西武(☆1対0★)ロッテ =リーグ戦5回戦(2025.05.09)・埼玉県営大宮公園野球場=
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ロッテ
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西武
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勝利投手:與座 海人(1勝0敗0S)
(セーブ:平良 海馬(0勝1敗8S))
敗戦投手:ボス(2勝2敗0S)
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◆西武が投手戦を制した。西武は0-0で迎えた5回裏、モンテルの空振り三振に相手の暴投が絡み、1点を先制する。投げては、先発・與座が6回4安打無失点の好投で今季初勝利。敗れたロッテは、先発・ボスが7回1失点の力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆今季2度目となる西武の大宮開催ゲームの正面入り口で"元ドラ1投手"2人がファンを出迎えた。今季からBCリーグで戦う山梨ファイアーウィンズの加藤幹典球団代表(39)と、同球団で非常勤の投手コーチを務める一場靖弘氏(42)だ。加藤代表は慶大から07年大学・社会人ドラフト1位でヤクルトに入団し、一場コーチは明大から04年ドラフトで自由獲得枠で入団した。この日は「ほけんのぜんぶ 山梨県民球団設立記念ナイター」として開催され、今季から就任した一場コーチはPRと始球式も兼ねて来場した。NPBの試合現場については「久しぶりも久しぶりです」と12年オフの現役引退以来とのことだった。明大時代には東京6大学野球リーグ最速の154キロをマークした剛腕。自由獲得枠で入団した楽天などで活躍。現役引退後は15年に学生野球資格回復を済ませた上でアマ野球の指導にも携わっていたが、今季から国内独立リーグ球団であるBC山梨へ加入した。なおBC山梨はこの日、同リーグ戦で記念すべき初勝利を挙げた。一場コーチは「昨日オンラインミーティングをした投手が投げて勝ってくれて、こちらもうれしいです。試合中も声は出しても配球などメモを取っていない選手もいたし、まだまだですが、何人プロ(NPB)に送り込めるかを楽しみに技術や心構えを伝えていきたいです」と話した。【金子真仁】

◆ロッテのドラフト6位ルーキー立松由宇内野手(26)が「7番一塁」でプロ初の先発出場する。7日にプロ初の1軍昇格を果たすと、試合前の円陣の声出しを任された。ヒットパフォーマンス「波乗りポーズ」を考案し、雰囲気作りで連敗ストップの立役者となった。8回には代打で1軍初出場を果たしたが、結果は左飛だった。

◆元楽天の一場靖弘氏(42)が始球式を務めた。現在はBCリーグ山梨の投手コーチ。「ほけんのぜんぶ 山梨県民球団設立記念ナイター」のPRで来場した。NPB現場は「久しぶりの久しぶりです」と現役引退以来13年ぶり。試合前には明大の先輩の西武鳥越ヘッドコーチらにもあいさつ。「肩痛いので110キロくらいで」と予告し、懸命に大役を済ませた。

◆極めてベタながら「モンテル、持ってる」だ。西武のモンテル外野手(25)が先制点にラッキーな形で貢献した。育成契約3年目で、7日に支配下登録されたばかり。この日が2試合目の出場で、第1打席で右前にプロ初安打を放った。そうして迎えた5回1死二、三塁の第2打席。2球目を打ち上げ、一塁のファウルフライに...と思ったら、最後にロッテ一塁手の立松のミットから白球がこぼれた。とはいえ0-2と追い込まれ、苦しい状況に変わりはない。3球目のスライダーを空振りした。三振。ところがこれがショートバウンドし、捕手寺地が前にポーンとはじく。この間に三塁走者の源田がホームを陥れ、貴重な先制点になった。

◆西武が悪夢の"始まりの地"で今季2連勝した。先発したアンダースロー右腕の与座海人投手(29)が風雨をものともせず、むしろ風は生かし、クイックも交えながら時間差投法を展開。ロッテ打線を崩しながら、6回までスコアボードに「0」を並べた。均衡が破れたのは5回。西武は1死二、三塁とし、打席には支配下登録されて2試合目のモンテル外野手(25)だ。ファウルフライを相手が落球した直後、モンテルは空振り三振に倒れるも、そのスライダーがショートバウンドに。三塁走者源田壮亮がホームに突っ込み、先制点を挙げた。ラッキーかつ貴重な1点を救援陣も守り切り、これで貯金2とした。シーズン91敗した昨季は、4月9日のロッテ戦(大宮公園)で完封負けしたのをきっかけに7連敗。それ以降は秋まで泥沼でもがいたが、今季は大宮での主催2試合を2戦とも勝利。ここがむしろ、上昇気流のきっかけになるか-。

◆ロッテはチャンスをものにできず、今季6度目の0封負けを喫した。5回に池田来翔内野手(25)の左翼フェンス直撃の二塁打と犠打、高部の死球で1死一、三塁の好機をつくった。2番藤岡裕大内野手(31)の打球は二塁手正面への二直で2アウト。飛び出していた三走・池田は三塁に戻りきれず、併殺となって無得点に終わった。吉井理人監督(60)は「あそこはゴロゴーだった。ああいう判断が絡むプレーって難しいとは思うんですけど、ああいうところをきっちりできていかないとチームは強くならない」と指摘した。直後の5回裏に先発のオースティン・ボス投手(32)が1死二、三塁のピンチを招いた。西武モンテルの打球は一塁側ファウルゾーンへ高く上がり打ち取ったかと思われたが、雨による視界不良もありプロ初先発のルーキー立松由宇内野手(26)が落球し、アウトをとりきれなかった。直後にボスの暴投で先制を許した。ボスは雨が降りしきる中で7回を投げて5安打1失点と粘投したが、味方の援護がなく3勝目とはならなかった。立松は2失策3三振とほろ苦なスタメンデビューとなり「エラーしてからまたさらに緊張した。バッティングも後手後手に回って、自分のスイングができなかった」と振り返った。吉井監督は「キャンプからキャッチャーずっとやらせていて、ファーストそんなに守ってないんで、こっちがちょっと無理なことやらせた。今日のはノーカウントで、次へのステップにしてほしい。やってないことやらせて失敗したのはこちらの責任。彼はこれを教訓になにか引き出したと思うんで、次に向かってほしい」とかばった。

◆モンテル、持ってる。極めてベタでも、そう言いたくなる試合だった。支配下登録されてまだ3日目の西武モンテル外野手(25)がプロ初安打に加え、決勝点に絡んだ。「確かに、持ってますね~」緊張の一戦を終え、表情は和らぎ華やいだ。米国人の父を持つ、本名は日隈(ひぐま)モンテル。憧れの人に日本ハム新庄監督を挙げたことがある。「ベルーナドームにヒグマが出たぞ」そんな決めぜりふを狙っている。しかしこの日は年2度の大宮でのホームゲームだ。球場隣の小動物園にはツキノワグマの「ヨリー」が暮らしている。どう猛さはあまりないけれど人気者だ。でもこの夜ばかりはヒグマの方に"ツキ"があったようだ。0-0の5回1死二、三塁で打席へ。2球目を力なく打ち上げた。しかし相手一塁手がファウルエリアで落球。続く3球目のスライダーを食らいつくように空振りし、バットが手から離れてしまった。しかし投球がショートバウンドし、捕手も前へポーンとはじく。そのすきに三塁走者源田が本塁突入。セーフ。先制点が入り、これが決勝点になった。振り逃げもできたが、体勢が崩れ「そのまま(一塁へ)行こうとしたら源さん(源田)とぶつかっちゃうので、その場で止まって」ととっさの判断で、源田の走路も確保した。だからモンテル、持ってる-。そんな冗談で終わらぬほどこの1勝はデカい。91敗した昨季、4月9日に同じ大宮でロッテに完封負けし、そこから一気に7連敗。一気に泥沼にはまり、4月21日以降は一度も5位にさえ浮上できなかった。悪夢の始まりの地というのは、ベンチ内もファンも感じるところだ。加えて、時間によっては渦を巻くような独特な風が吹く。ドーム球場を本拠地とする西武には、ホームゲームといえども圧倒的な心理的優位には立ちづらい。だからこそ西口文也監督(52)は「メンバーを見てもらえば分かるように、守りのメンバーをそろえた形で」とスタメンを組み「いい流れを引き継ごう」と、水曜日の勝利時にも起用したモンテルも2試合続けて起用した。故障から1軍復帰の源田をすぐに遊撃に置き、一方でかといって外崎を外し、二塁元山、三塁滝沢の布陣を組んだ。2人の好守も投手陣をもり立て、全てが結果的にはまった。ロースコア覚悟の鬼門をそうして守り勝ち、これで大宮は2戦2勝。ロッテへの苦手意識もぬぐい、週末はリーグ屈指の投球をしている今井、隅田の両腕につなぐ-。運も味方したが、本来の筋書き通りでもある。去年とは明らかに違う。【金子真仁】

◆ロッテは新外国人のオースティン・ボス投手(32)が先発した。全米屈指の名門大学出身の秀才は、地方球場独特のカクテル光線を背に、頭脳的な投球で相手打線に立ち向かった。この日は4月9日以来、今季2度目の県営大宮球場での試合。ボスは、前回は登板こそなかったが、マウンドの感触と球場の雰囲気を確かめ、リスクと利点を感じ取っていた。「球場自体の印象はちょっと狭い。あと、ライトが案外暗いかな。照明が暗いのはピッチャーにとっていいことと思いますし、バッターはちょっと見にくくなる。その利点を生かしながら投げていきたい」と投手有利のポイントを挙げ、自信をのぞかせる。一方で「マウンドは低いので、できれば高い方が僕の好きなマウンドなんですけれども、しっかりと準備をしてアジャストしていきたい」とも。地方球場にありがちな低いマウンドには早期の適応が必要との見解だ。世界の大学ランキングトップ10入り常連の米ワシントン大出身。2勝目を挙げた4月25日の日本ハム戦(エスコン)では事前に「長打には警戒が必要だが、ボール球に手を出すフリースインガーが多い。空振りをいかに奪うか」と看破し、言葉通り7三振を奪って6回1失点にまとめた。知性派の助っ人はこの日も四回までを無失点に抑える好投で期待に応えた。しかし、五回に守備が乱れる。1死から連打で二、三塁のピンチを招くと、モンテルの一邪飛を立松が落球。このあとそのモンテルを空振り三振に仕留めるも、これが暴投となり先制点を許した。

◆西武が競り勝った。五回1死から源田壮亮内野手と元山飛優内野手の長短打で二、三塁とし、暴投で1点を挙げた。先発の与座海人投手はは巧みに緩急をつけ、6回4安打無失点で今季初勝利を挙げた。

◆ロッテは先発のボスが悪天候の中でも7回1失点と好投した。だが打線は五回1死一、三塁の場面で藤岡の二直に三塁走者の池田が飛び出して併殺。最下位に沈むチームは今季6度目の零封負けで借金は再び6に膨らんだ。拙攻に吉井監督は「あそこはゴロゴー(ゴロなら本塁突入の指示)だった。ああいう判断が絡むプレーは難しいとは思うが、ああいうところをきっちりできていかないと、チームは強くならない」と厳しい表情で話した。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
17133 0.567
(↓0.019)
-
(-)
110116
(+1)
113
(+11)
25
(-)
18
(+1)
0.279
(↓0.002)
3.130
(↓0.24)
2
(-)
日本ハム
18141 0.563
(↑0.015)
0
(↓1)
110110
(+2)
97
(+1)
34
(-)
10
(-)
0.229
(↑0.002)
2.410
(↑0.04)
3
(-)
西武
17150 0.531
(↑0.015)
1
(↑1)
11184
(+1)
87
(-)
11
(-)
27
(+1)
0.235
(↓0.001)
2.490
(↑0.08)
4
(1↑)
ソフトバンク
15172 0.469
(↑0.017)
3
(↑1)
109128
(+11)
110
(+1)
21
(-)
26
(-)
0.253
(↑0.004)
2.830
(↑0.05)
4
(-)
楽天
15170 0.469
(↓0.015)
3
(-)
11191
(+1)
108
(+2)
14
(-)
30
(-)
0.240
(↓0.001)
3.250
(↑0.02)
6
(-)
ロッテ
12180 0.400
(↓0.014)
5
(-)
11381
(-)
95
(+1)
15
(-)
12
(+1)
0.210
(↓0.002)
2.860
(↑0.06)