阪神(☆5対2★)中日 =リーグ戦3回戦(2019.04.14)・阪神甲子園球場=
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中日
01000010021000
阪神
00050000X51000
勝利投手:西 勇輝(2勝1敗0S)
(セーブ:ドリス(0勝0敗3S))
敗戦投手:吉見 一起(0勝1敗0S)
  DAZN
◆阪神が連敗を4で止めた。阪神は1点を追う4回裏、福留の適時打で同点とする。さらに梅野、木浪、西の3者連続適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・西が7回2失点の好投で今季2勝目。敗れた中日は、先発・吉見が4回に崩れ、打線もつながりを欠いた。

◆中日加藤匠馬捕手が先制適時打を放った。2回1死三塁で阪神西の変化球を中前へはじき返した。「追い込まれていたので、まずはバットに当てることを考えていました。切り替えて守りをしっかりやっていきたいです」。 13日阪神戦でプロ5年目で初の猛打賞を決めた勢いを持ち込んだ。同学年のソフトバンク甲斐と同様に強肩が持ち味。「カイキャノン」ならぬ「カトキャノン」の呼称もじわじわと浸透している。

◆阪神福留孝介外野手(41)が4回に同点打を放った。 1点を追う4回1死二塁。中日吉見の初球をたたいて、一、二塁間を破った。 「前の打席のチャンスで打てなかったので、なんとかランナーをかえすことができて良かったです」 二塁走者の糸井が一気に本塁生還で同点に。雨が降る甲子園を歓声で1つにした。

◆阪神梅野隆太郎捕手が勝ち越しタイムリーを放った。4回に5番福留のタイムリーで同点に追いつき、なおも1死一、二塁の好機で打席へ。 中日吉見の初球124キロをたたいてセンターへ。勢いをそのままに、一気に勝ち越しに成功した。 「西さんのためにもなんとか逆転したかったので、良い場面で打つことができて良かったです。すごく良い雰囲気、流れで戦うことができているので、この流れを切らさないように集中してプレーしていきたいです」 続く8番木浪もタイムリーを放ち「チャンスで守りに入らずに、初球から積極的にスイングしていきました。追い込まれてしまいましたが、なんとか次につなごうと粘った結果がタイムリーになってくれて良かったです」と振り返った。

◆阪神西勇輝投手がバットでも見せた。4回1死二、三塁で打席へ。7番梅野、8番木浪が連続適時打を放った直後だった。 3球目にスクイズをするもファウル。悔しげな表情を見せたが、4球目。135キロを捉えてレフト前に運んだ。 2点追加の適時打に一塁ベース上で右拳を突き上げた。

◆中日の先発吉見一起投手は4回途中7安打5失点で降板した。打順が2巡目に入って迎えた4回に福留に同点適時打を浴びると、7番梅野から木浪、西と下位にも3連続適時打を打たれてKO。 「1イニングでの大量失点は防ぎたかったのですが...。フォアボールもそうですし、切りたいところで切れなかった事が大量失点につながってしまったと思います」。前回3日広島戦で6回途中無失点と踏ん張り、1度出場選手登録を外れて臨んだ今季2戦目も白星は挙げられなかった。

◆阪神西勇輝投手が移籍後初の公式戦甲子園登板で、7回2失点と好投。今季2勝目を挙げ、チームの連敗を4で止めた。 西と勝ち越し打を放った梅野のヒーローインタビューは以下の通り。 -梅野選手、しっかり勝ちきりました 梅野 なかなか勝てなかったんで、なんとか連敗を止めたいと思って。心強い西さんが、オレが止めるんだと言ってくれたんで。これが勝てた原因かなと思います。 -勝ち越しタイムリー 梅野 ファーストストライクから思い切っていこうと思って。そういう積極的にいった結果がいい結果になってよかったです。 -左足薬指骨折しながらプレーしていますが 梅野 自分に甘えず、そしてチームのために、なんとか守り続けるというのを自分の目標にして頑張っているんで、骨折とか言っていられないんで、日々こういう、お立ち台に立てるように日々、頑張っていきたいなと思います。 -今日の西投手は? 梅野 こんな連敗の中、たぶん一番不安を持った中マウンドに上がっていたと思うんで。ホントに、表情からすごい心強いですし、キャッチャーでも首を振らずに全部来てくれたんで、ほんとうによかったなと、バッテリーで勝てたなあと思います。 -西投手、移籍後甲子園初登板で初勝利、どんな気分? 西 昨日までは、本当にチームの状態がファンのみなさんのやじの通り、ほんとにたくさん来てもらったのに勝てなかったので、なんとかチーム全員で、勝利にしっかり前を向いて行けたことが、今日の勝ちがあると思います。 -たくさんのファンに囲まれての甲子園のマウンドは 西 雨だったんですけど、最後までたくさんの方が見てくれたので、本当に力強く投げることができました。ありがとうございます。 -そして、ナイスバッティングでした 西 ありがとうございまーす! -プロでのタイムリーヒットの経験は? 西 ないんですけど、本当に、振ったら当たりました。よかったです! -今後に向けて 西 日曜日、本当に勝てたので、来週からなんとか連勝を続けていけるように、チーム全員で頑張っていきます。応援よろしくお願いします。 -最後は梅野選手に締めてもらいましょう。 梅野 西さんとバッテリー組んで、みなさん、顔が似てると言われてるんで、2人で自分がこの間言った「明日も勝つバイ」で行きたいと思います。(15日は試合がないことに気づき)あ、あさってあさって。それではいきます! 梅野、西 あさっても、勝つバーイ!

◆阪神ドリスが9回を締めて今季3セーブ目。通算80セーブとなり、呉昇桓(オ・スンファン)の持つ球団外国人投手としての最多記録に並んだ。 「(雨の影響で)マウンド状態が悪かったが、修正しながら投げた」とドリス。1死から連打を浴びながらも井領を三振、京田を三ゴロに打ち取り、連敗を止めた。

◆中日の3季ぶりの貯金は1日で消えた。先発吉見が4回に阪神打線に5長短打を浴び、この回途中まで投げて5失点KO。 打順が2巡目に入り、外寄りの球をとらえられた。マウンドは雨でぬかるむ悪条件。与田剛監督(53)は「相手投手も一緒」と言い訳はせず、「甘い球をカンカン打たれた。タイガース打線が素晴らしかった」と素直に認めた。 攻撃では、1点を先制した2回なおも1死一塁で吉見の送りバントが併殺となった。1046日ぶりの貯金1となった13日の試合でも2回に柳が送りバントを試みて併殺。「細かいことができないとこういう試合になる。そこが課題」と指摘した。 全球団と一回り目のカードを終え、勝率は5割。与田監督は「課題を克服しない限り上位に来るのは難しい」と冷静で、「前評判は気にしていない。善戦しているかは皆さんで判断してもらったら。僕らやっている側は全然、善戦しているとは思わない」と語った。

◆阪神西勇輝投手の後を受けて8回に登板したジョンソンはクリーンアップをピシャリと抑え、ドリスにつないだ。 「マウンドコンディションが悪いことはわかっていたので、力強く踏み込むことを意識していた」。この3連戦で計6安打を許していた4番ビシエドも三振に仕留め、「自分の強いボールを投げ込むことだけを考えていた」と笑顔を見せた。

◆押せ押せムードにルーキーも乗った。阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手が2試合連続のタイムリーを放った。 8番一塁で出場すると、4回1死一、二塁。中日吉見に2球で追い込まれながらも、5球目フォークを踏ん張って右前に運んだ。「初球から守りに入らず積極的にスイングしました。次につなごうと粘った結果がタイムリーになってくれてよかった」。先頭糸井の二塁打から福留の右前適時打、梅野の中前への逆転打と続いた最高のムードを継続。9番西の仰天タイムリーにつなげた。 12日にプロ18打席目にして初安打をマーク。13日からスタメン復帰すると、2試合連続で適時打を記録した。オープン戦では12球団最多の22安打を放ち、阪神のルーキー最多安打を更新。開幕から苦しんでいたが、その実力を徐々に発揮しつつある。 ただ、求めるモノが高いだけに矢野監督の言葉も甘くない。「今日も1本で終わってるんでね。1本でいいと思っているようではレギュラーは取れないんで。2本、3本と期待したい」。木浪も「継続的に打てるように、準備していきたい」と表情を引き締めた。【桝井聡】

◆ケガにも負けず、雨にも負けなかった。阪神梅野隆太郎捕手(27)が決勝タイムリーを放った。 同点に追いついた直後の4回1死一、二塁。押せ押せムードに乗った。中日吉見の初球を狙い打ち、中前にはじき返した。「思い切って行こうと思って。積極的に行った結果がいい結果になった」左足薬指を骨折し、痛みと戦いながらマスクをかぶっている。サイクル安打を達成した9日DeNA戦以来の打点。8回にも中前打を放ち、打率3割7分でリーグ3位に浮上した。 女房役としても、西を好リードで勝利に導いた。「連敗の中、不安を持ってマウンドに上がっていたと思う。でも、表情から心強かったし、首を振らずに全部来てくれた」。悪天候のマウンドでバッテリーは勢いのある中日打線を相手に細心の注意を払った。「本人も状態が悪い中でもゲームが作れたと言っていた。(投球の)スタンスは変えずに、少し動くボールが有効に使えた」。7回2失点の投球内容を満足そうに振り返った。 「先頭バッターを...」。西と2人で決めた合言葉だ。「1アウトを取ったところからイニングをスタートしていこう」と互いに言い聞かせて臨んだ。「(西は)開き直っていけるタイプだから長いイニングが投げられる。常に笑顔でいることで自然と助けられる部分もある」と梅野は話す。FA加入の右腕とは、結成1年目ですでにあうんの呼吸ができつつある。 矢野監督は「バッテリーって1回、2回で合うものじゃない。組んでいく中でお互いのことを分かり合っていくもの。お互いがよくなるように話し合っていけばいい」と信頼関係のさらなる深化にも期待。虎の扇の要が、チームを、投手陣を盛り立てる。【真柴健】

◆阪神に来てくれて、ありがとう! 新戦力の西勇輝投手(28=オリックス)が投打に活躍し、チームの連敗を4で止めた。雨の中で粘り強い投球を続け、7回8安打2失点で2勝目。4回には、プロ初タイムリーで中日を突き放した。投壊&貧打に苦しむチームの救世主になった。強くなる雨の中でも、西は西であり続けた。移籍後初となる甲子園のマウンド。ぬかるむ足もとにも動じなかった。「フォアボールを出そうが、ヒットを出そうが、粘り強くマウンドに立ち続けていくべきだと思います」。2回に先制を許し、3回以外は毎回走者を出したが、気持ちは最後まで切らさなかった。抜群の安定感で、7回を8安打2失点。「みんなで勝つことができてよかったです」。2勝目はチームの連敗を「4」で止める価値あるものになった。 ひたむきに勝利を目指す姿勢はマウンドだけではなかった。4回だ。バットでも虎党を驚かせた。4回1死二、三塁。中日吉見の直球をとらえ、左翼線に運んだ。プロ初タイムリーで2点を追加。リードを4点に広げた。「たまたまなので、良かったです」。この日、打席に入る際の登場曲を光永亮太の「Always」に変更。アップテンポな曲に合わせて、気持ちよく振り抜いた。 この日は西が心配していた通りの雨空。試合は開催されたものの、ぬかるむ土がスパイクの歯にまとわりつく。投球の感覚にも関わるが、リズムにこだわった。「野手の方が間延びしないように、マウンドで投球テンポを意識していました」。雨が降る中では、土をぬぐったり、顔を拭く動作が増え、いつも通りとはいかない。西はベンチでスコアラーやトレーナーに、テンポが悪くなっていないかを何度も確認した。いい流れを切らないため、多少の土は気にせずに、そのまま腕を振り続けた。 4連敗中は計26失点と投手陣は精彩を欠き、打線も得点力不足に苦しんだ。「先制点を取られたけど、取り返してもらって追加点が入って、いいリズムだった。こういうゲームが続いていくと、勝てるチームになると思う」。そんな苦境で西がチームの推進力になった。矢野監督は「西にも大きいし、チームとしても連敗中だった。西がしっかり止めてくれた。いろんな意味で意味ある1勝だったと思います」と感謝。FA右腕は、甲子園5試合で2勝1敗、防御率1・17と最高のパフォーマンスを見せる。聖地はこんな投手を待っていた。西が虎党のハートもがっちりとつかんだ。【磯綾乃】

◆阪神・福留孝介外野手(41)が14日の中日戦(甲子園)で四回1死二塁で同点の右前適時打を放った。  「前の打席のチャンスで打てなかったので、なんとかランナーをかえすことができて良かったです」  一回2死一、二塁の先制機では空振り三振に倒れ、無得点。四回、再びチャンスでまわってくると、しっかりとその雪辱を果たした。初球のシュートをはじき返し、右前へ。同点適時打とした。  その後打線がつながり、梅野、木浪、西にも適時打が飛び出してこの回一挙5得点。勝ち越しに成功した。

◆阪神は14日、中日戦(甲子園)に5-2で勝ち、連敗を4で止めた。  オリックスからフリーエージェントで加入した先発右腕、西が7回2失点で自身2連勝。打っても四回に2点タイムリーを放った。ジョンソンが八回を無失点に抑え、九回はドリスが締めた。  打線は1点を追う四回に福留が同点打を放つと、梅野、木浪、西と3者連続タイムリーが飛び出し、5点を奪って逆転した。

◆阪神が1点ビハインドの四回に5点を奪い逆転勝ち。連敗を4で止めた。阪神の先発・西は7回を投げ8安打2失点で2勝目(1敗)。打っても3-1で迎えた四回1死二、三塁の打席で左前2点打を放つ活躍を見せた。  西は「チーム全員が、勝利にしっかり前を向いていけたことにきょうの価値がある。雨の中、最後までたくさんのファンが見てくれたので力強く投げることができました」と試合を振り返った。  四回の2点打について問われると、ひときわ大きな声で「ありがとうございまーす!」と満面の笑み。プロ初の適時打に「振ったら当たりました。よかったです」と声を弾ませた。

◆阪神の梅野が攻守で役割を果たした。四回は勝ち越し打。1死一、二塁から初球を中前打とし「ファーストストライクから思い切っていこうと。積極的にいった結果」とガッツポーズした。  捕手としても二回、相手のバントを機敏な動きで拾って送球し、併殺を完成させた。制球が持ち味の西を7回2失点と好リード。「先頭打者に気を使った。ちょっと動くボールを有効に使えた」と話し、西も「梅野のリードが自分の力を最大限に引き出してくれた」と感謝した。 福留(四回に同点打) 「前の打席のチャンスで打てなかったので、何とか走者をかえすことができて良かった」 木浪(四回に適時打) 「何とか次につなごうと粘った結果。勢いに乗れた」 矢野監督(五回以降無得点の打線に) 「あとのイニングで1点でも2点でも取らないと」 阪神・清水ヘッドコーチ 「きょうは西と(福留)孝介に感謝」

◆今季から支配下選手となった中日の渡辺がプロ初安打を記録した。五回に代打で出場し、独特の一本足打法から西の初球を中前打した。念願の一打に「芯に当たった。まずは一本打てたことは素直にうれしい。ボールは家に飾りたい」と喜んだ。  この回は二盗も成功。まだ先発での出場機会はないが「レギュラー争いに入っていけるようにレベルアップしていきたい」と意気込み十分だった。 加藤(二回に先制打) 「追い込まれていたので、まずはバットに当てることを考えた」 京田(七回に適時二塁打) 「初球から思い切って打つことができた」

◆阪神は14日、中日に5-2で勝ち、連敗を4で止めた。  ヒーローは7回2失点で2勝目を挙げた西と、四回の一挙5得点を演出した梅野。  顔がそっくりという、2人の爆笑お立ち台をどうぞお楽しみください。 --まずは梅野選手、強い雨の中でもしっかり勝ちきりました。今の気持ちをお聞かせください  梅野 「なかなか勝てなかったので、何とか連敗を止めたいと思って、この心強い西さんが『俺が止めるんだ』ということを言ってくれたので。それが勝った原因かなと思います」  --勝ち越しタイムリーの打席を振り返って  梅野 「ファーストストライクから思い切っていこうと思って。そういう積極的にいった結果が良い結果になってよかったです」  --左足の薬指を骨折しながらプレーを続けている。毎日どんな思いで  梅野 「自分に甘えず、チームのために、なんとか守り続けるということを自分の目標にして頑張っているので。そんな骨折とか言っていられないので。日々、こういうお立ち台に立てるように日々頑張っていきたいと思います」  --きょうの西投手はいかがでしたか  梅野 「こんな連敗の中、多分一番不安を持った中でマウンドに上がったと思うので。本当に表情から心強いですし、キャッチャーでも、首を振らずに全部来てくれたので。本当によかったなと。バッテリーで勝てたなと思います」  --西投手、ナイスピッチングでした  西 「ありがとうございまーす!」  --移籍後甲子園初登板で、初勝利。気分は  西 「昨日までは本当にチームの状態がファンの皆さんのヤジの通り、本当にたくさん来てもらったのに勝てなかったので、何とかチーム全員で勝利にしっかり前向いて、いけたことに、きょうの勝ちがあると思います」  --たくさんのファンに囲まれての甲子園のマウンドは  西 「きょうは雨だったんですけど、最後までたくさんの方が見てくれたので本当に力強く投げることができました。ありがとうございます」  --そしてナイスバッティングでした  西 「ありがとうございまーす!」  --プロでのタイムリーヒットの経験は  西 「ないんですけど、本当に、振ったら当たりました。よかったです!」  --今後に向けて、ファンに向けてメッセージをお願いします  西 「日曜日、勝てたので。来週から何とか連勝を続けていけるようにチーム全員で頑張っていきます。応援よろしくお願いします」  --最後は梅野選手に締めていただきます  梅野 「西さんとバッテリーを組んで、皆さん、顔が似ているといわれているので。2人で、自分がこの間言った『明日も勝つばい』でいきたいと思います。あさって。あさってあさって。それではいきます。あさってもー? 勝つばーい」

◆「1番・中堅」でスタメン出場のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)は四回にチーム5打数連続安打の5本目となる単打を左翼線へ。自身4試合連続安打とした。ただ、残る4打席は内野ゴロで出塁は1度だけ。「全打席、(安打を)狙っているんで」。1安打くらいでは満足しない、という負けん気をのぞかせていた。

◆阪神に移籍してチームの連敗を止める2勝目を挙げた西勇輝を一言で表すなら、まさに『勝てる投手』なのだ!!  コントロールがいい(本日も7回89球)+テンポがいい=野手が守りやすい。ゆえに、打線にいいリズムが生まれて点が入る。これが勝てる投手の白星計算式なのだ!!  それを裏付けるのが、今季の湿った虎打線は15試合で2桁安打がわずか3試合しかないのに、2試合までが西の勝ち試合である。  本日の10安打5点と、7日の広島戦の13安打9点。本日は自ら適時打で2打点(プロ初打点)をたたき出しているんだから、西は西でも西の横綱で~す!! ほかの虎の投手陣よ、投球術を勉強して、ごっちゃんですの白星を挙げてくれー。  41歳の福留さまの同点打に、サイクル梅(野)ちゃんの勝ち越しタイムリー&ルーキー木浪の2試合連続の打点と、ベテラン、中堅、若手の歯車がかみ合ってきたんじゃないの?  本日は雨の中の試合だったし、「雨降って地固まる」で、さっさと借金を返しちまおうぜー!!

◆--西は7回2失点で試合を作った  矢野監督 「開幕3戦目は打線が点を取れなくて、負けがついてしまいましたけど。本当に西らしさを出してくれている。頼もしく見えます」  --西に勝たせたい、というベンチの雰囲気を感じたか  矢野監督 「みんな勝たせたいし、毎日勝ちたいし。毎日、そういう気持ちで戦っています」  --コントロールよく、安心できる  「高さもコースもしっかり投げ込めるというか、打ち取っていけるというところでは引き出しが多いし。リュウ(梅野)自身も西を受けることで勉強できることもあるし。チームにとっても西がこういうところで止めてくれるっていうのは流れの中でも大きいので。それプラス、打つ方でも活躍してくれたので言うことないですね」  --西はオリックスからFA移籍。重圧があると思うが  「間違って書かれると嫌なんだけど、俺も楽しむっていうことを大事にしていて。阪神に来たからプレッシャーを感じてやるのか、そのプレッシャーを楽しんでやるのかは俺ら自身で決められることやし。西に『ええ顔で野球してんな』って言ったときも『僕、野球やるの楽しいんで』って」

◆顔も似ている西-梅野のバッテリーがお立ち台で大きく叫んだ。  「あさって(16日)も勝つばいッ!」  これは梅野捕手がサイクル安打で大暴れしたとき、出身である福岡・博多の方言にひっかけて、お立ち台での決めセリフに決めた。そこから連敗が続いていたけれど...きっちりと実行したわけだ。  こんな素朴でクソまじめで...その"泥臭さ"になんとなく熱いものがこみあげてくる。  六甲山麓には朝から冷たい雨が降っていた。それは甲子園も覆い尽くしていた。誰もが小さく舌打ちをする。「また今日も...なのか」と。  なにしろ...前日13日、中日は満塁弾2発で貧打のトラは4連敗。そそくさと朝食を食べながらテレビで天気予報をチェックすると「この雨で桜はラストチャンスか...。だから今の間に...」なんてこっちの仕事も勤務も知らないで血も涙もない「花見の最後通告」を突きつけられた気分だ。  巷に雨の降るごとく、わが心にも雨が降る...か。どうせ今日も俺の心にも冷たい貧打の雨が降るのか...と自虐的な気分のままで出勤。  雨は降り続いていた。大阪・難波の編集局に到着すると、運動部の当番デスク席に阿部祐亮がポツンと座って窓の外を眺めていた。最近、テレビではABCの『ポツンと一軒家』という番組が人気だが、都会の真ん中で貧打にもだえて髪をかきむしる『ポツンと運動部デスク』なんてのは見たくないゾ。  どうするんだョ...どうもしようがないですよ。すべては西勇輝投手にかかってますから...というハカナイ会話をした。  煮え切らない雨が降り続く。襟元から染み込んでくる不快感...。と、そこにリンとした声で編集委員上田雅昭の電話である。まさか...中止か。  「違う。甲子園はやる気まんまんや。それになぁ、あらためて阪神ファンはありがたいなぁと思ったヮ。そやかて甲子園にくるまでの各ターミナルには『売り切れ御礼』『札止め』の看板や」  なんだ上田も琴線を刺激されているらしい。つくづく阪神は虎党に支えられているんだ...いい加減な試合をしやがったら承知しないゾ! と思いつつ、パソコンを開く。  「本音をいえば土曜日にあんな試合で負けましたので、今日が雨で中止になったら...紙面作りのテーマがないので悶絶しそうなんです」とキャップ大石豊佳はもうストレスで心臓が破裂しそうだ。「それなのに...健康診断では3キロ太ったといわれて...またドキッです」という。そりゃ、猛虎性貧打大食い症候群だといったら電話の向こうで大石は絶句していた。ちなみにサブキャップの長友孝輔の目はこの日、真っ赤っか...で、清水雅治ヘッドコーチから「どうしたんだ...」といわれた。なに、僕の目はすぐこうなるんデスよ...繊細ですから...などと説明したらしいが、長友のウサギ目も、この日の快勝でスキッとするのだろう。  60年前のこの4月14日の甲子園。のちに永久欠番「11」となる村山実投手が国鉄戦に初登板して3-0とプロ初先発、初完封した。その時の甲子園の観衆は3000人。この日は降り続く花冷えの雨でも4万6273人...多くのファンの情熱に阪神は支えられている。

◆ベテランの一打で眠っていた打線が目を覚ました。糸井は0-1の四回、先頭で打席に立つと外角の変化球をとらえ、左中間への二塁打。続く福留の右前打で同点のホームを踏んだ。3打数2安打1四球。試合後は雨が降る中での試合に「風邪ひいた」と超人節を炸裂させながら、クラブハウスへと急いだ。

◆ドリスが九回を締めた。1死から連打を浴びて一、二塁のピンチを招いたが、後続を抑えて、今季3セーブ目を挙げた。来日4年目で通算80セーブとなり、呉昇桓の持つ球団外国人投手の最多記録に並んだ。「きょうは(雨の影響で)マウンドが少し悪かったけど、修正しながら投げられた」と納得の表情だった。

◆「6番・遊撃」で2試合連続のスタメン出場となった鳥谷は、さすがの選球眼でつないだ。福留が同点打を放った直後の1死一塁で、2球で追い込まれながらも四球をもぎ取った。その後の1死一、二塁では、二走としてD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)の右前打で本塁へ激走し生還。3打数無安打だったが、存在感を見せた。

◆連勝は3で止まり、貯金は1日でなくなった。吉見は四回に集中打を浴びた。1死二塁から福留に同点適時打を許し、さらに3連続適時打を喫して途中交代。「抑えることで、いっぱいいっぱいだった。四球が5失点につながった」とうつむいた。打線は2併殺を喫し、10安打で2点。与田監督は「しっかり課題を克服しないと上位に上がるのは難しい」と首を横に振った。

◆四回の逆転劇はセ・リーグ野手最年長の41歳の同点打があってこそ。1点を追う1死二塁。福留が吉見のシュートに反応し、一、二塁間を破った。  「前の打席のチャンス(一回2死一、二塁の)で打てなかったので、なんとかランナーをかえすことができてよかった」  続く鳥谷の四球で二進。ベテランが「足」でも魅せた。雨でグラウンドがぬかるむ中、梅野の中前打で本塁に激走し、左手で勝ち越しのベースタッチ。ユニホームを泥だらけにした。  開幕から15試合。まだ"休養日"はない。ちなみに得点圏打率は・500(10打数5安打、6打点)。今の打線では福留を外すことはできない。  昨季まで主将を務めた男はもちろんわかっている。体にむち打ち、しばらく試合に出続ける覚悟だ。 (三木建次)

◆長いトンネルを抜け、完全に勢いを取り戻した。D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)がプロ初となる2試合連続タイムリー。リードを広げる3点目を呼び込み、塁上で両手を突き上げた。  「勢いに乗れたことがよかったと思います。継続的に、ちゃんといいところで1本打てるように準備していきたい」  四回、梅野の適時打で2-1と逆転に成功し、なお1死一、二塁。是が非でも追加点が欲しいところで、期待に応えた。  カウント2-2からの5球目、低めのフォークをすくうと打球は横っ飛びした一塁・ビシエドのグラブをかすめて右前へ。オープン戦で12球団最多22安打を記録したバットコントロールがよみがえる一打で、二塁から鳥谷が生還。さらに送球間に二進し、続く西のタイムリーでだめ押しとなる5点目を踏んだ。  開幕スタメンを勝ち取りながらも、4試合14打席連続無安打でスタメン落ち。その後、代打でも快音は出ず、17打席連続無安打と厳しいプロ生活のスタートとなった。12日の中日戦でようやく初安打が出ると、13日にスタメン復帰して初適時打。さらに3試合連続安打&2試合連続タイムリーを記録し、もう覚醒間近だ。矢野監督は「これからもいっぱい壁は来ますし。きょうも1本で終わってるんでね。1本でいいと思っているようではレギュラーは取れない。2本、3本と期待したいですけどね」とさらなる奮起をうながした。  初ヒットの記念球は両親へ送るとしていたが、父・弘二さん(51)は「おばあちゃん」に渡すという。4年前に亡くなった祖母・美津子さん。木浪は両親が共働きで大のおばあちゃん子。昨年10月25日、ドラフト日が命日で、指名されたときには天を見上げて喜んだ。悩み苦しんでつかんだ記念の1球は、仏壇にささげられる。天国から見守るおばあちゃんがまた後押ししてくれる。  「つなぐところで、下位でも塁に出ることが大事。そういうことを考えながらやっていきたい」  1番で開幕したが、8番から、はい上がってきた。強く優しいルーキーが矢野虎を盛り上げる。 (大石豊佳)

◆18・44メートルを挟んで、つながっただけじゃない。「打」でもつながった。梅野が西の適時打&快投を引き出した。ドドッと5点を奪った四回の4連打をそろって構成した2人がお立ち台で笑った。  「西さんとバッテリーを組んで、皆さん(に)顔が似ていると言われているので。2人で、自分がこの間言った『明日も勝つばい』でいきたいと思います。それではいきます。あさってもー? 勝つばーい!」  「勝つばい」と前に誓ったのが5日前。サイクル安打を記録した9日のDeNA戦だった。出身地の福岡にちなんだ決めゼリフだったが、1999年に新庄剛志が「明日も勝つ」と宣言してから12連敗をしたこともあり、一部で4連敗の"遠因"とささやかれた。  左足指に骨折を負いながらも福留の同点打から四球を挟んだ直後、1-1の四回1死一、二塁で決勝の中前打。木浪、西との3者連続適時打を生み出した。八回には中前打と今季初盗塁となる二盗もマーク。打率・370で、今季4度目のマルチ安打とした。  「西さんも(ジンクスは)『関係ない! 関係ない!』って。『言ったらアカ~ン!』というファンの方もいたけど(笑)。自分たちが何とかできるパフォーマンスを、と思っているので。継続して、続けていきたいと思います」  打撃の好調も、西とのあうんの呼吸も「勝つばい」も。そして白星も、すべてを積み上げる。 (長友孝輔) ★新庄剛志の「明日も勝つ」VTR  新庄の阪神時代、お立ち台での「明日も勝つ」以降、チームはことごとく黒星を重ねた。巨人・槙原の敬遠球をサヨナラ打した1999年6月12日の翌13日の同戦は1-4。同年9月10日の巨人戦はガルベスから決勝弾を放ち、得意のフレーズを繰り出したが、翌11日の同戦から12連敗を喫するなど伝説を招いた。

◆水もしたたる、ええ男や! 阪神が中日に5-2で快勝。連敗を「4」で止めた。先発した西勇輝投手(28)は四回にプロ初適時打&初打点。投げては7回2失点で2勝目を挙げた。16日からは首位・ヤクルト、巨人との6連戦。雨の中でも試合ができて、ホンマよかった。ここから、虎が盛り返すでぇ!  雨がっぱを着用した4万6273人の視線を一身に集めた。西がお立ち台で顔をほころばせる。抑えただけじゃない。プロ初打点&適時打と自ら援護射撃した。今季2勝目は特別だった。  「(タイムリーを打ったことは)ないんですけど、本当に、振ったら当たりました! よかったです!!」  何度も両手をたたき、右手をベンチに向かって突き上げた。四回、福留、梅野、木浪の適時打で3-1と逆転に成功。なおも1死二、三塁で打席へ入ると、2ボールからの3球目はスクイズのサインだった。「(プロ)11年で初めて(サインが)出た。難しかったんですけど、ファウルでよかった」と苦笑い。ヒッティングに切り替わると135キロ直球を強振。プロ通算43打席目は左翼線への2点打になった。  「連敗はチームみんなで絶対に乗り越えないといけない時。自分の番がたまたま回ってきて、本当にみんなで勝つことができてよかったです」  ヒットを繰り出した"相棒"は、旧友から譲り受けたものだった。3、4年前に古巣のオリックスでチームメートだった安達のバットを借りて以降、現在もそのモデルを愛用。今季から、投手も打席に立つセ・リーグに移籍したが、軽くてスタンダードな型であることから使用を継続。ついに初打点をたたきだした。  もちろん"本業"も安定感抜群だった。7回8安打2失点で3試合連続のクオリティースタート(先発投手が6回以上投げ、自責点3以内)を達成。雨天のマウンドでも、野手への配慮を欠かさなかった。「野手の間延びをしないように。雨の状況は砂を入れたり剥いだり、自分のしぐさも多くなる」と通常より早め早めに投げ込んだ。  精密な体内時計を備えているから、テンポアップだってお手の物だ。投手のランニングメニューでは状況や本数ごとに自らタイムを設定。「自分の心拍数で、だいたいのタイムはわかるんですよ」と時計なしで正確に秒数を縮めていく。投球となればまた違うが、この日はスパイクに土がついても限界まで落とさず、イニング間にトレーナーやスコアラーにテンポを確認するなどして工夫した。  悪天候にもかかわらず、満員札止め。プロ初勝利を飾った11年4月17日の楽天戦以来の甲子園2勝目で虎にFA移籍後初白星を虎党に届けた。「(ファンの)1球に対しての集中が選手とともに戦っている感じがして、自分は好きです」。矢野監督も「西が投打に本当によく引っ張ってくれた。西のおかげという部分が大きいんじゃないですか」と最敬礼した。  甲子園5戦34失点と投壊が続いていた中、4連敗で止めた。16日からは首位ヤクルト、巨人との上位戦。「来週から何とか連勝を続けていけるように、チーム全員で頑張っていきます」。負ければ風雲急を告げるところだった。これからも、虎の救世主としてマウンドに君臨する。 (箭内桃子) 清水ヘッドコーチ 「リズムいいし、フォアボールないんで攻撃にも転じやすい。感謝です」 阪神・福原投手コーチ 「足元がよくない中で、しっかり投げてくれてよかったと思う」

◆残念ながら阪神打線が低調なのは変わっていない。それでも四回の連打は打線が「つながった」わけで、ぜひきっかけにして欲しい。  「つなぎ」で評価したいのは木浪。開幕以降ヒットが出ず苦しんだ時期もあったが、真っすぐを待って変化球に対応できる特長は消えていない。四回の右前適時打も良かったが、最も褒めたいのは八回の一ゴロ。無死二塁から送りバントは失敗したが、最終的に進塁打を放った。この「つなぎ」ができるなら、スタメンを外す理由はない。  逆に「つなぎ」の点で注文したいのは1番・近本。長打力も魅力だが、強力な足をもっと生かすべき。どこかでセーフティーバントを試みてほしかった。構えだけでもいい。彼のバントは、名人芸だった新井宏昌(近鉄など)に匹敵するうまさがある。打球をグラウンドに「置く」バントができる。その動作をするだけで相手が嫌がり、前に守る。必然的にヒットゾーンが広がる。それだけで「つなぎ」にもなる。  俊足で長打力もある。福本豊(阪急)級の1番打者を目指して、ベンチは木浪同様、左腕投手でも使い続けてほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
1050 0.667
(↑0.024)
-
(-)
128
(-1)
85
(+11)
57
(+6)
18
(+3)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↑)
DeNA
960 0.600
(↑0.029)
1
(-)
128
(-1)
70
(+4)
55
(+2)
19
(+2)
4.000
(-)
0.000
(-)
3
(1↓)
巨人
860 0.571
(↓0.044)
1.5
(↓1)
129
(-1)
65
(+6)
60
(+11)
22
(+3)
5.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
中日
770 0.500
(↓0.038)
2.5
(↓1)
129
(-1)
62
(+2)
50
(+5)
15
(-)
11.000
(↑2
0.000
(-)
5
(-)
阪神
690 0.400
(↑0.043)
4
(-)
128
(-1)
51
(+5)
76
(+2)
8
(-)
5.000
(↑1
0.000
(-)
6
(-)
広島
4110 0.267
(↓0.019)
6
(↓1)
128
(-1)
45
(+2)
80
(+4)
13
(+1)
5.000
(-)
0.000
(-)