1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 1 | 1 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 0 |
勝利投手:- 敗戦投手:- 本塁打 |

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◆DeNAは0-0で迎えた7回裏、代打・松尾の犠飛で1点を先制する。一方の阪神は9回表、高寺のプロ初本塁打となるソロが飛び出し、土壇場で試合を振り出しに戻した。その後は延長戦に突入するも、両軍の救援陣が得点を許さず、4時間8分の熱戦は規定により引き分けに終わった。
◆DeNA三浦大輔監督(51)が3年ぶりの新潟での勝利を誓った。試合前に取材に対応。南場智子オーナーの地元・新潟では22年に勝利して以来、2連敗を喫しているが「過去は過去ですからね。今日の試合っていうところで、集中してやっていきたいと思います」と足元を見据えた。09年以降は19試合で6勝13敗と大きく負け越しており、地方球場での試合も12年4月18日の巨人戦(長崎)での白星を最後に7連敗中。快晴で天気にも恵まれ、指揮官は「楽しみにしてるファンの方、新潟のファンの方、今日しか来られないファンの方もいると思うので、いい試合を見せて、DeNAを好きになってもらえるような試合を見せられたらなと思います」と新潟のファンに勇姿を見せる。
◆2連勝中の阪神は、4月22日からの3連戦(横浜)では、敵地で3連勝したDeNAと対戦する。高寺望夢内野手(22)が、「6番遊撃」で、レギュラーシーズンでは22年10月2日ヤクルト戦(甲子園)以来、954日ぶりにスタメンに名を連ねた。プロ入り後、1軍で遊撃を守るのは、プレーオフも含めて、公式戦では初となる。途中交代した11日中日戦(甲子園)まで18試合連続、遊撃で先発出場していた小幡竜平内野手(24)が、「左下肢の軽度の筋挫傷」のため、前日12日に出場選手登録を抹消された。中川勇斗捕手(21)が、「8番左翼」でスタメン。プロ初の2試合連続の先発出場となった。ハードオフ新潟での阪神戦の開催は、12年5月9日広島戦以来、約13年ぶりだ。
◆阪神才木浩人投手(26)が粘りのピッチングを披露した。3回2死満塁のピンチには4番オースティンを中飛に。5回には自らの悪送球も絡んで、1死二、三塁のピンチも背負ったが、牧を空振り三振、度会を左邪飛に打ち取り無失点を継続した。6回も3者凡退に抑えた。10日に村上が中日戦でマダックス(100球未満での完封勝利)を達成。翌11日の同戦ではドラフト1位の先発伊原らが力投。継投で2戦連続完封勝利を挙げた。6回まで3安打無失点で、チーム28イニング無失点も継続。23年4月27日巨人戦~29日ヤクルト戦以来、2年ぶり12度目の3試合連続完封勝利の球団タイ記録へ力投を続けた。
◆阪神森下翔太外野手(24)、佐藤輝明内野手(26)が、そろって6回にファウルゾーンで好守備を披露した。DeNAの先頭オースティンの飛球を、森下がファウルゾーンまで追いかけ、体をひねりながら捕球。勢いそのまま、フェンスに体をぶつけた。2死からは三森の打ち上げた打球を、佐藤輝がファウルゾーンに追いかけ、三塁ベンチ手前ギリギリの場所で捕球した。3、4番打者がともに、邪飛を好捕した。
◆阪神が先制の大チャンスを生かすことができなかった。0-0の7回、先頭の4番佐藤輝明内野手(26)が、中前打で出塁。その後、佐藤輝が盗塁、大山が四球、高寺が犠打、梅野が申告敬遠で1死満塁のチャンスをつくった。8番中川に代打渡辺諒内野手(30)。三ゴロとなり、DeNA三塁手の三森が三塁を踏み、三塁走者の佐藤輝は挟殺プレーでアウトとなり、ダブルプレーで無得点に終わった。
◆阪神の球団2年ぶり12度目の3試合連続無失点が霧散した。先発した才木浩人投手(26)が6回まで3安打無失点と粘りの投球を披露。しかし、0-0で迎えた6回先頭山本に左翼フェンス直撃の二塁打を許し、犠打で1死三塁のピンチで、代打松尾に中犠飛で先制を許した。チームは2試合連続無失点を継続し、28イニングぶりの失点となった。23年4月27日巨人戦~29日ヤクルト戦以来、2年ぶり3試合連続完封勝利は消滅した。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)がビッグプレーで後輩左腕をもり立てた。1点ビハインドの8回。マウンドには2番手桐敷が上がったばかりだった。先頭牧が放った打球は三塁線への鋭いライナー。フェアならば長打コースとなる打球に対し、三塁手佐藤輝がグラブを伸ばし、つかみ取った。捕球後は転がり込みながらも、ボールを離さずアウト。大きなプレーで、球場を沸かせた。
◆阪神桐敷拓馬投手(25)が"凱旋(がいせん)"登板を果たした。本庄東(埼玉)から新潟医療福祉大に進学。この日マウンドに立ったハードオフ新潟では大学時代に慣れ親しんだ。登板時に名前がコールされると、スタンドから大きな歓声が送られた。プロ入り初の新潟登板へ向け、「とてもうれしいです。自分は新潟にお世話になった。たくさんの方に見てもらえるように、ベストなピッチングができるように頑張りたい」と話していた左腕。牧を三直、度会を二ゴロ、主砲オースティンを148キロ直球で見逃し三振と、3者凡退に打ち取り、さらに大きな歓声に包まれマウンドを降りた。
◆DeNAが勝利まであと1アウトのところで悲劇に見舞われた。1点リードの9回、入江が阪神佐藤輝、大山を打ち取ってテンポ良く2死を奪った。しかし高寺への2球目、直球を右翼席まで運ばれた。伏兵にプロ初アーチとなる同点弾を献上し、試合は振り出しに戻った。南場智子オーナー(63)の地元・新潟で開催されている年に1度の主催試合。勝てば新潟で5年ぶりの白星で4月5日以来、38日ぶりに貯金が復活だった。09年以降、新潟では19試合で6勝13敗と大きく負け越し、地方球場開催でも23年4月18日巨人戦(長崎)を最後に7連敗中と相性が悪かった。
◆阪神高寺望夢内野手(22)が劇的なプロ初アーチを放った。この日は「6番遊撃」で今季初めてスタメン起用。7回までは2犠打とチャンスメークに徹した。1点を追う9回表2死走者なしでの第4打席。カウント1-0から、DeNA3番手入江の2球目直球を強振すると打球はライナーで右翼スタンド最前列に飛び込んだ。球がグラウンドに跳ね返ったこともあり、高寺は二塁まで全力疾走。三塁ベースコーチを務める田中内野守備走塁コーチに、本塁打と教えられ、二塁を越えた地点で、つまずきながら初アーチをかみしめた。20年ドラフト7位で上田西から入団。プロ入り5年目で最高の一打を決めた。「ストレートがいいピッチャーなので、振り負けないようにスイングしていこうと思っていた。2アウトで追いつけたので、これでまだ9回裏ができると思った。入って良かった」と話した。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます9回2アウトから...この場面で若武者が最高の仕事髙寺望夢 プロ初ホームラン?プロ野球 (2025/5/13)??DeNA×阪神??Live on DAZN#オレをみろ #阪神タイガース pic.twitter.com/9WkG509P77
◆阪神が今季2度目の引き分けに持ち込んだ。先発才木浩人投手(26)が6回まで3安打無失点と粘ったが、0-0で迎えた7回に代打松尾の犠飛で1失点。球団記録タイの3戦連続完封勝利は途切れた。今季初めて6番遊撃でスタメン起用された高寺望夢内野手(22)が9回2死走者なしの場面でDeNA3番手入江から、劇的な同点プロ初アーチ。両チームのブルペン陣が延長戦を抑え合い引き分けに。阪神は首位を堅守した。
◆DeNAが勝利まであと1アウトから追いつかれ、今季3度目の引き分けに持ち込まれた。南場智子オーナー(63)の地元・新潟で開催されている年に1度の主催試合。勝てば新潟で3年ぶりの白星で4月5日以来、38日ぶりに貯金が復活だったが及ばず。さらに23年から続く地方球場での7連敗はストップできなかった。両軍無得点の7回、先頭の山本が左翼フェンス直撃の二塁打で口火を切ると、林が犠打でつないだ。1死三塁から代打松尾が注文どおりの中犠飛。先制点をもぎとった。打てなくても点を取る手段はある。直近19試合は平均約2・3得点。持ち前の強力打線は影を潜めたが、1つずつ送ってチャンスを広げた。試合前までリーグ最少15犠打だったが、今季最多、昨季も2試合しかなかった1試合3犠打目を着実に得点に結び付けた。しかし、1点リードの9回、入江が阪神佐藤輝、大山を打ち取ってテンポ良く2死を奪った後に落とし穴が待っていた。阪神高寺への2球目、直球を右翼席まで運ばれた。伏兵にプロ初アーチとなる同点弾を献上し、試合は振り出しに戻った。そのまま延長戦でも決着がつかずに引き分け。首位阪神を相手に上位に迫るチャンスだったが、勝ちきることはできなかった。
◆DDeNA坂本裕哉投手(27)が背番号117で延長12回を無失点で抑えた。同点の延長12回に6番手で登板。9回に入江からプロ初アーチとなる同点ソロを放っていた阪神高寺を空振り三振に仕留めると、梅野は石上の好守にも助けられて遊ゴロ。代打坂本は二飛に仕留めた。登板前には「坂本裕哉投手、背番号117のユニホームを着用します」とアナウンスされた。年に1度の新潟での主催試合とあって、いつもの遠征のようにビジターユニホームは持参したが、ホームユニホームを忘れてしまった。本来は背番号20だが、「FUKUMOTO」と名前が入った背番号117番、福本誠査定担当兼打撃投手(48)から借りてマウンドに上がって好投。「今日だけは絶対打たれちゃいけないと思って気合入ってました」と結果につなげた。この日は中日も地方球場の豊橋開催で、田中幹也内野手(24)がユニホームを忘れて、三輪ブルペン捕手のユニホームで出場していた。
◆阪神佐藤輝が足でチャンスメークした。1点を追う7回先頭で、DeNA先発ケイのスライダーに泳ぎながらも中前打。直後の大山の打席でカウント3-1から二盗に成功した。結果的に得点とはならなかったが、好機を広げた。昨季は0盗塁だったが、早くも3盗塁目。6回守備では三森の打球をファウルゾーンまで追いかけ、三塁ベンチ手前で好捕する場面もあった。
◆阪神才木浩人投手(26)が7回4安打1失点と粘投も今季4勝目はならなかった。「結果的に粘りながら7回を投げることができましたが、ボール先行の投球も多く、守備からリズムが出るような投球ができませんでした」。3回2死満塁、5回自らの悪送球で招いた2死二、三塁のピンチを無失点に抑えるも、7回1死三塁で松尾に先制の中犠飛を許した。それでも9回に高寺のプロ1号で追いつき、黒星は消えた。
◆DeNA南場智子オーナー(63)が地元・新潟開催の一戦を生観戦した。3年ぶりの新潟での勝利には届かなかったが、延長12回引き分けという熱戦だった。南場オーナーは「互いに1歩も譲らぬ緊迫したゲーム展開でした。勝利に1歩届かず悔しいですが、選手たちは最後まで集中力を切らさずよく戦ってくれました。両チームの応援が新潟のスタジアムに響き渡り、とても熱い気持ちになりました。夜遅くまで応援してくださったファンの皆さまに心からお礼申し上げます」とコメントした。
◆阪神が今季2度目の引き分けに持ち込んだ。1点を追う9回、プロ初の6番遊撃でスタメン起用された高寺望夢内野手(22)が、2死アウトから劇的なプロ初アーチを放ち同点に。その後、中継ぎ陣が無失点リレーでつないだ。高寺の起用に応える活躍に、阪神藤川球児監督(44)も目を細めた。「彼も高校から入ってきて、なかなか出るきっかけがなかったと思うんですけど、下積みがあったので、最後ホームランを打っていますけど、飛びついたりしながらでも、泥くさくでもやろうとする。年月が結構かかっているんですけど、それがタイガースで活躍するためには結構、高校生には必要な部分ではある。素晴らしかったですね。まだまだですけどね」佐藤輝、中野、村上ら虎の主力がそろう20年ドラフト組でただ1人の高卒選手。先輩たちに負けじと"弟分"が輝きを放った。
◆阪神が今季2度目の引き分けに持ち込んだ。1点を追う9回、プロ初の6番遊撃でスタメン起用された高寺望夢内野手(22)が、2死アウトから劇的なプロ初アーチを放ち同点に。その後、中継ぎ陣が無失点リレーでつないだ。試合後、阪神藤川球児監督(44)は「みんなの頑張りのおかげで1-1で終わることができたのかなと。自分たちの中では価値がある引き分けだなと思ってます」と試合を振り返った。阪神としては12年以来13年ぶりの新潟での一戦。当時12年5月8日に行われた広島戦では、現役だった藤川監督がセーブを挙げている。久しぶりの新潟の空気も楽しんだ様子。「(ファンが)すごく多くて、イタリアンという料理がおいしくてですね、焼きそばの上にミートソースがかかってるB級グルメで少しだけいただきましたけど。あと、お米がおいしいですね」。首位を守って、1日挟んで15日のDeNA戦(横浜)に臨む。
◆DeNA南場オーナーの地元・新潟での3年ぶりの歓喜が、手からこぼれ落ちた。勝利まであと1アウトに迫った9回2死、入江が阪神高寺に同点ソロを被弾。今季3度目の引き分けに持ち込まれた。三浦監督は新潟のファンへ「最後まであきらめずにチームと一緒に戦ってくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」とメッセージを送った。7回、先頭の山本が左翼フェンス直撃の二塁打で口火を切ると、林が犠打でつなぎ、1死三塁から代打松尾が中犠飛で先制。この日を含めて直近20試合は平均2・2得点。湿った打線でも点をもぎ取るべく、もがいた。試合前までリーグ最少15犠打だったが、2年ぶりの1試合4犠打でチャンスメークしたが、あと1本が遠かった。指揮官は「形は作れているので悲観しすぎず、また明後日以降につなげていきたい」と前を向いた。
◆第2の故郷は、阪神桐敷拓馬投手(25)を温かく迎え入れた。新潟医療福祉大時代に練習試合やリーグ戦などで、何度も立ったハードオフ新潟。名前がコールされると、球場の至るところから声援と拍手が沸き起こった。「すごく楽しかった。良かったです。行った瞬間に多くの人が声援を送ってくれて...。うれしかったし、貴重で特別な時間でした」1点ビハインドの8回に登板。先頭牧には強烈なライナーをはじかれたが、三塁佐藤輝の好捕に助けられた。続く度会を二ゴロ、最後は4番オースティンを148キロ直球で見逃し三振。3者凡退だ。「テルさんのおかげで。ありがたかったし、その後もしっかり抑えられてよかった」。懐かしいマウンドで9試合連続無失点。防御率0・64の安定感をここでも見せた。大学を卒業してからプロ4年目。昨季は70試合登板、43ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルを獲得。堂々の凱旋(がいせん)登板だった。前日の段階で連絡が入り、この日は当時の友人らも来場。DeNA主催のビジターゲームながら、人一倍強い思いを持って臨んだ一戦だった。「なかなか毎年必ずDeNAと阪神が新潟でやるわけではない。どんな場面でも、投げられる姿をみんなに見せられれば」新潟での1軍戦は、シーズン中に何度も行われるわけではない。地元の野球少年にとっては、テレビの中の選手を間近で見られる貴重な機会となる。「自分は新潟にお世話になった。大学時代は小さい子に野球教室もやったけど『少しでも覚えてもらえるように』というのがプロに入った上で1つあったので」。在学当時には自身も同球場でDeNA対ヤクルト戦を観戦したことがあった。見ていた立場から、見られる立場へ-。新潟の仲間や子どもたちへ、堂々たる姿を届けた。【波部俊之介】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が走攻守で好プレーを見せた。1点を追う7回先頭で、DeNA先発ケイのスライダーに泳ぎながらも中前打。直後の大山の打席でカウント3-1から今季3盗塁目を決めた。守備では6回2死で三森の打球をファウルゾーンまで追いかけ、三塁側ベンチ手前で好捕。8回にも牧の痛烈な打球をダイビングキャッチと、好守を続け「こういう僅差のゲームはやっぱり守備も大事になってくるんで。はい、いいプレーができたと思います」と充実の様子だった。
◆阪神高寺望夢内野手(22)のプロ初本塁打が、約15年越しの虎の背番号「67」の新潟でのアーチとなった。10年7月24日の球宴。全セの「5番一塁」で先発出場した元阪神のクレイグ・ブラゼルが、同球場で、今回の高寺と同じく第4打席に中越えソロ本塁打を放った。SNSでも話題となり、ファンは「なつかしい」、「こんな偶然あるんだな」などと投稿していた。
◆阪神才木浩人投手(26)が7回4安打1失点と粘投も今季4勝目はならなかった。3回2死満塁、5回自らの悪送球で招いた1死二、三塁のピンチを無失点に抑えるも、7回1死三塁で松尾に先制の中犠飛を献上。9回に高寺のプロ1号で追いつき黒星は消えたが「ピンチを抜けられていたのは良かったですけど。五分五分の試合が続いている時に、0-0で先制点を与えないとかそれだけだと思う」と反省を口にした。
◆プロ5年目の阪神高寺望夢内野手(22)が起死回生のプロ初本塁打を放った。「6番遊撃」で今季初めてスタメン出場すると、1点を追う9回2死からDeNA入江から右翼越えのアーチを描いた。佐藤輝、中野、村上ら虎の主力選手がそろう20年ドラフトでただ1人の高卒選手。非凡な才能を持つ黄金ドラフトの弟分が、新潟で輝きを放った。チームは今季2度目の引き分け。首位をキープした。土壇場の一振りで球場の雰囲気を一変させた。0-1の9回2死。敗色濃厚ムードの中、高寺がDeNA入江の低め148キロ直球を捉えた。打球はあっという間に右翼の柵越え。ボールはグラウンドにはね返ったため、何が起こったか分からず二塁まで全力で走った。高卒5年目、期待の若虎が初々しいプロ1号だ。「ストレートがいいので、振り負けないようにスイングしていこうと。2アウトで追いつけた。入って良かった」今季初めてスタメンに抜てきされた一戦で、結果を残した。前戦まで18試合連続遊撃スタメンの小幡が、「左下肢の軽度の筋挫傷」で前日12日に出場選手登録を抹消され、代わってプロ初の「6番遊撃」で先発出場。「やるしかない、チームのために、と考えていた」。第3打席まで二ゴロと2犠打も、今季初安打が、起死回生の1発となった。新施設を存分に生かし、夜な夜なバットを振り込んだ。3月に開業した「ゼロカーボンベースボールパーク」。寮生の高寺は併設の室内練習場へ通うことが日課。練習等を終え、食事をとった後、1人で黙々と打ち込んだ。「めちゃくちゃいい環境なので、たくさん練習します」。快適な環境にも甘えず鍛錬を積んだ。出場機会を増やすため、さまざまな守備位置に挑戦した。2月の春季キャンプ。主力中心の宜野座組で、内、外野問わず、泥にまみれた。この日に1軍で初守備の遊撃も練習。「慣れて、どこでも守れるようになればいいし、うれしい。やるべきことをやる」。準備してつかんだ、先発出場のチャンスをものにした。家族も観戦する中で、記念のアーチ。「見に来ているときに打ててよかった。(本塁打の記念球は)実家に送ります」。起用に応えた姿に、藤川監督は「価値のある引き分けだった。(高寺は)素晴らしかった」とたたえた。佐藤輝、中野、村上らチームの主力を担う選手がそろう20年の黄金ドラフトで唯一の高卒選手。「ここからがスタートと思うので、もっと打てるように頑張りたい」。年上の選手たちに続き、弟分が輝きを増し始めた。【塚本光】高寺望夢(たかてら・のぞむ)2002年(平14)10月17日生まれ、長野県出身。上田西から20年ドラフト7位で阪神入団。22年6月8日のソフトバンク戦で1軍デビュー。昨季はウエスタン・リーグで最多安打を記録した。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は650万円。?高寺の恩師、上田西の吉崎琢朗監督「(プロ1号は)テレビで見ていました!冬にうちで自主トレした際に、今年にかける気持ちはすごく伝わっていました。1度は2軍に行きましたが、粘り強く期待に応えられましたね。今は、OBのオリックス横山(聖哉)や巨人笹原(操希)と高寺で切磋琢磨(せっさたくま)していると聞いています。いただいたチャンスの場で活躍して、チームの勝利に貢献してくださいね」?阪神藤川監督 途中から出た選手も自分がなんとかゲームをキープさせるといいますか、非常に必死になった姿が出たので、みんなの頑張りのおかげで1-1で終わることができたのかなと。自分たちの中では価値がある引き分けだなと思ってます。?阪神岩崎(5番手で11回に登板し、1回9球無安打無失点)「みんな粘ったんじゃないですか。(勝っていても、負けていても)もちろん。また頑張ります」?阪神湯浅(延長最終回を1安打無失点で締め、今季7戦無失点をキープ)「みんながつないでくれたので、試合を壊さないように、引き分けのまま終わらせられるようにと思ってマウンドに上がりました」?阪神及川(開幕から17試合で防御率0・00をキープ)「なんとか抑えられてよかったです。(記録は)継続していくだけなんで、なんとか引き分けに終われてよかったです」
◆阪神中野拓夢内野手(28)が打線の中で複数安打で気を吐いた。初回1死の第1打席は高いバウンドで二塁内野安打から第2打席も、4回先頭で三遊間への内野安打。マルチ安打を決めると、同点に追いついた延長10回2死ではDeNA4番手ウィックから右前打を放ち今季4度目猛打賞。打率も3割1分8厘まで上昇させ、「自分の中で整理できてるんで、いい結果につながっていると思う」と納得の表情を見せた。この日は1番近本が5打席凡退した。「近本さんが出なかったら、自分が出る流れが一番いいと思う。ああいう攻撃をしていけば、相手にプレッシャーがかかる。次もしっかり続けられるようにやりたい」。5月の月間打率は4割3分8厘と急上昇した。今季2度目の引き分けも、2ゲーム差の首位は堅守。選手会長がバットでチームを鼓舞した。
◆阪神・楠本泰史外野手(29)が13日、1軍に合流した。今季25試合に出場していた小幡竜平内野手(24)が左下肢の軽度の筋損傷で12日に出場選手登録を抹消されていた。今季はウエスタン・リーグで18試合に出場し打率・313(48打数15安打)。4月13日に今季初めて1軍に昇格するも、6打数無安打、3三振と結果を残せず1日に出場選手登録を抹消されていた。楠本は12日、2軍・オイシックス戦に向かう2軍メンバーとともに新潟入りしていた。
◆中日に2連勝し首位に立つ阪神は、「HARD OFF ECOスタジアム新潟」でDeNAと戦う。18日連続で遊撃スタメンの小幡が左下肢の軽度の筋損傷 で12日に登録抹消。代わって高寺望夢内野手(22)が、「6番・遊撃」で2022年10月2日のヤクルト戦(甲子園)以来954日ぶりのスタメン出場。プロ初の遊撃での出場となる。
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発し、三回の大ピンチをしのいだ。一回に2安打で背負った1死一、二塁はオースティンを遊ゴロ併殺に打ち取り、二回は三者凡退と無失点での立ち上がり。しかし、三回に再び窮地を迎えた。先頭の林に左翼線二塁打を浴び、ケイの三塁前へのバントで1死三塁。そこから2四球などで満塁とピンチを広げ、一発のあるオースティンとの対決を迎えた。だが、強気で腕を振った。カウント1―1で打たれた打球は力なく打ち上がった中堅へのフライ。近本が打球を処理すると虎党からの歓声が起こると同時に、才木は力強くガッツポーズ。相手先発のケイも好投を続ける中、負けじとゼロを並べている。
◆阪神・才木浩人投手(26)が五回のピンチを脱した。8番・林との14球に及ぶ対決は、粘り負けて四球。いやな形で回の先頭打者を出塁させると、続くケイが転がしたバントの打球は自ら二塁へ悪送球し、ピンチを招いた。桑原には投前バントを決められ、1死二、三塁と攻勢もじりじりと仕掛けられる。だが、右腕は屈しなかった。牧を146キロのフォークで空振り三振に仕留めると、度会にはフライを打ち上げさせ、打球は左翼・中川がファウルゾーンでキャッチ。この五回まででは一回1死一、二塁、三回2死満塁と偶数回に招いたピンチはいずれも回の先頭打者の出塁を許したことから始まったが、最後の一本は許さなかった。
◆阪神がスコアレスの六回に作り上げた大チャンスを逸した。相手先発・ケイの前に、中野の内野安打2本に抑えられていた中、まず先頭の佐藤輝が中前に落とす安打で出塁すると、続く大山の打席の3ボールで二盗に成功。大山が四球で歩いた後、高寺が投前バントを決めた。さらに梅野が申告敬遠で出塁し、フルベースに。三塁側観客席を埋める虎党もチャンスに期待を高めた。しかし、中川の代打として打席に立った渡辺が放った打球は三塁線へのゴロ。三塁・三森がまず三塁キャンバスを踏むと、三走・佐藤輝は三本間で挟まれてタッチアウトとなり、一瞬でチェンジに...。先発の才木が再三のピンチを招きながらも粘り抜いていた中で、何とか生かしたかったラッキーセブンの好機をモノにできず、黄色に染まるスタンドからはため息が漏れた。
◆先発した阪神・才木浩人投手(26)は粘りの投球を見せるも七回に犠飛で失点し、7回1失点で降板した。3度の得点圏のピンチを背負うも、勝負どころで実力を発揮した。一回1死一、二塁ではオースティンを併殺打に打ち取ると、三回1死二、三塁でも牧、オースティンを凡打に抑える。五回には自身のフィールディングミスも絡んで再び1死二、三塁のピンチを迎えるも牧を空振り三振、度会を左邪飛で得点を与えず、要所を押さえる投球が光った。しかし七回、先頭の山本に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、犠打で1死三塁とされ、代打・松尾に犠飛を運ばれた。113球を投げてDeNA打線を4安打に封じたものの相手よりも先に失点を許し、八回の打席で代打・楠本が送られて降板となった。
◆阪神の桐敷拓馬投手(25)が1点ビハインドの八回に登板。新潟医療福祉大時代の4年間を過ごした地で、凱旋(がいせん)登板を果たした。たくさんの拍手に包まれてマウンドに上がった左腕。先頭・牧は佐藤輝のダイビングキャッチでの三直で打ち取ると、度会は二ゴロ、オースティンは見逃し三振に。三者凡退に仕留め、新潟のファンの前で成長した姿を披露した。
◆阪神が土壇場で同点に追いついた。0-1で迎えた九回2死。「6番・遊撃」で2022年10月2日のヤクルト戦(甲子園)以来954日ぶりのスタメン出場した高寺望夢内野手(22)が打席に向かった。2球目、直球を振り抜くと打球は弾丸ライナーで右翼席へ。まさかの一撃に全力疾走していた高寺も驚きの表情で喜びを爆発させた。高卒5年目、36打席目にして放った待望のプロ初アーチ。起用した藤川監督の期待に結果で応えた。
◆阪神は今季2度目の引き分け。0-1で迎えた九回2死から高卒5年目の高寺望夢内野手(22)が起死回生の1号ソロを放って同点とした。高寺にとってこれがプロ初本塁打。「6番・遊撃」で今季初スタメンを託された若虎が、見事起用に応えた。先発した才木は7回4安打1失点。2番手の桐敷は新潟医療福祉大出身と、自身ゆかりの地で1回無安打無失点と好投した。その後は石井、及川、岩崎、湯浅とつないで、DeNA打線を抑えた。
◆九回、プロ初本塁打を放ち笑顔をみせる阪神・高寺=ハードオフエコスタジアム新潟(撮影・松永渉平)
◆阪神・高寺望夢内野手(22)がプロ初本塁打をマーク。長野・上田西高時代の恩師・吉崎琢朗監督(42)が手記を寄せた。スタメンというのはインターネットで知ったので、練習から帰ってきて見ていました。初ホームランおめでとう。やっぱりすごい反響ですね。たくさん電話がかかってきています。最後のワンアウトで回ってきて、これが最後の一打席だなと思っていたら、見事に打ったので、びっくりしました。小幡さんがけがをしてしまって急遽(きゅうきょ)スタメンで使ってもらって、よく結果を出せたと思う。物おじしなくて、割り切ってできるのは高寺の高校時代から変わらない持ち味。もともとヒットの延長がホームランというタイプでしたけど、しっかりとらえて、素晴らしいバッティングでしたね。高校のときから、走攻守ともにスピード感を生かしたプレーができる選手でした。プロに入って順調にレベルアップしていて、育ててもらっていると思う。取り組む姿勢も高校のときからとても良くて、こっちからやれ、と言わなくてもできる子でした。そのうえ今年は特に、いい意味で悩まないようになったなと感じていました。オフからのコメントを拝見してもそうでしたし、本人も「自分のことができれば結果はついてくる」と。5年目なので結果を残さないと、勝負だ、とも言っていました。昨年12月から今年1月初旬まで自主トレはうちのグラウンドでしていたんですけど、パワーもついてきて、力強さが加わってきていましたね。実は、5月5日の巨人戦(東京ドーム)を見に行く予定だったんです。でも直前に2軍に落ちてしまって、観戦することはできなかったんですよ。それでも自分のやることをやって、結果を残して、しっかりと1軍に戻ってきた。そのあたりはしっかり成長できているなと思っていました。新潟でのホームランも、特別に感じました。エコスタ(ハードオフエコスタジアム新潟)は1年秋の秋季地方大会で試合をしたんです。その試合で負けて選抜大会への道が途絶えて、苦い思い出でした。でもきょうはチームに貢献してくれて、いい思い出になりました。ここからも満足せずに続けることが大事だと思うので、頑張ってほしいです。(上田西高野球部監督)
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)はプロ初本塁打を放った高寺望夢内野手(22)に言及した。高寺の起死回生に一発で、チームも、才木も救われた。キャンプ時から鋭いスイングを披露して、藤川監督が高い評価をしていたので、どこかで思い切った起用をするのでは、と思っていた。とはいえ、まさかあの場面で本塁打とは驚かされた。本塁打に目を奪われがちだが、その前の2打席の送りバント2つも見事。ファーストストライクをきっちり決めてくれると、ベンチも楽だし、攻撃のリズムも良くなる。さらに遊撃の守備も無難にこなしていた。高寺自身も、試合の中で手応えを感じて、その結果が、土壇場の劇的なアーチにつながったのだろう。木浪が守備で精彩を欠き、代わって起用された小幡が戦列を離れ、巡ってきた遊撃でのスタメン。強いチームは、代わりに出る選手が必ず活躍する。今の阪神の強さの象徴であり、選手層の厚さだ。2軍落ちしても、そこで結果を出し続けた高寺をすぐに起用した藤川監督の決断も評価したい。勢いを感じるので、積極的にスタメン起用してもらいたい。(本紙専属評論家)
◆阪神が今季2度目のドロー。1点を追う九回2死無走者で小幡竜平内野手(24)に代わって遊撃に入った高寺望夢内野手(22)の36打席目での初本塁打で同点に追いついた。十回以降はともに無得点で阪神の延長戦成績は2勝1敗2分。才木浩人投手(26)は7回1失点でチームの連続イニング無失点は「28」でストップ。また五回のバント処理後の才木の二塁悪送球がチーム13戦ぶりの失策となった。及川雅貴投手(24)は開幕17戦自責ゼロ。巨人が敗れたため、2位とは今季最大の2差。
◆プロ初本塁打を放った阪神・高寺望夢内野手(22)をサンケイスポーツ阪神担当が見た若武者の姿を紹介する。我慢強く、準備を続けたからこそ飛び出したプロ初ホームランだった。目標の開幕1軍を勝ち取りながら、なかなか出場機会に恵まれなかった4月中旬。ふと声をかけた高寺は静かにそのときを待っていた。「1週間以上も試合に出ないのは初めてかもしれないです。でも、大丈夫。絶対にチャンスは来る。焦りはないですよ」入団直後から、〝天才〟と称されるバットコントロールを武器に、着実に成長を遂げてきた。ただ、気づけば高卒5年目の22歳。「もう、やばいぞ...」。天真爛漫(らんまん)という言葉が似合う青年は、グッと表情を引き締め、並々ならぬ覚悟で今シーズンに臨んでいる。「原口さんや糸原さんを見て、途中出場のイロハを学びながら。先発でも途中からでもいつでもいける準備はできています」ようやく巡ってきたスタメンのチャンスで最高の結果を残した。「(佐藤)輝さんや(中野)拓夢さんに置いていかれないように必死についていきます!」。佐藤輝を筆頭とする2021年ドラフトで唯一の高卒入団。〝神ドラフト〟からまた新たなスターが誕生した。(阪神担当サブキャップ・原田遼太郎)
◆起死回生1号!! 阪神はDeNA戦に延長十二回、1-1で引き分けた。「6番・遊撃」で出場した高卒5年目の高寺望夢内野手(22)が、0-1の九回2死からプロ初本塁打となる同点ソロ。954日ぶりのスタメン起用に応え、チームを救った。小幡の負傷離脱で巡ってきたチャンス。V奪回へのラッキーボーイになる!!背番号67の一振りが、虎を救った。あと1人―。起死回生の一撃が新潟の夜空にかかる。高卒5年目の高寺がプロ36打席目で待望の初ホームラン。全力疾走でダイヤモンドを回りながらスタンドインに気づくと、喜びを爆発させた。「やるしかないと思っていたので、チームのためにということを考えてやっていた。僕は行ったかわからなかったですけど、入ったのでよかった。『これで九回裏ができる』と思いました」遊撃を守ってきた小幡が、11日の試合で筋挫傷のため離脱。高寺「6番・遊撃」で2022年以来、954日ぶりのスタメンをつかんだ。0―1で迎えた九回。クローザー・入江の前に佐藤輝、大山が抑えられ、敗戦濃厚だった。高寺が2球目の直球を仕留め、鋭い打球は右翼席で跳ねてグラウンドへ。大役を果たした22歳は、ベンチでもみくちゃになって祝福を受けた。21年ドラフト7位で阪神に入団。22年にプロ初安打を放つも、直近2年は1軍での出場機会はなし。それでも「早く一本を出したい気持ちはあるけど、考えすぎたら変に力が入りすぎてしまう」と自分自身と向き合いながら、勝負の5年目に臨んできた。藤川監督が就任した今季からはバッテリー以外の全てのポジションにチャレンジ。熊谷の外野手用グラブ、井上の一塁手用ミットを借りながら練習に励む日々。「どれかのポジションがおろそかにならないように、時間配分をしながら練習をしてきました」。開幕1軍をつかんだが、5打数無安打で4月28日に抹消。5月10日に再昇格し、巡ってきたチャンス。1軍初の遊撃守備も無難にこなした。この日は両親が長野から駆けつけ球場で観戦。自身にとってメモリアルな1号を、目の前で届けた。「(今まで)見に来ているときにあまりいいところで打ったりできなかった。初めてじゃないですかね。お母さんの前とかで打てたので、よかったと思います」無事手元に帰ってきた第1号のボールは「(両親に)送ろうと思います」。引き締まった表情も、両親のことを語るときには笑みがこぼれた。値千金の一発で価値ある引き分けをつかみ、首位をキープ。起用に応えた若虎に藤川監督は「彼も高校から入ってきて、下積みというところがあった。ホームランを打っていますけど、飛びついたりしながらでも、泥臭くでもやろうとする。素晴らしかった」と目を細めつつ、「まだまだですけどね」とさらなる活躍に期待した。天才打者として注目されながら、プロで5年をかけて一発を放った高寺の言葉は力強かった。「ここからがスタートと思うので、もっと打てるように頑張りたいと思います」遊撃不在の中、チームに現れた救世主。球児虎の新しい戦力として、優勝に貢献する重要なピースとなる。(中屋友那)■高寺 望夢(たかてら・のぞむ) 2002(平成14)年10月17日生まれ、22歳。長野県出身。上田市立本原小1年から上田リトルで野球を始め、上田市立真田中では上田シニアに所属。上田西高では1年春からベンチ入り。甲子園出場なし。3年秋に行われたプロ志望高校生合同練習会のシート打撃では6打数5安打をマークした。21年ドラフト7位で阪神入団。22年6月8日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で1軍デビュー。通算14試合出場、打率・129、1本塁打、3打点。年俸650万円。右投げ左打ち。178センチ、76キロ。背番号「67」
◆中安打を放ったDeNA・松尾=ハードオフエコスタジアム新潟(撮影・荒木孝雄)
◆新潟市出身の南場オーナーが観戦に訪れ、延長十二回の末に引き分けた熱戦を見届けた。球団を通じ「互いに一歩も譲らぬ緊迫したゲーム展開でした。勝利に一歩届かず悔しいですが、選手たちは最後まで集中力を切らさずよく戦ってくれました」とコメント。「両チームの応援が新潟のスタジアムに響き渡り、とても熱い気持ちになりました。夜遅くまで応援してくださったファンの皆さまに心からお礼申し上げます」と感謝した。
◆打線が相手先発のケイに抑えられる中、阪神・中野拓夢(28)は内野安打2本でチャンスメーク。十回にも右前打を放ち、今季4度目の猛打賞。さらに八回はカウント0―2から粘って四球を選ぶなど、計4出塁で出塁率・403とし、サンタナ(ヤクルト)を抜き、リーグトップに立った。「自分の中で打席に立ったら整理できているのが、いい結果につながっている」と手応え十分だ。
◆あきらめない気持ちを乗せた白球がスタンドに飛び込むと、逆転勝利への道を歩むために繰り出した必死の継投。白星こそ手にできずとも、阪神・藤川球児監督(44)は執念タクトで持ち込んだドローを誇った。「しっかりとつなぎがあったと思いますし、自分たちの中では価値がある引き分けだと思っています」七回まで才木が踏ん張り、八回は〝育ちの地〟に凱旋を果たした桐敷へとバトンパス。高寺の起死回生の同点弾で試合が振り出しに戻ると、ここからが虎の力の見せどころだった。九回以降は勝ち越し点の献上、すなわちサヨナラ負けとなるしびれる場面。強打のDeNA打線も簡単には終わってくれず、九回に登板した石井は1死から左翼フェンス直撃の三塁打を浴び、開幕からここまで自責ゼロを継続中の及川も延長十回に1死一、二塁と、ピンチを招いた。だが、それぞれが最後の1点は与えず粘り切る。後輩たちの奮闘を受けて十一回はブルペン陣のリーダー・岩﨑が9球で3人斬りをし、最後は湯浅がゼロ封。〝チームの心臓〟と呼ぶブルペン陣の奮投には、指揮官も目尻を下げた。「途中から出た選手も自分が何とかゲームをキープさせるといいますかね、非常に必死になっている姿が出たので、そのみんなの頑張りのおかげで1―1で終わることができたのかな」3試合連続零封勝利はならずとも、直近34イニングでの失点はこの日の犠飛での1点のみ。計6投手のバトンリレーで、新潟の野球ファンにも〝投手王国〟の力を見せつけた。(須藤佳裕)
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が好守で新潟のファンを沸かせた。六回は三塁ベンチ手前で、三森の放ったフライを好捕。八回は牧の強烈な三塁線へのライナーを横っ飛びで捕球した。「こういう僅差のゲームは守備も大事になってくる。いいプレーができた」。1安打1盗塁と走攻守で存在感を放った大砲。「切り替えて、あさってからまた頑張ります」と力を込めた。
◆プロの扉を開いた雪国の都で、成長した姿を披露した。新潟医療福祉大出身の阪神・桐敷拓馬投手(25)が0-1の八回に登板。最速153㌔をマークするなど三者凡退に抑え、直後の高寺の同点弾を呼び込んだ。「楽しかったです。なんかこう...(マウンドに)行った瞬間に多くの人が声援を送ってくれた。やっぱりうれしかったですし、貴重な、特別な時間だなって思いました」阪神にとって13年ぶりの新潟での一戦は、4年目の左腕にとっても、まさに「特別」だった。「ピッチャー、桐敷」のアナウンスにわき起こる「待ってました!」とばかりの歓声と拍手。先頭の牧には高めのスライダーを捉えられたが、三塁・佐藤輝のダイビングキャッチで1死。「(佐藤)輝さんのおかげ」と好守に背中を押され、度会は二ゴロ。4番・オースティンには「思い切り投げることができた」と内角148㌔直球で見逃し三振に斬った。無名だった埼玉・本庄東高時代。新潟医療福祉大へ進み、2年秋に当時のリーグタイ記録、1試合18奪三振をマークしてブレーク。「ゲームを作るためにコントロールを磨いた。それは中継ぎをする今も生きている」と4年間が自身の礎になっていると口にする。ドラフトで阪神から3位指名を受けた5日後、2021年10月16日の平成国際大戦では完全試合を達成。自身の記録を塗り替える19三振を奪った。「周りのみんなが喜んでくれたのが一番。大学野球を納得のいく形で終えられた」。プロ入りという1つの夢をかなえた直後。それでも決しておごることなくチームのために腕を振り、最高の結果を残して、〝第二の故郷〟を後にした。12日には恩師・鵜瀬監督らへの挨拶のため1年半ぶりに母校を訪問。懐かしい場所で約1時間滞在し、リフレッシュの時間を過ごした。この日の試合では監督や大学時代の友人らが観戦に訪れ、桐敷は「いつも通りの自分の投球」で大学時代からの成長を示した。プロではリリーバーとして昨季は70試合登板、43ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手に輝いた。今季もここまで15試合で5ホールド1セーブ、防御率0・64。雪国で覚醒した鉄の左腕は、仲間の応援を背にまだまだ進化する。(萩原翔)
◆5番手で十一回に登板した阪神・岩崎優投手(33)は三者凡退。わずか9球で役目を終えた。継投リレーでつかんだ引き分けに「みんな粘ったんじゃないでしょうか」と0でつないだブルペン陣を評価。この日はセーブシチュエーションではなかったが、自身は通算99セーブで節目に大手をかけている。
◆4番手で十回から登板した阪神・及川雅貴(24)は先頭の松尾に中前打を浴び、犠打と申告敬遠で1死一、二塁とピンチを招いたが、横浜高の1学年後輩の度会をニゴロ併殺に仕留めた。「ピンチにはなりましたけど、何とか抑えられてよかったです」。開幕から17試合(17回?)を投げて、防御率0・00を継続。「そこは何とも思っていないですけど、継続していくだけ。なんとか引き分けで終われてよかった」と話した。
◆粘りの投球を続けていた阪神・才木浩人投手(26)は0-0の七回、先頭の山本に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、犠打で1死三塁とされたところで、代打・松尾に中犠飛で先制を許し、チームとしては28イニングぶりの失点となった。それでも7回1失点という投球を見せたが、「結果的に粘りながら7回を投げることができましたが、ボール先行の投球も多く、守備からリズムが出るような投球ができませんでした」と悔しがった。
◆新潟での主催試合ながら誤ってビジターユニホームを持参したという坂本が、福本打撃投手の背番号117のユニホームを着用し、延長十二回に登板。三者凡退に斬り「今日だけは絶対に打たれちゃ駄目だと思っていた」と頭をかいた。この日の朝に宿舎で気づいたといい「ミスった」と反省しきりだった。
◆阪神・石井がピンチを招くも無失点で切り抜けた。同点に追いついた直後の九回に登板。1死から代打・九鬼に三塁打を浴びたが、石上を三振、林を二ゴロに仕留めた。「三振は打者の反応を見ながら。結果的にはよかったと思います」。体調不良から10日に1軍復帰し、復帰後も2試合連続で無失点。頼もしい右腕が帰ってきた。
◆DeNAは13日、阪神7回戦(ハードオフ新潟)に延長十二回の末、1-1で引き分けた。七回に代打で登場した松尾汐恩捕手(20)が、均衡を破る先制の中犠飛。逃げ切りとはならなかったものの、南場智子オーナー(63)の故郷の新潟市で熱戦を繰り広げた。最後まで席を離れずに試合を見届けた新潟のファンに、勝利はとどけられなかった。4時間8分に及んだ延長十二回の熱戦の末、1-1で引き分け。三浦監督は「チームと一緒に最後まで諦めずに戦っていただいて感謝したい」と頭を下げた。1-0の九回2死。入江がセーブまで1死に迫りながら、高寺にまさかのプロ初本塁打を浴びて逃げ切りに失敗。不動の抑えを目指す右腕は「そんなに甘くない。いろんな経験を経て大きくなっていきたい」と声を振り絞り、指揮官は「最後のアウト1つが難しい。いい勉強になったと思う」と糧にすることを願った。年に一度の新潟での主催試合には、2万1211人の観衆が詰めかけた。開門前から列をつくって入場を待ちわびたファンの期待に応える攻撃もあった。0-0の七回に代打で登場した松尾は、才木から飛距離十分の中犠飛を放ち、均衡を破った。その後はマスクをかぶり、2安打を放った。売り出し中の20歳は「積極性が持ち味。絶えず仕掛けていこうと思っていた。最低限の仕事ができた」と冷静に打撃を振り返りつつ、「気を抜いて打たれたわけではない。やろうとしたことを明確にやった中で打たれた。相手が上手だった。いい経験になった」と被弾した九回のリードを反省した。三浦監督が1月に新潟市で行った恒例のトークショーには、過去最多の1500人が集結。2年連続の日本一を期待する地元ファンの声で盛り上がり、指揮官は「新潟の野球熱をすごく感じた」と思いを受け止めていた。南場オーナーの出身地でもある新潟で3年ぶりの白星は飾れなかったが、情熱に応えるプレーも見せた。(鈴木智紘)
◆う~ん...。九回2死ランナーなし、あと1アウトで敗戦のわが阪神を救った一発の高寺をヒーローにしてあげたかった~!!今季、ある意味、球児監督の秘密兵器的な存在になっていた高寺。キャンプでは野手のMVPと評価され、オープン戦も必死にくらいついて開幕一軍を手中にしたが...。気持ちが空回ってか、そのバットから快音が響くことはなく無念の2軍落ち。しかし、小幡のよもやの故障により、再び1軍へ声がかかった2025年第二章のはじまりの本日、見事にチームの負けを消す大仕事を成しとげたのだ!!その値千金の一撃を放った高寺にも大拍手を送るけど、小幡に変わり高寺を起用した(こだわった)球児監督に大拍手を送るのだ!!大拍手を送ったくせにだけど...。素直に「小幡が故障なら本来のレギュラーの木浪ショートでいいんじゃねぇ?」と心の片隅で思っている俺は虎党の皆さん、おかしいかなあ?さて、試合は再三のチャンスをつぶす猛虎打線に、わずか2奪三振とどうも今季はフォークが切れない才木の消化不良...。それだけに高寺が輝いたのだ!!
◆先日、阪神の日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎を視察してきたという杵渕セ・リーグ統括に会った。「いやぁ、すごい施設ですねぇ。さすが阪神です」自分のことをホメられたような気分になり、ついつい自慢してしまった。--ファームの球場なのに、客席数がすごいよな。12球団の2軍のホームグラウンドで、あれだけのお客さんが入れる球場ってないやろ?すると、即座に反撃されてしまう。「まず、12球団と言ってる時点で駄目ですね。ウエスタン、イースタン合わせて何球団あるか知ってますよね?」すみません。14球団でした。「さらにいえば、一番観衆が入るのは、何といってもオイシックスの本拠地です」そうだった。イースタンに所属するオイシックスの本拠地はハードオフエコスタジアム新潟。13日夜、阪神がDeNAと戦った、新潟が誇る全面人工芝の立派な球場。約3万人収容可能だ。どこか、1軍が本拠地にしてもいいぐらいの規模を誇る。昨日のこの欄で紹介したように、2009年7月のこけら落としは、広島と阪神が対戦した。始球式に登場したのは伝説の左腕・江夏豊。両チームのOBということで、当日はカープのユニホームを着て登板した。「お世話になった先輩から依頼されたら、どこへでも行くよ。それに新潟は水島(新司)先生の故郷。こんな俺を何度も漫画に登場させてくださった。来ないわけにはいかないやろ。おい、真っ先にドカベンの銅像は見に行ったか? 俺はすぐに行ったぞ」なぜか、こっちをにらんで質問された。繁華街のど真ん中「古町通五番町商店街」には、ドカベンの山田太郎、里中智、あぶさんの景浦安武らのブロンズ像が並んでいる、水島漫画の聖地だ。「もちろんです」即答した。確かに見には行った。ただ、真っ先に行った先は銅像ではなく、港に停泊中の万景峰号だったが...。
◆DeNAは13日、阪神7回戦(ハードオフ新潟)に延長十二回の末、1-1で引き分けた。七回に代打で登場した松尾汐恩捕手(20)が、均衡を破る先制の中犠飛。逃げ切りとはならなかったものの、南場智子オーナー(63)の故郷の新潟市で熱戦を繰り広げた。途中出場で攻守に好プレー。松尾の活躍が目を引いた。まず七回1死三塁で代打に出て、才木の高めスライダーを中犠飛。見送ればボールだったかもしれないが、犠飛が求められる局面では「高めに抜けてきた変化球は飛びついてでも打て」が鉄則。カウント1-0からの2球目、逃さずに実践した。中堅のやや右という打球方向も申し分ない。よく「犠牲フライは最低限の仕事」などといわれる。実際には、相手バッテリーは打たれまいとして攻めてくるわけだから、口でいうほど簡単ではない。まして0-0のスコアで迎えた終盤。ファーストスイングで結果を出したことは評価できる。その後も2安打と、スイングの鋭さを存分に見せつけた。守っても見せ場は十分。延長十回2死一塁で中野の二盗を阻止。捕球してからが速く、スローイングも一級品だ。ワンバウンド投球もよく止めていた。レギュラー捕手・山本とのポジション争いは今後も注目ポイントだが、とにかく使わないともったいない-。松尾はそう思わせる存在だ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
20 | 14 | 2 | 0.588 (-) | - (-) |
107 | 128 (+1) | 92 (+1) | 22 (+1) | 28 (+1) |
0.247 (↓0.002) | 2.290 (↑0.05) |
2 (1↑) |
広島 |
18 | 16 | 1 | 0.529 (↑0.014) | 2 (↑0.5) |
108 | 121 (+5) | 97 (+4) | 17 (+2) | 13 (-) |
0.254 (↑0.002) | 2.450 (↓0.02) |
3 (1↓) |
巨人 |
19 | 17 | 1 | 0.528 (↓0.015) | 2 (↓0.5) |
106 | 118 (+4) | 120 (+5) | 29 (+2) | 16 (-) |
0.246 (↑0.002) | 2.830 (↓0.04) |
4 (-) |
DeNA |
16 | 16 | 3 | 0.500 (-) | 3 (-) |
108 | 104 (+1) | 94 (+1) | 11 (-) | 17 (+1) |
0.220 (↓0.001) | 2.420 (↑0.06) |
5 (-) |
中日 |
15 | 18 | 2 | 0.455 (↑0.017) | 4.5 (↑0.5) |
108 | 74 (+5) | 102 (+4) | 11 (-) | 20 (-) |
0.214 (↑0.004) | 2.720 (↑0.02) |
6 (-) |
ヤクルト |
12 | 19 | 1 | 0.387 (↓0.013) | 6.5 (↓0.5) |
111 | 88 (+4) | 128 (+5) | 13 (+1) | 6 (-) |
0.224 (↓0.001) | 3.400 (↑0.06) |
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