1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | 9 | 1 | 4 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 |
勝利投手:才木 浩人(9勝5敗0S) 敗戦投手:吉村 貢司郎(4勝5敗0S) 本塁打 |

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◆阪神が一発攻勢で試合を制した。阪神は2回表、小幡と高寺のソロで2点を先制する。そのまま迎えた4回には、佐藤輝と小幡のソロが飛び出し、試合を優位に進めた。投げては、先発・才木が6回2安打1失点の好投で今季9勝目。敗れたヤクルトは、打線が精彩を欠いた。
◆阪神は前日1日、長期ロード初戦を延長戦の末に勝った。ナイターで行われる土曜、日曜の試合にはずみをつけた。延長10回、佐藤輝明内野手(26)の勝ち越し二塁打が飛び出した際、藤川球児監督(45)がベンチの奥から最前列まで飛び出してきて、大きく叫んだ。珍しいシーンだった。神宮球場の記者席からはベンチの様子がよく見える。コーチ陣を含めた興奮ぶりが手に取るように伝わってきた。監督の視線の先にいたのは佐藤輝。二塁に到達すると、これも珍しく声を振り絞るように吠(ほ)えていた。ネット上では「監督とテルのシンクロに震える」と感動の声が上がっていた。藤川監督は「ゲームがある4時間ぐらいは本当に個人ではなく、チームで戦っている。本当に素晴らしい集中力」と選手たちをほめた。いい面も悪い面もあった長い試合の中で、最後に勝ち切るたくましさを感じていた。長期ロードはあと22試合もある。目先の1勝に全力を尽くしながらも、俯瞰(ふかん)して進めていくのが藤川監督の得意とするところ。「最初の1試合目が取れたのが大きい。明日から、選手のコンディションを一番大切にしなければいけない。それを中心にしながら」と付け加えた。あわてず、騒がず戦っていくことを、自分の肝に銘じるように語った。
◆阪神近本光司外野手(30)が早くもシーズンの規定打席に到達しそうだ。143試合制の今季のシーズン規定は443打席(チーム試合数×3・1)。近本はすでに441打席に立っており、残り2打席でクリアする。ここまで全96試合に1番打者で出場してきた。1試合平均4・6打席。打席数リーグトップも当然のことだ。安打数115でトップを独走中だが、打率も2割8分8厘と、僅差で首位を争っている。まだ首位打者の経験がないが、その前提条件(規定打席)をまずクリアする。新人年から7年連続の規定打席到達は50年の2リーグ分立後、吉田義男(13年連続)、藤井栄治(8年連続)に次ぎ球団3人目だ。
◆阪神岩崎優投手(34)が2日、出場選手登録を抹消された。球団は疲労を考慮しての抹消と説明。同投手は開幕から39試合に登板し、1勝2敗23セーブ、6ホールドを挙げ、防御率1・66で、守護神としてブルペンを支えてきた。前日1日のヤクルト戦(神宮)では1点リードの9回に登板した。1死一、二塁から代打宮本に左前同点適時打を浴び、27球を投じ1回2安打1失点で降板。味方が同点の10回に勝ち越し、今季初勝利を挙げていた。最短での1軍復帰は12日広島戦(マツダスタジアム)からになる。
◆阪神の代役守護神が注目されている。岩崎優投手(34)がこの日、疲労回復のために出場選手登録を抹消された。前日1日、9回に1点差を追いつかれていた。現状の登録メンバーではセットアッパーの石井大智(28)が筆頭。34試合連続無失点中の安定感で、今季も3セーブ(S)とクローザー経験がある。状況によっては前日にプロ初Sを挙げた及川雅貴(24)の選択肢も。今季は防御率0・84とリリーバーとして才能が開花した。湯浅京己(26)は23年に8Sを記録している。6年ぶりに阪神に復帰したばかりのラファエル・ドリス(37)は、前回所属時の5年間で計96S。17年には37Sでタイトルも獲得した。
◆阪神に意外な1イニング2本塁打が飛び出した。2回1死から、まず小幡竜平内野手(24)が先制アーチ。やや高めの直球をバックスクリーン左に放り込んだ。今季4号で通算6本目。2死後、今度は高寺望夢内野手(22)が高めの直球を強引にたたき、右翼席にもっていった。今季2号で、通算でも2本目。ともに今季大きく出場機会を伸ばした若手の左打者。前回23年の優勝時にも活躍した1~5番が打線を引っ張るが、それ以外の戦力の台頭も目立ってきた。
◆阪神佐藤輝明内野手(27)が6試合ぶりの27号ソロを放った。2-0の4回、ファウルで粘ってからの10球目。吉村貢司郎投手(27)のやや低め直球にバットを合わせ、右翼席に運んだ。前日1日は延長10回に決勝の右越え二塁打。以前から相性のいい神宮では今季も打率3割を超え、3本塁打目となった。
◆阪神小幡竜平内野手(24)が1試合2本塁打と爆発した。4回、佐藤輝明内野手(26)の27号ソロで3-0と点差を広げたあとだった。1死から吉村貢司郎投手(27)の真ん中直球を振り抜き、1打席目と同じようにバックスクリーン左に運んだ。今季5号だが、7月21日の巨人戦(東京ドーム)に続く1試合2発で、秘めた長打力を見せつけた。ベンチではナインが驚きの表情で手荒く歓迎した。高卒7年目で遊撃のレギュラーをつかもうとしている24歳が「恐怖の6番」と化した。
◆阪神近本光司外野手(30)が5打席5打数1安打で今季446打席に到達し、リーグ最速でシーズン規定打席(443打席)をクリアした。新人から7年連続での規定打席に到達。球団では50年の2リーグ分立後、吉田義男(13年連続)、藤井栄治(8年連続)に次ぎ3人目だ。打率は打率2割8分7厘でチームトップに返り咲いたが、リーグトップは広島小園が1厘上回っている。
◆夏はやっぱり神宮の花火だ。阪神が4回までにホームラン攻勢で4点を挙げた。1試合4本塁打は22年5月18日以来。一気にチーム本塁打を60本に乗せ、巨人を抜いてリーグトップに立った。2回は小幡竜平内野手(24)が4号先制アーチ。さらに高寺望夢内野手(22)が2号ソロを右翼席へ。4回は本塁打王へ一直線の佐藤輝明内野手(26)が27号ソロを右翼に放り込み、その後に小幡が2打席連続でバックスクリーン左に放り込んだ。ヤクルトにも内山壮真捕手(23)の6号ソロが飛び出した。東京の夏の風物詩「神宮外苑花火大会」は今年は8月16日に開催。ヤクルトは7月19日~8月31日の期間中、5回終了時に300発の花火を打ち上げている。
◆フジテレビONEで解説を務める五十嵐亮太氏(46)が、ヤクルト村上宗隆内野手(25)に珍アドバイスを送った。この日のスタンドには村上が中学時代に所属していた熊本東リトルシニアの野球少年らが観戦。村上のタオルなどを掲げて声援を送り、村上の恩師である吉本幸夫監督も「村上のホームランボールを取るためにライトスタンドにきました」と右翼席から見守った。村上の第1打席は一打先制の場面で二ゴロ。3点を追う無死走者なしの第2打席は初球からフルスイングも、4球目スライダーを打ち上げて捕邪飛に倒れた。五十嵐氏は「ちょっと力が入っている感じですかね。センター、ライト、レフト方向とホームランを打てるので、さっきのシニアの監督に1回レフトに行ってもらうのも悪くないかもしれないです。監督ちょっと(左翼席にいる)阪神ファンの中に行ってもらって。もうちょっと反対方向の意識があってもいいかなと思います」と珍アドバイスを交えつつ、逆方向の意識を高めてほしいと助言を送った。
◆ヤクルト吉村貢司郎投手(27)が自己ワーストの4被弾に沈んだ。4回4安打4失点で5敗目。全4安打がソロ本塁打で、2回と4回に2本ずつ、すべて直球を捉えられた。本塁から中堅方向に吹く打者有利の風にも泣き、小幡には2打席連続でバックスクリーン左に運ばれた。吉村は「反省、対策をしないといけない」と肩を落とした。
◆阪神才木浩人投手(26)が手当のため6回途中でベンチに下がった。6回先頭岩田にストレートの四球を与えると安藤1軍投手コーチとトレーナーがマウンドへ。体調確認をしたが、そのまま続投し、2番赤羽と対戦した。しかし2球連続ボールを与えた時点で、ベンチから「タイム!」の声がかかり中断。才木は1度ベンチに下がり、「才木選手は手当を行います」と場内アナウンスが流れた。右腕は数分ベンチに下がったが、マウンドへ復帰。安藤コーチ、トレーナーが確認する中で投球練習をしてゲームは再開し、後続を抑え6回を投げきった。才木は6回2安打1失点で6回の打席で代打を送られ降板。2試合連続の完封勝利は逃したが、村上と並ぶチームトップタイ9勝目の権利は得た。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が珍しく怒りをあらわにした。4-1の8回2死一、二塁。木沢尚文投手(27)は初球から内角高めの厳しい球を投げ込んできた。2球目はシュート回転の球が手の付近への死球となり、坂本は木沢をにらみつけた。捕手の古賀優大(26)になだめられ、一塁に歩いた。今季4個目の死球。
◆阪神が自力で優勝マジックを35に減らした。阪神が4回までにホームラン攻勢で4点を挙げた。1試合4本塁打は今季初で、22年5月18日以来、3年ぶり。一気にチーム本塁打を60本に乗せ、巨人を抜いてリーグトップに立った。2回は小幡竜平内野手(24)が4号先制アーチ。さらに高寺望夢内野手(22)が2号ソロを右翼席へ。4回は本塁打王へ一直線の佐藤輝明内野手(26)が27号ソロを右翼に放り込み、その後に小幡が2打席連続でバックスクリーン左に放り込んだ。阪神先発才木浩人投手(26)が6回途中にベンチに下がるアクシデントもあったが、6回2安打1失点。2試合連続の完封勝利を逃したが、村上に並ぶチームトップタイ9勝目を挙げた。また、近本光司外野手(30)が3回の第2打席で今季の規定打席(443打席)に到達。新人から7年連続で、これは50年の2リーグ分立後、吉田義男(13年連続)、藤井栄治(8年連続)に次ぎ球団3人目だ。
◆ヤクルトが"神宮花火大会"に敗れた。4回までに両軍合わせて5本塁打が乱れ飛んだ一戦。首位阪神に押し切られ、3連敗となった。先発の吉村貢司郎投手(27)が自己ワーストの4被弾した。2回は1死から小幡、2死から高寺にともにソロを献上。さらに4回は先頭佐藤輝、またも1死から小幡にソロを浴びた。吉村は4回4安打4失点。浴びた安打は全4本がソロで、5敗目を喫した。ヤクルトの反撃も1発だった。4回先頭、内山が6号ソロを左翼席に運んだ。「高めのボールでしたが、うまく反応して打つことができました」と才木の直球に力負けしなかった。5回終了時には本物の300発の花火が上がった。だが、反撃の号砲とはならず。逆に8回、阪神に追加点を奪われた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が再び打点リーグ3位タイに浮上した。8回1死一、三塁で木沢尚文投手(27)のシュートに差し込まれながら、しぶとく右前に落とした。点差を4点に広げる貴重な追加点になった。出場選手登録を抹消されているDeNA牧秀悟内野手(27)に並ぶ49打点目とした。
◆ヤクルト吉村貢司郎投手(27)が1発攻勢に沈んだ。4回4安打4失点で5勝目を逃した。浴びた4安打は全てがソロ本塁打。「勝ちにつながる投球を。仕事をしっかり務められるように」と臨んだが、結果は導けなかった。スタンドに吸いこまれる打球の行方を確認し、ぼうぜんと首をひねった。4回1死、阪神小幡にバックスクリーン左に2打席連続となるソロを浴びた。2回の小幡、高寺に加え、4回の佐藤輝に続く4本目の屈辱に唇をかんだ。4被弾とも直球が甘く入った。大型ビジョン上の掲揚台の旗は大きくなびいていた。本塁から中堅方向へ打者有利の強い風が吹いた。台風の影響があった前日1日阪神戦とは逆。舞い上がった白球は風に押された。球団で4被安打4被弾は、08年8月31日横浜戦の石川以来だった。その17年前、石川は7回まで投げきって白星を挙げたが、吉村は5回を投げきれず。先発の役目を果たせなかった。
◆ヤクルト高津臣吾監督(56)が、4被弾した先発吉村に猛省を促した。ソロ4本を献上し、4回4安打4失点の内容に「残念でした。見ていて、連敗を止めようとか、(阪神)才木に投げ勝ってやろうという強い思いは感じなかった」と厳しく指摘。その上で「気持ちの部分はよく見える部分ではないので、何とも言えないですけど、立ち向かっていくとか、挑むとか、そういうのは非常に大事だと思う」と続けた。打線は阪神投手陣に2安打に封じ込まれ、得点は4回の内山の6号ソロだけ。「三者凡退が5イニングか。半分以上あるので、なかなかチャンスがなかった。(内山は)絶好調ではないと思うけど、良い打球でしたね、あの打席は」と話した。
◆てるや~! こんなお祭りで球界一の"花火師"が黙っているわけにいかない。4回、阪神佐藤輝明内野手(27)のバットに点火した。あっという間に都心の夜空に舞い上がり、右翼席に吸い込まれた。6試合ぶりの27号アーチだ。「フルカウントだったので粘り強く、しっかり打ち返せました。なんとか粘れて、本塁打になってくれたのでよかったです」。2-0の4回先頭。2ストライクに追い込まれてからが佐藤輝の真骨頂だった。高めのつり球を2球連続で見送り、さらに2連続で変化球をファウルにした。10球目、吉村が根負けしたように真ん中低めに投げてきた直球に、力まずバットを合わせた。左の大砲・村上のアーチを見慣れている右翼席の燕党も、虎の怪物にあきらめモードだった。2回に後輩の小幡と高寺がソロを放り込んでいた。チーム本塁打60本のうち、佐藤輝が半分近くを1人で打っている。ベンチで「出迎え」する機会はそう多くない。同期入団の高寺はまだプロ2号だ。「いいバッティングだったと思います。全体でもっと盛り上げていきたいですね」と後輩たちの活躍を歓迎した。前日1日は延長10回に決勝の右越え二塁打を放っていた。大好きな神宮では今季も打率3割4厘、3本塁打と好相性を誇る。昨年は甲子園も含めた球場別最多の5本塁打。23年もビジター最多の5本。大事な場面の一撃も数多く、ここに来れば大砲のバットがさらに輝きを増す。自己最多24本を超えたと思ったら、もう節目の30本が見えてきた。初タイトルへの独り旅も続く。グラウンド内を歩いて引き揚げる際、東京のファンから最も大きな歓声を浴びた。「テル~優勝してくれ~!」。背番号8は「了解」とばかりに笑顔で手を振った。【柏原誠】
◆阪神森下翔太外野手(24)は気持ちを切り替えて走った。8回1死から中堅に大飛球。本塁打にはならなかったが、野手の動きを見て好判断で三塁打にした。大山の一打で貴重な追加点のホームを踏んだ。「もう少し伸びればホームランだったけど、走塁は積極的にできたと思います。(マジック減は)ずっと同じです。ゼロになるまで淡々と勝ち続けたいと思います」と勇ましかった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)のひと押しが大きかった。8回1死一、三塁。木沢のシュートに差し込まれながらも右前に落とし、再び4点差とした。「特にこの球場は何があるか分からないので、何点でも必要だと思う。その意味で、あそこで1点取れたのが大きかったし、勝ったので良かったです」。これが49打点目。出場選手登録を抹消されているDeNA牧に並ぶ3位に浮上した。
◆阪神ドリス投手(37)がかつての姿を取り戻したような好投を見せた。8回を3者凡退。6年ぶりに再契約してから2試合目。初登板より制球がまとまり、7球で片付けた。「徐々に良くなっているかな。この状態をしっかり維持したい」と好感触。守護神の岩崎が再調整に入ったことに「すぐ戻ってきてくれると思うので、引き続きみんなで頑張っていきたい」とうなずいた。
◆阪神打線の本塁打競演に、8番高寺望夢内野手(22)も加わった。2回、小幡が放った先制弾の余韻が残るなか、2死からヤクルト吉村のストレートを捉えて2号ソロを右翼席に運んだ。「風もあったんで、神宮だし(スタンドまで)いったと思いました」と確信の一撃になった。目の前で見た小幡の先制弾も、誘い水になった。「小幡さんが先制してくれたので、気楽に打席に入りました。出塁して9番につなぐことを考えていました」。追加点をたたきだし「コンパクトな打撃がいい結果につながったと思います」と喜んだ。この日のような先発起用の日もあれば、代打や守備などで試合途中からグラウンドに飛び出す日もある。調整の難しさを乗り越えながら、結果を目指す。「しっかり練習で打っているので大丈夫です。1戦1戦集中して継続してやっていくことを意識してやっていきたいです」とひたむきに目の前の試合に向かう。
◆阪神湯浅京己投手(26)がヤクルトの攻撃を分断した。6回まで粘った才木に代わって7回に登板。鋭く落ちるカットボールを軸にオスナらを3人で退けた。岩崎が不在の間、ブルペンの中心になる投手の1人。「任された場面で自分のやることをやるだけ。自分のピッチングをしようと思っていた。リリーフみんなでゼロでつなげたので、よかったです」と笑みを浮かべた。▽阪神桐敷(4点リードの9回を3者凡退。最後は村上を空振り三振)「村上選手にもちゃんとインコース突けたのはよかった。1登板ごと、しっかり持ち味を出せればいいと思う」
◆ヤクルト山田哲人内野手(33)は3試合連続の欠場となった。ベンチ入りしたが、この日も試合前のシートノックには参加しなかった。試合に出られる状況ではないのか、との問いに高津監督は「そうですね」。何らかのコンディション不良があると見られる。山田は7月30日DeNA戦で球団新記録となる通算305本塁打をマーク。7月は月間打率2割9分5厘、2本塁打、8打点と調子が上向いていた。
◆ヤクルト村上宗隆内野手(25)が恩師や後輩が見守る前でフルスイングを貫いた。出身の熊本東シニアのメンバーが観戦に訪れた。試合前練習後には目を輝かせる中学生と一緒に記念撮影に納まった。自らグラウンドからスタンドに足を運んで交流した。9回2死では空振り三振に倒れるなど試合は4打数無安打だったが、力強いスイングを披露した。村上は「(後輩に)何かいい刺激というか、いい経験になっていればいいかなと思います。また切り替えて明日、チーム(ヤクルト)が勝てるように頑張ります」と話した。
◆ヤクルト内山壮真捕手(23)が空中戦に対抗する1発を放った。阪神のソロ4発による4点を追う4回先頭、才木の高め直球を左翼へのソロ本塁打とした。23年の自己最多に並ぶ6号に「本塁打の意識はほとんどない中でも、本塁打が出ているのはいいこと」。左翼守備でも5回に左翼線へのライナーをダイビングで好捕した。捕手登録の23歳は「(外野に)慣れてきました。いいプレーだったと思います」と胸を張った。
◆阪神才木浩人投手(26)がアクシデントに見舞われながらも、村上に並ぶ9勝目を挙げた。3点リードの6回先頭岩田にストレートの四球を与えると安藤1軍投手コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄った。状態確認後に続投したが、続く赤羽に2球連続ボールを与えた時点で、ベンチから「タイム!」の声が飛ぶとベンチへ。「才木選手は手当を行います」と場内アナウンスが流れてまもなく、マウンドに復帰した。赤羽、内山をともに右飛。渾身(こんしん)のストレート3球勝負で主砲村上を空振り三振に打ち取ると、自らを鼓舞するように雄たけびを上げた。「爪がちょっとあれだったんで。(村上三振は)押し切るというか、気持ちでというか、どんどん思い切って投げ込んでいいのかなっていうところで。すごいいい結果になった」。2試合連続完封勝利は逃したが、6回2安打1失点と真夏の熱投。ブルペンの救援を受けたが、アクシデントの中で役割を果たした。村上とのダブルエースでチームをけん引する。藤川監督も「本人も闘争心があり、投球したいというところでしたけど。(ブルペンへのつなぎが)ある意味で、後半戦に向けてのいい締まりになった。9勝目ですから、本人も、次も気分よくやってくれれば」と、右腕の力投をほめたたえた。才木の防御率はリーグ2位の1・52。2年連続2桁勝利にもリーチをかけた。「(爪は)全然問題ないですね。大丈夫です」。2年ぶりのV奪回へ。残り46試合での輝く場面はまだまだやってくる。【伊東大介】
◆阪神が自力で優勝マジックを35に減らした。阪神が4回までに小幡竜平内野手(24)の先制アーチ含む2発、高寺望夢内野手(22)の2号ソロ、佐藤輝明内野手(26)27号ソロの本塁打攻勢で4点。1試合4本塁打は今季初で、22年5月18日以来、3年ぶり。一気にチーム本塁打を60本に乗せる爆発力で主導権を奪った。阪神先発才木浩人投手(26)が6回途中に爪の異変のアクシデントを乗り切り6回2安打1失点。村上に並ぶチームトップタイ9勝目を挙げた。
◆虎の神宮花火大会や! 首位を独走する阪神が自力で優勝マジックを36から35に減らした。恐怖の6番小幡竜平内野手(24)が今季2度目の1試合2本塁打で打線をけん引。猛虎打線が22年5月18日以来、3年ぶりとなる1試合4本塁打で快勝した。巨人を抜いて2位に浮上したDeNAとは今季最大12・5ゲーム差。真夏のカウントダウンがさらに加速する。小幡が1発目の花火を打ち上げた。2回1死走者なしから、外角やや高めの147キロ直球を捉えた。打球はバックスクリーンすぐ横の左翼スタンドにズドン。「いいスイングが出来たので外野は越えるかなと思いましたが、フェンスオーバーは風の力です」。そう言って謙遜したが、今季4号の先制ソロがチームを乗せた。4回も直球撃ちだった。今度も1死からほとんど同じ場所に放り込んだ。「今日は特に左中間方向だと。そっちの方向だと。自分的にも良かった」と狙い通り。7月21日の巨人戦(東京ドーム)以来となる今季2度目の2打席連発。チームは22年5月18日のヤクルト戦以来、3年ぶりの1試合4本塁打だ。この日の4発でチームはセ・リーグ最多の60本塁打に乗せた。6年目の昨季まで通算458打席で2本塁打。長打のイメージは強くないが、実は高校時代、打撃練習では誰よりもボールを遠くに飛ばしていた。甲子園は春夏合わせて10度出場の延岡学園(宮崎)出身。強豪校で自分より体格のいい選手もいたが、負けなかった。小幡が18年春に甲子園出場した際の監督である三浦正行氏(73=元大洋)は「もったいない」と就任当時に2番から4番に打順を変更。NPBでプレーしていた恩師が認めるほどの飛距離だった。やみくもに強振はしない。「捉える」ことを意識して練習。自分の打撃をして飛ばしていた。この日も直球をしっかり捉え中堅方向へ柵越え。7月20日巨人戦からの出場8戦5発に「球場と風です」とどこまでも謙虚だが、神宮の中堅フェンスまでの距離は甲子園以上。持ち前の「飛ばす能力」を生かした。守備でも光った。2回無死二塁からは二遊間へのゴロを捕球してすぐに回転して三塁に送球。二塁走者のオスナをアウトにした。「ピッチャーが打ち取った打球をしっかりアウトにするということを心がけている。継続できるように頑張ります」と攻守でもり立てた。チームは8月16日に開催の本家「神宮外苑花火大会」の2週間前に4発のアーチで2連勝。2位とのゲーム差を今季最大の12・5に広げ、貯金も最多23となった。試合を振り返った藤川監督は「ホームランも多く出て感じよくいきながら」とニンマリ。優勝マジックは1つ減って35。猛虎の勢いが止まらない。【塚本光】
◆阪神は前回登板で完封勝利を挙げた才木浩人投手(26)が今季初めて神宮のマウンドに上がる。防御率1・20でリーグ2位につける右腕。チームトップの村上に並ぶ9勝目を目指す。相手先発・吉村には、今季近本光司外野手(30)が打率6割、森下翔太外野手(24)が4割、佐藤輝明外野手(26)が・333と上位打線がそろって好相性。高寺望夢内野手(22)が「8番・左翼」で先発する。
◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(29)が3日のヤクルト戦(神宮)に先発する。5月21日の巨人戦(東京ドーム)以来、約2カ月半ぶりの1軍登板となる。「確かに久しぶりだけど、だからと言って力み過ぎても良くない。マウンドに上がれば、自分自身が今までやってきたことを信じて。特にこの暑さだし、守ってる野手の方ができるだけ短い守備で済むように、それだけ心がけるよ」先発前日はキャッチボールなどで調整。来日3年目の今季は6試合に登板して1勝2敗、防御率4・29。5月22日に登録を抹消されて以降、2軍で調整を続けてきた。ファームでは11試合の先発で防御率1・13と結果を残した。「ファームのレベルはそんなに低いとは思っていない。好投を続けられたので、それを出せば1軍でも結果は残せると思っている。今回チャンスをもらえたので、なんとかものにしたい」と意気込んだ。
◆阪神が若虎の2本塁打で先制に成功した。0-0で迎えた二回1死。打席に立った小幡竜平内野手(24)がヤクルトの先発・吉村が投じた高め147キロ直球を完璧に捉えた。打球は風にも乗ってぐんぐん伸び、虎党が陣取るバックスクリーン左に着弾。今季4号ソロはプロ通算6本目となり、初の中堅方向への一発となった。これだけでは終わらない。2死から高寺望夢内野手(22)にも一発。小幡と同じく高め直球を一閃し、2号ソロを右翼スタンドに運んだ。小幡が「打ったのはストレート。いいスイングができたので外野は越えるかなと思いましたが、フェンスオーバーは風の力です。先制できたのは良かったですが、まだ序盤なので次の打席も頑張ります」とコメントすれば、高寺は「打ったのはストレート。小幡さんが先制してくれたので、気楽に打席に入りました。2アウトだったので、出塁して9番につなぐことを考えていました。コンパクトな打撃がいい結果につながったと思います」と続けた。
◆阪神は2-0の四回、佐藤輝明内野手(26)の27号ソロで追加点を奪った。二回に小幡と高寺のソロ本塁打が飛び出す。空中戦となると、キングも黙っていなかった。四回先頭で打席に立つと、2球で追い込まれながらも粘って粘って10球目。低めの直球を完璧に仕留め、右翼スタンドにたたき込んだ。「打ったのはストレート。フルカウントだったので、粘り強く、しっかり打ち返せました。ホームランになってくれて良かったです」両リーグトップを独走する27本目のアーチ。前夜のヒーローは、この日の夜もパワーを見せつけ、虎に貴重な追加点をもたらした。
◆まるでリプレイ映像を見ているようだった。阪神・小幡竜平内野手(24)が2打席連続となる5号ソロ。一発攻勢でリードを4点に広げた。二回の第一打席で中越え本塁打を放っていた小幡は、3-0で迎えた四回の第二打席でもヤクルトの先発・吉村から一発。真ん中の直球を捉えると、第一打席の再現のようにバックスクリーン左に白球を叩き込んだ。「打ったのはストレート。一打席目の良いイメージを残したまま打席に入ることができました。同じような打球で、また、風に助けてもらいました」2打席連発は7月21日の巨人戦(東京ドーム)以来、プロ入り2度目。チームとして1試合4本塁打は2022年5月18日のヤクルト戦(神宮)以来、3年ぶりとなった。
◆ヤクルト・内山壮真捕手(23)が今季6号となるソロ本塁打をマークした。「3番・左翼」で先発出場。0-4の四回先頭で迎えた第2打席に、阪神先発の才木が投じた直球を引っ張り、左翼スタンドに運んだ。7月11日の阪神戦(甲子園)以来となる一発で「高めのボール球でしたがうまく反応して打つことができました」とコメントした。阪神打線は二回に小幡と高寺のソロ本塁打、四回に佐藤輝と小幡のソロ本塁打が飛び出しており、一矢報いるアーチとなった。
◆初心を忘れず、グラウンドに立ち続ける。ヤクルト・赤羽由紘内野手(25)が2日、阪神15回戦(神宮)に「2番・二塁」で先発出場。9試合連続で2番に起用され、一回無死二塁では投犠打を決めた。「僕が出塁すれば、(内山)壮真も状態いいと思いますし、ムネさん(村上)やホセ(オスナ)という上位に回ってくるので、非常にポイントになる打順だなと感じます。プレッシャーはそんなにないですし、ポジティブに、1試合通してめげずに打席に入れていると思う」長野・日本ウェルネス信州筑北高から独立リーグのBC信濃に進み、2021年に育成ドラフト2位で入団。22年7月に支配下登録されると、5年目の今季は開幕スタメンを勝ち取った。7月は月間打率・339としっかりと結果を残し、先発出場を続けている。それでも、おごりや慢心は決してない。心にあるのはハングリー精神だ。「育成で入ったときの気持ちを忘れちゃいけないなと。やっぱりずっと試合に出させてもらっていたら慣れとかもありますし、あのときの気持ちは忘れないようにしなきゃいけない」。この日も、全体練習前には室内練習場での早出特打に取り組んだ。チームは故障者が相次ぎ、リーグ最下位と苦しい状況は変わらないが、赤羽にとってはチャンスでもある。結果を残し、飛躍のシーズンにする。(赤尾裕希)
◆ヤクルト・吉村貢司郎投手(27)が4回4安打4失点で降板した。許した安打は全てソロ本塁打で4被弾。チームは8連勝の後に2連敗を喫していただけに、先発の役目を果たせなかった。マウンド上では厳しい表情を浮かべた。二回には、1死から小幡に中越えソロ、2死から高寺に右越えソロを浴びると、四回は先頭・佐藤輝に右越えソロ、1死から小幡に中越えソロを浴びた。
◆阪神の先発・才木浩人投手(26)は6回1失点で先発の役目を果たした。四回に内山にソロを浴びるも、テンポのいい投球で試合を作った。最大のピンチは六回だった。そのままマウンドに上がった才木だが、先頭からコントロールが定まらない。先頭の岩田を4球連続ボールで歩かせると、続く赤羽にも2ボールに。6球ボールが続いたところで安藤投手チーフコーチもマウンドに向かい、才木は一度ベンチに退いた。何らかのアクシデントに見舞われたようだが、治療を経て再びマウンドへ。なんとか2死三塁にこぎつけ、4番・村上との勝負となった才木―坂本バッテリーは強気の直球勝負。すべてストレートで三球三振を奪い、最大の山場を乗り越えた。七回の打席で代打が送られ、お役御免。6回76球、被安打2、1失点で9勝目の権利を持ってマウンドを降りた。
◆阪神は八回、大山悠輔内野手(30)の適時打で駄目押し点を奪った。4本の本塁打で4-1とリードして迎えた八回。1死から森下が中堅フェンス直撃の三塁打でチャンスを作ると、佐藤輝は申告敬遠で歩かされて1死一、三塁となって大山。詰まりながらも右翼前にポトリと落とす適時打で1点を加えた。大山はこれで8試合連続安打。大味な攻撃だけでなく、クリーンアップがつないでスコアボードにまた1点を刻んだ。
◆阪神が3年ぶりの1試合4発でヤクルトを突き放し、5ー1で快勝した。マジックを1つ減らして「35」とした。0-0の二回1死から小幡竜平内野手(24)が先発・吉村から先制ソロを放つと、高寺望夢内野手(22)にも2号ソロが生まれて2得点。四回には佐藤輝明内野手(26)の両リーグトップの27号ソロと小幡の2打席連発となる5号ソロでリードを広げた。八回には大山悠輔内野手(30)が10試合連続安打となる適時打を放った。先発した才木浩人投手(26)は6回2安打1失点。六回に何らかのアクシデントで一度ベンチに戻ったが、マウンドへ戻ると、2死三塁の場面で4番・村上を全球直球で空振り三振に斬った。その後は湯浅-ドリス-桐敷の無失点リレーで逃げ切り。守護神の岩崎が疲労を考慮されて登録を抹消されたが、層の厚い投手陣がヤクルト打線を寄せ付けなかった。
◆阪神が4本塁打で快勝。優勝マジックを1減の「35」とした。二回、小幡竜平内野手(24)と高寺望夢内野手(22)のアーチで2点を先取。四回は佐藤輝明内野手(26)の27号本塁打で加点。さらに小幡の今季2度目の2打席連続弾で突き放した。八回の大山悠輔内野手(30)の右前適時打で5点目を奪った。6回降板の才木浩人投手(26)は内山壮真捕手(23)の本塁打のみの1失点で9勝目(5敗)。七回から湯浅京己(26)、ラファエル・ドリス(37)、桐敷拓馬(26)の3投手がゼロを並べた。球団の1試合4本塁打は22年5月18日ヤクルト戦(マルテ、西純、大山、佐藤輝=神宮)以来。チーム60本塁打でリーグ最多に浮上した。救援失敗から一夜明け、岩崎優投手(34)が疲労を考慮され、2022年6月13日以来の抹消となった。
◆阪神が3年ぶりの1試合4発でヤクルトを突き放し、5ー1で快勝した。阪神の優勝へのマジックナンバーは1つ減って35。阪神の1試合4本塁打以上は2022年5月18日のヤクルト戦(4本=マルテ、西純、大山、佐藤輝、神宮)以来3年ぶり。ソロ本塁打を4本以上を放ったのは、11年5月12日の広島戦(4本=城島2、金本、マートン、甲子園)以来14年ぶり。対ヤクルトでは1990年5月13日(5本=パリッシュ2、田尾、八木、中野、長崎市営)以来35年ぶり。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)は上昇ムードだったヤクルトに連勝した阪神の戦力に太鼓判。岩崎優投手が抹消されたが、代役には石井がいるため、大きな影響を受けないと分析した。村上の復帰、新しい戦力の台頭などで8連勝するなど、最近、勢いのあるヤクルトだったが、この2試合を見る限り、レギュラー陣がそろった阪神とは差を感じた。阪神は一回1死三塁の守備で、1点を与えてもいいからと、後ろに守った。そこでゴロを打てないヤクルト。逆に伏兵の一発攻勢が出る阪神。勢いが違いすぎる。岩崎が登録を抹消されたが、抑えの代役はセットアッパーの石井に任せれば問題はないだろう。ことしの石井は、いつでも抑えを託せる内容だし、事実、打球が頭部に当たって戦列を離れる前は、藤川監督の起用も「守護神・石井」の試合が何度かあった。ひょっとしたら、岩崎が戻っても、石井を後ろに固定するかもしれない。才木がアクシデントで降板しても、2番手・湯浅が七回を3人で抑えたし、九回の桐敷も内容は良かった。誰が出ても結果の残す救援投手陣は頼もしい限りだ。打つ方では佐藤輝の一発は評価したい。粘ってフルカウントに持ち込んで、相手投手が手詰まりになり、投じた真っすぐをしっかり仕留めた。4番の働きを果たしている。投打に隙がない。(本紙専属評論家)
◆5年目のヤクルト・内山壮真捕手(23)が2023年の自己最多に並ぶ6号ソロを放った。四回先頭で才木の直球を捉え、左翼席へ運んだ。7月11日の阪神戦(甲子園)以来の一発に「今年は本塁打を打ちたいという意識はほとんどない。その中で本塁打が出ているのはいいこと」と話した。捕手登録ながら、左翼の守備でも五回に中野の左翼線への打球をダイビングキャッチした。
◆ヤクルト・吉村貢司郎投手(27)は一発攻勢に沈んだ。4回4安打4失点で5敗目。被安打4は全てソロ本塁打で、「反省していきたい」と話した。二回1死から小幡に先制の中越えソロを浴びると、2死からは高寺に2号ソロを被弾。四回は佐藤輝に右翼席へ運ばれ、小幡には2打席連発を許した。チームは8連勝後に3連敗。高津監督は「連敗を止めようとか、才木に投げ勝ってやろうという強い思いを感じなかった」と苦言を呈した。
◆森下は3試合ぶりのマルチ安打と結果を残した。五回に三遊間を破る左前打を放つと、八回は中堅フェンス直撃の三塁打で5点目となる大山の適時打の起点となった。「もう一つ伸びればホームランでしたけど、仕方ない」と苦笑い。優勝マジックは「35」と1つ減ったが、「ゼロになるまで淡々と勝ち続けたい」と頼もしく次戦をみつめた。
◆阪神の守護神・岩崎優投手(34)が2日、出場選手登録を抹消された。岩崎のレギュラーシーズン中の抹消は2022年以来、3年ぶり。今季ここまで39試合に登板し、1勝2敗23セーブ6ホールド、防御率1・66。前日1日のヤクルト戦(神宮)では2―1の九回に登板したが、1回1失点でセーブに失敗していた。この日のヤクルト戦の試合後、藤川球児監督(45)は「少しハードになっていたところで腰の方に疲労が出た」と説明。「本人は戦う気満々でしたけど、そこはちょっと、こっちに時間をくれ、と。本人も理解をしてくれて」と、岩崎と話し合ったうえで療養させる決断をしたという。指揮官は疲労の程度について「大きなものではない」と強調し、「次、また元気な姿で戦ってくれると思います。一番後ろ(抑え)は本当に大変だな、と思いますね」とおもんぱかった。
◆最後の力を振り絞り、渾身(こんしん)の直球3つで4番のバットに空を切らせた。阪神・才木浩人投手(26)が6回2安打1失点の好投。アクシデントにも負けず、エースの風格で投げ抜いて9勝目を手に入れた。「前回と比べたら、きょうはそんなに良くないのかなって感じはしたんですけど。その辺は(坂本)誠志郎さんとか、守備が結構助けてくれたので、助かりました」前回登板の7月26日のDeNA戦(甲子園)で今季2度目の完封勝利。勢いそのままに、好相性のヤクルト打線を寄せ付けなかった。四回に内山に一発を浴びたが、「神宮とこの風だったので、ソロ1本で止められて良かった」と納得顔だ。しかし、六回に先頭から6球連続ボール。右手中指を気にして、一度ベンチに下がった。それでも治療を終えて再びマウンドに立つと、一段とギアを入れる。2死三塁で対峙した4番・村上に全球直球勝負。「もう気持ちでというか。思い切っていった結果、すごくいい結果になった」。最後はこの日の最速に並ぶ152キロ直球で三球三振に斬った。右手中指の爪のアクシデントを乗り越え、藤川監督は「本人ももちろん闘争心がある。9勝目ですから。次も気分よくやってくれれば」とエール。才木は「ちょっと(右手中指の)爪があれだったので。(次回以降は)全然問題ないですね。大丈夫です」と強調した。9勝はリーグ2位タイ。防御率1・52は同1位の巨人・山崎(1・50)にも肉薄し、投手2冠も見えている。「タイトルは終わってからのことなので、あんまり気にしていない。チームが勝てるようにいいピッチングができれば」後半戦に入り、自身2連勝。チームを栄冠に導くことが、初のタイトル獲得にもつながる。(萩原翔)
◆大山が駄目押し点をもぎ取った。目前で佐藤輝が申告敬遠で歩かされた4―1の八回1死一、三塁。木沢のシュートに詰まらされながら右前に落とし、5点目をつかんだ。「特にこの球場は最後まで何があるか分からない。あそこで1点を取れたことは大きかったし、その中で勝ててよかった」。勝負強さも示す3戦ぶりの打点だった。
◆阪神はヤクルト戦に5-1で勝利し、優勝へのマジックナンバーを「35」とした。小幡竜平内野手(24)が2打席連発、高寺望夢内野手(22)が2号ソロと高卒若虎コンビが躍動し、チームは今季最多の1試合4本塁打を放った。すごいのは投手陣だけじゃない。今季セ・リーグトップの60本塁打をマークしている打線も脅威やで!夏本番を迎えた神宮の夜空に、4発の花火が上がった。2人の若虎の息の合った〝射撃〟が、虎を勝利に導いた。祭りの始まりの号砲は小幡。会心の一発をバックスクリーン左にたたき込んだ。「(塁に)出ることを意識して、タイミングをしっかり計った中でいきました。特に(打球が)左中間方向だったので、よかったと思います」0-0の二回1死、ヤクルト先発・吉村の直球を振り抜いた。力強く放たれた打球は、風にも乗ってスタンドに一直線。今季4号ソロで試合を動かした。小幡の一発から飛び火するように、「8番・左翼」で先発起用となった高寺も続く。2死後、こちらも直球をジャストミートすると、白球は美しく右翼スタンドへの射線をたどった。「神宮でしたし、風もあったのでいったと思いました」と確信の2号ソロ。球団の高卒野手によるアベック弾は、2017年7月6日のDeNA戦(横浜)の中谷と原口以来、8年ぶりだ。互いに高卒の遊撃手として入団。21年に高寺が入寮し、23年オフに小幡が退寮するまでの3年間、虎風荘で生活を共にしながら1軍での活躍を目指し、鳴尾浜で力をつけてきた。切磋琢磨(せっさたくま)した時間が今につながっている。
◆ヤクルトは序盤から阪神に主導権を握られて3連敗を喫した。村上宗隆内野手(25)は、出身チームである熊本東リトルシニアの関係者や選手たちが観戦に訪れる中でプレー。4打数無安打に終わったが、プロの舞台で戦う雄姿を見せた。「僕も応援しているので、何かいい刺激というか、いい経験になっていればと思う。また切り替えて明日チームが勝てるように頑張ります」後輩たちとの交流を力に変える。熊本東リトルシニアは、1日に大田スタジアムで行われたリトルシニア日本選手権に出場するため上京した。村上がプレゼントした新しいユニホームで戦ったが惜しくも敗戦。この日は村上の計らいで特別に試合前練習を見学し、写真撮影をした。かつて指導した吉本幸夫監督(69)は「子供たちの励みにもなるし、目標としてやっていると思う。年始に練習に来てくれて、身近に感じている。本当にありがたい」と感謝。上半身の故障で約3カ月間離脱していただけに「故障しないように頑張ってほしい。それだけを願っています」と残り試合に向け、エールを送った。(赤尾裕希)
◆両軍合わせて5発が飛び交う空中戦で、俺の名前がないわけがない。阪神・佐藤輝明内野手(26)が勝利へ導く放物線を右翼スタンドへ描いた。「フルカウントだったので、粘り強く、しっかり打ち返せました。ホームランになってくれてよかったです」2―0で迎えた四回だ。先頭で打席に入ると、初球からストライクゾーンに来た球をすべて振りにいった。ファウルで5球粘り、フルカウントから吉村の10球目をとらえた打球は右翼スタンドギリギリに着弾。6試合ぶりのアーチとなり、ダイヤモンドを一周した。これで両リーグトップの27本塁打&68打点で2冠を独走。3試合連続の打点を挙げ、サトテルが本塁打を放てば6月18日のロッテ戦(甲子園)以降、9連勝だ。4―1の八回には1死から森下が中堅フェンス直撃の三塁打でチャンスを作ると、ここでヤクルトベンチは佐藤輝を申告敬遠。前日1日には延長十回2死二塁で勝負を選択し、決勝の適時二塁打。存在自体が脅威となってきている。この日は小幡、高寺の〝伏兵〟によるアーチで二回に2点を先制。「いいバッティングだったと思います」と2人の若虎をほめたたえた。特に同じく2021年入団の高寺とは同じ時間を過ごす時間が多かった。その才能を近くで見ていただけに、高寺が5月13日のDeNA戦(ハードオフ新潟)でプロ初アーチを放った際には「本当、バッティングがいいんでね。驚かないというか、そういう能力を持っているのでね」とポテンシャルを認めていた。そして、下位打線にも厚みが出れば、もちろん上位打線にも相乗効果が生まれる。「全体でもっと盛り上げていきたいですね」虎党の期待はやはり背番号8のフルスイング。優勝のゴールにたどり着くまで、打撃の中心として引っ張ってみせる。(渡辺洋次)
◆湯浅は3点リードの七回に登板し、カットボール主体で三者凡退に抑えた。「自分のやることを、任された場面でやるだけ。しっかりと3人で抑えられた」。これで後半戦は全9試合で無失点とし、「きょうも本当にリリーフみんなでゼロでつなげたので、よかったと思います」。岩崎が一時的に離脱する中でも一丸で戦う。
◆ドリス(前四国IL高知)が八回に虎復帰後2度目の登板。長岡を一ゴロ、沢井は三球三振に仕留め、岩田は中飛で、わずか7球で7月31日の広島戦(甲子園)に続く1回零封。「(感覚は)徐々に良くなっているかな。この状態を維持したい」。37歳のチーム最年長。守護神・岩崎は疲労で抹消となったが、「すぐに戻ってきてくれると思う。みんなで頑張っていくことは変わらない」と腕をぶした。
◆九回に4番手で登板した桐敷が三者凡退で試合を締めた。最後は村上を空振り三振に斬り、「ちゃんとインコースを突けたのも良かった」とうなずいた。7月26日に再昇格して以降、3試合連続無失点。その間、一人の走者も許さず、打者9人に対して5奪三振と圧倒的なパフォーマンスを見せている。岩崎が登録を抹消されたが「普段通りやることが一番」と頼もしかった。
◆阪神タイガース、マジすげ~わ! もはや優勝がどーのこーのじゃなくて「今日はどーいう勝ち方をしてくれるの?」になってへんか~!?前日は十回に4番佐藤輝の決勝ツーベースで決めれば、本日はドーン! ドーン! ドーン! ドーン! と神宮名物、真夏の花火のお株を奪う佐藤輝の27号に高寺の2号、そして仰天は小幡の4号、5号の2打席連続ホームランの計花火4発!!小幡といえばヒョロッとしてやや貧弱、強く引っ張る打球とは無縁のイメージだったのに、7月21日の巨人戦に続いての2打席連続アーチ...。ちょっと~小幡くん、キャラ変したならメディアで発表しといてやー!!一方、投手陣は先発才木が内山に花火一発を献上したものの、6回2安打1失点と文句なしのマウンド。さらに湯浅-ドリス-桐敷がいずれも三者凡退!! 前日は石井-岩崎-及川で勝利だし、藤川野球は打も投も一粒で2度おいしい...いや、レフトではポジション争いをしてるのだから、一粒で3度おいしい、グリコ超え野球やんか!!
◆見たこともない番号からの着信があった。「こちらは成田空港国際警察署生活安全課遺失物センターです。あなたのお名前が記載されている遺失物が届いております」エッ?! 成田空港も海外も、長らく行っていない。自分の荷物に名前を書く几帳面さも持ち合わせていない。怪しい。これが噂の詐欺電話なんだろうなぁと思いながら、一応、〝成田の遺失物センター〟ってところをスマホで調べてみた。出てきたのが「この内容の不振な電話にご注意ください」の注意喚起のお知らせメールがズラリ。やっぱり!世の中のみなさま、気を付けてください。自分だけはダマされないと思っている人ほど、落とし穴にハマるんだとか。気軽に信じてはいけない世の中なんだなぁと思いながら、試合前の神宮球場へ電話を入れると、トラ番・萩原翔がドキッとする報告をしてきた。「いつものように球場入りする選手を、順番にチェックしていたんです。そうしたら、岩崎さんがいないことに気付いて。遅れてくるんじゃないの?とトラ番たちと話していたら、不在はホントで...」こちらは、詐欺ではなく、真実の報告だ。ウソの電話であってほしかったが、サンスポ屈指の正直者(?)萩原はウソはつかない。1日の試合では九回に同点に追いつかれて、救援失敗していた岩崎。まさか登録抹消になるとはビックリだ。「岩崎さんだってたまには救援失敗することもありますよ。ただ、翌日に抹消になるとは思わなかったです」

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
59 | 36 | 2 | 0.621 (↑0.004) | M35 (↑1) |
46 | 332 (+5) | 210 (+1) | 60 (+4) | 76 (-) |
0.245 (-) | 1.930 (↑0.01) |
2 (1↑) |
DeNA |
44 | 46 | 5 | 0.489 (↑0.006) | 12.5 (-) |
48 | 296 (+7) | 274 (+4) | 51 (+2) | 43 (+1) |
0.232 (↑0.001) | 2.680 (↓0.01) |
3 (1↓) |
巨人 |
45 | 48 | 3 | 0.484 (↓0.005) | 13 (↓1) |
47 | 274 (+4) | 290 (+7) | 58 (+1) | 39 (-) |
0.242 (-) | 2.730 (↓0.04) |
4 (-) |
中日 |
43 | 50 | 2 | 0.462 (↑0.005) | 15 (-) |
48 | 253 (+6) | 285 (-) | 48 (+1) | 60 (+1) |
0.227 (↑0.001) | 2.840 (↑0.03) |
5 (-) |
広島 |
40 | 50 | 5 | 0.444 (↓0.005) | 16.5 (↓1) |
48 | 280 (-) | 302 (+6) | 43 (-) | 47 (-) |
0.239 (↓0.001) | 2.900 (↓0.03) |
6 (-) |
ヤクルト |
32 | 53 | 5 | 0.376 (↓0.005) | 22 (↓1) |
53 | 247 (+1) | 358 (+5) | 45 (+1) | 43 (+1) |
0.227 (↓0.002) | 3.560 (↓0.02) |
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