巨人(★0対3☆)阪神 =リーグ戦20回戦(2025.08.16)・東京ドーム=
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阪神
2010000003701
巨人
0000000000200
勝利投手:村上 頌樹(10勝3敗0S)
敗戦投手:井上 温大(3勝7敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(17号・1回表2ラン)

  DAZN
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◆阪神は初回、森下の2ランで幸先良く先制する。そのまま迎えた3回表には、大山の適時二塁打で1点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・村上が9回無失点9奪三振の快投。今季3度目の完封で10勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が村上の前に2安打と沈黙した。

◆不動の4番が帰ってきた。左肘靱帯(じんたい)損傷で離脱していた巨人岡本和真内野手(29)が約3カ月ぶりに1軍に合流した。午前10時過ぎに東京ドームのグラウンドに姿を見せ、早速キャッチボールを行った。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催される特別な日に、1軍の舞台に戻ってきた。岡本は5月6日阪神戦(東京ドーム)で負傷し、翌7日に1軍登録を抹消。約3カ月間のリハビリの末、3日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(Gタウン)で実戦復帰した。15日の同西武戦(Gタウン)では「4番一塁」で出場し、3打数2安打。1軍復帰までに20打席に立つ意向を示しており、2軍戦で計21打席に立って目安の数字をクリアした。前日の阪神戦後、阿部慎之助監督(46)が取材に応じ「明日から(試合に)出てもらいます」と明かしていた。

◆巨人の選手、首脳陣らが特別仕様のTシャツとキャップで練習に臨んだ。試合前練習では「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」のキービジュアルのコピーである「FOR3VER」をデザインしたTシャツとプラクティスキャップを着用した。この日開催される追悼試合のキービジュアルのコピーは「FOR3VER」。長嶋さんが永久に不滅であることを意味する「FOREVER」を基軸に「燃える男」を象徴する栄光の背番号「3」を中央にオレンジ色で据えている。野球界、日本中を太陽のように燦々と照らし続けた功績を表現している。

◆巨人岡本和真内野手(29)が、ミスターの追悼試合に向けて意欲を燃やした。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催される一戦。練習後に取材に応じ「球団としても本当に今日は大事な試合だと思いますし、その日に僕も復帰戦なので緊張すると思うんですけど、頑張りたいなと思います」と意気込んだ。岡本は午前10時過ぎに東京ドームのグラウンドに姿を見せると、キャッチボールや打撃練習などで汗を流した。5月6日阪神戦(東京ドーム)で負傷し、翌7日に1軍登録を抹消。約3カ月間ぶりの1軍復帰となり「さらに気を引き締めて頑張りたいなと思います」と話した。

◆巨人田中将大投手(36)が、あの"名場面"を懐かしんだ。阪神戦が行われる東京ドームで取材に応じ、15日に今季限りでの引退を発表した中日中田翔内野手(36)への思いを聞かれた。前日が休養日で、この日に取材を受ける形になり、「お疲れさまでした」と、まずはねぎらいの言葉を贈った。「長打がやっぱりあるんで。僕もホームラン何本かいかれてますけど、そこは一番の魅力のバッターだと思う。でも、とはいえ、ケースによってはね、必ずしもそう振ってくるわけでもなかったし」と対戦相手としての印象を語り、「(坂本)勇人のコメントとかでもあったけど、すごい守備も上手やったし、外野守らせてもそうだし、ファーストもそうだし。やっぱそういうなかなかいないプレーヤーだったとは思いますね」と魅力を説いた。さらに「甲子園でもね、2年生と1年生でやりましたから」と振り返ったのは05年全国高校野球選手権(甲子園)。2連覇がかかった駒大苫小牧2年の田中将は、準決勝で1年の中田がいた大阪桐蔭と対決。先発して5回、中田の第2打席の2球目に内角高めの直球を投じると、のけぞった中田がマウンド側に一歩踏み出した。その態度に思わずにらみ返した。あれから20年。田中将は「だってあれはね、年下のあいつが先にね。『はぁ』ってなるでしょ」とにこやかに振り返る。「インハイ、ボン投げたら、高めに構えてボン投げて、ああやってなったらそら『はぁ?』ってなる。別に、だからって、なんもないっすよ(笑い)」と笑い飛ばす思い出話だ。互いに当時を振り返ることはなかったと言うが、球界を代表する選手となった2人の"名場面"として、たびたび話題になる対決。「今でもちょいちょい出てきますもんね」と懐かしんでいた。

◆阪神長坂拳弥捕手(31)が試合前練習に合流し、出場選手登録された。長坂はは9日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の試合前練習で送球が頭部を直撃。翌10日に「脳振とう特例」で出場選手登録を抹消されていた。長坂の抹消に伴い昇格していた原口文仁内野手(33)が出場選手登録を抹消された。長坂は4日に出場登録を抹消された栄枝裕貴捕手(27)に代わって登録されたが、今季の試合出場はまだない。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」のスタメンが発表され、この日から1軍に合流した岡本和真内野手(29)が4番三塁に入った。長嶋さんの代名詞「4番サード」を務める。岡本は5月6日阪神戦(東京ドーム)で左肘の靱帯(じんたい)を損傷し、リハビリ生活を続けてきた。3カ月ぶりの1軍戦が、大きな舞台となった。試合前には「本当に特別なこと。頑張りたいなと思います」と語った。2番にエリエ・ヘルナンデス外野手(30)、15日阪神戦で同点2ランを放った中山礼都内野手(23)が6番二塁に起用された。先発は井上温大投手(24)。今季3勝6敗で8試合白星から遠ざかる中で、追悼試合に抜てきされた。阿部慎之助監督(46)は前夜、「素晴らしい試合にしなくちゃいけない。何とか勝って、天国で笑ってもらえるように必死になってやります」と誓っていた。試合では選手、首脳陣らも全員が背番号「3」を背負う。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催される一戦は、球場外も大盛況となっている。東京ドーム22ゲート前「GIANTS PLAZA」では追悼グッズが販売され、長蛇の列ができた。また、同じく22ゲート前広場に設置された「FOR3VER」モニュメントでは多くのファンが記念撮影。娘と観戦に訪れたという50代の女性は「偉大な方というのは分かっていてジャイアンツの歴史の中にミスターがいるので、今日は絶対に行きたいということで(来ました)。長嶋さんはスーパースターを超えた神のような存在」と話した。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、伝説の名フレーズが東京ドームに響き渡った。試合前に場内に特別映像が映し出され、長嶋氏のプレー映像などのほか、ビートたけしやファンが長嶋氏への思いを語るシーンも放映された。最後には、1974年10月14日に後楽園球場で行われた引退セレモニーでのスピーチが流れた。「わが巨人軍は永久に不滅です」食い入るように見守っていた観客から、拍手が沸き起こった。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、俳優山崎育三郎(39)が君が代を独唱した。両チームが黙とうをささげた後、山崎がりりしい表情で登場。一塁側ベンチ前には背番号3のユニホームを着用した巨人の選手やコーチ陣が、三塁側ベンチ前には阪神の選手やコーチ陣が整列。厳かな雰囲気の中、山崎の美声が響き渡った。大役を務めた山崎は「僕の人生のベスト3に入る心にグッとくる瞬間でした。モニターに映る長嶋監督に届けという思いで全身全霊で歌わせていただきました。29年前の野球少年だったころの自分に見せてあげたい景色でした。本当にありがとうございました」とコメントした。

◆試合前のセレモニアルピッチに、「世界の王」が、代名詞の背番号「1」ではなく背番号「3」でサプライズ登場した。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)が、打者として左打席へ向かった。ユニホームの背番号は「ONコンビ」の長嶋氏が背負った「3」。元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)の投球に、右打席の巨人前監督の原辰徳氏(66)とともに笑顔でスイングした。

◆巨人の長嶋茂雄終身名誉監督の追悼試合。試合前のセレモニアルピッチは、歴代レジェンドOBが登場する超豪華なものだった。マウンドは松井秀喜さん。右打席に原辰徳さん。左打席に王貞治さん。捕手役は阿部慎之助監督。球審は高橋由伸さんが務めた。松井さんがノーバウンドでミットに収め、原さん、王さんが豪快にスイング。ドーム内に拍手が続いた。全員が背番号3をつけていた。試合中継で解説を務める上原浩治さんは「すごいメンバーですね。当てなくて良かったです」と感想を口にした。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、豪華な顔ぶれが集い、セレモニアルピッチを行った。まず、巨人元監督の堀内恒夫氏(77)がボールデリバリーを行い、特別仕様「FOR3VER」が刻印されたボールをマウンドに運んだ。元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)が投手としてマウンドに上がると、巨人阿部慎之助監督(46)、巨人元監督の高橋由伸氏(50)、巨人前監督の原辰徳氏(66)、巨人元監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)が続々と登場し、球場は歓声につつまれた。球審に高橋氏、捕手に阿部監督、右打席に原氏、左打席に王氏が入った。松井氏は天に向かってボールを掲げ、ノーバウンド投球。投げ終わると再び天に向かって手を振った。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」に、元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)がサプライズ登場した。試合前のセレモニアルピッチに、代名詞の背番号「1」ではなく背番号「3」のユニホーム姿登場。左打席に立ち元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)の投球に、右打席の巨人前監督の原辰徳氏(66)とともに笑顔でスイング。場内からの大きな拍手と歓声を浴びた。王氏は「皆さんが待ちに待った日でね、この東京ドームだけじゃなくて日本全国で、今のこの時を皆さんが何かすごく下から盛り上げてくれたような感じでね、私もすごくうれしいですし、長嶋さんも喜んでくれてるんじゃないかと、そう思います」とほほえんだ。追悼試合に背番号3をつけて臨む巨人の後輩たちには「常に勝ってほしいんだけどね、今日は特別な日ですからね。ジャイアンツらしい勝ち方をね。昨日もそうだったけど、いい勝ち方をしてジャイアンツファンの人に喜んでもらってね、この後の試合、来年に向かってファンの皆さんが期待をするチームの姿を見せてほしいですね」とエールを送った。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)がセレモニアルピッチの投手を務めた。巨人前監督の原辰徳氏(66)、元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)が打者、巨人阿部慎之助監督(46)が捕手、巨人元監督の高橋由伸氏(50)が球審を務めるなか、「両打席に大レジェンドが立っていて、久しぶりにびびりました」と緊張の面持ち。「投げますよ、監督」とボールを天に掲げてから、腕を振った。「見守ってくれたんじゃないですかね」。92年ドラフトから始まった師弟関係。6月3日に死去の一報を聞くと、米ニューヨークから帰国し、空港から遺体が眠る都内の長嶋家へ直行した。2人での時間を過ごし、「いろいろな思い出を呼び起こしながら過ごしました」「監督との出会い、縁がなければ松井秀喜という野球選手は全く違った野球人生を送ったと思う」と目に涙を浮かべる姿があった。豪華OB陣を前に、ストライク投球で終え、「ホッとした感じです」と破顔した。追悼試合という場に「監督が一番喜んでくれているでのは。常にファンのみなさんに気持ちが向いている方だったので、みなさんが喜んでくださるのは監督自身が喜んでいると思います」と思いをはせた。前日15日、巨人は首位阪神から4点差を逆転する劇的な試合を見せた。「昨日の試合があまりに素晴らしかった。昨日ぐらいから監督がパワーを送っていたのかな」とほほえみ、11ゲーム差の現状に「数字的には厳しいのは間違いないですが、優勝、ペナントは取れなくても、昨年の逆バージョンをやってくれれば。それを期待しています」とクライマックスシリーズ(CS)を制することを期待した。

◆左膝靱帯損傷から復帰した巨人岡本和真内野手(29)の第1打席は、中飛だった。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として実施。背番号3の岡本は「4番三塁」で先発出場した。0-2の初回2死一塁で最初の打席が回ってきた。阪神村上に対し、初球は高め真っすぐをファウル。2球目、外寄りのスライダーを打ちにいったが、中飛に倒れた。岡本は5月6日の阪神戦で負傷。リハビリを経て、目安となるファームでの20打席を消化。この日、3カ月ぶりに1軍に戻った。

◆元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)が、6月3日に死去した巨人長嶋茂雄終身名誉監督への思いをあらためて語った。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の試合前のセレモニアルピッチに、代名詞の背番号「1」ではなく背番号「3」のユニホーム姿でサプライズ登場。左打席に立ち、元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)のセレモニアルピッチに、巨人前監督の原辰徳氏(66)、巨人元監督の高橋由伸氏(50)、阿部慎之助監督(46)とともに花を添えた。大役を終え、あらためて長嶋氏について聞かれると「僕が入ったとき長嶋さんは1年先輩だったんですけど、とにかく輝いてましたからね。1年目から新人王で、ホームラン王も打点王も取ったりしてね。本当、躍動感のある動きでね、日本中の人が長嶋さんに注目してましたからね。その中でその注目に応えるように、それ以上に活躍してましたからね。他に野球選手でありながら特別な存在っていうね、同じ選手っていうような感じは、私だけじゃなくてチームメートは特別な存在って感じで思ってましたね」と思いを明かした。ファンとともに、この日は長嶋氏を追悼する機会となった。「僕なんか運が良くてずっと同じような時代を過ごしてきたんだけど、長嶋さんの存在そのものが、日本の野球界だけじゃなくて当時の国民の気持ちを明るくしてくれるというか、みんなそれを知ってるわけだから。長嶋さんが亡くなられたことは残念だけど、やっぱりみんなで折りにつけ、こういう形で長嶋さんを思いながら、みんなで気持ちを盛り上げるということはこれからもやってほしいと思いますね」と願った。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」のセレモニアルピッチに巨人前監督の原辰徳氏(66)が登場した。原氏は背番号「3」をつけて右打席に立ち、左打席に入った元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)と笑顔でスイングした。原氏は「少年野球の時には3番をつけたことがあったんですが、常々つけたいなという気持ちは持っておりました。そういう意味では、今日つけられて、後で自分で写真あるいは画像などを見ながら、ちょっと味わいたいなと思いますね」と語った。さらに「今日はミスターも多分お近くに来られてると、そして見守ってくださると思うので、その中でなんとか勝利をしてくれたらなという風に願います」と思いを込めた。

◆阪神森下翔太外野手(25)が1カ月ぶりの自己最多となる17号先制2ランを放った。初回1死二塁から左腕・井上温大(24)のカウント2-1からの真ん中スライダーをジャストミート。打球は左翼席の上段まで届いた。7月15日の中日戦(甲子園)以来の1発。久しぶりの快音を東京ドームで響かせた。この日は長嶋茂雄さんの追悼試合として行われた。巨人のレジェンドOBがずらりと登場したセレモニーが終わり、プレーボールを迎えた直後、阪神が先制攻撃を成功させた。

◆巨人OB会長の中畑清氏(71)が、ベースデリバリー役を務めた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の試合前、背番号3のユニホームを着用した中畑氏が、本塁ベース上に三塁ベースを手に登場。三塁ベースを丁寧に設置すると、長嶋氏が守り続けた三塁のポジションに深々と頭を下げた。死去翌日の6月4日に弔問のため長嶋氏の自宅を訪れた際には「穏やかな顔でした。本当に。もうありがとうございますしかないですよね。感謝を言わせていただきましたし、これからも目標にして頑張りますという風に伝えさせていただきました。叫びそうですよ、おい! みんな元気か! 元気出せよ! と言ってくれているような気がしました。現実は悔しさでいっぱいです。それだけです」と語っていた。

◆阪神が高校野球のような執念を見せた。2-0の2回1死一、三塁で打席には投手の村上頌樹(27)。初球、ベンチの指示はセーフティースクイズ。だが、左打席の村上はこれをファウル。2球目も同じく三塁走者がスタートを切らずにバントしたが、同じくファウルにした。結局、三振に倒れたが、追加点への執念が表れていた。村上は智弁学園(奈良)で3年春の甲子園に優勝している。

◆阪神の背番号3・大山悠輔内野手(30)が長嶋茂雄さんの追悼試合で活躍した。2-0と追加点がほしい3回の1死一、三塁で、井上温大投手(24)の低めのスライダーに手を伸ばし、うまく右中間に運ぶ適時二塁打。1打点を挙げた。この日は巨人の全選手が「3」をつけてプレーした。阪神入団以来、その番号をつけてきた大山は、長嶋さんの訃報を受け「球界的に見てもすごく大きな番号。『そういう番号』というのは知っていた。この番号をつけて野球ができていることはすごく幸せ」と話していた。>

◆元巨人監督の堀内恒夫氏(77)が、ボールデリバリー役を務めた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」のセレモニアルピッチ前、追悼試合のキービジュアルのコピー「FOR3VER」が刻まれたボールを手に、マウンドへ。プレート上に、丁寧にボールを置いた。堀内氏は「いやねぇ、何もしなくてあそこのマウンドに上がるっていうのはね、本当に遠い。マウンドに立ったらホントに届くのか、っていうような気がする。でも、つまずかずに終わってよかったと思います」と、ほっとした表情で振り返った。マウンドに向かう途中には「今日はゆっくり見てください」と長嶋氏に語りかけたという。「僕も、特別な日っていうのじゃなくてね、こういうのは、長嶋さんだからできるんであって。1日、ひたって、すごそうかなと思います」と話した。

◆阪神中川勇斗捕手(21)がマルチ安打で存在をアピールした。「7番左翼」で先発。2回にしぶとく左前に落とすと、4回の第2打席では左翼線をライナーで抜く鮮やかな二塁打。7日のプロ初本塁打に続く、2本目の長打となった。マルチ安打は2度目。中川は京都国際3年夏に甲子園ベスト4。同じ時間帯に母校が熱戦を繰り広げており、2本目を打った時は9回の攻撃中だった。その裏に1点を守って尽誠学園(香川)に勝利。ベスト8に進出した。

◆巨人井上温大投手(24)が3回5安打3失点でノックアウトされた。立ち上がり苦しい投球が続いた。初回、阪神1番近本に四球を与えると、中野の犠打で1死二塁。続く3番森下にカウント2-1から甘く入ったスライダーを左翼席上段まで運ばれる2ランを浴びた。2回はなんとか無失点で抑えたものの、3回には1死一、三塁から大山に右中間への適時二塁打を許した。3回裏に打順が回ってきたところで、代打が送られて降板となった。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催されている。特別な一戦での先発を託され「絶対に勝たなければいけない試合。自分のやるべきことに集中して投げたい」と意気込んでいた。2番手には菊地大稀投手(26)が上がった。

◆阪神村上頌樹投手(27)が2打席連続のバント失敗に痛恨の表情を浮かべた。3点リードの4回無死一、二塁。1ボールから試みたバントは2球連続ファウルとなり、カウント1-2。続くボールは一塁線上へ転がったが、ファウルゾーンを割ってスリーバント失敗となった。2回の第1打席でも1死一、三塁からスクイズを試みたが、送ることができずに最後は見逃し三振。2打席連続での犠打失敗となった。

◆巨人前監督の原辰徳氏(66)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催され、一塁側の巨人ベンチ内には球団側の許可のもと、特別にカメラが設置された。かつて、長嶋さんが監督を務めた時にベンチからグラウンドに向けた視線を体感できる場所に置かれ、この日は阿部慎之助監督(46)の背中が映った。長嶋さんが監督を務めた時にヘッドコーチだった原氏は長嶋監督の後ろに立ち、戦況を見守った。「自慢するわけじゃないですが、長嶋さんの後ろ姿は私が一番、見てると思います。背中を見ながら、そして、指を見ながら。バスで移動、何かの時には必ず、長嶋さんの背中を見て、『今日は背中が笑ってるぜ』、『あー、今日は背中が少し涙ぐまれてる』と。何とか今日は背中が笑うようにというつもりでやってましたねぇ」と話した。原氏が感じた長嶋さんの背中について「言葉で叱咤(しった)激励される時もあるんですけども、基本的には我慢されながらですね、しっかり後ろ姿、背中を見て考えろと。ヘッドコーチの時に『監督、こういうふうにしたいんですけど』って言うと、いい時は『グッドアイデアだ』と。『う~ん』って考えられる時があって、最初はよくわからなかった。しかし、考えてる時にはノーなんだと気付いて、そうすると非常に円滑に進んだことを思い出しますね」と話した。原氏は、試合前に行われたセレモニアルピッチに登場し、右打席に立った。

◆左膝靱帯損傷から復帰した巨人岡本和真内野手(29)の第2打席は四球だった。0-3の4回2死走者なし、阪神村上に対しファウル2球で粘り、フルカウントからの7球目で四球を選んだ。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として実施。背番号3の岡本は「4番三塁」で先発出場した。第1打席は、0-2の初回2死一塁。阪神村上に対し、初球は高め真っすぐをファウル。2球目、外寄りのスライダーを打ちにいったが、中飛に倒れた。岡本は5月6日の阪神戦で負傷。リハビリを経て、目安となるファームでの20打席を消化。この日、3カ月ぶりに1軍に戻った。

◆巨人前監督の原辰徳氏(66)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、試合前に行われたセレモニアルピッチに登場し、右打席に立った。選手と監督、コーチと監督の立場で接した長嶋さんについて、原氏は「とても周りの方には優しかったですね。ただし、自分に、あるいは勝負には、非常に厳しかったですね」と印象を語った。長嶋さんの印象に残る言葉として「僕が印象に残ってるのはとにかくベストを尽くしなさいと。ベストを尽くすっていうのは結構簡単なようなんですけど、これが難しくて、常々言われたのはそれだと思うんですよ」と回想した。さらに「最後までミスターもベストを尽くされて、リハビリも含めて、最後まで頑張られた。自分で言われて、有言実行という形で非常に印象に残っています」と話した。

◆巨人元監督の高橋由伸氏(50)が、豪華なセレモニアルピッチの幕開けを告げた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の試合前、球審役として登場。投手が元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)、右打席に巨人前監督の原辰徳氏(66)、左打席に元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)、捕手には巨人阿部慎之助監督(46)。松井氏が「投げますよ、監督」とボールを天に掲げるのを見届け「プレーボール」を告げた。高橋氏は「素晴らしいセレモニーに参加させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。いよいよこれから試合が始まるというワクワクした気持ちになりました。大観衆の皆さんが作る雰囲気、そして長嶋さんの明るさが、そのような気持ちにさせてくれたのだと思います」と振り返った。

◆巨人前監督の原辰徳氏(66)が、左膝靱帯(じんたい)損傷から復帰した巨人岡本和真内野手(29)の表情に注目した。かつては、監督の立場で接した岡本について、原氏は「いい表情をしてますね」と評価。「ケガ明けでグラウンドに戻るっていうのは、原点に返らせてくれるんです。不安、あるいは喜び、いろんなものが織り交ざって、戦ってるわけですね」と話した。さらに「かなり重症だったと聞いています。リハビリを乗り越えて、今日を迎えてるわけでね。いいスタートを切ってもらいたいしね。ケガは避けられないとはいえね、ケガをすることがどれだけ悔しい、あるいはつらい、そういうものを感じてほしいですね」と話した。この日、原氏は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、試合前に行われたセレモニアルピッチに登場。その後、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。

◆6月3日に死去した巨人長嶋茂雄終身名誉監督のお別れの会「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が、11月21日に東京ドームで開催されることが決まった。この日の「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の5回終了後、発表された。一般の部(午後3時開場予定)には、ファンも参加できる。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、球場が一体となった人文字が浮かび上がった。5回終了時に観客席に置かれたタオルを掲げる「アランチョ・ネロ」を実施された。イタリア語で「アランチョ(オレンジ)」「ネロ(黒)」で、巨人のチームカラーを表す催し。内野席2、3階は「SHIGEO NAGASHIMA」、1階席は「FOR3VER」、外野席は「Mr.GIANTS」の文字が浮かび上がった。左翼の阪神ファンも協力し、球場全体で長嶋さんを追悼した。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)がテレビ中継の解説席に登場し、長嶋氏との素振り特訓を振り返った。松井氏は92年のドラフトで4球団競合の末、93年から巨人監督に就任することになっていた長嶋さんにクジを引き当てられた。入団後、1000日計画として寮での素振りによる直接指導の日々が始まった。「立ったときのシルエットが大事。監督しかわからない何かがあって、振ったときの良しあし、どこでその音がしてるか。1球1球チェックしてました」と当時を回想。さらに「最初は自分自身はわからなかったんでけど監督が教えてくれて、わかるようになってくる。自宅にいてもその音を自分で求められる、そうなると自分でも同じ練習ができる。緊張感は自宅では再現できないですけど、音は求められるようになるんです」と語った。

◆左膝靱帯損傷から復帰した巨人岡本和真内野手(29)の第3打席は三ゴロだった。0-3の7回1死走者なし、阪神村上に対し、カウント3-1から甘めに入ってきた直球を振りにいったが、三ゴロに倒れた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として実施。背番号3の岡本は「4番三塁」で先発出場した。第1打席は、0-2の初回2死一塁。村上に対し、初球は高め真っすぐをファウル。2球目、外寄りのスライダーを打ちにいったが、中飛に倒れた。第2打席は、0-3の4回2死走者なし、村上に対しファウル2球で粘り、フルカウントからの7球目で四球を選んだ。岡本は5月6日の阪神戦で負傷。リハビリを経て、目安となるファームでの20打席を消化。この日、3カ月ぶりに1軍に戻った。

◆巨人OBでヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催され、試合前に行われたセレモニアルピッチにも登場した。松井氏は「監督が一番、喜んでるんじゃないですかね。それを感じますね、この熱気でね」とコメント。阪神との伝統の一戦の雰囲気について「監督は、いつも燃えてましたけどね。ジャイアンツからしたらタイガースというのは、永遠のライバルですから。やっぱり、他チームの時は違う空気感があったのは間違いないです」と話した。長嶋さんから伝えられたことについて、松井氏は「あまり言葉で何かを伝えられるってことはなかったんですよね。言葉ではなくて、私の場合はよく一緒にスイングしてましたんで、そういう中で何かを伝えてたんじゃないかって、受け止めてました」と話した。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が三塁守備でミスターばりに見せた。5回先頭の中山礼都内野手(23)の三塁ファウルエリアへの飛球を全力で追いかけ、深い位置まで背走したままスライディングキャッチ。俊足の遊撃手・小幡竜平(24)よりもわずかに速く追いつき、はじき飛ばしそうな迫力だった。見せ場が続いた。次打者のリチャード内野手(26)も高々と三塁ファウルエリアに打ち上げた。エキサイトシートのフェンスに体をつけて捕球体勢に入った佐藤輝は、少し落下点を身誤ったが、ダイビングしてグラブの先でキャッチした。長嶋茂雄さんの追悼試合。ミスターを思わせるような三塁での華のあるプレーに、客席から大きな拍手が送られた。今季はまだ2失策。守備でも魅了している。

◆阪神が今季25度目の完封勝利で優勝マジックを一気に2個減らして24にした。初回1死二塁で森下翔太外野手(25)が巨人井上から17号2ランを放ち先制。打球は左翼上段席まで届く特大弾だった。森下にとっては7月15日の中日戦(甲子園)以来、約1カ月ぶりの1発で、キャリアハイも更新した。2点リードの3回には大山悠輔内野手(30)が3回1死一、三塁で、井上の低めのスライダーにコンタクトし、右中間に運ぶ適時二塁打で1点を加点した。これまで巨人戦無敗の先発・村上頌樹投手(27)は、初回に泉口に中前打を許したものの、その後は5回まで無安打。6回には先頭岸田に三塁内野安打を許したが、丸を併殺に打ち取り危機を逃れて2年ぶりとなる2桁10勝目を手にした。

◆この日に1軍に昇格した巨人宮原駿介投手(22)が、プロ初登板で阪神打線を1回無失点に抑えた。3点ビハインドの9回から5番手で登板。先頭の6番小幡を147キロ直球で空振り三振に仕留めた。続く7番中川には右前打を許したが、8番坂本を二ゴロ併殺打に打ち取って無失点。上々のデビューを飾った。宮原は24年ドラフト5位で東海大静岡から入団。2軍ではここまで26試合に登板し、0勝0敗、防御率1・53の成績を残していた。

◆巨人OBでヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催され、試合前に行われたセレモニアルピッチにも登場した。巨人は、試合前時点で首位阪神と11差。巻き返しのポイントについて、松井氏は「結局は野球はね、守りが大事だなという気がします。自分は全く逆のタイプの選手でしたけど、投手力があるチームが最後は上がってくるなと。昔のうちの大エースがあそこにいますんで、よくわかってると思いますけど」と話した。松井氏から話を振られた元巨人の上原浩治氏は「でも、やっぱり点取りゲームなので、点を取ってもらわないと。自分がやってた時はジャイアンツ打線が3点、4点取ってくれるという余裕があったので、3点まではいいやという余裕を持って、マウンドに上がれるっていうのが大きかったです」と話した。元巨人監督の高橋由伸氏は「ミスが出るかないかだと思います。ミスが出るとチームが狂ってくると思うんです。当たり前のことをしっかりこなしていかないと、どっかで流れが変わってくるんじゃないかと思います」と話した。

◆巨人OBでヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催され、試合前に行われたセレモニアルピッチにも登場。放送席では13年に長嶋さんと国民栄誉賞を受賞した時にプレゼントされたスーツを着用した。亀梨和也からスーツの話題を振られ、松井氏は「私がおねだりしただけです(笑い)。すみません、監督、一緒のスーツで行きたいんですけどと言ったら、『わかった。じゃあ、俺が選んでくる』っていうんでね」と話した。副音声で解説を務めた元巨人の中畑清氏から「しっかりしてるな」とツッコまれ、松井氏は「中畑さんだったら、作ってもらえてないです」とジョークで返し、放送席を爆笑に包んだ。

◆巨人が絶対に負けられない試合に敗れた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦で阪神に完敗。阪神とのゲーム差は再び12となり、勝率も5割に逆戻りした。先発井上温大投手(24)は3回5安打3失点でノックアウトされた。初回、1番近本に四球を与えると、中野の犠打で1死二塁。続く3番森下にカウント2-1から甘く入ったスライダーを左翼席上段まで運ばれる2ランを浴びた。3回には1死一、三塁から大山に右中間への適時二塁打を許した。3回裏に打順が回ってきたところで、代打が送られて降板。この日を迎えるにあたって「絶対に勝たなければいけない試合」と意気込んでいたが、悔しい結果終わった。打線は、阪神先発の村上の前に沈黙。左肘靱帯(じんたい)損傷から復帰した巨人岡本和真内野手(29)は「4番三塁」で出場したが、2打数無安打1四球だった。

◆阪神中川勇斗捕手(21)が初の3安打をマークした。「7番左翼」で先発。2回にしぶとく左前に落とすと、4回の第2打席では左翼線をライナーで抜く鮮やかな二塁打。9回の第4打席では右前打。それまで通算4安打の男が、見事な固め打ちを決めた。

◆巨人OB会長の中畑清氏(71)が、「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の試合後のセレモニーであいさつした。OBと現役選手らがグラウンドに登場。長嶋氏が守り続けた三塁のポジションで、長嶋氏の背番号「3」の人文字をつくって記念撮影を行った。その後、中畑氏がマイクを握った。「みなさん、こんにちは。長嶋茂雄は、いつも、いつでも、いつまでも、野球界のことを見つめていました。プロアマを問わず、野球を通し、みんなが幸せになることを常に願っていました。これから、長嶋茂雄の遺志を継いで、私たちが、ファンの皆さんとともに、野球界が繁栄することを一緒になって頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。今日はありがとうございました」

◆巨人が絶対に負けられない試合に敗れた。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦で阪神に完敗。阪神とのゲーム差は再び12となり、勝率も5割に逆戻りした。先発の井上温大投手(24)は3回5安打3失点でノックアウトされた。初回、1番近本に四球を与えると、中野の犠打で1死二塁。続く3番森下にカウント2-1から甘く入ったスライダーを左翼席上段まで運ばれる2ランを浴びた。3回には1死一、三塁から大山に右中間への適時二塁打を許した。3回裏に打順が回ってきたところで、代打が送られて降板。この日を迎えるにあたって「絶対に勝たなければいけない試合」と意気込んでいたが、悔しい結果終わった。打線は、阪神先発の村上の前に沈黙。左肘靱帯(じんたい)損傷で離脱していた巨人岡本和真内野手(29)は「4番三塁」で復帰したが、2打数無安打1四球だった。阿部慎之助監督(46)は試合後「みんな重圧に負けちゃったかな」と振り返りつつも「(長嶋さんがこの日の試合を見ていたら)怒られてんじゃないですか」と話した。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の試合終了後、グラウンド上でチーム及び球団OB、球団職員らが栄光の背番号「3」を人文字で表現した。外野から登場するレジェンドたちの名前が呼ばれる度に歓声が起きた。中畑清さん、伊藤芳明さんから始まって、最後に大久保博元さんが紹介されるまで。戦いを終えたばかりの阿部慎之助監督(46)、岡本和真内野手(29)ら選手も加わり、大きな「3」を形作った。代表してあいさつしたのはOB会長の中畑清氏。「長嶋茂雄はいつもいつでも、いつまでも、野球界のことを見つめてきました。プロアマを問わず野球を通し、みんなが幸せになることを常に願ってました。これからは遺志を継いで、私たちがファンの皆さんとともに野球界が反映することを一緒になって頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました!」。大きな声で、感謝した。

◆巨人OBでヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)が、日本テレビで中継された巨人-阪神戦の放送席ゲストを務めた。この日は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催され、試合前に行われたセレモニアルピッチにも登場した。2位巨人と12ゲーム差で首位を独走する阪神の森下、佐藤輝、大山のクリーンアップについて、松井氏は「成績ももちろんなんですけど、やっぱり休まずに毎試合ちゃんと出てるっていうね。それで固定されてる。とっても大事なことだと思います」と中軸の3選手が試合に出続けていることを評価した。また、本塁打、打点で2冠の佐藤輝については「いろんな意味で打席での我慢、そして、ちゃんと1球で捉えるっていうことができるようになってるんじゃないかと思います。それがこの結果につながっていると思います」と評価した。

◆阪神が今季25度目の完封勝利で優勝マジックを一気に2個減らして24にした。阪神が東京ドームで巨人に勝ち、今季同球場で8勝3敗とした。88年の開場以来、東京ドームの巨人戦は昨季まで通算184勝263敗12分と大きく負け越しており、シーズン8勝は球団最多タイで、04、07、22、23年に次いで5度目。同球場では今季あと2試合が予定されており、球団記録更新の可能性がある。

◆巨人前監督の原辰徳氏(67)が「3」を味わった。セレモニアルピッチにサプライズ登場して笑顔でスイングし、「少年野球で3番をつけたことがあったんですが、常々つけたいなという気持ちは持っておりました」と告白。「後で自分で写真あるいは画像などを見ながら、ちょっと味わいたいな」と思い出に残す。「(長嶋さんは)目標の方でもありました。これからも新しく素晴らしい選手が出てくるでしょうけど、燦然(さんぜん)と輝く存在でした」と敬意を示した。

◆いわゆるひとつのクラッチヒッターですね~。阪神森下翔太外野手(25)が東京ドームの特別な空気を変えた。初回1死二塁。左腕井上の低めのスライダーをとらえ、虎党が待つ左翼の上段席まで飛ばした。1カ月ぶりの1発は自己新の17号2ラン。これが16度目の勝利打点。並んでいた佐藤輝を再びリードし、リーグ単独トップになった。長嶋茂雄さんの追悼試合。居並ぶ巨人のレジェンドたちも驚いただろう。森下の打球に、そして首位独走の阪神の強さに。森下は「(村上)頌樹さんのためにも先制点がほしかった。最高の形で先制できてよかったです。自分のタイ記録(16本)でずっと止まっていたので、とりあえず久しぶりに1本出せたのは良かった。以降も打てる球があったので、それを捉えられるようにしたいです」とホッとしたように話した。長嶋さんのような男だ。誰もが知る無類の勝負強さだけではない。守っても、走っても勝利に貢献し、ファンを魅了できる。話題になった「神の手」ホームインに、スーパーバックホームと走・守でも甲子園のお立ち台に立った。そんな選手は森下以外にいない。「今、こうして野球をできているのも、伝統の一戦という風になっているのも長嶋さんや先人の人たちのおかげですから。そういう特別な日に打てたこともすごく良かったです」。活躍の兆しはあった。この数週間はフォーム固めに苦心。構えの姿勢などを修正しながら試合に臨んでいた。15日のフリー打撃で左翼最上部の看板にぶち当てる大飛球を放った。選手やコーチも驚いたほどの飛距離。今回の本塁打はその近くの客席に飛び込んだ。藤川監督も「とにかくゲームに出続けて、その中でいろいろなものを乗り越えていく選手。いい1本だったのでは。昨日もいいタイムリーが出ていましたから」と主力らしい姿に目を細めた。14日に25歳になったばかり。若きスラッガーが、天国のミスタープロ野球に、球界の明るい未来を示した。【柏原誠】

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(51)がセレモニアルピッチの投手を務めた。前監督の原氏と元巨人監督のソフトバンク王球団会長が打者、阿部監督が捕手、元監督の高橋氏が球審を務める中、「大レジェンドが立っていて、久しぶりにびびりました」と緊張の面持ちで、天にボールを掲げた。「投げますよ、監督」。最愛の師に語りかけ、腕を振った。前日15日の阪神戦では4点差を逆転する劇的な試合を見せた古巣。「昨日の試合があまりに素晴らしかった。昨日ぐらいから監督がパワーを送っていたのかな」とほほえみ、「数字的には厳しいのは間違いないですが、昨年の逆バージョンをやってくれれば」とCS制覇を期待した。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が三塁守備で見せた。5回、中山のファウルエリアへの飛球を全力で追いかけ、背走したままスライディングキャッチ。ほかにも長嶋さんを思わせるような華のあるプレーで拍手をもらった。昨年まで課題だった守備だが今季はまだ2失策。「成長も感じているし、自信を持ってプレーしています。(邪飛は)うまく捕れたかなと思います」とうなずいた。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人監督の堀内恒夫氏(77)が、ボールデリバリー役を務めた。追悼試合のキービジュアルのコピー「FOR3VER」が刻まれたボールを手に、マウンドへ。プレート上に丁寧にボールを置いた。「今日はゆっくり見てください」。向かい途中に長嶋さんに語りかけたという。「こういうのは、長嶋さんだからできるんであって。一日、浸って、すごそうかなと思います」と感慨深げだった。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、元巨人監督のソフトバンク王貞治球団会長(85)がサプライズ登場した。試合前のセレモニアルピッチに、代名詞の背番号「1」ではなく背番号「3」のユニホーム姿で参加。左打席でスイングし、「皆さんが待ちに待った日。東京ドームだけじゃなくて日本全国で今のこの時を皆さんが何かすごく下から盛り上げてくれたような感じがします」と実感を込めた。「折につけこういう形で長嶋さんを思いながら、みんなで気持ちを盛り上げるということはこれからもやってほしい」とも望んだ。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、巨人OB会長の中畑清氏(71)が、ベースデリバリー役を務めた。試合前に三塁ベースを丁寧に設置し、深々と頭を下げた。試合後にはOB、選手らが交じって「3」の人文字を作った後に代表あいさつ。「長嶋茂雄は、いつも、いつでも、いつまでも、野球界のことを見つめていました。プロアマを問わず、野球を通し、みんなが幸せになることを常に願っていました。遺志を継いで、私たちが、ファンの皆さんとともに、野球界が繁栄することを一緒になって頑張っていきたいと思います」と誓った。

◆阪神藤川球児監督が長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合での勝利を感慨深く振り返った。試合は森下、大山の主軸が得点し、エース村上の完封で勝利。「ジャイアンツさんの意地と言いますか、今日は最後まで息を抜くことが全くできなかった」と話した。追悼試合については「自分の父親も(長嶋さんが)大好きで。大切なゲームを、タイガースの監督として一緒にやらせていただけて、感謝したい1日になりました」とかみしめていた。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が前夜の逆転負けのリベンジを村上とのバッテリーで果たした。今季は村上の全試合でコンビを組む。「チーム的にもやっぱり昨日の負け方がちょっと、僕は嫌な感じがした。それを全部、(村上)頌樹が吹き飛ばしてくれた」と喜んだ。村上の2年ぶり10勝を二人三脚で積み上げた。「ベース(上)の強さ、向こうも前に飛ばし切れていないし。今日はそれが(今季)一番」と大絶賛した。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で、巨人元監督の高橋由伸氏(50)が、豪華なセレモニアルピッチの球審役として登場し、「プレーボール」を告げた。「素晴らしいセレモニーに参加させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ワクワクした気持ちになりました。大観衆の皆さんが作る雰囲気、そして長嶋さんの明るさが、そのような気持ちにさせてくれたのだと思います」と振り返った。

◆阪神中川勇斗捕手(21)がプロ入り初の猛打賞をマークした。4回の菊池からの二塁打を含め4打数3安打。8日ヤクルト戦以来の7番左翼でのスタメン起用にバットで応えた。「自分の形を崩さず、振りにいった結果がいい感じになっている」と満面の笑み。母校京都国際は夏の甲子園でベスト8進出。「後輩に負けないように。自分もいるんだぞ、と示していきたい」と励みにした。

◆ミスターの教えを胸に、特別な試合での敗戦にも上を向いた。巨人は今季最多4万2403人の観客が詰めかけた「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で首位阪神に完敗。それでも、左肘靱帯(じんたい)損傷で離脱していた岡本和真内野手(29)が「4番三塁」で1軍復帰するなど、今後へ向けて明るい話題もある。弔い星こそ届けることはできなかったが、阿部慎之助監督(46)は「素晴らしい1日だった」と前を向いた。栄光の背番号「3」が一塁線上にずらりと並んだ。阿部監督は完敗を喫したが、選手やコーチとともに整列した。真摯(しんし)に負けを受け止め、最後まで声援を送ってくれたファンにあいさつ。特別な一戦を象徴するワンシーンだった。試合前には長嶋さんの追悼セレモニーが行われた。特別映像の中で指揮官は「長嶋さんは常々、ファンがあってのプロ野球だというのをとても強くおっしゃっていました。そういうのをしっかりと継承して。最後の最後まで応援してくださるファンの方がいらっしゃるので」と試合後にあいさつする理由を明かした。今季11度目の完封負け、勝率も5割に逆戻りしたが、ミスターの思いを体現した。大事な一戦に合わせて「4番サード」も帰ってきた。岡本が5月7日以来、約3カ月ぶりに1軍に昇格。スタメン発表で名前がアナウンスされると、場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。ファンが待ち望む最高のタイミングで1軍に合流し、阿部監督も「多少は急いでこの日に合わせて来てくれたと思う」とおもんぱかった。ファンあってのプロ野球-。岡本も長嶋さんの教えを胸に刻んでいる。5月6日阪神戦で負傷。地道なリハビリにも耐え、3日に2軍戦で実戦復帰した。1軍復帰目安とした20打席を前日15日にクリア。「本当に特別な試合でしたし、僕も1発目の試合だったので、ちょっと緊張しましたけど。勝てたら一番良かったですけどね、また明日頑張りたい」。復帰戦は2打数無安打1四球に終わり、チームも敗れたが、太陽のように明るかった長嶋さんのように下を向くことはなかった。現状の1軍メンバーで生前に接点がある選手はごくわずか。だからこそ、阿部監督や岡本には、常に勝利に貪欲だった長嶋さんの思いを後世に継承する使命がある。指揮官は「(もし長嶋さんがこの日の試合を見ていたら)めちゃくちゃ怒られるんじゃないですか」と冗談交じりに思いをはせた。試合に負けても明日になれば試合がある。今季も、来季も長嶋さんが愛した野球はこれからも続いていく。ミスターはいつまでも温かく、そして時に厳しく天国から見守っている。【水谷京裕】○...東京ドームが一体となった。5回終了時に観客席に置かれたタオルを掲げる「アランチョ・ネロ」を実施。イタリア語で「アランチョ(オレンジ)」「ネロ(黒)」で、巨人のチームカラーを表し、内野席では「SHIGEO NAGASHIMA」「FOR3VER」。外野席では左翼の阪神ファンも協力し、「Mr.GIANTS」の文字が浮かび上がった。試合後には山口オーナー、OB、選手、首脳陣、女子チーム、ジャビット5体含め計225人で、三塁守備付近で「3」の人文字を作った。<ドキュメント「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の1日>▽午前9時10分 巨人3軍と慶大のプロ・アマ交流戦(ジャイアンツ球場)を前に3軍ナインが「背番号3」ユニホームで登場▽同10時 東京ドームで1軍全体練習が始まる▽同10時10分 1軍合流の岡本和真がグラウンドに姿をみせる▽午後1時10分 巨人選手が全員背番号「3」で試合前ウオームアップ▽同1時19分 岡本のスタメン紹介に大歓声▽同1時34分 場内が暗転し追悼セレモニー開始▽同1時41分 中畑清氏がベースデリバリー▽同1時44分 佐倉市の少年野球の子どもが投球披露▽同1時49分 33秒間の黙とう▽同1時51分 山崎育三郎が君が代独唱▽同1時53分 堀内恒夫氏がボールデリバリー▽同1時55分 セレモニアルピッチに松井秀喜氏、阿部慎之助監督、高橋由伸氏、原辰徳氏、王貞治氏の順に登場。▽同1時56分 松井氏が「投げますよ、監督」と天にボールを掲げ投げ込む▽同1時58分 長島三奈さんも加わり、総勢8人で「プレーボール」コール▽同2時4分 1軍阪神戦が試合開始▽同3時48分 5回終了時に人文字「アランチョ・ネロ」を実施▽同4時48分 試合終了▽同5時5分 OB、監督、選手、スタッフ、ジャビットら225人が三塁上で「3」の人文字。中畑清OB会長があいさつ▽同7時28分 同5時2分からのイースタン・リーグ西武戦(Gタウン)が終了。2軍のチーム全員が背番号「3」で試合し、試合前には特別映像が流れ、黙とうがささげられた。

◆ミスターの教えを胸に、特別な試合での敗戦にも上を向いた。今季最多4万2403人の観客が詰めかけた「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」で首位阪神に完敗。それでも、左肘靱帯(じんたい)損傷で離脱していた岡本和真内野手(29)が「4番三塁」で1軍復帰するなど、今後へ向けて明るい話題もある。6月3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄さんへ弔い星こそ届けることはできなかったが、阿部慎之助監督(46)は「素晴らしい1日だった」と前を向いた。「すごく喜んでいます!」。昨夏だった。セコム社の担当者は、その報告に胸をなで下ろし、高揚感に浸った。長嶋さんがそのCM案を歓迎してくれたと、事務所つてに聞いた。前日に提案したばかりだった。同社のアンバサダーを35年間務めてきた長嶋さん。今年、新たにそのポジションに大谷翔平が加わった。コーポレート広報部の梶谷忠さんは「巨人を超えて愛された方。いまチーム問わずに応援される、スーパースター像に合致する存在は大谷さんしかいない」と起用理由を説明する。共演するCMを作りたい-。資料をあさり、60年前、長嶋さんにドジャースからオファーがあったと知った。いま米国で大活躍する男を投手に、米国から熱望された男を打者に、時を超えた「夢の対決」。その案を伝えたのが昨夏。ミスターは誰よりも喜んでくれた。2人は以前から一緒に食事するなど親交があった。セコム社のHPで続けたコラム「月刊 長嶋茂雄」の最終回も、二刀流への期待にあふれる。17年11月、日本ハムから大リーグ挑戦を決め、移籍先が決まる直前だった。候補球団として推したのがドジャース。DH制なしのナ・リーグ(当時)では二刀流継続は難しいとの見方もある中、「一刀流に流されてしまうのでしょうか? そうとは限りません」と断言。「選手の1人1人が選択の幅を持っている」チームと評した。CMはCGで当時の姿を再現したが、長嶋さんらしいこだわりがあった。オファーがあった20代後半の写真を基にすると「少し怖く見えてしまうかな」。険しい顔ではなく、現役後半の柔らかい表情をと望んだ。梶谷さんは「第一にするファンにどう見えるか。その姿勢はこの時も同じでした」と感銘を受けた。CM発表から約3カ月後、球界の太陽はこの世を去った。それから数日後、大谷は「野球への情熱というものを、現役の僕らが次の世代につないでいければいい」と使命感を語った。3月15日、ドジャースと巨人のプレシーズンゲームが行われた東京ドームで会ったのが2人の最後になった。「大谷選手、これからも多くの野球ファンの希望であり続けてください」。CM共演にあたり、長嶋さんが送ったメッセージの最後は、そう締められている。「セコム、してますか?」。CMで重なった声のように、スーパースターの系譜は受け継がれていく。【阿部健吾】

◆カウントダウン再開! 阪神村上頌樹投手(27)が9回2安打完封勝利で、2年ぶりとなる今季10勝目をマークした。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦。6月3日に亡くなったミスターへの感謝で染まった雰囲気の中で二塁すら踏ませず、今季3度目の完封勝利を挙げた。チームは今季25度目の完封勝利で、再び今季最多タイの貯金24。優勝マジックは2つ減って24だ。17日に先発する才木浩人投手(26)に最高の形でバトンをつないだ。いつにも増して完全アウェーの東京ドームで、村上が圧倒した。長嶋茂雄さんの追悼試合として行われた一戦。球場中がオレンジ色に染まった。ミスターへの感謝であふれた空間で、自分の仕事に徹した。「長嶋さんの試合だったので。いい試合にしたいと思いながら投げていた。良かったと思います」9回2安打完封勝利。打たれた安打は初回に浴びた泉口の中前打と、6回先頭岸田の三塁内野安打のみだった。9三振を奪い、二塁すら踏ませない圧巻の内容。自身今季3度目の完封で、2年ぶりとなる今季10勝目となった。試合前からセレモニーが行われ、イニング間はビジョンで長嶋さんへの特別映像も放映。普段とは違う雰囲気でも集中力は切らさなかった。「自分のことをしようと思いながら投げていたので。気にしすぎずにやっていました」。持ち前の「没頭」する力が生きた。幼い頃からマウンド上では疲れ知らず。少年野球時代は、2日連続で1日に2試合を投げきることなども多かった。多いときには2日合わせて約400球。それでも投げていて疲れたと思うことはほとんどなかったという。「いっぱい投げて疲れた、というタイプじゃない。小さい頃からずっといっぱい投げてきて、投げる体力に関してはいっぱいある」小さい頃から、疲労を感じないほど「抑えたい、勝ちたい。そのためにどうすればいいか」ということで頭が埋め尽くされている。野球が好きだから、投球時は没頭する。この日も夢中で投げた123球。当初は前カード広島戦で登板予定も、雨天中止などでこの日に変更となった。藤川監督からは「本当に彼らしい投球。さすがにいいコンディションに整えてくれた。まずそこが素晴らしい」と絶賛された。巨人戦の無敗記録も継続させ、チームの今季25度目完封勝利に貢献。優勝マジックも24に減少した。「2ケタに行きたかったのでよかった。まあ、チームが優勝するのが1番。もっともっと勝っていきたい」。歓喜の瞬間まで気を緩めることなく、突き進む。【塚本光】

◆阪神・長坂拳弥捕手(31)が16日、東京ドームでの試合前練習に合流した。長坂は9日・ヤクルト戦(京セラ)の試合前練習中にボールが頭部に直撃したため、脳震盪(しんとう)特例での抹消されていた。

◆5月6日の阪神戦で左肘靱帯(じんたい)損傷を負い長期離脱した巨人・岡本和真内野手(29)が3カ月ぶりに1軍の練習に復帰した。練習後に報道陣の取材に対応し「2軍の首脳陣の方とリハビリの方でプランを組んでいただいて、順調にそれを消化できた。やっぱり1軍なんで、またさらに気を引き締めて頑張りたい」と誓った。この日は、元巨人監督の長嶋茂雄さん(享年89)の追悼試合。「もちろん、この日があるっていうのは僕自身わかっていた。球団としても、ほんとにきょうは大事な試合だと思いますし、その日に僕も復帰戦なので緊張すると思うんですけど、頑張りたい」と意気込んだ。

◆巨人のセットアッパー、中川皓太投手(31)が国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。2016年ドラフト7位で入団した左腕は「1つの目標にはしていた。積み重ねの結果だと思うので、素直にうれしいです。けがとかもあって順調にいかないことが多かったので、そういうのを考えると早くはなかったです」と感慨にふけった。ドラフト7位という下位入団ながらも球威のある直球とスライダーを武器に台頭。当初は先発も経験したが救援に転向した。腰痛を抱えた22年は登板ゼロ、昨季も左ひざ痛に苦しむなど度重なるけがとも戦ったが、今季は登板46試合で、すでにキャリアハイの28ホールドを挙げ、防御率1.89と勝ちパターンの一角を担う。今季は単年契約を結んでおり、FA権の行使については「初めてのことなので、どうしようとかは正直考えてもなくて。シーズン最後までまだ残っているので、最後まで戦い抜くことを目標にやりたい」と語った。

◆巨人・田中将大投手(36)が試合前に取材対応し、15日に今季限りでの現役引退を発表した1学年下の中日・中田翔内野手(36)についてコメントした。「お疲れさまでした。すごく守備も上手でしたし、外野を守らせてもそうだし、ファーストもそうだし。なかなかいないプレーヤーだったと思います」楽天時代、日本ハムの中田と何度も対戦。スラッガーの打撃について「長打がやっぱりある。僕もホームラン何本かいかれてますけど、そこが一番の魅力のバッターだと思う。とはいえ、ケースによっては必ずしもそう振ってくるわけでもなかった」と振り返った。2005年夏、田中が北海道・駒大苫小牧高の2年時に出場した甲子園大会で、当時大阪桐蔭高1年の中田と対戦した。右腕の投じたボールが高めにいくと、中田が少しマウンド方面に詰め寄る場面があった。互いに熱くなった当時について、「だってあれは年下のあいつが先にね...?。インハイ投げてああやってなったら、それはね」と20年前の出来事を笑い飛ばした。

◆阪神の長坂拳弥捕手(31)が16日、出場選手登録され、代わって原口文仁捕手(33)が抹消された。5日に今季初昇格した長坂は、9日のヤクルト戦(京セラ)の試合前練習中にボールが頭部に直撃したため、脳震盪(しんとう)特例で登録を抹消。同日に登録された原口は出場機会がないまま抹消となった。

◆阪神・小幡竜平内野手(24)は巨人先発の井上温大投手(24)との前回対戦(7月21日、東京ドーム)で2打席連続アーチを記録しており、この日も再現が期待される。現在9勝で2年ぶりの2桁勝利を目指す村上頌樹投手(27)は今季巨人戦3戦2勝、防御率0・86と好相性を誇る。

◆リーグトップの防御率1・56を記録する才木浩人投手(26)が17日の巨人戦に先発する。この日はキャッチボールなどで調整。前回登板の10日・ヤクルト戦(京セラ)で2失点完投勝利を挙げた右腕が自身4連勝を狙う。「まだ(シーズン)途中なのであれですけど、そこはタイトル関係なくゼロでいくのが一番いいと思うので、しっかり自分の役割が果たせるようにできたらいいかなと思います」16日には巨人の主砲・岡本が1軍に復帰。才木は「昨日(15日)の試合もそうですけど、坂本選手とか、岡本選手とか、キャベッジ選手もそうですけど、結構注意しないといけない打者が多いかなと思います。その中の1人として、しっかり抑えられるようにいけたら」と巨人打線を警戒した。

◆元巨人監督の長嶋茂雄さん(享年89)の追悼試合。試合前には、超豪華な始球式が行われた。長嶋さんとともに国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏が投手を務め、左打席には王貞治氏、右打席には原辰徳氏が立ち、阿部慎之助監督が捕手、高橋由伸氏が球審を務めた。松井氏は天に向かってボールを掲げた後、見事なストライク投球。再び天に向かって手を振ってマウンドを降りた。最後は長嶋三奈さんも登場して記念撮影。場内は試合前から大きな盛り上がりを見せた。

◆6月3日に89歳で死去した終身名誉監督の長嶋茂雄さんの追悼試合として開催され、13時33分からセレモニー行われたでOBが続々と登場した。セレモニアルピッチは〝まな弟子〟の松井秀喜氏(51)が務め、さらに原辰徳氏(67)、王貞治氏(85)、高橋由伸氏(50)がサプライズで登場。左打席に王氏、右打席に原氏、捕手に阿部監督、審判に高橋氏。長嶋さんと縁の深いレジェンドが居並ぶ中、笑顔を浮かべた松井氏はノーバウンド投球を決めた。松井氏は「ホッとした。両打席に大レジェンドがおりましたので、ちょっと久しぶりに(リリースの動作をしながら)ビビりました。(長嶋)監督が見守ってくれたんじゃないですか」とニッコリ。投球の前にボールを天に掲げ、「監督、投げますね」と心の中でつぶやいたという。また、リーグ2位のチームについても言及。この日は全員が長嶋さんの背番号3をつけてプレー。「この機会にどれだけ大きな存在だったかということを選手自身が感じて、なおかついいプレーを届けてほしいなと思います」と語り、今後については「数字的にはかなり厳しい状況なのは間違いないですけど、ペナントを取れなくても、去年の逆バージョンをやっていただければと。それを期待しています。優勝できなかったとしても」とリーグを制しながらもCSでDeNAに敗れた昨季を引き合いに出し、エールを送った。

◆阪神が森下翔太外野手(25)の22試合ぶりの一発で幸先よく2点を先制した。一回、先頭の近本が四球で出塁すると、中野が犠打でつなぎ1死二塁。チャンスで打席に立った森下が相手先発・井上の真ん中スライダーを完璧に捉えた。打った瞬間本塁打を確信し、華麗なバットフリップとともに右手を突き上げ「打ったのはスライダー。最初のチャンスで(村上)頌樹さんの為にも先制点が欲しかったです。最高の形で先制することができてよかったです」とコメント。7月15日の中日戦(甲子園)以来、92打席ぶりの今季17号2ランに感情が爆発した。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督」として開催された一戦に先立ち、試合前にセレモニアルピッチが行われた。投手は松井秀喜氏、捕手に阿部監督、左打席に王貞治氏、右打席に原辰徳氏、球審を高橋由伸氏が務め、豪華なメンバーがそろった。長嶋さんとは「ON砲」として巨人で一時代を築いた王氏。「東京ドームだけじゃなくて日本全国で盛り上げてくれたような感じですごくうれしいですし、長嶋さんも喜んでくれているんじゃないかと思います」と語った。右打席に立った原氏は長嶋さんについて「僕の目標の方でもありましたし、同時にとにかくプレーが常に全力であった。燦然と輝く存在でした」と話した。ボールデリバリーを務めた堀内恒夫氏は「22年間、ご一緒させていただきました。非常にお世話になったし、影響力のある方だった。すごく残念ですけど、これからは自分たちで少しでも野球界が良くなるように」と語った。

◆阪神が大山悠輔内野手(30)の適時二塁打で1点を追加した。2-0の三回、先頭の中野が二塁打で出塁すると、続く森下が四球。佐藤輝の中飛の間に二走・中野が三塁を陥れ、1死一、三塁とし、打席には15日の試合で2ランを放った大山。カウント2-2から先発・井上の低めスライダーをうまく拾って、右中間への適時二塁打とし、貴重な追加点を挙げた。「打ったのはスライダー。『とにかく1点ずつ』という思いでした。いい形でつないでくれたチャンスだったので、とにかくランナーを還すつもりで打席に立ちましたし、またこれ以降の打席も、次の1点を取りにいきたいと思います」なおも1死二、三塁の好機も、小幡が二ゴロに倒れ、三走・森下が三本間で挟まれている間に二塁を狙ったがタッチアウト。ダブルプレーで攻撃を終えた。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦で、歌手で俳優の山崎育三郎(39)が国歌独唱を務めた。球団を通じ、「僕の人生のベスト3に入る心にグッとくる瞬間でした。モニターに映る長嶋監督に届けという思いで全身全霊で歌わせて頂きました。29年前の野球少年だった頃の自分に見せてあげたい景色でした。本当にありがとうございました」とコメントした。

◆ミスタープロ野球、長嶋茂雄さんと同じく三塁を主戦場とする阪神の佐藤輝明内野手(26)が守備で魅せた。3-0で迎えた五回、先頭の中山の飛球が三塁側ファウルグラウンドに飛んだ。三塁・佐藤輝と遊撃・小幡が懸命にボールを背走で追いかけると、最後は佐藤輝が後ろ向きにスライディングキャッチ。主砲の好守に左翼スタンドからは「輝コール」が湧き起こった。さらに続くリチャードも三塁側に打球を打ち上げ、またしても佐藤輝がカメラマン席ぎりぎりで好捕。好投を続ける先発の村上頌樹投手(27)も、三塁で好守を連発した佐藤輝に拍手を送った。

◆6月3日に89歳で死去した終身名誉監督の長嶋茂雄さんのお別れの会が11月21日に東京ドームで開催されることが発表された。五回終了後、阪神ファンも協力して場内の観客全員で「Mr.GIANTS NAGASHIMA SHIGEO FOR3VER」の人文字を作って記念撮影をしたあと、大型ビジョンでお別れの会の開催が発表された。午後3時開場予定の一般の部にはファンも参加可能という。この日は長嶋さんの追悼試合として開催されている。

◆この日プロ初昇格した巨人のドラフト5位・宮原駿介投手(22)=東海大静岡=が、プロ初登板。1回無失点に抑えた。0-3の九回にマウンドへ。「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦で、特別仕様の背番号「3」のユニホームを着用。先頭の小幡を147キロの直球で空振り三振、1死から右前打を許したが、続く坂本を併殺打に打ち取った。2軍では26試合に登板し、防御率1.53と安定感のある投球を続けていた。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として行われた一戦で、阪神が2位・巨人に快勝し、マジックを一気に2つ減らして「24」とした。先発した村上頌樹投手(27)が今季3度目の完封勝利。今季最多に並ぶ9三振を奪うなど、主砲・岡本がけがから復帰した巨人打線を2安打に抑え込んだ。打線は一回に森下翔太外野手(25)が自己最多を更新する17号2ランで先制。三回には大山悠輔内野手(30)の2試合連続打点となる適時二塁打で追加点を挙げた。「7番・左翼」で先発した中川勇斗捕手(21)はプロ初の猛打賞を記録した。

◆巨人は6月3日に死去した終身名誉監督の長嶋茂雄さんの追悼試合として行われた一戦に2安打無得点で完敗。阿部慎之助監督(46)は「とても残念でしたけど、素晴らしい一日だった。みんな、その重圧に負けちゃったかな。(長嶋さんが生前なら)めちゃくちゃ怒られているんじゃないか」と申し訳なさそうに語った。阪神・村上の前にわずか2安打に終わり、完封負け。ただ、左肘靱帯の損傷で離脱していた岡本が「4番・三塁」で約3か月ぶりに復帰。無安打だったが、指揮官は「多少は急いでこの日に合わせてきてくれたと思う。チームも落ち着いていく、そういう良い方向に進んでくれれば良いなと思います」と期待した。試合前には松井秀喜氏の始球式で捕手役を務め、試合では背番号3の特別仕様のユニホームを着用。「長嶋さんを象徴する番号。恐れ多いくらいつけて良いのかなと」と特別な一日を振り返った。

◆「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された試合後、グラウンド上に歴代OBや選手、球団マスコットなどが集結し、三塁ベース付近に「3」の人文字を作った。試合は阪神・村上の前に2安打完封負けを喫した。

◆6月3日に89歳で死去した長嶋茂雄さんの追悼試合として開催された一戦で阪神が快勝した。25度目の無失点勝利で優勝マジックを2減の「24」とした。一回1死一塁、森下翔太外野手(25)のキャリアハイとなる17号本塁打で先制。三回1死一、三塁では大山悠輔内野手(30)の二塁打で3点目を加えた。2安打で今季3度目の完封勝利を飾った村上頌樹投手(27)は2年ぶりに2桁勝利(3敗)に到達。G戦初ゼロ封で通算成績を7戦4勝無敗とした。森下の本塁打は7月15日中日戦(甲子園)以来、22試合&92打席ぶり。また「脳振とう特例」で出場選手登録を抹消されていた長坂拳弥捕手(31)の復帰に伴い、原口文仁内野手(33)が降格した。

◆巨人・山崎伊織投手(26)が出場選手登録を抹消された。15日の阪神戦(東京ドーム)に先発し、4回4失点で降板していた。阿部監督はこの日の試合後、右腕について「状態もあまり良くなかったので。肩のスタミナがなかったのかどうなのか、っていうところ。けがとかではない」と説明した。山崎は今季ここまでチームトップの9勝を挙げ、防御率1.73と安定感のある投球を続けていた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)は一回に2ランを放った阪神・森下翔太外野手(25)に復調を感じ、今後のさらなる活躍に期待した。最近、結果が出てなかった森下だが一回の2ランで復調を感じた。嫌な負け方をした翌日に、いきなり先制パンチでベンチのムードを変えられる。これが中軸の仕事だ。森下の良さはフルスイング。そこに配球の読みの精度が上がると、一気に調子の波に乗る。開幕直後に打線を引っ張った時期は、配球を確実に読み切って仕留めていた。逆に読みがズレると調子を落とす。私の場合は、捕手目線で打者を見ることが多いが、捕手が一番リードしにくいタイプが森下だ。迷いなくスイングし始めると、当然ながら空振りが少なくなる。この日は4打席で1度もなかった。完ぺきな本塁打の後の3、4打席目の三ゴロもいい当たりだった。どんどん結果も伴ってくるだろう。村上の完封も見事だった。登板間隔を開けた藤川監督の采配がピタリとはまった感じだ。暑い夏場にもらった〝休養〟でスタミナも取り戻せた。低めに切れのある球を投げ込むスタイルはいつも通りだが、それが100球を超えて、九回になっても全く衰えなかった。9イニングを任せられる投手の存在は大きい。

◆巨人は16日、「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」を11月21日に東京ドームで開催すると発表した。関係者の部は午前10時30分に開式。一般の部は午後3時に開場し、午後7時に受け付け終了となる。

◆阪神は村上頌樹投手が2安打に抑えて二塁を踏ませず、今季3度目の完封で2年ぶりの10勝をマークした。打線は一回に森下の2ランで先制し、三回は大山の適時二塁打で加点した。巨人は井上が3回3失点で、攻撃も振るわなかった。村上のデータは以下のとおり。?阪神・村上が5月10日の中日戦(甲子園)以来、今季3度目の完封勝利。阪神の投手が巨人相手に完封勝利を挙げたのは、5月20日の才木浩人(被安打5、甲子園)に次いで今季2人目。?阪神の投手が東京ドームで完封勝利したのは、2022年8月19日の西勇輝(被安打3)以来3年ぶりで、被安打2での完封は西勇らの被安打3を抜く最少。巨人の本拠地で2安打以下の完封は本拠地が後楽園だった1971年7月15日の伊藤幸男(1安打)以来54年ぶり。?対巨人は初登板から負けなしの4連勝。阪神の投手が対巨人で初登板から無傷の4連勝は2023-25年のビーズリーが記録。日本投手では03-08年の江草仁貴以来17年ぶり。

◆元巨人監督、長嶋茂雄さん(享年89)の追悼試合として開催された阪神戦(東京ドーム)に先立って試合前にセレモニーが行われ、2013年に国民栄誉賞を同時受賞した〝まな弟子〟の松井秀喜氏(51)がセレモニアルピッチを務めた。サプライズで登場した王貞治氏(85)が左打席、原辰徳氏(67)が右打席に立ち、高橋由伸氏(50)が球審、阿部監督が捕手を務める超豪華布陣。松井氏は投球前に「(長嶋)監督、投げますね」と心の中でつぶやき、天に向かってボールを掲げた。ノーバウンド投球を披露すると、場内は拍手に包まれ「ホッとした。両打席に大レジェンドがおりましたので。ちょっと久しぶりに、ビビりました。監督が見守ってくれたんじゃないですか」と胸をなでおろした。恩師の盛大な追悼試合に「監督が一番喜んでくれているのでは」と語った。後輩たちには「現役選手は長嶋さんの現役、監督時代を肌で感じていない。この機会でより一層、どれだけ大きな存在か、選手は感じてプレーして、良いプレー、結果を届けてほしいと、特にきょうは感じました」とエールを送った。(浜浦日向)

◆阪神・中川勇斗捕手(21)がプロ初の猛打賞で存在感を放った。「自分の形を崩さずに振りにいった結果がいい感じになっている」。二回に詰まりながら左前に運ぶと、四回には左翼線二塁打でチャンスメーク。九回には逆方向にはじき返し、3安打目とした。この日、母校の京都国際が夏の甲子園で8強入り。「後輩に負けないように自分も名前を売っていかないと。まだ高校(の知名度)が先行しているので『いるんだぞ』っていうのを示していきたい」と力を込めた。

◆阪神・大山悠輔内野手(30)が適時二塁打で貴重な追加点を挙げ、連敗を阻止した。「きのうああやって負けて、きょうの試合はすごく大きいと思っていた。どんな形でも勝てたのが一番大きい」。2-0の三回1死一、三塁で先発井上の低め変化球を右中間へ運んだ。この日は長嶋さんの追悼試合。これまでもミスタープロ野球にちなんだ日に強さを見せてきた虎の背番号3は、改めて「計り知れないほどの偉大さがあると思う」とコメントした。

◆巧みなリードで導いた阪神・坂本誠志郎捕手(31)が、完封勝利の村上頌樹投手を絶賛だ。「真っすぐがめちゃくちゃよかった。最後まで球威が落ちることなく、しっかり腕を振ってくれたので、きょうは〝頌樹(村上)さまさま〟じゃないかな」。15日は最大4点リードから2本塁打などで痛恨の逆転負けを喫していた。同戦でもマスクを被った正捕手は「きのうの負け方から嫌な感じがしましたけど、それを全部(村上)頌樹が吹き飛ばしてくれた」と感謝した。

◆花形といえるホットコーナーで虎の4番が輝いた。快音響かずとも、存在感を放つスター性-。長嶋さんのように、阪神佐藤輝明内野手(26)が守備で躍動した。「(守備の)成長も感じているし、自信を持ってプレーしています」五回、まずは三塁後方ファウルゾーンを襲った中山の打球を後ろ向きでスライディングキャッチ。続くリチャードが天井ギリギリの飛球を放つと三塁ベンチ前で飛びつくように白球をつかんだ。六回は三塁線を襲った岸田の打球を身をていして好捕。惜しくも内野安打となったが、その球際の強さに阪神ファンが沸き立った。「僕は長嶋さんの現役時代も監督時代もリアルタイムで見たことはないですが、プロ野球を作ったレジェンドの方だと思っています」長嶋さんといえば、ファンを沸かせる華麗な守備も魅力だった。「僕にはまだその余裕はないですよ。毎日必死です」。課題だった守備面だが、今季はまだ2失策。4打数無安打に終わりながらも美技連発のサトテルがミスターと重なった。(原田遼太郎)

◆体をのけぞらせるほどのフルスイングで白球をかっ飛ばした。阪神・森下翔太外野手(25)が1カ月分のうっぷんをためたアーチは、左翼スタンド上のバルコニー席に着弾。長嶋さんの追悼試合で、キャリアハイとなる17号2ランを放った。「自分の(最多)タイ記録でずっと止まっていて、久しぶりにまず1本が出たんで。とりあえずは出せたっていうのは良かったかなと思います」試合開始前から盛大なセレモニーが執り行われ、余韻も残る初回から攻め立てた。先頭の近本が四球で出塁し、中野が犠打でつなぎ1死二塁。ここで打席に立った背番号1。浮足立つ巨人先発・井上の真ん中スライダーを完璧に捉えた。打った瞬間に本塁打を確信。直前5試合は打率・182と下降気味だっただけに、7月15日の中日戦(甲子園)以来となる22試合、92打席ぶりの先制2ランに感情が爆発した。さらに両リーグトップとなる16度目決勝打となり勝負強さは健在だ。藤川監督も「久々と言いますか、とにかくゲームに出続けて、その中でいろんなものを乗り越えていくというような選手ですから。いい一本だったんじゃないですかね。昨日もいいタイムリーが出ていましたから」とこの一発に浮上のきっかけを期待する。この日の東京ドームは長嶋さんを弔う特別な一戦。野球というスポーツを全力プレーで、国民に根付かせた英雄に「今、自分たちがこうして野球ができているのも『伝統の一戦』という風になっているのも、長嶋さんだったり、先人の方たちのおかげだと思う。そういう特別な日に打てたというところもすごく良かったんじゃないかなと思います」と改めて敬意を口にし、特大ホームランで追悼の意を示した。「1打席目の後にも打てる球もあったんで、それを捉えられるようにしたいなと思います」令和の野球界を担う男として、ミスターを永遠に忘れない。森下がファンを喜ばせるプレーを見せ続ける。(渡辺洋次)?...阪神・森下が自己最多を更新する今季17号本塁打。7月15日の中日戦(甲子園)の4打席目に16号を放って以来、22試合、92打席ぶりの本塁打となった?...森下が決勝打を放つのは7月10日の広島戦(マツダ)以来、今季16度目。15度で並んでいた佐藤輝を引き離し、両リーグ単独トップ

◆今年の巨人を、よりによってこの日に、象徴してしまったね。前日15日、4点差をはね返すという、めったにない勝ち方を見たとき、長嶋さんがおりてきて「コラ、しっかりせい」とカツを入れたのか、と感じたものだ。その好ムードも、続かない。肝心の長嶋さんの追悼試合だというのに、岡本が4番サードで戻ったというのに、完敗。上昇気流に乗れないのが、今の巨人のもどかしさ。打線は音無しで、きっかけすら、つかめなかった。初球からどんどん、ストライクを真ん中に投げてこられたくらいだから、村上に完全に、のまれていた。いや、きっかけをつかもう...という気持ちすら、伝わってこなかった。なんとかしようという策も、構えも、何もないのだから寂しい限り。各チームの好投手を打ち崩さないことには、結局は勝率5割ラインを行ったり来たり。数々のミラクルを起こした長嶋さんは天国で、どう思われているかな。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆なんとまあ、豪華なセレモニアルピッチ(始球式)だったことか。マウンドに松井秀喜さん(通算本塁打507本)。右打席に原辰徳さん(382本)。左打席に王貞治さん(868本)。捕手は巨人・阿部慎之助監督(406本)。球審が高橋由伸さん(321本)。ここに、天国の長嶋茂雄さんの444本を加えると、2928本塁打-。これだけのアーチストを集められるのは巨人だけ。巨人の偉大さを改めて感じる、「長嶋茂雄さん追悼試合」のオープニングだった。みんなが愛した長嶋さん。巨人は嫌いだけれど、長嶋さんだけは好きという野球ファンは多い。長嶋さんに打たれたのなら仕方がない、という球界OBがあっちにも、こっちにも。いつまでも、野球界を見守っていただきたい。ただ、追悼試合の中身は、勝敗にこだわり続けた「勝つ! 勝つ! 勝つ!」の長嶋さんに申し訳ないぐらいの、阪神の快勝だった。お昼前のMBSテレビ「せやねん!」に、前監督の岡田彰布球団オーナー付顧問がゲスト出演していた。世の中で数少ない「長嶋は敵」と言い続けてきた御方。この話題になると「阪神は巨人に勝たないといけないんやから。当然やろ」と笑っていた。その岡田顧問が生放送で阪神ファンを思いっきり楽しませてくれた。

◆長嶋茂雄さんの追悼試合でした。正直、長嶋さんがいないのが、いまだに信じられない俺がいて...。それどころか、耳を澄ませば子供の頃に幾度となく聞いた「4番サード、長嶋」という後楽園球場のアナウンスが聞こえてきそうで...。虎党の俺に最も苦汁を飲ませ続けた人、それでも憎みきれなかった太陽の人、長嶋さんFOREVER!!こんな特別中の特別な伝統の一戦で、巨人打線を初完封した村上を長嶋監督なら何と言うだろう?「いや~、最後までスピードもコントロールも素晴らしかったですね~。いわゆる、あれがエースの仕事なんです! まさに阪神の村GOD(村上)じゃないでしょうか~」と、負けたことさえ度外視して絶賛していたんじゃないかなあ? 長嶋さんはそーいう人なんです。先制2ランの森下も、長嶋さんと同じ背番号3でタイムリーを打った大山もありがとう!!でも俺の本日の野手のMVPは、長嶋さんと同じサードの佐藤輝。五回は背走スライディングでの美技に加え、フライの目測を誤り慌てて飛びついての曲芸捕球。どこか長嶋茂雄を思い出させてくれたのでした。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
65412 0.613
(↑0.003)
M24
(↑2)
35369
(+3)
252
(-)
68
(+1)
84
(-)
0.244
(-)
2.070
(↑0.02)
2
(-)
巨人
52523 0.500
(↓0.005)
12
(↓1)
36317
(-)
317
(+3)
67
(-)
43
(-)
0.241
(↓0.001)
2.660
(-)
3
(-)
DeNA
49525 0.485
(↑0.005)
13.5
(-)
37348
(+6)
328
(-)
69
(+2)
50
(-)
0.240
(-)
2.850
(↑0.03)
4
(1↑)
広島
46555 0.455
(↑0.005)
16.5
(-)
37323
(+5)
340
(+3)
55
(+2)
48
(-)
0.241
(↑0.001)
2.920
(-)
5
(1↓)
中日
47582 0.448
(↓0.004)
17.5
(↓1)
36284
(-)
326
(+6)
57
(-)
63
(+1)
0.226
(↓0.001)
2.850
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
38595 0.392
(↓0.004)
22.5
(↓1)
41286
(+3)
401
(+5)
55
(-)
45
(-)
0.229
(↑0.001)
3.540
(↓0.01)