中日(★2対3☆)阪神 =リーグ戦14回戦(2025.08.06)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:及川 雅貴(5勝3敗1S)
(セーブ:石井 大智(1勝0敗5S))
敗戦投手:橋本 侑樹(2勝2敗0S)

本塁打
【中日】上林 誠知(12号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は1-2で迎えた8回表、佐藤輝の適時打で同点とする。そのまま迎えた延長10回には、1死満塁から大山の押し出し死球で1点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・及川が今季5勝目。敗れた中日は、救援陣が振るわなかった。

◆優勝マジック33の阪神は勝利すれば、セ・リーグで今季唯一負け越している中日との対戦成績が7勝7敗となる。小幡竜平内野手(24)が、7月31日広島戦以来5試合ぶりのベンチスタート。今月2日のヤクルト戦では2打席連続本塁打をマークしていたが、翌3日の同戦と5日中日戦の直近2試合では、計8打席で1四球、無安打だった。相手先発が右投手の試合でスタメンを外れるのは、7月9日広島戦以来19試合ぶりだ。代わって遊撃には熊谷敬宥内野手(29)が入り、8番で2試合連続のスタメン出場。前日5日は「8番左翼」だった。高寺望夢内野手(22)が「6番左翼」で、2試合ぶりに先発出場する。先発は村上頌樹投手(27)。自己最多タイの10勝目をかけてマウンドに上がる。

◆阪神近本光司外野手(30)が、技ありの一打で試合を振り出しに戻した。1点を追う3回2死二塁。外角低めに133キロ変化球を腕を伸ばして捉え、逆方向へ。同点の左前適時打となった。この日の先発は村上頌樹投手(27)。同じ淡路島出身の後輩を援護する形となった。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が、背中に死球を受けた。5回2死走者なしから、中日先発の柳裕也投手(31)の投じた、抜けた123キロ変化球が背中に直撃。坂本はマウンドの柳の方をじっとみつめ、柳は帽子をとって謝罪した。坂本は治療を受けることなく、一塁に向かった。坂本にとって柳は、同じ明大出身で1学年下の後輩だ。柳は直後の裏の攻撃で、先頭打者として打席に入る際に、捕手の坂本の方を向いて脱帽してお辞儀。坂本もそれに応えるようなしぐさを見せていた。

◆"村上キラー"の中日上林誠知外野手(30)が5回に勝ち越しの12号ソロを放った。同点の5回1死、1ボールから阪神村上の2球目スライダーをかち上げ、右翼席へ運んだ。「完璧だったと思います。柳さんがいい投球をしてくれていたので1本出てよかった」。7月8日巨人戦以来の1発は手応え十分だった。村上に対し試合前までで今季は9打数5安打の打率5割5分6厘、1本塁打と好相性。7月3日DeNA戦以来の1番に起用され、首脳陣の期待に応えた。移籍2年目の今季は右翼の定位置をつかみ、8年ぶりに球宴にも出た。後半戦開始から8戦連続安打も前日5日阪神戦は4打数無安打。久しぶりに試合に出続け、両足に疲労もたまっている。試合前時点でチームトップ19盗塁と足も武器だが、ガツンとスタンドにたたき込み、ダイヤモンドをゆっくりと1周まわった。

◆阪神村上頌樹投手(27)が6回6安打2失点で降板した。前回7月30日、広島戦では6回無失点で9勝目。2年ぶりの2桁10勝は先送りになった。1-1で迎えた5回1死無走者で中日上林にカウント1-0から124キロスライダーを右翼席に勝ち越し本塁打を許した。上林には4月11日中日戦(甲子園)でも被弾していて、今季2本目。通算対戦成績も12打数6安打、2本塁打3打点、打率5割とされた。

◆中日が首位阪神に2試合連続で逆転負けを喫して3連敗、借金は10となった。救援陣が再びつかまった。先発柳裕也投手(31)が7回122球で4安打1失点。3回に1点失うが、6回1死満塁で4番佐藤輝を遊飛、5番大山を三ゴロに仕留めた。7回は1死二塁のピンチで熊谷、代打ヘルナンデスを2者連続空振り三振と踏ん張り1点リードのまま降板。だが、8回に登板した2番手藤嶋健人投手(27)が2死三塁から佐藤輝に左前同点適時打を許した。延長10回にジュニオル・マルテ投手(30)が阪神大山に押し出し死球を与え、これが決勝点となった。右尺骨肘頭疲労骨折で離脱中の守護神松山晋也投手(25)が7日の2軍オリックス戦で実戦復帰する。状態次第だが1日も早い復帰が望まれる。

◆阪神が延長10回に勝ち越した。先頭の近本光司外野手(30)が左前打で出塁。続く中野拓夢内野手(29)が中前打、森下翔太外野手(24)が四球で無死満塁とした。その後、1死満塁となって、打席には大山悠輔内野手(30)。死球を受けた。押し出しで1点が入り、この日初めてリードを奪った。

◆阪神が逆転勝ちで延長戦を制し、連勝で優勝マジックを32に減らした。これまでリーグで唯一負け越していた中日に、これで7勝7敗の五分。貯金も今季最多24とした。2-2で迎えた延長10回、近本、中野の連打と森下の四球で無死満塁。続く佐藤輝は空振り三振に倒れるも、続く大山悠輔内野手(30)が初球で死球を受け、押し出しで決勝点が入った。阪神村上頌樹投手(27)は、6回6安打2失点の粘投も4敗目。2年ぶりの2ケタ勝利となる10勝は次戦へ持ち越しとなった。2回、先頭の中日ボスラーの中堅への打球に近本がスライディングキャッチを試みるも、捕球できず二塁打に。そして、1死三塁から石伊に左中間へ先制の適時二塁打を許した。直後の3回表には一時同点。1死から熊谷が中前打を放つと、2死二塁から近本が同点の左前適時打を放った。しかし、5回1死から中日上林に村上がスライダーを捉えられ、右翼スタンドへ勝ち越しのソロ本塁打。それでも1-2のまま迎えた8回、先頭近本の右越え二塁打で好機をつくると、2死三塁から佐藤輝が初球をうまく左前に運び同点に追いついた。試合は延長戦までもつれたが、最後は阪神が粘り勝ちし、5カード連続の勝ち越しを決めた。

◆前夜に4番・佐藤輝明内野手(26)の逆転3ランで劇的勝利を収めた阪神。連勝に向け、2桁勝利に王手をかける村上頌樹投手(27)が先発する。ここまで18試合で9勝3敗、防御率2・00。バンテリンドームでは5月23日に先発して、7回無失点と好投した。打線の注目は「6番・左翼」で先発する高寺望夢内野手(22)。5日の同戦で七回に代打で登場すると、二塁打を放ってチャンスメーク。好走塁に犠打も成功させ、存在感を見せた。

◆阪神・村上頌樹投手(27)が先発し、二回に先制点を献上した。先頭・ボスラーが打ち上げた打球は背走する遊撃・熊谷、中堅・近本の間に落ち、ボールがすべり込んだ近本の後方を転々とする間にボスラーは二塁へ到達。チェイビスの二ゴロで1死三塁とされると、石伊には鋭い打球で左中間を破る二塁打を打たれ、先制のホームを踏まれた。チームは3日のヤクルト戦(神宮)、5日の今カード初戦でも先制点を奪われており、3試合連続は5月13日のDeNA戦(新潟)から同16日の広島戦(甲子園)以来、今季2度目のワーストタイ。村上自身は前回登板した7月30日の広島戦(甲子園)まで2試合連続で6回無失点と好投しており、失点するのは2回8安打6失点だった7月11日のヤクルト戦(甲子園)での二回以来、14イニングぶりだった。

◆7日の同カードで25歳のバースデー登板に臨む阪神・伊原が2カ月ぶりの白星を狙う。ここまで20試合に登板して5勝4敗、防御率1・84と結果を残すが現在3連敗中。「チームとして勝ちたい。そこに貢献できて、勝ちがつくなら言うことはない」と力を込めた。相手先発は大商大時代にも対戦経験があるD1位・金丸(関大)。「すごいボール、投手としての良さは感じていましたけど、今は負けたくない思いもあります」と闘志を燃やした。

◆阪神がすぐさま追いついた。近本光司外野手(30)が技ありの一打を放った。1点を先行された直後の三回2死二塁で打席へ。柳が外角低めに投じた133キロフォークをバットの先で拾い上げた。打球は左前に弾み、二走・熊谷が悠々とホームへ生還。近本は7月27日のDeNA戦(甲子園)以来の打点で、これで9試合連続安打とした。阪神・近本 「打ったのはフォークかな。(村上)頌樹が粘り強く投げてくれていたので、なんとか早い段階で追いつきたいと思っていました。追い込まれた中でしたが、いいバッティングができたと思いますし、次の打席も頑張ります」

◆阪神・村上頌樹投手(27)が先発し、五回に勝ち越し弾を浴びた。二回に先制点を献上し、直後の三回に同点に追いついてもらったが、五回だった。1死後の1番・上林との勝負で、カウント1ボールからの2球目、124キロの変化球をとらえられると、打球は大きな弧を描いて右翼席に着弾。村上は腰に手を当てながら悔しそうに打球を見送った。村上は上林に対し、試合前時点で被打率・556(9打数5安打)と苦手にしており、4月11日(甲子園)でも本塁打を打たれていた。

◆阪神が満塁の好機を逃した。1‐2で迎えた六回。1死から近本が右前打を放つと、続く中野が中前打、さらに森下が四球で満塁の好機を作った。打席には柳の前に、第1打席は見逃し三振、そして第2打席は空振り三振に倒れていた4番の佐藤輝。フルカウントから8球目を打ち上げ、遊飛に終わった。さらに大山も三ゴロに倒れて無得点。バンテリンドームの阪神ファンから大きなため息が漏れた。

◆阪神・村上頌樹投手(27)が先発し、6回6安打2失点だった。中日打線には最速149キロの直球に多彩な変化球を交えて立ち向かったが、二回1死三塁で石伊に左中間への先制二塁打を浴びると、同点の五回には上林に右翼への勝ち越しソロを被弾した。ただ、六回2死二塁のピンチでは二回に先制打を浴びていた石伊を高め147キロで空振り三振に仕留め、粘りも発揮。9三振を奪い、中日先発・柳と渡り合った。援護が少なく、打席が回ってきたところで代打が送られた七回も打線が1点差を逆転できず。王手をかけていた自身2年ぶり2度目となる2桁勝利はお預けとなった。阪神・村上 「全体的にストレートの走りもよかったですし、低く集める意識で投げることができました。ただ、タイムリーもホームランも大事な1球を投げミスしてしまったので、そこは反省をして、次回登板には修正できるようにしたいです」

◆阪神が終盤で再び同点に追いついた。1‐2で迎えた八回。先頭の近本が二塁打を放つと、中野が犠打。森下が空振り三振に倒れ、2死三塁で佐藤輝が打席に向かった。第1打席と第2打席は三振。六回1死満塁の好機では遊飛に倒れ、天を仰いでいた主砲は藤嶋が投じた初球の変化球にバットを合わせた。打球は三遊間を抜け、意地のタイムリー。4番の仕事を果たし、試合を振り出しに戻した。

◆阪神が延長十回に勝ち越しに成功した。中日の4番手・橋本から、先頭の近本光司外野手(30)が、この日4安打目となる左前打で出塁すると、中野が中前打、森下が四球でつないで満塁。佐藤輝が空振り三振に倒れ、1死満塁で打席に立った大山悠輔内野手(30)の押し出し死球で、勝ち越しの走者が本塁に生還した。大山は背中に死球を受けてうずくまり、ベンチからトレーナーが駆け寄ったが、自分の足で一塁へ進んだ。

◆阪神が接戦を制し、中日に2連勝。優勝マジックは「32」となった。先発の村上は、二回に石伊に先制適時打を許すと、1-1の五回には上林に本塁打を浴びた。6回2失点で降板し、2年ぶりの2桁勝利はお預けとなった。打線は中日の先発・柳に7回4安打1得点に抑え込まれた。1-2の八回、2番手の藤嶋から先頭の近本が二塁打で出塁すると、2死三塁で佐藤輝が同点の左前適時打。延長十回に4番手・橋本から無死満塁の絶好機を作り、代わったマルテに対し佐藤輝は空振り三振に倒れたが、続く大山が押し出し死球で勝ち越した。

◆阪神が2戦連続、今季15度目の逆転勝利で、優勝マジックを1減の「32」とした。十回、2安打と四球で無死満塁とし、代わったジュニオル・マルテ投手(30)の前に、八回に同点打を放っていた佐藤輝明内野手(26)は空振り三振に倒れたが、大山悠輔内野手(30)の押し出し死球で勝ち越した。連投で5S目(1勝)の石井大智投手(28)は36戦連続無失点で、藤川球児監督(45)が2006年に樹立したリーグ記録まで、あと「2」とした。八回の湯浅京己投手(26)、九回の及川雅貴投手(24)は連続試合無失点をそれぞれ「10」「11」とした。村上頌樹投手(27)は6回105球6安打9奪三振1四球2失点。延長戦は7勝7敗2分。セ・リーグで唯一負け越していた中日とは7勝7敗。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(78)は、八回に同点打を放った佐藤輝明内野手(26)について言及した。佐藤輝の打撃を見ながら、私が現役時代に何度も対戦した王貞治さんを思い出していた。八回2死三塁から左前へ放った同点タイムリー。この打撃をされると、相手はどうしようもなくなるのだ。前日(5日)には特大の逆転3ランを放っている。当然、相手はホームランだけは避けないと考える。対する佐藤輝は「もう一本」と考えても不思議ではない。でも、今の佐藤輝は「ここで何が必要か」を考える。とにかく三塁走者をかえすこと。無理に長打を狙わない。王さんの一発を警戒しているときに、何度も左前へ軽くヒットを打たれた。その後、同じようなケースはいつも「ホームランによる複数失点は防ぎたい」「1点は覚悟しよう」という気持ちになったものだ。ことしの佐藤輝は、考えて打てるようになっているし、王さんのような打者に近づきつつある。真の4番打者になりつつあると言ってもい。両先発が互角の投手戦を繰り広げ、面白い試合だったが、救援陣に関しては阪神が完全に上回っていた。そこも勝因に挙げたい。

◆♪あ~夏男~! 阪神は延長十回の末に中日に3-2で競り勝ち、優勝へのマジックナンバーを「32」とした。近本光司外野手(30)が1点を追う八回先頭、同点の十回先頭でのチャンスメークを含む4安打で逆転勝ちに大貢献。8月通算打率・327を誇る「虎の夏男」が打率リーグ1位に返り咲き、今季セ・リーグで唯一負け越してきた中日戦も7勝7敗の五分に戻した。試合を動かし続けて、最後の打者の飛球もがっちりとつかんだ。4時間2分の激闘の主役は、紛れもなく近本だった。同点と勝ち越し、どちらも口火を切って4安打固め打ちで逆転勝利に貢献。わずか1日で首位打者に返り咲いた。「先頭(打者が)多いなと思いましたね。でも、今回は初球(打ち)じゃなくて、とにかく出ようという気持ちで」2-2の延長十回。左腕・橋本の148キロの直球をたたいた。打球は三遊間を抜けて左前へ。中野が中前打で続き、森下が四球で歩いて無死満塁の絶好機。佐藤輝は空振り三振に倒れたが、大山が押し出しの死球。虎党の大歓声の中、近本が勝ち越しとなる3点目のホームを踏んだ。1点を先制された直後の三回2死二塁は柳のフォークを拾い上げて左前へ。連続試合安打を「9」に延ばす同点打で流れを渡さない。「前回から(柳には)いいボールを投げられていた。とにかくバットに当てようと思った」。六回もその柳から右前打。八回は藤嶋の初球をたたいて右越え二塁打を放った。4安打で打率・292とし、中野を追い抜いてセ・リーグトップに再浮上だ。

◆八回を任された湯浅は粘りを発揮した。「追いついたあとだったので、しっかりとゼロで帰ることができてよかった」。自軍に流れが傾く中で1死後にストレートの四球で走者を出したが、細川を捕邪飛に、ボスラーは右飛と、長打力のある中軸を何とか打ち取った。交流戦明けから再昇格し、10試合連続無失点と安定感を示している。

◆先発した村上は6回2失点で勝ち負けつかず。2年連続2桁勝利は次戦以降にお預けとなった。1-1の五回に上林に勝ち越しソロを許し「投げ切れなかったところが失点につながった」と反省。今季最多の9三振を奪ったが、右腕に笑顔はなかった。「チームは勝ったんで良かったですし、そのためにやっている。全員に感謝だなと思います」。課題を修正し、次戦で悔しさを晴らす。

◆午後10時を回り、場内から鳴り物応援が姿を消した。右翼スタンドからは虎党の「あと1人コール」をかき消すほどの大声援。そんなプレッシャーを跳ねのけ、石井は普段通りにゼロを重ねた。「しっかり投げ切るところを投げ切らないと、やっぱりいつか痛い目を見る。結果がいいにしても、そこはあしたに向けて反省します」延長十回に上位打線で勝ち越しに成功。めぐってきた2夜連続のセーブシチュエーションだった。対するは1番からの好打順。右腕は直球で押して、上林、田中を飛球2つで簡単に仕留めた。しかし2死から岡林に中前打を許し、一発出れば逆転サヨナラの場面で細川と向かい合った。中日の主砲は巨人・マルティネスから2度、九回に劇的本塁打を放っていた守護神キラー。逆転勝利を信じる竜党の声援で、バンテリンドームは異様な雰囲気に包まれた。それでも右腕は淡々と仕事をこなす。「いろいろ考えながら。でも、一番できる攻めはああいう攻めかな」と4球連続スライダーを選択。球審の腕が上がらず、カウント3-1と不利な状況に立たされたが、最後は渾身の149キロ直球で、中飛に打ち取った。開幕から守護神を担ってきた岩崎が腰の疲労のため2日に出場選手登録を抹消。その後は石井が代理で守護神を務めた。「(セーブシチュエーションでの登板は)やっぱり多少、気持ちが違うところもある。そこで投げ続けている岩崎さんって本当にすごいな、と感じますし、本当にいい経験ができている」これで36試合連続無失点とし、初めは遠くに見えていた藤川監督の背中を捉えた。セ界記録まであと2つ。歴史的瞬間が迫っている。(萩原翔)

◆及川はサヨナラ負けのピンチで耐えた。九回に登板し、1死後に石伊への四球と内野ゴロの間の進塁で2死二塁。それでも代打ブライトは詰まらせて中飛に打ち取った。チームが直後に勝ち越し5勝目をゲット。「石伊選手がこの試合のキーマンだと思っていた。ああいった場面での四球が一番いけないこと」と反省しきりだったが、11試合連続無失点で防御率0・81と存在感は抜群だ。

◆大山が〝オーラ〟で勝利を呼び込んだ。八回までは4打数無安打と悔しい結果が続いたが、延長十回1死満塁のチャンスでは、マルテの抜けた変化球が背面に直撃。痛みを伴いながらも、決勝の押し出し死球となった。7月29日の広島戦(甲子園)以来の決勝点。打点も4試合連続でマークとなった。

◆中野がミスを取り返しV劇を呼んだ。延長十回無死一塁でバントを決められず追い込まれるも「自分がいまやるべきことは何なのか、を考えながらしっかりと打席に入れた」と執念で二遊間を破り、好機を生み出した。首位打者は近本に〝返上〟したが、2試合連続マルチ安打と好調。「9連戦ですし、いい流れでいくことが大事になる。この勢いをしっかりとあしたにつなげられるように」と前を向いた。

◆八回に虎の背番号8が打席に立てば、何かが起こる。連夜の劣勢をはね返す4番のひと振りにバンテリンドームが沸いた。阪神・佐藤輝明内野手(26)が逃げ切りを図る竜の尻尾を捕まえた。「いいところに飛んでくれてよかったです」1-2で迎えた八回2死三塁の好機。直前は森下が空振り三振に倒れていた。まだため息が残る中、藤嶋の初球137キロにバットを合わせた。痛烈な打球が三遊間を破る。同じく1点ビハインドで迎えた六回1死満塁の絶好機は粘りながらも8球目を打ち上げ遊飛。「もう切り替えていましたよ」。試合を振り出しに戻す同点打に、ため息は一瞬で歓声へと変わった。後輩を救ったひと振りは自身にとっても名誉挽回の一打だった。虎の4番は、自身の背番号でもある「8」にめっぽう強い。前夜の5日に逆転3ランを放って、チームを勝利に導いたのも八回。今季、イニング別でみれば八回の打率・320。10本塁打に24打点は群を抜いて同トップと驚異の数字を誇っている。プロ5年目のシーズン。コンディション調整や相手データのインプットなど試合前に行う〝準備〟と同じように、重要視しているのが試合の中で行う〝修正〟だ。ゲームの中でしか分からないその日の状態、刻一刻と移り変わる勝敗の流れ。感覚を研ぎ澄ませて、微調整を繰り返す。だから、それが体になじんでくる午後8時頃から佐藤輝は真価を発揮する。八回の好データについては「たまたまっすよ」と笑い飛ばしたが、今季試合前半(五回まで)の打率・237(215打数51安打)に対し、試合後半(六回から)は同・335(167打数56安打)と約1割の差がある。数字が物語る〝八回の男〟としての存在感。勝負を左右する終盤に強いのは4番として、頼もしい限りだ。「きょうもすごい大きい勝ちだと思います。またあしたですね」9連戦を連勝スタートで飾り、佐藤輝は胸を張った。どれだけ窮地に陥っていても心配はいらない。虎のナンバーエイト。八回の男が中心でどしっと構える猛虎打線は強い。(原田遼太郎)

◆1点ビハインドの七回に2番手で登板した桐敷が、三者凡退の好リリーフで打線に流れを呼んだ。山本を左飛に仕留めると、代打の鵜飼を投ゴロ。最後は上林を遊飛に打ち取った。直後の攻撃で同点に追いつき、延長戦の末に勝利。「3人でいけましたし、野手陣の方が打ってくれたので。自分も少し流れを持ってこられたかな、と思います」と笑った。左腕はこれで4試合連続で三者凡退。昨季の最優秀中継ぎ投手が輝いている。

◆「一昨日がアジフライ定食、そして昨日がハンバーグ定食、で、本日はウヒョ~刺し身定食! やっぱり日替わり定食っていいね~」そんなサラリーマンの気持ちが分かるような最近の阪神の日替わり勝利に、連日舌鼓を打ってまーす!! 2日のヤクルト戦、4アーチの花火大会勝利! 前夜は2点ビハインドの八回に4番サトテルちゃんの大逆転3ランで劇的勝利! で、本日は同点の延長十回無死満塁、こよいもサトテルちゃんがヒーローかと思わせておいて三振...。しかし、次には頼れる5番大山が控えとるわ、どんな一撃で決勝点を...と思った次の瞬間「ガツーン!」。予想だにしなかった~決勝打ならぬ決勝押し出し死球!! 大山さん痛かったろうけどありがとう!ホント、ただマジックを減らすだけじゃなく、あの手この手の日替わり猛虎だから独走でも全く飽きまへ~ん!それはさておき、2027年からついにセ・リーグもDH制導入のニュースに素人考えで一言いいっすか!? 「何でそんな先? だって交流戦でもう何十年もやってるじゃないのさ~」。ま、いろいろと都合もあるんだろうけどさ...せめて来年からにしません?

◆「末代までの恥。切腹して死にたい」世紀の名(迷)言の主が甲子園に戻ってきたのなら、観戦しないわけにはいかない。島根代表・開星の野々村直通監督。21世紀枠の高校に初戦敗退で、悔しさのあまり、冒頭のセリフが飛び出した。15年前の2010年春のこと。ちなみに、この時の「1番・三塁」がタテジマの糸原健斗だ。野々村発言は世間からバッシングを受けたが、正直な気持ちだけは十分すぎるほど伝わってきた。今回は見事に初戦を突破。勝利監督インタビューで何を言うのか注目していたら...。「向こう(2回戦の相手・仙台育英)は大横綱。こちらはふんどし担ぎ。力を出し切って玉砕してくれたらいい」いつの時代もクスッと笑わせてくれる言葉を持っている。こういう方は、原稿を書く立場では大歓迎となる。野々村監督は指導者の立場を離れた一時期、わがサンケイスポーツ(東京版)で毎週、コラムを執筆してくださった。コーナーのタイトルが「末代までの教育論」。もちろん「末代までの恥」をモジったもので、最高のタイトルだと今でも思っている。その時々の話題を、野々村流に分析、舌鋒(ぜっぽう)鋭くつづっていた。たとえば-。「勝利至上主義の何が悪い。『勝ちにこだわるな!』というなら全国約4000の加盟校を順番に甲子園で試合をさせればいい」過激ではあるが、納得する話ばかりだった。最終回の締めのフレーズは特に印象的だ。「私が子供に言い続けてきた言葉がある。『人生は感謝、歓喜、感動』と『逃げるな! ぶれるな! 群れるな!』である」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
61372 0.622
(↑0.003)
M32
(↑1)
43342
(+3)
222
(+2)
62
(-)
81
(-)
0.244
(-)
2.000
(-)
2
(-)
巨人
48483 0.500
(↑0.005)
12
(-)
44285
(+2)
295
(-)
62
(-)
40
(+1)
0.241
(-)
2.700
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
45485 0.484
(↓0.005)
13.5
(↓1)
45309
(+5)
290
(+8)
58
(+2)
46
(+1)
0.234
(↑0.001)
2.750
(↓0.04)
4
(1↑)
広島
42515 0.452
(↑0.006)
16.5
(-)
45294
(+8)
313
(+5)
48
(+2)
47
(-)
0.240
(↑0.002)
2.930
(↓0.02)
5
(1↓)
中日
43532 0.448
(↓0.005)
17
(↓1)
45258
(+2)
296
(+3)
50
(+1)
61
(+1)
0.225
(-)
2.860
(-)
6
(-)
ヤクルト
33555 0.375
(↓0.004)
23
(↓1)
50257
(-)
366
(+2)
47
(-)
43
(-)
0.227
(↓0.002)
3.540
(↑0.01)