1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 | 0 |
広島 | 0 | 0 | 4 | 0 | 3 | 0 | 0 | 2 | X | 9 | 15 | 0 | 1 |
勝利投手:床田 寛樹(8勝8敗0S) 敗戦投手:大竹 耕太郎(6勝2敗0S) 本塁打 |

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◆広島は2点を先制された直後の3回裏、末包の適時打とモンテロの3ランで4点を挙げ、逆転に成功する。その後は、5回に小園と末包が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・床田が7回2失点7奪三振の力投で今季8勝目。敗れた阪神は、先発・大竹が精彩を欠いた。
◆阪神高寺望夢内野手(22)がブレークの兆しを見せている。直近の8~10日のヤクルト3連戦(京セラドーム大阪)で計9打数7安打と大爆発。10日は自身初の3安打で勝利に貢献した。上田西(長野)時代から卓越したバットコントロールが売り。昨年はウエスタン・リーグで最多安打をマークし「2軍卒業」のレベルに達した。左翼のレギュラー争いは激しい。開幕からスタメンだった前川右京外野手(22)は当初は期待通りの活躍をしたものの、競争の中に逆戻りした。以後は、豊田寛外野手(28)、中川勇斗捕手(21)らが日替わりで務めてきた。遊撃が本職の高寺だが、高い守備センスで外野もこなし、にわかに筆頭候補に躍り出た。
◆阪神は今季、雨天中止の次の試合はすべて勝ってきた。それまでの中止は4試合すべて甲子園。4月10日のヤクルト戦中止のあとは11日の中日戦(甲子園)に6-3。4月13日の中日戦中止のあとは1日空いて15日のヤクルト戦(松山)に5-1。5月9日の中日戦中止のあとは10日の同戦に2-0。7月17日の中日戦中止後は19日の巨人戦(東京ドーム)に4-0。11日の広島戦は初のビジター中止となった。今季8勝1敗と大の得意とするマツダスタジアムで好相性を発揮できるか。
◆阪神岩崎優投手が12日、1軍に合流した。腰の疲労のため、2日に出場選手登録抹消。1軍登録されれば、10日間での最短1軍復帰となる。シーズン中に出場選手登録を抹消されたのは、22年6月13日以来3季ぶりだった。10日には、抹消後初めてブルペンで本格的に投球し「(間隔が)空いていたので、めちゃめちゃ良かったわけではないが、投げていれば戻ってくるので問題ない。体の疲労は抜けている」と手応えも語っていた。
◆阪神岩崎優投手(34)が出場選手登録された。同投手は2日に、腰の疲労により出場選手登録を抹消。2軍で調整し、最短10日間の抹消で1軍に復帰した。同投手は開幕から39試合に登板し、1勝2敗23セーブ、6ホールド、防御率1・66。抹消前日の1日のヤクルト戦(神宮)では1点リードの9回に登板し、1死一、二塁から代打宮本に左前同点適時打を浴びていた(自軍が延長10回に逆転し、勝利投手)。またこの日先発の大竹耕太郎投手(30)も出場選手登録され、椎葉剛投手(23)が同抹消された。
◆阪神がスタメンを大幅に変えて試合に臨んだ。この日は中野拓夢内野手(29)、佐藤輝明内野手(26)がベンチスタート。1番から5番までは開幕からほぼ固定してきたが、今後の優勝争いを鑑み、スタメンから下げた模様だ。阪神は前日の同カードも雨天中止が決まると、藤川球児監督の考えで先発投手以外は全選手静養に。一部選手は自主的に練習したが、主力選手は球場に姿を見せなかった。熊谷敬宥内野手(29)を「2番遊撃」、4番には左翼で前川右京外野手(22)を座らせ、8番二塁に植田海内野手(29)を起用。また、木浪聖也内野手(31)を「6番三塁」で6月12日西武戦(ベルーナドーム)以来のスタメン起用になった。先発大竹耕太郎投手(30)は前日まで今季広島戦が4戦4勝。無傷の5連勝での今季7勝目を目指す。
◆広島床田寛樹投手(30)が先発マウンドに上がる。今季ここまで阪神戦は6試合に登板して1勝5敗、防御率2・92。勝ち運に恵まれていない。同カード7試合目の登板となる今日12日こそ、4月19日以来の勝利を目指す。打線は「1番中堅」に中村奨成外野手(26)を起用した。「7番三塁」にはドラフト1位ルーキー佐々木泰内野手(22)が名前を連ねた。佐々木は6月6日西武戦(マツダスタジアム)以来となる先発。「右第1肋骨(ろっこつ)の疲労骨折」で同7日に出場選手登録を抹消。約2カ月ぶりにこの日1軍に再昇格し、即スタメン出場となった。また、10日中日戦(バンテリンドーム)で打球が右手の平に当たった中崎翔太投手(33)はベンチ入りメンバーから外れた。
◆阪神前川右京外野手(22)がプロ初の4番出場で先制打を放った。3回2死一、三塁の第2打席。先発床田の139キロ速球を捉え、ピッチャー強襲の内野安打を放った。第1打席では2死二塁の場面で二ゴロに倒れていた中、即座に挽回の一打を決めた。7月16日中日戦以来、約1カ月ぶりのスタメン出場で任された「4番左翼」。阪神の第111代4番となった中、きっちりと結果を出した。
◆広島床田寛樹投手(30)がアクシデントに見舞われた。0-0で迎えた3回、2死一、三塁の場面、阪神前川右京外野手(22)の打球が軸足である左足太もも付近に直撃した。この打球は転がって二塁手菊池涼介内野手(35)の前へ。ただ、打球の勢いがなくなっており、捕球しても一塁への送球ができなかった。結果、内野安打となり、三塁走者が生還して1点を先制された。床田はいったん、治療のため、ベンチに下がったが、その後も続投。2死満塁のピンチを迎え、木浪聖也内野手(31)に押し出し四球を与えて2点目も失った。
◆広島エレフリス・モンテロ内野手(26)が「打ち直しアーチ」を放った。0-2で迎えた3回だ。末包昇大外野手(29)の左前適時打で1点差とした後、5番モンテロがみせた。カウント1ボールからの2球目、阪神先発大竹の116キロチェンジアップを捉えた。打球はレフトポール際への大飛球だったが、惜しくもファウル。スタンドのカープファンからは大きなため息が漏れた。しかし、その直後だった。大竹の3球目、114キロのチェンジアップをまたしてもうまく捉えた。今度は左翼席ギリギリに入った。打ち直しで放った6号3ラン。4-2と逆転した。モンテロはこの本塁打が8月3本目のアーチ。真夏に入り、調子が上がっている。ちなみに、来日初アーチは5月17日阪神戦(甲子園)で記録。相手投手は大竹耕太郎投手(30)だった。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が5回途中7失点でKOされた。7失点は23年の阪神移籍後ワースト。ソフトバンク時代に8失点がある。2点先制した直後の3回、末包昇大外野手(29)の左前打で1点返され、続くエレフリス・モンテロ内野手(26)に逆転3ランを浴びた。5回にも長短打などで3失点し、1死も取れないままイニング途中で交代を告げられた。これまで通算13勝1敗の広島キラー。今季も前の対戦まで4戦全勝、防御率0・99だった。もし敗れれば昨年8月10日以来の広島戦黒星。当該対戦の連勝は5で止まる。大竹は前日11日に先発予定だったが雨天中止のためスライド登板していた。
◆広島に好相性を誇る阪神大竹耕太郎投手(30)がまさかのビッグイニングを許した。2点先制した直後の3回。末包昇大外野手(29)の左前打で1点返され、続くエレフリス・モンテロ内野手(26)に左翼越えの逆転3ランを浴びた。モンテロには直前の1球で、左翼ポール際ぎりぎりに切れる大きなファウルを打たれていた。通算13勝1敗の広島キラー。今季も前の対戦まで4戦全勝、防御率0・99だった。前日11日に先発予定だったが雨天中止のためスライド登板していた。
◆広島打線が苦手・阪神大竹耕太郎投手(30)を攻略した。大竹には今季ここまで4戦4敗、防御率0・99に抑え込まれていた。しかし、このままやられっ放しという訳にはいかない。0-2で迎えた3回だった。2死一、二塁から末包昇大外野手(29)が左前タイムリーで1点を返すと、続くエレフリス・モンテロ内野手(26)が左翼席に逆転6号3ランを放った。左翼ポール際に大ファウルを放った直後、「打ち直し」でアーチを掛けた。5回にも打線がつながった。無死一、二塁から小園海斗内野手(25)が右前適時打。さらに末包が2点適時二塁打を放ち、この回も3点を追加。鯉キラーの大竹をKOした。投げては先発床田寛樹投手(30)が好投した。3回、打球が左足に当たるアクシデントがありながら、丁寧な投球を続けた。今季ここまで阪神戦は6試合に登板して1勝5敗、防御率2・92。勝ち運に恵まれていなかったものの、この日は打線の援護もあった。7回5安打7三振2失点で降板。6月21日楽天戦(マツダスタジアム)以来となる勝ち星、今季8勝目をマーク。対阪神戦に限れば今季7試合目の登板で、4月19日(甲子園)以来の白星を手にした。
◆阪神が今季ワースト9失点を喫し、3連勝を逃した。巨人も勝利したため、優勝マジックは28のままとなった。「広島キラー」大竹耕太郎投手(30)が、まさかの5回途中7失点でKOされた。2点の援護を受けた3回、2死一、二塁で広島4番末包に左前適時打を浴びると、続くモンテロに左中間へ逆転3ランを浴びた。さらに、5回は先頭中村奨から3本の安打と四球で3失点。7失点は23年の阪神移籍後ワースト。広島戦は昨年8月10日(京セラドーム)以来の黒星で、今季は4勝1敗、通算13勝2敗。マツダスタジアムでは通算11試合目で初黒星となった。この日、打線はスタメンを大幅入れ替え。中野拓夢内野手(29)、佐藤輝明内野手(26)、小幡竜平内野手(24)がベンチスタートとなった。代わってプロ初の4番で先発した前川右京外野手(22)は、3回2死一、三塁で投手強襲の先制適時打。この回木浪の押し出し四球でさらに1点を追加した。前川は5回1死から三塁線へ安打をマーク。しかし、打線は反撃とはならなかった。8回には4番手桐敷拓馬投手(26)が3連打から2死満塁のピンチを招き、代打前川に2点右前適時打を献上。チームとしては今季ワースト9失点となった。
◆阪神が今季ワーストの9失点を献上した。広島に強い先発の大竹耕太郎投手(30)が5回途中で7失点。8回に4番手の桐敷拓馬(26)も2失点した。これまでの最多は「8」で、8月3日のヤクルト戦(神宮)と同7日の中日戦(バンテリンドーム)で立て続けに記録したばかり。短期間でまた更新した。
◆阪神が今季ワースト9失点を喫し、3連勝を逃した。巨人も勝利したため、優勝マジックは28のままとなった。「広島キラー」大竹耕太郎投手(30)が、まさかの5回途中7失点でKOされた。7失点は23年の阪神移籍後ワースト。広島戦は昨年8月10日(京セラドーム)以来の黒星で、今季は4勝1敗、通算13勝2敗。マツダスタジアムでは通算11試合目で初黒星となった。藤川球児監督(45)は「今までたくさん相手といい勝負をしてきて、きょうは広島の方が上回ったかなというところではありました」と冷静に振り返った。この日、打線はスタメンを大幅入れ替え。中野拓夢内野手(29)、佐藤輝明内野手(26)、小幡竜平内野手(24)がベンチスタートとなった。代わってプロ初の4番で先発した前川右京外野手(22)は、3回2死一、三塁で投手強襲の先制適時打を放つなど、4打数2安打1打点。「打線はいい流れで得点に結びつけることができていたんで、いい攻撃はできていたかなと思います」と話した。
◆阪神2番手ハートウィグ投手(27)が見事に火消しした。先発大竹が5回に3点を失い、なおも無死二塁で登板。先頭のモンテロをツーシームで右飛に仕留めると、菊池、佐々木はスライダーでともに打ち取った。「ああいう場面は簡単ではないけど、1球1球、1人1人と心がけた。それができた」と納得顔。来日4試合目となり、日本のマウンドには「投げる頻度が上がれば慣れてくると思う。投げさせてもらえれば慣れてくる」と頼もしく話した。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が今季初のベンチスタートも、2位近本に3毛差で首位打者に浮上した。6回の守備から途中出場。9回2死の打席で広島辻から左翼へ二塁打を放ち、2打数1安打で打率は2割9分1厘2毛となった。「どこかに異変があるとかは全くない。監督、コーチの考えだと思うので」と問題なしを強調した。
◆広島エレフリス・モンテロ内野手(26)が「打ち直しアーチ」でチームを4位浮上に導いた。3回、1点を返してなおも2死一、二塁。阪神大竹の2球目、チェンジアップを左翼ポール際へ大ファウル。スタンドの鯉党はため息を漏らした。だが、直後の3球目、114キロのチェンジアップをドカン。今度は左翼席へ逆転6号3ラン。球場が大歓声に包まれた。「同じ球種、何とか捉えた。(大竹は)緩急を使ってくる。打ってやろうという気持ちでした」今季ここまで4戦4敗だった大竹を、モンテロが打ち砕いた。8月3本塁打の助っ人が打線のスイッチを入れた。5回には小園、末包の適時打で3点を追加し、鯉キラーをKO。8回には、支配下登録されたばかりの前川が代打で2点タイムリーも飛び出した。新井監督は「いい攻撃だった。ウチらしいね。全員でいい野球ができた」と手応え十分。4位浮上で、3位DeNAとも1ゲーム差。カープの夏祭りはこれからが本番だ。
◆本塁打、打点トップの阪神佐藤輝明内野手(26)が欠場した。体調不良だった4月9日に続く今季2試合目。9連戦中でもあり、レギュラー陣は休養を取りながら戦っている。試合後は明るい表情で「コーチと話し合って決めました。(体調は)全然大丈夫です。明日になれば分かると思います」と引き揚げた。11日の雨天中止も含めて2連休。体調万全でラインアップに戻りそうだ。
◆阪神前川右京外野手(22)が4年目でプロ初の4番に座り、3回に投手強襲の先制打を放つなどマルチ安打で復活の兆しを見せた。打線をけん引してきた4番佐藤輝明内野手(26)、2番中野拓夢内野手(29)がベンチスタート。藤川球児監督(45)は主力に休養を与えつつ、復調が待たれる若武者の奮起を促し、前川も期待に応えた。チームは敗れ、優勝へのマジックは「28」のまま。首位を独走しているからこその大胆なオーダー変更だった。虎の第111代4番打者が「デビュー戦」で結果を残した。前川がプロ4年目で初めて4番に座った。3回2死一、三塁の第2打席。広島先発床田の外角低めへの139キロツーシームを振り抜くと、打球はマウンドの左腕を強襲。タイムリー内野安打で先制点をチームにもたらした。「与えられたチャンスで結果残せなかったら生きていけない世界なんで。今日は今日でよかったかなと思います」5回にも床田を攻略。146キロの直球をはじき返し、三塁強襲の内野安打で出塁した。開幕当初はクリーンアップの後ろを支える6番を期待された。結果を残せず2度の出場選手登録抹消を経験。2軍でもがいてきた和製大砲はチャンスに貪欲だった。4番通達はこの日の球場入り後で「4番か、みたいな感じでした」とサラリ。球団では日本ハム新庄監督の現役時代以来、高卒4年目での4番起用。それを伝え聞くと「ありがたいですし。頑張りたい」と素直に喜んだ。首位を独走する藤川阪神はオーダーを大胆に変更した。主砲としてチームをけん引し、打撃3冠も視野に入れる佐藤輝を外した。首位打者を争い開幕から全試合スタメン出場を継続してきた中野もベンチ発進。「2番遊撃」に熊谷、「8番二塁」に植田、木浪を「6番三塁」で起用した。藤川監督は常々、「選手のコンディションを一番大切にしなければいけない」と体調管理を重要視。前日の同カードでは雨天中止が決まると、指揮官の考えで先発や中継ぎ投手、一部野手の計7人をのぞき、休養を与えていた。打線組み替えに指揮官は言葉を濁したが、「打線としてのいい攻撃というのはこれまでの床田投手との対戦のなかで順調に攻撃できていたのじゃないかなと思いますので」と話した。この試合前の時点で、今季床田に対し、佐藤輝は打率1割5分4厘、中野は7分1厘だった。小幡も含め相性面も考慮した模様だ。4番で復調の兆しを見せた前川は前を向く。「徐々に良くなってきていると思うんで、1軍来た以上は結果しかないと思う。マルかバツかだと思うんで」。チームは敗れ、マジックは「28」のままとなったが、戦力維持に気を配りながら、リーグ優勝への道を進む。【伊東大介】
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が、得意の広島打線にまさかの大量点を奪われた。5回途中9安打7失点。まさかの結果で、今季2敗目を喫した。「単純に力が足りないだけですね。そんなに、ああだこうだ理由は言いたくない。力が足りないなと」2点の援護をもらった直後の3回だ。中村奨の中前打、小園の右前打などで2死一、二塁のピンチ。4番末包の三遊間を破る左前適時打で1点を返された。直後、なおも2死一、二塁の場面。5番モンテロの打球は高々と上がり、そのまま左翼席に飛び込む逆転3ランとなった。5回にも末包に左中間への2点適時二塁打を浴びるなど3失点。無死二塁のまま、5回途中で降板を告げられた。「すごく気持ちよくスイングされていた。それは今日中に振り返りながら。また当たると思うし、それを見てどういう投球すべきだったか」7失点は阪神移籍後ワースト。ソフトバンク時代の21年3月31日オリックス戦以来、約4年ぶりの失点数となった。チームにとっても9失点大敗は今季ワースト。藤川監督は「今までたくさん相手といい勝負をしてきて、きょうは広島の方が上回ったかなというところではありましたね」と大竹の投球を振り返った。この試合まで、大竹は広島戦5連勝中だった。得意としてきた相手に対して昨季8月10日以来、約1年ぶりに敗戦投手に。敵地マツダスタジアムでは無傷9連勝中だったが、プロ初黒星を喫した。試合前まで0・89だった今季の対戦防御率は2・87となった。「別に悲観しすぎる必要はない。これだけ勝ってきているので、勝っている分だけ相手も悔しい思いをしている。負けた時にどういう自分でいられるか。悲嘆する必要ないと思うけど、しっかり次勝てるように考えてやっていきたい」前向きに反省し、次戦でのリベンジを誓った。【波部俊之介】
◆広島打線が苦手・阪神大竹耕太郎投手(30)を攻略した。大竹には今季ここまで4戦4敗だったが、ついにKOした。0-2で迎えた3回だった。2死一、二塁から末包昇大外野手(29)の左前タイムリーで1点を返すと、続くエレフリス・モンテロ内野手(26)が左翼席に逆転6号3ランを放った。5回無死一、二塁から小園海斗内野手(25)が右前適時打。さらに末包が2点適時二塁打を放ち、鯉キラーの大竹をKO。8回には、支配下登録されたばかり前川誠太内野手(22)が代打でダメ押しの2点適時打を放った。投げては先発床田寛樹投手(30)が7回5安打7三振2失点で今季8勝目をマークした。投打がかみ合い、首位阪神に勝利。チームは4位に浮上。3位DeNAに1ゲーム差と迫った。
◆阪神の岩崎優投手(34)が試合前練習に合流した。開幕からクローザーを務めていたが1日のヤクルト戦(神宮)でセーブに失敗。疲労を考慮され、2日から抹消され、最短での再登録となる見込み。また10日のヤクルト戦(京セラ)で途中交代していた近本光司外野手(30)も球場入りした。
◆阪神の岩崎優投手(34)と大竹耕太郎投手(30)が出場選手登録された。大竹は前回登板から中13日で、得意の広島戦に先発。2日に疲労を考慮されて抹消されていた岩崎は、最短での再登録となった。代わって中継ぎの椎葉剛投手(23)が抹消。8日から1軍に昇格していたが、登板機会がないまま降格となった。
◆阪神がスタメンオーダーを大幅に変更した。9日に1軍に昇格した前川右京外野手(22)はプロ初の4番で出場。佐藤輝明内野手(26)は4月9日のヤクルト戦(甲子園)以来のベンチスタートとなった。また中野拓夢内野手(29)も今季初のベンチスタートで二塁には今季初スタメンの植田海内野手(29)が入った。三塁には木浪聖也内野手(31)が務める。10日のヤクルト戦(京セラ)で六回の守備から退いていた近本光司外野手(30)は「1番・中堅」。〝変革オーダー〟で広島と激突する。
◆13日の20回戦に先発する阪神の高橋遥人投手(29)は、キャッチボールなどで調整を済ませた。昨年11月に受けた「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」から復活して3試合に登板し、1勝0敗、防御率2・04を残す。今季最も間隔の短い中7日の登板にも、「短いっていう感じもしていないので、特に変わりなく。ちょっとずつ良くなっている感じは、普段から感じるので。それを試合でしっかり発揮できればなと思います」と気持ちを込めた。広島打線とは今季初対戦となるが、昨季は3戦3勝をマーク。「いつも通りストライク先行でカウント有利に進めていって、という感じですかね。集中して一人一人抑えていければ」と意気込み、2勝目を目指す。
◆阪神・前川右京外野手(22)が「4番・左翼」で出場。三回に先制打を放った。先頭の大竹が中前打で出塁すると近本も右前へクリーンヒット。3年ぶりとなる2番出場の熊谷の併殺崩れの遊ゴロで、この試合で初めて三塁に走者を置いた。森下が三球三振に倒れて2死一、三塁となったが、このチャンスを逃さなかったのが、プロ初となる4番に抜てきされた前川だ。カウント2-1から速球をとらえると、打球はマウンド上の床田に直撃する痛烈なライナー。これが適時内野安打となり、先制の1点をもたらした。「打ったのはツーシームかな。2アウトでしたし、打つことに集中して、コンパクトなバッティングができたと思います。逆転されてしまったので、まずは早く追いつけるように頑張ります」と前川。価値ある4番初安打は、9日の1軍再昇格後初の快音。7月8日の広島戦(マツダ)以来、約1カ月ぶりとなる打点もマークし、ベンチの期待に応えてみせた。さらに、その後の満塁機では三塁スタメンとなった木浪が押し出し四球を選び、2点目。〝満塁男〟らしく冷静に打席に立ち、追加点を呼び込んだ。
◆先発した広島・床田寛樹投手(30)がアクシデントに見舞われた。0ー0三回2死一、三塁。前川が放った痛烈な打球が床田の左足付近を直撃。三走が生還し、床田も治療のため、一塁ベンチ裏へと下がった。しばらくしてからマウンドに戻ってきた左腕は投球練習を行い、状態をチェック。プレーを続行したが、連続四球を与え、押し出しでさらに1点を失った。チームは10日の中日戦(バンテリンドーム)でも中崎が打球が右手に当たり痛めたばかりで、この日も大事を取ってかベンチ外。相次ぐアクシデントにヒヤリとするシーンとなった。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)は三回に一挙4失点を喫し、逆転を許した。味方が2点を先制した直後。1死から中村奨に安打を浴びると、2死から小園にも右前打とされ、2死一、二塁から末包に左前適時打を許し、1点を失う。なおも2死一、二塁でモンテロとの勝負。1ボールからの2球目を痛打されるも左翼ポール際に切れ、命拾いしたかと思えた直後の3球目。再び高々と左翼に打ち上げられ、白球はそのままスタンドに消えた。痛恨の逆転3ランに、打たれた大竹は思わずマウンドで膝に手をついてがっくり。無類の強さを誇っていたマツダスタジアム通算11試合目での初被弾となり、4失点も自己ワーストとなった。スコアは2-4と、一転してビハインドの展開になった。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)は五回途中7失点で降板した。雨天中止からスライドで先発となった大竹は三回に2点の援護をもらうも、守り切れなかった。三回、上位打線に連打を浴びて1点を返されると、なおも2死一、二塁からモンテロに逆転の3ランを浴びる。これがマツダスタジアム通算11試合目で初めて浴びた本塁打となった。四回は3人で片づけるも、1番から始まる五回にも広島打線に捕まる。中村奨に安打を許すとファビアンに死球を与えて小園の適時打で1点を失い、さらに末包にも2点二塁打を浴び、2-7となったところで降板となった。7失点は移籍後ワースト。中13日で臨んだ得意のマツダのマウンドだったが、力を出し切れなかった。
◆今季初めてスタメンを外れていた阪神・中野拓夢内野手(29)が六回の守備から途中出場。2022年8月18日ヤクルト戦(神宮)からの連続試合出場を「423」とした。六回の攻撃が終了した直後、ベンチ前で短くキャッチボールを済ませ、駆け足で定位置に入った。休養でのベンチスタートとみられていたが、2-7と大きくビハインドとなったところで出場。七回の先頭で打席が回る投手と代わって9番に入る。七回先頭の打席では三振に倒れた。
◆阪神は広島に完敗し、前半戦から続いていたカード勝ち越しは6でストップとなった。この日は不動のレギュラーとして戦ってきた中野拓夢内野手(29)と佐藤輝明内野手(26)がベンチスタート。代わって前川右京外野手(22)が第111代の4番打者に座った。二回にその前川の適時内野安打と押し出しの四球で2点に先制する。しかし、マツダスタジアムで無類の強さを誇ってきた大竹耕太郎投手(30)がこの日は捕まった。三回にモンテロにマツダで初被弾となる3ランを浴びるなど4点を失うと、五回にも3失点。移籍後ワーストの7失点で、マツダで初黒星を喫した。八回には4番手の桐敷拓馬投手(26)が2点を失い、チームとしても今季ワーストの9失点。2位巨人も勝利したため、優勝へのマジックは変わらず28のままとなった。
◆先発した広島・床田寛樹投手(30)は7回2失点で今季8勝目となった。6月21日の楽天戦(マツダ)以来、登板7試合ぶりとなる白星を挙げた。床田は立ち上がりから走者を背負いながらも粘りの投球。三回には打球が左足付近を直撃するアクシデントに見舞われたが、治療を経て続投。先発として役割を果たした。打線は2点を追う三回に反撃し、まずは2死一、二塁から末包が左前適時打。1点差とすると、続くモンテロが左翼席へ逆転3ランを放った。その後も五回に小園の適時打、末包の2点二塁打で大竹から計7得点を奪った。
◆阪神が今季ワーストの1試合9失点で逆転負け。マツダ10戦9勝無敗だった大竹耕太郎投手(30)が2点の援護を受けた直後の三回、1点を返され、エレフリス・モンテロ内野手(26)に逆転3ランを浴び、3点を失った五回途中7失点で降板した。八回は岩貞祐太投手(33)が2点を奪われた。打線は佐藤輝明内野手(26)が4月9日ヤクルト戦(甲子園)、中野拓夢内野手(29)はフルイニング出場が止まった2024年7月17日巨人戦(東京D)以来のベンチスタート。球団111代4番・前川右京外野手(22)が三回2死一、三塁、先制の投手強襲内野安打。三塁に入った木浪聖也内野手(31)の押し出し四球を選んだが、2得点のみ。マツダで初本塁打を喫した大竹は2敗目(6勝)。中野は六回の守備から二塁に就き、佐藤輝は2度目の欠場。巨人が中日戦で勝利したため、優勝マジックは「28」のまま(成績=63勝40敗2分、観衆=3万1940人)。
◆阪神が今季ワーストの1試合9失点で逆転負け。マツダ10戦9勝無敗だった大竹耕太郎投手(30)が2点の援護を受けた直後の三回、1点を返され、エレフリス・モンテロ内野手(26)に逆転3ランを浴び、3点を失った五回途中7失点で降板した。八回は岩貞祐太投手(33)が2点を奪われた。打線は佐藤輝明内野手(26)が4月9日ヤクルト戦(甲子園)、中野拓夢内野手(29)はフルイニング出場が止まった2024年7月17日巨人戦(東京D)以来のベンチスタート。球団111代4番・前川右京外野手(22)が三回2死一、三塁、先制の投手強襲内野安打。三塁に入った木浪聖也内野手(31)の押し出し四球を選んだが、2得点のみ。マツダで初本塁打を喫した大竹は2敗目(6勝)。中野は六回の守備から二塁に就き、佐藤輝は2度目の欠場。巨人が中日戦で勝利したため、優勝マジックは「28」のまま。
◆阪神が今季ワーストの1試合9失点で逆転負け。マツダ10戦9勝無敗だった大竹耕太郎投手(30)が2点の援護を受けた直後の三回、1点を返され、エレフリス・モンテロ内野手(26)に逆転3ランを浴び、3点を失った五回途中7失点で降板した。八回は岩貞祐太投手(33)が2点を奪われた。打線は佐藤輝明内野手(26)が4月9日ヤクルト戦(甲子園)、中野拓夢内野手(29)はフルイニング出場が止まった2024年7月17日巨人戦(東京D)以来のベンチスタート。球団111代4番・前川右京外野手(22)が三回2死一、三塁、先制の投手強襲内野安打。三塁に入った木浪聖也内野手(31)の押し出し四球を選んだが、2得点のみ。マツダで初本塁打を喫した大竹は2敗目(6勝)。中野は六回の守備から二塁に就き、佐藤輝は2度目の欠場。巨人が中日戦で勝利したため、優勝マジックは「28」のまま。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)はスタメンから佐藤輝明内野手(26)、中野拓夢内野手(29)を外した阪神・藤川球児監督(45)の決断に疑問を呈した。藤川監督には思惑があってのスタメンの大幅変更だろうが、先発投手は、これをやられると一番困る。マウンドに向かう前に当然、自軍のスタメンを見る。中野、佐藤輝がいなくなった打線を見た大竹は口には出さないが「今日は援護がいつもより少ない」と思ったはず。私が現役時代、野村監督が大幅にスタメンを変更した際に同じことを感じた。そして、その影響が大竹の投球に明らかに出ていた。緩い球を織り交ぜて、緩急自在、遊び心満載の投球をするのが大竹の持ち味のはず。ところが「点を取ってもらえないから、抑えなければいけない」の気持ちが強すぎた。緩い球は投げていたが、いつもより明らかに少なかったし、一生懸命に抑えようと真っすぐを投げて、それを確実にヒットにされた。遊びを忘れた、大まじめな大竹になっていた。130キロ中盤の真っすぐだけで抑えられる投手ではないのに。佐藤輝、中野のどちらか一人だけでもスタメンにいてくれれば投手の気持ちは少しは変わったはず。一斉に休養されたら、先発投手はたまったものではない。
◆先発した広島・床田寛樹投手(30)は7回を2失点で今季8勝目。登板7試合ぶりの白星を挙げた。
◆阪神・掛布雅之OB会長(70)がテレビ大阪の中継で広島-阪神の解説を務めた。試合前は佐藤輝明内野手(26)と中野拓夢内野手(29)のベンチスタートに「夏休みで、たくさんのファンの方も来ている。どこかで出さなきゃだめですよ」とコメント。その後、中野は途中出場も佐藤輝は出番がなく、九回の前には「佐藤輝は出ないんですかねえ...」と残念そう。2安打の前川については「きょうはいいですよ。そんなにボールを追いかけていないし、非常に落ち着いている」と評価した。
◆阪神・大竹耕太郎投手(30)のマツダスタジアムでの連勝は「9」で止まった。移籍後最短の4回0/3で降板。9安打を浴び、移籍後ワーストの7失点。今季の連勝も6でストップし、5月1日の中日戦(バンテリンドーム)以来の2敗目を喫した。「これだけ(広島に)勝ってきて、相手も悔しい思いをしている。今回(自分が)悔しい思いをしたんで。次は勝てるようにやっていくだけ」先発予定だった11日の広島戦が降雨中止。スライドでの登板となったが「単純に力が足りないから打たれただけ」と言い訳にはしなかった。実際に、球が高めに浮き、いつもの緩急自在の投球で相手の打ち気をそらす投球とは程遠かった。2-0の三回。末包に左前適時打を許し、なおも2死一、二塁からモンテロに逆転3ランを浴びた。2-4の五回には小園に右前適時打。続く末包に左中間を破る2点二塁打を許したところで、藤川監督から交代指令。大竹は「すごく気持ちよくスイングされていたなと」と振り返った。マツダスタジアムでは初登板の2023年5月5日から無傷の9連勝で、今季広島戦は4戦4勝だった。初めて土がついたが「悲観はする必要はない。今日中にどういう投球をすべきだったか、を(映像をみて)振り返って、もっと伸ばしていかないところを見つけていきたい」と気持ちを切り替えた。広島との次回対決は9月5日からの3連戦(甲子園)。順調なら優勝マジックも1桁台で、リーグ制覇へのカウントダウンが始まっているはず。虎きっての理論派は「次は勝てるように考える」と言い切った。同じ失敗は繰り返さない。(三木建次)
◆先発した床田寛樹投手(30)は7回2失点で今季8勝目。6月21日の楽天戦(マツダ)以来、登板7試合ぶりとなる白星を挙げた。三回には打球が左足を直撃するアクシデントがあったが、治療を受けて続投。粘りの投球を見せ「あれぐらい全然。骨が折れていなければ大丈夫。きょうは点差があったのでもっと長いイニングを、と思ったけど、なんとかですね」と頼もしい言葉を発した。
◆大竹が3点を追加され、2―7となった五回無死二塁から2番手で登板したハートウィグは、後続を3人でピシャリと抑えた。「ああいう場面は簡単ではないけど一球一球、一人一人と心がけた。それができたとは思います」。これで来日後、4試合連続無失点。日本のマウンドには「まだまだ慣れていかないといけない部分はあるが、投げる頻度が上がれば慣れてくると思う」と手応えを感じている。
◆めぐってきたチャンスを必ずモノにするため、気持ちのこもったスイングだった。リーグ2冠を走る佐藤輝の欠場により、4番で起用されたのは阪神・前川右京外野手(22)。藤川監督からの大抜擢(ばってき)に、虎の第111代4番は2本の安打で即結果を残した。「球場に来てスタメンのボードを見て、『あ、4番や』という感じだった。与えられたチャンスで結果を残せなかったら生きていけない世界なので、今日は今日でよかったかなと思います」4月15日から一度も休まず4番を張ってきた佐藤輝が、休養のため欠場。代役として、背番号58に白羽の矢が立った。球団で高卒の生え抜き左打者が4番に座るのは、掛布雅之以来。ミスタータイガースが初めて4番に座ったのは1977年。実に48年ぶりに誕生した。打率・364と好相性を誇る床田を相手に、7月16日以来となる先発出場。両軍無得点の三回に試合を動かした。2死一、三塁で打席に立ち、低めのツーシームにアジャスト。「打つことに集中して、コンパクトなバッティングができた」と床田の左ももに直撃する適時内野安打で先制に成功。初4番でいきなり仕事を果たし、7月8日に同じマツダスタジアムで記録して以来、約1カ月ぶりの打点をマークした。打球を受けた床田が一度ベンチに退いて再びマウンドに戻る際には、前川が歩み寄って深々と頭を下げる場面も。4番初安打を放っても、グラウンドで見せる謙虚な姿勢は変わらなかった。五回にも三塁線への内野安打とし、7月5日以来となるマルチ安打をマーク。「(状態も)徐々に良くなってきている。1軍では丸か、バツかだと思うので、頑張ります」。貪欲な姿勢が、敗戦の中でも光り輝いた。昨オフにはOB会長を務める掛布氏から、「打率・280、2桁本塁打」と課題を与えられた。今季は2度のファーム生活も強いられる苦しいシーズンとなっているが、まだ戦いは終わっていない。「抹消されて2軍から来ているので、結果を残さないといけないと思う。今日をきっかけにどんどん結果を残していけたらなと思います」レジェンドからの期待に応えて虎の黄金期を担っていくためにも、前川は目の前の一球にしがみついていく。(中屋友那)
◆植田は「8番・二塁」で昨年7月17日の巨人戦(東京D)以来のスタメン出場だったが、二回2死二塁で二飛など2打数ノーヒット(1四球)。「3打席あったから、1打席目ですね、ヒットを打てればよかった。そこは残念です。守備は普通にできたと思います」と六回の守備から交代した。得意の守備では二回2死二塁で佐々木の中前に抜けそうな打球に飛びつき、内野安打となったものの二走の生還を許さず。「アウトにできれば一番よかったですけど」と謙虚に語った。
◆「6番・三塁」でスタメン出場の木浪は、1点を先制した三回、なお2死満塁で押し出し四球を選んで追加点をあげた。「最低限の仕事はできたのでよかったです」。9日のヤクルト戦(京セラ)でも代打で決勝点となる押し出し四球をもぎ取っており、今季も満塁時の打率・500と満塁男は健在だ。三塁守備も「ずっとファームでもやっていましたし、そんな違和感はなかったですね」と無難にこなした。
◆10日のヤクルト戦(京セラ)で五回終了時に途中交代し、今季の連続フルイニング出場が103試合で止まった近本は、「1番・中堅」の定位置でフル出場し、4打数1安打。藤川監督は交代の理由を「疲労」と説明しており、前日11日は雨天中止で静養。この日の試合前はスパイクを履かずにウオーミングアップを行っていた。試合後は無言でバスに乗り込んだ。
◆広島・モンテロが難敵の大竹に襲いかかった。左翼席へ豪快な逆転6号3ラン。特大ファウル直後に正真正銘の一発だ。「1球前に同じ球を見て、自分のプランは同じだった。続けて同じ球がきて、自分のポイントで捉えられた」1-2の三回2死一、二塁。フルスイングした2球目は惜しくも左翼ポール左へ切れたが、3球目のチェンジアップを左翼席最前列まで運んだ。打線は五回にも左腕から3得点。マツダスタジアムでは9連敗中と苦手としていた相手から本拠地でようやく初勝利だ。新井監督は「ずっとやられていたんでね。打者も悔しかったと思うし、みんないいスイングをしてくれた」と評価。チームは4位に浮上し、3位DeNAに1ゲーム差に迫った。(西垣戸理大)
◆阪神は広島戦に2-9で大敗し、連勝は2で止まった。前日が雨天中止だった中、藤川球児監督(45)は佐藤輝と中野を同時にスタメンから外す異例の采配。結果、今季ワースト9失点を喫し、優勝へのマジックナンバーは「28」のままとなったが、主力を休ませながら戦う方向性を示した。しっかりマネジメントしながら、頂点に向かっていく。いつもと異なるスタメンに、マツダスタジアムの虎党も鯉党もざわついた。中野がいない、佐藤輝もいない?! 藤川監督が、前川を初の4番で起用するなど、驚きのオーダーを披露。結果は今季ワースト9失点を喫する逆転での大敗だった。「その辺は、まあまあ...」主力2人を休ませた要因が床田との相性なのか、疲労を考慮してか―。問われた指揮官はけむに巻いた。〝鯉キラー〟の大竹が4回0/3で7失点と崩れ、投手陣全体でも今季ワーストタイの15安打と打ち込まれた。今季初めてスタメンを外れた中野は六回の守備から出場したが、佐藤輝はベンチ待機のままゲームセットを迎え、今季2度目の欠場。得意のマツダでの連勝は「6」でストップした。それでも、指揮官は「いい攻撃はできていたかな、と思いますね」と前向きだった。スタメンに看板選手がいなければ、スタンドのどよめきも当然だが、ここ最近の虎で炸裂(さくれつ)しているのが、〝球児流マネジメント〟だ。7日の中日戦(バンテリンドーム)では5番に据える大山に今季初の〝リフレッシュ欠場〟の機会を設け、続く8日のヤクルト戦(京セラ)では3番を任せてきた森下も今季初のベンチスタート。延長十回に代打起用したが、安打後にはすぐに代走を送り、稼働時間は短かった。10日の同戦でも近本を六回の守備から退かせており、主力には日替わり休養日を与えている。
◆スタメンから佐藤輝が消えて、中野も不在。全国の阪神ファンが不安になった。虎ソナはさらに先発も心配した。雨天中止は慣れている大竹。広島キラーの大竹。だが、スライド先発は影響ないんだろうか?「スライドは調整が難しい」と教えられ、「できるだけスライドは避ける」という何人かの名将の言葉を聞かされてきた。果たして...。周囲を見渡して、プロではないけれど、スライド先発の経験がありそうな人物を発見。トラ番・中屋友那。高知高-京産大で本格的にプレーしていた男だ。「高校時代は、土日の試合はいつも両方投げるつもりで準備していました。少々、肩が張るぐらいが調子が良くて」さすが甲子園の常連校のエースだったから、たくましい。現在のプロの投手たちも、高校時代は中屋と似た思いでマウンドに向かっていたんだろう。「でも、雨が降って中止になったら、メチャクチャうれしかったです」スライド先発になる以前の、中止を大歓迎していたそうだ。「まあ、プロは一流ですから、そのぐらいの調整は何の問題もないでしょう」と言う中屋を信じたが...。野球は難しい。スライドだけの影響ではないかもしれないと思うが、まさかの大竹の五回途中のKOだった。1992年4月4日。広島の開幕投手はプロ入り初の大役を射止めた川口和久だった。ナイターの巨人戦。夢の舞台だった...が、二回途中、まさかのノーゲームに。このケースは、一度でもマウンドに上がると、一球でも投げると、登板間隔を開けるのが常識。が、川口は志願した。なんと翌日、スライドでの先発。しかも、ナイター明けの翌日デーゲームだから、阪神・岡田顧問がよく使う野球用語で表現すると「中0・5日」での先発だった。残念ながら敗戦投手になったが、開幕への思いが伝わるスライド伝説だ。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
63 | 40 | 2 | 0.612 (↓0.006) | M28 (-) |
38 | 359 (+2) | 246 (+9) | 66 (-) | 82 (-) |
0.246 (-) | 2.070 (↓0.07) |
2 (-) |
巨人 |
51 | 50 | 3 | 0.505 (↑0.005) | 11 (↑1) |
39 | 308 (+5) | 305 (-) | 64 (+1) | 42 (-) |
0.242 (-) | 2.650 (↑0.03) |
3 (-) |
DeNA |
46 | 52 | 5 | 0.469 (↓0.005) | 14.5 (-) |
40 | 328 (+1) | 323 (+3) | 62 (-) | 47 (-) |
0.238 (-) | 2.890 (-) |
4 (1↑) |
広島 |
45 | 53 | 5 | 0.459 (↑0.005) | 15.5 (↑1) |
40 | 317 (+9) | 333 (+2) | 53 (+1) | 48 (-) |
0.242 (↑0.002) | 2.960 (↑0.01) |
5 (1↓) |
中日 |
46 | 56 | 2 | 0.451 (↓0.004) | 16.5 (-) |
39 | 277 (-) | 313 (+5) | 54 (-) | 62 (-) |
0.226 (↓0.001) | 2.810 (↑0.02) |
6 (-) |
ヤクルト |
37 | 57 | 5 | 0.394 (↑0.007) | 21.5 (↑1) |
44 | 279 (+3) | 385 (+1) | 52 (+1) | 45 (-) |
0.228 (-) | 3.500 (↑0.03) |
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