ソフトバンク(★3対7☆)巨人 =交流戦2回戦(2025.06.11)・みずほPayPayドーム福岡=
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巨人
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ソフトバンク
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勝利投手:西舘 勇陽(1勝0敗0S)
敗戦投手:前田 純(2勝2敗0S)
  DAZN
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◆巨人は初回、岸田の適時打と坂本の適時二塁打で一挙4点を先制する。続く2回表には、2死満塁から再び岸田の適時打が飛び出し、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・西舘が7回3失点の力投で今季初勝利。敗れたソフトバンクは、先発・前田純が精彩を欠いた。

◆巨人泉口友汰内野手(26)が、10日のソフトバンク戦でマルチ安打をマークし、再び打率を3割に乗せるとともに、広島ファビアンを抜き、リーグトップに浮上した。パ・リーグでは、リーグトップのソフトバンク柳町達外野手(28)が巨人戦でマルチ安打をマークし、打率を3割6分2厘に上昇させた。セ・リーグの3割超えは巨人泉口、広島ファビアンの2人で、パ・リーグはソフトバンク柳町、オリックス太田椋内野手(24)、楽天村林一輝内野手(27)の3選手が3割を超える。

◆巨人西舘勇陽投手(23)が偉大な先輩のイズムを継承する。11日ソフトバンク戦に先発する右腕は「(昨年は)プロの世界に入って『誰々だ』っていう目線で見てましたし。そういう意味では自分もある程度、この世界に入って対等っていう訳ではないですけど、プロ野球選手という立場は一緒なので、普通に攻めていければ」と母校・花巻東の先輩でもあるドジャース大谷が23年WBC決勝前にナインに呼びかけた「憧れるのをやめましょう」の精神で今季初先発に臨む。実力で1軍にはい上がってきた。今季は2軍で8試合に登板(うち先発2試合)し、3勝0敗、防御率1・06。堂々の成績で今季1軍初先発のチャンスをつかみ取ったが「他にも2軍でいいピッチングしているピッチャーいっぱいいるので、その中でチャンスもらったからにはいい結果を残せるようにしたい」と気を引き締めた。ルーキーイヤーの昨季は、主に中継ぎとして1軍のマウンドを経験した。24年8月23日(東京ドーム)でプロ初先発の機会を得るも、5回6安打4失点で敗戦投手。先発として"プロ初勝利"を狙う背番号17は「できるだけ1イニングでも長くという思いがあるんですけど、初めて(の先発)なので目の前の1人1人とまずは対戦していきたい」と意気込んだ。

◆巨人井上温大投手(24)が頭部死球を与えてしまったソフトバンク周東に直接、謝罪した。11日の試合前練習中にグラウンドで甲斐に付き添われて、深々と頭を下げた。周東からはグータッチを求められて和解した。また、小久保監督にも謝罪した。井上は10日の同カードの2回1死一、二塁で周東に頭部死球を与えて危険球退場となっていた。

◆巨人阿部慎之助監督(46)が幻となった"投手・小林プラン"を明かした。前日10日の試合を振り返り「昨日、誠司に『用意しておいて』って言ったけどね。ピッチャーいないからさ。(8回に)満弾とかどーんって打たれてたら誠司いこうと」と、生々しい舞台裏を明かした。小林はイニング間に投手とキャッチボールをしていたこともあり「『行きます!』って言ってたけど。笑ってたよ。うれしそうだった」と小林本人も登板に前向きだったという。先発の井上が2回1死一、二塁で周東に頭部死球を与えて危険球退場。2番手で緊急登板した山田を含め、小刻みな継投でリリーフ陣6投手をつぎこんだ。7回2死から登板していた6番手の田中瑛が、イニングをまたいだ8回に、ソフトバンク今宮に決勝の左前適時打を浴びるなど3連続適時打を許した。この日、米大リーグではドジャースのキケ・ヘルナンデス内野手(33)がパドレス戦で9点を追う6回2死一塁から登板。2回1/3を2失点と"好リリーフ"した試合のテレビ中継を見て「6回から投げてな。なんでか知らないけどだいぶクロスして投げてたよな」と報道陣に自ら切り出した。

◆両チームのスタメンが発表された。5月12日に巨人からトレード加入した秋広優人内野手(22)は「8番左翼」で古巣戦に先発出場する。秋広のスタメンは12試合ぶり。試合前には「この3連戦は自分の中でも特別です」と意気込んでいた。勝てばカード勝ち越しの一戦。昨年はパを含めて唯一カード負け越しを喫した巨人にリベンジとなるか。

◆巨人打線が初回から火を噴いた。2四死球でランナーをためて2死一、二塁から5番岸田行倫捕手(28)が先制適時打を放つと、2死満塁となって打席に立ったのは7番坂本勇人内野手(36)。ソフトバンク先発前田純の初球の直球を見事に捉えて左中間へ。走者一掃の3点適時二塁打は、現役最多のプロ通算463本目の二塁打で、歴代トップの立浪和義にあと24本と迫り、「岸田が良い流れを作って回してくれたのでそれに乗せてもらいました。追加点になって良かったです」とした。チームは1回で4点を積み上げた。坂本は前夜も攻守で躍動した。1軍に昇格し、即スタメン出場すると、1点ビハインドの4回に同点打となる適時二塁打。5回裏の守備では先頭のソフトバンク周東が放った三塁線への痛烈な当たりを横っ跳びで好捕していた。試合後には「これを継続していくしかない。感覚的にもちょっと(不振時とは)違う感覚も出てきている。もっともっと良くなるようにやっていけなければいけないと思う」としていた。

◆ソフトバンク前田純投手(25)が1回2/3を6失点でKOされた。今季の先発陣で最短。立ち上がりから巨人打線にめった打ちにされた。1回2死一、二塁で5番岸田に先制の中前打を献上。その後2死満塁となり7番坂本に走者一掃の3点適時二塁打を許した。2回も立ち直れなかった。先頭のオコエ、泉口に連打を許すなど2死満塁のピンチで再び岸田に右前2点適時打。前田純は59球で5安打4四死球と制球にも苦しんだ。

◆5月12日に巨人からトレード加入した秋広優人内野手(22)がチーム初安打を放った。古巣との一戦に「8番左翼」で12試合ぶりのスタメン出場。3回1死の第1打席で、巨人西舘からセンターへの二塁打を放った。秋広の快音にみずほペイペイドームの巨人ファンは拍手。その後の周東の適時打を呼んだ。「この3連戦は自分の中でも特別です」と意気込んでいた秋広。カード初戦前には巨人阿部監督から「おお、君だれだっけ?」とイジられていた男が新天地で成長した姿を見せた。

◆ソフトバンク大関友久投手(27)がG倒に意欲をみせた。12日の巨人戦(みずほペイペイドーム)に先発予定。「自分の投球ができるか。ケガで離脱している人がいるが、それでも(巨人は)強力な打線。集中して自分の投球をすることが大事だと思う」と気持ちを引き締めた。交流戦はすでに5日の中日戦で白星をゲット。巨人戦初勝利でさらに弾みをつけるつもりだ。

◆高卒3年目のソフトバンク大野稼頭央投手(20)が上々の本拠地デビューを飾った。1-7の7回から登板。先頭岸田に中前打を浴びたが、増田陸を遊ゴロ。1死一塁でこの日3打点の坂本を三ゴロ併殺に仕留めた。8回もマウンドに上がり、2回2安打無失点の好リリーフを見せた。大野は1日の楽天戦でプロ初登板、無失点。中9日で交流戦初登板だったが冷静に左腕を振った。これでデビューから2試合連続無失点となった。

◆今季初先発となった巨人西舘勇陽投手(23)が7回3失点、6安打、6三振で投げ抜き、先発として初勝利を飾った。2回までに6点の大量援護をもらってのマウンド。1、2回と3者凡退で立ち上がり、勝負の分かれ目は3回だった。元チームメートのソフトバンク秋広の二塁打から3連打で1失点し、さらに1死一、二塁。危機を背負ったが、2番今宮を遊併殺に打ち取って、加点を許さなかった。以降はカットボールを有効に無四球でアウトを重ねた。7回には2点を返されたが、最後は2死二塁で秋広からカットボールで三振を奪って111球を投げきった。試合後のお立ち台では「野手の人たちが序盤に点を取ってくれて、そのおかげで楽に投げることができた」と感謝。「相手どうこうより、自分のボールをミット目がけて投げることを意識しました」と笑顔をみせた。エンゼルス菊池雄星、ドジャース大谷翔平を輩出した花巻東(岩手)から中大に進学し、23年ドラフト1位で入団した。プロ1年目の昨季は先発、中継ぎの両方を経験して28試合に出場。今季は1軍では救援で5登板し、防御率2・57としていた。5月の降格後は2軍8試合で3勝0敗、防御率1・06と先発として安定感をみせた。1軍に昇格し、試合前日10日には「他にも2軍で良いピッチングをしている投手はいっぱいいるので、その中でチャンスもらったからにはいい結果を残せるようにしたいです」と言葉に力を込めていた。1軍先発は5回4失点で負け投手になった昨年8月23日の中日戦(東京ドーム)以来2度目だった。「2軍で結果が出て1軍で出ないっていうのがずっと続いている。相手どうこうというより、自分の気持ち次第」と期して臨んだ一戦で好投をみせた。

◆今季初先発したプロ2年目の西舘勇陽投手(23)が、今季初勝利をマークした。自身2戦目の先発マウンドで、ソフトバンク打線を相手に粘りの投球で3失点にまとめた。3回に3連打で1点を失ったが、今宮を遊併殺に切ってピンチを乗り切った。7回に追加点を許したが、111球、無四球の熱投だった。阿部慎之助監督は「今日あんまり投手を使いたくなかった。よく頑張ってくれました。大きな1勝じゃないですかね、本人にとっては」と、中大の後輩でもある右腕をたたえた。エンゼルス菊池雄星、ドジャース大谷翔平を輩出した花巻東(岩手)から中大に進学し、23年ドラフト1位で入団した。プロ1年目の昨季は先発、中継ぎの両方を経験して28試合に出場。今季は1軍では救援で5登板し、防御率2・57としていた。チャンスをもらった1軍先発で結果を残した。打線は初回から大暴れ。岸田行倫捕手(28)が先制適時打を放つと、2死満塁からは7番坂本勇人内野手(36)が走者一掃の3点適時二塁打とし、4点を奪って一気に流れを呼び込んだ。指揮官も「見た感じ良くなってきたなと思ったんで、本人と僕が直接連絡して上げたんでね」と目を細めた。

◆5月12日に巨人からトレード加入したソフトバンク秋広優人内野手(22)が1打席目で古巣に「恩返し」の快打を放った。8番左翼で12試合ぶりに先発出場。6点を追う3回1死。西舘から右中間を破る二塁打を放った。「(カウント2-2と)追い込まれていたけど、(この日の)チーム初安打が生まれてよかった。うれしかったです」。安打はこの1本に終わり、2三振。うれしさと悔しさが同居する古巣戦となった。試合後の通路では球場を後にする巨人ナインからは「え、なんで」と報道陣に囲まれる姿に冷やかしの声も飛んでいた。

◆巨人の先発ローテに新星が現れた。プロ2年目の西舘勇陽投手(23)が今季初先発で今季初勝利をマークした。「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)で強力打線相手に粘り、7回6安打3失点にまとめた。1年目は中継ぎがメイン。先発への本格転向初戦で白星を手にした。エンゼルス菊池雄星、ドジャース大谷翔平らを出した花巻東(岩手)から中大に進み、23年ドラフト1位で入団。偉大な先輩たちの背中を追う。西舘が未知の領域に入った。7回のマウンドで球数は100を超えた。ソフトバンク柳町、近藤の主軸に2連打され、内野ゴロで1失点。さらに栗原に二塁打を許した。1死二、三塁で代打山川の三ゴロでもう1点、失ったが2死までこぎつけた。最後は秋広を空振り三振。「最後はピンチですし、球数的にも最後だなっていうのは分かっていた。何とか1点でも少なく終わらせたいと思っていた」とプロ入り後最多111球、同最長の7回を投げきった。プロ2年目。初々しさを残しながらも日に日にたくましさが増す。ルーキーイヤーの昨季は中継ぎを主戦場に28試合に登板。安定感を欠く場面も多々あり、1、2軍を行き来した。どこか遠慮がちで奥手な性格と自覚する。だから「自分もプロの世界に入って対等というわけじゃないですけど、立場としてはプロ野球選手としては一緒なので、上に見ないで普通に攻めていければなと思います」とマウンドではあこがれるのをやめて、相手打者と向き合った。今季は1軍で救援で5登板し、5月の2軍再調整後は先発に本格転向した。2軍戦8試合に先発して3勝0敗、防御率1・06と安定感が増した。「1軍で結果が出ないというのが続いているので、相手どうこうというより、自分の気持ち次第だと思う。自分が向かっていける姿勢でいければなと」と強気に攻める投球スタイルを目指した。先発でつかんだ"初勝利"には、まだまだ伸びしろがある。阿部監督は「僅差で勝てるピッチャーになってほしい。ストライク先行も全然できてなかったし、細かいところはまだまだだなと思って見てました」と中大の後輩に成長を求めた。西舘本人も「本当に野手の人たちに勝たせてもらった勝ちなので。まずは次に向けて修正できるところは修正できるように」と満足はない。岩手県出身で地元の花巻東で先輩の菊池、大谷と同じように甲子園を目指した。"あこがれるのをやめた"プロ2年目右腕が巨人の先発ローテに食い込んできた。【為田聡史】

◆ソフトバンク高卒3年目の大野稼頭央投手(20)が上々の本拠地デビューを飾った。1-7の7回から登板し2回2安打無失点。7回1死一塁では「ほぼファンだった」という憧れの坂本から三ゴロ併殺を奪った。これでプロ初登板から2試合連続無失点。20歳の若き左腕は「ゾーン内で散らすのが持ち味。今日はボール球がはっきりしていたので、次はもっとゾーン内で勝負したい」と次戦を見据えた。

◆巨人は11カ月ぶりの先制猛アタックだった。初回、2四死球とソフトバンク前田純が苦しむと、2死一、二塁から岸田が中前に先制適時打。「西舘を援護してあげたかった」と気持ちを乗せると、2死満塁からは坂本が「岸田が良い流れを作ってくれた」と勢いに乗って、2試合連続の適時二塁打で3点を追加した。初回4点は昨年7月7日ヤクルト戦以来。2回にもこの日自身初の4安打の岸田が適時打で2点を奪った。坂本を10日に1軍昇格即スタメン起用した阿部監督は、「見た感じ良くなってきた」と目を細めた。

◆ソフトバンクは序盤の大量失点が響き、リーグ戦で4位に転落。交流戦単独1位浮上のチャンスを逃した。「日本生命セ・パ交流戦」の巨人戦で先発前田純投手(25)が今季の先発陣最短となる1回2/3を6失点でKO。4四死球と制球も定まらず2敗目を喫した。小久保裕紀監督(53)は次回登板での修正に期待。切り替えて12日のカード3戦目で勝ち越しを狙う。前田純が巨人打線に圧倒された。1回、岸田に先制打を浴びてなお2死満塁。坂本に左翼への走者一掃3点適時二塁打を許し、ドームの天井を仰いだ。ワンサイドゲームにはしたくないところだったが、2回も捕まる。2死満塁で岸田に2点打を献上し、1回2/3を6失点で無念のKO降板となった。「ランナーを出してから粘ることができなかった。初回からビッグイニングをつくられてしまい、先発としての仕事ができませんでした」。登板前に1・87だった防御率は3・00に悪化。1回2/3降板は今季の先発陣で最短だった。小久保監督は「年間に何回かこんな試合はある。前純は試合を壊したのは初めてかな。でも、これでチャンスがなくなったわけじゃない。次に備えてほしい」と次回登板を約束し、前田純の修正力に期待した。昨季のセ・パ王者対決の第2ラウンドは黒星。勝っていれば交流戦単独1位だったが、阪神、DeNA、中日、広島と5勝3敗で並ぶ混戦となった。リーグ戦では4位に転落。こちらも2位西武、3位オリックスとは混戦だが、首位日本ハムが勝利し、ゲーム差は「3・5」に広がった。1勝1敗で迎える12日のカード3戦目は落とせない。この日の黒星は球団名がソフトバンクに変わった05年以降、通算1200敗目だった。勝利数は1582勝で「貯金」は382。改めてソフトバンクの強さを目の当たりにする節目の数字になった。さらに過去8度の交流戦勝率1位を誇る。得意の「セ界戦」で2カード連続の負け越しは似合わない。【只松憲】

◆巨人泉口友汰内野手(26)が、11日のソフトバンク戦で2試合連続でマルチ安打をマークし、打率を3割6厘に上げ、リーグトップをキープした。広島ファビアンが5打数1安打で、打率を2割9分9厘に下げ、泉口がセ・リーグで唯一打率3割を超える。パ・リーグでは、ソフトバンク柳町達外野手(28)が、打率を3割6分2厘の高打率でリーグトップをキープする。

◆巨人・阿部慎之助監督(46)が試合前、前日10日の試合で小林誠司捕手(36)をリリーフ登板させるプランを用意していたことを明かした。昨夜は先発の井上が、周東への頭部死球で危険球退場となり二回途中で降板した。非常事態の中で支配下登録されたばかりの山田が2番手で登板し3イニングを投げるなど何とか継投でつないだが、最後は同点の八回に回をまたいだ田中瑛が3点を勝ち越された。この場面。指揮官は「昨日、(小林)誠司に(登板する)用意しておいて、と言った。投手がいないから。満弾とかドーンと打たれたら、もう誠司でいこうって」と振り返った。勝ち越しを許した時点で、ベンチに残っていた投手はバルドナードと勝ちパターンの大勢、マルティネスのみ。大差が開いた場合には、阿部政権初の野手登板の選択肢を用意していた。結果的に田中瑛が打たれたのは単打のみで、3点差のためバルドナードが登板した。「投手・小林」は幻となったが、阿部監督は「ドーンといかれたらいくぞって。(本人も)『行きます!』と言っていた」とベテランの献身を明かした。

◆巨人・坂本勇人内野手(36)が第1打席で走者一掃の3点適時二塁打を放った。1-0の一回2死満塁。ソフトバンク・前田純の初球の直球を左中間へ弾き返した。今季は不振で2軍調整を経て、10日に1軍復帰。前夜も2安打1打点をマークしていた。交流戦通算安打数を330とし、ヤクルトで活躍した青木宣親に並ぶ3位となった。1位は西武・栗山の337安打、2位は鳥谷敬の333安打。

◆巨人・西舘勇陽投手(23)が今季初先発し、7回6安打3失点、111球を投じてマウンドを降りた。一、二回は三者凡退で上々の立ち上がり。三回1死、5月に巨人からトレードで移籍した秋広に右中間へ二塁打を浴び、3連打で1点を失った。七回に2点の追加点を許したが、試合を作った。味方打線が試合序盤で6得点を挙げ、右腕は勝利投手の権利を持って降板。ルーキーイヤーの昨季は救援での1勝のみで、チームが勝利すれば先発初勝利となる。

◆巨人が逃げ切った。一回に岸田、坂本の適時打で4点を先取し、二回も岸田が2点打を放った。今季初先発の西舘は直球に力があり、7回6安打3失点で今季初勝利を挙げた。ソフトバンクは前田純が二回途中6失点の乱調で2敗目。

◆巨人は序盤から得点を重ね、11安打7得点で勝利した。5番で先発起用した岸田行倫捕手(28)が4安打3打点の大当たりに、阿部慎之助監督(46)は「たぶん、明日打てないんじゃない? 前も猛打賞の翌日タコってたから」と冗談まじりに笑顔で発破をかけた。

◆巨人・坂本が一回に二塁打を放ち、交流戦通算330安打。交流戦通算安打で青木宣親(ヤクルト)と並ぶ歴代3位となった。歴代1位は栗山巧(西武)の337、同2位が鳥谷敬(ロッテなど)の333。交流戦通算67二塁打は鳥谷と並ぶ歴代2位。同1位の今江年晶(敏晃、楽天など)の69にあと2。

◆「5番・捕手」で先発した巨人・岸田行倫が4安打3打点と大暴れした。一回に先制打、二回には2点打を放ち2打席連続の適時打。勝負強い打撃を見せ「積極的にいつも通り振って、いい結果につながってよかった」と胸を張った。4安打の固め打ちはプロ初。「たまたま」と謙遜しつつ「打てるに越したことはない。継続してやっていきたい」と次戦を見据えた。(みすほペイペイ)

◆巨人は11日、ソフトバンク2回戦(みずほペイペイ)に7―3で勝利。「7番・三塁」で出場した坂本勇人内野手(36)が1点を先取した一回2死満塁で左越えに3点二塁打を放った。交流戦通算67二塁打は鳥谷敬に並ぶ歴代2位、同330安打は青木宣親に並ぶ歴代3位。不振による2軍再調整から1軍復帰後、2戦で3安打4打点と頼れるベテランが状態を上げてきた。〝ミスターダブル〟らしい一打が戻ってきた。抜群の勝負強さは、スターたるゆえん。プロ19年目の坂本が、走者一掃の二塁打。「きっしゃん(岸田)と(増田)陸が良い形でつないでくれたので、何とかかえしたいと思った」。敵地福岡に集まったファンの大歓声に、右手を掲げて応えた。1点を先取した一回。なお2死満塁の好機で背番号6が打席に立った。四球の後の1球目。前田純の直球を思い切り良く一閃。「一振り目で仕留められているのは絶対に良いこと」。坂本らしい力強い打球で左中間を破った。交流戦通算67本目の二塁打は、鳥谷敬に並ぶ歴代2位。同330安打も青木宣親に並ぶ歴代3位となった。3日に89歳で逝去した「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さんから、生前にかけられた「お前はいつまでもジャイアンツのリーダーでいなきゃいけない」という言葉を胸に刻む。今季は不振のため2度の2軍降格を味わった。川崎市のジャイアンツ球場のスタンドがファンに開放される前の早朝から練習に励んだ日々の中、試合終了が夜分に及ぶナイターゲームでも後輩たちのプレーに目を光らせていた。シーズンオフの自主トレで坂本に弟子入りする増田陸は、2軍調整中の師匠と顔を合わせた際、ある1打席での意識を指摘された。「2死フルカウントで走者がスタートを切る場面で、僕がバーンって振ってしまったことがあった。あそこでもっとコンパクトに振っていれば、(野手の)間に落ちて走者がかえってこられることもあるよなって」。たとえ自身が不在でも、巨人軍が勝つために一つのプレーを追求する。ミスターが期待した「リーダー」の姿が、そこにはあった。ファームでの調整中は最初に実戦に出場しない期間を設け、桑田2軍監督とも話し合い、余分な力を抜いた構えなど打撃フォームを試行錯誤。6日のイースタン・リーグ、オイシックス戦で今季初本塁打を放つなど状態を上げた。その姿に阿部監督は「見た感じ、良くなってきたなと思った」と判断し、直々に1軍昇格の連絡をした。前日10日に1軍に復帰し、いきなりスタメンで適時二塁打。この日も長打を放ち、2試合で4打点をマークした。高まる完全復活の気配にも「いけるかな、みたいなイメージが出てきたりはしているので、継続できるように。まだまだ頑張ります」と気を引き締めた。頼れるベテランの力なくして巨人のリーグ連覇、日本一はなしえない。(浜浦日向)

◆ソフトバンクは相手先発の西舘を攻めきれなかった。1―7の七回に1点を返し、なお1死二、三塁の好機。小久保監督は「本塁打が出たら面白くなる」と山川を代打で送ったが、三ゴロの間の1点止まり。八回以降は強力な救援陣の前に得点できず「七回までの勝負が巨人戦」と負けを受け入れた。打率1割台と不振を極める栗原に5試合ぶりの長打が出たことは明るい材料。試合前練習でも熱心に助言を送っていた監督は「復調まではいかないが、練習は良くなっている」とうなずいた。

◆巨人は11日、ソフトバンク2回戦(みずほペイペイ)に7―3で勝利。「7番・三塁」で出場した坂本勇人内野手(36)が1点を先取した一回2死満塁で左越えに3点二塁打を放った。交流戦通算67二塁打は鳥谷敬に並ぶ歴代2位、同330安打は青木宣親に並ぶ歴代3位。不振による2軍再調整から1軍復帰後、2戦で3安打4打点と頼れるベテランが状態を上げてきた。練習日の訪問は、坂本のプロ入りから19年目で初めてのことだった。坂本が今季2度目の降格となって2日後の5月14日。川崎市のジャイアンツ球場で個別調整を行っていた教え子のもとに、青森・光星学院高(現八戸学院光星高)時代の恩師で、現在は茨城・明秀学園日立高を率いる金沢成奉監督(58)が日立市から駆けつけた。普段から連絡を取り合う間柄だが、「顔を見て話したかったんですよ」と金沢監督。悩む坂本を熱く励ました。「もう一回、じっくりやれ。打撃はやっぱり下半身。血へどを吐くぐらい練習するんや。ファンはお前を待っているんやから、一日も無駄にするなよ」坂本は12日間、試合に出場せず練習に専念。「今の自分があるのは監督さんのおかげ」と慕う恩師の言葉に従い、一日1000スイングを課した高2の冬のように、ウエートトレや打ち込みで鍛え直し、スイングの力強さを取り戻した。まな弟子の打撃をテレビで観ている金沢監督は「今はいい顔になった。若い頃とはまた違う、大人のギラギラした感じが出てきた」とうれしそうだった。(巨人担当キャップ・谷川直之)

◆巨人の2年目右腕、西舘勇陽投手(23)が今季初先発で7回111球を投げ、3失点。昨季の救援でのプロ初勝利に続いて先発初勝利を挙げ、「序盤に7点取ってもらって楽に投げられた。できるだけ1イニングでも多く(投げたい)と思っていたので、なんとか投げ切れてよかった」とうなずいた。二回までに6点の援護をもらうと、150キロを超える速球を軸に大胆に攻めた。三回は3連打で1点を失ったものの、今宮を遊ゴロ併殺打に仕留めた。3安打を浴びた七回に2つの内野ゴロで2点を奪われたが、大崩れしなかった。3日に死去した長嶋茂雄さんから送られた言葉がある。ドラフト1位指名された後、2023年12月に地元の岩手・花巻市内のホテルで行われた入団祝賀会。スクリーン上で長嶋さんから「入団おめでとう。渾身(こんしん)の努力を期待しています」などとサプライズでメッセージを受け取った。直接会話をしたことはないというが、「すごいスター選手でしたよね」と西舘は感謝する。昨年8月のプロ初先発では5回4失点を喫し、チャンスを逃した。ミスターからの期待も背負い、今度こそ先発ローテーションに食い込む。(原田優介)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
530 0.625
(↓0.089)
-
(-)
1040
(+3)
23
(+7)
5
(-)
5
(-)
0.294
(↓0.012)
2.780
(↓0.61)
1
(2↑)
DeNA
530 0.625
(↑0.054)
0
(↓1)
1027
(+4)
20
(-)
6
(-)
3
(-)
0.229
(↓0.005)
2.410
(↑0.35)
1
(2↑)
広島
530 0.625
(↑0.054)
0
(↓1)
1034
(+6)
24
(+2)
4
(-)
12
(+2)
0.278
(↑0.012)
2.750
(↑0.4)
1
(-)
阪神
530 0.625
(↓0.089)
0
(-)
1033
(+2)
16
(+3)
10
(+1)
7
(-)
0.223
(↓0.006)
1.910
(↓0.17)
1
(2↑)
中日
530 0.625
(↑0.054)
0
(↓1)
1027
(+8)
31
(+5)
5
(+2)
11
(+2)
0.251
(↑0.018)
3.910
(↓0.01)
6
(1↑)
日本ハム
440 0.500
(↑0.071)
1
(↑1)
1029
(+8)
26
(+2)
5
(+1)
4
(-)
0.254
(↑0.019)
3.150
(↑0.17)
6
(1↑)
西武
440 0.500
(↑0.071)
1
(↑1)
1017
(+3)
28
(+2)
0
(-)
5
(-)
0.219
(↑0.001)
3.170
(↑0.17)
8
(3↑)
巨人
340 0.429
(↑0.096)
1.5
(↑1)
1120
(+7)
17
(+3)
4
(-)
4
(-)
0.221
(↑0.017
2.480
(↓0.09)
8
(2↓)
ロッテ
340 0.429
(↓0.071)
1.5
(-)
1120
(+2)
21
(+6)
3
(-)
6
(+3)
0.207
(↓0.012)
2.920
(↓0.36)
10
(3↓)
ヤクルト
350 0.375
(↓0.054)
2
(-)
1017
(+2)
29
(+8)
6
(-)
3
(-)
0.206
(↑0.009)
3.410
(↓0.57)
10
(3↓)
ORIX
350 0.375
(↓0.054)
2
(-)
1017
(-)
30
(+4)
3
(-)
4
(-)
0.229
(↓0.008)
3.450
(↓0.07)
12
(-)
楽天
260 0.250
(↓0.036)
3
(-)
1014
(+5)
30
(+8)
3
(-)
3
(+2)
0.221
(↑0.02)
2.960
(↓0.3)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
35232 0.603
(↓0.011)
-
(-)
83211
(+2)
137
(+3)
37
(+1)
49
(-)
0.240
(↓0.001)
2.060
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
31243 0.564
(↑0.008)
2.5
(↑1)
85196
(+4)
150
(-)
31
(-)
30
(-)
0.237
(↓0.001)
2.340
(↑0.04)
3
(-)
広島
29262 0.527
(↑0.008)
4.5
(↑1)
86184
(+6)
158
(+2)
25
(-)
27
(+2)
0.244
(↑0.002)
2.470
(↑0.04)
4
(-)
巨人
31281 0.525
(↑0.008)
4.5
(↑1)
83182
(+7)
180
(+3)
41
(-)
27
(-)
0.240
(↑0.001
2.680
(-)
5
(-)
中日
28292 0.491
(↑0.009)
6.5
(↑1)
84146
(+8)
183
(+5)
28
(+2)
37
(+2)
0.221
(↑0.002)
2.900
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
17362 0.321
(↓0.006)
15.5
(-)
88137
(+2)
227
(+8)
25
(-)
18
(-)
0.218
(↑0.001)
3.640
(↓0.07)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
33242 0.579
(↑0.008)
-
(-)
84204
(+8)
162
(+2)
53
(+1)
30
(-)
0.232
(↑0.003)
2.340
(↑0.01)
2
(2↑)
西武
31270 0.534
(↑0.008)
2.5
(-)
85163
(+3)
158
(+2)
24
(-)
40
(-)
0.236
(-)
2.540
(↑0.01)
3
(1↓)
ORIX
28263 0.519
(↓0.009)
3.5
(↓1)
86187
(-)
205
(+4)
38
(-)
28
(-)
0.258
(↓0.001)
3.290
(↓0.02)
4
(1↓)
ソフトバンク
29272 0.518
(↓0.009)
3.5
(↓1)
85216
(+3)
182
(+7)
35
(-)
39
(-)
0.251
(↓0.001)
2.770
(↓0.07)
5
(-)
楽天
25321 0.439
(↓0.007)
8
(↓1)
85148
(+5)
182
(+8)
22
(-)
57
(+2)
0.234
(↑0.002)
2.910
(↓0.03)
6
(-)
ロッテ
20350 0.364
(↓0.006)
12
(↓1)
88143
(+2)
193
(+6)
28
(-)
22
(+3)
0.213
(↓0.001)
3.300
(↓0.03)