西武(☆4対1★)阪神 =交流戦3回戦(2025.06.12)・ベルーナドーム=
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阪神
1000000001621
西武
11020000X4700
勝利投手:菅井 信也(5勝3敗0S)
(セーブ:平良 海馬(1勝1敗15S))
敗戦投手:デュプランティエ(2勝3敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(11号・1回表ソロ)

  DAZN
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◆西武が逆転勝利。西武は1点を追う1回裏、ネビンの適時打で同点とする。続く2回に長谷川が適時打で1点を勝ち越すと、4回には平沼と西川の連続適時打でリードを広げた。投げては、先発・菅井が5回1失点で今季5勝目。敗れた阪神は、打線がつながりを欠いた。

◆阪神森下翔太外野手(24)が初回2死から先制11号ソロを放った。カウント2-1からの西武先発菅井の146キロ直球を強振。左翼ポール際へライナー性でスタンドへ突き刺した。「しっかり振り切れたと思います。甘いゾーンにきた球をしとめることができてよかったです」とコメント。前日11日も0-0の6回2死三塁で先制中前適時打を放っていて、2戦連続で先制点をチームにもたらせた。打点を46に伸ばし、中軸を組む佐藤輝に並んでリーグトップに立った。

◆阪神先発ジョン・デュプランティエ投手(30)が、まさかの三塁打から勝ち越し点を献上した。同点の2回、先頭山村の打球は右中間にライナーで飛んだ。右翼手佐藤輝はチャージをかけたが、手前で跳ねた打球を処理しきれずに後逸。一気に三塁まで進塁を決められた。その後1死三塁となり、8番長谷川が三遊間を破る左前適時打。勝ち越し点を献上した。初回にも失点を喫しており、2イニング連続での失点となった。

◆阪神が失策絡みで西武に追加点を許した。1点を追う3回裏1死二塁で、西武平沼が左翼へ浅い飛球を放った。森下翔太外野手(24)は前進しながら、捕球すると見せかけるフェイク動作をしながら前進。だが前に落ちた打球は大きくバウンドが変わって左方向へはね、森下が後逸してしまった。二塁走者に2点目の生還を許し、打者走者の平沼は三塁まで進塁。先発ジョン・デュプランティエ投手(30)が続く西川に右前適時打を許し、1-4と3点差をつけられた。森下には失策が記録された。1-1の2回に西武に勝ち越しを許した場面も、拙守がきっかけになった。先頭山村の右中間への打球を右翼佐藤輝明内野手(26)が止めきれず、打球がグラブの下を抜けて後方へ点々。エラーはつかず、記録は三塁打になったが、1死三塁から長谷川に勝ち越しの左前適時打を許した。打線の主軸を担う3、4番コンビが、ともに外野守備で精彩を欠いた。

◆西武新外国人のタイラー・ネビン内野手(28)が攻守でハッスルした。初回、先制された直後の第1打席では2死二塁から中前へポトリと落ちる同点打。「良いところに落ちてくれて良かった」とすぐさま反撃に出た。さらに守備でももり立てた。1点リードの4回無死一塁。阪神佐藤輝の一、二塁間を抜けるかという当たりに追いつき、難しい体勢から二塁へ送球。二進を防ぐ好プレーで先発菅井を助けた。

◆阪神熊谷敬宥内野手(29)の打撃が好調だ。この日は2試合ぶりに「9番三塁」でスタメン出場。3回無死一塁の第1打席で左前打を放ち好機を広げた。今季4度のスタメン起用では全試合で安打をマーク(5安打)。この日の1安打で今季通算8安打とし、プロ8年目でシーズン安打最多を更新した。守備、走塁で貢献してきた名バイプレーヤー。今季は6年ぶりの遊撃スタメンや三塁で守備に就くが、試合前練習では外野での練習も欠かさない。三十路(みそじ)を目前にする背番号「4」が、進化する姿を見せつけた。

◆2年目の阪神椎葉剛投手(23)がプロ初登板を無失点で踏ん張った。3点ビハインドの7回に登板。先頭の古賀悠の四球や5番セデーニョの内野安打などで1死一、二塁。6番山村を左飛、7番源田はファーストライナーに仕留めて3アウトを奪った。23年ドラフト2位で入団。1年目の昨季は、開幕前の春季キャンプから1軍に同行してきたが、登板のないままシーズンを終えていた。今季は5月22日に1軍初昇格を果たしながらも、登板の無いまま同28日に出場選手登録を抹消。今月10日に再昇格を果たし、この日が念願の初登板となった。

◆2年目でプロ初登板を果たした阪神椎葉剛投手(23)を、先輩野手が必死にサポートした。7回に3番手で登板。緊張からか、先頭に対してストライクが入らない右腕に、遊撃から木浪聖也(30)が駆けつけて、声をかけた。無死一塁から左飛で「初アウト」を奪うと、三塁の熊谷敬宥(29)が拍手をするようにまた声かけ。その後、安打を浴びたあとには捕手の坂本誠志郎(31)と内野陣がマウンドに集まった。ピンチを招いた椎葉だったが、無失点でイニングを投げ終えた。ベンチではほぼ全員が椎葉のもとに近づいて、力投をたたえた。

◆阪神が今季3度目の3連敗を喫した。4連敗を喫した4月27日巨人戦~5月1日の中日戦以来。同一カード3連敗は今季2度目となった。また西武に同シーズンに3連敗を喫すのは、ホーム&ビジターの4試合制だった10年以来。ベルーナドームでは、23年5月31日から球団最長の5連敗となった。先制は阪神だった。初回2死から森下翔太外野手(24)が西武先発菅井の146キロ直球を強振。左翼ポール際へライナー性でスタンドへ突き刺した。3月11日のオープン戦で5回無安打無失点に抑え込まれた左腕から、先制の11号ソロとなった。しかし直後の1回裏、阪神先発のジョン・デュプランティエ投手(30)が、2死二塁からネビンに同点の中前適時打を献上。2回は先頭山村の右中間へのライナー性の当たりに、右翼手佐藤輝はチャージをかけたが、手前で跳ねた打球を処理しきれずに後逸。三塁打になると、1死三塁で長谷川に勝ち越しの左前適時打を許した。さらに4回1死二塁で、平沼の浅い飛球に左翼手森下が前進するも、落ちた打球が大きくバウンドが変わって後逸。失策が絡んで二塁走者の生還を許すと、なおも1死三塁で西川に右前適時打を浴びた。デュプランティエは来日ワーストタイの4失点(自責は3)を喫し、最短の4回で降板となった。打線は8回1死から中野の右前打、森下と佐藤輝の連続四球で満塁の好機をつくるも、佐藤輝がけん制死。大山も遊ゴロに倒れ、無得点に終わった。ビジター6連戦の最初のカードは3連敗。13日からの楽天3連戦(楽天モバイルパーク宮城)で白星を重ねたい。

◆西武は今季3度目の本拠地同一カード3連勝を飾った。先発左腕の西武菅井信也投手(21)は、5回3安打4奪三振1失点でチーム2位タイの5勝目。初回に阪神森下に11号の先制ソロを浴びたが、4回までに4点の援護をもらい、味方打線に応える粘投で最少失点で強打者がそろう阪神打線を抑えた。2回以外の毎イニングで走者を背負ったが、要所を締めた。3回は1死一、二塁で中野を二ゴロ併殺。4回は味方守備にも助けられ、ピンチをしのいだ。先制弾を浴びた先頭森下にストレートの四球。なおも無死一塁でリーグ最多18本塁打を誇る佐藤輝と対戦。スライダーを引っかけられ、一、二塁間を抜けるかという当たりを一塁手ネビンが好捕。難しい体勢からすぐさま二塁へ送球し、二進を防いだ。次打者大山にも四球で2死一、二塁とまたもピンチを招いたが、ヘルナンデス、木浪を2者連続三振。5回には2死から近本に左前打を浴びるも、続く中野をスライダーで左飛に打ち取った。打線は先制された直後の初回にネビンの同点打で追いつき、2回に長谷川の左前適時打で勝ち越しに成功。その後も得点を重ねて主導権を握り続けた。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が一塁走者で痛恨のけん制死を喫した。3点を追う1死満塁。本塁打が出れば逆転という場面で、打席には5番大山悠輔内野手(30)。1ボールとなった場面で、西武山田の一塁けん制球に不意打ちを食らった。慌てて滑り込んだが痛恨のタッチアウト。好機は2死二、三塁にしぼみ、大山が遊ゴロに倒れた。

◆阪神が今季3度目の3連敗を喫した。4連敗を喫した4月27日巨人戦~5月1日の中日戦以来。同一カード3連敗は今季2度目となった。3点を追う8回、1死から中野の右前打、森下と佐藤輝の連続四球で満塁の好機をつくるも、佐藤輝がけん制死。大山も遊ゴロに倒れ、反撃ムードが止まった。藤川監督は佐藤輝のけん制死について「また明日から、やっていく、と。それに尽きますね。準備はチームとして普段からやっているところですけど、ペナントレースはいろんなことが起こることはありますから」と話すにとどめた。守備でも1-1の2回、先頭山村の右中間へのライナー性の当たりに、右翼手佐藤輝はチャージをかけるも、手前で跳ねた打球を処理しきれずに後逸。三塁打となり、長谷川の勝ち越し左前適時打につながった。4回1死二塁では、平沼の浅い飛球に左翼手森下が前進するも、落ちた打球が大きくバウンドが変わり後逸。失策が絡んで二塁走者の生還を許すシーンもあった。指揮官は「いろいろ言っても一緒ですね。1つのゲームで、観に来ていただいたファンの方の前で精いっぱいやろうとした結果ですからね。また明日ですね」と選手たちをかばい、13日からの楽天3連戦(楽天モバイルパーク宮城)へ目を向けた。阪神が西武に3試合連続で逆転負けを喫した。阪神の交流戦での3連戦3連敗は、05年ソフトバンク戦、15年オリックス戦、16年ロッテ戦、18年ソフトバンク戦、19、24年楽天戦(1カード2試合のホーム&ビジターだった07~14年除く)に次ぎ7度目。西武相手では初めてだ。この3連敗で、西武戦の通算成績も36勝38敗と負け越した。

◆阪神2年目の椎葉剛投手(23)が無失点デビューを飾った。7回にプロ登板。1球目にいきなり自慢の真っすぐで151キロを計測したが、先頭への四球や内野安打などで1死一、二塁のピンチを背負った。それでも6番山村を左飛、7番源田を一直に仕留めて1回無失点で踏ん張った。「精いっぱいでした。もっとレベルアップしなきゃいけないなと感じました」と反省が口をついた。23年ドラフト2位で入団。1年目の昨季は2月に1軍沖縄・宜野座キャンプに参加するなど大きな期待を受けたが、その後は低調で1軍登板なくシーズンを終えた。今季は5月22日に1軍初昇格を果たしたが、登板機会なく同28日に出場選手登録を抹消。今月10日に再昇格し、念願の初登板となった。「初めて投げられて、もう1回投げたい思いも強くなった。しっかり自分の投球ができるように頑張ります」と決意をにじませた。

◆佐藤輝の痛恨けん制死について、一塁ベースコーチャーを務める阪神筒井荘外野守備兼走塁チーフコーチ(50)が唇をかんだ。「あれは大きかった。あそこは佐藤だけの責任じゃなくて、コーチとしても背後だったり、もうひと工夫、声かけとかしないといけないと反省している。あってはならないプレー。勝敗にも影響したし、コーチとして反省している。何を言っても言い訳になる。いろんなことはやったけど、対応できなかったので」3点を追う8回、1死から2番中野が安打を放つと、3番森下、4番佐藤輝が連続四球を選んで1死満塁。反撃ムードが最高潮に高まった5番大山の打席だったが、西武の山田が意表を突いた一塁けん制。走者佐藤輝がつり出され、痛恨のタッチアウトとなった。直後に大山も遊ゴロで倒れ、ビッグチャンスは無得点に終わっていた。

◆西武菅井信也投手(21)が強力阪神打線を相手に5勝目を挙げた。初回森下に先制ソロを被弾したが、勝負球のスライダーと直球を武器に要所を締める投球。4点の援護を背に5回3安打1失点で粘った。「初回からしっかりと球速のある直球を投げることができた」と3回1死一、二塁のピンチでは、阪神中野を直球で詰まらせて二ゴロ併殺に仕留めて1発以降の失点は許さなかった。チーム2位タイの5勝も、満足はいっていない。「森下選手に対しては甘く入ったところをホームランにされたので反省です」。さらに4回先頭で初回に先制弾を打たれた森下にストレートの四球を与えるなど、四球が目立ったため「もっとゾーン内で勝負します」と誓った。敵地で広島に3連敗からのホーム3連勝で笑顔の西口監督も、森下に出した四球には残念顔。「打たれた次の打席でね、しっかりとやり返して欲しかった」と次戦登板でのリベンジをリクエストした。▽西武西口監督(8回1死満塁から捕手古賀と山田のサインプレーで一走佐藤輝をけん制死)「あれはもう守備陣で。キャンプからずっと練習はしてきた。本当にいいところで使ってくれた」

◆先発の阪神デュプランティエが来日最短の4回5安打4失点、4四死球で3敗目を喫した。1、2回と立て続けに失点すると、4回には先頭の四球からピンチを招き、平沼、西川と2者連続でタイムリーを浴びた。したたる汗をぬぐいながらボール先行の苦しい投球となったが「自分が制球できなかった。マウンドの違いだったり、湿気のせいとかではない」と言い訳することはなかった。▽阪神富田(1軍復帰後初登板で2回1安打無失点)「任されるところはロング(リリーフ)と思っていたので。1つ1つのアウトをしっかり取っていこうと意識していました。しっかり準備して今後も臨みたいです」

◆あぁミスミスミス3連敗。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で初の同一カード3連敗を喫した。3点を追う8回に1死満塁の好機をつくったが、一塁走者の佐藤輝明内野手(26)が痛恨のけん制死。一打同点の反撃ムードを切ってしまった。同点の2回には右翼佐藤輝の"後逸"から勝ち越しを許し、4回には左翼森下の"後逸"から追加点を許す散々な黒星。3試合連続逆転負けで交流戦首位からも陥落。輝よ森下よ、今日13日からの仙台で名誉挽回の一撃を頼むぞ。最終盤にやってきた追い上げムードが、あっという間にしぼんでしまった。交流戦では西武相手に初の3連戦3連敗。藤川監督は「糧にしてね、あした以降、戦うと。それのみですね」と言葉少なに振り返った。3点を追う8回。1死から中野の右前打、森下と佐藤輝の連続四球でつくった満塁の絶好機。5番大山でさあ一打同点だと機運が最高潮に高まった打席で、まさかが起きた。1ボールから4番手の山田が振り向きざまに素早い一塁けん制。不意を突かれた一塁走者の佐藤輝が憤死した。「しっかり反省してまた...。それだけです」。佐藤輝はくちびるをかみ、大山も凡退して痛恨の0が刻まれた。チャンスをみすみす手放したプレーに、筒井外野守備兼走塁チーフコーチは「あれは大きかった。あってはならないプレー」ときっぱり。一塁コーチを務める自身も「あそこは佐藤だけの責任じゃない。勝敗にも影響したし、コーチとして反省している。何言っても言い訳になる」と責任を負った。右翼守備でも痛恨のプレーがあった。1-1に追いつかれて迎えた2回。先頭山村の右中間へのライナー性に佐藤輝がチャージをかけたが、手前で跳ねた打球を止めきれずに"後逸"。記録は三塁打になり、長谷川の勝ち越し決勝の左前適時打につなげてしまった。負の連鎖は続く。1点ビハインドの4回1死二塁では、平沼の浅い飛球に左翼森下がフェイクで捕球すると見せかけ前進したが、不規則に弾んだ軌道が変わって"後逸"。5月27日DeNA戦で左翼に就いてからの初失策で、二塁走者の生還を許すなど2失点のきっかけをつくってしまった。筒井コーチは「森下にしても、もうひとつ対応できなかった。輝明(佐藤)にしてもしっかり止めないと。三塁打にしている以上ダメです」と厳しかった。2試合連続勝利の方程式が崩れた翌日は、打撃では頼もしい3、4番の拙走、拙守が響いての黒星。藤川監督は「いろいろ言っても一緒ですね。精いっぱいやろうとした結果ですからね。また明日ですね」と懸命に前を向いた。3夜連続の逆転負けで交流戦首位からも陥落。13日からは仙台で楽天3連戦。4連敗中の相手に、一丸で流れを変えるしかない。【磯綾乃】▽筒井外野守備兼走塁チーフコーチ「(けん制死は)大きかった。あそこは佐藤だけの責任じゃなく、(一塁)コーチとしても背後だったり、もうひと工夫、声かけとかしないといけない。あってはならないプレー。コーチとして反省している。いろんなことはやったけど、対応できなかったので。(打球処理については)難しくはなかったけど、森下にしても、もうひとつ対応できなかった。輝明にしてもしっかり止めないと、三塁打にしてはいけない」阪神が西武に3試合連続で逆転負けを喫した。阪神の交流戦での3連戦3連敗は、05年ソフトバンク戦、15年オリックス戦、16年ロッテ戦、18年ソフトバンク戦、19、24年楽天戦(1カード2試合のホーム&ビジターだった07~14年除く)に次ぎ7度目。西武相手では初めてだ。この3連敗で、西武戦の通算成績も36勝38敗と負け越した。

◆阪神が最大の勝負どころで西武のピックオフプレーにかかった。3点を追う8回1死満塁。これ以上ないチャンスで打席に大山悠輔内野手(30)を迎えていた。1ボール後、一塁手のタイラー・ネビン(28)が一塁走者の佐藤輝明(26)の背後からベースに走る。山田陽翔投手(21)が抜群のタイミングでけん制球を入れた。虚を突かれた佐藤輝は、必死に腕を伸ばしたが間に合わなかった。一塁ベースコーチの筒井壮外野守備兼走塁コーチ(51)は警戒するような指示を出していたが、防ぎ切れなかった。同点の走者となる佐藤輝もある程度のリード幅が必要な場面で、西武のデザインにはまった。同コーチは「佐藤だけの責任ではなくて、コーチとしても反省している。もうひと工夫、声かけとかしないといけない。あってはならないプレー。勝敗にも影響した。何を言っても言い訳になる。いろいろなことはやったけど、対応できなかった」と悔やんだ。

◆阪季4度目スタメンの阪神熊谷敬宥内野手(29)が8年目で自身の年間最多安打を更新した。9番三塁で出場し、3回に左前打をマーク。今季通算8安打とした。5回の三塁守備ではセデーニョの三遊間への打球を横っ跳びで好捕。一塁へスリーバウンド送球でアウトにした。13日からは故郷仙台で楽天3連戦。攻守で存在感が増す29歳は「出たらしっかりと頑張ります」と力を込めた。

◆西武は3連勝で阪神をくだし、今季3度目の主催試合同一カード3連勝を飾った。キャンプから練習してきたサインプレーがここぞで生きた。3点リードの8回、4番手で高卒3年目の山田陽翔投手(21)が登板。安打と2四球で1死満塁を招き、迎えた5番大山との対戦。カウント1-0の2球目、捕手古賀悠が真ん中に構えたグラブを閉じると、山田はすぐさま一塁へけん制した。一塁手タイラー・ネビン外野手(28)は飛び出していた一走佐藤輝を素早くタッチ。不意を突いたけん制死となり、相手の追い上げムードを振り切った。西口文也監督(52)は「あれはもう守備陣で。キャンプからずっと練習はしてきた。本当にいいところで使ってくれた」とサインプレーを成功させたナインを褒めたたえた。なおも2死二、三塁で大山を遊ゴロに打ち取り、大ピンチを無失点で切り抜けて勝利につなげた。先発菅井信也投手(21)は5回1失点で5勝目。打線は先制された直後の初回にネビンの中前適時打で追いつき、2回に長谷川信哉外野手(23)の左前適時打で勝ち越しに成功し、その後も得点を重ねてリードを広げた。

◆阪神森下翔太外野手(24)が、12日の西武戦で11号ソロを放ち、今季46打点目でリーグトップタイに浮上した。1回2死、西武菅井から先制のソロをマーク。佐藤輝明内野手(26)に並び、阪神の3、4番コンビが激しい打点王争いを繰り広げる。リーグ3位には、23年に打点王を獲得したDeNA牧秀悟内野手(27)が37打点でランクインする。パ・リーグは、日本ハム・レイエスがトップに立つ。

◆2戦連続逆転負けを喫している阪神は、3連敗阻止をかけてジョン・デュプランティエ投手(29)=前ドジャース3A=が先発する。前回5日の日本ハム戦(エスコン)では自己最多の12奪三振を記録し2勝目を挙げたドクターKが、虎に今カード初勝利をもたらす。木浪聖也内野手(30)は「7番・遊撃」に入り、6試合ぶりに遊撃のポジションで先発する。

◆阪神の新外国人、ジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が先発し、一回に同点に追いつかれた。森下の先制ソロで1点の援護をもらって向かったこの日最初のイニングは1死から滝沢に四球を与えると、暴投で1死二塁とピンチを背負った。3番・牧野は空振り三振に仕留めたものの、続く4番・ネビン(前アスレチックス)には内角の153キロに詰まりながらも中前に落とされ、同点の生還を許した。続く中村剛は快音を残されながらも初球で左飛に打ち取ったものの、ネビンまでの打者4人はすべてフルカウントに及び、最初のアウト3つを奪うまでに28球を要する立ち上がりとなった。

◆阪神は森下翔太外野手(24)のソロ本塁打で先制に成功した。一回から、西武の先発・菅井の立ち上がりを捉えた。2死となって打席に立った森下はカウント2-1から内角の直球を強振。打った瞬間に本塁打を確信してバットを一塁側に投げ、ライナーで左翼ポール際にたたき込んだ。3試合ぶりとなる11号ソロに「打ったのはストレート。しっかり振り切れたと思います。甘いゾーンにきた球をしとめることができてよかったです。追いつかれてしまったので、また勝ち越せるように頑張ります」。11日の先制適時打に続き、2試合連続で試合を動かす一打を放った。

◆阪神の新外国人、ジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が二回に勝ち越し点を献上した。1点リードの一回に同点に追いつかれると、二回は先頭・山村に右中間方向へ運ばれた。この打球を追った右翼・佐藤輝は2バウンド目での捕球を試みるも、ボールはグラブをかすめてフェンスへと転々...(記録は三塁打)。いきなり無死三塁のピンチを背負い、1死後には長谷川に三遊間を破られ、主導権を奪われた。来日1年目の今季は開幕ローテーションに入り、勝ち星には恵まれずともここまで先発としての役割を果たしてきた右腕。これが今季9試合目にして初めてとなる、2イニング連続での失点となった。

◆西武・菅井信也投手(21)が阪神戦(ベルーナ)に先発。立ち上がりの一回は2死から迎えた森下に左翼ポール際に運ばれる先制ソロを浴びた。前回5日のヤクルト戦では5回7安打4失点で3敗目。「有利なカウントで進めることができず、甘く入ったところを打たれてしまった」と反省し、西口監督は「そこまで球速も出ていなかったし、球速が落ちるのも早かった」と指摘した。高卒4年目で初の開幕ローテ入りを果たした今季はここまで4勝3敗、防御率2・75。山形・南陽市出身。岩手・盛岡市で開催された5月20日の楽天戦では5回無失点で4勝目を挙げ、生まれ育った東北で初白星を手にした。昨年6月に支配下登録を勝ち取ってちょうど1年。2軍時代に指導を受けた西口監督の前で、セ・リーグ首位の阪神相手に成長した姿を見せる。(石井孝尚)

◆阪神の新外国人、ジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が先発し、1-2の四回に2点の追加点を許した。二回までに1イニングずつを許して1-2と逆転され、三回はこの試合初めてスコアボードにゼロを刻んだものの、四回は先頭の源田に与四球。この時点で来日9度目の登板でワーストとなる1試合4四死球に到達した中、犠打で1死二塁とされた。ここで平沼の打球は左前へ。左翼・森下は芝生で弾んだ打球のイレギュラーバウンドに対処しきれず逸らし、その間に3点目を許した(記録は左前適時打、打者走者の三塁進塁は左翼の失策)。さらに1番・西川には一、二塁間を破る適時打とされ、ビハインドは3点に。右腕にとっては5月29日のDeNA戦(甲子園)に並ぶ、来日ワーストの4失点となった。

◆プロ初登板を果たした阪神・椎葉剛投手(23)が1回を無失点で抑えた。椎葉は2024年に四国IL徳島からドラフト2位で阪神入り。1年目は1軍昇格がなく、今季5月22日に初昇格。登板機会がなく登録を抹消されたが、6月10日に再昇格し、初登板の機会が訪れた。1-4の七回に、背番号26が3番手でマウンドへ。先頭の古賀に四球を与えたが、続くネビン(前アスレチックス)を左飛。5番・セデーニョに三塁強襲の安打を許すも、山村を左飛、源田を一直に仕留めて無失点で切り抜けた。

◆阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が先発するも、来日ワーストタイとなる4点を失い、同最短の4回で降板した。一回に森下の先制ソロで援護点をもらってマウンドに上がるも、2死二塁でネビン(前アスレチックス)に中前同点打を浴びると、二回は1死三塁で長谷川に左前適時打を許し、リードを許した。さらに四回は、先頭の源田に四球を与え、1試合の四死球は自己ワーストを更新するこの日4つ目。ここから1死二塁とピンチを背負うと、味方の失策も絡みながら連続適時打を浴び、3点差をつけられた。虎ベンチは五回のマウンドに富田を送り、右腕は交代。結果は4回5安打4失点(自責3)だった。「コントロールできずにカウント負けしたところを打たれてしまった。先発の役目を果たせなかったし、中継ぎのみんなにも負担をかけてしまった。課題が多くでた投球になってしまったけど、反省して次回はチームの力になれるように頑張るよ」4失点は5月29日のDeNA戦(甲子園)に並ぶ来日ワースト。4回での降板も過去3度あった5回を上回る来日最短と、悔しい登板になった。

◆阪神は八回に1死満塁の好機を作るも、攻撃のミスで反撃のチャンスを逃した。1-4と3点を追う八回。4番手・山田を攻め、1死から中野の安打で森下、佐藤輝が四球を選んで1死満塁とチャンスを作る。ここで大山を迎えたところだったが、カウント1ボールとなって西武がサインプレーを敢行。山田が一塁牽制を投じ、一塁走者の佐藤輝が戻れずタッチアウトに。痛恨のミスで2死二、三塁とされ、大山も遊ゴロに倒れてチャンスを生かせず。3点を追いかけ、残すは九回の攻撃のみとなってしまった。

◆阪神が今季2度目の同一カード3連敗を喫した。一回に森下の11号ソロで幸先よく先制も、直後に先発のデュプランティエがネビンに中前適時打を浴びてあっさり同点。二回は先頭の山村の打球を、右翼手・佐藤輝が捕球できず、記録は三塁打。長谷川に勝ち越し打を許した。四回1死二塁では平沼の打球を左翼手・森下が後逸。打線は八回1死満塁と一発出れば逆転の好機を作るも、一走・佐藤輝がまさかの牽制死となり、大山は遊ゴロに倒れて無得点。ミスが目立ち、流れを呼び込めなかった。阪神は4月29日-5月1日の中日戦(バンテリンドーム)以来の同一カード3連敗。苦しい戦いが続いている。

◆四回1死二塁、西武・平沼翔太の左前打をワンバウンドで捕球できず、頭上を越された阪神・森下翔太=ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)

◆阪神は西武に初の同一カード3連敗を喫した。痛いプレーが起こったのは3点を追う八回だった。西武4番手・山田を相手に1死から安打と2者連続四球で満塁とし、打席に大山と、一発逆転の大チャンスを築いた。しかし、ここで一走・佐藤輝が痛恨のけん制死。2死二、三塁と傾いていた流れはしぼみ、大山も遊ゴロに倒れてチェンジと、この好機を生かせなかった。試合後、筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチ(50)はこの走塁ミスについて「あれは大きかったですね。あそこは佐藤(輝)だけの責任じゃなくて、僕個人としてもコーチャーとしての配慮だったり、もうひと工夫、声掛けしていかなければな、というところは反省しています。今後あってはならないプレーだし、あれで勝敗を大きく左右したと思うから、そこの責任はしっかりと感じながら取り組むしかないですね」と振り返った。虚をつかれた佐藤輝だけを責めるのではなく、普段から一塁コーチャーを務める立場でもある走塁部門のチーフとして反省を口にし、全体での意識の徹底や再発防止を誓った。また、この日は守備面でも二回に右翼・佐藤輝が右中間への当たりにバウンドを合わしきれずにボールをそらし、失点につながる三塁打としたシーンや、四回には左翼・森下が左前打のイレギュラーバウンドに対応できず後逸するなど、外野守備でも拙いプレーが目立った。同コーチは「森下のケースにしても、打球に対してもう一つ対応ができていなかったと感じました。(佐藤輝のプレーは)せめてシングルで、と思って(捕球に)行っているけど、その打球に対して対応できなかったな、ということはあります。あそこは輝明自身がしっかりと止めてシングルにするか、あるいはツーベースにするか、という形。三塁打にしている以上、そこはちょっとダメですね」と説明した。左翼・森下&右翼・佐藤輝の両翼態勢は5月27日のDeNA戦(倉敷)から始まり、この日で15試合連続。交流戦も折り返し地点を迎えたタイミングで、守備走塁の面で見つめ直すきっかけの一戦となった。

◆まさかの乱調だった。先発した阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=は自己ワーストタイの4失点(自責3)。来日最短の4回でKOされた。「自分が制球できなかっただけ。言い訳もまったくない」森下のソロで先制した直後の一回。四球と暴投で2死二塁のピンチを招き、米マイナー時代の同僚・ネビンに同点打を浴びた。二回は先頭・山村の右中間への打球が右翼手・佐藤輝のグラブの先を抜け三塁打。1死から長谷川に勝ち越し打を許し、三回には失策も絡んで2点を失った。「ファンの声援やチームの存在を感じている中で、自分の仕事ができずに失望させてしまった。次回の登板のためにしっかり反省して生かしていきたい」初めて2イニング連続で失点するなど修正できず、今季3敗目。懸けられた期待に応えるため、次戦に向けて調整していく。(萩原翔)

◆阪神は西武に1-4で敗れ、今季2度目の同一カード3連敗。いずれも逆転負けで、西武戦3連敗は18試合制になった2015年以降、初となった。日米通算91勝で投手コーチ経験もある阪神OB、藪恵壹氏(56)=サンケイスポーツ専属評論家=は藤川監督の動きすぎる采配に疑問符。岡田彰布前監督を例に挙げ「岡田さんは勝っているときは絶対に動かなかった。今の阪神は一貫性がない」と厳しく指摘した。あまりにもショックな3連敗だ。勝てる試合、勝たなければいけない試合を2試合続けて負けると、こういう展開になるのが野球の怖さだ。もう負けられない、何とかしなければ...。そんな思いは焦りを生む。八回に佐藤輝が牽制(けんせい)死した場面は象徴的だった。3戦目だけで言えば、先発・デュプランティエの内容が悪すぎた。二回までに3ボールになった打者が6人。これでは抑えられない。でも、一番目を向けなければいけないのは、初戦、2戦目の継投。ベンチのミスにより、白星を2つも失った。そして、その原因は「動きすぎ」だと思う。投手は「自分がどのポジションで投げるのか」を明確にしてもらったほうが力を発揮できる。守護神(九回)なのか、セットアッパー(八回)なのか。八、九回を投げる投手と、六、七回を投げる投手では、出番も内容は大きく変わる。ところが、例えば及川は初戦は七回、2戦目は八回。行ったり来たりだ。初戦などはエース才木が無失点の好投なのに、七回に出番が...。開幕布陣から、サードの佐藤輝はライトに、森下はレフトに。固定布陣はどうなったのか。開幕以来ずっと指摘し続けてきたことだが、藤川監督の選手起用は、英語で表現するなら「ファジー(あいまい)」。違う言葉を使うなら、「一貫性がない」。勝って、流れがいい時期でも、この采配は変わらない。思い出してもらいたい。前監督の岡田さんは、勝っているときは、絶対に自分から動かなかった。打順も、投手起用も、可能な限り動かさず、いい流れが逃げないように、逃げないように、最大限の気配りをしていた。それが、勝ち続けているチームの常識だ、と言っていた。逆に負けて流れが怪しいと判断したら、すぐに動く。大胆に。一本筋が通った、一貫性のある野球だった。素晴らしいお手本が身近にある。3連敗しても、まだセ・リーグでは首位だし、貯金は「11」もある。慌てる必要はない。ただ、流れを失うと、取り戻すのは大変。藤川監督が「怖さ」を知って、立て直すことを期待したい。

◆阪神・大山悠輔内野手(30)は八回の一塁守備で今季4個目のエラーを記録した。平沼のゴロがアンツーカー部分と人工芝との境目でバウンドし、ファンブル。失点にはつながらなかったが、虎党からはため息が漏れた。打席では八回2死二、三塁で遊ゴロに倒れるなど、3打数無安打1四球。試合後はコメントを残さなかった。

◆五回から2番手でマウンドに上がった阪神・富田蓮投手(23)は、いずれも走者を出しながらも2回無失点に抑えた。「任されるところはロング(リリーフ)と思っていた。まずは一つ一つのアウトをしっかり取るということを意識してできた」と話した。10日に1軍昇格後、初登板を終え「しっかり準備して今後も臨めたら」と前を見据えた。

◆2年目右腕の阪神・椎葉剛投手(23)がプロ初登板を迎え1回無失点。「投げることで精いっぱいだった。もっとレベルアップをしなきゃいけないな、と感じた」。先頭への四球と内野安打で1死一、二塁を背負ったが、後続を断った。待望の1軍マウンドを踏んだことで「『あそこでもう一回投げたい』という思いも強くなった。しっかりと自分の投球ができるように頑張ります」と自信に変えていく。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は3点を追う八回1死一、二塁から四球を選びチャンスを拡大したが、続く大山の打席で1ボールから、西武がサインプレーを敢行。山田が一塁けん制を投じ、背番号8は戻れずタッチアウト。「しっかり反省して、また...。それだけです」。大山も凡退し、この回無得点に終わった。この日は二回の守備でも山村の右前打にチャージしたが、バウンドに合わせられず後逸(記録は三塁打)。その後、長谷川に勝ち越し打を許した。

◆阪神・森下翔太外野手(24)のパワーは健在だった。完璧に仕留め、バットを一塁側に放り投げる。3試合ぶりの11号ソロで、チームとして4試合続けて先手を奪った。「甘いボールにしっかり自分のスイングをできた。先制点も取れたので、よかったかなと思います」一回2死から菅井の直球をひと振り。目の覚めるような弾丸ライナーで左翼ポール際にたたき込んだ。3月のオープン戦では5回無安打投球を許し、自身も三振と併殺打に仕留められていた左腕からの一撃。46打点で、佐藤輝と並んで両リーグトップタイに立った。さらに3点を追う八回1死一塁での打席では粘って四球を選んで好機を拡大。後続は倒れたが「ランナーをためるしかなかったので(佐藤)輝さん、大山さんにつなぎました」と振り返った。攻撃で存在感を放った半面、守備では痛恨のミスが出てしまった。1―2の四回1死二塁から、平沼の打球が左翼前に落ちる。森下は二塁走者のスタートを遅らせるために一度グラブを構えるフェイクを試みたが、打球は大きく左翼線側にバウンドして収めることができず。失策で打者走者の三塁進塁を招き、この後適時打で、この走者まで生還されてしまった。「ちょっと難しかったですけど、もう次がないように。ベルーナは(試合は)ないかもしれないですけど人工芝のグランドはある。切り替えて、明日の試合に挑むしかないと思うので、明日勝って、またいい流れをもってきたいと思います」反省点としっかり向き合いながらも、落ち込んでいる暇はない。失敗の分は、これからバットで取り返す。(中屋友那)

◆救援陣が打たれて連敗を喫した悪い流れは止められず。今度は守備と走塁でミスが相次ぎ、阪神は西武戦で初めての同一カード3連敗を喫した。「明日以降、糧にして戦う、と。それのみですね」試合後の藤川監督は淡々と言葉を紡いだ。守備では左翼手・森下、右翼手・佐藤輝の両翼が打球を捕りきれずに後方へそらすプレーがあり、失点につながった。そして3点を追う八回1死満塁では一走・佐藤輝が痛恨のけん制死。反撃ムードはしぼみ、所沢の虎党からは深いため息が漏れた。指揮官は「見に来ていただいたファンの方の前で精いっぱいやろうとした結果。いろいろ言っても一緒ですから。また明日ですね」と切り替えた。交流戦は折り返し地点。仙台で仕切り直す。(須藤佳裕)

◆獅子が虎退治に成功!! 西武は12日、阪神最終戦(ベルーナ)に4-1で勝利した。交流戦で阪神に3連戦3連勝するのは初めて。先発した4年目の左腕、菅井信也投手(21)が5回1失点で5勝目を挙げた。守っては八回1死満塁、けん制で一塁走者を刺してピンチを脱した。昨季借金42で最下位に沈んだチームは、就任1年目の西口文也監督(52)の下で連係プレーに磨きをかけて生まれ変わり、セ・リーグ首位の阪神3連戦を全て逆転で制した。貯金5の2位につけ、V字回復を果たした。狙い澄ましたサインプレーだった。4-1の八回1死満塁、3年目の山田が打者大山に2球目を投げる前。年に一度、決まるかどうかのビッグプレーが飛び出した。阪神の一走・佐藤輝の後方にいた一塁手のネビンが、スルスルと一塁ベースへ入る。それに合わせて、捕手古賀悠がミットを動かす。その瞬間、視線を捕手に向けていた山田が鋭くターンして一塁へけん制し、佐藤輝を刺した。2死二、三塁とすると大山を遊ゴロに仕留め、ピンチを脱した。「キャンプからずっと練習してきた。本当にいいところで使ってくれて、よくアウトにしてくれた」西口監督は勝利をたぐり寄せた終盤のプレーに大きくうなずいた。守り勝つ野球をテーマに掲げる西口野球の真骨頂ともいえる野手陣の見事な連係だった。序盤にも好守が光った。四回無死一塁で、佐藤輝の右前に抜けそうな打球をネビンがダイビングキャッチ。体勢を崩しながらも、二塁に素早く送球して封殺し、先発の菅井を救った。

◆西武の好調さが分かった。投打のバランスが、よくとれているね。打線は派手な一発がなくても、欲しい場面でタイムリーが出る。それもチョコンと当てて、ここでヒットかよ...という感じ。相手にダメージを与える点の取り方をしている。二回の山村の三塁打も、佐藤輝が打球を後ろにそらした結果とはいえ、それ以前にデュプランティエの球がよくない。甘い球を確実にとらえたからこそ、相手のミスも誘えるわけだ。投手陣はもともと悪くない。さらに、西口監督の交代のタイミングもうまい。けじめをつけていくかのように、ピタリピタリ。継投にミスがなく、抑えの平良につなげる流れをつくっている。大量点はなくても、ここ一番で奪った得点を、しっかり守っていける。八回1死満塁のピンチで一走・佐藤輝をけん制で刺したのも、守りの野球の象徴かな。ただ、これだけは付け加えたい。阪神は佐藤輝にしても、失策した森下にしても、足が動いていない。疲労が見られることも、指摘しておくよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆ヒデ~! 西武に3連敗って...。昭和の時代なら「金返せー!!」の罵声が飛び交うサイテーの試合や!!先発デュプランティエは一回に森下の一発で先制してもらったのに、珍しく力みに力んだ。暴投も絡みあっさり同点にされると、降板する四回までコントロールを乱しまくり5安打4四死球と自滅...。本日の虎は『自滅のオンパレード』。二回、ライトの佐藤輝が山村の右中間の打球を緩慢プレーでそらして三塁打にすれば、四回1死二塁では森下がレフト前に落ちる当たりを、フライで捕れると見せかけて二塁走者のスタートを遅らせたのはいいけど、その打球を後逸...。自分で掘った落とし穴にはまってどないすんねーん!!打っては三回無死一、二塁から近本が初球であっさりフライになるわ、次の中野がゲッツーくらうわ...。四回1死一、二塁でもヘルナンデス、木浪が打率通りの三振! 自滅の仕上げは八回1死満塁から一塁走者の佐藤輝がけん制アウトって...。どないなっとんね~ん?! 怒る気もせんわ...。ま、ウミを出し切って次は快勝を頼むわ!!

◆2日前に「トラとライオンのネコ科最強決定戦」と書いたが、西武VS阪神にはもう1つの顔がある。電鉄会社の最強決定戦でもあるのだ。40年前は関西に4球団が存在し、すべて親会社は電鉄だった。阪急、近鉄、南海、そして阪神。関東には西武が。もっと昔には国鉄、東急、西鉄...。プロ野球といえば鉄道。そんな時代は遠い過去になってしまい、今では親会社電鉄は、阪神と西武だけになった。この2チームのファンは意外によく似ている。とにかくヤジがすごかった(現在のファンは品行方正です。あくまで昔の話)。2日前に紹介した長~い球場の階段を上る途中に、ファンがのぞきこんだら選手の隊列が視界に入る場所がある。15年ぐらい前のこと。「新井、何で打たないんだよ!」阪神が負けて虎党が現カープ監督を個人攻撃で叫んでいた。同じ場所で翌日は...。「おかわり、何で打たないんだよ!」今度は獅子党が怒鳴っていた。熱すぎるファンがいっぱい集まるのが現ベルーナドーム。「えっ、そんなファンは一人もいませんよ。悔しすぎる負け方が続きましたが、選手に向かって汚いヤジはありません」トラ番キャップ・須藤佳裕が令和の時代の穏やかな試合後の様子を伝えてきた。

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
531 0.625
(-)
-
(-)
940
(-)
23
(-)
5
(-)
5
(-)
0.276
(↓0.018)
2.380
(↑0.4)
2
(1↓)
DeNA
540 0.556
(↓0.069)
0.5
(↑0.5)
929
(+2)
24
(+4)
6
(-)
3
(-)
0.222
(↓0.007)
2.620
(↓0.21)
2
(1↓)
広島
540 0.556
(↓0.069)
0.5
(↑0.5)
938
(+4)
29
(+5)
4
(-)
12
(-)
0.269
(↓0.009)
3.040
(↓0.29)
2
(4↑)
日本ハム
540 0.556
(↑0.056)
0.5
(↓0.5)
935
(+6)
27
(+1)
5
(-)
4
(-)
0.258
(↑0.004)
2.800
(↑0.35)
2
(1↓)
阪神
540 0.556
(↓0.069)
0.5
(↑0.5)
934
(+1)
20
(+4)
11
(+1)
7
(-)
0.220
(↓0.003)
2.060
(↓0.15)
2
(1↓)
中日
540 0.556
(↓0.069)
0.5
(↑0.5)
927
(-)
35
(+4)
5
(-)
13
(+2)
0.242
(↓0.009)
3.970
(↓0.06)
2
(4↑)
西武
540 0.556
(↑0.056)
0.5
(↓0.5)
921
(+4)
29
(+1)
0
(-)
7
(+2)
0.221
(↑0.002
2.930
(↑0.24)
8
(-)
ロッテ
440 0.500
(↑0.071)
1
(↑0.5)
1025
(+5)
25
(+4)
5
(+2)
8
(+2)
0.224
(↑0.017)
3.050
(↓0.13)
9
(1↑)
ORIX
450 0.444
(↑0.069)
1.5
(↑0.5)
921
(+4)
32
(+2)
3
(-)
6
(+2)
0.234
(↑0.005)
3.290
(↑0.16)
10
(2↓)
巨人
341 0.429
(-)
1.5
(-)
1020
(-)
17
(-)
4
(-)
4
(-)
0.204
(↓0.017)
2.080
(↑0.4)
11
(1↑)
楽天
360 0.333
(↑0.083)
2.5
(↑0.5)
918
(+4)
30
(-)
5
(+2)
4
(+1)
0.228
(↑0.007)
2.620
(↑0.34)
11
(1↓)
ヤクルト
360 0.333
(↓0.042)
2.5
(↓0.5)
918
(+1)
35
(+6)
6
(-)
4
(+1)
0.202
(↓0.004)
3.740
(↓0.33)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
35242 0.593
(↓0.01)
-
(-)
82212
(+1)
141
(+4)
38
(+1)
49
(-)
0.239
(↓0.001)
2.080
(↓0.02)
2
(-)
DeNA
31253 0.554
(↓0.01)
2.5
(-)
84198
(+2)
154
(+4)
31
(-)
30
(-)
0.236
(↓0.001)
2.370
(↓0.03)
3
(1↑)
巨人
31282 0.525
(-)
4
(↑0.5)
82182
(-)
180
(-)
41
(-)
27
(-)
0.238
(↓0.002)
2.630
(↑0.05)
4
(1↓)
広島
29272 0.518
(↓0.009)
4.5
(-)
85188
(+4)
163
(+5)
25
(-)
27
(-)
0.243
(↓0.001)
2.520
(↓0.05)
5
(-)
中日
28302 0.483
(↓0.008)
6.5
(-)
83146
(-)
187
(+4)
28
(-)
39
(+2)
0.220
(↓0.001)
2.930
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
17372 0.315
(↓0.006)
15.5
(-)
87138
(+1)
233
(+6)
25
(-)
19
(+1)
0.217
(↓0.001)
3.690
(↓0.05)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
34242 0.586
(↑0.007)
-
(-)
83210
(+6)
163
(+1)
53
(-)
30
(-)
0.233
(↑0.001)
2.300
(↑0.04)
2
(-)
西武
32270 0.542
(↑0.008)
2.5
(-)
84167
(+4)
159
(+1)
24
(-)
42
(+2)
0.236
(-)
2.510
(↑0.03)
3
(-)
ORIX
29263 0.527
(↑0.008)
3.5
(-)
85191
(+4)
207
(+2)
38
(-)
30
(+2)
0.258
(-)
3.260
(↑0.03)
4
(-)
ソフトバンク
29273 0.518
(-)
4
(↓0.5)
84216
(-)
182
(-)
35
(-)
39
(-)
0.249
(↓0.002)
2.710
(↑0.06)
5
(-)
楽天
26321 0.448
(↑0.009)
8
(-)
84152
(+4)
182
(-)
24
(+2)
58
(+1)
0.235
(↑0.001)
2.860
(↑0.05)
6
(-)
ロッテ
21350 0.375
(↑0.011)
12
(-)
87148
(+5)
197
(+4)
30
(+2)
24
(+2)
0.215
(↑0.002)
3.310
(↓0.01)