1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ORIX | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 1 | 0 |
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | X | 7 | 10 | 0 | 0 |
勝利投手:宮西 尚生(1勝0敗0S) 敗戦投手:山岡 泰輔(0勝1敗0S) |

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◆日本ハムは0-0で迎えた7回裏、1死満塁から郡司が2点適時打を放ち、試合の均衡を破る。続く8回には、伏見と水野の連続適時打などで5点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・細野が6回無失点の好投。3番手・宮西は今季初勝利を挙げた。敗れたオリックスは、救援陣が精彩を欠いた。
◆日本ハム進藤勇也捕手(23)が試合前練習に、しっかり間に合った。午前9時過ぎ、エスコンフィールドのベンチに顔を出して、チーム練習に合流した。試合では、同期で今季初登板初先発の細野晴希投手(23)とバッテリーを組む予定だ。新庄剛志監督(53)は14日の試合後、細野の相方に、昨季のデビュー戦や今季も2軍でバッテリーを組んでいる同期の進藤を起用する意向を口にしていた。だが、進藤はその日は鎌ケ谷でのイースタン・リーグ巨人戦に出場しており「もし飛行機が取れなかったりした場合は、ちょっと呼べないかもしれないけど、ヘリで? ...今(飛行機の)調整をしてます」と、最悪、ヘリコプターでの移動もほのめかしていたが、どうやら普通に飛行機で移動できた模様だ。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が珍しく、半袖姿で試合前練習に登場した。普段は夏でも汗をかきたいと、長袖を着ていることがほとんどで、レアケースだ。この日の練習時間の午前10時、エスコンフィールドがある北海道北広島は気温20度、晴れ。屋根は閉まっていたが、センター付近のガラスウオールから注ぐ陽光はまぶしく、夏気分になるのもうなずける。背中にプリントが入ったおしゃれな白Tシャツを着用。前日14日オリックス戦に登板した北山、福谷、池田らに笑顔で声かけをしていた。残念な逆転負けから一夜。気持ちが切り替わるさわやかな光景だった。
◆日本ハム投手陣が6月からの交流戦に向け、バント練習を始めた。この日参加したのは加藤貴之(32)、北山亘基(26)、金村尚真(24)、古林睿煬(グーリン・ルェヤン=24)の4投手。古林は最初、恐る恐るバットを当てていたが、徐々に感覚を思い出しボールを当てだし、コーチ陣から「いいねえ」と声をかけられていた。投手陣の走塁練習は13日の練習から始めている。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が、14日に逆転満塁弾を放ったオリックス広岡大志内野手(28)をインスタグラムでたたえた。日本ハムは14日の同戦、5-4の8回2死満塁から、6番手斎藤が159キロの直球を広岡に左翼席へ運ばれた。打った瞬間の1発で、新庄監督は試合後にも「あんだけ完璧なホームラン、満塁の広岡君ね。すごい音でしたね。完璧でしたね。でも、あのカウントでまっすぐ1、2、3で振って、なかなかあの速い球を完璧にとらえるの難しい中でね、スカッとさせられたというか」と話していた。新庄監督は、インスタグラムで広岡の一打の映像を投稿。「敵ながらこのホームランは凄かった 真っ直ぐ一本で振りに来たとは思うけど、あの斎藤君の160キロ近い真っ直ぐをあそこまで飛ばす技術 廣岡君 goodスイング参りました 斎藤君は次は必ずやり返します」とたたえた。
◆日本ハム野村佑希内野手(24)が左脇腹痛のため、出場選手登録を抹消された。14日のオリックス戦(エスコンフィールド)で左前打を放った7回の打席で患部に違和感を覚え、9回の守備から途中交代。新庄剛志監督(53)は「最後の打席で左脇腹にちょっと違和感が出て。明日ちょっと様子を見て判断したいなというところです」と説明していたが、試合後に札幌市内の病院で検査を受け、左内腹斜筋肉離れと診断された。ゲーム復帰まで約2週間の見通しで、今後は千葉・鎌ケ谷の2軍施設でリハビリを行う。野村は開幕4番を務めた今季はここまで欠場1試合だけの36試合出場で打率2割9分1厘、6本塁打、17打点。不動の4番として首位のチームをけん引してきた。新庄監督は試合後に「2週間をめどに治してもらって、そこから試合に出てね。(1軍復帰が)早まるのも、もちろんあると思う。これでまたファーストのポジションは2週間ちょっと空くんで、チャンスっちゃチャンスですよね」と野村の早期回復と同時に、新たな力の台頭も待望した。
◆オリックス山岡泰輔投手(29)が15日、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。試合前、「ここまでできたというのは、野球人生の中でもすごくいいこと。投げ続けてこられたなというところだと思うんで、率直にうれしいです」と話した。一方、この日の取得も実際は知らなかったようで、今はシーズンに集中。「チームもいい順位にいますし、雰囲気もいい。そこで何とか投げられるように今はしていくだけ」と語った。瀬戸内(広島)から東京ガスを経て、16年ドラフト1位でオリックスに入団。今年でプロ入り9年目を迎えた。24年終了時点で通算163試合に登板し、43勝45敗3S、防御率3・35。今年は過去にオンラインカジノを利用したとして一時活動を自粛し、3月13日に活動再開。4月23日に不起訴処分となり、今月5日に出場選手登録。6日の日本ハム戦で今季初登板を果たし、14日時点で3試合に登板して勝ち負けなし。
◆首位攻防第3戦、オリックスはドラフト2位寺西成騎投手(22)が先発する。寺西はプロ初登板初先発。2軍では7試合に先発し、防御率2・86で、5日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)では6回1失点と好投した。プロ初先発初勝利となれば、球団では24年佐藤一磨投手(24)以来、ルーキーに限れば19年椋木蓮投手(25)以来となる。
◆試合前に異例の注意喚起がアナウンスされた。試合開始20分前にアーティスト・俳優として活躍する中島健人(31)がファーストピッチに登場。「ケンティー」の大ファンである日本ハム田宮裕涼捕手(24)とバッテリーを組み、投球後は2人がハグを交わすと「キャー」と早くもファンから歓声が起きた。その直後に試合後に行われるトークショーについても場内MCから案内があり、「ご自身のお座席でご観覧ください」と繰り返しアナウンスされた。大型ビジョンでも同様のメッセージが映しだされ、「ご自身のお座席」部分は下線も引かれて強調されていた。今回同様のイベントとしては、4月9日に横浜スタジアムで行われたDeNA対巨人戦で始球式を務めた元HiHiJetsの高橋優斗さん(25)も試合後にトークショーが予定されていたが、多くのファンが殺到したことで、警察の指導により開催は危険と判断されて中止となった事例がある。
◆愛称"ケンティー"こと中島健人(31)が、ファーストピッチを行った。黄色い声援が飛び交う中で登場。13番のユニホームを着てマウンドに向かった。キャッチャー役は、中島の熱狂的なファンを公言する田宮裕涼捕手(24)が務めた。中島は大きく振りかぶり投球。ボールはやや三塁側にそれたが、ワンバウンドで田宮のミットにおさまった。最後に2人でハグすると、スタンドから甲高い「キャー」という悲鳴のような声が上がった。中島は「田宮選手にはライブにも来ていただきまして。今日は田宮選手やファイターズの皆さんが100%輝くステージですので、100%輝く瞬間を応援したい」とエールを送った。この日は教育旅行や課外活動などの学校単位での観戦客も想定した、3日連続平日デーゲームの最終日。SNSでは「学校行事とかで野球見に来て中島健人でてきたらビビるなw」などとコメントが寄せられていた。ちなみに、入団会見で「ケンティー」を呼び方にリクエストも、田宮の存在を知る家族から差し込みを受け「出しゃばらないように」と「ヨッシー」に変更した吉田賢吾捕手(24)が「5番・左翼」でスタメン出場している。
◆プロ初初登板先発だったオリックスドラフト2位寺西成騎投手(22)は、3回2安打1三振2四球無失点で降板した。初回、いきなり2者連続四球を与えてピンチを迎えたものの、後続のクリーンアップを仕留めて0封。2回、3回も安打を許しながら、何とか切り抜けた。3回、46球を投げたところで早々に降板。プロ初先発初勝利はならなかった。
◆今季初登板初先発の日本ハム細野晴希投手(23)が、自己最長の6回91球を投げ、6安打4三振無失点と好投も打線の援護なく、初勝利はお預けとなった。初回はオリックス広岡をインコースへのスプリット、西川を外角低めのカットボールで連続見逃し三振。紅林に中前打、杉本に左前打を許すも、続く太田をツーシームで二ゴロに打ち取り、無失点でスタートした。2、3回は3者凡退。4回は先頭の紅林に右前打を許すも続く杉本を遊撃併殺、太田に左前打を打たれるも、頓宮を三ゴロに打ち取り失点を許さなかった。5回2死一、三塁のピンチでは、西川をツーシームで一ゴロに打ち取り、6回2死一、二塁では、中川を内角低めのスライダーで空振り三振に切って取り、またも無失点で切り抜けた。プロ1勝とはならなかったが「ファームと1軍のレベルの差を感じました。特にフォークが捉えられて、新しい課題を見つけられた登板となりました。それでもファームで取り組んできたことが通用した部分もあったので、次回に向けて準備していきたいと思います」と前向きに話した。
◆日本ハム宮西尚生投手(39)が880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を打ち立てた。0-0の7回2死三塁、玉井に代わり3番手で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取り、無失点でしのいだ。ベンチに戻ると、新庄剛志監督(53)から「みや、みや!」と呼びかけられ、花束を受け取った。大型ビジョンは、記録更新を祝福する画像に切り替わり、オリックスファンからも拍手が贈られた。宮西は10日楽天戦(エスコンフィールド)で今季10試合目の登板を果たし、連続試合リリーフ登板の最長記録を持っていた元中日の岩瀬仁紀氏(50)に並んでいた。岩瀬氏はプロ2年目の最終登板で1度だけ先発登板をしてプロ3年目からの記録だが、宮西は先発が1度もなくデビューからすべて救援登板を続けて記録を更新した。10日の試合後には「岩瀬さんが偉大すぎて、並んだっていう感覚が全くないのは正直なところですよ...本当に(笑い)。ほんまに、なんかいい言葉が(みつからない)。いやほんま、そんな感じなんすよ」と苦笑い。「ほんとここまでね、もうがむしゃらに18年間やってきて、気づいたらここまで来てたっていうだけやし。監督、コーチ、トレーナーさん、裏方さんとか、みんなのサポートとか。若い頃は失敗して引きずることが多い選手やったんですけど、先輩方もフォローしてくれてどんどんメンタルが強くなったところもある。ほんとに、このチームじゃなかったら記録は達成できてないと思う。出会いに感謝ですよね」と話していた。
◆日本ハム郡司裕也捕手(27)が7回1死満塁で先制の左前適時打を放った。「よーし!」と右手でガッツポーズしながら喜んだ郡司に、新庄剛志監督(53)も拍手でたたえた。郡司にとっては、これが5月初安打だった。4月22日楽天戦(エスコンフィールド)の第3打席で中前打を放って以降は安打から遠ざかり、この日の5回まで33打席連続で無安打だったが、ついに"おめざめ郡司"。出場10試合、34打席ぶりの快音でチームに待望の先制点をもたらした。
◆日本ハムが終盤に集中打を浴びせ、2カード連続の勝ち越しを飾った。0-0の7回1死満塁、郡司裕也捕手(27)が、勝ち越しの左前2点適時打。郡司は4月22日楽天戦で安打を放って以降、この日の第3打席目まで33打席連続無安打と苦しんでいたが、34打席ぶりの当たりが、貴重な決勝打となった。さらに8回無死満塁から伏見寅威捕手(35)の中前適時打、水野達稀内野手(24)の右翼への2点適時二塁打などで加点し、突き放した。投げては今季初登板初先発の細野晴希投手(23)が、初勝利こそお預けとなったが、6回6安打2四球無失点と快投。0-0の7回2死三塁、玉井に代わり3番手で登板した宮西尚生投手(39)は、880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を打ち立てた。マウンドではオリックス西川を二ゴロに打ち取り、無失点でしのぎ、直後の7回裏に勝ち越したため、今季初勝利も転がり込んだ。チームは貯金を7に増やし、2位とのゲーム差を2に広げた。
◆首位攻防第3戦は終盤まで緊迫した展開になった。オリックスはドラフト2位寺西成騎投手(22)が初登板初先発だったが、3回2安打1三振2四球無失点で降板。その後、川瀬堅斗投手(22)が2回を無失点。3番手でこの日、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした山岡泰輔投手(29)が登板した。山岡は6回を3者凡退に仕留めたものの、0-0で迎えた7回、1死満塁から郡司に左前2点適時打を許した。チームは今季5度目の完封負け。首位攻防3連戦は1勝2敗で負け越し。再びゲーム差が2に広がった。
◆日本ハム宮西尚生投手(39)が880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を打ち立てた。0-0の7回2死三塁、玉井に代わり3番手で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取り、無失点でしのいだ。ベンチに戻ると、新庄剛志監督(53)から「みや、みや!」と呼びかけられ、花束を受け取った。直後の7回裏に打線が勝ち越し、宮西が今季初勝利を挙げた。3番手の宮西が今季初勝利。宮西は今年6月で40歳を迎えるが、日本ハムで40歳以上のシーズンに白星を挙げたのは、10年に5勝した木田(42歳)に次いで15年ぶり2人目。なお、この日の登板で880試合連続リリーフ登板。岩瀬(中日)の879試合を抜くプロ野球新記録となった。
◆日本ハム宮西尚生投手(39)が880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を打ち立てた。0-0の7回2死三塁、玉井に代わり3番手で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取り、無失点でしのいだ。ベンチに戻ると、新庄剛志監督(53)から「みや、みや!」と呼びかけられ、花束を受け取った。大型ビジョンは、記録更新を祝福する画像に切り替わり、オリックスファンからも拍手が贈られた。ヒーローインタビューでは、始球式を務めた俳優中島健人(31)からマイクを向けられた。【宮西のヒーローインタビュー】-どんな気持ちでマウンドに「やべえな~と思いながら、(マウンドに)立ちました」-新記録達成です「今日は新記録ということで。『宮西一色』かと思えば、『中島一色で』」-宮西投手一色でございます「いやもう本当に、そういう(中島に)来ていただいたタイミングで、記録が達成できたっていうのもまたうれしいなと思います」-最高のコンディションに持っていく秘訣(ひけつ)は「公にはあまり言いたくないんですけど。ブルペンでは本当、だらけてます」-本当ですか「なるべく試合は見ながら、緊張感を持たず。一気に爆発させるというか、気持ちを爆発させるためにも、普段はリラックスして待機してます」-私もステージに立つ時は緊張しない方がよろしいでしょうか「いや、しっかりアップされた方がいいと思います」-宮西投手ならではの「そうですね。だから、あまりまねはしてほしくないです」-ファンの皆さまへ「本当に今日は皆さんの新たな、日本ハムファンの記録が誕生した日です。僕だけの記録じゃないので、皆さんみんなで喜び合いましょう。ありがとうございました」
◆オリックスは首位攻防戦に負け越した。中盤までは緊迫した展開だったが、終わってみれば0-7の完敗。今季5度目の完封負けを喫した。ドラフト2位新人の寺西成騎投手(22=日体大)が3回無失点で降板。救援陣でつないだものの、0-0で迎えた7回に2失点。8回に大量5失点。一方、打線は8安打を放ちながら無得点だった。岸田監督は「また切り替えてやってきます。1戦1戦、必死にやるだけなんで」と渋い表情だった。
◆オリックス山岡泰輔投手(29)が15日、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。「ここまでできたというのは野球人生の中でもすごくいいこと。投げ続けてこれたなというところだと思うんで、率直に嬉しいです」。瀬戸内高から東京ガスを経て、16年ドラフト1位でオリックスに入団。通算167試合に登板し、43勝46敗3S、防御率3・36。今年は過去にオンラインカジノを利用したとして一時活動を自粛し、3月13日に活動再開。4月23日に不起訴処分となり、今月5日に出場選手登録。今季はこの日の登板で4試合目だった。7回に決勝打を打たれて今季初黒星。試合後は「あそこをゼロで...」と言葉少なだった。
◆俳優で歌手の"ケンティー"こと中島健人(31)が、日本ハム―オリックス戦で自身初のファーストピッチを行い、試合後は自身初のヒーロインタビューにも臨んだ。決勝打の日本ハム郡司裕也捕手(27)から「中島さんから郡司の名前が出るのが新鮮で。もうセクシーサンキューです」と、自身の決めセリフを振られ「ありがとうございます。こちらこそ、マイプレジャーセクシー、ということで」と返し、スタンドを沸かせていた。
◆日本ハム郡司裕也捕手(27)が0-0の7回1死満塁で勝ち越しの左前2点適時打を放ち、勝利を呼び込んだ。4月22日楽天戦で最後に安打を放って以降、この日の第3打席目まで33打席連続無安打。34打席ぶりの当たりが、貴重な決勝打となり「信じて使ってくれたボス(新庄監督)に感謝ですね」。8回1死二、三塁でも中前2点適時打を放ち、今季初の4打点と荒稼ぎした。
◆日本ハム宮西尚生投手(39)が880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を樹立した。0-0の7回2死三塁で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。その裏に決勝点も入って、新たな金字塔に花を添える今季初勝利もマーク。通算ホールド数に続いて2つ目のNO・1を手にした"生けるレジェンド左腕"のメモリアル快投で、チームは首位攻防3連戦を勝ち越した。日本ハム宮西の節目はこれまで何度もあった。いろいろなエピソードを取材してきたが、その中でも忘れられない話が10年前に聞いた野球人生最初のターニングポイントについて。15年5月14日西武戦(札幌ドーム)で通算200ホールドを達成した際に記事にしたが、新たに金字塔を打ち立てた"生けるレジェンド左腕"の誕生秘話として、あらためて紹介したい。宮西が中学2年の時に母純子さんが学校に呼ばれたことがあった。当時の最速は110キロほどで「野球は中学でやめようと思っていた」という14歳の宮西はバスケットボールも得意。体育の授業で次々とシュートを決める姿に、バスケ部顧問がバスケにも将来性を見いだした。転向話を母に持ちかけたが、野球好きの母は即答で拒否。「あの時、断ってくれていなかったら今はない。オカンにホンマ感謝です」。6月に40歳を迎える鉄腕の華麗な野球人生のレールは、26年前に母によって敷かれていた。【日本ハム担当=木下大輔】
◆日本ハム宮西尚生投手(39)が880試合連続リリーフ登板を果たし、プロ野球新記録を樹立した。0-0の7回2死三塁で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。その裏に決勝点も入って、新たな金字塔に花を添える今季初勝利もマーク。通算ホールド数に続いて2つ目のNO・1を手にした"生けるレジェンド左腕"のメモリアル快投で、チームは首位攻防3連戦を勝ち越した。宮西は尊敬する左腕からかけられた言葉を今でもしっかり覚えている。最優秀中継ぎ投手に輝いた18年オフのNPBアワード。その年限りで現役を退いた元中日岩瀬氏に表彰会場で初めて声をかけられた。宮西 「俺の記録を抜かせよ」って。まさか、そういう声をかけてもらえるとも思ってなかったし、存在を知ってもらってるだけでもうれしかった。だから1歩ずつ(通算)登板数も目指してやっていきたい。そう誓った7年後、プロ初登板から880試合目の登板は7回2死三塁の場面。連続試合リリーフ登板の記録を更新するメモリアル登板で西川を二ゴロ。ピンチを切り抜けるとベンチ前では新庄監督から花束とともに言葉もかけられた。宮西 監督がなんか声かけてくれてんけど、興奮しててなんて言ったか全然記憶になくて(笑い)。それぐらい、もうゾーン入って何も聞こえなかった。中継ぎとして第一線を走り続けられる、並外れた集中力のおかげで? 聞き逃した言葉は、新庄監督が試合後に明かしてくれた。「日本記録をつくってしまったから『今度は一から、新人のつもりで』って(伝えた)。また野球を"愉しんで"もらったら、もっともっと長くできると思う」。指揮官にハッパを掛けられたように、まだまだ投げ続けなければいけない。歴代1位の通算1002試合登板の岩瀬氏を抜くまで、あと123試合ある。宮西 もう言わんとって、しんどいから(笑い)。ここからの1試合1試合はレベルが(違う)。1試合が50試合分ぐらいの感覚。気にせず1歩1歩、地道に"らしく"いきたいな。お立ち台では「本当に今日は、新たな日本ハムファンの記録が誕生した日です。僕だけの記録じゃないので、みなさんみんなで喜び合いましょう」とファンに語りかけた。次は9年ぶりの日本一を一緒に喜び合い、さらにその先まで...6月に40歳となる鉄腕は突っ走り続ける。【木下大輔】3番手の宮西が今季初勝利。宮西は今年6月で40歳を迎えるが、日本ハムで40歳以上のシーズンに白星を挙げたのは、10年に5勝した木田(42歳)に次いで15年ぶり2人目。なお、この日の登板で880試合連続リリーフ登板。岩瀬(中日)の879試合を抜くプロ野球新記録となった。
◆日本ハム新庄剛志監督(53)が4番野村が離脱したことを受け、今後の4番起用について言及した。この日はフランミル・レイエス外野手(29)が担い、5打数2安打2三振。指揮官は「モーレは(打席が)1回に来てほしいんですよね。打席が回ってきてほしいんで。今で言うと石井くんでしょうね、4番は...けど、しー(笑い)。それはやめておきます。本人も、わかってるから」と、最近6試合で20打数13安打、打率6割5分と絶好調の石井の名を挙げたが、しばらくは"定位置"の7番起用になりそうだ。だが、この日の結果次第では打順を変える構想もあったという。「今日ノーヒットだったら(打順を)上にあげようっていう話はヘッドとはしていて」。2打席目までは凡退も7回先頭で右前打。この6戦13安打のうち10本が右前への打球で「あそこに、もう土地を買ってるからね(笑い)。ポイントがね、そこで打てるっていうポイントがあるんでしょうね。真っすぐにしても、変化球にしても」。指揮官が指南していた引っ張りの打球で安打量産していることを、喜んでいた。
◆日本ハム細野晴希投手(23)が2年目の成長を1軍マウンドで示した。今季初登板初先発で6回無失点の快投。手応えを感じたのは「ツーシームとカット(ボール)。基本的にバッターが振ってきそうなとこに投げられた。抜け球も何球かあったけど"ボールのなり方"が良かったんじゃないかな」という部分だ。1年目を終えて迎えた昨オフ、自身の投球データを分析して改善点を洗い出した。そのひとつが「去年は"ボール球スイング"が平均より低かった」ということ。理由を自分なりに考えて「"ボールのなり方"がすごい悪かった。そこを改善しようと(ファームでも)取り組んだ」という。昨季は高めに抜ける明らかなボール球が多かった。それでは打者に振ってもらえない。そこで意識改革をした。「とりあえず打者に振ってもらおうっていう考え方にしてから、ある程度まとまるようになった。打たれたら仕方ないから、どんどん打ってもらおう、と」。打たれるのを怖がらない割り切りが、適度な制球の散らばりにつながり、投球内容の安定をもたらしている。この日の好投で、抹消されずに次回も1軍で先発することが決まった。お預けとなったプロ初勝利も、勝ち取る日は近い。
◆この勝負強さ5月の初安打がついにここで郡司裕也 前進守備を突破する一打?プロ野球(2025/5/15)??日本ハム×オリックス??Live on DAZN#オレをみろ#lovefighters pic.twitter.com/237f68Tyl2
◆日本ハムは今季初出場初先発マスクの進藤勇也捕手(23)が同期の細野晴希投手(23)を好リードした。「細野とはバッターより、いつも通りのピッチングをしようと話してたので、それができたのはよかった」。大学日本代表時代から細野とコンビを組んでおり特長を熟知。「細野は2軍ではスライダーに反応してくれないと言ってたのですが、僕はいい球なので消したくなかった。1軍の打者は結構反応してくれた印象はあった」と手応えを口にした。
◆今季初先発の日本ハム細野晴希投手(23)が好投した。2年目左腕は同期入団で同学年の進藤とバッテリーを組み、6回無失点。「ツーシームの反応はファームと同様、いい反応をしてくれた。スライダーはファームの時より打者がボール球に手を出してくれていた。その2つは収穫です」と手応え十分の快投だった。プロ初勝利はお預けも、次回登板も1軍で先発予定で、新庄監督も「よかったね」とほめた。
◆プロ野球新記録となる880試合連続リリーフ登板を果たした日本ハム宮西尚生投手(39)が、インスタグラムで感謝をつづった。0-0の7回2死三塁で登板。オリックス西川を二ゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。その裏に決勝点が入り、新たな金字塔に花を添える今季初勝利もマークした。宮西は「新記録」「880試合」と書かれた記念球の写真をアップ。「本日880試合連続救援登板達成することができました。これまで支えてくださった方々に本当に感謝です この登板数で何回失敗した事だろう... 今でもある 悔しくて、次の登板も怖いときあるけど攻める気持ちを切らさず最後まで行こう! 今日は僕が記録でヒーローなりましたが、細野&進藤バッテリーが最高でした」とつづった。また、この日は俳優で歌手の中島健人(31)が、始球式に登場。試合後にはインタビュアーとして、宮西にマイクを向けた。鉄腕左腕は「しかし、ケンティーがめっちゃカッコいい! ファンになりました 明日からのロッテ戦も応援よろしくお願いします」と締めくくった。宮西尚生(みやにし・なおき)1985年(昭60)6月2日、兵庫県生まれ。市尼崎-関学大を経て07年大学生・社会人ドラフト3巡目で日本ハム入団。1年目からセットアッパーに定着し、新人年から14年連続50試合登板。24年8月4日ソフトバンク戦で史上初の通算400ホールド。最優秀中継ぎ3度(16、18、19年)。17年WBC日本代表。今季推定年俸6500万円。180センチ、81キロ。左投げ左打ち。
◆"おめざめ郡司"だ。日本ハム郡司裕也捕手(27)が0-0の7回1死満塁で先制の左前2点適時打を放ち、勝利を呼び込んだ。4月22日楽天戦で最後に安打を放って以降、この日の第3打席目まで33打席連続無安打と苦しんでいたが、34打席ぶりの当たりが、貴重な決勝打となった。チームは2カード連続の勝ち越しで貯金を7に増やし、2位とのゲーム差を2に広げた。"むあんだ郡司"とはおさらばだ。同点の7回1死満塁、オリックス山岡の外角カットボールを思い切り振りぬいた。打球は三遊間を破る値千金の2点適時打に。4月22日から前日14日まで22日間、出場9試合、ヒットがなかった。「あそこで打てなかったら(2軍本拠地の)鎌ケ谷に行くぐらいの覚悟で打席に立ちました」。崖っぷちで、しっかり結果を出した。強めの"おきよめ郡司"が効いた。昨季、細川に伊勢神宮で買ってきてもらったおきよめ用の塩スプレーを試合前にツープッシュするのがルーティンだったが「毎日かけているんですけど、今日は頭からかぶりました」。日々の習慣を"プチチェンジ"し、長いトンネルを抜け出した。1本出たら"のりのり郡司"に変身だ。5点リードした8回1死二、三塁では中前2点適時打を放ち計4打点。「ノリノリでしたね。1本出ると2本目って簡単に出るなと。あんなに苦労して出なかった人が1本出たら抜けていきますから。不思議なものです。メンタルって大事だなと思います」と、しみじみ話した。指揮官の思いに応えた"しんらい郡司"。新庄監督は「長かったでしょうね。でも僕、信じて今日も2番で。今日は4本ぐらい打ちそうかなっていう話はしてたんすよ。そしたら4打点やった(笑い)。そっちの方がいいね」と喜んだ。"だいやく郡司"が役目を果たした。この日、4番野村が左脇腹痛で登録抹消され、代わりに一塁を任され決勝打。「みんなでカバーしなきゃいけないし、僕にとってはチャンス。ジェイ(野村)とかモーレ(レイエス)に頼ってる打線になってしまわないように。どこからでも点が入る打線を作っていくチャンスでもある。彼が戻ってきた時に最強の打線になるように」。"かくせい郡司"が、ここから自慢の勝負強さを発揮していく。【永野高輔】
◆歌手で俳優の中島健人(31)が試合前に行われたファーストピッチセレモニーに登場。「N・KENTY」と記された背番号13の日本ハムのホームユニホームを着用し、〝登板〟した。捕手役は中島の大ファンとして知られる田宮が務めた。大きく振りかぶり、投じた球は惜しくもワンバウンド。「今日は田宮選手、ファイターズの皆さんが100%輝くステージですので輝かしい瞬間を応援していきたい。頑張ってください」とエールを送った。投球を終えると最後は田宮とハグを交わした。
◆日本ハムの宮西尚生投手(39)が0―0の七回2死三塁から3番手として登板。プロ初登板からの連続救援登板試合を880試合とし、プロ野球新記録を樹立した。火消しした。2死三塁で2番・西川と対峙(たいじ)。カウント2―2から141キロの直球でニゴロに仕留めた。「周りの監督、コーチ、トレーナーさん、裏方さんに感謝です」と語っていた左腕がこの試合でも存在感を放った。
◆日本ハムは七回に郡司裕也捕手の2点打で均衡を破ると、八回は 伏見寅威捕手らの適時打で5点を加えた。先発の細野晴希投手が6回無失点と好投。3番手で七回のピンチを抑えた宮西尚生投手が2年ぶりの白星を挙げた。
◆昨季、東洋大からドラフト1位で入団した日本ハム・細野晴希投手(23)が今季初先発し、プロ初勝利はお預けとなったが6回無失点と好投した。「ゼロで抑えられてよかった。スライダーのボール球に手を出してくれたのが収穫」と手応えを口にした。この日、ともに1軍昇格した同期入団の進藤(上武大出)とバッテリーを組み「落ち着いていけよ、とジェスチャーをしてくれたので助かった」と感謝した。
◆日本ハム・宮西尚生投手(39)が15日、オリックス12回戦(エスコン)で連続救援登板を880試合に伸ばし、879試合で並んでいた岩瀬仁紀(中日)を抜いてプロ野球記録を塗り替えた。0―0の七回2死三塁から3番手で登板し、西川龍馬外野手(30)を二ゴロに抑えた。直後に味方が先制し、2023年6月10日の阪神戦(エスコン)以来、705日ぶりの勝ち星を手にした。首位のチームは2位オリックスに7―0で快勝し、2カード連続の勝ち越しを決めた。七回2死三塁、ピンチを切り抜けると、力強くグラブをたたいた。宮西がオリックス戦で3番手として登板し、プロ野球新記録となる880試合連続救援登板を樹立。プロ初登板から全て救援でマウンドに上がり、NPB歴代4位の登板数(歴代1位は岩瀬の1002試合)を誇るプロ18年目の鉄腕が、気迫の投球でチームに勝利を呼び込んだ。「ビジターではなくホームの北海道で(達成)できたのは記憶にも残るし、良かった」徹底した外角攻めで打率3割超えの左打者、西川を仕留めた。代名詞のスライダーを織り交ぜながら外角の直球で追い込んだ。カウント2―2から、決め球に直球を選択。平凡な二ゴロに打ち取り「うまいこと、進藤がリードしてくれた」とバッテリーを組んだ23歳の2年目捕手に感謝した。兵庫・市尼崎高から関学大をへて2008年にドラフト3位で日本ハムに入団。長く第一線で活躍できる裏に、たゆまぬ向上心と新庄監督からの金言があった。昨年の春先は調子が上がらず、現役引退が脳裏をよぎったという宮西。そんな中、指揮官からダイレクトメッセージで「頑張らんでいい、愉しめ」と連絡が来たという。気持ちに余裕が生まれ、「その言葉で(野球そのものの)見え方が変わった」。さらに新たな球種としてチェンジアップを習得し、投球の幅を広げた。チームはオリックスとの首位攻防戦に2勝1敗と勝ち越し、首位をキープ。七回を抑え、ベンチに戻る宮西に花束を渡した新庄監督は「新人のつもりでまた野球を愉しんでもらえたら」と左腕にエールを送った。「一歩一歩(自分)らしくいきたい」と宮西。まっさらなマウンドではなく、これからも荒れたマウンドで腕を振る。(加藤次郎)

<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
日本ハム |
22 | 15 | 1 | 0.595 (↑0.012) | - (-) |
105 | 141 (+7) | 113 (-) | 41 (-) | 15 (-) |
0.238 (↑0.002) | 2.510 (↑0.07) |
2 (-) |
ORIX |
19 | 16 | 3 | 0.543 (↓0.016) | 2 (↓1) |
105 | 132 (-) | 140 (+7) | 28 (-) | 20 (+1) |
0.272 (↓0.001) | 3.420 (↓0.08) |
3 (-) |
西武 |
20 | 17 | 0 | 0.541 (↓0.015) | 2 (↓1) |
106 | 105 (-) | 99 (+5) | 14 (-) | 31 (-) |
0.238 (↓0.004) | 2.490 (↓0.07) |
4 (-) |
ソフトバンク |
18 | 19 | 2 | 0.486 (↑0.014) | 4 (-) |
104 | 148 (+5) | 121 (-) | 25 (+1) | 28 (-) |
0.253 (↑0.001) | 2.680 (↑0.07) |
5 (1↓) |
楽天 |
17 | 20 | 0 | 0.459 (↓0.013) | 5 (↓1) |
106 | 108 (+2) | 128 (+5) | 16 (-) | 36 (+1) |
0.239 (↓0.001) | 3.370 (↓0.05) |
6 (-) |
ロッテ |
13 | 22 | 0 | 0.371 (↑0.018) | 8 (-) |
108 | 89 (+5) | 122 (+2) | 18 (+1) | 13 (-) |
0.207 (↑0.002) | 3.150 (↑0.04) |
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