1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 1 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 11 | 1 | 3 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 1X | 6 | 11 | 1 | 1 |
勝利投手:マルティネス(2勝2敗28S) 敗戦投手:伊原 陵人(5勝3敗0S) 本塁打 |

![]() |
![]() |
![]() |
◆巨人は5点を追う7回裏、増田陸の適時打とリチャードの3ランなどで5点を挙げ、試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた9回には吉川の適時打が飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、6番手・マルティネスが今季2勝目。敗れた阪神は、投手陣が振るわなかった。なお、この試合で阪神・大山が通算1000安打を達成した。
◆巨人井上温大投手(24)が自らのミスでピンチを広げた。初回に先頭の近本に左前打を浴びると、続く2番中野は犠打で手堅く送ってきた。打球は投前に転がり井上が処理するも、一塁への送球がショートバウンド。一塁ベースカバーに入っていた吉川尚輝内野手(30)が捕球できず(記録は井上の犠打失策)に、無死一、二塁にピンチが拡大した。それでも、井上は後続を抑えて無失点で切り抜けた。
◆阪神小幡竜平内野手(24)が2戦連発となる今季2号先制ソロを放った。0-0の2回先頭。1ストライクから、巨人井上の144キロ速球を引っ張った。高々と右翼へ上がった打球はそのままスタンドイン。ベンチに戻りと、笑顔でハイタッチをかわした。前日20日の試合でも右翼へ今季1号の先制ソロ。自身初の2戦連発となった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が通算1000安打を達成した。プロ野球324人目。白鴎大から16年ドラフト1位で入団して9年目。1067試合での到達。1年目の途中から主力を務め、大きな故障なく出場を続けた。優勝した23年は全試合4番に座って自己最多の148安打をマークした。5番を務める今季は全90試合に出場中で、これが86安打目だった。
◆阪神中川勇斗捕手(21)が2カ月半ぶりのプロ2安打目を記録した。「7番左翼」で先発。5月13日のDeNA戦(ハードオフ新潟)以来のスタメンで、16日に1軍再昇格を果たしてから初出場。2回の第1打席で左前に鋭くはじき返した。5月6日のプロ初安打も同じ東京ドームだった。今季は打撃を買われ、外野手での出場がメインになっている。昨夏の甲子園大会を制覇した京都国際の出身。3年春夏の甲子園に出場し、夏は2本塁打でベスト4まで進出した。
◆海上保安庁長官の瀬口良夫氏(61)が、巨人-阪神戦で始球式を務め、剛速球でスタンドを沸かせた。瀬口海上保安庁長官は、高校時代は野球部で投手だったことが紹介され、巨人阿部監督、阪神藤川監督も視線を送る中、豪快な投球を披露。スタンドのファンからも「おぉーー」と歓声が上がった。藤川監督は投球フォームのしぐさを見せながら、瀬口海上保安庁長官のボールに驚きの表情を浮かべた。
◆阪神小幡竜平内野手(24)が2打席連発のアーチを放った。2回に自身の2号ソロで先制。1-0のまま迎えた、3回1死一塁だった。大山が通算1000本安打を放った直後の打席。先発井上の初球144キロ速球を捉えた打球は、弾丸ライナーで右中間席に突き刺さる今季3号2ランとなった。自身初の2打席連発アーチ。前日20日に放った今季1号ソロが476日ぶりの1発だった中、2日間で3本塁打の大暴れを見せている。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が通算1000安打を達成した。プロ野球324人目。3回1死の第2打席。3ボールから井上温大投手(24)の直球を狙い打ち。狭い三遊間を鋭く抜いた。1000安打がアナウンスされると、記念ボードを手にヘルメットを取って場内にあいさつ。敵将の阿部慎之助監督(46)も拍手を送り、東京ドームの巨人ファンからも拍手が起こった。大山は昨オフ、国内フリーエージェント(FA)権を行使。最終的には巨人移籍と阪神残留の2択の末に、残留を決めた経緯があった。通算1000安打=大山(阪神) 21日の巨人18回戦(東京ドーム)の3回、井上から左前打を放って達成。プロ野球324人目。初安打は17年7月1日のヤクルト11回戦(甲子園)で原樹から。
◆巨人甲斐拓也捕手(32)が、阪神戦の5回表の守備から途中交代した。4回1死から阪神中川のファウルが右膝に直撃。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、倒れ込んだ。トレーナー、実松バッテリーコーチらが駆け寄り、状態を確認した後、出場を続けたが、5回の守備から岸田に代わった。甲斐は「8番捕手」でスタメン出場。井上とバッテリーを組んだが、小幡に2発を浴び、1打席目は大きな当たりの中飛だった。
◆巨人井上温大投手(24)が、阪神小幡竜平内野手(24)に痛恨の2打席連続アーチを浴びた。2回に1ストライクから高めの144キロを右翼席に運ばれ、先制点を献上。1点ビハインドの3回1死一塁からは、初球の高めの144キロを右中間席最前列に運ばれた。打球がスタンドに入った瞬間、井上は両膝に手をつき、ガックリと肩を落とし、悔しさをにじませた。
◆「すしレース」はタマゴが待望の7月初勝利を挙げた。スタートはほぼ横一戦も、序盤からタマゴが頭一つ抜け出した。アナゴとコハダの猛追を振り切ると、中盤からは独走状態。2着のコハダ6貫差をつけるぶっちぎりでゴールテープを切った。3着アナゴ、4着エビ、5着マグロの順で入線。タマゴは6月29日以来の勝利となった。通算成績はアナゴが16勝、エビ10勝(白エビ1勝を含む)、マグロ8勝、タマゴ6勝、コハダ5勝となっている。すしレース 3回終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの計5体。参加対象は公式ファンクラブ「CLUB GIANTS KIDS MEMBER」で当日の開場から1回裏終了まで応募受け付けし、東京ドーム内ファンクラブブースで抽選によって決定する。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が1001本目の安打をホームランで飾った。5回無死一塁の第3打席。1ボールから、先発井上の121キロ変化球を振り抜いた。角度良く上がり、左翼席にそのまま飛び込む今季5号2ラン。6月4日日本ハム戦以来、36試合ぶりの1発で「5-0」にリードを広げた。3回の第2打席では左前打で出塁。これが自身通算1000本目の安打となっていた。新たな1歩となる1001本目の安打を、豪快なアーチで決めた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が痛恨の悪送球で走者生還を許した。4点リードでの7回無死一、三塁の守り。 5番泉口の放った一ゴロを捕球し、大山はホームを狙った。一瞬握り直した後に投じた本塁送球。しかしボールは捕手坂本の頭上へそれ、ミットをかすめながらもボールは本塁後方へ転がった。一気に三塁走者は生還し、3点差に迫られる展開となった。
◆巨人リチャード内野手(26)が起死回生の同点3ランを放った。2-5の7回1死一、三塁。阪神2番手ネルソンの低めチェンジアップをうまく拾うと、打球は左中間スタンドに飛び込んだ。一塁ベースを回ったところで打球がフェンスオーバーしたことを確認すると、雄たけびを上げながらガッツポーズ。場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。リチャードは、この日の試合に「7番三塁」で出場。6月12日ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)以来のスタメンとなっていた。
◆巨人の応援団が同点劇を演出した。5点ビハインドの7回。佐々木俊輔外野手(25)が打席に入ったところで、チャンステーマ「Gフレア」が演奏された。本来であればチャンス時に流す応援歌だが、阪神先発の伊藤将に6回まで無得点。打線の奮起を促すために、応援団が演奏したとみられる。応援団の後押しもあってか、先頭の佐々木、続く吉川尚輝内野手(30)が連打で無死一、三塁の好機をつくった。そこから4番増田陸内野手(25)の中前適時打、続く泉口友汰内野手(26)の適時失策で2得点。なお1死一、三塁からリチャード内野手(26)が起死回生の3ランを放ち、同点に追いついた。
◆火消しでマウンドに上がった2番手ニック・ネルソン投手(29)が痛恨の同点3ランを浴びた。5-0で迎えた7回、好投を続けていた伊藤将が味方の失策もからみ2点を失い降板。なおも1死一、三塁でネルソンがバトンを受け、迎えたのは巨人リチャード。カウント2-2から、低めチェンジアップを泳ぎながらもうまく運ばれ、左中間へ同点3ランを許した。登板16試合目で初被弾。5月28日DeNA戦から13試合連続で無失点投球を続けてきたが、歓喜に沸く巨人ファンの中で、マウンドでがっくりと膝をついた。
◆これがあるからたまらない大砲覚醒リチャードが同点3ランホームラン??この回5得点で一気に追いついた?プロ野球(2025/7/21)??巨人×阪神??Live on DAZN #オレをみろ#ジャイアンツ pic.twitter.com/EAZQDci6T9
◆東京ドームで屈辱の"花火大会"を開催された。巨人井上温大投手(24)が、阪神打線に3本塁打を浴び、5回10安打5失点でKOされた。2回、先頭打者の6番小幡に1ストライクから高めの144キロを右翼席に運ばれ、先制点を献上。1点ビハインドの3回1死一塁から、再び小幡に初球の高めの144キロを右中間席最前列に運ばれた。3点ビハインドの5回には、通算1000安打を達成した大山に高めに浮いたスライダーを左中間席に運ばれた。3本の本塁打ともに、高めに浮いた失投だった。井上にとって、被安打10はプロ入りワースト。降板後、井上は「大事な試合を作れず、申し訳ないです」と悔しさをにじませた。対する阪神の伊藤将司投手(29)は、両コーナーを丁寧に突きながら、低めにボールを集め、打線は6回まで手玉に取られたが、7回に増田陸の適時打と相手失策の間に2点を返し、2番手ネルソンからリチャードが同点3ランを放った。
◆阪神伊藤将司投手(29)が7回途中5安打4失点で降板した。6回まで5点の援護点を受け、2安打無失点と好投。しかし、7回先頭佐々木に左翼線二塁打、吉川に三遊間を破る左前打を許し、無死一、三塁に。増田陸に中前適時打を許し、続く泉口を一ゴロを大山が本塁に悪送球して2点目を失った。続く中山を二ゴロに打ち取り1死一、三塁なった場面で交代。バトンを受けたネルソンが、リチャードに同点3ランを浴び、5勝目の権利も失った。
◆阪神高寺望夢内野手(22)の必死のアピールが実った?8回1死一、二塁で「代打の代打」として登場。1ボールからの2球目、巨人田中瑛斗投手(26)のスライダーは真ん中低めへ。球審の川口亘太は右手を上げかけたが、途中で引っ込めた。高寺は瞬時に後ろを向き、右手を上げながら「ボールですよね?」とアピール。川口は自ら「低い」とジャスチャーして、ボール判定とした。中途半端なジャッジに、巨人阿部慎之助監督(46)も確認に行ったが、判定は変わらなかった。カウント有利にした高寺だったが結局は空振り三振。この回、勝ち越しとはならなかった。
◆阪神ドラフト1位の伊原陵人投手(24)が、5-5の同点の8回、リリーフ登板した。この日出場選手登録されてベンチ入り。開幕1軍入りした左腕は、4月20日広島戦(甲子園)から先発に配置換され、先発で12試合5勝2敗の成績を残してきた。4月12日中日戦(甲子園)以来、7試合目のリリーフ登板になった。伊原は先頭吉川に遊撃内野安打を許したが、後続を3人で打ち取った。9回も続投し、2死満塁で吉川にサヨナラ中前打を打たれた。
◆巨人阿部慎之助監督(46)が、球審のコールについて、確認を求めた。同点の8回1死一、二塁、1ボールから巨人田中瑛の低めのスライダーをストライクコールしかけたが、ボールと判定。高寺が球審に判定の確認をし、ボールが低かったことをジェスチャーで示した。阿部監督は苦笑いを浮かべながらベンチを出て、川口球審に確認し、言葉を交わした後、ベンチに戻った。球場のカウント表示も1度は1ボール1ストライクと示されたが、2ボールに訂正され、試合が再開した。
◆阪神がオールスター前最終戦で今季5度目のサヨナラ負けを喫し、球団17年ぶり3度目の貯金20ターンはならなかった。2位DeNAが勝利したため、ゲーム差は9・5に縮まった。6回まで3本の本塁打で5点をリードも、7回に一挙5失点で追いつかれた。同点の9回、3番手の伊原陵人投手(24)が2死満塁から吉川尚輝内野手(30)にサヨナラ中前打を打たれた。先制は阪神。小幡竜平内野手(24)が2試合連発、そして2打席連続のアーチをかけた。0-0の2回先頭で、右翼スタンドへ運ぶと、3回1死一塁で再び右中間席へ。前日20日の今季1号ソロに続き、プロ初の2打席連発となった。通算1000安打に王手をかけていた大山悠輔内野手(30)は、3回の第2打席で左前打を放ち、節目に到達。さらに3-0で迎えた5回無死一塁で、今季5号2ランを放った。先発の伊藤将司投手(29)は6回まで2安打無失点と好投を続けるも、7回に暗転した。先頭佐々木の左翼線二塁打から3連打を浴び失点すると、なおも無死一、三塁で大山がゴロを本塁へ悪送球し2点目を失った。1死一、三塁で2番手ニック・ネルソン投手(29)が登板するも、迎えた巨人リチャードへ左翼スタンドへ同点3ランを浴びた。今季ここまで90試合を戦い53勝35敗2分けで折り返し。オールスターを経て、勝負の後半戦へ臨む。
◆巨人が最大5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。オールスター前最後の試合を白星で飾り、同一カード3連敗も阻止した。5点ビハインドの7回。先頭の佐々木俊輔外野手(25)、続く吉川尚輝内野手(30)の連打で無死一、三塁の好機をつくった。そこから、4番増田陸内野手(25)の中前適時打、続く泉口友汰内野手(26)の適時失策で2得点。なお1死一、三塁からリチャード内野手(26)が起死回生の3ランを放ち、同点に追いついた。中盤までは我慢の展開が続いた。先発の井上温大投手(24)は阪神打線に3被弾を許し、5回10安打5失点でKO。「大事な試合を作れず、申し訳ないです」と唇をかんだ。だが、リリーフ陣が追加点を許さずサヨナラ勝ちにつなげた。
◆阪神藤川球児監督(45)が、前半戦の総括インタビューに応じた。この日はサヨナラ負けを喫したものの、ここまで90試合を戦い53勝35敗2分け。2位DeNAに9・5ゲーム差と大差をつけての首位を独走中。「まあ順調かなというところで。日々のゲームを戦いながら、チームが少しずつ全体として作り上げられてきている手応えは感じていますね。選手たちが立派にやってくれているんじゃないかなと思います」とここまでの戦いぶりを振り返った。佐藤輝が本塁打、近本が安打と盗塁でリーグトップ。佐藤輝と森下は打点でトップ争い中で、投手陣も抜群の安定感を誇る。交流戦期間は強みのリリーフが打たれて7連敗を喫した時期もあったが、その後2リーグ制後の球団タイ記録となる11連勝も飾った。「(リリーフは)前半戦非常に良かったといいますか、結構な数負けてますからね。まだまだ組織として強みに変えていかないといけないところですけど。最後の1つの我慢ができない、というのが交流戦の時の結果でしたから。後半戦は、それがさらにビルドアップした状態でね、戦えるように」。安定感抜群のブルペンでも、まだまだ整備の途中だ。後半戦への意気込みを聞かれると、地に足着けた言葉を並べた。「1歩1歩ですね、負けるたびに強くなるチャンスですし、勝つたびに冷静にならなければいけないと思ってチームを進めていますから。丁寧に、本当に人生と同じかもしれないですね。丁寧にやりながらグラウンドでは楽しんでいただけるように、また精いっぱい努めたいと思います」。後半戦も勢いを止めず、独走優勝へと突き進む。
◆巨人OBの定岡正二氏(68)が、巨人-阪神戦のレジェンズシートの解説で東京ドームを訪れ、キーマンにリチャード内野手(26)を挙げ、予想を的中させた。試合前にファンに試合の注目ポイントなどを話すコーナーで連敗ストップのキーマンについて、「7番三塁」でスタメンに名を連ねたリチャードを指名。「(本塁打は)流れを大きく変えますから」とリチャードの1発でチームの雰囲気を変えることを期待し、その通りに7回にリチャードが同点3ランを放った。試合は同点の9回2死満塁から、吉川尚輝内野手(30)が値千金のサヨナラ打を放ち、阪神戦の連敗を5で止めた。レジェンズシートとは、三塁側の前方エリアで、両球団OB"レジェンズ"の生解説を専用イヤホンで楽しめるシート。レジェンズに質問すると解説の中で回答も聞くことができる。
◆巨人が最大5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。0-5の7回にリチャード内野手(26)の同点3ランなどで一挙5点。9回2死満塁から吉川尚輝内野手(30)のサヨナラ適時打で勝ち越し、オールスター前最後の試合を白星で飾って同一カード3連敗も阻止した。吉川のサヨナラ安打は今年5月1日広島戦以来7本目。巨人では王のサヨナラ安打15本が最多で、7本は松井、高橋由ら7人に並ぶ球団9位タイとなった。また、巨人の5点差逆転勝ちは、今年開幕戦の3月28日ヤクルト戦(0-5→6-5)以来で、阪神戦では77年4月28日(5-10→11-10)90年4月21日(6点差=0-6→7-6)に次いで35年ぶり3度目。
◆阪神がオールスター前最終戦で今季5度目のサヨナラ負けを喫し、球団17年ぶり3度目の貯金20ターンはならなかった。2位DeNAが勝利したため、ゲーム差は9・5に縮まった。6回まで3本の本塁打で5点をリードも、7回に一挙5失点で追いつかれた。同点の9回、3番手の伊原陵人投手(24)が2死満塁から吉川尚輝内野手(30)にサヨナラ中前打を打たれた。試合後、阪神藤川球児監督(45)は「こういうゲームになることもあるし、お互いにギリギリの勝負をしてるところですから」と冷静に振り返った。この日は悔しい逆転負けとなったが、今季ここまで90試合を戦い53勝35敗2分けで折り返し。2位DeNAには9・5ゲーム差をつけている。「前半本当に素晴らしい戦いだったと思うしね。10試合して1試合こういうゲームがあっても、他の7、8、9個、いいゲームができれば。それがペナントレースですから」。後半戦に向けて「またオールスター明けからいい勝負、いい表情で出てきてほしい」と話した。
◆巨人リチャード内野手(26)が、起死回生の同点3ランを放ち、チームの逆転勝利に大きく貢献した。2-5の7回1死一、三塁。阪神2番手ネルソンの低めチェンジアップをうまく拾って、左中間スタンドに運んだ。一塁ベースを回ったところで雄たけびを上げながらガッツポーズ。場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。お立ち台に上がったリチャードは「うわー、やったなー、やっちゃたなーという感じでした」と笑顔で話した。阿部慎之助監督(46)は「なかなかね、ホームランが出ない打線なので。冗談で宝くじが当たったらって言ったけど。ああやって当たったらね、ホームランにできる力を持ってるんで、今日は起用してみたんですけど」と話しながら「やっぱり、リチャードのホームランはとても大きかった」とたたえた。
◆巨人が、最大5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。オールスター前最後の試合を白星で飾り、同一カード3連敗も阻止。対阪神戦の連敗も5で止めた。同点の9回2死満塁から、吉川尚輝内野手(30)が中前へサヨナラ打を放ち、試合に終止符を打った。5点ビハインドの7回には、先頭の佐々木俊輔外野手(25)、吉川の連打で無死一、三塁の好機をつくり、4番増田陸内野手(25)の中前適時打と相手失策で2点を返し、なおも1死一、三塁からリチャード内野手(26)が2番手ネルソンから起死回生の同点3ランを放った。阿部慎之助監督(46)は「いや、本当ね、意地を見せてくれました。みんなつないで、つないで。良く追いついた。みんな頑張ったので、勝ちにつながったと思います」と評価した。最大5点差をひっくり返し、劇的な逆転勝利については「野球っていうのは、何が起きるか分からないって、思って見ていたので、本当に良く追いついてね、最後ああいう形になったなと思います」と話した。首位阪神とのゲーム差を10ゲーム差に縮め、シーズン前半戦が終了した。吉川のサヨナラ安打は今年5月1日広島戦以来7本目。巨人では王のサヨナラ安打15本が最多で、7本は松井、高橋由ら7人に並ぶ球団9位タイとなった。また、巨人の5点差逆転勝ちは、今年開幕戦の3月28日ヤクルト戦(0-5→6-5)以来で、阪神戦では77年4月28日(5-10→11-10)90年4月21日(6点差=0-6→7-6)に次いで35年ぶり3度目。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が通算1000安打を達成した。1-0で迎えた3回1死。3ボールから井上の直球を狙い打ち。狭い三遊間を、はかったように鋭くぶち抜き、小幡の2打席連続弾を呼び込んだ。大台到達に満足せず、3-0で迎えた5回には1カ月半ぶりの5号2ランを左翼席に運ぶ1001安打で、節目を自ら祝った。記録がアナウンスされると東京ドームのG党からも歓声が沸き、巨人阿部監督も拍手してくれた。記念ボードを掲げ、観客席に何度も頭を下げた。昨オフ、FA権を行使。大争奪戦に発展し、巨人移籍と迷った末に残留した。今季、その巨人戦の打率はカード別断トツの3割6分6厘。チームも13勝5敗と圧倒。あらためて存在の大きさを証明している。白鴎大から16年ドラフト1位で入団して9年目。1年目から大きなケガなく、数字を積み上げてきた。成績には表れにくい全力疾走がモットー。ただ、大きな体で毎日、全力プレーを続けるのは想像を絶する重労働だ。体のケアで大事にしていることは「気持ちです」と真顔で言う。気合でケガを治す、というわけではない。「『病は気から』という言葉が昔からある。気持ちができていないと、隙や油断ができる。気が回らなくなる。体のいろいろな所の感じ方、感覚を敏感にしないといけない。毎日、リセットすることで体をチェックしています。若いころと同じようにはいかないので、より準備が大事になってきます」。自分との"会話"を繰り返し、日々のコンディションを保っている。2安打2打点と奮闘した記念日は、ホロ苦い記憶にもなった。7回、本塁への悪送球で傷口を広げ、5失点の原因をつくった。「前半戦終わりの大事な試合で、全て変えてしまった。チームにも(伊藤)将司にもすごく申し訳ない。今日はそのエラーがすべて」。個人のことはどうでもいい。勝つことがすべて。ぎゅっと口元を引き締めた背番号3。身も心も緩めることなく、シーズン終了まで役割を全うするだけだ。【柏原誠】通算1000安打=大山(阪神) 21日の巨人18回戦(東京ドーム)の3回、井上から左前打を放って達成。プロ野球324人目。初安打は17年7月1日のヤクルト11回戦(甲子園)で原樹から。▽阪神田中内野守備走塁コーチ(7回無死一、三塁での大山の本塁悪送球に)「(打球は)緩い当たりだったし、強いのがきたらゲッツーも考えて。全然(大山の)判断通り。もうちょっといい球を投げていたら、普通にアウトを取れていた。そこだけです」
◆ついに覚醒ライトスタンド一直線小幡竜平 2打席連続ホームラン?プロ野球(2025/7/21)??巨人×阪神??Live on DAZN #オレをみろ#阪神タイガース pic.twitter.com/ThO4p1JUFo
◆巨人-阪神18回戦で、エキサイトシートへの2球のファウルボールを巡り、東京ドームが微妙な空気に包まれた。0-0の1回2死一、三塁、阪神大山が右翼ファウルゾーンへ飛球を打ち上げ、巨人の丸が懸命に追いかけたが、エキサイトシートのファンがキャッチ。ファンがキャッチしたのはエキサイトシート内だったが、丸も必死に手を伸ばした中で捕球された。同点の8回には、巨人中山の三塁ファウルゾーンへの飛球をエキサイトシートのファンがダイレクトキャッチ。阪神佐藤輝は懸命に手を伸ばしたが、わずかに届かなかった。キャッチしたファンが両手を突き上げると、左翼席の阪神ファンからブーイングが起こった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が通算1000安打を達成した。3回1死。3ボールから井上の直球を狙い打ち。狭い三遊間を、はかったように鋭くぶち抜いた。5回には1カ月半ぶりの5号2ランを左翼席に放ち、節目を自ら祝った。通算1000安打を達成した阪神大山は、夫人への感謝を口にする。「家では野球を忘れさせてくれます。直接聞いたことはないけど、気を使ってくれているんだと思う。球場は球場、家は家で、オフの時間をきっちり作ってくれている。本当に感謝の気持ちを持っています。それは絶対に忘れちゃいけない」。勝っても負けても、打っても打たなくても、玄関を開けると同じ顔で迎えてくれる。野球のことは何も言ってこない。ただ1つのケースを除いて...。「ホームランを打った時だけは違いますね」。試合後、ロッカー室に戻ってスマホを開くと、本塁打を表現したLINEのスタンプが届いている。猛打賞でもサヨナラ打でももらえない、ささいだが、特別なもの。本塁打の時だけ、ほんの少し仕事に"干渉"してくれる優しい距離感がまたうれしい。節目の1日に飛び出した5号2ラン。1カ月半ぶりのホームランスタンプを受け取って、感謝の気持ちを新たにするとともに、後半戦への力も湧いてきたはずだ。【柏原誠】
◆みんなびっくり! 阪神小幡竜平内野手(24)がプロ初の2打席連続弾を放った。まずは2回先頭の第1打席。先発井上の内角144キロツーシームを強振した。「厳しいコースでしたが、うまく反応して打つことができました」。右翼に高く上がり、そのままスタンドイン。プロ7年目で初のシーズン2発となる先制ソロだ。1本では終わらない。大山が通算1000安打を決めた直後の3回1死一塁の第2打席。祝福ムードが冷めやらない中、再び井上の初球144キロ直球を捉えた。弾丸ライナーを右中間席に突き刺す3号2ラン。アマチュア時代を含めた野球人生で「記憶にない」と振り返る2打席連発に、誰もが驚きを隠せなかった。「全員びっくりしていました。ベンチを見てもびっくりしていて。僕もびっくりしました(笑い)」前日20日の巨人戦では476日ぶりの1発となる1号ソロを放った。2試合連発も1試合3打点もプロ入り初めて。8回には左腕中川から中前打を放ち、今季初の猛打賞もマークした。球宴前ラストの巨人戦で、連日の大暴れを見せた。この日が今季50度目のスタメン出場。遊撃手ではチーム最多で、自身のキャリアハイも更新中だ。5月中旬に左下肢の筋挫傷で離脱を余儀なくされたが、1軍復帰後は攻守でチームを支えている。「後半戦にいい形でつなげられると思うので。しっかりまた準備してやっていきたいと思っています」。絶好調を維持し、後半戦でも勝利を導く一打を狙う。【波部俊之介】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)は25本塁打、64打点の2冠で後半戦に向かう。5回先頭で井上から右前に運ぶ安打を放ち、大山の2ランを呼んで5打数1安打締め。19日の巨人戦では0-0の延長11回にキャリアハイとなる決勝25号2ランも放った。良い前半戦だったかと問われ「そうですね。全体的にいい戦いはできたと思います」と振り返った。開幕当初は3番だったが、4月15日のヤクルト戦(松山)から任された4番は不動。打率2割8分6厘と確実性を増したバットで首位独走をけん引している。2試合の球宴出場を挟んで、後半戦は26日DeNA戦(甲子園)から再開する。「またちょっと、頑張りたいなと思います」。阪神の選手が本塁打キングを獲得すれば、86年バース以来で日本人では84年掛布雅之以来。キングへ2年ぶりリーグ制覇へ、後半戦も打ちまくる。【伊東大介】
◆阪神伊藤将司投手(29)が7回に突然乱れ、無傷の5勝目を逃した。6回まで2安打無失点の快投。だが5-0の7回に先頭佐々木からの連打で無死一、三塁とされ、増田陸の適時打と大山の適時失策で2点を失った。なお1死一、三塁で降板となり、2番手ネルソンがリチャードに同点3ランを献上。7回途中5安打5失点で逆転負けの要因をつくってしまい「球数、点差。1人で投げ切らないといけない展開で、粘ることができずに悔しい」と肩を落とした。
◆ドラフト1位の阪神伊原陵人投手(24)がプロ初のサヨナラ打を浴びた。この日出場選手登録されて同点の8回、4月12日の中日戦(甲子園)以来となるプロ7度目の救援登板。だが、2イニング目の9回に2四球などで2死満塁のピンチを招き、吉川に外角直球を中前に運ばれた。「打たれたんで、球がどうだったとか、自分の調子がどうだったとか、ではないかなと思います」とがっくり。それでも前半戦は19試合(うち12先発)で5勝3敗1ホールド、防御率1・59の好成績。「まだまだだと思います。頑張ります」と悔しさを糧にする。
◆負けても強し! 阪神は巨人との前半最終戦で5度目のサヨナラ負けを喫し、17年ぶり3度目の貯金20ターンはならなかった。小幡の2発と大山の1発が出た5-0から大逆転負けを喫したが、阪神藤川球児監督(44)は「こういうゲームもある」と淡々。セ界独占の貯金18、2位DeNAに9・5差をつけての折り返しを評価し、「選手たちが立派にやってくれている」と奮闘をたたえた。独走優勝へ慢心なく、勝負の後半戦に向かう。虎の3連勝締めかと思われた前半戦ラストゲームで、逆転サヨナラ負けを喫した。それでも藤川監督は「こういうゲームになることもあるし、お互いにギリギリの勝負をしてるところですから」と落ち着いた表情で振り返った。小幡の2発と大山の1発で5-0としたが、7回に暗転した。無失点投球を続けてきた先発伊藤将が先頭から3連打を浴びると、大山の失策もあり2点を失って降板。なおも1死一、三塁で救援した2番手ネルソンが、リチャードに痛恨の同点3ランを浴びた。そして9回。この日中継ぎで再登録された伊原が2死満塁とされ、吉川にサヨナラ打を中前に運ばれた。4点差以上の逆転負けは今季初めてで、巨人に5点差をひっくり返されるのは35年ぶり。それでも試合後、指揮官はナインやコーチ、スタッフを集めて前半戦の戦いをねぎらった。「いま全員を集めて。前半本当に素晴らしい戦いだったと思うし。オールスター出る選手は休むことができないけど、ファンの方に素晴らしいプレーを見せてほしいし、少し休める選手、スタッフの方はちょっと家族とゆっくりしてまた後半やってもらえればと」6月下旬から2年ぶりの11連勝を決めるなど、セ界を独占する貯金は18、2位DeNAに9・5差をつけた首位独走で折り返せる。ナインに感謝すれど、ボヤく材料が見当たらない。「10試合して、1試合こういうゲームがあっても、他の7、8、9、いいゲームができれば。それがペナントレースですからね」。前半戦総括では手応えも口にした。「順調かなというところ。日々のゲームを戦いながら、チームが少しずつ、全体としてつくり上げられてきている手応えは感じています」。12球団断トツのチーム防御率は驚異の1・99で、打撃部門もほぼ総ナメ状態だ。佐藤輝が25本塁打&64打点の2冠、近本は109安打&23盗塁ともにトップ。森下も佐藤輝に次ぐ2位の60打点を挙げ、打率も近本が3位の2割9分2厘2毛、中野も4位の2割9分2厘1毛と好調だ。指揮官も「選手たちが立派にやってくれている」と原動力に目を細める。後半戦もチャレンジャーの気持ちは変わらない。「1歩1歩ですね、負けるたびに強くなるチャンスですし、勝つたびに冷静にならなければいけないと思って、チームを進めていますから。丁寧に、本当に人生と同じかもしれない」。ゴールテープを切るまで、全力で走り抜く。【磯綾乃】
◆海上保安庁長官の瀬口良夫氏(61)が、巨人-阪神戦で始球式を務め、剛速球でスタンドを沸かせた。瀬口海上保安庁長官は、高校時代は野球部で投手だったことが紹介され、巨人阿部監督、阪神藤川監督も視線を送る中、豪快な投球を披露。スタンドのファンからも「おぉーー」と歓声が上がった。藤川監督は投球フォームのしぐさを見せながら、瀬口海上保安庁長官のボールに驚きの表情を浮かべた。X(旧ツイッター)では、「現地で観たけど球速くてカッコよかった 野球経験者とアナウンスはあったけど調べたら工藤公康さんと投げあった経験あるガチな人だった」「素晴らしい 歩幅も広いフォームでナイスボールです」「野球経験者か。納得だ」「『海の日』ということで巨人対阪神の始球式で海上保安庁の瀬口長官が見事な速球を投げて話題になってるのが一海保ファンとしてめちゃくちゃ嬉しい 動画を見たけど長官が投げた時の球場内のどよめきが凄かったし、立ち振舞も格好良くて投球後の敬礼が素敵過ぎた」「海上保安庁長官なかなかエグイ球投げてて草」「近本から空振り取れてるし次からローテ入りお願いします。。。」などと書き込まれていた。瀬口良夫海上保安庁長官が巨人-阪神戦で始球式、剛速球にスタンドから「おぉーー」両監督も拍手
◆巨人ライデル・マルティネス投手(28)がサヨナラ勝ちを呼び込む投球を見せた。同点の9回から6番手で登板。2番中野、3番森下、4番佐藤輝から3者連続で空振り三振を奪い「アウトの取り方は特に何も考えず、どんな形でもアウトを取るという思いで入っていった。結果的に3つ(三振を)取れたのは良かったと思います」と振り返った。復調の兆しが漂う。3日阪神戦、9日中日戦で黒星を喫したが、直近4試合は無失点。「体の状態については常にベストだと思いながら、その中でしっかりできる練習を毎日取り組んでいるので、状態としては常に良いと思っています」と力強く話した。
◆タマゴの不敗神話は本物か。巨人が最大5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。オールスター前最後の試合を白星で飾り、対阪神戦の連敗も5で止めた。劇的なサヨナラ勝ちの約2時間半前。3回裏終了時にイニング間イベントとして「すしレース」が開催された。この日は、レース中盤からタマゴが独走。2着のコハダ6貫差をつけるぶっちぎりでゴールテープを切った。タマゴは6月29日以来の勝利で、今季6勝目を挙げた。吉兆データがある。タマゴが1着でゴールした日の試合は全て巨人が勝利。この日も最大5点ビハインドをはね返して見せた。X(旧ツイッター)上でも「ほらね!すしレースでたまご勝ったし!!」「すしレースたまごが1等取ると本当に試合勝つのすごすぎん?!!」といった投稿が見られた。これからもタマゴの走りから目が離せない。<タマゴ勝利時の巨人成績>4月29日広島戦 巨人4-3広島5月16日中日戦 巨人4-2中日5月17日中日戦 巨人1-0中日5月23日ヤクルト戦 巨人5-0ヤクルト6月29日DeNA戦 巨人1-0DeNA7月21日阪神戦 巨人6-5阪神
◆25年は「メークロマン」を-。3点ビハインドの7回1死一、三塁から巨人リチャード内野手(26)が左中間へ起死回生の同点3ランを放った。"ロマン砲"の一打でよみがえったチームは、9回2死満塁から吉川尚輝内野手(30)がサヨナラ打。最大5点差をひっくり返し、前半戦ラストゲームを白星で飾った。首位阪神とは10ゲーム差。リーグ連覇への道は険しいが、26日からの後半戦に向け一筋の光が見えた。"ロマン砲"が、もがくチームに希望をもたらした。7回1死一、三塁。巨人リチャードは千載一遇のチャンスに「こんないい流れ、今日はもう来ないな」とバットを短く持って打席に入った。「ゲッツーは打ちたくなかった」。阪神2番手ネルソンの低めチェンジアップをうまく拾うと、打球は美しい放物線を描いた。左中間への同点3ランとなり、雄たけびを上げながらガッツポーズ。「うわーやったなー」と、自身初めての東京ドームのお立ち台をかみしめた。誰もがロマンあふれる一打を渇望していた。6月12日ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)以来のスタメン出場。「ホームラン以外の打席は反省するところが多い」と振り返るように、2打席目までは凡退していた。代打も考えられる状況で、阿部監督は「なかなかホームランが出ない打線。冗談で『宝くじが当たったら』って言ってたけど、(バットに)当たったらホームランにできる力を持っている」とリチャードに託し、その期待に満点回答で応えた。ファンの必死な思いが届いた同点劇でもあった。右翼席を埋めた巨人の応援団は、7回先頭佐々木の打席からチャンステーマ「Gフレア」を演奏。すると、打線がつながった。一挙5得点の猛攻。4万2000人超で膨れ上がった球場が、興奮に揺れた。リチャードも「打った瞬間の歓声がすごかったので、その振動でボールも伸びたのかな」と感謝だ。1度つかんだ流れは離さない。同点のまま迎えた9回は、2死満塁から吉川が中前へサヨナラ打。チーム全員の執念で勝利をもぎ取り、球宴前最後の試合を白星で締めた。とはいえ、首位阪神とは10ゲーム差。指揮官も「(逆転優勝は)現実的には厳しい」と、置かれている立場は理解している。一方で「野球は何が起きるか分からない」と奇跡を信じる。簡単に追いつけるゲーム差ではないが、この日のようにチーム一丸の試合が続けば、96年の「メークドラマ」ならぬ「メークロマン」も-。"ロマン砲"が描いたアーチに、大逆転優勝への夢を見た。【水谷京裕】<巨人の過去の逆転V>メークドラマ(96年) 首位広島に最大11・5ゲーム差をつけられるも、7月から13勝5敗と猛追。広島の失速もあり、8月20日に単独首位に。8月も19勝7敗と加速し、10月6日に優勝。2桁ゲーム差をひっくり返して優勝はセ・リーグ初だった。8月には長嶋監督が「まだまだ分からない。メークドラマを演じてみせますよ」と予言し、この言葉は同年の流行語大賞に選ばれた。メークレジェンド(08年) 球団初の開幕5連敗と序盤につまずき、首位阪神と最大13ゲーム差をつけられ、7月中に阪神に優勝マジックが点灯。しかし、北京五輪での中断を境に阪神が失速。巨人は9月に12連勝し、同21日に同率ながら首位に。10月8日に初めて単独首位に立つと、同10日に優勝。13ゲーム差からの逆転Vはセ・リーグ史上最大だった。
◆阪神3番手のニック・ネルソン投手(29)が来日15試合目で痛恨の初アーチを浴びた。先発伊藤将が5点リードの7回に2点を失い、なお1死一、三塁のピンチで救援。巨人リチャードに投じた低めへのチェンジアップを左中間席へ運ばれた。「少し浮いてしまった。しっかり投げ切れれば、空振りか凡打に抑えることができた。そこは反省しないといけない」。19日の同戦では好リリーフで来日初勝利を挙げたが、中1日で苦さも味わった。
◆阪神4年目21歳の中川勇斗捕手(21)が約2カ月ぶりのスタメンでヒットを奏でた。5月13日DeNA戦(ハードオフ新潟)以来の「7番左翼」で今季4度目の先発出場。「出番があれば爪痕を残したい」と意気込んでいた2回の第1打席で、左腕井上からプロ2本目の安打を左前に運んだ。5月6日の初安打も同じ東京ドームでの巨人戦だった。3回の打席ではファウルチップが巨人甲斐の左膝を直撃。痛みをこらえて立ち上がる相手捕手に声をかける気遣いも見せた。
◆負けても強し! 阪神は巨人との前半最終戦で5度目のサヨナラ負けを喫し、17年ぶり3度目の貯金20ターンはならなかった。小幡の2発と大山の1発が出た5-0から大逆転負けを喫したが、阪神藤川球児監督(44)は「こういうゲームもある」と淡々。セ界独占の貯金18、2位DeNAに9・5差をつけての折り返しを評価し、「選手たちが立派にやってくれている」と奮闘をたたえた。独走優勝へ慢心なく、勝負の後半戦に向かう。
◆巨人が、阪神戦で劇的なサヨナラ勝利を飾った約3時間40分前、この日の東京ドームのファンを最初に沸かせたのは、海上保安庁長官の瀬口良夫氏(61)の"剛速球"だった。「海の日」のこの日、瀬口海上保安庁長官が、巨人-阪神戦の始球式で東京ドームに登場。スタンドのファンが注目する中、"剛速球"で沸かせた。瀬口海上保安庁長官は、高校時代は野球部で投手だったことが紹介され、巨人阿部監督、阪神藤川監督も視線を送る中、豪快な投球を披露。スタンドのファンからも「おぉーー」と歓声が上がった。藤川監督は、ベンチで投球フォームのしぐさを見せながら、瀬口海上保安庁長官のボールに驚きの表情を浮かべた。X(旧ツイッター)では「61歳にしては、強肩」、「めっちゃカッコいい」、「ちょっとびっくりしました」、「カッケー」と絶賛する声が続出した。
◆巨人が、最大5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちを飾った。オールスター前最後の試合を白星で飾り、対阪神戦の連敗も5で止めた。同点の9回2死満塁から、吉川尚輝内野手(30)が中前へサヨナラ打をマーク。5点ビハインドの7回には、増田陸内野手(25)の適時打と相手失策で2点を返し、なおも1死一、三塁からリチャード内野手(26)が2番手ネルソンから同点3ランを放った。攻撃力が光った裏で、好守も光った。0-0の1回2死一、三塁では遊撃の泉口が阪神大山の三遊間へのゴロを好捕し、素早く送球。7回にも大山の三遊間へのゴロを好捕し、流れを呼び込んだ。8回2死一、二塁では近本の痛烈なゴロを一塁手の増田陸が冷静に処理した。打線では粘りと集中力が光った。5点差を追いついた7回の集中打は吉川、増田陸、リチャード、長野が追い込まれながら、結果を残した。9回は2死一、二塁から佐々木が11球粘った末に四球を選び、吉川のサヨナラ打につなげた。阿部慎之助監督(46)は「いや、本当ね、意地を見せてくれました。みんなつないで、つないで。良く追いついた。みんな頑張ったので、勝ちにつながったと思います」と評価した。最大5点差をひっくり返し、阿部監督は「野球っていうのは、何が起きるか分からないって思って見ていたので、本当に良く追いついてね、最後ああいう形になったなと思います」と話した。
◆巨人リチャード内野手(26)が、起死回生の同点3ランを放ち、チームの逆転勝利に大きく貢献した。2-5の7回1死一、三塁。阪神2番手ネルソンの低めチェンジアップをうまく拾って、左中間スタンドにたたき込んだ。一塁ベースを回ったところで、雄たけびを上げながらガッツポーズ。場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。お立ち台に上がったリチャードは"リチャード節"全開で、スタンドのファンを沸かせた。
◆25年は「メークロマン」を-。巨人が5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝利で前半戦ラストゲームを白星で飾った。5点ビハインドの7回に集中打で5点を奪って、9回2死満塁から吉川尚輝内野手(30)が自身7度目のサヨナラ打を放った。「ロマン」が詰まった同点劇だった。7回は先頭の佐々木俊輔外野手(25)が二塁打で出塁し、吉川が左前打でチャンスを拡大し、増田陸内野手(25)が適時打をマーク。相手失策の間に2点目を奪うと、7回1死一、三塁から「ロマン砲」のリチャード内野手(26)が左中間へ起死回生の同点3ランを放った。さらに、代打の長野久義外野手(40)が安打を放ち、丸佳浩外野手(36)も安打でつなぐ。この回での勝ち越しは逃したが、若手、中堅、ベテランが融合した「ロマン」あふれる集中打だった。首位阪神とは10ゲーム差の3位で前半戦を終えた。96年の「メークドラマ」ならぬ「メークロマン」へ-。阿部慎之助監督(46)が「野球は何が起きるか分からない」と話したように、26日からのシーズン後半戦に向け、大逆転優勝へ一筋の光が見えた。
◆阪神・藤川球児監督(45)が練習中に今季6勝のジョン・デュプランティエ投手(31)=前ドジャース3A=と〝緊急会談〟した。デュプランティエは20日の巨人戦で先発したが、珍しく制球に苦しみ、5四死球。3回無安打無失点、62球で降板し、指揮官は「本人の中でも少し疲労があった」と説明していた。この日の話し合いでは笑顔が見られ、握手をする場面もあった。
◆21日の巨人との前半戦最終戦を前に、阪神・藤川球児監督(45)が4選手を入れ替えた。選手登録が公示され、D1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=と岡留英貴投手(25)が1軍の出場選手に登録された。4月から先発で回ってきた伊原は、11日に抹消されてから最短で再登録され、中継ぎで待機となる。岡留は今季3度目の登録となった。代わって、育成D4位で入団して支配下登録され、16日の中日戦(甲子園)でプロ初登板を果たした早川太貴投手(25)=くふうハヤテ=と、直近2戦連続でスタメンから遠ざかっていた前川右京外野手(22)が抹消となった。
◆前日20日に小幡竜平内野手(24)の先制ソロなどで、巨人戦5連勝、今季の対戦成績を13勝4敗とし、球団史上最速の17回戦でシーズン勝ち越しを決めた阪神は、「7番・左翼」に中川勇斗捕手(21)を起用。5月6日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初安打を放っており、相性のいい球場で大暴れなるか。
◆海の日に行われた一戦で、海上保安庁長官の瀬口良夫さんが始球式を務めた。瀬口さんは高校、大学と野球に打ち込んでいた元球児。大きく振りかぶるダイナミックなフォームから投じ、ボールは勢いよくノーバウンドで捕手のミットへ。場内は大歓声に包まれ、瀬口さんはスタンドへ敬礼して大役を終えた。
◆7月21日が誕生日の阪神・藤川球児監督(45)が左翼スタンドの阪神ファンからバースデーソングで祝福された。メンバー表交換後、「ハッピーバースデートゥーユー」の大合唱を聞いた藤川監督はベンチ前に飛び出し、右手で帽子を取り、一礼。手を挙げて応えた。
◆阪神は一回からチャンスを作ったが、先制とはならなかった。先頭の近本が粘って8球目を左前打として出塁する。中野も初球の送りバントに敵失も絡み、無死一、二塁とした。しかしここから森下が左飛、佐藤輝が遊ゴロと凡退し、2死一、三塁となって通算1000安打に王手をかける大山が打席へ。三遊間深くへのゴロを放つも、遊撃・泉口の好フィールディングに阻まれる。全力疾走も実らずアウトとなり、先制点を奪うことはできなかった。
◆阪神は二回、小幡竜平内野手(24)の2号ソロで先制に成功した。先頭で打席に入ると、巨人・井上の内角高めの直球に反応。うまく腕をたたんですくい上げると、白球は高々と放物線を描いて右翼スタンドに着弾した。20日の試合で1年4カ月ぶりの1号を放った小幡の鮮やかな先制弾に、スタンドからはどよめきも。自身初となる2試合連続の一発で、前半戦最終試合も先手を取った。
◆阪神・大山悠輔内野手(30)がプロ通算1000安打を放った。三回1死走者なしで3ボールから井上の直球を仕留めた打球は左前打となり、節目に到達。一塁ベース付近で記念パネルを受け取ると、頭を下げて声援に応えた。大山は白鴎大から2016年ドラフト1位で入団して9年目、1067試合での到達となった。
◆阪神が三回にも小幡竜平内野手(24)の2打席連発となる3号2ランで追加点を奪った。二回の第1打席で先制ソロを放つと、三回も通算1000安打を達成した大山を一塁に置いての初球。またも高めの直球を打ち返し、右翼スタンドに放り込んだ。一塁を回ったところでボールの行方を確認すると、本人も少し驚きの表情を浮かべながらダイヤモンドを1周。スタンドも総立ちとなる2打席連続の一発を放ち、ベンチに戻ると、この日誕生日を迎えた藤川球児監督(45)と笑顔でハイタッチを交わした。
◆阪神が三回にも小幡竜平内野手(24)の2打席連発となる3号2ランで追加点を奪った。二回の第1打席で先制ソロを放つと、三回も通算1000安打を達成した大山を一塁に置いての初球。またも高めの直球を打ち返し、右翼スタンドに放り込んだ。一塁を回ったところでボールの行方を確認すると、本人も少し驚きの表情を浮かべながらダイヤモンドを1周。スタンドも総立ちとなる2打席連続の一発を放ち、ベンチに戻ると、この日誕生日を迎えた藤川球児監督(45)と笑顔でハイタッチを交わした。「打ったのはストレート。大山さんのおかげで、良い雰囲気の中で打席に立つことができたので感謝したいです。強い球に振り負けず、しっかり自分のスイングができたと思います」とコメントした。
◆阪神が大山悠輔内野手(30)の5号2ランでリードを広げた。三回には左前打を放って通算1000安打を達成した大山が3-0の五回無死一塁から浮いた変化球を仕留めた。上がった瞬間に左翼も追うのをあきらめるほど、完璧な一発。6月4日の日本ハム戦(エスコン)以来となる本塁打で、5点のリードを奪った。
◆巨人・井上温大投手(24)が先発し、5回10安打5失点、100球で降板。3本塁打を浴びた。0-0の二回無死から小幡に先制右越えソロ、三回に小幡に2打席連続となる2ランを被弾。五回には前の打席で通算1000本安打を達成した大山に左越え2ランを浴びた。今季は開幕からローテーションで回り続けている左腕。5月21日阪神戦(甲子園)以降、2カ月間白星から遠ざかっている。
◆巨人・リチャード内野手(26)が2-5の七回1死一、三塁から同点3ランを放った。6月12日のソフトバンク戦(みすほペイペイ)以来の先発となったリチャード。第3打席を迎える時点で打率・102。阪神・ネルソンが投じた低めのチェンジアップを捉え、左中間スタンドへ運んだ。スタンドインを確信すると、一塁ベースを回ったところでガッツポーズで喜びを爆発させた。
◆阪神は5―0の七回に一挙5失点を喫し、同点に追いつかれた。先発の伊藤将は六回まで2安打と完璧に抑え込んでいたが、この回先頭の佐々木と吉川に連打を食らって無死一、三塁とされると、増田陸の中前打で1点を返される。さらに一、三塁からは泉口の一ゴロを、大山が本塁に悪送球して5―2となった。この後中山を二ゴロで1死一、三塁となって藤川監督は2番手・ネルソンにスイッチ。ところがリチャードに同点の3ランを浴びて一挙5失点となり、試合は振り出しに戻った。さらに連打で2死一、三塁とピンチも招いたが、佐々木を一ゴロに打ち取って勝ち越しは許さなかった。
◆巨人・長野久義外野手(40)が5点差を追いついた七回に代打で左前打を放ち、4月1日以来の安打をマークした。0-5で迎えた七回は増田陸の適時打、相手の適時失策、リチャードの3ランで同点。2死走者なしで代打起用された長野は、ネルソンから左前へライナーで運び、攻撃をさらに盛り立てた。4月1日の中日戦以来、実に22打席ぶりの安打で健在を示した。後続が倒れ、勝ち越し点には結びつかなかった。今季は不振で2軍調整期間も過ごしたが、夏男の本領発揮はここから。昨季も後半戦で打率.333、8月以降は打率346と好調だった。毎年夏ごろに調子を上げるベテランが、今季もその兆しの一打を放った。
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、サヨナラ負けを喫した。八回から登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が九回、安打と2四球で2死満塁とされ、吉川尚輝内野手(30)に中前打を許して、試合が決まった。二回に自身初の2戦連続本塁打を放った小幡竜平内野手(24)が四回1死一塁で2打席連続弾を右翼席に運んだ。三回の打席で通算1000安打に到達した大山悠輔内野手(30)が五回無死一塁、6月4日の日本ハム戦(エスコン)以来、36試合&149打席ぶり本塁打で5点目を挙げたが、七回に暗転。伊藤将司投手(29)が大山の適時失策もあり、2点を失って降板。1死一、三塁で登板したニック・ネルソン投手(29)がリチャード内野手(26)に同点3ランを浴びた。伊原は3敗目(5勝)。チームは6度目のサヨナラ負け。貯金「18」で球宴を挟んで26日のDeNA戦(甲子園)から始まる後半戦に向かう(成績=53勝35敗2分、観衆=4万2341人)。
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、サヨナラ負けを喫した。試合前は前半戦を振り返る会見に応じて「順調かなというところ。日々のゲームを戦いながら、チームが少しずつ全体として作り上げられてきているという手応えは感じています」と語った。2位以下に大きく差をつけてぶっちぎりの首位に立つ。盤石の投手陣を中心に守り勝つ野球を徹底しているが、指揮官は「まだまだ道中」と気を緩めない。村上&才木の両エースを中心に回る先発陣には「弱体化していかないことが非常に大事。まだまだ後半戦に向けてですね、道半ばというところで、さらに強く、まだまだみんなに伸ばしていってもらいたいと思うような先発の投手陣」と話し、チームの心臓と語る中継ぎ陣についても「交流戦、たくさんリリーフの投手たちが負ける結果になりましたけど、ある意味で言うと、そこまでのゲームを持って来れるけれど、心臓部であるところが弱いと。最後の一つの我慢ができない、というのが交流戦の時の結果でしたから。後半戦には、それがさらにビルドアップした状態で戦えるようにという風には思ってます」と振り返った。野手陣については「けがなく、まずやってくれてるところと、選手各個人の成績もしっかり伸びてきてますから。彼らの中でもチームが向かう方向と、個人が向かう方向が同調してるというところでは、非常にリズム良くできてると思います」と一定の評価。後半戦に向けて「タイガース自体もそうだし、タイガースファンも、一気にボルテージが上がって行くような7月後半から8月、9月と、10月と、こう行きたいなと思います」と意気込んだ。
◆巨人がサヨナラ勝ちし、連敗を4で止めた。0―5の七回にリチャードの3ランなどで同点とし、九回2死満塁から吉川の適時打で試合を決めた。阪神は小幡の2打席連続本塁打などで先行したが、伊藤将が七回に突如崩れた。
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、九回サヨナラ負けを喫した。
◆巨人は5点差を逆転しての勝利で前半戦を締めくくった。連敗を4でストップ。阿部慎之助監督(46)は「7番・三塁」で、6月12日以来のスタメンで起用したリチャード内野手(26)の同点弾をたたえた。「やっぱりリチャードのホームランはとても大きかった。ホームランが出ない打線なので、冗談で『宝くじが当たったら』といったけど、ああやって当たったらホームランにできる力を持っているのできょうは起用してみました」0-5から同点とした七回、2点を追いあげて迎えた1死一、三塁でリチャードがネルソンから左中間へ同点3ランを放った。5月にソフトバンクからトレードで加入した右打者は打率1割台で三振も多い一方、簡単にスタンドインする怪力を持つ。阿部監督はリチャードを8日に1軍昇格させた際に「一発が宝くじくらいの確率であるから。長打はある」と冗談交じりに語っていたが、まさに〝大当たり〟の起用となった。選手たちを「意地を見せてくれました」とねぎらった指揮官。42勝44敗2分の借金「2」、リーグ3位で前半戦を終えた。ただ、阪神とのゲーム差は10。「現実的には厳しいですよ。これでよく頑張りましたって言っていたらどうしようもない。もう一回コーチ陣と話して後半戦に進みたいと思います」と語った。一方、ファウルチップが右ひざに直撃して、その後に後退した捕手の甲斐には「あそこね、おれも何十回も当たっているから分かるけど、痛いのよ。(レガースを)着けているから痛くないだろという人もいるかもしれないけど、めちゃくちゃ痛い。分かってあげてください」と話した。
◆巨人・吉川尚輝内野手(30)がサヨナラ打を放ちチームの連敗を止めた。吉川は5-5で迎えた九回、二死満塁のチャンスで打席に立つと、1-1から伊原の真っすぐを中前に運び試合を決めた。以下、吉川のヒーローインタビュー。--どんな思いで打席に向かった「みんなが繋いでくれたので、なんとか打ちたいという思いで打席に立ちました」--どんな狙いだった「もう食いつくだけかなと思ってました。最高の結果になって良かったです」--チームは連敗中で負けられない試合だった「チームとしても、2連敗して苦しい状況でしたけど、今日絶対に勝つっていう気持ちでやってました。リチャードが(七回に)同点ホームラン打ってくれて、チームにすごい勢いをつけてくれた。そのいい流れがありましたし、ファンの皆さんの声援がすごく力になりました」後半戦に向けて一言「1つ1つしっかりゲームに臨んで、目の前の試合を勝てるように選手全員頑張りたいと思います。応援の方よろしくお願いします」
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、サヨナラ負けを喫した。八回から登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が九回、安打と2四球で2死満塁とされ、吉川尚輝内野手(30)に中前打を許した。二回に自身初の2戦連続本塁打を放った小幡竜平内野手(24)が四回1死一塁で2打席連続弾。三回に通算1000安打に到達した大山悠輔内野手(30)が五回無死一塁、6月4日日本ハム戦(エスコン)以来、36試合&149打席ぶり本塁打で5点目を挙げたが、七回に暗転。伊藤将司投手(29)が大山の適時失策もあり、2点を失って降板。1死一、三塁で登板したニック・ネルソン投手(29)がリチャード内野手(26)に同点3ランを浴びた。伊原は3敗目(5勝)。チームは6度目のサヨナラ負け。貯金「18」で球宴を挟んで26日のDeNA戦(甲子園)から始まる後半戦に向かう(成績=53勝35敗2分、観衆=4万2341人)。
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、サヨナラ負けを喫した。八回から登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が九回、安打と2四球で2死満塁とされ、吉川尚輝内野手(30)に中前打を許した。二回に自身初の2戦連続本塁打を放った小幡竜平内野手(24)が四回1死一塁で2打席連続弾。三回に通算1000安打に到達した大山悠輔内野手(30)が五回無死一塁、6月4日の日本ハム戦(エスコン)以来、36試合&149打席ぶり本塁打で5点目を挙げたが、七回に暗転。伊藤将司投手(29)が大山の適時失策もあり、2点を失って降板。1死一、三塁で登板したニック・ネルソン投手(29)がリチャード内野手(26)に同点3ランを浴びた。伊原は3敗目(5勝)。チームは6度目のサヨナラ負け。
◆阪神・藤川球児監督が45歳の誕生日当日に5-0から追いつかれて、サヨナラ負けを喫した。八回から登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が九回、安打と2四球で2死満塁とされ、吉川尚輝内野手(30)に中前打を許した。二回に自身初の2戦連続本塁打を放った小幡竜平内野手(24)が四回1死一塁で2打席連続弾。三回に通算1000安打に到達した大山悠輔内野手(30)が五回無死一塁、6月4日日本ハム戦(エスコン)以来、36試合&149打席ぶり本塁打で5点目を挙げたが、七回に暗転。伊藤将司投手(29)が大山の適時失策もあり、2点を失って降板。1死一、三塁で登板したニック・ネルソン投手(29)がリチャード内野手(26)に同点3ランを浴びた。伊原は3敗目(5勝)。チームは6度目のサヨナラ負け。貯金「18」で球宴を挟んで26日のDeNA戦(甲子園)から始まる後半戦に向かう。
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)は3点リードの七回1死一、三塁で登板し、同点3ランを浴びた阪神のニック・ネルソン投手(29)と2戦3本塁打の小幡竜平内野手(24)に言及した。序盤から中盤までの楽勝ムードで、チーム内に少し気の緩みが出たのかもしれない。もったいない試合だった。悔やまれるのはネルソン。1死一、三塁からの登板。打席は調子が良くないリチャード。気を付けるのは〝衝突〟しての一発だけの場面だった。そこでチェンジアップが低めとはいえストライクゾーン。この失投は痛い。長打を避けるためには、ワンバウンドになってもいいぐらいの気持ちで投げて欲しかった。敗れたが収穫もあるのが今季の阪神だ。小幡の打撃の成長は目を見張る。内角の難しいコースをあれほど上手に打つ打者だったか、と驚いている。スタメン起用が増えて、配球の読みが格段にレベルアップしている。どんな選手も経験することで一流になっていく。後半に向けて、頼れる選手になってくれそうだ。これまで他球団の小幡への攻めは、判で押したように外角低めから入って、内角高めを振らせるパターン。だが、1球目の入り方から注意を払わなければいけない選手になりつつある。相手捕手が要警戒する選手が1人増えた。それだけでもチームに大きなプラスだ。
◆グラウンドとの間にネットがないエキサイトシートのファンがフライを捕って場内が騒然となる場面が2度、あった。一回2死三塁、阪神・大山が右翼ファウルゾーンへ打ち上げた打球をファンがグラブでキャッチ。猛ダッシュで追いかけた巨人の右翼手・丸はグラブの真上で〝横取り〟される形となり、落胆する様子を見せた。八回には巨人・中山が三塁ファウルゾーンに打ち上げた打球を最前列のファンが素手でキャッチ。阪神の三塁手・佐藤輝と客席に捕球をアピールすると、阪神ファンから大きなブーイングが沸き起こった。
◆巨人・吉川尚輝内野手(30)がサヨナラ打を放ちチームの連敗を止めた。吉川は5-5で迎えた九回、二死満塁のチャンスで打席に立つと、1-1から伊原の真っすぐを中前に運び試合を決めた。殊勲打を放った巨人・吉川は「みんながつないでくれたので続こうと。最高の形で勝ててよかった。勝てたことが一番かなと思います」と安堵の表情を浮かべた。八回にはヘッドスライディングで内野安打をもぎ取り、気迫を見せた背番号2。後半戦の巻き返しへ向け「僕たちは一個ずつ戦っていくしかない。どこが相手でも勝てるように頑張っていきたい」と力を込めた。
◆巨人がサヨナラ勝ちし、連敗を4で止めた。0―5の七回にリチャードの3ランなどで同点とし、九回2死満塁から吉川の適時打で試合を決めた。阪神は小幡の2打席連続本塁打などで先行したが、伊藤将が七回に突如崩れた。?巨人・吉川のサヨナラ安打は5月1日の広島戦(十二回=三塁打)以来、通算7度目。巨人で7度のサヨナラ安打は歴代9位タイで、清原和博、松井秀喜、高橋由伸ら7人に並んだ。球団最多は王貞治の15度。?巨人の5点差逆転勝ちは3月28日のヤクルト戦(六回表終了0-5、最終6-5、東京ドーム)以来、今季2度目。対阪神では1990年4月21日(二回表終了0-6→最終7-6、東京ドーム)以来35年ぶり。
◆巨人・甲斐拓也捕手(32)が途中交代した。三回の守備でファウルチップが右ひざ付近を直撃。五回の守備からベンチに退いた。試合後、阿部監督は「俺も何十回と当たったことがあるけど、痛いのよ。分かってあげてください」とコメント。甲斐は歩いて帰宅の途につき、大事には至っていない様子だった。
◆3点差に迫られた七回1死一、三塁で登板した阪神ニック・ネルソン投手(29)は、リチャードに痛恨の同点弾を浴びた。「チェンジアップが少し浮いてしまった。しっかり投げ切れれば、空振りか凡打に抑えることができたと思う。反省しなければいけない」と悔やんだ。連続無失点試合は13で途切れた。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は5打数1安打で前半戦を打率・286、リーグトップの25本塁打、64打点で終えた。「全体的に良い戦いはできたと思います。またちょっと頑張りたいなと思います」。4月15日のヤクルト戦(松山)から4番を任され、本塁打は前半戦ですでにキャリアハイ。勝負の後半戦も勝利の放物線を描く。
◆巨人は21日、阪神18回戦(東京ドーム)に6-5でサヨナラ勝利を収めた。「7番・三塁」で39日ぶりに先発出場したリチャード内野手(26)が七回に起死回生の同点3ランを放ち、九回に吉川尚輝内野手(30)がサヨナラ打をマークした。5点差をひっくり返しての勝利は3月28日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)以来。前半戦を借金2の3位で折り返した。試合を決めたヒーローに、歓喜のウオーターシャワーが降り注いだ。5-5の九回2死満塁で吉川が中前に運ぶサヨナラ打。開幕戦以来となる5点差をひっくり返しての大逆転勝利を収め、阿部慎之助監督(46)はナインをたたえた。「野球は何が起きるか分からないと思って見ていた。みんながつないで頑張ったので、勝ちにつながったと思います」劣勢の流れを一変させたのがリチャードだ。0-5の七回に2点を返し、なお1死一、三塁。6月12日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来のスタメンに名を連ね、冷静に考えを巡らせた。「三振かホームランでいいとは思ったが、ゲッツーだけは打ちたくなかった」。追い込まれるとバットを短く持ち、カウント2-2から左中間スタンドへ同点3ランをたたき込んだ。ガッツポーズと咆哮でダイヤモンドを一周。「めっちゃ、うれしかった。何をしていたか、あまり覚えていない」と感情を爆発させた。阿部監督は以前、リチャードについて「宝くじくらいの確率で一発がある」と長距離砲への期待を冗談半分に表現していた。重要な場面で、1等に値する見事な〝当せん〟。「ああやって当たったらホームランにできる力を持っている」と賛辞を贈った。リチャードは5月にソフトバンクからトレードで加入し、試合前の時点で打率・106。6月にはヒットエンドランのサインを見落としたことが原因で出場選手登録を外れた。2軍降格後は早出練習に精力的に参加。最後の一人になるまでバットを振り、矢野2軍打撃チーフコーチに撮影してもらった動画でスイングをチェックするなど、試行錯誤を重ねた。再昇格後は途中出場が多い中、「球種や軌道をイメージして」と打撃練習を行い、この日に打ち砕いた阪神の右腕ネルソンも予習済み。「体が覚えていたのかな」と笑った。88試合を消化し、首位阪神と10ゲーム差の3位で前半戦を折り返した。「オールスターブレークで反省するところはして、対策を練って残り50数試合に向けてしっかりやってもらいたい」と阿部監督。リーグ連覇へ、虎の背中を一歩ずつ追う。(原田優介)
◆ホームランバッターかのように、ポンポンと白球が飛んでいった。阪神・小幡竜平内野手(24)が自身初の2戦連続&2打席連続アーチ。打った本人も目を丸くした。「1本目は手応えを感じていました。2本目は抜けたかなあ、ぐらい。2打席連続(本塁打)は、あまり記憶にないかもしれないですね」20日の17回戦で約1年4カ月ぶりの一発を記録した勢いのままだった。二回先頭で内角高めをさばくと、右翼ポール際へ飛び込む先制の2号ソロ。さらに三回も1死一塁からの初球をとらえ、右中間スタンドに運んだ。自身初となる2打席連発に、驚いたような表情でダイヤモンドを一周。「全員ベンチでびっくりしていましたね。僕もびっくりしました」。虎党も総立ちとなった。八回にも中前打を放ち、今季初の猛打賞で前半戦を締めくくった。「後半戦にいい形でつなげられる。しっかり準備してやっていきたい」。パンチ力を証明した小幡が、終盤戦も正遊撃手として優勝に貢献する。(中屋友那)
◆「7番・左翼」で出場した阪神・中川勇斗捕手(21)が約2カ月ぶりのスタメン起用に応えた。二回に外角の直球を引っ張り、左前打。5月6日に同じ東京ドームで放って以来、プロ2本目の安打を放った。以降は三振、投ゴロに終わり、八回の攻撃でバント要員の熊谷と交代。「(19、20日と)ベンチ外で悔しかった。結果を出せて良かった。後の打席は内容と良くなかったので、しっかりやっていきたい」と振り返った。
◆自身4連勝中だった阪神・伊藤将司投手(29)は六回まで2安打無得点に抑えたが、七回に捕まった。先頭の佐々木から3連打で1点を失うと、大山悠輔内野手(30)の適時失策もあり、1死を奪ったところで降板。代わったニック・ネルソン投手(29)本塁打を浴びて、6回?を4失点(自責3)。「全体的にはいい感じで続いているんですが、今日みたいに中途半端で代わらないようにしたいなとは思います」と後半戦に向け気持ちを引き締めた。
◆メモリアルとなる打球が三遊間を抜けた。記念パネルを掲げ、祝福された阪神・大山悠輔内野手(30)だったが、9年間で積み上げた1000安打も一瞬のミスで自らの節目の日に水を差した。「きょうはエラーがすべて。前半戦終わりという大事な試合で、あそこのエラーですべて変えてしまったので、すごくチームに申し訳ないですし、(伊藤)将司に申し訳ないです」三回1死。3ボールから左前にはじき返し、プロ9年目、1067試合、4223打席で大台に到達。さらに3―0の五回無死一塁ではスライダーを一閃。左中間席中段まで運び、1001安打目は貴重な5号2ランとなった。ここまではできすぎのストーリーだったが...。5―0の七回の守備だった。増田陸の一打で1点を返され、なおも無死一、三塁。泉口のゴロを捕球し、本塁に送球したが、高く浮いた。坂本がジャンプしたが、ボールをこぼし、その間に生還を許す。そして、リチャードに同点の3ラン。さらに、サヨナラ負け...。大山はうつむきながら、足早に球場を後にした。非難の声から始まったプロ野球人生だった。2016年秋のドラフト会議。創価大・田中正義(現日本ハム)、桜美林大・佐々木千隼(現DeNA)が注目を集めた中、金本監督の将来の4番が欲しいという意見で単独指名された。なぜ?というどよめきを受けながら大山は「優勝したことがない」人生だったことを明かし「プレッシャーに弱かったらやっていけない世界」と意を決した。
◆また、強くなる! 阪神は巨人に5-6で今季6度目のサヨナラ負け。九回にドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=がつかまり、今季最大となる5点差をひっくり返された。貯金18、2位・DeNAと9・5ゲーム差で前半戦を終え、藤川球児監督(45)は「負けるたびに強くなる」と自信。球宴をはさみ、実りの秋に向けた戦いが、26日のDeNA戦(甲子園)から始まる。〝涙〟の数だけ強くなれる。前半戦の締めくくりで、まさかのサヨナラ負け。5点差をひっくり返された痛恨の黒星も、藤川監督はすぐに切り替えて、前を向いた。「勉強して、また糧にしてね。オールスター明けからゲームを締めて戦うというところに尽きると思うし、後半のいい糧にしていく。それに尽きますね」5-0で迎えた七回、先発・伊藤将が3連打で1点を失うと、なおも無死一、三塁で一塁手・大山が本塁へ悪送球。3点差とされ、1死一、三塁からネルソンがリチャードに同点弾を浴びた。相手に完全に傾いた流れを引き戻すことはできない。九回は中継ぎとしてこの日1軍登録したドラフト1位・伊原(NTT西日本)が満塁で吉川に中前打。今季最大の5点差をひっくり返された。「負けるたびに強くなるチャンスですし、勝つたびに冷静にならなければいけないと思ってチームを進めていますから。丁寧に。人生と同じかもしれないですね」二回に小幡の2試合連続先制弾が飛び出し、三回に大山が通算1000安打。続く小幡が2打席連続弾を放つと、五回には大山にも5号2ランが飛び出していた。シナリオが崩れて、唇をかみながら帰り支度をするナインを指揮官が集めた。「前半(戦)は素晴らしい戦いだったと思う。またオールスター明けからいい勝負、いい表情で出てきてほしい」
◆阪神・大山悠輔内野手(30)の通算1000安打達成を祝して、広島・新井良太2軍打撃コーチ(41)がサンケイスポーツを通じてメッセージを送った。阪神の1軍打撃コーチ時代に連日、マンツーマンの打撃練習を敢行した仲だ。あのとき誓い合ったこと。ひたむきに成長してきた〝まな弟子〟にいま抱く思い。そして感謝の気持ちも、熱く語り尽くした。新井コーチにとっての大山は、ただ指導した選手というよりも、野球人として一緒に成長してきた「戦友」だ。「心の底からおめでとうございます。通過点とはいえ、ひたむきな努力の結晶が1000安打という節目の安打になったということ」大山がD1位で入団した2017年限りで現役を引退し、翌18年から阪神の育成コーチに就任した。20年から1軍打撃コーチとなり、主軸を担おうともがいていた大山との特訓の日々に突入する。「『試合前練習の前の特打、やらんか?』と誘って。『これ、毎日やってみようよ』ということで」。連日のように2人で室内練習場にこもってティー打撃を行い、さらに新井コーチ自らが打撃投手を務めてバットを振らせた。新井コーチが阪神に在籍した22年まで3年間、取り組みは続き、大山は「不動の4番」へと成長していく。新井コーチ自身も現役時代には阪神の4番を経験。当時は「4番じゃなく4番目」と言い続けていたが、同じ重責を担った経験がある。「悠輔と俺はちょっとレベルが違う」と首を横に振るが「タイガースで過大評価される選手はいても、彼ほど過小評価されている選手はいないと思っていた」という。少しの活躍でもメディアで大きく取り上げられ〝勘違い〟してしまってもおかしくない特異な環境でも、新井コーチから見た大山は何も変わらなかった。「実直な性格だし、野球に対する姿勢も素晴らしい。非の打ちどころがない」。広島のコーチに招聘(しょうへい)され、22年限りで阪神を退団する際には大山から「僕自身、これからが勝負なので」と覚悟を聞かされた。新井コーチも「俺は一番のファンだし、広島に行っても本当に応援している。心の底から」と伝えた。
◆藤川監督の誕生日に、大山が節目の1000安打を打って、美しく前半を締めくくる-。誰もが思っていたら、まさかの大逆転負け。世の中、そう甘くはない。後半への戒めにしましょう。まあ、負けたけれど、この3連戦、相手投手が阪神打線に相当気を使っていることがよく分かった。明らかに怖がっているように映った。藤川監督がドラフト1位で入団した前後の〝あの頃〟。巨人は3番・高橋由伸、4番・松井秀喜、5番・清原和博だった。トラ番キャップとして記者席で毎試合、ビビりまくっていた。また、クリーンアップに回る! 誰かに打たれるに決まっている...。ホントに打たれた。巨人戦はいつも息苦しかった。今の巨人の投手は、森下、佐藤輝、大山を迎えて同じ思いをしているのでは。同情する。そして、あの頃、クリーンアップを通過しても、6番にクセモノ・元木大介が。最悪だった。2025年の阪神に、元木を上回る6番が誕生しそうだ。小幡の1試合2発。2日間で3発。ライバル球団007を震え上がらせているに違いない。負けても強いタイガースだ。「虎のソナタ用のネタがあるんですが...」そんな電話が掛かってきたのは試合前のこと。声の主は整理部長・芝崎正剛だった。東京ドームにほど近い、代々木第2体育館にいるという。「サンスポが『へぇ、こんなところでも貢献している』と書いてもらえれば...」そこは「ベビタピフェスタだョ! 全員集合」の会場。大阪アメ村と東京原宿にあるタピオカや竜巻ポテトなどのお店「ベビタピ」が超はやっていて...マスコットキャラクター「ベビタピちゃん」が超人気で。知らなかった方、覚えましょう。
◆ゲゲ~、99%捕らえたと思った兎(ジャイアンツ)に最後の最後でスルリと逃げられ~、グスン。ま、今日のところは大巨人軍の意地と、しといたろうやないかー!!前日は球宴前に宿敵巨人に最速の勝ち越しも決めているし。さらに本日は夢か幻か、貴重な小幡の2打席連続本塁打を見られたんだから幸せなのだ!! 小幡、後半戦もアーチ連発、頼んだでェ!!そして、その小幡を脇役に追いやる本日の主役は、通算1000安打を達成した大山悠輔内野手ですー!! ワー、パチパチパチ!! 三回にカウント3-0からのヒットで達成し、次打席での1001本目がホームラン。全てが大山らしくてサイコーでーす!!今季5番の大山は3番・森下、4番・佐藤輝の怪物的活躍で派手に見えないかも知らないけど、実は43打点でリーグ上位、41四球はリーグトップと、頼れる昭和の『肝っ玉母さん』のような存在なんです。大山かあさん、これからもガンガン打ちまくり2000安打! その先は阪神の監督となり、日本中の虎党に母親のような愛を与え続けてくださ~い!!
◆阪神は22日、大山悠輔内野手(30)が21日の巨人戦(東京ドーム)で達成した通算1000安打の記念グッズを発売することを発表した。Tシャツやフェイスタオル、記念ボール、アクリルキーホルダーをこの日から球団グッズショップや公式オンラインショップで発売開始。さらに直筆サイン入り記念ロゴパネルは、1点のみ、ファンクラブ会員限定で19万8000円で発売する。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
53 | 35 | 2 | 0.602 (↓0.007) | - (-) |
53 | 306 (+5) | 200 (+6) | 55 (+3) | 73 (-) |
0.247 (↑0.001) | 1.990 (↓0.04) |
2 (-) |
DeNA |
41 | 42 | 5 | 0.494 (↑0.006) | 9.5 (↑1) |
55 | 265 (+1) | 251 (-) | 45 (-) | 41 (-) |
0.227 (-) | 2.700 (↑0.03) |
3 (-) |
巨人 |
42 | 44 | 3 | 0.488 (↑0.006) | 10 (↑1) |
54 | 244 (+6) | 255 (+5) | 52 (+1) | 38 (-) |
0.240 (-) | 2.580 (↓0.02) |
4 (-) |
中日 |
40 | 46 | 2 | 0.465 (↓0.006) | 12 (-) |
55 | 228 (-) | 264 (+1) | 41 (-) | 58 (+1) |
0.226 (↓0.001) | 2.830 (↑0.02) |
5 (-) |
広島 |
38 | 45 | 5 | 0.458 (↓0.005) | 12.5 (-) |
55 | 265 (+6) | 275 (+7) | 42 (+1) | 47 (+2) |
0.242 (↑0.001) | 2.870 (↓0.05) |
6 (-) |
ヤクルト |
28 | 50 | 5 | 0.359 (↑0.008) | 20 (↑1) |
60 | 231 (+7) | 331 (+6) | 39 (+2) | 39 (-) |
0.227 (-) | 3.560 (↓0.03) |
コメント