1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 0 |
阪神 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 4 | 12 | 1 | 1 |
勝利投手:才木 浩人(4勝3敗0S) 敗戦投手:戸郷 翔征(0勝4敗0S) 本塁打 |

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◆阪神が3連勝。阪神は初回、森下の2ランなどで3点を先制する。そのまま迎えた7回裏には、1死満塁から森下が犠飛を放ち、リードを広げた。投げては、先発・才木が9回5安打無失点の快投。今季初完封で4勝目をマークした。敗れた巨人は、打線が振るわなかった。
◆巨人戸郷翔征投手(25)が今季初勝利をかけ、今日20日の阪神戦(甲子園)の先発マウンドに上がる。2年連続で開幕投手を任された今季は5試合登板で0勝3敗、防御率8・06と苦しむが、甲子園での阪神戦と言えば昨年、自身初のノーヒットノーランを達成した舞台。思い出の地から復活への1歩を刻む。
◆2位の広島に1・5ゲーム差で首位の阪神は、首位固めを狙う。才木浩人投手(26)が先発する。甲子園での巨人戦は23年9月14日から昨年9月22日まで負けなしの5試合では4勝0敗。直近は特に相性のいい聖地での伝統の一戦で、自身2試合ぶりの白星となる4勝目をかけてマウンドに上がる。打線は前川右京外野手(22)が「6番左翼」で2試合ぶりに、梅野隆太郎捕手(33)が5試合ぶりにスタメンに名を連ねた。
◆阪神森下翔太外野手(24)が32打席ぶりの本塁打となる、今季7号先制2ランを放った。初回1死一塁。先発戸郷の145キロ直球を完璧に捉えた。快音を残して、打球は左翼スタンドへ。左翼手も追うのを諦める、会心の一発となった。7日巨人戦(東京ドーム)以来の本塁打。巨人戦では、5日の試合から4試合連発となっている。【動画】阪神森下翔太、巨人戦4戦連発となる第7号ホームラン 球団26年ぶり記録
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。岡田顧問は、いきなり冴(さ)えを見せた。初回の阪神の攻撃。1死一塁で打席に森下翔太外野手(24)を迎えた場面。試合のポイントを聞かれると「ここですよ」と即答した。話し終わった直後に、森下は先制7号2ラン。ズバリと当てる格好になり「これ、一方的な展開になりますよ。初回ね、1、2番が出ると点になるというかね。その流れがずっとあるんで。非常に大きい2点ですよね」と話した。さらに巨人の連係ミスで3点目も入り「大きいですよね。送球エラーが一番痛いんですよ」と繰り返した。
◆「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」と銘打たれた試合の前に「OB投手対決」が行われた。阪神OB能見篤史氏(45)と、巨人OB上原浩治氏(50)が、スピードガン対決で球速を競った。ともに名前がコールされると、スタンドからはどよめきや拍手が起きた。3球勝負で先攻は上原氏。現役時の登場曲である「Sandstorm」が流れる中マウンドへ。1、2球目で最速129キロをマークした。後攻は能見氏。同じく登場曲のGre4N BOYZの「刹那」が流れた。初球は125キロ、2球目は126キロ、力を込めた3球目で130キロ。勝負は最後の1球で決まり、1キロ差で能見氏に軍配が上がった。能見氏は「現役の時と違って背負うものがないので、楽しんで投げられました(マウンドから見る景色は)いいものですよ。勝敗別にしたら、もう最高ですよ」。この日先発の阪神才木浩人投手(26)については「成長の中でね、今は進化してる最中。いろんな壁はどんどん出てくる。彼自身がそれは打ち破ってくれる。少し楽しんで投げてほしい。責任感が強い」とエールを送った。上原氏は「本当に気持ち良かった。高校球児や自分らの憧れの場所ですから、そこで引退してからも投げさせてもらえるのはありがたいですね」。巨人阿部慎之助監督(46)とは「先に会って話はしました。投げた後は誰ともしゃべっていない。投げる前にいろいろとしゃべりました」と明かした。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。岡田氏は監督だった昨年、巨人戸郷翔征(25)に同じ甲子園で許した無安打無得点試合を回顧。「本当は先発した及川のプロ初安打だったんですよ。本当はノーヒットノーランじゃなかったんですよ。戸郷も内野安打と思っているのに、エラーがついて。みんなベンチに(記念の)ボールを返そうとしていたのに」今季は不振に悩む戸郷を、昨年と比較して「全然違いますね」とも断言していた。昨年の5月24日。3回、及川が打ったボテボテの打球は三塁側に転がった。戸郷が素早く処理して、一塁に投げたが、バウンドして一塁手が後逸。仮に捕球していてもタイミングは微妙だったが、記録は戸郷の「失策」となった。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。中継の中で、2人そろっての解説は初めて、と紹介された。85年4月の伝説のバックスクリーン3連発についても話題がおよんだ。掛布氏は「調子が上がらないバースが逆転3ランを打ったことで、ベンチにぐっと勢いがつきましたね。これでバースが乗ってくるだろうと。でも、バッティングの内容を考えると、岡田さんがスライダーを読み切ったのが素晴らしい。あれはある程度、読んで打っているんですか? あれは2球目でしたよね」と後輩の岡田氏に質問した。岡田氏もうれしそうに当時を思い返した。「前の2人(バース、掛布)が左なんで、あまり配球は見なかったですね。スライダーは多いだろうと。2球目です。2人が打って、お客さんがやかましいから、1球目は打たなかったんですよ(笑い)。僕はシーズンの1号。バースも1号で。バース打ったなあと、取り残されているという感じでしたね」と振り返った。
◆野手陣が無駄のない中継プレーで先発才木を助けた。4回2死から中山の放った打球は右中間フェンスに直撃。中山は一気に二塁を回った。まず捕球したのは中堅近本。捕球後、即座に二塁ベース後方付近の中野に送球した。受けた中野も素早く送球へ移り、三塁佐藤輝のもとに投げた。間一髪のタイミングで中山を三塁タッチアウトに仕留めた。才木は4回まで無失点を継続している。
◆巨人のエース戸郷翔征投手(25)が、4回6安打3失点(自責2)で、またしてもKOされた。首位を走る阪神打線に初回から3失点でつかまった。1回1死、森下に左翼席へ先制2ランを浴びた。続く佐藤輝には直球が抜けて四球。大山に左前打されて1死一、二塁。前川は一ゴロに打ち取ったが、味方の失策が絡み、追加点を許した。試合前は「いや、もうね、やっぱり1人1人アウトを取ることを意識しながら、もうここまで来たらやるしかないんで。もちろん勝ちもほしいですけど、まずはチームが勝てるように自分のピッチングをできれば一番かなと思います」と話していた。甲子園は昨季の5月24日阪神戦でノーヒットノーランを達成した思い出の地でもあった。あれから1年。最高の思い出、最高の投球をイメージしてマウンドに上がったが、1年前とはかけ離れた姿だった。戸郷は今季、2年連続での開幕投手を託されるも、本来の投球とはならずに未勝利が続く。4月11日広島戦で4回途中10失点と大炎上し、2軍再調整。5月5日阪神戦から1軍に復帰したが、失点を重ね白星をつかめずにいる。阿部監督は「エースがやっぱり勝てないとチームは浮上できないから、勝っていいきっかけにしてほしい」と話していた。戸郷が今季6試合目も勝てずに0勝4敗。巨人の開幕投手が6試合投げて未勝利は52年藤本、66年金田、74年高橋一、23年ビーディに次いで5人目となり、開幕4連敗は74年高橋一9連敗、23年ビーディ6連敗に次いで3人目。高橋一の初勝利は18試合目、ビーディは0勝6敗でシーズンを終了したが、戸郷の初勝利はいつになるか。
◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)が34日ぶりの1軍戦先発に臨む。21日巨人戦(甲子園)に先発予定。巨人とは4回から3イニング無失点の好救援を見せた、5日以来の対戦となる。今季は開幕ローテーション入りしながらも、4月17日ヤクルト戦以降はブルペン待機を挟みながら登板を継続。「自分の中では何も変えず、ケガだけないように。いつでも良い状態でできるように、というのを変わらず取り組んでいるよ」と胸を張って挑む。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。解説の中盤で、話題のトルピードバット(通称、魚雷バット)について言及。岡田氏は「無理ですねえ。やっぱりヘッドが重くないと無理ですねえ。(現役時代にあっても)使わないと思いますね」ときっぱり。「あの形で、思ってるよりも違う角度で飛んで行くと思う、なんかね」と予測した。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。視聴者からの「佐藤輝明選手は覚醒しましたか?」の問いに「まだ100試合あるんでね。今年最後まで見ましょう、ですね」と冷静に話しながらも、本塁打王のタイトル獲得の可能性に言及。「ホームラン王はとれますよ。(巨人)岡本がケガしてね、(ヤクルト)村上がこういう状態ですから、対抗馬がいないですよね。打点は分からないですけど」と太鼓判を押した。「去年までは波の多い選手だったので、そのへんは悪い時を少なくすれば」と助言を送り、佐藤輝の守備について問われると「守備とバッティングって内野手って連動感があるんでそこでしょうね。今はエラーしてもこの数字残してたらみんなから文句言われないですよ」と語った。掛布氏も佐藤輝が本塁打王となる可能性に「今年は大いにチャンスあると思います。今年とらなければいけないと思います」と力強く言った。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。ともに85年の日本一に貢献した阪神OB。2人そろっての解説は初めて、と紹介された。視聴者からの「2人で解説してみて、どうですか」という質問には2人で笑って答えた。掛布氏が「しゃべりやすいよね」、岡田氏が「普通にしゃべっているだけですよ」と言うと、掛布氏が1歩踏み込んだ。「僕はオカって言いますけど。仲が悪いんじゃないかと言われますけど、いつもこんな感じで話していますよ」と打ち明けた。岡田氏も笑って「イニングの間はもっといい話、言えない話をしているんですけどね(笑い)」と明かし、掛布氏は「ちょっと暴走するから(笑い)」と応じた。
◆阪神が甲子園での「伝統の一戦」で完封勝ちし、貯金を今季最多の7とした。これで今季巨人戦を10試合を終えて8勝2敗と大きく勝ち越す形となった。先制は、森下翔太外野手(24)の巨人戦4戦連発となるアーチだった。初回1死一塁。先発戸郷の145キロ直球を完璧に捉えると、打球は左翼スタンドへ。左翼手も追うのを諦める、会心の先制2ラン。なおも2死一、二塁で、前川の打球が敵失を誘い、初回から3点先制に成功した。虎戦士の巨人戦4試合連続本塁打は99年4~5月のジョンソン以来26年ぶり。「才木さんを楽にするためにも、初回から先制できて良かったと思います」とコメントした。その後両軍無得点が続いていたが、木浪の中前打、近本の右前打、中野の四球でつくった1死満塁の好機で、再び森下が4点目の中犠飛。終盤に相手を突き放す大きな追加点となった。先発の才木浩人投手(26)は昨年6月2日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、プロ5度目の完封勝ちで今季4勝目。自身の甲子園での巨人戦の連勝も、23年9月14日から5連勝に伸ばした。【動画】阪神森下翔太、巨人戦4戦連発となる第7号ホームラン 球団26年ぶり記録
◆阪神大山悠輔内野手(30)が「風」にも助けられ、今季初の3安打猛打賞を決めた。2安打で迎えた8回先頭。船迫に対し、1ボール2ストライクから放った打球は三塁ファウルゾーンに高々と打ち上がった。球場からため息が漏れる中、浜風が吹いた甲子園。打球は大きく戻され、三塁手中山の落球でファウルとなった。大山は集中力を切らさず、直後に投じられた105キロ変化球をキッチリ左前へ。今季41試合目で初の3安打となった。
◆阪神先発の才木浩人投手(26)が、今季初完封で4勝目を手にした。初回からいきなり1死二塁のピンチを背負うも、巨人吉川を三ゴロ、キャベッジに四球を与えるも続くヘルナンデスを空振り三振でピンチ脱出。直後の裏の攻撃で味方打線が3点を先制した。2回以降は走者を出す場面もありつつ無失点。9回を投げきり、完封勝利となった。甲子園での登板は8回1失点で敗戦投手となった4月8日ヤクルト戦以来、約1カ月半ぶり2度目。今季はここまで白星を挙げていなかった久しぶりの聖地で快投を見せた。甲子園での巨人戦は、23年9月14日から昨年9月22日までの5試合では4勝0敗と直近は負けていない。対巨人の前回は6日の東京ドームで5回無失点の勝利投手。巨人戦では昨年8月31日の試合(甲子園)の2回から26イニング連続無失点となった。完封勝利は昨年6月2日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来プロ5度目で今季初となった。
◆確信の喜びガッチリとすくいあげた森下翔太が第7号ホームラン?プロ野球(2025/5/20)??阪神×巨人??Live on DAZN #オレをみろ#阪神タイガース pic.twitter.com/b5lCIjHWYW
◆巨人が3連戦の初戦を落とし、対阪神戦で2勝8敗となった。エース戸郷翔征投手(25)が初白星を目指して6度目の先発マウンドに臨んだが、4回6安打3失点でKO。首位を走る阪神打線に初回からつかまった。森下に先制2ラン、さらに味方の失策も絡んで3失点。4回に代打を送られて降板となった。打線は阪神才木の力強い直球に手を焼き、好機を作れない展開。4回二死からは好調の中山礼都内野手(23)が左翼線を破るも、三塁でタッチアウトとなるなど、本塁が遠かった。阿部慎之助監督(45)は「(才木に)いい投球されたかもしれないけど、速い真っすぐをなかなか打ち返すことができなかった。先頭打者が今日1回も出塁できなかった。そういうのも、シーズン通しての課題かなと思います」貯金はなくなり、勝率5割。首位阪神とは3・5ゲーム差に広がった。戸郷が今季6試合目も勝てずに0勝4敗。巨人の開幕投手が6試合投げて未勝利は52年藤本、66年金田、74年高橋一、23年ビーディに次いで5人目となり、開幕4連敗は74年高橋一9連敗、23年ビーディ6連敗に次いで3人目。高橋一の初勝利は18試合目、ビーディは0勝6敗でシーズンを終了したが、戸郷の初勝利はいつになるか。
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)が毎日放送の生中継でダブル解説を務めた。2人そろっての解説は初めて、と紹介された。岡田氏は4点リードで入った8回の阪神の攻撃について熱っぽく語った。無死一、二塁から7番の梅野隆太郎捕手(33)が犠打をしたことに疑問符。完封がかかる9回のマウンドを控えた才木浩人投手(26)は、打席での負担を減らすべきという見解を示した。「阪神は4-0で勝てるんですよ。次の1点いらないんですよ。完璧に勝とうとしなくていいんです。これ、(8番の)木浪がアウトになったら、才木に打てと言うんですか。8番、9番にチャンス回す必要ないんですよね。俺だったら才木に三振せえ言いますよ。当たり前ですよ」と語気を強めた。「これだと才木、絶対打ちますよ」とスイングをかけにいくと予想した才木は、その通りしっかり振りにいき、併殺打に倒れた。
◆快挙から361日後の甲子園に、復活の糸口を探した。巨人戸郷翔征投手(25)が4回6安打3失点(自責2)で4敗目。またも今季初白星ならずも、「良いものは徐々に出せてきている」と好感触を得た。初回、阪神中野に左前打を許すと、続く森下に145キロ低めの真っすぐを強打され、一直線に左翼席に運ばれた。「森下のすごさを、また気付いた」と反省したが、手応えは2回以降。得点圏で今度は森下を三振切りし、3回には課題の直球で大山から併殺打も奪った。イニングを重ねるごとに向上を感じた。24年5月24日、甲子園で自身初のノーヒットノーランを達成した。約1年後、厳しい結果は続く。「負けは悔しい」と勝利をつかめない。巨人の開幕投手が、先発で6試合を終えて白星がつかないケースは、開幕から9連敗した74年の高橋一三以来。エースとして「次勝てるように」と力を込める。阿部監督も「すごく状態は上がってきてる。なんとか1勝してほしい」と願う。67球と余力を残し、次戦は中4日で25日のヤクルト戦(東京ドーム)へ。「気合入れていろいろなところを見つめ直していけたら」と黒星を断ち切る。【阿部健吾】
◆阪神熊谷敬宥内野手(29)に今季初安打が出た。前川に代わって7回から左翼の守備へ。8回無死一塁の打席で、プッシュバント気味に一塁前に転がしたところ、相手の連係ミスも誘って一塁セーフになった。「ヒットになってくれたので、よかった。常にベンチから(スタート)ですけど、気持ちの準備をしているので、出されたところでしっかり結果出せれば」と頼もしかった。
◆巨人が首位阪神に力負けした。初回に3点を先制されると、相手先発の才木の前に1度も先頭打者を出せずに散発5安打無得点。今季5度目の完封負けでカード初戦を落とした。阿部監督は「なかなか大量点を取れる打線じゃない。痛い失点になってしまった。ミスもあったし、そういうことしてるようじゃ勝てない」と振り返った。
◆阪神大山悠輔(30)内野手が今季初の3安打をマークした。初回は森下の先制2ランのあとに左前打。再びチャンスを作る一打で、敵失による大きな3点目につなげた。6回と8回はともに先頭で左前打で出塁した。いずれも大山らしく三遊間を鋭く抜いていく当たり。前の広島戦から安打を増やしてきた5番打者は「チームが勝ったので、それが一番良かったです」とホッとしたような表情で引き揚げた。
◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が、才木の今季初完封をがっちり支えた。調子のいい直球が軸になると判断し、変化球の使いどころを工夫。9回まで打者を押し切った。「1人ずつ丁寧に、大胆に投げてくれた。今までは変化球とかが決まらなくて、球数がかかることが多かったけど、押し込めたのが大きかった。完封はバッテリーの目標。ナイスピッチングでした」と充実感に浸った。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が好調をキープした。森下の先制2ラン直後に回ってきた初回の第1打席ではフルカウントから四球を選び、その後3点目のホームを踏んだ。3-0の3回先頭では、巨人戸郷のスライダーを左前に運んで4試合連続安打。「飛んだところが良かった」と謙虚に振り返ったが、5月は全15試合で4番に座り打率3割2分2厘と好調を維持している。
◆虎のリードオフマン、阪神近本光司外野手(30)が走攻守で躍動した。まずは「守」。3点リードで迎えた4回2死、巨人中山が放った打球は右中間フェンスを直撃した。中堅近本はすばやく捕球すると、二塁ベース後方付近の中野へ送球。三塁佐藤輝へとつないで、三塁タッチアウト。「自分のやることをしっかりやっただけです」と冷静に振り返ったが、息の合ったプレーでピンチの芽を摘んだ。次は「攻」。5回先頭で巨人2番手石川から左前打をマークすると、7回1死二塁で、3番手馬場の外直球をはじき返し右前打。4点目につながるチャンスを広げた。「しっかり打線となって。打線で1点取れたんじゃないかなと思います」。自身の役割として納得の一打。今季15度目の複数安打を放ち、これで通算1000安打へあと14。カウントダウンも目前だ。さらに「走」。7回1死一、三塁で、次打者中野の初球に迷わず走って二盗に成功。これで19年のルーキーイヤーから7年連続の2ケタとなる10盗塁目に到達した。「けがなくここまできてるんで、よかったと思います」。淡々と振り返る姿にも頼もしさがにじみ出る。守って、打って、走って、好調な猛虎の野手陣ををけん引する。【磯綾乃】
◆快挙から361日後の甲子園に、復活の糸口を探した。巨人戸郷翔征投手(25)が4回6安打3失点(自責2)で4敗目。またも今季初白星ならずも、「良いものは徐々に出せてきている」と好感触を得た。初回、阪神中野に左前打を許すと、続く森下に145キロ低めの真っすぐを強打され、一直線に左翼席に運ばれた。「森下のすごさを、また気付いた」と反省したが、手応えは2回以降。得点圏で今度は森下を三ゴロに仕留め、3回には課題の直球で大山から併殺打も奪った。イニングを重ねるごとに向上を感じた。24年5月24日、甲子園で自身初のノーヒットノーランを達成した。約1年後、厳しい結果は続く。「負けは悔しい」と勝利をつかめない。巨人の開幕投手が、先発で6試合を終えて白星がつかないケースは、開幕から9連敗した74年の高橋一三以来。エースとして「次勝てるように」と力を込める。阿部監督も「すごく状態は上がってきてる。なんとか1勝してほしい」と願う。67球と余力を残し、次戦は中4日で25日のヤクルト戦(東京ドーム)へ。「気合入れていろいろなところを見つめ直していけたら」と黒星を断ち切る。【阿部健吾】戸郷が今季6試合目も勝てずに0勝4敗。巨人の開幕投手が6試合投げて未勝利は52年藤本、66年金田、74年高橋一、23年ビーディに次いで5人目となり、開幕4連敗は74年高橋一9連敗、23年ビーディ6連敗に次いで3人目。高橋一の初勝利は18試合目、ビーディは0勝6敗でシーズンを終了したが、戸郷の初勝利はいつになるか。
◆阪神森下翔太外野手(24)が巨人戦4戦連発となる決勝の7号2ランを放った。初回1死一塁。巨人戸郷の145キロ直球を完璧に捉えて左翼スタンドへ運んだ。阪神では99年ジョンソン以来、26年ぶりとなる巨人戦での4試合連続本塁打。掛布&岡田のレジェンドが見守る聖地で、若虎が躍動した。チームは3連勝。2位広島とは1・5ゲーム差と変わらないが、今季最多の貯金7とした。森下が笑顔になった。両手でバットを握ったまま高く上がった打球の行方を見つめ、ゆっくり歩き始めた。バットを置き一塁を過ぎた後、阪神ベンチをチラっと見てにやり。ファンが初回から大盛り上がりする中でダイヤモンドを1周した。「初球のカーブをいい形で見逃せていたのでゾーンだけを意識して打った」初回1死一塁の1ボールから先発戸郷の内角低め145キロ直球を捉え、左越えに先制7号2ラン。「初回の3点がすごく大きかったと思うので先制点を大切にしていきたい」。同右腕から対戦2試合連続本塁打。99年4~5月のジョンソン以来、球団26年ぶりの巨人戦4戦連発を決めた。前回5日からの敵地3連戦では初戦の4回に戸郷から同点ソロを放ち、2、3戦目はともに2ランで3戦連続アーチとした。巨人には今季ここまで10試合で打率4割5厘を誇る。7回には1死満塁から中犠飛と、貴重な追加点で1試合3打点。宿敵相手に無類の勝負強さを発揮する。チームは開幕から巨人と10試合を終えた時点で8勝2敗。球団史をさかのぼっても史上初の勝ちっぷりだ。藤川監督が「特に思い入れが強い対戦カード。タイガースの先輩からずっと教わってきたものがありますから」と話すほど重要な伝統の一戦。この日は掛布OB会長、岡田オーナー付顧問がテレビ中継のダブル解説を務めた。森下の放物線は打倒巨人に闘志を燃やしてきたレジェンドたちが見守る前で、意味のある大きな1発となった。チームは今季最多の貯金7。2位広島と1・5ゲーム差で首位をキープする。この日も含めてリーグ最多今季7度の決勝打を放つ虎の3番。「次も絶対に勝って、いい形で3戦目にいきたい」。YGマークを前にすると自然と燃え上がる。猛虎の魂を宿す背番号1が、ライバルとの一戦でまた強さを見せつけた。【塚本光】森下が5月5日の7回戦から巨人戦で4戦連発。巨人戦で4試合連続本塁打は23年20~23回戦の末包(広島)以来で、阪神で4試合以上は68年8~11回戦のカークランド、73年1~5回戦の田淵(5試合)76年17~20回戦の田淵、82年10~14回戦の掛布(5試合)91年1~4回戦の八木、99年2~5回戦のジョンソンに次いで6人、7度目。今日の試合で19年14~18回戦のバレンティン(ヤクルト)まで7人がマークした5戦連発の記録に挑戦する。
◆阪神中野拓夢内野手(28)が攻守で存在感を示した。初回に戸郷から左前打で出塁。「早い段階でヒットが打てたので良かった」と森下の2ランをお膳立てすると、2回にも右前打でマルチ安打とした。守備でも4回に右中間の打球で一気に三塁を狙った中山を中継プレーで三塁タッチアウトにした。「森下がサードと声を出してくれていたので迷いなく投げられた。輝がよくタッチしてくれた」と満足げだった。
◆阪神森下翔太外野手(24)が巨人戦4戦連発となる決勝の7号2ランを放った。初回1死一塁。巨人戸郷の145キロ直球を完璧に捉えて左翼スタンドへ運んだ。阪神では99年ジョンソン以来、26年ぶりとなる巨人戦での4試合連続本塁打。掛布&岡田のレジェンドが見守る聖地で、若虎が躍動した。チームは3連勝。2位広島とは1・5ゲーム差と変わらないが、今季最多の貯金7とした。森下が笑顔になった。両手でバットを握ったまま高く上がった打球の行方を見つめ、ゆっくり歩き始めた。バットを置き一塁を過ぎた後、阪神ベンチをチラっと見てにやり。ファンが初回から大盛り上がりする中でダイヤモンドを1周した。「初球のカーブをいい形で見逃せていたのでゾーンだけを意識して打った」初回1死一塁の1ボールから先発戸郷の内角低め145キロ直球を捉え、左越えに先制7号2ラン。「初回の3点がすごく大きかったと思うので先制点を大切にしていきたい」。同右腕から対戦2試合連続本塁打。99年4~5月のジョンソン以来、球団26年ぶりの巨人戦4戦連発を決めた。前回5日からの敵地3連戦では初戦の4回に戸郷から同点ソロを放ち、2、3戦目はともに2ランで3戦連続アーチとした。巨人には今季ここまで10試合で打率4割5厘を誇る。7回には1死満塁から中犠飛と、貴重な追加点で1試合3打点。宿敵相手に無類の勝負強さを発揮する。チームは開幕から巨人と10試合を終えた時点で8勝2敗。球団史をさかのぼっても史上初の勝ちっぷりだ。藤川監督が「特に思い入れが強い対戦カード。タイガースの先輩からずっと教わってきたものがありますから」と話すほど重要な伝統の一戦。この日は掛布OB会長、岡田オーナー付顧問がテレビ中継のダブル解説を務めた。森下の放物線は打倒巨人に闘志を燃やしてきたレジェンドたちが見守る前で、意味のある大きな1発となった。チームは今季最多の貯金7。2位広島と1・5ゲーム差で首位をキープする。この日も含めてリーグ最多今季7度の決勝打を放つ虎の3番。「次も絶対に勝って、いい形で3戦目にいきたい」。YGマークを前にすると自然と燃え上がる。猛虎の魂を宿す背番号1が、ライバルとの一戦でまた強さを見せつけた。【塚本光】阪神が巨人に勝ち、今季対戦成績を8勝2敗とした。対巨人戦で10回戦時に8勝を挙げたのは球団初。これまでは7勝が最多だった。日本一になった23年はシーズン最多の巨人戦18勝(6敗1分け)を挙げたが、同年でも10回戦時は7勝3敗だった。23年を上回るペースで、今後もライバル巨人に勝ち続けることはできるか?
◆阪神が甲子園での「伝統の一戦」で完封勝ちし、貯金を今季最多の7とした。これで今季巨人戦を10試合を終えて8勝2敗と大きく勝ち越す形となった。阪神が巨人に勝ち、今季対戦成績を8勝2敗とした。対巨人戦で10回戦時に8勝を挙げたのは球団初。これまでは7勝が最多だった。日本一になった23年はシーズン最多の巨人戦18勝(6敗1分け)を挙げたが、同年でも10回戦時は7勝3敗だった。23年を上回るペースで、今後もライバル巨人に勝ち続けることはできるか?
◆阪神掛布雅之OB会長(70)と岡田彰布オーナー付顧問(67)がMBSのテレビ中継でダブル解説を務めた。岡田氏は初回、森下の場面で試合のポイントを聞かれると「ここですよ」。直後、先制弾が飛び出した。2人での解説は初めてだが息ぴったり。掛布氏が「仲が悪いんじゃないかと言われますけど、いつもこんな感じ」。岡田氏も「イニングの間はもっと、言えない話をしている」と笑わせた。
◆最後のアウトを奪うと、阪神才木浩人投手(26)の笑みがはじけた。今季最多129球を投げきり、9回5安打無失点。巨人戦で自身初の完封勝利を挙げた。「完封は相手関わらずうれしいけど、甲子園もそうだし、伝統の一戦でできたのはすごくうれしいです」序盤2イニングで43球を要しながらも、3回以降にペースアップ。100球を超えた9回は2死一、二塁を招いたが、最後はリチャードを遊ゴロに仕留めた。2回には一塁への内野安打で今季初安打も決めた。メジャー球団のスカウト陣も視察した中、堂々の今季4勝目。巨人戦は今季2戦2勝で、甲子園では23年9月14日から6試合で無傷の5勝0敗となった。今季も「Gキラー」ぶりは健在だ。この日は才木にとって縁の深い、OB能見篤史氏(45)が来場していた。才木自身、幼少期は1人の野球少年として甲子園で観戦。当時はあまりプロ野球に興味はなかったが、おぼろげながら残っている記憶がある。「能見さんが投げているのは覚えてますね...」。中学3年時には参加した野球教室で、直接指導を受けたこともある大先輩。この日は試合前の取材で、エールを送られていた。能見氏 今は進化してる最中。いろんな壁はどんどん出てくる。彼自身が、それは打ち破ってくれると思う。もう少し楽しんで投げてほしいなとは思うんですけどね。言葉を受けた才木自身は「すごくありがたい」と感謝を口にした。今季はこの試合まで3勝3敗。納得のいく登板ばかりではなかった。「今年の、自分の登板の姿を見て思ったことだと思う。見てくれているんだと思いますし。初心に返ってじゃないけど、今日はどんどん思い切っていこうという感じでいけたので。ありがたいなと思います」。能見氏も現役時代は巨人戦に強かった。かつて見た先輩と同じように大観衆の前でG倒を決めた。【波部俊之介】
◆阪神藤川監督一問一答-森下の久々の本塁打は本人にとっても大きい「そうですね。日曜日から状態も上がっていましたし、相手チームのまた攻め方が変わってきている頃でしたから、それをまた1発で仕留めたというのはさすがというところですね」-森下は試合の流れを持ってくる勝負強さがある「常にアグレッシブな打者ですから。誰もが想像しないプレーもする選手ですから心強いですね。きょうはね(笑い)。またあした以降は新しい日ですから。みんながフラットな状態でゲームに臨まなければいけないなと思います」-相手のミスもあったが、初回に3点取って試合を優位に進められた「エース同士の投げ合いですしね。やっぱり3点というのは両チームともに重かったのかもしれないですね」-才木は今季初完投を完封で飾った「村上という投手の同学年がいますから、切磋琢磨(せっさたくま)をしながら。みんなで昇っていってくれればなと思います」-村上とダブルエースとして引っ張ってほしい「3人でも4人でもいいんですけど(笑い)。本当にみんなで。同じゲームで投げることはないですから。みんなで高め合っていくことがチームを預かる側としては目指すところです」
◆才木らしい言葉だった。今季難病から1軍復帰した湯浅京己は、かつてリハビリ期間をともにした間柄だ。昨季の球宴前にはカーペットショー用の白い衣装をともに買いに行くなど、普段から仲の良い後輩。今回の復帰を受け、どのような声をかけたのかを尋ねた。「『うぇーす。よろしくー』ぐらいです」冗談めかして聞こえるが、言葉の真相はおちゃらけでも照れ隠しでもなかった。自身も過去には右肘のトミー・ジョン手術を経験。約2年間のリハビリ生活を送った。特別な言葉をかけなかったのは、心情が分かるからだった。「自分がリハビリ終わって上がった時に周りから『頑張ったな、絶対しんどかったよな』みたいに言われたいと思わなかった。その苦労は本人にしか分からないから。一緒に野球できるのが一番。特別な言葉はいらないと僕は感じるタイプなので」短く軽いあいさつには、才木からのエールが詰まっていた。【阪神担当 波部俊之介】
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は「4番・三塁」で先発する佐藤輝明内野手(26)に注目。ここまで巨人戦では開幕から3カード連続で本塁打を放つなど、4本塁打、10打点と好相性を誇る。巨人戦で開幕から4カード連続本塁打となれば、球団では1979年の掛布雅之氏以来、46年ぶり。伝統の一戦で躍動する主砲が豪快なアーチをかけ、先発する同学年の才木を援護する。
◆「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」として行われる今カード。試合前にはOB投手対決として、阪神OB・能見篤史氏(45)と巨人OB・上原浩治氏(50)が登場。3球勝負のスピードガン対決が行われ、能見氏が逆転で勝利を収めた。上原氏は「Sandstorm(Darude)」、能見氏は「刹那(GRe4N BOYZ)」と、互いに現役時代の登場曲とともに名前がコールされると、甲子園球場からは大歓声が上がった。先攻・上原氏が129キロ、129キロ、127キロを記録。後攻の能見氏は125キロ、126キロだったが、ラスト1球で130キロを記録し、見事に勝利を飾った。登板後取材に応じた能見氏は「背負うものがないので、楽しく投げられました。ジャイアンツにはどこか、負けてはいけないという雰囲気を球場が作ってくれる。勝てば本当に楽しい。負けたら大変です」と笑顔。この日の先発を務める才木には「成長段階で出てくる壁は打ち破っていくと思うので、楽しんで投げてほしいなと思う。責任感が強いのでね。そこは本人が気付いていくのがいいと思います」とエールを送った。
◆阪神・森下翔太外野手(24)が強烈な先制パンチだ。一回1死一塁の第1打席。戸郷の145キロ直球を完璧に捉えた。打った瞬間、スタンドインを確信。打球は左翼席中段へと突き刺さった。7日の巨人戦(東京ドーム)以来の7号2ラン。巨人戦4試合連続の一発で序盤の主導権を奪った。森下は「打ったのはストレート。コントロールの良いピッチャーなので、ファーストストライクから積極的に打ちにいった結果、しっかり自分のスイングができました。才木さんを楽にするためにも、初回から先制できて良かったと思います」とコメントした。
◆虎の1、2番コンビが守備で魅了した。四回表、2死で巨人・中山の打球は右中間を真っ二つ。二塁をけって三塁へと向かう中山に対し、阪神は素早く打球を処理した中堅手の近本から二塁手・中野へと流れるようなカットプレーを演じた。白球は中野から三塁手の佐藤輝へ。無駄のない中継プレーで、中山をタッチアウトに仕留めた。
◆巨人・戸郷翔征投手(25)が先発し、今季6試合目で初めて岸田とバッテリーを組んだ。開幕から3試合は甲斐、その後2試合は大城卓が女房役となったが、0勝3敗、防御率8.06と振るわず。2024年5月24日の阪神戦(甲子園)でノーヒットノーラン(無安打無得点試合)をともに達成した岸田がマスクをかぶった。約1年前に偉業を達成した聖地のマウンドへ「いいイメージで入れる」と話していた右腕だが、一回に3失点。1死一塁から3番・森下に直球を捉えられ、左越え先制2ランを浴びた。その後味方の失策も絡んで追加点を献上し、苦しい立ち上がり。四回6安打3失点で降板した。今季は2年連続の開幕投手を務めたが、4月11日の広島戦で自己ワーストとなる四回途中10失点でKO。2軍再調整も経験するなど、思い通りにいかない日々が続く。白星も遠く、阿部監督から助言を受けたフォークボールは握りを浅くし「球速が変わって、バッターの目線も変われば」と試行錯誤を重ねてきた。指揮官も「エースに一つ勝ち星がつくとチームも変わる。エースが勝てないとチームが浮上できない」と期待を寄せる。リーグ連覇には、背番号20の復活が必要不可欠だ。(原田優介)
◆阪神が完勝で3連勝とした。一回に森下翔太外野手(24)の2ラン本塁打で先制し、さらに相手の守備の乱れで1点を加えて3-0とリードした。七回には木浪聖也内野手(30)、近本光司外野手(30)の安打などで1死満塁を得ると、森下が中犠飛を放って1点を加えた。先発・才木浩人投手(26)は巨人打線を5安打完封で4勝目を挙げた。
◆戸郷翔征投手(25)が先発し、4回6安打3失点で降板し、4敗目を喫した。「初回は良くなかったですけど、その後の得点圏のピッチングだったりとか四回のピッチングも良かった。いいものは徐々に出せてきている」一回1死一塁から森下に左越え2ランを浴び、計3失点。67球でマウンドを降りた。次回は中4日で25日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発する可能性が浮上した。
◆4位の巨人は今季5度目の零封負けで2連敗。阪神・才木に5安打完封を許し、阿部慎之助監督(46)は「いい投球をされたかもしれないけど、速い真っ直ぐをなかなか打ち返すことができなかったよね。先頭打者が今日1回も(塁に)出られてなかった。そういうのもシーズン通しての課題かなと思います」と振り返った。先発した戸郷は一回に森下の2ラン、遊撃・泉口の適時失策で3失点の立ち上がりも二回以降は無失点だった。指揮官は「今日の打線を見てもらえば分かるけど、大量点とか取れる打線じゃないから痛い失点になっちゃったよね。そん中でミスもあったし、そういうことしているようでは勝てないよな」と嘆きつつ、今季6戦でいまだ勝利がないエースについては「すごく状態は上がってきていると思う。なんとか1勝してほしい。本当にその気持ちだけ」と次戦に期待した。
◆阪神が6度目の完封勝利で貯金を今季最多の「7」とした。一回1死一塁、戸郷翔征投手(25)から、森下翔太外野手(24)が巨人戦4試合連続アーチとなる7号本塁打で2点を先取。さらに敵失で3点目を挙げた。七回1死満塁では森下の中犠飛で加点した。大山悠輔内野手(30)は今季初の1試合3安打。129球を投げ、5安打6三振2四球で4勝目(3敗)を挙げた才木浩人投手(26)は24年7月30日(甲子園)からの巨人戦連勝を「5」とした。チームは3連勝。
◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は、才木の初完封と元気のない巨人打線について言及した。完封した才木をほめたいと思うが、その前段として巨人の元気のなさ、打線の重みのなさはどうしたことか。中軸に故障者が出たのが影響しているのは分かるが、長く「伝統の一戦」をみてきて記憶にないぐらいだ。怖さのない打線だから、才木の高めの威力のある球に押されて、ことごとく打ち損じたり、空振りしたり。うまく対応されたなと感じるシーンはなかった。どんな投手も苦労する立ち上がりは案の定、制球が定まらなかったが、三回あたりから立ち直ると、一気に九回まで投げ切ったという感じ。村上の2完封に続いて実績のある才木も初完封。安定感のある柱が2枚いる阪神の強さは際立つ。再び巨人の話になるが、阪神が勢いに乗ることができ巨人がガックリきたのが一回の3点目だ。3-6-3併殺でチェンジだったはずが、一塁・リチャードがベースカバーを躊躇(ちゅうちょ)して、投手の戸郷が慌てて入って送球をそらした。この1点が勝敗を決した。阪神の守備は、こういう隙を見せない。〝投守〟に充実しているので、安定した戦いが継続できるだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆4位の巨人は才木に5安打完封を許し、今季5度目の零封負け。対阪神は今季2勝8敗と苦手を克服できない。阿部慎之助監督(46)は、4回3失点の戸郷にまたも今季初勝利がつかなかったことを嘆いた。「大量点を取れる打線じゃないから痛い失点になっちゃった。その中で(守備の)ミスもあった。そういうことをしているようでは(チームは)勝てないよな」今季6度目の登板で初勝利を目指したエースは一回に森下の2ラン、遊撃・泉口の適時失策で3失点を許すも、二回以降は無失点。指揮官は「すごく状態は上がってきている。なんとか1勝してほしい。本当にその気持ちだけ」と復調の兆しを感じ取った。27日からの広島戦が2連戦のため、先発ローテーションが再編される。戸郷は中4日で25日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発することが決まった。4敗目を喫した戸郷は「満足することはないけど、いいものは徐々に出せてきている。次、勝てるように頑張りたい」と前を向いた。(谷川直之)
◆27個目のアウトを見届けると、自然と右手を突き上げた。魂の129球-。きれいに「0」を並べ続けたスコアボードに阪神・才木浩人投手(26)は自然と笑みがこぼれた。「もちろん先発なら、完封というか、完投。投げ切りたいって思いはあるんで。きょうみたいなピッチングは続けてできればよりいいかなと思ってます」一回から内野安打や四球で2死一、二塁のピンチを作るなど、二回までに43球を費やした。しかし「すごい球数使っちゃったんで、とりあえずストライク先行で打たせていこうかなっていうところで。その通りにいけたかなと思います」と切り替えた。昨年6月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来、通算4度目で今季初の完封。甲子園では2023年6月4日のロッテ戦以来の完封だ。宿敵巨人相手には昨年7月30日(甲子園)から自身5連勝で、同年8月31日の一回に2点を失ったのを最後に26イニング連続無失点を継続中だ。「タイトルは全部取る」-。鼻息荒く意気込んだシーズンだったが、初登板から2試合は黒星が続いた。そんなときに同学年の村上に「去年いつぐらいに勝った?」と相談を持ちかけた。村上も24年は7勝11敗と不本意なシーズンだっただけに、その経験と心境が聞きたかった。最後は2人で「負けてもクオリティースタート(6回以上を投げ自責3以内)であったり、役割は果たせるように。負けがついても最優秀防御率取ったらかっこよくね?」と意見が一致し、前を向いた。これで才木も4勝目(3敗)となり防御率は1・99。タイトル総ナメへ向けた一番のライバルは、リーグ単独トップ6勝を挙げ防御率1・87(リーグ6位)の村上という、これ以上ない関係性だ。藤川監督も「それはもう村上という投手の同級生がいますから。いい意味で切磋琢磨をして、みんなで昇っていってくれればなと思います」と虎のWエースに大きな期待を寄せた。これで才木は、巨人戦でカード別最多の11勝目となり「完封は相手にかかわらずうれしいですけど、甲子園もそうですし『伝統の一戦』と言われるところでできたのはすごくうれしい」と実感を込めた。敵にも味方にも刺激され、才木はもっともっとたくましくなる。(渡辺洋次)
◆正真正銘の「新Gキラー」や! 阪神は4-0で巨人に快勝。森下翔太外野手(24)が一回に7号2ラン、七回に中犠飛を放ち3打点と躍動した。巨人戦4試合連続アーチは、球団の日本選手では1991年の八木裕(現日本ハム打撃コーチ)以来34年ぶり。森下が打ちまくる巨人戦は、これで今季8勝2敗。3連勝で、貯金は今季最多を更新する「7」に膨らんだ。打った瞬間、4万2621人が甲子園の空を見上げた。高く放物線を描いた特大の一発は、左翼スタンド中段へ。90周年の歴史を紡いできた虎には、負けられない相手がいる。宿敵を沈めたのは、またも森下のひと振りだった。「才木さんにいい形で先制点をあげられるようにと思っていたので、最高の形になった。浜風にもいい感じに乗って、芯にも当たっていたので手応えは完璧だった」一回1死一塁で打席に立つと、2球目。先発・戸郷が投じた内角低めの直球を豪快にすくい上げ、7号2ランを確信して見送った。5月5-7日の東京ドーム3連戦で3連発を記録しており、これで巨人戦は4試合連続本塁打。虎の日本選手では1991年の八木裕以来となる大仕事で、因縁のライバルを退けた。G倒―。それはタテジマ戦士がずっと受け継いできた宿命だ。試合前には、巨人OB・上原氏とのスピードガン対決に阪神OB・能見氏が登場。現役時代通算82試合に登板し22勝20敗の成績を残したGキラーは、「ジャイアンツにはどこかで負けてはいけない、という雰囲気を球場全体で作ってくれる。勝てば本当に楽しい。負けたら大変です」と懐古した。森下がその系譜を受け継いでいる。今季巨人戦では打率・399、13打点。7本塁打のうち4本を放ち、その数字がGキラーぶりを物語る。虎の中心選手に成長してきた森下。実はルーキーイヤーに、能見氏から伝えられた言葉があった。「『あまり上の目標を言わなくていいよ』といわれた。『最低条件でいいよ』と。それから、達成したい最低限の目標を言うようになった」リーグ優勝&日本一を達成した23年オフ。来季の目標を答えていた際、先人から金言を授かった。公言する目標は、高いものでなくてもいい。目指す本当の高みは、心に秘めておけばいい。プロの舞台で18年間戦った大先輩からの助言は、今も胸に刻んでいる。
◆阪神・掛布雅之OB会長(70)と阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がMBSテレビの野球中継でダブル解説を務めた。2人そろっての解説は初。現在11本塁打、33打点でセ・リーグ2冠の佐藤輝について問われると、岡田顧問は「ホームラン王はとれますよ。対抗馬がいない」と太鼓判。掛布OB会長も「今年は大いにチャンスがある。今年とらなくてはいけない」とハッパをかけた。
◆中野が攻守で勝利に貢献した。2試合連続となるマルチ安打で打率・322に上昇。「自分の中でどこにどう打ちたいのか整理した状態で打席に入っている」と納得の表情を見せた。四回は右中間を破った中山の打球を中堅手・近本との見事な中継プレーで三塁タッチアウト。「森下が声を出して(走者の動きを教えて)くれたので迷いなく一発で投げられた」と振り返った。
◆虎のリードオフマンが甲子園を駆ける。目にもとまらぬスピードで、今年も当然のごとく到達した2桁盗塁。阪神・近本光司外野手(30)が走った。走攻守で躍動し、G倒に貢献だ。「けがなくここまできているので、よかったと思います」冷静沈着に振り返るのはまだ通過点に過ぎないから。右前打で好機を広げた七回1死一、三塁。一走として、初球からすかさずスタートを切った。リーグトップの今季10盗塁目でリードオフマンの役割を果たした。これで入団から7年連続の2桁盗塁。近本の「走」の意識は道具からにじみ出る。「大学のときは足のけがが多かった。そのとき出会ったのがアシックス」。足全体を包み込み、土踏まずまでサポートしてくれるアシックス社のスパイクに衝撃を受けた。同社とはアドバイザリースタッフ契約を結び、いまは自ら要望した特製のソールを使用するまでこだわっている。根底にあるのは「走」は野球の動作すべてに通ずるということ。「走塁の意識で守備をやれば守備範囲も目線もよくなって安定した。効率の悪い走り方をしてしまうとバッティングにも影響が出る」。四回は右中間を破った中山の打球を素早く処理。二塁・中野とのよどみない中継プレーで三塁タッチアウトに仕留めた。「自分のやることをしっかりやっただけ」と振り返ったが、ここにも確かに「走」の意識があった。五回は左前打を放っており、七回の右前打と合わせて今季15度目の複数安打。打率・305に上昇し、通算1000安打にも、あと14とした。「しっかりと打線となって打線で1点とれたんじゃないかと思います」止まらないその足で、打って、走って、守る。猛虎打線の先頭に立つ近本の勢いはこれからもっと加速していく。(原田遼太郎)
◆大山は左前打3本を放って今季初の猛打賞。特に2-0と先制した後の一回1死一塁では戸郷の直球をはじき返して一、二塁とチャンスを広げ、3点目へつないだ。「チームが勝ったんで、それが一番よかったです」。気温が上がり体に切れが出てくるここから快音を増やしていく。
◆捕手として才木を完封勝利に導いた梅野は「ナイスピッチングでしたね。一人ずつ丁寧に、かつ大胆にしっかり投げてくれた」と快投をたたえた。試合前のブルペンでの投球練習から才木の直球が良かったことに着目。「直球を低く、低く、というよりも高く、高くという意図でやった。そこが自分の中のポイントかなと思う」。女房役としてうまく才木の力を引き出した。
◆佐藤輝が技ありの一打だ。三回先頭の第2打席。外角高めに入ってきた戸郷のスライダーにバットを合わせて軽打。左前に運ぶヒットにマウンドの戸郷は驚きの表情を浮かべた。ただ、虎の主砲は「あれはあまりよくない。飛んだところがよかっただけです」。4試合連続安打にも納得はしていなかった。
◆途中出場の熊谷は八回一塁で迎えた打席で一塁線へ意表をついたセーフティーバントを決めて今季初安打をマークした。「(1本出て)気持ち的には楽になった。しっかり送れればということが優先だったが、あれが安打になってくれてよかった」。ベンチスタートが主だが「常に試合に入って気持ちの準備をしている。出されたところでしっかり結果を出せれば」と代走や守備固めでチームを支える。
◆森下に豪快な一発を浴びるなど、一回にいきなり3失点。戸郷はガタガタいくかと心配していたら、意外と持ち直した。期待値はまだ残ったよ。内容的には、落ちもしないフォークボールを投げたがる。変化球に頼りすぎていた。つまり、ピッチングの軸と組み立てが、逆になっている。スピードは以前ほど出ていない。とはいえ、まずはストレートを磨き直すことだ。打者の手元で食い込むような球を、取り戻すことだ。ストレートでフォークを生かす。それが本来の姿だからね。阪神打線はあっさり先制して、気分がよくなったのか? 二回以降、大振りしてきたことにも助けられた。四回までといわず、もう少し長いイニングを見たいとも思ったけど、あれ以上、失点を重ねると、悪いイメージが蓄積するばかりだから、降板のタイミングはまあ、あそこでよかったかな。なにはともあれ、戸郷の足は土俵際で残っている。ここで踏ん張って、押し返してもらいたいよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆「ヨッシャー」一回裏から、サンスポのメディア局内は大騒ぎだった。森下の先制2ラン。当番デスク席付近では、デスク長友孝輔とメディア局次長・堀啓介がデータをチェックしながら...。堀「巨人戦4試合連続本塁打はマーク・ジョンソン以来みたいやね」長友「そうなんですか?」ドラゴンズ絶対の愛知県で生まれ育った長友は「阪神のジョンソン」と言われても、ピンとくるはずがない。「優良助っ人やったなぁ」2人の会話に〝乱入〟してきたのは、総括席にいたレース部長・周伝進之亮だ。1999年。名将・野村克也が阪神にやってきた1年目だった。トラ番の最年少だった周伝は、シーズンで20本塁打を放った新助っ人ジョンソンの原稿を、何度も書いた記憶があった。もう1人の野手助っ人・ブロワーズはシーズン途中で解雇されたが、ジョンソンは何となく頑張った。
◆阪神が巨人? 巨人が阪神? 今季これで阪神の8勝2敗、かつて苦汁をなめてきた成績が逆になっただけでなく、注目すべきは内容なのだ!3点リードの五回、先頭の近本がヒットで出塁、次打者はここまで2安打と当たっている中野、しかし球児監督のサインは送りバント(初球で決めた!)。ゲゲッー! これって俺が子供だった頃、川上哲治監督の石橋をたたいて渡る野球...、ONがいたV9(9年連続日本一)時代の巨人じゃん!!かたや、巨人は阪神の先発・才木に、あの頃でいえば右の堀内や左の高橋一三に、はなからのまれているような元気のない打線...まさに悲しい過去の阪神じゃん!! 半世紀で180度変わった~阪神命を続けてきて人生むくわれた(涙)。ただし、川上監督なら八回1死満塁、打席に投手の才木の場面で三振のサインを出して1番・近本に託したから、まだまだ詰め甘しかなぁ(結果打たせてゲッツー)。才木の完封に森下のスランプ脱出宣言の2ランを含む3打点、V9じゃないけど9連勝はあるでェ!!一方、大きなお世話だろうけど巨人・戸郷、下でのミニキャンプでやり直せばまだ間に合うのでは...。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
23 | 16 | 2 | 0.590 (↑0.011) | - (-) |
102 | 142 (+4) | 100 (-) | 23 (+1) | 34 (+1) |
0.249 (↑0.003) | 2.190 (↑0.05) |
2 (-) |
広島 |
22 | 18 | 1 | 0.550 (↑0.012) | 1.5 (-) |
102 | 139 (+3) | 110 (+2) | 21 (+1) | 14 (-) |
0.248 (↓0.001) | 2.400 (↑0.01) |
3 (-) |
DeNA |
20 | 17 | 3 | 0.541 (↑0.013) | 2 (-) |
103 | 139 (+10) | 111 (+2) | 19 (+3) | 23 (+1) |
0.232 (↑0.003) | 2.550 (↑0.01) |
4 (-) |
巨人 |
21 | 21 | 1 | 0.500 (↓0.012) | 3.5 (↓1) |
100 | 128 (-) | 141 (+4) | 32 (-) | 18 (+1) |
0.239 (↓0.002) | 2.900 (↓0.01) |
5 (-) |
中日 |
17 | 21 | 2 | 0.447 (↓0.012) | 5.5 (↓1) |
103 | 87 (+2) | 121 (+10) | 17 (-) | 20 (-) |
0.211 (↑0.002) | 2.860 (↓0.2) |
6 (-) |
ヤクルト |
13 | 23 | 1 | 0.361 (↓0.01) | 8.5 (↓1) |
106 | 105 (+2) | 157 (+3) | 17 (-) | 10 (+2) |
0.225 (↓0.001) | 3.690 (↑0.01) |
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