1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 5 | 1 | 1 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | X | 5 | 11 | 0 | 0 |
勝利投手:大竹 耕太郎(1勝1敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝2敗11S)) 敗戦投手:床田 寛樹(4勝3敗0S) 本塁打 |

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◆阪神は4回裏、木浪の適時打で先制する。続く5回には大山の適時二塁打などで3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・大竹が8回途中2失点の力投で今季初勝利。3番手・岩崎は通算100セーブを達成した。敗れた広島は先発・床田が試合をつくれず、打線も振るわなかった。
◆悪天候が心配された兵庫県西宮市は、前夜から朝にかけて強い雨が降り続いた。室内練習場での阪神の練習が始まる午前10時ごろには一時的に小雨になったが、その後突然「春の嵐」のような暴風雨が甲子園を襲った。グラウンド脇に寄せていた移動式の防球ネットが風で動きだし、阪神園芸のスタッフがあわててグラウンドに飛び出す一幕も。巨大な銀傘下の上部まで雨が強く吹き込み、中継局も機材を守るためにカバーを厚くするなど大わらわ。プレーボールは午後2時。天気予報では、天気は回復に向かうことになっている。阪神は今季、すでに3試合を降雨で流している。
◆悪天候が心配されたが、昼前に雨が完全にやみ、午後2時の定刻プレーボールに向けて急ピッチで準備が始まった。正午には開門した。午前10時過ぎに突然、暴風雨となり、銀傘の下にも雨が吹き込む事態になった。その後も風は強めのままだが空が明るくなり、雨は完全に上がった。午前11時30分ごろから阪神園芸のスタッフが出動。内野全体をおおう巨大なシートをはがし、整備車などでグラウンドをならし始めた。広島の投手陣はグラウンドの外野を使って練習した。
◆天候が心配されたが、開始遅延等の発表もなく、スタメンが発表された。2位の阪神は、0・5ゲーム差で追う広島から、1試合での首位の座奪回を目指す。大竹耕太郎投手(29)が、先発マウンドに上がる。今季初登板となった前回の1日中日戦(バンテリンドーム)では、先発で5回3失点で敗戦投手となった。広島戦では、通算13試合に登板(すべて先発)し、9勝1敗、防御率1・26。好相性の相手との一戦で、初勝利を目指す。打線は投手以外、前戦から変更がない。
◆シートノック終了後、グラウンドを管理する阪神園芸が内野の黒土にしっかりと水まきを行った。午前11時まで大雨が降っていたにもかかわらず、水まきを行ったのには重要な理由がある。前日のナイター後後から内野部分を完全におおう巨大な防水シートがかぶせられていた。このシートは防水性が極めて高く、どんなに強く雨が降っても土まで通さない。その分、土は「水不足」の状態に陥るという。水をまかないと硬すぎて、イレギュラーしやすい状態になる。匠(たくみ)の細やかな目利きにより、内野グラウンドは最良の状態に近づいた。
◆16日の勝利で首位に立った広島が、0・5差で追う2位阪神との3連戦の2戦目を戦う。勝てば連勝を5に伸ばし、貯金は今季最多の6となる。先頭打者アーチを含む3安打で前夜の勝利を支えた秋山翔吾外野手(37)はベンチスタート。1番には2試合ぶりに中村奨成外野手(25)が座った。相手先発は今季初顔合わせの大竹耕太郎(29)。昨年、対戦打率3割5分3厘を残した小園海斗内野手(24)が6番に座る。
◆注目のメンバー表交換となった。監督同士の握手、審判との握手の間、阪神藤川球児監督(44)は視線を落とすことなく、広島新井貴浩監督(48)の方を見ていたが、新井監督は微妙に下を向いたまま。この日も視線が合うことはなかった。前日に続いて会話もなかった。死球による遺恨がある両軍。4月20日、甲子園での前回対戦で、広島岡本駿投手(22)が阪神坂本誠志郎捕手(31)に頭部死球。藤川監督が血相を変えて飛び出し、両軍入り乱れて、あわや乱闘の騒ぎになった。警告試合が宣告され、岡本は危険球退場になった。それ以来の対戦だった前日16日は視線を合わさず、会話もないままメンバー表交換が終了。広島新井監督があいさつを終わるやいなや、ベンチに帰っていた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)に、好守と紙一重のプレーがあった。初回2死、サンドロ・ファビアン外野手(27)が一塁側ファウルエリアに打ち上げた。一塁手の大山は全力で背走しながら、最後は後ろ向きにスライディングキャッチ。一度はミットに収めたが、胴体の上でボールがミットから転がり出て、地面に落ちた。「完全捕球」とは認められなかった。完全捕球(キャッチ)の定義は「手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為」。送球動作に移ってからの落球ならキャッチが成立する。今回の場合、地面に落ちる前に胴体の上でボールを保持できていれば、キャッチが成立していた。
◆阪神先発の大竹耕太郎投手(29)がスローボールで場内をざわつかせた。4回2死から広島4番末包昇大外野手(28)への初球。山なりのボールは球速79キロと計測された。末包はバットに当てるも、スイング後、右膝をついた。打球はバックネット手前への飛球で捕邪飛となった。前夜の同戦では村上頌樹投手(26)が6回、同じく末包に64キロの超スローカーブを投げた。中飛に打ち取り、球場を沸かせた。
◆阪神近本光司外野手(30)が3打席で早くも今季6度目の「猛打賞」を決めた。さらに6回の第4打席でも安打を放ち、今季2度目の1試合4安打とした。初回先頭で右前打、3回は1死から左前打、5回は先頭で中前打。6回は2死から中前打。チャンスメーカーとして完璧に機能した。6回にはこの時点でリーグ単独トップ9個目となる二盗も決めた。前日まで3試合で1安打とバットが湿っていたが、5月6日の巨人戦(東京ドーム)以来、7試合ぶりの3安打固め打ちとなった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が10試合ぶりの打点をマークした。1-0の5回、暴投で1点を追加してなおも1死二、三塁の場面。床田寛樹(30)のやや甘く入ったツーシームをとらえた。三塁線への強烈なライナーは、ダイビングした三塁・小園海斗(24)のグラブの先をかすめ、ファウルグラウンドを転がった。2人が生還して、大山も二塁に進んだ。4月からトルピード(魚雷型)バットを継続使用していたが、毎日、試行錯誤を続けていく中でこの日は通常タイプを選んだ。前日は痛烈な左前打。この日も第1打席で左翼線二塁打と、当たりが戻ってきた。
◆阪神は6回から前川右京外野手(21)に代えて、熊谷敬宥内野手(27)を左翼に入れた。4-0の中盤にして早くも「守備固め」といえる選手交代となった。4試合ぶりスタメン復帰した前日16日に適時打を放った前川だが、まだ本調子ではない。空振り三振、二ゴロ、空振り三振と3打数無安打に倒れたところでの交代となった。
◆広島床田寛樹投手(30)が、今季最短の5回4失点でマウンドを降りた。4回、先頭の佐藤輝に中堅右への二塁打を浴びた。大山、前川を内野ゴロに取って2死までこぎつけたが、坂本に痛恨の四球。続く木浪に先制打を許した。5回も先頭の近本に安打を打たれ、1死二塁で森下、佐藤輝に連続四球。満塁のピンチとなり、大山への4球目が暴投となって2点目を失った。さらに大山に三塁強襲の適時二塁打を浴び、2点を追加された。ここまでの7試合のうち、3試合は2完封を含む完投だった。だがこの日は粘りきることができなかった。
◆阪神大竹耕太郎投手(29)が今季初勝利の権利を持ち、降板した。2、4、5、6、7回と5度の3者凡退。7回1/3を1本塁打を含む4安打、無四死球で4奪三振の2失点と好投した。7回まで無失点投球を続けた。8回1死一塁から広島モンテロに左越え2ランを浴びたが、しっかり試合を作った。5回終了時点で球数は62球と、前半から省エネ投球。その後、6回は8球、7回は6球で抑えた。計89球だった。試合開始前時点で広島戦は通算13試合登板で9勝1敗、防御率1・26。好相性の相手との今季初対戦で広島キラーぶりを見せつけた。
◆阪神岩崎優投手(33)がプロ入り通算100セーブを達成した。3点リードの9回に登板。広島打線を1イニング無失点に抑え、今季11セーブ目を挙げ、プロ12年目で大台に到達した。すでに100ホールドは21年に達成済み。NPBでは史上8人目となる通算100セーブ、100ホールドも達成した。16日広島戦では同点の9回に登板して2失点。今季2敗目を喫した雪辱を1日で果たした。プロ初セーブは20年9月3日ヤクルト戦(甲子園)。1点リードの9回にガンケルをリリーフして、クローザーデビューを飾った。
◆阪神が1日で首位に返り咲いた。先発は大竹耕太郎投手(29)。広島戦は試合前の時点で通算13試合先発で9勝1敗、防御率1・26と好相性。この日も8回途中を4安打2失点と広島打線を封じ込め、今季初勝利を手にした。3点リードの9回には守護神の岩崎優投手(33)が登板。プロ入り通算100セーブを達成。NPBでは史上8人目となる通算100セーブ、100ホールドも記録した。打線は4回2死一、三塁、前日適時打を放った木浪聖也内野手(30)が先制の中前適時打。5回は近本光司外野手(30)が今季6度目の猛打賞を決める中前打で出塁すると、1死満塁から暴投で1点を追加。なおも1死二、三塁で大山悠輔内野手(30)が三塁強襲の適時二塁打を放ち、2点を追加した。阪神は連敗を止め、0・5差の単独首位に再浮上した。
◆阪神岩崎優投手(33)がプロ入り通算100セーブを達成。お立ち台ではまさかの"謝罪スタート"で笑わせた。この日は3点リードの9回に登板し、広島打線を1イニング無失点で今季11セーブ目。NPBでは史上8人目となる通算100セーブ、100ホールドも達成した。ただ、前夜の16日広島戦では同点の9回に登板して2失点。今季2敗目を喫していた。お立ち台では開口一番、「昨日はすみませんでした」と頭を下げた。「昨日の今日で早くやり返したかった。デーゲームですぐにやり返せてよかった」とホッと胸をなで下ろした。最後は「明日もデーゲームなので(時間を)間違えないようにお願いします」と"珍お願い"を決め、最後まで笑わせた。
◆阪神近本光司外野手(30)が7年目で初めての1試合5安打を記録した。1回に右前、3回に左前、5回、6回は中前に打ち分けた。8回の第5打席は左前にうまく運び、適時打とした。前日まで3試合で1安打とバットが湿っていたが、打率2割8分から一気に3割に乗せた。なお、プロ1年目の19年の球宴第2戦(甲子園)で球宴タイ記録の5安打を放ち、同史上2人目のサイクル安打をマークしている。
◆広島が阪神に敗れ、1日で首位を明け渡した。先発の床田寛樹投手(30)が制球に苦しみ、中盤に4点を失って今季最短5回で降板。4失点も今季ワーストだった。打線は8回、阪神先発の大竹耕太郎投手(29)からエレフリス・モンテロ内野手(26)が来日1号2ラン。2点差に迫ったが、その裏に阪神に5点目を追加され、反撃ムードは一気にしぼんだ。連勝は4でストップ。勝てば今季最多の貯金6だったが、それも逃した。
◆広島が阪神に敗れ、1日で首位を明け渡した。今季ここまで2完封を含む3完投と安定感を誇った先発の床田寛樹投手(30)が、今季最短の5回4失点で降板。8回に新戦力のエレフリス・モンテロ内野手(26)が来日1号2ランを放ったのが、明るい材料だった。
◆阪神岩崎優投手(33)が9回を締め、通算100セーブを達成した。NPBでは史上8人目となる100セーブ&100ホールド。今季11セーブ目。前日16日の広島戦では同点の9回に打たれ、敗戦投手になっていた。お立ち台では「昨日はすみませんでした」と謝罪からスタートした。
◆阪神大竹耕太郎投手(29)が、好相性の広島戦で今季初勝利を挙げた。「移籍しての1勝目とか、プロ入っての1勝目とか、いろいろ1勝目ありますけど、今回の1勝もすごく重みというか、ケガしたのもあるし、満員で投げられるありがたみなどを感じた」今季は春季キャンプ終盤に下肢を痛めた影響で出遅れ、開幕2軍。1軍前回登板の1日中日戦(バンテリンドーム)では初登板初先発で5回3失点。敗戦投手となっていた。この日は5度も3者凡退。8回途中を1本塁打を含む4安打、無四死球4奪三振で2失点と好投した。7回まで無失点で76球の完封ペースだったが、8回1死一塁からモンテロに左越え2ランを浴びた。それでも好投で今季初白星。広島戦は通算14試合目の登板で10勝1敗、防御率1・35となった。大竹は7日のウエスタン・リーグくふうハヤテ戦(SGL)に先発し、5回3失点で敗戦投手。「前回ファームで投げて、点もとられてしまったところから、球速表示とかじゃなくて、しっかり一生懸命投げようと思った。かわしていくことが得意であるが故に、いざ力を入れなきゃいけないところで、体がちゃんと動いてくれないみたいなことが、すごく弊害としてある」と力を込めた。
◆広島が阪神に敗れ、1日で首位を明け渡した。ここまで2完封勝利を含む4勝でチームの進撃を支えてきた先発の床田が5回4失点で降板。制球に苦しみ、5回は1死満塁から2年ぶりの暴投で2点目を失った。「そりゃ勝てないだろうなというピッチング。毎回(のように)先頭(打者が)出て、そりゃリズムも来ないですし、そこかなと思う」と、イニングも失点も今季ワーストの試合を振り返る床田の口調に悔しさがにじんだ。打線は、阪神大竹の前に沈黙。対戦成績1勝9敗という天敵との今季初対決で、7回まで2安打と攻略の糸口を見いだせず。状況を変えたのが新助っ人モンテロだった。8回1死一塁で来日1号2ラン。「ファビアンもいい対応してたし。昨年までいなかった2人がいい反応してたんで、そこは次回も楽しみにしたい」と新井監督。連勝は4で止まり、大竹に10勝目を許したが、やられっぱなしでは終わらなかった。▽広島モンテロ(出場8試合、33打席目で来日1号)「(手応えは)完璧でした。自分の好きなボールを待っていて、我慢していた。いいアプローチができた」
◆これが虎の守護神だ。阪神岩崎優投手(33)が3点リードの9回を無失点で締め、史上37人目の通算100セーブを達成した。100ホールドと合わせた大台ダブル到達は史上8人目、左腕では初。ドラフト6位入団で先発、中継ぎと役割を変えながら、いくつもの失敗を糧に成長。最強投手陣を引っ張る男が、記録でも歴史に名を刻んだ。投打がかみ合った阪神は4試合ぶりの勝利を飾り、1日で広島から首位の座を奪い返した。岩崎は両手で掲げた記念ボードで顔を隠し、大声援にペコペコと頭を下げた。前日16日は同点の9回に2失点し、負け投手に。お立ち台で「昨日はすみませんでした!」と"ざんげ"して笑いを取った。実直で、しゃれっ気のある人柄がにじむシーンだった。「昨日の今日で、早くやり返したかった」。失敗に学び、心を強く持って、少しずつ階段を上がってきた。「自分も含め、誰も達成すると思っていなかったと思うんですけど。これからも誰も想像していないような数字を積み重ねていきたい」と穏やかに笑った。藤川監督からは「おめでとう」の一言をもらい「その、おめでとうがすごくうれしい」と感激した。長年、師事した大先輩。「見て覚えてたり、まねしたり」。リリーフ転向後は配球や流れの読みを教わった。監督になった恩人のもと、節目の数字に到達した。「終わり」を見据えたプロ入りだった。大学4年時、プロ志望届は周囲からのプッシュで「仕方なく」提出。指名を受け、家族、恩師らと相談して決意したほど自信がなかった。「3年で終わるだろうなと。全く通用すると思っていなかった。3年は頑張ろうと思いました」覚悟と裏腹に、球のキレは想像以上に通用した。その3年目の16年。終わるどころか運命的な転機が訪れた。終盤、金本監督から救援転向を告げられた。翌年17年は自己最多66試合で15ホールド。22年から不動の守護神となった。新たな挑戦を続ける中で、自らへの適正も感じていた。「打たれたら、それを生かせばいいだけの話。その点は、中継ぎの方が自分はいいなと思った」かつての藤川先輩のように、後輩にも目を配る精神的支柱。責任ある立場が発奮材料になっている。「弱気になったら、みんながその姿を見ている。常にみんなを引っ張っていくことを忘れず、前向きに戦う。その姿勢でこれからも」1日で首位を奪回。こんな投手リーダーがいる阪神は強い。【波部俊之介】岩崎優(いわざき・すぐる)1991年(平3)6月19日生まれ、静岡県出身。清水四中で軟式野球を始め、清水東高から国士舘大を経て、13年ドラフト6位で阪神に入団。17年に先発からリリーフに転向。23年に35セーブで最多セーブのタイトルを獲得、チームのリーグ優勝、日本一に貢献した。185センチ、92キロ。左投げ左打ち。通算100セーブ=岩崎(阪神) 17日の広島8回戦(甲子園)で今季11セーブ目を挙げて達成。プロ野球37人目。初セーブは、20年9月3日のヤクルト15回戦(甲子園)。岩崎は通算151ホールドを記録しており、「100セーブ+100ホールド」は史上8人目。
◆ヒットパレードだ。阪神近本光司外野手(30)が打ちまくり、甲子園を駆け回った。プロ7年目で自身初となる1試合5安打。第1打席の右前打を皮切りに左前打、中前打、中前打とヒットを重ね、8回の第5打席は2死二塁から左前に技ありの適時打を放った。「ファーストストライクをスイングするということが大事だと思っていた。それができたので良かったなと思います」走っては6回に今季9個目の盗塁に成功した。もちろん、守備でも貢献。藤川監督も「素晴らしい1番としての活躍。センターとしても、1歩目のスタートとか素晴らしく、彼らしい動きでしたね」と手放しで褒めたたえる活躍だった。この試合だけで打率は2割8分から3割1厘まで上昇した。攻めの姿勢で相手を翻弄(ほんろう)。虎のリードオフマンが乗ってきた。
◆阪神藤川球児監督は岩崎の通算100セーブを手放しで称賛した。12年目で到達させた大台に「すごい」と感嘆。現役時代に阪神在籍17年間で243セーブ、163ホールドを積み重ねた指揮官は、次なるステップに向けたアドバイスを送った。「岩崎の人生の中で通り過ぎていくような数字かもしれないけど、現役が終わるまで立ち止まらない方がいい。まだまだと思いながら進む方が、元選手としてはおすすめです」と穏やかな表情でさらなる活躍に期待を寄せた。
◆女房役の阪神坂本誠志郎捕手も岩崎の100セーブ到達を祝福した。「いつも淡々と投げてくれるので、ありがたいです。最後はザキさんに任せるというブルペンの体制なので、そこまで持っていけるように頑張りたいなと思います」。また先発大竹の今季初勝利も好リードでアシスト。「緩急を上手に使いながら抑えてくれていたと思います」。大竹の持ち味をフルに発揮する配球がさえた。
◆阪神の木浪聖也内野手(30)が先制打で打線の起爆剤になった。4回2死一、三塁で広島床田の139キロツーシームをセンター前にはじき返し、2試合連続タイムリー。「(打線に)いい時、悪い時はあると思うけど、誰かが助け合えば、それはそれでいい。勝つことが全てなので、ズルズルいかないように、役目ができた」。スタメン復帰後3戦連続安打に笑顔を見せた。藤川監督も「木浪に1つ出たところが非常に大きい。球場全体がそういう雰囲気になりましたから。タイガースらしいゲーム展開で良かった」と目を細めた。
◆阪神石井大智投手が3点差を守り、岩崎の通算100セーブをサポートした。8回、モンテロの2ランで2失点した先発大竹をリリーフ。矢野を左飛、代打野間を三飛に打ち取り12ホールド目を挙げた。「ゼロで帰ってこれたので(良かった)。本当に(左翼)熊谷さんの守備に助けられました」と好守の先輩に感謝。「(岩崎さんには)いつもお世話になっている。すごいっすね」と岩崎の記録達成に感激していた。
◆阪神佐藤輝明内野手が4試合ぶりの長打で先制機を演出した。打線は3回まで毎回安打を出しながら無得点。4回、先頭で広島床田から中堅右への二塁打を放ち、2死一、三塁から木浪の中前適時打で先制のホームを踏んだ。「今日はうまく修正できたかなと思います」。5日巨人戦以来、8試合ぶりのマルチ安打。4番が復調を印象づけた。
◆阪神が今季初めて全イニングで安打を放った。1番近本光司外野手(30)が自身初の1試合5安打。5番大山悠輔内野手(30)も2本の二塁打で4打数2安打2打点を記録するなど、11安打で5得点を挙げた。本拠地勝利で9回の攻撃はなかったが、8回まで毎回安打。好調広島打線に負けじと猛虎打線が機能し、首位の座を奪い返した。藤川球児監督(44)は打線について「(広島先発)床田投手に対して、得点圏にランナーを置くような粘り強い攻撃があった」と話した。
◆広島との首位攻防戦第2ラウンドの試合実施に向けて、阪神甲子園球場が正午に開門した。関西は早朝から豪雨に見舞われたが、午前11時頃には雨がやみ、試合に向けて阪神園芸が整備を開始。前夜からグラウンドにシートをかけていたこともあり、内野の黒土部分には目立った水たまりは見られなかった。阪神の選手は午前中に室内練習場でフリー打撃などで練習。午後0時15分現在、広島の選手が外野の芝生でキャッチボールやノックなどでアップを行っている。試合は午後2時にプレーボール予定で、先発は阪神・大竹耕太郎投手(29)、広島・床田寛樹投手(30)が予告されている。
◆前夜2連敗を喫して0.5ゲーム差の2位に後退した阪神は、鯉キラー・大竹耕太郎投手(29)が今季2度目の先発のマウンドに上がる。昨年まで広島戦は通算9勝1敗と無類の強さを誇る左腕が、今季初勝利で首位を奪い返す。打線は5試合連続2得点以下と苦しい状況。16日に久しぶりの安打を記録した3番・森下翔太外野手(24)と5番・大山悠輔内野手(30)の目覚めの一打に期待がかかる。
◆阪神・大竹耕太郎投手(29)が広島打線を翻弄(ほんろう)している。0-0の四回、先頭の菊池を一飛に打ち取ると、続くファビアンを内角直球で見逃し三振。2死からは4番・末包を初球のスローボールで捕邪飛に打ち取り、場内はどよめき交じりの歓声を上げた。スコアボードには球速79キロが表示された。ここまで4回を投げて許した安打はわずか2本。二塁を踏ませない投球を続けている。
◆阪神は木浪聖也内野手(30)の適時打で先制した。両軍無得点の四回。広島の先発・床田から先頭の佐藤輝が中堅右への鋭い打球を放ち、二回に続いて無死二塁のチャンスを作る。大山が倒れた後、前川の二ゴロと坂本の四球で2死一、三塁として木浪。追い込まれながらも外角のボールに食らいつき、中前に弾ませた。木浪の2戦連続となる適時打で、阪神は4試合ぶりの先制に成功した。
◆阪神が1-0の五回に貴重な追加点を挙げた。先頭の近本光司外野手(30)が中前打で出塁すると、中野の犠打で二塁へ。森下、佐藤輝が四球を選んで1死満塁とし、5番・大山悠輔内野手(30)への4球目を広島の先発・床田が暴投。1点を追加し、なおも1死二、三塁から大山の三塁強襲の2点適時二塁打でリードを4点に広げた。大山は「打ったのはたぶんツーシームかな。大竹が良いピッチングをしているので早い段階で援護したいと思っていました。チャンスの場面で思い切って打つことができましたし、得点につながって良かったです」とコメントした。近本は、森下と並んで両リーグ最多となる今季6度目の猛打賞を記録。1打席目に右前打、2打席目に左前打、3打席目に中前打と全方向にはじき返した。3点以上を奪うのは、4得点の5月7日の巨人戦(東京ドーム)以来、6試合ぶり。眠っていた猛虎打線が甲子園で目を覚ました。
◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)は八回途中2失点で降板した。1日の中日戦(バンテリンドーム)以来、今季2度目の先発となった左腕。広島打線には昨年まで9勝1敗という相性の良さを存分に発揮した。七回までわずか76球で二塁も踏ませない完ぺきなピッチングを披露。4点のリードをもらってテンポよく投球し、最遅77キロのスローボールで4番・末包を打ち取った際にはスタンドからどよめきが起こった。無失点のまま八回のマウンドにも上がったが、先頭の坂倉に安打を許し、1死からモンテロに来日1号となる2ランを浴びて降板。7回1/3を89球、4安打2失点の内容で、今季初勝利の権利をもってマウンドを降りた。
◆広島の連勝は4で止まり、2位に後退した。先発した床田寛樹投手(30)は5回を投げ、4失点で今季3敗目。八回には新助っ人、エレフレス・モンテロ内野手(26)=前ロッキーズ=が来日1号となる2ランを放ったが、勝利にはつながらなかった。床田は三回までは走者を出しながら粘りの投球を見せていたが、四回に2死一、二塁から木浪に中前へ先制打を打たれた。五回には安打と2与四球で1死満塁のピンチを招き、自らの暴投と大山の2点二塁打でリードを広げられた。打線は七回まで阪神先発の大竹を攻略できず。八回に1死一塁からモンテロが来日初本塁打となる2ランを放ったが、追加点は奪えなかった。
◆阪神が広島に5ー2で快勝し、連敗をストップ。16日に陥落した首位の座に返り咲いた。先発した大竹は八回途中4安打2失点。テンポのいい投球で広島打線を手玉に取った。4番・末包に対しては70キロ台のスローボールで2打席打ち取るなど、持ち味を遺憾なく発揮。2試合目の先発で今季初勝利を挙げた。5-2の九回には16日に敗戦投手となった岩崎優投手(33)が3番手で登板。無得点に抑えて広島打線にリベンジし、NPB史上37人目、阪神では2008年に達成した藤川球児現監督以来となる通算100セーブを達成した。打線は四回に木浪の適時打で先制。五回には大山の2点適時打二塁打などで3点を奪った。4-2の八回は近本の適時打で貴重な追加点。虎のリードオフマンが5打数5安打で、森下と並んで12球団最多タイの今季6度目の猛打賞を記録した。
◆通算100セーブを達成し、記念ボードを掲げる阪神・岩崎優=甲子園球場(撮影・松永渉平)
◆元阪神スカウトで、担当として国士舘大時代は無名だった岩崎を発掘した中尾孝義氏(69)が、NPB史上37人目となる通算100セーブを達成した左腕にサンケイスポーツを通じて祝福メッセージを送った。優が通算100セーブって、すごい。いや、想像できなかった。彼を初めて見たのは国士舘大3年。違う大学のドラフト候補の4年生を神宮で視察したときで、球は速くないのに打者がみんな差し込まれている。そのシーンが頭から離れなかったな。球団の方に、優の話をして1年後、ドラフト6位で指名。他球団はノーマークだった。1年目、先発で5勝したのはびっくりしたが、救援に回ってからは驚きの連続だった。正直、中継ぎでチャンスをつかんで頑張ってくれれば、と思っていたけど、まさかクローザーを任される投手になるとはね。プロに入って体がでかくなり、胸板が厚くなった。スライダーの切れもよくなり、さらに高めの直球で、空振りが取れる投手になっていた。よく練習して、トレーニング法の勉強もして...。オフも休まず体を動かしていると聞いたが、打者を幻惑させる彼独特の投球フォームと球持ちのよさ。それがプロで成功できたすべてじゃないかな。「クローザーは150キロ超の速球を投げられることが条件」。そういう固定観念を崩した投手だと思う。140キロそこそこでもバッターは振り遅れている。大学時代に見た優と同じだった。3、4年前だったか。優が調子を落としていたころ。東京の自宅でテレビで見て『投球時に頭が前に突っ込み過ぎて、手が腕が振れていない。球の威力が落ちている』と電話でアドバイスしたことがあった。次の試合で球の切れが戻っていて、あのときはうれしかった。わたしの助言がヒントになったかはわからないけど(笑)。オフの契約更改が終わると(担当した)原口と優は「来年も阪神でプレーができます」と毎年、電話をしてくれる律義な子。(6月19日で)34歳になるが、まだまだ体も元気そうだし、もっともっと記録を伸ばしてほしい。(元阪神スカウト)
◆広島の連勝は4で止まり、2位に後退した。先発した床田寛樹投手(30)は5回を投げ、4失点で今季3敗目。八回には新助っ人、エレフリス・モンテロ内野手(26)?前ロッキーズ?が来日初本塁打となる2ランを放った。
◆阪神が一日で首位に返り咲いた。四回2死一、三塁、木浪聖也内野手(30)の中前打で先制。五回は安打と2四球で作った1死満塁から床田寛樹投手(30)の暴投と大山悠輔内野手(30)の2点二塁打で3点を追加した。大山の打点は10試合ぶり。八回2死二塁では近本光司外野手(30)が自身初の1試合5安打目を左前に運んで、突き放した。今季初勝利(1敗)の大竹耕太郎投手(29)は広島戦成績を10勝1敗とした。九回を締めた岩崎優投手(33)が通算100S目に到達した。
◆眠れる5番がついに目覚めた。曇天が晴れる。阪神・大山悠輔内野手(30)の自身10試合ぶりの打点に甲子園がわいた。「しっかり準備して(打席に)入りましたし、チームが勝ててよかったです」1-0で迎えた五回1死満塁の好機。相手暴投で貴重な2点目を奪っても、追撃の手を緩めない。床田の139キロツーシームを引っ張った。打球は三塁手のグラブをはじき、左翼ファウルゾーンを転々。3日のヤクルト戦(甲子園)以来の適時打となる2点二塁打で突き放した。二回先頭でも左翼線に二塁打を放ち、8試合ぶりのマルチ安打。復調気配の大砲は「あしたも頑張ります」と気を緩めることなくクラブハウスへと引き揚げた。大山が生み出す上昇気流が猛虎打線をより強くする。(原田遼太郎)
◆阪神・木浪聖也内野手(30)が四回に均衡を破った。2死一、三塁で床田に追い込まれながらも中前へ。2試合連続の適時打となる先制打に「ここで一本という気持ちが強かった」と汗をぬぐった。4月19日の広島戦(甲子園)では1試合3失策。その後、遊撃の位置を小幡に譲る形になったが、ライバルは「左下肢の軽度の筋挫傷」で離脱中。3試合連続スタメンの期待に応え「勝つことがすべて。助け合ってやればいい」と話した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が先制の口火を切った。四回先頭の第2打席で床田の141キロを捉えると、右中間で弾む二塁打。三進し、木浪の一打で先制のホームを踏んだ。「よかったです。きょうはうまく修正できた」。七回は左前打を放って、8試合ぶりのマルチ安打をマーク。「球はずっと見えている。打てたのがよかったです」と力強かった。
◆阪神・石井大智投手(27)が広島打線の流れを止めた。モンテロ(前ロッキーズ)の2ランで2点差に迫られた直後の八回1死からマウンドへ。代打・二俣を左飛、続く代打・野間を三飛に仕留め、後続を断った。リードを守り、先輩・岩崎の通算100セーブをお膳立てした右腕は「100セーブ、おめでとうございます。いつもお世話になっているので。すごいっすね」と声を弾ませた。
◆18日の広島戦(甲子園)に先発するD1位・伊原陵人投手(24、NTT西日本)がダッシュなどで調整した。5回4安打無失点だった4月20日の広島戦(甲子園)でプロ初勝利を挙げるなど、ここまで2勝。再び鯉打線を相手にするが「あまり勝ったと思わずに。打順もけっこう変わっていますし、メンバーも入れ替わったりしている。自分の投球ができるように、事前に準備がしたい」と冷静だ。藤川監督も「伊原がいい投球になってもらうように願いながら。彼は彼らしくやってくれればいい」と期待した。
◆阪神が広島に5ー2で快勝し、連敗をストップ。16日に陥落した首位の座に返り咲いた。岩崎優投手(33)は通算100セーブを達成した。?阪神・岩崎が史上37人目となる通算100セーブを達成。初セーブは2020年9月3日のヤクルト戦(甲子園)。?阪神で通算100セーブ以上を挙げたのは、藤川球児(243)、山本和行(130)に次いで3人目。?ホールド数は151で、100セーブ&100ホールドをマークしたのは、22年8月10日に達成した西武・増田達至(通算194セーブ&109ホールド)以来3年ぶり8人目。セ・リーグでは11年8月25日の阪神・藤川球児(通算243セーブ&163ホールド)以来14年ぶり2人目。
◆左腕の巧みな投球術に、虎党が息をのんだ。阪神・大竹耕太郎投手(29)が2試合目で待望の今季初勝利。けがからの復帰を経てつかんだ白星に、喜びもひとしおだった。「移籍しての1勝目や、プロに入っての1勝目、いろいろ1勝目がありますけど、今回の1勝もすごい重み。満員(の甲子園)で投げられるありがたみを感じた」通算9勝1敗と得意としていた広島打線を、またしても翻弄した。この日の最速は140キロながら、4番末包に70キロ台のスローボールを投げるなど多彩な変化球を操り、七回まで二塁を踏ませない完璧な投球。八回にモンテロに2ランを浴びて降板したが、7回?を4安打2失点でハイクオリティースタート(7回以上を投げて自責点2以下)を達成した。昨季まで2年連続2桁勝利を挙げ、自主トレをともにする元ソフトバンクの和田毅さんから「15勝」の命を受けて挑んだ移籍3年目。しかし、春季キャンプの終盤に下肢の張りのため離脱。その後はリハビリ組として2軍で調整し、「けがで今年目標に掲げていたものが難しくなって、気持ちの沈みはあった」と悔しさを吐露していた。それでもすぐに前を向き、復帰に向けて歩を進めた。「個人のことを考えるとしんどくなるので、チームが優勝するために何ができるかを考えた」2軍で登板を重ね、5月1日の中日戦(バンテリン)で今季初先発。5回3失点で敗戦投手となったが、2軍で調整登板を挟んで、この日は見事に修正した。藤川監督も「非常に大きなピースが帰ってきた」と絶賛。大竹はお立ち台で全国の虎党に挽回を誓った。「けがをして出遅れてしまったので、それを取り返すつもりで、これからしっかり頑張っていきたいと思います」技巧派左腕の2025年シーズンが、ようやく本格スタートだ。(萩原翔)
◆バットを振るたびに、Hランプを灯し続けた。チームが勝つために、1番打者がやるべきことを理解している。阪神・近本光司外野手(30)がプロ初の1試合5安打で、再奪首を引き寄せた。「いやあ、久々に勝ってうれしいです。毎打席、毎打席、いい結果を出そうと思って入っているんですけど、その積み重ねが5安打になったと思います」一回に近本劇場が開演した。広島の先発・床田から放った右前打を皮切りに、三回に左前打、五回には中前打。終盤に入っても手を緩めることなく六回には中前打を放ち、直後に今季9個目の盗塁をマーク。2点差に詰め寄られた直後の八回は、2死二塁から貴重な追加点となる左前適時打で締めくくった。「別に手応えとかはなくて。ファーストストライクでしっかりスイングを仕掛けるということだけ意識していたので、それだけでよかった」サイクル安打を達成した2019年のオールスターゲーム以来の5安打で、公式戦では自身初。試合前に・280だった打率を一気に・301まで上げた。チームは前日まで5試合連続2得点以下。16日の試合後に藤川監督は「誰かが突き抜けないといけない」と奮起を促した。そこから一夜明け、近本が試合の最初に出塁して最後にはトドメと、まさに〝突き破る〟姿勢を体現。虎将も「やっぱり攻める姿勢といいますかね。素晴らしい1番としての活躍でした」と賛辞を贈った。昨年、近本はチームが不調の時期にプロ初の4番を経験。いつもと違う打順で臨んだ12試合で感じたものがあった。「打てば点が入る、打たなければ点が入らないという重圧を感じた。だからこそ1番に戻ったとき、4番とかに負担をかけさせないために、やることはしっかりやっておかないと。全てを得点圏で打てなかった4番の責任にするのはすごく酷なことだと思った」直近はクリーンアップが苦しい状態が続いていただけに、有言実行の中軸を助ける5安打1打点だった。「明日もチーム全員で戦っていきますので、応援のほどよろしくお願いします!」通算1000安打まで17本としたリードオフマンが、沈黙していた虎打線を一気に爆発させた。(中屋友那)
◆マスクをかぶった阪神・坂本誠志郎捕手(31)は大竹の今季初勝利と岩崎の通算100セーブをアシスト。岩崎は前夜同点の九回に失点して黒星を喫していただけに、「きのうああいう形になりましたけど、早く投げられた方が絶対によかったと思うし、しっかり抑えることができた。また明日もそこ(岩崎の登板)にまで持っていけるように頑張りたい」と振り返った。バットでは四回2死三塁から四球をもぎ取り、木浪の先制打につなげた。
◆トップ奪い返した!! 阪神は広島戦に5-2で勝利し、一日で再び首位に立った。九回に登板した岩崎優投手(33)が1回無失点で今季11セーブ目を挙げ、球団3人目の通算100セーブを達成。100セーブ&150ホールドはプロ野球5人目で、左腕では初の快挙となった。プロ12年目のベテラン守護神に支えられた虎が、このままV奪回へ突っ走っていく。5-2の九回2死一塁。最後の打者、末包を二飛で打ち取ると、今季最多の4万2634人が詰めかけた甲子園は大歓声に包まれた。一日での再奪首とともに、虎党に届けた節目の通算100セーブ。お立ち台に上がった岩崎の第一声は、まさかの謝罪だった。「昨日はすみませんでした」今度は場内大爆笑だ。「早くやり返したかったので、すぐに投げられてよかった」。前日は2-2の九回に登板も連続適時打を浴び、1回を投げ切れず2失点で降板。負け投手となり、チームは首位の座を譲った。「逆に燃えた」。一夜明け、自身もチームもリベンジに成功した。既に151ホールドをマークしており、100セーブ&150セーブは左腕史上初の快挙だ。試合後、記念ボードを掲げた岩崎は祝福の言葉を掛けられた。「おめでとう」。声の主は藤川監督。「一言ですけど。その『おめでとう』がすごくうれしいですけどね」。33歳の守護神は思わずはにかんだ。先発から救援に配置転換となったのは入団4年目の2017年シーズン。当時のブルペンリーダーが、米球界から四国IL高知を経て、16年に阪神に復帰した藤川監督だった。「調整法やマウンドに行くまでの気持ちの持ち方はもちろん、打たれたときに励ましてくれたり...。いまの僕があるのも球児さんのおかげ」〝火の玉ストレート〟と呼ばれた剛速球を武器に、日米通算245セーブを挙げた雲の上の存在だが、2人に共通するのは先発としては実績を残せなかったことだ。「監督は『ブルペンはチームの心臓部』と言ってますね。あれは現役時代からよくおっしゃっていた。だから僕はあんまり新鮮な感じがしないんですよ」救援投手の誇りとプライドを持って頑張れ-。その言葉を胸に、転向初年度から66試合に登板。昨年まで8年連続で40試合以上、マウンドに上がり、クローザーとなった23年には最多セーブのタイトルを獲得し、リーグ制覇&日本一に貢献した。
◆おめでタイガース!! 1日での首位奪還に岩崎の通算100セーブ! おまけに近本の自身初の5安打! ひょっとして?とカレンダーに目をやればオオ~やっぱり『大安』だ!! と大ハシャギした俺(でも冷静に考えたら広島ファンも大安だよね~)。とりわけ岩崎の100Sは野球人生ドラマが漂っていて実にいいのです。だって本来抑え投手じゃなかったんだよ! 2020年、21年セーブ王だった剛腕スアレスが退団し、その後釜のケラー(現巨人)やゲラが当て外れだったことから誕生したいわば『とばっちりクローザー』(?)なんです。100ホールドを達成しているのを見てもわかるでしょう。そもそも速球で三振の山を築くタイプではない技巧派でこの記録は価値あり! なので時々打たれても許しちゃう!! 一方で5安打の近本にはムカー!! 俺怒ってます。だったら早く首位打者取ったらんかい!!(笑) 天才なんだから後はイヤらしい(セーフティーバントとか)男になってくれ~!! 最後に大竹投手、今季1勝おめでタイガース!!
◆午後1時55分、〝プレーボール〟がかかった。審判がグラウンドに飛び出し、一塁側から藤川監督、三塁側から広島・新井監督が姿を見せる。恒例の試合前のメンバー交換。両監督が握手をし、審判にもあいさつ。スタンドに陣取っていたファンは固唾をのんでソノ瞬間を見守っていた。最後に両監督がどうするのかと思っていたら、藤川監督はすぐにきびすを返して、大股でベンチへと帰っていった。目の前から相手がいなくなったものだから、新井監督はアレ?アレ?という表情を作って、しばらくその場にたたずんでいた。新井監督の〝コント〟にファンは大喜び。特に三塁側の鯉党から拍手が起こっていた。4月20日の甲子園で広島・岡本が坂本の頭部に当てたことで、藤川監督が激高。岡本は坂本に謝罪し、両者の間ではわだかまりはなくなったが、バトルはまだくすぶっている!? 元タテジマ戦士同士だ。ホンネは分からない。こういう前座?があってもいいと思うし、あとはグラウンド上でどんどん盛り上げてもらったらいい。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
阪神 |
21 | 16 | 2 | 0.568 (↑0.012) | - (↓0.5) |
104 | 135 (+5) | 99 (+2) | 22 (-) | 31 (+1) |
0.245 (↑0.002) | 2.270 (↑0.01) |
2 (1↓) |
広島 |
21 | 17 | 1 | 0.553 (↓0.015) | 0.5 (↑0.5) |
104 | 135 (+2) | 105 (+5) | 20 (+1) | 14 (-) |
0.251 (↓0.002) | 2.410 (↓0.07) |
3 (1↑) |
巨人 |
21 | 19 | 1 | 0.525 (↑0.012) | 1.5 (↑0.5) |
102 | 124 (+1) | 130 (-) | 31 (-) | 16 (-) |
0.239 (↓0.002) | 2.810 (↑0.07) |
4 (1↓) |
DeNA |
18 | 17 | 3 | 0.514 (↓0.015) | 2 (↓0.5) |
105 | 119 (+6) | 107 (+7) | 16 (+2) | 20 (-) |
0.225 (-) | 2.580 (↓0.13) |
5 (-) |
中日 |
16 | 20 | 2 | 0.444 (↓0.013) | 4.5 (↓0.5) |
105 | 78 (-) | 107 (+1) | 13 (-) | 20 (-) |
0.210 (↓0.003) | 2.630 (↑0.06) |
6 (-) |
ヤクルト |
13 | 21 | 1 | 0.382 (↑0.018) | 6.5 (↑0.5) |
108 | 101 (+7) | 144 (+6) | 17 (+2) | 7 (+1) |
0.226 (↑0.004) | 3.550 (↓0.05) |
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