ヤクルト(☆2対1★)中日 =リーグ戦9回戦(2025.05.27)・明治神宮野球場=
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中日
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ヤクルト
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勝利投手:田口 麗斗(1勝1敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(0勝1敗10S))
敗戦投手:勝野 昌慶(2勝1敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトが接戦を制した。ヤクルトは4回裏、内山の安打に相手失策が絡み1点を先制する。同点とされた直後の8回には、代打・宮本の適時二塁打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・田口が今季初勝利。最後を締めた5番手・石山が通算100セーブを達成した。敗れた中日は、攻守に精彩を欠いた。

◆右脇腹を痛め戦列を離れていた中日村松開人内野手(24)が出場選手登録された。試合前練習でも遊撃で軽快にノックを受けていた。開幕から正遊撃手だったが、4月23日巨人戦(東京ドーム)の3回の第1打席で投ゴロを打った際に痛め、右内腹斜筋損傷と診断されていた。1軍では今季20試合、打率1割3分8厘、0本塁打、2打点も守備で大きく貢献していた。5月18日2軍阪神戦から復帰。2軍では4試合、11打数4安打の打率3割6分4厘、0本塁打、2打点。25日に1軍に合流した際には「脇腹も問題ないしコンディションはいい。ここからはしっかりチームに貢献できるように攻守ともにプレーで引っ張っていけたら」と話している。この日先発する金丸夢斗投手(22)も出場選手登録された。

◆中日の人気マスコット・ドアラが今季初めて神宮に姿を見せた。試合前のビジョンではつば九郎がひまわりマイクで聞く画像と一緒にドアラのフリップ芸で「ドアラの今日のひとこと」を書き記した。「やっぱり神宮球場といえばアレですよね」「忘れられません」「みんな大好きですもんね」とスタンドのファンの視線を引きつけ、しんみりさせるかと思いきや「神宮の銀だこ」と見せ笑わせた。画面上とはいえ久しぶりのつば九郎ドアラコンビ復活となった。その後はヤクルトマスコットのつばみらと仲良く記念撮影。27日、28日とチアドラゴンズとともにビジター応援を盛り上げる。

◆中日ドラフト1位金丸夢斗投手(22)が上々の立ち上がりを見せた。1番岩田には初球から4球連続直球で2ボール2ストライクとし、2球続けてスライダーを投げ二ゴロに。2番北村拓には2ボール2ストライクから6球目、内角に149キロを投げ空振り三振。沢井は初球外角直球で遊ゴロ。大学時代に2度登板した神宮で、プロ初勝利に向け初回は13球、3者凡退に切り抜けた。

◆ヤクルト西川遥輝外野手(33)が通算1500試合出場の連盟表彰を受けた。1日のDeNA4回戦(神宮)でプロ野球史上211人目となる記録を達成。記念メダルや花束を受け取り、ベンチやスタンドから拍手で祝福された。智弁和歌山高出身でプロ15年目の西川は、10年にドラフト2位で日本ハムに入団。12年3月30日の西武戦でプロ初出場し、22年から楽天で2年間プレーし、昨シーズンからヤクルトに移籍していた。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が約1年半ぶりの盗塁を成功させ、チームに待望の先制点をもたらした。4回2死で中日先発のドラ1左腕金丸から左前打を放って出塁。1ボール2ストライク、5番内山への4球目で二盗を仕掛けた。井上監督のリクエストを受けたが、リプレー検証の結果も判定は変わらずセーフ。23年9月9日のDeNA戦以来の盗塁をマークした。その直後、内山の左前打を相手左翼手が失策。二塁走者のオスナは三塁到達後に敵失を確認すると素早くリスタートし、身長188センチ、106キロの巨体を揺らす激走でホームに生還した。

◆中日ドラフト1位金丸夢斗投手(22)が味方の援護なく6回85球、3安打1失点(自責0)で降板した。4回2死二塁から内山に左前安打を許すと、ゴロの打球を左翼川越がファンブルする間に二塁走者オスナの生還を許した。6回には先頭岩田にこの日初めての四球を与え、1死二塁のピンチをつくるが沢井を一ゴロ、オスナには高め147キロ直球で空振り三振を奪った。7回に打席がまわってきたが代打カリステを送られた。登板前には「早く投げて勝ちたいって感じですね。(ほかの投手が神宮では)援護点も結構あるとは言っていたんで」と話していたが、打線の援護なく自責0の6回1失点でも、またもプロ初勝利とはいかなかった。

◆中日川越誠司外野手(31)の一打に井上一樹監督(53)が猛抗議に出たが、受け入れられなかった。1点を追う8回1死一塁、ヤクルト矢崎の初球フォークをとらえ右翼ポール際へ大飛球。ファウルの判定にリクエストしたが判定は変わらなかった。このことに左翼の中日ファンは大ブーイング。井上監督も球審の山路に抗議に出たが、変わらなかった。川越は4回に左翼で適時失策をしていただけに、入れば名誉挽回の逆転2ランとなったところだったが、幻の1発となった。

◆中日がヤクルトに競り負け連敗で今季最多の借金6となった。同点の8回に代打宮本に勝ち越しの適時二塁打を許した。ドラフト1位金丸夢斗投手(22)をまたも援護できなかった。6回85球、3安打1失点自責0。4回の失点も左翼手川越の適時失策だった。金丸は「打たれているボールは浮いてしまった変化球なので修正します。点を取られてしまった後、切り替えて投げることができたのでそこはよかったと思う」と話した。8回には失策の川越が1死一塁で右翼ポール際へ大球を放ったが、判定はファウル。リクエストも判定は覆らず井上一樹監督(53)が抗議に出たが受け入れられなかった。川越は四球を選び1死一、二塁から代打ブライト健太外野手(26)の左前適時打で一時は同点に追いついたが、その裏に3番手勝野昌慶投手(27)がつかまった。

◆ヤクルト石山泰稚投手(36)がプロ野球史上9人目、球団初となる通算100セーブ&100ホールドを達成した。1点リードの9回に登板し、今季10セーブ目をマークした。これで史上38人目の通算100セーブの節目となった。これまで通算125ホールドを含めダブル大台となった。今季はオープン戦から結果を出し続け、守護神の座に返り咲いた。年齢を重ねる中でキャンプからスロー調整を心がけ、肩に疲労を残さないことを意識。好調を維持する。「打たれて当たり前。打たれないことなんて、めったにないと思っている」と割り切った思考でマウンドに立つ。13年目で価値ある節目にたどり着いた。通算100セーブ=石山(ヤクルト) 27日の中日9回戦(神宮)で今季10セーブ目を挙げて達成。プロ野球38人目。初セーブは13年8月21日の巨人15回戦(神宮)。36歳8カ月で達成は93年大野(広島)37歳7カ月、93年郭源治(中日)36歳10カ月に次いで3番目の年長記録。また、石山は125ホールドを記録しており、「100セーブ+100ホールド」は9人目(ヤクルトでは初)で、こちらは22年増田(西武)の34歳3カ月を上回る最年長達成。

◆ヤクルトは一時同点に追いつかれるも、終盤で打線が奮起し、連敗を5で止めた。7試合連続の2得点以下と湿っていた打線が、4回にオスナが左前打と二盗で好機を演出。内山の左前打で中日先発のドラフト1左腕金丸から先制点をもぎ取った。1点差で逃げ切り態勢に入った8回。4番手田口が粘れず、中日の代打ブライトに同点打を浴び、試合を振り出しに戻された。それでも、最少失点に防いだ後の攻撃で、代打宮本が左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を放ち、再び主導権を握った。先発ランバートは5回まで毎回走者を背負ったが、6回3安打無失点、5四死球、5奪三振の力投。150キロ超の直球を中心に要所で相手打線を抑えたが、勝敗に結びつかなかった。9回にマウンドに上がった石山は最終回を無失点に抑え、プロ野球史上9人目となる100セーブ、100ホールドを達成した。高津臣吾監督(56)は「いつもこういうスコアで負けているので、今日に関しては反省するところも多かったですけど、勝ってよかったです」と話した。

◆中日井上一樹監督(53)の抗議も実らずヤクルトに競り負け借金は今季最多の6に膨れ上がった。1点を追う8回1死一塁で川越の大飛球は右翼ポール際へ。入れば逆転2ランもファウルの判定でたまらずリクエストに出たが覆らず。思わずベンチを飛び出した。「間違いなく(ポールを)巻いている確信はあった。(審判に)説明がほしかった。それのせいで(負けた)とはスポーツマンシップに欠けると言われたくないので言いませんけど」と苦々しい表情だった。球団はNPBに意見書を出す方向。

◆ヤクルト石山泰稚投手がプロ野球史上9人目、球団初となる通算100セーブ&100ホールドを達成した。1点リードの9回に登板。2死一塁、最後は上林を136キロのスライダーで空振り三振で締めた。今季10セーブ目で史上38人目の通算100セーブに到達し、これまでの通算125ホールドと合わせたダブル大台にたどり着いた。記念のボードを手にし「本当にほっとした気持ちしかない。勝ってよかった」。達成感より、試合に勝てた安堵(あんど)が上回った。1点差を守って、連敗を5で止めた。お立ち台では「(8回に宮本)丈がいいところで打っていたので負けられない。負けたら怒られると思って頑張りました」とおちゃめに言った。過去2年は防御率4点台に沈んだが、今季はシュート回転でホップする直球が復活して、17試合登板の防御率1・10。苦しいチームのブルペンの中心に、まだまだ頼もしいベテランがいる。通算100セーブ=石山泰稚(ヤクルト) 27日の中日9回戦(神宮)で今季10セーブ目を挙げて達成。プロ野球38人目。初セーブは13年8月21日の巨人15回戦(神宮)。36歳8カ月で達成は93年大野(広島)37歳7カ月、93年郭源治(中日)36歳10カ月に次いで3番目の年長記録。また、石山は125ホールドを記録しており、「100セーブ+100ホールド」は9人目(ヤクルトでは初)で、こちらは22年増田(西武)の34歳3カ月を上回る最年長達成。

◆ヤクルト中村悠平捕手(34)が"魚雷バスター"に成功した。8回無死一塁、代打で登場。「トルピード(魚雷)バット」を手に右打席に入った。犠打のサインに2球ファウルとして追い込まれた後、バスターで対応した。中日勝野のスライダーを捉え、中前打で好機を拡大した。8回1死一、二塁から宮本の決勝打を演出した。ヤクルト選手が実戦で魚雷バットを使用するのは初とみられる。中村悠は「バントを決めたかったです」と反省した上で「使えるものは使ってやろうと」と新バットで失敗を取り返した。9回はマスクを被って、石山の通算100セーブ&ホールドの達成をお膳立て。中村悠は「コツコツとやる方。普段、感情を表に出すことはなく、寡黙にやっている方。大きなけがもしないし、1日1日の積み重ねでここまでこられている。僕も先輩を見習いたいですね」とベテラン右腕に尊敬の目を向けた。

◆中日井上一樹監督(53)は8回の川越誠司外野手(31)の幻の逆転2ランに試合後も納得がいかなかった。1点を追う8回1死一塁、ヤクルト矢崎の初球フォークをとらえ右翼ポール際へ大飛球。ファウルの判定にリクエストしたが判定は変わらなかった。井上監督は球審の山路のもとへ飛び出していた。試合後、「やっぱりそれはね、一番そのポールから真正面の方で、オレは(三塁)ベンチで見てるわけだから。でね、『間違いなく(右翼ポールを)巻いてる』っていう確信があったから、これはなあ」と切り出した。リクエスト後に審判のもとへ足を運んだことには「リクエストに関してのジャッジに例えば抗議をするっていうことは、NPBでは許されてないっていうところがあるだろうし。で、あ、そこでオレがね、リクエストだから、もう1回言ったところで、判定は変わらないよっていう。で、『あんまり言うと退場になりますよ』みたいなこと(審判に)言われたけど、いやいや、その『退場が怖くて言わんやつ、言わん監督とかおらんやろ!』っていう。いや、それ(リクエスト後の判定は)ほんとにどういうふうな形なの、っていう説明をちょっともらいたかったんだけども。今日の試合、ゲームにおいて言えば、ロースコアの試合っていう中での当たりだったから、それは必死にならない方がおかしいわけで」と話した。「それのせいでっていうことは、それはもうスポーツマンシップに欠けると言われたくないんでそれは言いませんけども、なんかちょっといろんな形で提案っていうようなものもね、してもらってもいいのかなっていう。例えば人材とか。アメリカとかの話だと、例えばジャッジマンがビデオ見に行くことはないわけでしょ。それ専用の人がいるわけでしょ。だから、そういうのもやっぱりちょっとありなんじゃないですか、っていうなことは、ちょっと、うん、ちょっとは思うかなっていう感じ」とメジャーリーグのようにビデオ判定専門の人員や部署をつくるべきではと提言した。監督の考えも受け球団はNPBに意見書を提出する予定だ。▽敷田責任審判(8回川越のファウルに中日がリクエストも判定変わらず)「ホームランの映像がありませんでした」▽中日川越(8回入れば逆転2ランの大飛球もファウル)「自分ではポールを巻いたと思ったので、正直ショックです。自分のミス(4回に左翼で適時失策)で1点入ったので何とかしたかったので、なおさら悔しい」

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が約1年半ぶりの盗塁を決め、チームに先制点をもたらした。4回2死から左前打で出塁すると、5番内山への4球目で二盗を仕掛けた。判定はセーフ。微妙なタイミングに中日井上監督がリクエストを要求も、リプレー検証の結果、判定は変わらず。23年9月9日DeNA戦以来の盗塁となった。「足が遅いことは自覚しているので、できるだけ多く自分が得点圏に到達すれば、後ろの打者たちも打点を稼ぎやすいんじゃないかな」と、きっちり先制のホームを踏んだ。「自分が一塁から生還することはないと思うので、まずは二塁に行くことが大事」と話した。

◆ヤクルト宮本丈内野手(30)が「代打の切り札」の役割を果たした。同点の8回1死一、二塁、代打で登場すると、中日3番手の勝野の3球目の外角フォークを左翼線へはじき返し、勝ち越しの適時二塁打でチームの連敗ストップに貢献した。この試合までの代打起用は今季チームトップの21回。14打数5安打2打点で打率は3割5分7厘、出塁率は5割7分1厘と好調を維持している。「代打の切り札と言えば川端慎吾さんとか、ファンの方もそういうイメージがあると思うので。そこに近づきたいじゃないですけど、そういう勝負強い切り札になれたらなと思います」と話した。

◆中日ドラフト1位金丸夢斗投手(22)が3度目の先発でも初勝利とはならなかった。6回85球、3安打1失点(自責0)と力投も味方の援護がなかった。8回に一時同点に追いついたため黒星は免れた。4回2死二塁から内山に左前安打を許すと、ゴロの打球を左翼手川越がファンブルする間に二塁走者オスナの生還を許した。直前にオスナが二盗し、中日側がリクエストしたこともあり、間が空いた後だった。「タイムがかかった後の初球ちょっと甘かったので反省したい」と悔しがった。6回には2死二塁でオスナに高め147キロ直球で空振り三振を奪った。「高めに直球をしっかり投げられた。球数が増えてきた中でも衰えることなく力強く投げられたのでよかった」と納得の1球だった。5日DeNA戦(バンテリンドーム)では6回2失点もその間の援護は1点、16日巨人戦(東京ドーム)は6回1失点も同じく援護は1点。この日は6回1失点でその間の援護は0だった。井上一樹監督(53)は「抜群というわけではないにしても、夢斗(金丸)が持っているものはそれなりに出せた。いち早く勝ち星をプレゼントしてあげたい。選手たちも夢斗に勝ち星をという思いはあるはずなので、それを次には実現させてもらいたい」と評価した。これまで次回は投げ抹消せずに中7、8日で次回登板する考えを示していたが「明日になったら分かると思う」と明言は避けた。

◆中日福永裕基内野手(28)が8回の守りから途中交代した。「4番・三塁」で今季初めてスタメン出場し、8回1死二塁で代打ブライト健太外野手(26)の左前適時打で二塁から本塁へ生還。本塁へは頭からスライディングしていた。この際に何らかのアクシデントがあったと思われ、8回の守りから宇佐見真吾捕手(31)と交代した。試合後、井上一樹監督(53)は「ちょっと明日様子を見ます」と話した。福永は3月18日オープン戦ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)の二塁守備中に右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷し、前日24日に出場選手登録されたばかり。試合出場は25日阪神戦(バンテリンドーム)で代打で出場し、この日が2試合目だった。

◆中日が井上一樹監督(53)の抗議も実らずヤクルトに競り負け借金は今季最多の6に膨れ上がった。1点を追う8回1死一塁で川越の大飛球は右翼ポール際へ。入れば逆転2ランもファウルの判定でたまらずリクエストに出たが覆らず。思わずベンチを飛び出した。「間違いなく(ポールを)巻いている確信はあった」と苦々しい表情だった。球団はNPBに意見書を出す方向。

◆ヤクルト石山泰稚投手(36)がプロ野球史上9人目、球団初となる通算100セーブ&100ホールドを達成した。石山は「寝酒」を大切にしながら、重責に向き合う。今でも打たれた夜は寝付けない。とめどなく悔しさが込み上げる。そんな時はなじみの店に足を運んだり、コンビニで買ったりして、アルコールを喉に流し込む。「小さな幸せを見つけて、気持ちよく寝られるように。アスリートだからダメなのかもしれないですけど、ストレスはためたくないので」と心を静め、次に備える。単に悔しさを忘れようとしているわけではない。抑えた日も、打たれた日も、必ず映像で振り返り、修正点を見つけるのは日課。気持ちを切り替える一番の良薬は「次の試合を抑えること」。そう心がけ、柱としてブルペンを支え続ける。練習では"メガネ男子"となる。視力を矯正する度付きサングラスを着用。「目が乾くじゃないですか。メガネの方が楽なので」と笑い、試合前にコンタクトを装着する。マウンドでは「打たれて当たり前。打たれないことなんてめったにない」と割り切る。幾度となく勝敗の境に立ってきた男には深き人間味がある。【ヤクルト担当=上田悠太】

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が今季初盗塁を記録した。身長188センチ、体重106キロを誇り、パンチ力ある打撃が魅力の助っ人が、この日は足で躍動した。0-0の四回2死から左前打で出塁すると、5番・内山の打席で二盗をマーク。その後は、内山が左前打を放つと、巨漢を揺らして激走を披露。間一髪のタイミングだったが、本塁生還を果たした。来日5年目の助っ人が、2023年9月9日のDeNA戦(横浜)以来となる通算8盗塁目で好機を演出し、貴重な先取点をもぎとった。

◆打線の起爆剤になれるか。左の大砲候補として期待されるヤクルト・沢井廉外野手(24)が今季初昇格を果たし、「3番・右翼」で先発出場した。「1軍に来て打てるような準備を常にしています」今春のキャンプでは1軍メンバーに名を連ねたがオープン戦でアピールできず、開幕は2軍スタート。イースタン・リーグではチーム最多の40試合に出場し、4本塁打をマークするなど持ち味の長打力を発揮していた。「左中間、右中間への長打を目指してやっていた」とファームでの日々を振り返った。昇格即3番での先発起用は、首脳陣からの期待の表れだ。現在、セ・リーグ最下位に沈むチームは試合前時点で得点(111)がリーグ5位。得点力不足が喫緊の課題となっている。主砲・村上ら中心選手が故障で離脱する中、長打力がある沢井の奮起が望まれる。大松チーフ打撃コーチも「最大の魅力は長打力。うちの打線はヒットは出るものの単打ばっかりですから、こういうバッターが打線にいてくれると、というところはある。若さを前面に出してやってくれればいい」と期待する。この日の相手先発は新人左腕の金丸だが「ファームでは左投手に打率3割を超えている。対左(投手)に本塁打も出ている」と起用の意図を明かした。沢井は一回の第1打席は遊ゴロ、三回の第2打席は空振り三振に倒れた。

◆ヤクルト・石山泰稚投手(36)がプロ野球史上38人目となる通算100セーブを記録し、史上9人目となる100セーブ&100ホールドを達成した(通算125ホールド)。同戦の九回に5番手で登板し、1回を無安打無失点。今季10セーブ目で節目の記録に達した。初セーブは2013年8月21日の巨人戦(神宮)。石山は13年のドラフト1位で社会人・ヤマハから入団。一時は先発を経験したこともあったが主に救援としてキャリアを歩み、プロ13年目の今季は、開幕から状態がよく、シーズン開幕直後から抑えを任されてきた。

◆試合に勝利し、握手を交わすヤクルト・中村悠平(左)、石山泰稚=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

◆ヤクルトが連敗を5で止めた。1―1の八回に宮本の適時二塁打で勝ち越した。4番手の田口が今季初勝利。石山が通算100セーブを挙げた。中日は八回にブライトの適時打で挙げた1点止まり。四、八回と失策が失点につながった。

◆ヤクルトが連敗を5で止めた。1―1の八回に宮本の適時二塁打で勝ち越した。4番手の田口が今季初勝利。石山が通算100セーブを挙げた。中日は八回にブライトの適時打で挙げた1点止まり。四、八回と失策が失点につながった。宮本のヒーローインタビューは以下のとおり。--ナイスバッティング「バント失敗だとか、嫌な流れだったんですけど、なんとかそこはカバーできて、いい形で結果が出て良かったなと思います」--あの打席、狙いは「狙いはちょっと言えないですね(笑)。なんとか食らいついていこうという気持ちで行きました」--勝ち越しのタイムリーの感触は「いや本当に抜けてくれて、二・三塁だったらサードに取られてたかもしれないのでいい流れがきてるんじゃないかなと思います」--先日の巨人戦でも同点タイムリー「そうですね。本当にいいピッチャーの方が対戦できて、すごくいい経験にもなってますし、そういうピッチャーから打てて自信にもなってます」--石山が100セーブ達成「石山さん100セーブおめでとうございます!いつもどんな時も変わらずに毎日準備する姿っていうのは僕はすごい尊敬してます。石山さんのように長く1年でも長く...1年でも長くおかしいですね? 後輩からそういう尊敬されるような選手になっていきたいと思います」--ファンに一言「明日も連勝できるように目の前の一戦を準備してしっかり全員で戦っていきたいと思うので、明日からも熱い応援よろしくお願いします」

◆ヤクルトが連敗を5で止めた。1―1の八回に宮本の適時二塁打で勝ち越した。4番手の田口が今季初勝利。石山が通算100セーブを挙げた。中日は八回にブライトの適時打で挙げた1点止まり。四、八回と失策が失点につながった。石山のヒーローインタビューは以下のとおり。--仲間の攻撃はどのように見ていたか「そうですね、(宮本)丈がいいところで打ってたので、 負けられない、負けたら怒られると思って頑張りました」--今日の投球は「いや、そこまで振り返るのは難しいんですけど、 本当に勝てて良かったなっていうことだけですね」--通算100セーブ「なかなか目標に届かない時期があったんですけども、こうやって100セーブ取れたことはすごくうれしく思います」--九回に投げるという意味「本当に重たい重要な場所だと思っているので、何とかこの場所で多く投げれるように頑張りたいですし、その前に投げるピッチャーもしっかり頑張っているので、みんなで何とか頑張りたいなという風には思います」--ファンにメッセージを「ありがとうございました!また明日もあるのでしっかり備えて頑張りたいと思います。ありがとうございました」

◆助っ人が足で勝利に貢献した。ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が、両軍無得点の四回2死から左前打で出塁すると、続く内山の4球目に二盗に成功。中日・井上監督のリクエストによるリプレー検証でも判定は覆らなかった。2023年9月9日のDeNA戦(横浜)以来、2シーズンぶりの盗塁に「2年くらい盗塁を成功してなかったので、ちょっと意識していた部分もあって、やっと成功してうれしい」。内山の左前打では三塁ベースを回ったところで一時ストップしたが、左翼手・川越のファンブルを見て再スタートを切り激走で生還した。「足が遅いことは自覚しているので、できるだけ多く自分が得点圏に到達すれば、後ろの打者たちも打点を稼ぎやすいんじゃないかなと思う。自分が一塁から生還することはないと思うので、まずは二塁に行くことが大事だと思う」と胸を張ったオスナ。打棒に期待がかかるが、足でも勝利に貢献した。高津監督も「サインは出していたので、タイミングを測って行ったんだと思いますけど、非常に大きなスチールだった。やっぱり限られるので、作戦も、スチールに関しても。このメンバーで動かすのはタイミングとかも限られてくるので、そう考えたら、今日のホセ(オスナ)のスチールのタイミングは非常に良かった」と賛辞を惜しまなかった。

◆?ヤクルト・石山が史上38人目となる通算100セーブを達成。初セーブは2013年8月21日の巨人戦(神宮)。?36歳8カ月での達成は1993年の広島・大野豊の37歳7カ月、93年の中日・郭源治の36歳10カ月に次ぐ年長3番目。544試合目での達成は、81年の日本ハム・江夏豊の668、85年の阪神・山本和行の571、93年の広島・大野の564、92年の西武・鹿取義隆の557に次ぐ5番目に遅い到達。?ヤクルトで通算100セーブ以上を挙げた投手は、高津臣吾(286)、林昌勇(128)に次いで3人目。?ホールド数は通算125で、100セーブ&100ホールドをマークしたのはヤクルトでは初。5月17日に達成した阪神・岩崎優に続く9人目。?36歳8カ月での達成は最年長で、544試合の到達は最も遅い記録となった。これまでは年齢が西武・増田達至の34歳3カ月、試合数は阪神・岩崎の520試合を上回った。

◆ヤクルト・石山泰稚投手(36)がプロ野球史上38人目となる通算100セーブを記録し、史上9人目となる100セーブ&100ホールドを達成した(通算125ホールド)。九回に5番手で登板し、1回を無安打無失点。今季10セーブ目で節目の記録に達した。初セーブは2013年8月21日の巨人戦(神宮)。石井投手コーチは2軍コーチ時代から石山を指導。同じリリーフ投手として成長を見守ってきただけに「ずっとブルペンで一緒にやってきた。1軍に上がって苦しんだ時期もありましたけど、こうやってクローザーの座を自分でつかみとって、こうして結果を残しているのは彼自身がすごく強い選手だと思いますね」と賛辞を惜しまなかった。

◆ヤクルト・中村悠平捕手(34)が1―1の八回無死一塁から代打で出場し、中前打で好機を演出。その後1死から、代打・宮本の左翼線適時二塁打で勝ち越した。手に持っていたのは「魚雷(トルピード)バット」と呼ばれる特殊な形状のバット。米大リーグで注目を集め、NPBでも今季途中から使用可能となった。バントを試みるも2度ファウルになっただけに「バントを決めたかったけど」と本音が漏れ、魚雷バットについては「使えるものは使ってやろうと」と明かした。九回は長年バッテリーを組んできた石山が通算100セーブを達成(史上9人目の通算100セーブ&100ホールド)。「コツコツとやる人だし、普段感情を表に出すことはないけど、寡黙にやっているし、大きなけがもしないし、そういったところで、一日、一日積み重ねてここまでこられている。僕も先輩を見習いたい」とたたえた。

◆ヤクルト・宮本丈内野手(30)が1―1の八回1死一、二塁から代打で出場し、左翼へ決勝の適時二塁打を放った。今季は代打で22試合に出場し、打率・400をマーク。チームの連敗ストップに貢献した。「すごくいい場面だったので、結果を出せてよかった。展開が展開だったので、行くとしたら、結構緊張感のある場面で行きそうだなというのがあったので、その中でも自分のやることを決めて(打席に)入れたのが良かったかなと思います」カウント1―1からの3球目、中日・勝野のフォークを捉えた。試合を決める一打を放った宮本を高津監督は「(前打者の岩田が)バントを失敗して、ちょっと嫌な雰囲気だった。ここで代打出すかどうかというところもいろいろ考えたんだけども、うちの切り札なので、スコアリングに行ったところで行きましたけど、なかなか簡単じゃないですね。けど、すごくいいバッティングだと思います」と目を細めた。九回は石山が1回無失点に抑えて通算100セーブを記録し、史上9人目となる通算100セーブ、100ホールドを達成。宮本はお立ち台で「石山さん、100セーブおめでとうございます。毎日変わらずに準備する姿を尊敬しています。石山さんのように後輩から尊敬されるような選手になりたいと思います」と偉業達成を祝った。

◆ヤクルト・石山泰稚投手(36)が九回を無失点に抑え、今季10セーブ目、通算100セーブを達成した。【番記者のちょっといい話】石山にとって『88年世代』の存在が、プロ13年目を戦う原動力となっている。昨年12月。坂本勇人(巨人)、前田健太(カブス)、斎藤佑樹氏(元日本ハム)ら1988年度生まれの同級生で開催された88年会に参加した。昨季限りで現役を引退した梶谷隆幸氏や元同僚の上田剛史氏ら約20人が集まり、野球談議や思い出話に花を咲かせた。「まだまだみんな元気だなと。(現役で)残っている方だと思うので頑張らないといけない。いろんな話ができて、参加できてよかった」球界を牽引してきた世代も今季で37歳。ユニホームを脱いだ選手も多くなった。同じ時代を戦ってきた〝戦友〟とオフシーズンに過ごしたつかの間の時間が、限られたプロ野球人生を過ごせる一人としての思いを強くした。「毎年、引退はあること。何とか長くできるように頑張りたい」。黄金世代を築き上げてきた仲間の思いも胸に、背番号12はまだまだ第一線で腕を振り続ける。(樋口航)

◆ヤクルト・石山泰稚投手(36)が27日、中日9回戦(神宮)で今季10セーブ目を挙げ、史上38人目の通算100セーブを達成。1点リードの九回に登板し、1回を無失点に抑えた。既に125ホールドを挙げており、史上9人目の「100セーブ、100ホールド」も達成。チームは2-1で競り勝ち、1分けを挟む連敗を5で止めた。酸いも甘いも味わってきた神宮球場で、節目の記録に達した。石山が史上38人目の通算100セーブをマーク。先発、中継ぎがつないでくれたバトンの重みを知る男は、お立ち台で大歓声を浴びて?を緩ませた。「勝てて、本当にほっとした気持ちしかない。(宮本)丈がいいところで打ったので、負けられない、負けたら怒られると思って頑張りました」八回に宮本の適時二塁打で1点を勝ち越すと、九回に登板。2死から四球で走者を出したが、上林を空振り三振に仕留めた。球団では286セーブの高津臣吾、128セーブの林昌勇(イム・チャンヨン)に次いで3人目の100セーブ。既に挙げている125ホールドと合わせて史上9人目、球団初の「100セーブ、100ホールド」を達成した。プロ13年目、通算544試合目での快挙達成となったが、謙虚な人柄を表すように反省が口をついた。「うれしいより苦しいの方が勝る。いろいろな人の勝ちを消している。特に(通算188勝の)石川さん。勝ちを何回、消したんだろうと。もう200勝をしているんじゃないかと思うこともありますね」

◆球界最年長の左腕、ヤクルト・石川雅規投手(45)が通算100セーブを達成した石山泰稚投手(36)を祝福した。同じ秋田県出身で、長きにわたりともにチームを支えてきた後輩にメッセージを送った。史上9人目の通算100セーブ、100ホールドおめでとう。本当に素晴らしいと思います。投手陣では一番年齢が近くて、同郷の後輩である石山の存在はめちゃくちゃ刺激になります。オフシーズンは同じ施設でトレーニングをしているので、すごい練習をしている姿を見ていて、僕も勉強になることが多い。口数は多い方ではないけど、本当に淡々と自分のやるべきことをやって、試行錯誤している姿には刺激をもらっています。若い投手陣、特にリリーフピッチャーはみんな石山の背中を見ている。彼がいることでブルペンが締まっていると思います。これからも1勝でも一緒に勝利を積み重ねたいです。先発としていい形で勝ちパターンの石山につなげられるように頑張ります。(東京ヤクルトスワローズ投手)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
26192 0.578
(↑0.01)
-
(-)
96161
(+1)
114
(-)
25
(-)
41
(+1)
0.246
(↓0.001)
2.160
(↑0.05)
2
(1↑)
広島
24192 0.558
(↑0.01)
1
(-)
98147
(+2)
115
(+1)
21
(-)
15
(-)
0.244
(-)
2.280
(↑0.03)
3
(1↓)
巨人
26221 0.542
(↓0.011)
1.5
(↓1)
94151
(+1)
153
(+2)
35
(-)
21
(-)
0.243
(-)
2.720
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
22203 0.524
(↓0.013)
2.5
(↓1)
98150
(-)
122
(+1)
19
(-)
25
(-)
0.234
(↓0.002)
2.420
(↑0.04)
5
(-)
中日
19252 0.432
(↓0.01)
6.5
(↓1)
97100
(+1)
144
(+2)
19
(-)
25
(+1)
0.208
(↓0.002)
2.880
(↑0.05)
6
(-)
ヤクルト
14262 0.350
(↑0.017)
9.5
(-)
101113
(+2)
174
(+1)
17
(-)
13
(+1)
0.222
(↓0.001)
3.630
(↑0.07)