| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 | 10 | 0 | 2 |
阪神 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 1 | 0 |
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勝利投手:杉山 一樹(1勝0敗2S) (セーブ:松本 裕樹(0勝0敗1S)) 敗戦投手:村上 頌樹(1勝1敗0S) 本塁打 | |||||||||||||||
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◆ソフトバンクが5年ぶりの日本一に輝いた。ソフトバンクは2点を追う8回表、柳田の2ランで試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長11回には、野村のソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・有原が5回途中2失点。最後は6番手・松本裕が締めた。なお、MVPには3試合連続本塁打をマークした山川が選ばれた。
◆1勝3敗の阪神は負けたら終わりの一番に臨む。逆襲のカギを握るのが打線のつながりだ。第4戦は6~9番(投手含む)が交代選手も含めて14打数無安打だった。4試合の打率は1割9厘。試合終了後、X(旧ツイッター)のトレンドワードでも「下位打線」が上位に来た。
◆阪神は3連敗して1勝3敗で王手をかけられ、負けられない戦いに挑む。25日の第1戦で先発の今季3冠の村上頌樹投手(27)、28日の第3戦で先発の最優秀防御率の才木浩人投手(26)がベンチ入りした。今季限りで現役引退の原口文仁内野手(33)らがベンチ入りメンバーから外れた。原口は28日から帯同しているが、3試合連続でベンチ入りしていない。木浪聖也内野手(31)が「6番遊撃」でスタメン。前日29日の第4戦までは小幡竜平内野手(25)が遊撃スタメンで、木浪は今年の日本シリーズ初の先発出場となった。大竹耕太郎投手(30)が古巣相手に先発マウンドに上がる。
◆阪神藤川球児監督(45)が負けたら終わりの一番でサプライズに出た。ベンチ入りメンバーに2日前に先発で6回途中まで84球を投げた才木浩人投手(25)を入れた。第1戦から中4日になる村上頌樹投手(27)も名を連ねた。先発は大竹耕太郎投手(30)だが展開によってはレギュラーシーズンではあり得ない継投に出る可能性がある。一方で、今季限りでの引退を発表している原口文仁内野手(33)はこの日もベンチ入りしなかった。日本シリーズでは1度もメンバー入りしていない。
◆5年ぶりの日本一へ王手をかけているソフトバンクのスタメンが発表された。野手は第4戦と変わらず。日本シリーズ史上最長タイ記録の3戦連発中の山川穂高内野手(33)は「4番一塁」で先発出場。初の4戦連発なるか。先発マウンドには25日の第1戦で6回2失点と敗戦投手になった有原航平投手(33)が上がる。中4日でリベンジをかける。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)とソフトバンク周東佑京内野手(29)の同期対決が初めて実現した。初回の対戦は遊ゴロだった。17年の育成ドラフトで大竹は育成4位、周東は2位でソフトバンクに指名された。大竹は1年目の7月に支配下選手になり、22年の現役ドラフトで阪神へ。3年間で32勝とブレークした。周東は2年目の開幕前に支配下登録され、快足を武器に1軍定着。WBCでも活躍した。大竹が阪神に移籍してからは交流戦でも対戦がなかった。
◆23年のリーグV、日本一に導いた阪神前監督の岡田彰布球団オーナー付顧問(67)が、テレビ朝日系列の生中継で解説を行った。阪神は本拠地で連敗。ソフトバンクに3勝1敗で負けたら終わりの土俵際の一戦を解説した。阪神打線は前日の第4戦まで1試合で2点止まり。岡田顧問は阪神打線の現状について「シーズン中とかはもう少し四球とか絡んでつながった。(日本シリーズの得点力は)4番までなんで。5番からチャンスをつくれない。(大山が)機能してないんだから」と分析した。2回1死での大山の打席を見た顧問は、大山が不振の中で見せた変化に注目。「昨日より打席(の立ち位置)が離れているね。(これまでは)インコースのストレートに詰まっていたからね」と、自身が監督時代に4番を任せたベテランの工夫に目を細めていた。
◆阪神は前日29日の第4戦まで苦しんでいた下位打線から適時打が出た。0-0の2回に1死走者なしから大山悠輔内野手(30)が四球で出塁。2死となったが高寺望夢内野手(23)も四球を選び2死一、二塁のチャンスをつくった。続く坂本誠志郎捕手(31)が先制の左前適時打。5戦連続スタメンマスクで試合前時点ではシリーズ打率0割9分1厘だったが、重要な場面で快音を響かせた。第4戦は6~9番(投手含む)が交代選手も含めて14打数無安打。前日までの4試合の打率は1割9厘となっていたが、この日は得点圏で安打が出た。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が負ければ終わりの試合で、らしさを存分に発揮した。初回2死、柳町達外野手い(28)への2球目に得意の超スローボールを投げた。高めに外れたが球速表示は68キロ。場内はどよめきに包まれ、ソフトバンクベンチでは驚きの表情を見せる選手も。第1戦で村上頌樹(27)が59キロのストライクを投げて話題に。2人は競うように超スローボールを磨き続けており、精度は年々増している。柳町は140キロの直球で見逃し三振。大竹は波に乗って、3回までパーフェクトの立ち上がりを見せた。
◆23年のリーグV、日本一に導いた阪神前監督の岡田彰布球団オーナー付顧問(67)が、テレビ朝日系列の生中継で解説を行った。阪神は本拠地で連敗。ソフトバンクに3勝1敗で負けたら終わりの土俵際の一戦を解説した。佐藤輝が2回に盗塁死した件から盗塁対策に話しがおよぶと、岡田顧問は昭和、平成での盗塁対策を披露。「土のグラウンドは走りづらい。昔は走るチームが来たら、水(を多めに)巻いていたもん」と打ち明けた。
◆テレビ朝日系の中継で、阪神村上頌樹投手(27)がブルペンで投球練習をしている映像が流れた。ファンはSNSで「さすが日本シリーズ」、「マジか!」などと投稿した。映像が流れたのは4回裏の阪神の攻撃中。1死一、二塁で8番坂本誠志郎捕手(31)の打席を迎えると、前川右京外野手(22)がネクスト・バッターズサークルで待機していた。坂本が併殺で交代することはなかった。5回裏の攻撃では先頭打者として、5回1安打無失点の先発大竹耕太郎投手(30)が打席に向かった。25日の第1戦で先発し7回1失点で勝利投手となった右腕。登板すれば中4日となり、リリーフ登板は昨年10月13日のCSファーストステージDeNA戦(甲子園)以来だ。
◆5年ぶりの日本一へ王手をかけているソフトバンクが、5回2死にようやくチーム初安打の「H」ランプをともした。出塁のチャンスさえない中、無安打無四球で迎えた1点リードの5回2死で6番野村勇内野手(28)の打球は相手遊撃手にバウンドし胸元へ直撃する強烈な内野安打で出塁に成功した。
◆ソフトバンク先発の有原航平投手(33)が5回途中2失点で降板した。第1戦で90球を投じており、中4日での先発。1回こそ3者凡退だったが、2回以降は毎回走者を出す苦しい投球が続いた。2回に2四球からピンチを招いて、坂本に先制打を浴びる。4回には1死一、二塁から坂本を併殺に仕留めて無失点。0-1の5回に2死一、二塁を招いて、4番佐藤輝を迎えたところで2番手ヘルナンデスに救援を仰いだ。ヘルナンデスは佐藤輝に適時打を許してさらにリードを広げられた。有原は4回2/3を6安打3四球2失点だった。第1戦では6回2失点で降板して敗戦投手となった。リベンジをかけたマウンドだったが、82球を投じてリードを許した状況での降板となった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が5試合連続打点を挙げた。昨年の第2~6戦にかけてのDeNA桑原将志外野手(32)に並び日本シリーズ最長タイ。初戦からの5戦連続は初となった。1-0とリードする5回2死一、二塁。登板直後のソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)から中前適時打を放った。ここまでの全5戦で適時打をマークしている虎の主砲。前日29日までの4試合連続で球団最長となっており、球団史にも新たな1ページを加えた。
◆ソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)が"テル斬り"に失敗した。0-1で迎えた5回2死一、二塁から2番手で登板。阪神の4番佐藤輝と対峙(たいじ)した。わずか3球で追い込み、カウント2-2からの7球目。真ん中に甘く入った直球を中前へ運ばれ、追加点を献上した。投じた7球のうち6球が真っすぐ。力勝負で挑むも、虎の主砲に軍配が上がった。なおも2死二、三塁から5番大山は見逃し三振に仕留め、この回を最少失点に抑えた。
◆阪神大竹耕太郎投手(30)が6回無失点と完璧な仕事を果たした。22年まで所属したソフトバンクとの対戦。そして早大の3学年先輩の有原航平投手(33)との投げ合いだった。5回途中までパーフェクト、被安打3、無四球と文句のつけようのない内容。2-0のリードで最強リリーフ陣にバトンを渡した。「5人目の男」として先発した。1勝3敗と負ければ終わりの試合で出番が回ってきた。3連勝で終わったCSファイナルでも出番なし。9月27日以来、マウンドから1カ月以上も空いていたが、ブランクの影響は感じさせなかった。初回、4回と柳町達外野手(28)に超スローボールを投げるなど、緩急自在、らしさ全開だった。熊本で生まれ育ち、幼少のころからファンクラブに入るほどのホークス党。初めての野球観戦もホークスで、その秋に行われた03年の阪神との日本シリーズは家族とともにテレビにかじりついて見た。あれから22年。あこがれの球団を敵に回して、日本シリーズの晴れ舞台で輝いた。
◆阪神近本光司外野手(30)が隠れたファインプレーを見せた。2-0の7回無死一塁の守備。山川穂高内野手(33)がバットの先で飛ばした打球は、ほぼ無回転で中堅に低いライナーで飛んだ。前進した近本は、へびのように左右に揺れながら不規則な軌道を描いた打球をよく見て、最後は倒れ込みながらキャッチした。及川雅貴投手(24)はピンチをしのいで無失点に抑えた。
◆ソフトバンク小久保裕紀監督(54)が勝負手ははまらなかった。0-2の7回2死一、二塁。今季のパ・リーグ首位打者の牧原大成内野手(33)に代わって、代打で近藤健介外野手(32)が送られた。投手の阪神及川との横浜高校OB対決。1球ごとに観客が沸く中、フルカウントからの8球目が外角低めいっぱいに直球が決まり、見逃し三振。近藤は苦笑いしながらベンチへと戻った。パ・リーグ首位打者への代打で勝負をかけた小久保監督だったが、今回ははまらず。阪神投手陣の前にこの回も得点を奪うことはできなかった。
◆阪神及川雅貴投手(24)が難所を乗り越えた。2-0の7回に2番手で登板。2死一、二塁のピンチを迎え、代打に近藤健介外野手(32)がコールされた。試合のヤマ場となるような場面で、横浜高の大先輩を打席に迎えた。カウント3-1とボールが先攻したがそこから、カットボール、ツーシームと得意球を投げ込み、フルカウントに。阪神ファンから1球ごとに激励の拍手が起こる力のこもった対戦となった。最後8球目は144キロを外角ぎりぎりに決めて見逃し三振に打ち折った。及川は左こぶしを握って喜びを表現した。近藤は打席内に座り込み、しばらく動けなかった。
◆連続無失点の日本記録を持つ石井大智投手(28)がついに打たれた。2-0の8回に3番手で登板。1死一塁から柳田悠岐外野手(37)に左翼ポール際に2ランをたたき込まれ、同点にされた。あまりのショックに場内が静まるほどだった。4月4日の巨人戦(東京ドーム)で1失点したのを最後に6カ月半以上も点を取られていなかった。レギュラーシーズンは50試合連続無失点の日本記録を樹立した。ポストシーズンもCSファイナル3試合、日本シリーズ3試合と無失点を続けていた。
◆ソフトバンクの柳田悠岐外野手(37)が無失点男から同点2ランを放った。0-2の8回。1死一塁から阪神の石井と対戦した。初球の150キロを左翼ポール際へ運んでスタンドイン。試合を振り出しに戻した。阪神石井は今季レギュラーシーズンでNPB最長となる50試合連続無失点と無双した。無失点男から得点を奪って反撃に出た。ソフトバンクは5年ぶりの日本一へ王手をかけている。序盤からリードを許していたが、8回に展開を変えた。
◆23年のリーグV、日本一に導いた阪神前監督の岡田彰布球団オーナー付顧問(67)が、テレビ朝日系列の生中継で解説を行った。阪神は本拠地で連敗。ソフトバンクに3勝1敗で負けたら終わりの土俵際の一戦を解説した。岡田顧問がシリーズ初失点したセットアッパー石井大智投手(28)を擁護した。石井は2点リードの8回から3連投での3番手登板。1死一塁で1番柳田を迎えると、初球外角低めへの150キロ直球を左翼スタンドポール際に同点2ランを運ばれた。「ここからですよ、勝負は。これが日本シリーズなんよ。やっぱり2点じゃダメ。ああいう1番がいると怖いね。あそこの球を打たれたらどうしょうもない。『どこになげるんですか』になる。いいコースに行っている(投げている)から狙いやすいのもある」。ミスターゼロの失点をかばった。
◆連続無失点の日本記録を持つ石井大智投手(28)がついに打たれた。2-0の8回に3番手で登板。1死一塁から柳田悠岐外野手(37)に左翼ポール際に2ランをたたき込まれた。4月4日の巨人戦(東京ドーム)で1失点したのを最後に無失点を続け、レギュラーシーズンは「50試合連続」の日本記録を樹立した。ポストシーズンは23年のCSファイナルから無失点を続けてきたが14試合で途切れた。また、本塁打を打たれない投手でも知られ、23年7月13日にDeNA牧に打たれたのが最後。プレーオフも含めて146試合ぶりの被本塁打だった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が値千金の好守備でチームを救った。2-2に追いつかれた後の8回2死一、三塁。ソフトバンク栗原陵矢内野手(29)の一、二塁間への強烈なゴロを、飛びついて捕球し一ゴロとした。抜けていればソフトバンクの勝ち越しが確実な場面でファインプレーを見せた。
◆阪神村上頌樹投手(27)がリリーフ登板した。名前がコールされるとスタンドがどよめいた。25日の第1戦で先発し7回1失点で勝利投手となった右腕。2-2の同点の延長10回から5番手として中4日でマウンドに上がった。今季のレギュラーシーズンでは26試合の登板全てが先発。14勝4敗の防御率2・10、144奪三振。最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠に輝いた。4回裏の阪神の攻撃中からテレビ朝日系の中継で、ブルペン投球している姿が映っていた右腕。救援登板は昨年10月13日のCSファーストステージDeNA戦(甲子園)以来だ。
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます[速報] 柳田悠岐 同点2ランホームラン!!/阪神 石井大智のストレートをレフトスタンドへ叩き込む!!起死回生の同点アーチ!!\SMBC日本シリーズ2025 第5戦??阪神 × ソフトバンク解説:糸井嘉男 & 西岡剛アベマで無料生中継
◆日本シリーズ第5戦は2-2のまま延長戦に突入した。なお、日本野球機構(NPB)は10日に「SMBC日本シリーズ2025」の開催要項を発表している。25日にパ本拠地球場で開幕。28日の第3戦からはセ、11月1日の第6戦からは再びパ本拠地。一方のチームが4勝した時点で終了。サスペンデッド・ゲームは行わない。延長回は第7戦までは12回まで、第8戦以降は制限なし。パ本拠地球場ではDHルール、全試合で予告先発を採用する。
◆ソフトバンクが11回に勝ち越し、ついにリードを奪った。2-2の11回。先頭の野村勇内野手(28)が阪神村上から右翼へ勝ち越しソロ。勝ち越しに成功した。野村は「打ったのは真っすぐです。もう必死に食らいついていくことだけでした。食らいついていけた結果がホームランと最高の結果になってくれました。何とか勝ちをつかみ取れるように、もうそれだけです」とコメントした。ソフトバンクは5年ぶり日本一に王手をかけており、勝てば日本一が決まる。
◆[速報] 野村勇が延長11回に勝ち越しHR!!/外角のストレートをライトスタンドへ12回目の日本一を引き寄せる大きな一発!!\SMBC日本シリーズ2025 第5戦??阪神 × ソフトバンク解説:糸井嘉男 & 西岡剛アベマで無料生中継
◆阪神が無念の逆転負けで、2年ぶりの日本一を逃した。延長10回から、ブルペン待機した初戦先発だった村上頌樹投手(27)が中4日で登板。10回は無失点に抑えたが、11回先頭の野村にカウント2-2から148キロの直球を右翼フェンスギリギリに運ばれる痛恨の勝ち越し本塁打を被弾した。第1戦を制すも4連敗を喫し、ソフトバンクに日本一の座を渡した。先制は阪神だった。2回2死一、二塁で、坂本誠志郎捕手(31)がソフトバンク有原のツーシームを捉えて先制の左前適時打を放った。さらに5回2死一、二塁で、佐藤輝明内野手(26)が代わったソフトバンク2番手ヘルナンデスの直球をはじき返し、2点目の中前適時打。これで5戦連続打点とし、昨年の第2~6戦のDeNA桑原に並び日本シリーズ最長タイ。初戦からは初の快挙となった。しかし2点リードで迎えた8回。3番手石井大智投手(28)が、1死一塁から左翼ポール際に2ランをたたき込まれ、同点にされた。
◆ソフトバンクが逆転勝ちを決め、阪神に4連勝で5年ぶりの日本一に輝いた。2点を追う8回1死一塁から柳田悠岐外野手(37)が起死回生の同点2ラン。初球、阪神石井の外角150キロ直球を流し打ち。打球は左翼ポール際へ飛び込んだ。今シリーズ1号弾で、試合を振り出しに戻した。延長に入り、2-2の11回。先頭の野村勇内野手(28)が阪神村上から右翼へソロを放ち、勝ち越しに成功した。第1戦で黒星発進したが、そこから一気の4連勝。1勝1敗で迎えた甲子園で無傷の3連勝とし、前身の南海、ダイエー時代を含め12度目の頂点に立った。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(37)が起死回生の同点2ランで5年ぶり日本一に貢献した。0-2の8回1死一塁、阪神石井の直球を左翼ポール際に運んだ。右脛骨(けいこつ)骨挫傷で4月中旬~9月下旬まで離脱した。「今年は1軍に戻れるか不安だった。今(ポストシーズン)守備に就いているのが信じられない」と完全復活には自身も驚きだった。リハビリ中はお酒も控え、栄養満点の食事を心がけた。親身に寄り添ってくれた有馬大智リハビリアスレチックトレーナー(36)には「そのおかげでめちゃくちゃ健康的でコンディションがいいんです」と明かしていたという。日本シリーズ前に有馬トレーナーと再会した時には「改めて筑後を思い出した。何とか日本一になって、筑後にいる人たちにも喜んでもらいたい」と吉報を約束していた。チーム最年長の男による有言実行のアーチだった。試合は延長に入り、2-2の11回。先頭の野村勇内野手(28)が阪神村上から右翼へソロを放ち、勝ち越しに成功した。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(37)が0-2の8回に同点2ランを放った。柳田が8回に同点2ラン。柳田のシリーズでの本塁打は24年<6>戦以来通算5本目で、この1発でソフトバンクの本塁打がシリーズ通算100本に達した。シリーズ100本塁打以上を記録したチームは、巨人219本、西武130本に次いで3チーム目。柳田は2安打で、シリーズ通算51安打。シリーズの通算安打は長嶋(巨人)の91本が最多で、50安打以上は11人目。ソフトバンクでは初となり、51安打は森(巨人)に並ぶ歴代10位に浮上した。柳田は通算159打数51安打の打率3割2分1厘で、通算50安打以上では川上哲(巨人)の3割6分5厘(159打数58安打)長嶋の3割4分3厘(265打数91安打)に次ぐ3位の高打率だ。
◆ソフトバンクが逆転勝ちを決め、阪神に4連勝で5年ぶりの日本一に輝いた。第1戦で黒星発進したが、そこから一気の4連勝。1勝1敗で迎えた甲子園で無傷の3連勝とし、前身の南海、ダイエー時代を含め12度目の頂点に立った。ソフトバンクが<2>戦から4連勝で00年以来12度目の日本シリーズ制覇。阪神と対戦した年は64、03、14、25年とすべて日本一だ。4連勝は6度目(<1>戦から3度、<2>戦から2度、<3>戦から1度)となり、ソフトバンクが両リーグ最多。シリーズの優勝回数は巨人22度、西武13度に次いで3番目だが、50~99年は優勝3度、敗退8度に対し00年以降は優勝9度、敗退2度。00年以降の優勝回数は巨人の4度を抑え断トツ。シリーズはセ球団の優勝が38度、パ球団が38度で並んだが、00年以降はソフトバンクのおかげでパ球団が17度でリードしている。小久保監督は選手としてシリーズに3度出場して11年にはMVPを獲得。シリーズでMVPと優勝監督の両方は川上哲治、森祇晶、長嶋茂雄、秋山幸二、工藤公康に次いで6人目。
◆ソフトバンクが逆転勝ちを決め、阪神に4連勝で5年ぶりの日本一に輝いた。日本シリーズ・ニッカンMVP査定 <5>戦は同点2ランの柳田、延長11回Vアーチの野村に各4ポイント。シリーズのトータルではV打2度、3戦連発の山川がMVPだった。第1戦VTR 阪神は6回、近本、中野の盗塁などで無死二、三塁とし、森下の遊ゴロで同点。佐藤輝の右中間二塁打で勝ち越した。村上は7回1失点。石井が8回のピンチをしのぎ、9回も続投して締めた。第2戦VTR ソフトバンクが14安打。1回に栗原、山川の連続長短打で3点を奪い逆転。2回は山川の3ランなどで6点を加えた。山川は5打点、周東はシリーズ新記録の5安打をマークした。第3戦VTR ソフトバンクは4回に山川の本塁打で同点、6回に柳町の適時三塁打で勝ち越した。モイネロは6回1失点。阪神は1回に佐藤輝の二塁打で先制したが、4回以降は毎回走者を出すも決定打を欠いた。第4戦VTR ソフトバンクは2回に山川の3戦連続本塁打で先制。5回に柳町の犠飛、6回には代打近藤の適時打で加点した。大津は5回無失点。9回は杉山が2試合連続で1点差を締めるセーブを挙げた。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が1-0の5回2死一、二塁で中前適時打を放った。これで5試合連続の打点を挙げた。ただ阪神は今シリーズ5試合で本塁打がなかった。佐藤輝が5回に5試合連続となる適時安打。シリーズで5試合連続打点は24年<2>~<6>戦桑原(DeNA)以来2人目のタイ記録。<1>戦から5試合続けたのは初めてだ。また、昨年の桑原は<3>戦がソロ本塁打、<5>戦が押し出し死球での各1打点で、5試合連続で適時安打を打ったのは佐藤輝が初めてになる。阪神は5試合で本塁打なし。同一シリーズで0本塁打に終わったチームは、05年阪神(4試合)14年阪神(5試合)に次いで3度目で、すべて阪神が記録した。
◆ソフトバンクが5年ぶりの日本一を決めた。小久保裕紀監督(54)が9度宙に舞った。小久保監督の優勝監督インタビュー一問一答は以下のとおり。-おめでとうございます「ありがとうございます」-今の思いは「セ・リーグ1位の阪神タイガースとなんとかいいゲームをしようと日本シリーズに入ってきましたが、5試合とも生き抜く間もないいい試合ができたと思います。そして昨年、我々が届かなかった日本一という目標を達成できて本当にうれしいです」-総力戦だった。選手の姿はどううつった「1年間1軍に帯同した中村晃が今回は日本シリーズに出場できない中で、選手も彼の分という思いで戦って、ユニホームを持ってきてますけど。今年に関しては4軍までのすべての選手、スタッフ、首脳陣の力がなければ日本一は達成できなかったと。そういう年だったと思います」-選手、監督として日本一。監督で得た日本一は「昨年は悔しい思いをしたんでね。ただ今年はクライマックスシリーズと日本シリーズを入れて154試合戦った選手たちに本当に感謝しています。たくましい選手たちに恵まれて幸せです」-ホークスファンにどんな言葉を届けたい「昨年のことばかり話してしまいますけど、そのくらい日本一に届かなかったというオフが日本一という言葉ばかりをいただいたんでね。その次の年に達成することができて、このオフはファンのみなさまにいい報告ができると、ホッとしています」-2025年シーズンが終了。日本一監督として言葉を「2025年のプロ野球、今日をもって終わります。ファンのみなさま1年間温かい声援ありがとうございました。また2026年もプロ野球界を盛り上げられるよう、精いっぱい頑張ります。ありがとうございました」
◆23年のリーグV、日本一に導いた阪神前監督の岡田彰布球団オーナー付顧問(67)が、テレビ朝日系列の生中継で解説を行った。阪神は本拠地で連敗。ソフトバンクに1勝3敗で負けたら終わりの土俵際の一戦を解説した。岡田顧問は、延長11回に逆転負けし、2年ぶりの日本一を逃した阪神のシリーズを振り返った。「5試合やって4試合が1点差。紙一重に見えるけど、2戦目で(ソフトバンクに)火をつけた。短期決戦だからあの負けが...。そこからの4連敗。(2戦目の大敗が)大きかった」。自らも率いたチームが、本拠地で敗れた姿をまぶたに焼き付けた。
◆ソフトバンク柳町達外野手(28)が今シリーズ5試合目で初めて複数安打を記録した。7回先頭で中前打、8回は2死から右翼フェンス直撃の三塁打を放った。試合前時点で打率1割5分4厘も、敵地甲子園で快音を響かせた。同第3戦では決勝の適時三塁打をマークした際には「いい打席と、悪い打席があるんですけど、しっかり1打席できることに集中できたらなと思います」と語っていた。
◆日本シリーズの表彰選手が発表された。阪神からは敢闘選手賞に佐藤輝明内野手(26)が選ばれた。この日の試合で5回に中前適時打を放ち5試合連続打点。昨年のDeNA桑原に並び日本シリーズ最長で、初戦からの5戦連続は初だ。5試合で打率3割6分8厘の5打点と活躍していた。
◆阪神が2年ぶりの日本一を逃した。近本光司外野手(30)は今季取得した国内フリーエージェント(FA)権について「終わったばかりなので、まだちゃんと考えていないし、考える時間もなかったし。でも、しっかり自分の意思で、自分の残りの野球人生、しっかり自分で主体的に決めていきたい」と話した。日本シリーズについては「やることはやったと思っている。どっちかが勝つし、どっちかが日本一になるし。今までやってきたことは間違いではないし、そこはしっかり相手の勝ちを受け止めて、僕らは負けたなとそう受け止めました」と振り返った。
◆5年ぶり日本一の瞬間、ソフトバンク牧原大成内野手(33)が、腰の手術をするために離脱した中村晃外野手(35)の背番号7のユニホームを手に歓喜の輪に飛び込んだ。中村は18日のCSファイナルステージ第4戦の3回に一ゴロで全力疾走し一塁塁審と衝突。グラウンドで頭を強打しその際に持病の腰痛が再発した。右股関節のコンディション不良もあり日本シリーズは欠場した。普段から仲の良い牧原大はベンチに戻っても、中村のことを思って歓喜の涙で目を真っ赤に腫らした。「よかったですよ。晃さんの分も泣いたと思います。いなかった晃さんが本当に悔しいと思うので。でも、その悔しさを自分たちが持って挑んで、勝ててよかったかなと思います」と話した。中村のユニホームは「もう持っていくと決めていたので」と本人から事前にもらっていた。
◆阪神が2年ぶりの日本一を逃した。今季は最多勝、最高勝率、最多奪三振で3冠の村上頌樹投手(27)が延長10回からリリーフ登板。延長11回に勝ち越しソロを浴びた。準備は「全然できていたので言い訳はないです」と振り返った。救援登板は昨年10月13日のCSファーストステージDeNA戦(甲子園)以来だった。
◆ソフトバンク杉山一樹投手(27)が回またぎで好投した。2-2の9回から登板。わずか6球で3者凡退に抑え、続く10回は1番近本から始まる上位打線を打者3人で料理した。2回を完全投球で勝利投手になった。日本一の気分は「最高です!」と笑顔。今季は6月以降から守護神に定着し、パ・リーグトップタイの31セーブをマークした実力を示した。
◆阪神が2年ぶりの日本一を逃した。8回に石井大智投手(28)が同点2ランを被弾。試合後にスタンドのファンへあいさつを向かった際、目から涙が流れていた。「きょう打たれたから言うわけじゃないんですけど、本当にその4試合の中で、やっぱり力の差を感じていた。きょうも柳田選手、自分的にはやっぱり投げ切れた球だったと思ったんですけど、明らかに力負けです」と肩を落とした。今季はレギュラーシーズンでプロ野球新記録の50試合連続無失点をマークしていた。
◆ソフトバンク有原航平投手(33)がシーズンでも経験していない中4日で先発し5回途中2失点に抑えた。2回に坂本に先制適時打、5回2死一、二塁で降板。代わったヘルナンデスが佐藤輝に2点目の適時打を許しベンチで苦い表情だった。「常にランナーを背負ってのピッチングになってしまった。なかなかリズムに乗ることができなかった」と話したが、粘りの投球だった。
◆ソフトバンク王球団会長が5年ぶりの日本一奪回に喜びいっぱいだった。2本の本塁打で逆転勝ち。「山川も3本のホームランを打ったし、短期決戦はヒーローが出た方が勝ち」。柳田の同点2ラン、延長にもつれ込んで野村の勝ち越し弾。「(野村が)ライトにホームランを打つとはビックリしましたよ」と声を弾ませた。昨年はDeNAの前にシリーズ敗退。雪辱を果たした小久保監督の采配についても「去年はよっぽど悔しかったんでしょう。(今シリーズは)いい采配をしたんじゃないですかね」と愛弟子の雪辱タクトを称賛していた。
◆今季限りで現役引退する阪神原口文仁内野手(33)は目に涙を浮かべて、仲間への感謝を言葉にした。日本シリーズは出場資格者40人には入ったが、ベンチメンバーには入れず。それでも「本当にチームメートの皆さんにね、日本シリーズの舞台までやらせていただいて...」と感無量の表情。「引退を決めて引退試合もしてもらってからも、いつも通り準備できた。最後まで自分の野球を貫き通せたのは誇りに思っています。16年間、自分なりに一生懸命やってきて、本当に幸せな野球人生だったなと思います」と胸を張った。引退発表から1カ月、最後まで黙々と体をいじめ抜いた。ラストゲームは甲子園で見届けた。「やっぱりファンの皆さまの応援だったり歓声をこれから浴びられないと思うと、本当に寂しいなと思いますし、もっともっとやりたいなという気持ちがどんどん大きくなってしまう」。偽らざる胸中を明かしながらも「これからまた新たなスタートなんで、そういう気持ちをエネルギーに変えて新しいステージでやっていきたいなと思います」と力を込めた。
◆ソフトバンク松本裕樹投手(29)が胴上げ投手となった。先に抑えの杉山が9回、10回と投げたため、いつもと出番が逆となった。先頭の4番佐藤輝は四球で歩かせたが、そこから冷静に3つアウトを重ね、歓喜の輪の中央に立った。「しっかり丁寧に投げきることができた。一段と緊張感もあって、ほっとしたのが1番ですね」。前日第4戦は8回に2失点で1点差に迫られる悔しい投球だったが、翌日、最高の形でやり返した。
◆ソフトバンクの王貞治会長(85)が日本一に立った選手や小久保裕紀監督(54)らをねぎらった。黒星発進ながらに第2戦で本塁打を放った山川穂高内野手(33)の存在が大きかったと振り返った。「短期決戦はヒーローが出たほうが勝ちなんで。そういう意味では山川くんの3本のホームランは大きかったですね」と日本シリーズ最長タイの3戦連発の主砲をたたえた。また、昨年は日本シリーズで敗れて日本一になれなかった中で、1年後に日本一に導いた小久保監督の手腕も評価。「監督がうまく選手をその気にさせて、適材適所で使ってくれた。(今日も)近藤くんを代打で使ったりね。思い切りのいい大胆な起用をしてましたし。今年は投手の起用も大津くんを変えてみたり。そういった意味でいい采配をしたんじゃないですかね」と積極采配に目を細めた。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)は終戦直後、悔しさを隠しきれなかった。第5戦は2回1死一、二塁から三遊間を破る先制打を決めたが、最後は延長11回に勝ち越されて敗戦。2点リードの8回は1番柳田に左翼席へ同点2ランを運ばれ、11回は野村の右超えソロで勝ち越された。試合後は被弾の場面などを振り返り、「技術的にもメンタル的にもいろんなことがこう...大きな差を感じました」と沈痛な表情。「打つ方も守る方も、自分で考えることも含めて、もっともっと野球がうまくなりたいし、まだまだ自分が勉強しないといけないことがたくさんあるとも感じた。いろいろ考えさせられる、勉強になる試合をさせてもらったなと思います」と懸命に言葉を振り絞った。
◆阪神が無念の逆転負けで、2年ぶりの日本一を逃した。第1戦に勝ったが、そこから4連敗。本拠地での胴上げを許した。連続無失点の日本記録を樹立した石井大智投手(28)が8回に柳田悠岐外野手(37)に同点2ランを許し、最後は村上頌樹投手(27)が打たれた。エース右腕は第5戦の先発が予想されたが、前倒しでブルペン待機。2イニング目の延長11回に野村勇内野手(28)に決勝アーチを浴びた。最後の最後で鉄壁の必勝継投が崩れ、送り込んだ村上も止められなかった。藤川球児監督(45)はソフトバンクをたたえた。「底力がありました。タイガースとしてできることは精いっぱい、日々やってきましたけど、非常に強かったです。まだまだ組織として、自分も預かる立場として、さらにチーム力を上げていかなければ(再び)ここまで来ることは非常に難しいだろうし、こういう強いチームと対等以上に戦おうと思うと、さらにやるべきことはしっかりとやらなければいけない。とにかくチーム力を上げなければいけない。悔しさはないです。それだけ相手が強かった。悔いが残るようなことは全くしてませんから」
◆阪神が無念の逆転負けで、2年ぶりの日本一を逃した。第1戦に勝ったがそこから4連敗。本拠地での3試合はすべて1点差だった。藤川球児監督(45)は「選手には誇りを持っています。非常に頑張ってくれたし、この時期までファンの方のために、チームのために、最後までコンディションをキープできた彼らの集中力には本当に頭が下がります」と健闘をたたえた。さらに接戦を落としたことにも言及。「1点差は時の運のように見えて、そうではないですから。セ・リーグを制してきて、勝ち上がってきたわけですけど、DHもありますからね。非常に強力な打線を備えていた。精いっぱい、選手たちは戦ってくれましたけど。これはまた来年に。彼らにこれ以上のことを求めることはないです。成長はしていかないといけない選手たちはいますから」と前を見据えた。
◆藤川阪神がまさか連発で終戦した。ソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2025」第5戦に逆転負けして4連敗。3点リードの8回に登板した石井大智投手(28)が柳田に同点2ランを被弾。シーズン、CS、日本シリーズ合わせて56試合連続無失点だった右腕が、6カ月ぶりに失点した。延長10回は第1戦で先発した村上頌樹投手(27)が中4日で緊急救援したが、野村に勝ち越しソロを被弾。阪神は歴史的な強さでセ界を制したが、ソフトバンクとのシリーズは4度全て敗れ、無念の甲子園胴上げを許した。ホークスの壁は厚かった。延長11回に力尽きた。阪神は南海、ダイエー時代を含めて日本シリーズで4度対戦したが、今回も日本一にはたどり着けなかった。最後の打者高寺が二ゴロに沈み、三塁ベンチからマウンドへ歓喜でダッシュするソフトバンクナインを藤川監督は、腕を組みながら少し赤らんだ顔で見つめた。「悔しさはないです。それだけ相手が強かった。悔いが残るようなことは全くしてませんから」。就任1年目で史上最速9月7日のリーグ優勝を成し遂げた。だが日本一への道は1勝後4連敗、甲子園では球団初の3連敗で幕を下ろした。切り札が次々と打ち砕かれた。2点リードの8回に不動のセットアッパー石井が3番手登板。1死一塁から1番柳田に、初球の外低め150キロ直球を左翼ポール際にたたき込まれた。今季50試合連続無失点の日本記録を樹立し、CSファイナル3試合、日本シリーズ3試合と無失点を続けてきた0魔神が6カ月57試合ぶりの失点を喫した。まさかの痛恨被弾。石井は「今日打たれたから言うわけじゃないんですけど、4試合の中で力の差を感じていた。今日も柳田選手に明らかに力負けです」と話した。エース村上も打たれた。初戦に先発し7回115球1失点で、日本シリーズでのみずほペイペイドーム7戦7敗の"博多の呪縛"を拭い去った右腕が、中4日で緊急のリリーフ登板。だが2イニング目の11回先頭の野村に148キロの直球を右翼席に運ばれた。3冠右腕は「(リリーフの準備は)全然できていたので、言い訳はないです」と潔く結果を受け止めた。石井が打たれ、村上まで打たれたら仕方ない。指揮官は前を向いた。「(選手、スタッフには)胸を張ってリーグ優勝の報告をこれからしていこうと。またチームとして力を引き上げていかなきゃいけないのが私の仕事。取りかかること、立ち向かうところがまたあっていいなと思います。ありがたいことですね」。来季こそ日本一へ。決意新たに猛虎の再挑戦が始まる。【伊東大介】▽阪神秦雅夫オーナーの話 今シーズン、チームは「守りの野球で勝つ。」という方針のもと、最後まで粘り強く戦い抜いてくれました。福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズは、両リーグの覇者が誇りを懸けてぶつかり合う戦いでした。ファンの皆様のご期待に応えることはできませんでしたが、堂々と戦い抜いた藤川監督をはじめ、コーチ、選手、チームスタッフを心から誇りに思います。そして、この経験と悔しさは、必ずやチームの糧となり、更なる成功につながるものと確信しております。来シーズンは、まずはセ・リーグを連覇すること、そしてポストシーズンを勝ち切ることを目指して、心を新たにして挑戦を続けてまいります。最後になりますが、シーズンを通じて熱い声援を送り続けてくださったタイガースファンの皆様、長年にわたり球団を支えてくださっている全ての皆様に、深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。▽阪神粟井一夫球団社長の話 本日をもって、2025年シーズンの全日程が終了いたしました。球団創設90周年という節目の年に、チームは藤川球児監督のもと、一戦一戦に全力を尽くし、セ・リーグ制覇、そして日本シリーズ進出という大きな成果を遂げてくれました。惜しくも日本一の座には届きませんでしたが、最後まで勝利を目指し戦い抜いた藤川監督をはじめ、コーチ、選手、そしてチームスタッフの姿勢を誇りに思います。また、シーズンを通じて、球場をはじめ全国各地から熱い声援を送ってくださったファンの皆様、並びに全ての関係者の皆様に、改めまして心より御礼申し上げます。この日本シリーズ敗退の悔しさを糧に、阪神タイガースは来シーズン、セ・リーグ連覇そして日本一の奪還に向け、果敢に挑戦してまいります。引き続き、阪神タイガースへの変わらぬご声援をよろしくお願い申し上げます。阪神はソフトバンクを苦手としている。日本シリーズで対戦したのは、南海、ダイエー時代を含め4度目だったが、すべて敗退。特にソフトバンクになってからの2度の対戦ではいずれも初戦勝利後の4連敗で退けられた。交流戦でも通算29勝41敗4分けの借金12。交流戦カード別ではワーストで、交流戦通算の借金(10)はソフトバンク戦の借金がなければ貯金2になっている。
◆阪神及川雅貴投手(24)が魂の先輩斬りで同点のピンチをしのいだ。2点リードの7回に登板。2死一、二塁で、横浜高の8学年上の先輩、ソフトバンクの代打近藤と対戦した。通算打率3割7厘の好打者との息詰まる戦いで、8球目に外角低め144キロ直球でズバッと見逃し三振に仕留めた。今季はレギュラーシーズンで両リーグ最多66試合に登板。防御率0・87で、プロ野球新記録の18試合連続ホールドをマークするなど1軍で完走。ポストシーズンも5試合無失点。成長著しい左腕が、最後までたくましく輝いた。
◆敗戦の光は阪神佐藤輝明内野手(26)だった。昨年のMVP、DeNA桑原の日本シリーズ記録に並ぶ5試合連続打点。初戦からの5戦連続は史上初だった。シリーズを通して打率3割6分8厘の5打点で敢闘選手賞を受賞。2年ぶり日本一は逃したが、虎の主砲は最後まで気を吐き続けた。1-0で迎えた5回2死一、二塁。ソフトバンクのベンチが右腕の先発有原に代えて投入した左腕ヘルナンデスと対峙(たいじ)した。粘ってカウント2-2からの7球目。甘く入った150キロを超えの直球をしっかりはじき返した。中前打で5試合連続適時打となり「次の1点がほしい展開だったので、いい結果が出て良かった」と気合のコメント。崖っぷちの1勝3敗で迎えた一戦で塁上から味方ベンチを指さし「どうだ」と言わんばかり鼓舞した。第5戦までの全試合で打点と適時打。これまでは85年バースの3試合が最長だった球団の日本シリーズ連続打点記録をさらに伸ばした。内野ゴロの1打点だけだった23年の日本シリーズから大きな進化を示した。敗戦後のコメントはなかったが、佐藤輝が孤軍奮闘して盛り上げたソフトバンクとの頂上決戦だったことは間違いない。悔しさを胸に来季の日本一を目指す。【塚本光】
◆阪神が無念の逆転負けで、2年ぶりの日本一を逃した。第1戦に勝ったが、そこから4連敗。本拠地での胴上げを許した。試合後の藤川球児監督(45)の一問一答は次のとおり。-最後まで阪神としての戦いを貫いた「やっぱり(ソフトバンクは)底力がありましたね。非常に強かったですね」-ソフトバンクの強さをどこに感じたか「まだまだ組織として、自分も預かる立場として1年目で、さらにチーム力を上げていかなければ、ここまでくることは非常に難しい。こういう強いチームと対等以上に戦おうと思うと、さらにやるべきことはしっかりとやらなければいけない。とにかくチーム力を上げなければいけない。それぐらい強かったですね」-相手の胴上げを見ていた「自分たちの選手には誇りを持ってますから、非常に頑張ってくれた。今日限界が来てもという意味で全選手が努力して今日のゲームに備えながら、やってくれました。彼らの今シーズンへの集中力に本当に頭が下がります。次は自分が監督としてどういうふうに、次の春に向かってチームを作り上げていくかというところですね」-甲子園はすべて1点差「1点差は時の運のように見えてそうではないですから。DHもありますから、(ソフトバンクは)非常に強力な打線を備えていたという印象。精いっぱい、選手たちは戦ってくれました。彼らにこれ以上のことは求めることはないです。成長はしていかないといけない選手たちはいますから」
◆阪神近本光司外野手(30)は負けて悔いなし、を強調した。23年は日本シリーズMVP。今回も第1戦で二盗から勝利の流れを作った。全5試合で安打を放ち、23年から10試合連続安打の球団記録も作った。「やることはやったと思っている。どっちかが勝つし、どっちかが日本一になる。でも、今までやってきたことは間違いではないし、そこはしっかり相手の勝ちを受け止めて、日本一になったな、僕らは負けたなって」と振り返った。今季、初めて取得した国内フリーエージェント(FA)権については「本当に終わったばかりなので。まだちゃんと考えていないし、考える時間もなかった。しっかり自分の意思で、残りの野球人生、自分で主体的に決めていきたいです」と話した。
◆ソフトバンク山川穂高内野手(33)が3試合連続本塁打の秘密を明かした。打撃で、ある感覚をつかんだという。「2試合目のアーリーワークでつかんだ。これ絶対に打てると。かなり自信を持った。カーブマシンで打っていたんですけど。技術ですね」と手応えのある打撃技術をつかんだ。細かい部分を問われると、「めちゃくちゃ意識していたのはかかとの骨です。両方のかかと」と詳細を明かした。シーズン序盤から試行錯誤を続けた中で、最終盤でしっくりときた。「今年1年は1000回くらいバッティングフォームを試した。最後の最後にこれだと思った。かかとを意識することで、構えているときに打てると思った」と完璧な打撃フォームを手に入れた。ただ、一つ悔やんだことがあった。「この感覚が頭からきていたらと思う」。手応えを得た一方で、シーズンの早いタイミングで手に入れておけばという思いものぞかせた。そして「明日はさすがに休みますけど、明後日くらいからバットを振ろうと思います」と続けた。
◆共同記者会見で小久保裕紀監督(54)が途中出場の嶺井博希捕手(34)の活躍をほめた。「石井投手は4月4日以来の失点。なかなか点を取れない投手だったんですけど、よくあそこで柳田が2ラン。その前に嶺井が3打席で3出塁というね、嶺井の活躍も見逃せないですね」。6回に代打で中前安打、そして8回は先頭で阪神石井から右前安打を放ち柳田の同点2ランにつなげた。また第7戦になった場合は中4日でリバン・モイネロ投手(29)を先発させる予定だったことも明かした。「レギュラーシーズンとはまったく別物として考えようと。本来なら大関が13勝を挙げ、最高勝率も取っている投手を使った方がいいのか。今の状態のいい選手を使おうということで、大津を先に投げさせたりとか、選手たちには申し訳なかったが、シリーズとペナントは別という思いで起用しました」と、今季のレギュラーシーズンの成績にとらわれず、旬の選手を起用し、昨年逃した日本一に輝いた。
◆ソフトバンクナインが日本一の美酒に酔いしれた。日付が変わった午前1時過ぎからシャンパンファイトがスタート。選手会長の周東が「みんな、お疲れ。3つの山(リーグ戦、CSファイナル、日本シリーズ)を登るって言いましたね。登ったね、みんな。今日はみんなしこたま酔って、酔って、飲んで、飲んで、騒いでいきましょ! 」の発声とともに、一斉にかけ合った。大盛り上がりを見せ、700本のシャンパンが泡と消えた。
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(31)を、大リーグの複数球団が調査していることが30日、分かった。流出となれば大きな痛手となるだけに、阪神は全力で慰留に努める方向だ。来日1年目の助っ人右腕は、開幕ローテ入りを果たすと、8月上旬まで15試合に先発して6勝3敗、2度の完封勝ちをマーク。下肢のコンディション不良でリーグ戦終盤から離脱したが、高い奪三振率でリーグ優勝に貢献した。また、すでに帰国したジェレミー・ビーズリー投手(29)、ハビー・ゲラ投手(30)はともに今季限りでの退団が濃厚となった。
◆阪神が才木浩人投手(26)のポスティング制度を利用した今オフのメジャー挑戦を本格的な話し合いに入ることが30日、分かった。チームはソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ2025」で4連敗して今季が終了。今後、挑戦への可否を含めて交渉に入るとみられる。才木は昨オフの契約更改でも将来的なメジャー挑戦の意向を明かし、登板日はメジャー関係者が視察に訪れるなど、米球界も注目の存在。球団が認めれば、プロ9年目で念願のチャレンジがかなう。エース格としてチームを支えてきた「才木の夢」について、本格的な話し合いに入る。ソフトバンクに逆転で敗れ、日本一への夢がついえた第5戦。阪神の25年シーズンが完全終了し、今後交渉に入っていくとみられる。球団が認めれば、才木にとってプロ9年目で念願のチャレンジとなる。昨オフの契約更改の席で、才木は初めて球団側に将来的なメジャー挑戦の意向を伝えていた。「年齢的にも30代になったらちょっとしんどいかなと僕の中で思っているので。28、29歳とか、そこら辺で行けたらベスト」と素直な思いを明かしていた。海外FA(フリーエージェント)権を取得できるのは、最短でも5年後の30年シーズン。16年に兵庫・須磨翔風からドラフト3位で入団し、プロ9年目の今季。来月7日には27歳の誕生日を迎える。自身の描くリミットも少しずつ近づいてきたタイミングだ。すでにメジャー球団からも高い注目を集めている。シーズン中の登板では、常に関係者が来場して視察。ポストシーズンの登板ではパドレスやフィリーズ、ヤンキースなど8球団から熱視線を送られ、球団によっては幹部が来場していたこともあった。昨年11月のプレミア12でも日本代表に選出され、今季は12勝6敗、防御率1・55。2年ぶりリーグ優勝に貢献し、セ・リーグ最優秀防御率賞を獲得した。名前は海の向こうにも行き届いている。今年3月にはドジャースとのプレシーズンゲーム(東京ドーム)で先発。大谷翔平から空振り三振を奪うなど、昨季のワールドシリーズ王者を5回1安打無失点、7三振に封じ込めた。試合後にはドジャースロバーツ監督からも「投げている球はメジャー級」とお墨付きを受ける内容だった。高卒1年目から1軍デビューを果たし、2年目も22試合に登板。20年に右肘のトミー・ジョン手術を受けるもリハビリ期間を経て22年に復帰した。そこからは右肩上がりに成績を伸ばし、23年から今季までの3年間では33勝をマーク。今や球界屈指の本格派右腕となった。兵庫・神戸市出身で、地元球団で活躍してきたプロ野球人生。日本シリーズ第3戦で先発した勇姿が、最後のタテジマになるのか。関西から世界の舞台に立つ日は近いかもしれない。才木浩人(さいき・ひろと)1998年(平10)11月7日生まれ、兵庫県出身。須磨翔風では甲子園出場なし。16年ドラフト3位で阪神入団。2年目の18年は5月27日巨人戦(甲子園)で初勝利など6勝。20年11月に右肘の内側側副靱帯(じんたい)再建術を受け、21年から育成契約。22年に支配下復帰。昨季、今季と2年連続で規定投球回をクリア。今季は防御率のタイトルを獲得した。189センチ、92キロ。右投げ右打ち。
◆ソフトバンク山川穂高内野手(33)が日本シリーズMVPを初受賞した。打率3割8分5厘、3本塁打、7打点。「いい状態で打席に入れたので、いい結果が出たと思います」。第2戦から第4戦でシリーズタイ記録となる3試合連続本塁打も放った。文句なしの大暴れ。新たな勲章を手にし、堂々と胸を張った。苦しみ、もがき、最後の最後に意地を見せた。今季は定位置の4番から外れ、スタメン落ちを経験。移籍後初めて2軍落ちの屈辱も味わった。レギュラーシーズンでは極度のスランプに陥り、人知れず悩んだ。「何とかしようとして球場に行って。何ともならなくて。それでも何とかしようとして」。23本塁打、62打点はともにチーム最多だが、打率2割2分6厘。好機ではことごとく凡退することもあった。得点圏打率1割7分6厘。その数字がそれを物語っていた。打撃不振の要因に左足首痛があった。開幕後に負傷し「万全だったら打ててたかなって思うけど...。仕方がない」と言いわけはないが、歯車が狂ったのも事実。6月のファーム再調整期間中には痛みを止めるべく、注射も打った。満身創痍(そうい)も、シーズン最終盤にさしかかったころだ。試合前練習が始まる数時間前に誰よりも早くグラウンド入りしたことがあった。本拠地のスタンドでのランニングで汗を流した。常に大事にしてきた「準備」を1度も怠ることはなかった。そんなことを世間は知るよしもない。打てば称賛も、打てなければ批判の的になる。それでも「周囲は気になりませんよ。『不振』って書かれても気にしない。そんなの気にしていたら4番は打てないでしょ」。長年、打線のど真ん中に座り続けた。その重責は百も承知。「(打てば)みんなが手のひらを返す」。プロである以上、雑音を結果でかき消すしかなかった。苦悩の1年を乗り越え、頂上決戦で完全に息を吹き返した。日本一は野球人生初めて。まだ見ぬ景色に、復活を遂げたスラッガーの表情に充実感がにじんだ。【佐藤究】日本シリーズ・ニッカンMVP査定 <5>戦は同点2ランの柳田、延長11回Vアーチの野村に各4ポイント。シリーズのトータルではV打2度、3戦連発の山川がMVPだった。
◆阪神梅野隆太郎捕手(34)が国内FA権の行使を熟考していることが30日、分かった。21年に国内FA権を取得するも行使せず残留。今年が4年契約の最終年だった。13年ドラフト4位で入団した梅野は、17年から7年連続で開幕マスクを任され、ゴールデングラブ賞を3度獲得。21年には東京五輪に出場し金メダルに輝いた。昨季は阪神の生え抜きでは初めて捕手として1000試合出場を達成。若手の多いチームで、中心選手として長らくけん引してきた女房役を、球団は全力で慰留に努める方針だ。
◆ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2025」で阪神に4連勝し、前身の南海、ダイエー時代を含め5年ぶり12度目の日本一に輝いた。小久保裕紀監督(54)は昨年DeNAとのシリーズで2連勝から4連敗で敗れる屈辱を経験。就任2年目に臨機応変の采配を貫き悲願を達成した。常勝チームを作り上げるモチベーションは孫正義オーナー(68)の存在が大きく響いた。次に目指すのはリーグ3連覇、2年連続日本一。新たなホークス黄金時代の構築だ。消えることのなかった雲がようやく晴れた。1年前はDeNAに2連勝から4連敗。周囲の言葉はリーグ優勝の祝福より日本シリーズ敗退の慰めの声が9割だった。「モヤモヤ」「引っかかり」「スッキリしない」。胸の内のしこりに苦しんできた小久保監督が、甲子園で日本一の胴上げ。今日こそは心の底から喜べる。「昨年届かなかった日本一。本当にうれしいです」。球団としては64年ぶりに聖地胴上げ。現役時代の背番号と同じ9回舞った。26日の第2戦。選手の自主性を尊重する柔軟な采配が光った。9点リードの8回に左腕松本晴が登板。9回も続投し、3番森下に四球、4番佐藤輝を遊直。5番大山を迎えたところで木村光にスイッチした。大量リードの場面で勝ちパターン左腕の投入には理由があった。甲子園に場所を移す第3戦の先発は左腕モイネロ。その前提で、捕手の海野が「森下と佐藤の左(投手)に対する反応が見たい」と直談判してきた。大山はすでに左腕ヘルナンデスと対決済み。虎の強力クリーンアップを封じるための伏線だった。小久保監督は球数を気にしつつも「海野の意思を尊重した」。モイネロは第3戦で6回1失点。2日前の情報収集が勝利につながった。第2戦は計14安打も海野だけ無安打。「海野のノーヒットは想定内です」。イジリながらも扇の要の成長に目を細めた。2年目に向かう指揮官、小久保裕紀を奮い立たせた1日があった。開幕前の孫オーナーとの会食は「楽しみで仕方ない」。心躍らせて"トップ会談"に向かう。そこには人工知能(AI)や情報革命の無限の可能性を熱弁する孫オーナーがいた。世界を代表するソフトバンクグループのトップは攻めの姿勢を崩さない。そして柔軟だ。常に先を見続ける総帥の姿に胸打たれた。「巨大なモチベーション。今年も頑張ろう」と思えた。月日がたっても努力家、勉強家の性格は現役時代から変わらない。5年ぶり日本一奪還はオーナーに向けても最高の恩返し。自己研さんを積んだ先に常勝ソフトバンクの復活が待っていた。自宅で飼う猫たちを溺愛する。愚痴、独り言、ため息を禁じながら「今年もできてないね」と笑う顔もある。グラウンドでは見せないギャップは小久保監督の魅力の1つ。93年ドラフトでダイエーに逆指名で入団し、当時の中内?オーナーや根本陸夫監督から「将来はホークスで監督をやってほしい」と言われた。「いま考えたらそれを真に受けた俺もだいぶ勘違いやったけどね」。22歳から思い描いてきた夢。32年後、日本一の監督になった。【只松憲】
◆阪神は28日の第3戦から甲子園開催3試合の際に、2軍本拠地「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」でパブリックビューイングを行った。申し込みは25年度の公式ファンクラブ・ファンクラブKIDS会員限定で、同行者は非会員でも可能だった。第5戦の30日は3510人が来場し、スタンドは満員だった。球団OBの井川慶氏(46)らが出演。球団公式マスコット「コラッキー」も登場し、イニング間にはさまざまな演出が行われた。甲子園での試合さながら開始前にはスタメン発表も実施し、直前には先発大竹耕太郎投手(30)の登場曲が流れた。ファンはメインビジョンに流れる映像を見ながら大声援。イニング終了後に活躍した選手へ名前のコールも送られた。今年3月に開業した新2軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」を有効活用している。
◆1勝3敗と後がない阪神は大竹耕太郎投手(30)が先発する。今季は16試合の先発で9勝4敗、防御率2・85。6月21日のソフトバンク戦(甲子園)では六回途中無失点で勝ち投手となり、12球団勝利を達成した。1カ月ぶりの登板となるが、大舞台で古巣相手に快投を見せられるか。打線は「6番・遊撃」で木浪聖也内野手(31)を起用。球団新記録の日本シリーズ4戦連続打点を挙げている佐藤輝明内野手(26)にも注目が集まる、この日は、第1戦に先発した村上頌樹投手(27)、第3戦で先発した才木浩人投手(26)がベンチ入り。今季限りでの引退を表明している原口文仁内野手(33)はベンチ外となった。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)が圧巻の立ち上がりを披露した。先頭の柳田を一ゴロに仕留めると、2番・周東を遊ゴロに打ち取って簡単に2死。最後は柳町を140キロ外角直球で見逃し三振に斬った。この日、ABCの放送席に登場し岡田彰布オーナー付顧問(67)は、「イメージがやっぱパ・リーグのバッターは違うのかなと思って。セ・リーグでね、大竹が一番抑えているのは真っすぐ。パ・リーグ相手には真っすぐをたぶん投げさせてもらえなかったかもわからないけどね」とコメントした。岡田顧問の言葉通り、二回も先頭の山川を内角低めへの140キロ直球で見逃し三振、野村を外角へのチェンジアップで空振り三振を奪った。二回まで、糸を引くような直球と緩急を駆使して相手打線を寄せ付けていない。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)がテレビ解説。2023年のオリックスとの日本シリーズ第1戦で、山本由伸(ドジャース)から佐藤輝明内野手(26)が二盗を決めたシーンを振り返り、「あれはサインサイン。今だから言えるけどね」と明かした。佐藤輝の盗塁を皮切りに、五回に一挙4得点。8-0で初戦を制した。この日も二回に先頭の佐藤輝が左前打で出塁。同じく二盗を試みたが、海野の好送球で刺された。それでも後続が続き、坂本誠志郎捕手(31)の適時打で先制に成功した。
◆阪神は坂本誠志郎捕手(31)の適時打で先制に成功した。二回、先頭の佐藤輝明内野手(26)が安打で出塁後、二盗失敗するも、大山悠輔内野手(30)が四球、2死後、高寺望夢内野手(23)も四球を選んで2死一、二塁とすると、坂本が三遊間を破った。好スタートを切った大山がホームに滑り込んでセーフとなり、2試合ぶりの先制点。シリーズ5戦目にして、初めてクリーンアップ以外の打点となった。
◆阪神は坂本誠志郎捕手(31)の適時打で先制に成功した。二回、先頭の佐藤輝明内野手(26)が安打で出塁後、二盗失敗するも、大山悠輔内野手(30)が四球、2死後、高寺望夢内野手(23)も四球を選んで2死一、二塁とすると、坂本が三遊間を破った。好スタートを切った大山がホームに滑り込んでセーフとなり、2試合ぶりの先制点挙げた。「打ったのはツーシームかな。勝つしかないので!勝てるように頑張ります!」とコメントした。
◆阪神・村上頌樹投手(27)がブルペンで肩を作る姿が、四回にテレビ中継に映された。村上は第1戦に先発して6回1失点と好投。後がなくなり、そこから中4日でベンチ入りしていた。解説を務めた岡田彰布オーナー付顧問(67)は「あれは肩の状態を確認するキャッチボール。張りがどの程度か、など。これはまだ関係ないタイミング」と話していた。
◆阪神の岡田彰布オーナー付顧問(67)が、ソフトバンクOBの川崎宗則氏(44)、中日・松山 晋也投手(25)とともにテレビ朝日系列の中継で解説を務めた。二回、大山悠輔内野手(30)の第1打席を見た岡田顧問は「打席(の立ち位置がホームベースから)、離れているね。ストレートに詰まり気味だから」と指摘。四球で出塁すると、四回の第2打席も四球。「この試合に限って、ベースから離れている。だからインコース(の際どい球)がボールになる」と分析していた。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)が五回2死から初安打を許した。1-0で迎えた中盤、打者14人に対して1人の走者を許さない投球を続けていたが、6番・野村に不運なイレギュラーで初安打を許した。それでも続く牧原大を一ゴロに仕留めて無失点。五回までスコアボードにゼロを刻むと、直後の攻撃では先頭で打席に立って中前打を記録した。崖っぷちの一戦で、技巧派左腕がその力を発揮している。
◆阪神・近本光司外野手(30)が、自身が持つ球団記録を更新する日本シリーズ10試合連続安打を記録した。1-0で迎えた五回、先頭の大竹耕太郎投手(30)が中前打で出塁して無死一塁で打席へ。第1戦で2安打を放った先発の有原と対し、フルカウントからの内角カットボールを右前に運んだ。これで2023年の日本シリーズ第3戦(甲子園)から続くシリーズ連続安打を10に更新。虎のリードオフマンからまたしても快音が響いた。
◆ソフトバンク・有原航平投手(33)は、五回途中を2失点で降板した。25日の第1戦の先発から中4日での登板となった有原は一回は三者凡退に仕留めたが、その後は走者を背負う展開。二回には2四球を与え、2死一、二塁から坂本に左前へ先制打を浴びた。五回には2死一、二塁とピンチを招き、ソフトバンクベンチは2番手、ヘルナンデスとのスイッチを決断。ヘルナンデスが佐藤輝に中前へ適時打を打たれ、有原は2失点となった。
◆阪神は佐藤輝明内野手(26)の5試合連続となる適時打で追加点を奪った。1-0の五回、大竹耕太郎投手(30)、近本光司外野手(30)の連打で無死一、二塁とチャンスを作ると、2死となって佐藤輝。左腕ヘルナンデスに追い込まれながら外角のスライダーを見逃し、内角に入った直球を仕留めた。ライナーで中前に弾ませ、近本が生還。日本シリーズタイ記録の5試合連続打点となり、第1戦からとなると史上初の偉業を達成。2点をリードし、試合は後半戦に入る。
◆阪神は佐藤輝明内野手(26)の5試合連続となる適時打で追加点を奪った。1-0の五回、大竹耕太郎投手(30)、近本光司外野手(30)の連打で無死一、二塁とチャンスを作ると、2死となって佐藤輝。左腕ヘルナンデスに追い込まれながら外角のスライダーを見逃し、内角に入った直球を仕留めた。ライナーで中前に弾ませ、近本が生還。日本シリーズタイ記録の5試合連続打点となり、第1戦からとなると史上初の偉業を達成。「打ったのはストレート。次の1点が欲しい展開だったので、いい結果が出て良かったです」とコメントした。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)が大舞台で古巣相手に快投を披露し、マウンドを降りた。1巡目は柳町、山川を直球で2者連続見逃し三振に斬るなど、直球と変化球の巧みなコンビネーションで相手打線を寄せ付けず。四回2死には、3番・柳町に対して初球を79キロ、2球目にはさらに10キロ遅い69キロのスローボールでタイミングを外し、中飛に打ち取った。五回2死まで1人の走者も許さない完全投球。6番・野村に不運なイレギュラーで初安打を許したが、続く牧原大を一ゴロに仕留めて無失点。六回に2本の安打を浴びたが、代打・正木を併殺打に打ち取るなど、打たせて取る投球でピンチを脱出した。六回の攻撃で代打・中川勇斗捕手(21)が送られて降板。負ければ終戦の日本シリーズ第5戦。3連勝での逆転日本一に向け、1カ月ぶりの登板となった左腕が強力な流れを呼び込んだ。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)、ソフトバンクOBの川崎宗則氏(44)、中日・松山晋也投手(25)がテレビ朝日系列の中継で解説を務め、阪神の高卒5年目・高寺望夢内野手(23)を絶賛した。「7番・左翼」で先発し、2安打1四球と第3打席まで全打席出塁。六回1死で3番手・松本晴から中前打を放った打撃を目撃した川崎氏は「23歳、楽しみな選手。首位打者を取るような選手になるでしょう」と絶賛。昨年まで2年間監督として指導した岡田顧問も「遠藤という似たような選手がいて、高寺を残してね。大学に行ったことを考えたら1年目やからね」と今季67試合に出場した若虎を評価した。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)が大舞台で古巣相手に快投を披露し、マウンドを降りた。1巡目は柳町、山川を直球で2者連続見逃し三振に斬るなど、直球と変化球の巧みなコンビネーションで相手打線を寄せ付けず。四回2死には、3番・柳町に対して初球を79キロ、2球目にはさらに10キロ遅い69キロのスローボールでタイミングを外し、中飛に打ち取った。五回2死まで1人の走者も許さない完全投球。6番・野村に不運なイレギュラーで初安打を許したが、続く牧原大を一ゴロに仕留めて無失点。六回に2本の安打を浴びたが、代打・正木を併殺打に打ち取るなど、打たせて取る投球でピンチを脱出した。六回の攻撃で代打・中川勇斗捕手(21)が送られて降板。負ければ終戦の日本シリーズ第5戦。3連勝での逆転日本一に向け、1カ月ぶりの登板となった左腕が強力な流れを呼び込んだ。「(SMBC日本シリーズ2025、阪神-ソフトバンク、第5戦、30日、甲子園)阪神の先発・大竹耕太郎投手(30)が大舞台で古巣相手に快投を披露し、マウンドを降りた。1巡目は柳町、山川を直球で2者連続見逃し三振に斬るなど、直球と変化球の巧みなコンビネーションで相手打線を寄せ付けず。四回2死には、3番・柳町に対して初球を79キロ、2球目にはさらに10キロ遅い69キロのスローボールでタイミングを外し、中飛に打ち取った。五回2死まで1人の走者も許さない完全投球。6番・野村に不運なイレギュラーで初安打を許したが、続く牧原大を一ゴロに仕留めて無失点。六回に2本の安打を浴びたが、代打・正木を併殺打に打ち取るなど、打たせて取る投球でピンチを脱出した。六回の攻撃で代打・中川勇斗捕手(21)が送られて降板。負ければ終戦の日本シリーズ第5戦。3連勝での逆転日本一に向け、1カ月ぶりの登板となった左腕が強力な流れを呼び込んだ。「メンタルな部分ですが自分が攻撃側という気持ちで、大胆に行くところは行く!強い気持ちで攻めることができました。結果的にコントロール出来ているボールも多かったので試合を作ることができたと思います。なんとか自分の役目を果たすことができてよかったです」とコメントした。
◆ソフトバンクの有原は日本で初めて中4日で先発し、五回途中2失点と奮闘した。25日の第1戦は6回2失点と力投するも、チームは黒星発進。「一人一人集中して粘り強く、チームが勝てるような投球をしたい」と雪辱を期してマウンドに立った。一回はわずか6球で三者凡退に仕留めたが、その後は毎回走者を背負った。二回に先制され、五回は先頭の大竹から連打で無死一、二塁とされる。2死からマウンドを引き継いだヘルナンデスが佐藤輝に適時打を許した。3盗塁を許した前回登板の反省を生かし、何度もけん制球を投じて警戒。二回には先頭で左前打を打たれた佐藤輝の盗塁をバッテリーで刺した。
◆阪神・及川雅貴投手(24)がピンチをしのいだ。2-0で迎えた七回、六回までわずか3安打で二塁も踏ませぬ投球を披露してきた大竹耕太郎投手(30)に代わって及川が登場。先頭の柳町に安打と2死からの四球で2死一、二塁と、この日初めてのピンチを迎えると、代打で近藤。横浜高の先輩後輩対決となった勝負は、フルカウントとなって粘られての8球目。外角に糸を引く直球を投げ込み、見逃し三振。及川はガッツポーズを見せ、近藤は打席で思わず膝をついた。
◆ソフトバンクは八回、柳田悠岐外野手(36)が左翼ポール際への同点2ランを放った。この回から登板した阪神3番手・石井に対し、先頭打者の途中出場・川瀬が中前打を放って出塁。代打・ダウンズが空振り三振に倒れた1死一塁で初球の直球を逆方向へ放った打球が高々と上がって左翼ポール際へ飛び込んだ。値千金の今シリーズ1号の2ランで試合を振り出しに戻した。
◆阪神の3番手として登板した石井大智投手(28)が同点2ランを浴び、レギュラーシーズンを含めて57試合ぶりの失点を喫した。2-0の八回に登板。先頭の嶺井に安打を許すと、1死となって柳田への初球。外角の直球を、左翼スタンドポール際に運ばれた。白球を見届けた石井も、思わず膝に手をついてがっくり。4月4日の巨人戦以来(東京D)以来、57試合ぶりの失点。その後も2死から柳町に右翼フェンス直撃の三塁打を浴び、山川を申告敬遠して2死一、三塁のピンチを迎えたが、栗原の痛烈な打球を大山悠輔内野手(30)がダイビングキャッチで収め、勝ち越しは許さなかった。
◆阪神は延長十回、村上頌樹投手(27)をマウンドに送った。名前がコールされると、甲子園のスタンドからは大歓声。25日の第1戦で7回115球で勝ち投手となって中4日でのマウンドとなった。まずは先頭の、前の打席で本塁打を放っていた柳田を一ゴロに切って走り出す。続く周東は中野のエラーで出塁を許し、柳町は二ゴロの併殺崩れ、山川の左前打で2死一、二塁のピンチを招く。それでも栗原を直球勝負で左飛に仕留めて無失点。マウンドで大きく声を上げ、サヨナラへの流れを作った。
◆阪神・岡田彰布オーナー付顧問(67)が、ソフトバンクOBの川崎宗則氏(44)、中日・松山晋也投手(25)とともにテレビ朝日系列の中継で解説を務めた。2-0八回に石井大智投手(28)が柳田に同点2ランを浴び、レギュラーシーズンを含めて57試合ぶりに失点。試合は延長に入ったが、十回の阪神の攻撃時に岡田顧問は「石井のためにも絶対、負けられないよ、阪神は」と語気を強めた。
◆ソフトバンクは2-2の延長十一回、野村勇内野手(28)が勝ち越しソロ本塁打を放った。延長十回から登板し、2イニング目に入った阪神・村上に対し、先頭で打席へ。カウント2-2から直球を打球が右翼フェンスをギリギリ越えた。レギュラーシーズンで12本塁打を放っていたパンチ力をここ一番で見せ、ガッツポーズでダイヤモンドを一周した。
◆阪神の村上頌樹投手(27)が延長十一回に勝ち越しのソロ本塁打を浴びた。マウンドに上がった延長十回は無失点で抑えたが、回をまたいだ先頭だった。野村に外角高めの直球を痛打され、打球は右翼後方に。そのまま広い甲子園のフェンスを越えた。村上はマウンドで悔しそうな表情を浮かべ、着弾点を見つめた。続く川瀬にも安打を浴びたが、後続は抑えて無死点。負ければ終わりの一戦で、初めてリードを許して十一回の攻撃に入った。
◆パ・リーグ2連覇のソフトバンクが延長十一回の末にセ・リーグ覇者の阪神に3-2で競り勝ち、対戦成績を4勝1敗として5年ぶり12度目の日本一に輝いた。昨年の同シリーズでセ・リーグ3位から勝ち上がったDeNAに2連勝したのちに4連敗で屈した悔しさを晴らし、小久保裕紀監督(54)は就任2年目で初めて日本一監督となった。王手をかけて臨んだ一戦は追いかける展開となった。2022年までソフトバンクに所属した先発左腕の大竹の前に序盤はパーフェクトに封じられる。それでも五回2死から野村が遊撃内野安打を放ち、なんとかチーム初安打をマークした。五回までに0-2とされたが、重たいムードを振り払ったのはベテランのバットだ。2点を追う八回1死一塁で、柳田が阪神のリリーフエース石井から起死回生の同点2ラン。外角球をものの見事に左翼ポール際へと運び、敵地のファンを沈黙させた。そして、延長十一回に先頭の野村が右越えへ決勝のソロ本塁打。第1戦で先発した虎のエース村上が救援登板したが、会心の一撃を浴びせた。そのままリードを守り、歓喜のときだ。初戦こそ敗れたが、そこからは底力をみせ4連勝。両リーグ優勝チームの頂上決戦を制してみせた。昨秋の悔しさを1年越しで晴らした。セ・リーグ3位から勝ち上がったDeNAと激突した昨年の日本シリーズでは、先に2勝しながら4連敗で散った。打線は第3戦の一回に1得点した後は、日本シリーズワースト記録を更新する29イニング連続無得点と沈黙。第6戦の四回に柳田が30イニングぶりの得点となる2ランを放つのがやっと。敵地で胴上げをみせられた小久保監督は「この悔しい光景を忘れずに、また練習に励んでいくしかない。負けて僕に責任がある。シーズンを戦った選手たちは胸を張って福岡に帰ってもらいます」と悔しさをかみしめていた。新たな気持ちで挑んだ2025年は、春先から苦しい時期が長かった。まさかの開幕3連敗から踏み出し故障者も続出。4月を最下位(9勝15敗2分け)で終えるのは前身のダイエー時代の1996年以来、29年ぶりという屈辱だった。5月上旬には借金が今季最多の7に膨らみ、首位とは最大6ゲーム差まで開いたが、得意の交流戦で12勝5敗1分けと快進撃を見せ、6年ぶり9度目の優勝。7月13-29日に1分けを挟んで9連勝し今季初めて単独首位に立つと、日本ハムとのし烈な優勝争いを制した。クライマックスシリーズのファイナルステージでも日本ハムを最終戦でなんとか退けた。悔しさも、厳しい戦いも乗り越えて、たくましさを増した選手たちの手によって、小久保監督が宙に舞った。
◆2025年、阪神タイガースの日本一への挑戦が終わった。負ければ終戦の一戦でソフトバンクと死闘を繰り広げたが、延長十一回に力尽きた。先発の有原から幸先よく先制した。二回に先頭の佐藤輝明内野手(26)が安打で出塁すると、2死一、二塁で坂本誠志郎捕手(31)が中前適時打。1点リードの五回には大竹、近本光司外野手(30)の連打で好機を作り、佐藤輝の5試合連続打点となる適時打で追加点を挙げた。先発の大竹耕太郎投手(30)は古巣相手に快投を披露した。野村に初安打を許すまで、五回2死まで完全投球。6回3安打無失点で勢いを呼び込んだ。七回に2番手・及川雅貴投手(24)が2死一、二塁で横浜高の先輩・近藤を見逃し三振に斬ってピンチを脱出。しかし、2点リードの八回に3番手で登板した石井大智投手(28)が柳田に痛恨の同点2ランを被弾。4月4日の巨人戦(東京ドーム)を最後に、世界記録となる50試合連続無失点を記録した絶対的リリーバーが鷹のスラッガーに飲み込まれた。延長十回には第1戦で先発した村上頌樹投手(27)がマウンドへ。2死一、二塁のピンチを招いたが、無失点で切り抜けた。しかしイニングまたぎで上がった延長十一回。先頭の野村に痛恨の勝ち越しソロを浴びた。1点を追う延長十一回裏、先頭の佐藤輝が四球で出場したが、大山が中飛、木浪が遊ゴロに打ち取られて2死。高寺も松本裕の前に空振り三振に倒れてゲームセット。史上最速でリーグ優勝を果たした阪神の2025年シーズンが終わった。
◆阪神は第5戦で敗れて1勝4敗となり、本拠地甲子園で日本一の夢が絶たれた。試合後はナインがグラウンドに姿を見せ、右翼スタンドの虎党に挨拶。先発して6回無失点と好投した大竹耕太郎投手(30)や、シーズンから57試合ぶりの失点となる同点2ランを浴びた石井大智投手(28)の目には涙が浮かんでいた。また、今季限りで現役を引退する原口文仁内野手(33)もユニホームでグラウンドへ。最後までベンチ入りすることがなかったが、最後の戦闘服でファンに挨拶し、スタンドからも大きなねぎらいの歓声が上がった。
◆阪神が甲子園3連敗を喫し、2023年以来の日本一を逃した。二回2死一、二塁、坂本誠志郎捕手(31)の左前打で先制。五回2死一、二塁では左腕ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)から佐藤輝明内野手(26)の中前打で2点目を加えた。古巣相手に先発した大竹耕太郎投手(30)は五回二死まで完全投球を見せるなど6回97球3安打で降板。しかし八回1死一塁で石井大智投手(28)が柳田悠岐外野手(37)に同点2ランを被弾。延長十回に登板した村上頌樹投手(27)が十一回に野村勇内野手(28)に決勝本塁打を浴び、2年ぶり3度目の日本一はならなかった。佐藤輝の5戦連続打点は24年DeNA桑原将志(第2ー6戦)に並ぶ日本S記録で、第1戦からは史上初(観衆=4万1606人)。
◆パ・リーグ2連覇のソフトバンクが、延長十一回の末にセ・リーグ覇者の阪神に3-2で競り勝ち、対戦成績を4勝1敗として5年ぶり12度目の日本一に輝いた。小久保裕紀監督(54)は就任2年目で初めて日本一監督となりナインの手によって9度、宙に舞った。
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)はソフトバンクの前に1勝4敗で屈した阪神の敗因は長打力の差だと断言した。ソフトバンクに1勝4敗で敗れた要因は、はっきりしている。長打力の差だ。村上が延長十一回、決勝アーチを浴びたシーン。野村のスイングの速さは目を見張った。あのコースを右翼席へ運ばれたら、相手を褒めるしかない。石井が八回、柳田に同点2ランを浴びたシーンも象徴的だった。石井に対して柳田がずっとタイミングが合っていたことは、バッテリーも頭にあったはず。怖いのは長打。だから、外角から入った。ただ石井ほどの投手だから、逃げる投球はしない。ギリギリのコースへの投球だったと思う。一流打者であり、リーチが長い分、外の球にも届いた。残念だが、ここでも相手が一枚上手だった。シリーズを通じて、この日の2発、さらには山川の3戦連発で分かるように、一発の力に阪神は屈した形だ。佐藤輝が勝負強さを発揮して、好勝負を繰り広げたが、やはり「長打力の差」は明らかだった。下位打線もソフトバンクに比べると弱かった。連覇がかかる来季に向けての大きな課題だ。遊撃手と左翼手のポジションが固定できなかったことも、来季への重要課題。今いる選手が抜け出すのか、新人が台頭するのか。2つのポジションを埋める選手が加わった強力打線で、リーグ連覇、日本一を目指してもらいたい。
◆?ソフトバンクが対戦成績を4勝1敗とし、2020年以来5年ぶり通算12度目(前身を含む)の日本シリーズ制覇。阪神と対戦したシリーズは1964、2003、14年、今季と4度全て日本一に輝いた。日本一の回数は巨人の22度、西武(前身を含む)の13度に次ぐ3位。パ球団のシリーズ制覇は22年のオリックス以来3年ぶり通算38度目で、セ球団の回数に並んだ。?第2戦から4連勝でシリーズ制覇。シリーズで4連勝(引き分けを含む)したのは、昨年のDeNAに続く通算20度目。初戦黒星から4連勝は73年の巨人、06年の日本ハム、07年の中日に次いで18年ぶり4度目。ソフトバンクの4連勝は59年、19年、20年(いずれも開幕4連勝)に次ぐ5年ぶり通算4度目。4度記録したのは、巨人、西武と並ぶシリーズ最多記録。?日本一決定試合が延長試合だったのは、2021年のヤクルト(第6戦=○2-1オリックス、十二回)以来4年ぶり10度目。ソフトバンクでは17年(第6戦=○4-3DeNA、十一回)以来8年ぶり2度目。10度のうち、決勝打が本塁打だったのは、1962年の東映(第7戦=○2-1阪神、十二回に西園寺昭夫の勝ち越し弾、甲子園)以来63年ぶり2度目。?柳田のシリーズでの本塁打は昨年第6戦以来、通算5本目。ソフトバンクで5本は城島健司の9本に次ぐ、野村克也、グラシアルと並ぶ2位。通算21打点は並んでいたデスパイネの19打点を上回る最多記録。ソフトバンクで37歳以上の選手がシリーズで本塁打を放ったのは、64年第3戦のローガン(37歳6カ月)、99年第1、2戦の秋山幸二(37歳6カ月)に次いで26年ぶり3人目。柳田の本塁打はチームのシリーズ通算100本目の本塁打。
◆パ・リーグ2連覇のソフトバンクが、延長十一回の末にセ・リーグ覇者の阪神に3-2で競り勝ち、対戦成績を4勝1敗として5年ぶり12度目の日本一に輝いた。MVPには26日の第2戦から日本シリーズタイ記録の3試合連続本塁打を放った山川穂高内野手(33)が選ばれた。
◆?阪神・佐藤輝が第1戦から5試合連続打点。1シリーズで5試合連続打点は最多タイ記録で、昨年第2-6戦のDeNA・桑原将志に続く2人目。?チームは5試合本塁打なしでシリーズを終えた。1シリーズで本塁打なしで終わったのは、2005年の阪神(4試合、対ロッテ)、14年の阪神(5試合、対ソフトバンク)に次いで11年ぶり3度目。全て阪神が記録し、いずれも日本一を逃している。
◆日本シリーズ全戦を福岡、甲子園でライブ観戦した熱烈虎党の渡辺謙(66)が30日、藤川阪神の終戦を見届けて自身のXを更新した。「大きな宿題を残した日本シリーズになりました。勝てそうなゲームを取れない。まだ何かが足りない。少しだけ良い夢を見られた一年でした。沢山の応援を送り続けたファンの皆様、また来年を楽しみにしましょう。お疲れ様でした」「敗因を探っても『あれがアカンかった』にしかならない。勝った喜びだけを分かち合いたいから」と、基本は勝ちゲームのみでXを更新している謙さん。29日に大阪市内でインタビューに答え、「もう最後まで行ってほしいですよ。日本シリーズを浴びたい! 最後にビールも浴びたいけどね」と話していたが、ビール掛けは来季に持ち越しとなった。
◆阪神が甲子園3連敗を喫し、2023年以来の日本一を逃した。二回2死一、二塁、坂本誠志郎捕手(31)の左前打で先制。五回2死一、二塁では左腕ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)から佐藤輝明内野手(26)の中前打で2点目を加えた。大竹耕太郎投手(30)は五回二死まで完全投球を見せるなど6回97球3安打で降板。しかし八回1死一塁で石井大智投手(28)が柳田悠岐外野手(37)に同点2ランを被弾。延長十回に登板した村上頌樹投手(27)が十一回に野村勇内野手(28)に決勝本塁打を浴び、2年ぶり3度目の日本一はならなかった。佐藤輝の5戦連続打点は24年DeNA桑原将志(第2ー6戦)に並ぶ日本S記録で、第1戦からは初。
◆阪神が甲子園3連敗を喫し、2023年以来の日本一を逃した。二回2死一、二塁、坂本誠志郎捕手(31)の左前打で先制。五回2死一、二塁では左腕ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(28)から佐藤輝明内野手(26)の中前打で2点目を加えた。大竹耕太郎投手(30)は五回二死まで完全投球を見せるなど6回97球3安打で降板。しかし八回1死一塁、石井大智投手(28)が柳田悠岐外野手(37)に同点2ランを被弾。延長十回に登板した村上頌樹投手(27)が十一回に野村勇内野手(28)に決勝本塁打を浴び、2年ぶり3度目の日本一はならなかった。佐藤輝の5戦連続打点は24年DeNA桑原将志(第2ー6戦)に並ぶ日本S記録で、第1戦からは初。
◆パ・リーグ2連覇のソフトバンクが、延長十一回の末にセ・リーグ覇者の阪神に3-2で競り勝ち、対戦成績を4勝1敗として5年ぶり12度目の日本一に輝いた。王貞治球団会長(85)が試合後に取材に応じ、喜びを語った。
◆今季限りで引退する阪神・原口文仁内野手(33)はベンチ外だったが、表彰式にはユニホーム姿で現れた。ポストシーズン8試合でベンチ入りすることはなかったが「引退試合もしてもらってから、いつも通り準備できてきたし、最後まで自分の野球を貫き通せたっていうのは、自分の中でも誇りに思ってますし、本当に16年間、自分なりにですけど、一生懸命やってきて、本当に幸せな野球人生だったなと思います」と目を潤ませた。2日に引退セレモニーを行ってからも気持ちを切らさず準備を続けてきた。「ファンの皆さまの応援や歓声をこれから浴びられないと思うと、本当に寂しいなと思いますし、もっともっとやりたいなという気持ちがどんどん大きくなってしまうんですけど、そういう気持ちをエネルギーに変えて、また新しいステージでやっていきたいなと思います」と前を向いた。
◆阪神・村上頌樹投手(27)が一球に泣いた。先発した第1戦で7回1失点、115球を投げて勝利投手になったが、観客がどよめく中、中4日で延長十回のマウンドへ。2死一、二塁のピンチを切り抜けたが、イニングまたぎで上がった十一回、先頭の野村に右翼席へ痛恨の勝ち越しソロを浴びた。「準備はできていたので言い訳はないです」。今季は開幕投手を務め、投手3冠を獲得。2025年の阪神は村上で始まり、村上で終わった。
◆ソフトバンクの抑え、杉山が九回から2回を投げ、出塁を許さない好救援を見せた。流れを呼んで直後に味方が勝ち越し、勝利投手に。チームの5年ぶりの日本一に貢献し「最高です」と短く喜びを表現し、祝勝会に向かった。九回は遊撃手・野村の好守もあってわずか6球で三者凡退。続く延長十回は近本からの上位打線を球威十分の速球で打たせて取った。今季31セーブで初の最多セーブに輝いた。今シリーズでも4試合に登板して無失点。有終の美を飾った。
◆阪神・森下翔太外野手(25)は5打数無安打に終わり、ソフトバンク投手陣に封じ込まれた。入団3年目で本塁打、打点ともにリーグ2位と飛躍の1年になり、レギュラーシーズンからポストシーズンまで全試合出場を達成。終戦にも「とりあえずシーズンけがなく最後までやりきれた。課題も自分の中でもわかっているものもあるので、オフシーズンに向けてもっと強化できるようにしていきたい」と前を向いて来季を見据えていく。
◆日本一はつかめなかったが、阪神選手会長の中野拓夢内野手(29)は前を向いた。「もちろん悔しいですけど、シーズン中はやるべきことをずっとやってきて、リーグを優勝している。そこは誇りをもっていきたい」。死球での負傷交代などありながらも、3年連続の全試合出場を達成。試合後には虎党に頭を下げ、「感謝の気持ちを込めて。日本一という形であいさつできれば一番良かったんですけど、来年以降の課題かな」とリベンジを誓った。
◆ソフトバンクが対戦成績4勝1敗で5年ぶり12度目の日本一を果たした。就任2年目の小久保裕紀監督(54)は昨年の日本シリーズでDeNAに敗れた悔しさを晴らした。タカが敵地で羽ばたいた。歓声とため息が交錯する中、甲子園のカクテル光線に照らされながらナインが輪を作ると、満員の虎党の前で小久保監督が9度、高く舞った。「5試合とも息抜く暇もない本当にいい試合ができた。昨年、届かなかった日本一という目標を達成できてとてもうれしい」悔しさと落胆、勝者への敬意が入り交じったアウェー独特の異様な空気の中で、喜びを表現した。0-2の八回に柳田の2ランで追い付き、延長十一回に野村が勝ち越し本塁打。指揮官は就任2年目で頂点に立ち、DeNAに2連勝しながら4連敗して敗退した1年前の悔しさを晴らした。まだパ・リーグ3位で首位日本ハムを追いかけていた6月22日、交流戦優勝を決めた甲子園で「秋にはセ・リーグ1位の阪神さんと戦えるように頑張りたい」と宣言。有言実行で甲子園に乗り込み、トラを狩っての日本一達成だ。最終決戦でも今年のホークスの野球を貫いた。就任以来、ミーティングでも一球一球への執念、準備の大切にする意識を徹底させ、その通りにナインは戦い続け、強さを証明した。第2戦では初見だった相手先発デュプランティエを攻略し、10得点を挙げるなど自慢の攻撃陣が力を発揮した。昨季に2軍施設に導入した約1億円のバーチャルマシン「トラジェクトアーク」を、今季からみずほペイペイドームの室内練習場にも設置。対戦相手の等身大映像に合わせて球種、球速、回転数などを設定して忠実に再現することができ、打者は対戦前にシミュレーション対戦が可能になった。MLB球団で導入されているのにならって孫正義オーナーの肝いりで導入を推し進めた機器が、対戦の少ないセ・リーグ相手の対策にも生きた。守っても失点を5試合計8点に抑えた。投手陣の球速や、中堅手の周東を中心とした外野の守備範囲の広さでも相手を上回り、力の差をまざまざとみせつけた。指揮官が「積み重ねるしかない」と常に口にした言葉に呼応し、ベテラン選手も同じ時刻にグラウンドへ出てアーリーワークからバットを振った。若手はその背中を見て同じように汗を流した。今季、米大リーグから加入した上沢は「ホークスの生え抜き選手はファームでの競争の厳しさや1軍に出ること自体の難しさを知っている。それ(競争)を乗り越えて試合に出ている選手は『この組織なら負けるはずはない』という自信を持っている」という。チーム内でもまれながらタフに戦った末、5年ぶりのチャンピオンフラッグを福岡に持ち帰ることに成功した。「昨年は悔しい思いをしたのでね。でも、今年、CSファイナル、日本シリーズも含めて154試合戦った選手たちに感謝している。たくましい選手たちにめぐまれて幸せです」小久保監督はナインを最大限にねぎらい、たたえた。ホークスが再び黄金時代に突入する。(上阪正人)
◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(37)が「シリーズ男」の本領を発揮した。2点を追う八回に同点2ラン。球団シリーズ通算100号となる一発で石井を沈めた。「小久保監督になってから何も貢献できていなかったので、小久保さんを日本一にできたのがうれしいです」1死一塁で初球、外角150キロ直球を豪快にスイングして逆方向へ。阪神ファンの悲鳴とともに高々と上がった打球が左翼ポール際へ消えた。レギュラシーズンでは4月上旬に右足を負傷。右脛骨骨挫傷と診断され、9月中旬まで長期離脱を余儀なくされた。それだけに「ずっとシーズンいなかったので。そのなかで試合に出るという責任もある。いままで出ていた選手もいる。その分、自分が出ている以上、なんとかしたいと思った」と気合の一撃。大舞台でファンの印象に残る一発を打ってきたフルスイング男が、最後に大仕事をやってのけた。
◆昨年の悔しさを力に、5年ぶりの日本一をつかんだ。ソフトバンク・山川穂高内野手(33)が文句なしのシリーズ最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。プロ入り後初めて味わう頂点だ。「うれしいです! 本当に緊張感のある試合が続いていて、ドキドキしながら試合をしていました。いい状態で打席に入れたので、いい結果が出たと思います」主砲としての輝きを取り戻した日本シリーズだった。計5試合で打率・385、3本塁打、7打点。26日の第2戦から3試合連続本塁打は日本シリーズ最多タイ記録だった。移籍2年目の今季は開幕から不振が続き、5月上旬には打率1割台まで落ち込んだ。5月15日の西武戦では「7番・DH」で移籍後初めて4番を外された。6月16日には出場選手登録を抹消され、2軍降格を経験した。2軍での再調整期間中は試合に出場せず、打撃投手の球をひたすら打ち込み、フォームを修正。同25日には丸刈り姿で1軍に合流し、心身ともに再スタートを切った。1軍復帰戦となった同27日のロッテ戦では満塁弾を放ったが、完全復活とはいかず、レギュラーシーズンは打率・226、23本塁打、62打点と大砲としては不本意な結果に終わった。日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも全6試合中2試合でスタメン落ち。日本シリーズでも10月25日の第1戦でもベンチスタートだった。しかし、26日の第2戦に「6番・一塁」で出場すると3ランを含む5打点。そこから持前の打棒を発揮し、チームを頂点に導いた。西武時代には2018、19年の連覇に貢献したが、ともにCSファイナルステージで敗退。昨季もあと一歩のところでDeNAに敗れたため、日本一に輝くのは初めてだ。苦しみ続けた2025年の最後の最後に、最高の勲章を手にした。(西垣戸理大)
◆5年ぶり12度目の日本一に輝いたソフトバンクのナインが、日付が変わった31日午前0時過ぎから大阪市内のチーム宿舎で日本シリーズ優勝記者会見に臨んだ。26日の第2戦から日本シリーズタイ記録の3試合連続本塁打を放ちMVPとなった山川穂高内野手(33)にとっては自身初の日本一となり、大暴れへとつながった〝2戦目の朝〟を振り返った。「最初(第1戦)はスタメンじゃなかったですし、2試合目のアーリーワークでやっとつかんで『あ、これ絶対打てる』という感覚があった。かなり自信を持った状態でカーブをずっと打っていたんですけど、技術ですね。技術が自分に自信を取り戻させてくれた」そして、その〝技術〟の詳細を語り始め「めちゃくちゃ意識したのは、かかとの骨です。ちょっと後ろに倒れるように構えてみたりとか。ことし一年はたぶん1000回くらい打撃フォームにトライしてみたり、何一つイメージ通りできなかったんですけど。最後の最後は、朝練習しているときにコレだというのが来た。分かりやすく(説明するの)は...2時間くらいかかるのでやめておきます」と微笑んだ。その2戦目から、日本シリーズ最多タイ記録の3試合連続本塁打。計5試合で打率・385、3本塁打、7打点だった。日本一に輝いた直後にもかかわらず「なぜこの感覚で打てたのかというのをもっと分析して、本当の自分のものにしたいなっていうところですね。だから今バッティングがしたいですね。あしたはさすがに休みますけど、あさってぐらいからバットを振ろうかなと思います」とも語った。移籍2年目の今季はレギュラーシーズン130試合に出場し打率・226、23本塁打、62打点と苦しんだだけに「シーズン中はだいぶイライラさせてしまったと思うんですけど、最後にいい姿を見せられてよかった。いつも力になっていますので、来年も応援してもらえるように頑張ります」と結んでいた。
◆5年ぶり12度目の日本一に輝いたソフトバンクのナインが、日付が変わった31日午前1時前から大阪市内のチーム宿舎で日本シリーズ優勝の祝勝会を行った。冒頭であいさつを行った後藤芳光球団社長(62)が、多忙のため甲子園での観戦がかなわなかった孫正義オーナー(68)から届いたメッセージの内容を明かした。「僕がこれだけうれしいので、もう皆さんがどれだけうれしいか、私は想像もつきませんけども。きょうは(孫)オーナーはどうしても仕事で来られなかったんですけども、優勝の瞬間に一応、僕のところにはちゃんとSNSで『やったー』と〝花火マーク、祝いマーク〟がちゃんと届いています。皆さんにはお伝えしておきます」また、ソフトバンク本社でもパブリックビューイングを行っていたことを選手たちに伝え「ソフトバンクグループの全社員も皆さんとワンチームだとぜひ思ってください。全員でよろこんでいます。本当にきょうはありがとうございました」と結んだ。祝勝会ではアサヒグループホールディングスへのサイバー攻撃によるシステム障害の影響で、リーグ優勝時同様、ビールは自粛。選手会長の周東が音頭をとり、701本(うちメガボトル1本)のシャンパーニュ「COLLET」、300本のスパークリングワインが選手たちの疲れを癒やした。
◆5年ぶりの日本一を決めたソフトバンクは、大阪市内のホテルで祝勝会を行った。日付が31日に変わってから始まり、周東選手会長が「登ろうと言った三つの山を登った。きょうは飲んで、騒いでいきましょう」とあいさつ。用意された約700本のシャンパンなどをかけ合って、喜びを共有した。クライマックスシリーズの突破時に続き、シャンパンで実施した。
◆5年ぶり12度目の日本一に輝いたソフトバンクのナインが、日付が変わった31日午前1時前から大阪市内のチーム宿舎で日本シリーズ優勝の祝勝会を行った。冒頭であいさつを行った小久保裕紀監督(54)は、壇上から捕手陣に愛情たっぷりの言葉を投げかけた。「嶺井! ナイスヒット!! 2年連続(日本シリーズで)キャッチャーヒットゼロの不名誉な記録を断ってくれて嶺井に感謝!」ここでナインからも「ありがと~」という声と拍手がわき起こった。そして、指揮官はさらに続けて〝無安打〟だった男を名指しして「海野! ことしはブロッキングとスロー(イング)だけと言っていたけど、来年バッティングも期待します。今のままではちょっと厳しいかもしれません。ブロッキングとスローは合格です」と語り、最後は「とことん行くぜ、きょうは~!」と声を張り上げてナインを盛り上げた。その後、選手会長の周東があいさつして祝勝会がスタート。韋駄天は「あしたからみんな休みだ。だからきょうはみんな、しこたま酔って酔って、飲んで飲んで騒いでいきましょー!!」と音頭をとり、701本(うちメガボトル1本)のシャンパーニュ「COLLET」、300本のスパークリングワインが一瞬で泡となった。
◆国内FA権を取得している阪神・近本光司外野手(30)は、今季の全日程が終了し、静かに口を開いた。「終わったばかりなのでちゃんと考えられていないし、考える時間もなかった。自分の意志で自分の残りの野球人生を主体的に決めていきたい」プロ7年目の今季は不動のリードオフマンとして140試合に出場。打率・279、3本塁打、34打点と安定した成績を残し、6月7日のオリックス戦(甲子園)では球団の日本選手として最速の861試合目で通算1000安打を記録。32盗塁で4年連続6度目となる盗塁王のタイトルを戴冠した。この日は五回に右前打を放ち、佐藤輝の適時打につなげた。今年の日本シリーズで全5試合で快音を響かせ、打率・318(22打数7安打)。2023年から球団記録を塗り替えるシリーズ10試合連続安打とした。名実ともにセ・リーグを代表するトップバッター。8月19日に国内FA権の取得資格条件を満たすと「まだシーズン中なのでそこまで考えることはないです。それについて考える時間があれば、どうするかは考えていきたいと思います」と話すにとどめていた。球団側は昨年の契約更改交渉で、今季中の国内FA権取得を見据えて複数年契約を提示するも、近本の意向で単年契約を結んでいる。粟井社長は取得直前に、昨年オフに国内FA権を行使しながら慰留に成功した大山の名前も出して「今は完全に(チームの)リーダー。大山、近本は(リーダーというのは)事実」と全力で慰留に努める構えを語っている。阪神黄金時代の継続へ、欠かせない近本光司という男。今後の野球人生へ、決断の時間を迎える。日本シリーズが終了したため、31日から今季のフリーエージェント(FA)有資格者が、権利を行使するための申請期間がスタートする。日本シリーズ終了翌日から土、日、祝日を除く7日以内が期限のため、今年は11月11日まで。FA宣言選手として公示された翌日から、他球団との交渉が可能となる。
◆絶対的リリーバーの阪神・石井大智投手(28)がまさかの一発を浴びた。2点リードの八回に3番手で登板すると、1死一塁で柳田に初球の外角150キロ直球を左翼ポール際に運ばれた。「自分の今できるベストの球だったと思います。明らかに力負けです」。これが4月4日の巨人戦(東京ドーム)以来、57試合ぶりの失点。被弾は2023年7月13日のDeNA戦以来、146試合ぶりだ。涙を流した右腕は「シーズン連覇して、来年は絶対日本一になりたいと思います」と誓った。
◆虎党が願ってやまない奇跡は甲子園の夜空にはかなく散った。歓喜に沸くソフトバンクナインをベンチからじっと見つめ、阪神・佐藤輝明内野手(26)は唇をかみしめる。打ち立てた日本シリーズタイ記録の5試合連続打点。記録より、敗戦の悔しい記憶が残った。「チーム力というか、それは向こうが本当にすごかったと思いますね」1-0で迎えた五回2死一、二塁。相手は左腕・ヘルナンデスをマウンドに送った。このシリーズ、佐藤輝が何度も口にしてきた「もう1点、2点をとれるように」。粘って7球目、甘く入った直球を捉えた。打球は飛びついた二塁手・牧原大の頭上を越え、中前へ。大きな追加点をもたらした適時打は金字塔を打ち立てる。2024年のDeNA・桑原と並ぶ日本シリーズ記録となる5試合連続打点。25日の第1戦から快音を残し続けた虎の主砲は日本を代表する勝負強さを証明した。同シリーズは打率・368、5打点で敢闘賞。セ・リーグ王者の4番として獅子奮迅の活躍を見せた。ただ代名詞のホームランは出なかった。チーム全体で0本塁打と相手に制空権を完全に奪われた。「もっとチームを勝たせられるような働きをしたいですね」この悔しさを2026年の糧に-。佐藤輝はここからもっと強くなる。(原田遼太郎)佐藤輝の今オフでのポスティングを利用した米大リーグへの挑戦は見送られる見込みだ。今季は40本塁打&102打点でセ・リーグ2冠。昨年オフの契約更改でポスティングシステムを利用したメジャー挑戦への意欲を語っていた。「まだ何も決まっていない。夢は夢として持ち続けたい」。将来的な夢の実現に向け、球団としっかり話し合いを重ねていく。?...阪神・佐藤輝が第1戦から5試合連続打点。昨年第2-6戦のDeNA・桑原将志(5試合)に並ぶ日本シリーズ記録。第1戦から5戦連続打点は史上初
◆ソフトバンク・有原が日本で初めて挑んだ中4日のマウンドは、五回途中2失点。「常に走者を背負っての投球になった。なかなかリズムに乗れなかった」。一回は6球で三者凡退に仕留めたが、その後は毎回走者を背負った。五回は先頭の大竹から連打で無死一、二塁とされ、2死からマウンドを引き継いだヘルナンデスが佐藤輝に適時打を許した。
◆ソフトバンクは、抑えの杉山が九回から2回を投げ、出塁を許さない好救援を見せた。流れを呼んで直後に味方が勝ち越し、勝利投手に。チームの5年ぶりの日本一に貢献し「最高です」と短く喜びを表現し、祝勝会に向かった。今季31セーブで初の最多セーブに輝いた。今シリーズでも4試合に登板して無失点。有終の美を飾った。
◆阪神・坂本は二回2死一、二塁で先発・有原から左前への先制打を放った。それでも八回に柳田に同点2ラン、延長十一回に野村に決勝ソロを浴び「技術的にも、メンタル的にも大きな差を感じた」と唇をかんだ。全5試合でスタメンマスクをかぶって投手陣をリード。「打つ方も守る方も自分で考えることも含めて、もっともっと野球がうまくなりたい。勉強になる試合をさせてもらった」と先を見据えた。
◆ソフトバンクが対戦成績4勝1敗で5年ぶり12度目の日本一を果たした。就任2年目の小久保裕紀監督(54)は昨年の日本シリーズでDeNAに敗れた悔しさを晴らした。?...ソフトバンクが対戦成績を4勝1敗とし、2020年以来5年ぶり通算12度目(前身を含む)の日本シリーズ制覇。阪神と対戦したシリーズは1964、2003、14年、今季と4度全て日本一に輝いた。日本一の回数は巨人の22度、西武(前身を含む)の13度に次ぐ3位。パ球団のシリーズ制覇は22年のオリックス以来3年ぶり通算38度目で、セ球団の回数に並んだ?...第2戦から4連勝でシリーズ制覇。シリーズで4連勝(引き分けを含む)したのは、昨年のDeNAに続く通算20度目。初戦黒星から4連勝は73年の巨人、06年の日本ハム、07年の中日に次いで18年ぶり4度目。ソフトバンクの4連勝は59年、19年、20年(いずれも開幕4連勝)に次ぐ5年ぶり通算4度目。4度記録したのは、巨人、西武と並ぶシリーズ最多記録?...柳田のシリーズでの本塁打は昨年第6戦以来、通算5本目。ソフトバンクで5本は城島健司の9本に次ぐ、野村克也、グラシアルと並ぶ2位。通算21打点は並んでいたデスパイネの19打点を上回る最多記録。ソフトバンクで37歳以上の選手がシリーズで本塁打を放ったのは、64年第3戦のローガン(37歳6カ月)、99年第1、2戦の秋山幸二(37歳6カ月)に次いで26年ぶり3人目。柳田の本塁打はチームのシリーズ通算100本目の本塁打
◆2-2の延長十一回に野村が5年ぶりの日本一を決める決勝弾を放った。先頭で村上の直球を強く振りぬいた打球は右翼フェンスを越えた。神戸市出身の男は「地元兵庫県で、きょう親とか親戚も来ているので、その前で最高の結果で終われた」と笑顔。レギュラーシーズンで12本塁打とパンチ力を示し、遊撃でも好守を連発した。
◆後がない第5戦。甲子園から電車で約10分離れた日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎でも、応援バットの音が響いていた。今シリーズでは甲子園で行われる第3、4、5戦で、SGLでパブリックビューイングが開催された。甲子園のチケットがゲットできなかった3510人の虎党が、平日ながらスタンドを黄色に染めた。20分で完売した第5戦は球団OBの井川慶氏がゲスト登場。イニングごとに戦況を解説した。「大竹投手はしっかり腕が振れて、テンポよく封じ込めている」「有原投手の起用はホークスが追い詰められているように感じる。万全で6戦目のほうがよかったと思うので阪神にもチャンスがある」解説を聞きながら観戦でき、ビールの売り子もいて、何よりスタンドのファンは全員仲間。甲子園とはまた違った形で試合を楽しむ虎党で熱気を帯びていた。(中屋)
◆藤川阪神が甲子園に初登場したのは3月5日のことだった。対中日オープン戦。覚えてますか?「5番・左翼」でスタメン出場した前川右京がチームの2025年甲子園1号を含む3安打を放って開幕スタメンを猛アピール。キャンプで俄然(がぜん)注目を集めた昨年の育成ドラフト1位・工藤泰成が155キロの剛速球で本拠地デビューを果たした。公式戦では春先から強かった。開幕と同時に順調に白星を積み重ね、7連敗した交流戦はちょっと苦労したが、セの5球団との差は縮まるどころか、逆に広がった。猛暑の夏も勢いは衰えず、2リーグ分立後の最速となる9月7日に甲子園で胴上げ。ようやく秋の気配が訪れたCSファイナルステージは3連勝でDeNAを〝瞬殺〟して臨んだのが、今回の日本シリーズ。そして、30日はことしの甲子園でのラストゲームになった。同時にシーズンのラストゲームにもなってしまった。がけっ縁の試合に〝間に合った〟のがトラ番・渡辺洋次。実は前日まで甲子園にいなかった。福岡での2試合の取材を終えた渡辺は、月曜日の朝の新幹線に飛び乗り、尼崎のファーム施設へ。取材が終わると伊丹空港に向かい、新潟空港へひとっ飛び。火曜日はことしのドラフト5位指名・能登嵩都投手(オイシックス)への指名あいさつを取材。翌水曜日は新潟新幹線とつくばエクスプレスを乗り継いで、ドラフト3位指名・岡城快生外野手の指名あいさつ。甲子園から遠く離れた場所でニュースター候補の原稿を書きながら、ソフトバンクに大苦戦の阪神が気になって仕方がなかった。
◆サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏(78)が、ソフトバンクの日本一に敬意を表し、阪神には来季のリベンジを期待した。自らの体験も踏まえ、シリーズの難しさと面白さも語った。ソフトバンクは強かった。シリーズ前の「阪神4勝3敗」予想を素直に謝り、祝福したい。山川、柳田、近藤...。各試合を振り返ると、随所で、あの選手がやった、この選手がすごかった、と選手名が浮かんでくる。最後の試合もやはり柳田、そして野村とインパクト大。選手個々の力強さで圧倒した。レギュラーシーズンで日本ハムと激しいV争いを展開し、クライマックスシリーズ(CS)も最終戦決着。地力と勝負強さは本物だったね。対して阪神は、選手の調子が上がらなかった。9月7日に史上最速優勝を決め、CSでもDeNAをストレートで下し、歯応えのないまま? シリーズへ。本来の姿ではなかったことも確かだ。第1戦勝利のあとに4連敗。この足取りでよみがえるのは、南海時代の1973年、巨人との日本シリーズ。エモトが初戦に完投勝ち。身の程もわきまえず「巨人も大したことないな」とうそぶいていると、そこから4連敗。V9達成(9年連続日本一)を目の当たりにした。長嶋茂雄さんは負傷欠場だったけど、王貞治さんを中心として主役、脇役に随所で痛い目にあった。初戦を勝ったことでつい、気が緩むこともあるものだ。決して、阪神も同じだというわけではない。シリーズの難しさと面白さを思い出しただけ。とにかく阪神には、この敗戦を糧に来季、リベンジを目指してもらいたい。それにしても今回は、リーグ覇者同士による正真正銘の最高峰の舞台。トータルで熱のこもったシリーズだった。ワールドシリーズもいいけど、日本のプロ野球にもなお一層、目を向けてもらえるかな。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆ク~ッ(涙)。CSまで順風満帆の航海を続けてきた藤川丸が、太平洋(パシフィック)に出た途端に沈没してもうた~。ソフトバンクに日本一の座を譲ったけど、セ・リーグでは9月7日に最速の優勝を決めたし、終わったらラグビーと同じ『ノーサイド』。いや~! いい夢を見させてもらったでェ!!と、そんなこと口が裂けても俺は言わん!!地元・甲子園で3連敗、鷹の胴上げをボウ然と見つめるその姿が...。先発・大竹は古巣ホークスへの恩返しを十分に果たす6回3安打無失点投球はホント見事だったばい!!(九州に敬意を表してみました)。てか、虎の投手陣は第2戦のデュプランティエ以外は投手王国・阪神を見せてくれたのだ!!一方打線はハッキリ言って大人と赤ん坊ほどの力の差...。例えば2チームの長打の数ホークス13本(本塁打5)に対しタイガースはわずか3本(本塁打0)。DH制の関係で強い球をほうる投手、それを打つ打者が投打のレベルを上げているのだ!!悔しいけど、わが阪神は惨敗。力のなさを認めて来季こそ、今日から1年後のゴールを目指してスタートや!!
◆ソフトバンク・上沢直之投手(31)がサンケイスポーツに独占手記を寄せた。米大リーグからNPBに復帰し、1年目で自己最多タイの12勝をマーク。新天地で日本一に貢献した右腕は、ファンやチームメートに感謝し、来季に向けて投球回180イニングとタイトル獲得を誓った。第5戦でチームが勝ってくれ、日本一のチームの力になれてよかったです。シーズン中からファンの皆さんにたくさんの声援をいただき、本当に感謝しています。26日の第2戦(6回1失点で勝利投手)は僕にとって初めての日本シリーズの登板でした。みんなが作ってくれた登板機会で何とか結果を残したいと強く思いました。みずほペイペイドームに大勢詰めかけた阪神ファンも含め、交流戦の時とまた違う熱気で日本シリーズらしさを感じました。何より福岡のホークスファンの方の声援がいつもよりすごかったです。ファンの方にはストライクを一つ取るだけで大きな拍手をいただきました。もっと緊張してアガったりするかなと思っていましたが、意外と緊張せずいつも通り投げられたのは、自分でもちょっと成長したところかなと思いました。



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