1年、それから長い人生の中で何度も訪れることがないような1日になりますから、大切に。また同じく丁寧にやろうかなと、やってもらおうかなと思います。でも、どんな1日になりますかね」いつもと変わらぬ心持ちの中に、優勝の瞬間を心待ちにする素直な思いをのぞかせた。

◆阪神近本光司外野手(30)がバットと足で2得点をマークした。6回は先頭で四球。ランエンドヒットで三塁に進み、森下の一打で決勝のホームイン。7回は1死後に左中間二塁打で出塁。中野の中前打で勢いよく三塁ベースを蹴った。38打席無安打の不振を脱し、直近3試合で5安打。得点に絡むシーンも多い。本来の姿がよみがえってきた切り込み隊長は「よかったです」と、うなずいた。

◆広島が、クライマックス進出のかかる勝負の9月戦線で3連敗を喫した。初回にエレフリス・モンテロ内野手(27)の適時三塁打で1点を先制し、その後も何度も好機をつくったがあと1本が出ず。2桁12安打を放ちながら1点どまりに終わった。阪神戦初登板初先発の常広羽也斗投手(23)は、自責1の3失点で6回途中で降板した。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が2戦連続のマルチ安打で得点に絡んだ。6回無死一塁で左前打を放ち、勝ち越しの好機につなげると、7回1死二塁で4点目の中前適時打。「少ないヒットの中でも得点を重ねられるというのは、チームとしていい攻撃ができていると思う」。優勝マジック1で迎える次戦へ「明日は楽しみながら野球ができると思うので、チーム全体で盛り上がりながらいい雰囲気で、最後いい形で締めくくれれば」と必勝を誓った。

◆広島はCS進出のかかる9月戦線で3連敗、3位DeNAとの3ゲーム差が続く。初回にモンテロの適時三塁打で1点を先制したが追加点を奪えず。阪神戦プロ初先発の常広は4回1死まで完全投球したが、味方の失策も絡んで6回途中3失点(自責1)。新井監督は「よく粘って投げた。ナイスピッチングだったと思う」とねぎらった。前日5日に7年連続のV逸が決定し、この日は12安打で13残塁、1得点と寂しい結果が続く。広島常広(6回途中3失点で2敗)「初回から球威を出していこうと思っていたので、入りはよかったと思います。荒れた時にどう修正するか。そこをしっかり練習していきたいです」

◆約3カ月ぶりに先発した阪神門別啓人投手(21)は、4回7安打1失点で、5回を投げ切ることができなかった。「しっかりこのためにやってきたつもりだったんですけど、まだそれでも足りない部分があった」。毎回走者を背負い、4回には2死満塁のピンチもしのいだが、今季3勝目は遠かった。藤川監督は「プロ野球のいろはの『い』の部分の選手ですから」と挽回を期待した。

◆阪神石井大智投手(28)が自身の日本記録を更新する47試合連続無失点で試合を締めた。3点リードの9回に4試合ぶりに登板し、連打で無死一、二塁のピンチに小園を中飛。モンテロには粘られながら、佐藤輝の好捕に救われる三邪飛で、最後は末包を三振に打ち取り、9セーブ目を手にした。リリーフ5人でつないだ無失点リレーを締めたことを問われた右腕は「(ゲーム)後半なので、それに尽きると思います」と表情を緩めた。8月17日の巨人戦(東京ドーム)でプロ野球新の40試合連続無失点を達成しゼロを継続。連続イニング無失点も46に伸ばし、球団2位の小山正明まであと1回と王手。1位の藤川監督まで1回2/3と、新たな記録更新にも1歩ずつ近づいている。途中加入のドリスが3番手で6回1イニングを1回無失点。直後の勝ち越しで19年8月31日巨人戦以来の本拠地甲子園での白星を手にした。「明日(7日)が待ち遠しいよ」。ベテラン助っ人が、ナインの気持ちを代弁した。▽阪神畠(7回に登板。1安打無失点で移籍後初ホールド)「ゼロでいけてよかったです。すごく良い経験になりましたし、次も(ホールドを)したいなという気持ちですね」▽阪神及川(8回に登板して1安打無失点。両リーグトップ59登板目)「いろんな人に支えられて59試合投げられている。感謝の気持ちは忘れず、1試合1試合を投げていけたら」

◆阪神が逆転勝利で、ついに優勝マジックは1になった。1-1の6回無死一、三塁。森下翔太外野手(25)が、勝ち越しの左前適時打を放った。両リーグ単独トップ18度目の決勝打となった。及川雅貴投手(24)は8回に、両リーグ単独トップ59試合目の登板で1回無失点。6勝3敗で防御率0・96の今季だが、初めてお立ち台に立った。

◆阪神が3連勝を飾り、DeNAも敗れ、ついに優勝マジックは1となった。7日も2年ぶり優勝が決定。2リーグ制後のプロ野球史上最速優勝は、90年9月8日の巨人。歴史を塗り替える1日になる可能性がある。この日の先発は高卒3年目の門別啓人投手(21)。約3カ月ぶりの1軍マウンドは、4回7安打1失点の粘投。「しっかりこのためにやってきたつもりだったんですけど、まだそれでも足りない部分があった」。毎回走者を背負い、4回には2死満塁のピンチもしのいだが、5回を投げきれず今季3勝目は遠かった。試合後、藤川球児監督(45)は「プロ野球のいろはの『い』の部分の選手ですから」と話した。「いろんな経験を重ねて彼が強くなってくることができれば、次はいろはの『ろ』になり、『は』になってくることになると思いますけど、それは時間がかかりますよね」と今後の成長に期待した。

◆さあ、甲子園でプロ野球史上最速V決めるで!阪神が広島を下し、優勝マジックを1として2年ぶりリーグVに王手をかけた。4番佐藤輝明内野手(26)が4回に同点適時打を放ち猛虎打線に火を付けた。7日広島戦に勝てば、無条件でリーグ優勝が決定。90年巨人の9月8日を塗り替えて2リーグ制後の史上最速Vとなる。試合を決めるのはやはり佐藤輝か? 藤川球児監督(45)が本拠地で宙に舞う舞台が整った。停滞していた打線を切り開いたのは、この日も佐藤輝だった。チームが無安打に抑えられる中、1点を追う4回1死一、二塁。しぶとくはじき返した打球は快音を残し、一、二塁間を破った。二塁走者中野を一気に生還させた同点打。4番の一振りで、この日最初の六甲おろしを響かせた。「なんとか3-2までいって。いいところに飛んでくれました」初対戦となった先発常広から、風穴をあけるチーム初安打。フルカウントから、高めに浮いたフォークを引っ張り込んだ。貴重な同点打で、両リーグトップを変わらず突き進む今季89打点目。シーズン101打点ペースと、自身初の大台も視界に捉えている。9回には三塁ファウルゾーン後方の飛球を後ろ向きに捕球。攻守での貢献となった。9月に入って5試合目となった中、ここまで月間3割8分9厘、2本塁打、5打点。シーズン最終盤に差しかかっても、勢いが止まる気配はない。2度の17打席無安打を挟むなど、苦しんだ8月の姿は今やどこにも見当たらない。この日DeNAが敗れ、いよいよ優勝マジックは「1」。7日にも2年ぶりのセ・リーグ優勝が決まる。前回優勝時の23年も、勝負を決定付けたのは佐藤輝だった。9月14日の巨人戦(甲子園)。5回まで両軍無得点と停滞する中、6回に中堅への2ランをたたきこんだ。間違いなく今季の首位快走をけん引してきた主砲。2年前の再現となる1発で、歓喜の瞬間を導きたいところだ。「しっかり目の前の試合を勝てるように頑張ります」と最後まで気を引き締めた。過去、2リーグ制後のNPB最速Vは90年巨人の9月8日。35年ぶりの史上最速優勝に王手をかけた。藤川監督は「『さあ行くか』というところですね」と挑む姿勢を貫いた。「これから長い人生の中で何度も訪れることがないような1日になりますから、大切に。また同じく丁寧にやろうかなと、やってもらおうかなと思います。でも、どんな1日になりますかね」首位を独走してきた藤川阪神にとって、集大成となる1日。本拠地甲子園で、いよいよ歓喜の瞬間に向かう。【波部俊之介】

◆阪神森下翔太外野手(25)が、また虎党を沸かせた。ファンが「かっとばせ~!森下!」と叫んだ瞬間。水平気味に出たバットから、打球音が響いた。一瞬で、大歓声に包まれた甲子園。虎の背番号「1」のが試合を決め、優勝マジックは「1」となった。お立ち台で「明日(7日)決めるしかない。絶対に決めます!」と宣言。「イェ~イ!」とボルテージが最高潮となったスタンドからの拍手を、全身で浴びた。同点の6回。1番近本が四球、2番中野が左前打で無死一、三塁とした。打席に、前夜はこの2人のチャンスメークから初回同点打の森下。先発常広の外角低め147キロ直球を捉えた。「甘い球は来ないと思って打席に立っていた。しっかり捉えることができた」 並んでいた佐藤輝を上回り、両リーグトップ18度目の決勝打だ。4試合連続打点で、プロ初の80打点に到達。佐藤輝に9打点差のリーグ2位で、「打点だけでも勝ちたい」と燃えた。20号まできた本塁打とともにキャリアハイを更新し続けている森下。「ノルマを1つクリアした。ホームラン同様もっともっと伸ばしていけたら」と力を込めた。今季躍動の要因の1つは、スイングの軌道だ。昨季までは振り上げるアッパースイング気味。今年からは、地面と平行に振るレベルスイングのように変わっている。昨季までも意識していたが、先の方に重心があるバットの影響で肩が下がり振り上げてしまっていた。取り組み続けプロ3年目で理想に近づき、最短距離でボールにミート。スイングスピードもアップし、結果につながっている。森下は約1カ月ぶりに甲子園で戦った8月29日巨人戦から、8試合連続安打と好調。チームも3連勝中で、同8戦は6勝2敗とV奪回へ突き進んでいる。「いつもより早く、お客さんの熱気が伝わってきた。パワーをもらっている」。勝てば確実に優勝の7日も、勝負強さを生かし聖地でファンを沸かせる。【塚本光】

◆首位の阪神が、広島に快勝し、優勝マジックを「1」とした。貯金を今季最多の「32」に増やし、2位巨人とのゲーム差は17ゲーム差で独走する。シーズン後半戦は24勝10敗1分けで、後半戦だけでも貯金が2ケタ超えの14となり、2位以下をさらに大きく突き放した。現在、阪神が貯金32で貯金を独占する一方で、2位巨人が借金2、3位DeNAは借金5で、2位以下が借金生活の異常事態となる。シーズン後半戦だけに限っても、貯金は首位の阪神のみ。2位巨人は勝率5割で猛虎の強さが際立つ。昨季、パ・リーグではソフトバンクが2位日本ハムに13・5ゲーム差、3位ロッテに18・5ゲーム差をつけ、独走で優勝した。現在、阪神は2位巨人と17ゲーム差、3位DeNAと18・5ゲーム差だが、今季の阪神はいかに。

◆優勝マジック「1」の阪神は、マジック対象の巨人が中日とのデーゲームを制したため、自力で勝てば、2年ぶりのリーグ優勝が決まる。打線の上位は不動。遊撃には2試合ぶりに木浪聖也内野手(31)を「6番遊撃」で起用した。先発には2年前の優勝を決めた23年9月14日巨人戦(甲子園)でも白星を運んだ才木浩人投手(26)をマウンドに送った。勝てばハーラー単独トップ13勝目だ。

◆阪神石井大智投手(28)が自身の日本記録を更新する48試合連続無失点を達成し、球団2位の47イニング連続無失点を打ち立てた。この日は前日6日の広島戦(甲子園)に続く連投でのマウンドでも、仕事を果たした。2点リードの8回に登板。先頭代打野間に左前打を浴びたが、直後に1番中村奨を三ゴロ併殺。2死から2番ファビアンに右前打を打たれながらも、3番羽月を遊ゴロに仕留めて1回無失点となった。石井は13日広島戦(マツダスタジアム)でセ・リーグ記録を更新する39試合連続無失点とすると、17日の巨人戦(東京ドーム)でプロ野球新の40試合連続無失点を達成。19日の中日戦(京セラドーム大阪)から、この日まで0を並べて記録を更新し続けている。また、石井は8月26日に42イニング連続無失点とし、1969年(昭44)にマークしたレジェンド江夏豊を抜いて、球団単独3位。この日で同2位の小山正明が記録した47イニングに並んだ。球団歴代1位は藤川監督が現役時代に記録した47回2/3。0回2/3に迫っており、いよいよ記録更新も目前となった。今季のブルペン陣を中心となって支えてきた右腕。2年ぶりリーグ優勝のかかった一戦でも、変わらない投球を披露した。

◆阪神は石黒佑弥投手(24)と島本浩也投手(32)の選手登録を抹消した。石黒は5日に約3カ月ぶりに登録され、同日の広島戦(甲子園)の九回に登板して1回無失点だったが、即降格となった。島本は8月24日に登録されて4試合に登板。9月4日の中日戦(バンテリンドーム)では、3ランを浴びていた。代わってこの日、約3カ月ぶりの先発登板に臨む門別啓人投手(21)と、桐敷拓馬投手(26)が登録された。桐敷は8月27日に抹消されてから最短での昇格となった。

◆7日の広島戦(甲子園)に先発する才木浩人投手(26)は、2023年に続いて優勝投手の座を狙う。この日は甲子園での試合前練習でキャッチボールなどで調整した。「ファンの方にとって優勝はすごく特別なものかなと思うので、雰囲気的には球場のボルテージも上がるんじゃないかなと思う。そういう雰囲気をしっかり楽しんで投げられたらいい」才木はここまで21試合に先発し12勝5敗、防御率1・66。勝利数と防御率でリーグ2冠に輝いている。2023年はチームが18年ぶりのリーグ優勝に輝いた試合で先発し、7回1失点で優勝投手に。今季もすでに優勝マジック「3」と秒読み段階に入っており、6日の広島戦、ヤクルトと戦うDeNAの結果次第ではマジック「1」の状態で7日の試合を迎える可能性もある。「マジック『1』の状態で迎えることができたら、すごい運がいいなと思いますし、そういうときに1発で決めたいなと思うので。いいピッチングができたら」運も勝負強さも持ち合わせる男が、2年ぶりの栄冠をつかみにいく。

◆優勝までのマジックナンバーを「3」とする阪神は、門別啓人投手(21)が約3カ月ぶりの先発登板に臨む。広島との対戦は今季初登板で5回途中2失点で黒星を喫した3月30日以来。「個人的には左バッターがいいなと思っているので、そこをしっかり抑えらるように準備したい」と意気込み、マウンドに上がる。これまで7度の先発では1度しかバッテリーを組んでいなかった坂本誠志郎捕手(31)とのコンビで今季2勝目を目指す。

◆阪神の先発・門別啓人投手(21)は一回に1点を失った。先頭の中村奨を中飛、続くファビアンを二ゴロとテンポよく2死を取ったが、3番の小園に中前打を浴びる。2死一塁となって、モンテロに右翼線への飛球をはじき返された。森下がスライディングキャッチを試みるも、収めることはできずに後逸。一塁走者が一気に生還して記録は適時三塁打となり、先制点を献上した。なおも末包に死球を与えて2死一、三塁とピンチは続くも、菊池を1球で捕邪飛として最少失点にとどめた。

◆小児がんを乗り越えた坂牧快莉くん(8)と前田悠真くん(15)がファーストピッチセレモニーを行った。小児がん啓発の「ゴールドセプテンバーキャンペーン」のPRのために行われ、投手の坂牧くんが捕手の前田くん目掛けて精いっぱい投げ込んだ。「変なところに投げちゃったけど、いい運動になりました」と坂牧くん。投球後にはベンチ前で佐藤輝と交流し、サインボールをプレゼントされた。前田くんは「『頑張ってね』って言ってもらいました」と笑顔。キャンペーンは日本では2021年にスタートし、毎年9月に各国それぞれの地域を象徴するタワーや建物などを金色(小児がん支援のテーマカラー)にライトアップする。5年目の今年はで150カ所がゴールドに光り、初めて北海道から沖縄まで全都道府県のライトアップがかなう予定。23日午後6時から大阪市立総合医療センターさくらホールを中継基地としてオンラインイベントが行われる。

◆阪神の先発・門別啓人投手(21)は4回1失点で降板した。「毎回ランナーを出してしまいリズムを作ることができませんでした。最小失点で粘れたところはよかったと思いますが、内容がよくなかったので課題としっかり向き合って練習します」6月4日以来の先発のマウンドは毎回安打を浴びる苦しい展開となったが、粘りの投球で最少失点にとどめた。一回に2死からの連打で1点を失う。しかし三回無死一、二塁、そして四回2死満塁とピンチを背負うも、根気よく攻めて適時打を許さなかった。五回に2番手・ハートウィグへの交代が告げられ、4回41球を投げて7安打1失点で降板。今季2勝目とはならなかった。

◆阪神が森下翔太外野手(25)の適時打で勝ち越しに成功した。1-1の六回、1番からの好打順で貴重な1点を奪った。先頭の近本が四球で出塁すると、続く中野が粘って8球目で左前打。エンドランを決めて無死一、三塁の好機を作った。ここで打席に入った森下が、カウント3-1からの直球をとらえた。左前に弾ませ、近本が生還。キャリアハイを更新し続ける打点を、80打点に乗せた。この後も2死満塁から敵失で1点を加え、3-1とリードして終盤に入った。

◆阪神が広島に4-1で逆転勝ちを収めて、カード勝ち越し。DeNAがヤクルトに敗れたため、優勝マジックは一気に2つ減って「1」。2年ぶりの王座奪還に王手をかけた。打線は1点を追う四回に相手失策から好機を作ると、1死一、二塁で佐藤輝明内野手(26)がチーム初安打となる右前への同点適時打。1-1の六回には無死一、三塁で森下翔太外野手(25)が勝ち越しの左前適時打を放ち、今季80打点とした。七回には中野拓夢内野手(29)に適時打が生まれ3点差。計5安打も効率的に4点を奪った。先発した門別啓人投手(20)は粘りの投球で試合を作った。7安打を浴びるも要所を締めて4回1失点。1-1の六回に登板したラファエル・ドリス投手(37)が1回無失点で2勝目を挙げた。3-1の七回に4番手で登板した畠世周投手(31)は先頭のモンテロに安打を許すも、末包を併殺。菊池から移籍後初奪三振となる空振り三振を奪い、3年ぶりのホールドをマークした。3点差の九回は石井大智投手(28)が登板して、無死一、二塁のピンチを招くも佐藤輝の好守もあって1回無失点。これで4月5日の巨人戦(甲子園)から続く無失点記録を47試合連続とした。

◆先発した常広羽也斗投手(23)は六回途中まで投げ3失点で今季2敗目となった。常広は一回から三回まで三者凡退と快投を披露。1点リードの四回には味方の失策が絡んで同点とされるが、最少失点で切り抜けた。しかし、打撃の方では犠打を決めきれないなどミスもあり、六回には勝ち越し点を奪われた。打線は一回に2死一塁からモンテロの右翼線適時三塁打で先制したが、その後は好機を作りながらも追加点を奪えなかった。

◆先発した常広羽也斗投手(23)は六回途中まで投げ3失点で今季2敗目となった。打線は12安打を放ちながらも1得点のみ。好機を生かせなかった。一回に幸先よく先制したが、三回には無死一、二塁の好機でモンテロは遊直、続く末包も左直に終わった。安打性の打球が相手野手の正面をつくなど得点につながらず、試合後、新井監督は「チャンスでそういうのが続いた。とらえたけど正面に行ってしまう。安打は出ているけど、あと一本が、というところかな」と振り返った。先発の常広の投球については「ナイスピッチングだったと思う。よく粘って投げた」と評価。ただ、打席の方では犠打を決めきれないなどのミスもあり、常広自身は「しっかり決められるように練習するだけです」と反省を口にした。

◆阪神が逆転勝利で、優勝マジックを2減の「1」とした。1点を追う四回1死一、二塁、佐藤輝明内野手(26)の右前打で同点。六回1死一、三塁では森下翔太外野手(25)が8戦連続安打を左前に運んで、勝ち越し。さらに敵失で3点目を追加した。七回は中野拓夢内野手(29)の中前適時打でリードを広げた。門別啓人投手(21)は6月4日の日本ハム戦(エスコン)以来の先発で4回1失点。4戦連続打点の森下は初の「80」に到達した。六回登板のラファエル・ドリス投手(37)が2勝目。九回無死一、二塁をしのいだ石井大智投手(28)はNPB記録の連続試合無失点を「47」に伸ばし、「46回ゼロ封」。7日に2年ぶり7度目のリーグ優勝を決めれば、1990年巨人の「9月8日」を抜いて、最速Vとなる。

◆先発した常広羽也斗投手(23)は六回途中まで投げ3失点で今季2敗目となった。打線は12安打を放ちながらも1得点のみに終わった。

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(71)は、今季の阪神は「歴代優勝チームの中でもかなりの強さ」と絶賛した。もはや試合の勝ち負けで評論する時期でもなくなっている。マジック1。本当に強いチームになった。私が見てきた歴代の優勝チームと比較してもかなりの強さだ。この試合も、ここ一番で最高のプレーが出る。三回まで完璧に抑えられながら、四回に相手にミスが出ると、畳み掛けてて佐藤輝が初安打で先制打。六回の森下の左前適時打も、打ってほしいタイミングで飛び出した。守備でも肝心な時に好プレーが飛び出す。九回の佐藤輝の背走しての邪飛キャッチ。これ以上は求められない美技だ。勝ちパターンの救援陣も、相変わらず失点しない。こうなると、負けようがない。名監督・西本幸雄さんが「ポジションは2つぐらい固定しないほうが強くなる」と話されていた。ことしの藤川阪神は遊撃と左翼の2つが日替わりに。名将の言葉どおりのチームだ。シーズンの競争は、ライバルチームが勝手に転んで、厳しくなかったかもしれないが、ポジション争い、チーム内の競争は熾烈だったはず。傷のなめ合いをしている選手はいなかった。これが強いチームの姿。あと1つ。楽しみに待ちたい。

◆今季2勝目を挙げた阪神のラファエル・ドリス投手(37)は久々の甲子園での白星だ。「どこの球場であれ、いつも試合に真剣に向き合っていると、いい結果が訪れるのかなと思う。いつまでも向上心を持ってやりたい」。1―1の六回に登板して1回無失点。直後に味方が勝ち越し、2019年8月31日の巨人戦以来となる甲子園での勝利となった。今季途中から6年ぶりに虎戦士となった右腕は「あしたが待ち遠しいですし、みんなで一丸となってやりたい」と意気込んだ。

◆阪神・中野拓夢内野手(29)が終盤に大きな追加点をもたらした。七回1死二塁で中前適時打を放って4点目。「何とか次の森下につなごうという意識がタイムリーになった」とうなずいた。2試合連続マルチ安打で、打率・290に上昇。マジックナンバー「1」で迎える一戦に選手会長は「楽しみながら野球ができると思う。チーム全体で盛り上がって、いい雰囲気で最後をいい形で締めくくりたい」と声を弾ませた。

◆リーグ最多の今季59試合目となった阪神・及川雅貴投手(24)は3点リードの八回に登板。無得点に抑え、39ホールド目をマークした。今季初のヒーローインタビューでは「いつもと変わらず、応援してくださっているたくさんのファンの方がいるなとすごいそれは感じました」とファンに感謝。「いろんな人に支えられて、59試合投げられているので、感謝の気持ちを忘れず一試合一試合投げていきたい」と気を緩めず左腕を振り続ける。

◆2点差の七回に4番手で登板した阪神・畠世周投手(31)が1回を3人で抑えて3年ぶりのホールドを記録した。先頭のモンテロに安打を許すも「連打を食らわないように、何とかゴロを」と冷静に末包を遊ゴロ併殺に仕留める。続く菊池を空振り三振に斬った。優勝を目前に控えた甲子園での登板に「(雰囲気が)最高ですね。こういうところで投げたい」と笑顔を見せた。

◆?阪神の優勝へのマジックナンバーが2つ減って1となった。早ければ7日にもリーグ優勝が決定する。7日に阪神(対広島)が勝てば、無条件で優勝。阪神が引き分けの場合は巨人(対中日)が引き分けもしくは負け。阪神が負けても、巨人が負け、DeNA(対ヤクルト)が引き分けか負けで優勝が決まる。9月7日の優勝となると、2リーグ制(1950年)以降、90年の巨人の9月8日を抜く最速となる。?3年目の森下が自身初の80打点に到達。阪神で新人から3年目までにシーズン80打点以上を挙げたのは、49年の別当薫(2年目=126)、76年の掛布雅之(3年目=83)、22、23年の佐藤輝明(2年目=84、3年目=92)に次いで4人目。右打者では別当以来76年ぶり2人目。

◆石井が落とし切ったワンバウンドのフォークボールに、末包のバットが空を切る。ボールが捕手・坂本から一塁へ送られた瞬間、猛虎の優勝へのマジックナンバーは、ついに「1」となった。目指し続けてきた歓喜の瞬間はもう目前。阪神・藤川球児監督(45)はいつもと同じように前を向き、〝その日〟に飛び込む。「ちょっと試合が終わったばかりで頭がそんなに動いていないですけど、まあ、監督という立場で見届けていますから、『さぁ、いくか』というところですね」先制されても打線のつながりで四回に追い付き、六、七回に計3点を奪った。チームの〝心臓〟と位置付けてきた救援陣がこのリードを守り、勝利をつかむ。今季、何度もみた藤川虎のスタイルは、どれだけ勝ち進んでも変わらない。ただ、一塁に整列するナインらに浴びせられる今季77度目の祝福と感謝の大声援は、いつも以上に熱気を帯びた。球団創設90年の歴史の中で、新人監督が優勝に導けば球団初の快挙となる。選手として優勝は2度経験。最強の勝利の方程式「JFK」の一角を担った2005年、マジック「1」となった9月28日にはヒーローインタビューで「涙の準備はできています。みなさん、よろしいでしょうか」と、〝球児節〟でファンの心を揺さぶった。あれから20年―。ただ一心に目指してきた2年ぶりのリーグ優勝。達成日が9月7日なら史上最速となるほどの快進撃でここまできた。7日が一体どんな一日になるのか。それを想像する表情はにこやかであり、いたって冷静だ。ただ「9・7」は記録にも記憶にも残る一日にする―。たぎる勝ち気と強い意欲は体全体からあふれ出た。「長い人生の中で何度も訪れることがないような一日になりますから、大切に。まあ、また同じく丁寧にやろうかな、と。やってもらおうかな、と思います。でも、どんな一日になりますかね」甲子園で大声援に包まれながら歓喜のゴールテープを切り、ナインの手が作る笑顔の輪で宙に舞う。そこに向かって「さぁ、いくか」―。ぶれのないタクトで、みんなを歴史的な一日へと連れていく。(須藤佳裕)

◆阪神は広島に4―1で逆転勝ちし、優勝へのマジックナンバーを1とした。六回に森下翔太外野手(25)が4試合連続打点となる勝ち越し打を放ち、自己最多を更新する80打点とした。頼もしさが増す若虎が勝負強さを発揮し、2年ぶりのセ・リーグ制覇に王手をかけた。9月7日に優勝を決めれば、2リーグ制(1950年)以降、90年の巨人(9月8日)を抜いて史上最速。球団創設90周年の節目に球史を塗り替える。あと1勝。長い長いペナントレースを戦ってきた。そしてとうとう、優勝へのマジックナンバーは「1」に。背番号1は、その瞬間を強く渇望してきた。思いを乗せた森下の一打に、甲子園が揺れた。「変化球がきても外野フライを最低、打てる自信はあったので、甘めの球というよりは高さで絞っていた。3番が最初にチャンスで打てないと絶対につながらないので、その役割を今はできているのかなと思う」1―1の六回だった。先頭の近本が四球で出ると、中野もエンドランで左前打として無死一、三塁で打席に向かった。カウント3―1からの5球目。「甘い球はこないと思っていた。外のボールをしっかり捉えることができた」。外角の直球を豪快に引っ張る。左前への勝ち越し打とし、一塁で力強くガッツポーズを作った。ここから追加点を重ね、森下がたたき出した1点が決勝点。両リーグトップを走る18度目の決勝打で、シーズン80打点に到達した。「1つノルマをクリアしたかなと。あとはここからまた、ホームラン同様、もっともっと伸ばしていけたら」。プロ3年目以内の達成は、球団の生え抜き右打者では別当薫以来の2人目で、1950年の2リーグ制となって以降は初。これからも虎の歴史に名を刻んでいく。「たくさんのお客さんが入って、いつもより熱気というのは早めから伝わってきた。ビハインドになっても、いけるんじゃないかという後押しもあって、すごくパワーをもらった」

◆今季50試合目の登板となった石井は、得点圏に走者を背負うも1回を無失点。9セーブ目を挙げて息をついた。「もう後半なんで。それ(無失点)に尽きると思います」先頭の中村奨に粘られた末に、12球目を中前に運ばれた。続くファビアンにも安打を許して無死一、二塁。それでも続く小園を1球で中飛に打ち取ると、モンテロを詰まらせた打球を三塁手・佐藤輝が背走してフェンスギリギリでつかんだ。最後は末包をフォークボールで空振り三振に斬り、大歓声を浴びた。これで4月5日の巨人戦(東京ドーム)からの連続無失点記録を47試合に更新。さらにセ・リーグ単独5位の46イニングに伸ばし、球団2位の小山正明にあと1回に迫った。「あしたも頑張ります」。防御率0・18の石井は泰然自若に運命の日に臨む。

◆痛烈な打球が一、二塁間を破る。攻めあぐねていた常広の牙城を崩したのは、虎の4番。佐藤輝が殊勲の同点打に胸を張った。「何とか(カウント)3-2までいったので、いいところに飛んでくれました」0-1で迎えた四回だ。完全に抑えられていた常広から、敵失と四球で1死一、二塁の好機。フルカウントからフォークボールに食らいつく。右前に抜けた一打が、この日のチーム初安打。ここぞの場面で主砲が結果を残し、甲子園が大歓声に包まれた。チームを救うプレーは最終盤の守備でも。3点リードで迎えた九回1死一、二塁のピンチ。モンテロの打球は三塁側ファウルゾーンへ。佐藤輝はフェンス際まで全力で背走すると、最後はスライディングキャッチで白球をつかみ取った。「(東京ドームでのプレーが)一瞬ちょっとよぎったというか、同じイメージで捕れました」8月16日の巨人戦(東京ドーム)でも、この日と同じように後ろ向きからスライディングキャッチで球場を沸かせていた。〝神キャッチ〟で連続無失点試合の世界記録を更新し続ける同期入団の石井を援護。攻守で乗りに乗るサトテルは残り「1」とした歓喜の瞬間を冷静に見据えた。「しっかりと目の前の試合を勝てるように頑張ります」2年ぶりの頂点に立つ「9・7」へ-。主砲が虎をまた勝利に導く。(原田遼太郎)

◆阪神・近本が起点となり、逆転勝利につなげた。1-1で迎えた六回、先頭で四球を選ぶと、続く中野の左前打で一気に三進。森下の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。さらに七回には、1死から左中間への二塁打を放って好機を演出。中野の適時打で生還した。虎のリードオフマンは「ヒットもなかなか出なかったんですけど、チャンスでしっかり(点を)取れたんじゃないかなと思います」とうなずいた。

◆ガオー! 猛虎優勝前夜祭、阪神は勝利して、ついにマジック「1」。まぁ...。試合内容は森下や佐藤輝の格上タイムリーだし~、先発門別は相変わらず期待を裏切る若虎なのに、開き直りがないピッチングだし...。う~ん、かつての石井一久や工藤公康の匂いが俺にはしてるので...。このオフ、人生をかけて鍛えたれー!!さぁ、今日(7日)はVの日です!! わが家はすでにリビングが泡だらけ覚悟のビールかけの準備できとるでェ!!あとさ~、もし、2位以下のチームが勝率5割を切った場合は、勝敗どーのこーのより、5チームで『CSドラフト』で2位、3位をくじ引きにする! あるいは巨人・阿部さん、DeNA・三浦番長、広島・新井の兄ちゃん、中日・井上監督、ヤクルト・高津さんが投手・打者となって、大相撲でいうところの巴戦で決めたらええんとちゃう~!!何、プロ野球をなめてる? アハハハ...。プロなのに5割もいかずにクライマックスシリーズ、さらには日本シリーズに出ようとしている球団(いや、ルール)が、野球ファンをなめとるわー!!

◆ペナントレースもゴール寸前。阪神もプレーオフを見据えた選手起用、作戦に入ったということだろう。セーブシチュエーションの九回に投入したのは、左腕の岩崎ではなく、右の石井。これまでもあったことだし、短期決戦でも当然、こういう使い方はあるぞ、とチーム内外に示したね。あえて例えると、借金とりは追いかけてくるものだけど、借金チームはもはや追いかけてこない(笑)。余裕を持って、さまざまなケースをテストしたらいい。打線は4得点すべて、近本と中野の生還によるもの。1、2番が出塁し、森下と佐藤輝の3、4番がきっちりかえす。相変わらずのつながりだ。ちなみに5番・大山以下はこの日、ノーヒット。なんとも効率の良い、そつのない点の取り方だった。しかも四回1死後に、中野が敵失で初めて出塁したところから攻撃開始。1本だけで、優位に立てる強みがある。地味ながら攻守とも、阪神カラーが色濃く出ていたね。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆三回まで一人の走者も出なかった。でも、そのうち、点は入るんだろうなぁと思ってみていたら、案の定...。しかも、相手が大事なところでミスしてくれる。「普通に野球をしていれば、相手が勝手に転んでくれる。それが強いチーム」よく聞かされたプロ野球界の常識だ。無理することも、ギャンブルすることも、むちゃくちゃすることも不要。今の阪神にはピタリ当てはまる。9月7日は「阪神むちゃくちゃ記念日」と呼ばれたりしている。今から20年前の2005年9月7日。壮絶なデッドヒートを繰り広げていた阪神と中日の直接対決、舞台はナゴヤドーム(現バンテリンドーム)だった。九回に本塁上のクロスプレーをめぐって、岡田彰布監督(現オーナー付顧問)が猛抗議(審判との間に入ったヘッドコーチ平田勝男=現2軍監督=が退場)。納得いかない判定に激怒した指揮官は選手全員をベンチに引き揚げさせ、没収試合も辞さない構え。長い18分の中断後、なんとか再開も、直後に同点とされ、なお1死満塁の大ピンチ。ここで、めったにマウンドにいかない岡田監督が久保田(現2軍投手チーフコーチ)のもとへ歩み寄り「お前の責任じゃない。むちゃくちゃ投げろ」と〝むちゃくちゃ〟なゲキ。すると久保田は2者連続三振で窮地を脱し、延長戦の末に阪神が勝利する。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
77453 0.631
(↑0.003)
M1
(↑2)
18435
(+4)
296
(+1)
80
(-)
92
(+1)
0.244
(↓0.001)
2.130
(↑0.01)
2
(-)
巨人
60623 0.492
(↑0.004)
17
(-)
18387
(+5)
383
(+4)
83
(+1)
48
(-)
0.246
(↑0.001)
2.760
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
57625 0.479
(↓0.004)
18.5
(↓1)
19413
(+2)
401
(+3)
91
(+1)
60
(+2)
0.240
(-)
2.960
(-)
4
(-)
中日
56662 0.459
(↓0.004)
21
(↓1)
19352
(+4)
389
(+5)
73
(+2)
76
(+1)
0.229
(↑0.001)
2.880
(↓0.02)
5
(-)
広島
54655 0.454
(↓0.004)
21.5
(↓1)
19384
(+1)
412
(+4)
63
(-)
53
(-)
0.246
(↑0.001
3.050
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
45696 0.395
(↑0.006)
28
(-)
23351
(+3)
478
(+2)
75
(+1)
52
(+1)
0.232
(-)
3.620
(↑0.01)