1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 |
日本ハム | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 5 | 11 | 0 | 3 |
勝利投手:細野 晴希(1勝1敗0S) 敗戦投手:床田 寛樹(6勝5敗0S) 本塁打 |

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◆日本ハムが一発攻勢で快勝。日本ハムは2回裏、野村のソロで先制する。続く3回にはレイエスの2ラン、4回には郡司のソロが飛び出し、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・細野が6回無失点8奪三振の好投でプロ初勝利。敗れた広島は、先発・床田が精彩を欠いた。
◆日本ハム万波中正外野手(25)が3試合ぶりに「2番・右翼」でスタメン復帰した。万波は10日ヤクルト戦の第3打席から、11日ヤクルト戦の第2打席まで4打席連続三振を喫し、3打席目に代打を送られ、12日ヤクルト戦、13日広島戦と、2試合連続でスタメンを外れ、ベンチ入りも出場機会がなかった。新庄剛志監督(53)は12日の試合後「内容がね。4打席連続三振してて打線にならないと思って。ストライクを見逃して、外のボール球に手を出して、あっさり帰ってきて。あれを見た時に違う選手の方が打線になるかなというところで変えました」と、途中交代させた理由を説明していた。ちなみに万波は、12日も13日も、この日も元気に練習に参加していた。
◆広島先発は床田寛樹投手(30)が務める。前回7日西武戦(マツダスタジアム)は9回8安打5三振2失点で今季6勝目をマーク。北海道で7勝目を狙う。打線は「1番三塁」で上本崇司内野手(34)を起用。上本のスタメン出場は10日ロッテ戦の「7番左翼」以来、今季2試合目となる。また、2試合連続で指名打者(7番)は坂倉将吾捕手(27)。前日13日、右手首付近に死球を受けたサンドロ・ファビアン外野手(27)は「3番左翼」で出場する。
◆「寅威ママ」の"優しき空振り"で球場中が幸せに包まれた。この日の試合は「ベルコサンクスマッチ2025」と銘打たれ、試合前に「ES CON FIELD HOKKAIDOプロポーズ大作戦!2025」が決行され、1組のカップルが登場した。ストライクを奪えば、プロポーズ成功という中で、打席に立ったのは伏見寅威捕手(35)。プロポーズをした男性の投球は、大きくストライクゾーンからそれたが、伏見がしっかりと空振りを決めて、プロポーズは大成功した。オリックス時代に「チームのお母さんランキング」で1位に輝いたことをきっかけに、普段から後輩を優しく包み込む懐の深さも相まって「寅威ママ」と呼ばれる頼もしい女房役のアシストにも、場内から大きな拍手が送られた。
◆日本ハム野村佑希内野手(24)が復帰1号を放った。0-0の2回先頭で、カウント1ストライクから広島先発床田のカットボールを捉えた。打球は高く舞い上がり、2階席前面の広告ボードに当たる7号先制ソロとなった。ベンチに戻ってくると、新庄剛志監督(53)は両手でバツ印をつくる"ダメダメ"ポーズで出迎えた。開幕時から指揮官は、野村に二塁打を打つよう指示を出しており、本心からの「バツ」というよりはむしろ"二塁打じゃなくて本塁打っちゃて~"という喜びの裏返しとも取れる。野村の本塁打は、左脇腹を負傷する直前の5月13日オリックス戦以来32日ぶりで「昨日はストレートへの対応が悪かったので、少し早めにタイミングを合わせたことがいい結果につながったと思います」とコメントした。
◆モデル、女優の鈴木ゆうか(28)が昨年の交流戦に続き始球式を務めた。短いスカートに「YUKA 82」と背中に入ったユニホームに、羊の耳をつけて登板。ボールはワンバウンドしたが、しっかりホームベースの中央付近を通過した。抜群のプロポーションと美貌にSNSでは「かわいすぎ」「びっくりした」などとコメントが寄せられていた。
◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が"リプレー検証弾"でリーグトップの14号2ランをマークした。3回2死二塁で、床田の初球を捉えた打球は左中間へ。最初はフェンス最上部に当たってグラウンドに打球が戻ったと判定されて適時二塁打だったが、直後に新庄剛志監督(53)もベンチから飛び出して"柵越え"をアピール。審判団も集まって協議した上で「審判自らの検証を行います」とリプレー検証を実施。その結果、ホームランと判定された。二塁塁上で待っていたレイエスは大喜び。ダイヤモンドの残り半周を軽やかに走って笑顔でホームにかえってきた。「第1打席が終わった後、八木コーチと配球を見直して次の打席に向かいました。切り替えて、アグレッシブに打つことができました」。本塁打、打点でリーグトップに立つレイエスは、この時点で交流戦では阪神佐藤輝(5本)に次ぐ2位タイの3本塁打、打点でも阪神森下(11打点)に次ぐ2位タイの9打点となった。
◆広島先発の床田寛樹投手(30)が、3イニング連続で被弾した。2回、日本ハム野村に先制の7号ソロ。3回、レイエスに14号2ラン。4回、郡司に4号ソロを浴びた。3回のレイエスの打球は最初は二塁打と判定されたが、審判団が集まって協議。「審判自らの検証を行います」と球場アナウンスで説明し、リプレー検証を実施した結果、本塁打と判定された。床田の今季被弾はここまで、3月29日阪神戦(マツダスタジアム)で森下に許した1本塁打のみ。しかし、この日は日本ハム打線の1発攻勢の前に沈んだ。結局、5回8安打4三振4失点で降板。1試合で3本塁打を許したのは23年7月11日巨人戦(東京ドーム)以来だった。
◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が3回2死二塁で、審判団のリプレー検証の末にリーグトップの14号2ランをマークした。最初はフェンス最上部に当たってグラウンドに打球が戻ったと判定されて適時二塁打だったが、直後に新庄剛志監督(53)もベンチから飛び出して"柵越え"をアピール。審判団も集まって協議した上で「審判自らの検証を行います」とリプレー検証を実施した。リプレー映像では、打球は外野フェンスの青いラインに当たった後、外野フェンス上部の支柱(青ラインの上の柵)に当たってグラウンドへ跳ね返っていた。その映像を見て、審判団は二塁打からホームラン判定に覆した。一方で、7回2死一塁で野村佑希内野手(24)が放った中堅への打球も似たような形でグラウンドへ跳ね返ったが、最初の判定は適時三塁打。今度は新庄監督のリクエストによってリプレー検証が行われたが、打球は外野フェンスの青いラインに当たってグラウンドに跳ね返ったと判定され、適時三塁打のままだった。エスコンフィールドには特別グラウンドルールがある。
◆青い線を超えていたレイエス 14号2ラン検証結果はホームラン待ち時間はモンテロと#オレをみろ 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)年間契約の初月無料登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/6/14)??日本ハム×広島??Live on DAZN#lovefighters pic.twitter.com/Ane3iDhsU2
◆日本ハムの23年ドラフト1位左腕、細野晴希投手(23)が6回78球を投げ2安打8三振2四球無失点で、プロ初勝利を挙げた。4回まで無安打6奪三振無失点と快投。5回は連打を浴び無死一、二塁のピンチを招くも、8番石原を遊撃併殺、9番矢野を外角ギリギリの149キロストレートで見逃し三振に切って取り、無失点にしのいだ。前回登板した6月5日阪神戦(エスコンフィールド)は、4回1/3 7四球4失点と、制球が乱れプロ初黒星を喫したが、中8日で調整しなおし、通算6度目の登板で、念願の1勝目を手にした。「前回登板のこともあり、試合前は不安と崖っぷちという気持ちが入り交じっていました。それでも、最初のストライクを取れてからは、落ち着いて投げることができました。変化球でストライクを取れたことが良かったです」とコメントした。細野晴希(ほその・はるき)2002年(平14)2月26日生まれ、東京・八王子市出身。加住小2年から交友ビクトリーズで野球を始める。東海大菅生中では軟式野球部に所属。東亜学園に進学し、1年夏からベンチ入り。甲子園出場はなし。東洋大では1年秋からベンチ入り。昨年8月の大学日本代表-高校日本代表でアマ左腕最速の158キロをマークした。23年ドラフト1位で日本ハム入り。24年6月18日、交流戦の阪神戦(甲子園)でデビュー。180センチ、87キロ。左投げ左打ち。
◆日本ハムが「北広島」で初めて広島を倒した。23年に北海道・北広島市に開業後、公式戦4連敗中だった本拠地エスコンフィールドでの広島戦で初勝利。昨年から続いていた同カードの連敗も3で止めた。新庄剛志監督(53)は試合後、球団を通じて「強い広島さんに勝てたのでコメントは何もございません。選手に聞いてあげて!」とコメントした。2回に野村佑希内野手(24)が先制の左越え7号ソロを放つと、3回2死二塁で、フランミル・レイエス外野手(29)がリーグトップの14号2ラン、さらに4回先頭で郡司裕也捕手(27)が左越え4号ソロを放ち、突き放した。今季、これまで1本塁打しか許していなかった広島先発床田を、豪快な3発で攻略した。投げては2年目左腕の細野晴希投手(23)が6回2安打無失点でプロ初勝利を挙げた。ちなみに、日本ハムのエスコンフィールドでの広島戦は、24年にオープン戦でも3試合行っており1敗2分け。公式戦、オープン戦合わせ計8戦目での初勝利となった。
◆広島がエスコンフィールドで初黒星を喫した。23年の交流戦で3連勝。前日13日も快勝したが、この日は完敗。「北広島」での連勝は4で止まった。先発床田寛樹投手(30)が3本塁打を浴びた。2回、日本ハム野村に先制の7号ソロ。3回、レイエスに14号2ラン。4回、郡司に4号ソロ。まさかの3イニング連続被弾だった。床田の今季被弾はここまで、3月29日阪神戦(マツダスタジアム)で森下に許した1本塁打のみだった。しかし、この日は次々とアーチを浴びた。結局、5回8安打4三振4失点で降板。今季5敗目を喫した。
◆広島がエスコンフィールドで初黒星を喫した。23年の交流戦で3連勝。前日13日も快勝したが、この日は今季8度目の0封負け。「北広島」にあるエスコンFでの連勝は4で止まった。先発床田寛樹投手(30)が1発攻勢に屈した。2回、野村に7号ソロ。3回、レイエスに14号2ラン。4回、郡司に4号ソロ。まさかの3イニング連続被弾だった。今季はここまで、3月29日阪神戦(マツダスタジアム)で森下に許した1本塁打のみだったが、この日は3発を献上。5回8安打4失点で降板し、今季5敗目を喫した。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、プロ初勝利をマークした細野晴希投手(23)の「ピース」をインスタグラムでイジった。今季4試合目の登板となった細野は、4回まで無安打6奪三振無失点と快投。5回は連打を浴び無死一、二塁のピンチを招くも、8番石原を遊併殺、9番矢野を外角ギリギリの149キロストレートで見逃し三振に切って取り、無失点にしのいだ。打線の援護もあり、6回78球を投げ2安打8三振2四球無失点で、プロ初勝利を挙げた。前回登板した6月5日阪神戦(エスコンフィールド)は、4回1/3を7四球4失点と、制球が乱れプロ初黒星を喫したが、中8日で調整し直し、通算6度目の登板で、念願のプロ1勝目を手にした。試合後には、新庄監督と一緒にウイニングボールを持って写真撮影。新庄監督は人さし指で1勝目の「1」を示したが、細野はピースサイン。新庄監督は細野の指を「1」に修正し、笑顔あふれる写真撮影となった。新庄監督は「ピースじゃね~よ 初勝利の1ばい!」とインスタグラムへ投稿した。
◆広島がエスコンフィールドで初黒星を喫した。23年の交流戦で3連勝。前日13日も快勝したが、この日は完敗。「北広島」での連勝は4で止まった。全員三振=広島 14日の日本ハム2回戦(エスコンフィールド)で出場した野手9人全員が毎回の15三振を喫して記録。全員三振は今年5月31日のオリックス以来24度目で、広島では18年6月16日以来2度目。全員三振と毎回三振を同時に記録したのは18年5月8日の西武以来4度目となり、セ・リーグの球団では初めて。
◆日本ハム郡司裕也捕手が3点リードの4回先頭で左越えの4号ソロを放ち、細野をバットでも援護した。本職の捕手以外で出場する際、一、三塁、左翼など守る位置が重なることの多い野村が2回に復帰1号。郡司は「ライバルの野村選手がホームランを打ちまして。この流れでジェイ(野村)がヒーローインタビュー行くなと思ったので、僕もついていかないといけないなと思いました」と、しっかりお立ち台にも滑り込んだ。
◆日本ハム・レイエス外野手(29)が1点リードの3回2死二塁でリーグトップの14号2ランを放った。打球は左翼フェンス上部の青ラインに当たった後、上の柵に当たってグラウンドへ跳ね返った。一度は二塁打の判定も、新庄監督は"柵越え"をアピール。審判団の検証の結果、本塁打に覆った。レイエスは「第1打席が終わった後、八木コーチと配球を見直して次の打席に向かいました。切り替えてアグレッシブに打つことができました」と振り返った。
◆日本ハム細野晴希投手(23)が6回2安打無失点でプロ初勝利をつかんだ。通算6試合目での勝利に「ひとまずほっとしてます」。4回まで無安打6奪三振無失点。5回は連打で無死一、二塁を招くも広島の8番石原を遊ゴロ併殺、9番矢野を外角ギリギリの149キロのストレートで見逃し三振と、クールにしのいだ。これまで女房役だった同期進藤が13日に2軍降格。12日の試合後、球場の風呂場で「1つ言えるのは、お前はコントロール悪くないから」と勇気づけられ、別れた。前回登板の6月5日阪神戦は4回1/3、7四球4失点でプロ初黒星。自信をなくしかけていた左腕には、大きなひと言だった。新女房役の郡司には、スコアラーからA4用紙1枚の「細野のトリセツ」が渡された。「彼だけです。こだわりがあるので」と郡司。細野は「初回初球のストレートが外れた後、2球目にカットボールを要求されてストライクになった。その球で、いい流れで入れた。郡司さんに感謝したい」。郡司は「トリセツを参考にしつつ、僕なりに思うこともやりつつ」と細野を気持ち良く投げさせた。これで伊藤、山崎、加藤貴、北山、金村、達、古林、バーヘイゲンに続く先発9人目の白星。投げ抹消のため交流戦登板はこれが最後だが、リーグ戦再開後に向け、大きなプラス材料だ。黒星を喫した前回登板後「気持ちを切り替えられたら」と後ろ髪を切り「平成のキムタク風」からイメチェン。幕末のイケメン土方歳三風に変身した9番目の先発"隊士"が、9年ぶりリーグ制覇への貴重なピースになる。【永野高輔】
◆帰ってきた主砲が完全復活弾だ! 日本ハム野村佑希内野手(24)が「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦の2回に決勝の先制7号ソロを放った。8回には適時三塁打も放ち、故障から1軍復帰して2試合目でチームを勝利に導く大活躍を見せた。これで23年に北海道・北広島で開業したエスコンフィールドでの広島戦は、交流戦とオープン戦合わせて計8戦目で初勝利となった。野村は、もちろん分かっていた。「たぶん、やるだろうなと思っていました」。2回先頭で左翼2階席のフェンスに直撃する先制7号ソロ。ベンチへ戻ってくると新庄監督は両手人さし指をクロスさせて「ダメダメ」と言わんばかりの"×ポーズ"。想像通りのリアクションに右手でヘルメットのつばを触って軽くペコリしてから、指揮官と軽やかにハイタッチし、1軍復帰後の初アーチを祝った。開幕前から本塁打を狙うのではなく「二塁打指令」を受けていた指揮官との間に復活した"儀式"も約1カ月ぶり。それでも、いつも通りに反応できたのは「そんなに(1軍から)離れている感覚もなくできているので」。左脇腹肉離れで離脱する前と同じ感覚で試合に臨めているからだ。リハビリ中も試合勘をキープすることを心がけていた。ゲーム復帰する前から定期的にブルペンで投球練習のボールを見て、目の感覚を維持。2軍戦で試合に出始めてからは「オープン戦からずっと、その日その日の一番いい打ち方に修正するのを繰り返しながらやってきた。患部や結果を気にするんじゃなくて、しっかり打席ごとに修正をかけながら来れているんで変に状態を落としすぎることはなかった」と振り返った。4番として好調だった1軍での打席と同じ意識を持ち続けたことで、この日の"一番いい打ち方"を実践できた。「真っすぐに対してのアプローチがあんまり良くないと感じていて、根本的にタイミングの見直しをした結果が、いい方向にいった」。早めの始動を心がけて7回にも適時三塁打。故障離脱してもブレなかった自分の軸があるから、ブランクがなかったように、いきなり活躍ができる。13日は6番、この日は5番と打順は上がってきたが、4番に対する思いは-。「その辺はボスに任せる。僕自身もずっと4番を打ってましたけど、しっかり状況を見ながら打席に立っていた。打っていった上で結果的に4番で終われたら一番いい形だとは思いますけど、しっかり任された場所で結果を残せれば」。頼もしさ満点。きっと近いうちに「4番野村」も復活するはずだ。【木下大輔】
◆前回7四球と崩れた日本ハム細野晴希投手(23)が、しっかり修正して初勝利をつかんだ。嫌なことがあっても、腐らず時間を大切にする。幼少期から続けてきた習慣は、プロでも力になった。こどもの頃の遊びは兄妹でのテレビゲームだったが、兄妹げんかが頻発した。「いいアイテムを取ると妹が怒るんです。『こっちの番なんだけど!』みたいな」。大好きな画面から離れることを余儀なくされ、仕方なくあおむけに寝転がり、気づけば天井に向かって2時間ほどボールを真上に投げていた。この投球が、いつの間にかゲームになった。「勝手に試合をイメージして遊んでました」と、天井に想像で立たせた"打者"を相手に、多彩な変化球で攻めた。そんな日々から10年以上が経過し「変化球は投げようと思えば投げられるんですよ」。その中から厳選したツーシームやスライダー、カットボール、スプリットなどで、最速158キロの快速球を彩る。あの日磨いた妄想力と手先の器用さが、6回8三振無失点の土台になった。【黒須亮】
◆北海道岩内町出身の関取で、西前頭4枚目の一山本(31=放駒)がファーストピッチに臨んだ。緑の衣装に赤いグラブで登板。「野球はこどもの頃、兄弟でキャッチボールをしたぐらい」とはいうものの、無駄のないコンパクトなフォームから投球し、ボールはノーバウンドで、捕手役の日本ハム石井のミットにおさまり、大歓声を受けた。野球場に訪れること自体が人生初の経験。「エスコンフィールドのマウンドには、ゲームでは立ちましたが、実際に来たのは初めてです。広くて開放感があっていい球場だなと感じました。投球は、とりあえず、届いて良かったです」と感想を口にした。春場所が7勝8敗、夏場所は5勝10敗で連続の負け越し。放駒部屋の公式インスタグラムでは、夏場所中に左手小指を脱臼したことが明かされているが、名古屋場所は出場する意向。本業に向け「来場所は、しっかり稽古を積んで頑張りたい」と雪辱を誓った。今回は日本相撲協会の財団法人化100周年、パ・リーグ75周年ということでのコラボ企画。各球場に、力士が訪れている。「基本的に来た仕事はすべて断らないと決めてるんで」と、3回の攻撃終了後にはファイターズガールと「きつねダンス」も披露した。緑の着物をまとっての斬新な"緑のきつねダンス"。事前に映像を見てイメトレし「恥ずかしい映像が残らないように頑張ります」と、ファーストピッチ後にも練習して臨み、多少のずれはあったが、汗だくになりながら最後まで笑顔で踊りきった。
◆日本ハム・野村佑希内野手(24)が「5番・三塁」で先発出場し、0―0の二回に先制の7号ソロを放った。前日13日に1軍復帰し、5月13日のオリックス戦(エスコン)以来、昇格後初となる本塁打を放った。「昨日はストレートへの対応が悪かったので、少し早めにタイミングを合わせたことがいい結果につながったと思います」1ストライクから広島の先発左腕、床田の135キロのカットボールをフルスイング。高い放物線を描き、豪快に左翼2階席へ運んだ。
◆日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が「4番・DH」で先発出場し、1―0の三回、リーグ単独トップの14号2ランを放った。11日のヤクルト戦(エスコン)以来、出場3試合ぶりにアーチを描いた。「第1打席が終わった後、八木(打撃)コーチと配球を見直して次の打席に向かいました」2死二塁で広島の先発左腕、床田の初球、124キロのチェンジアップを一閃。左中間席最前列へ運んだ。フェンス上部の鉄柵に直撃し、打球が跳ね返って最初は二塁打とジャッジされたが、映像検証で判定が覆り「アグレッシブに打つことができました」と振り返った。
◆日本ハム・細野晴希投手がプロ初勝利を挙げた。150キロ超の力強い直球に落ちる変化球などを交え6回2安打無失点と好投を見せた。打線は野村佑希内野手、レイエス外野手、郡司裕也捕手の本塁打などで得点を重ねた。
◆広島の床田が先発で5回を投げ、3本塁打を浴びて今季ワーストに並ぶ4失点。持ち味の制球力を生かせず、高めに甘く入った球を捉えられ「ボール先行でストライクを取りにいった球などを(相手打者に)気持ち良くスイングさせた」と自己分析した。今季の過去11度の登板で被本塁打はわずか1本だった。不本意な投球となり「次が大事になると思う」と気持ちを切り替えた。
◆日本ハムの野村が左脇腹の肉離れから復帰して2戦目で本塁打を放った。二回の先頭で、床田のカットボールを完璧に捉え、左越えに先制の7号ソロ。5月13日以来の一発に「いいホームランだった。少し早めにタイミングを合わせたことが結果につながった」とうなずいた。七回には中堅フェンス直撃の適時三塁打をマーク。2安打2打点の活躍で快勝に貢献し「次につながる打席が多かった」と納得の表情を浮かべた。
◆日本ハムの細野晴希投手(23)が先発し、6回2安打無失点に抑え、プロ6戦目で待望の初勝利を挙げた。東洋大時代にアマチュア左腕史上最速となる158キロを計測し、昨季ドラフト1位で入団した逸材がリーグ首位のチームを勢いづけた。ベンチで戦況を見守る細野の顔に、安堵(あんど)と喜びの色が入り交じった。九回、守護神の田中が末包を空振り三振に斬って試合終了。プロ6戦目にして、2年目左腕に初白星がついた。「なかなか勝ちが付かなかったので、少し焦りがあった。ほっとしている」最大のピンチは先頭から連打を許して無死一、二塁を招いた五回。焦ることなく、8番・石原をフォークボールで遊ゴロ併殺打に仕留めると、続く矢野を149キロの直球で見逃し三振。初めてバッテリーを組んだ郡司から「腕を振ってこい」とジェスチャーで背中を押され「その通り投げられた」と胸を張った。プロの舞台で試行錯誤を重ねてきた。東洋大時代は力投派でアマチュア左腕史上最速となる158キロを計測。昨季はドラフト1位で鳴り物入りで入団したものの、2試合に先発して勝ち星がなく、防御率3・86と不本意な成績に終わった。「球速だけにフォーカスしていた」という考えを見直し、同じ左腕で技巧派の加藤貴や山崎らの投球を参考にした。「感覚的に5割」という力感のない投球フォームを習得すると、課題の制球が安定。「今日は球速自体は遅くても差せた」という通り、力強い速球を軸に落ちる変化球を織り交ぜて打者を詰まらせた。細野の好投に救援陣も続き、チームは今季11度目の零封勝ち。快勝で貯金を再び今季最多タイの10とした。初めてお立ち台に上がった細野は今季最多3万3574人の本拠地のファンに「このまま良い流れで、次の試合も抑えられるように頑張ります」と宣言。記念のウイニングボールは「野球をさせてくれてありがとう」との言葉とともに両親に贈るという。期待の新星が大きな一歩を踏み出した。(加藤次郎)細野の東海大菅生高等学校中等部時代の恩師・村上晋(すすむ)監督(60)はネットの速報で結果をチェック。教え子のプロ初勝利に「本人が一番うれしいんじゃないかな。苦しい中、よく投げた」と感慨に浸った。この日、同中野球部は夏の都大会予選で羽村第一中学に、7―0で5回コールドで勝利。細野から「僕も後輩たちに負けないように頑張ります」と連絡があったという。細野の登板前には恩師が試合後に運転する車の中に幸運の象徴とされる、てんとう虫が入ってきたといい、「良いことがあるんじゃないかなと思っていました」。親心をのぞかせ「慌てずにけがをしないように頑張っていってほしい」とエールを送った。

<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
7 | 3 | 1 | 0.700 (↑0.033) | - (-) |
7 | 48 (+4) | 24 (-) | 6 (+1) | 7 (+1) |
0.269 (↓0.008) | 2.040 (↑0.2) |
2 (-) |
広島 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↓0.055) | 1.5 (↓1) |
7 | 44 (-) | 36 (+5) | 5 (-) | 13 (+1) |
0.262 (↓0.011) | 3.150 (↓0.22) |
2 (3↑) |
ORIX |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 1.5 (-) |
7 | 30 (+2) | 36 (+1) | 3 (-) | 6 (-) |
0.239 (↓0.002) | 2.990 (↑0.27) |
2 (3↑) |
日本ハム |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 1.5 (-) |
7 | 42 (+5) | 33 (-) | 9 (+3) | 5 (-) |
0.268 (↑0.006) | 2.840 (↑0.28) |
2 (-) |
中日 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↓0.055) | 1.5 (↓1) |
7 | 30 (+1) | 38 (+2) | 6 (+1) | 14 (-) |
0.240 (↓0.008) | 3.510 (↑0.11) |
2 (3↑) |
西武 |
6 | 5 | 0 | 0.545 (↑0.045) | 1.5 (-) |
7 | 24 (+2) | 32 (+1) | 1 (+1) | 8 (-) |
0.234 (↑0.009) | 2.640 (↑0.16) |
7 (3↓) |
ロッテ |
5 | 5 | 0 | 0.500 (↓0.056) | 2 (↓1) |
8 | 30 (-) | 34 (+5) | 6 (-) | 9 (-) |
0.215 (↓0.015) | 3.340 (↓0.18) |
8 (2↑) |
楽天 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↑0.055) | 2.5 (-) |
7 | 26 (+5) | 36 (+4) | 5 (-) | 7 (+2) |
0.246 (↑0.012) | 2.660 (↓0.1) |
8 (3↓) |
DeNA |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↓0.045) | 2.5 (↓1) |
7 | 30 (-) | 32 (+4) | 7 (-) | 5 (+2) |
0.207 (↓0.004) | 2.840 (↓0.05) |
8 (3↓) |
阪神 |
5 | 6 | 0 | 0.455 (↓0.045) | 2.5 (↓1) |
7 | 40 (+4) | 28 (+5) | 11 (-) | 10 (+2) |
0.241 (↑0.012) | 2.430 (↓0.25) |
11 (1↑) |
ヤクルト |
4 | 7 | 0 | 0.364 (↑0.064) | 3.5 (-) |
7 | 27 (+5) | 40 (-) | 8 (+2) | 5 (-) |
0.208 (-) | 3.540 (↑0.36) |
12 (1↓) |
巨人 |
3 | 6 | 1 | 0.333 (↓0.042) | 3.5 (↓1) |
8 | 24 (+1) | 26 (+2) | 4 (-) | 5 (+1) |
0.207 (-) | 2.350 (↑0.18) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
35 | 26 | 2 | 0.574 (↓0.009) | - (-) |
80 | 218 (+4) | 149 (+5) | 38 (-) | 52 (+2) |
0.242 (↑0.002) | 2.140 (↓0.04) |
2 (-) |
DeNA |
31 | 27 | 3 | 0.534 (↓0.01) | 2.5 (-) |
82 | 199 (-) | 162 (+4) | 32 (-) | 32 (+2) |
0.233 (↓0.001) | 2.410 (↓0.01) |
3 (-) |
広島 |
30 | 28 | 2 | 0.517 (↓0.009) | 3.5 (-) |
83 | 194 (-) | 170 (+5) | 26 (-) | 28 (+1) |
0.243 (↓0.001) | 2.550 (↓0.04) |
4 (-) |
巨人 |
31 | 30 | 2 | 0.508 (↓0.009) | 4 (-) |
80 | 186 (+1) | 189 (+2) | 41 (-) | 28 (+1) |
0.237 (↓0.001) | 2.650 (↑0.04) |
5 (-) |
中日 |
29 | 31 | 2 | 0.483 (↓0.009) | 5.5 (-) |
81 | 149 (+1) | 190 (+2) | 29 (+1) | 40 (-) |
0.221 (↓0.001) | 2.880 (↑0.01) |
6 (-) |
ヤクルト |
18 | 38 | 2 | 0.321 (↑0.012) | 14.5 (↑1) |
85 | 147 (+5) | 238 (-) | 27 (+2) | 20 (-) |
0.218 (-) | 3.650 (↑0.06) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
日本ハム |
35 | 25 | 2 | 0.583 (↑0.007) | - (-) |
81 | 217 (+5) | 169 (-) | 57 (+3) | 31 (-) |
0.236 (↑0.002) | 2.330 (↑0.03) |
2 (-) |
ORIX |
31 | 26 | 3 | 0.544 (↑0.008) | 2.5 (-) |
83 | 200 (+2) | 211 (+1) | 38 (-) | 30 (-) |
0.258 (↓0.001) | 3.210 (↑0.05) |
3 (-) |
西武 |
33 | 28 | 0 | 0.541 (↑0.008) | 2.5 (-) |
82 | 170 (+2) | 162 (+1) | 25 (+1) | 43 (-) |
0.237 (↑0.001) | 2.470 (↑0.03) |
4 (-) |
ソフトバンク |
31 | 27 | 3 | 0.534 (↑0.008) | 3 (-) |
82 | 224 (+4) | 183 (-) | 36 (+1) | 41 (+1) |
0.248 (↓0.002) | 2.640 (↑0.04) |
5 (-) |
楽天 |
28 | 32 | 1 | 0.467 (↑0.009) | 7 (-) |
82 | 160 (+5) | 188 (+4) | 24 (-) | 61 (+2) |
0.238 (↑0.002) | 2.860 (↓0.01) |
6 (-) |
ロッテ |
22 | 36 | 0 | 0.379 (↓0.007) | 12 (↓1) |
85 | 153 (-) | 206 (+5) | 31 (-) | 25 (-) |
0.214 (↓0.002) | 3.350 (↓0.03) |
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