ヤクルト(2対2)阪神 =リーグ戦21回戦(2025.08.23)・明治神宮野球場=
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阪神
2000000000002711
ヤクルト
01000000100021111
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】森下 翔太(18号・1回表2ラン)
【ヤクルト】山田 哲人(9号・2回裏ソロ)

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◆阪神は初回、森下の2ランで幸先良く先制に成功する。一方のヤクルトは、2回裏に山田のソロで1点差に迫ると、9回には太田の犠飛で試合を振り出しに戻した。その後は延長戦に突入するも両軍の救援陣が得点を許さず、4時間23分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆阪神藤川球児監督(45)が、得点に絡んだ2人の「気持ち」をたたえた。22日のヤクルトの第1戦で延長戦を制し、優勝マジックを19に減らした。1-1のまま迎えた延長10回。1死か1死満塁で、8番熊谷敬宥内野手(29)が2点中前適時打を放ち、試合を決めた。指揮官は「高寺も熊谷もそうですけど、最後まで出続けて、良い打席とかありながらですけど、強い気持ちで出続けていってくれてるのは良い結果につながってますね」。高寺望夢内野手(22)も、1点を追う5回先頭で左翼線二塁打を放ち同点機をつくり、延長10回も1死一塁から中前打でつなぐなど奮闘していた。「本当にみんな真剣にやってますからね、真剣にやってぎりぎりの勝負のところを普段からやっている。流れ作業でやってる選手は1人もいない。ぎりぎりのところで相手を上回ることが自分たちにとって大事なこと」。接戦を制しての勝利に、藤川監督は力を込めて言った。

◆阪神田中秀太内野手守備走塁コーチ(48)が夏の甲子園初優勝を飾った沖縄尚学を祝福した。次男田中彪斗(あやと)内野手(2年)はベンチメンバーで、三塁コーチャーに立ち、チームを支えてきた。「良かったですね。決勝までいっただけでもすごい。最後まで勝ち切ってね。(息子は)試合には出てなかったけど、メンバーに入れたし、沖縄まで行って、最高の夏になったんじゃないですか」。阪神はヤクルト戦遠征中で、田中コーチは決勝試合開始前の午前9時50分からテレビの前にスタンバイ。表彰式までテレビにくぎ付けだったという。甲子園での試合も移動休みなどを利用し、現地で2度、息子たちを応援。田中コーチも熊本工の一員として94年春に甲子園に出場していたこともあり、決勝で敗れた日大三の涙にも感動していた。阪神は22日にヤクルトとの延長戦を制し、優勝マジック19にしたばかり。リーグ制覇へのカウントダウンに入っている。「僕らもまだまだ油断せずにやって、(息子は)『優勝旅行に連れてってほしい』と言ってたみたいで。連れて行けるように頑張ります」。親子での同年でのダブル優勝を励みにした。

◆阪神前川右京外野手(22)が、出場選手登録を抹消された。前川は7月21日に2軍再調整となった後、ウエスタン・リーグ9試合に出場し、34打数13安打7打点1本塁打、打率3割8分2厘の好成績を残していた。今月9日に再昇格後は、1軍で3試合に出場。「4番左翼」で先発した12日広島戦(マツダスタジアム)では、2本の内野安打で4打数2安打1打点も、その後はベンチ外となる試合もあった。

◆阪神井坪陽生外野手(20)が「6番左翼」でスタメンに名を連ねた。プロ初出場初スタメンとなった、19日中日戦(京セラドーム大阪)以来、自身2度目の先発出場。前試合では「8番中堅」で出場し、初打席で三塁への内野安打を放っていた。左翼での出場は自身初となる。

◆ヤクルト山田哲人内野手(33)が9号ソロを放った。2点を追う2回1死、阪神伊藤将の真ん中付近に吸い込まれてきたチェンジアップを逃さず、すくい上げた。角度34度で放物線を描き、左翼ポール際に運んだ。「甘く入ってきた球をしっかり打つことができました。逆転できるように頑張ります」と話した。これでプロ野球史上49人目となる通算1000得点に王手となった。

◆阪神森下翔太外野手(25)が低空のロケット花火を噴射した。初回1死一塁でヤクルト山野太一(26)から左翼席へ弾丸ライナーで飛び込む18号2ラン。5試合ぶりのアーチで先制した。「初回に最高の形で先制できてよかった」と自賛した。藤川球児監督(45)はこの神宮3連戦を前に「神宮と横浜で夏らしい戦いができれば。神宮花火大会のように」と"空中戦"にも言及していたが、2戦目で強烈な1発が出た。

◆阪神熊谷敬宥内野手(29)が幻惑打球を放って三塁打にした。2-1の5回1死。飛球が右翼線上に落ちた。不規則な回転がかかっていたか、右翼手・太田賢吾(28)はバウンドにうまく対応できず後逸。その隙に快足を飛ばした三塁に到達した。追加点にはならなかった。22日の試合では延長10回に前進守備の二遊間をしぶとく抜く、決勝2点打を放っていた。売り出し中の小幡竜平(24)を差し置いて4試合連続で遊撃でスタメン。日に日に存在感を増している。

◆阪神伊藤将司投手(29)が5勝目の権利を持って降板した。2点リードの2回、山田に左翼へのソロ本塁打を許したが、6回までは得点圏に走者を背負っても、ヤクルト打線を分断。6回99球7安打1失点で、ブルペン陣に終盤を託した。伊藤将は7月13日ヤクルト戦(甲子園)で4勝目を挙げて以来、この日まで4試合、白星から遠ざかっている。

◆阪神熊谷敬宥内野手(29)が守備でも魅了した。7回2死、太田賢吾外野手(28)の三遊間へのライナーに頭から飛び込み、地面すれすれでダイレクトキャッチした。小柄な熊谷は勢い余ってでんぐり返し。投手の及川雅貴(24)はグラブをたたいて喜び、驚いた表情で拍手を送る選手もいた。今季の遊撃手は小幡竜平(24)が飛躍的に出番を増やしているが、熊谷は4試合連続でスタメン入りしている。

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◆阪神佐藤輝明内野手(26)が1試合4三振を喫した。痛かったのは8回。木沢尚文投手(27)の3与四球によって1死満塁という願ってもないチャンス。ここで佐藤輝はカウント2-2から中途半端なスイングで真ん中高めの153キロを空振り。阪神ファンの大きなため息を誘った。シーズン133三振は昨年に並ぶ数字。自身最多は新人年の173。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が左腕を痛めた。8回2死から代走の一塁走者・丸山和郁外野手(26)がスタート。二塁ベースカバーに入った中野だが、送球をつかみにいった左腕と、丸山のスライディングの左足が激突。グラブごともっていかれるような形になった。ボールには触れず、走者は三塁まで進んだ。中野は痛みに顔をゆがめ、左肘を曲げ伸ばしするようなしぐさを見せた。中野は走攻守に欠かせない選手。「治療中です」のアナウンスがかかると、場内の阪神ファンからは悲鳴に似た声があがった。ベンチからトレーナーもかけつけたが、そのままプレー再開した。

◆阪神岩崎優投手(34)が痛恨の同点犠飛を許した。1点リードの9回に守護神として5番手登板。先頭山田を右飛に打ち取ったが、連打と代打増田珠への四球で1死満塁を背負うと、太田に136キロ直球を右翼深くへ運ばれた。続く丸山和を空振り三振に打ち取ってベンチに戻ると、藤川監督に肩を組まれ、言葉をかけられた。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が交錯プレーも心配無用を強調した。8回守備で二塁カバーに入った際、一塁走者と交錯。グラブごと持っていかれるような形になり、左腕を痛そうにしたがそのままプレーを続行した。「うまく体を逃がした部分もあった。がっつり巻き込まれたという感じじゃない。ああいうプレーも多く起こると思う。しっかり準備しながら」。痛みについては「はい、大丈夫です」ときっぱり。打っては3試合連続安打となるマルチヒットで奮闘した。

◆阪神が2戦連続の延長戦の末に引き分けとなったが、優勝マジックは18に減った。引き分けは5月13日DeNA戦(ハードオフ新潟)以来今季3度目。初回からリードして、2-1で迎えた9回。守護神岩崎優投手(34)が、連打と四球で1死満塁のピンチを招き、太田の右犠飛で同点に追いつかれた。その後はどちらもリリーフ陣が粘って譲らず、ドローという結末になった。阪神は初回に3番森下翔太外野手(25)の1発で鮮やかに先制した。1死から2番中野が中前打で出塁し、続く森下がヤクルト先発山野の直球をはじき返し、左翼スタンドへ先制2ラン。16日巨人戦(東京ドーム)以来の18号本塁打となった。先発の伊藤将司投手(29)は6回7安打1失点の好投。ヤクルト戦は今季カード別最多の5試合の先発で無敗とキラーぶりを見せた。

◆ヤクルトが首位阪神を相手に、土壇場の粘りで今季6度目となる引き分けに持ち込んだ。1点を追う9回1死から連打と四球で満塁にすると、太田が同点右犠飛を放った。野手はベンチ入り17人を全員起用する総力戦。投手陣も7人のリレーで初回の2失点以降は無失点で耐えた。高津監督は「2回から11イニングをゼロと投手陣がよく粘った。攻撃はなかなか打ち崩せなかったが、最後に粘りを見せて、みんな頑張った」とたたえた。

◆阪神中野拓夢内野手(29)が試合後、交錯したシーンについて言及した。8回2死の守備で、代走の一塁走者・丸山和郁外野手(26)がスタート。二塁ベースカバーに入った中野だが、送球をつかみにいった左腕と、丸山のスライディングの左足が激突。グラブごともっていかれるような形になった。中野は痛みに顔をゆがめ、左肘を曲げ伸ばしするようなしぐさを見せ、ベンチからトレーナーもかけつけたが、そのままプレー再開となった。「うまく体を逃がした部分もあったので。がっつり巻き込まれたという感じじゃない。でもああいうところに捕手もアウトにするために投げてくるので、こっちもうまくタッチをしてあげないと。ああいうプレーも多く起こると思う。しっかり準備しながら」と冷静に振り返った。痛みについて聞かれると「はい、大丈夫です」と答えた。

◆阪神の守護神・岩崎優投手(34)が同点犠飛を浴びた。1点リードの9回に登板し、連打と代打増田珠への四球などで1死満塁のピンチ。太田に136キロ直球を右翼深くまで運ばれ、生還を許した。最少失点にとどめたが、5試合目の登板となった神宮は今季防御率5・40。「この球場ばかり。打たれているバッターも同じ。何とかしないといけない。後ろのピッチャーも抑えてくれてみんなで守ってくれて。そこはすごくよかった。また頑張ります」と前を向いた。

◆阪神が2戦連続の延長戦の末に引き分けとなったが、優勝マジックは18に減った。藤川球児監督(45)は「もう十分ではないですかね」と選手たちをねぎらった。初回からリードして、2-1で迎えた9回。守護神岩崎優投手(34)が、連打と四球で1死満塁のピンチを招き、太田の右犠飛で同点に追いつかれた。その後はどちらもリリーフ陣が粘って譲らず、ドローという結末になった。岩崎について「同点で戻ってきているので。1点差というものは誰が行っても、確約的に0で戻ってくることはなかなか難しいので。まあまあ、そんな日もあります」と話し、すぐに切り替えた。また、この日4三振を喫し、3戦連続無安打となった佐藤輝明内野手(26)については「打った時でも、打ってなくても、それがチームですから。チームで戦ってるので。あんまり個人のことは思わないというか、考える要素ではない。チームで動いてますから」と話すにとどめ、見守りながら復調を待つ。

◆ヤクルトが土壇場の粘りで今季6度目となる引き分けに持ち込んだ。1点を追う9回。1死から連打と四球で満塁と攻めると、太田賢吾外野手(28)が右翼への犠飛を放った。2回1死、山田哲人内野手(33)が左翼ポール際に9号ソロを放った。以降は8回まであと1本を欠く展開だったが、9回に虎の守護神・岩崎を攻略した。野手はベンチ入り17人全員を使う総力戦だった。高津臣吾監督(56)は「攻撃の方はなかなか相手投手を打ち崩すことできなかったですけど、ああやって最後に粘りを見せたところは、みんなよく頑張った」と話した。先発山野太一投手(26)は6回4安打2失点と試合をつくった。6月6日ソフトバンク戦以来、2カ月半ぶりの1軍登板だった。初回1死一塁、森下に2ランを浴びた。2回以降は5イニング連続の無失点と力強い直球を軸に阪神打線を押し込んだ。山野について、高津監督は「投げる球自体はすごく良かった。腹をくくって強く腕を振って投げることもできている」とした上で、一塁悪送球、犠打失敗、ベースカバーなど課題も挙げた。失点は初回の2点だけだった。以降は矢崎、木沢、下川、荘司、大西、星とブルペン陣が無失点で耐えた。高津監督は「2回から11イニング、ゼロでいったわけなので、ピッチャーがよく粘った」とたたえた。

◆阪神岡留英貴投手(25)が母校の全国制覇に勇気をもらい、1回ぴしゃりの快投だ。同点の延長11回に7番手で登板。先頭赤羽を遊ゴロに仕留め、中村悠は見逃し三振。最後は代打松本直を投ゴロに斬った。高校の3年間を過ごした沖縄尚学の歓喜の瞬間はテレビで観戦。「叫んじゃいましたね」と明かし、ヤクルト戦に臨んでいた。「しっかりゼロで抑えられたのでよかった。母校のそういうのもあったのでよかったです」と会心だった。

◆阪神伊藤将司投手(29)がツバメキラーぶりを発揮した。9回に追いつかれて無傷の5勝目は逃したが、失点は山田のソロ1発のみで6回7安打1失点。今季のヤクルト戦は5戦5QS(クオリティースタート、6回以上自責3以内)の2勝、対戦防御率も0・72の好相性だ。「1点で粘ることができたんじゃないですか。向こうも攻略してくると思うので、(次からも)工夫してやれたら」。好投しながら自身は5戦白星なしが続くが手応え十分で次回に臨む。

◆ダメ押し点を期待した東都の虎党から、大きなため息が漏れた。1点リードの8回1死満塁。ここで打てば勝利は確実という場面で、佐藤輝明内野手(26)のバットは空を切った、カウント2-2から、ヤクルト木沢の高めシュートに中途半端なスイング。4打席連続三振を喫した。5打数無安打、6月17日のロッテ戦以来、今季2度目の1試合4三振で試合を終えた。それでも虎の主砲は前を向いた。「まあ、今日はね。ダメだったので。また明日から頑張ります」。これで三振は133となり、30試合を残して昨季に並んだ。新人の21年に記録した自己ワーストの173三振もちらつくが、藤川監督は大きな視野で受け止めた。「打った時でも、打ってなくても、それがチームですから。チームで戦ってるので。あんまり個人のことは思わないというか、考える要素ではないかな。チームで動いてますから」ただ、セ界のキングが調子を落としていることは事実。特に直近2カード7試合は28打数2安打。今月10日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)で31号を放って以降の9試合は、適時打も本塁打も止まったままだ。同点の延長12回2死一、二塁は3番森下の右邪飛に倒れ、ネクストサークルの背番号8は悔しさを隠さなかった。1日も早く、復活を告げる豪快な打ち上げ花火が見たい。【伊東大介】

◆プロ初の4戦連続スタメンを張った阪神熊谷敬宥内野手(29)が攻守で魅せた。打っては5回1死の第2打席で飛球を右翼線にポトリ。打球は不規則に回転して跳ね、相手右翼も後逸する三塁打となった。守っては7回2死から三遊間への強烈なライナーをダイビングキャッチ。「なんかきそうな感じがしたので反応できてよかったです」。大山が代走を送られ交代した延長11回からは、2戦連続で一塁も守り「ちゃんと守れるようにしていきたい」と頼もしかった。

◆阪神がヤクルト相手に延長12回2-2で引き分け、優勝マジックを18に減らした。試合を盛り上げたのは森下翔太外野手(25)の"低弾道ロケット花火"だった。初回に先発山野から左翼席へ18号先制2ラン。今回の3連戦を前に藤川監督が「神宮花火大会のように」と野手陣に飛ばした大号令に応えた。余韻を楽しむ大きな放物線ではなく、あっという間の弾丸ライナーだっだが、これぞパワフル3番の真骨頂。優勝へのカウントダウンを進める。高校野球の祭典が終わっても、阪神のアツい夏はまだまだ続く。暑さがやわらぐ「処暑」に入った23日。神宮で2夜連続延長戦の激闘を繰り広げた。12回で決着がつかなかったが一歩前進、優勝マジックを「18」に減らした。セ・リーグ独走状態の阪神にとっては、勝ちも同然のドローだ。熱戦は森下の鮮烈な低弾道の"ロケット花火"から始まった。初回1死一塁。カウント1-2から、左腕山野の低めの直球をとらえた。すさまじい勢いの弾丸ライナーは左翼席最前列に一直線。会心の18号の先制2ランとなった。「全然、打点を挙げられていなかったので。得点圏で全然打てていないですけど、本塁打という形で点を取れたのでよかったです。ホームランになったのはたまたま。食らいついた結果です。(初回から)しっかり振れる準備を今日はできたのかなと思います」。5試合ぶりのアーチでキャリアハイをまた更新した。東都リーグの中大で活躍した森下にとって、神宮は大好きな球場の1つ。これで球場別最高の打率3割5分9厘で、本塁打も3本。藤川監督は今回の3連戦を前に「神宮と横浜で夏らしい戦いができれば。神宮花火大会のように」と"空中戦"を制す勝利を期待していたが文字通りの1発回答。初戦はヤクルト村上、この日は山田にソロを打たれたが、虎の3番も負けじと指揮官の大号令に応えた。だが、そのあとが続かず、11個の0を並べてしまった。9回に追いつかれ、森下のリーグ最多17度目の勝利打点も消えた。森下自身もその後5打席、いずれも走者を置いた状況で1四球&安打なし。10回2死一塁は空振り三振、12回2死一、二塁は右邪飛に倒れ、悔しそうな表情を浮かべた。それでもヤクルトのサヨナラ勝ちを許さず、価値あるドローに持ち込んだ。これで夏の長期ロードを11勝6敗1分けとし、4試合を残して2年ぶり勝ち越しも決めた。開幕からフルに戦ってきた森下ら主力選手に疲れは見える。それでも優勝マジックは確実に減っている。午後10時を回って鳴り物応援が禁止になっても、東都の虎党は声を枯らして後押ししてくれた。栄光のゴールまで、もうひと踏ん張りだ。【柏原誠】

◆「第107回全国高校野球選手権大会」で沖縄尚学高が初優勝したことを受け、阪神・田中秀太内野守備走塁コーチ(48)が愛息の彪斗内野手(3年)の日本一達成を祝福した。「決勝まで行っただけでもすごいし、最後に勝ち切って。試合には出ていなかったけど、メンバーに入れたし、(野球のために)沖縄まで行って、最高の夏になったんじゃないですかね」自身はナイターゲームを控える中、注目の決勝・日大三高戦は午前10時からプレーボール。テレビ観戦とはなったが「(午前)9時50分から表彰式の最後まで見ていました」とかじりついたという。1軍本隊に帯同する中でもチームの休養日に合間を縫い、甲子園では2度、応援。彪斗内野手は志したレギュラーにこそなれなかったが、くしくも自身と同じ三塁コーチャーの役割を授かり、「サポートする方で一生懸命やっていたと思うし、たまたま同じポジションですからね」と、しみじみと語った。息子が達成した優勝の2文字には、自身もセ・リーグのペナントレースで目指すところ。「僕らもまだまだ油断せずやって、『優勝旅行に連れて行ってほしい』と言っていたみたいなので、連れていけるように頑張ります」とこれ以上ない刺激を受け取った。

◆阪神・前川右京外野手(22)が23日、出場選手登録を抹消された。高卒4年目の今季は63試合に出場して打率・234、0本塁打、10打点。9日に1軍に再昇格して12日の広島戦(マツダ)で初の4番に座り2安打を放ったが、3試合の出場にとどまっていた。この日は神宮で行われた試合前練習に参加した。

◆24日のヤクルト戦に先発する阪神・才木浩人投手(26)はキャッチボールなどで調整した。ヤクルトとの対戦は、2日、10日に続いて今月3度目となる。珍しく午後5時プレーボールが予定されているが、「暑いっす。(ヤクルト打線は)状態上がってきてそうな雰囲気がある。別に変えることはなく、いつも通りでいいかなと思います」と普段通りの投球に専念する姿勢を語った。現在チームトップの11勝を挙げ、防御率1・57は堂々のリーグトップを誇る。「1人ずつしっかり切るっていうところができてくればイニングも必然と増えるのかなと思う。防御率は別に気にしていない結果のところなので、目の前の試合をしっかり投げられるように」と意気込み、自身5連勝を目指す。

◆昨夜、延長戦に及ぶ熱戦を制した阪神。カード勝ち越しに向けて、伊藤将司投手(29)が先発する。今季は10試合に登板して4勝0敗、防御率1・38.対ヤクルトには4試合に先発して1完封を含む2勝、防御率0・57と好相性を誇っている。打線は「8番・遊撃」の熊谷敬宥内野手(29)に注目。22日には延長十回に決勝2点打を放つなど3試合連続安打中。また、井坪陽生外野手(20)が「6番・左翼」で先発する。

◆優勝マジック19の阪神は一回、森下翔太外野手(24)の18号2ランで先制した。ヤクルトの先発・山野から中野が安打を放って1死一塁とすると、打席には森下。カウント1-2と追い込まれてからの直球を仕留めた。快音を残して上がった打球は、ライナーで左翼スタンド最前列へ着弾。「打ったのはストレート。先攻でしたし、まずは初回に最高のかたちで先制することができてよかったです。まだ序盤なので、次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」16日の巨人戦(東京ドーム)以来5試合ぶりとなる一発で試合を動かした。

◆先発した阪神・伊藤将司投手(29)が一発を浴びて1点を失った。2-0で迎えた二回1死、6番・山田に甘く入ったチェンジアップを完璧に捉えられた。打球は高々と舞い上がり、左翼・井坪が追うのを早々に諦めるポール際への特大弾。1点差に迫られると、さらに続く古賀、伊藤に連打を許して一、二塁。一打同点のピンチを背負ったが、山野を犠打失敗、太田を中飛に仕留めて最少失点で切り抜けた。

◆先発した阪神の伊藤将司投手(29)は6回7安打1失点の好投。今季5勝目の権利を持ってマウンドを降りた。粘りの投球でリードを守り抜いた。2-0の二回に山田にソロ本塁打を浴びたが、許したのはその1点のみ。五回2死二、三塁の一打逆転のピンチでは3番・内山を左飛、六回2死二塁では古賀を中飛に仕留めて無失点で切り抜けた。「初回から先制してくれて少し楽な気持ちでゲームに入ることができました。1本ホームランは打たれてしまいましたが、しっかり両サイドへ投げ切ることができたので粘って試合を作ることができました」七回からは及川雅貴投手(24)が2番手でマウンドに上がった。

◆勝利目前で試合が振り出しに戻った。2-1で迎えた九回に、5番手で登板した岩崎優投手(34)が1点を失い、同点に追いつかれた。1死から古賀、宮本に連打を浴びると、代打・増田に四球を与えて1死満塁。1番・太田に同点犠飛を許した。先発・伊藤将司投手(29)の5勝目の権利も消滅。22日の同戦に続き、2試合連続で延長戦に突入した。

◆阪神が勝利目前も2試合連続の延長戦に突入し、ドローに終わった。阪神は2-1で迎えた九回に5番手で登板した岩崎優投手(34)が1死から古賀、宮本に連打を浴びると、代打・増田に四球を与えて1死満塁。1番・太田に同点犠飛を許した。先発・伊藤将司投手(29)の5勝目はならず。延長戦ではドリス、岡留、岩貞の継投で無失点と踏ん張った。打線は延長十二回2死一、二塁のチャンスで森下が右邪飛に倒れた。優勝マジックは1減の「18」となった(成績=68勝42敗3分、観衆=2万8982人)。

◆阪神が勝利目前も2試合連続の延長戦に突入し、ドローに終わった。現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)はこの日5打数無安打で4三振の佐藤輝明内野手(26)について、打席での平常心を取り戻すことが必要だと指摘した。佐藤輝が4三振。ことしは安定した成績を残してきただけに、ちょっと信じられないぐらいのトンネルだ。本人にしか分からない原因もあるだろうが、感じるのは微妙なストライクゾーンのずれだ。ここ何試合か、本人はボール球だと思って見逃したら、球審がストライク判定するケースがあった。「えっ」という表情を何度か見た。この微妙なずれが、佐藤輝から平常心を奪っているように思う。淡々と打席に立って、結果を残してきたのに、平常心を失うことによって、またボール球に手を出し始めた。しかも、最近の相手バッテリーは「本塁打を打たれるぐらいなら、四球でいい」という判断からか、ボールになってもいい、という球を数多く投げてきている。その球を、冷静でいられない佐藤輝が手を出している。そんな図式か。審判とは相性もある。どんな打者も経験してきたことだ。若い佐藤輝にとっては、いい経験といってもいい。ただ、5打席目に右翼線に惜しいファウルがあった。22日も、本塁打かというファウルがあった。当たれば長打の怖さは、変わらない。相手も、怖がっているからこそ、ボールゾーンで攻めてきているのだ。それを思い出せばいい。打席での平常心を取り戻すこと。ことしの佐藤輝なら、そう難しくないはずだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆2戦連続延長戦の阪神が今季3度目のドロー。夏のロードを11勝6敗1分とし、4試合を残して、2023年(18勝5敗)以来の勝ち越しを決めた。1点リードの九回、岩崎優投手(34)が1死満塁からの右犠飛で追いつかれ、6回1失点の伊藤将司投手(29)の開幕5連勝が消えた。打線は一回1死一塁、森下翔太外野手(25)の16日巨人戦(東京D)以来、21打席ぶり本塁打で先取した2点のみ。今季2度目の4三振を喫した佐藤輝明内野手(26)は16打席連続無安打。12日の〝休養欠場〟から8試合で32打数2安打(打率・063)13三振3四球。優勝マジックは1減の「18」。

◆阪神・岡留英貴投手(25)が延長十一回に登板。6月7日のオリックス戦(甲子園)以来、約2カ月半ぶりの1軍マウンドとなったが、危なげなく打者3人で抑えた。「しっかりゼロで抑えられたのはよかったと思います」。この日は母校の沖縄尚学が夏の甲子園大会で初優勝。「まだまだこれからなのでしっかり結果を出せるように頑張ります」。これからも後輩たちに雄姿を見せ続けていく。

◆ヤクルト・太田賢吾外野手(28)が引き分けに持ち込んだ立役者だ。19日の巨人戦で一塁手・リチャードと激突した際に右脇腹付近を痛めていたが、「1番・右翼」で4試合ぶりに先発復帰。1点を追う九回1死満塁では同点の右犠飛を放ち「みんなが回してくれた。最低限の結果だと思う」。守備では延長十二回2死一、二塁で、森下の邪飛を右翼線のフェンスに直撃しながら好捕し「まぐれです。目をつぶったら入った」と振り返った。

◆阪神・中野拓夢内野手(29)が3安打5出塁と気を吐いた。一回1死で安打を放つと、続く森下の2ランで先制のホームイン。三回には2死から内野安打を記録。八回に四球で出塁すると、延長十二回には左前打を放った。「負けなかったことが一番。チームで助け合って明日いいゲームができるように切り替えて頑張ります」。八回の守備で盗塁を仕掛けた丸山和と二塁塁上で接触。左手首を痛めたように見えたが、「大丈夫です」と問題なしを強調した。

◆阪神・熊谷敬宥内野手(29)がユーティリティーぶりを発揮した。遊撃で先発すると、四回2死で古賀の強烈なライナーを好守。延長十一回に大山に代走が送られると、その裏に一塁の守備に就き、無難に守備機会をこなし「どこでも守れるっていうのは強みでもあると思う」とうなずいた。バットでは五回1死で三塁打、同点の延長十二回には中前打でチャンスメーク。ともに得点にはつながらなかったが、4試合連続安打とアピールを続けている。

◆阪神・岩崎優投手(34)は悔しい救援失敗となった。1点リードの九回に登板すると、1死から連打と四球で1死満塁。1番・太田に同点の犠飛を許した。「この球場ばかりなので、打たれている打者も同じですし、なんとかしないといけないですね」。1日のヤクルト戦(神宮)以来、4試合ぶりの失点。神宮は今季5試合に登板して4失点(自責3)と苦手としている。

◆ヤクルトが首位阪神に意地を示して引き分けた。1点を追う九回、相手抑えの岩崎を代打攻勢などで1死満塁と攻め立て、太田の犠飛で追い付いた。山野が一回に森下に先制2ランを許しても二回から立ち直り、救援6投手も追加点を阻止した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は6月17日のロッテ戦(甲子園)以来となる今季2度目の1試合4三振を喫した。八回は木沢の外角高めシュートに中途半端なスイングで空振り三振。「きょうは駄目だったので、またあした頑張ります」。これで昨年を超えるシーズン134三振となった。12日の広島戦(マツダ)を休養のため欠場。その後、13日の同戦から今季ワーストの17打席連続無安打。19日の中日戦(京セラ)でマルチ安打を放ってトンネルを抜け出したかに見えたが、再び苦しんでいる。

◆鮮やかなアーチを描いた。ヤクルト・山田哲人内野手(33)が、2点を追う二回1死でカウント1―1からのチェンジアップを左翼席へ9号ソロ。12年連続2桁本塁打に王手をかける一発に、うなずいた。「芯にも当たって角度もついてくれたので、1打席目からいいバッティングができた。打球も上がり始めているので、(状態は)いいと思う」先制された流れを序盤で引き戻す一振りだった。チームは九回1死満塁で太田が右犠飛を放って土壇場で同点。その後も、救援陣が踏ん張り、首位・阪神に意地を見せて引き分けた。〝ポッキーカラー〟の新たな相棒が好結果を生んだ。これまでは重さ900―910グラムの塗装をしていない白色のバットを使っていたが、この日から契約するアディダスの同型、同計量で上半分が黒色のバットを使用。六回にも中越えに二塁打と結果を出した。夏休みも終盤。この日も多くの子供たちが神宮球場を訪れた。小学生の頃は毎朝7時半頃に起きて、素振りや公園での壁当てを行うなど一人朝練をしていた山田。プロ野球選手を夢見るちびっ子に格好いい姿を見せた。高津監督はブルペンに石山と石原だけを残した総力戦に「最後に粘りを見せたところは、みんなよく頑張ったと思う」とたたえ、山田の一発に「いい当たりだった。元々根性のある子なので、歯を食いしばって頑張っています」と目を細めた。(赤尾裕希)

◆阪神はヤクルト戦に延長十二回2-2で引き分け、優勝へのマジックナンバーを1つ減らして「18」とした。森下翔太外野手(25)が一回に先制の18号2ランを放った。土曜日の試合、チームは最近10戦負けなしで森下は今季5本塁打目。曜日別で最も多い6発を放っている日曜日の24日こそ、勝利を呼ぶ神宮花火大会を演出する。プレーボール直後、まだ暑い日差しが差し込む神宮の空に、ひとすじの放物線が架かった。戦いの始まりを告げたのは、森下の豪快な一発。持ち味の強いライナーを、スタンドに突き刺した。「全然打点を挙げられていなかった。得点圏も全然打てていないですけど、ホームランという形で点を取れたのでよかった。食らいついた結果だと思います」藤川監督が21日に「神宮花火大会のように」と一発が何本も飛び出すことを思い描いた3連戦。22日は不発に終わったが、見事に森下が〝ロケット花火〟を発射し、指揮官の指令に応えた。ヤクルト先発・山野の立ち上がりを攻める。1死から中野が安打で出塁し、森下が打席へ。カウント1―2と追い込まれながら、甘く入った直球に反応した。力強くすくい上げた打球は、瞬く間に左翼スタンド最前列へ着弾。16日の巨人戦(東京ドーム)以来となる一発に、笑顔でダイヤモンドを1周した。これで第1打席の本塁打は、打席別では最多の7本目。得意のプレーボール直後に集中力を発揮し、「準備の差だと思う。きょうは振れる準備ができた」とうなずいた。1点リードの九回に追いつかれて今季3度目のドローも、夏の長期ロードの勝ち越しが決定。優勝へのマジックナンバーは1つ減って「18」となった。チームは6月21日のソフトバンク戦(甲子園)から土曜日の試合は10戦負けなし。森下も2週連発を含む今季5本を放ち、曜日別最高の勝率・810に大きく貢献している。日曜日も勝率は・700を誇り、森下も曜日別最多の6本塁打をマークする。神宮花火大会は、まだ終わらない。同点の延長十二回2死一、二塁のチャンスでは3ボールから果敢にスイング。しかし、相手のファインプレーで右邪飛に倒れて天を仰いだ。「ヒットしかなかったので。(佐藤)輝さんにつないだとしても、どちらかがヒットを打つしか点は取れなかった。積極的にいきました」最後まで攻め続けた姿勢は、次戦にもつながっていくはずだ。8月最後の神宮で、夏休みのファンを喜ばせる大きな花火を打ち上げる。(中屋友那)

◆太田が引き分けに持ち込んだ立役者だ。19日の巨人戦で一塁手・リチャードと激突した際に右脇腹付近を痛めていたが、「1番・右翼」で4試合ぶりに先発復帰。1点を追う九回1死満塁では同点の右犠飛を放ち「みんなが回してくれた。最低限の結果だと思う」。守備では延長十二回2死一、二塁で、森下の邪飛を右翼線のフェンスに激突しながら好捕し「まぐれです。目をつぶったら入った」と振り返った。

◆またしても、勝利目前で白星がこぼれ落ちた。伊藤将は6回1失点と好投。5勝目の権利を持って降板したが、九回に守護神・岩崎が同点に追いつかれた。「初回から先制してくれて、少し楽な気持ちでゲームに入ることができた」一回に森下の2ランで援護を受けると、要所を締める投球でリードを守った。許したのは山田のソロ本塁打での1点のみ。「しっかり両サイドへ投げ切ることができたので、粘って試合を作ることができた」とうなずいた。ことごとく勝利の女神に見放されている。今季初先発の6月11日の西武戦(ベルーナ)で八回途中無失点も逆転負け。8月1日のヤクルト戦(神宮)では7回1失点投球も、九回に岩崎が同点に追いつかれて勝ち星を落とした。これで5試合勝ちなし。昨季の4勝を超える5勝目は次回以降に持ち越しとなったが、粘り強く投げていく。

◆ハートウィグが一人一殺でピンチを脱した。八回1死一塁で桐敷の後を継いで登板。2球目に二盗と失策で三塁へ進まれたが、オスナを遊飛に仕留めた。「ランナーを進ませてしまったので、そこは課題として次につなげていけたら」と反省したが、「まず自分の投球はできた」と納得の表情を浮かべた。

◆19日にプロ初安打を放ったばかりの井坪は、「6番・左翼」でプロ2度目の先発出場。東京・関東第一高時代に何度も戦った神宮に凱旋(がいせん)したが、3打数無安打で途中交代となった。「流れはつかめてきましたけど、あとは打たないと意味がないので。そこだけに集中して、切り替えてあしたまた打てるように頑張ります」と前を向いた。

◆午前は甲子園の決勝戦、午後からは日本ハムとソフトバンクの大一番、そして夜は優勝へ向けて〝敵なし状態〟の阪神...。酷暑の外には出たくない。冷房の効いた自宅で一日中、野球三昧の方もおられたことでしょう。ただ、ナイターの延長十二回の激闘は長すぎ!?「午前9時50分から、表彰式の最後まで見ていました」神宮球場での練習前に、ニコニコ顔で報道陣の前に出てきてくれたのが田中秀太内野守備走塁コーチだった。愛息の彪斗選手は沖縄尚学のメンバーとしてベンチ入り。そして日本一。父親として、こんな幸せな瞬間はないだろう。取材したのはトラ番キャップ・須藤佳裕。「レギュラーではないから、いつ、テレビ画面に映るか、わからないじゃないですか。ずっと見続けたお父さんの思い、なんとなく分かります」秀太コーチが取材に応じる光景を伝え聞いて、ふと思い出したのが29年前の夏の決勝戦。松山商vs熊本工。高校野球史に残る「奇跡のバックホーム」が起きた1996年8月21日のこと。あの日も阪神は神宮球場でヤクルト戦だった。熊本工の監督は田中久幸さん。日産自動車を率いて都市対抗優勝。全日本の監督も務めたアマ球界の名将だった。そして、秀太コーチのお父さん。このとき、阪神入団2年目の秀太選手は米ルーキーリーグに野球留学の真っ最中だった。お父さんが優勝しても、準優勝しても、コメントが必要だから、国際電話を掛けた。その事実までは覚えていたが、どんな話をしてくれたか、すっかり忘れていた。が...。

◆怖い! 怖い! 怖~い!! 勝敗はさておき、最下位のヤクルトとがっぷり四つの2試合連続延長戦。ペナントレースの優勝は、まず間違いなくわが阪神タイガースのものだけど、その後にクライマックスシリーズ(CS)、さらには日本シリーズという短期決戦があるのだ。阪神投手陣が試合をつくってくれることは、ここまでを見ても不安はないのだが(九回に追いつかれた岩崎はお疲れモードなんです)、4番サトテルちゃんが4三振を含む5打席ノーヒット。そして、虎の斬り込み隊長の1番近本も6打席で出塁は四球のわずか1つ...。『打撃は水もの』は野球の常識(?)。これが短期決戦にどはまりしないと誰が言えよう?よってオレの提言は、残り30試合を気持ち良く勝つのではなくて、あえて『苦しんで勝つ』。それは打線に頼るのではなく、エンドラン、バスター、スクイズなどで得点をもぎ取る〝練習〟にあてるべきだと思うのだ!!勝ってかぶとの...。この2試合でヤクルトが教えてくれたと思い、第3戦は短期決戦用の野球を見せてくれー!!

◆2夜連続延長戦突入のヤクルト3連戦。1勝1分けで迎えた第3Rには阪神・才木浩人投手(26)が先発する。19試合に先発して11勝5敗。直近4戦4勝で、防御率1・57はリーグトップの数字。この日勝利を収めると、DeNAの東に並び、再びリーグ最多に躍り出る。打線は「4番・三塁」の佐藤輝明内野手(26)に注目。16打席連続無安打だが奥川には今季の対戦打率・500(12打数6安打)、1本塁打と好相性。復調のきっかけをつかめるか。

◆西武や巨人で活躍した清原和博氏(58)が、フジテレビONEの中継で解説を務めた。この試合まで打率・272、31本塁打、76打点で本塁打、打点のセ・リーグ2冠に立つ阪神・佐藤輝明内野手(26)について言及し、不振脱出へシンプルな考えのススメを説いた。23日は5打数無安打4三振に終わり、試合前時点で16打席連続無安打。このゲームの第1打席でもヤクルト先発・奥川の前に二回先頭で見逃し三振に倒れた。清原氏は佐藤輝の状態について問われ「今もね、驚くような『ボールかな』と思うような球じゃないんですけど。完全にストライクなんですけど。前に投げられた変化球が頭に残っていたので手が出なかったのかな、と思うんですけどもね」と分析。さらに、続けて「長いシーズンをやっていればね、いいときもあるし悪いときもあるし。ここをなんとかね、シンプルに考えて。『芯で打つんだ』とか『タイミングをしっかり取るんだ』とか、シンプルに考えていってもらいたいですね。打ちたい打ちたいばかっかりじゃあ、そういうふうになると相手の術中にハマってしまいますからね」と語った。佐藤輝は8月10日のヤクルト戦(京セラ)で放った31号本塁打以降は、23日のゲームまで出場8試合連続で本塁打&打点なしが続いている。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
68423 0.618
(-)
M18
(↑1)
30383
(+2)
262
(+2)
69
(+1)
84
(-)
0.243
(↓0.001)
2.060
(-)
2
(-)
巨人
56543 0.509
(↑0.004)
12
(↑0.5)
30354
(+4)
332
(+1)
78
(+2)
46
(+1)
0.244
(-)
2.640
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
51565 0.477
(↓0.004)
15.5
(↓0.5)
31365
(+1)
356
(+4)
72
(+1)
55
(-)
0.240
(-)
2.930
(-)
4
(1↑)
中日
50602 0.455
(↑0.005)
18
(↑0.5)
31305
(+5)
343
(+2)
62
(+2)
68
(+2)
0.229
(↑0.001)
2.830
(-)
5
(1↓)
広島
48595 0.449
(↓0.004)
18.5
(↓0.5)
31343
(+2)
368
(+5)
59
(-)
51
(-)
0.243
(-)
3.000
(-)
6
(-)
ヤクルト
40626 0.392
(-)
24
(-)
35306
(+2)
432
(+2)
61
(+1)
49
(+2)
0.230
(-)
3.600
(↑0.02)