阪神(☆8対1★)ロッテ =交流戦2回戦(2025.06.18)・阪神甲子園球場=
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ロッテ
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(1勝0敗0S)
敗戦投手:田中 晴也(3勝4敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(19号・8回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神が連敗を7で止めた。阪神は1点リードの5回裏、中野と大山の適時打で追加点を挙げる。その後8回には3本の適時打と佐藤輝の2ランで一挙5点を奪い、試合を決めた。投げては、先発・伊藤将が6回1失点の好投で今季初勝利。敗れたロッテは、3度の盗塁失敗など拙攻が響いた。

◆17日も敗れて連敗が「7」まで伸びた阪神だが、変わらずセ・リーグの首位を"堅持"している。最後に勝った8日(オリックス戦・甲子園)の時点で14あった貯金は7まで減った。2位DeNAとのゲーム差は当時3・5差あったが、7連敗してもまだ2・5差と、ほとんど詰まっていない。3位広島とは5・5差が3・5差になっただけだ。阪神が7連敗している期間中のプラスマイナスを見ると、DeNAは貯金を5つも減らし、広島も3つ負け越し。巨人も4つ負け越し、中日は1つ、ヤクルトも4つ負け越し。セ・リーグ全チームがまさに「お付き合い」状態。交流戦の妙が出た7試合となっている。

◆8連敗を阻止したい阪神は捕手と投手以外は前戦と同じオーダーで挑む。17日に昇格した前川右京外野手(22)は17日に続きベンチスタートとなった。先発は伊藤将司投手(29)。甲子園での登板は24年7月6日DeNA戦以来約1年ぶり。前回は8回途中無失点だった左腕が今季初勝利とチームの連敗阻止を目指しマウンドに上がる。

◆ファーストピッチセレモニーにJ1神戸のDF岩波拓也(31)とマスコットのモーヴィ、球団OBの狩野恵輔氏(42)が登場した。兵庫出身で虎党の岩波はこの日が31歳の誕生日。「ワクワクしています」と話し、やや緊張気味にマウンドから投球。ノーバウンドで届かせ、拍手をもらった。岩波は「もう少し良いボールを投げたかったんですけど緊張していたので最低限です」。甲子園には高校野球や阪神の応援でよく観戦しに来ており「自分がまさかそんな場所でできるとは思えなかったので本当にうれしい」と感激した。狩野氏は「最初に投げた時にめちゃくちゃコントロールが良かったので、全く教えることはなく全部ストライク」と練習時の様子を絶賛。初対面も「やや似ているのですぐに打ち解けました」と笑わせた。兵庫に本拠地を置く両チームのコラボ企画。阪神が創設90周年、神戸が30周年を迎え、阪神・淡路大震災からも30年という節目の年に実現した。先んじて15日には神戸の本拠地ノエビアスタジアムで阪神秋山拓巳ベースボールアンバサダー(34)がトークショー、キックインセレモニーを行っていた。岩波は「スポーツを通して盛り上がっていければうれしい」。コラボグッズも販売されており狩野氏は「使っていただいて応援してほしい。2023年にヴィッセルとタイガースが優勝したのでまた今年もそうなってほしい」と話した。

◆7連敗中の阪神がプレーボール直後に内野安打と失策でピンチを招くも相手の先制を許さなかった。初回、ロッテ先頭藤原の打球は遊撃への緩いゴロとなった。遊撃の小幡竜平内野手(24)が軽快な動きを見せるも送球がそれて藤原は二塁まで進んだ。記録は内野安打と小幡の悪送球となった。無死二塁となったが阪神伊藤将司投手(29)は後続を抑えて無失点で切り抜けた。1死三塁からの池田の中飛で中堅の近本光司外野手(30)がすぐ本塁に返球し生還を許さなかった場面ではファンから拍手が起きた。

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が2イニング連続で盗塁を阻止した。2回は先頭で中前打を放ち出塁した安田が続く藤岡の打席で二塁への盗塁を試みるもアウトとした。3回も先頭で左前打の友杉の続く田中晴の打席での二塁への盗塁をアウトにした。先発の伊藤将司投手(29)は初回から3回まですべて先頭打者に出塁を許すも無失点。3回2死一塁では一塁走者の藤原をけん制で誘い出し、二塁でアウトとなった。ロッテは2イニングで3度の盗塁死となった。

◆阪神近本光司外野手(30)の走塁センスが光った。0-0の3回。先頭の近本が四球を選び出塁し、中野拓夢内野手(28)が犠打。森下の打席を1死二塁で迎えた場面だ。4球目に近本は相手投手が投げ始める前にスタートを切り1度止まるも、投げ始めてから再度三塁に向かい相手捕手は投げられず盗塁に成功。直後の5球目で森下の右前適時打が飛び出した。チームは7連敗中だが2試合連続で先制に成功した。

◆阪神がスムーズな中継プレーで同点を阻止した。1-0の5回1死一塁。ロッテ西川が左中間へ二塁打を放った。スタートを切っていた一塁走者の藤岡は一気に三塁もまわって本塁へ。中堅を守る近本光司外野手(30)は右手で捕球しまわり込むことなくそのままの体勢で遊撃の小幡竜平内野手(24)に送球した。小幡もすぐさま本塁にいる坂本誠志郎捕手(31)のもとへ低い送球。ベース付近にボールがきてタッチアウトとした。甲子園の阪神ファンは大きな歓声と拍手を送った。阪神は17日の同戦までの7連敗中6試合で先制してから逆転負けしていたが、この場面は追いつかれずにしのいだ。

◆阪神の打者陣がロッテ田中晴也投手(21)の"煙幕"に困惑した。たっぷりとロジンバッグを指につけてから投げ込んで来る同投手。捕手のミットにボールが収まったり、バットに当たると同時に、多量の白い粉が打席付近を舞い、そのたびに打者は苦笑い。森下翔太外野手(24)がわざわざタイムをかけて、風で流れるのを待つシーンもあった。3回に1点先制、5回にも中野拓夢内野手(28)、大山悠輔内野手(30)の適時打で3-0としたところで田中晴をKOした。昨年はやられていた若き右腕にリベンジした。

◆阪神が8日オリックス戦以来8試合ぶりに3点をリードした。1-0の5回。中野拓夢内野手(28)、大山悠輔内野手(30)の適時打で2点を追加した。17日の同戦までの7連敗中はリードしていた場面すべてが2点差以内だった。

◆阪神伊藤将司投手(29)が今季初勝利の権利を持って、6回で降板した。今季2度目の先発となったロッテ戦で、4回以外は毎回走者を塁上に背負いながらも粘った。内野安打と味方の失策による初回無死二塁のピンチも無失点で切り抜け、5回1死から連打を浴びて一塁走者の藤岡が一気にホームを狙った場面も中-遊-捕の中継で無失点でしのいだ。6回1死からは3連打を浴び、安田の犠飛で1点を失うも、最少失点でとどめた。3-1の6回無死二塁の打席で代打を送られた。伊藤将は今季初先発となった前回11日西武戦で、8回途中まで無失点と好投。復活を告げる投球を見せていた。

◆7回終了時に場内のビジョンに他球団の試合経過が映し出されるとスタンドからざわめきが起きた。経過が出た時点で阪神は3-1でリードしており、DeNA、広島、中日もリード。巨人はすでに勝利しており、楽天に敗れたヤクルト以外の5球団がリードか勝利という状況だった。17日まではセ・リーグの球団の敗戦も多く、試合開始前時点で6球団すべてが交流戦で負け越していた。

◆やっと勝った! 阪神がリードを守り切り、今季最長だった連敗を7で止めた。白星は8日オリックス戦(甲子園)以来、8試合ぶりとなった。今季2度目の先発となった伊藤将司投手(29)が、6回9安打1失点の粘投で、昨年7月6日DeNA戦以来、347日ぶりとなる白星となった。初回内野安打と味方の失策でいきなり無死二塁のピンチを招くも、後続3人を打ち取り無失点スタート。4回以外は毎回走者を背負ったが、女房役の坂本の3度の盗塁刺にも助けられ粘り強く投げ続けた。6回は3連打から1死満塁となるも、安田の中犠飛による1点のみにとどめた。阪神の先制は3回。先頭の近本光司外野手(30)が四球を選び、中野拓夢内野手(28)の犠打で1死二塁。ここから近本が果敢に三盗に成功し、1死三塁から森下翔太外野手(24)が先制の右前適時打を放った。1-0のまま迎えた5回には、近本の右前打から相手の2度の暴投で無死三塁と好機を広げ、中野が右前適時打を放ち2点目。さらに1死一、二塁で、大山悠輔内野手(30)が左前適時打で続きリードを広げた。攻撃の手は緩まず、8回には近本、中野、森下のタイムリーで3点を追加すると、最後は2死二塁で佐藤輝明内野手(26)がバックスクリーン左へ19号ソロを放ち、この回一挙5得点を挙げた。7連敗中は6度の逆転負けを喫したが、この日はチームの要のリリーフ陣がリードを守り切り、久しぶりの白星を手にした。

◆ロッテはチャンスで1本が出ず3連勝とはならなかった。先発の田中晴は今季最短の4回1/3で降板した。0-1の5回には無死一塁から2度の暴投で走者を進め自らピンチを招き、阪神中野に右前適時打を浴びた。5回途中で8安打3四球3失点でマウンドを降りた。「ひとりひとりの打者を振り返っても自分の有利なカウントで勝負できなかった。やっぱり先頭の出塁とスコアリングポジションにランナーを出す回数が多過ぎたっていうところだと思いますし後半は粘ることができなかった」と反省した。8回に登板したゲレーロが佐藤輝に2ランを浴びるなど5失点と炎上し、突き放された。打線は5回、藤岡が安打で出塁し1死一塁。直後の西川が左中間への安打を放ち、その間に一走・藤岡は本塁突入したが憤死した。6回に3連打でチャンスを作り、1死満塁から安田の犠飛で1点を返したが、追いつけなかった。1イニング3暴投のプロ野球タイ記録=田中晴(ロッテ) 18日の阪神2回戦(甲子園)の5回に記録。今年の4月29日ランバート(ヤクルト)以来19人目。ロッテでは87年6月14日村田、94年9月28日伊良部、04年5月15日小林雅に次いで4人目。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)がロッテ・ゲレーロの160キロ速球をスタンドに運んだ。8回2死二塁から左中間方向への2ラン。この回は5得点だった。

◆ロッテは投打がかみ合わず3連勝とはならなかった。先発の田中晴也投手は今季最短の4回1/3、3失点で降板した。5回には3度の暴投で自らピンチを招き2失点。「自分の有利なカウントで勝負できなかった。先頭の出塁とスコアリングポジションにランナーを出す回数が多過ぎた」と反省した。8回に登板したゲレーロも5失点と炎上し、突き放された。打線は10安打も本塁までが遠かった。

◆やっと勝った! 阪神がリードを守り切り、今季最長だった連敗を7で止めた。白星は8日オリックス戦(甲子園)以来、8試合ぶりとなった。今季2度目の先発となった伊藤将司投手(29)が、6回9安打1失点の粘投で、昨年7月6日DeNA戦以来、347日ぶりとなる白星となった。3回1死三塁から森下翔太外野手(24)の右前適時打で先制すると、5回に中野、大山が適時打をマーク。攻撃の手は緩まず、3-1の8回には近本、中野、森下のタイムリーで3点を追加。最後は2死二塁で佐藤輝明内野手(26)がバックスクリーン左へ19号ソロを放ち、この回一挙5得点を挙げた。試合後、藤川球児監督(44)は「ベンチでもおそらく、みんながなかなかうまくいかないなと、今日のゲームでもそういうシーンがありましたけど、やっぱり人生と一緒ですね」としみじみ。「今日もプレーボールの1球目からショートゴロがエラーになってしまったりとか。だけど、そういう小さなところを我慢して、伊藤(将)がしのいで、最終的にゲームとして成立するということですから、常に同じことを心がけるということですね」。8試合ぶりの白星に胸をなで下ろした。8回の猛攻撃には「選手のみんなもおそらくフラストレーションが溜まって、非常に耐えがたいここ何日間だったと思いますけど、自分としてはいつも通りやれば必ずどこかでそういうタイミングが来ると思い続けていました。気にファンの方、甲子園球場のボルテージも上がってね。一体感が出て、最後に佐藤(輝)のホームランも出てですね、野球って面白いなというふうに、また感じましたね」と振り返っていた。

◆阪神森下翔太外野手(24)がしぶとく先制打を放った。0-0の3回1死三塁。カウント2-2から高めのフォークを差し込まれながら右前へ。7連敗中でも変わらず大声援を送り続けた虎党の歓声が聖地に響いた。「いい形で(近本が)三塁に進んでもらったので内野も前に行きましたしなんとかバットに当ててコトを起こすことを意識して最高の結果になったので良かった」セ界の点取り屋のバットから久しぶりに快音が響いた。先制の一打は14日楽天戦の第1打席以来3試合ぶりで17打席ぶりの安打。8回にも近本、中野の適時打に続き左中間へダメ押しの適時二塁打を放った。「自分のスイングをすることを心がけた。三振でも中途半端なスイングはしないように」。打点も13日の同戦以来4試合ぶりだが計2打点で49打点目。変わらず両リーグ単独トップを走る。セ・リーグとの戦いと変えずに挑む。パ・リーグ投手と対戦する上で違いを感じることは「正直ないです」。勝利のためにやることは同じ。いつも通り毎試合修正する。お立ち台では「交流戦は苦しかった。ここから波に乗っていきたい」。連敗中も3試合連続先制打など結果を残した日もあったが「勝つことが一番」。ついに勝利につながった2打点で交流戦でも13打点でトップへ再浮上した。終わってみればチーム14安打8得点の打線爆発だったが3犠打、4四球も効果的だった。「凡事徹底」を掲げる藤川監督は「いつも通りやれば必ずどこかでそういうタイミング(8回の猛攻)が来ると思い続けていました」と話した。ファンは8試合ぶりに勝利の「六甲おろし」を熱唱。森下は「勝ちが全て。このあとの4試合によって順位もすごく違うと思うので気を引き締めていきたい」と力を込めた。この日の球宴ファン投票中間発表では59万6429票で引き続き両リーグ単独トップ。人気を集める虎の3番打者が虎党を喜ばせる。【塚本光】

◆猛虎復活、主砲復活! 阪神佐藤輝明内野手(26)が眠りから覚めた。8回、3連続適時打で点差を5点に広げた直後。「楽にいきました」。3年前にも千葉で本塁打を放っているロッテの剛腕ゲレーロの160キロをジャストミート。高い弾道で甲子園の夜空に舞い上がり、バックスクリーン左に向かって伸びていった。中堅左の客席に吸い込まれると同時に、虎党は狂喜乱舞。6試合ぶりの19号2ランで試合を決めた。今度は入った。全力で走った。「良かったんじゃないですかね」。すべてのモヤモヤを吹き飛ばした。連敗が泥沼の7まで伸びていた。逆転負けばかりで投手がやり玉に上がっていたが、実は平均2得点と打線全体が湿っていた。佐藤輝は11日の西武戦で本塁打していたが、7連敗中の打点はその「1」のみ。4番として何とかしたかった。右翼守備でのミスもあった。極め付きは15日の楽天戦(楽天モバイルパーク)。今回と同じようなセンター方向への大飛球で「確信歩き」をしたが、何と本塁打には届かず、長打コースを単打にしてしまった。長い連敗中とあって、野球の姿勢にも言及されるほど反響は大きかった。8回に見せた久しぶりの打線爆発に、藤川監督は「最後にホームランも出て、野球って面白いなと感じましたね」とホッと一息。連敗ストップについて佐藤輝は「また明日頑張ります」と一言。浮かれることなく、再出発を静かに誓った。

◆阪神5番大山悠輔内野手(30)が13日楽天戦以来4試合ぶりの打点を挙げた。2-0の5回1死一、二塁で相手遊撃手のグラブをはじいて左前に達する適時打。二塁から中野が3点目のホームを踏んだ。連敗阻止につながった安打に「よかったです。勝ったことが一番なので、勝ってよかったです」とかみしめるように語った。

◆阪神近本光司外野手が果敢に三盗を決めて先制を呼び込んだ。3回先頭で四球で出塁すると、中野の犠打で二塁進塁。続く森下の打席で、4球目に三盗に成功。さらに8回2死三塁で左前適時打を放つと、二盗も決めて最後までチャンスメーク。「しっかり走れたんで良かったです」と持ち味の足で貢献し、バットでも7日オリックス戦以来の猛打賞。「なんとか勝てたので、そこはすごく良かった」と胸をなで下ろした。

◆阪神の2番中野拓夢内野手(28)が送って、かえして打線をつないだ。初回無死一塁で初球で犠打を決めると、3回も無死一塁で初球できっちり犠打を決めて、森下の先制打につなげた。さらに3回無死三塁から、田中晴のフォークを右前に運んで3点目を奪うと、4-1の8回2死二塁でダメ押しの右前適時打。6戦連続安打と好調をキープしている。「自分の役割はランナーを次の塁に進めたりとか中軸にいい形につなぐこと」とまた表情を引き締めた。

◆やっと勝った! 阪神がリードを守り切り、今季最長だった連敗を7で止めた。白星は8日オリックス戦(甲子園)以来、8試合ぶりとなった。お立ち台に立ったのは、6回9安打1失点の粘投で347日ぶりの白星を挙げた伊藤将司投手(29)と、先制打を含む2本の適時打を放ち2打点を挙げた森下翔太外野手(24)の2人。

◆阪神小幡竜平内野手(24)がマルチ安打に好守で勝利に貢献した。1-0の5回1死一塁で、ロッテ西川の中前打で一気にホームを狙った一塁走者の藤岡を中堅・近本からの送球を捕手の坂本にしっかり中継してアウトに。打っても13日楽天戦以来4試合ぶりのマルチ安打で「もっともっと得点にからめるようにしていきたい。これからも勝ちを積み重ねていければ」と先を見据えた。

◆阪神才木浩人投手(24)が18日、出場選手登録を抹消された。再登録は28日以降で、登板間隔が空くための措置とみられる。前日17日のロッテ戦(甲子園)では6回まで無失点と力投。7回に右手に打球を受け、治療を受けてから続投したが、試合後は「まったく問題ない」と強調。一夜明けたこの日は右手にテーピングをせず、軽く体を動かした。

◆虎がようやくトンネルを抜けた。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で連敗を7でストップさせた。先発伊藤将司投手(29)が6回9安打1失点と粘りの投球で、昨年7月6日DeNA戦以来、347日ぶりとなる白星。左腕の力投に応えるように打線も14安打8得点とお目覚めだ。連敗地獄とはもう、オサラバ。甲子園を包んでいたモヤモヤも吹き飛ぶような痛快な大脱出劇だ。まだ日焼けが残る背番号27の顔に笑みが浮かんだ。長かった2軍生活。もがいた日々が報われた。伊藤将が満員の甲子園に帰ってきた。347日ぶりの勝利の味...。「長いと思います。長いです」。いや、何よりもチームの連敗を止めたことがうれしい。久しぶりのお立ち台で「興奮しています」と照れ笑いした。「作戦もたくさん仕掛けられましたが、落ち着いて投げることができたと思います。最後もピンチになりましたが、粘り強く最少失点で、なんとかゲームを作ることができました」初回から3回連続で先頭に安打され、足を使った攻撃を仕掛けられたが、坂本とのバッテリーで対応した。5回は1死一塁から長打を許したが近本、小幡、坂本の中継プレーで本塁アウト。バックにも支えられた。6回は1死満塁から1点にとどめ、6回1失点で交代。全球種を内外角ぎりぎりに投げ分ける、持ち味のスタイルが光った。昨年の開幕前から生命線の直球が走らず、出口の見えない不振に陥った。フォームから何から試行錯誤したが好転しない。今春キャンプではリラックスタイムである入浴中にもフォーム映像を見返した。それほど研究熱心な男を復活させたのは、開き直りだった。今年5月。「もう、いったんリセットして『感覚』でやってみようかなと。考えすぎても、もう意味ねえなと思って」。必死に見てきた映像やデータに背を向けた。すると「いい感じでどんどん直球が良くなっていった」。球速も切れ味も良化。そうしてつかんだ今季初先発の11日西武戦(ベルーナドーム)で8回途中無失点の快投。1週間後の勝利へとつながった。藤川監督は、自分と向き合い苦闘してきた姿に感服した。「ファームでも、ずっとゲームから逃げることなく戦い続けた。それで突き破ったと思う。今後も期待できますね」。入団した21年から3年で計29勝を挙げた元左腕エース。セ・リーグ首位が投打に強さを見せつけて連敗脱出。待ちに待った頼もしい戦力を得て、もう1度エンジンを点火する。【柏原誠】▽阪神坂本(3つの盗塁刺など先発伊藤将をサポート)「機動力を使うというのはミーティングでも話が出ていたので、しっかり準備をして。将司(伊藤)もけん制をいっぱい入れてくれたり、変えたりとか、いろいろしてくれていたので。そういうことができたと思う」

◆虎がようやくトンネルを抜けた。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で連敗を7でストップさせた。先発伊藤将司投手(29)が6回9安打1失点と粘りの投球で、昨年7月6日DeNA戦以来、347日ぶりとなる白星。左腕の力投に応えるように打線も14安打8得点とお目覚めだ。連敗地獄とはもう、オサラバ。甲子園を包んでいたモヤモヤも吹き飛ぶような痛快な大脱出劇だ。阪神伊藤将の復活を支えたのは先輩の岩貞だ。同じ左腕で冬の自主トレも一緒。ともに調子を落とした昨年、今年と、2軍でも長い時間をともにしてきた。今季、悩んでいた伊藤将は「ベクトルが自分自身に向いている時は将司の良くない時だよ」という趣旨の指摘をされた。本来は打者や状況を見ながら「ピッチング」ができる投手。だが、不調になると打者と勝負できず、自分との戦いになる悪いクセがあった。先発ローテで回りながら、結果が出なかった昨季も救われたことがあった。岩貞も先発で2桁勝った経験がある。「球威も制球も...」と悩みを複数打ち明けると「この1週間でどれも詰められたら、天才だよ。悩みがたくさんあるなら、1つだけでも解消できれば違ったマインドで投球できるんじゃない?」と、シンプル思考を教えてくれた。打者との勝負に専念できている今、怖いものはない。【柏原誠】

◆。7連敗中の阪神は打撃好調の坂本誠志郎捕手(31)に期待がかかる。交流戦では打率・379。17日の同戦でも途中出場ながら1安打をマークしている。先発は伊藤将。扇の要が攻守でチームをけん引していく。

◆19日のロッテ戦に先発する阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前メッツ3A=はキャッチボール、ランニングなどで調整した。「(相手は)積極的に振って打線としてつながってくる印象なので、思い切ってストライクゾーンを攻めていって打たせる投球をしたい」。前回12日の西武戦(ベルーナ)は4回5安打4失点で3敗目を喫した。「『改善』。他の人が行っているのを聞いていい言葉だと思った。一つ一つ良くしていって最終的に目標を獲得できれば」と自身3勝目を狙う。

◆阪神の先発・伊藤将司投手(29)がいきなりの味方ミスによるピンチも踏ん張った。一回先頭の藤原が放った打球は遊撃へボテボテのゴロ。一塁へ送球した遊撃手・小幡だが、これを大山が捕球できず。結果的に内野安打と小幡の悪送球が記録された。無死二塁と出ばなをくじかれた左腕だったが、続く寺地を遊ゴロに抑えて1死三塁。3番・池田はライナー性の中飛で三走・藤原の生還を許さない。最後は4番の山本を三ゴロに仕留めて、無失点で乗り切った。

◆阪神が好機を逃した。0‐0で迎えた二回、1死から坂本が左前打を放つと、小幡も左前打でつないで一、二塁の好機。9番・伊藤将が打席に向かった。初球はバントの構えも見逃し。2球目はバントの構えからボール。3球目、伊藤将はバットを寝かせることなく、スイングした。強硬策に打って出た藤川阪神。フルカウントまで粘った伊藤将だったが、7球目を痛恨の投ゴロ併殺。甲子園が大きなため息に包まれた。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)が甲子園を沸かせている。二回先頭の安田は中前打で出塁。続く藤岡の2球目にスタートを切ったが、ストライク送球で楽々アウトに仕留めた。三回も先頭の友杉に安打を浴びて無死一塁。続く田中晴の打席でスタートを切ったが、これも坂本が強肩でアウトに仕留めた。さらに2死から藤原に中前打で出塁を許すも、3連続けん制球のサインで誘い出し、アウト。足を絡めて攻撃を仕掛けてくるロッテ打線を、坂本が止めている。

◆ロッテは3年連続で開幕投手を務め、ここまで先発ローテーションを守ってきた小島和哉投手(28)の出場選手登録を急性腰痛のため抹消した。左のエースが緊急離脱だ。17日は甲子園のグラウンドで普段通りにランニングやキャッチボールで汗を流していたが、その後に腰痛を発症したもようで、この日は姿を見せなかった。開幕から一度もローテーションを外れることなく主に週末の試合を任されてきた。予定されていた21日のDeNA戦(横浜)の先発は白紙に。先発枠の一角だった西野も右肘の炎症で離脱中と先発の頭数が不足気味。建山投手コーチは「ピッチャーの台所も厳しいからね。どうするか、ちょっと緊急なんで考えさせてください」と思案顔だ。11日に抹消されたサモンズは21日から再登録が可能だが、17日にイースタン・リーグの巨人戦で先発したばかりで、24日の巨人戦(ZOZOマリン)での先発が濃厚。リリーフ投手を短いイニングでつなぐブルペンデーの可能性もあるが、建山コーチは「あんまりね、セ・リーグ開催の時にブルペンデーっていい作戦でないとは思う」と投手に打席が回ることも考え、慎重な見方を示している。この難局をどう乗り切るのか、最下位チームに試練が訪れた。

◆森下翔太外野手(24)が三回、先制の右前適時打を放った。先頭の近本が四球で出塁し、犠打で二塁に進むと森下の4球目に三盗に成功。直後にカウント2-2から田中晴のチェンジアップを右前に運んだ。6月15日の楽天戦(楽天モバ)以来3試合ぶりの安打でチームに先鞭をつけた。

◆ロッテ・種市篤暉投手(26)が19日の阪神戦に先発する。この日、先発の一角だった小島和哉投手(28)が急性腰痛のため出場選手登録を抹消されたばかり。苦しい台所事情を救うべく、「リリーフの負担を減らせるように。7回、8回を投げ切れるように頑張りたい」と決意した。種市の甲子園での登板は2023年6月3日以来。2年ぶりの聖地のマウンドに「他の球場より低いなっていう印象。結構、傾斜や高さがないので、フォークボールの高さに気をつけながら投げたい」と冷静に分析。西野が右ひじの炎症、この日は小島が急性腰痛と先発ローテから離脱が続いた。「今シーズンは全然長い回を投げられてないので、まずは長い回投げれるように。毎回言いますけど、中軸の1発、長打には気を付けながら。まずは自分のカウントに持っていけるように、自滅しないように、自分有利の投球に持っていけるように頑張りたい」と力投を誓った。

◆阪神は1-0と1点リードの五回の守備で素早い中継プレーにより失点を防いだ。五回1死一塁でロッテ・西川の打球は左中間の深い位置への二塁打に。一塁走者の藤岡は三塁をけって本塁に突入したのに対し、打球を処理した近本からカットに入った小幡が本塁へバックホーム返球。ワンバウンドで捕手・坂本のミットに収まり、スライディングした藤岡の足にタッチして間一髪アウトに仕留めた。スムーズな中継プレーで先発・伊藤将をサポートした。伊藤将は続く友杉を敬遠して2死一、二塁とし、9番・田中晴を二ゴロに抑えて事なきを得た。

◆阪神が中盤に大きな追加点を挙げた。中野拓夢内野手(28)が右前適時打を放った。1‐0で迎えた五回。先頭の近本が右前打を放つと、中野の打席の初球で相手投手が暴投。労せず二塁に進むと、3球目に再び暴投。無死三塁と好機を広げ、中野が132キロフォークを右前にはじき返した。打線はなおも1死一、二塁から大山が左前適時打を放って3点目。ロッテ・田中晴をマウンドから降ろした。

◆ロッテの先発、田中晴也投手(21)が阪神戦でプロ野球タイ記録の1イニング3暴投を記録した。0-1の五回無死一塁から中野への初球フォークがワンバウンド。さらに3球目のフォークもワンバウンドとなり走者の近本は労せず三塁まで進んだ。直後に中野に右前適時打を浴びて追加点を献上し、次打者の森下の初球はスライダーをワンバウンドさせてこの回3つ目の暴投。プロ野球19人目のタイ記録となった。1死後、大山に左前適時打を浴びて降板。田中晴にとっては日本文理高(新潟)の2、3年時に夏の甲子園に出場して以来の聖地のマウンドだったが4回?を投げて3失点。高校時代も初戦負けした苦い記憶の残るマウンドは、ほろ苦さの残る登板となった。

◆阪神・伊藤将司投手(29)が六回まで9安打を許しながら1失点にとどめて降板。往時に見せてきた、相手打者をのらりくらりとかわす投球の復調を印象付けた。序盤の一回から三回までいずれも先頭打者に安打を許しながら後続を断って粘りの投球をみせてきた。二回には捕手坂本の盗塁阻止や五回には走者の本塁生還を防ぐ味方守備の素早い中継プレーにも助けられた。3-0で迎えた六回、1死から寺地、池田、山本大と三連打を浴びて満塁とされ、安田の中犠飛で1点を返された。六回の攻撃で無死二塁の場面に打順が回ってきたところで代打・木浪を送られ降板となった。今季初先発だった11日の西武戦(ベルーナ)では八回途中4安打無失点も勝敗つかず。今季初勝利の権利を得て試合の行方をベンチから見守る。

◆阪神は3-1の八回、近本光司外野手(30)と中野拓夢内野手(28)、森下翔太外野手(24)の適時打、佐藤輝明内野手(26)の19号2ラン本塁打で5点のビッグイニングをつくった。先頭坂本の左前打と小幡の犠打で得た1死二塁で代打・前川は一ゴロ。2死三塁として近本がこの日5度目の打席を迎えた。ロッテ・ゲレーロの2球目の外角直球をとらえて左前へ。坂本が生還して4-1。さらにこの日2つ目の盗塁成功となる二盗を決めて2死二塁とすると、中野がライトへ適時二塁打。続く2死一塁から森下も中越えの適時二塁打を放って6-1。さらに佐藤輝がバックスクリーン左に2ランを放って8-1と一気に突き放した。

◆阪神は接戦を制して10日の西武戦(ベルーナD)から続いていた連敗を7で止めた。三回に森下翔太外野手(24)の右前適時打で先制。五回には中野拓夢内野手(28)と大山悠輔内野手(30)に適時打が出てリードを3点に広げた。3-1の八回には近本光司外野手(30)、中野、森下の3連続タイムリー、佐藤輝明内野手(26)に中越え2ランが出て5点を奪って8-1とした。先発の伊藤将司投手(29)は序盤から先頭打者に安打を許しながら後続を断ってしのぐ粘りの投球でゼロを並べ続けたが、六回に1点を返され、6回9安打1失点。七回以降はニック・ネルソン投手(29)=フィリーズ3A=、及川雅貴投手(24)、富田蓮投手(23)とつないだ。伊藤将は待望の今季初勝利をマークした。

◆阪神が10日ぶりの白星で連敗を「7」で止めた。三回1死三塁、森下翔太外野手(24)が17打席ぶり安打を右前に運んで先制。五回は中野拓夢内野手(28)、大山悠輔内野手(30)の適時打で2点を加えた。八回は近本光司外野手(30)、中野、森下の3連続適時打と佐藤輝明内野手(26)の19号2ランで突き放した。6回1失点の伊藤将司投手(29)は2024年7月6日DeNA(甲子園)以来の勝利。森下、佐藤輝、大山の〝トリプル打点〟は今季6度目。2位DeNAも連敗を「5」で止め、ゲーム差は2・5のまま。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神が10日ぶりの白星で連敗を「7」で止めた。現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は、6回1失点で2024年7月6日DeNA(甲子園)以来の白星を手にした伊藤将司投手(29)を高く評価した。連敗を止めた最大の殊勲者は先発の伊藤将だ。たたでさえ緊張する一回、その先頭打者を守備の乱れで無死二塁のピンチに。でも、粘り強くしのぐと、二回からは気持ちよく投げていた。状態だけでいえば、前回(11日の西武戦、7回?無失点)のほうが良かったが、今回もキレのある球を投げていた。何をどうしたらいいのか分からない、という昨年の最悪の状態と比較したら、雲泥の差だ。先発ローテという点では、今後も任せられる。六回に3連打を浴びた場面は、球数の影響か、球が真ん中に寄ってしまった。これから先の課題ではある。交代のタイミングとしてはやむを得ないだろう。現状の投手陣は、先発は安定感があるが、救援陣は桐敷らにやや不安が残る。先発を引っ張って、1イニングでも投げさせたいのがベンチの本音。そのためには、この日でいえば五、六回の好機に追加点で奪えれば、先発がもう少し楽に投げられた。早い回の援護があれば、投手陣全体にも落ち着きが出てくる。

◆阪神・及川が見事な投球でロッテの1番からの上位打線を抑えた。2点差の八回に登板。藤原を遊直、寺地を二ゴロに仕留めると、最後は池田を空振り三振に斬った。これで中日・松山と並んでセ・リーグ最速の30試合登板。「ゼロでかえってくるというのを続けているのが試合数にもつながっている。継続して、内容にもこだわっていきたい」と頼もしかった。

◆阪神・富田が最後を締めた。九回のマウンドを託されると、1回1安打無失点。「選ばれたからには最後ゼロで抑えてかえってくるというのが中継ぎの仕事だと思っているので、その仕事を全うできたのはよかった」と胸を張った。中継ぎとして10日に1軍再昇格してから、これで3試合連続無失点。ブルペン陣の中で存在感を増している。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神・近本の足が連敗ストップにつながった。三回先頭の第2打席で四球を選ぶと、中野の犠打で二進。森下の4球目に今季2度目となる三盗を決め、先制のホームを踏んだ。「しっかり足で。走れたのでよかったです」。八回は右前適時打の直後に二盗を決め、19盗塁はセ・リーグトップを独走。今季8度目の猛打賞に、五回は流れるような中継プレーで相手得点を阻止するなど、走攻守で躍動した。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神・小幡は2安打を放ち、八回には得点につながる犠打を決めた。「(犠打の後に)点が入ってくれたんでそれが一番よかった」と息をついた。守備では五回に西川の打球を処理した中堅・近本からの送球を中継すると、バックホームで一塁から一気に本塁突入した藤岡をアウトに仕留め、失点を防ぐなど攻守で連敗ストップに貢献。「(チームの)雰囲気が良くなった気がする。積み重ねていきたい」と上昇を誓った。

◆阪神・大山は2-0の五回1死一、二塁で初球を左前にはじき返し、チーム3点目となる適時打を放って相手先発・田中晴をKOした。4試合ぶりの打点をマークしたが「勝ったことが一番なので、勝ってよかったです」とクールに話し、チームが本拠地で連敗を止められたことを何より喜んだ。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神・坂本がロッテの機動力を封じた。二回は安田の盗塁を阻止。三回もスタートを切った友杉を、ストライク送球でアウトに仕留めた。「機動力を使うのはミーティングでも話が出ていたので準備していた。(伊藤)将司も工夫してくれたのがよかった」。2安打を放って、交流戦打率・394と、攻守で先発の伊藤将を援護した。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)4番の一発が重苦しいムードを吹き飛ばし、ロッテにトドメを刺した。阪神・佐藤輝が全速力で駆け出し、ダイヤモンドを一周した。「よかったんじゃないですか。それ(3年前)は覚えていましたし、また打ててよかった」6-1で迎えた八回2死二塁。ゲレーロの160キロ直球を捉えた。バックスクリーン左に運ぶ19号2ラン。2022年にも一発を浴びせた快速助っ人から、また豪快な一打を放った。これで交流戦通算16本目。ブラゼルと並んで球団歴代3位となった。15日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では、延長十一回に本塁打と勘違いして走らず、結果的にシングルヒットになるプレーもあった。同じ過ちはもう繰り返さない。この日は打った瞬間、打球には目もくれず走り出す大砲の姿があった。チームは連敗を7で止め、佐藤輝自身も走塁ミスを払拭する一打。森下、大山とともに3人が打点を挙げれば、昨年から20戦負けなしの不敗神話が輝く。「またあした頑張ります」。20号に王手をかけ、セ本塁打はトップを独走。虎の主砲の靄が晴れた。(原田遼太郎)

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)踏ん張った。伊藤将が6回を投げて9安打を浴びながら1失点の粘投。チームの連敗を7で止める1勝は、自身にとって昨年7月6日のDeNA戦(甲子園)以来、347日ぶりの勝利だった。「(1年ぶりの勝利は)長いと思います」少し照れた。一回、二回、三回と先頭打者に安打を浴びた。「(坂本)誠志郎さんが盗塁を(2つ)刺してくれて、粘りの投球ができた」と感謝。3-0の六回には1死から3連打を浴び、満塁とされたが、安田の中犠飛による1点だけで踏ん張った。「ピンチでしっかりコースに投げ切れたというのが自信になった」今季初先発だった11日の西武戦(ベルーナ)は7回?で4安打無失点の好投。勝ち星はつかなかったが、久しぶりに納得のいく投球をすることができたが、2軍には先発復帰を目指すビーズリーや門別がいる。「次が大事」と気持ちを切り替えて、今季初めて甲子園のマウンドに立った。苦悩の日々だった。昨季は4勝に終わり、今季は開幕ローテから外れ、2軍生活。「課題は直球のキレを取り戻すこと」。何度もいい時のビデオを見た。コーチから助言も受けたが、思うようにはいかない。5月上旬は直球のスピードが140キロに届かなかった。「めっちゃ考えすぎても意味がない。いったんリセットして感覚でやってみようかなと」いい意味の開き直りが功を奏した。球速も145キロまで回復。今月11日に1軍再昇格を果たし、2試合連続で結果を残した。「(6月は)先発も疲れてくるし、どこかでチャンスが絶対あると思いながら2軍で投げていた」。1軍の試合をテレビでみていたときは正直悔しかった。「ここから、どんどんチームに貢献できたらいいなと思います」。もう先発ローテの座を手放すつもりはない。(三木建次)

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神・中野が2番打者としての役目を果たした。一回の第1打席で犠打を決めると、三回も先制点につながる犠打。「自分の役割はクリーンアップにいい形でつなぐこと」。五回、八回は右前適時打を放って、2打数2安打2打点1四球2犠打と打線をつなげた。連敗ストップに貢献した選手会長は「きょうの勝利をいいきっかけにできるようやっていきたい」と力強かった。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)3-1の七回に登板した阪神・ネルソン(前フィリーズ)が打者3人をピシャリと抑えた。「いつも先頭打者を打ち取ることを大事にしている」。9試合目の登板で3ホールド、防御率1・00。日増しに評価を上げている右腕は「シーズンが長い。(今の状態を)続けられるように頑張っていきたい」と誓った。

◆10日ぶりに勝った!! 阪神はロッテ戦に8-1で快勝し、連敗を7で止めた。森下翔太外野手(24)が三回に自身17打席ぶりの安打となる先制打を放つなど、2打点で勝利に貢献。交流戦の打点を13とし、リーグ戦に続いて単独トップに立った。長いトンネルから抜け出した球児虎が、再び上昇気流に乗っていく。7連敗と長く迷い込んだトンネルをようやく抜け出した。そのバットで明るい光を照らした。もどかしいムードを振り払ったのは、主砲・森下だ。仲間と全ての虎党が渇望した勝利に導いた。「一回もチャンスメークをしてもらい、一本を出すことができなかった。(三回は)同じシチュエーションの中でチカさん(近本)が三塁まで進んでくれたので、何とか先制点につなげたいと思った。しっかりと打ち返せて良かった」まずは三回だ。四球で出塁した先頭・近本が犠打での二進後に三盗を決めて作ったチャンスで打席へ。相手内野陣が前進してヒットゾーンが広がったことで心理的余裕も生まれた中、高めに浮いたフォークに反応した。打球を右前へ運んでもぎ取った先制の1点は、結果的に決勝点。3試合&17打席ぶりと、久々の快音は価値ある一打だった。さらに、5―1の八回2死一塁では「三振でも中途半端なスイングはしないように」とゲレーロの145キロを振り抜き、左中間を突破。一走・中野をホームへ迎え入れ、続く佐藤輝の2ランにつなぎ、今季初の1イニング5得点にもしっかりと絡んだ。

◆?(日本生命セ・パ交流戦、阪神8-1ロッテ、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)「きょうは、普通に、サトテルが一発をほうり込むと思いますよ」トラ番サブキャップ・原田遼太郎の試合前の予言を、神の声だったと思い出した八回裏だった。遡ること10時間ぐらい前のこと。甲子園球場外周で、記念撮影しているカップルがいた。女性はウエディングドレスのような純白のドレス。男性はビシッとスーツで決めていた。専属カメラマン(たぶん)がいて、甲子園球場をバックに、2人はポーズをとっていた。そろって、実に幸せそうな笑顔だ。推測するに、結婚披露宴で流す映像か、それとも写真か。思い出が詰まった大好きな甲子園で...という趣向だろう。やがて〝お色直し〟。再登場したカップルは、タイガースのレプリカユニホームを身にまとってパシャリ、パシャリ。正真正銘の阪神ファンなんだろうなぁ。ほほえましく、しばらく眺めていた。気づいたのは2人の背番号。「8」。応援し続けているサトテルの〝戦闘服〟で、人生の門出を飾るんだろう。虎ソナ的には、サトテルは新庄剛志以来のスーパースターだと確信している。今回の「確信歩き」騒動で、その思いをより確かにした。15日の楽天戦。ホームランだと思って全力疾走しなかった。フェンスに直撃して、慌てて走り出したがシングルヒットになった。良い子の行動...ではない。評論家やOBから叱られた。それで十分ではないか。単に打球の飛距離を見誤っただけじゃないか。なのに、何日たってもテレビやラジオの情報番組、SNS上で批判の嵐が吹き荒れている。この男が「新庄以来」と感じるのは、こちらの想定を、信じられない方向で超えていくこと。

◆よっしゃァ!! 阪神の連敗が止まったァ!! 何なんだ? ダメ虎だけど『やっぱり好きやねん、阪神!!』の勝ち方はー?!オープン戦から全くダメダメの伊藤将が本来の力をほぼ取り戻して初勝利を挙げれば、森下は17打席ぶりの安打となる先制打に八回はダメ押しのツーベース。仕上げは前日に4三振を喫した佐藤輝の19号ホームラン!!このチームは、球児監督がインタビューで言っていたように、まさに「人生と一緒」。山あり谷ありで、つらいこともあるけど、楽しきかな野球ファン、いや、楽しきかな阪神ファンなのだ!!交流戦は残り4試合。結局、近本が先頭打者で出塁して中野が2つキッチリとバントを決めるなど、普段着野球が勝利への近道だと改めて思ったのだ!!交流戦後のキーマンは前川になる? 得点能力が低い阪神において、前川の起用が大きく左右するような。それによって佐藤輝を外野からサードに戻すことも...。虎党の皆さんはどういう選択を望みます? 選手起用はこの先の阪神の楽しみでもあるのだ!!

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
941 0.692
(↓0.058)
-
(-)
458
(+4)
35
(+8)
8
(-)
10
(-)
0.263
(↑0.008)
2.400
(↓0.44)
2
(-)
ORIX
860 0.571
(↓0.044)
1.5
(-)
446
(+3)
48
(+6)
4
(-)
8
(-)
0.255
(↓0.001)
3.230
(↓0.24)
2
(-)
日本ハム
860 0.571
(↓0.044)
1.5
(-)
455
(+1)
43
(+2)
14
(-)
6
(-)
0.268
(↓0.006)
2.870
(↑0.04)
2
(-)
西武
860 0.571
(↓0.044)
1.5
(-)
430
(+2)
36
(+4)
2
(+1)
8
(-)
0.227
(↓0.005)
2.300
(↓0.07)
5
(1↑)
楽天
761 0.538
(↑0.038)
2
(↑1)
439
(+6)
44
(+2)
6
(-)
8
(+1)
0.247
(-)
2.340
(↑0.17)
5
(-)
ロッテ
760 0.538
(↓0.045)
2
(-)
539
(+1)
47
(+8)
8
(-)
11
(-)
0.223
(↑0.007
3.590
(↓0.39)
7
(-)
広島
770 0.500
(↑0.038)
2.5
(↑1)
459
(+8)
50
(+4)
6
(+1)
15
(+1)
0.267
(↑0.012)
3.410
(↓0.04)
7
(-)
中日
770 0.500
(↑0.038)
2.5
(↑1)
439
(+6)
47
(+3)
7
(+1)
17
(+1)
0.240
(↑0.004)
3.420
(↑0.04)
9
(-)
DeNA
680 0.429
(↑0.044)
3.5
(↑1)
437
(+4)
41
(+2)
7
(-)
7
(+1)
0.206
(↑0.003)
2.900
(↑0.07)
9
(-)
阪神
680 0.429
(↑0.044)
3.5
(↑1)
451
(+8)
35
(+1)
12
(+1)
13
(+2)
0.246
(↑0.012
2.360
(↑0.11)
11
(1↑)
巨人
481 0.333
(↑0.06)
4.5
(↑1)
530
(+2)
39
(+1)
4
(-)
7
(-)
0.226
(↑0.007)
2.820
(↑0.15)
12
(1↓)
ヤクルト
491 0.308
(↓0.025)
5
(-)
437
(+2)
55
(+6)
9
(-)
10
(+1)
0.215
(↑0.001)
3.780
(↓0.17)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
36282 0.563
(↑0.007)
-
(-)
77229
(+8)
156
(+1)
39
(+1)
55
(+2)
0.243
(↑0.003
2.140
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
32293 0.525
(↑0.008)
2.5
(-)
79206
(+4)
171
(+2)
32
(-)
34
(+1)
0.232
(↑0.001)
2.450
(-)
3
(-)
広島
31302 0.508
(↑0.008)
3.5
(-)
80209
(+8)
184
(+4)
27
(+1)
30
(+1)
0.245
(↑0.003)
2.640
(↓0.02)
4
(-)
巨人
32322 0.500
(↑0.008)
4
(-)
77192
(+2)
202
(+1)
41
(-)
30
(-)
0.240
(↑0.002)
2.730
(↑0.03)
5
(-)
中日
30332 0.476
(↑0.008)
5.5
(-)
78158
(+6)
199
(+3)
30
(+1)
43
(+1)
0.222
(↑0.001)
2.890
(-)
6
(-)
ヤクルト
18403 0.310
(↓0.006)
15
(↓1)
82157
(+2)
253
(+6)
28
(-)
25
(+1)
0.219
(-)
3.700
(↓0.04)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
37262 0.587
(↓0.01)
-
(-)
78230
(+1)
179
(+2)
62
(-)
32
(-)
0.237
(↓0.001)
2.360
(-)
2
(-)
ORIX
33273 0.550
(↓0.009)
2.5
(-)
80216
(+3)
223
(+6)
39
(-)
32
(-)
0.260
(↓0.001)
3.250
(↓0.05)
3
(-)
西武
35290 0.547
(↓0.009)
2.5
(-)
79176
(+2)
166
(+4)
26
(+1)
43
(-)
0.236
(↓0.001)
2.410
(↓0.01)
4
(-)
ソフトバンク
33283 0.541
(↓0.009)
3
(-)
79234
(+4)
194
(+8)
38
(-)
44
(-)
0.248
(↑0.002)
2.690
(↓0.09)
5
(-)
楽天
30322 0.484
(↑0.009)
6.5
(↑1)
79173
(+6)
196
(+2)
25
(-)
62
(+1)
0.239
(↑0.001)
2.780
(↑0.04)
6
(-)
ロッテ
24370 0.393
(↓0.007)
12
(-)
82162
(+1)
219
(+8)
33
(-)
27
(-)
0.215
(↑0.001
3.410
(↓0.09)