1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 10 | 1 | 0 |
阪神 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 2 | 8 | 1 | 0 |
勝利投手:才木 浩人(6勝4敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝2敗16S)) 敗戦投手:西舘 勇陽(2勝2敗0S) |

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◆阪神は初回、佐藤輝の適時二塁打で1点を先制する。そのまま迎えた3回裏には、森下の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・才木が5回無失点。その後は5投手の継投でリードを守り、才木は今季6勝目を挙げた。敗れた巨人は、打線が再三の好機を生かせなかった。
◆巨人が阪神3連戦初戦のオーダーを発表した。坂本勇人内野手(36)が「7番三塁」でスタメンに名を連ねた。今季1号本塁打をマークした6月24日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、4試合ぶりの出場となった。先発は西舘勇陽投手(23)が務める。今季はここまで8試合(うち先発3試合)に登板して2勝1敗、防御率3・86。今季初めてカード初戦の先発を託された。前日6月30日は川崎市・ジャイアンツ球場で最終調整し「週の初めですし、中継ぎをあまり使いたくないという思いもあると思う。でも、自分の力以上は出ないので、受け入れながらというか、自分のやれることをやれれば」と意気込んでいた。
◆球団創設90周年の企画「タイガース レジェンズデー」の第4回として開催された。テーマは「バックスクリーン3連発」。85年の優勝時にクリーンアップを組み、巨人戦で3者連続アーチを記録したランディ・バース氏(71)、掛布雅之氏(70)、岡田彰布氏(67)の3人が試合前にグラウンドに姿を見せた。1人1人が打席に入って、ホームランシーンを"再現"するという演出。まずはバース氏。「3番ファースト、バース背番号44」のアナウンスに大歓声が起こった。往年の応援歌をバックにバース氏が左打席へ。マウンドからトラッキーがボールを投げたふりをすると、迫力満点のスイング。「バース選手、ホームランでございました」のアナウンスに再び拍手が起きた。続いて「4番サード、掛布、背番号31」のアナウンスで、掛布氏が左打席へ。ゆっくりとバットを振った。締めは岡田氏。「5番セカンド、岡田、背番号16」の紹介でスイングを披露した。最後は3人そろってバットをかついで記念撮影を行った。
◆阪神が2試合連続で上位打線を「開幕バージョン」で組んだ。3番森下翔太外野手(24)が2試合連続の右翼守備につき、佐藤輝明内野手(26)も同様に4番三塁で主軸を形成した。巨人戦では昨季から26イニング無失点の才木浩人投手(26)が先発マウンドに上がり、6月3日、日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約1カ月ぶりの6勝目を目指す。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が本塁打キングの"先輩"の激励に応えた。初回2死二塁で、西舘勇陽投手(23)の内角カットボールに差し込まれながら右翼線にもっていく先制二塁打。今季51打点として、トップの森下翔太外野手(24)1差とした。試合前には「レジェンズデー」で来場していた3冠王2度のランディ・バース氏(71)と対面した。2人は3月13日生まれの共通点があり、その話でも盛り上がったという。85年に54本塁打、86年は47本でタイトルを獲得。現在トップ20本塁打で、阪神ではバース氏以来の本塁打王へ突き進む同じ左の大砲に高い期待をかけた。「本当にナイスガイ。広角にボールを打って、強い打球をレフトの方向に打てばホームランが増えるし、ホームラン王になれると思います。これからの佐藤選手の活躍を見るのが楽しみです。しっかりレフト方向へ打つためには、やっぱりタイミングとか、反復練習でそのボールが切れずにそのままスタンドに入る、その練習が不可欠だと思います。彼はまだ26歳と若い。私の時代はもう30代に入っていたので、それをマスターする時間が十分あると思う」とアドバイスとともに、エールを送っていた。
◆元阪神のランディ・バース氏(71)が、阪神では自身以来となる佐藤輝明内野手(26)のホームラン王獲得へ太鼓判を押した。この日は球団創設90周年企画「タイガース レジェンズデー」の第4回として開催。スペシャルゲストとして来場したバース氏は、佐藤輝と対面したことを明かした。偶然にも同じ3月13日生まれ。「少しだけ話したんですけど、『いい誕生日になりますね』と言ってくれました。本当にナイスガイです」と人柄を絶賛した。ホームラン王へのアドバイスを聞かれると「引っ張るのだけではなく、広角にボールを打って、本当に強い打球をレフトの方向に打てばホームランが増えますし、ホームラン王になれるかなと思います。これからの佐藤選手の活躍を見るのが楽しみです」と助言。「佐藤選手に関して言うと、十分な力を持っている選手なので、ラッキーゾーンがあるかないかというのは関係ない。いいスタートを切ってるので、最後ゴールテープを切るまで頑張れば大丈夫と思います」。自身が2年連続で輝いた86年以来の3冠王へ、太鼓判を押した。この日のイベントのテーマは「バックスクリーン3連発」で、85年の優勝時にクリーンアップを組み、巨人戦で3者連続アーチを記録したバース氏が、掛布雅之氏(70)、岡田彰布氏(67)の3人が試合前にグラウンドに登場。1人1人が打席に入って、ホームランシーンを"再現"するという演出でファンを沸かせた。
◆阪神梅野隆太郎捕手(34)が久しぶりに「強肩発動」した。初回2死一塁。打者吉川尚輝内野手(30)のカウント1-1からの3球目に一塁走者のオコエ瑠偉外野手(27)がスタート。投球は外角高めへのボール球。梅野はスムーズに送球態勢に移り、二塁にどんぴしゃり。余裕をもってアウトにした。6月17日以来、2週間ぶりのスタメンマスクでさっそく存在感を示した。
◆巨人がチームとして31イニングぶりの失点を喫した。先発西舘勇陽投手(23)が初回に2死二塁のピンチを招くと、4番佐藤輝に右翼線への適時二塁打を浴びた。チームは前カードのDeNA3連戦で3試合連続完封勝利を飾っていた。4試合連続となれば74年8月20~24日以来、51年ぶりの球団タイ記録だった。西舘は登板前日に川崎市・ジャイアンツ球場で最終調整し「自分の力以上は出ないので、やれることをやれれば」と意気込んでいたが、初回で記録が途絶えた。
◆阪神森下翔太外野手(24)がパワーで1打点をつかんだ。1-0の3回1死三塁。中大の1学年後輩・西舘勇陽投手(23)に2球で追い込まれたが、カウント2-2からの5球目、内角高めの152キロを強引に振り抜いた。どん詰まりになったが、前進守備の遊撃手の頭上をわずかに越えていく左前適時打となった。リーグトップの打点を53に伸ばした。初回に佐藤輝明内野手(26)が51打点目を挙げ、1差に迫られていたが、再び2差に。虎の主砲2人のつばぜり合いが続いている。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が掛布雅之OB会長(70)とともに「サンテレビ ボックス席」のテレビ解説を行った。試合前には球団創設90周年レジェンズデーに85年のリーグ優勝、日本一時のクリーンアップ、ランディ・バース氏(71)とともに掛布会長、岡田顧問の3人が試合前のイベント、トークショーなどに出演した。3回までに阪神は佐藤輝、森下の適時打で2点のリードを奪った。しかし5番大山悠輔内野手(30)は得点圏に走者を置きながら2打席とも左飛で凡退。岡田顧問は「肉がつきすぎや。去年もウエート(トレ)をやるな、言うたんやけど。大きくなりすぎて、体が回っていない」と酷評した。大山は6月20日ソフトバンク戦(甲子園)で中前適時打を放って以来、この日の2打席目まで適時打がなく、6月までで打率2割4分6。森下、佐藤輝がともに50打点をクリアしているが、30打点と伸び悩んでいる。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が珍しい好走塁を見せた。5回1死から右翼線二塁打で出塁。続く森下翔太外野手(24)は一塁ファウルエリアに飛球を打ち上げた。これを巨人の一塁の増田陸内野手(25)が岸田行倫捕手(28)とぶつかりながらキャッチした。二塁ベースに戻っていた中野は、2人が倒れ込んだ様子を見てすぐスタート。そう距離があったわけではないが送球は間に合わず、余裕のセーフとなった。
◆阪神藤川球児監督(44)がイニング途中での守備交代を決断した。2-0で入った6回、1点差にされてなお2死二塁という場面で、左翼の前川右京外野手(22)に代えて、この日昇格したばかりの島田海吏外野手(29)を左翼に入れた。巨人が二塁走者を坂本勇人内野手(36)から俊足の門脇誠内野手(24)に代えた直後の守備交代だった。後続を抑えて、1点リードでイニングを終えた。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が掛布雅之OB会長(70)とともに「サンテレビ ボックス席」のテレビ解説を行った。試合前には球団創設90周年レジェンズデーに85年のリーグ優勝、日本一時のクリーンアップ、ランディ・バース氏(71)とともに掛布会長、岡田顧問の3人が試合前のイベント、トークショーなどに出演した。岡田顧問は6回から2番手登板した及川雅貴投手(24)をリリーフとしての好投を評価。「腕が振れている。(球を)置きにいっていない」とこの日まで35試合に中継ぎ登板での結果を褒めた。左腕には監督を務めていた昨季は先発も任せ、先発初勝利も。しかし、2度血マメを作っての降板したことを明かし、「本人は先発がやりたいみたい。(今年は)これだけ投げて血マメはできないんかな」と、首を傾げていた。
◆阪神が好守連発でリードを保った。2-1の7回。巨人の先頭・代打トレイ・キャベッジ(28)が詰まりながら右前に打ち返した。打球は止まりそうなほど勢いを弱めたため、キャベッジは一気に二塁を狙った。だが右翼の森下翔太外野手(24)が素早くチャージ。ベアハンドでボールをつかむと二塁にワンバウンド送球。小幡竜平内野手(24)もうまく捕球して、タッチアウトにした。さらに続く丸佳浩外野手(36)の大飛球を、中堅の近本光司外野手(30)がフェンスに張り付いてから、ジャンプしてキャッチ。2つのビッグプレーで4番手・桐敷拓馬投手(26)を救った。
◆球場アナウンスで「石井」の名が告げられると、スタンドは大歓声に包まれた6月6日のオリックス戦(甲子園)で頭部打球を受けた阪神石井大智投手(27)がこの日、1軍昇格即復帰登板を果たした。2-1の8回だ。先頭泉口を2球で左飛に仕留めた。吉川尚、増田陸に連打を許したが、虎党から「ガンバレ、ガンバレ、石井」のコール。続く中山を一ゴロ、門脇を左飛に打ち取り、無失点に抑えた。最速は151キロを計測。1球1球スタンドから大声援が送られた。試合前、石井は「今回、こうやって戻ってこれたので、しっかり自分の仕事をするだけです。ブルペンも複数回入っていますし、試合の時も前日にブルペンに入って連投という形だった。問題なく、そういう過程はクリアしてきた。全然大丈夫です。ただただ、早く復帰したいなという気持ちだけでした」と語っていたが、復帰戦ですぐさま結果を残した。6月6日のオリックス戦(甲子園)でライナーの打球が側頭部に当たり、救急搬送された。NPBのリハビリプログラムに沿って慎重に段階を踏みながら復帰の道を歩み、同17日に練習を再開。同29日ウエスタン・リーグ中日戦(SGL)で実戦に登板し、3者連続3球三振の快投を見せ、この日、1軍に昇格したばかり。救急搬送から25日。救援陣に欠かせない右腕が戻ってきた。
◆阪神はレジェンドが見守った「伝統の一戦」で勝利し、3連勝で首位を堅守した。貯金は再び2ケタの10となった。初回、先頭近本光司外野手(30)が左前打で出塁し、2死二塁から佐藤輝明内野手(26)が、巨人西舘の内角カットボールに差し込まれながら右翼線に持っていく先制二塁打を放った。さらに3回は、再び先頭の近本が右翼へ二塁打を放ちチャンスメーク。1死三塁で、森下翔太外野手(24)が遊撃手の頭上を越える左前適時打を放ち、リードを広げた。先発の才木浩人投手(26)は5回5安打無失点で今季6勝目。4回に3安打を許して2死満塁のピンチを招くも、坂本をフォークで空振り三振に仕留め、粘りの投球を見せた。また2-1で迎えた8回には、石井大智投手(27)がマウンドへ。6月6日のオリックス戦(甲子園)で頭部打球を受けてから、この日1軍復帰。即登板すると、先頭の泉口をシンカーで左飛。吉川、増田陸と連打を浴びて1死一、二塁とされるも、中山を一ゴロに打ち取ると、最後は門脇を左飛に仕留め、球場のファンから大声援を送られた。この日は、阪神球団創設90周年企画「タイガース レジェンズデー」の第4回が開催され「バックスクリーン3連発」をテーマに、伝説の3者連続アーチを記録したランディ・バース氏(71)、掛布雅之氏(70)、岡田彰布氏(67)が甲子園に集結。ホームランシーンを"再現"するという演出で沸かせたレジェンドに白星を贈った。
◆阪神先発才木浩人投手(26)が5回5安打5三振無失点で今季6勝目をマークした。対巨人戦は昨年8月31日同カード(甲子園)の初回に2点を失ったが、それ以降は「0行進」。26イニング連続無失点で迎えた先発だった。この日もGキラーの本領を発揮し、走者を許しながらも要所を締めた。最大のピンチは4回だった。先頭泉口友汰内野手(26)に中前打を許し、1死後、増田陸内野手(25)の左前打と中山礼都内野手(23)の右前打で満塁とされた。しかし、坂本勇人内野手(36)を空振り三振。続く岸田行倫捕手(28)を遊飛に仕留めて乗り切った。毎回走者を背負いながらも、蒸し暑い甲子園で粘りの投球。リードを守ったままブルペン陣につないだ。リリーフ陣の踏ん張りもあり、才木は6月3日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約1カ月ぶりとなる6勝目をマーク。巨人戦は今季3戦3勝とした。昨年から続く巨人戦連続無失点も継続。この日で31イニングまで伸ばした。
◆巨人は首位阪神に競り負けて、連勝が3でストップした。先発西舘勇陽投手(23)は初回、2死二塁から4番佐藤輝の右翼線への先制適時二塁打で先制を許すと、3回には1死三塁から3番森下に前進守備を敷いていた遊撃泉口の頭上を越える左前適時打を浴びた。6回6安打2失点の粘投も、3イニングで先頭打者を出す投球内容に「イニングの先頭を出塁させる機会が多くなってリズムに乗りきることができなかった。反省して次に生かします」とコメントした。打線も好機であと1本が出なかった。4回には1死満塁のチャンスをつくるも坂本が空振り三振、岸田が遊飛で無得点。阪神先発才木に対しては今季3戦3敗となった。6回には坂本勇人内野手(36)が2死一塁から右中間への適時二塁打を放ったが反撃及ばず。阪神とのゲーム差は4・5差に広がった。2桁10安打を放ちながら1点にとどまり、阿部慎之助監督(46)は「前半の振り返りをやったんだけど。データ通りでした」と打撃で苦しんできたここまでの戦いに重ね合わせた。あと1本出れば...の展開が続くことに「永遠のテーマなんでね」と悩ましい胸の内をのぞかせた。
◆阪神藤川球児監督(44)が完全捕球に関するケースでリクエストを行った。8回の攻撃。1死一塁から代打ラモン・ヘルナンデス内野手(29)の打球は二遊間へ。二塁手がさばいて、遊撃の泉口友汰内野手(26)にトス。泉口は一塁に転送しようとしたところでボールをこぼした。審判の判断は「完全捕球」のあとの落球のためアウト。阪神側はこの判定に対してのリクエストを行ったが、リプレー検証でも判定は変わらなかった。
◆阪神石井大智投手(27)が1点リードの8回に復帰登板した。6月6日のオリックス戦(甲子園)で頭部打球を受けてから、この日1軍復帰。先頭の泉口をシンカーで左飛。吉川、増田陸と連打を浴びて1死一、二塁を背負ったが中山、門脇を打ち取り、大声援を浴びた。復帰初戦で離脱前同様に、セットアッパーを託した藤川球児監督(44)は「かなり前からプラン組んで、このジャイアンツ戦に向けてというところで。先週の週末はこちらでいるメンバーで頑張って。今日から石井が合流するというところで、本当に結果に表れて。彼に任せる部分は大きいし、いい活躍だったと思います」と説明。石井は6月6日のオリックス戦(甲子園)で打球を側頭部に受け救急搬送。NPBの脳振とうリハビリプログラムに沿って調整。29日のウエスタン・リーグ中日戦で3者連続3球三振の快投で実戦復帰させた青写真通りの1軍復帰登板に肩をなで下ろした。「オールスターブレイクまでは、ブルペンの形をつくっていく作業に入りたかった。再構築するというのは交流戦終わった段階で少し遅れていると言いましたけど、石井が戻ってきて、形になってくる」。貯金も2桁10に戻した。藤川阪神にV奪回への大きなピースが戻ってきた。
◆巨人は首位阪神に競り負けて、連勝が3でストップした。阪神とのゲーム差は4・5差に広がった。僅差の戦いの中で、阿部慎之助監督(46)が落胆するプレーがあった。1点を追う7回。先頭打者として代打出場したトレイ・キャベッジ外野手(28)が詰まりながらも右前へ運んだ。不振に悩む中、6月17日の日本ハム戦以来2週間ぶりの安打に、一塁を回って二塁を狙いヘッドスライディングを見せたが、惜しくもタッチアウトとなった。試合後に振り返りを求められた指揮官は「アグレッシブであれを済ましていいのかっていうね。すごい野球知りませんっていうのと、アグレッシブ...まあ紙一重かもしれないですけど、そうでは済ましてほしくないですよね。アグレッシブにいって、セーフの試しがないからね」と言及。イニング、点差、打順などかと聞かれ、「状況判断はできてませんってなっちゃいますよね」と語った。キャベッジは「点差をもうちょっと考えて走塁するべきだったかなと思う」と切り出し、「自分がファーストキャンバスを蹴った時点では、まだライトの森下選手のところにボールが飛んでなかったので、行けるかなと思ったんですけど、もうちょっと考えるべきだったかなというふうに思います」と振り返った。先発西舘勇陽投手(23)が初回に失点しながらも6回2失点で粘投し、終盤の逆転に望みをつないでいた。打線は好機であと1本が出ない展開が続いていただけに、悔やまれる判断となった。
◆巨人西舘勇陽投手(23)が6回6安打2失点の粘投も2敗目を喫した。初回2死二塁から佐藤輝に右翼線への適時二塁打を浴び、先制点を献上。3回には1死三塁から森下に左前へ運ばれた。4回以降は無失点でしのぎ、クオリティースタート(6回以上、自責3以内)を達成したが「あんまり流れが良くなるようなピッチングではなかったので。攻撃につなげられない内容だった」と反省した。
◆巨人坂本勇人内野手(36)が反撃の一打を放った。「7番三塁」で6月24日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、4試合ぶりのスタメン出場。6回2死一塁の第3打席に右中間を破る適時二塁打。だが、4回1死満塁で回ってきた第2打席では空振り三振に倒れ「誰もが思ってると思いますが、(自分でも)前の打席で打てよと思いました」とコメントした。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が2試合連続マルチ安打をマークした。巨人に1点差に迫られた直後の6回裏に左翼線を破って出塁し、8回も1死から左前打。ただいずれも追加点につながらず。逆に初回2死二塁で左飛、3回1死一、二塁は左直に倒れ「いいところで打ってないですから」と得点機での凡退を悔やんだ。大山は今季の巨人戦13試合すべてで安打をマークしている。
◆反撃ムードをかき消す"暴走"が手痛かった。巨人が首位阪神との初戦を1点差で落とした。6回に坂本の適時二塁打で1点差に迫った。直後の7回は先頭の代打キャベッジが阪神桐敷から右前打を放つも、一気に二塁を狙ってタッチアウト。次打者が1番丸、1点差の終盤となれば、無死一塁の意味合いはとてつもなく大きかった。引き寄せるはずだった反撃の機運が一瞬にして消えた。ベンチで思わずうつむいた阿部監督は強く改善と反省を促した。「アグレッシブであれを済ましていいのかっていうね。うん、野球を知りませんっていうのと、アグレッシブ...まあ紙一重かもしんないけど、そうでは済ましてほしくないですよね」と指摘。勝負の潮目でのプレーだっただけに「状況判断ができてませんってなっちゃいますよね」とも続けた。キャベッジ本人も猛省した。「点差をもうちょっと考えて走塁するべきだった」とし、「自分が一塁を蹴った時点では、まだライトの森下選手のところにボールが飛んでなかったので、行けるかなと思ったんですけど、もうちょっと考えるべきだったかなというふうに思います」と話した。首位阪神とのゲーム差は4・5に拡大した。才木には昨季の7月30日から6連敗。同8月31日の2回から31イニング連続無得点となったが、5回までに5安打を放ち、あと1本のところまで迫ったことは次戦以降への収穫。阿部監督は「(あと1本は)永遠のテーマなんでね。タイガースに1つでも勝てれば断然ね、流れが来ると思うので、それ目指して明日頑張ります」と締めた。【為田聡史】
◆阪神梅野隆太郎捕手(34)が石井の復活劇を喜んだ。8回、ピンチをしのぐとすぐに近寄り、笑顔で体を寄せながらベンチに戻った。「表情もいつもと変わらず、心強かった。自信を持って強い球を投げていた。ナイスピッチング、お帰りって感じです。ピンチでも追いつかれず、粘れる精神力は本当に大事です」。自身も2週間ぶりの出番だったが、6投手を1失点でリードした。
◆阪神中野拓夢内野手(29)が2犠打で勝利に貢献した。初回の無死一塁から犠打。3回にも犠打に成功。いずれも得点につながった。「それが自分の仕事。クリーンアップにいい形でつなぐ意識でやっているので良かったと思います」。打っても5回に二塁打。さらに走塁では5回1死二塁、森下の一邪飛で巨人の増田陸と岸田が交錯したことを見逃さずタッチアップして三塁へ。走攻守で持ち味を発揮した。
◆阪神森下翔太外野手(24)が、オールスター最多得票御礼の躍動を見せた。1点リードで迎えた3回1死三塁。巨人西舘は5球連続の直球攻め。「なかなか全球真っすぐは頭になかったですけど、結果として1点取れたんで良かったかなと思います」。152キロに詰まりながらも、遊撃の頭上を越える左前適時打。これでリーグトップの打点を53に伸ばした。さらに守備では7回。右前打を放ったキャベッジが、勢いが弱まる打球を見て二塁を狙うと、右翼の森下はすかさずチャージ。素早くボールを右手で直接つかんで二塁送球しタッチアウトにした。「積極的に走塁してくる選手だなと思っていたので、自分もしっかり捕球して、冷静だったかなと思います」。試合前には球宴のファン投票結果が発表され、外野手部門で森下は12球団最多得票の77万8130票を獲得。期待にたがわぬ好プレーでチームを救った。この日は6月上旬に頭部打球を受けた石井が復帰登板。8回にマウンドに上がり、0に抑える姿を見て、森下も気持ちを新たにした。「リリーフ陣もタフな試合が続いているので、なかなか消耗していると思う。その中で大智さん(石井)が1人増えたら大分違うと思う。大智さんにつなげられるようにできれば、しっかり抑えてくれるので、継続してやっていきたいです」。強力ブルペンが守る得点を、たくさんもぎとって見せる。【磯綾乃】
◆輝サン、スゴ~イね。阪神佐藤輝明内野手(26)が本塁打キングの"先輩"の激励に応えた。初回2死二塁から右翼線に運ぶ先制二塁打。これが決勝打になった。試合前には「レジェンズデー」で来場した3冠王2度のランディ・バース氏(71)と対面。阪神ではバース氏以来の本塁打王へ突き進む同じ左の大砲が魅せた。チームは3連勝で首位を堅守。貯金は再び2桁の「10」となった。佐藤輝が大先輩の激励に応えた。初回2死二塁。西舘の内角カットボールにやや差し込まれながらも、右翼線に先制二塁打。ロースコアの競り合いでこれが決勝点に。お立ち台に近本、森下と3人で並んだ。「先制点を取りたかったので、どんどん積極的にいきました。ちょっと詰まっていたんですけど、いいところに飛んでくれたかな。うまく打てましたね」球団が創設90周年を記念するシリーズ企画「レジェンズデー」の第4弾。今回は優勝した85年に生まれた伝説「バックスクリーン3連発」がテーマ。バース氏、掛布氏、岡田氏の3人が来場。試合前、甲子園には懐かしい応援歌が流れ、オールドファンならずとも胸を躍らせた。その裏で、佐藤輝はバース氏と再会を果たしていた。「頑張れよ」「いい誕生日だね」。同じ3月13日生まれ。佐藤輝も当然知っていた。何かと縁を感じる20本塁打でトップを独走中。阪神から本塁打王が出れば85年、86年のバース氏以来、39年ぶりだ。「本当にナイスガイ」と後輩に笑顔を向けたバース氏の期待は高い。「広角に打って、強い打球をレフトの方向に打てば本塁打が増えるし、ホームラン王になれると思う」。その通り、佐藤輝は今季、甲子園の浜風に乗せるような中堅から左翼への本塁打を増やした。「その反復練習が不可欠。彼はまだ26歳。それをマスターする時間が十分ある」と背中を押した。佐藤輝も「その通りだと思うので、広角に打てるように頑張ります」と応じた。チームを引っ張る背番号8。バックスクリーン3連発について聞かれる「3連発、やりたいですね」。森下、大山との主軸トリオなら全く不可能ではない。同期入団の石井の復帰戦とも重なった。「本当によく帰ってきてくれたと思う。いつも通りの素晴らしい投球を見せてくれて、安心しました」と力に変えた。打点は森下に2差とピタリ追走の51とした。そのバットでチームを3連勝に導き、甲子園をさらに熱くした。【柏原誠】
◆阪神近本光司外野手(30)が攻守で見せた。初回の左前打を皮切りに、3回に右翼へ二塁打。、7回には左中間へ二塁打。3安打2得点の活躍だった。3安打猛打賞は今季9度目。「甲子園に帰って来て、まず1本出て気持ち的には楽になった。僕と中野が塁に出て、3番4番で返すというチームの形で勝てたらいいなと思います」。守っても7回、丸の大飛球をフェンスに張り付きながらジャンプして好捕。ヒーローインタビューでは「(グラブに)マジ感謝って言いました」と明かした。
◆阪神先発才木浩人投手(26)が5回5安打5三振無失点で降板した。ここまで巨人打線をねじ伏せてきた。今季の対巨人戦は完封を含む2戦2勝。昨年8月31日同カード(甲子園)の初回に2点を失ったが、それ以降は「0行進」。26イニング連続無失点で迎えた先発だった。この日もGキラーの本領を発揮し、走者を許しながらも要所を締めた。最大のピンチは4回だった。先頭泉口友汰内野手(26)に中前打を許し、1死後、増田陸内野手(25)の左前打と中山礼都内野手(23)の右前打で満塁とされた。しかし、坂本勇人内野手(36)を空振り三振。続く岸田行倫捕手(28)を遊飛に仕留めて乗り切った。毎回走者を背負いながらの投球だったが、蒸し暑い甲子園で粘りの投球。リードを守ったまま、ブルペン陣につないだ。昨年から続く巨人戦連続無失点は31イニングまで伸びた。
◆阪神才木浩人投手(26)が5回5安打5三振無失点で今季6勝目を手にした。今季の対巨人戦は完封を含め3戦3勝。昨年8月31日(甲子園)の初回に2点を失ったが、それ以降は「0行進」。31イニング連続無失点となった。「粘りながらでしたけど、とりあえずゼロでいけたのは良かった。中継ぎに負担かけて申し訳ない」。今季最短5回だけに降板勝利への悔しさをにじませた。最大のピンチは4回。先頭泉口に中前打を許し、1死から増田陸、中山の連打で満塁を背負った。坂本を空振り三振、岸田を遊飛に仕留めて乗り切った。「結構ギア入れて投げられたのでそこは良かった」。兵庫県に熱中症警戒アラートが出る悪条件も、汗を拭い91球を投げ抜いた。開幕からまかされた6連戦初戦の定位置は変わらない。「次回は長いイニングを任せてもらえる投球ができるように頑張ります」。白星の中でも、昨季4完投のイニングイーターは復権をにらんだ。
◆阪神は3連勝で首位を堅守し、貯金は再び2ケタの10となった。また2位広島がヤクルトに引き分けとなったため、2位とのゲーム差は今季最大の4に広がった。3位巨人とは4・5、4位DeNAとは5・5となっている。阪神は初回2死二塁で佐藤輝明内野手(26)の右翼線への二塁打で先制すると、3回1死三塁で森下翔太外野手(24)が遊撃手の頭上を越える左前適時打を放ち、リードを広げた。先発の才木浩人投手(26)は5回5安打無失点で今季6勝目。また2-1で迎えた8回には、6月上旬に頭部打球を受けた石井大智投手(27)がマウンドへ。この日1軍復帰し即登板すると、1回2安打無失点でつないだ。
◆この日1番の歓声に包まれながら、阪神石井大智投手(27)が帰ってきた。6月6日オリックス戦でピッチャーライナーが頭部に直撃。目を覆いたくなるようなアクシデントから25日ぶりの1軍登板だ。「甲子園で投げるのは最高だなと。ピンチを作りましたけど、しっかりゼロで抑えられた。死ぬ気で抑えてやろうと」8回に登板。2死一、三塁を招くも最後は門脇を左飛に打ち取り、無失点で踏ん張り抜いた。藤川監督も「どんな場面でも変わらずやってくれる。非常に強いピース」と絶賛した。頭部に打球が当たった瞬間、目を開けても前が見えなかった。「脳が停止したんだと思う」。幸い意識はあったが、病院へ即搬送。1週間は動く度にめまいと吐き気が襲った。当然、家族から寄せられた少なくない心配。一方、自分自身はいたって冷静だった。「多分、周りが思っている以上に僕は別に何も思っていない。起こるべくして起こっていることだと思っているから」アクシデント当日にも、石井はひとつの信条を明かしていた。試合の数時間前、練習後の会話だった。「プロ人生でどれだけ投げるかも、もっと言えばいつ死ぬかも決まっていると思う。ただ、そこのレールに乗っていくだけ」日々、明暗が分かれる中継ぎ投手。結末は全て初めから決まっていると考えるのが石井流だ。当然、投球の反省は怠らない。とはいえ「めっちゃネガティブ」と自負する性格上、悪い結果を引きずるのも良くない。試行錯誤の末、たどり着いた心の整え方だった。「打たれても『生まれる前から今日は打たれる日だったんだろうな』と。自分の心が楽になるから」今回の出来事も考え方は同じ。決まっていたことだと割り切るからこそ、恐怖や不安は一切残っていない。リハビリ中も笑顔であっさりと今回の件を振り返っていた。「そういうことです。人生は」。心身ともに頼もしい右腕がブルペンに帰ってきた。【波部俊之介】
◆2位に3・5ゲーム差で首位を走る阪神は、才木浩人投手(26)がリーグ戦再開後初めてマウンドに上がる。前回対戦の5月20日には完封勝利を挙げるなど、対巨人5連勝中の右腕が伝統の一戦でも勝利に導く。打線は2試合連続中の森下翔太外野手(24)もGキラーの一人。今季打率・356、本塁打も4本を記録するなど得意としている。この日は「マイナビオールスターゲーム2025」のファン投票の結果も発表され、両リーグトップ得票で初の球宴出場が決まった背番号1が、御礼の一打を放つ。この日から登録された石井大智投手(27)もベンチに入った。
◆阪神は1日、球団創設90周年を記念した「Tigers Legends Day」のトークショーを甲子園歴史館多目的ホールで開催。1985年の伝説のバックスクリーン3連発で知られるランディ・バース(71)、OB会長の掛布雅之(70)、オーナー付顧問の岡田彰布(67)の3氏が登場した。バース氏は「センター方向に強い打球を打とうと思っていたが、たまたまフェンスを越えた」と振り返ると、掛布氏は「僕の(打球)はバックスクリーンに入ってませんからね。やや左側なんですよ」と明かし、岡田氏も「ほんのちょっとだけ、左ね」とフォローした。バース、掛布の2打席連続アーチの後、打席に入った岡田氏は「僕は1球目は打たなかった。(ファンの歓声が)やかましかったから」と言った後、「俺だけですよ。(巨人の中堅)クロマティが打球を追っかけなかったのは。俺のが一番いい打球だった。俺が打ってなかったら、こんなに言われていなかったし。最後が一番難しい」と話した。
◆「Tigers Legends Day」として開催され、阪神が日本一となった1985年の伝説のクリーンアップ、OBのランディ・バース氏(71)、掛布雅之OB会長(70)、岡田彰布オーナー付顧問(67)の3人が試合前の「スイングセレモニー」のイベントに参加した。バース氏から順にバッターボックスに立ち、スタンドの応援団が現役時代のヒッティングマーチを演奏して声援を送る中でトラッキーのエア投球に合わせて笑顔でスイング。それぞれ中堅奥バックスクリーンに飛び込む本塁打となり、球場がホームラン時のテーマを流す演出を行った。85年4月17日の巨人戦(甲子園)の七回の攻撃での伝説シーンを再現した。
◆阪神が一回に好守で無失点発進した。先発・才木は先頭の丸を左邪飛に抑えたあと、続くオコエを四球で出塁させた。だが、泉口に痛烈にはじき返された右翼への飛球は、森下が体を切り返しながら背走し、フェンス手前で好捕。さらに吉川の打席では一走・オコエにスタートを切られるも、6月17日のロッテ戦(甲子園)以来となるスタメンマスクをかぶった梅野が二塁への矢のような送球で二盗を阻止。難しさのある一回のマウンドに立った右腕をバックが、グラブで肩で、しっかりと援護した。
◆阪神が一回に先制点を挙げた。巨人先発の2年目右腕・西舘に対し、救援での過去6度の対戦では全19打者が無安打だった中、まずは先頭の近本が左前打で出塁。続く中野が投前バントを決め、チャンスを生み出した。2死後には打席に4番・佐藤輝。内角の143キロの変化球を引っ張り込み、痛烈な当たりで右翼線へはじき返した。二走・近本は悠々と生還し、佐藤輝は激走で二塁に到達。勢いあふれる攻撃には、甲子園が大いに沸いた。この日は「マイナビオールスターゲーム2025」(第1戦=7月23日・京セラ、第2戦=24日・横浜)の出場選手を決めるファン投票の最終結果が発表され、近本(外野手部門2位)、佐藤輝(三塁手部門1位)はともに選出された。ファンから大きく支持を集めたドライチコンビの〝御礼打〟で、巨人の2年目ドライチ右腕の出鼻をくじいた。
◆阪神が一回に先制点を挙げた。巨人先発の2年目右腕・西舘に対し、救援での過去6度の対戦では全19打者が無安打だった中、まずは先頭の近本が左前打で出塁。続く中野が投前バントを決め、チャンスを生み出した。2死後には打席に4番・佐藤輝。内角の143キロの変化球を引っ張り込み、痛烈な当たりで右翼線へはじき返した。二走・近本は悠々と生還し、佐藤輝は激走で二塁に到達。勢いあふれる攻撃には、甲子園が大いに沸いた。この日は「マイナビオールスターゲーム2025」(第1戦=7月23日・京セラ、第2戦=24日・横浜)の出場選手を決めるファン投票の最終結果が発表され、近本(外野手部門2位)、佐藤輝(三塁手部門1位)はともに選出された。ファンから大きく支持を集めたドライチコンビの〝御礼打〟で、巨人の2年目ドライチ右腕の出鼻をくじいた。「打ったのはカットボールかな。チャンスメークをしてもらったので、思い切って打ちにいくだけでした。得点につながって良かったです」とコメントした。
◆阪神は1-0の三回、森下翔太外野手(24)が左前適時打を放って1点を加えた。先頭の近本光司外野手(30)が右翼手の頭上を越える二塁打を放って出塁。続く中野拓夢内野手(29)が投前への犠打を決めて1死三塁とし、打席は森下。カウント2-2から西舘の直球を引っ張った打球は遊撃手・泉口の後方へ落ちる左前打となり、近本が2点目のホームを踏んだ。森下は6月27日~29日のヤクルト3連戦(神宮)で2本塁打を含む4安打を放ち、試合前の時点で52打点はリーグトップ。この日最終結果が発表された「マイナビオールスターゲーム2025」(23日=京セラドーム、24日=横浜)で初めて選出された。ファンへの恩返しも込め、返ってきた本拠地でもしっかり走者をかえす仕事を果たした。
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発し、2-0の四回に背負った大ピンチを乗り越えた。先頭・泉口に中前打を許すと、1死後には増田陸、中山に連打を浴びて無死満塁。長打で逆転の可能性もある大ピンチを背負った。しかし、まず坂本をフォークで空振り三振に仕留めると、岸田は2ボールから、バットを折らせる内角寄りへの150キロ直球で詰まらせ、ハーフライナー気味の遊飛斬り。援護の2点目をもらった直後の大事なイニングもスコアボードにはしっかりとゼロを刻んだ。
◆阪神は1-0の三回、森下翔太外野手(24)が左前適時打を放って1点を加えた。先頭の近本光司外野手(30)が右翼手の頭上を越える二塁打を放って出塁。続く中野拓夢内野手(29)が投前への犠打を決めて1死三塁とし、打席は森下。カウント2-2から西舘の直球を引っ張った打球は遊撃手・泉口の後方へ落ちる左前打となり、近本が2点目のホームを踏んだ。森下は6月27日~29日のヤクルト3連戦(神宮)で2本塁打を含む4安打を放ち、試合前の時点で52打点はリーグトップ。この日最終結果が発表された「マイナビオールスターゲーム2025」(23日=京セラドーム、24日=横浜)で初めて選出された。ファンへの恩返しも込め、返ってきた本拠地でもしっかり走者をかえす仕事を果たした。「打ったのはストレート。ランナー三塁のチャンスで回してもらったので、何とか得点につなげたいと思って打席に入りました。詰まった当たりでしたが、内野を越えてくれて良かったです」とコメントした。
◆巨人担当ペン記者の短パン姿が〝解禁〟された。昨年に続き、阿部監督が熱中症のリスクなどに配慮して報道陣に「短パンだぞ!」と推奨。サンスポの谷川、浜浦両記者を含む半数以上が着用し、捕手の岸田は「いいですね~。見ているこっちも涼しいですよ」と、ほほ笑みを向けてくれた。
◆打者として、進化の歩みは止めない。巨人・増田陸内野手(25)は7年目の今季、既にキャリアハイの打席数を更新するなど故障離脱した岡本に代わり一塁のレギュラーに定着。飛躍のシーズンを過ごす中でも、もう一つ、さらに上のレベルを目指して成長を続けている。6月29日のDeNA戦(東京ドーム)。右方向への打撃についての悩みを打ち明けた増田陸に対し、亀井打撃コーチが橋渡し役となって、DeNAで2度の首位打者に輝いた右の好打者、宮崎を紹介した。試合前の練習中、三塁ベンチ前で増田陸は「右方向にも多く安打を打っているので、どういうふうに打っているのか聞きました」と気になっていたことを質問。宮崎は敵チームにも関わらず、独特な感覚的な話を丁寧に答えてくれたという。増田陸は「初対面だったのに、すごくよく話していただいた」と感謝し、亀井コーチも「同じ右打者で、非常にありがたい。陸もまじめなので、どんどん吸収しようとしている」と頭を下げた。十数分に渡って開講された〝宮崎塾〟を終えた増田陸は、その足で打撃練習へと向かい早速、右方向への打撃を反復。同日の試合でも第1打席、結果こそ中飛ながら、右中間へ力強い打球を放ち「こういう風にやると決めて、1打席目でああいう打球が打てたのはよかった。自分の引き出しとして持っていければ」。感謝の思いを胸に、若武者は進化を続ける。(浜浦日向)
◆阪神・中野拓夢内野手(29)が「2番・二塁」で出場。五回の攻撃で神走塁を見せた。1死から右翼線二塁打で出塁すると、続く森下の打球は一塁ベンチ前付近のファウルゾーンへ高く打ち上がった。白球を追った巨人の捕手・岸田と一塁・増田陸は同時に落下点に入り、やや交錯。最終的に捕球するも、寝転がるように背中からグラウンドに倒れ込んだ増田陸の動きを見て、中野は迷いなく三塁へスタートを切った。増田陸は横にいた岸田の合図を受けてから三塁へ送球したが、中野の三塁ベースへの到達が早く、判定はセーフ。結果的に追加点にはつながらなかったが、果敢な走塁に虎党から喝采を浴びた。
◆阪神・才木浩人投手(26)が5回5安打無失点で降板した。一回は1死からオコエに四球を出したが、泉口、吉川を凡退させてゼロ発進。その後も毎回走者を背負いながら、ピンチをしのぐ投球を続けた。四回には3安打を許して1死満塁を招いたが、坂本を空振り三振、岸田を遊飛に打ち取ってゼロに抑えた。五回まで91球を投げて無失点に抑えたが、2点リードの六回からは2番手・及川雅貴投手(24)にマウンドを譲った。5回降板は勝利を挙げた5月6日の巨人戦(東京ドーム)に次いで今季最短となった。
◆2日の阪神戦に先発する井上温大投手(24)は、ブルペンで投球練習を行うなど調整した。6月17日以来、中14日での登板。同じ甲子園での阪神戦で挙げた5月21日の3勝目を最後に勝ち星から遠ざかる左腕は「(登板間隔が空いた)時間を大切に使って、良い状態で臨めている。チームが勝つことが一番ですが、自分も粘り強く、少しでも長い回を投げられればいい」と意気込んだ。
◆阪神は六回に2死一塁で登板した3番手・湯浅京己投手(25)が坂本に右中間への適時打を浴びて1点を失った。先発した才木浩人投手(26)のあとを受けて六回から及川雅貴投手(24)が2番手で登板。先頭の吉川を右前打で出し、その後2死を取って2死一塁としたところで湯浅が登板。2打席連続で三振していた坂本に初球の直球を狙い打たれ、右中間を深々と破られ一塁走者の生還を許した。チームは6月28日、29日のヤクルト戦(神宮)で2試合連続の零封勝利。今季は5月31日、6月1日の広島戦(マツダ)、3日の日本ハム戦(エスコン)で3試合連続の零封勝ちを収めており、この日の試合は球団初となる同一シーズン2度目の3試合連続零封がかかっていたが、六回についえる形となった。
◆巨人・坂本勇人内野手(36)が六回2死一塁で右中間を破る適時二塁打を放った。「7番・三塁」でスタメン起用され、4試合ぶり、リーグ戦再開後は初出場。第1打席、第2打席はともに好機で空振り三振に倒れたが、0-2の六回の第3打席、代わったばかりの湯浅の初球、145キロの直球を右中間深くへはじき返した。通算465本目の二塁打で意地を見せ、代走・門脇と交代した。「誰もが思ってると思いますが、(自分でも)前の打席で打てよと思いました」とコメントした坂本。6月29日のロッテ戦で今季初本塁打を含む3安打をマークするなど調子を取り戻しつつある。
◆阪神が好守の連続で投手を盛り立てた。2-1の七回、マウンドには4番手の桐敷が上がった。先頭の代打・キャベッジには一、二塁間への痛烈な打球を浴びる。二塁の中野が飛びついてグラブに当てるも捕りきれず、打球は右翼の前に転がった。これを見たキャベッジは二塁へ向かうも、右翼の森下が素早く二塁に転送。矢のような返球でヘッドスライディングをしたキャベッジを刺し、ピンチの芽を摘んだ。さらに直後の丸には中堅に大きな打球を打たれるも、これは近本がフェンスに体をぶつけながらボールをつかみ、スーパープレーを披露。続くオコエは空振り三振に斬り、相手の上位打線を3人で退けた。
◆巨人・西舘勇陽投手(23)が先発し、6回6安打2失点の力投。80球で打順が回り降板した。1年目の昨季、中継ぎとしてプロ初勝利を挙げた甲子園での初先発。2点を先取されたが、粘りの投球で四回以降はゼロを並べた。
◆頭部に打球を受けて戦列離脱を経て、1軍復帰した阪神・石井大智投手(27)が2-1の八回にマウンドに上がった。6月6日のオリックス戦(甲子園)以来となる1軍登板で、1イニングを無失点に抑えた。八回に入る直前に場内アナウンスで石井の名前が告げられると、スタンドのファンからリリーフカーに乗る石井に向けて大きな声援が送られた。先頭の泉口を左飛に打ち取り1死を取った後、吉川と増田陸に連打を許して一、二塁とされた。中山を一ゴロ、さらに2死一、三塁で門脇を左飛に打ち取り切り抜けた。
◆不振にあえぐ巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(28)が1点を追う七回、先頭の投手西舘の代打で出場。詰まりながらも振り抜き、しぶとく右前へ運び、6月17日の日本ハム戦以来、自身2週間ぶりの安打をマークした。詰まった打球が右前に転がるのを見て果敢に一塁を回り、二塁へ全力疾走でヘッドスライディングを見せたが、惜しくも及ばず二塁でタッチアウト。好機を広げることはできなかった。
◆阪神が接戦を逃げ切り、3連勝とした。一回から先頭の近本光司外野手(30)が安打で出塁すると、2死二塁となって佐藤輝明内野手(26)の適時二塁打で先制に成功。三回にも再び近本が二塁打でチャンスメークすると、1死三塁から森下翔太外野手(24)が左前適時打で追加点を奪った。この2点を最後まで守り切る。先発の才木浩人投手(26)は5回無失点でマウンドを降りるも、6投手の継投で逃げ切った。八回にはこの日頭部打撲から戻ってきた石井大智投手(27)が復帰登板。2本の安打を浴びたが2死一、二塁で門脇を左飛に抑えて踏ん張った。最後は岩崎が締めて16セーブ目をマーク。1985年に伝説のバックスクリーン3連発を放ったバース、掛布、岡田が見守る前で勝利を収め、7月を白星でスタート。さらにこの日村上、大山、佐藤輝、森下、近本がファン投票でオールスターゲーム出場が決定しており、ファンへの御礼の勝利を届けた。
◆七回1死、巨人・丸佳浩の打球を好捕した阪神・近本光司=甲子園球場(撮影・松永渉平)
◆セ3位の巨人は10安打を放ちながらも1得点に終わり、連勝は3で止まった。阿部慎之助監督(46)が苦言を呈したのは、七回先頭で代打起用されたトレイ・キャベッジ外野手(27)だ。キャベッジは桐敷から詰まりながらも右前へ運び、6月17日の日本ハム戦以来、2週間ぶりの安打をマーク。打球が右前に転がるのを見て果敢に一塁を回り、全力疾走で二塁にヘッドスライディングしたが、タッチアウト。六回の坂本の適時二塁打で1点差に詰め寄っていただけに、この回は先頭打者の出塁で反撃ムードを作りたかったが、暴走気味の走塁で好機演出とはならなかった。ベンチでうなだれた阿部監督は試合後、「アグレッシブであれを済ませていいのか」と首をひねり、「野球知りませんっていうのとアグレッシブ...まあ紙一重かもしれないけど、そうでは済ませてほしくないですよね。(キャベッジは)アグレッシブにいってセーフの試しがないから」と肩を落とした。
◆巨人のトレイ・キャベッジ外野手(28)が1点を追う七回、先頭の投手西舘の代打で出場。詰まりながらも右前へ自身2週間ぶりの安打をマークしたが、二塁を狙って憤死した。1点を追う終盤、打順も上位に回る場面だっただけに、阿部監督は「野球知りませんっていうのと、アグレッシブ...、紙一重かもしれないけど、そうでは済ましてほしくない」とバッサリ。キャベッジも「点差をもうちょっと考えて走塁するべきだったかなと思う。自分が一塁を蹴った時点では、まだライトの森下選手のところにボールが飛んでいなかったので、行けるかなと思ったんですけど、もうちょっと考えるべきだった」と反省した。
◆阪神が佐藤輝明内野手(26)と森下翔太外野手(24)の今季15度目のアベック打点で挙げた2点を6人の継投で逃げ切った。一回2死二塁、佐藤輝の右翼線二塁打で先制し、三回1死三塁では森下が左前に運んだ。5回降板の才木浩人投手(26)は6勝目(4敗)。巨人戦は自身6連勝。24年8月31日の一戦(甲子園)の二回からのG戦連続イニング無失点を「31」とした。六回2死、3番手で登板した湯浅京己投手(25)が及川雅貴投手(24)が残した走者を一塁に置いて、坂本勇人内野手(36)に右中間を破る適時二塁打を浴びた。6月6日オリックス戦(甲子園)で頭部に打球を受けた石井大智投手(27)が八回に登録即登板で、2安打を許したが無失点に抑えた。九回は岩崎優投手(34)が締めて、16セーブ目(2敗)。
◆巨人・坂本勇人内野手(36)が「7番・三塁」で4試合ぶりに出場し、六回2死一塁で右中間を破る適時二塁打。通算2433安打として石井琢朗を抜いてプロ野球歴代単独11位に浮上した。しかし、前の2打席では得点圏で空振り三振に倒れており、試合中の配信コメントでは「誰もが思っていると思いますが、(自分でも)前の打席で打てよと思いました」と喜びはなし。試合後も「(好機で)打つ、打たないで流れが変わる。何かコトが起こる打席にしないと」と反省しきりだった。
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は3安打2得点の阪神・近本光司外野手(30)に〝注文〟をつけた。阪神は2点しか奪えなかったが、点の取り方としては理想的。1番・近本が出塁して、2番・中野がつなぐ。この日は2つの送りバントをしっかり決めた。1、2番の役割分担がしっかりできて、阪神打線の持ち味の一つが最高に機能した試合といってもいい。ただ、3安打した近本に、あえて指摘したいのは、ヒットが1本も出ない日が少し目立つ。好不調があって、打撃が荒っぽく映る。固め打ちは立派だし、何度でも猛打賞を達成してもらいたい。でも、1番打者に望まれるのは「一日一善」。コンスタントに出塁することだ。シーズンはまだ先が長く、これからさらに厳しい時期が来る。その時に阪神打線で一番のキーを握るのが近本。ベンチも、他の選手も、近本を頼る。キーマンが無安打の試合は、チームが沈んでしまう。近本クラスのハイレベルの選手だから、注文も高くなると思ってもらいたい。現役では誰よりヒットを打つ技術を持っているのだから、3割を打って当然。そのためにも、毎試合、塁上を駆け回ってもらいたい。
◆巨人・西舘勇陽投手(23)が昨季中継ぎでプロ初勝利を挙げた甲子園で初先発。6回6安打2失点と力投したが、2敗目を喫した。一回に先頭・近本の安打から佐藤輝に適時二塁打を浴び、チーム31イニングぶりとなる失点。三回も再び先頭の近本の二塁打から失点し「先頭を出しての失点。攻撃につなげられない内容。流れが良くなるような投球ができなかった」と悔やんだ。
◆阪神が佐藤輝明内野手(26)と森下翔太外野手(24)の今季15度目のアベック打点で挙げた2点を6人の継投で逃げ切った。一回2死二塁、佐藤輝の右翼線二塁打で先制し、三回1死三塁では森下が左前に運んだ。5回降板の才木浩人投手(26)は6勝目(4敗)。巨人戦は自身6連勝。24年8月31日の一戦(甲子園)の二回からのG戦連続イニング無失点を「31」とした。六回2死、3番手で登板した湯浅京己投手(25)が及川雅貴投手(24)が残した走者を一塁に置いて、坂本勇人内野手(36)に右中間を破る適時二塁打を浴びた。七回には森下がトレイ・キャベッジ外野手(28)の右前打を素手で処理し、二進阻止。丸佳浩外野手(36)の中堅への飛球を近本光司外野手(30)が好捕した。6月6日オリックス戦(甲子園)で頭部に打球を受けた石井大智投手(27)が八回に登録即登板で、2安打を許したが無失点に抑えた。九回は岩崎優投手(34)が締めて、16セーブ目(2敗)。貯金10は6月13日以来。
◆気迫は買いたいが...。セ・リーグ3位の巨人は9残塁と拙攻に苦しみ、連勝は3で止まった。阿部慎之助監督(46)が苦言を呈したのはトレイ・キャベッジ外野手(28)の〝積極走塁〟だ。「『野球を知りません』というのと、アグレッシブは紙一重かもしれないけど、そうでは済ませてほしくない。(キャベッジは)アグレッシブにいってセーフのためしがないからね」ベンチスタートが続いている来日1年目の左打者は、七回先頭で代打として登場。桐敷から詰まりながらも右前へ運ぶと、一塁を回って二塁にヘッドスライディングし、憤死。六回に坂本の適時二塁打で1点差に詰め寄っていただけに、先頭打者の出塁で反撃ムードを盛り上げたい場面だったが、暴走気味の走塁で好機はつくれなかった。2023年には米大リーグ、エンゼルス傘下3Aでトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成するなど俊足の持ち主だが、状況判断を誤る走塁も珍しくない。6月17日の日本ハム戦以来の安打だったが「行けるかなと思ったけど、点差をもうちょっと考えて走塁するべきだった」と悔しい表情でチームバスに乗り込んだ。打線全体でも10安打で1得点。指揮官が「永遠のテーマ」と語る得点圏での打撃がチームの浮沈を決める。(谷川直之)
◆2-1の七回に登板した阪神・桐敷は辛くも無失点投球でつないだ。先頭の代打キャベッジに右前打を許したが、二塁を狙った打者走者を右翼の森下が好返球で憤死させた。続く丸の中堅への大飛球を近本が好捕して2死。オコエを空振り三振に斬り「チカさん(近本)と森下のおかげで勝った」と胸をなでおろした。石井の復帰に「本当に心強いので、そこに自分も入れるように頑張りたい」と刺激を受けて前進する。
◆令和のレジェンドや! 阪神は巨人に2-1で勝ち、3連勝。佐藤輝明内野手(26)は一回に先制のV二塁打。球団創設90周年イベント「レジェンズデー」として開催された試合で主砲の働きをみせた。「マイナビオールスターゲーム2025」(23日=京セラ、24日=横浜)のファン投票結果も発表され、三塁手部門で2年ぶり4度目の出場が決定。ランディ・バース氏(71)と同じ3月13日生まれのスラッガーが輝きを放った!〝昭和のレジェンド〟が見ていた。掛布雅之氏、岡田彰布氏は放送席に、そして、バース氏はスタンドに陣取っていた。豪快な一発は披露できなかったが、テクニックで右翼線に打球を運んだ。1985年のバックスクリーン3連発をテーマにした「レジェンズデー」。絶対に負けられない試合で、主砲の佐藤輝が、甲子園を彩った。「先制点をとりたかった。どんどん積極的に、思い切って打ちにいった」一回2死二塁。フルカウントからの6球目。西舘の内角カットボールを肘をたたんでスイングした。「ちょっと詰まったけど、いいところに飛んでくれた」。先制&決勝の適時二塁打となった。
◆「9番・ピッチャー、石井」-。あの悲劇から、25日。阪神・石井大智投手(27)が甲子園に帰ってきた。拍手と歓声が鳴り止まない。僅差を守り切るために最も必要なカードが加わった。「甲子園で投げるのは最高だな、と。ピンチを作りましたけど、何とかゼロで抑えたので。死ぬ気で抑えられてよかったです」才木が5回で降板。2―1となった八回に出番はやってきた。6月6日のオリックス戦(甲子園)で打球を右側頭部に受けて緊急搬送。この日、出場選手登録されたばかりだったが、アクシデント前と変わらぬ〝勝利の方程式〟をいきなり任されて結果を出した。
◆「バックスクリーン3連発」というテーマでのレジェンズデーで、球団初の日本一に輝いた1985年に3者連続ホーマーを放ったランディ・バース氏(71)、掛布雅之氏(70)=球団OB会長、阪神前監督の岡田彰布氏(67)=球団オーナー付顧問=が1日、登場。順番に打席に入ってスイングした。甲子園歴史館ではトークショーが開催され、岡田氏は球宴までの戦い方について言及した。伝説のクリーンアップが甲子園に集結し、自然と白い歯がこぼれた。しかし、優勝してほしいからこそ、岡田氏の言葉は厳しかった。現状のチームについて「危ない兆候」と警鐘を鳴らした。「きょうからの巨人、横浜(DeNA)、広島ですよね。9試合が、ゆっくりオールスター明けに野球ができるかの分岐点になるんじゃないか」首位阪神を巨人、広島、そして昨季日本一のDeNAが追う。「えらいことになってきたな。2位(争いをしている)チームのどっかが勝つんで。勝っても、差が開かない、負けると縮まる。たぶん、オールスターまでは3・5ゲーム差は(大きくは)変わらないでしょう」投打とも戦力は頭一つリード。大きなけが人もおらず「80勝以上勝てる戦力があるのは阪神だけ」と分析していたが、貯金を増やせなければ「(現状だと)80(勝)はいかない。他のチームにも(優勝の)チャンスがあるということ」と危機感を募らせた。監督として2023年にリーグ制覇と日本一を達成したが、最大13ゲーム差をひっくり返されてリーグ制覇を逃した前回政権時の08年の苦い思いがある。阪神は伝統的に先行逃げ切りのチーム。8月には夏の長期ロードもある。「オールスターまで18試合。だいぶん勝たないとしんどい」。首位にいるチームをシビアに分析。愛する阪神を、言動で後押ししていく。現役時代、ミスタータイガースとして本塁打王に3度輝いた掛布氏は佐藤輝にエールを送った。「真の4番バッターとしてホームラン王をとってほしい。チームを引っ張り、藤川監督の胴上げをファンの皆さまに見せてあげる。そういう活躍を期待します」。サンテレビの放送席からは四回に増田陸の三遊間への打球を捕れなかった佐藤輝の守備に関し「グラブの位置が上にありすぎる。難しい打球ほどグラブを下げる」と助言した。岡田氏はサンテレビで掛布氏とともに巨人戦の解説を務めた。1点リードの三回、森下が詰まらされながらも左前適時打としたことについては「ラッキー」とニヤリ。巨人のバッテリーについて「3番打者に全部真っすぐはない」と苦言を呈した。また、今季の大山に関しては「肉がつきすぎや。去年もウエート(トレ)をやるな、言うたんやけど。大きくなりすぎて、体が回っていない」と指摘した。
◆阪神・中野がいぶし銀の役割を果たした。一回無死一塁で犠打を決めて、佐藤輝の先制二塁打につなげると、三回無死二塁でも犠打。森下の適時打を呼び込み「それが自分の仕事」と振り返った。近本凡退後の五回1死では右翼に二塁打を放ち「近本さんが出なかったら自分が出るという攻撃が一番理想」と相手が嫌がる2番打者を追求していく。
◆どれだけ打たれても、ホームは踏ませない。阪神・才木が粘りの91球で白星を挙げた。「中継ぎに負担をかけて申し訳ないですね」五回をもって降板し、仲間への感謝が募るマウンドだった。許した安打は5本。最大のピンチは3安打で招いた四回1死満塁だった。だが、「結構、ギアを入れて投げられた」と坂本をフォークで空振り三振に斬ると、岸田は150キロ直球でバットを折って遊飛に料理。五回1死二塁も難を断ち、2点のリードを保ち続けた。苦しみながらの今季6勝目。巨人戦に限っては昨年7月30日(甲子園)から6連勝で、連続無失点も31イニングに伸ばした。「ストライク先行でいけたら良かったかな」と中13日の出番で反省は尽きなかったが、必ず次に生かす。(須藤佳裕)
◆阪神・近本は一回に左前打で出塁して佐藤輝の適時打で生還すると、三回にも右翼への二塁打から森下の適時打で生還して2得点。七回の二塁打で今季9度目の猛打賞をマークした。「ヒットが出ず迷惑をかけていたので、まず1本出たというのは気持ち的に楽になった」。七回の守備でも、丸の大飛球を好捕。捕球後には自らのグラブに「マジ感謝」とつぶやくほどの美技でピンチの芽を摘んだ。球宴出場については「最近のオールスターではあまり打っていない。ヒットは打ちたい」と意気込んだ。
◆詰まりながらも意地で振り抜き、御礼打を響かせた。球宴のファン投票で外野手部門で12球団トップの77万8130票を獲得。3年目で初選出を決めた阪神・森下は、貴重な2点目をたたき出した。「最近の試合は変化球攻めが結構多かった。なかなか全球真っすぐの頭はなかったですけど、結果として1点取れたのでよかった」1点リードの三回1死三塁。中大時代の1学年後輩・西舘が5球続けた直球を遊撃後方に落とした。「やられっぱなしだと次に(西舘が)挨拶に来たときに何言われるか分からない。内容的にはよくなかったけど、結果がすべてだと思うのでよかった」。先輩の威厳を保ち、笑みをこぼした。これで両リーグトップを走る打点を53に増やし、堂々の成績で初めての球宴に乗り込む。今年の開催地は京セラと横浜。「(京セラは)使っている球場でもありますし、横浜は地元。その2球場でホームランを見せられたら」と連発宣言も飛び出し、気合も十分だ。2023年フレッシュオールスターに続くMVPも射程圏内に入れる中、まずは残りの17試合に全力を尽くしていく。「(巨人は)強いチーム。あした勝って勝ち越しできれば、次の試合以降も有利に進められる。しっかり勝って、3戦目につなげたい」打率・345となった得意の巨人戦で、またも勝負強さを発揮し、大事な初戦を先勝した。前半戦首位ターンへ、最多得票男が宿敵を打ち砕く。(中屋友那)
◆阪神電車の甲子園駅を降りて球場に向かっていたら、見覚えのある後ろ姿が。あれは巨人担当キャップの谷川直之だ。声を掛けようとして、思いとどまった。違う、別人だ。なぜなら、短パンの実にラフなスタイル。こんな姿で仕事に行くはずがない-。先入観が邪魔をした。が、振り向いた顔は、まぎれもなく谷川キャップだった。「実はきのう、阿部監督から巨人担当に『短パンスタイルで取材するように』というお達しがあったんです。ただでさえ熱中症の危険がささやかれているご時世。しかも、記者席が屋外の甲子園球場。阿部監督は担当記者の健康に気を使ってくださっています」そのままキャンプ場に行っても違和感もないスタイル。何ともうらやましくなった。記者席に到着して、やがて阪神の練習がスタート。こちらも予告通り、短パン&Tシャツの虎戦士が次々と現れた。近本、佐藤輝、大山...。主力もしっかり、短いパンツで練習開始だ。阪神では上下ユニホームでの練習が義務付けられてきたが、藤川監督が巨人やソフトバンクにならう形で暑さ対策としてより涼しいウエアの着用を提言、1日から解禁となったのだ。柔軟な発想の藤川監督のおかげでクールビズが実現した阪神だが、実は今から30年も前に、短パンでの練習を提唱した、超最先端の思考を持つ人がいた。当時2軍監督の藤田平氏。現役引退後、初めてユニホームに袖を通した1995年。シーズン前半は2軍監督、後半からは中村監督の休養に伴い、1軍の指揮を執った。
◆燃えたでェ!! 阪神-巨人、伝統の一戦で6月6日に頭部に打球を受けてマウンドから遠ざかっていた石井が八回、涙ウルウルの無失点。知らないうちに?に熱いものが流れとったわー!! 石井はん、ホンマにお帰りなさーい!!オールスターに5人選出してくれたファンに応えるような藤川監督による『猛虎中継ぎオールスター』。及川、湯浅、桐敷、石井、岩崎にウットリ? 打点王を競う佐藤輝、森下のタイムリーは大きかったけど、細かいところでいい野球をやっているのが阪神の強さなのだ!!例えば、五回1死二塁で二塁走者の中野が、森下の一塁ファウルフライで巨人の岸田と増田陸が交錯する一瞬をついて三塁へタッチアップ。七回には代打キャベッジがライト前ヒットで果敢に二塁を狙うと、森下が冷静に右手でボールをつかんで送球してアウト(グラブで捕っていたらセーフになっていた)。決して派手じゃないけど、勝利のために大切な繊細さが身についてきた虎は、もはや向かうところ敵なしなのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
41 | 31 | 2 | 0.569 (↑0.006) | - (-) |
69 | 249 (+2) | 166 (+1) | 42 (-) | 62 (-) |
0.243 (-) | 2.010 (↑0.01) |
2 (-) |
広島 |
35 | 33 | 3 | 0.515 (-) | 4 (↓0.5) |
72 | 232 (+2) | 216 (+2) | 35 (+2) | 33 (-) |
0.247 (-) | 2.740 (↑0.02) |
3 (-) |
巨人 |
37 | 36 | 2 | 0.507 (↓0.007) | 4.5 (↓1) |
68 | 215 (+1) | 222 (+2) | 45 (-) | 32 (-) |
0.240 (-) | 2.650 (↑0.01) |
4 (-) |
DeNA |
34 | 35 | 3 | 0.493 (↑0.008) | 5.5 (-) |
71 | 225 (+3) | 201 (+2) | 38 (-) | 38 (-) |
0.228 (-) | 2.600 (↑0.01) |
5 (-) |
中日 |
32 | 39 | 2 | 0.451 (↓0.006) | 8.5 (↓1) |
70 | 172 (+2) | 219 (+3) | 32 (+1) | 49 (-) |
0.220 (↓0.001) | 2.840 (↓0.01) |
6 (-) |
ヤクルト |
20 | 45 | 4 | 0.308 (-) | 17.5 (↓0.5) |
74 | 179 (+2) | 285 (+2) | 31 (-) | 28 (-) |
0.220 (↓0.001) | 3.640 (↑0.04) |
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