西武(☆4対2★)ヤクルト =交流戦2回戦(2025.06.04)・ベルーナドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ヤクルト
0000010102800
西武
10002010X41010
勝利投手:渡邉 勇太朗(4勝3敗0S)
(セーブ:平良 海馬(1勝1敗13S))
敗戦投手:高梨 裕稔(1勝2敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 西武戦チケット予約 ヤクルト戦チケット予約
◆西武が3連勝。西武は初回、ネビンの適時打で先制に成功する。そのまま迎えた5回裏には、2死満塁から外崎の2点適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・渡邉が7回5安打1失点の力投で今季4勝目。敗れたヤクルトは、打線がつながりを欠いた。

◆ヤクルト先発の高梨裕稔投手(33)が踏ん張れなかった。1回に1点を失ったあと、走者を出しながらも粘っていたが、5回2死満塁で外崎に中前適時打を許して2点を失った。フォークの制球に苦しみ、5回まで3つの暴投も記録。5回のピンチも暴投がからんでいた。5回8安打3失点で降板した。

◆パ・リーグ2位の西武が3連勝に成功し、貯金を今季最多の「6」に増やした。浦和学院(埼玉)の吹奏楽部が左翼席に応援演奏に駆けつけたナイターで、同校OBの渡辺勇太朗投手(24)が先発マウンドで勇姿を見せた。初回、いきなりヤクルト1番北村のバットをへし折って遊撃ゴロに。その後も時折安打を許しながらも、要所は粘りきった。6回に先頭を二塁打を機に1点を取られるも、7回までその1失点のみで今季4勝目。後輩や、高校時代の監督である森士氏(60=現・浦和学院副校長)の前で堂々投げ抜いた。打線は初回、連打を機にタイラー・ネビン外野手(28)の適時打で先制。その後は好機を逸するケースが多かったが、5回に待望の追加点。2死満塁から外崎修汰内野手(31)が中前で落ちる2点適時打を放った。7回にもネビンが適時打で加点した。

◆ヤクルトは守りから崩れて、打線も14試合連続2得点以下のプロ野球ワースト記録を更新し、今季最長7連敗で借金は「19」に膨らんだ。今季先発6度目の高梨は5回8安打3失点、2四死球。初回、西武の主砲ネビンに先制の左前適時打を浴びた。しかし、問題だったのが5回。1死一、二塁から暴投で二、三塁のピンチを招く。なんとか3番中村剛を空振り三振に打ち取ったが、ネビンに死球を与えて2死満塁。続く5番外崎に中前2点適時打を許し、今季2敗目を喫した。7回は2番手丸山が再びネビンに左前適時打を浴び、追加点を献上した。打線は3点を追う6回、サンタナの遊ゴロで1日DeNA戦(横浜)以来、21イニングぶりとなる得点で1点を返す。1-4の8回にはオスナの内野安打から敵失で2点目をマークしたが、14試合ぶりの3点目には届かなかった。高津臣吾監督(56)は「(ゲームの中で)よく粘れた部分はあったけれど、ゲーム中のリズムところで考えると、相手投手の方がリズムがよかったのかもしれない」と話した。

◆浦和学院(埼玉)の副校長、森士さん(60)は西武のセカンドアップを眺めながら「もう野球部の監督辞めてから3年以上になるんだなぁ」と懐かしんだ。野球部の指導を息子に禅譲し、今は学園全体を見る立場に。でも教え子たちのことは気になる。この日も神宮で東京6大学野球の優勝決定戦を見てから、ベルーナドームにハシゴした。「やっぱり気になるよね。応援したいし」思い入れは強いし、それは厳しく熱く、そして親身に指導してきたからでもある。当時、ウラガク野球部の厳しさは県外にもまで知られていた。西武の渡辺勇太朗投手(24)も蛭間拓哉外野手(24)も「それはもう」「濃すぎて濃すぎて」と3年間を独特に表現する。でも2人にとって大好きな母校、尊敬する恩師だ。渡辺はこの日、恩師がネット裏やや三塁側寄りで見守る中、先発した。「楽しみですし、頑張らないといけないですね」。思いをしっかり形にした。7回98球、1失点。立派になしとげ勝利投手になって「本当に最高です。うれしいです」とお立ち台でニコニコした。「県営大宮(球場)が浮かんできました」。暑く熱い夏を思い出す。濃すぎる青春3年間。「一番の思い出はやっぱり、最後の甲子園ですよね」。3年夏、甲子園でベスト8まで進んだ。甲子園以外での思い出は-。尋ねると、渡辺はしばし思い浮かべる。「いろいろありますよ、ほんとに。なんかもう。あっ、あれだ」。ひらめいた。「僕が高1くらいの時だと思うんですけど...『君の名は。』って映画がはやってたんですよ」公開日は16年8月26日。確かに、渡辺たちが高校1年生だった夏の日。「でも寮生活で基本的に外出が許されてなくて。ケータイ使えるのも、月に1回とかそんな感じで。だから野球部のやつら、『君の名は。』の存在を知ったのが、みんな(話題になった)半年後とかなんですよ」たとえ校内で他の生徒が「入れ替わってる~」とか名ぜりふをマネしたとしても、渡辺たちには「?」だったことだろう。それほど野球に打ち込み、甲子園で活躍し、プロ野球選手にもなった。今年でプロ7年目。少し時間はかかったけれど、強力先発陣の中で堂々ローテーションを守っている。交流戦にしても「初対戦って、プロ野球界だと基本的にピッチャーの方が有利なので、強気に行ければ」と頼もしい意気込みを口にし、この日のマウンドに臨んでいた。8回のマウンドにはなかなか行かせてもらえないけれど、この日で個人防御率もパ・リーグ9位にまで上がった。"俺の名は、渡辺勇太朗"と胸を張って君臨できる風格も、徐々に徐々に。恩師も頼もしげに勇姿を見つめていた。【金子真仁】▽西武西川(花咲徳栄OBが浦和学院の演奏に乗って3安打)「ライバルが手を組むみたいな。いいっすね。高校時代は怖いというか守りに入りそうな応援で。今日は味方ですごかった」

◆西武・渡辺勇太朗投手(24)が中6日で先発した。一回は2死からオスナに右前打を浴びたが、続くサンタナを直球で空振り三振に斬り無失点で切り抜けた。前回5月28日の楽天戦では7回無失点の好投で3勝目をマーク。直近4試合でハイクオリティースタート(HQS、先発で7回以上、自責点2以下)を記録するなど状態は上向きで「とにかく自分の投球することを心がけたい」と意気込んでマウンドに上がった。この日は強力な援軍が来場。母校、埼玉・浦和学院校の吹奏楽部が左翼席後方に陣取り、私設応援団と協力して西武のために特別演奏を行った。渡辺は後輩らの来場に先駆け、5月8日に母校をサプライズ訪問。目の前で演奏を聴き「球場で聴いているぐらい興奮して鳥肌が立った」と勇気づけられた。打線が五回までに3点を援護してくれた。7回を5安打1失点の好投。今季4勝目の権利をもって降板した。

◆西武が3連勝。一回にネビンの適時打で先制。五回は外崎が2点打を放ち、七回にもネビンの適時打で加点した。渡辺は7回を5安打1失点で、シーズン自己最多に並ぶ4勝目を挙げた。ヤクルトは拙攻が目立ち、7連敗。

◆1回 ヤクルトのホセ・オスナが右安打を放つ =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)

◆またも負の連鎖を止められなかった。ヤクルトは今季ワーストを更新する7連敗で借金は「19」に達した。打線も8安打を放ちながらプロ野球ワースト記録更新を止められず、14試合連続2得点以下。7カード連続負け越し、ビジター球場では11連敗と長いトンネルを抜け出せない。高津臣吾監督(56)の表情は、この日も晴れなかった。1点を追う五回に無死一、二塁の好機を作ったが、バントを試みた9番・岩田が3球目をまさかの空振り。二走・古賀はスタートを切ろうと飛び出して戻れず憤死した。1死一塁から岩田が空振り三振、北村拓が一邪飛に倒れ、その裏に2点を失った。「これを教訓に、とは言えないですね。前回のあれがあるので。果たして前回失敗して、今日、もう一回失敗するまでに、どれだけ努力してきたか、どれだけ練習してきたか、果たしてバッティングに時間を割いても、守備練習に時間を割いても、バントの練習をしてきたかどうかという努力の方向性っていうのは、ちょっと確認してみたい」連打でつなぎ、打線に勢いがついていただけに悔やまれるバントミス。指揮官は「下位のところでチャンスを作って、上位にランナーを溜めて回すというのが一番得点のパターンだと思う。その下位のところで、やっぱりブツッと切れてしまうと、先のランナーはアウトになるわ、1つアウトとられて、ランナー一塁にしか残らなかったという状況は、なかなか得点するのは難しいでしょうね」と厳しく指摘した。

◆ヤクルト・茂木栄五郎内野手(31)が2試合連続でベンチ入りメンバーから外れた。前日3日に続き、試合前練習にも姿を見せなかった。試合後に取材に応じた高津臣吾監督(56)は「箇所とか状態はなかなか言いづらいんですけど、今日はゲームに出る状態ではなかった。明日もそうです」と説明した。出場選手登録を抹消するかの判断については「今いろんな状態を見ているところなので。トレーナー、僕もみんな含めて、いろんな判断をしている最中です」と話した。

◆西武のタイラー・ネビン外野手が2本の適時打を含む3安打で勝利に貢献した。一回には左前に運んで先制点をもたらし、3―1の七回にも左前適時打をマーク。勝負強さを発揮し、打点をパ・リーグトップに並ぶ28に伸ばし「自分の仕事に集中して打席に入れている。この状態を続けていきたい」と手応えを口にした。4月下旬から4番に座り続ける。4試合ぶりの打点を挙げ、復調の兆しを見せた。

◆恩師、後輩の前で躍動した。西武・渡辺勇太朗投手(24)が7回5安打1失点で自己最多に並ぶ4勝目。球団のイベントで母校の埼玉・浦和学院高の吹奏楽部が応援に駆けつける中、チームを3連勝に導いた。「本当に最高です。(吹奏楽部の応援が)すごく懐かしく、何とも言えない感じだった」走者を背負いながらも要所を締める粘りの投球で最少失点で切り抜けた。7回98球で1失点にまとめ、5試合連続でハイクオリティースタート(先発で7回以上、自責点2以下)。チームの貯金を今季最多の6とし「こういう試合を続けていけば首脳陣に(もっと長い回を任しても)大丈夫だと思ってもらえると思う」とうなずいた。この日は浦和学院高時代の監督である森士(おさむ)氏(現副校長)がスタンドで観戦。夏の甲子園に出場した2018年以来となる吹奏楽部の応援に後押しされ「めちゃくちゃうれしかった」と感謝した。本拠地のお立ち台。「吹奏楽部さんにプレゼントできれば」とサインと日付を入れたウイニングボールをポケットから取り出すと、左翼席の後輩たちから大歓声が沸き起こった。(石井孝尚)

◆負の連鎖を止められない。ヤクルトは7連敗を喫し、7カード連続の負け越しで借金は19に。打線は8安打を放ちながらも、プロ野球ワースト記録更新を止められず14試合連続2得点以下。1点を追う五回無死一、二塁でのバントミスを、高津臣吾監督(56)は厳しく指摘した。「下位でチャンスをつくって、上位に回すのが一番の得点パターン。下位のところでブツッと切れてしまうと、なかなか得点するのは難しい」反撃の流れを止めるミスだった。9番・岩田がバントを試みたが、3球目に空振り。二塁走者の古賀はスタートを切ろうと飛び出しており、戻れずに憤死した。1死一塁と場面が変わり、岩田が空振り三振、北村拓が一邪飛に倒れて無得点。その裏に2点を失った。岩田は5月27日の中日戦の八回にも無死一、二塁でバントミス(結果は捕邪飛)。高津監督は「これを教訓に、とは言えない。果たして前回失敗して、今日、もう一回失敗するまでに、どれだけ努力してきたか、どれだけ練習してきたか」と語気を強めた。(赤尾裕希)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
200 1.000
(-)
-
(-)
1612
(+8)
2
(+2)
3
(+3)
2
(+2)
0.322
(↑0.026)
1.000
(↓1)
1
(-)
西武
200 1.000
(-)
0
(-)
165
(+4)
2
(+2)
0
(-)
2
(+1)
0.224
(↑0.081
0.450
(↓0.45)
3
(-)
ロッテ
100 1.000
(↑1)
0.5
(↓0.5)
175
(+5)
3
(+3)
2
(+2)
0
(-)
0.200
(↑0.2)
3.000
(↓3)
4
(2↑)
楽天
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
166
(+3)
7
(+1)
1
(+1)
0
(-)
0.265
(↑0.03)
3.000
(↑2)
4
(3↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
167
(+1)
6
(+3)
1
(-)
1
(-)
0.227
(↓0.038)
2.650
(↓0.65)
4
(3↓)
広島
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
166
(+1)
8
(+6)
0
(-)
0
(-)
0.278
(↓0.097)
4.240
(↓2.24)
4
(2↑)
ORIX
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
168
(+6)
6
(+1)
1
(-)
1
(+1)
0.296
(↑0.09)
2.000
(↑1)
4
(2↑)
日本ハム
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
165
(+5)
5
(+4)
2
(+2)
2
(+1)
0.239
(↑0.114)
2.500
(↓1.5)
4
(3↓)
阪神
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
165
(+4)
5
(+5)
4
(+3)
3
(-)
0.197
(↑0.009)
2.650
(↓2.65)
10
(-)
巨人
010 0.000
(-)
1.5
(↓0.5)
173
(+3)
5
(+5)
0
(-)
1
(+1)
0.219
(↑0.219)
5.630
(↓5.63)
10
(4↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
162
(+2)
5
(+4)
0
(-)
1
(-)
0.222
(↑0.011
1.960
(↓1.96)
10
(4↓)
中日
020 0.000
(-)
2
(↓1)
162
(+2)
12
(+8)
1
(+1)
2
(+1)
0.212
(↓0.053)
6.750
(↓2.25)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
31212 0.596
(↓0.012)
-
(-)
89183
(+4)
126
(+5)
31
(+3)
45
(-)
0.241
(-)
2.110
(↓0.06)
2
(-)
DeNA
27223 0.551
(↓0.012)
2.5
(-)
91176
(+1)
136
(+3)
26
(-)
28
(-)
0.238
(↓0.001)
2.340
(↓0.02)
3
(-)
巨人
28251 0.528
(↓0.01)
3.5
(-)
89165
(+3)
168
(+5)
37
(-)
24
(+1)
0.242
(↓0.001)
2.760
(↓0.05)
4
(-)
広島
25242 0.510
(↓0.011)
4.5
(-)
92156
(+1)
142
(+6)
21
(-)
15
(-)
0.240
(↓0.002)
2.490
(↓0.07)
5
(-)
中日
23282 0.451
(↓0.009)
7.5
(-)
90121
(+2)
164
(+8)
24
(+1)
28
(+1)
0.216
(↓0.002)
2.890
(↓0.11)
6
(-)
ヤクルト
14332 0.298
(↓0.006)
14.5
(-)
94122
(+2)
203
(+4)
19
(-)
16
(-)
0.220
(-)
3.600
(↓0.01)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
30212 0.588
(↑0.008)
-
(-)
90180
(+5)
141
(+4)
50
(+2)
28
(+1)
0.229
(↑0.002)
2.230
(↓0.03)
2
(-)
西武
29230 0.558
(↑0.009)
1.5
(-)
91151
(+4)
132
(+2)
24
(-)
37
(+1)
0.237
(↑0.001
2.350
(↑0.03)
3
(-)
ORIX
26223 0.542
(↑0.01)
2.5
(-)
92178
(+6)
181
(+1)
36
(-)
25
(+1)
0.263
(↑0.002)
3.210
(↑0.04)
4
(-)
ソフトバンク
26242 0.520
(↑0.01)
3.5
(-)
91188
(+8)
161
(+2)
33
(+3)
36
(+2)
0.247
(↑0.002)
2.700
(↑0.02)
5
(-)
楽天
24271 0.471
(↑0.011)
6
(-)
91140
(+3)
159
(+1)
20
(+1)
54
(-)
0.237
(↑0.001)
2.910
(↑0.04)
6
(-)
ロッテ
18310 0.367
(↑0.013)
11
(-)
94128
(+5)
175
(+3)
27
(+2)
16
(-)
0.213
(-)
3.350
(-)