ヤクルト(★0対2☆)阪神 =リーグ戦9回戦(2025.06.28)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:デュプランティエ(4勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝2敗15S))
敗戦投手:高橋 奎二(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(12号・5回表2ラン)

  DAZN
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◆阪神は0-0で迎えた5回表、森下の2ランで先制する。投げては、先発・デュプランティエが7回3安打無失点の好投。その後は及川、湯浅、岩崎が完封リレーを展開し、デュプランティエは今季4勝目を挙げた。敗れたヤクルトは、先発・高橋が好投を見せるも、打線がつながりを欠いた。

◆セ・リーグ首位の阪神はこの試合が72試合目。レギュラーシーズン143試合の半分を超える。71試合現在の勝利数は38。倍にすると76。昨季、阪神との大接戦を制して優勝した巨人の77勝と同等ペースだ。今年も2位以下との差が詰まっており、似たような優勝ラインになるかもしれない。新型コロナで試合数や延長規定が違った20年、21年をのぞくと、近年の優勝チームの勝利数は23年阪神85勝、22年ヤクルト80勝、19年巨人77勝、18年広島82勝、17年広島88勝、16年広島89勝、15年ヤクルト76勝。個人タイトルは19本塁打でトップを走る佐藤輝明内野手(26)が、ただ1人40発を狙えるペース。打点も最多49で森下翔太外野手(24)と並んでおり、そろって3桁が目標になる。ハーラーダービーは村上頌樹投手(27)が7勝で他4投手と並んでいる。15勝が1つの目安となりそうだ。

◆阪神中野拓夢内野手(29)がバースデー安打を放った。この日は29歳の誕生日。初回1死で第1打席を迎えるとスタンドの阪神ファンからバースデーソングが贈られた。初球は見逃して2球目を捉え右前打とした。

◆午後2時開始のデーゲームで開催された一戦。中継したCS放送のフジテレビONEでは、2回の攻撃前時点でグランドレベルの気温が42・8度になったことが紹介された。解説の元阪神片岡篤史氏(56)は「選手も大変ですね」と話し、西武、巨人などで活躍した清原和博氏は「42度ですか」と驚いた。前日27日には西武今井達也投手が日本ハム戦(ベルーナドーム)で先発し、4回途中で降板。直前にはマウンド付近でしゃがみ込むシーンもあり、その後都内の病院へ向かい、熱中症と診断されたことがこの日、明らかになった。2回裏開始前には、内野で撮影するカメラマンの位置で43・1度も記録したことも紹介された。片岡氏は今井の熱中症について「急に温度が上がりましたので、なかなか体が対応できない状態になっている」と解説。酷暑の中でプレーする両チームの選手に、清原氏は「緊張感持って、集中力を保っていたら暑さも気にならないと思う」と語った。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が2打席目に二塁打を放った。4回先頭。高橋奎二投手(28)の初球の外角カットボールにバットを出した。軽い振りに見えたが、中堅左への飛球はぐんぐん伸びて、左中間最深部のフェンス上部に当たった。観客にとっても予想外の伸びだったか、歓声は少しずつ大きくなり、最後はどよめきに変わった。

◆阪神に4回裏から守備交代があった。ラモン・ヘルナンデス内野手(29)に代わって、熊谷敬宥内野手(29)が三塁守備についた。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が相手投手のボークを指摘するようなしぐさを見せたがボークにはならかった。0-0の4回2死一、三塁。1ストライクからヤクルト先発の高橋奎二投手(28)がマウンド上で後ろを向いた直後、坂本は投手の方向を指でさし球審に話しかけた。三塁側の阪神ベンチからもボークを訴えるような言葉が発されたがボークと判定されることはなかった。

◆阪神森下翔太外野手(24)が酷暑のデーゲームで先制2ランを放ち、両リーグ最速で50打点を突破した。0-0の5回2死二塁。ヤクルト先発高橋の高め直球を左翼スタンドに運んだ。51打点目。試合開始前時点で49打点で並んでいた佐藤輝明内野手(26)に差をつけ両リーグ単独トップとなった。昨季に続いて2年連続での50打点超えとなった。6月12日西武戦(ベルーナドーム)以来11試合ぶりで54打席ぶり本塁打となる今季12号。打点は18日ロッテ戦(甲子園)以来6試合ぶりとなった。

◆阪神にとって前半戦最終となる屋外デーゲーム2連戦初戦が、酷暑の中展開された。中継したCS放送のフジテレビONEでは、2回の攻撃前時点でグランドレベルの気温が42・8度になったことが紹介された。2回裏開始前には、内野で撮影するカメラマンの位置で43・1度を記録したことも紹介された。先発マウンドに上がった阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)が何度も汗を拭うシーンも。熱中症への警戒が注目される昨今では、異例の高温でのプレーになった。阪神は29日の同戦でも13時30分開始のデーゲームを予定。その後は東京ドームなどの屋内デーゲームはあるが、屋外でのデーゲームは、9月15日中日戦(甲子園)までない。27日の西武-日本ハム戦(ベルーナドーム)では先発した西武今井達也投手(27)が体調不良で4回途中で降板。降板後に都内病院で診察を受け、熱中症の診断を受けた。

◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)がまた快投を演じた。7回3安打無失点、7三振を奪う好投だった。前回19日のロッテ戦(甲子園)では来日初の完封勝利。この日の神宮球場は午後2時開始で、グラウンド面の気温が40度を超える悪条件だったが、奪三振マシンぶりを発揮。無四死球と安定感も抜群だった。

◆阪神が今季16度目の完封勝ちで、連敗を2で止めた。勝利を引き寄せたのは、3番の1発だった。0-0で迎えた5回、先頭近本が四球で出塁し、1死二塁の好機。森下翔太外野手(24)が、好投を続けていたヤクルト先発高橋の高め直球を左翼スタンドへ運び、先制12号2ランを放った。6月12日西武戦(ベルーナドーム)以来11試合ぶり、54打席ぶりのアーチをかけ、これで51打点とし、両リーグ最速での50打点突破となった。先発のジョン・デュプランティエ投手(30)が、7回3安打無失点7奪三振で4勝目。前回19日ロッテ戦(甲子園)では、最多タイ12三振を奪って来日初完封勝利を挙げており、2戦連続の快投となった。8回からは盤石のリリーフ陣が無失点リレー。前夜は3点リードを終盤に追いつかれサヨナラ負けを喫したが、この日は先制点を守り切って接戦をものにした。

◆6月3日の西武戦以来、今季10度目の完封負けを喫した。1回に1死二塁と先制機をつかむも、3番内山壮真捕手(22)、4番ホセ・オスナ内野手(32)が凡退。その後は阪神先発デュプランティエの前に7回まで二塁すら踏めず、8回以降も阪神救援陣に抑えられた。先発の高橋奎二投手(28)は序盤、走者を出しながらも要所を抑えていたが、5回2死二塁で阪神森下に甘く入った速球を左翼席に運ばれた。6回6安打2失点で今季2敗目を喫した。

◆途中交代した阪神ラモン・ヘルナンデス内野手(29)について試合後、阪神藤川球児監督(44)が説明した。ヘルナンデスは「6番三塁」で先発し4回に左前打を放つも、4回裏の守備から途中交代し、熊谷敬宥内野手(29)に代わっていた。試合後、藤川監督が状況を説明した。「ご家族がドミニカから来られて、観戦していて、家族の中の方に体調不良者が出たというところで。詳細はプライバシーがありますから、そこは彼本人からしかなかなか言えないんですけれど。こちらとしては異国に、子どもの勇姿を見に来てということですから、落ち着いて本人に伝えて、病院に向かってもらうというような形を取ってもらいました」。ヘルナンデスは試合中に病院に向かったという。29日以降のヘルナンデスの動きも現時点で未定。藤川監督は「ご家族の体調のことがありますから、私としてはそれは一番最優先にしてほしいと常に思っているところですから、様子を見守るというところになります」と話した。

◆ヤクルトが今季10度目の完封負けを喫した。単打5本、2併殺で二塁を踏めたのは1回の攻撃だけ。阪神先発デュプランティエには2試合13イニング無得点。高津監督は「いい投手ですね。なかなかチャンスをつくれなかった」と振り返った。6回2失点の先発高橋については「変化球で空振りも取れていたし、悪くはなかった」と評価していた。

◆阪神1番近本光司外野手(30)が貴重な出塁で森下の決勝2ランを呼び込んだ。両チーム無得点で迎えた5回1死、高橋から8球粘ってフルカウントから四球をゲット。2死二塁からの3番森下の2ランにつなげた。「(塁に)出なかったら森下には回っていなかったので、結果的にいい形で先制できたのは大きいかなと思います」。自身は21日のソフトバンク戦の3打席目から15打席連続ノーヒットだが、無安打でも勝利に貢献した。

◆阪神湯浅京己投手が復帰戦で快投した。6球でピンチの芽を摘んだ。2点リードの8回2死一塁で及川に代わり救援。代打増田をフルカウントから威力ある直球で空振り三振に斬った。「ずっと準備はしてたので。しっかり抑えられてよかったです」。交流戦終盤の不調で16日に降格したが、しっかり再調整して同14日の敵地楽天戦以来の11ホールド目。「しっかり0で帰ることが仕事。(みんなで)協力してやれたらいいなと思います」と笑顔を見せた。阪神及川(前日サヨナラ負けからの連投で8回に登板し、2/3回を2安打無失点)「守備にも助けられて。3人で切りたかったのであそこは悔いが残りますが、(代わった)湯浅さんに助けられました」

◆ニクいぜ! 阪神中野拓夢内野手が3安打で29歳の誕生日を飾った。初回に名前がアナウンスされると、球場左側を埋めた東都の虎党が大声量でバースデーソングを合唱。「なかなか聴けるものではない。球場全体がそういう雰囲気をつくってくれた。バッテリーも少し待ってくれて、最後まで聴けたので、気持ちよく打席に入れました。歌ってもらったあとに打てたのは気分がいいです」。感謝を示すように右前打で応え、再び大歓声を浴びた。3回は2死から左中間に二塁打。7回も2死から左前打。チャンスメーク役を3回もこなした。今季8度目の固め打ちで打率も3割1分2厘の2位に再浮上。トップの広島ファビアンに2厘差で、首位打者を射程にとらえた。犠打など2番の役割は多岐にわたる中での好成績。「数字を気にするとよくない。毎打席、やるべきことをやっている結果。頭を整理して打席に入りたい」と冷静だった。守備&走塁での貢献も見逃せない。7回には11個目の盗塁も決め、二塁守備では7回無死一塁からオスナの一、二塁間寄りの打球に追いつき、二-遊-一の併殺を奪った。最終回も俊足並木を内野安打にさせない、機敏な処理で沸かせた。「久しぶりに誕生日にいい結果が出たかな。いい思い出になったし、29歳の1試合目なので、いいスタートを切れてよかった」。22日のソフトバンク戦で頭部死球を受けて心配されたが、復帰2戦目も走攻守に元気ハツラツ。あらゆる面で重要な仕事を果たす充実の29歳。阪神の「心臓」のような存在だ。【柏原誠】

◆阪神森下翔太外野手(24)が猛暑の神宮で決勝打となった先制2ランを放ち両リーグ最速で50打点を突破した。0-0の5回2死二塁。ヤクルト先発高橋の高め直球を左翼スタンドへ。51打点目をマークして両リーグ単独トップに浮上した。チームは先発ジョン・デュプランティエ投手(30)の7回無失点快投などで2点を守り切り今季16度目の完封勝利。連敗を2で止めた。

◆阪神守護神の岩崎優投手(33)がぴしゃり締めで15セーブ目を挙げた。2-0の9回に登板。先頭の並木を直球で二ゴロに仕留めると、代打北村拓、内山をいずれも直球で連続の見逃し三振に仕留めた。「3人でいけたので良かったです」。21日ソフトバンク戦(甲子園)から2戦連続のセーブ。「しっかりまた明日取って。取らないとダメだと思う。明日またみんなで全力で向かっていきたいと思います」と力強かった。

◆阪神の佐藤輝明内野手(26)は虎党もビックリの特大二塁打を放った。4回先頭で高橋の初球、外角カットボールに反応。そこまで強くないスイングに見えたが、飛球はぐんぐん伸びて左中間フェンス上部に当たった。5戦連続安打に「よかったんじゃないですか。しっかり反応できたのでよかったです」手応え。打点を争う3番森下に11試合ぶりの1発が出ての勝利に「よかったんじゃないですか。(森下も)久しぶりに。明日も頑張ります」と納得顔で球場を後にした。

◆29日のヤクルト戦に先発する阪神・伊藤将司投手(29)は28日、試合前練習に参加してダッシュなどで調整した。ここまで3試合に登板して1勝0敗、防御率0・63。今季初先発となった11日の西武戦(ベルーナ)で八回途中無失点と好投した。チームの連敗を止めた18日のロッテ戦(甲子園)から、中10日での登板に「調子を崩さないように調整してきました」と万全の状態でヤクルト打線に挑む。今季初となるセ・リーグ相手での先発。ヤクルト打線については「どんどんつないでくるイメージがあるので、ランナーをためずにいけたら。神宮は(本塁打が)入りやすいので、低めに丁寧に投げられたら」と警戒した。29日の神宮は真夏日の予報。猛烈な暑さが予想されるが、「気合です」と意気込んだ。

◆阪神は新助っ人のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が初めて神宮のマウンドに上がる。東京都内は最高気温35度の予報。暑さとの戦いにも打ち勝ち、チームにリーグ戦再開後初めての白星をもたらす。打線は両リーグ最速の20号に王手をかける佐藤輝明内野手(26)に注目。前夜の試合後にはサヨナラの失策を喫した高寺望夢内野手(22)を励ます姿もみせ、「まだ明日があるので。頑張ります」とコメントを残した。有言実行の一打に期待がかかる。

◆ヤクルト・田口麗斗投手(29)が出場選手登録を抹消された。田口は、前日27日の阪神戦(神宮)で0―3の七回に2番手として登板。1死を奪い、続く近本への1球目を投じた後に下半身の違和感を訴え、途中降板していた。

◆29歳の誕生日を迎えた中野拓夢内野手が第1打席で安打を放った。一回1死で打席に立つと、左翼スタンドの応援団がバースデーソングを演奏。ヤクルトの先発・高橋もプレートを外す粋な行動を見せ、歌い切ると場内からは拍手が湧き起こった。中野はカウント0-1からの内角カーブを右前へ運んで安打を記録。森下の安打、佐藤輝の左飛で三塁まで到達したが、本塁を踏むことはできなかった。

◆阪神は0―0の四回に先制のチャンスを作るもあと一本が出ず、得点を奪うことはできなかった。先頭の佐藤輝が中堅フェンス直撃の二塁打で出塁する。一回1死一、二塁、三回2死二塁に続いて得点圏に走者を置くも、5番・大山は三振で走者を進められず。ヘルナンデスは左前打で1死一、三塁と好機を拡大したが、小幡が三振、坂本が一邪飛に倒れ、先制とはならなかった。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が完璧な先制2ランを放った。0-0で迎えた五回、1死から近本が四球で出塁し、中野の内野ゴロで2死二塁。好機で打席に入ると、カウント1-1からヤクルト先発・高橋の高め直球を振り抜いた。打球は高々と舞い上がり、阪神ファンで埋め尽くされた左翼スタンドに着弾した。「打ったのはストレート。チャンスだったのでとにかくランナーを還そうという気持ちで打席に入りました。自分のスイングで捉えることができてよかったです。次の打席でも頑張ります」12日の西武戦(ベルーナ)以来、11試合54打席ぶりの12号で、12球団最多の51打点とした。

◆先発した阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=は7回3安打無失点で降板。102球の熱投で、スコアボードにゼロを重ねた。一回、先頭の並木に11球粘られた末に安打を許したが、その後は持ち味の奪三振力でヤクルト打線を圧倒。7三振を奪い、三塁を踏ませなかった。七回は先頭の内山に安打で出塁を許すも、続くオスナを力のある直球で併殺打に打ち取った。最後は宮本を152キロ直球で見逃し三振に斬った。前回登板の19日・ロッテ戦(甲子園)では来日初完封。この日で16イニング連続無失点とし、4勝目の権利を持って降板した。

◆阪神がヤクルトに2-0で勝利し、連敗を2でストップさせた。0-0の五回に3番・森下翔太外野手(24)の12号2ランで先制。12日の西武戦(ベルーナ)以来、11試合ぶりの一発で12球団最速で50打点を突破した。この日、29歳の誕生日を迎えた中野拓夢内野手は猛打賞を記録。首位打者争いを繰り広げる男が打率を・312とした。先発したジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=は7回3安打無失点の快投。切れのある直球で押して7つの三振を奪い、4勝目を挙げた。その後は及川-湯浅-岩崎で無失点リレー。昨夜の逆転負けの悪夢を払拭した。

◆五回、阪神・森下に2点本塁打を許すヤクルト・高橋奎二(撮影・長尾みなみ)

◆ヤクルト・高津臣吾監督(56)が試合後、下半身のコンディション不良で出場選手登録を抹消された田口麗斗投手(29)について言及。「(違和感を)早く対処してあげられなかったこちらの責任」と言葉を絞り出した。前日27日の阪神戦で違和感を訴え、降板していた。今季26試合に登板してきた田口を除くと、ベンチ入りする中継ぎの左投手はドラフト3位の荘司(セガサミー)のみ。指揮官は「左投手が(荘司の)1人になってしまった。何とかしなきゃいけない」と話した。

◆シーズン折り返しの72試合を消化した阪神が16度目の無失点勝利で、ビジター連敗を「7」で止めた。森下翔太外野手(24)が五回2死二塁、12日西武戦(ベルーナ)以来、11試合&54打席ぶりの本塁打で挙げた2点が決勝点となった。7回3安打7奪三振無四球のジョン・デュプランティエ投手(30)は自身2連勝で4勝目(3敗)。八回は及川雅貴(24)、湯浅京己(25)の2投手が登板し、九回は岩崎優投手(34)が締めて15S目(2敗)をマークした。森下の51打点は両リーグ最多。また四回に左前打を放った「6番・三塁」ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が、その裏の守備から退いた。

◆ヤクルトの左腕、高橋奎二投手(28)は一発に泣き、2敗目(2勝)を喫した。0-0の五回2死二塁から3番・森下に左翼席へ決勝2ランを被弾。マウンドに左膝をついてうなだれた。6回101球を投げ、6安打2失点。8三振を奪うなど走者を背負っても要所を締めて粘っていたが、カウント1-1から直球を運ばれ「あそこだけかな。あの一球が悔やまれます」と肩を落とした。

◆来日1年目のヤクルトの助っ人右腕、ペドロ・アビラ投手(28)=前ガーディアンズ=が今季2勝目を懸けて29日の阪神戦(神宮)に先発する。28日は神宮外苑で体を動かし、調整した。6回2失点で4敗目を喫した19日の楽天戦(神宮)から中9日での登板へ、「通常通り一度、(ブルペンで)ピッチングをして準備万端。なるべく長いイニングを投げたい。理想としては七、八回まで投げたい」と闘志を燃やした。セ・リーグ首位を走る阪神との対戦で、4番を打つ佐藤輝を警戒。「佐藤選手がいいバッターなので、彼の前にランナーをためないことを意識したい」と思い描いた。

◆先発の阪神・ジョン・デュプランティエ=神宮球場(撮影・水島啓輔)

◆阪神はジョン・デュプランティエ投手(30)が好投。救援陣もヤクルト打線を抑え無失点リレーで連敗を止めた。オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(59)は救援陣の起用法について言及した。エース村上で負けた翌日に7回無失点の好投をみせたデュプランティエが最大の功労者だ。最下位チームに連敗したら、嫌なムードになっていた。炎天下のデーゲームという悪条件の中でも投げられるタフさは、今後の明るい材料。六回ではなく、七回まで投げたことがベンチにとって一番ありがたかっただろう。抜け気味のツーシームで右打者の内角をしっかり攻められる。外角へもカットボール、チェンジアップ、スライダーがうまく使えていたし、何より球威があるから三振を奪える。充実の先発陣だが、その中でも安心して送り出せる存在だ。その一方で、気になるのはやはりリリーフ陣。前日(27日)サヨナラ負けの及川をリベンジで送り込んだ。無死一塁から併殺打で2死としながら、直後に安打を浴びて交代。この先、どういう起用になるのか。というより、各リリーフの登場する場所がいまだ定まっていないのが心配だ。この先、ずっと決めないままで戦うことは厳しい。どこかで各投手の〝働き場所〟を固定する必要がある。数少ない不安要素だ。

◆阪神のラモン・ヘルナンデス内野手(29)=前メキシカンリーグ=は28日、ヤクルト戦(神宮)に「6番・三塁」で先発したが、四回の第2打席で左前打を放った直後の守備から交代した。藤川監督は「ご家族がドミニカ(共和国)から来られて観戦していて、ゲーム中、その中に体調不良者が出た。異国に子供の雄姿を見に来てということですから、本人に伝えて(試合中も)病院に向かってもらうというような形を取ってもらった」と事情を明かした。29日以降については「ご家族の体調のことがありますから。それを最優先にしてほしい。様子を見守るというところになります」と語った。

◆ハッピーバースデーの音色に乗せて、快音を響かせた。打って、走って、守って。阪神・中野拓夢内野手が輝きを放つ。29歳の初戦、神宮の杜で躍動した。「球場全体がそういう雰囲気を作ってくれて、気持ちよく打席に入れました。歌ってもらった後に打てたのは気分がいい。29歳になって初めての打席でいいスタートが切れたと思います」28日が自身29回目の誕生日。第1打席に向かうと、虎党からハッピーバースデーの大合唱が送られる。それに応えるように高橋のカーブを捉え、いきなり右前打。三回も再びカーブをはじき返し、左中間へ二塁打を放つと、七回は大西の直球を左前に運んだ。誕生日に今季8度目の猛打賞。打率・312まで上昇し、セ・リーグトップのファビアン(広島、前レンジャーズ3A)に2厘差と迫った。守備ではいずれも先頭の出塁を許した七、八回で二ゴロ併殺を完成。「まずは守備からというのは心掛けていること」と頼もしい。22日のソフトバンク戦(甲子園)で頭部死球を受けた影響が心配されたが、七回には今季11個目の盗塁を決め、全快をアピールだ。山形県出身。東北人らしく、人を立てるのが得意。自ら積極的に前に出るタイプではないが、昨年から選手会長を任され、チームを代表して声を出す機会が増えた。「自分に務まるのか...」と不安そうに話していた中野はもういない。苦しかった交流戦の7連敗中も前向きなコメントでチームを鼓舞する姿があった。「プロ入ってあまり誕生日にいい思いがなかった。久しぶりに誕生日にいい結果が出て、いい思い出になりました」名実ともに虎の中心として成長する背番号51。バースデー勝利に最高の笑顔がはじけた。(原田遼太郎)

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)はあと少しでスタンドインの大飛球で虎党を沸かせた。四回先頭の第2打席。高橋の初球を捉えると、打球は中堅フェンスに直撃し、悠々と二塁へ。「しっかり反応できたのでよかったです」とうなずいた。ヒットはこの1本に終わったが、5試合連続安打と打棒は好調。「あしたも頑張ります」と意気込んだ。

◆阪神・近本光司外野手(30)が粘りで森下の決勝弾をおぜん立てした。五回1死の第3打席。ファウルで粘って8球目に四球をもぎ取り、中野の内野ゴロで二進。森下の一発でホームを踏んだ。「(塁に)出なかったら森下には回っていなかったので、結果的にいい形で先制できたのは大きいかなと思います」。3試合連続無安打ながら、リードオフマンとしての役目を果たした。

◆2-0の九回に登板した阪神・岩崎優(34)は、打者3人から2三振を奪う完璧なリリーフで今季15セーブ目。「3人でいけたのでよかった」と納得の表情だった。リーグ戦再開となった前日27日はサヨナラ負け。最下位相手に負け越すわけにはいかない。「しっかり、また明日(勝利を)取らないと駄目だと思う。みんなで全力で向かっていきたい」と力を込めた。

◆27日に1軍再昇格した阪神・湯浅京己投手(25)が力を示した。2-0の八回2死一塁でマウンドへ。代打・増田を変化球で追い込むと、フルカウントから低めの直球で空振り三振を奪った。15日の楽天戦(楽天モバイルパーク)でサヨナラ打を浴びて以来の1軍マウンド。「準備はしていました。しっかりゼロに抑えて帰ることが仕事だと思うので、抑えられてよかった」と声を弾ませた。

◆一発で断ち切った!! 阪神はヤクルトに2―0で勝ち、今季16度目の無失点勝利で連敗を2で止めた。五回に森下翔太外野手(24)が11試合ぶりとなる12号2ランを左翼席にほうり込み、12球団トップの51打点とした。今季はビジターで力を発揮している主砲の一撃で、敵地での連敗も7でストップ。修正を重ねながら高みへと突き進む若虎が後半戦も主役を務める。太陽がギラつく神宮の空に、白球が舞い上がる。特別な球場で、森下がアーチを架けた。グラウンドの気温は42・8度。灼熱(しゃくねつ)の中で主軸の役割を果たし、かみ締めるように何度もこぶしを握った。「最近、自分のスイングが全然できていなかったので、とにかく自分のスイングすることだけを心掛けて、思い切って振りました。つまり気味でしたけど、風に乗って入ってくれてよかった」前回対戦で8回無失点だった左腕の高橋を沈めた。両軍無得点の五回。2死二塁から直球を振り抜き、豪快な12号2ラン。12日の西武戦(ベルーナ)以来となる11試合、54打席ぶりの一発で試合を決めた。6試合ぶりの打点で51に伸ばし、今季両リーグ最速で50打点を突破。並んでいた佐藤輝を突き放し、単独トップに立った。「もうずっと修正して結果が出なくて、また修正して結果が出なくて...という状態だった。きょう一日修正して結果が出たわけじゃない。継続的にという感じです」交流戦終盤から不調に苦しんだ。前夜27日に20打席ぶりに安打を放ったが、まだ本来の姿ではなかった。どれだけ状態が悪くても、レギュラーとして試合に出続ける以上、勝敗を背負わなければならない。その自覚を学んだ場所こそ、中大時代にもプレーした明治神宮野球場だ。「東都リーグには、入れ替え戦があって、負ければ2部に落ちる。落ちると、自分たちだけじゃなくて次の代に迷惑かける。チームスポーツで、そういうことが変わるきっかけになった」上を目指し続ければいいだけではなく、下に落ちないことも求められた。降格すれば、頂点を目指す資格もなくなる。実際に4年時には入れ替え戦も経験。そんな極限のプレッシャーを乗り越えたからこそ、背負えるものは大きくなった。「4年生で副キャプテンになって、勝敗を背負うことはレギュラーの使命だと感じ取らないといけない、と思うようになった。他の選手を差し置いて出ているので、そういう気持ちもしっかりくみ取って出ないといけない」強い気持ちで戦い抜いた4年間は、今にもつながっている。今季、ビジター戦では打率・287、8本塁打、31打点で、ホームの同233、4本塁打、20打点を上回る。敵地に強い男がチームのビジターでの連敗を7で断ち切った。藤川監督は「きのうよりきょうのほうが状態はいいなと思って見ていました。これでまた明日も対戦相手から嫌なバッターとして力を発揮してくれれば」とうなずいた。チームはリーグ戦再開後初白星で2位と3・5ゲーム差をキープし、長丁場のペナントレースを折り返した。「まだまだ打てる場面が多いので、もっと積み重ねられるように頑張ります」自らの手で、虎を頂点に導くために―。森下の熱い夏が始まる。(中屋友那)?...阪神は5日の日本ハム戦(エスコン、○7―1)以来のビジター戦勝利。10日の西武戦(ベルーナ)からのビジター戦の連敗を7で止めた?...阪神・森下は今季、ビジターで打率・287(150打数43安打)、8本塁打、31打点に対し、ホームでは同・233(133打数31安打)、4本塁打、20打点。打撃3部門すべてでビジター成績が上回る。近本、中野、佐藤輝、大山の他の主力組はいずれもホームの方が高打率だ?...阪神は21日のソフトバンク戦(甲子園、○3―0)以来、今季16度目の無失点勝利。球団のシーズン最多は1965年の32度で、56年の西鉄と並ぶプロ野球記録

◆猛烈な暑さもなんのその。ファンの声援が新助っ人のエネルギーだ。阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が7回3安打無失点の快投で4勝目。102球の熱投で虎党の心をさらに熱くさせた。「いい登板ができた。ファンの応援のおかげで、疲れずにエネルギーにあふれて投げることができたよ」この日の神宮は最高気温34度と真夏日を記録。グラウンド上はそれ以上の暑さだったにも関わらず、疲れた表情は一切見せなかった。一回、先頭の並木に11球粘られた末に安打を許した。盗塁で得点圏に走者を背負ったが、後続を断って無失点。七回までに7つの三振を奪い、二塁を踏ませたのは一回の1度のみだった。前回登板、19日のロッテ戦(甲子園)で来日初の完封勝利を挙げた。この日もスコアボードにゼロを重ね、16イニング連続無失点。規定投球回に未達ながら、防御率1・49とした。武器は最速157キロの直球と伝家の宝刀、カーブだけではない。切れのあるスライダーに緩急を生み出すチェンジアップも効果抜群だ。坂本の巧みなリードによって、その多彩な球種がさらに輝きを放つ。その中でも、来日後に進化を遂げた持ち球がある。「チェンジアップはアメリカではあまりうまく変化しなくて、あんまり感覚は良くなかった」来日してから改良に着手。「少し小さく感じる」というNPB球にも合うように、握り方を試行錯誤した。ここまで投球割合の10・5%を占め、被打率・125(全体では・178)。配球の幅を広げている。藤川監督は「暑さの心配がまず一番にあったんですけど、最終回(七回)でも152キロというところで、こちらの想像を上回る体力を見せてくれた。本当にチームにとって大きかった」と絶賛した。試合後のベンチ前では、守護神の岩崎とウイニングボールを譲り合った。「岩崎投手から『あげる』って言われたんだけど、試合を締めたのが岩崎投手だったので渡したかった」。最終的に受け取ると「先輩からもらったボールなので、大事に取っておきたい」と笑顔を浮かべた。頼れる仲間に支えられながら、助っ人右腕はまだまだ進化する。(萩原翔)

◆27日に黒星を喫した阪神・及川雅貴投手(24)は、前夜のリベンジとはならなかった。2―0の八回に登板し、先頭の山田に左翼フェンスに到達する安打。続く代打・松本直は二ゴロ併殺に仕留めたが、伊藤に中前打を浴びたところで降板となった。「守備にも助けられて、3人で切りたかったので悔いが残る。次の試合があるので、そこはうまく切り替えながらです」と前を向いた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
39312 0.557
(↑0.006)
-
(-)
71241
(+2)
165
(-)
40
(+1)
62
(+1)
0.243
(-)
2.050
(↑0.03)
2
(1↑)
広島
34332 0.507
(↑0.007)
3.5
(-)
74228
(+2)
213
(+1)
32
(-)
33
(-)
0.246
(↓0.001)
2.790
(↑0.03)
3
(1↓)
巨人
36352 0.507
(↑0.007)
3.5
(-)
70213
(+5)
220
(-)
44
(-)
32
(+1)
0.240
(-)
2.690
(↑0.04)
4
(1↓)
DeNA
33343 0.493
(↓0.007)
4.5
(↓1)
73222
(-)
198
(+5)
38
(-)
37
(-)
0.229
(-)
2.630
(↓0.04)
5
(-)
中日
32372 0.464
(↓0.007)
6.5
(↓1)
72169
(+1)
214
(+2)
31
(-)
48
(+1)
0.222
(↑0.001)
2.840
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
20443 0.313
(↓0.004)
16
(↓1)
76177
(-)
277
(+2)
31
(-)
28
(+1)
0.223
(-)
3.680
(↑0.02)