阪神(☆5対2★)ヤクルト =リーグ戦12回戦(2025.07.12)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:デュプランティエ(6勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝2敗20S))
敗戦投手:石川 雅規(2勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は2点を追う4回裏、大山の適時打で同点とすると、続く小幡にも適時打が飛び出し、勝ち越しに成功する。そのまま迎えた8回には、小幡の適時二塁打などで2点を加え、リードを広げた。投げては、先発・デュプランティエが7回2失点10奪三振の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、打線が5回以降無得点と振るわなかった。

◆ヤクルト先発の石川雅規は今季2勝2敗で、白星はいずれも甲子園での阪神戦。阪神以外の投手が甲子園でシーズン3勝を挙げると21年高橋(巨人)以来で、ヤクルトでは96年吉井(現ロッテ監督)以来29年ぶりになる。今季の阪神戦では右打者に対して被打率4割も、左打者には同1割9分2厘。特に1番の近本を6打数ノーヒットに抑えており、今日も左打者を封じて首位相手に今季3勝目を狙う。

◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)が、先発マウンドに上がる。前日11日が誕生日。「自分にではなく、チームに勝利をあげることができればと思っています。それが自分にとっても一番のプレゼントかな」と話した。前回登板の5日DeNA戦では来日2度目の完封勝利。25イニング連続無失点中だ。「全体的に(捕手の)坂本選手と意思疎通がとれて投げることができていて、彼の配球を信じて投げることができているのが、いい投球につながっているのかなと思います」と分析した。

◆阪神桐敷拓馬投手(26)が出場選手登録を抹消された。8試合連続無失点中だが、10日広島戦(マツダスタジアム)では6回2死満塁から登板して、ピンチを抑えられず3人の走者を生還させる結果となっていた。前日11日のヤクルト戦(甲子園)では1回2安打無失点。1軍ではここまで31試合に登板し、防御率2・60だった。左上肢の筋疲労が原因だった5月22日以来、今季2度目の2軍降格となった。代わって、島本浩也投手(32)が出場選手登録された。左上肢の張りで5月7日に出場選手登録を抹消。6月25日のくふうハヤテ戦で実戦復帰していた。抹消後の2軍では、復帰戦を含め5試合に登板し無失点だった。今季の1軍では8試合に登板し、防御率1・17の結果を残していた。

◆阪神の夏の恒例イベント「ウル虎の夏2025」は2日目で、特別ゲストとして、声優で歌手の水樹奈々(45)が来場した。ファーストピッチセレモニーで甲子園初投球。山なりのボールは2度バウンドして捕手のもとに届いた。観客は「おぉー!」と声を出し、拍手を送った。投球後にはグラウンド上で「緊張しました。初めてだったので。遠かったです」と振り返った。観客に向け「皆さん盛り上がっていきましょー!」と呼びかけた。水樹は虎党として知られ、「みんなで六甲おろし2025」に出演している。取材に応じ、「思ったよりもマウンドが高くて。しっかり練習してきたんですけど、平地だったので、直前に特別にブルペンというか練習場をお借りして、投げさせていただいたんです。もう傾斜になれなくて、とにかく転ばないように、前に向かってボールが飛ぶように、それだけを願って投げました」と明かした。>

◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)の連続無失点イニングが「28」で止まった。6月19日ロッテ戦(甲子園)での来日初完封勝利から3試合連続(うち完封2)で無失点を継続。3回まで2安打無失点とし、28イニングまで伸ばした。しかし、4回先頭の内山に四球を与えると、続くオスナに左翼フェンス直撃の二塁打で無死二、三塁に。太田に初球130キロのカーブをセンター前に返され、2点を失った。

◆阪神大山悠輔内野手(30)の2点適時打で追いついた。2点を先制された直後の4回。中野拓夢内野手(29)の右前打、森下翔太外野手(24)の四球、佐藤輝明内野手(26)の右前打で無死満塁のチャンスをつくった。大山は2球目を捉えて、打球は右翼方向へ。相手右翼手はダイビングキャッチを試みるも、捕球できなかった。2者が生還。すぐさま同点とした。通算997安打目。プロ9年目での1000安打達成まで残り3本とした。

◆阪神打線が、ヤクルト先発石川雅規投手(45)を4回途中で降板させた。ベテラン左腕とは今季3度目の対戦。過去2試合はともに甲子園。計11回4失点(自責2)で、2勝を挙げられていた難敵だった。2点を先制された直後の4回。無死満塁から大山悠輔内野手(30)が、右翼への2点適時打を放ち同点とした。なおも無死一、三塁で、続く小幡竜平内野手(26)が右前適時打を放ち、試合をひっくり返した。この場面で石川はマウンドを降りた。>

◆阪神豊田寛外野手(28)が、5回表の守備から途中交代した。直前の4回の攻撃。1死二、三塁から、豊田の打球は遊ゴロとなった。相手遊撃手は本塁に送球。三塁走者の大山悠輔内野手(30)が、三塁と本塁の間で挟まれている間に豊田は二塁に向かった。大山がタッチアウトとなった後に二塁へ送球されると、豊田もアウト。3アウトで攻撃が終了する形となった。5回は豊田ではなく、島田海吏外野手(29)が左翼の守備についた。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)がマウンドに向かってから、ジョン・デュプランティエ投手(31)がピンチを脱出した。3-2と1点リードで迎えた7回2死一塁。一塁走者がスタートを切ると、坂本はデュプランティエのワンバウンドした変化球を捕球できず、二塁への盗塁を許す形となった。2死二塁でカウントは2ボール。坂本はマウンドに向かって、内野陣も集まった。その後は、ファウル、空振りで追い込み、続く5球目で空振り三振。コミュニケーションをとってからは、ボールなしの3球で打ちとった。集まった際、バッテリーは会話をしている様子もあったが、マウンド上に通訳は不在。デュプランティエは以前、坂本について「英語が話せている」と明かしていた。

◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)が7回5安打2失点で、6勝目の権利を得て降板した。4回無死一、三塁で太田に先生2点適時打を許し、連続イニング無失点が28でストップ。直後に味方打線が逆転し、1点のリードを守った。7回まで毎回の10奪三振。通算105奪三振となり、再びDeNAバウアーの98奪三振を上回り、奪三振のリーグ単独トップに躍り出た。

◆前夜に連勝が11でストップした阪神が、逆転勝ちで連敗を阻止し、両リーグ最速50勝に到達した。先発のジョン・デュプランティエ投手(31)が4回表、先頭の内山に四球を与えると、オスナと太田に連打を浴びて2失点。6月19日ロッテ戦(甲子園)で来日初完封勝利を挙げてから3試合連続無失点を続けていたが、連続無失点イニングは「28」でストップした。すぐに反発力を見せるのが、今の阪神の強さ。直後の4回裏、中野が右前打、森下が四球で連続で出塁すると、佐藤輝明内野手(26)の右前打で無死満塁のチャンス。ここで大山悠輔内野手(30)が右翼へ2点適時打を放ち同点に追いつくと、小幡竜平内野手(24)が右前適時打で続き勝ち越し。打線が一丸となり一気に逆転し、今季2敗を喫していたヤクルト石川を4回途中で降板させた。デュプランティエが失点したのは4回のみ。その後は凡打の山を築き、7回5安打2失点。4連勝で5勝目を挙げた。さらにこの日の10奪三振で三振数を105とし、DeNAバウアーを再び抜いてトップに躍り出た。阪神は5カード連続の勝ち越しを狙って、13日の第3戦に臨む。>

◆阪神岩崎優投手(34)が大竹ばりの遅球を披露した。3点リードの9回に3番手登板。先頭伊藤を空振りの三振に打ち取ると、続く増田を2球で追い込んだ。3球目は少しバランスを崩したように見えたが、ホームベースのかなり手前に落ちる71キロの変化球を投げ込んだ。スタンドは守護神の遅球にどよめき。続く代打山田、松本直に連打を浴び、安藤コーチがマウンドに行き足の状況を確認したが、続投して、岩田を二ゴロに打ち取り20セーブ目を挙げた。

◆阪神豊田寛外野手(28)が5回表の守備から途中交代したシーンについて、藤川球児監督(44)が説明した。直前の4回の攻撃で1死二、三塁から、豊田は遊ゴロとなり、相手遊撃手は本塁に送球。三塁走者の大山が、三塁と本塁の間で挟まれている間に豊田は二塁に向かったが、大山がタッチアウトとなった後に二塁へ送球され豊田もアウト。3アウトで攻撃が終了する形となり、直後の守備で左翼は豊田から島田に代わった。藤川監督は「タイガースというチームでプレーすることに対して、プレーヤーとして壁がいくつかあると思いますね。技術以外の部分で。壁にぶち当たって跳ね返されるのか、それを乗り越えられるのかというのは、時間が非常にかかるし、そのチャンスも必要だし、だけどそんな簡単ではない、というようなシーンでしたけど」と説明した。「豊田でそのプレーが起こるということは、ファームにいる選手たちというのは全員に起こりえるというところですから。全選手、自分に置き換えて常にやれているかどうかということですよね。チームとして私は受け止めるし、全体に対するメッセージになると思います」とチーム全体に言えることとした。続けて豊田には「また立ち上がって、はね返すというのが、本当のプロフェッショナルになる道筋ですから。頑張ってほしいなと思います」と奮起を促した。

◆前夜に連勝が11でストップした阪神が、逆転勝ちで連敗を阻止し、両リーグ最速50勝に到達した。先発のジョン・デュプランティエ投手(31)が4回表に2点先制を許すも、直後の4回裏に大山悠輔内野手(30)、小幡竜平内野手(24)の連続適時打で一気に逆転した。さらに8回に小幡の中堅への適時二塁打、続く坂本誠志郎捕手(31)の右翼への適時三塁打でダメ押しの2点を入れた。藤川球児監督(44)は「昨日のゲームから連勝が止まって、チームとしての揺れ動きといいますか、それがゲームの中に出ていたと思いますね」と分析。「選手が誰であるとかではなくて、連勝が止まって、もう1度勝つというところの揺れ動きと言いますか、それが出て、2点、そのあとの3点というところで、まだまだそういうものがゲームの中で生きて、8回に2点を取って(直前の8回表に)石井が抑えて一気にグッと(流れを)こっちに持ってきて、というゲームでしたね」と振り返った。

◆前夜に連勝が11でストップした阪神が、逆転勝ちで連敗を阻止し、両リーグ最速50勝に到達した。阪神がヤクルトに勝ち、両リーグ50勝一番乗り。阪神の両リーグ50勝一番乗りは21年以来。同年は東京五輪でリーグ戦中断後、チーム87試合目の8月15日に到達した。この時点で2位巨人に1ゲーム差の首位だったが、最終的にヤクルトにゲーム差なし、勝率の差で及ばず、2位に終わった。2位に8・5差をつける今季はどうか。

◆阪神坂本誠志郎捕手はダメ押し打を放ち、小幡に感謝した。1点リードの8回裏、6番小幡の左中間適時二塁打が飛び出した直後に登場。3ボール1ストライクからボール球を空振りしたが、前進守備の右翼手を越える適時三塁打を決めた。「3ボール1ストライクから欲を出しすぎて、その後に小幡のまねをして打ったら結果良かった。小幡さまさまです」。先発デュプランティエは珍しく四球から失点しながら7回2失点。「本調子じゃない中でも粘り強く投げてくれた」と右腕への感謝も忘れなかった。

◆阪神岩崎優投手が3点リードの9回を無失点で締め、4年連続20セーブをマークした。前日は疲労を考慮され、ベンチ外。10日広島戦以来の登板で、2死から連打を浴びて一、二塁とされたが最後は岩田を二ゴロに打ち取った。2人目の打者に71キロのスローボールを投げたが、投球は打者の手前でバウンド。お立ち台では「失敗しました」と明かし、ファンの笑いも誘った。4連続20セーブは、球団では6年連続の藤川監督以来。「甲子園のファンはすごく大きいですし、本当にいつも支えてもらっていると思います」と感謝した。

◆阪神大山悠輔内野手(30)は値千金の同点打を決めた。2点を追う4回無死満塁、左腕石川から右翼線に落として走者2人を生還させ、次打者・小幡の勝ち越し打も呼び込んだ。2戦連続2打点で7月は打率4割2分1厘、10打点。連勝ストップ翌日の勝利を「今日の試合がすごく大事だと思っていた」と振り返った。一方で4回1死二、三塁から三塁走者として豊田の遊ゴロで挟殺され、打者走者もタッチアウトとなった場面を猛省。直後に豊田が交代となったこともあり「もうひと粘りできなかった。僕の責任でもある。申し訳ないと思います」と厳しい表情だった。プロ通算1000安打まで残り3本とした。

◆阪神石井大智投手(27)は28試合連続無失点だ。1点リードの8回、3番内山からの3人を難なく3人斬り。直後の味方打線の2得点につなげ「すごく良かったです。1点差でしたし、この試合のヤマじゃないですけど、クリーンアップというところで。ゼロで抑えることができて良かったです」と納得した。4月4日巨人戦を最後に失点がなく、防御率は0・28まで良化した。

◆阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)が自身4連勝で来日6勝目を手に入れた。7回5安打2失点。毎回の10奪三振で3ケタ105奪三振に到達し、DeNAバウアーを抜きリーグ単独トップに浮上。球団外国人選手では18年のメッセンジャー(149奪三振)以来となる100の大台をクリアした。スタンドを埋めたファンも虎のドクターKを後押しした。5回1死二塁のピンチで、内山、オスナを連続三振切り。6回も太田、伊藤と続け、4者連続三振で球場のボルテージを上げた。7回2死二塁で武岡を宝刀129キロのナックルカーブで空振り三振に打ち取ると、大歓声に包まれて右腕はマウンドを降りた。「自分の中では100個の三振より100個のアウト。(三振は)アウトの1つの形。でもランディ・メッセンジャー投手以来の数字を出すことができたのは光栄です」序盤はフォーム修正に苦しんだ。4回に先頭四球から、オスナ、太田に連打を浴びて2点を失った。6月19日ロッテ戦(甲子園)から3試合連続(うち完封2)無失点だったが、29イニングぶりの失点。それでも「楽しんでいこう」と、横振りになっていたフォームを縦振りに修正した。その後は6つの三振を量産。ヤクルト戦3戦3勝につなげた。来日中の父ジョンさんが甲子園のスタンドから初観戦。息子は「遠くからやってきてくれて、ホームゲームを一緒に過ごせて良かった。僕の人生をサポートしてくれる。愛しているよ」とお立ち台から感謝の言葉を贈った。デュプランティエは家系で初のプロ野球選手で、父ジョンさんは野球とは無縁の弁護士。「僕が全力で物事を行っているかどうかっていうところだけ気にしていた。思い切って自分のことをやってきました」と感謝は尽きない。前日11日に31歳の誕生日を迎えたばかり。虎の奪三振王が父の声援を大きなエネルギーに変えた。【伊東大介】

◆しぶとく一、二塁間を破った。4回無死一、三塁のフルカウント。小幡竜平内野手(24)は外角の直球を引っ張った。相手二塁手が打球をめがけて飛び込むも届かず。今季初の決勝打となった。「なんとかコトを起こそうと。必死に食らいついていった結果だと思います」2点を先制された直後の4回。無死満塁として、大山の2点適時打で追いついた。チャンスは続き、小幡が右前適時打。リードを奪った。「大山さんが2点を取ってくれて気持ちは楽でした。デュープ(デュプランティエ)がいつも頑張ってくれている。勝ちをつけたいと打ちにいきました」。打線がすぐに逆転。藤川監督も「何かあるかもしれないと感じさせてくれる一体感がある」と評価した。1点リードの8回は2死走者なしから大山が四球。続く小幡の打球は左中間を破った。適時二塁打で点差を広げた。「大山さんが必死に走ってくれて感謝しています」。今季初めて1試合で複数の適時打をマーク。2戦連続打点でキャリアハイの10打点に到達した。悔しい離脱期間も糧にした。今季は開幕スタメン入りを逃すも、4月中旬から先発出場が連続。遊撃レギュラーの座をつかみかけていた。そこで待っていたのが故障。連続スタメン18試合目の5月11日中日戦で途中交代した。翌日に左下肢の筋挫傷で出場選手登録を抹消。2軍施設で調整を続ける日々も前を向いた。「治す中で、できることや、体の部位や必要なことの知識が増えた。ケガの原因を突き詰めた」自由に動けない中で、改めて自身の体を見つめ直し、学びを得た。チーム全体で行うウオーミングアップよりも前に準備するように改善。体と向き合う時間を増やし、強化した体で躍動した。チームは前日11日に連勝が「11」で止まったが、逆転勝ちで両リーグ最速で50勝に到達した。指揮官は小幡に「何度もはね返されながらやっている中で、まだこれからそういうことがあるかもしれない。ただ、勝負強さを見せてきて、みんなベンチで感じるものはある」。守備の貢献度も高い男が打撃で活躍。この底力が猛虎の強さだ。【塚本光】

◆しぶとく一、二塁間を破った。4回無死一、三塁のフルカウント。小幡は外角の直球を引っ張った。相手二塁手が打球をめがけて飛び込むも届かず。今季初の決勝打となった。「なんとかコトを起こそうと。必死に食らいついていった結果だと思います」2点を先制された直後の4回。無死満塁として、大山の2点適時打で追いついた。チャンスは続き、小幡が右前適時打。リードを奪った。「大山さんが2点を取ってくれて気持ちは楽でした。デュープ(デュプランティエ)がいつも頑張ってくれている。勝ちをつけたいと打ちにいきました」。打線がすぐに逆転。藤川監督も「何かあるかもしれないと感じさせてくれる一体感がある」と評価した。1点リードの8回は2死走者なしから大山が四球。続く小幡の打球は左中間を破った。適時二塁打で点差を広げた。「大山さんが必死に走ってくれて感謝しています」。今季初めて1試合で複数の適時打をマーク。2戦連続打点でキャリアハイの10打点に到達した。悔しい離脱期間も糧にした。今季は開幕スタメン入りを逃すも、4月中旬から先発出場が連続。遊撃レギュラーの座をつかみかけていた。そこで待っていたのが故障。連続スタメン18試合目の5月11日中日戦で途中交代した。翌日に左下肢の筋挫傷で出場選手登録を抹消。2軍施設で調整を続ける日々も前を向いた。「治す中で、できることや、体の部位や必要なことの知識が増えた。ケガの原因を突き詰めた」自由に動けない中で、改めて自身の体を見つめ直し、学びを得た。チーム全体で行うウオーミングアップよりも行う準備のメニューを増やすように改善。体と向き合う時間をできる限り取り、強化した体で躍動した。チームは前日11日に連勝が「11」で止まったが、逆転勝ちで両リーグ最速で50勝に到達した。指揮官は小幡に「何度もはね返されながらやっている中で、まだこれからそういうことがあるかもしれない。ただ、勝負強さを見せてきて、みんなベンチで感じるものはある」。守備の貢献度も高い男が打撃で活躍。この底力が猛虎の強さだ。【塚本光】

◆前夜に連勝が11でストップした阪神が、逆転勝ちで連敗を阻止し、両リーグ最速50勝に到達した。先発のジョン・デュプランティエ投手(31)が4回表に2点先制を許すも、直後の4回裏に大山悠輔内野手(30)、小幡竜平内野手(24)の連続適時打で一気に逆転した。さらに8回に小幡の中堅への適時二塁打、続く坂本誠志郎捕手(31)の右翼への適時三塁打でダメ押しの2点を入れた。

◆阪神大山悠輔内野手(30)は試合後、勝利チームの一員とは思えないほど厳しい表情を浮かべていた。2点を追う4回裏無死満塁では左腕石川から2点適時打。右翼線に落として、試合を振り出しに戻していた。値千金の同点打を決め、チームも連勝ストップ翌日に白星。「今日の試合がすごく大事だと思っていた。勝てたのが一番良かった」と振り返った後、「その中でも反省があります」と自ら切り出した。4回、6番小幡の適時打で1点を勝ち越して、なおも1死二、三塁。大山は三塁走者として豊田の遊ゴロでスタートを切り、三本間の挟殺プレーの末にタッチアウトとなった。さらに二塁を狙った打者走者の豊田もタッチアウト。直後の5回表から豊田はベンチに下がった。後輩思いの先輩は責任を感じたのだろう。試合後、クラブハウスに続く通路で猛省の言葉を並べた。「僕が挟まれて、もうひと粘りできなかった。それによって(豊田)寛がアウトになってしまった。それは僕の責任でもある。申し訳ないと思います。あれは話し合っていかなければいけない。明日も試合があるので、しっかり反省してやっていきたいです」2戦連続2打点の殊勲者が勝ってなお課題を忘れない。図らずも阪神の強さを感じさせるワンシーンとなった。【佐井陽介】

◆「ウル虎の夏2025」の2日目で、声優で歌手の水樹奈々が特別ゲストとして来場した。ファーストピッチセレモニーで甲子園初投球。ツーバウンドで捕手に届いた。「転ばないように、前に向かってボールが飛ぶように、それだけを願って投げました」。試合開始直前には選手が守備につく際の紹介等を担当。「優勝に向かって頑張ってくださいという気持ちを込めて、アニメのセリフで必殺技を叫ぶように言わせていただきました」と話した。

◆阪神の島本浩也投手(32)が1軍本隊の試合前練習に合流した。左腕は出場登録されれば、5月7日に左上肢のハリのため抹消されて以来、今季2度目の昇格となる。復帰後ウエスタン・リーグでは、5試合連続無失点投球と結果を残していた。投手陣の負担もかさむ夏場に、ブルペン強化を図る。

◆ヤクルト・石山泰稚投手(36)が、上半身のコンディション不良で出場選手登録を外れた。この日、阪神戦を行う甲子園球場には姿を見せなかった。チームは11日の阪神戦(甲子園)に6-3で勝利したが、九回のセーブシチュエーションでは、今季28試合で14セーブを挙げていた石山泰稚投手(36)ではなく、清水昇投手(28)が登板し、1回を無失点に抑えていた。 同戦後、高津臣吾監督(56)は石山のコンディションについて「あんまりよくないというところは事実です。ピッチングはやっていたんですけどね」と説明していた。故障者が相次ぐ中、守護神の離脱は大きな痛手。代わりに、9日に支配下登録が発表された沼田翔平投手(25)が1軍に合流した。

◆阪神の伊藤将司投手(29)は13日の第3戦に先発する。この日は暑い日差しの中でもノースリーブでキャッチボールやトレーニングなどに励んだ。ここまで左腕は4試合に先発して無傷の3勝を挙げ、防御率は0・59と圧巻の成績を残す。ヤクルトとの前回6月29日(神宮)の対戦では、2安打に抑えこみ自身679日ぶりとなる完封勝利を挙げた。それでも「気を引き締めてやります。いつも通り投げられたら」と平常心を強調し、4連勝を目指す。

◆11日の敗戦で連勝が11でストップした阪神。連敗回避へ、6月度の月間MVPを受賞したジョン・デュプランティエ投手(31)=前ドジャース=が先発のマウンドに上がる。今季2戦2勝のヤクルトを相手に、自身6勝目を目指す。打線は11日に適時打を放って20日ぶりの打点を挙げた小幡竜平内野手(24)が「6番・遊撃」に1つ打順を上げた。

◆阪神の先発、ジョン・デュプランティエ投手(31)が四回に2点を失った。三回までは無失点で抑えて0―0の四回、ヤクルト打線に捕まった。先頭の内山に四球を許すと、続くオスナには左翼フェンス直撃の二塁打を浴びて無死二、三塁とピンチを背負うと、太田に中前への2点打とされて先制を許した。デュプランティエは6月12日の西武戦(ベルーナ)の四回に失点して以来、29イニングぶりの失点となった。それでもその後の2死一、二塁のピンチでは石川が今季100個目となる三振を奪い、2失点でとどめた。

◆ヤクルト・太田賢吾外野手(28)が「5番・右翼」で出場し、先制の2点中前打を放った。0-0の四回無死二、三塁。阪神先発・デュプランティエが投じた変化球を捉え、中前にはじき返した。通算189勝目を狙う先発の石川を援護する値千金の一打。11日に1軍昇格したばかり左打者が、2試合連続のスタメン起用に一振りで応えた。

◆阪神が0-2の三回に逆転に成功した。2点の先制を許した直後の攻撃だった。ヤクルト・石川に対し、先頭・中野がしぶとく一、二塁間を破って出塁すると、森下が四球、佐藤輝は右前打で続き、無死満塁のチャンスを作った。ここで打席には大山。1ストライクから変化球に反応すると、右翼線への飛球を放ち、ボールは前方にダイブした太田のグラブをかすめて芝生で弾んだ。三走・中野に続き、二走・森下も一気にホームイン。このひと振りで同点に追いついた。大山は11日の今カード初戦も五回無死満塁で右犠飛を放っていたが、満塁ではこの同点打が今季8度目で初安打だった。さらに続く無死一、三塁のチャンスでは小幡が一、二塁間を破って一気に勝ち越しに成功し、ここで石川をKO。三回まで1安打に抑えられた難攻不落のベテラン左腕の攻略で、スタンドを大いに沸かせた。大山「打ったのはカットボール。みんながチャンスでまわしてくれたので、どんな形でも得点したいと思っていました。先制された後でしたし、すぐに同点にできたのは良かったと思います」小幡「打ったのはストレート。大山さんが同点にしてくれたので気楽に打席に入れました。良い場面で打席をまわしもらったので、事を起こすつもりで打ちに行きました!」

◆ヤクルト・石川雅規投手(45)が、四回途中5安打3失点で降板した。5月18日のDeNA戦(神宮)以来、約2カ月ぶりの1軍登板に臨んだ左腕は、テンポのいい投球で三回まで凡打を山を築き、阪神打線を1安打に封じた。だが、2点の援護をもらった四回に突如つかまり、四球と3安打で3失点。勝ち越しを許したところで2番手・松本健にマウンドを譲った。甲子園での同戦は今季2戦2勝。好相性だった阪神打線から通算189勝目を目指したが、次戦にお預けとなった。

◆声優で歌手の水樹奈々(45)が恒例イベント「ウル虎の夏」の特別ゲストとして登場し、ファーストピッチセレモニーなどを行った。「自分のライブステージよりも緊張しました。思ったよりもマウンドの山の高さが高くて...」と練習の成果が実らず、ツーバン投球となった。試合前にはスタメンのコールも行い、大の虎党の水樹は「このままぜひ優勝に向かって頑張ってくださいという気持ちを込めて。アニメのセリフで必殺技を叫ぶように言わせていただきました」と会場を盛り上げた。

◆先発した阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)は7回2失点でマウンドを降りた。四回に先頭の四球から連打で2点を失い、自身29イニングぶりとなる失点で先制を許したが、直後に味方が3得点で逆転した以降は立ち直る。五回以降は1安打しか許さず、5つの三振を奪った。七回の打席で代打が送られ、お役御免。7回5安打10奪三振と役割を果たし、6勝目の権利を持ってマウンドを降りた。

◆阪神があざやかな逆転勝利を挙げた。先発のジョン・デュプランティエ投手(31)は四回に四球と連打で2点を失い、29イニングぶりの失点を喫するもそこからは追加点を与えず。10三振を奪う力投で7回2失点にまとめて6勝目を挙げ、今季105奪三振はリーグ最速の100奪三振到達となった。打線は2点を失った直後の四回に無死満塁とチャンスを作ると、大山悠輔内野手(30)が2点打で同点。主砲の今季満塁初安打で試合を振り出しに戻すと、なおも無死一、三塁から小幡竜平内野手(24)が右前への勝ち越し適時打を放ち、これが決勝点になった。九回にも小幡の適時二塁打と坂本誠志郎捕手(31)の適時三塁打で2点を加えて駄目押し。このリードを八回は石井大智投手(27)、九回は岩崎優投手(34)が互いに無失点に抑えて守り切った。11日の敗戦で11連勝が止まった翌日に首位の力を見せつける逆転勝利を飾り、両リーグ最速の50勝に到達した。

◆ヤクルトは逆転負けで連勝を逃した。四回に太田賢吾外野手(28)が先制の2点中前打を放ったが、その裏に石川雅規投手(45)が阪神打線につかまり、四球と3安打で3失点。八回に4番手で登板した阪口皓亮投手(25)も追加点を許した。

◆ヤクルト・太田賢吾外野手(28)が「5番・右翼」で出場し、先制の2点打を放った。四回無死二、三塁でデュプランティエが投じた変化球を中前にはじき返し「内野が後ろに下がっていたので楽な気持ちで打席に入った。良いところに飛んでくれた」と振り返った。11日に1軍昇格したばかりの左打者が2試合連続のスタメン起用に応えた。

◆ヤクルトは阪神に逆転負けを喫した。先発した石川雅規投手(45)が四回途中5安打3失点で3敗目。試合前には守護神の石山泰稚投手(36)が上半身のコンディション不良で出場選手登録を外れる緊急事態に見舞われた中、投打がかみ合わず首位・阪神に連勝とはならなかった。

◆阪神が2021年以来、12球団最速50勝。四回無死満塁、大山悠輔内野手(30)の右翼線への2点打で追いつき、続く小幡竜平内野手(24)の右前打で勝ち越した。八回には小幡、坂本誠志郎捕手(31)の適時打で突き放した。7回10Kのジョン・デュプランティエ投手(31)は自身4連勝で6勝目(3敗)。四回に奪われた2点が29イニングぶりの失点。105奪三振数はリーグ最多。八回に登板した石井大智投手(27)は28試合連続無失点。岩崎優投手(34)は4年連続20セーブを記録した。大山は通算1000安打まで、あと3本。

◆阪神があざやかな逆転勝利で50勝に一番乗り。先発のデュプランティエが10三振を奪う力投で7回2失点にまとめて6勝目。打線は0―2の四回に大山が2点打、小幡が勝ち越し適時打を放ち、八回は小幡の適時二塁打などで2点を加えた。阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)は価値ある1勝と評価しながらも、内容的には不満があると指摘した。11連勝が止まって、その次の試合を負けて連敗すると嫌なムードが漂う。価値のある1勝だ。ただし、内容的には不満がある。一番、気にいらないのは四回に逆転した直後の無死一、二塁で坂本に送りバントをさせたことだ。7番にバントの指示を出すのは、8、9番で得点する作戦。ということは9番に代打を送ることが前提だ。でも、先発のデュプランティエに四回で代打はあり得ない。7番以降で一番打撃が期待できるのは坂本なのだから、あの場面はまず坂本に託すべき。こういう作戦をしていたら、自ら流れを手放すことになり兼ねない。遊ゴロを打った豊田が挟殺プレーで二塁を欲張って憤死したケースも、「走るな」という指示を徹底できていたのか。その直前の小幡の適時打も、結果は最高の形だが考え方に疑問が残る。お立ち台で「右方向に打てば併殺にはならない」と話していた。これは1死一、三塁の考え方。無死一、三塁で前進守備ではないケースは、遊ゴロでも二ゴロでも、ゲッツーの間に三塁走者が生還できればOKなのだ。頭一つ抜けている阪神だが、先は長い。しっかりした野球を望みたい。(本紙専属評論家)

◆阪神が50勝に一番乗り。0―2の四回に大山が2点打、小幡が勝ち越し適時打を放ち、八回は小幡の適時二塁打などで2点を加えた。デュプランティエは7回2失点で6勝目。岩崎が20セーブ目。ヤクルトは石川が四回につかまった。阪神のデータは以下のとおり。?阪神の両リーグ50勝一番乗りは、2003年(同年の最終順位は優勝)、08年(同2位)、21年(同2位)に次いで4年ぶり4度目。リーグ優勝した23年は両リーグ最速50勝到達はオリックスで、セでは広島に次いで阪神は2番目だった。?2リーグ制(1950年)以降、チーム84試合以内で50勝に到達したのは08年(74試合目)以来17年ぶりで、84試合目は05年(同年の最終順位は優勝)と並ぶ5番目のスピード。最速は03年の72試合目。

◆無念の降板だった。球界最年長の左腕、ヤクルト・石川雅規投手(45)は、3回0/3を投げ5安打3失点で3敗目(2勝)。試合前時点で今季2戦2勝と好相性だった甲子園での阪神戦で、悔しい登板となった。「やっぱり、先制点を取ってもらった次のイニング。結局、あそこで点数をとられているわけなので。あそこの四球はいらなかった。結果を出せなかったのが全てです」三回までは、ストライク先行の投球で1安打と阪神打線を手玉にとった。ただ、2点を先制した直後の四回先頭で中野に右前打とされ、続く森下に四球を許すと、佐藤輝から3連打。一気に逆転を許した。高津監督も「1回り目はゴロも多くて、タイミングを外せるいいピッチングだった」と評価しつつ「あの森下のフォアボールは大きかった。気持ちはわからんでもないけど、打球を前に飛ばして結果が欲しかった。打たれるかもしれないけど」とポイントに挙げた。今季3勝目、通算189勝目はお預けに。次回のチャンスで勝利を重ねたい。(赤尾裕希)

◆豊田に代わり五回の守備から急きょ出番が来た阪神・島田海吏外野手(29)は「せっかくもらったチャンスだったので、やれることをしっかりやろうということくらいしか考えていなかったですね」と平常心。安定した守備を見せ、七回の打席では木沢の149キロシュートを左前に運び、2打数1安打。「どこで出番がくるか分からないですけど、そこでしっかり結果を残すしかない。こういうプレーを毎日続けていきたいと思います」と出場機会増へ気合を見せた。

◆阪神・中野拓夢内野手(29)は四回の逆転劇の口火を切った。「ちょっと昨日の試合もあってという形で。先制されて嫌な流れというのもあったので、そこで自分が塁に出たら雰囲気も変わると感じていました」。先頭で石川のカットボールを右前へ運び、流れを引き寄せた。「大型連勝をしていて、ちょっと嫌な負け方をした後はすごく大事だと思っていたので、連敗せずに止められたというのはチームとしても大きいと思います」とチーム一丸の勝利を喜んだ。

◆3―2の八回から2番手で登板した阪神・石井大智投手(27)はヤクルト3番・内山からの好打順を三者凡退に抑えた。「1点差でしたし、クリーンアップというところでこの試合のヤマじゃないですけど、ゼロで抑えることができてよかったです」。これで28試合連続無失点となり、22ホールド目を挙げた。

◆七回に4―2とリードを広げ、なおも2死二塁で打席に入った阪神・坂本誠志郎捕手(31)はフルカウントから駄目押しとなる右翼越えの適時三塁打を放った。「2点差になって、ちょっと気楽に打席に入れました」。マスクを被ってはデュプランティエを好リードし6勝目をアシスト。「本調子じゃないというか、そんな中でも粘り強く投げてくれて、それが勝ちにつながったと思います」と助っ投をほめたたえた。

◆厳しさが表れた采配だった。阪神・藤川球児監督(44)が、四回に痛恨の走塁ミスを犯した左翼スタメンの豊田寛外野手(28)を〝懲罰交代〟だ。「豊田でそのプレーが起こるということは、ファームにいる選手たちというのは全員に起こり得るというところ。全体に対するメッセージになると思います」3―2と逆転した1死二、三塁。遊ゴロで三走・大山が挟殺された。ここで打者走者の豊田は二塁進塁を試みるもタッチアウト。さらなるチャンスが一瞬でしぼむと、指揮官は五回の守備から左翼に島田を送り出した。「豊田はまたこの壁を突破していかなければいけないし、そこまではきたけど、はね返されたわけでね」と奮起を促した。試合後、豊田は「ミスをしないように、しっかりとやらないといけない」と反省しきりだったが、2軍降格となる可能性もあり、その場合はファームで状態を上げている右打者の渡辺、原口らが昇格候補となるとみられる。首位独走も、藤川監督が戦う集団を引き締めていく。

◆高く上がった打球と右翼手・太田のかけっこが始まった。落ちるか、捕るか-。落下寸前に飛びついた太田だが、白球はグラブからこぼれた。満塁のランナーが一斉に走り出す。阪神・大山悠輔内野手(30)が同点の2点打で逆転勝利を呼んだ。「みんながチャンスでまわしてくれたので、どんな形でも得点したいと思っていました。先制された後でしたし、すぐに同点にできたのは良かったと思います」2点先制された直後の攻撃だった。無死満塁のチャンスで打席には大山。1ストライクからカットボールに反応すると、打球は右翼線に落ちた。今季満塁の場面で5打数無安打だった男が絶好の場面で大きな仕事をやってのけた。この日、3打数1安打で7月は月間打率・421と覚醒モードに突入中。節目の通算1000本安打まであと「3」とした。勝っても気を緩めないのが大山。喜びより悔いが残るシーンが頭の中で反芻(はんすう)される。「僕が挟まれて、もうひと粘りできなかった。それによって(豊田)寛がアウトになってしまった。それは僕の責任でもあるので申し訳ないと思います」。適時打を放った後、三塁走者となった1死二、三塁で豊田の遊ゴロで飛び出し、挟殺プレーであっさりアウトに。時間を稼げないまま、二塁を狙った豊田がタッチアウトとなり、チャンスをつぶしてしまった。「勝って反省できるので、あれは話し合っていかなければいけない。あした試合あるのでしっかり反省してやっていきたいです」背番号3は優勝のためにはどんな隙も許さない。(渡辺洋次)

◆前日11日に迎えた誕生日を甲子園で自ら祝った。阪神のジョン・デュプランティエ投手(31)が7回2失点と粘投し、4連勝で6勝目。今季3度目の2桁となる毎回の10奪三振で、DeNA・バウアー(97三振)を追い抜き、リーグトップの105奪三振となった。「それよりもチームが勝ったことが最高のプレゼント。100回聞かれても同じ言葉が出ると思うよ。(捕手の)坂本選手のおかげですと」一回、先頭の岩田を155キロ直球で空振り三振。続く武岡のバットも直球で空を切らせた。二回先頭の太田には内角フォークで空振り三振と燕打線を翻弄したが、四回無死二、三塁から太田の中前打で2点を先制された。29イニングぶりの失点に心は折れかけたが、坂本の励ましに加え、直後の四回に打撃陣が逆転してくれた。「楽しんで投げようという気持ちになったのがよかった」1点リードの七回2死二塁から武岡を内角低めのナックルカーブで10個目となる空振り三振を奪うと、とびっきりの笑顔をみせた。八回からは〝声だし〟でナインをベンチから勇気づけた。2点を追加した八回の攻撃中は、応援団のトランペットの演奏に合わせて、両手に持ったペットボトルをたたいて打撃陣にエール。「子供の気持ちに戻ったかのようにチームを応援していたよ。(自分を見て)ベンチにいた、みんなも楽しんでくれたね」と照れ笑いだった。球団の外国人選手では2018年のメッセンジャー以来のシーズン100奪三振を達成。来日1年目では02年のムーア以来、23年ぶりの快挙だ。「三振を取れば、(球場は)盛り上がる。メッセンジャー以来の(100奪三振)数字を出せたことは光栄に思う」と右腕。だが、お立ち台では「自分の仕事は三振を取ることではなくチームに勝てるチャンスを与えること」と言い切ると、グッズも発売されたおなじみのフレーズ「ボチボチイコカ~」でファンを沸かせた。これからも三振と白星を積み重ねていく。(三木建次)この日は米国から来日中のデュプランティエの父・ジョンさんが初めて甲子園で観戦。来日初登板の4月3日のDeNA戦(京セラ)も訪れたが、白星をプレゼントできなかっただけに、最高の親孝行となった。「甲子園に来る前に父にも話していたけど。(試合後に)『素晴らしいファンの人たちだね』と。ずっと僕をサポートしてくれて本当に感謝している」と声を弾ませた。

◆連敗せえへんで~!! 阪神はヤクルト戦に5-2で逆転勝ちし、2021年以来4年ぶりに12球団最速で50勝に到達した。2-2に追い付いた四回、小幡竜平内野手(24)が勝ち越しの右前適時打。さらに、1点リードの八回には適時二塁打で貴重な追加点をたたき出した。今季2戦2敗を喫していた45歳のベテラン左腕・石川を攻略。前日11日に連勝が11で止まったが、再び進撃開始や!!こだわりの相棒を握りしめ、全身で食らいついた。スコアボードに勝ち越しの3点目が刻まれる。11連勝が止まった翌日の大事な試合。今季初の決勝点を生み出した小幡が、虎に両リーグ最速の50勝を呼び込んだ。「2点入った中だったので気持ち的には楽でした。あっち側(右方向)に行ってくれたらゲッツーはないかなと。たまたま飛んだんですけど、よかったと思います」ヤクルト先発は45歳のベテラン・石川。虎は今季2戦2敗を喫していたが、試合前まで対左投手に打率・294だった小幡が「6番・遊撃」と打順を上げて先発出場。起用に応え、百戦錬磨のベテラン左腕を攻略した。2点を先制された直後の四回。大山の2点打で同点となり、なおも無死一、三塁で打席へ。フルカウントから一、二塁間を破った。「なんとかコトを起こそうと思って、必死に食らいついていった結果」。一気に逆転に成功し、試合の流れをつかんだ。さらに八回2死一塁では、大飛球で左中間を破る駄目押しの適時二塁打。「風のおかげです」と笑みをこぼしたが、この日2本目の適時打で10打点。キャリア7年目で初めて2桁に乗せた。

◆阪神の勝利は喜ばしい。でも、12日の関西方面の最大の話題は「ブルーインパルス」だった。かの有名な航空自衛隊のアクロバット飛行チームが、関西空港を飛び立ち、通天閣、大阪城、太陽の塔などの上空をめぐって、最終目的地の大阪・関西万博の会場の空へ。4月13日の万博開幕日は悪天候で延期されていたから、関西の人たちにとっては、まさに待望の〝再挑戦〟。狭い地域に伊丹、関空、神戸と空港が3つもあり、離着陸便が多いため、関西方面はブルーインパルスの飛行には、調整が非常に難しいんだとか。ナマで目撃した友人は「涙が出てきた」と言っていた。雄姿は、遠く離れた甲子園球場でも目撃できたらしい。「らしい」という表現が、トラ番記者がその時刻、いかに真剣に取材していたかを証明する。スタンドの上部から、バックスクリーンの後方へ目をこらせば見えたというが...。「阪神の練習の真っ最中ですよね。すっかり忘れていました」トラ番キャップ・須藤佳裕の答えはある意味、大正解。「必死で探してました」と言われると、困ってしまう。トラ番・中屋友那も正直だ。「あれ、カッコいいんですよね。ナマで見たこともないし、見てみたかったです。でも、練習中だったから」そんな中屋に、筆者がスマホの動画を見せた。「エッ、どこで見たんですか? いいなぁ」

◆ホッ。連勝の後に連敗はプロ野球あるあるだけど...取り越し苦労やった~!! 12球団最速の50勝、強いわー!!なのに、自身4連勝で6勝目を挙げたとはいえ、10三振を奪ってリーグトップの105奪三振にしたとはいえ、先発のデュプランティエはダメダメダメ~!! 四回、先制点を許すきっかけが先頭の内山の四球って...何しとんねん!! 次の五回も先頭の岩田を四球で出すし...こんなもん使えへんわ~!! 虎党の皆さん、デュープの役立たずぶりをSNSで世界中に拡散したってやー!!えっ? 厳し過ぎるって? し~っ(小声で)、デュープがサイコーなのは分かっとるわ!! せやけど絶賛しとったら来シーズン、メジャーに引っ張られる可能性ありありやんかー! よって、心を鬼にして阪神のために反デュープ運動をしとるんやんかァ!! 頼む、来季もいや、生涯タテジマでいてや~!!打撃陣では2安打2打点の小幡にレギュラーの風格をいよいよ感じたのだ。ここ数試合、スタメンを熊谷に譲っていたけれど、焦ることなく連日の2安打に安定した守り! 猛虎は強い上に日々たくましくなっとるでェ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
50322 0.610
(↑0.005)
-
(-)
59291
(+5)
183
(+2)
47
(-)
72
(+1)
0.250
(↑0.001
1.970
(-)
2
(-)
巨人
41403 0.506
(↑0.006)
8.5
(-)
59232
(+3)
237
(-)
50
(-)
36
(+2)
0.243
(↑0.001)
2.540
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
37404 0.481
(↓0.006)
10.5
(↓1)
62248
(-)
233
(+3)
43
(-)
40
(-)
0.227
(↓0.001)
2.690
(-)
3
(-)
広島
37404 0.481
(↓0.006)
10.5
(↓1)
62244
(+1)
249
(+7)
37
(-)
36
(-)
0.241
(↓0.001)
2.810
(↓0.06)
5
(-)
中日
36442 0.450
(↑0.007)
13
(-)
61206
(+7)
252
(+1)
41
(-)
53
(+1)
0.223
(↑0.001)
2.930
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
24495 0.329
(↓0.004)
21.5
(↓1)
65209
(+2)
313
(+5)
36
(-)
37
(+2)
0.223
(-)
3.560
(↓0.02)