広島(★3対6☆)阪神 =リーグ戦15回戦(2025.07.10)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:及川 雅貴(4勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝2敗19S))
敗戦投手:島内 颯太郎(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(23号・2回表ソロ)

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◆阪神が破竹の11連勝。阪神は2点を追う7回表、代打・糸原の犠飛と中野の適時打で同点とする。なおも続く好機で森下と佐藤輝の適時二塁打が飛び出し、試合をひっくり返した。投げては、3番手・及川が今季4勝目。敗れた広島は7回に救援陣が崩れ、痛い逆転負けを喫した。

◆阪神の10連勝の陰にはいくつもの好走塁があった。第1戦、第2戦は阪神の機動力が威力を発揮した。第3戦も広島バッテリーに「足」を意識させることになりそうだ。9日の第2戦。1-1と追いつかれた直後の3回1死満塁。佐藤輝明内野手(26)の併殺崩れの間に1点が入り、これが決勝点となった。完全に打たされた二塁正面への打球だったが、打った瞬間から全速力で走っていた。「大きかったですね」と本人も納得のシーン。前の打席では思い切り引っ張った痛烈な右越え弾を放っている。広島の二塁手・菊池涼介(35)は、通常の併殺狙いよりは深く守っていた。佐藤輝もその守備位置を頭に入れていた。隠れた好走塁は、このときの一塁走者の森下翔太外野手(24)だ。二塁は余裕のアウトではあったが、最後まで走路を外さず、遊撃手の小園海斗(25)の視界に入った。ぎりぎりで頭を下げて送球をよけ、楽に投げさせることはしなかった。効果のほどはともかく、「併殺崩し」の強い意識は2人が共有していた。警戒されながらスタートを切った近本光司外野手(30)と、一、三塁からの中野拓夢内野手(29)の二盗も効果的だった。全員が連動するように奪った珠玉の1点だった。10連勝の期間は、ちょうど梅雨明けと猛暑到来に重なったが、阪神の選手は集中力を失わず、誰1人として全力疾走を怠っていない。微差が大差となり、結果に表れ始めた。

◆苦い歴史を持つ阪神の逃げ切りなるか-。7月9日に広島を下してついに10連勝。貯金は今季最多の17、2位広島とは最大の8・5ゲーム差と圧倒的な数字が並んだ。「7・9」で思い出されるのは第1期・岡田彰布監督だった2008年。7月8日の時点で貯金は28。巨人(当時は3位)に、このシーズン最大となる13ゲーム差をつけていた。7月9日は試合なし。同10日からじりじりゲーム差が縮まっていった。夏の北京オリンピックで主力が抜けたことも重なり、巨人に大逆転優勝「メークレジェンド」を食らった。その"起点"となったのが7月9日だった。

◆侍ジャパンの井端弘和監督(50)がマツダスタジアムを視察に訪れ、阪神佐藤輝明内野手(26)の進化を絶賛した。今春の阪神沖縄キャンプを訪れた際に「この1年で20本台から間違いなく、40、50(本)といける選手なので、大いに今年は期待したい」と話していた主砲。「今年の春先、爆発的に伸びるのは佐藤選手と名前を出させてもらったと思いますけど。その通りになって来ているのかな、と思っています」とうなずいた。国際大会の対応力について問われると「うまく対応は、打席の中でもちょっとずつできてきているのかなとは思う。11月の韓国との強化試合とかでも、そのへんの対応力を含めて見たいなとは思います」と11月15、16日に行う韓国との強化試合に招集することを示唆した。この日は直接言葉を交わし「自分の打撃のことも、順序立てて説明してくれたので、非常によかったなとは思いますけどね。『あっ、今いいな』とか『言っていることをやっているな』という感じは出ているので、いいと思います」とした。

◆侍ジャパンの井端弘和監督(50)がマツダスタジアムまで視察に訪れ、阪神森下翔太外野手(24)の招集の可能性について言及した。森下は現在、12球団2位の57打点を挙げ、リーグ2位の15本塁打をマーク。「最初出足がよくて、途中ちょっと下がりましたけど、また盛り返してきて。長いシーズンなので、こういうこともありながら、シーズンを終えていくと思うんですけど」と分析。続けて「代表で呼ぶと最初から好調なので、そこらへんの作り方というか、非常にうまい選手なのかなと思っています。呼んでダメということは、今のところないのかなと思っています」と話した。侍ジャパンは11月15、16日に韓国との強化試合を行う予定だ。さらに侍ジャパンに招集経験のある才木浩人投手(26)、石井大智投手(27)について聞かれると「(才木は)成績自体は、本人は納得してないとは思うんですけど、きっちり試合作っていますし。元々いいボールは持っていますので。今年の春先にやる大会なので、万全ではどの選手も来られるのかなと。石井投手も、ちょっとアクシデントがあったんですけど、素晴らしいボールを投げているので。強気のね、攻めを続けてほしいなと思います」と期待した。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が3試合連続で先制点をもたらした。2回先頭で、2試合連続となる23号ソロと放り込んだ。左腕森翔平(27)の初球、124キロの真ん中スライダーを力まず振り抜いた。高く飛び出した打球は大きな弧を描いて右翼席に吸い込まれた。リーグトップの打点は59に伸びた。試合前には侍ジャパンの井端弘和監督(50)らが球場を訪問。会話も交わし、直接、大きな期待を寄せられた。本塁打、打点でトップを走るNPB随一の大砲について、同監督は「40、50(本)といける選手なので、大いに今年は期待したい。春先に、爆発的に伸びるのは佐藤選手と名前を出させてもらったと思いますけど。その通りになって来ているのかなと。(国際大会への)対応は打席の中でもちょっとずつできてきているのかなとは思う。11月の韓国との強化試合とかでも、そのへんの対応力を含めて見てみたい」と話していた。

◆阪神近本光司外野手(30)がシーズン100安打に到達した。3回2死からの第2打席で左腕の森翔平(27)に追い込まれたが、変化球をうまく左前に落とした。チーム82試合目での到達で、12球団一番乗り。過去6シーズンの年間最多は21年の178本。今年6月7日のオリックス戦(甲子園)で通算1000安打をマークしている。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)がシーズン自己最多本塁打に王手をかけた。2回先頭で右越えに23号ソロを放った。1年目の21年と23年に24本塁打をマークしたのが最多だが、この勢いだと更新は時間の問題だ。打点もリーグ単独トップの59に伸ばした。過去最多は23年の92打点。打率は2割8分台をキープしており、昨年の自己ベスト2割6分8厘を大きく上回る。3冠王の期待も膨らんでくる。盗塁もすでに8個で、22年の11個まであと3。出塁率なども含め、軒並みキャリアハイを残しそうなペースだ。>

◆阪神藤川球児監督(44)が与死球か否かに対するリクエストを行った。1-0の6回。先発の伊原陵人投手(24)が2死満塁のピンチを招き、桐敷拓馬投手(26)にスイッチ。桐敷は最初の坂倉将吾捕手(27)の右手付近に投球を当てた。坂倉は死球をアピールし、球審も死球とジャッジした。これに対して藤川監督はリクエスト。だが、リプレー検証の末、バットではなく手に当たっていると当初のジャッジが通り、押し出し死球で同点とされた。

◆阪神のドラフト1位左腕伊原陵人投手(24)が5回2/3を投げ、3安打6奪三振3失点で降板した。1-0の6回1死から大盛に左前打を許した。続く菊池は三振に仕留めたものの、小園、ファビアンに連続四球。2死満塁とした場面で降板した。投球数は103球で自己最多を更新。ブルペン陣に託し、悔しそうな表情でベンチに下がった。しかし、2番手の桐敷拓馬投手(26)が坂倉に押し出し死球。さらに秋山に中前2点適時打を許し、1-3と逆転されたため、伊原の勝ち星は消えた。今季はここまで広島戦で3試合に先発し、いずれも勝利投手となっていたが、4戦目にして初めて勝ち星を挙げられなかった。伊原は6月8日オリックス戦(甲子園)の5勝目以来、勝ち星から遠ざかっている。

◆阪神の連続2失点以下が、10試合でとぎれた。球団最長は56年6~7月の13試合だった。1-0で迎えた6回、好投を続けていた先発の伊原陵人投手(24)が1死から1番大盛に左前打を浴びた。続く菊池を空振り三振に仕留めるも、小園、ファビアンに連続四球を与え2死満塁で降板。代わった2番手桐敷拓馬投手(26)が坂倉に押し出し死球で1点を失うと、続く秋山に2点中前適時打を浴び、この回3失点を喫した。3失点以上したのは、4失点を喫した6月27日ヤクルト戦(神宮)以来となった。

◆広島が6回に逆転に成功した。6回6安打無四球1失点と力投した先発森翔平投手(27)が、3試合ぶりとなる1イニング複数得点を呼び込んだ。阪神に2連敗中だった左腕は、対戦2試合続けて失点を喫していた1回を無失点で滑り出した。2回には先頭佐藤輝に右翼席へ先制ソロを許すも、その後は粘った。「何とかチームが勝てるように。貢献できるように1イニングずつ頑張りたい」。打線の援護がない中で走者を背負いながらも追加点を許さなかった。5回は2死走者なしから3連打で満塁としたが、中野を三ゴロ。6回は中軸を3者凡退に切り、6回まで88球を投げ切った。その裏、先頭で回ってきた打席で代打を送られたが、打線が奮起した。8試合ぶり先発の大盛の安打から2四球で満塁とすると、代わった桐敷から押し出し死球で同点。さらに6月12日ロッテ戦以来の先発となた秋山が中前打で2点を勝ち越した。

◆11試合ぶりに3点以上取られた阪神だが、打線がすぐさま押し返した。1-0の6回、先発伊原陵人投手(24)が招いた2死満塁で登板した桐敷拓馬投手(26)が3人ともかえして逆転された。だが直後の7回、1死二、三塁から代打糸原健斗内野手(32)が中犠飛でまず1点。中野拓夢内野手(29)が左前に落として3-3。続く森下翔太外野手(24)の右中間への2点適時二塁打で5-3と、すぐに再逆転に成功した。さらには佐藤輝明内野手(26)も左中間への二塁打でもう1点加えた。前日までの10連勝中は最少失点での逃げ切りパターンが決まっていた。今回はそれが崩れた格好だが、打線が奮起。伊原の負けも消した。

◆阪神森下翔太外野手(24)が逆転となる勝ち越し2点二塁打を放った。1-3と逆転された直後の7回。3-3と追いつき、なお2死一、二塁で右中間を深々と破った。この2打点で今季59打点とし、ソロアーチを放っていたトップの佐藤輝明内野手(26)に一度は並んだ。

◆阪神が2リーグ制後の球団最長タイとなる、怒濤(どとう)の11連勝とした。この日試合がなかった巨人が勝率の差で2位となり、3位広島とともにゲーム差は9・5に拡大。これでリーグ独占中の貯金は18に増え、阪神以外の5チームは借金となった。最短で7月16日にマジック46が点灯する。球団史上最速優勝となる18年ぶりリーグ制覇へつながった23年9月1~14日以来の11連勝。1リーグ時代に記録した、球団最長の14連勝も見えてきた。先制は阪神だった。2回先頭で、佐藤輝明内野手(26)が右翼スタンドへ23号ソロ。21、23年にマークした自己最多24本塁打に王手をかけた。先発の伊原陵人投手(24)は5回まで散発2安打無失点と好投。しかし6回に連続四球で2死満塁のピンチを招き降板。代わった2番手桐敷拓馬投手(26)が坂倉に押し出し死球を与えると、続く秋山に2点中前適時打を浴びこの回3失点で、一時勝ち越しを許した。それでも直後の7回、先頭豊田の四球、代打前川の内野安打から1死二、三塁の好機。代打糸原健斗外野手(32)の中犠飛で1点をかえすと、さらに2死一、二塁で中野拓夢内野手(29)の左前適時打で同点。なおも2死一、二塁で、森下翔太外野手(24)が中堅へ2点適時二塁打を放ち勝ち越すと、佐藤輝がエンタイトル二塁打で続き、この回5得点で一気に逆転した。連続2失点以下は10試合で途切れたが、連続2ケタ安打は今季最長の6試合と継続。勢いはまだまだ止まらない。阪神が6月28日ヤクルト戦から11連勝。阪神の11連勝以上は、23年9月以来9度目。藤川監督は1年目で、新人監督の11連勝は21年中嶋監督(オリックス)以来となり、セ・リーグでは82年安藤監督(阪神)以来43年ぶり。阪神では46年に14連勝の藤村監督、前記安藤監督に次いで3人目。7回の森下の勝ち越し打が決勝点。森下の勝利打点(V打)は両リーグ最多の15度目。前半戦までにV打を15度もマークしたのは、昨季の岡本和(巨人)以来5人目。セ・リーグで15度は83年原(巨人)と前記岡本和に並ぶ最多タイ。

◆勝ちパターンが崩れ、阪神に逆転負けを喫した。同一カード3連敗で、阪神戦は8連敗。6月20日以来の借金1となり、3位に転落した。首位とは9・5ゲーム差に開いた。逆転もつかの間だった。3-1と逆転した直後の7回。2番手島内颯太郎投手が乱調だった。先頭豊田への四球から1死二、三塁とすると、代打糸原には中犠飛を打たれて1点差となった。2死二塁から近本に再び四球。続く中野にもボールが先行し、カウント3-1からの真っすぐを左翼へ打たれて同点に追いつかれた。試合前まで防御率0・30だった右腕が2点を失い降板。代わった森浦も勢いづいた阪神打線を止められず、森下、佐藤輝に連続適時二塁打を浴びた。続く大山に四球を与えた森浦は、1アウトも取れずに降板となった。6回まで好投続けた先発森を援護できなかった打線は、森に代打が送られた6回裏に一時は逆転した。2四球などで満塁とすると、代わった桐敷から押し出し死球で同点。秋山の中前打で2点を勝ち越した。再逆転を許した終盤8回は1死から3連打で満塁をつくったものの、モンテロ、代打中村奨が凡退した。

◆阪神が2リーグ制後の球団最長タイとなる、怒濤(どとう)の11連勝とした。この日試合がなかった巨人が勝率の差で2位となり、3位広島とともにゲーム差は9・5に拡大。これでリーグ独占中の貯金は18に増え、阪神以外の5チームは借金となった。最短で7月16日にマジック46が点灯する。阪神が6月28日ヤクルト戦から11連勝。阪神の11連勝以上は23年9月以来9度目。藤川監督は1年目で、新人監督の11連勝は21年中嶋監督(オリックス)以来となり、セ・リーグでは82年安藤監督(阪神)以来43年ぶり。阪神では46年に14連勝の藤村監督、前記の安藤監督に次いで3人目。なお、6回に3失点し、連続試合2失点以下の記録は10試合で止まった。7回の森下の勝ち越し打が決勝点。森下の勝利打点(V打)は両リーグ最多の15度目。前半戦までにV打を15度もマークしたのは、昨季の岡本和(巨人)以来5人目。セ・リーグで15度は83年原(巨人)と前記岡本和に並ぶ最多タイ。広島戦は8連勝となった。阪神の広島戦8連勝以上は、同一シーズンでは81年に引き分け2つをはさみ12連勝して以来だが、引き分けなしの8連勝以上は76年の9連勝以来。7月4日のDeNA戦から、6試合連続2桁安打。6試合連続2桁安打は14年以来。球団最長は08年の10試合連続。

◆2026年に迫ったWBCの選考を進める侍ジャパン・井端弘和監督(50)が視察に訪れた。阪神の試合前練習時には、ベンチで約20分間、藤川球児監督(44)と談笑した。前回WBCメンバーの中野拓夢内野手(29)、プレミア12で全試合4番として起用した森下翔太外野手(24)や、現在盗塁、安打数でリーグトップを走る近本光司外野手(30)と挨拶を交わすシーンもあった。強力な投手陣と本塁打&打点ともにリーグワンツーを独占する佐藤輝、森下を中心とした攻撃陣。首位を独走する阪神勢からの選出に注目が集まる。

◆10連勝中の阪神はドラフト1位の伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が先発する。ここまで17試合に登板して5勝2敗、防御率1・26。広島には4試合で3勝0敗、防御率0・47と抜群の相性を誇っている。中継ぎ待機する門別啓人投手はこの日が21歳の誕生日。6月27日にリリーフとして昇格後、ここまで出番はないが、登板機会が訪れるか。広島の先発は対右の日打率が・274の森。「6番・左翼」には豊田寛外野手(28)が名を連ねた。

◆視察に訪れた侍ジャパン・井端弘和監督(50)が来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の選考に向け、阪神勢について話した。「自分が監督になってから広島では小園選手、阪神では森下選手を全部呼んでいますので、そこの2人には期待したい。森下選手は昨年4番で使わしてもらいましたし、チャンスに強いので次のWBCでも期待したいなと思っています」自ら、現在セ・リーグ2位の15本塁打、57打点と好調をキープする森下翔太外野手(24)の名前を出した。昨年11月に行われた「プレミア12」では全試合4番で起用。今季も勝負強さを見せる森下に「代表で呼ぶと最初から好調なので、その辺の作り方が非常に上手い選手。呼んでダメということは、今のところないのかなと思ってます」と全幅の信頼を寄せた。今春の強化試合に招集し、今季は22本塁打、58打点の2冠を走る佐藤輝明内野手(26)にも言及した。「今年の春先に『爆発的に伸びるのは佐藤選手』と名前を出させていただいたと思うんですけど。その通りになってきてるのかなと思っていますんで、このまま静観して見てようかなと。内野に戻ってきて良かったなと思っています」3月のドジャース戦での本塁打に始まり、圧倒的な成績を残す虎の主砲の飛躍を予感していた井端監督。3月の強化試合の際には「向こうもじっくりと腰を据えて、会話がずっと長く続けられたので。なんかちょっと変わったな」と変化も感じ取ったという。メンバー選考も始まっていく中で、強打の三塁手として期待されている。「打席の中でうまく対応はちょっとずつできてきているのかなと、11月の韓国戦の強化試合でも対応をみたい」と、秋季合宿への招集を示唆した。

◆阪神が佐藤輝明内野手(26)の2試合連続本塁打となる23号ソロで先制に成功した。0-0の二回、先頭で打席に立つと、広島の先発・森が投じた初球の真ん中スライダーをバットに乗せて右翼スタンドに運んだ。佐藤輝は今カード3試合連続で先制打をマーク。直近4試合で3本目のアーチを放ち、量産態勢に入っている。この日は侍ジャパンの井端弘和監督(50)が視察に訪れ、阪神の選手とも交流。来年3月に開催されるWBCに向けて、持ち味をアピールした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が二回、2試合連続本塁打となる先制の23号ソロを放った。佐藤輝明「打ったのはスライダー。最高のかたちで先制できてよかったです。初球からいいスイングができたと思います。まだ序盤ですし、この後の打席もチームに貢献できるように、そして少しでも伊原を援護できるように頑張ります」

◆阪神・近本光司外野手(30)が1-0で迎えた三回2死の第2打席で左前打を放ち、12球団最速で今季100安打に到達した。入団から7年連続で100安打を達成。球団では1953年から60年まで8年連続で達成した吉田義男以来2人目の快挙となった。五回の第三打席では内野安打を放ち、101安打目を記録した。

◆阪神が六回に3点を失い広島に逆転を許した。先発した阪神のD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は五回まで広島打線を2安打に抑える圧倒的な投球を披露。しかし1-0で迎えた六回に1死から大盛に安打、小園に四球を与えてこの日初めてピンチを背負った。4番・ファビアンに対しては、追い込んでからストライクゾーンぎりぎりに直球を投げ込むも、球審・梅木の右手は上がらず四球。伊原は思わずマウンドでしゃがみ込み、悔しさを露わにした。2死満塁とし、藤川監督は2番手・桐敷をマウンドへ。しかし、坂倉に押し出し死球を与えて同点に追いつかれると、続く秋山に勝ち越しの2点打を浴びた。チームとして3失点は6月27日のヤクルト戦(神宮)以来11試合ぶり。ここまで得点は佐藤輝のソロによる1点のみ。打線が反発力を見せ、逆転勝利に導けるか。

◆阪神D1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は六回途中まで3安打3失点で降板した。6勝目はならなかった。「前回登板でリズムが悪かったので今日はストライク先行で勝負していこうという意識で試合に臨みました。ランナーを出しても五回まではテンポよく投げることができました。六回の投球を結果からみると小園選手への四球が痛かったです。ああいった場面を粘り切る投球ができるような力をつけていきたいです」

◆逆転を許した直後に打線が反発力を見せ、阪神がすぐさま逆転に成功した。1-3で迎えた七回、広島の2番手・島内から先頭の豊田が四球を選ぶと、続く代打・前川が内野安打でつなぐ。坂本が犠打を決めて1死二、三塁と好機を広げ、代打・糸原の犠飛で1点を返した。さらに近本が四球を選ぶと、ここまで無安打だった2番・中野がカウント3-1からの高め直球を左前に運んで、同点の走者が生還。打線が奮起し、好投を見せたD1位・伊原(NTT西日本)の負けを消した。ここで広島ベンチは3番手・森浦にスイッチ。2死一、二塁で打席に立った森下翔太外野手(24)がカウント2-1からの高めチェンジアップを捉えると、打球は右中間を真っ二つ。2人の走者が生還し、勝ち越しに成功した。これだけでは終わらない。続く佐藤輝明内野手(26)がフルカウントからの外角149キロ直球を片手ではじき返すと、打球は外野の頭を越えてワンバウンドで左中間スタンドへ。エンタイトルツーベースで12球団最速で60打点に到達した。4安打を集中させ、この試合チーム10安打に到達。2014年9月以来11年ぶりとなる、6試合連続二桁安打とした。

◆阪神・糸原健斗内野手(32)が1-3の七回、代打で中犠飛を放った。この回5得点のビッグイニングの流れを作った。「打ったのはストレート。(坂本)誠志郎がしっかり送ってくれたのでなんとかランナーを還したかったです。犠牲フライでしたが最低限の仕事ができてよかったです」

◆阪神が劇的な逆転勝利で広島をスイープ。2023年9月1日のヤクルト戦(神宮)からリーグ優勝を決めた同14日の巨人戦(甲子園)で記録して以来となる2年ぶりの11連勝を達成した。打線は二回に佐藤輝明内野手(26)の23号ソロで先制。3点を奪われ逆転された直後の七回には、代打・糸原の犠飛と中野の適時打で同点に追いつくと、森下翔太外野手(24)の2点二塁打で勝ち越し。さらに佐藤輝のエンタイトルツーベースで1点を重ね、一挙5得点。佐藤輝は12球団最速で60打点に到達した。先発した伊原陵人投手(24)は六回途中3失点で降板。五回までは広島打線を2安打に抑え込むも、六回に安打と2四球を与えて降板。2番手で登板した桐敷が走者をかえし、チームとして11試合ぶりに3失点を喫した。それでも逆転してからは及川-石井-岩崎が無失点リレーを完成させて逃げ切り。敵地6連戦全勝で11日からは「ウル虎の夏2025」が開催される本拠地ヤクルト戦に臨む。

◆阪神が逆転勝ちで、1リーグ時代を含めて9度目の11連勝を飾った。二回、佐藤輝明内野手(26)の今季2度目の2試合連続本塁打で先制。六回、D1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が2死満塁で降板し、2番手桐敷拓馬投手(26)が押し出し死球と中前打で3点を失った。しかし直後の七回、代打糸原健斗内野手(32)の中犠飛と中野拓夢内野手(29)の左前打で同点。森下翔太外野手(24)、佐藤輝の連続適時二塁打で5点を奪った。チームの3失点以上は6月27日ヤクルト戦(神宮)以来で、連続2失点以下試合は「10」で途切れた。近本光司外野手(30)は三回の左前打で、新人から7年連続年間100安打。リーグトップの佐藤輝は60打点で、森下とは1差。石井大智投手(27)は27試合連続無失点。

◆阪神は逆転された直後の七回に、豊田が粘って四球を選んだ。各打者が追い込まれてもしぶとく粘って、次の打者につなぐ野球ができている。続く代打・前川も追い込まれながら内野安打。坂本が最もプレッシャーがかかる状況で1球で送りバントを決めると、代打・糸原も追い込まれながら犠飛。1番から5番までが阪神の強さという評価は正しいのだが、6番から下位でも得点できるのが今の阪神。しかも、走者を置いたケースでは全員が、センターから逆方向を徹底している。七回の森下、佐藤輝の連続適時二塁打は、その象徴的なシーンだった。捕手目線でいえば、最も厄介な打線だ。クリーンアップが強力で、その前後にしぶとい打者が並ぶ打線といえば、黄金時代の西武を思い出す。秋山、清原、デストラーデがいて、石毛、辻、伊東、田辺らが脇を固める。一時代を築いたあの打線をほうふつさせる。点の取り方では、あの打線を上回っているのではないか。逆転された桐敷も、再逆転で落ち込む必要はなくなった。投打のバランスが取れて、本当に隙のないチームになりつつある。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
49312 0.613
(↑0.005)
-
(-)
61283
(+6)
175
(+3)
47
(+1)
71
(-)
0.249
(↑0.001
1.920
(↓0.01)
2
(1↑)
巨人
39403 0.494
(-)
9.5
(↓0.5)
61227
(-)
236
(-)
49
(-)
34
(-)
0.242
(-)
2.590
(-)
3
(1↑)
DeNA
37384 0.493
(-)
9.5
(↓0.5)
64247
(-)
228
(-)
42
(-)
40
(-)
0.229
(-)
2.700
(-)
3
(1↓)
広島
37384 0.493
(↓0.007)
9.5
(↓1)
64242
(+3)
240
(+6)
37
(-)
34
(-)
0.243
(-)
2.760
(↓0.04)
5
(-)
中日
34442 0.436
(-)
14
(↓0.5)
63197
(-)
250
(-)
40
(-)
52
(-)
0.221
(-)
2.980
(-)
6
(-)
ヤクルト
23485 0.324
(-)
21.5
(↓0.5)
67201
(-)
305
(-)
35
(-)
34
(-)
0.222
(-)
3.550
(-)