1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 7 | 8 | 0 | 1 |
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | 2 | 0 |
勝利投手:デュプランティエ(2勝2敗0S) 敗戦投手:細野 晴希(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆阪神は初回、ヘルナンデスの適時打などで2点を先制する。その後は5回表に森下の2点適時打、8回には佐藤輝の通算100号となるソロが飛び出すなど、着実にリードを広げた。投げては、先発・デュプランティエが7回途中無失点12奪三振の好投で今季2勝目。敗れた日本ハムは、投打ともに振るわなかった。
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)が初めての北海道で快投を狙う。5日の日本ハム戦(エスコンフィールド)に先発。自身初の交流戦に臨む。初めて立つマウンドながら、前日から調整を続ける球場についても好印象だ。「すごく美しい球場。日本の球場は全部好きだけど、特にここの球場はアメリカに近い雰囲気があるよ」。食事面ではラム肉など北海道グルメも堪能。北の大地で2勝目を狙う。
◆阪神石黒佑弥投手(23)、岡留英貴投手(25)が出場選手登録された。代わって、前日4日の同戦では4回4失点で敗戦投手の門別啓人投手(20)、2回1失点の工藤泰成投手(23)が出場選手登録を抹消された。
◆阪神は交流戦1カード目での勝ち越しを狙う。熊谷敬宥内野手(29)が「7番三塁」で公式戦では22年7月19日広島戦以来1052日ぶりのスタメン。今季はここまですべて代走か守備固めでの出場だったが、打撃面でも7打数3安打と結果を残していた。スタメン発表時には観客が「おぉー!」と声を上げた。3日は豊田寛外野手(28)、4日は糸原健斗内野手(32)が指名打者。この日はラモン・ヘルナンデス内野手(29)が「6番DH」となった。先発はジョン・デュプランティエ投手(30)。ここまで7試合に先発で1勝2敗ながら防御率1・80と好投を続けている。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が試合前のメンバー表交換で予告通りに「新庄劇場」を繰り広げた。まずはホームベース付近でメンバー表を球審に手渡しながら藤川監督と談笑。そして新庄監督が手を出し、そこに藤川監督や審判団も手を差し伸べて「エイエイオー」と全員で手を掲げると場内から大歓声が起きた。最後は両監督がハイタッチして、1勝1敗で迎えた第3戦が始まった。3日の初戦は阪神藤川監督と握手をせず、目線も送らない意味深な"スルー"でファンをざわつかせた。4日の第2戦は一転、満を持して藤川監督と視線を合わせ、笑顔でグータッチ。場内は拍手喝采で大盛り上がりとなった。試合後に「大正解でしょ、昨日(3日)のフリが。今日は、しないと思いました?」と笑顔で振り返っていた。ちなみに前夜は事前に藤川監督と打ち合わせ済みだったのかを問われた新庄監督は「それはもう...へへへへ、ご想像に」と笑いながら5日の試合前は何をするか考えているかを問われて「マジシャンがネタ、言いますか」と笑顔で「新庄劇場」第3夜があることを予告していた。
◆阪神が1安打も打たず、まさかの形で先制した。日本ハム先発の細野が、先頭近本へストレートの四球を与えると、続く中野へもストライクが1球しか入らず連続四球。さらに森下にも3球続けてボールとなり、3人連続の四球で無死満塁となった。佐藤輝は初球で遊飛に打ち取られるも、続いて打席に立った大山もストレートの四球で押し出しとなり、1安打も打たずに先制となった。
◆注目? の阪神藤川球児監督(44)と日本ハム新庄剛志監督(53)のメンバー表交換の"最終戦"の和やかな様子に、場内が大きく沸いた。両ベンチから歩み寄り、メンバー表交換を行うと、両監督と審判団が円陣を組んだように丸くなり、全員が差し出した手のひらを重ね、「エイエイオー」と言わんばかりの様子で一斉に手を天に掲げた。新庄監督が笑顔で指をさすと、藤川監督も指をさし応えて、満面の笑みでベンチへと戻った。3日の第1戦で2人は目線を送らず、握手せずにベンチへ。4日の第2戦では、目線を合わせて笑顔でグータッチ。そして第3戦は息の合った様子で"大団円"となった。1日には新庄監督が、あわや乱闘騒ぎとなった4月広島戦の藤川監督激高のシーンを引き合いに、おちゃめに挑発? 「このへんに(自分の近くに向かって)来たら、こうやろうかな。それで次の日はメンバー表交換の時に目を合わさない。それ、伝えといてください、球児に...へヘヘヘ」。虎の指揮官が見せた、手招きのジェスチャーをまねしながら話していた。一方の藤川監督は「大の仲良しの先輩と言いますか、本当に楽しみだなというところ」とひょうひょうとお返ししていた。
◆阪神ラモン・ヘルナンデス内野手(29=メキシカンリーグ)が立ち上がりを攻め立てる一打で、来日初打点を挙げた。4四球で押し出し先制点を挙げた直後の1死満塁。先発細野の直球を捉え、右前にはじき返す来日初適時打となった。14試合目、34打席目での初打点。1点で終わらず、貴重な2点目を奪った。
◆プロ初勝利を狙う日本ハム細野晴希投手(23)が、虎党の大声援にのみ込まれた。初回、近本光司外野手(30)に1球もストライクが入らずに四球を与えると、続く中野拓夢内野手(28)、森下翔太外野手(24)にも連続四球で無死満塁。佐藤輝明内野手(26)は遊飛に打ち取ったものの、大山悠輔内野手(30)にもストレートの四球を与えて押し出しで先制点を失った。この段階で20球を投じてストライクはわずか4球。黄色く染まったビジター応援席は大きく盛り上がった。その後、ヘルナンデス内野手(29)には右前適時打を浴び、1回は1安打ながら2点を失った。
◆阪神前監督の阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が、北海道まで出向きBS朝日の生中継の解説を行った。先発した新助っ人ジョン・デュプランティエ投手(30)の良さを分析。同投手は先発ローテーションに入り、7試合1勝ながら防御率1・80と安定感を見せる。同顧問は「長い腕が遅れて出てくる。ナックルカーブは右(打者)は打てない。左でもハーフスイングになる。横じゃなく縦(に来る)。直球も腕が遅れるから伸びがある。(打者は)差し込まれる」と称賛。課題としては長いイニングを投げきれる省エネ投球を挙げた。
◆阪神前監督の阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が、北海道まで出向きBS朝日の特別ゲスト解説を行った。阪神の後輩でもある日本ハム新庄剛志監督(53)とのエピソードも披露。阪神の指揮を執った昨年までの2年間は交流戦で2勝4敗と負け越し。昨季、甲子園での交流戦では新庄監督が阪神のユニホームを着てメンバー交換するなど、古巣を沸かせた。岡田顧問は「(新庄は就任)2年、最下位。去年の交流戦のときは『今年最下位やったらやめるって言うてた』」と話した。また阪神のユニホームを着用した件も「(新庄が)代表(球団本部長)に怒られるの分かってたけど、着てきました」と舞台裏を明かした。日本ハムは、昨季の2位フィニッシュから、今季は交流戦を首位で迎えた。「(新庄は)思っている以上にいろいろなことを考えている。(監督が)やりたいことを選手がわかってきた。若いチームだったけど、野球を覚えてきた感じ。(私も対戦して)怖かった。すごいことを起きそうに感じた」。パ・リーグをけん引する新庄日本ハムを分析した。
◆阪神前監督の阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が、北海道まで出向き、BS朝日の生中継の解説を行った。前日2本塁打を放ち、通算100本塁打にリーチをかけた佐藤輝明内野手(26)について、2年間見てきた教え子の好調を分析した。佐藤輝はこの日までリーグトップの15本塁打、40打点で2冠を維持。打率も2割8分8厘と安定する。「2ストライクから無理をしない。ミートに徹するからヒットが多い」と評価。前日4日の1本目、14号ソロは片手で左翼へ運んだ。「前でさばけている。バットは泳いだけど、体が泳いでいない。あれはちゃんとした打ち方をしている。泳いだんじゃない」。下半身の安定感が生み出した技ありの1発と、アーチ量産への成長を認めていた。
◆阪神前監督の阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が、北海道まで出向きBS朝日の生中継の解説を行った。監督退任後初の交流戦解説となった岡田顧問は、実況アナウンサーからオリックス監督時代を含め、交流戦通算成績が121勝100敗7分けと振られると「交流戦の100勝一番乗りはオレですけどね」と自らアピールした。オリックス時代、阪神第1次政権時代も含め、交流戦が36試合制、24試合制も経験。「長かった」「きつかった」と、現行の18試合制との苦労も明かした。
◆阪神近本光司外野手(30)がバットを1度も振らず3四球目を選んだ。5回無死一塁での3打席目。先発細野の前に、2ボールから見逃し、ボール、見逃しでフルカウント。直後の6球目、低めのボールをきっちりと見極めて出塁した。第1打席、第2打席はともにストレートの四球で出塁。計14球で3四球目を選んだ。その後は1死二、三塁と好機が拡大し、3番森下がライナーで運ぶ2点右前適時打。主軸の1本をお膳立てする、つなぎの仕事となった。
◆阪神前監督の阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が、北海道まで出向きBS朝日の生中継の解説を行った。監督就任1年目の23年にエスコンフィールドで日本ハム戦を戦った顧問は、敵地の構造で笑いを誘った。同球場は一塁、三塁ベンチが、通常の球場より外野寄りに設置。「ベンチが(本塁側から)離れていて、(打球、投球の)角度がつかみづらい。三塁コーチのすぐ前やから、サインも口で言うてた。『バント』とか」と、岡田節を北の大地から発信した。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)がつくりあげた最高潮のムードに、23年ドラ1左腕は入り込めなかった。注目された阪神藤川監督とのメンバー表交換。3日は視線を向けず、握手もしない不穏な"フリ"から4日は一転、笑顔でグータッチ。そして1勝1敗で迎えた第3戦。指揮官は審判団も巻き込んで円陣を組み、手を重ね合わせて「エイエイオー」と言わんばかりに手を挙げた。場内は拍手喝采。一致団結して最高のゲームを-というメッセージが込められたかのような「新庄劇場」だった。高揚感あふれる雰囲気の中でマウンドに上がった先発細野晴希投手だが、本来のパフォーマンスを発揮できなかった。とにかくストライクが入らなかった。1回は先頭近本にストレートの四球を与えると、2番中野、3番森下にも四球。三塁側を中心に猛虎ファンの大声援もボリュームも増した。無死満塁から4番佐藤輝は遊飛に抑えたが、5番大矢には押し出し四球で先制点を献上。6番ヘルナンデスにも適時打を浴びて、いきなり2失点。5回は近本に3個目、自身7個目の四球を与えるなど、さらに2失点を喫してKOされた。昨季のプロ初登板の舞台は甲子園だった。24年6月18日阪神戦。敵地の大声援に「ちょっと押されたかな」という印象があった。今回は「なんかそこも含めて楽しめたら」と話していたが、エスコンフィールドでも猛虎ファンの圧はすさまじく、楽しませてくれなかった。5度目の挑戦だったプロ初勝利は、またお預け。最高のゲームの一員になれなかった。【木下大輔】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が今季16号を放ち、プロ通算100本塁打を達成した。4点リードの8回先頭。1ストライクから、福谷の128キロ変化球を完璧に振り抜いた。高く上がった打球は右翼席上段へ。ダメ押しのソロ本塁打となった。ダイヤモンドを一周すると三塁ベンチ前で記念のボードを受け取り、球場の観客に向けて一礼した。プロ5年目、通算575試合目での到達。阪神の生え抜き選手では424試合の田淵、553試合の掛布に次いで歴代3位のスピード到達となった。前日4日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では1試合2本塁打を放ち、通算本塁打を99に伸ばしていた。王手をかけた翌日に、2試合連発となる大活躍。北の大地で、節目のアーチを決めた。通算100本塁打=佐藤輝(阪神) 5日の日本ハム3回戦(エスコンフィールド)の8回、福谷から今季16号を放って達成。プロ野球310人目。初本塁打は21年3月27日のヤクルト2回戦(神宮)で田口から。佐藤輝はプロ5年目で達成。日本人選手では61年長嶋(巨人)21年村上(ヤクルト)ら9人が4年目に達成しているが、阪神で5年目は73年田淵に並ぶ球団最速記録。
◆虎の未来を背負う男佐藤輝明 通算100号はこの男らしいフルスイング!#オレをみろ 「DAZN BASEBALL」月々2,300円 (年間プラン・月々払い)年間契約の初月無料!6/23まで登録はこちら?https://t.co/xuxqErhJa9?プロ野球 (2025/6/5)??日本ハム×阪神??live on DAZN#tigers pic.twitter.com/9q8W3fVng5
◆阪神先発の新外国人ジョン・デュプランティエ投手(30)が5者連続奪三振を披露した。5回2死から日本ハム五十幡を空振り三振。6回は吉田、石井、清宮幸を3者連続三振に斬った。7回先頭レイエスも空振り三振。奪三振ショーだった。7回2死一塁で降板するまでに12奪三振。三振を奪う度に球場は阪神ファンの大歓声に包まれた。6回2/3を2安打1四球無失点の快投。来日2勝目の管理を手にした。マウンドを降りてベンチに向かう右腕には大歓声と惜しみない拍手が送られた。デュプランティエは「立ち上がりは相手バッターにボールを見極められている感じがして気になってしまったけど、(捕手の)坂本とコミュニケーションをとってゾーンで勝負することでリズムが出てきたと思うよ。変化球も含めて坂本と自分の投げたいボールの選択もあっていたし三振も多くとることができたね。守備でも助けてくれたし早い段階から得点してくれた野手のみんなにも感謝しているよ」と話した。
◆阪神近本光司外野手(30)が、球団日本人最速試合での達成が濃厚な通算1000安打へあと3本とした。6点リードの8回2死一、三塁。中前適時打を放ちリードを7点に広げた。
◆阪神が交流戦開幕カードとなったセパ1位対決で勝ち越しを決め、貯金を今季最多に並ぶ11に戻し、首位をがっちり守った。初回、まさかの形で先制に成功した。日本ハム先発の細野が、先頭近本へストレートの四球を与えると、3連続四球。1死満塁から大山悠輔内野手(30)がストレートの四球で押し出しとなり先制。さらにヘルナンデスがラモン・ヘルナンデス内野手(29)が右前適時打を放ち、来日初打点を挙げた。2-0のまま迎えた5回には1死二、三塁から、森下翔太外野手(24)が2点右前適時打を放ち、リードを広げた。球場の盛り上がりが最高潮となったのは8回。先頭の佐藤輝明内野手(26)が、福谷のスライダーを右翼スタンドへ運び、通算100号本塁打に到達。2本塁打を放った前夜に続く活躍で節目のアーチをかけて、球場全体から祝福を受けた。さらに1死一塁で熊谷の右前打から敵失がからみ追加点を奪うと、なおも2死一、三塁で近本が中前適時打を放ち、大きくリードを広げた。先発のジョン・デュプランティエ投手(30)は7回途中2安打無失点の好投で2勝目。5回2死から5者連続三振を奪うなど12奪三振とし、来日初となる2ケタ三振を奪い快勝に貢献した。
◆日本ハムが、両リーグ首位対決だった交流戦最初のカードを負け越した。1勝1敗で迎えた第3戦は、先発の細野晴希投手(23)が初回から4四球、1安打の大荒れで2失点。5回にも2点を失い、4回1/3を3安打7四球4失点でプロ初黒星を喫した。「中10日ももらっていたのに、あの試合の入り方は本当によくなかったと感じます」と反省した。打線は阪神デュプランティエ投手(30)の前に12三振を喫し、7回までスコアボードに0を並べた。新庄剛志剛志監督(53)は4日に「明日のピッチャー、いいんすよ。ずっと見てますけど。ちょっと手ごわいかな」と話していたが、予想は現実のものとなった。この日の試合後は「いや~、今日のピッチャーはなかなか打てないですよ。左足が(地面に)ついてから1テンポ遅れて(くる)。真っすぐもいいんで差し込まれる。ポイントを前にすると変化球に泳いでしまう、前に出されるっていう、すごくいいピッチャーですよね」と脱帽した。カード負け越しは4カードぶり。貯金10の壁は、今季2度目も越えられなかった。
◆阪神が連続敵失でダメ押し点を頂戴した。佐藤輝明内野手(26)の今季16号ソロで加点し、0-5にした8回1死一塁。一走島田海吏外野手(29)がスタートし、熊谷敬宥内野手(29)が右前打を放った。三塁を狙った島田を刺そうと右翼・万波中正外野手(25)が三塁へダイレクト送球。送球はそれて、三塁ファウルグランドに球がこぼれた。三塁を陥れた島田は起き上がり本塁へ。ファウルグラウンドへ転がった球を福谷浩司投手(34)がカバーし、本塁に転送したがこれも悪送球。ヘッドスライディングで島田が6点目のホームへ滑り込んだ。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が通算100本塁打を達成した阪神佐藤輝明内野手(26)に対して、ベンチ最前列に立って拍手を送り、祝福した。8回に佐藤輝は右翼2階席へメモリアルアーチを放ち、ダイヤモンドを1周後に記念パネルを掲げた。場内から大歓声を受けた佐藤輝はベンチ奥へ戻ろうとしたが、同僚に呼び戻されて慌ててベンチ最前列に戻って一塁側ベンチを見ると、敵将の新庄監督がベンチ最前列で立って拍手を送ってくれていた。すかさず佐藤輝も頭を下げ、祝福に応えた。新庄監督は4日の試合後に、佐藤輝について「なんか打席に入る前も意識は腰から。ちょうど大谷くんが打席に入る前のような意識の持ち方はしてるんじゃないかな。突っ込まなくなったんで。で、悪くなってくると、どうしてもライト方向に打ちにいくイメージが強くなって、外のボールが、力がちょっとだけ抜けるっていうところを、今たぶんセンターを意識してんじゃないですか。センター意識して、左中間に放り込むようなイメージで今、スイングはしてるんで。これを変えなかったら、すごい成績を残すんじゃないかな」と話していた。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が今季16号を放ち、プロ通算100本塁打を達成した。4点リードの8回先頭。1ストライクから、福谷の128キロ変化球を完璧に振り抜いた。高く上がった打球は右翼席上段へ。ダメ押しのソロ本塁打となった。プロ5年目、通算575試合目での到達。阪神の生え抜き選手では424試合の田淵、553試合の掛布に次いで歴代3位のスピード到達となった。阪神佐藤輝が日本ハム3回戦(エスコンフィールド)の8回、福谷から今季16号本塁打を放ち、プロ野球310人目の通算100本塁打に到達した。初本塁打は21年3月27日のヤクルト2回戦(神宮)で田口から。佐藤輝はプロ5年目で達成。日本人選手では61年長嶋(巨人)、21年村上(ヤクルト)ら9人が4年目に達成しているが、阪神で5年目は73年田淵に並ぶ球団最速記録。575試合目での到達は球団の日本人選手では田淵(474試合)、掛布(553試合)に次ぎ3番目の早さ。年齢でも、掛布23歳11カ月、藤田平24歳11カ月に次いで、26歳2カ月の佐藤輝は3番目。田淵は通算474本、掛布は349本のアーチを積み重ねたが、佐藤輝はこの先どこまで本数を伸ばすか。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が甲子園に「ゾーン・テル」の設置を提案した。完敗に終わった試合後の最初の話題は8回に通算100本塁打を達成した阪神佐藤輝明内野手(26)についてだった。「佐藤くん、北海道とエスコン大好きになったんじゃない。あのヘスタの(本塁打があったら)111万(の新庄ボードに)当たったかなって。でもあれ、甲子園だったらフェンスが...(浜風で打球が)戻されるでしょ、あんだけ(打球が)高かったら。もう来年は(甲子園に)『ゾーン・テル』をつくってあげて。ライトだけね。それぐらい、入らないからね、甲子園は。何が一番変わってくるかって、やっぱ打率が変わってきますよね。昨日のホームランでも、あれで行っちゃうのって。『ゾーン・テル』(は右翼フェンスから)7メーター前(笑い)」と、甲子園で右翼方向へ本塁打を打つ難しさを知る元「虎のプリンス」ならではの、サトテル用のラッキーゾーン設置案をぶちあげた。古巣の後輩のメモリアルアーチの後は、ベンチ最前列に立って拍手を送って祝福した。「100号でしょ」と敵味方は関係なく、敬意を示した新庄監督は「彼の実力なら300、400ね...『ゾーン・テル』ができたら」と冗談を交えながらも、さらなる飛躍を願っていた。
◆日本ハムが、両リーグ首位対決だった交流戦最初のカードを負け越した。1勝1敗で迎えた第3戦は、先発の細野晴希投手(23)が初回から4四球、1安打の大荒れで2失点。5回にも2点を失い、4回1/3を3安打7四球4失点でプロ初黒星を喫した。「中10日ももらっていたのに、あの試合の入り方は本当によくなかったと感じます」と反省した。打線は阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)の前に12三振を喫し、7回までスコアボードに0を並べた。新庄剛志監督(53)は4日に「明日のピッチャー、いいんすよ。ずっと見てますけど。ちょっと手ごわいかな」と話していたが、予想は現実のものとなった。この日の試合後は「いや~、今日のピッチャーはなかなか打てないですよ。左足が(地面に)ついてから1テンポ遅れて(くる)。真っすぐもいいんで差し込まれる。ポイントを前にすると変化球に泳いでしまう、前に出されるっていう、すごくいいピッチャーですよね」と脱帽した。カード負け越しは4カードぶり。貯金10の壁は、今季2度目も越えられなかった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)の通算100号をエスコンフィールドも祝福した。場内のビジョンには阪神の球団創設90周年のロゴとともに「佐藤輝明選手プロ通算100本塁打達成!おめでとうございます!」の文章が映し出された。スタンドからは拍手が送られた。
◆阪神が交流戦開幕カードとなったセパ1位対決で勝ち越しを決め、貯金を今季最多に並ぶ11に戻し、首位をがっちり守った。阪神藤川球児監督(44)は虎の大先輩でもある日本ハム新庄剛志監督(53)との対戦を終えて「また日本ハムの新庄監督と、対戦したいなという思いもある。この後対戦できるとすれば、さらに大きな舞台というところですから」と日本シリーズでの再戦を熱望。「まず自分たちで頑張っていかなければ、戦っていかなければいけないんですけれど。最初の対戦カードは新庄監督の日本ハムで、非常に緊張感のある交流戦の最初だった。手ごわいなというところと、また自分たちが頑張っていけば、もっと大きな舞台で戦えるという意味では頑張りたいですね」。セ・リーグを制し、最高峰の舞台で再会できることを願った。
◆プロ通算100号本塁打を達成した阪神佐藤輝明内野手(26)が、ヒーローインタビューでファンへの感謝を口にした。8回先頭で、右翼席上段にたたき込む豪快弾。通算575試合目での到達は、阪神の生え抜き選手で田淵、掛布に次ぐ歴代3位の早さとなった。
◆阪神が交流戦開幕カードとなったセパ1位対決で勝ち越しを決め、貯金を今季最多に並ぶ11に戻し、首位をがっちり守った。試合後、藤川球児監督(44)は日本ハム新庄剛志監督(53)とメンバー表交換で見せたパフォーマンスについて言及。3日の第1戦で2人は目線を送らず、握手せずにベンチへ。4日の第2戦では、目線を合わせて笑顔でグータッチ。そして、この日の第3戦は審判団とともに手を重ね「エイエイオー」と言わんばかりに、天に手を掲げた。「ゲームの中身とね。プロ野球をエンターテインメントとしてやるという部分では、心がけたいところではありますけど。タイガースは伝統球団だし、セリーグというのはまた少し空気が違うんですけれど、徐々にセリーグも変えていければ、さらに、NPBの良さも広がるんじゃないかなと思いますから」。気心知れた大先輩とともに、球界を盛り上げた。
◆試合終了後にエスコンフィールドのビジョンには球場スタッフ一同から阪神ファンへのメッセージが映し出された。SNS上では虎党が「泣きそう」、「最高やん...ありがとうーーー!!!次は日シリで!!!」などと投稿した。
◆阪神はセパ首位対決で2勝1敗と勝ち越した藤川監督が、日本ハム新庄監督と日本シリーズでの再会を熱望した。「また日本ハムの新庄監督と、対戦したいなという思いもある。自分たちが頑張っていけば、もっと大きな舞台で戦えるという意味では頑張りたい」。メンバー表交換で一緒に行ったパフォーマンスについても「プロ野球をエンターテインメントとしてやるという部分では、心がけたいところ。徐々にセリーグも変えていければ、さらにNPBの良さも広がるんじゃないか」と賛同していた。
◆阪神新外国人ラモン・ヘルナンデス内野手(29)が来日初打点を挙げた。4四球とノーヒットで先制点を挙げた直後の初回1死満塁。細野の外角低めの152キロ直球に逆らわず、右前にはじき返した。8回にも中前打を放ち2戦連続マルチ安打。打率を2割5分まで上げた。「初打点は素直にうれしい。その打点がチームにとってもいい打点になった。そういう意味で勝ちに貢献できたことがうれしい。これからもそういう打点を挙げられるように続けたい」と会心だった。
◆阪神近本光司外野手(30)が球団日本人最速の通算1000安打まで残り3本とした。6-0の8回。福谷からダメ押しの7点目となる適時打を中前に運んだ。「いい形で追加点になってよかったです。最近なかった感じだったんで。やりたいことができたのかなと思います」。5回までに3四球も選び、4出塁で勝利に貢献した。
◆初回から大荒れだった日本ハム細野晴希投手(23)が、プロ初黒星を喫した。先頭の近本から、中野、森下と3者連続四球。1死後、大山に押し出し四球を与えると、ヘルナンデスには右前適時打を浴びた。「四球を出しちゃいけないなっていう...打たれてもないし、まだ走者も出ていないのに、マイナスな方向に自分で持っていってしまった」と反省した。2回以降は立て直したものの、4回1/3を3安打7四球4失点。今季は過去2試合、計13イニング1失点と安定していたが、プロ初勝利よりも先に黒星がついた。
◆阪神森下翔太外野手(24)がゲームの流れを呼び込んだ。初回は無死一、二塁から3者連続の四球で先制に貢献。2点リードの5回は1死二、三塁では右前へ2点適時打を放ち4-0とした。「デュプ(ランティエ)がずっと頑張ってくれていた。次の1点をとった方に流れがいきかけると思ったのでよかった」。9回には左前に運んで16度目マルチ安打。佐藤輝の通算100号には「バッターにとってホームランはすごくロマンも価値もある。もっと打てるように頑張りたい」と刺激を受けていた。阪神熊谷(22年7月以来1052日ぶりのスタメン出場で1安打)「毎日が僕にとってのアピールチャンスだったので、そこで結果が出たのはよかった。継続していきたい」
◆阪神石黒佑弥投手(23)が1軍昇格後即登板で3者連続三振を披露した。9回に4番手として登板した。先頭の代打水谷を空振り三振に斬り、続く代打松本剛からは152キロ直球で見逃しを奪い3球三振。最後は浅間を空振り三振で試合を締めた。前日4日までは2軍帯同でこの日1軍に合流して出場選手登録された。いきなりの登板で快投し「結果が出て良かった。しっかり変化球も決まりましたし、真っすぐでもファウルや空振りがとれたので、カウント有利にできたのがよかった」と話した。石黒はこの日結果を除きここまで1軍では4試合を防御率9・00。ここまで2度出場選手登録を抹消されていた。5月17日の2軍降格後は同27日の独立リーグ連合チームとの交流試合(甲子園)に先発して3回1安打無失点と好投していた。▽阪神岡留(昇格即8回に登板して1イニングを2安打1失点)「真っすぐ、変化球とも、もう少し精度をもっと上げていけたら」
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)が、7回途中2安打無失点で来日2勝目を挙げた。来日最多の12奪三振。力のパ・リーグ相手にも、豪腕ぶりを見せつけた。「カーブでしっかりストライクも取れて、他のチェンジアップとか真っすぐとかが効いていた。カウントも三振も取れるので、一番今日はカーブが良かったと思ってます」。パ首位の日本ハム打線を圧倒し、会心の笑顔を浮かべた。ドクターKの本領を発揮した。初回は2安打を許したが、3つのアウトはバットにかすらせない三振オンリー。初回の郡司から7回2死までは完全投球で、19連続アウトを積み上げた。この間、5回2死で五十嵐を151キロの直球で空振り三振に打ち取ると、チェンジアップで空を切らせた7回先頭のレイエスまで5者連続三振。先発8試合で46回2/3を投げ、奪三振はイニング数を大きく上回る62個の量産ぶりだ。初上陸の北海道では名物に舌鼓を打った。流ちょうな日本語で「ザンギ、めっちゃおいしい」と笑顔。「ユズコショウ、オン・ザ・ザンギ。ベリーグッド!」。ラム肉入りの餃子もお気に入りで、快投のエネルギーになった。勝利が決まると「テールアーキ・サトー!」とベンチ裏で絶叫して打のヒーローをたたえた。「(佐藤輝は)100本塁打を達成したので、それは叫ばないといけなかった(笑)」。白星は4試合ぶりで2勝2敗、規定投球回未満ながら防御率1・54の安定感。すっかりチームに溶け込んだ助っ人右腕の本領発揮は、これからだ。【伊東大介】▽阪神坂本(デュプランティエをリード)「どういう感じでくるか探りながら、感じたことを話し合って、プランをたててうまくいった。相手に考えさせる時間をあげないように、テンポ良く投げようという話はしていた。それが結果的によかった」
◆テル、おめでとう! プロ5年目で100号を達成した阪神佐藤輝明内野手(26)を、盟友のDeNA牧秀悟内野手(27)が祝福した。98年度生まれの同い年で、大学3年時の日本代表合宿でチームメートになった間柄。ともに20年ドラフトで入団し、セのライバル球団の主砲同士で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。今年4月に一足早く通算100号を達成した牧が、佐藤輝のすごみを明かした。【聞き手=波部俊之介】輝は大学3年生のジャパン合宿で一緒でした。僕が中大で輝が近大と、東西で別のリーグでしたが、向こうは2年生から日本代表に選ばれていたので、すごい選手だなというのは分かっていました。合宿だけ一緒で、大学時代は試合で一緒にプレーする機会はありませんでした。だから「どんなプレースタイルなのかな?」と気になっていましたが、プロで見るとやっぱりバッティングはすごかった。1年目にハマスタで場外ホームランを打ったのも、グラウンドから間近で見ましたし、「あぁ、すごい選手やなぁ」と思いました。特に感じるすごさは、片手でバックスクリーンに入れられるくらいのパワーです。しかも浜風の吹く甲子園を本拠地にしていて。今季のホームランもそうだし、去年とかもバックスクリーンに片手で放り込むじゃないですか。厳密には片手じゃないと思うんですけど、片手で打ってるように見えるくらいの。それだけで入るのは、やっぱりすごい。外国人選手とかならいますけど、日本人選手で、しかも甲子園で打てるのは、それだけ力がないとダメだと思うので。輝は走塁技術もすごい。左中間、右中間で抜けていかない打球でも二塁打にしたりする。次の塁を狙う姿勢が、敵ながらすごく嫌だなと思う部分でもあります。あのガタイで、あれだけ走れる選手はなかなかいない。次の塁を狙って、長打にできる足。そういうところも、すごい部分だと思っています。20年ドラフトでお互い入団して、5年目になりました。同期で同い年で。あれだけ活躍していたら、やっぱり目に入りますね。1年目の時は新人王争いもありましたけど、その時から負けられないなと思いながらやっていました。今も試合で打っていれば見ますし、敵チームとしてもすごく嫌なバッターなので。毎試合、見ていますね。一方で敵チームとしては「負けないように」と思ってやっていますけど、同い年というところでは「一緒に頑張っていこう」みたいな部分もあって。すごくありがたい存在というか、良い存在です。お互い1年目から試合に出て、こうして同じ年に100号達成になりました。縁というか輝の実力だと思いますし、それだけの素質があるから今に至るのかなと思います。これからも、一緒に球界を引っ張っていけるように。自分もベイスターズというチームで頑張っていますけど、徐々に年代も上がってきました。チームを引っ張っていきたいですし、野球界を引っ張っていけるようにやっていきたいと思っています。輝も、きっとそう思っていると思います。球界全体でも同学年の選手は多いので。これからも、みんなでお互いに高め合っていきたいなと思っています。(DeNA内野手)阪神佐藤輝が日本ハム3回戦(エスコンフィールド)の8回、福谷から今季16号本塁打を放ち、プロ野球310人目の通算100本塁打に到達した。初本塁打は21年3月27日のヤクルト2回戦(神宮)で田口から。佐藤輝はプロ5年目で達成。日本人選手では61年長嶋(巨人)、21年村上(ヤクルト)ら9人が4年目に達成しているが、阪神で5年目は73年田淵に並ぶ球団最速記録。
◆阪神が交流戦開幕カードとなったセパ1位対決で勝ち越しを決め、貯金を今季最多に並ぶ11に戻し、首位をがっちり守った。先発のジョン・デュプランティエ投手(30)は7回途中2安打無失点、12奪三振の好投で2勝目。8回先頭の佐藤輝明内野手(26)が福谷のスライダーを右翼スタンドへ運び、通算100号本塁打に到達した。
◆この続きは、日本シリーズで-。日本ハムが「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦(エスコンフィールド)で投打で圧倒され、完敗した。セパ首位同士が激突した3連戦は、試合前のメンバー表交換での「新庄劇場」も含めて大盛り上がりだったが、1勝2敗で負け越し。新庄剛志監督(53)は古巣と「あと7試合くらいしたいね」と、秋の頂上決戦で再戦が実現するのを心待ちにした。新庄監督は少し名残惜しそうだった。古巣阪神との3連戦が終了。「あと7試合くらいしたいね。面白いですからね」。試合前のメンバー表交換では、阪神藤川監督との絡みが見応えたっぷり。3日の初戦は握手をせず、目線も送らず。4日の第2戦は一転、視線を合わせて笑顔でグータッチ。そしてこの日は審判団も巻き込んで円陣からのハイタッチ。3夜連続の「新庄劇場」が熱戦を彩った。ただ、1勝1敗で迎えた第3戦は投打で完敗だった。先発細野が立ち上がりで大乱調。「フォアボール、フォアボール、フォアボール、1人打ち取ってのフォアボールで押し出しでのヒットでしょ」。特に1番近本には3四球を与えていた。「投げにくいって言ったってストライクを投げないと。ヒットを打たれた方が全然いい。初回からああなると打つ方も乗ってこれない」と苦言を呈した。打線も阪神デュプランティエを攻略できなかった。7回途中までに12三振を喫して無得点。前夜から「ちょっと手ごわい」と警戒していた新庄監督も「なかなか打てない。左足がついてから1テンポ遅れて(放ってくる)。真っすぐもいいんで差し込まれる。ポイントを前にすると変化球に泳いでしまう、前に出されるっていう...すごい、いいピッチャーですよね」と脱帽するしかなかった。交流戦は1勝2敗と負け越しスタートも、2位とのゲーム差は前夜と変わらず「1・5」。パ首位の新庄監督が「あと7試合...」と語っていたころ、セ首位の阪神藤川監督も「また日本ハムの新庄監督と対戦したい思いもある。この後、対戦できるとすれば、さらに大きな舞台というところですから」と語っていた。互いに見据える日本シリーズでの再戦へ、次カードから仕切り直す。【木下大輔】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が今季16号を放ち、プロ通算100本塁打を達成した。4点リードの8回先頭。1ストライクから、福谷の128キロ変化球を完璧に振り抜いた。高く上がった打球は右翼席上段へ。ダメ押しのソロ本塁打となった。プロ5年目、通算575試合目での到達。阪神の生え抜き選手では424試合の田淵、553試合の掛布に次いで歴代3位のスピード到達となった。佐藤輝には1年で1日だけ、少年に戻れる日がある。毎年、年末に中学時代の仲間たちと集まることが恒例行事。昨年末も10人近くで集まったという。「小中学生の頃から遊んでいるので。地元の友達ですね」。友人の家でお菓子を広げ、トランプやカードゲームなどをしながら過ごす数時間。イジられるとツッコみ返し、毎年変わらない昔話をみんなで笑い合う。特に自主トレで使ったウエアなど、自身の道具をかけた「じゃんけん大会」は最も盛り上がるイベントのひとつになった。「バッテ(ィングローブ)ちょうだいや!」。「それは無理!」。流れる和やかな時間は、中学時代そのものだ。「仕事は忘れて。みんな、あの日に戻っているんじゃないですかね」ユニホームを脱げば、今も変わらず1人の青年。どれだけ偉業を成し遂げても、心はあの日のままだ。【阪神担当=波部俊之介】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が、両リーグ単独トップの16号ダメ押しソロで通算100号を達成した。敵地日本ハム戦で、4点リードの8回に3番手福谷から2戦連発となる右越えの特大アーチ。セパ首位対決となった交流戦のカード勝ち越し発進&最多タイの貯金11に貢献した。プロ5年目での到達は、田淵幸一に並ぶ球団最速タイ。阪神OB新庄監督の前でスーパースター継承を猛アピールだ。節目の1発にふさわしい放物線だった。佐藤輝が右翼上段にたたき込んだプロ通算100号。ベンチに戻り、祝福を受けて初めて大台に気がついた。記念のボードを持って一塁ベンチ前へ。エスコンフィールド中から送られる拍手や大歓声に感謝し、全方向に丁寧に頭を下げた。「本当に100号と全然意識していなかった。歓声と拍手で実感が湧いたので。ありがたいと思います」4-0の8回先頭。1ストライクから、福谷の128キロスライダーを完璧に振り抜いた。前夜の2本塁打で王手をかけ、2戦連発となる両リーグ最速の16号ソロで一気にクリア。プロ5年目での到達は田淵幸一と並ぶ球団最速記録だ。今や球界屈指の「飛ばし屋」。ホームランへの魅力を感じたきっかけは、至ってシンプルだった。「小さい時から打てていたので」。小学1年生時に西宮市の「甲東ブルーサンダース」に入団。当時の野球では「ゴロを転がせ」「フライを上げるな」といった教えが主流だった。その中で同チームで受けた指導が、今にもつながる原点になった。「そういう(ゴロを転がせという)指導はなかった。環境に恵まれていたんじゃないですかね」教えられたのは「空に向かって打て」という意識。打球を遠くへ飛ばすという、野球の根本的な魅力を教わった。フルスイングをモットーに、空振り三振もOK。外野フライでアウトになっても、飛ばしたことをほめられた。指導した高嶋年之代表(61)は「野球を楽しんでほしかった。大胆なダイナミックな野球を軸にしたので」と明かす。願った通りの豪快なスラッガーに成長した。佐藤輝が小6時に記録した年間23本塁打は、いまもチームの歴代最高記録。両親からのご褒美だった「おすし」を楽しみに、何度も小学校の校舎にホームランをぶち当てた。飛ばすことを楽しんだ少年時代が、アーチストとしての原点だ。注目を集めた新庄日本ハムとのセパ首位対決で交流戦勝ち越し発進を決め、貯金を今季最多タイの11に伸ばした。藤川監督は「非常に心の安定といいますか。1球1球に対する姿勢が常に同じところが、安定したパフォーマンスにつながっている」と絶賛。佐藤輝も「また明日から新しい気持ちで頑張りたい」と引き締めた。6日からはパ2位のオリックス3連戦。虎の主砲が関西対決でも進化を見せつける。【波部俊之介】▽佐藤輝の恩師で近大元監督の田中秀昌氏 飛ばす力は持って生まれたものと、本人の努力のたまもの。(100本塁打は)間違いなく達成できると思っていましたし、佐藤の力ならまだまだ通過点。もっと進化できると思います。大きな好不調の波をできるだけなくして、これからちゃいますか。阪神佐藤輝が日本ハム3回戦(エスコンフィールド)の8回、福谷から今季16号本塁打を放ち、プロ野球310人目の通算100本塁打に到達した。初本塁打は21年3月27日のヤクルト2回戦(神宮)で田口から。佐藤輝はプロ5年目で達成。日本人選手では61年長嶋(巨人)、21年村上(ヤクルト)ら9人が4年目に達成しているが、阪神で5年目は73年田淵に並ぶ球団最速記録。575試合目での到達は球団の日本人選手では田淵(424試合)、掛布(553試合)に次ぎ3番目の速さ。年齢でも、掛布23歳11カ月、藤田平24歳11カ月に次いで、26歳2カ月の佐藤輝は3番目。田淵は通算474本、掛布は349本のアーチを積み重ねたが、佐藤輝はこの先どこまで本数を伸ばすか。
◆阪神・石黒佑弥投手(23)、岡留英貴投手(25)が1軍に合流した。石黒は今季4試合に救援登板して防御率9・00も、ファームでは8試合で防御率0・00。5月27日に甲子園で行われた独立リーグ連合との2軍交流試合で先発し、3回1安打無失点、5奪三振と好投した。岡留は1軍で6試合に登板して計5回2/3を無失点。5月1日に2軍降格後は8試合で防御率2・00、4セーブを記録していた。4日の2回戦では先発の門別啓人投手(20)が4回4失点で今季3敗目。2番手で登板した育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は2回1失点、3番手のニック・ネルソン投手(29)は無失点に抑えるも2死からピンチを招いた。試合後、藤川監督は「右のリリーフが足りない」と救援陣の入れ替えを示唆していた。門別、工藤は SGLでのウエスタン・くふうハヤテ戦の試合前練習に合流した。
◆阪神・門別啓人投手(20)、育成D1位で指名され、開幕前に支配下登録された工藤泰成投手(四国IL徳島)が5日、出場選手登録を抹消され、代わって石黒佑弥投手(23)、岡留英貴投手(25)が登録された。門別は4日の日本ハム戦(エスコン)で先発するも4回4失点。工藤は2番手で登板して2回1失点を喫していた。昇格する石黒は今季4試合に登板して防御率9・00も、ファームでは8試合で防御率0・00。岡留は1軍で6試合に登板して計5回2/3を無失点。5月1日に2軍に降格後は8試合で4セーブを挙げていた。
◆1勝1敗で迎えたセ・パ首位対決の最終戦。勝者がカード勝ち越しを決める一戦のスターティングオーダーが発表された。注目は「4番・右翼」で先発する佐藤輝明内野手(26)。4日の同戦で1試合2本塁打を記録し、通算100本塁打に王手をかけた。2試合連発弾で大台到達なるか。「7番・三塁」では熊谷敬宥内野手(29)が 2022年7月19日・広島戦(マツダ)以来、1052日ぶりに先発出場する。阪神の先発はジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=。今季は7試合に先発して1勝2敗、防御率1・80と強力先発陣の中でも存在感を放っている。
◆試合直前のメンバー表交換で、阪神・藤川球児監督(44)と日本ハム・新庄剛志監督(53)が審判団との〝円陣〟を組み、球場を沸かせた。3日は目を合わせず、4日はハイタッチをしていた両指揮官。この日はベンチからホームベースへと歩み寄る時点で互いに見つめあって笑い合うと、メンバー表を交換した後に4人の審判団と右手を重ねて円陣を作る。そのまま手を上に上げると、2人はハイタッチを行った。1勝1敗の5分で迎えた第3ラウンドでも、現役時代から交流のある2人のスターが球場を盛り上げた。
◆阪神が一回、先制に成功した。日本ハムの先発・細野のコントロールが定まらず、1番・近本、2番・中野、3番・森下に3者連続四球を与える。佐藤輝が倒れたあとに大山が再び四球を選び、先制の1点をもらった。なおも1死満塁から、この日はDHでのスタメンとなったヘルナンデス(前メキシカンリーグ)が右前適時打。来日初打点をマークし、2-0と立ち上がりからリードを奪った。ヘルナンデスは「打ったのはストレート。満塁のチャンスで結果が欲しい場面だったし、得点することだけを考えて打席に入ったよ。次の打席も頑張りたいね」とコメントした。
◆前日4日に決勝弾ともなるプロ初本塁打を放った日本ハムのドラフト5位ルーキー・山県秀内野手(23)=早大=は、打順を2つ上げ「7番・遊撃」で3試合連続でスタメンに名を連ねた。メモリアルアーチから一夜明け、「昨日のことはもう忘れました。次が(本当の)1本目ですね」と〝リセット〟を強調した。それでも、前夜は150件超のLINEメッセージが届き、「ドラフト指名、プロ初安打に次いで3番目ぐらいの多さですかね。家族の中では姉が最初で『(ホームランの瞬間)旦那とめっちゃ叫んだよ。うるさすぎて、多分、近所迷惑だったよ』と書いてありました」と照れた。プロ1号の影には、郡司からの助言があったという。「キャンプのときに『おまえはバットをボールに当てにいきすぎ。しっかりバットを振れ!野球はホームランだからな』と言われて、それをここまで継続してきたことでやっと1本出た」。自身は早大、郡司は慶大出身で、「大学野球では〝敵〟だったんですけど(笑)、本当にありがたい」と改めて感謝を口にした。本拠地でありながら、阪神ファンの圧倒的な声援の中でプレーする3日間。「笑っちゃうレベル。でも、圧は感じない。楽しいですよ」と声を弾ませた。(東山貴実)
◆阪神が五回、森下翔太外野手(24)の2点適時打で追加点を奪った。一回に押し出し四球とヘルナンデスの適時打で2点先制。そこからなかなか次の1点が奪えなかったが、五回だった。先頭の坂本が左前打で出塁すると、近本がこの日3つ目の四球を選び、中野が送って1死二、三塁で森下が打席へ。初球の真ん中に入った変化球を、逆らわずに逆方向に弾き返した。三塁走者の坂本に続いて二塁走者の近本もホームイン。5月29日以来6試合ぶりとなる背番号1の適時打で、4-0とリードを広げた。
◆阪神が五回、森下翔太外野手(24)の2点適時打で追加点を奪った。一回に押し出し四球とヘルナンデスの適時打で2点先制。そこからなかなか次の1点が奪えなかったが、五回だった。先頭の坂本が左前打で出塁すると、近本がこの日3つ目の四球を選び、中野が送って1死二、三塁で森下が打席へ。初球の真ん中に入った変化球を、逆らわずに逆方向に弾き返した。三塁走者の坂本に続いて二塁走者の近本もホームイン。5月29日以来6試合ぶりとなる背番号1の適時打で、4-0とリードを広げた。「打ったのはストレート。(デュプランティエ)デュープが良いピッチングをしているので、早く追加点をとりたいと思っていました。積極的に打ちにいけましたし、良いバッティングができたと思います」とコメントした。
◆日本ハム・伊藤大海投手(27)が中9日で6日のDeNA戦(横浜)に先発する。DH制のないセ・リーグ本拠地での試合に「しっかりバットを振ってきました」とにやり。DeNA先発はバウアーで、「リスペクトする投手の1人なので、すごく楽しみ。サイ・ヤング賞の投手のボールを生で見られることもなかなかないので、打席でも見え方だったり、吸収できることがいろいろあると思う」と胸を躍らせた。
◆先発した阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=は七回途中2安打無失点。来日最多となる12奪三振の快投を見せた。2点を先制した直後の一回、先頭の石井に安打を許すなど2安打を浴びるも、3奪三振で無失点。二回以降は七回2死まで1人の走者も許さない制圧的な投球で日本ハム打線を圧倒した。五回から七回にかけては5者連続三振を奪うなど、持ち味を発揮。七回2死から四球を与えて降板したが、2番手の湯浅が万波を左飛に仕留めた。
◆阪神の佐藤輝明内野手(26)が八回にソロ本塁打を放ち、通算100本塁打を達成した。先頭で打席に立つと、福谷が投じた2球目を一閃。打った瞬間にそれと分かる特大な打球は、エスコンフィールドの2階席に飛び込んだ。佐藤輝も打球を見つめた後、大きく膨らんだ走路でダイヤモンドを一周。575試合、2330打席目での大台達成となった。
◆先発した阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=は七回途中2安打無失点。来日最多となる12奪三振の快投を見せた。2点を先制した直後の一回、先頭の石井に安打を許すなど2安打を浴びるも、3奪三振で無失点。二回以降は七回2死まで1人の走者も許さない制圧的な投球で日本ハム打線を圧倒した。五回から七回にかけては5者連続三振を奪うなど、持ち味を発揮。七回2死から四球を与えて降板したが、2番手の湯浅が万波を左飛に仕留めた。「「立ち上がりは相手バッターにボールを見極められている感じがして気になってしまったけど、坂本とコミュニケーションを取ってゾーンで勝負することでリズムが出てきたと思うよ。変化球も含めて坂本と自分の投げたいボールの選択もあっていたし三振も多く取ることができたね。守備でも助けてくれたし早い段階から得点してくれた野手のみんなにも感謝しているよ」とコメントした。
◆阪神・佐藤輝に通算100号が飛び出し、リードを5点に広げた八回。1死からヘルナンデス(前メキシカンリーグ)が中前打で出塁し、代走には島田。続く熊谷が2球目の外角速球を右前にはじき返し、スタートを切っていた一走・島田は三塁へ。強肩の日本ハム右翼・万波が三塁へ送球するも、スライディングした島田に直撃。ボールがファウルゾーンを転々とする間に一気に本塁に生還した。なおも2死一、三塁の場面では近本が中前適時打を放ち、通算1000安打まであと「3」とした。
◆阪神は日本ハムに快勝し、交流戦最初のカードで勝ち越しを収めた。一回に押し出し四球とラモン・ヘルナンデス内野手(29)の来日初打点となる適時打で2点を奪うと、五回には森下翔太外野手(24)の2点打で加点。そして八回、佐藤輝明内野手(26)が今季16号ソロを右翼席に叩き込んだ。球団では3番目のスピードで、プロ野球史上310人目となる通算100本塁打という節目の記録を達成。さらに近本光司外野手(30)にも適時打が飛び出し、7得点と打線爆発した。投げては先発のジョン・デュプランティエ投手(30)が七回まで12個の三振を奪う好投で無失点に抑え、2勝目をマーク。セ・パ首位対決を2勝1敗とし、貯金を今季最多タイの「11」とした。
◆八回無死、16号ソロで通算100本塁打に到達した阪神・佐藤輝明=エスコンフィールド北海道(撮影・三浦幸太郎)
◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は七回2死での四球で阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)から湯浅京己投手(25)への継投に疑問を呈した。デュプランティエは、真っすぐが高く浮き、決して絶好調ではなかった。ただ、いきなり一回に2点の援護をもらい、さらに一番いいタイミングの五回に2点の追加点をもらい、非常に楽に投げられたのではないか。この投手の特長は球に力があること。そこにスライダー、チェンジアップ、カーブを織り交ぜるから、打者は苦労する。球威があるから、少々の高めのボール球を、日本ハム打線が手を出してくれた。助けられた部分もある。この試合を振り返った時、一番感じたのは投手交代だ。七回にデュプランティエが四球を与えて交代させたが、果たして4点差で代える必要があったのか。しかも2番手は湯浅。病気を克服して、厳しい場面で投げ続けている投手だから、大事に起用してほしいなという思いはある。岡留、石黒は、テストの意味合いが大きい。早い段階で見極めたかったのだろう。とはいえ、長いシーズンを考えた時、先発投手が続投できるケースは続投させて、中継ぎの負担は軽減したほうがいいのではないか。
◆完敗を喫した日本ハム・新庄剛志監督(53)は、今3連戦で3本塁打を放った阪神・佐藤輝について真っ先に言及した。「佐藤君は北海道とエスコンが大好きになったんじゃない?」と話した上で、「でも、甲子園だったらあれだけ(打球が)高く上がると(風で)戻されるからね。来年は(甲子園に)〝ゾーン・テル〟を作ってあげる。ライトだけ、7メートル前に。彼の実力なら、300、400号は...。〝ゾーン・テル〟ができたら...」と笑った。本拠地ながら黄色に染まったエスコンフィールドで、指揮官にとって古巣ともなる阪神戦は1勝2敗で負け越し。それでも、「あと7試合ぐらい(阪神戦を)したいね。選手も楽しいと思うよ」と名残惜しそうだった。
◆阪神が4カード連続勝ち越しで、貯金を最多の「11」に戻した。一回、細野晴希投手(23)から3連続四球を選び、1死後に大山悠輔内野手(30)の押し出し四球で先制。さらにラモン・ヘルナンデス内野手(29)の右前打で2点目。五回1死二、三塁では森下翔太外野手(24)が中前に2点打を運んだ。八回には佐藤輝明内野手(26)が16号ソロで通算100本塁打を記録。575試合での達成は球団生え抜きでは田淵幸一424試合、掛布雅之553試合に次いで3番目のスピード到達。年齢でも掛布23歳11カ月、藤田平24歳11カ月に次ぐ、26歳2カ月で節目のアーチを飾った。ジョン・デュプランティエ投手(30)は6回?を投げて無失点。5者連続を含む12三振で2勝目(2敗)を挙げた。
◆阪神が4カード連続勝ち越しで、貯金を最多の「11」に戻した。一回、細野晴希投手(23)から3連続四球を選び、1死後に大山悠輔内野手(30)の押し出し四球で先制。さらにラモン・ヘルナンデス内野手(29)の右前打で2点目。五回1死二、三塁では森下翔太外野手(24)が中前に2点打を運んだ。八回には佐藤輝明内野手(26)が16号ソロで通算100本塁打を記録。575試合での達成は球団生え抜きでは田淵幸一424試合、掛布雅之553試合に次いで3番目のスピード到達。年齢でも掛布23歳11カ月、藤田平24歳11カ月に次ぐ、26歳2カ月で節目のアーチを飾った。ジョン・デュプランティエ投手(30)は6回?を投げて無失点。5者連続を含む12三振で2勝目(2敗)を挙げた。
◆ド派手に決めた!! 阪神・佐藤輝明内野手(26)が5日、「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦(エスコン)で通算100本塁打を達成した。4-0の八回、福谷から特大の今季16号ソロを放ち、プロ野球310人目の大台をマーク。575試合目での到達は、球団の生え抜き選手では3番目のスピード記録となった。試合は7-1で勝利し、セ・パ首位対決の交流戦開幕カードを2勝1敗で勝ち越した。プロ100度目の放物線は美しい弧を描き、スタンドに突き刺さった。打った瞬間、三塁側を陣取った虎党が歓声をあげ、右翼手・万波はフェンスに背を向けた。輝く虎の主砲・佐藤輝がまた球史に名を刻んだ。「低めのボールをホームランにできてよかった。そこ(通算100号)は自信にしつつね。まだ、もっともっとね、打ちたいなっていう思いも新たに出てきました」4-0で迎えた八回だった。カウント0-1から福谷の128キロスライダーを一閃。「もう打った瞬間でしたね」。スタンドインを確信し、ゆっくりと走り出す。二塁ベースを周ると大きく右手を突き上げた。右翼スタンド中段に着弾する2戦連発となる特大の16号ソロ。通算100号の節目に、記念ボードを掲げて大歓声に応えた。ルーキーイヤーの2021年3月27日のヤクルト戦(神宮)、プロ5打席目にして放った第1号。紆余(うよ)曲折がありながら、着実に本塁打を積み重ねてきた。通算575試合目、2330打席目での大台到達は1973年の田淵幸一(424試合)、79年の掛布雅之(553試合)に次ぎ、球団の生え抜き選手では3番目のスピード。令和のミスタータイガースは輝きを増している。野球を始めたその瞬間から、天高く白球をかっ飛ばすことに魅了された。佐藤輝にとって、ホームランとは-。「なんですかね...。やっぱりホームランを打つために野球をやってきた。自分の〝原点〟という感じですね」打席に立てば、ホームランを狙う。その豪快なスイングは、ときに空を切ってしまうこともある。「打席で『三振をしないようにしよう』と思うことはありますけど、『三振を怖い』と思ったことはないです」。ホームランの喜びより、三振の悔しさを何倍も味わってきた。それでも、おそれず、ブレずに自分の道を貫き続けてきた。「強く振る。強くコンタクトして打球を飛ばすことは心がけていますね。当てにいくことは絶対にしないです」
◆圧倒的なピッチングでメモリアルデーに花を添えた。阪神・デュプランティエが七回途中2安打無失点で来日最多の12K。見事な奪三振ショーを披露し、虎党のスタンディングオベーションに包まれながらマウンドを降りた。「本当に素晴らしい気分だった。北の大地まで、わざわざ飛行機を使って応援に来てくださった。どこの遠征でも絶対にそこにいて、大声援をくださるので阪神タイガースのファンは素晴らしいなと思います」2点を先制した直後の一回に、2安打を浴びるなど25球を要したが、3奪三振で無失点。二回以降は七回2死まで一人の走者も許さない制圧的な投球で日本ハム打線を圧倒した。五-七回には圧巻の5者連続三振。今季2勝目を挙げた。「坂本選手と同じ方向を向いて試合に臨めているのが、いい結果につながっている」坂本のリードに〝伝家の宝刀〟で応え、相手に的を絞らせなかった。「カウントも取れるし、三振も取れたので、きょうはカーブが一番良かった」。12三振のうち4つをカーブで奪い、うち2つが見逃し三振。そんな切り札をめぐり、5月上旬の甲子園で、横川ブルペン捕手(BC)と青空の下で話し込むデュプランティエの姿があった。「捕手から見たボールの軌道や変化、感覚をすり合わせていました」当時、スライダーの軌道がカーブの軌道に近づき、差別化を図るために試行錯誤。横川BCからは「カーブはフィニッシュボールになる球だから、そのまま大事に。スライダーを上手に差別化して使っていこう」と助言を受けた。この日はスライダーも交えながら投球を組み立て。右腕は「今は良い状態。軌道も似ていないので、しっかり違った球種として投げることができている」と手応えを実感している。佐藤輝に通算100号が飛び出すなど、投打がかみ合い、パ・リーグ首位の日本ハムを相手に快勝。今季初の4カード連続勝ち越しを決め、シーズンの行方を大きく左右する交流戦で好スタートを切った。試合後のベンチ裏では助っ人右腕の「テールアーキ、サトー!」という叫び声が響き渡った。「やっぱり100本塁打を達成したので。叫ばないといけなかった(笑)」。豪快な一発に奪三振ショー。野球の魅力を北海道に詰めかけた虎党に届けた。(萩原翔)
◆よっしゃァ!! わが阪神が日本ハム・新庄監督の本拠地エスコンフィールドで『KKKKKKKKKKKKKKKK』の三振ショーを飾らせていただきました!!えっ、15奪三振だから『K』が1つ多いだろうって? あ、最後の『K』は阪神ファンをも楽しませてくれたきつねダンスに敬意を表した『K』でしたー!!デュプランティエの6回?でわずか2安打に12奪三振もスゲーけど、サトテルちゃんの2夜連続、そして記念すべき100号アーチもしびれたー!!そんな中、俺が一番うなったのは、前日に力を出し切れなかった門別と工藤を落として、岡留と石黒を急遽(きゅうきょ)、北海道に呼んだ藤川采配なのだ!!だって、明日は地元甲子園だよ! 登板機会があるのか? ないのか? 分からないのに飛行機のチケット代も決して安くないしさ...。それでも試合展開によったら1人を斬る右投手が明暗を分けることあり!! の勝負に徹するその姿に「ああ、この人に虎を任せとけば間違いないわ~」と、しみじみ思った夜だったのです...。さ、交流戦第2ラウンド、オリックス戦の先発は村神様なので、とにかくどんなブサイクでもいいから、先制点にこだわったれー!!
◆札幌の街のど真ん中、大通公園に露店がところ狭しと並んでいた。日本ハムvs阪神のセパ首位同士の対決で盛り上がった北海道だが、もう一つのビッグイベントも。「YOSAKOIソーラン祭り」梅雨のない北の大地にお客さんを呼ぼう、と学生が中心となって始めた祭りも規模がデカくなり、回を重ねて34回目。ことしは4日に始まって、クライマックスは8日に。よさこい祭りの本場・高知と連携して、第1回が開催されたのが1992年のことだった。ちょうど阪神は大洋(現DeNA)との試合で札幌に来ていた。新しい祭りが始まったなんて、阪神の関係者も知らなかった。情報不足で、メイン会場の大通公園に面したホテルに泊まったのがサンスポのトラ番部隊。公園内で若者が真夜中も大はしゃぎ。うるさくて眠れない〝被害〟に遭った記憶がある。当時は「阪神が北海道で勝てない」と大騒ぎになっていた時代だった。1976年の白星を最後に、16年間で1勝もできていなかった。近年は名古屋方面が鬼門だとか騒いでいるが、ダメダメぶりのスケールが違う。祭りがスタートした92年も勝利目前で、守護神・田村勤が九回同点弾を浴び、その後、日没コールドでドロー(まだ北海道にドームがない時代)になるという考えられない悪夢も味わう。連敗ストップはこの2年後のことだ。交流戦が始まって以降は、「北海道で勝てない」なんて遠い昔話すぎて誰も気にもしない。4年前には札幌ドームで3連勝したこともあった。ことしも、リーグ戦同様の強さで日本ハムに勝ち越した。「去年は甲子園で新庄監督に圧倒されてやられましたが、ことしの日本ハムは、それほど嫌な感じはなかったです」
◆阪神はこの日再昇格した石黒が7―1の九回に登板し、3者連続三振で試合を締めた。「結果が出てよかったです。しっかり変化球も決まりましたし、真っすぐでもファウルや空振りが取れたので、カウントを有利にできたのがよかったなと思います」。最強ブルペン陣の厚みがさらに増しそうだ。
◆阪神・近本がトドメの適時打で試合を決めた。生還した第1打席から3打席連続四球を選んで塁上をにぎわすと、6―1の八回2死一、三塁の第5打席では、12打席ぶりの安打となる中前適時打を放った。「いい形で追加点になってよかった。最近なかった感じだったので、やりたいことができたのかなと思います」。これで通算1000安打まで残り「3」として、本拠地甲子園に戻る。
◆阪神は「6番・DH」で先発したヘルナンデスが、来日初打点をマークした。一回、押し出し四球で先制した直後の1死満塁から右前適時打。「初打点はうれしいですけど、その打点がチームにとってもいい打点になったと思う。これからもそういう打点を挙げられるように頑張りたい」と喜んだ。八回にも中前打で2戦連続マルチ安打とした助っ人の起用について、藤川監督は「また明日からDHがない状態で戦いますけど。考えながらにはなりますね」と語った。
◆阪神・森下が貴重な追加点となる2点打を放った。2―0の五回、1死二、三塁から「そんなに対戦経験のないピッチャーなので、甘いボール見逃したらなかなかチャンスはない。積極的に打ちにいきました」と細野の初球を右前へ。5月29日以来6試合ぶりとなる適時打で勝利に貢献した。兄貴分の佐藤輝の100号にも「バッターにとってホームランは、すごくロマンもあるし価値もある。自分ももっとホームランを打てるように頑張りたい」と刺激を受けた。
◆阪神・藤川監督は試合前のメンバー表交換の際、日本ハム・新庄監督との〝パフォーマンス〟で球場を沸かせた。初戦は目を合わせず、2戦目はグータッチ。この日は4人の審判団と右手を重ねて円陣を作ると、そのまま手を天に掲げ、笑顔でハイタッチをした。2勝1敗と勝ち越し、「この後、対戦できるとすれば、さらに大きな舞台というところですから。自分たちが頑張っていけばもっと大きな舞台で戦えるという意味では頑張りたい」と、現役時代をともにした先輩との日本シリーズでの再戦を熱望した。
◆阪神・熊谷は「7番・三塁」で2022年7月19日の広島戦(マツダ)以来、1052日ぶりにスタメン出場を果たした。八回1死一塁から右前打を放つと、スタートを切っていた一走・島田が相手エラーも重なり生還し、6点目をもぎ取った。「毎日が僕にとってのアピールチャンスだったので、そこで結果が出たのは良かった。継続していきたい」とホッとした様子で話した。

<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
3 | 0 | 0 | 1.000 (-) | - (-) |
15 | 20 (+8) | 6 (+4) | 4 (+1) | 2 (-) |
0.308 (↓0.014) | 2.000 (↓1) |
2 (1↑) |
ロッテ |
2 | 0 | 0 | 1.000 (-) | 0.5 (-) |
16 | 7 (+2) | 4 (+1) | 3 (+1) | 0 (-) |
0.159 (↓0.041) | 1.890 (↑1.11) |
3 (1↑) |
DeNA |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↑0.167) | 1 (-) |
15 | 12 (+5) | 6 (-) | 1 (-) | 1 (-) |
0.230 (↑0.003) | 1.730 (↑0.92) |
3 (1↑) |
ORIX |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↑0.167) | 1 (-) |
15 | 12 (+4) | 9 (+3) | 1 (-) | 2 (+1) |
0.291 (↓0.005) | 2.000 (-) |
3 (1↑) |
阪神 |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↑0.167) | 1 (-) |
15 | 12 (+7) | 6 (+1) | 5 (+1) | 3 (-) |
0.214 (↑0.017) | 2.080 (↑0.57) |
3 (2↓) |
西武 |
2 | 1 | 0 | 0.667 (↓0.333) | 1 (↓1) |
15 | 6 (+1) | 6 (+4) | 0 (-) | 2 (-) |
0.179 (↓0.045) | 1.550 (↓1.1) |
7 (3↓) |
楽天 |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↓0.167) | 2 (↓1) |
15 | 6 (-) | 12 (+5) | 1 (-) | 0 (-) |
0.212 (↓0.053) | 3.330 (↓0.33) |
7 (3↑) |
ヤクルト |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↑0.333) | 2 (-) |
15 | 6 (+4) | 6 (+1) | 2 (+2) | 2 (+1) |
0.225 (↑0.003) | 1.650 (↑0.31) |
7 (3↓) |
広島 |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↓0.167) | 2 (↓1) |
15 | 9 (+3) | 12 (+4) | 0 (-) | 3 (+3) |
0.288 (↑0.01) | 4.320 (↓0.08) |
7 (3↓) |
日本ハム |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↓0.167) | 2 (↓1) |
15 | 6 (+1) | 12 (+7) | 2 (-) | 2 (-) |
0.204 (↓0.035) | 3.670 (↓1.17) |
11 (1↓) |
巨人 |
0 | 2 | 0 | 0.000 (-) | 2.5 (↓1) |
16 | 4 (+1) | 7 (+2) | 1 (+1) | 2 (+1) |
0.182 (↓0.037) | 3.570 (↑2.06) |
11 (1↓) |
中日 |
0 | 3 | 0 | 0.000 (-) | 3 (↓1) |
15 | 6 (+4) | 20 (+8) | 1 (-) | 4 (+2) |
0.228 (↑0.016) | 7.500 (↓0.75) |
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
32 | 21 | 2 | 0.604 (↑0.008) | - (-) |
88 | 190 (+7) | 127 (+1) | 32 (+1) | 45 (-) |
0.241 (-) | 2.090 (↑0.02) |
2 (-) |
DeNA |
28 | 22 | 3 | 0.560 (↑0.009) | 2.5 (-) |
90 | 181 (+5) | 136 (-) | 26 (-) | 28 (-) |
0.238 (-) | 2.290 (↑0.05) |
3 (-) |
巨人 |
28 | 26 | 1 | 0.519 (↓0.009) | 4.5 (↓1) |
88 | 166 (+1) | 170 (+2) | 38 (+1) | 25 (+1) |
0.241 (↓0.001) | 2.740 (↑0.02) |
4 (-) |
広島 |
25 | 25 | 2 | 0.500 (↓0.01) | 5.5 (↓1) |
91 | 159 (+3) | 146 (+4) | 21 (-) | 18 (+3) |
0.241 (↑0.001) | 2.530 (↓0.04) |
5 (-) |
中日 |
23 | 29 | 2 | 0.442 (↓0.009) | 8.5 (↓1) |
89 | 125 (+4) | 172 (+8) | 24 (-) | 30 (+2) |
0.217 (↑0.001) | 2.990 (↓0.1) |
6 (-) |
ヤクルト |
15 | 33 | 2 | 0.313 (↑0.015) | 14.5 (-) |
93 | 126 (+4) | 204 (+1) | 21 (+2) | 17 (+1) |
0.220 (-) | 3.550 (↑0.05) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
日本ハム |
30 | 22 | 2 | 0.577 (↓0.011) | - (-) |
89 | 181 (+1) | 148 (+7) | 50 (-) | 28 (-) |
0.227 (↓0.002) | 2.300 (↓0.07) |
2 (1↑) |
ORIX |
27 | 22 | 3 | 0.551 (↑0.009) | 1.5 (↑1) |
91 | 182 (+4) | 184 (+3) | 36 (-) | 26 (+1) |
0.264 (↑0.001) | 3.190 (↑0.02) |
3 (1↓) |
西武 |
29 | 24 | 0 | 0.547 (↓0.011) | 1.5 (-) |
90 | 152 (+1) | 136 (+4) | 24 (-) | 37 (-) |
0.235 (↓0.002) | 2.380 (↓0.03) |
4 (-) |
ソフトバンク |
27 | 24 | 2 | 0.529 (↑0.009) | 2.5 (↑1) |
90 | 196 (+8) | 165 (+4) | 34 (+1) | 36 (-) |
0.247 (-) | 2.730 (↓0.03) |
5 (-) |
楽天 |
24 | 28 | 1 | 0.462 (↓0.009) | 6 (-) |
90 | 140 (-) | 164 (+5) | 20 (-) | 54 (-) |
0.235 (↓0.002) | 2.930 (↓0.02) |
6 (-) |
ロッテ |
19 | 31 | 0 | 0.380 (↑0.013) | 10 (↑1) |
93 | 130 (+2) | 176 (+1) | 28 (+1) | 16 (-) |
0.211 (↓0.002) | 3.290 (↑0.06) |
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