阪神(☆2対0★)DeNA =リーグ戦15回戦(2025.07.26)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:才木 浩人(8勝5敗0S)
敗戦投手:ケイ(5勝6敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(26号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は初回、2死一三塁から大山が適時打を放ち、先制に成功する。そのまま迎えた6回裏には、佐藤輝のソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・才木が9回4安打無失点の快投。今季2度目の完封で8勝目をマークした。敗れたDeNAは、打線が振るわなかった。

◆日大山形が26日、高校野球山形大会決勝(ヤマリョースタジアム山形)で、昨夏王者の鶴岡東に5-4で勝利し、2年ぶり20度目の夏の甲子園出場を決めた。同校出身の阪神中野拓夢内野手(29)は練習前に、移動中などで試合の行方を見守り、「おめでたいことです」と祝福した。中野は2年時の13年夏に、背番号「4」をつけて甲子園に出場し、山形県勢初で、現在も県勢最高の4強入りに貢献した。後輩たちに「出ることで満足することなく、1つでも上を目指してほしいです。ベスト4という記録が、山形県勢で最高だと思うので、そこを塗り替えられるように、頑張ってほしいなと思います」と、自身が出場した年を超える成績を期待した。

◆阪神原口文仁内野手(33)が、出場選手登録を抹消された。今季は開幕1軍も、4月13日に出場選手登録を抹消。2軍での調整を続け、今月13日に1軍昇格を果たし、代打として3試合に出場した。計2打席で、見逃し三振と投ゴロ。前半戦最後の21日巨人戦は、代打の代打として高寺望夢内野手(22)が送られ、原口が打席に立つことはなかった。今季は1軍で、9試合に出場し、7打数無安打、1四球となっている。桐敷拓馬投手(26)、豊田寛外野手(28)が1軍に昇格した。桐敷は12日に出場選手登録を抹消され、24日の全体練習で1軍に合流。豊田は13日に出場選手登録を抹消され、25日の全体練習で1軍に合流していた。ともに2軍降格後、ファーム公式戦への出場はなかった。

◆阪神近本光司外野手(30)が理事を務める一般社団法人LINK UPが主催する「子ども夢応援プロジェクト」が26日、甲子園で行われた。離島の子どもたちを支援するプロジェクト。近本の出身地である兵庫・淡路島と自主トレ先の鹿児島・沖永良部島の小中学生16人が参加した。試合前、子どもたちと対面した近本は「この経験を大学生とか大人になっても覚えていて、その時の子どもたちのために、島のために、何かできることはないかなと思ってもらえるように」などとあいさつした。

◆阪神は2位DeNAとの直接対決。勝利して、広島と対戦する巨人が引き分けか負けなら、2位とのゲーム差は今季最大の10・5となる。才木浩人投手(26)が、先発マウンドに上がる。今季はここまで15試合で、7勝5敗、防御率が規定投球回に到達している投手でチームトップの1・66。前回登板の16日中日戦は、6回2失点で敗戦投手となったが、4回までは完全投球を披露した。坂本誠志郎捕手(31)が「7番捕手」で先発出場。今季の才木が先発した試合は、初登板の4月1日DeNA戦のみ坂本がスタメンマスクをかぶり、4月8日以降は14試合連続で梅野隆太郎捕手(34)だった。2戦連発中の小幡竜平内野手(24)は、「6番遊撃」でスタメン出場。前半戦最後の21日巨人戦では、2打席連続本塁打をマークした。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)がラッキーな内野安打で好機を演出した。初回2死一塁の第1打席。DeNA先発ケイの高め131キロのスライダーを打つと打球は高々と内野上空に上がった。佐藤輝は飛球を見上げて、こうべを垂れながら一塁方向へ。しかし、DeNA内野陣がお見合いし、打球はマウンド付近にポトリと落ちた。一走・森下は三塁まで進み一、三塁に。大山悠輔内野手(30)の中前適時打を放ち、貴重な1点を先制した。

◆阪神がクリーンアップ3人で、初回から1点の先制に成功した。2死走者なしから3番森下翔太外野手(24)が、四球で出塁。4番佐藤輝明内野手(26)の打球は高々と内野上空に上がり、本人は飛球を見上げて、こうべを垂れながら一塁方向へ。しかし、DeNA内野陣がお見合いし、打球はマウンド付近にポトリと落ちて内野安打。2死一、三塁とした。チャンスで打席には、5番大山悠輔内野手(30)。内角への145キロを捉え、先制の中前適時打とした。23日の「マイナビオールスターゲーム2025」の第1戦でも、3人が全セのクリーンアップに同じ打順で入った。阪神の選手が独占したのは初めてだった。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が、イニング途中にマスクを交換した。6回2死三塁。坂本は、ファウルとなった一塁ベンチ付近への飛球を、捕手の防具のマスクを外して追いかけた。打球がスタンドに入り、引き返した坂本は、打席のDeNA牧秀悟内野手(27)から、マスクを手渡された。しかし、マスクをつけずに、自陣ベンチへ。交換して、本塁付近に戻った。装着するためのヒモが切れた、もしくは外れたなどのアクシデントがあったとみられる。場内には「坂本捕手、用具の交換をいたしますから、しばらくお待ちくださいませ」という、耳にする回数の多くないアナウンスが流れた。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)がシーズン自己最多を更新する26号本塁打を放った。1点リードの6回1死無走者で、DeNA先発ケイの初球148キロ高めのツーシームを強振。打球は4メートルの浜風を物ともせず、右翼スタンドに吸い込まれた。DeNAケイには今季これまで4試合で1得点だけと苦戦してきたが、佐藤輝が貴重な中押し本塁打で2点目を奪った。佐藤輝は開幕の3月28日広島戦(マツダスタジアム)でも先制1号アーチを放っていて、後半戦開幕のこの日も打線をけん引する1発を放った。

◆阪神才木浩人投手(26)が「シーズン後半戦の開幕投手」を務め、完封勝利を飾った。初回、先頭桑原将志外野手(32)に初球の150キロ速球をはじき返され、右前打を許した。犠打で1死二塁とされたが、慌てなかった。3番佐野恵太外野手(30)をカットボールで二ゴロ、4番牧秀悟内野手(27)をストレートで見逃し三振に仕留め、先制を許さなかった。今季はここまで、15試合で7勝5敗、防御率1・66。前回登板した16日中日戦(甲子園)は6回2失点で敗戦投手となったものの、4回までは完全投球だった。安定感抜群で臨んだ今季16試合目。後半戦のスタートダッシュを飾るべく、スコアボードに0を並べた。力のあるストレートを軸に、DeNA打線を翻弄(ほんろう)した。5月20日巨人戦(甲子園)以来、今季2度目の完封。8日広島戦(マツダスタジアム)以来となる今季8勝目を挙げた。

◆阪神は26日、新外国人のグラント・ハートウィグ投手(27)が入国したと発表した。前メッツ3Aのハートウィグは今月14日に、1年契約で年俸40万ドル(約5800万円)で契約締結したと発表されていた。150キロ超のツーシームを主体とする変則右腕で、130キロ台のスイーパーにチェンジアップ、そして150キロ超のカットボールも操る。23年にメッツの救援投手として28試合に登板し5勝2敗2ホールド、防御率4・84。マイナーでは通算163回で208三振をマークした、奪三振力も魅力で、阪神でもリリーフの一員として活躍が期待される。近日中に入団会見も行われる見込み。ハートウィグがチームに合流すれば、23日にSGLでの2軍全体練習に初合流したラファエル・ドリス投手(37=四国IL高知)に加え、今季の支配下選手登録枠いっぱいの70人がそろうことになる。

◆DeNAがリーグ後半戦初戦で首位阪神に敗れ、ゲーム差が10・5ゲーム差に広がった。1回先頭、桑原が右前打を放ち、犠打で1死二塁として得点圏に走者を送るも佐野、牧が倒れて先制のチャンスを逸した。すると直後の1回裏、ミスからいたい先制点を献上した。2死から先発ケイが阪神森下に四球を与えると、続く佐藤輝が内野に打ち上げた打球を内野陣がお見合い。一、三塁とピンチは広がり、続く大山の適時打で先制点を献上した。6回にも桑原が中前打で出塁し、林が犠打で1死二塁と得点圏に走者を送るも、佐野、牧が倒れて無得点。するとその裏、1死から佐藤輝にソロを浴びてリードを広げられた。最終的に相手先発・才木を前に9回4安打9奪三振で完封負け。これ以上突き放されないためにも負けられないリーグ後半戦初戦だったが、打線がつながらず、ミスも重なっていたい敗戦。これで阪神戦は4勝9敗1分け。直近11試合に限れば合計15得点で平均1・4得点と阪神投手陣に封じ込められている。直近11試合の阪神戦の結果・4月22日(横浜)で2得点敗戦・同23日で2得点敗戦・同24日で2得点敗戦・5月13日(新潟)で1得点引き分け・同15日(横浜)で1得点勝利・同27日(倉敷)で11回無得点で負け・同28日(甲子園)で無得点負け・同29日で5得点勝利・7月4日(横浜)で1得点敗戦・同5日で無得点敗戦・同6日で1得点敗戦

◆阪神が2位DeNAと直接対決となったリーグ再開初戦で、今季21度目の完封勝ちを飾った。先発の才木浩人投手(26)が、4安打無失点で5月20日巨人戦(甲子園)以来今季2度目の完封勝ちで8勝目。藤川球児監督(45)は「才木がやはり、調子と言いますか、非常によくなってきていた。ピッチングフォームの修正と言いますか、メカニックが改善されたので、大丈夫だと思います。非常に楽しみですよね、ここから先がね」と手放しでたたえた。この日バッテリーを組んだのは、坂本誠志郎捕手(31)。これまで14試合連続で梅野隆太郎捕手(34)がスタメンマスクをかぶっており、才木とは4月1日DeNA戦以来の先発バッテリーだった。指揮官は「梅野は梅野の良さがありますし、栄枝には栄枝の良さがありますから、捕手だから、というよりは才木が、四球がないということは、ピッチングフォーム自体、投手として改善されてきたというところですから、非常に楽しみ、後半戦楽しみですね」と話した。

◆阪神が2位DeNAと直接対決となったリーグ再開初戦で、今季21度目の完封勝ちを飾った。初回、2死走者なしから3番森下翔太外野手(24)が、四球で出塁。続く4番佐藤輝明内野手(26)の打球は高々と内野上空に上がり、DeNA内野陣がお見合いし、ポトリと落ちる内野安打となった。2死一、三塁で、5番大山悠輔内野手(30)がDeNA先発ケイの内角への145キロを捉え、先制の中前適時打を放った。1-0のまま迎えた6回1死、佐藤輝がDeNAケイの初球148キロツーシームを振り抜き、右翼スタンドへ26号ソロ。大きな1発で相手を突き放した。先発の才木浩人投手(26)は、5月20日巨人戦(甲子園)以来となる今季2度目の完封勝ちで8勝目。独走優勝を目指す阪神が、後半戦も幸先良いスタートを切った。

◆阪神が2位DeNAと直接対決となったリーグ再開初戦で、今季21度目の完封勝ちを飾った。初回2死一、三塁で5番大山悠輔内野手(30)が先制の中前適時打を放つと、6回1死で佐藤輝明内野手(26)が26号ソロで突き放した。先発の才木浩人投手(26)は、9回4安打無失点で5月20日巨人戦(甲子園)以来今季2度目の完封勝ちで8勝目を挙げた。お立ち台には大山、佐藤輝、才木の3人が上がった。大山は再開初戦での勝利に「前半戦の最後の試合に僕のエラーで迷惑を掛けてしまったので、後半戦の1試合目でなんとか力になれてよかったですし、勝てたことが一番いいのかなと思います」と胸をなで下ろした様子。浜風にも負けない1発を放った佐藤輝は「一瞬、ちょっといったかなと思ったんですけど、一応走りました(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに振り返った。1人で投げ抜いた才木は「最高でーす! 後半スタートを任されたので、絶対にやってやるぞという気持ちでいけたので、すごくいいスタートが切れたと思います」と喜んだ。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が好リードで才木の完封を演出した。バッテリーを組むのは1-7で敗れた4月1日のホームDeNA戦以来。「どんどん先に勝負していけたことが、良い結果につながった。彼がどう思っているか分からないですけど、僕はDeNAに、もう1回才木とやり返したいという気持ちがあった。それに応えてくれた」とリベンジに成功に充実の笑顔だった。

◆阪神才木浩人投手(26)が4安打で今季2度目の完封ショーだ。村上と並ぶチームトップタイの8勝で、後半戦"開幕投手"を堂々と務め上げた。6回2死三塁。打席に迎えたのはDeNA牧。左翼スタンド応援歌を打ち消す「頑張れ、頑張れ、才木」コールに包まれた。カウント2-2からの5球目137キロフォークを捉えられたが、打球は左中間フェンス際で近本のグラブへ。甲子園を埋める大歓声を背に右腕はベンチに足を踏み入れた。「今年は結構、6回、7回で打たれて点を取られるっていう展開が僕の中で結構多いなっていうイメージがあったので。しっかり6回とかも(ピンチを)しっかり切れて、最後まで投げられたのは、すごいよかった」。5月20日巨人戦(甲子園)以来、今季2度目の完封勝利。自身プロ入り2度目の無四球完封に胸を張った。藤川監督は「才木が後半、さらに期待できそうな、今日(の投球)でしたね。投球フォームの修正と言いますか、メカニックが改善されたので、大丈夫だと思います」と話した。7月中旬に指揮官、投手コーチ、アナリストで映像を見ながらフォームを修正。右腕も「前回登板からちょっといい感覚というか、いい感じをつかめてるので、それが継続してできたかな」と、最高の結果につなげた。自身の今季初戦4月1日DeNA戦(京セラドーム大阪)で6回途中4失点でKOされて以来、15試合ぶりに坂本とバッテリーを組んだ。「もう1回(坂本)誠志郎さんと組んで、対DeNAってところで絶対勝ちたい思いもありました。配球とかうまくやってくれたので、すごく投げやすく、いいテンポでいけた。誠志郎さんのおかげです」。2人での3カ月ぶりリベンジ成功を素直に喜んだ。チームは21度目の0封勝利に導いた。「チーム的にもすごくいい勝ち方ができたんじゃないかなと思うので、ここから乗っていけるようにいってほしい」。先発ローテをけん引する才木が、2年ぶりのV奪回へ虎をリズムに乗せた。【伊東大介】▽野村バッテリーコーチ(才木と坂本のバッテリーに)「よかったんじゃないですか。テンポもうまかったと思います」▽安藤投手チーフコーチ(才木について)「今日はすべてよかったですよ。気持ちのこもったピッチングでしたね」

◆阪神森下翔太外野手(24)がしぶとく今季最多の3四球を選んで勝利に貢献した。初回2死から出て好機をつくり、大山の適時打先制決勝のホームイン。ヒットは出なかったが、死球を加えると通算46四死球をゲットし、ボディーブローを効かせている。「フォアボールでもヒットと形は一緒なので。よく見えたかなと思います。(ケイには)何度もやられっ放しだったので、今日はよかったかなと思います」と振り返った。

◆阪神大山悠輔内野手(30)の通算1002本目の安打が、後半戦の開幕勝利を引き寄せた。初回2死から森下が四球で出塁。続く佐藤輝の内野に高々と舞い上がった打球を、DeNA内野陣が"お見合い"。無得点で終わるかと思われた状況が一転、2死一、三塁に好機は広がった。大山はこの好機を逃さなかった。「もう得点を取るだけでしたし、相手のケイ投手は右打者がなかなか打てていなかったので、ここでなんとか1本と思って打席に入りました」とDeNAケイのカットボールを捉え、中前に運ぶ適時打。先発の才木に早々と援護点を贈り「早めに得点して才木を楽にしてあげたいと思っていました。いい入りができたと思います」と、後半戦最初の打席の好結果を喜んだ。雪辱の思いも込めた一打だった。21日巨人戦(東京ドーム)の3回1死の左前打で通算1000安打を達成。次の打席で5号2ランも放ったが、7回の一塁守備で敗戦につながる失策。この日のお立ち台で「前半戦の最後の試合に僕のエラーで迷惑をかけてしまったので、後半戦の1試合目でなんとか力になれてよかったですし、勝てたことが一番いいのかなと思います」と自ら切り出した。責任感を結果につなげた決勝打だった。【堀まどか】

◆阪神が2位DeNAと直接対決となったリーグ再開初戦で、今季21度目の完封勝ちを飾った。これで2位に浮上した巨人とは、10ゲーム差となった。初回2死一、三塁で、5番大山悠輔内野手(30)が先制の中前適時打を放つと、6回1死で4番佐藤輝明内野手(26)が26号ソロを放った。先発の才木浩人投手(26)は4安打無失点で、5月20日巨人戦(甲子園)以来となる今季2度目の完封勝ちで8勝目を挙げた。

◆後半戦も輝が主役だ! 阪神佐藤輝明内野手(26)が球宴明け初戦のDeNA戦でリーグ独走の26号ソロを放ち、快勝発進を呼び込んだ。1点リードの6回、左腕ケイから浜風を切り裂く弾丸アーチ。初回には高々と打ち上げた飛球を相手内野陣がお見合いし、野球漫画「ドカベン」の通天閣打法をほうふつとさせる幸運な安打が、大山の先制打を呼ぶなど大当たりだ。地元西宮市の野球少年&少女を招待した一戦で球宴第2戦から"2試合連続弾"。輝先輩はかっけえなあ。浜風に勝って、夢を届けた。佐藤輝が振り抜いた瞬間、甲子園に歓声が上がった。打球は逆風を切り裂き、瞬く間に右中間へスタンドイン。24日の球宴第2戦で横浜スタジアムの右翼ウィング席へ推定135メートル弾を放った虎の主砲が、会心の"2戦連発"だ。「いったかなと思ったんですけど、一応走りました」と笑わせたが、勝利への流れを決定づける千金弾だった。「ゲーム展開的にも、すごく大きな1本だったのでよかったです」1-0で迎えた6回1死。DeNA先発ケイの148キロツーシームを完璧に捉えた。両リーグ独走の26号ソロ。「本当にいい投手。そういう投手から打てたのは意味がある」。チームが前半4試合で27回1得点、防御率0・33と抑え込まれた苦手左腕を痛打。才木を援護する貴重な追加点に、藤川監督も「ああいう1発は大きい」とたたえた。この日は自身も所属した甲東ブルーサンダースなど、西宮市内で野球に励む小学生を招待。オフに野球教室で指導し、この日大声援を送ってくれた子どもたちに最高のプレゼントを贈った。「僕のホームランを見に来ていると思うので、いいところを見せられてよかった。満足です」。先輩は誇らしげに胸を張った。1発だけではない。初回には、漫画「ドカベン」に登場する坂田三吉の秘打「通天閣打法」さながらの一撃を放った。2死一塁で、高々と内野上空へ打ち上げた。あまりに高く上がったため、一瞬見失ったようなDeNA内野陣がお見合いすると、打球はマウンド付近にポトリと落ちて内野安打に。2死一、三塁に好機を広げ、続く大山の先制適時打を呼び込んだ。「大山さんが打ってくれたのでよかった」。規格外のスイングゆえに生まれた、規格外の特大飛球ヒットだった。3月28日の開幕広島戦でも先制1号2ランで白星発進を導いた。後半開幕のこの日も1発で勝利に貢献した。65に積み上げた打点と合わせて2冠を快走。優勝まで主役を張り続けるムードが漂う。「本当にいい戦いができた。こういう試合を積み重ねて優勝に近づいていけるように頑張ります」。首位独走のチームは、2位巨人とのゲーム差を10に拡大。4番が引っ張る猛虎軍団の勢いは、止まりそうもない。【塚本光】通天閣打法 漫画「ドカベン」で大阪・通天閣高校のエースで4番、左投げ左打ちの坂田三吉が得意とした打法。ゴルフスイングのようなアッパースイングで、打球を高々と打ち上げる。高さは100メートルを超え、落下しながら打球が変化を起こして落球を誘う。高さ103メートルの大阪のシンボル、通天閣になぞらえてて命名された。ボールが落ちる前に走者が本塁を踏み、相手の落球で得点するシーンもある。○...オールスターに出場した森下、佐藤輝、大山の主軸3人は、この日打撃練習を室内で行った。夢舞台に2日間フル参戦したコンディションも考慮したもの。藤本総合コーチは「3人に限らず。室内で打った方が、バッティングの感覚も良くなる感じもある。ずっとそういうことじゃなく、コンディションも」と説明した。初回に2死無走者からその3人がつながって先制点を呼び、結果で応えた。

◆DeNAアンソニー・ケイ投手(30)が、6回2失点と好投したが、またもや打線の援護がなく白星を逃した。1回にフォードのミス(記録は安打)が絡み、2死一、三塁から大山悠輔内野手(30)の適時打で先制点を献上。6回には佐藤輝に26号ソロを浴びたが、6回を3安打2失点だった。ケイは交流戦終了後、5試合に登板し、0勝2敗、防御率1・42と安定した投球を披露するが、打線の援護に恵まれず、6月5日の楽天戦以来、1カ月半以上白星から遠ざかる。今季は、16試合に登板し、5勝6敗、防御率1・70。

◆阪神が、DeNAにリーグ後半戦初戦で完封勝ちし、ゲーム差を10・5ゲーム差に広げた。先発の阪神才木が、散発4安打でDeNA打線を沈黙させ、完封で8勝目をマークした。打線は1回に相手ミスも絡み、2死一、三塁の好機をつくり、大山悠輔内野手(30)が先制の適時打。1点リードの6回には佐藤輝明内野手(26)がリーグ独走の26号ソロを放った。シーズン後半戦を9・5ゲーム差で迎え、独走状態だが、大事なシーズン後半戦初戦を白星で飾った。対DeNA戦は4連勝をマークし、対DeNA戦は通算9勝4敗2分け。2位巨人とのゲーム差は10ゲーム差で、2ケタゲーム差で独走する。

◆阪神・高橋遥人投手(29)が27日のDeNA戦(甲子園)に先発する。この日は試合前練習に参加し、キャッチボールなどで調整した。「前回の方が緊張しているかな、と思いますけど、明日も緊張すると思うので、当日はあまり変わらないかな。しっかりと最善を尽くして頑張りたい」昨年11月に受けた「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を経て15日の中日戦(甲子園)で1軍復帰。6回4安打2失点(自責1)だった一戦から中11日での登板となる。相対するDeNA打線は強力である中で「去年も打たれているので、しっかりと、打〝線〟にしないように、打たれても次の打者を抑える。点ならいいかな、と思う」と意気込んだ。

◆阪神は2年ぶりの栄冠に向け、勝負の後半戦が開幕する。その先陣を切るのは、先発・才木浩人投手(26)。今季は15試合に先発して7勝5敗、防御率1・66。DeNA戦にはカード別最多の4試合に登板して、3度のクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)を記録している。才木の女房役は坂本誠志郎捕手(31)。4月1日のDeNA戦(京セラ)以来、今季2度目となるバッテリーでDeNA打線を抑え込む。

◆先発した阪神・才木浩人投手(26)が一回にピンチを背負うも無失点で切り抜けた。今季2度目となった坂本とのバッテリー。しかし、先頭の桑原に安打を許すと、犠打で得点圏に走者を背負った。それでも、今季ここまで一回に失点していない才木は佐野を二ゴロ。牧に対しては1ボールから直球を3球続け、最後は低めいっぱいの151キロで見逃し三振に斬った。オールスターブレークを経て、この日から後半戦が開幕。その初回を才木がしっかりとゼロに抑えた。

◆阪神が大山悠輔内野手(30)の適時打で先制に成功した。一回2死から森下が四球で出塁すると、続く佐藤輝が高々と打ち上げた打球をDeNAの内野陣がお見合い。マウンド付近にポトリと落ち、思ってもいない形で一、三塁の好機が生まれた。チャンスで打席に立った大山はカウント2-2から先発・ケイの内角高め145キロカットボールを中前へ。「打ったのはカットボール。早めに得点して才木を楽にしてあげたいと思っていました。初回から前の2人が繋いでくれたので思い切って打ちにいけましたし、いいところに落ちてくれて良かったです」。チームとして、15日・中日戦(甲子園)の一回に大山が放って以来、49イニングぶりの適時打となった。適時打が生まれない間も計7本塁打などで得点を重ねていた。

◆DeNA・石田裕太郎投手が27日の阪神戦に先発する。直近3試合は中継ぎで登板しており、2日以来の先発を任された。ダッシュなどで調整し「シフトチェンジしてやりたい」と気を引き締めた。2年目の23歳は人生で初めて甲子園に足を踏み入れた。中大の先輩にあたる森下との対戦を待ち望み「球界を代表する選手。胸を借りて投げたい」と意気込んだ。

◆敵地甲子園で後半戦の幕が上がった。首位を走る阪神と9・5ゲーム差の2位でシーズンを折り返したDeNA。三浦監督は「これ以上離されるわけにはいかない」と誓いを立てた。球団は7月に藤浪、ビシエド、フォードを立て続けに補強し、攻守の戦力を強化した。さらに、この日は育成投手の橋本が支配下選手に復帰。藤浪とビシエドは2軍戦で加入後初の実戦に臨み、1軍合流に向けて前進した。球団のバックアップは、本気の表れともいえる。主力の桑原は「選手が頑張らないといけない。やるのは僕ら。目の前の試合にどうやって勝つかを考えて、みんなで同じ方向を向いてやらないと」と訴える。三浦監督が「普通にやっていたら駄目。大きな連勝が絶対に必要になってくる」と口にしたように、阪神とのゲーム差を詰め、ひっくり返すのは並大抵のことではない。主将の牧は「一戦も負けられない。全員で戦っていく」と決意をにじませていた。チームの結束力が問われている。(鈴木智紘)

◆先発し、五回までDeNA打線を2安打に抑え込んでいた阪神・才木浩人投手(26)が六回にピンチを招くも、無失点に切り抜けた。先頭の桑原に中前打を許すと、続く林の犠打で1死二塁。佐野の二ゴロで走者を三塁に進めた。対するはここまで2三振を奪っている4番・牧。カウント2-2から投じたフォークが浮き、快音とともに場内の虎党から悲鳴のような声が響いたが、打球はフェンスぎりぎりで中堅・近本のグラブの中に納まった。才木は六回まで投げて3安打無失点。球数は83球とテンポの良い投球を披露している。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が「4番・三塁」で出場。1-0の六回にソロ本塁打を放った。打線はDeNA先発・ケイに対して一回に連打で先制するも、二回からは5イニング連続で無安打と封じられていた。ただ、六回1死で佐藤輝が打席へ。初球の148キロを振り抜いた打球は鋭い当たりで右翼へ伸び、そのままスタンドイン。3試合ぶりの一発でスタンドの虎党から大喝采を浴び、ロースコアの中で快投を続ける同学年の才木を援護した。この日は一回2死一塁での第1打席でインフィールド内に飛球を打ち上げたが、強風にあおられて黒土で弾むラッキーな内野安打をマークしており、この第3打席で放った安打が今季100安打目となった。これで新人年の2021年から5年連続となるシーズン3桁安打。球団では後藤次男(1948~52年=5年)、吉田義男(1953~60年=8年)、近本(2019年から継続中、7年)に次いで4人目となる節目の一打を、得意の本塁打で決めてみせた。■佐藤輝の談話 「打ったのはツーシーム。接戦で次の1点が重要なゲーム展開だったので、いいところで1本が打てて良かったです。最後まで気を緩めずに頑張ります」

◆阪神がDeNAに快勝し、後半戦の好スタートを切った。今季2度目となる坂本とのバッテリーで先発した才木浩人投手(26)が9回4安打無失点。今季最多の9三振を奪う快投で、DeNA打線を圧倒し、今季2度目の完封勝利をつかんだ。打線は一回に相手のミスに付け込んで、大山悠輔内野手(30)のチーム49イニングぶりの適時打で先制。1-0の六回には、佐藤輝明内野手(26)が自己最多を更新する26号ソロを放ち、追加点を挙げた。わずか3安打も効率的に2点を奪った。

◆DeNAは1番・桑原が3安打と気を吐くも、後がつながらず、散発4安打で零封された。先発のケイは阪神打線を6回3安打に抑えるも佐藤輝に浴びた六回の本塁打が痛かった。

◆阪神が後半戦開幕で、21度目の無失点勝利を飾った。一回2死から森下翔太外野手(24)の四球、佐藤輝明内野手(26)の一塁内野安打で好機を迎えて、大山悠輔内野手(30)の中前打で先制。六回1死からの佐藤輝の26号本塁打で追加点を奪った。佐藤輝は2位森下に10本差をつけるアーチで、球団4人目の新人から5年連続100安打をマークした。坂本誠志郎捕手(31)と2度目のバッテリーを組んだ才木浩人投手(26)は116球4安打9奪三振無四球で2度目(通算7度目)の完封勝利を飾り、8勝目(5敗)を挙げた。

◆阪神が後半戦開幕で、21度目の無失点勝利を飾った。阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)は先発した才木の修正能力を高く評価した。予想された投手戦だったが、ケイを上回る投球で無四球完封した才木をホメたい。六回はフォークボールが高めに抜けて、ハッとする何球かがあった。牧にフェンス手前への飛球を打たれた一球などは危なかった。が、直後から意識してフォークボールもワンバウンドを投げていた。アドバイスがあったのかどうかは分からないが、修正できたことは評価できる。さらに、開幕からほとんど村上が任されていた週後半のカード頭の先発。相手も開幕投手が出てくる難しい登板日で、才木もしっかり役割を果たしたことは、今後のシーズンを考えても大きい。欲をいえば、もっとテンポ良く投げれば、自分も乗っていくし、野手も守りやすくなる。リズムがいいなと感じたのは三回だけ。決して難しい要求ではない。米大リーグもピッチクロック導入で、当初は戸惑う投手もいたが、時間の経過とともにみんな対応している。最後に、ケイに黒星をつけたが、決して攻略したわけではない。一回のフォードの捕球ミス(記録は内野安打)がなければどうなっていたか。再び阪神にぶつけてくる。要警戒は変わらない。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆DeNAは阪神先発の才木を前に4安打の零封負けを喫し、後半戦の初戦を飾れず、3位に後退した。一回は先頭の桑原が右前打を放ち、犠打と進塁打で2死三塁の先制機を迎えたが、4番の牧が見逃し三振。0-1の六回も一回と全く同じ形で同点機をつくったものの、牧が中飛に倒れた。三浦監督は「なかなかチャンスが少ない中、得点圏でもう一本出なかった」と渋い表情を浮かべた。才木の防御率は試合前時点で1・66。小技ができる林を2番に入れて手堅く攻めたが、最後まで球威が衰えなかった右腕に圧倒された。一回は2死一塁で佐藤輝の飛球を一塁手のフォード、二塁手の牧らがお見合いし、風に流された打球はマウンド後方にポトリ。この内野安打でピンチを招いて先制点を許し、後手に回った。三浦監督は「あれは捕ってやらないといけない。打ち取った当たり」と苦言を呈した。

◆阪神が快勝。一回に大山の中前打で先制し、六回は佐藤輝の26号ソロで加点した。才木が今季2度目の完封を無四球で飾り、8勝目。力強い球で4安打に抑え、9三振を奪った。ケイを援護できなかったDeNAはこのカード4連敗。阪神のデータは以下のとおり。?阪神の優勝へのマジックナンバーの最短点灯日は29日。29日まで阪神が連勝、中日が連敗した場合は、巨人の27日とDeNAの29日の結果次第で優勝マジック41か40が出る。?佐藤輝が両リーグ最多の26号本塁打を含む2安打を放ち、シーズン100安打に到達。シーズン100安打以上は1年目の2021年から5年連続。阪神でプロ1年目から5年以上続けて100安打以上をマークしたのは、1948-52年の後藤次男(5年)、53-60年の吉田義男(8年)、19-25年の近本光司(7年=継続中)に次いで4人目。?佐藤輝は1年目から今季まで5年連続10本塁打以上も記録。1年目から5年連続で100安打と2桁本塁打をマークしたのは球団初で、球界全体では10-18年の巨人・長野久義(9年)以来7年ぶり。左打者では98-04年の巨人・高橋由伸(7年)以来21年ぶり。

◆阪神・才木をリードした坂本も、右腕の思いに呼応した。「あいつの開幕の試合でDeNAに負けたので『絶対にやり返したい』。それだけですね」。バッテリーを組むのは、右腕が5回?を7安打4失点で敗れた4月1日(京セラ)以来で今季2度目。良さを引き出して完封勝利に導き「ボール一個一個が一級品。どんどん勝負をしていけたことがいい結果につながった」とうなずいた。

◆27個のアウトを重ね、甲子園の中心でガッツポーズとともに大きくほえた。阪神・才木浩人投手(26)が4安打完封で今季8勝目。後半戦の開幕戦で、首位をひた走るチームに追い風を吹き込んだ。「後半スタートを任されたので、絶対にやってやるぞという気持ちでいけた。すごくいいスタートが切れたと思います」カウントを有利に進めるテンポのいい投球でDeNA打線を圧倒。無四球、さらには今季最多の9奪三振で九回までゼロを重ねた。才木にとっての今季開幕戦となった4月1日のDeNA戦(京セラ)では六回途中で4失点KO。この日は、それ以来の坂本とのバッテリーだった。「僕はもう一回(坂本)誠志郎さんと組んで、対DeNAで絶対に勝ちたい思いもありました」と懸命に腕を振り、今季2度目の完封でリベンジ達成。敗れた試合で本塁打を浴びた牧は、2三振を含む4打数無安打に封じた。「配球とかはやっぱり誠志郎さんがうまくやってくれたので。すごく投げやすくて、いいテンポでいけたと思います。誠志郎さんのおかげです」7月に入り、2試合連続で5回で降板するなど苦しんでいた。現状打破のため、藤川監督や投手コーチ、アナリストとともに投球フォームの改良に着手。映像を何度も見返して修正を行った。5敗目を喫したが、前回登板、16日の中日戦(甲子園)から手応えをつかんだ。7イニング以上を投げ切ったのは、6月3日の日本ハム戦(エスコン)以来で6試合ぶり。「ゾーンでしっかり勝負できていて、カウントも常にいい状況で攻められている」とうなずいた。後半戦の開幕試合を託した藤川監督は「いいオールスター休みになった。メカニックが改善されたので、大丈夫だと思います」と笑顔。前半戦は〝火曜日の男〟を託した右腕に「後半戦、非常に楽しみですね」とさらなる期待を寄せた。「きょうみたいな展開でいけるように。1点、2点をしっかり自分が守れるようなピッチングができたらいいかなと思います」才木は言葉に力を込めた。8勝、防御率1・52でともにセ・リーグ2位に浮上。勝負の後半戦に、頼れる男が状態を上げてきた。(萩原翔)?...阪神・才木は5月20日の巨人戦(甲子園)以来、今季2度目、通算7度目の完封勝利。チームでは7月5日のDeNA戦(横浜)でのデュプランティエ以来で今季7度目?...阪神は19日の巨人戦(東京ドーム)以来、今季21度目の無失点勝利。無失点勝利のシーズン最多は1965年の32度で、56年の西鉄と並ぶプロ野球記録

◆あんたがヒーロー!! 後半戦が開幕し、阪神はDeNAに2―0で勝利。貯金を今季最多タイの19とした。六回に佐藤輝明内野手(26)が、地元の西宮市の子供たちを招待した一戦で期待に応える右越えの26号ソロを放った。セ・リーグ本塁打争いで2位に10本差をつけた主砲も、2位巨人に10ゲーム差として藤川虎も、ライバル勢の追随を許さない。最短で29日に優勝へのマジックナンバーが点灯する。右翼席に鋭いライナーが着弾した瞬間、甲子園に招待した子供たちが喜ぶ姿が目に浮かんだ。佐藤輝が自己最多を更新する26号アーチでチームの後半戦開幕戦の勝利を呼びこんだ。「一瞬(スタンドに)『いったかな』と思ったんですけど。一応、走りました。入ってくれてよかった」一回に1点を先制して以降、難敵のケイを打ちあぐねた。1-0の六回1死走者なし。外角高めのツーシームを思いっ切りたたいた。会心の一発だった。セ・リーグ本塁打争いで2位森下に10本差をつけ、65打点もリーグトップをキープだ。「ゲームの展開的にもすごい大きい一本だったと思う。いい投手から打てたのは意味があるかな」胸を張った。絶対にホームランを打ちたい-。特別な日だった。地元・西宮市内の野球少年少女を甲子園に招待していたからだ。「僕のホームランを見にきていると思うので。いいところを見せられて本当によかったです」。このときだけは目じりを下げた。開幕戦だった3月28日の広島戦(マツダ)では決勝アーチ。後半戦開幕でも貴重な追加点となる一発を放った。「今年は調子の波も少なくこられていると思う」。佐藤輝が調子の良しあしのバロメーターにしているのは打球速度だ。この日、甲子園のバックスクリーンに表示されたのは178キロ。13日のヤクルト戦(甲子園)での24号は、これまでの本塁打では最速の181キロだった。「ホームランの次の打席の右飛に打ち取られた打球のほうがもっと速度は上だったんですよ。凡打でもきっちりとバットの芯で捉えられていると納得しますね」

◆阪神・森下が先制点の起点となった。先発のケイから一回2死で四球を選び、大山の中前適時打を呼び込んだ。「四球でも塁に出たらヒットと一緒。(ボールを)よく見られたかなと思います」。その後の打席でも冷静に見極め、自身2度目で最多の1試合3四球。「何度もやられっぱなしなので。まあ、普通にやりました」と難敵左腕からの勝利を静かに喜んだ。

◆得点力不足に苦しんできたDeNAは、後半戦の初戦でも決定打を欠いた。阪神先発の才木を前に4安打で零封負け。三浦大輔監督(51)は「なかなかチャンスが少ない中、得点圏でもう一本出なかった」と渋い表情を浮かべた。一回は先頭の桑原が右前打を放ち、犠打と進塁打で2死三塁の先制機を迎えたが、4番の牧が見逃し三振。その裏に守備の乱れが絡み、1点を先制された。0-1の六回も一回と全く同じ形で同点機をつくったものの、牧が中飛に倒れた。才木の防御率は試合前時点で1・66。小技ができる林を2番に入れて手堅く攻めたが、最後まで球威が衰えなかった右腕に圧倒された。チームは3位に後退。牧は「足を引っ張った」と唇をかんだ。(鈴木智紘)

◆電光石火のタイムリーでチームを勢いづけた。優勝へ向かって突き進む後半戦を占う一戦で、阪神・大山が先制打を放った。「ケイ投手は右打者があまり打てていなかったので、『ここで何とか一本を』と思って、打席に入りました」難敵の一瞬の隙を突いた。一回2死から森下が四球、続く佐藤輝は初球を高々と打ち上げたが、相手内野陣がお見合い。ラッキーな内野安打で一、三塁。もらったチャンスを逃さず、カットボールを詰まりながらも中前へ運んだ。「『落ちてくれ』という思いしかなかったです」。今季、ケイと5度目の対戦でチームとしては右打者の初安打だった。どうしても拭えない思いがあった。21日の巨人戦(東京ドーム)では適時失策でサヨナラ負けを招く要因の一つを作ってしまった。そのままオールスターを挟んで迎えた一戦。「前半戦の最後の試合で僕のエラーで迷惑をかけてしまったので、後半戦の1試合目で何とか力になれてよかったですし、勝てたことが一番いいのかなと思います」。転んでもただでは起きない男はすぐさまやり返した。「後半戦の始まりなのでそういう意味ではいい入りができたと思います。それを勝ちにつなげられたのは良かったんじゃないかなと思うので、チーム一丸となって勝てた勝利だと思います」チャンスで勝負強さを発揮し始めた背番号3。頼もしさが増してきた。(渡辺洋次)

◆ビリビリビリビリ~。後半戦もスタートから虎がしびれさせてくれるやないかー!! 打った瞬間、これぞ「THE HOMERUN」。佐藤輝の26号はスゲー当たりやー!! 甲子園の浜風(逆風)をものともせず、とかいう話じゃなくて、その打球音、まるでマンガのようにガキーン!!という字が俺、見えたもん。千両役者のサトテルちゃんはホームランだけでなく一回、大山の先制タイムリーを呼んだ、プロ野球では珍しい『空中イレギュラーヒット』を見せてくれたし、乗りに乗ってるね~♪(ホントはDeNA野手のお見合いだけど、グラブに触っていないのでエラーがつけられず、こう呼びます)投げては、才木がいきなりリリーフ陣に夏休みをプレゼントする4安打無四球の完封で8勝目。これもビリビリときた~!! 試合前の時点で7勝を挙げて防御率も決して悪くない。でも、本来の才木の投球らしくない。それは代名詞であるはずの三振が少ないからなのだ! しかし、本日は8K!! 女房役を坂本にした効果か? あとは十八番のフォークボールが戻れば完璧なのだ!!

◆ローテの柱が完封して、4番がドカンと一発。これ以上ない後半戦開幕だ。試合前のこと。当番デスク・川端亮平に意気込みを尋ねると-。「あっ、そういえば、後半でしたねぇ。でも、高校野球の地方大会が大詰めを迎えていて、どこの大会に記者を派遣するかとか、あれこれ考えることが多くて...」阪神は大丈夫。それよりも...。そんな感じだった。確かに、夏の甲子園の地方大会は、野球デスクの腕の見せ所の一つでもある。甲子園で優勝候補になりそうなチームがいたら、当然、記者を派遣しなければいけない。でも、意外な学校が甲子園の出場権を得たら、これまた話題になる。当然のように記者を派遣していた大阪大会の準決勝は大阪桐蔭―履正社。宿命の対決は見逃せない。仕事の合間にスマホをチェック。結果は大阪桐蔭が甲子園へ王手をかけた。が、それよりも気になったのが、試合中のNHKの画面に映し出された学校紹介だった。大阪桐蔭の「主なOB」の項目。名前が登場したのは中村剛也(西武)、浅村栄斗(楽天)、森友哉(オリックス)。そうか、藤浪晋太郎は主なOBの3人枠に入れなくなったのか...。

◆DeNAは内野陣の守備が乱れ、大敗を喫した。後半戦は2連敗スタートとなり、自力優勝の可能性が消滅した。

◆DeNAは内野陣の守備が乱れ、大敗を喫した。後半戦は2連敗スタートとなり、自力優勝の可能性が消滅した。二回に2失策を犯し、一挙5点を先行された。2死一、二塁で高く弾んだ高橋の当たりを前進してさばいた二塁手の牧は、素早く一塁へ送球。一塁手のフォードは息を合わせられずに後逸した。さらに、2死満塁から三塁手の宮崎が正面のゴロをトンネルし、2者が生還した。首位を走る阪神とのゲーム差は11・5に拡大。三浦監督は「ああいうミスをしているようでは追いつけない。打ち取った当たり。追いかける立場として、ああいうことをしていれば離されても仕方ない」と苦言を呈した。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
54352 0.607
(↑0.005)
-
(-)
52308
(+2)
200
(-)
56
(+1)
73
(-)
0.246
(↓0.001)
1.960
(↑0.03)
2
(1↑)
巨人
43443 0.494
(↑0.006)
10
(-)
53249
(+5)
256
(+1)
53
(+1)
39
(+1)
0.241
(↑0.001)
2.570
(↑0.01)
3
(1↓)
DeNA
41435 0.488
(↓0.006)
10.5
(↓1)
54265
(-)
253
(+2)
45
(-)
41
(-)
0.226
(↓0.001)
2.690
(↑0.01)
4
(-)
中日
40472 0.460
(↓0.005)
13
(↓1)
54229
(+1)
266
(+2)
41
(-)
58
(-)
0.226
(-)
2.820
(↑0.01)
5
(-)
広島
38465 0.452
(↓0.006)
13.5
(↓1)
54266
(+1)
280
(+5)
43
(+1)
47
(-)
0.241
(↓0.001)
2.890
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
29505 0.367
(↑0.008)
20
(-)
59233
(+2)
332
(+1)
39
(-)
39
(-)
0.228
(↑0.001)
3.530
(↑0.03)