1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 0 |
楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 |
勝利投手:細野 晴希(3勝1敗0S) (セーブ:柳川 大晟(1勝1敗7S)) 敗戦投手:瀧中 瞭太(4勝6敗0S) |

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◆日本ハムが3連勝。日本ハムは両軍無得点で迎えた4回表、万波の適時二塁打などで2点を先制する。投げては、先発・細野が6回2安打無失点の好投。その後は3投手の完封リレーで逃げ切り、細野は今季3勝目を挙げた。敗れた楽天は、打線が好機を生かせなかった。
◆パ・リーグ首位の日本ハムが前半戦最終戦を白星で締めた。4回2死一塁、万波中正外野手(25)の右翼線へ落ちる二塁打で1点を先制。さらに2死二塁、水野の二ゴロを楽天黒川がエラーした間に、二塁から万波が生還し、2点目を追加した。投げては先発の細野晴希投手(23)が、6回2安打無失点と好投し3勝目。「突然フォアボールを出してしまうことは引き続き課題ですが、ゼロに抑えられたことはよかったです。最低限の仕事はできたと思います」と振り返った。新庄剛志監督(53)が前半戦で目指していた貯金「21」にも、前半戦最終カード3連勝で、しっかり着地した。新庄監督は予言通りの貯金「21」に「怖い怖い怖い。後半戦からもう予言しない。危ない危ない危ない」と苦笑いだった。新庄監督就任後、前半戦終了時の戦績は1年目の22年が37勝55敗の借金17、23年が35勝50敗の借金15、24年は42勝40敗5分けで初めての貯金2、今季は54勝33敗2分けの貯金21と、着実にステップアップしている。
◆楽天は今季の日本ハム戦の負け越しが早くも決まった。同カード6連敗を喫し、通算成績は3勝13敗1分けで借金は「10」。同戦はオールスター明けに8試合を残すが、覆すのは不可能となった。0-0の4回2死から滝中瞭太投手(30)が清宮幸に左前打を許すと、続く万波の適時二塁打で先制点を献上。さらに味方の適時失策で1点を追加された。滝中は6回途中4安打2失点(自責1)で降板した。打線は相手先発の細野の前に2安打と沈黙。中継ぎ陣も攻略できず、散発3安打で完封負け。4連敗で前半戦を終え、借金は今季ワーストタイの7に膨らんだ。守備の乱れも失点に直結し、三木肇監督(48)は「点の取られ方というか、攻め方もそうだけども、ああいう失点の仕方をしているとなかなか厳しいよね。滝中には申し訳なかったと思うんで、もう1回ちょっと気を引き締めてやらないとと思います」と話した。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、西武の本拠地ベルーナドームの暑さ問題に言及した。毎年話題となるベルーナドームの冷涼化対策については、西武が冷風機や大規模ミストなど複数の対策を実施中。だが、自軍のエース今井達也投手(27)が熱中症で緊急降板するなど、事態は年々深刻化している。この日、新庄監督は試合前に取材対応。ベルーナドームについて「あれ、逆に(屋根を)取ったらどう? (屋外と)一緒でしょ。雨で中止の方がいいです、それだったら。選手を守るためだったら。あれお金はかかると思うんで12球団で出し合って。それくらいね、あそこでプレーするんだから。もしね、なんか起きて、一番最悪な状態になった時に取り返しつかないんで。外す方向の方が僕は、いいと思います」と提言した。同球場は屋根と観客席の間に隙間があり、熱気がこもりやすい構造となっている。つづけて「(地形が)もぐってるから、ちょっとね。あと道を広くしてとかね(笑い)」と注文。新庄監督は選手や観客の安全を守るため、かねてベルーナドームの暑さ問題を指摘してきた。他球団の本拠地に言及することで一部ファンから批判を受けたが、「よしよし、これで文句言ってくるやろ、みんな(笑い)」とどっしり構えた。さらに究極の1プランとして、ベルーナドームに隣接するカーミニークでの1軍公式戦開催を提案。「あ、2軍のところで1軍をしたら? 試合を。暑すぎたら。チケット代は取れないだろうけど。選手も夜になったら、『ごめん、こっちに来て』って。ちょっと、中、暑すぎるわって。それも一つの方法。近いんだし」と話した。新庄監督は10日、自身のインスタグラムで西武高橋光成投手(28)の「水も飲むし、食事もする。でも(熱中症に)なったらしょうがない。それか、ドームにしてもらうか」というコメントに反応。「『ドームにしてもらう』選手、ファンの皆さんが快適に試合を楽しめるようお願いしたい。高橋君、よく言った」と投稿していた。さらに新庄監督は、自軍の本拠地エスコンフィールドにも目を向けた。「エスコンはどうですか? 終わった後に、流れ良くなってきました? バスの」と、球場と近隣の駅を結ぶシャトルバス乗り場の混雑緩和を気にかけた。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、NPB屈指の先発ローテーションの厚さに手応えを示した。今季の日本ハムは先発投手陣を8~9人でローテーション。登板翌日に出場選手登録を抹消する「投げ抹消」も駆使しながら、余裕を持った登板間隔で完投数は12球団トップの「19」を誇っている。新庄監督は「開幕前に先発(投手)メンバーを8人で回して欲しいというところを加藤コーチ、武田コーチに伝えて。うまくそれがハマって。ローテーションをしっかり組めたんじゃないですかね。投げ抹消で。そういったところがデカいですね」と話した。つづけて「(先発が)8枚、9枚ないと、投げ抹消はできない。7、8、9番目を試してみて、信頼して(先発ローテを)厚くしていく。それに応えてくれたんで。いまこの前半戦」と投手陣をたたえた。後半戦に向けては「後半戦になったら(先発は)6枚でいきたいんで。で、その7、8、9(人目)も、もしかしたら中(中継ぎ)に持ってくるかもしれない。そしてさらに分厚くすればね、先発-先発みたいな感じでもいいかなっていうところはありますね」とプランを明かした。現在2軍では、6月に左脇腹痛で出場選手登録を抹消された古林睿煬(グーリン・ルェヤン)投手(24)が、後半戦での復帰に向けてリハビリ中。また、開幕投手を務めた金村尚真投手(24)やドリュー・バーヘイゲン投手(34)が調整を進めている。さらに、5月22日に支配下登録され、リリーフで7試合に登板した孫易磊(スン・イーレイ)投手(20)も、先発として登板を重ねている。新庄監督は「皆ウズウズする気持ちで、もう(1軍へ)上がりたい上がりたいで。それはもうむちゃくちゃ大事なんで。間隔が空きすぎるのもまた不安なんですよね、これがまた。本当に。バーヘイゲンも期待していますし。しっかりいま取り組んでね。大変だと思いますけど、それをやらないと投げられないっていうのを分からせないと。そうしたらやるでしょ?」と、さらなる戦力の充実を願った。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、古巣阪神の藤川球児監督(45)へ物申した。新庄監督と藤川監督は阪神での現役時代、99年から2年間ともにプレー。お互いが指揮官になってからも交流は続いている。阪神はこの日の試合前時点で、2位DeNAに10・5ゲーム差を付けての首位。前半戦終了時点で独走状態に入っているが、新庄監督は「チームが突き抜けない方が良くないですか? (終盤に)ブワーって(順位を上げる)ぐらいの方がおもしろいです。わかってないね、球児も。ええ?」とジョークを交えて独走状態へ導いた藤川監督へ物申した。続けて新庄監督は、宮沢りえ(52)からSNSを通じて激励を受けた清宮幸太郎内野手(26)が、14日付の日刊スポーツの1面を飾ったことに言及。「この間ね、ファイターズの、コンビニ行ってファイターズのマークが一面で出てて。上げたもん、インスタで。うれしくて(笑い)。宮沢りえちゃん、ありがとうって(笑い)。それでも1面になるんですから。なかなか東京で(1面にはならない)、まあ、一番偉い人が決めるんでしょうけど、『さぁファイターズでいこう』って、今の1位になってなかったらないでしょ?」と喜んだ。さらに新庄監督は「ただ、まだまだ...。何か文句言われるような発言していかないと、盛り上がらん。こっちに視線が来ないから。『何様やコラァ』的なことで(視線を)持ってきとき~の、『ファイターズめっちゃ良いチームやん! オモロ』っていう人を増やしていかないと」と、さらなる盛り上がりを期待した。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、ドラフト1位ルーキーの柴田獅子(れお)投手(19)を、オールスター開けの26日ロッテ戦(エスコンフィールド)で先発デビューさせることを明かした。新庄監督は20日の試合後に「明日話したいことがあるから、今日は選手に聞いて」と残して球場を後にしていた。この日は試合前に取材対応を行い「僕の中では重大なことがあって、オールスター明けの1発目に柴田くんを先発で。打たせたい、(投打)両方いきたいんですけど、その後のピッチャーの継投とかもあって。まずはピッチャーだけ2~3回を投げさせたいなっていうのをずっと思ってて」と、柴田の投手デビューを明言した。目安は40球を見込んでいる。投打で才能あふれる柴田は、20日のフレッシュ・オールスター(丸亀)に登板。自己最速を1キロ更新する154キロをマークした。プロ入り前の最速は149キロで、既に5キロの球速アップに成功している。新庄監督は「(フレッシュ・オールスターは)最初から(見た)。速かったねぇ。フォームきれいねぇ。いつもバッター目線から見るんですけど、あの真っすぐは打ちづらい。ファウルを取れるピッチャー。1軍のマウンドに上がったら、さらに(気持ちが)高まると思うから。166(キロ)ぐらい出るんじゃないかな」と期待を込めた。チームはこの日の前半戦最終戦を前に、09年以来16年ぶりの単独首位ターンが決定。指揮官は「首位ターンじゃなかったらもしかしたら投げさせてないかもしれない。それくらい大事な試合ですよって思いを込めての登板」と、1軍のチーム状況も柴田のデビューの要因になった。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、勢いに乗る達孝太投手(21)とコンビを組む捕手について報道陣に逆質問した。達は今季無傷の6勝で、デビューから7連勝中。プロ野球記録を塗り替え続けている。ここまではベテランの伏見寅威捕手(35)とコンビを組んできたが、6日の楽天戦(エスコンフィールド)では田宮裕涼捕手(25)とバッテリーを組んだ。その際に達は、5回を10安打5失点と打ち込まれていた。新庄監督は14日の西武戦(東京ドーム)で、達が伏見とのバッテリーで1失点の完投勝利を挙げると「伏見くんのリードですよ。テンポにもう合ってるでしょ? サインに1発でもうポーンとでしょ? 田宮くんの時はこう、首振ったりしてたでしょ? (プレート)外したり」と思案。インスタグラムのDMで「捕手伏見」を伝えられた達は「いやいや、誰でも(完投)しますよ」と返信していた。この日、新庄監督は「達くんに対して、(捕手は)伏見くんで6勝したでしょ? みんなはそれでいいと思います?」と、報道陣へ逆質問。つづけて「(若手を)育ててって、やっぱこう、3~4年後のファイターズをね、伏見君が(マスクを)かぶってるところを盗んで。同じやり方でいいと思う。同じ配球、同じリズム。早くしてもダメだし。それは学ばせたい。進藤くんも面白い存在になれそうな気もするし。梅林君もバッティングいいし。1回、達くん-梅林君(のバッテリー)見たくないすか? 2軍ではやってるでしょ?」と若手捕手の起用に言及した。達は専属捕手の必要がないと主張しているが、新庄監督は「結果出てますよ(笑い)。『ボークまでしやがって! 合ってないやろが! 伏見くんだったらボークしてねえよ(笑い)』ってね。いいじゃん負けん気の強い子で。ずっといい調子ばっかしじゃないと思うんで、1回ね、鼻へし折られる時あるから。そこでどう立て直すかっていうのがね、面白いですね」と声を弾ませた。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、予言通りの貯金「21」で前半戦を締めくくった。この日は4回2死から清宮幸太郎内野手(26)が安打で出塁すると、万波中正外野手(25)が左翼線へ適時二塁打を放ち先制。続く水野達稀内野手(24)の二ゴロが敵失を誘い、2点を先行した。守っては先発の細野晴希投手(23)が、6回を2安打5四球も無失点の粘投。7回からは上原健太投手(31)と玉井大翔投手(33)が救援し、9回は柳川大晟投手(21)が志願の3連投で締めくくった。これで前半戦を終了し、新庄監督が目指していた貯金「21」にピッタリ到達。23、24日のオールスターゲームを挟み、26日のロッテ戦(エスコンフィールド)では、ドラフト1位ルーキーの柴田獅子(れお)投手(19)がデビューする。【新庄監督の一問一答】-ちょうど貯金21に「怖い怖い怖い。後半戦からもう予言しない。危ない危ない危ない。オールスター出ないね、選手たちはオールスター期間中、温泉とかね、家族サービス、彼女サービスしてもらってね。また新たな気持ちでまた野球がしたいっていうぐらい、ゆっくり休んでもらってね。また顔合わせたいみたいなね」-中継ぎが点を取られない「取られんねえ。安心感あるわ。あんだけ安心感あると、もう完投いいかなと思うもんね、逆にね。いい感じで来てますね。ピッチャーも野手も」-柳川の3連投は「いや、3連投ないと思ったんですけどね。でも本人がこの球場入ってきてすぐに、『3連投いかしてくださいよ』みたいなこと言ってたけど。なんかあったんじゃないですか? その3つ投げるっていう。打線も調子いいしね。彼(柳川)は緊張しないんで、堂々と投げてくれるからね。以上」-細野は「フォアボール出し始めた瞬間、なんかナヨナヨってしてるように見えないですか、細野くん。なんなんだろうなこれ。20勝しててもナヨナヨ感は消えないのかな。それが僕の課題です。それを変えていく。なんなんだろう。ちょっとベンチで考えてたんですけど、まだ答えは出てこない。(細野は)いま何勝目?(3勝目)結構完投をね、したいしたいってずっと言ってるんで、多分させない、させない(笑い)。中継ぎいいですもんね。皆さんも(オールスター)行くんですか? じゃあまたオールスターで」
◆楽天ドラフト1位の宗山塁内野手(22)が、3試合連続安打で前半戦を締めくくった。2点を追う7回先頭。広陵(広島)、明大の先輩にあたる日本ハム上原の147キロ直球をはじき返す右前打を放った。19、20日の日本ハム戦ではそれぞれ2安打を放っており、この3連戦は10打数5安打の打率5割だった。「いいところ、悪いところが出たんで、またシーズン再開する時に、自分で試していくじゃないですけど、もっとこうやったらいいかなっていうところを探す、トライしていくっていうのはもう変わらないのかなと思ってます」前半戦は76試合に出場して打率2割4分9厘、2本塁打、20打点。72安打は12球団ルーキーではトップの成績だ。「試合に出してもらっていろんなことを感じたので、そこが一番ありがたいですし、それをこれからにつなげていけたらなっていう、もうそれだけかなと思います」と振り返った。23日からはオールスターに初出場する。「楽しみですし、楽しみながらいろんな選手と交流できる機会なんで、何か吸収できたらなと思っています」と力を込めた。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、外野陣の起用に頭を悩ませた。この日の外野陣は左翼から万波中正外野手(25)、五十幡亮汰外野手(26)、矢沢宏太投手(24)。ベンチには今季9本塁打の水谷瞬外野手(24)が控え、捕手を含めた内外野をこなす郡司裕也捕手(27)と吉田賢吾捕手(24)もベンチスタートとなった。2軍では実績のある松本剛外野手(31)をはじめ、浅間大基外野手(29)や今川優馬外野手(28)、宮崎一樹(23)らも再昇格を目指している。新庄監督は「松本君。今のメンバーで松本君が(22年に)首位打者取ったときの、バッティングしてくれたら、僕、迷っちゃう!ハハハ。これで3割2分とか打ってたら」と、選手会長の奮起を期待。五十幡と矢沢の俊足コンビにも「今どちらもいいもんね、五十幡君も矢沢君も。一方で水谷君も使いたいし。ここに松本君、浅間君いたら『わいたこら(九州地方の方言=なんじゃこりゃ)』やもんね」とうれしい悲鳴を上げた。1軍で出場機会がない選手のトレードもよぎったという。ここまで交換トレードは成立しておらず「ここで出られない選手を他のチームで道を開かせたい気持ちもある、トレードで。例えば若い子の2人でのトレードとかしてあげられたらいいかなってところもあったんだけど。それもダメなので。(トレードは)難しい、なかなか決まらないです。パリーグは。全員を活躍させたいんですけど人数は決まっているので」と、新庄監督は明かした。この日は右翼が定位置の万波を左翼で起用。意図について「ライトのポジションって、外野の中で一番守備範囲がいるポジションだと思う。そうなってくるとやっぱ、矢沢くんの足。っていうところはもう魅力でしょう。矢沢くんが全く打てなかったりそういうことがあればね、また変わってくる。そうしたら水谷君使えない。ここで今川君とかカンカン打ってたらもう、ねえ? うれしい悩みを作ろうとしてたんだけど、実際そうなったらうれしくない!」と頭を悩ませた。
◆3連勝締めで公約通り「貯金21」で前半戦を終えた日本ハム新庄剛志監督(53)が、球宴明け初戦の26日ロッテ戦(エスコンフィールド)でドラフト1位ルーキーの柴田獅子投手(19)を先発デビューさせることを明かした。リーグ優勝へ向かう大事なチームのリスタートを次代のエースに託し、若い才能のさらなる成長につなげる。3連勝で球宴へと向かう新庄監督が、指揮官らしいサプライズをあたためていた。「僕の中では重大なことがあって...」と切り出した話の中身は、「オールスター明けの1発目に柴田くんを先発で」。首位を走るチームの大事なリスタート初戦、26日ロッテ戦でドラ1ルーキー柴田を投手デビューさせる。2軍で8試合に登板している柴田は、20日のフレッシュ球宴にも出場し、自己最速を1キロ更新する154キロをマーク。1回1安打無失点で先発の大役を果たした。新庄監督は「速かったねぇ。フォームきれいねぇ。いつもバッター目線から見るんですけど、あの真っすぐは打ちづらい。ファウルを取れるピッチャー」と激賞。過去にはイチローがMVPを獲得するなど若手有望株たちの祭典での快投に「1軍なら、さらに(気持ちが)高まると思うから。166(キロ)ぐらい出るんじゃないかな」と、衝撃の剛速球をも予言した。大きな舞台を経験させて伸ばすのが新庄流だ。この日、6回2安打無失点と楽天打線を抑え3勝目を挙げた細野は昨年、4万人を超える甲子園でデビューさせた。新庄監督は「首位ターンじゃなかったら投げさせてないかも。それくらい大事な試合ですよという思いを込めての登板。これはもう全然、その後の野球への取り組み方にしても変わってきます」と説明した。2軍でも2イニングが最長で、目安は40球を見込んでいる。投打で調整中の逸材も「打たせたい...。(投打)両方いきたいんですけど、その後のピッチャーの継投とかもあって。まずはピッチャーだけ2~3回を投げさせたいなというのをずっと思っていて」。ダイヤの原石を極限に緊張する場面に放り込み、ピッカピカに磨き上げる。【永野高輔】
◆日本ハムの前半戦最後の戦いは、万波中正外野手(25)の決勝打で3連勝を決めた。4回2死一塁、楽天滝中から左翼線へ先制の適時二塁打。高々と上がった打球に左翼の伊藤は追い付いたが、クラブに当たってフェアゾーンに落ちた。「運も味方してくれたヒットでした。形はどうであれ先制点だったので、貴重な1本になったと思います」と前向きに捉えていた。
◆日本ハム柳川大晟投手(21)が3戦連続セーブを挙げた。カード初戦前に武田久投手コーチに「3連投いきます」と志願。「ベルーナの時(前カードの西武戦)に全然投げなくて。間隔も空いていたので。本当にやっちゃった感じです」と淡々と話した。昨季の自己最多8セーブへあと1。「去年が(抹消され)すぐ終わっちゃったので、今年は最後までいけるように頑張ります」と気を引き締めた。
◆日本ハム細野晴希投手(23)が6回2安打無失点で3連勝を遂げた。初勝利を挙げた6月14日広島戦以降は、18回1/3を自責点1の防御率0・49と安定。制球が課題で、この日も6回で5四球を与えたが要所を締めた。「コーチの方からは『いくらフォアボール出してもいいから』みたいに言ってもらえているので、なくさなきゃとは思ってるんですけど、自分を追い込まずにできている」と感謝した。
◆パ・リーグ首位の日本ハム新庄剛志監督(53)が、有言実行の「前半戦貯金21」を達成した。残り3試合で貯金18というぎりぎりの状況から、前半戦最終カードの楽天3連戦3連勝で"公約"をしっかり果たした。監督就任後、前半戦終了時は、22年が借金17、23年が借金15、24年で初貯金2。今季は12球団最多の貯金21を引っ提げて、後半戦の爆走につなげる。新庄監督は恐れおののいていた。交流戦の目標として公言していた「11勝7敗」に続き「前半戦の貯金21」も、ラストチャンスでしっかり着地。あまりに完璧な予知能力に「怖い怖い怖い。後半戦から、もう予言しない。危ない危ない危ない」。何にも動じなさそうな指揮官が、自身の鋭すぎる第六感にびびっていた。勝ち方も決して、押し切ったものではなかった。4回2死一塁、万波の左翼線への飛球を楽天伊藤がキャッチしかけたが捕球できず、ぎりぎりフェアゾーンに落ちて先制。さらに2死二塁から水野の二塁への打球を、楽天黒川が後逸して2点目を追加。先発細野も6回で5四球を与えながら無失点と、のらりくらりの投球で3勝目を手にした。ぎりぎりで"公約"を達成した裏には、12球団最多19完投の"先発王国"に隠れた、中継ぎ陣の奮闘がある。この日は細野の後を3投手が無失点でつないだ。リリーフ陣は、7月6日に河野が失点した後は計34人連続で無失点。指揮官は「取られんねえ。安心感あるわあ。あんだけ安心感あると、もう完投いいかなと思うもんね(笑い)。逆にね。いい感じで来てますね」と手応えを口にした。7セーブ目を挙げた高卒4年目の柳川は、今年初の猛暑日となった仙台で3連投3連続セーブ。新庄監督は「3連投はないと思ったんですけどね」と言うが、柳川自身が、楽天戦前に投手コーチに「行かせてください」と直訴した。指揮官は「彼は緊張しないんで。堂々と投げてくれるからね」。貪欲な若手の台頭も、好調なチームを押し上げる要因となっている。後半戦へ、まだ余力はある。「計算ミスは(負傷離脱した)グーリン(古林睿煬)。グーリンが治ってきて、大体(ほかの投手が)落ちてくると思うんで。そのころに元気な姿で(戦列に戻ってくれば)。あとは松本(剛)君。今のメンバーで松本君が首位打者取ったときのバッティングをしてくれたら、僕、迷っちゃう!ハハハ」。球宴も? 球宴明けも、新庄監督が先頭に立ち、プロ野球を盛り上げる。【永野高輔】
◆日本ハムが同一カード3連戦3連勝で、今季の楽天戦勝ち越しを決めた。四回に万波の先制二塁打などで挙げた2点を4投手の無失点リレーで守った。細野が6回を2安打に封じて3勝目。楽天は4連敗で今季最多に並ぶ借金7。
◆日本ハムが同一カード3連戦3連勝で、今季の楽天戦勝ち越しを決めた。四回に万波の先制二塁打などで挙げた2点を4投手の無失点リレーで守った。細野が6回を2安打に封じて3勝目。楽天は4連敗で今季最多に並ぶ借金7。?日本ハムが54勝33敗2分けの1位で前半戦を折り返した。前身を含め前半戦での54勝は19662年と98年の各51勝を上回り最多。貯金21以上で終えたのは62年(貯金30、最終順位は優勝)、98年(同21、同2位)、2011年(同24、同2位)に次いで14年ぶり4度目(前後期制だった1973-82年、球宴が開催されなかった2020年は除く)。143試合で換算すると86勝で、16年にマークした球団記録の87勝に迫る。?ホームゲームは昨季が勝率・621(41勝25敗6分け)、今季は勝率・571(24勝18敗)。ビジターでは昨季が勝率・493(34勝35敗2分け)に対し、今季はリーグ最高勝率の・667(30勝15敗2分け)。昨季は借金1だった敵地で今季は15の貯金をつくった。?ビジターでは1試合平均3・68得点で、ホーム(同3・79点)とほぼ変わらない。ビジターーでの40本塁打は既に昨季の本数に並んでいる。エース伊藤が8勝1敗で3完投、防御率1・77。チーム19完投のうち、ビジターで14度マークするなどチーム防御率は1・78とホーム(同2・77)よりも良く、投手陣の安定感が光る。
◆楽天は攻守に精彩を欠いて4連敗を喫し、オールスター戦前は苦しい締めくくりとなった。四回2死一塁から、万波の左翼線への飛球を伊藤がグラブに当てながら捕れずに先制を許し(記録は二塁打)、続く水野の平凡な二ゴロを黒川がファンブルして追加点を与えた。打線も3安打で三塁すら踏めなかった。三木監督は「ああいう失点の仕方をしていると厳しい。もう一回引き締めないと」と語気を強めた。
◆黒いマスクの向こうはほほ笑んでいた。甲高いセミの鳴き声に包まれた楽天モバイルパークの関係者駐車場。3連勝で今季の楽天戦の勝ち越しを決めた日本ハム・新庄剛志監督(53)は、目標としていた前半戦での貯金21を有言実行し、謙虚にまくしたてた。「怖い、怖い、怖い、怖い。もう、後半戦から予言しない。危ない、危ない」監督就任4年目で、初めて前半戦を首位で折り返した。単独での首位ターンは2009年以来、16年ぶり6度目で、過去5度のうち3度優勝と心強いデータが残っている。無失点リレーで前半戦を締めくくった。5日の楽天戦以来、16日ぶりに先発した細野が6回2安打無失点。プロ初勝利を挙げた6月14日の広島戦から3連勝を飾った。猛暑にも「鎌ケ谷でいっぱい走ったから」と2軍施設での〝充電〟が威力を発揮した。九回はシーズン途中から抑えに抜てきした柳川が三者凡退に抑え、3戦連続となる7セーブ目を挙げた。前半戦最後の3連戦の仙台入りを前に、首脳陣に3連投を直訴。ビッグボスは「打線も調子がいいし、何かを感じていたのかな。彼は緊張しないし、堂々と投げる」と評価した。投手のマネジメントが光った。開幕前、先発枠を通常より2人増やした8人制を提案。登板間隔を空ける代わりにイニング数を増やした。投げては登録抹消を繰り返し「それがうまくはまってローテーションを組めた」。チーム完投数は他球団を圧倒する19だ。野手の起用法も的中した。複数ポジションを守らせ、日替わりでオーダーを組む。「今やっている野球は、今後のプロ野球に少しは参考になっていくかな」と投打に手応えをつかんだ。「オールスターに出ない選手たちは温泉、家族サービス、彼女サービスをしてもらって。また、野球をしたいぐらいの気持ちになって、顔を合わせたい」と新庄監督。日本ハムが熱い夏を駆け抜ける。(広岡浩二)

<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
日本ハム |
54 | 33 | 2 | 0.621 (↑0.005) | - (-) |
54 | 332 (+2) | 231 (-) | 85 (-) | 42 (-) |
0.245 (↓0.001) | 2.250 (↑0.03) |
2 (-) |
ソフトバンク |
51 | 34 | 4 | 0.600 (↑0.005) | 2 (-) |
54 | 325 (+4) | 243 (+1) | 54 (-) | 68 (+1) |
0.246 (-) | 2.440 (↑0.02) |
3 (-) |
ORIX |
46 | 38 | 3 | 0.548 (↓0.006) | 6.5 (↓1) |
56 | 311 (-) | 314 (+2) | 57 (-) | 37 (-) |
0.259 (↓0.002) | 3.360 (↑0.02) |
4 (-) |
西武 |
42 | 45 | 1 | 0.483 (↓0.005) | 12 (↓1) |
55 | 224 (+1) | 247 (+4) | 36 (+1) | 56 (-) |
0.229 (-) | 2.630 (↓0.02) |
5 (-) |
楽天 |
39 | 46 | 2 | 0.459 (↓0.005) | 14 (↓1) |
56 | 245 (-) | 292 (+2) | 33 (-) | 81 (-) |
0.242 (↓0.002) | 3.140 (↑0.02) |
6 (-) |
ロッテ |
34 | 50 | 2 | 0.405 (↑0.007) | 18.5 (-) |
57 | 252 (+2) | 325 (-) | 43 (-) | 36 (-) |
0.231 (-) | 3.570 (↑0.04) |
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