1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 4 | 13 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | X | 5 | 11 | 0 | 0 |
勝利投手:島本 浩也(2勝1敗0S) (セーブ:岩崎 優(1勝2敗29S)) 敗戦投手:中川 皓太(1勝3敗0S) |

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◆阪神は3回裏、森下の適時打で1点を先制する。その後逆転を許すも、7回には中野、森下、佐藤輝の3者連続適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、2番手・島本が今季2勝目。敗れた巨人は、最終回に1点を返すも、続く好機であと1本が出なかった。
◆「安打製造機」の阪神近本光司外野手(30)がバットを振らずともチームに貢献している。30日の巨人戦はノーヒットながら3四球を選んだ。うち2度はイニングの先頭、それもホームにかえっており、3-2勝利に大きく貢献したといえる。近本の今季出塁率は3割4分6厘。リーグ5位だが、トップをいく阪神大山悠輔内野手(30)の3割5分7厘と遜色はない。四球の数も1位大山の55に次ぐ52になった。自己ワーストの35打席ノーヒットが取り沙汰されているが、1番打者としての働きが極端に落ちているわけではない。
◆優勝マジックを9とするも、阪神藤川球児監督(45)が珍しく苦言を呈した。勝利直後のテレビインタビューで「お子ちゃまレベルの選手も多いですから」「まだまだひよっこな選手たちがいますから」と指摘。厳しい言葉を並べるのは珍しいシーンだ。3-2の6回無死一塁。投手の代打に高寺を送り、犠打を命じた。しかし初球の甘い直球を投飛にしてバント失敗に終わった。「もう単純にバントのフライが上がって走っていないとか。その後、(ベンチで)1軍の選手と同じように後ろに下がってしまって。逃げてんじゃない、と。僕は最高の選手を送り込んだつもりで、グラウンド上に立ってもらっている。その選手が自分のプレーに少しうまくいかないからって下がっているようでは、このチームじゃ戦えないよと」厳しい言葉は期待するからこそ。一方で、選手だけのせいにはしなかった。「ただ高寺でそうということは、みんなそうだということですね。それは自分の責任ということで、タイガースの1、2軍のスタッフ含めて全員で反省して、いきたいと思います」。優勝マジックを1ケタ台にした夜、チームを引き締めた。
◆巨人がカード勝ち越しをかけて「伝統の一戦」第3ラウンドに臨む。前日の同戦は、守備でリズムをつくれずに接戦を落とした。先発井上温大投手(24)は5回途中4安打3四球3失点で降板。リリーフ陣も粘りの投球を見せたが、投手陣全体で計11四球と課題を残した。阿部慎之助監督(46)は「出そうと思って出してるんじゃないけど、ああいう四球を挟むと失点につながりやすい。『結局は痛かったな、あの四球』となるので、反省してもらいたい」と話した。打線も"テコ入れ"が実らなかった。岡本和真内野手(29)を3番に、4番には岸田行倫捕手(28)を起用。指揮官は「岡本に数多く打席を回したい。和真の前に(ランナーが)たまらないケースが多いので、それだったら初回に相手にプレッシャーかけられるんじゃないか」と意図を説明した。岡本はマルチ安打、岸田は猛打賞とそれぞれ役割を果たしたが、チームとしてはあと1点が遠かった。勝負の3戦目は横川凱投手が先発する。30日に25歳の誕生日を迎えたばかりの左腕は「両親に産んでもらった感謝を勝ちで表せたら。いい姿を見せられるように」と意気込んだ。
◆阪神畠世周投手(31)が、1軍に合流した。出場選手登録されれば移籍後初。中継ぎ要員とみられる。昨年12月の現役ドラフトで巨人から加入。4月3日のウエスタン・リーグ広島戦の初回1死二塁で緊急降板し、「右中指のコンディション不良」でリハビリを続けていた。今月14日の同中日戦で実戦復帰し、1回無失点。その後も3試合に登板し、いずれも1回無失点に抑えていた。この日、甲子園では今季最後の古巣巨人との「伝統の一戦」が行われる。
◆阪神藤川球児監督(45)に叱責(しっせき)を受けた高寺望夢内野手(22)が試合前練習に参加。通常通りのメニューをこなした。出場選手登録は抹消されなかった。試合前には「自分がやってしまったことなので。もう、取り返すしかないと思っています」と厳しい表情で話した。前日30日、3-2の6回無死一塁で犠打のために代打で出場したが投飛にしてしまった。同監督はミスに対してではなく、高寺が一塁に走るのを怠り、ベンチ内の奥に下がったことを指摘した。「単純に走っていない。その後に(ベンチで)1軍の選手と同じように後ろに下がって。『逃げてんじゃない』と。少しうまくいかないからって下がっているようではこのチームじゃ戦えないよ、と」と手厳しく話した。テレビインタビューの中では「お子ちゃまレベルの選手も多い。まだまだひよっこな選手たちがいますから」とも表現していた。
◆阪神畠世周投手(31)が、移籍後初めて出場選手登録された。中継ぎ要員とみられる。昨年12月の現役ドラフトで巨人から加入。4月3日のウエスタン・リーグ広島戦の初回1死二塁で緊急降板し、「右中指のコンディション不良」でリハビリを続けていた。今月14日の同中日戦で実戦復帰し、1回無失点。その後は2軍戦3試合に登板し、いずれも1回無失点に抑えていた。この日は今季最後の甲子園での古巣巨人戦。「すごく気合入ります。頑張っていきたい。阿部さんにはあいさつできていないんですけど、(その他は)ほぼ全員にあいさつができた」と話した。代わって阪神高橋遥人投手(29)が、出場選手登録を抹消された。前日30日の同戦で先発。今季最短での5回で降板し被安打8は最多だったが、2失点の粘投で3勝目を挙げていた。昨年11月の手術から、今年7月に1軍復帰した左腕。今季初登板翌日の7月16日以来、2度目の抹消となった。同27日の再昇格後は5試合に登板し、中8日か中7日が続いていた。ここまで1軍6試合で、3勝負けなしの防御率1・77となっている。
◆ファーストピッチセレモニーに阪神OBの片岡篤史、福留孝介、糸井嘉男、西岡剛の4氏が登場した。当時の背番号をつけたユニホームで登場。呼び込みのアナウンスがあるたびに大きな拍手が起きた。4氏はマウンド付近に並んで投球。全員がノーバウンド投球を披露し、観客を沸かせた。球団創設90周年を記念した3連戦の共通企画。「未来へ受け継がれる想いを1球に込めて届ける、世代をつなぐセレモニー」との意味がある。阪神ではヘッドコーチなどを歴任した片岡氏は、就任1年目でのリーグ優勝に近づく藤川球児監督(45)について、「1年目でいろいろ大変なこともあったと思うし、球団首脳陣、選手、裏方さんの勝利だと思います。これがやっぱり3年、5年と続くような、強いタイガースを願っています」と話した。13年から8年間在籍し、打線の中核を担った福留氏は、優勝マジック9のチームに「間違いなく勝つでしょうし、あとは選手おのおのがケガだけ気をつけて、自分たちのやることを。昨日も(藤川)監督がそういうコメントをしていたし、そういうところを選手も意識しながらね。今の子たちはねそういうのを意識していると思うし、僕らOBは楽しみに見ているだけなので」とエールを送った。球団スペシャルアンバサダー(SA)で、春季キャンプでは臨時コーチとして指導した糸井氏は、「グラウンドレベルに立つことが、まずないので興奮しますね。本当に強い戦いぶりを見せてくれている」とたたえた。13年から18年までにプレーしていた西岡氏は、阪神のユニホームを着てグラウンドに立つのは退団後初。「うれしいですね。感謝しています。いろんなドラマが生まれる場所に、足を踏み入れるというのは興奮します」と胸を躍らせた。
◆甲子園での「伝統の一戦」は今季ラスト。阪神は優勝マジック9とカウントダウンに入っている。自己最長の35打席連続ノーヒットの近本光司外野手(30)は四球などで貢献はしているが、無安打のトンネルを抜けられるか。小野寺暖外野手(27)は「7番左翼」で今季初スタメン。熊谷敬宥内野手(29)は遊撃で出場する。才木浩人投手(26)は月間5勝目、今季リーグ単独最多の13勝目を目指す。
◆阪神近本光司外野手(30)が激走を見せた。3回1死から四球で出塁。中野拓夢内野手(29)の安打で二塁に進んだ。続く森下翔太外野手(25)は左前打。生還は難しいタイミングかと思われたが、ぐんぐん加速。1度も緩めることなく三塁を蹴り、本塁に好スライディングで先制のホームインを果たした。近本はこの四球で自己最長の37打席連続ノーヒット。打撃不振に加え、8月は2度のベンチスタートがあったため、コンディションも心配されていた。SNSでは「あれで帰ってこられる近本」「あの走塁はかっこよすぎ」「スライディングも美しい」と次々と絶賛の声が上がった。
◆阪神小野寺暖外野手(27)が今季初スタメンで序盤から攻守にハッスルした。「7番左翼」で今季初スタメン出場。まずは2回1死一、二塁での初打席だ。先発左腕横川の142キロ直球を捉え、ライナーで左前に運んだ。チームの得点には結びつかなかったものの、1打席目から起用に応えた。直後、3回の守備では1番丸が放ったライナー性の打球が左翼線へ飛んだ。浜風にあおられ、三塁側へ流されていく難しい打球。小野寺は懸命に追い、最後は飛びつきながらもボールをつかみとった。チームの今季120試合目で初のスタメン。29日の巨人戦にも代打で今季初打席に立ち、三塁強襲安打で結果を出していた。
◆阪神才木浩人投手(26)が7回につかまった。逆転を許してイニング途中でKOされた。13勝目へ視界良好だった。2回無死二、三塁の大ピンチを併殺などでしのいでペースに乗った。しかし1-0の7回に1死から安打で出塁を許し、ヒットエンドランの安打も決められて一、三塁。代打大城大城卓三捕手(32)に右中間を割られて同点にされた。2人目の走者は森下翔太外野手(25)、中野拓夢内野手(29)の中継プレーで本塁アウト。巨人のリクエストでも判定は変わらなかった。同点でとどめたかったが、次打者の若林楽人外野手(27)に中前打を許して1-2と勝ち越された。才木はマウンド上で悔しそうに天を仰いだ。さらに代打トレイ・キャベッジ外野手(28)には右翼フェンス直撃の適時二塁打。ここで交代を告げられた。
◆阪神守備陣が無駄のない中継プレーを見せた。1点リードの7回1死一、三塁。代打大城の打球はライナーで右中間に飛んだ。三塁走者は生還し、一塁走者も一気に本塁へ突入する長打コースの当たりだった。フェンスまで到達した打球を、まずは森下が即座にカットマン中野へ送球。受けた中野も本塁へストライク送球し、間一髪のタイミングでアウトに仕留めた。巨人ベンチはリクエストを要求するも、判定は覆らずにアウト。流れるような中継プレーを見せた。しかし、直後2死三塁と変わった場面で8番若林が中前にクリーンヒットで勝ち越し点を献上。続く代打キャベッジにも右越え適時二塁打を浴び、終盤に痛い2点リードを許した。
◆巨人大城卓三捕手(32)が貴重な同点打で反撃の口火を切った。1点ビハインドの7回1死一、三塁で代打に送られ、今カード初の打席に立つと、阪神才木の149キロ直球を右中間にはじき返した。三塁から吉川尚輝内野手(30)が同点のホームイン、さらに一塁から中山礼都内野手(23)がホームに頭から滑り込んだ。判定はアウトも巨人ベンチからリプレー検証のリクエスト。結果はアウトで変わらず。大城は適時二塁打で送球間に三塁に進んだ。続く打者は8番若林楽人外野手(27)。才木の153キロ直球を中前に打ち返して勝ち越しの適時打に。さらに代打出場したトレイ・キャベッジ外野手(28)も右二塁打で続いて追加点を奪い、才木をマウンドから引きずり降ろした。
◆阪神近本光司外野手(30)がトンネルを抜け出す39打席ぶりのHランプをともした。2点を追う7回2死一塁。左腕中川の146キロ直球を、ライナーで左翼線上に運んだ。一気に二塁を陥れ、2死二、三塁に好機を拡大させた。直後に中野が中前へ2点適時打。貴重な同点劇を演出した。22日ヤクルト戦(神宮)以来、8試合ぶりの安打。すでに自己ワーストとなっていた無安打地獄を抜け出した。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が珍しいエンタイトルツーベースで、貴重な追加点を挙げた。森下の適時三塁打で勝ち越した直後、1点リードの7回2死三塁。中川から放った大飛球は右翼へ角度良く、高々と上がった。球場中を大歓声が包み、本塁打を予感させた放物線。しかし、浜風で大きく戻された打球はフェンス手前でワンバウンド。右翼手も対応できず、そのままバウンドしてフェンス内に飛び込んだ。右翼から左翼方向へ吹く、甲子園特有の浜風。本塁打とはならなかったが、珍しい二塁打となった。
◆巨人が守備固めに失敗した。1点ビハインドの7回表に大城卓三捕手(32)の同点打などで3-1とし、迎えた7回裏。3番手の中川皓太投手(31)が2死二、三塁から阪神中野に打たれた当たりは中堅へ。この回から守備に入ったオコエ瑠偉外野手(28)が前方へのダイビングキャッチをみせたが捕球できず、ボールは転々とした。一気に2人が本塁に戻って同点とされた。さらに2死二塁から森下の左翼への当たりを若林が後方へのジャンプ。そのままフェンスにぶつかって、ボールがグラブから飛び出て勝ち越し打に。嫌な流れになると、続く佐藤輝の高々と上がった右翼線への打球を中山礼都内野手(23)が目測を誤って捕球できずにエンタイトル二塁打となり、追加点を献上した。外野陣の乱れが響く形で、終盤に再逆転を許した。
◆阪神が巨人に連勝を飾り、優勝マジックを7に減らした。3カード連続勝ち越で、貯金は今季最大に並ぶ29。2位巨人とは今季最大16ゲーム差に広げた。先制は阪神だった。3回1死一、二塁で、3番森下翔太外野手(25)が巨人先発横川から先制の左前適時打を放った。森下はこれが今季74打点目で、プロ3年目でキャリアハイとなった。しかし7回、ここまで無失点投球を続けてきた才木浩人投手(26)が暗転した。1死からまさかの5連打を浴び、一気に3点を失い逆転を許した。ここで猛虎打線は反発力を見せた。直後の7回裏、先頭の小野寺が中前打、2死一塁から近本光司外野手(30)が左翼線へ二塁打をマーク。39打席ぶりの安打で、2死二、三塁と好機を広げた。この絶好のチャンスで中野拓夢内野手(29)が同点の中越え適時二塁打を放つと、森下が左翼へ勝ち越しの適時三塁打。さらに佐藤輝明内野手(26)が右翼へのエンタイトルツーベースで続き、一挙4得点で再びリードを奪った。また、8回に登板した石井大智投手(28)が、前夜からの連投で無失点。自身の日本記録を更新する45試合連続無失点とした。この日は今季ワースト4併殺を喫していたが、勝負どころでの集中打で勝利。リーグ優勝へ独走する強さが光った。
◆阪神が7回に2点差を逆転した。だが勝ち越しの瞬間にもかかわらず、球場内が異様なほどの静寂に包まれる珍しいシーンがあった。7回2死から中野拓夢内野手(29)の2点中前打で同点。さらに森下翔太外野手(25)が左翼フェンスまで飛ばした。背走で追いかけた若林楽人外野手(27)はフェンスにぶつかって倒れ込んだ。ボールは若林の体のすぐ下にこぼれており、観客はすぐにはヒットかアウトか判別できなかった。さらには若林の体の心配もあってか、場内が静まり返った。中野は余裕を持ってホームイン。静寂の中で、森下だけが全力疾走を続けた。ボールがこぼれたのが確認されると、阪神ファンもようやく大歓声を上げた。若林はプレーを続行した。
◆巨人が終盤に痛恨の再逆転を許し、2連敗で借金を今季ワーストタイの3とし、首位阪神とのゲーム差が今季最大の16に開いた。1点ビハインドの7回表に代打の大城卓三捕手(32)の同点打などで3-1と逆転したが、その裏に阪神に反撃を許した。3番手の中川皓太投手(31)が2死二、三塁から阪神中野に打たれた当たりを、この回から中堅に入っていたオコエ瑠偉外野手(28)が前方ダイビングキャッチで捕球できず。同点とされると、森下の左翼線への飛球を若林楽人外野手(27)がジャンプ一番でつかんだが、そのままフェンスに当たってボールがグラブからこぼれ逆転の適時二塁打に。さらに佐藤輝の右翼ポール際への高い飛球に中山礼都内野手(23)が目測を誤り、エンタイトル二塁打となってこの回だけで4失点。3-5と再逆転を許した。先発の横川凱投手(25)は今季最長の6回途中までマウンドを守り、6安打1失点。勝利投手の権利は得られなかったが、先発投手としての役割は果たした。
◆最終回に、阪神中野拓夢内野手(29)にアクシデントが起きた。2点リードで迎えた9回、守護神岩崎が2死満塁のピンチを招いた。ここで打席に立った巨人坂本の打球は三塁正面。三塁手佐藤輝が捕球し、二塁送球するも、送球がそれて悪送球に。取りにいった二塁手中野が、スライディングした一塁走者の浅野と交錯した。中野はそのまましゃがみこみ、しばらく動けず、グラウンドへは担架が運ばれた。球場が騒然とする中、しばらくして中野は自力で歩いてベンチへと戻った。二塁は植田に代わった。
◆巨人が終盤に痛恨の再逆転を許し、2連敗で借金は今季ワーストタイの3となり、首位阪神とのゲーム差が今季最大の16に開いた。阿部慎之助監督(46)は「勝たせてあげられませんでした。すいません」と短くコメントを残し、試合後の取材を終えた。1点ビハインドの7回表に代打の大城卓三捕手(32)の同点打などで3-1と逆転したが、その裏に阪神に反撃を許した。3番手の中川皓太投手(31)が2死二、三塁から阪神中野に打たれた当たりを、この回から中堅に入っていたオコエ瑠偉外野手(28)が前方ダイビングキャッチで捕球できず。同点とされると、森下の左翼線への飛球を若林楽人外野手(27)がジャンプ一番でつかんだが、そのままフェンスに当たってボールがグラブからこぼれ勝ち越しを許す適時二塁打に。さらに佐藤輝の右翼ポール際への高い飛球いn中山礼都内野手(23)が目測を誤り、エンタイトル二塁打となってこの回だけで4失点。3-5と再逆転を許した。先発の横川凱投手(25)は今季最長の6回途中までマウンドを守り、6安打1失点。勝利投手の権利は得られなかったが、先発投手としての役割は果たした。
◆阪神中野拓夢内野手(29)に最終回にアクシデントが起きたが、試合後にみずから「大丈夫!」と問題なしを強調した。2点リードで迎えた9回2死満塁、巨人坂本の打球を三塁手佐藤輝が捕球し、二塁送球するも悪送球。捕りに行った二塁手中野が、スライディングしてきた一塁走者の浅野と交錯した。中野はそのまましゃがみこむも、しばらくして中野は自力で歩いてベンチへ。二塁は植田に交代した。藤川球児監督(45)も試合後のテレビインタビューで「大丈夫です。現状では問題ないというふうに」と説明。最後の二ゴロをさばいたのは代わった植田だったが「自分が『ナイスプレー』と(言って)。本当は植田なんですけど、そこでも『いや、植田です』とちゃんと答えられていたので、大丈夫だと思います」と明かした。
◆巨人が逃げ切りに失敗して、痛恨の逆転負けを喫した。3点を奪って逆転した直後の7回。マウンドには中川を送り出し、中堅にオコエ、三塁に門脇を配した。だが、2死二、三塁から阪神中野の中堅へのライナー性の打球をオコエが飛び込むも捕球できず。同点とされると、続く森下、佐藤輝に決勝の連続適時打を浴びた。阿部監督は「勝たせてあげられませんでした。すいません」と言葉少なく球場を後にした。意地は見せた。1点ビハインドの7回1死一、三塁から代打・大城卓が右中間への適時二塁打。続く若林と代打キャベッジにも連続適時打が飛び出し、一挙3得点。24年7月から7連敗中だった才木をマウンドから引きずり降ろしたが、直後に悪夢が待っていた。阪神との今季最後の3連戦を負け越し、借金はワーストタイの3となった。対阪神は残り1試合。やり返すチャンスは残されている。
◆巨人若林楽人外野手(27)の懸命な守備も、わずかに及ばなかった。7回、同点の場面で森下の左翼線を襲う飛球に後方へジャンプ。1度はグラブに収めたボールが、フェンスに体をぶつけた衝撃でこぼれ出た。しばらく立てなかったが、「捕った後に頭と足首ひねって。でも、なんともないです、大丈夫です」。7回には勝ち越し打を放ち、9回にも安打を重ねた。「勝ちたかったですね。今はそれしか浮かばない」と悔しそうにした。
◆阪神小野寺暖外野手(27)が、今季初スタメンで結果を残した。「7番左翼」で先発出場。7回に先頭で逆転を呼ぶ中前打を放つなど、今季初のマルチ安打をマークした。守備では3回に左翼線へのライナー性の打球を、飛びつきながら好捕した。今季は開幕1軍入りを果たすも、4月に2度出場選手登録を抹消。2軍調整が続き、8月26日に昇格した。「1軍に上がってこられなかったのは自分の実力不足。ここで結果を残すしかないと挑んだので良かった」と話した。
◆阪神中野拓夢内野手(29)は最終回のアクシデントも問題なしを強調した。9回2死満塁で、巨人坂本の打球を三塁手佐藤輝が悪送球。捕りに行った二塁手中野が一塁走者の浅野と交錯した。しばらく動けなかったが、自力でベンチへと戻り、植田に代わった。試合後に自ら「大丈夫!」と話して球場を後にした。藤川監督も「大丈夫です。現状では問題ないというふうに」と説明した。
◆超速Vへ、もうノンストップや! 阪神が今季最後の甲子園巨人戦で2連勝を飾り、マジックを2つ減らして7とした。2点を追う7回裏、4連打4得点であっさり逆転。3番森下翔太外野手(25)が決勝適時三塁打で主役を担った。3回には2戦連続の先制打で3戦連続打点もマーク。単打、二塁打、三塁打と大暴れして、75打点でキャリアハイを更新した。チームは今季最多タイの貯金29で2位巨人に今季最大16ゲーム差。最短9月5日のXデーへ、突っ走る。聖地が一瞬、静まりかえった。2点差を追いついた直後の7回2死二塁。森下が左翼へ大飛球を打ち上げた。巨人左翼手の若林がフェンスにぶつかりながらグラブを伸ばす。捕球したのか否か。とまどった観客は息をのんだ。ボールは一度グラブに入ったあと、地面にポトリ。「微妙な感じだったので、ベンチを見ても誰も喜んでくれなくて寂しかったです...(笑い)」。審判がフェアのジェスチャーをした瞬間、虎党はようやく大歓声を上げた。「1点勝負になると思っていたので、あそこで絶対決めたいなと思っていた。甲子園のすごさをこの3試合ですごく感じています」今季最後の甲子園での「伝統の一戦」。7回表に逆転され、1-3で裏の攻撃を迎えた。2死一塁から1番近本が39打席ぶりの安打となる左翼線二塁打を放ち、二、三塁。2番中野の中堅正面へのライナーが2点二塁打となって同点。そして、3番森下が内角直球を仕留め、適時三塁打で決勝点を奪取した。「ああいう場面でのタイムリーがクリーンアップの役割。期待に応えられた」。4番佐藤輝も適時二塁打を決め、4連打で4得点。首位独走の強さが際立つ逆転劇だった。森下は3回1死一、二塁でも先制の左前適時打を放っていた。6回は先頭で左翼線二塁打。本塁打が出ればサイクル安打という大暴れで打線を引っ張った。2試合連続の先制打で74打点目を記録し、キャリアハイを更新した。29日ぶりの甲子園ゲームとなったカード初戦から3試合連続打点。リーグ単独2位の打点を75まで伸ばし「1つ1つキャリアハイをつくっていくのは大事。もっと伸ばせるように」と力を込めた。個人の成績はあまり気にしないが、打点にはこだわる。「チームの勝利に直結するので意識している」。17度目の決勝打は両リーグ単独トップ。持ち前の勝負強さに磨きをかけている。チームは後半戦11カード連続で負け越しなし。2位巨人とのゲーム差は今季最大の16に広がった。藤川監督は「チームが連動している。(甲子園では)レギュラーシーズン最後の伝統の一戦で、ファンの方と一緒に戦えたんじゃないかな」とうなずいた。森下はお立ち台で高らかに宣言した。「優勝まで突っ走ります」。さあ、歓喜の瞬間はもう間近だ。【塚本光】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が珍しいエンタイトルツーベースで貴重な追加点を挙げた。7回に森下の適時三塁打で1点を勝ち越した直後の2死三塁。中川から放った大飛球は右翼ポール際のファウルゾーン方向へ高々と上がった。これが浜風で大きく戻され、右翼中山が追い切れず、フェンス手前でワンバウンドしてスタンドに入った。「あんな打球は見たことなかったんで。珍しかったです」と目を丸くした。9回2死満塁では三ゴロで二塁送球がそれ、一走浅野と二塁中野が交錯(野選)。「中野さんと浅野くんには申し訳ない」と頭を下げた。
◆阪神石井大智投手(28)がまたも無失点記録を継続した。味方打線が逆転に成功した直後の8回に登板。先頭の泉口に中前打で出塁を許したが、全く慌てることはなかった。「野手が追いついてくれたので、なんとかこの試合は、中継ぎで落とすことはできないなと思ってマウンドに上がりました」直後の3番岡本を三ゴロ併殺に打ち取って2死。最後は4番岸田を二ゴロに打ち取り、危なげなく打者3人で無失点に抑えた。それでも「先頭で(走者を)今日も出してしまったんですけど。出した結果というより、やっぱり出し方が悪かった」と反省を忘れなかった。すでに日本新記録に到達した連続無失点試合数は、この日で45試合に伸びた。連続無失点イニングも44回に更新した。藤川監督が現役時代に記録した球団記録は47回2/3。優勝マジックとともに、石井の球団新記録も着実に近づいている。この日は3者凡退に抑えた前夜に続く連投。2日続けての登板は8月8日、9日のヤクルト戦以来、約3週間ぶりだった。「あまり考えていなかったですけど。しっかり自分の仕事をするだけなので」。変わらず自分の役割を全うした。この日で48登板目。長期ロードの続いた8月は月間12試合に登板した中、変わらない安定感を見せ続けてきた。防御率は前夜から変わらず0・19。歓喜の瞬間まで、ブルペンの中心に立って走り抜ける。【波部俊之介】
◆阪神岩崎優投手(34)が29セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板。2死から連打と四球で満塁のピンチ。代打坂本を三ゴロに仕留めたが、佐藤輝の二塁送球がそれて野選になり1失点。最後は泉口を二ゴロで打ち取り試合を締めた。「勝てたので良かったです」。リーグ制覇した23年以来、2年ぶりの30セーブにリーチをかけた。
◆阪神の2番手島本浩也投手(32)が見事な火消しで今季2勝目を手にした。7回に先発才木が逆転を許し、なおも2死二塁でマウンドへ。迎えた巨人1番丸に3球ボールが続くも、その後スライダーを2球続けてカウント3-2とし、最後はフォークで二ゴロに仕留めた。「ボール3つ続いたので、内容的にはあまり良くなかったんですけど、結果の方が今は大事。しっかり1個取れたことはよかった」。4月23日DeNA戦以来の白星となった。
◆巨人3番手の中川皓太投手(31)が今季最多4失点で再逆転を許した。2点リードの7回を任されたが、2死から近本に初球を打たれ、39打席ぶりの安打となる二塁打を献上。「積極的に打ってくるのは分かっていた」が、カウントを急いだ。そこから4連打。「アウトを早く取りたい気持ちがあったのかな。甘いところに投げてしまったのはもったいない。実力不足以外の何物でもない」と悔やんだ。
◆阪神近本光司外野手(30)の打球は定規で測ったように真っすぐに左翼線へ伸びた。2点を追う7回2死一塁、左腕中川の初球の直球を振り抜いた。鋭いライナーがライン内側にはずむと同時に、大歓声が沸いた。実に39打席ぶりの安打。自己最長のトンネルを抜け、二塁ベース上でうれしそうに目尻を下げた。「何とか、後ろにつなぐ気持ちでした。真っすぐをしっかり打ちにいこうと思っていました」。リズムに乗れなかった打線が、近本の二塁打を合図に動き出す。2死二、三塁から中野、森下、佐藤輝と3連続の適時打であっという間にスコアボードに4点が入った。胸のすく逆転劇だった。「ヒットになったのはすごく安心しますけど、自分のやりたいこともしっかりできたので。その過程でもすごく、いいものがあった」。内容的にも完全復活が近い感触を口にした。8月はベンチスタートが2度。開幕から休まず突っ走ってきただけに、コンディション不良も心配された。ただ、打撃職人は試合前のルーティンを大きく変えることなく、黙々と向き合った。走塁、打撃をこなして、最後は中堅の守備位置で打球を追う。炎天下でも構わず続けた。7試合の長い足踏みをへて通算1069安打。入団7年目までの安打数で長嶋茂雄(巨人)にあと1本とした。近本の刻む記録の道にはいつもミスターがいる。「その1本がすごく難しいし、いろいろな重みもある。しっかり積み重ねていきたい。(安打は)そんな簡単なものではない。そこにたまたま野手がいたりも含めて、それが野球だしバッティング。それを再認識した期間でした。優勝まで気を抜かず頑張ります」8月31日にきっちり宿題を片付けた。もう心配は何もない。いよいよ歓喜の9月に突入だ。【柏原誠】
◆阪神才木浩人投手(26)がリーグ単独トップ13勝目を逃した。6回まで1点リードを守り、巨人打線を4安打無失点と好投。しかし、7回1死から5連打を浴び3点を失い逆転された。7回途中9安打3失点で無念の降板。防御率も1・66に下げた。「あそこを1点でしのげるように。余計な1点だったので、しっかりと粘れるようにしていきたい」。チームの勝利にも硬い表情で試合を振り返った。
◆首位の阪神が、2位の巨人に逆転勝ちし、優勝マジックを「7」とした。シーズン後半戦の成績も断トツで首位に立ち、優勝マジックを順調に減らしながら、歓喜の瞬間が近づく。夏の長期ロードを14勝7敗1分けで終了。シーズン後半戦は20勝9敗1分けで、後半戦だけでも貯金が2ケタを超え、勢いを加速させる。現在、2位巨人が借金3、3位DeNAは借金6、4位広島は借金8で2位以下が借金生活の異常事態だが、シーズン後半戦だけに限っても貯金は阪神のみ。2位以下は借金生活で阪神の強さが際立つ。
◆巨人が、8月最終戦だった31日の阪神戦で痛恨の逆転負けを喫し、8月を黒星で終えた。8月は12勝14敗で、3カ月連続で負け越しが決まった。首位阪神とのゲーム差は、今季最大の16ゲーム差に広がった。月間のチーム打率2割4分6厘はリーグ4位、防御率はリーグ3位の3・00だったが、白星が伸び悩んだ。残りは23試合で、3位DeNAと1・5ゲーム差で、4位広島とは2・5ゲーム差、5位中日とは3ゲーム差で、激しいCS争いが繰り広げられる。
◆阪神の畠世周投手(31)が試合前練習に合流した。今季から現役ドラフトで巨人から加入した右腕。オープン戦では1軍で5試合に登板していたが、登録されればシーズンでは初昇格となる。2軍では故障もありながら、9試合に登板して防御率4・70だった。今季最終戦となる甲子園での伝統の一戦で、古巣を相手に"タテジマデビュー"が期待される。
◆阪神の畠世周投手(31)が出場選手登録された。今季から現役ドラフトで巨人から加入したが右手中指のコンディション不良により、2軍でリハビリを続けていた。14日のウエスタン・中日戦(SGL)で復帰を果たすと、その後3試合に登板して、いずれも1回無失点。「何とかいい結果を出せるように頑張っていきたい」。今季最終戦となる甲子園での伝統の一戦で、古巣を相手に「気合が入りますね。あとは腕を振るだけです」と力を込めた。代わって30日の23回戦で先発し、5回2失点で今季3勝目を挙げた高橋遥人投手(29)が抹消された。
◆優勝へのマジックナンバー「9」で迎える甲子園での今季レギュラーシーズン最後の伝統の一戦で阪神・才木浩人投手(26)が先発する。今季は20試合に先発して12勝5敗、防御率1・54。7連勝中と得意とする巨人戦で、自己最多タイ13勝目を狙う。打線は「5番・一塁」で先発する大山悠輔内野手(30)に注目。巨人の先発・横川には対戦打率・571(7打数4安打)と好相性。小野寺暖外野手(27)が「7番・左翼」で今季初先発となった。
◆先発した阪神・才木浩人投手(26)が二回に招いた無死二、三塁の窮地を切り抜けた。二回先頭の吉川、中山に連打を浴びて無死二、三塁を招いた。続く7番・リチャードに5球目の直球をとらえられるも二直。二走・中山が飛び出しており、ライナーゲッツーに打ち取った。最後は若林に、153キロの直球で押し切って中飛に打ち取り、無失点で切り抜けた。才木は、24年7月30日(甲子園)から巨人戦7連勝中。この試合で白星を挙げれば、自己最多タイの13勝目となる。
◆球団創設90周年の8月度特別企画として「タイガースOBによるファーストピッチセレモニー」が行われ、片岡篤史(56)、福留孝介(48)=サンケイスポーツスペシャルコメンテーター、糸井嘉男(44)、西岡剛(41)の4氏が登場した。現役当時のユニホームでグラウンドに出ると、スタンドから大きな拍手が起こった。阪神で8年間プレーし、2014年に日本シリーズも戦った福留氏は「久しぶりにユニホーム着てグラウンドに出たら恥ずかしかったです。お客さんがたくさん入っている中でグラウンドを歩いていたりとかすると懐かしいな、と思います」と相好を崩した。2003、05年のリーグ優勝のメンバーだった片岡氏は甲子園の歓声について「味方にした時の良さと敵にした時の圧力はわかっているんで。でも今年はもう優勝もするでしょうし、ファンの方にとっては、すごくいい年になったと思う」と話した。球団スペシャルアンバサダー(SA)を務める糸井氏は近大の後輩・佐藤輝明内野手(26)に「ここまで5年で築き上げたモノが花開いている。12球団で1、2を争うようなバッターになっていると思います」とエール。阪神で6年間プレーした西岡氏は「熊谷君なんか途中からいく選手が今はレギュラーを取ろうとしている。僕がいる時は新人だったので、頑張っていますよね」と話した。
◆阪神が二回に満塁のチャンスを作るも、活かせなかった。0―0の二回、先頭の佐藤輝明内野手(26)が右前打で出塁すると、大山悠輔内野手(30)が今季56個目の四球を選び無死一、二塁の好機を作った。続く熊谷敬宥内野手(29)は犠打失敗に終わるも、「7番・左翼」で今季初スタメン出場の小野寺暖外野手(28)が左前打を放ち、1死満塁。しかし、ここで8番・坂本誠志郎捕手(31)が2球目のフォークを引っかけ、三ゴロ併殺となり、先制とはならなかった。
◆阪神は三回、森下翔太外野手(25)の適時打で先制に成功した。1死から近本光司外野手(30)が四球で出塁すると、中野拓夢内野手(29)も左前でつないで1死一、二塁とチャンスを作る。ここで打席に入った森下が、1ボールからの外角直球を思いきり引っ張った。打球は三遊間を抜け、三塁コーチャーの田中秀太内野守備走塁コーチ(48)は近本に本塁突入のシグナルを送り、先制点を挙げた。森下は29日に本塁打、30日にも先制打を放っており、巨人3連戦で3連続の打点をマーク。打点も「74」とし、昨年を超えるキャリアハイとなった。
◆阪神は三回、森下翔太外野手(25)の適時打で先制に成功した。1死から近本光司外野手(30)が四球で出塁すると、中野拓夢内野手(29)も左前でつないで1死一、二塁とチャンスを作る。ここで打席に入った森下が左前に運んで、近本が生還した。森下は29日に本塁打、30日にも先制打を放っており、巨人3連戦で3連続の打点をマーク。打点も「74」とし、昨年を超えるキャリアハイとなった。「打ったのはストレート。チカさんと拓夢さんにチャンスメークしてもらったので、しっかり自分のスイングをしようと考えました。良い結果につながって良かったです」とコメントした。
◆両親への感謝の気持ちを胸に、マウンドへ上がった。30日に25歳の誕生日を迎えた巨人・横川凱投手が、今季4度目の先発に臨んだ。同日の試合前練習の投手ミーティングでは拍手で祝福された。左腕は滋賀県出身。この日は両親も甲子園球場へ足を運んでいるといい、「産んでもらった感謝(の気持ち)を勝ちで表せたら。いい姿を見せられるように頑張りたい」と言葉に力を込めていた。一回、上位打線を内野ゴロ3つに打ち取る上々の立ち上がりを見せた。二回は2安打と四球で1死満塁としたが、坂本を5-4-3の併殺打。好投手の才木との投げ合いに向け「先に点を取られないように心掛けたい」と話していたが、三回に森下に先制の左前打を浴びた。試合前時点で20試合に登板(先発3)し、防御率1・85と好投が続いていた。大阪桐蔭高では2年春から4季連続で甲子園大会に出場し、うち3度優勝。3年時にはロッテ・藤原、中日・根尾ら同級生とともに、同一校で史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。学生時代から慣れ親しんだマウンドで、首位・阪神を相手に腕を振った。(原田優介)
◆巨人・横川凱投手(25)が六回途中6安打1失点、78球で降板した。30日に25歳の誕生日を迎え、臨んだ翌日のマウンド。一回を三者凡退に打ち取ると、二回は1死満塁のピンチを招くも併殺打で無失点。三回1死一、二塁から森下に左前適時打を浴びたが、最少失点で投球を続けた。六回に1死一、三塁と走者を背負ったところで降板。後を受けた田中瑛が併殺に打ち取った。
◆先発した阪神・才木浩人投手(26)が七回に逆転を許し、9安打3失点で降板した。1―0の七回1死から吉川尚、中山に連打を浴びて一、三塁の窮地を迎えた。ここで代打・大城に2球目の直球をとらえられ、右中間を破る二塁打に。一走・中山がヘッドスライディングで生還を試みたが判定はアウト。巨人・阿部監督がリプレー検証を申し出るも判定は変わらなった。しかし才木は2死三塁で若林、代打・キャベッジに連続適時打を浴びて逆転を許した。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がスカイAの中継で解説を務めた。0-1の七回、先発した才木浩人投手(26)は2本の適時打で2点を奪われて、なおも2死一塁から代打キャベッジに右翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びて、3点目を奪われたところで、藤川球児監督(45)が交代を決断。岡田顧問は「あっ、代えたん。これはアカンよ。最多勝があるのに。(七回裏の攻撃で)逆転するかもしれへんし。自分で(イニング最後まで)投げさせなあかん」とコメントした。
◆阪神が逆転された直後の七回に一挙4得点を奪い、甲子園はお祭り騒ぎとなった。1-3で迎えたラッキーセブンの攻撃。巨人の3番手・中川から、先頭の小野寺暖外野手(27)がマルチ安打となる中前打で出塁すると、甲子園のムードが変わった。後続が連続三振に倒れるも、2死で打席に立った近本光司外野手(30)が左翼線への二塁打で好機を拡大。22日のヤクルト戦(神宮)から遠ざかっていた快音が甲子園に響き、虎党のボルテージは最高潮に達した。ここで打席に立ったのは、中野拓夢内野手(29)。一打同点のチャンスで、カウント0-2からの低めフォークを中前にはじき返した。打球は中堅・オコエの前で弾み、同点となる2者が生還。さらに続く森下翔太外野手(25)が勝ち越しの適時三塁打、佐藤輝明内野手(26)のエンタイトルツーベースでさらに2点を追加して、この回一挙4点を奪い、逆転に成功した。
◆巨人・泉圭輔投手(28)が3-5の八回に登板し、1回失点三者凡退に抑えた。先頭の熊谷を二飛、小野寺を空振り三振、最後は坂本を三ゴロに打ち取った。1軍のマウンドは4月11日の広島戦(マツダ)以来、142日ぶり。移籍2年目の右腕は今季、開幕1軍入りを果たすも4月中旬に登録抹消。ファームでは故障班での調整もあり、6月に3軍戦で実戦復帰。直近は2軍での登板が続いていた。
◆阪神が巨人に連勝を飾り、マジックは2減の「7」となった。三回に森下翔太外野手(25)の三遊間を抜ける適時打で先制に成功する。森下はこれがキャリアハイとなる74打点目。1―3と逆転された直後の七回は、近本光司外野手(30)の39打席ぶりの安打などで2死二、三塁の好機を作り中野拓夢内野手(29)、森下、佐藤輝明内野手(26)の3連続適時打で一挙4得点を奪った。今季初めてスタメンに名を連ねた小野寺暖外野手(27)はマルチ安打で起用に応えた。 先発した才木浩人投手(26)は7回途中9安打3失点。六回までわずか4安打に封じるも、七回に5連打を浴びて一時逆転を許した。九回に登板した守護神・岩崎優投手(34)は1点を返され、なおも2死満塁を招いたが、なんとか泉口をニゴロにしのいでゲームを締めた。
◆阪神が逆転勝ちで優勝マジックを2減の「7」とした。才木浩人投手(26)が3点を奪われた直後の七回2死一塁、近本光司外野手(30)が39打席ぶり安打となる二塁打で好機を拡大。中野拓夢内野手(29)の同点打。森下翔太外野手(25)、佐藤輝明内野手(26)の連続適時打で一気に4点を奪った。八回の石井大智投手(28)はNPB記録の連続試合無失点を「45」に更新し、「44回ゼロ封」。七回途中で登板した島本浩也投手(32)が2勝目)1敗)。岩崎優投手(34)が佐藤輝の野選もあり、1点差に詰め寄られたが、29セーブ目(1勝2敗)を挙げた。森下は3戦連続、佐藤輝は4戦連続で打点を記録した。チームのG戦17勝は23年(18勝6敗1分)に次いで5度目(成績=73勝44敗3分、観衆=4万2641人)。
◆巨人は痛恨の逆転負けで今カードを1勝2敗で負け越した。九回に1点差に追い詰めたが、一歩及ばなかった。阿部慎之助監督(46)は試合後、報道陣に「勝たせてあげられませんでした。すみません」とだけ言葉を絞り出し、会見場を後にした。試合は1点を追う七回、阪神・才木から5連打で3得点し逆転。しかし、直後の八回に左腕、中川がまさかの乱調。1~4番に4連続長打を許すなど4失点で3-5と再びリードを奪われた。
◆阪神が逆転勝ちで優勝マジックを2減の「7」とした。才木浩人投手(26)が3点を奪われた直後の七回2死一塁、近本光司外野手(30)が39打席ぶり安打となる二塁打で好機を拡大。中野拓夢内野手(29)の同点打。森下翔太外野手(25)、佐藤輝明内野手(26)の連続適時打で一気に4点を奪った。八回の石井大智投手(28)はNPB記録の連続試合無失点を「45」に更新し、「44回ゼロ封」。七回途中で登板した島本浩也投手(32)が2勝目(1敗)。岩崎優投手(34)が佐藤輝の野選もあり、1点差に詰め寄られたが、29セーブ目(1勝2敗)を挙げた。森下は3戦連続、佐藤輝は4戦連続打点。G戦17勝は23年(18勝6敗1分)に次いで5度目。
◆阪神が逆転勝ちで優勝マジックを2減の「7」とした。才木浩人投手(26)が3点を奪われた直後の七回2死一塁、近本光司外野手(30)が39打席ぶり安打となる二塁打で好機を拡大。中野拓夢内野手(29)の同点打。森下翔太外野手(25)、佐藤輝明内野手(26)の連続適時打で一気に4点を奪った。八回の石井大智投手(28)はNPB記録の連続試合無失点を「45」に更新し、「44回ゼロ封」。七回途中で登板した島本浩也投手(32)が2勝目。岩崎優投手(34)が佐藤輝の野選もあり、1点差に詰め寄られたが、29セーブ目(1勝2敗)を挙げた。森下は3戦連続、佐藤輝は4戦連続で打点を記録した。チームのG戦17勝は23年(18勝6敗1分)に次いで5度目。
◆中日、阪神、米大リーグで日米通算2450安打を放ったサンケイスポーツスペシャルコメンテーター・福留孝介氏(48)は阪神と巨人の違いを鋭く指摘した。最終的には1点差だったが、阪神と巨人の意識の差が激しく出た。試合の流れでいえば巨人だった。逆転した後の七回2死一塁で近本に二塁打。ここまで打っていないということは、最も警戒しなければいけない打者だったにもかかわらず、巨人バッテリーは簡単にストライクを取りにいった。打った近本も大したものだが、それにしても...という気がした。阪神は選手だけではなく、コーチ陣も意識が高かった。三回、森下の左前への先制打。相手が前進守備を敷く中、三塁コーチャーの田中守備走塁コーチは、二塁走者の近本に迷いなく本塁突入をうながした。直前に中野が同じ場所に打ったとき、丸は少しファンブルしていた。そして、森下の打球に対し、丸のチャージが緩かったのをしっかりと見ていたと思う。七回、大城の右中間への打球に対し、森下がフェンス手前で抑えて、中継プレーで中山を本塁で憤死させたのも大きかった。この時期の甲子園は風も強くなるし、芝生も長くなったり、状況は変わる。だが、もう3連戦の最終戦。ビジターで慣れていないからというのはプロの世界では通用しないし、少しでも早く止めるいう気持ちが表れた。阪神はリーグ優勝という目標がはっきりしているから意識も高くなるというのもあるが、いくら監督、コーチが口を酸っぱく言っても選手が理解していないとできない。巨人は九回2死の状況で佐藤輝の悪送球で二塁走者が生還できず。コーチャーが手を回していたのに...。試合序盤にはミスを犯した巨人の選手がベンチに戻ってきて照れ笑いを浮かべている。まったく理解ができない。両軍の意識の違い。そこに尽きるんじゃないかな。
◆逆転された直後に猛打でやり返した。同点2点打で〝再逆転劇〟を演出したのは阪神・中野拓夢内野手(29)だ。「ああいう展開で嫌な雰囲気の中で粘り強く攻撃をして、勝ち越して勝てたのはよかったです」1-0から1―3とひっくり返された直後の七回。近本光司外野手(30)の39打席ぶりの安打で球場のボルテージが上がり、2死二、三塁のチャンスで打席に入ると、2ストライクから中川のフォークを捉えた。打球は中前へライナーで飛び、ギリギリの打球にオコエが飛びついたが捕球できず。2者が生還し、同点に追いついた。しかし、九回の二塁守備ではヒヤリとする場面も。2死満塁から代打・坂本のゴロを処理した三塁・佐藤輝明内野手(26)の二塁送球が逸れ、ベースカバーに入っていた中野が一走・浅野と交錯(記録は野選)。1点差に迫れると同時に、その場にうずくまった。そのまま植田海内野手(29)と交代したが試合後は「大丈夫です」としっかりとした口調で語った。藤川球児監督(45)も「現状では問題ない。最後『ナイスプレー』と会話もして。本当は(最後の二ゴロを処理したのは)植田なんですけど、そこでも『いや、植田です』とちゃんと答えられていたので、大丈夫だと思います」と冗談もまじえて無事を強調した。(渡辺洋次)
◆巨人・中川皓太投手が3-1の七回、4連続長打で4失点を喫した。2死二、三塁でカウント0-2から中野に中前2点打を浴び、「追い込んでいたのでボール球も使えた。アウトを早く取りたいという気持ちがあったのかもしれない」と悔やんだ。今季勝ちパターンとしてキャリアハイの30ホールドをマークしていた左腕。「逆転してくれていい流れだった。(リードを)守り切れなくてすごく悔しい」と唇をかんだ。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が自身もびっくりの規格外の打球を放った。4-3の七回2死三塁で3番手・中川の内角変化球をフルスイング。打球は高々と舞い上がると、一度はファウルゾーンに切れるも浜風に押し戻されフェアゾーンにはずみ、ワンバウンドで柵越え。甲子園ではまれなエンタイトルツーベースとなった。珍光景に「あんな打球見たことなかった」と苦笑い。九回の守備では二塁への送球が中野拓夢内野手(29)と浅野の接触につながり「申し訳ないと思います」と頭を下げた。
◆先発した阪神・才木浩人投手(26)は七回途中3失点で13勝目はならなかった。六回まではピンチを背負いながらも粘りの投球で無失点。しかし1-0の七回に5連打を浴びて3失点で逆転を許し、「あそこを1点でしのげるように。余計な2点だった」と悔やんだ。それでも藤川球児監督(45)は「非常にいいボールがいっていた。また次が楽しみ」と評価。月間5勝目はならずも、8月4勝0敗、防御率2・10。月間MVPの最有力候補だ。
◆「7番・左翼」で今季初スタメンの阪神・小野寺暖外野手(28)が攻守で躍動した。二回1死一、二塁で左前打を放つと、3点を追う七回先頭では逆転の起点となる中前打を放って今季初のマルチ安打。守備でも三回に丸の左翼線への当たりを追いかけ、飛びついて好捕した。シーズン120試合目で初めて先発機会を得て「ここで結果を出すしかないと挑んだ試合で結果が出てよかった」と汗をぬぐった。
◆阪神・岩崎優投手(34)は自ら招いた大ピンチをなんとかしのいだ。5―3の九回に4番手で登板。2死から連打と四球で満塁を迎え、佐藤輝明内野手(26)の野選で1点を返された。なおも満塁の一打逆転の場面だったが、泉口を初球で二ゴロに打ち取り、ゲームセット。今季29セーブ目を挙げるも「勝てたのでよかったです」と言葉少なだった。
◆セ・リーグ2位の巨人は壮絶な逆転負け。3試合とも1点差で決着した今カードは1勝2敗に終わった。阿部慎之助監督(46)は「勝たせてあげられませんでした。すみません」とだけ言葉を絞り出した。今季4戦4敗だった阪神・才木から0―1の七回に5連打で3点を奪ったが、その裏に5安打を浴びて4失点。佐藤輝が高々と打ち上げた当たりは外野経験の浅い右翼手・中山が落下地点に入れず、ワンバウンドでフェンスを越える適時二塁打となった。2点を追う九回2死満塁では、坂本の放ったゴロを三塁手・佐藤輝が二塁へ野選。二塁送球はそれて右翼へ抜けたが、二塁走者・若林は三塁で止まって同点の生還は果たせなかった。三塁ベースコーチを務める松本外野守備走塁コーチは「楽人(若林)も(三塁手に)タッチされてしまうと考えながら走ってきたと思う。難しい判断」と責めなかった。相手から4度の併殺を奪いながら、巨人打線も3度の併殺で波に乗れなかった。2週間で12試合を戦う長期遠征は、ここまで1勝5敗。8月2日以来の借金3が重くのしかかった。(谷川直之)
◆七回途中で阪神・才木浩人投手(26)をリリーフした島本浩也投手(32)が今季2勝目を挙げた。2点リードされ、なお2死二塁で丸を二ゴロに打ち取り脱出。その裏に打線が逆転し、4月23日のDeNA戦(横浜)以来の白星が転がり込んだ。「ボールが3つ続き、内容的にはあまり良くなかったが、結果の方が今が第一。しっかり(アウトを)1個取れたことは大きい」とうなずいた。
◆阪神・石井大智投手(28)が自身の日本記録を更新する45試合連続無失点。連続無失点イニングは「44」で、球団2位の小山正明まで、あと3イニングとした。5-3と逆転した直後の八回に登板し、先頭の泉口に中前打を許したが岡本を三ゴロ併殺に仕留めた。8月8、9日以来の連投に「野手が追いついてくれたので、中継ぎで落とすことができないと思ってマウンドに上がった。(今後も)自分の仕事をしっかりとするだけ」と胸を張った。
◆Vウイーク前に、お目覚め! 阪神は巨人に5-4で逆転勝ち。2点を追う七回2死一塁で近本光司外野手(30)が39打席ぶり安打となる左翼線二塁打でつなぎ、この回一挙4点を奪ってゲームをひっくり返した。2位巨人に2連勝して、優勝へのマジックナンバーは2つ減り「7」だ。8月ラストゲームに役者がそろい、歓喜の9月へ突き進む!!暗闇にようやく光が差し込む。白球は左翼線上ではずんだ。甲子園を包む大歓声。リードオフマンの一打を誰もが待っていた。ともした39打席ぶりの「H」ランプ-。二塁ベース上で近本の笑顔がはじけた。「ヒットになったのはすごく安心しますけど、その中で自分のやりたいこともしっかりできていたので。その過程でもすごくいいものがあった」1-3と逆転されて迎えた七回2死一塁の第4打席。左腕・中川が外角に投じた初球146キロに思い切って踏み込んだ。打球は切れながら左翼線へ。三塁塁審・梅木はインフィールドを宣告。待望の一打に4万2641人の観衆が詰めかけた甲子園が揺れた。これが実に39打席ぶりの安打。8月22日のヤクルト戦(神宮)の第2打席で左前打を放ってから、自己ワーストの38打席連続無安打と苦しんでいたリードオフマンが久々に奏でた快音だった。この一打で、通算1069安打とし、巨人・長嶋茂雄が記録したプロ7年目までの通算1070安打にあと1本。止まっていた針が再び動き出す。
◆またも阪神・森下翔太外野手(25)が勝負どころで決勝点をたたき出し、自分を超えた。粘って粘って、とらえたのは7球目。左翼手のグラブをかすめたことが分かった瞬間、甲子園に地鳴りのような歓声が響いた。「あの場面は1点勝負になると思った。同点で延長まで行くと、なかなかきつかったり、タフなものがある。あそこで絶対、決めたいなと思っていました。結果的に勝ち越せてよかった」まずは三回1死一、二塁から左前適時打を放ち、2夜連続の先制打で試合を動かす。さらに六回にも二塁打を放つと、山場は七回だった。直前に1―3と逆転されながらも2死から中野の2点二塁打で同点となり、なおも2死二塁で打席へ。「過去の対戦でもインコースを攻められていた」と読み通り内角直球に反応した。左翼への大きな飛球を相手が完全捕球できずに適時三塁打となり「ああいう場面でタイムリーを求められるのがクリーンアップ。期待に応えられた」と両リーグトップ今季17度目の決勝打に胸をなでた。この日の2打点でシーズン75打点とし、昨季の73点を超えて自己最多を更新。「一つ一つキャリアハイを作っていくことは大事。そしてキャリアハイを残したからといって沈むわけにはいかない。もっともっと伸ばせるようにしたい」とさらに高みを見据えた。「今年こそ、牧さんに打点で勝つ」打点の目標も抱いて3年目に挑んでいた。中大の2年先輩にあたる牧。尊敬する先輩として、負けたくないライバルとして意識する。1年目の2023年は森下41打点に対し、牧は貫禄の103打点。昨季は最終盤までリードを保ったが、森下73、牧74と1点差でひっくり返された。「牧さんはすごい。チームを明るくする。自分もタイガースで牧さんのような存在になれたら」一種のあこがれをも抱く存在を、今年こそ超えたい。その一心でバットを振ってきた。牧は現在負傷離脱中だが、それでも今季は開幕からリードを保ち、リーグ2位。ここまでくれば、9点差でトップに立つ兄貴分・佐藤輝を超えてのタイトルも、視野に入ってくる。「一人一人が優勝に向けて、意識高くやっている結果が勝ちにつながっている。優勝まで、突っ走ります!」2試合連続、今季10度目の猛打賞。得意のG3連戦を7安打4打点と打ちまくった。完全に目を覚ました森下は、頂点をつかむまで、もう止まらない。(中屋友那)
◆巨人には、先々を見据えた上で言いたいことが、2つある。まず七回。左腕・中川が2点を取られて同点とされ、なお2死二塁で右打者の森下に、左翼へ勝ち越し三塁打を喫したところ。なぜ右投手に代えなかったのかな。29日の試合の評論で、もはや優勝は無理だからポストシーズンの短期決戦をにらんだ起用をすべし-と指摘した。その絶好のテストケースで、いつも通りの戦い方とは。森下に右腕をぶつけて抑えられれば、おのずと勝機も見えたかもしれないし、なにより、負けるにしても収穫のひとつくらい、手にしてほしかったね。2つ目はポストシーズンのそのまた先。来季の話。前日30日に先発した井上、この日の横川。両左腕をローテーション投手として2桁勝たせることができないままでは、首脳陣の責任も問われることになる。今年の夏休みの最終日に、早くも来年の宿題だよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆「名古屋、最高気温、40度らしいよ」試合前、室内練習場から出てきた森下が隣にいた伊原らに教えていた。ちょっと前まで、この時期になれば甲子園では秋風が吹き、夜には肌寒くなる。それなのに...。記者席につくと、巨人担当キャップの谷川直之がぐったり!?していた。「僕の11年の記者人生で最も暑い日かもしれないデス。選手もすれ違ったときに『暑い』『暑い』しか言わないです」西日がモロにあたる三塁側は特につらい。巨人担当は半ズボン着用が認められているため、谷川は「助かっています!」と改めて感謝していた。阪神の練習は例によってグラウンドに暑気払いでテントが作られていたが、カンカン照りの中、選手たちは汗を流していた。黒いウエアを着てフリー打撃をしていた小野寺を見つけた藤川監督は「元気あり余っているな。黒色着て汗出そうとして」とニンマリ。声をかけられた小野寺もうれしそう。ペナントレースを独走しているチームはどんな光景でも美しい。虎番は朝から大忙しだった。サブキャップの原田遼太郎以下、全員出勤。1年目の秋葉元、そして遊軍の上阪正人まで駆り出されていた。当然ながら、リーグ優勝に向けて選手の取材も過熱。ビヤ樽こと還暦の三木建次も「やばい...タオル忘れた」と流れる汗を拭きもせず走り回っていた。上阪がグラウンドで練習を見ていると阪神園芸甲子園施設部長の金沢健児さんが近づいてきた。「甲子園に常駐?」フットワークが軽い上阪はこの間まで高校野球を取材していた。金沢さんは球児たちのサポートをしながら、上阪の頑張りも見てくれていた。「駐在したら面白いですね」と上阪。実現すればサンスポ史上初めてか。夏は高校野球があるし、オフは駐車場や自主トレの取材がある。特派員制度もありかもよ!?
◆結論、「やっぱ今季の虎は強えー!!」。七回、巨人に3点を奪われ意気消沈と思いきや...その直後「巨人が3点ならうちは4点やー!!」と小野寺のヒットから近本、中野、森下、佐藤輝の4連続長打であっさり逆転!! 中でも、近本の39打席ぶりのヒットが猛虎打線に火をつけたのは間違いなし!! さあ、打撃不振大トンネルをやっと抜けたんだから、もう怖いものなし! この後、打ち出の小づちのようにヒットザクザクで逆転首位打者いただいちゃいますかー!!阪神先発の才木にとっては痛い! 痛い白星つかずの3失点...。最多勝&防御率の2冠に黄信号点滅? 才木は本来えげつないスピードボールとえげつないフォークの投手だったのに、今季はフォークの精度が低いことからスライダーを放ったら、それが功を奏していた。なのに本日は、序盤に不思議(?)とフォークの落ちが良かったことで墓穴を掘ってしまったと思うのだ!!さあ、次の相手は5位なのに、なぜか苦手な中日。CSで顔を合わせたくないのでキッチリ勝ってBクラスに沈めておいてや~!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
73 | 44 | 3 | 0.624 (↑0.003) | M7 (↑2) |
23 | 411 (+5) | 281 (+4) | 74 (-) | 89 (-) |
0.245 (↑0.001) | 2.100 (↓0.02) |
2 (-) |
巨人 |
57 | 60 | 3 | 0.487 (↓0.004) | 16 (↓1) |
23 | 372 (+4) | 362 (+5) | 81 (-) | 47 (-) |
0.243 (↑0.001) | 2.720 (↓0.02) |
3 (-) |
DeNA |
54 | 60 | 5 | 0.474 (↑0.005) | 17.5 (-) |
24 | 394 (+2) | 385 (-) | 87 (-) | 58 (-) |
0.239 (↓0.001) | 2.950 (↑0.03) |
4 (1↓) |
広島 |
53 | 61 | 5 | 0.465 (↓0.004) | 18.5 (↓1) |
24 | 375 (+4) | 392 (+7) | 63 (+1) | 52 (-) |
0.246 (↑0.001) | 3.010 (↓0.04) |
5 (-) |
中日 |
54 | 63 | 2 | 0.462 (↓0.004) | 19 (↓1) |
24 | 334 (-) | 370 (+2) | 67 (-) | 73 (+1) |
0.229 (-) | 2.840 (↑0.01) |
6 (-) |
ヤクルト |
43 | 66 | 6 | 0.394 (↑0.005) | 26 (-) |
28 | 326 (+7) | 459 (+4) | 69 (+1) | 51 (-) |
0.229 (↑0.002) | 3.610 (-) |
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