広島(2対2)ヤクルト =リーグ戦7回戦(2025.05.22)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆ヤクルトは1-1で迎えた3回表、オスナの内野ゴロの間に勝ち越しに成功する。対する広島は、8回にモンテロが適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。その後は延長戦に突入するも、両軍の救援陣が得点を許さず、4時間32分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆今季7度目の延長12回の末、今季2度目の引き分けに終わった。1点ビハインドの8回に2死一塁からモンテロの右中間二塁打で追いついた。先発大瀬良は1回に先制を許すと、3回にも失点。5回2失点で降板となった。それでも6回以降は中継ぎ陣が無失点リレー。延長12回は前日の降雨中止でこの日の先発登板がなくなったドミンゲスが来日初めて中継ぎ登板して無失点に切った。

◆広島はブルペン入りした8人の中継ぎ投手を総動員し、今季2度目の引き分けに持ち込んだ。1点を追う8回2死一塁からモンテロの右中間二塁打で追いついた。今季7度目の延長戦は野手陣も上本以外のベンチ入りメンバーを起用する総力戦に、新井貴浩監督は「追いついての引き分けなので、みんな全員よく頑張ったと思います」と選手をたたえた。首位阪神に0・5ゲーム差に迫った。

◆広島ドラフト1位の佐々木泰内野手がプロ初安打を含むマルチ安打をマークした。2回2死からヤクルト小川のカーブを強振して、一塁線を破る二塁打。20日ヤクルト戦の初打席から4打席目での初安打に「狙い球ではなかったですけど、振り切った結果、いい結果が出たので良かった。ファーストストライクから仕掛けていくのが自分のスタイル」と胸を張った。6回には直球を捉えて中前打とした。

◆1打席にかける準備が、仕事人と評されるゆえんだ。ヤクルト・宮本丈内野手(30)が、プロ8年目の今季も代打の切り札として存在感を示している。「1打席しかないけど、やりようによっては内容の濃い1打席にできると思っている。1打席で4、5打席分くらいの収穫が得られるように準備をしている」今季は代打を中心に23試合に出場。代打では、打率・308(13打数4安打)、出塁率・526(成績はいずれも21日現在)。少ないチャンスで結果を残す左打者には、プロ入りから大切にする儀式がある。毎試合後に欠かさずに続けている素振りだ。「打席に入ってから一番早い時間に、そのときの感覚を忘れないように振り返りをする感じですね」きっかけは若手時代にある。宮本が入団した当初は1、2軍ともに試合後に必ず素振りを行う習慣がチームに根付いていたという。今年4月で30歳。自身の立場も理解するからこそ、準備に余念がない。「1打席でどうやったら結果を出せるかをずっと考えてやってきている」。チームでも中堅選手の位置づけとなったが、若手時代の良き習慣を継続。今でも若手に混ざって早出練習を行うなど、チーム屈指の練習の虫として知られる。主砲の村上、正遊撃手の長岡、塩見ら主力が欠く中、この日はプロ入り後初の「4番・右翼」で先発出場。一回2死三塁で回ってきた第1打席で右前適時打を放った。日々の努力を一振りで証明した。(樋口航)

◆メンバー表の交換をするヤクルト・高津臣吾監督と広島・新井貴浩監督(撮影・渋井君夫)

◆広島は二回に内野ゴロの間に、八回はモンテロの適時二塁打で1点差を追い付いた。六回から8投手が無失点リレー。新人佐々木がプロ初安打を含む2安打。小川が7回1失点と粘ったヤクルトは2番手の木沢がつかまった。

◆先発した大瀬良大地投手(33)は5回を投げ2失点。後を受けた8投手が無失点でつないだ。ドラフト1位・佐々木泰内野手(22)=青学大=がプロ初安打に初マルチを記録した。

◆2試合続けて「7番・三塁」で先発出場した広島のドラフト1位ルーキー佐々木がプロ初安打を放った。二回2死でヤクルト・小川の投じた初球のカーブを引きつけ、鋭く右翼線へ。「狙い球ではなかったけど振り切った結果。うれしかったという気持ちが一番」と振り返った。県岐阜商高、青学大で力をつけてきた右打者の武器は長打力。六回には中前打を放ったが、追い付いてなお2死二塁の好機で巡ってきた八回の打席では三振に倒れた。引き分けに終わった試合で「ああいうところで打ってこそ一流の打者」と悔しさも残った。

◆執念のドロー劇だった。セ・リーグ最下位のヤクルトは、延長十二回の末に2―2で今季2度目の引き分け。高津臣吾監督(56)は4時間32分の熱闘を終えた選手たちをたたえた。「みんなよく粘った。次の1点はなかなか取れなかったけど、みんなでつないで、守ってというところはよくできたのかなと思います」まさに、ビッグプレーだった。十一回2死一、二塁。代打・野間の打球は左翼線へ落ちかけたが、七回の守備から途中出場していた西川が快足を飛ばしてダイビングキャッチ。サヨナラ負けの危機を救い、指揮官も「大きかった。負けなかった大きな要因」と賛辞を惜しまなかった。試合は白熱した投手戦。1点リードの八回に木沢が同点に追いつかれたが、後を受けたリリーフ陣は粘り強くスコアボードに「0」を並べた。2023年シーズンから3勝23敗2分けと大きく負け越しているマツダスタジアムで、この日はチーム一丸となり何とか踏みとどまった。この粘り強さを23日からの巨人3連戦(東京ドーム)での勝利につなげたい。(赤尾裕希)

◆ドローとはいえ、ヤクルトには悔いが残る。投手が小川から木沢に代わった八回。2死無走者から同点にされたことだ。坂倉に右前打。代走に快足の羽月。続くモンテロに初球、高めのシュートを右中間にタイムリー二塁打された。盗塁を警戒するがゆえの、外国人への初球、ストレート系だったのか。勝負を急ぐことなく、なんとかして乗り切る手段はなかったのか。サンタナとオスナはすでに交代。1点を守り切るべき試合だったのだから。ただし、投手陣を責めるのは酷。少ない失点で踏ん張ったとき、打線が援護しなければいけないことは言うまでもない。マツダスタジアムではこの3年間で3勝23敗2分け。これほど相性の悪い球場は、私の監督時代にも記憶がない。むしろ現役時代から遠征は大好きだった。地元の名産品を食べられるし、ふだん会えない知人の前で頑張ろうと気合も入る。今の選手も同じはず。勝って、おいしいごはんとお酒を楽しもう! シンプルに、前向きに考えたらどうだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
23182 0.561
(↓0.014)
-
(-)
100148
(+2)
108
(+3)
24
(+1)
37
(+2)
0.248
(↓0.002)
2.260
(↓0.01)
2
(-)
広島
22182 0.550
(-)
0.5
(↓0.5)
101141
(+2)
112
(+2)
21
(-)
14
(-)
0.247
(↓0.001)
2.370
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
21183 0.538
(↑0.012)
1
(↑1)
101148
(+4)
117
(-)
19
(-)
25
(+1)
0.236
(↑0.002)
2.540
(↑0.07)
4
(-)
巨人
23211 0.523
(↑0.011)
1.5
(↑1)
98136
(+3)
147
(+2)
33
(+1)
18
(-)
0.242
(↑0.001)
2.870
(↑0.05)
5
(-)
中日
18222 0.450
(↓0.012)
4.5
(-)
10193
(-)
130
(+4)
19
(-)
22
(+1)
0.209
(↓0.004)
2.940
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
13232 0.361
(-)
7.5
(↑0.5)
105107
(+2)
159
(+2)
17
(-)
10
(-)
0.223
(↓0.002)
3.610
(↑0.08)