1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 2 | 1 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | X | 5 | 7 | 1 | 3 |
勝利投手:高梨 裕稔(1勝0敗0S) (セーブ:石山 泰稚(0勝1敗7S)) 敗戦投手:船迫 大雅(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆ヤクルトは1点を追う6回裏、サンタナの適時打で同点とする。続く7回にオスナのソロで勝ち越しに成功すると、8回には茂木と内山の連続本塁打が飛び出しリードを広げた。投げては、先発・高梨が7回2失点の粘投で今季初勝利。敗れた巨人は、救援陣が振るわなかった。
◆巨人坂本勇人内野手(36)が2試合続けて「7番三塁」でスタメン出場する。7日阪神戦(東京ドーム)では、4回2死一塁から、左翼線へ決勝打となる適時二塁打。6-4で勝利して首位阪神に並ぶ原動力となった。岡本和真内野手(28)が左肘靱帯(じんたい)損傷で全治3カ月と診断され長期離脱中。今季は打撃不振に苦しんできたベテランの活躍に期待が集まる。先発マウンドには赤星優志投手(25)が上がる。
◆ヤクルト内山壮真捕手(22)が、プロ5年目で初の4番に名を連ねた。今季4試合目のスタメン出場で「4番右翼」に入った。内山は、ここまで20打数5安打1打点で、打率2割5分。5月はすでに3度の完封負けを喫するなど打線低調の中で、打線を組み替えた。山田はベンチスタートで、8番二塁で武岡がスタメンとなった。
◆女優平祐奈(26)が始球式を行った。ユニホームに白のパンツスタイルでマウンドへ。ワンバウンド投球に「60点です」と自己採点した。「気持ちはリラックスと思っていたのですけど、腕が勝手に緊張しました」と振り返った。この試合は「マイナビデー」として開催。平は同社の創業50周年オリジナルウェブムービー「ミライヘキミト。」に出演していた縁で、始球式を務めた。
◆ヤクルトが痛恨の適時失策で先制点を献上した。3回2死二塁、巨人甲斐の打球は高く舞い上がった。遊撃赤羽由紘内野手が余裕を持って落下点を固めた。しかし、強い雨が降り注ぐ中、打球はやや風に流された。捕球できず、グラブから白球がこぼれ落ちた。チェンジとなるはずが、先制点を失った。先発の高梨も思わず、膝に手を付いた。
◆巨人増田陸内野手(24)が1009日ぶりの1発を放った。雨脚が強くなった4回1死、ヤクルト先発高梨の初球の高め直球を痛打。甘い球を引っ張ってファンの待つ左スタンドへ運び、勢いよく本塁を駆け抜けて雄たけびを上げた。一時リードを2点に広げる追加点に「打ったのは真っすぐです。うまく打てました。投手が頑張っているので援護できてよかったです」。22年8月4日阪神戦以来の、プロ通算6号となった。6日の阪神戦で負傷した主砲の岡本が左肘靱帯(じんたい)損傷で全治3カ月と長期離脱して2試合目。代わりに一塁に入る。4月30日に今季初先発した広島戦では値千金の適時二塁打で1000日ぶりの打点をマークし、1軍で戦い続ける。チームの窮地に、背番号61の奮起が期待される。投げては先発赤星が6回79球4安打2失点。悪天候で今季2戦2勝と好相性の相手に粘投をみせた。
◆ヤクルトが雨中の一戦を制し、借金を6に減らした。来日5年目の両助っ人が頼りになった。2点を追う4回1死満塁、オスナが左前適時打で反撃ののろしを上げた。「先制されたので1点でも早く返したかった」とうなずいた。1点を追う6回無死二塁ではサンタナが左前に運び、同点適時打。さらに7回は先頭オスナが「完璧でした」と左越えの2号勝ち越しソロを放った。8回には1死から3番茂木とプロ初4番の内山の2者連続アーチで、とどめを刺した。2回から強い雨が降り注いた中、先発の高梨裕稔投手が7回を7安打2失点(自責1)にまとめた。2回2死では遊撃赤羽が飛球を落とす適時失策で先制点を失ったが、116球の力投で今季初勝利を手にした。高梨は20年7月12日(ほっともっと神戸)以来、5年ぶりの巨人戦の白星となった。高津監督は先発高梨の投球について「シーズンで安定した投球をしながら、なかなか勝ちが付いていなかったですが、よくあそこまで投げてくれた」とたたえた。4番起用した内山については「つないで欲しいと。(作戦で)動かすことも含めた4番起用ということ」と説明し、その上で「(内山)壮真はもっと打てる選手になっていないといけない。ここまで足踏みもあったけど、体は小さいですけど、大きなホームランを打てるのは、本当に魅力。今は外野をやらせてますけど、すごくいい存在だと思います」とさらなる期待を込めた。
◆巨人が雨中の戦いに敗れた。2-2の同点で迎えた7回に2番手船迫大雅投手(28)がオスナに被弾。さらに8回にもケラーが茂木、内山と二者連続の本塁打を浴びて、1発攻勢に泣いた。試合が続くにつれて雨脚が強くなる中、先制したのは巨人だった。2死二塁、甲斐の高々と上がった内野フライを捕球に入った遊撃赤羽がまさかの落球。幸運な形で得点となった。さらに4回には増田陸内野手(24)が1009日ぶりの今季1号で追加点を奪ったが、終盤に引き離された。先発の赤星優志投手(25)は6回79球4安打2失点。悪天候ながら今季2戦2勝と好相性の相手に粘投をみせたが、白星にはつながらなかった。?巨人赤星(今季7度目先発は6回4安打2失点)「杉内さん(投手チーフコーチ)からも雨が降ってる時は我慢の投球と言われてた。四球で崩れないように意識しながら投げました」。
◆巨人は手痛いミスが響いた。1回無死一、二塁で若林が犠打を試みるも失敗。4回の守備では1死一、二塁で坂本、7回2死二塁で泉口がいずれも打球をファンブルして失策を犯した。2点を先制するも、今季4度目の逆転負けとなり阿部監督は「細かいミスが出てしまった。難しいけど当たり前のことを当たり前にできれば、流れが自然とくる。そこが今日はできなかった」と敗因を挙げた。」
◆巨人増田陸内野手(24)が1009日ぶりの今季1号ソロを放った。4回1死、ヤクルト高梨の初球の高め直球を左翼席へ運んだ。「しっかりさばけた。僕の中ではすごくでかい」と22年8月4日阪神戦以来の通算6号となった。岡本の長期離脱後、代わって一塁でスタメン2試合目。午前中にジャイアンツ球場で秋広、浅野らと約2時間、打撃練習を行ってから試合に臨んだ。「皆でカバーしないといけない。若い選手がもっと働けたら勝つ」と発奮した。
◆いきなり4番としての大きな仕事を果たした。プロ5年目のヤクルト内山壮真捕手(22)が初の4番で試合を決定づける1発を放った。2点リードの8回、茂木との2者連続となる今季1号ソロで巨人を突き放した。5月に入って3度の完封負けを喫するなど、低空飛行を続けていたツバメ打線。上半身のコンディション不良で離脱し、復帰のめどが立たない村上の"代役"がここからチームを上昇気流へと乗せていく。燕の"第111代"の4番が1発回答で結果を導いた。2点リードの8回1死、内山がケラーの外角153キロ直球を捉えた。ライナー性で左中間スタンドに運んだ。今季1号は23年7月17日巨人戦以来となる自身2年ぶりのアーチ。「打った瞬間は角度もなく、捕られるかと思ったが、伸びてびっくりした。この感覚を継続できれば」。前打者茂木がカーブを本塁打にした状況を受け、狙って直球を仕留めた。プロ5年目で初の4番起用は、自らも衝撃だった。練習前、試合のオーダー表をチェックして知った。「ビックリ」目を丸くしたが、すぐに腹をくくった。高津監督は「(作戦で)動かすことも含めた4番起用ということ」と意図を説明。ただ、指揮官の想像を超え、長打力を発揮し、試合を決めた。球団で過去110人が務めていた4番の初試合での本塁打は15年山田以来、日本人9人目だった。オフは腰を手術し、5年目を迎えた。キャンプから村上、西川に打撃のアドバイスを積極的に求めた。「股関節の使い方。足が土台となる」と下半身を意識したフォームを追求。レギュラーをつかみきれなかった結果を受け止め、ウエート量を意図的に増やした。力強くなったスイングが打球をスタンドに届かせた。村上、塩見、長岡と主力を欠く戦いは険しい。開幕2軍から、負傷した村上の代わりに1軍昇格した内山が"代役"4番の仕事を遂げた。「ヤクルトはロング、ロングで点を取っていくチームだと思う。そういった役割を僕がどんどんやっていければいい。楽しさを感じながら日々できている。もっともっと成長できるように」。まだ借金6。ここから燕を上昇気流に乗せる救世主となっていく。【上田悠太】
◆2児の父となったヤクルト高梨裕稔投手(33)が今季初勝利を挙げた。強い雨が降り注ぐ中、7回7安打2失点(自責1)の力投。5回2死一塁、3ボールから真ん中付近に3球連続の直球で甲斐を中飛に仕留めた。「雨により思い通り投げられないボールも結構あったが、何とか粘って投げられた」。20年7月12日以来となる巨人戦勝利でもあった。4月28日、第2子となる次男が生まれた。家から妻を乗せて車を走らせ、特別な瞬間を病院で迎えた。身長188センチの自身に似てか、3968グラムの大きな男の子。「生まれてくるってやっぱり奇跡的。守る家族が1人増えたのでより一層頑張らないとと思いました」。幸せな泣き声、新しい家族を腕に抱いた重みは、何物にも代え難い喜びと同時に野球人として結果に対する思いを強くさせた。「チームが勝ち、自分にも勝ちがついたのはよかった」。高梨家の記念日から11日、格別な1勝を手にした。
◆巨人・増田陸内野手(24)が「8番・一塁」で出場。四回の第2打席に左翼席へソロを放った。自身2022年以来3年ぶりとなる本塁打をマークし「うまく打てました。投手が頑張っているので援護できてよかった」とコメントした。1―0の四回。前を打つ先頭の坂本が見逃し三振に倒れ迎えた第2打席、高梨の1球目、高めの直球を迷わず振り抜きスタンドまで運んだ。久々の一発に、増田陸はダッシュでダイヤモンドを駆け抜けた。
◆主砲の悔しさを誰よりも理解しているのは巨人・吉川尚輝内野手(30)だろう。2試合連続で4番に座ったこの日は三回に四球を選び、二盗に成功。敵失で先制のホームを踏んだ。典型的な4番打者タイプではないが、「打てるように頑張ります」と、大黒柱の岡本の〝代わり〟を務める決意を胸に抱く。今季8本塁打を放っていた不動の4番、岡本が6日の阪神戦の一塁守備で打者走者と交錯したプレーで左肘の靭帯損傷し、チームを離脱。7日の同カードでは吉川がプロ9年目、通算768試合目で初めて4番で起用された。「巨人軍第92代4番」は、プロですべての打順を経験したように長距離砲ではないが、阿部監督は「4番だから別に長打を打ってほしいというのはない。今いる一番いいバッターなので置きました」と、吉川に重責を託した。全治2~3カ月とみられる岡本は、吉川にとっては相棒のような存在。ともに2018年からレギュラー格となり、2歳下の岡本は「2軍の時から一緒にやっていましたし、年も近いのでいつも話しています」と語る。毎年オフの自主トレを合同で行い、ベンチでは隣に座る。岡本が昨季まで主将を務めた2年間は副将として支えた。そんな吉川だから、相棒の無念も知っている。岡本のような派手な打撃ではなく、巧みなバットコントロールと俊足で、打線を引っ張る。
◆珍しいプレーが起きた。巨人のトレイ・キャベッジ外野手(28)は2-1の五回、右前打を放って一塁にいた。次打者・若林が二塁付近へ高く弾むゴロを放つと、スタートを切っていた助っ人は二塁へ全力疾走。ヘッドスライディングした際、打球を見ていなかったために左腕と顔面に受けて弾いてしまい、塁審にアウトと判定された(記録は若林の内野安打)。キャベッジは納得いかない様子でベンチに下がったが、阿部監督ら首脳陣は呆然とした表情を浮かべた。
◆打線の核となる〝聖域〟に5年目のホープが抜擢された。ヤクルト・内山壮真捕手(22)が通算208試合目で初めて、4番(右翼)でスタメン出場した。ここまで主砲・村上、正遊撃手の長岡、塩見ら主力が離脱する中、試合前時点でチーム打率は・223と低迷。攻撃の柱である4番打者には、オスナが20試合、サンタナが3試合、茂木、山田が2試合に座るなど固定できていないのが現状だ。高津監督が「今後も流動的になる」とベストを模索する中、石川・星稜高2年時に4番打者として夏の甲子園準優勝に導いた若武者に白羽の矢が立った。4年目の昨季は、上半身のコンディション不良や腰痛の影響で出場はわずか24試合の出場。捕手に加え、内外野を守れる万能性とパンチ力ある打撃が売りの右打者は、新スタイルで定位置奪取に燃えている。「今までホームランにすごくこだわり持っていたけど、そこのこだわりを一度捨てる。打率3割を打つという強い目標だけを見ていけたら」と覚悟を口にしていた。試合前までで3試合連続安打を記録。22歳が、チームの顔でもある村上が長きに渡り担ってきた定位置で、苦しい台所事情を抱えるチームに一筋の光を照らす。二回の第1打席は見逃し三振、四回の第2打席は三塁ゴロエラーでつないだ。六回の第3打席は右飛に倒れた。
◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が勝ち越しとなる2号ソロを放った。2-2の七回。2番手・船迫が投じたスライダーを強振。左翼席に弾丸ライナーで突き刺した。4月19日の巨人戦(神宮)以来となる一発。四回にも左前適時打を放っている助っ人が、主砲・村上ら主力を欠く打線を豪快な一振りで鼓舞した。
◆巨人・赤星優志投手(25)が今季7度目の先発。雨降りしきる中、6回4安打2失点の力投も同点でマウンドを降り3勝目を手にすることはできなかった。今季2戦2勝と好相性だったヤクルトに対し、序盤から3つの三振を奪いアウトを重ねた。しかし、2点のリードをもらった直後の四回に坂本の失策も絡み1死満塁のピンチでオスナに左前適時打、六回はサンタナに同点打を浴び、警戒していた両外国選手に痛打を食らった。
◆試合に勝利しタッチを交わす内山壮真(中央)らヤクルトナイン=神宮球場(撮影・長尾みなみ)
◆ヤクルトが逆転勝ち。1―2の六回にサンタナの適時打で追い付き、七回にオスナのソロ本塁打で勝ち越した。八回は茂木と内山の連続アーチで突き放した。高梨は7回を2失点の好投で今季初勝利。巨人は拙攻、拙守が響いた。
◆ヤクルトは、高梨裕稔投手が7回2失点の粘投で今季初勝利を挙げた。打線は七回にホセ・オスナ内野手(32)が勝ち越しの2号ソロを放ち右腕を援護した。以下、高梨のヒーローインタビュー。--今シーズン初勝利「悪い中、本当に粘り強く投げられたなと思います。古賀がよくリードしてくれたなと思います」--今シーズン最多116球の粘りのピッチング「本当によく粘ったなとは思います」--オスナの勝ち越しソロなどで逆転勝利「野手の皆さんが打ってくれてこの勝ちがあると思うので、感謝したいと思います」--ファンに一言「一戦一戦全力で腕を振っていきたいと思います。明日からも試合ありますので、皆さん応援よろしくお願いします」
◆ヤクルトは、ホセ・オスナ内野手(32)が七回に2号勝ち越しソロを放つと、八回に茂木栄五郎内野手(31)と内山壮真捕手(22)の連続本塁打で突き放し連敗を止めた。以下、茂木のヒーローインタビュー。--神宮で初のお立ち台「チームが苦しい状況ですけど、雨が降ってる中、最後まで応援してくださって本当にありがとうございます」--ファンに向けあらためてメッセージ「楽天から加入しました茂木です。ありがとうございます。たくさん打って、たくさんお合立って、顔と名前もっともっと覚えてもらえるように頑張ります。応援よろしくお願いします。--八回の本塁打を振り返って「大松コーチと打席入る前に色々話して、自分の狙い通り一球で仕留めることができた。そのあと(内山)壮真も続いてくれたので、本当にいい形で追加点が取れたかなと思います」--チームが苦しい中、大きな勝利「高梨さんが粘り強く気迫のこもった投球をしてくださったおかげだと思う。今日は投打が噛み合っていい勝利になったと思います」--ファンに向けて「明日も勝てるように頑張るので、熱い応援よろしくお願いします」
◆主導権をつかみ損ねた。巨人は逆転負けで2位に後退した。阿部慎之助監督(46)は雨にぬれながら、敗因を口にした。「攻撃の細かいミスが出ちゃったから、やっぱり流れをつかめなかったよね」三回に敵失に乗じて1点を先制し、四回には増田陸のソロで2点リードとした。ただ一回に若林が、二回には赤星が送りバントを失敗。五回は無死一塁で一塁走者のキャベッジが、打球に当たってアウトになった。守備でもチームで2失策。追い打ちをかけられないまま六回に先発の赤星が同点とされ、救援陣は3本のホームランを浴びた。左肘靱帯(じんたい)の損傷で岡本を欠く今は、それぞれの役目を果たす必要がある。「難しいんだけど、当たり前のことを当たり前にできれば、流れは自然と来てくれるからね。そこが、きょうはできなかった」と阿部監督。凡事徹底こそ勝利の鉄則だ。(谷川直之)
◆ヤクルト・内山壮真捕手(22)がプロ5年目で初の4番を務め、第4打席(八回)に本塁打を放った。ヤクルトで4番初先発の試合で本塁打を放ったのは、2015年7月10日の山田哲人(第1打席、対DeNA、神宮)以来10年ぶり。村上は19年5月12日の巨人戦(東京ドーム)で初めて4番で先発出場し、4番2試合目となった5月29日の広島戦(第1打席、神宮)で初本塁打をマークした。
◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が2―2の七回先頭で、左翼席へ決勝の2号ソロを放った。船迫の甘く入ったスライダーを捉え「打った感触は完璧でした。一振りで捉えられたことは良かった」と自画自賛。主砲の村上らを故障で欠く中で大きな期待を背負う助っ人は「素直にチームの勝ちに貢献したいという気持ちが強い。日々工夫してチームのために全力を出せるようにしている」と胸を張った。
◆雨中のマウンドでも粘り強く投げた。ヤクルト・高梨裕稔投手(33)が7回で今季最多の116球を投げ、7安打2失点(自責点1)で初勝利。神宮に詰めかけたスワローズファンの歓声に手を挙げて応えた。「早く一つ勝ちたいなと思ったので、チームも勝って、自分にも勝ちがついたのは、本当に良かった。点を取ってくれた野手に感謝したい」試合開始後に雨が降り始めたが「気にしないようにしていた」と不動心を貫いた。三回に味方の失策で先制点を献上し、四回には増田陸にソロ本塁打を被弾。前日8日時点で先制を許した試合は3勝14敗1分けと大きく負け越していたが「何とか粘って投げることができた」と、12年目のベテランが力投で勝利を呼んだ。苦しみも、喜びも分かち合ってきた家族が最高の応援団だ。2022年1月に結婚した愛妻は、高梨が大好きだった揚げ物を極力減らしてバランスのいい食事に変えるなど、大きな支えとなっており「すごく助かるし、いまいい状態で投げられているのはサポートのおかげ」と感謝は尽きない。2歳の長男とは家の中で〝野球ごっこ〟をするのが楽しみの一つ。まだ動く球をバットで打つことができないため、愛息が投げる球を高梨が打つスタイルだ。「『パパは投げる人だ』みたいなことを言って、子どもも少しずつ理解してきている。妻には結果で恩返ししたいし、子供にはいいところを見せたい」。4月末には第2子も誕生し、大黒柱として責任感は増している。高津監督は「よくあそこまで投げた。見ていて安心感というか安定感もある」と高く評価。スワローズナインも、ファンも、家族も笑顔にする1勝目になった。(赤尾裕希)
◆ヤクルト・高梨裕稔投手(33)が7回で今季最多の116球を投げ、7安打2失点(自責点1)で初勝利を挙げた。4月28日の先発投手練習。高梨は他の投手陣が練習を終えた頃にグラウンドにやってきた。「何かあったんですか」と尋ねると、少し間を置き、にやりと笑って答えた。「2人目が生まれた」。その表情はいつも以上に穏やかに見えた。午前10時頃に誕生したという第2子となる次男の出産に立ち合い、「やっぱり感動するよね」としみじみ。「モチベーションになる。やるしかないっしょ!!」と決意を新たにした。昨年12月に新潟・燕市でのイベントに参加した高梨に、取材で同行したときだった。こっそり「2人目を授かった」と聞かされていた。そのときから見せていたパパの顔。今年1月はわが子の誕生を楽しみに沖縄・宮古島で自主トレに励み、進化を遂げた。2児のパパになって2度目の登板でつかんだ今季初勝利は、新たな家族にささげる1勝となった。家族の存在は原動力。オフシーズンは長男と遊園地の「よみうりランド」を訪れたり、兵庫の有馬温泉へ旅行に出かけたり。「ずっと子供と遊んでいました」と笑う。「(子供が自分のことを)プロ野球選手と分かるくらいまでやりたい」。1試合でも多くマウンドで輝き、息子たちとの思い出を増やしていく。(ヤクルト担当・武田千怜)
◆勝利を手繰り寄せる大きな一発だった。1点リードの八回1死で、3番・茂木が初球のカーブを完璧に捉えて右翼席に運ぶ3号ソロ。次打者・内山もソロ本塁打を放ち、2者連続本塁打となった。神宮で初のお立ち台に立ち「楽天から加入しました、茂木です。たくさん打って、たくさんお立ち台に立って、僕のことをもっともっと覚えてもらえるように頑張ります」とあいさつ。八回の打撃には「(内山)壮真も続いてくれたので、本当にいい形で追加点が取れた」とうなずいた。
◆4番デビューをド派手に飾った! ヤクルトは9日、巨人7回戦(神宮)に5-2で勝利し、連敗を2で止めた。八回、内山壮真捕手(22)が2季ぶりの本塁打となる今季1号ソロ。故障で離脱中の主砲・村上宗隆内野手(25)の代役として5年目で初の4番を務め、〝日替わり打線〟が続くチームを救った。小雨が降る神宮球場の夜空に〝希望の虹〟を描いた。4-2の八回、通算208試合目で初の4番に座った内山が今季1号ソロ。29試合で26通り目の打順が組まれた〝日替わり打線〟の中軸に抜てきされ、首脳陣の期待に一振りで応えた。「茂木さんがカーブを初球で仕留めたので、僕は真っすぐを行きやすかった。打った瞬間、角度もなかったので捕られると思ったけど、伸びてビックリ。(打順は)あまり関係なく、しっかりとスイングできた」読みが的中した。前を打つ3番・茂木がケラーの投じた初球のカーブを捉え、右翼席に3号ソロを放った。拍手と歓声が鳴りやまない中、今度は内山が初球の直球を迷わず強振。2023年7月17日の巨人戦(神宮)以来、662日ぶりとなる一発を弾丸ライナーで左翼席にぶち込んだ。石川・星稜高から入団して5年目。捕手に加えて内外野を守れる万能性と強打が売りの右打者は、スタメン表を見たときに初めて4番起用を知ったという。高校2年夏の甲子園大会では4番を打ち、エースの奥川とともに準優勝した経験があり、「緊張感はなかった」。甲子園を沸かせた当時のように慣れ親しんだ〝定位置〟で存在感を示した。期待が大きいほど力を発揮する。22年のオリックスとの日本シリーズ第2戦(神宮)では、20歳ながら代打で初出場して同点3ラン。幼少期に空手で鍛え上げた強靭なメンタルが魅力だ。大胆な用兵が的中した高津監督は「つないでほしい、(走者を)動かすことも含めた4番」と明かし、「壮真は体は小さいけど、大きなホームランを打てるのは本当に魅力。すごくいい存在だと思う」とたたえた。主砲の村上、正遊撃手の長岡、塩見ら主力打者を欠く厳しい状況。それでも内山は「ヤクルトはロング(長打)、ロングで点を取るチーム。そうした役割を僕がどんどんやっていければ」と前を向く。今季は開幕を2軍で迎え、4月中旬に1軍に昇格。身長172センチとプロ野球選手の中では決して大きくない〝小さな4番〟が、最下位からの巻き返しを期すチームを明るく照らした。(樋口航)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
18 | 14 | 1 | 0.563 (-) | - (-) |
110 | 124 (-) | 91 (-) | 21 (-) | 27 (-) |
0.249 (-) | 2.480 (-) |
2 (1↓) |
巨人 |
18 | 15 | 1 | 0.545 (↓0.018) | 0.5 (↑0.5) |
109 | 110 (+2) | 111 (+5) | 24 (+1) | 16 (+1) |
0.249 (↓0.001) | 2.830 (↓0.08) |
3 (-) |
広島 |
16 | 15 | 1 | 0.516 (↓0.017) | 1.5 (↓0.5) |
111 | 109 (+3) | 86 (+4) | 13 (+1) | 13 (-) |
0.249 (-) | 2.360 (↓0.05) |
4 (-) |
DeNA |
15 | 15 | 2 | 0.500 (↑0.017) | 2 (↑0.5) |
111 | 96 (+4) | 86 (+3) | 11 (+1) | 14 (+1) |
0.221 (↑0.001) | 2.420 (↓0.01) |
5 (-) |
中日 |
14 | 16 | 2 | 0.467 (-) | 3 (-) |
111 | 69 (-) | 95 (-) | 11 (-) | 19 (-) |
0.210 (-) | 2.800 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
11 | 17 | 1 | 0.393 (↑0.023) | 5 (↑0.5) |
114 | 80 (+5) | 119 (+2) | 11 (+3) | 6 (+1) |
0.223 (-) | 3.560 (↑0.09) |
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