1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 10 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0 | 1 |
勝利投手:矢崎 拓也(2勝0敗0S) (セーブ:星 知弥(1勝2敗5S)) 敗戦投手:湯浅 京己(3勝3敗0S) 本塁打 |

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◆ヤクルトは1点を追う9回表、オスナの野選出塁の間に同点とする。そのまま迎えた延長12回には、2死満塁から代打・増田が2点適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、5番手・矢崎が今季2勝目。敗れた阪神は、打線が9安打で1得点とつながりを欠いた。
◆先発する阪神伊藤将司投手(29)に思わぬ追い風? が吹くかもしれない。夏の甲子園に出場中の母校・横浜が午後4時15分に初戦を迎える。敦賀気比との注目カードだ。その時間帯はグラウンドでの練習を終え、食事をしたり、マッサージを受けたりしている。もちろん、テレビでチェックすることも可能だ。7日午前8時からの予定が、雨天順延になった。そのままの日程ならSGLでの練習時間とかぶり、ほとんど見られなかったはず。母校愛の強い伊藤将は「明日(8日)になったんですよね。いつも横高は強いチームに仕上がっている。常に注目される高校ですからね。お互いというか、高校生もこんなに暑い中で頑張っていますし、OBとして活躍できたらいいなと思っています」と、後輩の奮闘もエネルギーに変えるつもりだ。なお、本人は2年夏、3年春にエースとして甲子園の土を踏んでいる。
◆阪神椎葉剛投手(23)が1軍合流した。6月12日の西武戦(ベルーナドーム)で中継ぎとしてプロ初登板。この1試合だけで再調整に入ったが、2軍でも結果を出してアピールを続けていた。四国IL徳島から23年ドラフト2位で入団。「独立リーグの星」と呼ばれた右腕は2年目の飛躍を期待されている。
◆阪神森下翔太外野手(24)が今季初めてスタメンを外れた。直近3試合では11打数1安打と快音から遠ざかっていた。代わって「3番左翼」で前夜プロ初本塁打を放った中川勇斗捕手(21)が出場。右翼の守備には島田海吏外野手(29)がつく。また、前日に欠場した大山悠輔内野手(30)は「5番一塁」で2試合ぶりのスタメン復帰となった。
◆阪神は上下黒のブラックユニホームをまとって3連戦に臨んだ。球団創設90周年を機に、新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」(タイガース・ブラックダイナマイト・シリーズ)を初めて開催。ブラック(黒)とラック(幸運)をかけ、「ダイナマイト打線」を誇った48年~49年の黒いユニホームを意識したネーミングになった。ユニホームにはクラシックなチャコールカラーをベースに、金色を配色した。胸には大きく「OSAKA」、左肩には目新しい「阪神」の金文字が施された。球団公式スポンサーで、ファンにもなじみ深い上新電機株式会社の「Joshin」ロゴまで、同社の協力を得て初めて金色に変えた。黒ユニホームは阪神にとってはゲンがいい。それをモチーフに復刻した10年は、計6試合で平均10得点と打線が大活躍した。阪神の復刻黒ユニホーム 10、11、17年に続き、今回が4度目の復活。10年8月25日広島戦(京セラドーム大阪)では、1リーグ時代も含め1試合球団最多となる22得点をたたき出した。なお同年は、48年に藤村富美男や別当薫らが着た、深い濃紺を地にしたデザイン。11年には交流戦の主催試合で使い、ストッキングの横線を「濃紺と灰色」から「濃紺と黄色」へ変更。17年5月23日からの甲子園での巨人3連戦では、帽子の文字を48年当時の「O」から現在の「TH」に変更された。
◆球団創設90周年を機に誕生した新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」(タイガース・ブラックダイナマイト・シリーズ)が初めて開催され、開幕を飾る特別演出として書道家の青柳美扇さんがパフォーマンスを行った。グラウンドの真ん中に立てられた大きな黒いボードに、青柳さんが金色で力強く書いたのは「黒虎」の2文字。「阪神さん今年強いですから、その強さと力強く上っていかれるのを表現しました」と思いを込めた。大阪出身の青柳さんは、幼い頃から阪神の試合を見て育った。「本当に小さい時からずっと見てますし、大好きなので、優勝してほしいなと思ってます。球児さん(藤川監督)がすごく大好きで、今日見させてもらうので、推しの選手を見つけて、これからも通いたいです」とリーグ優勝を目指すチームへエールを送った。選手たちは上下黒のブラックユニホームをまとって3連戦に臨む。
◆阪神藤川球児監督(45)は今季初めて森下翔太外野手(24)をスタメンから外した。これが9連戦の4試合目。7日に初めて欠場した大山悠輔内野手(30)に続き、戦略的な休養とみられる。打点、本塁打でリーグ2位につける押しも押されもしない主力打者。SNSでは「藤川監督、大胆で面白い」「リフレッシュして戻ってきて」「森下が3番にいないと打線が寂しい」「3番中川にワクワク」とさまざまな反応があった。代わりに初の3番に入った中川勇斗捕手(21)は7日の中日戦(バンテリンドーム)でプロ初本塁打を放っている。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が30号本塁打を放った。2試合連発で一気に「大台」をクリアした。0-0の4回2死、カウント3-1から高梨裕稔投手(34)の甘く入ったフォークを右翼席中段に運んだ。確信したようにゆっくりと歩き出し、京セラドーム大阪の大声援を浴びながらベース1周した。球団の生え抜きでは、日本一になった85年の掛布雅之(40本)、同じく岡田彰布(35本)以来、40年ぶりの30本。その後も00年の新庄剛志(28本)や05年の今岡誠(29)ら歴代スラッガーが迫ったが、超えられなかった壁を軽々と打ち破った。本塁打王争いは独り旅が続く。残り41試合でどこまで伸ばせるかも注目される。佐藤輝が5年目で初のシーズン30号。阪神で両リーグ30号一番乗りは10年ブラゼル以来6人、7度目で、日本人では74、75年田淵、82年掛布に次いで43年ぶり3人、4度目になる。佐藤輝は10、20号も両リーグ一番乗り。10~30号を両リーグ一番乗りで記録したのは21年村上(ヤクルト)以来で、阪神では初めて。現在本塁打リーグ2位は森下(阪神)と牧(DeNA)の16本で、佐藤輝とは14本差。30号到達時に2位と差をつけたのは、66年王(巨人)と2位江藤(中日)の17本差に次ぎ、09年中村(西武)と2位山崎武(楽天)の14本差に並ぶ史上2番目の大差となった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が30号本塁打を放った。0-0の4回2死、高梨裕稔投手(34)から右翼席中段に運んだ。球団の生え抜きでは40年ぶりの30本クリア。今季、両リーグでぶっちぎりの一番乗り。試合中に球団広報を通じてコメントを出したが、そこには30発に関連した言葉は一切ない。きわめて冷静な口調で「先制点を取れたのは大きいですね。試合に勝たないと意味がないので、最後まで気を引き締めて頑張ります」。チームの大看板を担う責任感がにじんだ。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が、先制の30号ソロを放った。両チーム無得点の4回。先頭中野が左前打で出塁するも、次打者中川が二ゴロ併殺に倒れた。CS放送のGAORAで解説を務めた元阪神の秋山拓巳氏(34)は「こういうところを助けるのが、今年の佐藤選手だと思う」と好機がつぶれた直後の2死走者なしから打席に入った主砲に期待を寄せた。期待通り、佐藤輝はカウント3-1から、ヤクルト先発高梨の甘く入ったフォークを完璧に捉えた。打った瞬間、球を放った高梨がその場にしゃがみ込むほどの確信弾。右翼スタンド中段へ放り込む、豪快な1発で両リーグトップの大台30号に乗せた。秋山氏は「甘くなった落ち球をしっかり捉えましたね。これがね、それまでのインコースのカットボールを振りにいってると、今のミスショットしてると思うんですよ。ただね我慢して、甘くなった球を待ってましたので、しっかり1本が出ましたね」と本塁打に至るまでの打席内容を高く評価した。
◆阪神伊藤将司投手(29)がクセを読まれた?1-0の7回無死一塁の守り。一塁走者のヤクルト村上宗隆内野手(25)が、4球目の前に不意をつくようにスタート。左腕はタイミングよくけん制球を入れ、アウトにした。記録は盗塁死。だがその後、2死一塁となってから、一塁走者の古賀優大捕手(27)が再びギャンブルのような早いタイミングでスタートを切ってきた。伊藤将は今度は気付かずに本塁に投球した。捕手の坂本誠志郎(31)は、すぐにタイムをかけてマウンドへ。内野手を交えて話し合った。その後に2死一、二塁にされたが、このピンチを抑えて、勝利に1歩近づいた。>
◆圧巻の破壊力天井をかすめるその弾道はまさにアーチスト佐藤輝明が12球団最速30号ホームラン???プロ野球 (2025/8/8)??阪神×ヤクルト??live on DAZN#オレをみろ #阪神タイガース
◆昨季阪神一筋15年で引退した秋山拓巳氏(34)がCS放送のGAORAで解説を務め、投手ならではの目線を明かした。1点リードの7回、第3打席に臨んだ阪神の正捕手坂本は、現在4試合連続無安打と苦戦中。秋山氏はここまでの打席を振り返り「坂本選手の打席で非常に際どい球が多いですね」と話した。実況アナウンサーは、坂本の打席で3球カーブを続けたヤクルト先発高梨に注目し「ピッチャーというのは同じボールを3球投げるっていうのはやはり勇気がいりますか?」と投げかけた。これに対して秋山氏は「特に緩い球に関しては非常に勇気が要りますね。緩い球って制球が非常に難しいので。ただ(ヤクルト高梨は)カーブが武器なので、自信を持ってキャッチャーがサインを出しているかなと思います」と解説した。
◆阪神先発の伊藤将司投手(29)が9回に同点に追いつかれ、悔しい降板をした。今季ここまで8試合に登板して4勝0敗、防御率1・07。この日のヤクルト戦は今季4試合目。前回1日同カードの登板は勝ち星こそ付かなかったが、7回1失点の好投だった。相性の良さをこの日も見せつけた。テンポのいい投球で5回まで3安打3三振無失点。スコアボードに0を並べた。8回終了時点で今季の通算防御率が0・92。ついに防御率が0点台に突入した。粘り強く、クレバーな投球を続けた。しかし、最後の最後にピンチが訪れた。9回、ヤクルト先頭内山に二塁打を許し、続く村上が右犠飛。1死三塁から、オスナが二ゴロ。中野が本塁に送球したが生還を許し、同点に追いつかれた。6月29日ヤクルト戦以来となる完封勝利はスルリと逃げ、2死二塁とした場面でマウンドを降りた。
◆阪神がサヨナラチャンスを逸した。9回に1-1と追いつかれた。しかしその裏、今季初ベンチスタートの森下翔太外野手(24)が先頭で左翼前に落とす安打。ベンチは代走の切り札、植田海内野手(29)を送った。1死一塁となり、打者大山悠輔内野手(30)のカウント1-1で、植田はスタートを切った。好スタートに見えたが、捕手の好送球にあって憤死。大山も凡退して、17度目の延長戦に入った。
◆延長10回のピンチを切り抜けると大声援が降り注いだ。マウンドを降りる阪神石井大智投手(28)は少しも表情を変えなかった。「ゼロで抑えることができてよかったと思います」。試合後も淡々としていた。4月5日から続く連続無失点記録は37試合まで伸びた。リーグ歴代2位タイに浮上。藤川監督が06年に樹立した38試合のリーグ記録についに王手をかけた。1-1と追いつかれて突入した延長戦。いきなり先頭の長岡に右前打を浴びた。犠打で1死二塁とされてからが面目躍如。太田には直球を軸にして、最後も147キロで空振り三振。赤羽はカウント2-2から強く腕を振って、ワンバウンドのフォークを振らせた。「結果的に、投げ切れている球が少ない。ヒットという結果は仕方ないけど、しっかり投げ切らないといけない」と、意図しないボールの多さを反省した。2日に岩崎が腰の疲労のために出場選手登録を抹消された。自然と、虎が誇るミスターゼロが「代役」を任された。今回のように、走者を出してもホームは踏ませない。実はこの6試合で5度、安打を許している。最も意識するのが「リスク管理」。年々、必勝リレーを担う機会が増える中で突き詰めてきた。「こういう役割を任せてもらっている以上、もう自分の調子どうこうではないですから」。捕手とともに最適の答えを探る。理想のフォームや抑え方は持っていても、結果の世界で生きる男には「0」こそが全てだ。6月6日、頭部に打球が直撃。ショッキングな離脱だったが復帰後も変わらず仕事と向き合ってきた。心身においてタフな先輩・岩崎のすごみも感じるという。チームの勝敗を背負う、しびれるマウンドで自然とレベルアップも果たしている。大記録はもう目の前。背番号69のコールが響いた数だけ、勝利は手元に近づいていく。【柏原誠】
◆阪神が9回に追いつかれ、延長戦の末にまさかの逆転負けを喫した。優勝マジックは31のまま減らず連敗。カード初戦での黒星は7月15日中日戦以来、6カードぶりとなった。1点リードで迎えた9回。ここまで無失点投球を続けてきた伊藤将司投手(29)が暗転。先頭のヤクルト内山に左翼線へ二塁打を浴び、1死三塁から野選で同点に追いつかれた。そして延長12回、5番手湯浅京己投手(26)が2死から2本の安打と四球で2死満塁とし、6番手桐敷拓馬投手(26)に交代。迎えた増田をカウント2-2と追い込むも、直球を捉えられ勝ち越しの2点中前適時打を許した。先制は阪神佐藤輝明内野手(26)の1発だった。4回2死、カウント3-1からヤクルト高梨の甘く入ったフォークを右翼席中段に運んだ。7日中日戦から2戦連発で30号本塁打に到達。球団の生え抜きでは、日本一になった85年の掛布雅之(40本)、同じく岡田彰布(35本)以来、40年ぶりとなった。この日は新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」が初開催。上下黒のブラックユニホームに身を包んだ選手たちだったが、白星で飾ることはできなかった。
◆ヤクルトは9回に追いつき、延長12回に勝ち越して4時間20分超えの総力戦を制した。先発の高梨裕稔投手(34)は今季最長タイとなる7回を4安打7奪三振1四球1失点で好投。4回2死走者なしから佐藤輝に先制ソロを浴びるも、最少失点に抑えた。「ホームランはカウントを悪くして甘く入った球を打たれてしまったので悔やまれます。その後は切り替えて投げることができました」と振り返った。1点を追う9回、先頭内山壮真捕手(23)が左翼線への二塁打で出塁し、代走岩田が次打者村上の深い右飛の間に三進。続くオスナの二ゴロの間に三走岩田がヘッドスライディングで生還。土壇場で1点を返して延長戦に持ち込んだ。延長12回2死満塁で代打増田珠内野手(26)が、6番手桐敷から二遊間を抜ける中前適時打を放った。2人の走者が生還し、勝ち越しに成功。両チーム計12人の投手をつぎ込む総力戦となった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が30号本塁打を放った。2試合連発で一気に「大台」をクリアした。0-0の4回2死、カウント3-1から高梨裕稔投手(34)の甘く入ったフォークを右翼席中段に運んだ。確信したようにゆっくりと歩き出し、京セラドーム大阪の大声援を浴びながらベース1周した。佐藤輝が5年目で初のシーズン30号。阪神で両リーグ30号一番乗りは10年ブラゼル以来6人、7度目で、日本人では74、75年田淵、82年掛布に次いで43年ぶり3人、4度目になる。佐藤輝は10、20号も両リーグ一番乗り。10~30号を両リーグ一番乗りで記録したのは21年村上(ヤクルト)以来で、阪神では初めて。現在本塁打リーグ2位は森下(阪神)と牧(DeNA)の16本で、佐藤輝とは14本差。30号到達時に2位と差をつけたのは、66年王(巨人)と2位江藤(中日)の17本差に次ぎ、09年中村(西武)と2位山崎武(楽天)の14本差に並ぶ史上2番目の大差となった。
◆阪神が9回に追いつかれ、延長戦の末にまさかの逆転負けを喫した。優勝マジックは31のまま減らず連敗。カード初戦での黒星は7月15日中日戦以来、6カードぶりとなった。1点リードで迎えた9回。ここまで無失点投球を続けてきた伊藤将司投手(29)が暗転。先頭のヤクルト内山に左翼線へ二塁打を浴び、1死三塁から野選で同点に追いつかれた。そして延長12回、5番手湯浅京己投手(26)が2死から2本の安打と四球で2死満塁とし、6番手桐敷拓馬投手(26)に交代。迎えた増田をカウント2-2と追い込むも、直球を捉えられ決勝の2点中前適時打を許した。紙一重の勝負となり、藤川球児監督(45)は「日々そういうゲームですからね。全選手、頑張ってくれていますからね」と悲観せず。完封目前で降板となった伊藤将には「(持ち味を)十分出してくれたし、あそこ(9回)を行ってくれたんでね。12回までは行けたということですよね。よく頑張ってくれましたね」とねぎらった。
◆阪神が9回に追いつかれ、延長戦の末にまさかの逆転負けを喫した。優勝マジックは31のまま減らず連敗。カード初戦での黒星は7月15日中日戦以来、6カードぶりとなった。阪神森下翔太外野手(24)は今季初めてスタメンを外れ、9回に代打で出場。先頭で左前打をマークし、代走植田を送られた。試合後、藤川球児監督(45)は、森下についてコンディションを考慮してかと問われ「そうですね。また、明日は出られる状況にはなると思いますけど」と説明した。
◆ヤクルトは9回の土壇場で追いつき、延長12回に代打増田珠内野手(26)の中前適時打で勝ち越して2連勝した。増田は2死満塁から代打で登場し、阪神6番手左腕の桐敷と対戦。「ずっと準備していたので、やっときたなという気持ちで打席に入りました」と振り返った。カウント2-2からタイムを取るなど全神経を集中させ、5球目直球を捉えて二遊間を抜ける中前適時打を放った。待望の勝ち越し打にベンチは大喜び。一塁上でガッツポーズした増田は「ベンチを見たらみんなが自分以上に喜んでくれていたので、うれしくて喜びました」と笑顔で答えた。チームは横浜の3学年先輩にあたる伊藤将に苦戦も、9回に追いついてなんとか延長戦へ持ち込んだ。「横浜高校の先輩で、なかなか突破口が開けずってところでしたけど、なんとか追いついて、延長で勝つことができて良かったと思います」とチーム一丸の勝利にうなずいた。
◆阪神木浪聖也内野手(31)が代打で再昇格後初となる安打を放った。延長12回1死走者なしの場面、代打で登場。ヤクルト6番手星のストレートを中前へ運んだ。6月6日オリックス戦(甲子園)以来となる久しぶりの安打。「ちゃんと準備ができた。1本出て良かったです。やることは変わらない。しっかり準備をしてやるだけなので、今日は打てて良かったです」とコメントした。▽阪神高寺(延長11回に代打で途中出場し、2打席連続安打)「たまたま今日はヒットになった。でも、しっかり自分のスイングができて、その結果ヒットになっているので、よかったと思います」
◆阪神伊藤将司投手(29)が完封目前で追いつかれ、5勝目を逃した。1-0の9回、先頭内山に二塁打。1死三塁から二ゴロで生還を許し、イニング途中で降板した。「(佐藤)輝が1点取ってくれたのに、守れなかったのが悔しい。最後のアウトまで取りたかった。9回の先頭を出してしまったのがすべて」と悔やんだ。今季のヤクルト戦はこれまで4試合で2失点。今回も好投したが勝利には導けなかった。藤川監督は「(持ち味を)十分出してくれたし、最後(9回)までいってくれたんでね。よく頑張ってくれました」とねぎらった。▽阪神及川(延長11回に登板し、先頭に四球も無安打無失点)「もう1回、気を引き締めて、危機感を持って明日からまたやっていきたい。四球が本当にダメなので、2試合連続...。前回は2人目だし、今回は先頭。もっといけない」▽阪神桐敷 自分が抑えればもっと良い流れが来てたと思うので。また切り替えて次頑張ります。
◆阪神が9回に追いつかれ、延長戦の末に逆転負けを喫し、優勝マジックは31のままとなった。7月15、16日中日戦以来の連敗で、後半戦では初めて。カード初戦での黒星は7月15日以来、6カードぶりだった。紙一重の展開となったが、藤川球児監督(45)は「日々そういうゲームですからね。全選手、頑張ってくれていますからね」と悲観することはなかった。1-1で迎えた延長12回、5番手湯浅が2死から代打宮本に中前打を浴びると、太田に死球。続く赤羽に遊撃への内野安打を許し、2死満塁のピンチで桐敷にスイッチした。迎えた増田を追い込むも、5球目の144キロ直球を捉えられ、決勝の2点中前適時打を献上した。中継ぎ投手に黒星がつくのは、7月21日巨人戦以来12試合ぶり。抜群の安定感を誇ってきたブルペンだが、この日は無失点リレーとはならず。野手陣もこの日は、9回に代走植田が二盗に失敗。延長11回無死一、二塁で犠打を試みた中野が、初球を打ち上げ捕邪飛となるなど"らしくない"シーンも続いた。「なかなかすべてがうまくはいかないですけど、とにかく気持ちを集中して、守備を含めてやっていますから。またあしたですね」と藤川監督。日々、目の前の一戦に集中するだけだ。【磯綾乃】
◆虎の主砲が球団史に新たな歴史を刻んだ。阪神佐藤輝明内野手(26)が4回に2試合連発となる30号ソロを右翼席に運んだ。両リーグでぶっちぎりの一番乗りの大台クリア。球団の生え抜きでは、日本一になった85年の掛布雅之、岡田彰布以来、40年ぶりの数字だ。この日は新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」を開催。黒虎となった背番号8が襲いかかった。チームは後半戦初の連敗。優勝マジックも31と減らず足踏みとなった。球場中の阪神ファンが総立ちとなった。佐藤輝は振り抜いた右手を高く突き上げながら、確信弾を見送った。今季30号。プロ5年目で初の大台に乗せた。ひときわ大きな歓声を全身に浴びながら、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。「自分の中で30本というのはひとつの目標だったので。うれしいです」0-0の4回2死。3-1から先発高梨の浮いた134キロフォークを完璧に捉えた。74打点とともに、両リーグトップを独走する先制の1発。右翼手もすぐに追うのをやめる特大弾だった。球団生え抜きでは85年の岡田彰布、掛布雅之以来となる30号。91年オフに甲子園からラッキーゾーンが撤去されて以降では、球団生え抜き初の快挙となった。今季は破竹の勢いで本塁打を量産している一方で三振数も両リーグ断トツの119個まで積み上がっている。だが、自身は気にしていない。ホームランバッターとしての誇りがあるからこそ、三振も恐れず受け入れている。「長打を打つには、ある程度強いスイングをしなきゃいけない。そこはトレードオフ。あまり長打を打たない選手は当てにいって打率を稼ぐのも1つの手だと思うけど。状況によって違う時もあるけど、基本的に、やっぱり長打というのがあるので」三振は豪快な打撃の代償。空振りを恐れないフルスイングが、40年ぶり大台達成の基盤となっている。復刻されたブラックユニホームを身にまとって戦った初戦。モチーフとなった「ダイナマイト打線」をほうふつさせる豪快な打撃を披露した。8月に入ってからは、7試合目で早くも4発目。本拠地甲子園を離れた戦いが続く中、疲れを感じさせない打撃が続いている。30発は開幕前から目標のひとつとして掲げていた数字だった。まだ40試合以上を残し、自ら課したノルマを達成。シーズン42本の量産ペースだ。今後の目標については「1打席1打席頑張ります。それだけです」とキッパリ答えた。先を見すぎることなく、目の前の1打席に集中。歓喜の瞬間まで気は緩めない。【波部俊之介】佐藤輝が5年目で初のシーズン30号。阪神で両リーグ30号一番乗りは10年ブラゼル以来6人、7度目で、日本人では74、75年田淵、82年掛布に次いで43年ぶり3人、4度目になる。佐藤輝は10、20号も両リーグ一番乗り。10~30号を両リーグ一番乗りで記録したのは21年村上(ヤクルト)以来で、阪神では初めて。現在本塁打リーグ2位は森下(阪神)と牧(DeNA)の16本で、佐藤輝とは14本差。30号到達時に2位と差をつけたのは、66年王(巨人)と2位江藤(中日)の17本差に次ぎ、09年中村(西武)と2位山崎武(楽天)の14本差に並ぶ史上2番目の大差となった。
◆阪神・椎葉剛投手(23)が試合前練習に合流した。2年目の今季は6月12日の西武戦(ベルーナ)で1軍デビュー。1安打1四球も、1回を無得点に抑えた。ファームでは30試合に登板して防御率2・19。直近4試合で無失点投球を見せていた。一方で木下里都投手(24)が練習に不在。ルーキー右腕は7日の中日戦(バンテリンドーム)で救援登板し、1回2失点を喫していた。
◆阪神の伊原陵人投手(25)と木下里都投手(24)が8日、出場選手登録を抹消された。伊原はここまで21試合に登板して5勝5敗、防御率1・97。前日7日の中日戦(バンテリンドーム)では先発するも4回5失点で降板した。木下は11試合に救援登板して防御率3・29。同戦で伊原の後を受けて2番手で登板し、1回2失点だった。代わって2年目右腕の椎葉剛投手(23)が出場選手登録された。
◆優勝へのマジックナンバー「31」を点灯させている阪神は、伊藤将司投手(29)が先発する。前回登板の1日・ヤクルト戦(神宮)では7回1失点の好投も勝ち負けつかず。約1カ月ぶりの勝利で5連勝を狙う。打線は森下翔太外野手(24)が今季初めてスタメンを外れた。開幕から全試合でクリーンアップを担ってきたが、8月は6試合で打率・208。本塁打も7月15日の中日戦(甲子園)を最後に15試合出ていなかった。変わって、「3番」には前日7日の中日戦(バンテリンドーム)でプロ初本塁打を放った中川勇斗捕手(21)が名を連ねた。きょうから始まる京セラドーム3連戦は 「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」として開催。ナインは「黒色」を基調としたユニホームを身にまとい、ヤクルト戦を戦う。
◆阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)が9日のヤクルト戦(京セラ)で先発する。8日は試合前練習に参加し、キャッチボールなどで調整した。「体の状態もいいし、明日の準備はできているよ」右腕は疲労を考慮されて7月29日に出場選手登録を抹消され、今回が後半戦初登板となる。今季の対ヤクルトは今季3試合の登板で3勝0敗、防御率0.90と好相性。それでも「いままで自分が納得できるような投球はできているけど、やっぱり物事は変わってしまうことがあるから、しっかりと自分のできる最高の準備をして、いい状態で試合に向かいたいと思っているよ」と気を引き締めた。
◆京セラドームで行われる8日からのヤクルト3連戦、19、20日の中日戦で、新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」が開催される。シリーズ開幕を飾る特別演出として、8日の試合前に書道家の青柳美扇(あおやぎ・びせん)氏による書道パフォーマンスが行われた。「地元・大阪でこのような大きな球場でパフォーマンスをさせていただいて、めちゃうれしいです」大阪府出身の青柳氏は、国立競技場で行われたJFA『第99回天皇杯決勝』や『東京2025世界陸上』など多くの作品や題字を手がけ、NHK Eテレ『にほんごであそぼ』などにも出演。この日は野球場で初めてのパフォーマンスだった。青柳氏は黒いキャンパスに金色の文字で「黒虎」と力強く書き記し、「阪神さん、今年強いですから。その強さと、力強く昇っていかれる姿を表現しました」と解説。藤川監督のファンで、普段からテレビで観戦するTORACO。この日が今季初の観戦に「推しの選手、応援したい選手を見つけて、これからも通いたいです」と笑顔を見せた。「ちっちゃい時からずっと見ていますし、大好きなので。優勝してほしいなと思っています」阪神にエールを送った青柳氏の作品は、ヤクルト3連戦の期間中、場内3階入場ゲート13番前のコンコースに展示される。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が球団史にその名を刻んだ。0-0の四回に右翼スタンドへ特大の先制ソロ本塁打。これが今季30本目の本塁打となり、球団では2010年のブラゼル(47本)、球団生え抜き選手では1985年の掛布雅之、岡田彰布以来、実に40年ぶりの偉業となった。
◆阪神・掛布雅之OB会長(70)はMBSテレビで解説を務め、佐藤輝の30号を生でチェック。球団生え抜き選手としては掛布、岡田彰布以来40年ぶりと伝えられると「あら!」とビックリ。「素晴らしいねぇ。完ぺき。40本、見えてきたね」と手放しで喜んだ。掛布会長は佐藤輝の好調の秘訣として右膝の使い方だと分析。「右膝が(打つときに)グッと前に出ているでしょう。軸の使い方がうまい」。藤川監督の人心掌握術にも言及し「自由にやらせてくれているんじゃないかな」とプラスに働いていると強調した。
◆役割を全うして、後輩たちに格好いい姿を見せる。ヤクルト・岩田幸宏外野手(28)が8日、阪神17回戦(京セラ)前の練習で黙々とバント練習を繰り返した。7日の巨人戦(東京ドーム)では、七、九回の2度バントに失敗。この日は、7月5日の中日戦(バンテリンドーム)以来約1カ月ぶりにスタメンを外れた。「下手くそは、とにかく量をこなしてやるしかない。できないと試合に出られないですし、2軍にも落ちてしまう。しんどい思いもして、苦しい思いもしないと気づけないところ、わからないことは絶対にあるので、やるしかないですね」守備練習、走塁練習が終わった後は、打撃練習の前に三塁側ベンチ前でバント練習。フリー打撃でもバントをし、終わった後もまた三塁側ベンチ前で繰り返しバットでボールを転がした。大松チーフ打撃コーチをはじめ、多くの人に助言をもらいながら、技術を高めていくことに必死だ。この日、母校・東洋大姫路高が夏の甲子園大会1回戦で済美高(愛媛)に5―3で勝利した。「僕が頑張っていたら、後輩たちも刺激になると思う。絶対に見られていると思うので、僕も恥ずかしくないように、『先輩すごいな』と思われるように、頑張って結果を出したい」と岩田。プロで活躍する格好いい先輩になるべく、真剣に課題と向き合う。(赤尾裕希)
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が、球団の生え抜きでは1985年の掛布雅之、岡田彰布以来、40年ぶりの「シーズン30本塁打」を達成。主砲が本塁打を確信した打球は、熱烈な虎党が声を枯らして応援する右翼スタンドに突き刺さった。記念のホームランボールは、奈良県から応援に駆け付けた会社員の長野義寛さん(47)が手に入れた。打った瞬間は見ていなかったというが、白球が1段下の座席に着弾。すぐさま右手を突き出してつかみ取った。震える手でボールを握り、「めちゃくちゃうれしいです」と笑顔。ここまで本塁打(30)、打点(74)でリーグトップ成績を残す主砲の活躍については「守備もしっかりしているし、来年もしっかりやればミスタータイガースが近づいてくる」と興奮気味に語った。102試合目での30号到達。残り試合でどこまで記録を伸ばせるかにも期待がかかる。長野さんは佐藤輝に「なんでもいいから、球団記録を塗り替えてほしいです。バースという偉大な先輩がいるけど、ヤクルトの村上は(本塁打で)超えたので、期待しています。このまま三冠王も狙ってほしい」とエールを送った。
◆ヤクルト・高梨裕稔投手(34)は、7回122球を投げ4安打1失点と好投したが、味方の援護がなく、八回の攻撃で代打を送られて交代。勝ち投手の権利を得られずマウンドを譲った。一発が悔やまれる。四回、先頭の中野に左前打とされ、続く中川を二ゴロ併殺打。相手の流れを止めたと思われたが、続く4番・佐藤輝に、カウント3―1から投じた5球目のフォークボールを捉えられて先制の右中間ソロを被弾。マウンド上で険しい表情を浮かべた。
◆あと1イニングだった...。阪神の伊藤将司が九回のマウンドに上がるも同点を許した。1-0で迎えた九回、先頭の内山に二塁打を浴びて無死二塁のピンチを招いた。村上は右飛に打ち取るも、その間に走者は三塁に進塁。続くオスナの二ゴロで同点の走者の生還を許した。伊藤将は犠飛で2死二塁としたところで降板。「ランナーを出しても粘り強く八回まで0で抑えることができました。最後のアウトまで取りたかったのですが九回の先頭を出してしまったことが全てです。勝ち切ることができずに悔しいです」とコメントした。2番手で登板した新外国人のグラント・ハートウィグ投手(27)=前メッツ3A=が山田を遊直に打ち取って、勝ち越しは許さなかった。
◆阪神が連敗。延長十二回に登板した湯浅京己投手(26)が2死後、安打ー死球ー内野安打で満塁とされて降板。桐敷拓馬投手(26)が代打増田珠内野手(26)に中前2点打を浴びた。その裏2死一、二塁と攻めたが、近本光司外野手(30)が遊ゴロに倒れた。四回、佐藤輝明内野手(26)の30号ソロで先制。九回1死三塁、伊藤将司投手(29)が内野ゴロで追いつかれて、延長戦に突入した。佐藤輝は球団では2010年クレイグ・ブラゼル(最終47本)、日本人では82年掛布雅之(最終35本で戴冠)以来の両リーグ最速30号。十回を抑えた石井大智投手(28)は37戦連続無失点で、リーグ2位篠原貴行(11年、横浜=現DeNA)に並んだ。前カードの中日3連戦で11打数1安打だった森下翔太外野手(24)は24年7月5日DeNA戦(甲子園)以来のスタメン外で九回に代打で左前打を放った。延長戦成績は8勝7敗2分。優勝マジックは「31」のまま(61勝39敗2分、観衆=3万6193人)。
◆ヤクルトが粘り勝ちした。同点の十二回2死満塁から代打増田の2点打で勝ち越し。0―1の九回に内山の二塁打を足場に追い付いた。阪神は後半戦初の連敗。四回に佐藤輝の30号ソロで先制したが、伊藤将が完封を逃し、湯浅が黒星。
◆阪神が連敗。延長十二回に登板した湯浅京己投手(26)が2死後、安打ー死球ー内野安打で満塁とされて降板。桐敷拓馬投手(26)が代打増田珠内野手(26)に中前2点打を浴びた。その裏2死一、二塁と攻めたが、近本光司外野手(30)が遊ゴロに倒れた。四回、佐藤輝明内野手(26)の30号ソロで先制。九回1死三塁、伊藤将司投手(29)が内野ゴロで追いつかれて、延長戦に突入した。佐藤輝は球団では2010年クレイグ・ブラゼル(最終47本)、日本人では82年掛布雅之(最終35本で戴冠)以来の両リーグ最速30号。十回を抑えた石井大智投手(28)は37戦連続無失点で、リーグ2位篠原貴行(11年、横浜=現DeNA)に並んだ。前カードの中日3連戦で11打数1安打だった森下翔太外野手(24)は24年7月5日DeNA戦(甲子園)以来のスタメン外で九回に代打で左前打を放った。延長戦成績は8勝7敗2分。優勝マジックは「31」のまま。
◆ヤクルト・高梨裕稔投手(34)は7回122球を投げ4安打1失点と先発の役目を果たした。四回2死、カウント3―1から佐藤輝に甘く入ったフォークボールを捉えられ、右中間席への先制ソロを被弾。その後は無失点で、チームの勝利を呼ぶ好投を見せ「ホームランはカウントを悪くしてしまって、甘く入った球を打たれてしまったので悔やまれます。その後は切り替えて投げることができました」と汗をぬぐった。
◆ヤクルトが粘り勝ちで連勝。0―1の九回に内山壮真捕手の二塁打を足場に追い付き、十二回2死満塁から代打・増田珠外野手の2点打で勝ち越した。先発の高梨裕稔投手は7回1失点の好投。後を継いだ救援5投手が無失点で切り抜けた。
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)は阪神のグラント・ハートウィグ投手(27)を評価した。結果的に敗れたが、伊藤将が同点に追いつかれた直後の九回2死二塁で、阪神ベンチは思い切ってハートウィグを投入した。これまでならば湯浅らでしのいでいたところを新助っ人で切り抜けることができ、ブルペンに貴重な1枚が加わったことを改めて感じた場面だった。ハートウィグは山田を遊直で打ち取り、たしかにいい当たりはされたが、登板ごとに制球も良くなってきている。山田は、青柳が阪神で先発したときには欠場することもあったほどだから、サイドハンドを嫌がるのでは?という狙いもあったのかもしれない。実際にやや体が開いている印象も受けた。青柳より手足も長く体も大きいぶん、これからさらに順応していけば、さらに相手にとって嫌な投手となってくれるはずだ。湯浅、桐敷は結果的に打たれたが、延長十二回まで残しておくことができたのも、試合運びとしては申し分なかった。六、七回にもう1点でも取っていればまったく違いになっていただけに、代打で安打が出た森下を筆頭に、打線が状態を上げていくしかない。
◆?...阪神・佐藤輝明が今季30本塁打。球団では2010年のブラゼル以来、日本選手では05年の金本知憲以来、生え抜き選手では1985年の掛布雅之、岡田彰布以来40年ぶり。12球団最速は10年のブラゼル以来、日本選手では1982年の掛布以来。?...佐藤輝は今季102試合で30本塁打。シーズン換算では42本ペース。
◆コツコツと積み重ねてきた。藤川監督のセ・リーグ記録に、阪神・石井大智投手(28)が王手をかけた。「もうゼロで抑えることができてよかったと思います」1-1の延長十回。2死二塁を無失点で切り抜けて、37試合連続無失点で降板。2011年の篠原貴行(横浜)のリーグ歴代2位に並んだ。「(長岡の)ヒットという結果は仕方ないと思いますが、しっかりそこで投げきらないといけない」完封寸前だった伊藤将が九回、同点に追いつかれて降板。石井の出番は同点の十回に訪れたが、先頭の長岡に151キロの直球を右前にはじき返されたことを猛省した。この後、北村拓の犠打で得点圏に走者を許してしまう。1死二塁。ここから本領発揮だ。太田を直球で追い込み、最後は147キロで空振り三振。続く赤羽にはワンバウンドのフォークで空を切らせた。「いつも通りですね、そこは」。いつものように冷静だった。
◆最後の最後でひっくり返した!! リーグ最下位のヤクルトは8日、阪神17回戦(京セラ)に延長十二回の末、3-1で逆転勝ちして2連勝。2死満塁の好機で代打・増田珠外野手(26)が決勝の中前2点打を放った。夏の甲子園大会が開催中で、母校・横浜高(神奈川)はこの日、敦賀気比高(福井)に勝利して1回戦を突破。高校時代に負けん気を養った〝燕の元気印〟が、チームとファンと後輩たちに笑顔をもたらした。強い気持ちで打った。延長十二回2死満塁。代打・増田は「ずっと準備していたので、『やっと来たな』という気持ちで打席に入った」と覚悟を決めた。カウント2―2から決勝の中前2点打。右手を突き上げた。「ベンチからみんなの声が聞こえて、奮い立たされた。ベンチを見たら自分以上に喜んでくれていたので、うれしくて喜びました」ヤクルトらしく、粘り勝った。先発の高梨が7回1失点と仕事を果たすと、1点を追う土壇場の九回に同点に。救援陣も粘りながらスコアボードに「0」を並べた。4時間27分の死闘。けりをつけたのが、2023年限りでソフトバンクを戦力外となり、昨季から加入した増田だった。試合が行われた大阪府の隣県である兵庫県では、夏の甲子園大会が開催中。この日、母校の横浜高は1回戦を突破した。躍動した後輩たちの活躍に負けじと、ヤクルトを通じて飲料を差し入れした〝燕の元気印〟が躍動した。高校時代に培った負けん気が、生きている。当時から神奈川県内のライバルだったのは、東海大相模高。力強く「打倒・相模」と記し、就寝前と起床時に必ず目に入るように寮生活をしていた部屋の天井に自ら貼り付けた。「もともと負けず嫌いでしたけど、大きい舞台で打ちたい、そういう場面で回ってきたときに力を発揮したいという思いがありました。『勝つのが当たり前』というマインドでやってきた中で、しっかり力を発揮するという精神的な強さは勉強になりました」強い精神力と気持ちで、今季の代打打率は・387(31打数12安打)。高津監督も「よく一本打った。あの一打席って難しくて、大事で、いろいろな意味が詰まった打席だった」とたたえ、「スタメンでは使わないよ(笑)。右の代打として非常に重宝している」と存在の大きさを口にした。リーグ最下位だが、最高の粘りで2連勝。このまま連勝街道を歩む。(赤尾裕希)
◆ドッカーーン! 阪神・佐藤輝明内野手(26)が四回、ヤクルト・高梨から右越えソロを放ち、シーズン30本塁打に到達した。球団生え抜き選手では、1985年の掛布雅之(現球団OB会長)、岡田彰布(現球団オーナー付顧問)以来、40年ぶり。試合は延長十二回の末、1-3で敗れ、優勝へのマジックナンバーは31のままだったが、令和最強の主砲がいる限り、虎は前へ、前へと進む!京セラドームの天井をなぞるように、美しい放物線が描かれる。放たれた白球は40年もの間、閉ざされてきた歴史の扉をこじ開けた。虎党が待ち望んでいた瞬間がやってきた。佐藤輝が、掲げ続けた目標をかなえた。「勝ちたかったですけどね。(掛布さん、岡田さんと)比べるのは、違いすぎて、比べるものでもないと思うし、自分の中では30号が一つの目標だったので、うれしいです」0-0で迎えた四回1死。高梨の134キロフォークを一閃した。右翼席へ飛び込む先制弾。ダイヤモンドを一周した大砲に、万雷の拍手が降り注いだ。これがシーズン30本目の本塁打。球団では2010年のブラゼル以来で日本選手では07年の金本知憲以来。球団の生え抜き選手に限れば1985年の掛布雅之、岡田彰布以来のことだ。ファンが待ち望んでやまなかった正真正銘の和製大砲誕生の瞬間-。ラッキーゾーンはない広い甲子園。左打者に不利とされる右翼から左翼方向に浜風が吹く甲子園を本拠地としている男が、大台に乗せたからこそ価値がある。「そら難しいですよ。あれだけ左打者が(甲子園では)打てないので」2020年の入団会見から目標として掲げ続けてきた「30本塁打」。それは何度も何度も「甲子園」という壁にはね返されてきた。だから、本拠地により一層寄り添って汗を流してきた。
◆2試合ぶりにスタメンに復帰した阪神・大山は5打数1安打だった。二回、高梨の初球145キロ直球をはじき返して、右中間フェンス直撃の二塁打。得点にはつながらなかったが、虎党に無事をアピールした。延長十一回には前を打つ佐藤輝が申告敬遠され、2死満塁で打席へ。一打サヨナラの場面だったが、鋭い打球の中飛に倒れた。
◆完封勝利目前だった阪神・伊藤将は九回に追いつかれて無念の降板となった。「(佐藤)輝が1点を取ってくれたので、それを守れなかったことが悔しい」。1-0の九回は先頭・内山に左翼線二塁打。1死三塁でオスナの二ゴロは中野は本塁に送球するも間に合わず同点(記録は野選)となり、古賀の犠打で2死二塁とされて交代した。「ピッチング自体は継続して、しっかりと(状態を)保ちながら次の登板で投げたい」と前を向いた。
◆同点で迎えた延長十二回に5番手で登板した阪神・湯浅が悔しい3敗目を喫した。先頭の山田を空振り三振、続く長岡を遊ゴロに仕留めて2死を奪ったが、そこから2本の安打と死球で2死満塁とピンチを招いて降板。後を受けた桐敷が代打・増田に決勝の2点打を浴びた。
◆敗戦の可能性消滅まであとアウト1つから半身を待っていた悪夢。延長十二回に湯浅が2死から広げた満塁のピンチを、桐敷へのリレーでもしのぎきれなかった。「日々、そういうゲームですからね。全選手、頑張ってくれていますからね」振り返る藤川監督はナインを責めなかった。延長戦までロースコアで進められた要因は先発・伊藤将。「(持ち味は)十分に出してくれた」と、役目を果たしてくれたからこそ、9連戦中における4時間27分に及ぶ戦いをこなしても、リリーフ陣の投入は5人でとどめることができた。「なかなか全てがうまくはいかないですけど、とにかく気持ちを集中して、守備を含めてやっていますから。またあしたですね」。7月15、16日以来の連敗となっても、とにかく前向きに戦う。(須藤佳裕)
◆今季初めてベンチスタートとなった阪神・森下が、1-1の九回先頭で代打登場。3番手・荘司の低めチェンジアップに食らいついて左前に落とし、3試合ぶりに「H」ランプを灯した。「良かったです。明日につなげます」。藤川監督は試合後、コンディションを含めての判断かと報道陣に問われ「そうですね。また、明日は出られる状況にはなると思いますけど」と、9日のスタメン復帰を示唆した。
◆阪神・佐藤輝の30号到達をミスタータイガース、恩師が喜んだ。リーグ優勝&日本一に輝いた1985年に4番として40本塁打を放った阪神・掛布雅之OB会長(70)はちょうどMBSテレビの解説を務めており、放送ブースから中継を通じて祝福した。近大元監督の田中秀昌氏(68)は本塁打王獲得の瞬間を楽しみにした。教え子が成し遂げた快挙に、声が弾む。佐藤輝を育てた田中氏はシーズン30本塁打を祝福した。「とにかく『おめでとう』という言葉に尽きます」プロの世界に送り出し、ルーキーイヤーから奮闘ぶりには視線を送り、ときにはアドバイスもした。持ち前の長打力は今年、本格的に開花。「今年はボール球を振らなくなったし、3月のドジャース戦(東京ドーム)で軽くアジャストするコツをつかんだんじゃないですか」と、3・16にサイ・ヤング賞左腕のスネル投手から3ランを放った場面を挙げた。進化と変化は明確にうかがえる。求められる中軸としての役割を申し分なく全うするここまでの姿は誇らしいし、これからもそうであってほしいと願う。「一年間フルに戦ったことがないので、残りのシーズンをけがなく戦ってほしいですね。ホームラン王を取ってほしいです」一日一歩ずつ、そして1本ずつ―。堂々と戦い抜くことへの期待に、応えてくれると信じている。
◆カケフ、カケフ! カケフ、カケフ!♪岡田、岡田、ホームラン、岡田、岡田、ホームランから40年...♪振り抜け、輝け、打て、輝明「サイコーで~す!!」。ついに生え抜き30号ホームラン男・佐藤輝の誕生や!!その4番の一発と先発伊藤将の完封の1-0勝利なんて、たまらんわと酔っていたら、ゲゲ~。九回あと2人でその夢が砕かれただけじゃなくて、延長十二回あと1人で負けがなくなる場面で桐敷がやられた~。ダブル思わせぶり敗戦にガックリ!!7日にプロ初ホーマーを放った中川を森下に変えて3番でスタメン起用した藤川采配には正直ビックリしたけど、21歳で伝統ある阪神タイガースのクリーンアップに名を連ねたってのは(本日は音なしだったけど)、この先大きな財産になってくると思うのだ! いや、そーしなきゃあかんでェ、中川勇斗!! 37試合連続無失点の石井もえらいが、本日も無失点マウンドの及川もスゲー!!てか、2人とも防御率0点台だけど、シーズンが終わって2人合わせても防御率1点以下なんて驚天もあるんじゃねーの?!
◆いやぁ、なかなかカッコいい「黒虎」だった。夏の長期ロード真っただ中の阪神は、この3連戦では関西へと戻り、京セラドームで「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」と銘打たれたヤクルト戦。全身黒色の特別ユニホームで臨んだ。過去の「ブラックタイガース」のユニホームも選手らのシルエットがグッと引き締まってみえてもちろんよかったが、今回はちょっぴりグレーの色味で胸元の「OSAKA」の文字はゴールド。ファンの間でも大好評らしく、若手虎番の萩原翔が興奮気味に説明する。「公式オンラインショップのT-SHOPには連勝の数に応じてポイントが多く付与されるシステムがありまして。6月末から7月にかけて11連勝したときに、僕も今回のレプリカユニホームを『エイッ!』とクリックして購入してしまいました!」ファンの方なら当然のように知っているような〝ルール〟も意外と記者は知らなかったりする。その点、この萩原という男は視野が広い。「えっ、値段ですか? 税込み1万2100円ですよ。森下選手のユニホームがほしかったので、そのためなら安いもんですヨ!」試合前には書道家の青柳美扇(びせん)氏が、これまたゴールドの文字で力強く「黒虎」としたためる書道パフォーマンスも行われ、萩原は青柳さんを取材。「文字もですが、青柳さんもすごくキレイでした!」と目がハートマークになっていた。たまたま現場にいたデスクの長友孝輔は「あの方は、NHKのEテレでやっている『にほんごであそぼ』に出ていたから、いつも子供とみている自分は知っていたゾ」と妙に得意げな顔をしている。萩原のような多くの虎党にとっての〝青柳さん〟といえば、もちろんこれまでは「晃洋さん」だったのだが...。この夏からは「美扇さん」もしっかりと頭に刻んでおこう。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
61 | 39 | 2 | 0.610 (↓0.006) | M31 (-) |
41 | 346 (+1) | 233 (+3) | 65 (+1) | 81 (-) |
0.243 (↓0.001) | 2.010 (-) |
2 (-) |
巨人 |
49 | 49 | 3 | 0.500 (↑0.005) | 11 (↑1) |
42 | 299 (+12) | 300 (+2) | 62 (-) | 41 (+1) |
0.242 (↑0.002) | 2.680 (↑0.01) |
3 (-) |
DeNA |
46 | 49 | 5 | 0.484 (↓0.005) | 12.5 (-) |
43 | 320 (+2) | 307 (+12) | 59 (-) | 46 (-) |
0.236 (-) | 2.820 (↓0.05) |
4 (1↑) |
広島 |
43 | 52 | 5 | 0.453 (↑0.006) | 15.5 (↑1) |
43 | 302 (+3) | 324 (+2) | 50 (-) | 48 (+1) |
0.240 (-) | 2.980 (↑0.01) |
5 (1↓) |
中日 |
44 | 54 | 2 | 0.449 (↓0.005) | 16 (-) |
43 | 268 (+2) | 302 (+3) | 52 (+1) | 62 (+1) |
0.226 (-) | 2.860 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
35 | 55 | 5 | 0.389 (↑0.007) | 21 (↑1) |
48 | 263 (+3) | 369 (+1) | 48 (-) | 45 (+1) |
0.227 (-) | 3.480 (↑0.04) |
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