ヤクルト(★1対8☆)阪神 =リーグ戦22回戦(2025.08.24)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:才木 浩人(12勝5敗0S)
敗戦投手:奥川 恭伸(4勝6敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(32号・4回表ソロ)
【ヤクルト】村上 宗隆(10号・4回裏ソロ)

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◆阪神が快勝。阪神は3回表、中野の適時打で1点を先制する。その後3-1となって迎えた8回には、坂本の適時二塁打などで一挙5点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・才木が8回途中1失点の好投で今季12勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆阪神3年目の井坪陽生外野手(20)が出場選手登録を抹消された。19日にプロ入り後初めて出場選手登録され、同日に「8番中堅」でプロ初のスタメン出場。2回1死一、二塁の第1打席で初安打となる三塁内野安打を放った。ここまで1軍2試合出場で7打数1安打、打率1割4分3厘だった。代わって島本浩也投手(32)と富田蓮投手(23)が出場選手登録された。島本は今季ここまで出場選手登録を2度抹消され、1軍では9試合1勝1敗1ホールド、防御率2・08。ウエスタン・リーグでは23試合に登板し、防御率0・00と安定している。富田は今季開幕1軍メンバー入りも、出場登録を3度抹消されている。1軍では9試合1勝0敗、防御率3・09。ウエスタン・リーグでは25試合登板で1勝1敗、防御率3・78の成績を残している。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が今季最長タイの17打席ノーヒットになった。2回先頭の第1打席はカウント2-1と追い込まれ、ヤクルト先発奥川の内角低め148キロ直球で見逃し三振に仕留められた。これで19日中日戦(京セラドーム大阪)の第3打席から17打席無安打。13日広島戦(マツダスタジアム)の第1打席からも17打席無安打を記録しており、今季最長タイとなった。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が3回2死一、二塁で先制の中前適時打を打った。カウント2-1からのヤクルト先発奥川のど真ん中への直球を強振。センター前に運んだ。第1打席でも奥川から二遊間を抜く中前打を決めており、早くも今季34度目のマルチ安打を達成した。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が9試合ぶりの32号本塁打を放った。1点リードの4回先頭の第2打席。ヤクルト先発奥川のスライダーを右翼スタンドへ運んだ。第1打席には奥川から見逃し三振に仕留められ、今季2度目の自己最長タイ17打席ノーヒットを喫していた。貴重な中押しアーチで自らのワースト更新を阻止した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が10号ソロを放った。2点を追う4回先頭、阪神才木の148キロ直球を左中間席の中段に運んだ。「一発で仕留めることができました」と初球を完璧に捉えた。試合前時点で阪神才木とは31打数3安打の打率0割9分7厘、1本塁打だった。苦手にしていた虎の右腕を打ち砕いた。7月29日DeNA戦の1軍復帰から24試合目で10号のスピード到達し、プロ2年目の19年から7年連続の2桁本塁打となった。

◆ヤクルト山田哲人内野手(33)が3回表の守備から途中交代した。2回1死の第1打席ではいい当たりの中飛を放っていた。何らかのアクシデントがあったとみられる。3回から二塁手は赤羽に交代となった。山田は前日23日の阪神戦で9号ソロを放ち、プロ野球史上49人目となる通算1000得点に王手をかけていた。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます異次元を通り越した量産ペースがエグすぎる村上宗隆 出場25試合目で第10号ホームラン※143試合換算で57発ペース?プロ野球(2025/8/24)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN #オレをみろ #swallows#だったらDAZN

◆阪神才木浩人投手(26)が9番打者として押し出し四球を選んだ。2-1の6回2死満塁、フルカウントから外角148キロのストレートを見極め、四球を選んだ。投げたヤクルト先発奥川恭伸投手(24)はガックリ。両ヒザを地につけて悔しがった。選んだ才木は一塁ベース上で思わず笑顔に。緊迫した投手戦、自らの押し出し四球で貴重な1点を奪った。6回裏、マウンドに上がった際には左翼席の阪神ファンから「才木コール」が上がった。

◆阪神熊谷敬宥内野手(29)が2戦連続の三塁打を放った。前日まで4試合連続でスタメン出場していたが、この日はベンチスタート。2点リードの8回先頭で代打登場し、ヤクルト左腕石原の変化球をとらえ、左翼フェンス際まで運んだ。左翼内山がジャンプキャッチに失敗すると、一気に三塁を陥れた。続く坂本の右中間二塁打で4点目のホームを踏んだ。今季はすでにキャリアハイの20試合に先発出場。昨季まで三塁打は0本だったが、今季はすでに3本目となっている。

◆阪神が4番の復活とともに、引き分けを挟んで連勝を飾った。この日は巨人も敗れたため、優勝マジックは2つ減って16となった。先制は3回。2死一、二塁から2番中野拓夢内野手(29)がヤクルト先発奥川の直球をはじき返し、中前適時打を放った。そして続く4回、先頭で打席に立った4番佐藤輝明内野手(26)が、奥川の初球、内角に来たスライダーをフルスイング。10日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、9試合ぶりとなる32号。この日の第1打席まで今季最長タイの17打席無安打が続いていたが、1発で負の流れを断ち切った。さらに2-1で迎えた6回には、3安打で2死満塁の好機をつくると、才木浩人投手(26)が四球を選び押し出しで3点目。8回は代打熊谷敬宥内野手(29)から打者一巡の猛攻で一挙5点を奪い突き放した。才木は8回途中4安打1失点、118球の力投でリーグトップに並ぶ12勝目。2点リードの4回にヤクルト村上に10号ソロを許すも最少失点に抑え、防御率1・54とともにリーグ2冠となった。

◆阪神の先発才木浩人投手(26)がプロ通算100試合目の登板で、リーグトップタイの12勝目をマークした。2-0で迎えた4回、先頭打者の村上宗隆内野手(25)と真っ向勝負をして148キロ速球を左中間スタンドに運ばれた。しかし、崩れなかった。失点は村上の10号ソロによる1点だけに抑えた。8月3度目のヤクルト戦登板。圧倒的な力でツバメ打線をねじ伏せた。打者としても、チームに貢献した。6回2死満塁で自ら押し出し四球を選び、貴重な追加点を奪った。中盤以降も気迫の投球を続けた。22日同カードは延長10回で勝利したが、阪神は5投手を起用した。23日は延長12回ドローで8投手が登板した。中継ぎの疲労を考慮すれば、先発が長いイニングを投げることがベストだ。才木は8回にもマウンドへ。2者連続三振を奪ったところで降板した。8回途中4安打4三振1失点で12勝目。防御率は1・53となった。7月26日DeNA戦での完封以来、負けなしの5連勝。後半戦に入り、勝ち星を量産し、チームをゴールへと導いている。

◆ヤクルトが大敗で引き分けを挟み3連敗となった。先発奥川恭伸投手(23)は7回途中8安打3失点と試合をつくった。ただ、6回が痛かった。2死満塁、阪神先発才木に押し出し四球を与えた。外角低めに148キロ直球を投げ込んだが、わずかに外れた。球審の右手は上がらず、3点目を失った。4回は佐藤輝にソロを浴びるなど6敗目。神宮では21年4月から9連勝中だったが、10連勝はならなかった。7回まで1-3と2点差で食らいついた。しかし、8回に3番手の石原勇輝投手(23)が阪神打線につかまった。2死満塁から森下の走者一掃の適時二塁打を献上するなど1回5安打5失点と炎上した。一気に試合を決められた。村上宗隆内野手(25)は10号ソロを放った。4回先頭、才木の148キロ直球を左中間席に運んだ。村上は7月29日の1軍復帰から24試合での10号にスピード到達。7年連続の2桁本塁打となった。打線は才木の前に要所を締められた。1回の2死三塁、5回の1死三塁など走者は出したが、決定打に欠いた。

◆ヤクルト山田哲人内野手(33)が下半身の張りで3回表の守備から途中交代した。2回1死の第1打席ではいい当たりの中飛を放っていた。3回から二塁手は赤羽に交代となった。試合後、高津監督は「ちょっと下半身に張りがあるということで代えました」と説明した。26日からの中日3連戦(バンテリンドーム)の出場可否については「ちょっと何とも言えないですね」と状態を見極める。山田は前日23日の阪神戦で9号ソロを放ち、プロ野球史上49人目となる通算1000得点に王手をかけていた。

◆ヤクルトが大敗で引き分けを挟み3連敗となった。先発奥川恭伸投手(23)は7回途中8安打3失点と試合をつくった。ただ、6回が痛かった。2死満塁、阪神先発才木に押し出し四球を与えた。外角低めに148キロ直球を投げ込んだが、わずかに外れた。球審の右手は上がらず、3点目を失った。4回は佐藤輝にソロを浴びるなど6敗目。神宮では21年4月から9連勝中だったが、10連勝はならなかった。5四球だった奥川について、高津臣吾監督(56)は「四球は多かったですね。今週は非常に先発が早く交代する場面が多くて、ぜひ最後まで1人で投げさせたかった。才木よりも先に降ろしたくないというのがあった。ピッチャーにストライクが入らないんだから、四球も増えますよね。大きな3点目だった」と話した。7回まで1-3と2点差で食らいついた。しかし、8回に3番手の石原勇輝投手(23)が炎上した。2死満塁から森下の走者一掃の適時二塁打を献上する5安打5失点と打ち込まれた。一気に試合を決められた。村上宗隆内野手(25)は10号ソロを放った。4回先頭、才木の148キロ直球を左中間席に運んだ。村上は7月29日の1軍復帰から24試合での10号にスピード到達。7年連続の2桁本塁打となった。打線は才木の前に要所を締められた。1回の2死三塁、5回の1死三塁、9回の1死二塁など走者は出したが、決定打に欠いた。村上のソロによる1点止まりだった。高津監督は「初回、5回、最終回と得点圏にいったのは3度かな。そこで1本出ない。(才木は)良い投手なので、なかなかチャンスも少ないと思っていた。そこで1本出るか、出ないかは非常に大きなところだが、なかなか打たせてもらえないですね」と打線の奮起を求めた。

◆阪神島本浩也投手(32)と富田蓮投手(23)が24日、出場選手登録された。島本は8回2死無走者の場面で2番手登板し、長岡を二ゴロに打ち取った。「アウトを取れて良かった。みんなでつないで、しっかり抑えることできて良かった」。一方、19日中日戦でプロ初昇格即の初スタメンの初打席初安打を放った井坪陽生外野手(20)が出場選手登録を抹消された。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が7年連続の2桁本塁打到達となる10号ソロを放った。4回先頭、阪神才木の初球、148キロ直球を左中間席に運んだ。飛距離129メートル。前打席まで通算32打数3安打、打率9分4厘の右腕を攻略し、7月29日DeNA戦の1軍復帰から24試合目で10号にスピード到達した。「しっかり振ることを意識していた。一発で仕留めることができた。もっともっと打てるように」と話した。

◆ヤクルト奥川恭伸投手(24)が神宮10連勝を逃した。7回途中8安打5四球の3失点で6敗目。6回2死満塁。3点目は阪神先発才木への押し出し四球で失った。「バットに当てさせないように投げたが、投手に四球はよくない」と悔やんだ。21年4月8日広島戦から続いていた神宮での連勝は9でストップ。高津監督は「投手にストライクが入らないのだから四球も増える」と反省を促した。チームは引き分けを挟み3連敗となった。

◆阪神森下翔太外野手(25)がダメ押しの一撃を放った。8回2死満塁、チェンジアップをさばいて左中間へ走者一掃の適時二塁打を放った。「個人的にも1本出ていなかったので。チャンスでしたし、何とか結果的に1本出て良かったかなと思います」。それまでの4打席は凡退したが、第5打席できっちり3打点。中大時代から大好きな球場の1つでもある神宮で、勝負強さを発揮。今季の打点を71まで伸ばした。

◆阪神小幡竜平内野手(24)が17日以来のスタメン出場で結果を出した。3回に左前打を放ち、先制のホームイン。6回には2死一、二塁から俊足を生かして二塁内野安打を放ち、才木の押し出し四球につなげた。「でも、あそこの場面で才木さんにプレッシャーをかけちゃったので申し訳ないと思いました」。自分が決めるべきだったと反省したが、2日同カードで2本塁打を放って以来のマルチ安打で存在感を示した。

◆阪神熊谷敬宥内野手(29)が2戦連続で三塁打を放った。8回、先頭で代打出場。ヤクルト3番手石原の変化球をとらえ、左翼フェンス際まで運んだ。左翼内山がジャンプしながら捕球に失敗すると、俊足を飛ばして一気に三塁を陥れた。「1打席しかないと思っていたので、何とか結果出したいなと。先頭で出ることができて良かった」。今季3本目の三塁打が起点となり、5点を奪うビッグイニングにつながった。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が今季2度目の1試合4安打で打率を2割9分4厘に急上昇させた。出塁率も3割5分8厘でトップに浮上。主軸へのつなぎ役が神宮でも輝いた。3回2死一、二塁、ヤクルト奥川の真ん中直球をセンター前に運び、先制点をたたき出した。7回までに今季10度目の3安打猛打賞をクリアして迎えた8回2死一、二塁。今度は左腕石原の直球を右前にはじき返し、満塁を作って一挙5得点を呼び込んだ。「いい形で打てているからこそ、詰まっても落ちるというのもあると思います。積極的に振っていけている部分もある。振りにいけているのはタイミングが合っているから。こういう状態を継続していけたらいいかなと思います」前日23日の同カードでは8回の二塁守備でヒヤリとする場面があった。一塁走者・丸山和のスタートに対して二塁ベースカバーに入った際、交錯して左腕を持っていかれる形となった。それでも前夜に残した「大丈夫」という言葉を証明するかのように、翌日の4安打で周囲を安心させた。打率は首位を走る広島小園に2厘差の2位。出塁率は巨人泉口を1厘上回ってトップ。40犠打はリーグ断トツ。森下、佐藤輝、大山のクリーンアップをアシストし続ける男が、ゴールテープに向けて勢いを加速させる。【伊東大介】

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が攻守で躍動した。3-1の8回無死三塁から、右中間に適時二塁打を放った。守っても先発才木を好リード。「ブルペンから真っ直ぐが良かった。(村上に)本塁打を打たれましたけど、この球場では、それを嫌いすぎると、もっと痛い目にあうので。その後、丁寧に投げてくれて良かったと思います」。投手の状態、球場の特徴、すべてを把握した上でチームを勝利へと導いた。

◆リベンジに燃える阪神才木浩人投手(26)の眼光は鋭かった。2点リードの6回1死、ヤクルト4番村上を変化球で追い込み、最後は151キロ直球を内角にズバッと決めて空振り三振に仕留めた。4回の前打席は初球を左中間スタンドに運ばれていた。「あの真っすぐは、簡単にピッていっちゃった。さすがにやっぱり見逃してくれなくて。その後、しっかり打ち取れたんで良かったと思います」。自慢の武器で負けるわけにはいかなかった。「真っすぐが結構いい感覚でしたし、スライダーをうまく使いながら」。カウント球に決め球に、威力抜群の直球でヤクルト打線を押し込んだ。8回途中4安打1失点、118球の力投。自身5連勝でリーグトップタイの12勝目を挙げた。バットを持っても、6回2死満塁で押し出し四球を選んで3点目。ヒーローインタビューでは「これ打ったらオレ格好いいなと思って」と笑わせた直後に「手が出ませんでした」と苦笑い。再び場内を沸かせた。そのお立ち台では「頑張ろうかなと思ってました」と4度も繰り返した。学生時代から明るく努力家な性格は変わらない。須磨翔風高2年時まで、阪神スカウトの評価は「指名は難しい」だった。当時担当スカウトだった熊野輝光氏は「投げ方がアーム式だった。厳しいかなと思っていたけど、一冬超えて劇的に変わった。ものすごく練習したみたい」と振り返る。そんな姿勢が"あだ"となったこともあった。ドラフト3位で指名された直後から気合を入れて猛練習。「いろいろ考えてやる性格だから、なぜかまたアーム式に戻っていて...」。春季キャンプで目にした熊野氏は一瞬冷や汗をかくも、そこから一緒に再びフォーム固め。バドミントンのラケットも使いながら試行錯誤し、形を作った。タテジマの35番を球界屈指の投手番号に成長させたのは、紛れもなく才木の努力。12勝と防御率1・54は現在トップで、勝率も含めた3冠も射程圏内。「頑張ろうかなと思います」。再びニヤリと笑った。【磯綾乃】

◆トンネル脱出でひと安心! 阪神佐藤輝明内野手(26)が出場9試合ぶりの復活アーチを架け、チームを快勝に導いた。1打席目に今季自身ワーストタイの17打席連続無安打を喫したが、1点リードで迎えた4回先頭の2打席目、ヤクルト奥川から32号右越えソロを放った。8回にも一挙5得点を締めくくる右前適時打を記録。2位巨人が敗れたため、優勝マジックは18から16に減った。ベンチに戻った佐藤輝は、ナインから満面の笑みで出迎えられた。18打席ぶりの安打となった今季32号ソロ。ダイヤモンドを回る間も、左翼席を中心に歓声が鳴りやまなかった。自身のみではない。ナインからもファンからも待ち望まれた1発だった。「悪いなりには少しずつ修正できているのかなと思います。しっかり積極的に、とは思っていました」4回先頭の第2打席だ。ヤクルト奥川の甘く入った初球129キロスライダーを逃すことなく強振。高弾道の放物線で右翼席に運んだ。1打席目は内角148キロ直球に手が出ずに見逃し三振。連続無安打が今季ワーストタイの17打席まで伸びていた。トンネルを抜けた一打は10日ヤクルト戦以来、出場9試合ぶりのアーチとなった。前夜は5打数無安打。自身今季ワーストタイとなる1試合4三振も喫していた。ベンチでは時折首をかしげながら、ぼうぜんとした表情。試合後も「今日はダメだったので。また明日から頑張ります」と言葉を絞り出すしかなかった。一夜明け、修正した点は「細かい部分ですけどね」。前向きに重ねた微修正が、復調弾につながった。ルーキーイヤーの21年には59打席連続無安打を経験している。セ・リーグのワースト記録を更新した大不振。しかし、当時と現在の自分を比較すると、確かな手応えがある。「あの時はそんなに考え方も整理できていなかった。ただ、がむしゃらにやっていただけなので。考え方は変わっているんじゃないですかね」シーズン中は毎打席欠かさず打撃映像をチェックする。反省と修正を繰り返し、考え方や技術の引き出しを増やしてきた。だから不調時も冷静に対処法を探し出せるのだろう。8回には右前適時打を放ち、4試合ぶりのマルチ安打も記録。チームの今季最多タイ記録、1イニング5得点を締めくくった。2位巨人が敗れたため、優勝マジックは2つ減って16。それでも主砲に気の緩みは一切ない。「最後まで変わらずにできたらいいかなと思います」。歓喜の瞬間に向け、再び状態を上げていく。【波部俊之介】

◆首位の阪神が、最下位のヤクルトに2勝1分けでカード勝ち越しを決め、先週の1週間を3勝1敗1分けで終えた。2位の巨人は、ヤクルト戦を2勝1敗で勝ち越し、DeNA戦は3連勝のチャンスだったが、第3戦を落とし、2勝1敗で終了。1週間を4勝2敗で終え、阪神とのゲーム差は13ゲーム差でこの1週間で変化はなかった。シーズン後半戦は、首位の阪神が16勝7敗1分けに対し、巨人は14勝11敗。3位のDeNAは11勝14敗、4位の広島は11勝14敗とつぶし合いが続き、阪神とのゲーム差がさらに広がった。

◆阪神が4番の復活とともに、引き分けを挟んで連勝を飾った。この日は巨人も敗れたため、優勝マジックは2つ減って16となった。8得点の大勝にも、藤川球児監督(45)は「やっぱり消耗戦ですね、はい。そう感じるゲームですね」と振り返った。先発の才木浩人投手(26)は8回途中4安打1失点、118球の力投でリーグトップに並ぶ12勝目。防御率1・54とともにリーグ2冠となった。指揮官は「もう十分ですね。状態が良くなって、前回90球で、今回120球手前ですか、もう十分、やってくれていますね、働いてくれています」と手放しでねぎらった。また4回、先頭で打席に立った4番佐藤輝明内野手(26)が、10日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、9試合ぶりとなる32号ソロ。8回にも適時打を放った主砲に「打線ですからね。それがタイガースらしいペースですから、でも1本出たというのは本人にとっても良かったのかもしれないし、得点が入るというのはね、いいことですしね」と話した。

◆阪神・島本浩也投手(32)、富田蓮投手(23)が試合前練習に合流した。23日には前川右京外野手(21)が登録を抹消されている。島本は今季9試合に救援登板して1勝1敗1ホールド、防御率2・08。7月23日に2軍降格後はウエスタン・リーグで8試合に登板して無失点投球を続けていた。今季、先発初勝利を挙げた富田は9試合に登板して1勝0敗、防御率3・09。2軍では25試合に登板して中継ぎ調整を続けてきた。登録されれば、2カ月ぶりの1軍昇格となる。

◆阪神の島本浩也投手(32)、富田蓮投手(23)が出場選手登録をされた。島本は7月23日に抹消されて以来の1軍で、この期間ウエスタン・リーグ8試合で無失点と結果を残していた。開幕ローテーションに入って4月には先発初勝利を挙げていた富田は、2軍で中継ぎ調整を続けて6月23日の抹消以来2カ月ぶりの昇格となった。代わって19日の中日戦(京セラ)でプロ初安打を放っていた井坪陽生外野手(20)が抹消された。高卒3年目で23日のヤクルト戦(神宮)で「6番・左翼」で2度目のスタメン起用だったが、3打数無安打に終わっていた。

◆燕のムードメーカーはチームを一丸にさせる仕掛け人だ。最近、ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が本塁打を放ち、ベンチに戻ってくると手のひらを表裏にさせて、ナインと盛り上がるパフォーマンスが注目されている。提案したのは、村上と同学年の増田珠外野手(26)だ。「(村上の背番号の)55ということですね。僕は最初『片手で表と裏に回転させて、(表側で)5と(裏側で)5の55でいいじゃん』って話していたんですけど、ムネがホームランを打ったときに両手でやりだしました」最初は、増田と村上、同学年の松本健、1学年下の赤羽と食事に出かけた際にパフォーマンスの話になったという。お馴染みとなった山田の「山ポーズ」の考案者でもあるアイデアマンは「何がいいかなと考えていて、かわいい系よりも格好いい系の方がいいのかなと思って、ああいう感じになりました。みんなも簡単にできますし、サラッとできるじゃないですか」と採用に至った経緯を明かした。当の村上本人は冗談交じりに「あまり気に入ってないかな。山ポーズは気に入ってる」と笑った。主砲の一発で沸く中、さらにチームの一体感を増すパフォーマンスは素晴らしい発案。名称は「55ポーズ」とでもいうべきか。「チームの雰囲気が少しでも良くなるようにというのは常に心がけていますし、ああいうのが1人に1つぐらいあったら面白い」と増田。スタメンでも途中出場でも存在感を放つ男は、チームの結束を強める役割も全うする。(赤尾裕希)

◆阪神が三回、中野拓夢内野手(29)の適時打で先制に成功した。1死から、スタメンの小幡が安打で出塁すると、才木の犠打と近本の四球で2死一、二塁となって中野。2-1のバッティングカウントから、ヤクルト先発・奥川の甘く入った直球をはじき返した。打球は中堅の前に弾み、二塁から小幡が悠々と生還。選手会長の一打で、2試合連続の先制点を奪った。

◆阪神が三回、中野拓夢内野手(29)の適時打で先制に成功した。1死から、スタメンの小幡が安打で出塁すると、才木の犠打と近本の四球で2死一、二塁となって中野。2-1のバッティングカウントから、ヤクルト先発・奥川の甘く入った直球をはじき返した。打球は中堅の前に弾み、二塁から小幡が悠々と生還。選手会長の一打で、2試合連続の先制点を奪った。中野は「打ったのはストレート。才木とチカさん(近本)が良いかたちでつないでくれましたし、先制点が欲しい場面だったので仕事ができてよかったです。才木が少しでも楽に投げられるように、次の1点をまた全員で取りにいきたいと思います」とコメントした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が32号ソロを放った。四回先頭で迎えた第2打席だった。奥川の129キロスライダーを一閃。高々と舞い上がった打球は失速することなく右翼スタンドに着弾した。佐藤輝は第1打席を見逃し三振に倒れ、今季ワーストタイとなる17打席連続無安打と沈黙。眠っていた大砲だが、8月10日のヤクルト戦(京セラ)以来、9試合、40打席ぶり本塁打と目覚めの一発を放った。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が、7年連続の2桁本塁打となる10号ソロを放った。「一発で仕留めることができた」0-2の四回先頭。阪神先発右腕・才木が投じた初球の直球を捉え、左中間席にかっ飛ばした。22日の阪神戦(神宮)以来、2試合ぶりの一発で入団2年目の2019年から7年連続で2桁本塁打に到達した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が32号ソロを放った。四回先頭で迎えた第2打席だった。奥川の129キロスライダーを一閃。高々と舞い上がった打球は失速することなく右翼スタンドに着弾した。佐藤輝は第1打席を見逃し三振に倒れ、今季ワーストタイとなる17打席連続無安打と沈黙。眠っていた大砲だが、8月10日のヤクルト戦(京セラ)以来、9試合、40打席ぶり本塁打と目覚めの一発を放ち、「打ったのはスライダー。初球からいいスイングができました。これ以降も、しっかり才木投手を援護できるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神・才木浩人投手(26)が四回、ヤクルト・村上宗隆内野手(25)にソロ本塁打を浴びた。2-0とリードして迎えた四回の初球だった。148キロの直球をとらえられ、左中間スタンド中段にまで運ばれた。今季はこの打席まで8打席の対戦で被安打0、4三振と抑え込んでいたが、9打席目で特大の一発を被弾。狭い神宮なだけに一発を警戒していたが、1点差となってしまった。

◆阪神が六回に押し出し四球で貴重な追加点を奪った。2-1の六回、1死から大山が内野安打で出塁すると、2死となって坂本、小幡の連打で2死満塁とヤクルト先発・奥川を攻め立てる。打席には投手の才木だったが、フルカウントからの外角直球を見送り押し出し四球を選んだ。中盤に大きな1点を加え、3-1とリードを拡大。投手の奥川はきわどい判定に、思わずマウンドで四つんばいになって悔しさをあらわにした。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(33)が「6番・二塁」で先発したが、二回1死の第1打席で中飛を放った後、三回の守備から交代した。23日の阪神戦(同)では9号ソロを放ち、この日は神宮外苑の室内練習場での全体練習でフリー打撃を行っていた。高津臣吾監督(56)は同戦後、「相当バテていますけどね。元々根性のある子なので、歯を食いしばって頑張っています」と明かしていた。

◆ヤクルト・奥川恭伸投手(24)が七回途中8安打3失点で降板した。三回2死一、二塁で中野に中前適時打を許して先取点を献上。四回には佐藤輝に32号ソロを浴び、六回には2死満塁で投手・才木に痛恨の押し出し四球を与えた。1-3の七回。1死一、二塁とピンチを背負った場面で交代を告げられ、2番手・松本健にマウンドを託した。2021年4月から神宮球場では9連勝中と好相性だったが、強力阪神打線につかまり無念の降板となった。

◆阪神が八回に一挙5点を奪って突き放した。3-1の八回、ヤクルトの3番手・石原を捕まえた。先頭の代打・熊谷が左翼フェンス直撃三塁打でチャンスメークすると、坂本が右中間を破る適時二塁打で4-1に。さらに2死満塁から森下の走者一掃となる3点二塁打、仕上げに佐藤輝にも右前への適時打が飛び出し、一気に8-1と大量リードに。好投を続ける先発の才木にも力を与える猛攻で、大きく勝利を近づけた。

◆ヤクルトは引き分けを挟んで3連敗。先発の奥川恭伸投手は三回に中野に先制打を許し、四回には佐藤輝にソロを被弾した。六回には投手の才木に押し出し四球を与えた。6回1/3を8安打3失点で6敗目(4勝)。打線は村上宗隆内野手が0-2の四回、7年連続の2桁本塁打となる10号ソロを放ったが、得点はこの1点だけだった。

◆阪神は13安打の猛攻で大勝を収め、優勝へのマジックナンバーを「16」に減らした。三回、この日4安打を放った中野拓夢内野手(29)の適時打で先制に成功すると、四回には17打席連続無安打だった佐藤輝明内野手(26)が復活の32号ソロ。40打席ぶりの一発で加点した。六回にも押し出し四球で1点を奪うと、八回には坂本誠志郎捕手(31)の適時二塁打、森下翔太外野手(25)の3点二塁打、さらに佐藤輝の適時打で一挙5点を奪って突き放した。投げては才木浩人投手(26)が8回2死まで1失点の力投。村上に本塁打を浴びた1点のみの4安打で試合を作り、リーグトップタイの12勝目を挙げた。

◆阪神が快勝。優勝マジックを2減の「16」とした。三回2死一、二塁、中野拓夢内野手(29)の中前打で先制。四回は第1打席の見逃し三振で今季ワーストタイの17打席連続無安打となった佐藤輝明内野手(26)が右翼席に32号本塁打を放って、2点目を追加した。1点リードの六回2死満塁では才木浩人投手(26)の押し出し四球で加点。八回は坂本誠志郎捕手(31)、森下翔太外野手(25)、佐藤輝の適時打で一気に5点を奪った。7回?を投げて118球4安打2四球、村上宗隆内野手(25)の本塁打による1失点の才木は自身5連勝でDeNA・東克樹投手(29)に並ぶリーグ最多の12勝目(5敗)を挙げた。佐藤輝の本塁打は10日ヤクルト戦(京セラ)以来、40打席ぶり。中野は今季2度目の1試合4安打(成績=69勝42敗3分、観衆=2万8396人)。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手が0-2の四回、7年連続の2桁本塁打となる10号ソロを放った。?村上が今季10号本塁打。2019年から7年連続の2桁本塁打。ヤクルト(前身を含む)で7年以上続けて2桁本塁打をマークしたのは、14-24年の山田哲人の11年(継続中)を筆頭に8人目で、01-07年のラミレスと並ぶ球団7位。左打者では76-83年の若松勉、99-06年の岩村明憲(各8年)に次いで3人目。?出場25試合で10号到達は21年の出場26試合を抜く自身最速。ヤクルトで出場25試合以内に10号に達したのは、22年のサンタナ(出場23試合)以来3年ぶり。日本選手では21年の山田哲人(出場24試合)以来4年ぶり。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(33)が24日、阪神22回戦(神宮)で途中交代した。「6番・二塁」で出場したが、二回1死で回ってきた第1打席で中飛を放った後、三回の守備からベンチに下がった。試合後、高津臣吾監督(56)は主将について「ちょっと下半身に張りがあるということで代えた」と説明。26日からの中日戦(バンテリンドーム)以降の出場については「何とも言えない」と話すにとどめた。

◆阪神が快勝。優勝マジックを2減の「16」とした。三回2死一、二塁、中野拓夢内野手(29)の中前打で先制。四回は第1打席の見逃し三振で今季ワーストタイの17打席連続無安打となった佐藤輝明内野手(26)が右翼席に32号本塁打を放って、2点目を追加した。1点リードの六回2死満塁では才木浩人投手(26)の押し出し四球で加点。八回は坂本誠志郎捕手(31)、森下翔太外野手(25)、佐藤輝の適時打で一気に5点を奪った。7回?を投げて118球4安打2四球、村上宗隆内野手(25)の本塁打による1失点の才木は自身5連勝でDeNA・東克樹投手(29)に並ぶリーグ最多の12勝目(5敗)を挙げた。佐藤輝の本塁打は10日ヤクルト戦(京セラ)以来、40打席ぶり。中野は今季2度目の1試合4安打。

◆阪神が快勝。優勝マジックを2減の「16」とした。三回2死一、二塁、中野拓夢内野手(29)の中前打で先制。四回は第1打席の見逃し三振で今季ワーストタイの17打席連続無安打となった佐藤輝明内野手(26)が右翼席に32号本塁打を放って、2点目を追加した。1点リードの六回2死満塁では才木浩人投手(26)の押し出し四球で加点。八回は坂本誠志郎捕手(31)、森下翔太外野手(25)、佐藤輝の適時打で一気に5点を奪った。7回?を投げて118球4安打2四球、村上宗隆内野手(25)の本塁打による1失点の才木は自身5連勝でDeNA・東克樹投手(29)に並ぶリーグ最多の12勝目(5敗)を挙げた。佐藤輝の本塁打は10日ヤクルト戦(京セラ)以来、40打席ぶり。

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(71)は四回の40打席ぶり本塁打を含む2安打2打点の阪神・佐藤輝明内野手(26)に言及した。佐藤輝のスイングが四回の本塁打を機にガラッと変わった。打撃の面白さ、難しさを改めて感じた。最近はテークバックでトップの位置が緩み、前に出ながらバットを振り出す点が気になっていた。第1打席も同じような感じで、内容の悪い見逃し三振。本塁打の打席でもまだ緩んでいたが、甘い球だったので仕留めることができた。奥川に打たせてもらった一本が、一番の薬になったのだろう。次の打席からは自分の形をつくった中で、ボールを見極められていた。八回の右前適時打も、変化球で少しタイミングを外されていたが、トップがしっかりとした状態で待てたので対応できた。これでもう大丈夫、と確信を持てた打席だった。あの形なら、ボール球に手を出すこともない。カウント3─0から申告敬遠となった七回の打席も、ヤクルト側が佐藤輝の変化を感じ取っていたらこそ。第2戦までなら、勝負を選んでいただろう。これで次戦からもいい姿を見せてくれるはずだ。

◆阪神・熊谷敬宥内野手(29)が途中出場で存在感を示した。八回に代打で出場すると「1打席しかないと思っていた。なんとか結果を出したいと思って」と左翼越えで2試合連続の三塁打。この回の一挙5得点の火付け役となった。そのまま就いた左翼の守備でも九回に内山のライナーを猛チャージで好捕。遊撃も一塁もこなせる男は「いいプレーができたので、継続していきたい」と明るかった。

◆ヤクルト・奥川恭伸投手(24)が七回途中8安打3失点で6敗目を喫した。三回に中野に先制の中前適時打、四回に佐藤輝にソロを被弾。六回2死満塁では投手・才木に押し出し四球を与えるなど5四球と制球に苦しんだ。「(相手が好投手の)才木投手なので3点は取られすぎ。投手に対しての四球が良くない」と肩を落とした。2021年4月から続いていた本拠地での連勝は9で止まった。

◆17日巨人戦(東京D)以来、5試合ぶりにスタメン出場した阪神・小幡竜平内野手(24)は得点に絡む2安打の活躍で存在感を示した。「常に準備しているので、変わらずにできた。またつなげていきたい」。三回は左前打で出塁し、中野拓夢内野手(29)の適時打で先制のホームイン。2―1の六回2死一、二塁ではしぶとく二塁への内野安打でつないだ。才木浩人投手(26)が押し出し四球を選んで貴重な1点を生んだが「才木さんにプレッシャーをかけちゃったので、申し訳ないなと思いましたね」と、安打を放ちながらも、〝反省の弁〟だった。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)が攻守で躍動した。3-1で迎えた八回無死三塁の好機では二塁打を放って大きな4点目。守っては先発・才木浩人投手(26)を好リードした。「ブルペンから真っすぐがよかったので真っすぐをしっかり」。明大時代から慣れ親しんだ神宮球場。「その球を(ヤクルト・村上に)打たれたけど、この球場では、それを嫌い過ぎると、もっと痛い目にあう。そのあと一人ずつ丁寧に投げてくれてよかった」と右腕の力投を振り返った。

◆阪神・島本浩也投手(32)が昇格即登板。7点リードの八回2死走者なしでの出番に「アウトを取れてよかったです」。長岡を二ゴロで料理し、5球で役目を終えた。岩崎優投手(34)がベンチメンバーから外れていた中での出番で「みんなでつないで、しっかりと抑えられて(よかった)」。2軍調整を経て、7月15日中日戦(甲子園)以来の1軍マウンドから、チームの力になる。

◆バットを振るたびに、Hのランプが点灯した。2番を務める阪神・中野拓夢内野手(29)が打てば打線はつながる。決勝打を含む4安打の活躍で、大量8得点の快勝を呼び込んだ。「才木も一発でバントを決めてくれて、いい形で回ってきたので。なんとか(走者を)かえそうかなと思っていました。先制点が欲しい場面だったので、仕事ができてよかった」一回に中前打を放って弾みをつけると、満足そうに振り返ったのは三回の先制機。小幡竜平内野手(24)の安打で走者を出すと才木浩人投手(26)がバントを決め、近本光司外野手(30)も四球でつないで2死一、二塁で第2打席に臨んだ。ヤクルトの先発・奥川に追い込まれながらも直球をはじき返し、打球は中前にポトリ。「いい形で打てているからこそ、詰まっても落ちるというのもある」。好調を物語る安打で、先手を奪った。こうなると止まらない。七回先頭でも中前打、八回2死一、二塁でも右前打でチャンスを拡大して一挙5得点を呼び込んだ。6月14日の楽天戦(楽天モバイルパーク)以来の4安打だ。猛打賞を記録した23日と合わせて2日間で10打数7安打と打ちまくり、打率は「・284」から「・294」にジャンプアップ。トップを走る小園(広島)に2厘差の猛追だ。残すは29試合。初めてのリーディングヒッターのタイトルも視野に入ってくる。「積極的に振っていけている部分もある。振りにいけているのはタイミングが合っているからだと思う。こういう状態を継続していけたらいいかなと思います」勝負の夏場にベストを合わせてきた選手会長が、Vへのラストスパートを先導する。(中屋友那)

◆痛烈で痛快な打球が伸びていく。つながる打線の波に乗り、阪神・森下翔太外野手(25)のバットがダメ押しの3点をたたき出した。「チャンスでしたし、自分的にも一本出ていなかった。なんとか結果的に一本出たので、よかったかな、と思います」七回までは4打数無安打だったが、4―1の八回に2死満塁というおいしい場面が巡ってきた。左腕の石原が投じた緩い変化球を確実にとらえ、左中間へ。連続試合安打を「8」に伸ばす走者一掃の一打に、二塁上で両拳を力強く握った。打点王の佐藤輝が2打点を積み上げて78打点としたが、森下も負けていない。23日の左翼2ランに続く3打点でその差は「7」。自己最多の昨季の73打点にもあと「2」とせまり、勢いづいてきた。夏の長期ロードのラストカードの26日からのDeNA3連戦は、地元横浜でのゲーム。〝ホーム〟でさらに加速し、甲子園には手をつけられない状態に仕上げて戻る。

◆青空の下、タテジマの背番号35が神宮の杜のマウンドに上がった。才木が八回途中4安打1失点、118球の熱投で、今季12勝目。日が落ち、暑さも緩和したグラウンドで、ナイター照明に照らされながら降板した。「球数もありますし、監督のことだから、次のことを考えての(降板)。そういうのをしっかり考えてくれる監督なので、自分の中で受けとめて、次に向けてコンディションを整えていく」後半戦で勢いに乗る右腕は、「結構いい感覚だった」と手応えを得た直球で押して、ヤクルト打線を圧倒した。四回に「ちょっと簡単にいっちゃた」という内角低めの直球を村上に左翼席中段に運ばれたが、六回1死で再び向かい合うと、151キロ高め直球でリベンジの空振り三振。1点リードの五回には1死三塁と同点のピンチを背負うも、内野ゴロ2つで無失点で切り抜けた。打席でも輝きを放った。三回1死一塁で犠打を成功させ、先制点につなげると、六回2死満塁では押し出し四球を選び、ヒーローインタビューで「手が出ませんでした」と笑顔。自身を助ける貴重な2点に絡んだ。昨季は一回にイニング別最多の10失点を喫した。しかし今季は一転。20試合に先発してイニング別では唯一、一回に得点を許していない。この日も1死から長岡に二塁打を許して得点圏に走者を背負ったが、内山、村上を打ち取って無失点。「それは一番いいことですけど、意識はしないかな」と話すが、立ち上がりをゼロで抑えてベンチに戻ることで、打線にも勢いを与えている。午後5時の試合開始に「暑いっす」と苦笑いしていた才木。発言とは裏腹に、猛暑が本格化する8月にはめっぽう強い。2022年8月21日の巨人戦(東京ドーム)から自身8連勝。今季もすでに4勝を挙げ、月間MVP賞の最有力候補に名乗りを上げている。日曜日の登板では昨年4月の登板から12連勝。後半戦に入り無傷の5連勝で、ヤクルトにも4連勝。あらゆる連勝がついてまわる右腕は、防御率(1・54)と勝利数(12勝)は再びリーグ2冠となった。それでも「今はそんなに気にするところじゃない。来週の巨人戦のそうだし、9月の戦いもまだ残っている」と力強い。まばゆく輝く右腕で、頂点をつかむ。(萩原翔)

◆高々と上がった打球は、左中間席で弾んだ。ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が四回先頭で10号ソロ。今季25試合目で7年連続2桁本塁打に到達したが、チームは1分けを挟んで3連敗を喫し、笑顔はなかった。「しっかり振ることを意識しながら(打席に入った)。これからも、もっともっと打てるように頑張りたい」一振りで仕留めた。阪神・才木が投じた1球目の直球を強振。右翼席に陣取ったスワローズファンが歓喜する中、ダイヤモンドを回った。7点を追う九回1死では、中越え二塁打。勝敗を大きく左右する主砲として「勝てるようにチーム一丸となって頑張るだけです」と勝利への強い思いを口にしたように、最後まで意地を見せた。新たなパフォーマンスがチームの結束力を高めている。同学年・増田の提案で、本塁打を放ってベンチに戻ると手のひらを表裏にクルクル回転させて背番号の「55」を表すポーズが定番に。主将・山田の「山ポーズ」と同じように、歓喜とともに一気にチームが一つになる瞬間だ。ただ、村上の一撃も反撃開始の起爆剤とはならず、好投手・才木に封じられた。高津監督は「良い投手なのでなかなかチャンスも少ないと思っていて、そこ(得点圏)で一本出るか出ないかは非常に大きなところだと思う。なかなか打たせてもらえない」と脱帽。主砲は好調を維持するだけに、つなぐ攻撃で得点に結び付けたい。(赤尾裕希)?ヤクルト・村上が今季10号本塁打。2019年から7年連続の2桁本塁打。ヤクルト(前身を含む)で7年以上続けて2桁本塁打をマークしたのは、14-24年の山田哲人の11年(継続中)を筆頭に8人目で、01-07年のラミレスと並ぶ球団7位。左打者では76-83年の若松勉、99-06年の岩村明憲(各8年)に次いで3人目。?出場25試合で10号到達は21年の出場26試合を抜く自身最速。ヤクルトで出場25試合以内に10号に達したのは、22年のサンタナ(出場23試合)以来3年ぶり。日本選手では21年の山田哲人(出場24試合)以来4年ぶり。

◆お目覚めのドッカ~ン! 阪神はヤクルトに8-1で大勝。佐藤輝明内野手(26)が四回に出場9試合ぶり打点&本塁打となる32号ソロを放ち、今季ワーストタイ17打席連続無安打からド派手に抜け出した。デーゲームでは2位巨人がDeNAに敗れていたため、優勝へのマジックナンバーは2つ減り「16」に。よみがえった主砲に導かれ、歓喜へ真っしぐらだ。高々と舞い上がった白球は、失速することなく右翼スタンドへと着弾した。眠っていた虎の4番が、苦しんでいた主砲が、目覚めの一発。打球の行方を見つめ、佐藤輝がゆっくりと走り出す。得意の神宮で復活の花火をぶち上げた。「(調子が)悪いなりには少しずつ修正できているのかなと思います。(ホームランは)しっかり積極的にと思っていました」1-0の四回先頭で迎えた第2打席だった。奥川の初球、129キロスライダーを一閃。打った瞬間、虎党が沸いた。10日のヤクルト戦(京セラ)で同じく奥川から放って以来、40打席ぶりの32号ソロ。リーグトップを独走するセ界のホームランキングは、10試合ぶりの感触をかみしめた。ほんの少しズレていた歯車がかみ合いはじめてきたことも大きい。前夜、23日の一戦は今季2度目となる屈辱の1試合4三振。19日の中日戦(京セラ)で18打席ぶりの安打をマークしたばかりだが、この日の第1打席も見逃し三振に倒れ、今季ワーストタイの17打席連続無安打と再びトンネルをさまよっていた。ただ、結果の出ない中でも、大きな軸をぶらすことはない。「修正は細かいところですけどね」。ここまで積み上げてきた30本以上のホームラン。それは中堅から逆方向への意識や、大谷も使うクリケットバットを用いたスイング調整など、昨年から徹底して取り組んできたものがあってこそだ。だから、微調整は加えても大きく何かを変えはしない-。そんな主砲の姿を、小谷野1軍打撃チーフコーチも「常にきちんとした準備をしてくれている。だから、昨日今日で何か変化を加えなくてもいい。日頃の準備がきょうはホームランになった。毎打席自分のスイングをしてくれればいいし、心配は全然していないです」と頼もしく見つめている。

◆最多勝、最優秀防御率を狙う阪神先発の才木の7回?、118球4安打1失点の12勝目は、おそらく対する燕打線も将棋じゃないけど「参りました」じゃないかなぁ~。本日の才木、俺の見る限り7、8割の力で放ってませんでした?(五回1死三塁のピンチではギアを入れたけど)リーグを代表する投手が沈着冷静なマウンドを演じたら、相手も厳しいよね~。才木、美しき投球をありがとう!! 終わってみれば前日まで不振だった佐藤輝の32号や森下の満塁で走者一掃の二塁打で8-1の大勝!!もちろん、それはうれしいけど、それ以上に前日、俺がここでクライマックスシリーズ(CS)などの短期決戦で、主力のバットが湿っていたときのためにベンチワークが大切! と述べたら本日、一回2死一塁から佐藤輝の打席で中野に盗塁の采配(結果はアウトにせよ)。五回2死一塁、森下の打席でカウント3-0から近本を走らせ盗塁成功!! これは初めて見たわ~! 猛虎ナインも日々技術向上を目指しているのと同時に、首脳陣も日々勉強や!! を感じた試合だったのだ。それにしても、かつての万年ビリの虎が優等生って...。世の中分からんわ~!!

◆わかっていた。毎年のことだから。それでも、朝起きて、テレビのスイッチを入れて、高校野球がやっていないと、何かさびしい。〝甲子園ロス〟。同じ思いでいる人は多いだろう。わが家の3歳の娘もそうだった。朝日放送の高校野球中継で、イニング間に流れるCMの最後にあるじゃんけんを楽しみにしていたからだ。普段なら、スポーツ中継にチャンネルを合わせると、アニメやYouTubeに変えろ!!とわめき散らかすのに...。これまで、CM内で出てくる、相合い傘って今でもあるんかなあ?と考えたり、焼き魚に普段は添えない大根おろしを欲してみたり、目のためのブルーベリーを食べようと思ったりすることはあっても、じゃんけんは印象に残っていなかった。子供にそんなに響くとは...。民放テレビ局の方には、プロ野球中継でも導入を検討してほしい。大阪・難波のサンスポメディア局でも、〝甲子園ロス〟が多発していた。中でも重症だったのは、コンテンツ編集部のルーキー記者、秋葉元だ。地方大会から取材に走り回り、甲子園大会中はアルプススタンドで奮闘。沖縄尚学高の優勝原稿も書いた。「朝早いなあ、と思った日もありましたが、あっという間でした。高校生の取材は楽しくて、今朝からさびしさを感じています」そんな秋葉は印象に強く残った選手が2人いるという。1人目は兵庫・東洋大姫路高の木下鷹大投手だ。「エースの自覚が言葉の端々からにじんでいて、マウンドでも100球を超えてからギアが上がるんです。かっこよかったですね」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
69423 0.622
(↑0.004)
M16
(↑2)
29391
(+8)
263
(+1)
70
(+1)
85
(+1)
0.245
(↑0.002
2.050
(↑0.01)
2
(-)
巨人
56553 0.505
(↓0.004)
13
(↓1)
29356
(+2)
336
(+4)
79
(+1)
46
(-)
0.244
(-)
2.640
(-)
3
(-)
DeNA
52565 0.481
(↑0.004)
15.5
(-)
30369
(+4)
358
(+2)
74
(+2)
56
(+1)
0.239
(↓0.001)
2.920
(↑0.01)
4
(1↑)
広島
49595 0.454
(↑0.005)
18.5
(-)
30348
(+5)
372
(+4)
60
(+1)
51
(-)
0.243
(-)
3.000
(-)
5
(1↓)
中日
50612 0.450
(↓0.005)
19
(↓1)
30309
(+4)
348
(+5)
63
(+1)
68
(-)
0.228
(↓0.001)
2.800
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
40636 0.388
(↓0.004)
25
(↓1)
34307
(+1)
440
(+8)
62
(+1)
50
(+1)
0.229
(↓0.001)
3.640
(↓0.04)