ヤクルト(★0対6☆)中日 =リーグ戦11回戦(2025.05.29)・明治神宮野球場=
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中日
23100000061302
ヤクルト
0000000000600
勝利投手:マラー(1勝3敗0S)
敗戦投手:小川 泰弘(2勝4敗0S)

本塁打
【中日】村松 開人(1号・2回表2ラン),上林 誠知(6号・3回表ソロ)

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◆中日は初回、高橋周の適時二塁打で2点を先制する。続く2回表には村松の2ランと岡林の適時打、3回には上林のソロが飛び出し、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・マラーが7回無失点の力投で来日初勝利。敗れたヤクルトは、先発・小川が精彩を欠いた。

◆ヤクルト先発小川泰弘投手が序盤に打ち込まれた。3回までに11安打6失点。速球が走らず、腕の振りも緩く見えて変化球の効き目も薄かった。打線が低調のため「先制点は我慢して粘っていきたいですし、1点取られてもすぐ切り替えて最少失点で投げていくことも大事」と話していたが、有言実行ならず。5回87球で降板した。

◆中日打線が3回までに11安打で6点を奪いヤクルトに連勝した。カード勝ち越しは4カードぶり。借金は4とした。初回2死一、二塁で5番高橋周平内野手(31)が中堅越え2点適時二塁打で先制した。2回村松開人内野手(24)が今季1号2ランを右翼席へ。「チームのいい流れに乗せてもらえた」。昨季神宮では打率6割5分と好相性の男が大きなアーチを描いた。さらに2日連続で3番に入った岡林勇希外野手(23)が左前適時打だ。3回には、この日6番に降格した上林誠知外野手(29)が右翼スタンドギリギリに6号ソロ。「結果が出ていなかったので1本出てよかった」。4試合ぶり、16打席ぶりの安打が本塁打となり、先発野手全員安打となった。先発はここまで5試合先発し、未勝利のカイル・マラー投手(27)が、7回92球6安打無失点でうれしい来日初勝利を挙げた。

◆ヤクルトが中日に敗れ5カードぶりのカード勝ち越しを逃した。先発小川泰弘投手が序盤から打ち込まれた。初回2死から3連打を浴び2点を先制されると、2回に村松に1号2ラン、3回には上林に6号ソロを許すなど5回11安打6失点で降板。中日打線の勢いにのまれた。打線は左腕マラーに対し右打者を8人並べたが、6回まで走者を得点圏に進められず。7回無死から内山、沢井の連打で初めて好機をつくるも山田が三ゴロ併殺打、3試合ぶりの出場となった代打サンタナが三振に倒れ得点を奪えなかった。今季8度目の0封負けとなり、借金はワーストの14に膨らんだ。

◆ヤクルトは5月6度目の完封負けで今季ワーストの借金14を抱えてしまった。序盤に大量リードを許したこともあり、初対戦の左腕マラーに7回6安打無得点。初めて得点圏に置いた7回無死一、二塁では、山田が真ん中の速球を打ち損じて三ゴロ併殺に終わった。好調茂木を外し、右打者を8人並べた高津監督は「初めての対戦で(対応が)難しかったのかな」と振り返った。

◆中日打線が序盤から珍しく爆発し連勝した。3回までに先発野手全員安打の11安打で6得点とヤクルト先発小川を攻略した。初回、高橋周の適時二塁打で2点を先制すると2回には「神宮男」の1発が飛び出した。8番村松開人内野手(24)が右翼へ1号2ラン。プロ通算3本目で打った舞台はすべて神宮。昨季はここで40打数26安打の打率6割5分と打ちまくった。「何でなんですかね。ほかの球場でも打てればいいですけど...」と本人も不思議がる。明大時代、神宮を舞台に大活躍。大学時代のリーグ戦通算打率も3割を超えている。「思い切ってやるのが大事という初心に戻るというか、そういう気持ちは多少あるかな」と、原点に戻れる聖地でもある。神宮の野球の神様はいつも味方してくれるわけではない。1軍復帰初戦の27日ヤクルト戦は同点の8回、先頭打者の遊撃へのゴロを失策。その走者が決勝点となった。「僕のミスで最初負けているので、何とか取り返してやろうと」とバットで挽回した。右脇腹を痛め1カ月離れていた。チームはまだ借金4。不動の遊撃手にと井上監督の大きな期待に、ここから貪欲に応えていく。【石橋隆雄】

◆中日の新外国人カイル・マラー投手(27)が6試合目でようやく来日初勝利を挙げた。7回6安打無失点。アスレチックスで開幕投手も務めた元メジャー左腕が、大塚晶則投手コーチ(53)の教えで日本野球を学んだ。右肩の開き、上げた右足を一度ピタッとためるフォームなどを、ブルペンで投げ込みで体にたたき込んだ。「米国でこんなに投げたことはないよ」と話しながらも、必死に取り組んできた。この日は序盤3回までに野手陣が6点の援護をプレゼント。「感覚としてすごくよかった。野手のみなさんが早くに点を取ってくれて、いい守りもあった」と感謝した。高橋宏斗投手(22)と2枚看板と大きな期待をかけられ開幕したが、5試合未勝利。初勝利に2カ月もかかった。「長くなったけど、みんなの助けを借りて勝つことができた」と喜んだ。支えてくれた妻はスタンドで観戦していた。この喜びを伝えたいのが、米国に預けてきた愛犬アストロちゃんだ。「会いたいよ。向こうに預けてきたんだ」。顔写真が入った特製マグカップを常に愛用し、存在をわすれることはなかった。ようやくいい報告となったが、米国に帰るまでにもっと白星も積み重ねる。

◆中日が序盤に6点を奪いヤクルトに連勝した。井上一樹監督(53)は「2点、3点、1点っていい感じでしたね」と目を細めた。初回2死一、二塁から5番高橋周平内野手(31)が中越え先制2点二塁打。「あれが一番大きかったね。その後、みんながつられてって言ったらおかしいけど」と褒めながらも「周平が、球落ちてない(インプレー中)うちにガッツポーズしてるから『おい! 球、見とけ』って、みんなに言われてたけど」と笑わせた。2回には村松開人内野手(24)が右翼へ今季1号となる2ラン。「あいつここでしか打たへんからな」と通算3本がすべて神宮なことをいじった。3回には上林誠知外野手(29)の6号ソロで先発野手全員安打。「上林のホームランもやし、村松のもそうやけど、喜んでいいんか、どうやねん、入ってんのかってのが」とフェンスギリギリでベンチでなかなかすぐに喜べなかったようだ。上林は4試合ぶり、16打席ぶりの安打が本塁打。「長いシーズン、あいつもレギュラーで出してる上で、久しぶりにずっと出てる感覚はあるだろうから、『お前、疲れてるとか言ってんなよ』ってオレらは発破をかけるけど、あいつは3月4月の貢献者なので、気遣ってる部分と、尻をたたく部分と使い分けていきたいと思う」と、今季ここまで支えている上林を思いやった。

◆中日が序盤3回までに11安打で6点を奪いヤクルトに連勝した。先発カイル・マラー投手(27)は7回6安打無失点で来日初勝利。チームの借金は4となった。

◆ヤクルトの小川泰弘投手(35)が29日の中日戦(神宮)に先発する。前回22日の広島戦(マツダ)では、7回1失点と好投するも勝敗は付かず。3試合連続で白星がない右腕は「先発としての役割を果たしたい」と意気込んだ。27日には同期入団の石山が通算100セーブを記録。投手陣の中心としてともに奮闘する右腕の偉業を祝福し「僕も一試合一試合頑張っていきたい」と闘志を燃やした。

◆ヤクルト・北村拓己内野手(29)が、背水の覚悟で己の地位を築き上げている。「何とかものにしたい思いはある。しっかり自分の役割を全うしていきたい」主砲・村上、正遊撃手の長岡ら主力の離脱が相次いだ中、石川・星稜高出身のプロ8年目の右打者は4月29日に1軍昇格。今季初スタメンとなった今月13日の中日戦(豊橋)から13試合連続で先発出場し、試合前までで打率・326と得点力不足に悩む打線の中で奮闘している。好調の要因の一つに〝新相棒〟の存在がある。野球教室や野球用品の販売を行う株式会社「Amazing」の代表で、亜大時代の2学年先輩である廣畑実氏(愛称はミノルマン)が手がける特殊バットの「SHINAKING」だ。上半身と下半身の捻転差をつけることで力強いスイングを習得するためのバットで、今季から試合前練習で使用する。「これを使ってから、普段のバットが柔らかく感じて、ヘッドの走りがいい」と効果を実感。亜大の先輩が生み出した〝秘密兵器〟とともに快音を響かせている。「疲れとか二の次、三の次だと思う。一打席、一打席で自分のやるべきことを全うするだけ」。亜大魂が宿る背番号38が、己のバットで生き抜く道を切り開く。(樋口航)

◆中日が快勝。一回に高橋周の2点二塁打で先行し、二回は村松の1号2ランと岡林の適時打、三回は上林の6号ソロで突き放した。援護を受けた先発マラーは7回無失点で来日初勝利。ヤクルトは小川が5回6失点と打ち込まれた。

◆ヤクルトは今季8度目となる零封負け。高津臣吾監督(56)は「こういう展開になると、非常に追いかけるのも難しい。得点圏にいってからなので、きょうも1本も出なかった」と振り返った。先発の小川が、5回11安打6失点と大乱調。打線は、三者凡退は2回だけと、得点圏こそつくったが、最後の一本が出なかった。左腕のマラーに対し、投手の小川を含め右打者を8人並べるなど打線のテコ入れを行ったが、得点力不足を解消できず。指揮官は「今いるメンバーでの最善、一番いい並びにしている。うまくいくこともいかないこともたくさんある」と言葉を絞り出した。借金は、今季ワーストを更新する「14」となった。

◆3番手で登板した矢崎拓也(撮影・長尾みなみ)

◆セ・リーグ最下位のヤクルトは今季8度目の無得点負けを喫し、借金はワーストの14に膨らんだ。先発の小川が三回までに6失点する展開で打線も反攻できず、高津臣吾監督(56)は「こういう展開になると非常に追いかけるのも難しい。いつも言っているように得点圏に(走者が)いってからなので。きょうも1本も出なかった」と顔をしかめた。中日先発の左腕、マラーに対して先発野手8人のうち右打者7人を並べて対抗したが、7回6安打無得点に封じられた。昨季打撃2冠の村上や最多安打の長岡ら主力野手の故障離脱が相次ぐ中、指揮官は「若い選手が多いので、できるだけ均等にチャンスを与えたいと思っている。今いるメンバーで最善を」と試行錯誤しているが、リーグ5位のチーム打率・221と苦しい状況を打開できていない。27日からの5位・中日との3連戦は計3得点に終わった。5カード連続の負け越しで、中日とのゲーム差は5に。高津監督は「今はなかなかね、長打でぽんぽん点が取れる状況ではない。何とか得点圏にいって、1本打つことを目指しながらですね」と必死に前を向いた。(武田千怜)

◆やはり4番不在は響き続ける。村上を欠くヤクルト打線はみな、俺が俺が...と力が入って、空回りするばかり。「ここで村上がいたら」と想像したくなるシーンが、何度あったことか。そこへもってきて、サンタナがベンチスタートから代打で登場とは、よくわからない状態だよね。それほど得点は望めないのだから、先発投手の見切りどきも想定しておくべきだろうけど、考える間もなく、小川が打たれた。スピードもキレもなく、コントロールも甘い。三回までで6失点では、さすがに厳しい。まずは走者をためてから、とよくいわれるけど、簡単にたまるものでもない。ますます打撃が粗くなるのも、無理はないか。4番不在と打線の弱さは、中日にも通じること。四回以降は2安打。早打ちと大振りが目立ち、淡泊にゲームが進んだ。5位VS6位の典型的な展開だった。来週からは交流戦。雰囲気も変わることだし、両チーム、なんとか奮起してもらいたいね。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
27202 0.574
(↓0.013)
-
(-)
94163
(+1)
119
(+5)
25
(-)
41
(-)
0.244
(↓0.001)
2.170
(↓0.06)
2
(-)
巨人
27221 0.551
(-)
1
(↑0.5)
93155
(-)
154
(-)
37
(-)
21
(-)
0.243
(-)
2.680
(-)
3
(-)
広島
24202 0.545
(-)
1.5
(↑0.5)
97148
(-)
119
(-)
21
(-)
15
(-)
0.244
(-)
2.320
(-)
4
(-)
DeNA
23213 0.523
(↑0.011)
2.5
(↑1)
96155
(+5)
124
(+1)
20
(+1)
25
(-)
0.235
(↓0.001)
2.370
(↑0.03)
5
(-)
中日
21252 0.457
(↑0.013)
5.5
(↑1)
95110
(+6)
145
(-)
21
(+2)
25
(-)
0.212
(↑0.003
2.780
(↑0.06)
6
(-)
ヤクルト
14282 0.333
(↓0.008)
10.5
(-)
99114
(-)
184
(+6)
18
(-)
13
(-)
0.221
(-)
3.650
(↓0.06)