巨人(☆5対4★)中日 =リーグ戦12回戦(2025.07.08)・きらやかスタジアム=
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中日
0100100114803
巨人
000100103X5911
勝利投手:バルドナード(1勝0敗0S)
敗戦投手:清水 達也(4勝1敗1S)

本塁打
【中日】細川 成也(5号・2回表ソロ),石伊 雄太(1号・5回表ソロ),上林 誠知(11号・8回表ソロ)
【巨人】泉口 友汰(3号・7回裏ソロ)

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◆巨人が劇的なサヨナラ勝利。巨人は2点ビハインドで迎えた9回裏、1死一二塁から代打・中山の適時打で1点差に迫る。なおも続く好機では、丸の2点適時三塁打が飛び出し、試合を決めた。投げては、5番手・バルドナードが今季初勝利。敗れた中日は、3番手・清水が誤算だった。

◆3年ぶりの山形開催に、巨人が次なる一手を打って臨む。将棋が有名な土地での試合を前に、阿部慎之助監督(46)がリチャード内野手(26)を1軍昇格させた。「長打はある。代打でいてくれたら相手も不気味だろうし。昨日、桑田(2軍監督)さんとも話して。取り組みとかもいいし、報告も受けてるから。それはずっとね、続けてほしいなと思ってます」5月にトレードでソフトバンク加入したロマン砲。1軍に即合流して2本塁打を放ったが、打率0割9分5厘と低迷して6月13日に2軍降格となっていた。その後も快音が遠ざかる日々を過ごしたが、直近5試合では16打数7安打の打率4割3分8厘、1本塁打、6打点とアピールしていた。1発のある"飛"び道具を手駒に置く。三塁手は坂本勇人内野手(36)が好調さを保っており、「(スタメンは)勇人を休ませるときくらいかな。相手のピッチャーを見てチャンスあげたい」と見据える。「後半戦が始まってから言ったけど、戦力としてはね、なかなか厳しい状況だけど、何とか食らいついていく阪神に」と、首位との8ゲーム差を追う中で、貴重な飛び駒となりそうだ。9日には自力V消滅の可能性もある中、「何が起きるか分からないし、それが楽しいんだよ」と頼もしい。自身の引退年だった19年を引き合いに出す。球宴前に同率2位のDeNA、阪神に9・5差も、球宴後1カ月もたたずに2位DeNAに0・5差まで迫られた。「じわじわじわじわって迫られたりした。そういうのもあるから。それがあると思って、こっちはやるしかない。追いかける立場の方がまだ楽だと思うから。追われる立場の方がしんどいのは経験済みだから。それをプラスに思ってやるしかない」。戦局を覆す一手を常に考えながら、"王手"をあきらめない。

◆3年ぶりの山形での一戦を前に、太陽降り注ぐ屋外球場に快音が響いた。7日に1軍合流したリチャード内野手(26)が打撃練習で次々に場外弾を放っていた。中には120メートルの中堅の大型ビジョン右をかすめて球場外へ消える特大の一発も。大汗をかきながら、試合に備えた。「変わらずにやることです」。練習後には短い言葉に覚悟を込めた。5月にトレードでソフトバンクから加入した。1軍に即合流して2本塁打を放ったが、打率0割9分5厘と低迷して6月13日に2軍降格となっていた。桑田2軍監督のもと、再び1軍の舞台を目指してきた。直近5試合の2軍戦で16打数7安打の打率4割3分8厘、1本塁打、6打点。阿部監督が「長打はある。代打でいてくれたら相手も不気味だろうし。昨日桑田さんとも話して。取り組みとかもいいし、報告も受けてるから。それはずっとね、続けてほしいなと思ってます」と昇格を決めていた。この日は練習中に阿部監督と約5分、1対1で身ぶりを交えて話し込む場面もあった。「上がってきて、あいさつできてなかったので」と活躍を誓った。

◆巨人は会場に長嶋茂雄終身名誉監督の追悼記帳所を設置した。試合前から多くの人が列を作った。6月3日に死去した国民的スーパースター。老若男女問わず訪れる中、庄内在住の70歳の男性は「本当に国民にここまで愛された方はいないのでは」と悼んだ。小学生時代に初めて長嶋さんのプレーを観戦し、監督時代の東京ドームにも足を運んだことがあるという。「われわれの時代の偉大な人ですね」を飾られた写真を眺めていた。追悼記帳所は、9日に福島で開催される中日戦でも設けられる。

◆巨人の吉川尚輝内野手(30)が3番二塁でスタメン出場する。3番は6月15日オリックス戦(京セラ)以来。6月17日日本ハム(東京ドーム)から3番で連続出場を続けていた泉口友汰内野手(26)は6番遊撃に入った。4番は2試合ぶりに増田陸内野手(25)が務める。先発は岩手出身の巨人西舘勇陽投手(23)。東北への"凱旋(がいせん)登板"へ向け、「(東北では)2試合だけなので、2勝してというところはあると思う。1戦目で先発としてちゃんとやりたい」と福島開催の9日も含めた2連勝をにらむ。

◆中日細川成也外野手(26)が場外弾を放った。山形で行われた巨人戦。2回の第1打席、カウント1-0から、西舘のカットボールをさばき、左翼場外へ特大の先制5号ソロを放った。1日DeNA戦(横浜スタジアム)以来となるアーチ。先発のドラフト1位左腕金丸夢斗投手(22)に先制点をプレゼントした。

◆俳優の眞島秀和(48)が始球式を務めた。山形県米沢市出身。凱旋(がいせん)登板、初めての始球式で見事にストライク投球を決めると、「いや、緊張しました。全然緊張せず臨めるかなと思っていたら、やっぱりその球場の雰囲気とか、テンションも上がるものがあって楽しかったですけど」と笑顔で振り返った。背番号は87。敬意を込めて「両チームの選手がつけていない番号を」と選んだという。「そのリストの中から僕の愛犬のハナちゃんの87にしました」と説明した。

◆中日細川成也外野手(26)が先制の場外5号ソロを放った。2回、先頭打者で初打席を迎えると、巨人先発西舘の1ボールからの2球目を完璧に捉えた。白球は芝生の外野席を超えて場外へと消えていった。落下点にあったのは喫煙所。三浦理さん(55)はちょうどたばこに火を付けたところだった。外野席で観戦していたが、一服をしにきていた。「びっくりしました」と茂みに入ったボールを最初は本塁打と思わなかったという。この日は鶴岡市から友人と観戦に訪れていた。自身は横浜ファン。元横浜の細川の一発にも、「友人が中日ファンなので」と喜んだ。

◆昼間の暑さがまだまだ残る球場での出前「すしレース」も熱い展開となった。東京ドームでは3回裏終了時に開催される恒例の催しが、東北遠征でもお目見えとなった。アナゴとマグロが好スタート。タマゴは出遅れた。エビとコハダが食い下がるが、じりじりと引き離された。中盤からはアナゴとマグロのデットヒートとなったレースは、最後はアナゴが1着でゴールテープを切った。2着は1貫差でマグロ、3着エビ、4着コハダ、5着タマゴの順で入線した。通算成績はアナゴが15勝、エビ10勝(白エビ1勝を含む)、マグロ6勝、タマゴ5勝、コハダ4勝となっている。すしレース 3回終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの計5体。参加対象は公式ファンクラブ「CLUB GIANTS KIDS MEMBER」で当日の開場から1回裏終了まで応募受け付けし、東京ドーム内ファンクラブブースで抽選によって決定する。

◆中日のドラフト4位ルーキー石伊雄太捕手(24)がプロ初本塁打を放った。1-1で迎えた5回、カウント2-2からの6球目、129キロスライダーをとらえ、左翼席へソロを放り込んだ。値千金の一発。一塁ベースを回った後、右手でガッツポーズを作った。守っては先発のドラフト1位金丸夢斗投手(22)を好リード。打っても、同期入団の左腕を援護した。

◆"凱旋(がいせん)登板"に臨んだ巨人西舘勇陽投手(23)だったが、白星はつかめなかった。5回2失点、80球を投げ終え、1点を追う5回に代打を送られて降板。「追いついてもらった後の回、0に抑えて流れをつかまないといけなかったのですが、できずに悔しい」と肩を落とした。岩手出身の右腕。今季はこの日と今日9日の福島開催しかない東北でのマウンドの1つを託されていた。「勝つところを見せるのが一番いい形ではある。そのために頑張りたい」と誓っていた地で、苦杯をなめた。2回に先頭打者の中日細川に左翼へ豪快に運ばれる場外弾で先制点を献上。3、4回と3者凡退で抑えた後の5回には、石伊にプロ1号ソロで追加点を奪われた。3連続三振と波に乗ってきたかと思われた直後の落とし穴だった。自身にノルマを課していた。週頭のマウンドに上がるのは、前回1日の阪神戦(甲子園)に続いて2度目。6回2失点も黒星だった"頭デビュー戦"を念頭に、「前回6(回)で終わったんですけど、火曜日で投げている以上は7(回)はいきたい」。自覚と責任感を言葉にしていたが、その目標には届かなかった。杉内投手チーフコーチは「ドームと違い暑いが、条件は相手も同じなので1イニングでも長く投げてほしい」と見守っていた。前日、7月7日にちなんで願い事を聞かれると、思案の末に「このままローテーションで最後まで完走、シーズンを終われるように」と言葉に力を込めた。午後7時を過ぎても30度を超えた山形で、噴き出す汗を感じた悔しさを、次につなげていく。【阿部健吾】

◆中日先発のドラフト1位金丸夢斗投手(22)のプロ初勝利は、またしてもお預けとなった。7回5安打4三振2失点で降板。2-2で迎えた8回に2死から上林誠知外野手(29)が右翼場外へ勝ち越しの11号ソロを放ち、1度は勝ち投手の権利を得た。しかし、9回、まさかのサヨナラ負け。ベンチで見届けた金丸はしばらく、ぼう然としていた。過去6試合の先発では、好投しながらも勝ち星がつかなかった。この日も粘って、粘って、勝利まであと1歩のところまできたが、7度目の正直はならず。試練が続く。

◆巨人が土壇場で2点差をひっくり返し、サヨナラ勝ちを飾った。終始劣勢の展開で2度同点としたが、8回に中川が上林に決勝ソロを浴び、9回にバルドナードが追加点を許した。2点を追う、9回に代打佐々木が左前打で出塁。岸田がつなぎ、代打中山の左前適時打で1点差とすると、最後は丸がサヨナラの2点適時打で試合を決めた。丸は「本当に試合内容としては苦しい展開だった。その中でもたくさんの勇気をくれたファンのみなさんに感謝したい」。一塁ベース前で右手を挙げ「(外野の間を)抜けた瞬間右手を挙げたけど、らいと(中山)の足が僕のイメージよりも進んでいなくてどうかなと思ったんですけどナイスランだったと思います」と喜んだ。先発の西舘は5回4安打2失点だった。

◆中日ドラフト1位左腕金丸夢斗投手(22)は7度目の先発マウンドでも、プロ初勝利をつかめなかった。7回5安打4三振2失点で降板。8回、上林の勝ち越しソロで勝利投手の権利を得たが、9回、まさかのサヨナラ負け。ぼうぜんとしたまま、しばらくベンチで動けなかった。「目の前の打者を抑えることだけに集中していました。相手打線もすごいので、最後まで気が抜けなかった」。チームは今季ワーストを更新する借金11となった。

◆巨人中山礼都内野手がサヨナラ機を演出した。2点を追う9回1死一、二塁で中日清水の137キロフォークを左前にはじき返す適時打で1点差に迫った。4月9日DeNA戦以来、今季2本目となる貴重な代打適時打で追い上げムードを高め「ああいうときに1本出せるのはすごい自信にもなる」。阿部監督も「代打の難しさも知っていますが、ヒットでつないで素晴らしかった」とたたえた。

◆巨人が3年ぶりの山形で劇的勝利を飾った。2点を追う土壇場の9回に1死から4連打で試合をひっくり返した。代打佐々木、岸田、代打中山とつなぎ1点差に迫ると、最後は丸佳浩外野手(36)のサヨナラ2点適時三塁打で勝負を決めた。8連敗中だった"魔の火曜日"と決別する今季4度目のサヨナラ勝ち。3試合ぶりの白星で勝率を5割に戻した。うだるような暑さをしのぐ熱い一撃だった。「前の打者の(中山)礼都が1点取ってくれたので、気持ちが少し楽になった。変に硬くなることなく、思い切っていけた」。全身から汗が噴き出ながら、丸の頭は冷静だった。9回裏1点差に追い上げての1死一、二塁。中日抑えの清水の投じた3球目、121キロのカーブを捉えた。白球が右中間を破っていく。一塁から中山が一気に生還し、最終回で2点差をひっくり返すサヨナラ勝ちに、仲間から手荒い祝福を受けた。「みんながつないでくれたからね」と殊勲の36歳は感謝した。9回に追加点を奪われ2-4。阿部監督も「敗戦ムードだった」とベンチの雰囲気を感じていた。1死から代打佐々木、岸田が安打でつなぎ、さらに代打の中山が適時打で1点差。午後7時を回っても気温30度超えの山形に、最後の最後にこれ以上ないヒートアップが待っていた。「パワーをもらったのかな」。試合後に丸はつぶやいた。3年前の開催でも、決勝弾を放っていた、将棋の里。その時と同じホテルに泊まったが、チームが用意してくれた部屋は、22年と同じ「竜王の間」だった。球界屈指の将棋通は「すごく立派で、僕が使うのは本来はおこがましいんですけど、堪能させてもらいました」と気分も上々だった。巨人移籍後、サヨナラ本塁打は2本も、サヨナラ打は広島時代の16年9月1日DeNA戦(マツダスタジアム)以来で、サヨナラ三塁打は自身初にもなった。この日と9日に福島開催の東北シリーズ2連戦で2連敗なら、今日9日にも自力V消滅の可能性があった。背水の陣で、さらに土壇場に追い込まれてからの粘り、そして大逆転勝利。指揮官は「まだまだ食らいついていくぞっていうのは全員が思ってやってくれている」と興奮を抑えながらたたえた。丸も「最後まで諦めることなく、すごい投手から3点取れたのは自信にしたい」と呼応した。熱く価値ある1勝になった。【阿部健吾】----https://www.nikkansports.com/baseball/professional/score/-

◆6月3日に89歳で逝去した巨人元監督、長嶋茂雄さんの追悼記帳所が、巨人-中日が行われた山形県中山町のヤマリョースタジアム山形に設置された。山形県川西町から来場し、記帳した近野昌信さん(85)は「フルスイングや三塁からのきれいな送球が印象に残っています。野球の神様がいなくなってしまいましたよね」と悼んだ。記帳所は、福島市の福島県営あづま球場に舞台を移す9日も設置される。

◆巨人・井上温大投手が9日の中日戦(福島)に先発登板する。群馬・前橋市出身の左腕は「僕もあまりプロ野球の試合がある県じゃなかった。その一回がすごく思い出に残ると思うので、いい試合ができれば」と意気込んだ。今季は3勝6敗と黒星が先行しているが、開幕からローテーションを守り続けている。「地方球場で投げる回数はちょっと増えた。ある程度、イメージはできる」と語った。

◆山形・米沢市出身の俳優・眞島秀和(48)が地元山形で、人生初の始球式を務めた。ノーバウンド投球に「球場の雰囲気とかでテンションも上がって、楽しかったです」と笑顔で振り返った。ナインへ向け「山形では、子供のころから野球中継はジャイアンツでした。応援しています!」とエールを送った。

◆大逆転の〝シン・メークドラマ〟がここから始まる。リーグ3位の巨人は8日から山形、福島で中日との2連戦を戦う。試合前時点で首位・阪神とのゲーム差は8。決して簡単な数字ではないが、過去2度の大逆転優勝にシナリオが重なる。長嶋茂雄監督が指揮を執った1996年の「メークドラマ」は最大11・5ゲーム差、原辰徳前監督による2008年の「メークレジェンド」は最大13ゲーム差を逆転してセ・リーグの頂点に立った。いずれも最大差は7月8日だった。山形での公式戦開催は2022年以来3年ぶり。球場がある中山町の隣、天童市は日本一の将棋駒の産地として知られる。7試合連続2得点以下と得点力不足を打開すべく、阿部監督は右打ちの長距離砲、リチャードを1軍に合流させる一手を打った。「長打がある。代打で(ベンチに)いてくれたら相手も不気味だろうし」リチャードは5月上旬にソフトバンクからトレードで加入。2軍で最近9戦で3発を放っていた。この日の試合前練習では、フリー打撃で右方向へ軽々と柵越えを連発。「変わらずやるだけです」と口元を引き締めた。「何とか阪神に食らいついていく。何が起こるかわからない」と指揮官が話すように、一手一手虎を詰めていく。(原田優介)

◆巨人が逆転サヨナラ勝ち。2―4の九回1死一、二塁から代打中山の適時打で追い上げ、続く丸が2点打で試合を決めた。中日は九回に清水が打たれ、今季初黒星。ドラフト1位新人、金丸の好投に応えられず、チームは3連敗。

◆巨人・丸佳浩外野手(36)がサヨナラ打を放ちチームを勝利に導いた。巨人は1点を追う九回、1死一、二塁から代打・中山の左前適時打で同点に追いつくと、続く丸が右越えの2点適時打を放った。以下、丸のヒーローインタビュー。--今の気持ちを一言で「疲れました」--試合を振り返って「試合内容としてはずっと苦しい展開だったんで、そんな中でも最後の最後まで僕たちにたくさんの勇気をくれたファンの皆さんにまずは感謝したいです」--サヨナラの場面どんな気持ちで打席に立った「前のバッターの(中山)礼都があそこで1点取ってくれたんで、僕としては気持ちが少し楽になったというか、その分思い切っていけたと思います」--打球が抜けた瞬間の気持ちは「抜けた瞬間、右手を上げたんですけど、礼都の足が僕のイメージより進んでなくて、どうかなと思ったんですけど、最後まで必死に走ってくれて、ナイスランと思います」--山形のファンに向けて「今日は暑い中、最後まで熱い声援ありがとうございました。なかなか苦しい試合が続いてますけど、また明日、球場を変えてまた1からチーム一丸となって頑張っていきたいと思います」

◆巨人は九回に3得点を挙げ、劇的な逆転サヨナラ勝利。代打中山の適時打で1点差に迫り、丸が右越えに決勝の2点打を放った。勝率を5割に戻し、阿部慎之助監督(46)は「執念を見せてくれました。(一走の)中山、頑張って走れって思いながら見ていました」と語った。同点の八回に4番手中川が上林に勝ち越し弾を被弾。敗れれば昨秋のドラフト会議で1位指名し、4球団競合となり阿部監督が抽選に臨むも当たりくじを引けず、中日に入団した金丸夢斗投手(22)=関大=にプロ初勝利を献上するところだった。指揮官は「ものすごく大きな1勝だと思います。ただ、その一言に尽きます」と激戦を総括した。

◆中日ドラフト4位ルーキー、石伊雄太捕手がプロ初本塁打を放った。五回に西舘の甘く入った変化球を左翼席へ運んだ。試合には敗れただけに笑顔はなかったが「素直にうれしい。今後もたくさん打てるように頑張る」と引き締まった表情で話した。近大工学部を経て日本生命から入団。正捕手の木下が離脱した5月末からは先発マスクをかぶる機会が増えている。強肩自慢の24歳の新鋭が、この日は打撃でも存在感を示した。

◆山形の将棋パワーだ! 巨人・丸佳浩外野手(36)が8日、中日12回戦(山形)で九回に2点三塁打を放ち、チームを5-4の逆転サヨナラ勝利に導いた。球界屈指の将棋愛好家として知られ、将棋駒の生産量日本一を誇る天童市内に宿舎した前夜は「竜王の間」で過ごした。2022年にも同球場で決勝打。チームは勝率を5割に戻し、「シン・メークドラマ」の始まりを告げた。ドラマは最後に待っていた。山形のG党の願いを乗せた打球が、右中間を真っ二つ。同点、逆転の走者が生還し、劇的な幕切れ。逆転サヨナラ打を放った丸のもとへチームメートが駆け寄り、場内は大歓声に包まれた。「(中山)礼都がすごく難しい局面でいって、タイムリーを打ってくれた。僕としても楽になったというか、変に硬くなることなく(打席に)入れたと思う」2-4で迎えた九回の攻撃。相手のD1位・金丸(関大)にプロ初勝利を献上するまでアウト3つだった。3番手の清水を攻め、1死から連打で一、二塁とし、代打・中山が左前適時打で1点差。続く丸が右中間へ勝負を決める大きな一打を放った。好相性の地で〝勝負の一手〟を見せた。球界屈指の将棋愛好家として知られる丸。球場の隣街の天童市は、将棋駒の生産量で日本一を誇る。前夜は、天童市内の宿舎に用意された将棋部屋「竜王の間」に宿泊。将棋界最高峰のタイトル戦「竜王戦」の対局場としても知られる部屋で「そのパワーをもらったのかな」と感謝した。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
47312 0.603
(↑0.006)
-
(-)
63274
(+6)
171
(+1)
45
(-)
69
(+2)
0.247
(↑0.001)
1.920
(↑0.01)
2
(-)
広島
37364 0.507
(↓0.007)
7.5
(↓1)
66238
(+1)
231
(+6)
37
(-)
34
(+1)
0.243
(-)
2.710
(↓0.04)
3
(-)
巨人
39393 0.500
(↑0.006)
8
(-)
62225
(+5)
233
(+4)
47
(+1)
34
(-)
0.242
(↑0.001
2.590
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
37383 0.493
(↑0.007)
8.5
(-)
65243
(+4)
224
(-)
42
(-)
40
(+1)
0.228
(↑0.001)
2.700
(↑0.03)
5
(-)
中日
33442 0.429
(↓0.005)
13.5
(↓1)
64194
(+4)
248
(+5)
39
(+3)
50
(-)
0.222
(-)
2.990
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
23484 0.324
(↓0.005)
20.5
(↓1)
68197
(-)
301
(+4)
34
(-)
33
(+1)
0.222
(↓0.002)
3.550
(-)