巨人(☆6対4★)阪神 =リーグ戦9回戦(2025.05.07)・東京ドーム=
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阪神
0110200004701
巨人
20040000X6921
勝利投手:山﨑 伊織(5勝0敗0S)
(セーブ:マルティネス(1勝0敗11S))
敗戦投手:門別 啓人(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(6号・5回表2ラン)
【巨人】若林 楽人(2号・1回裏2ラン)

  DAZN
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◆巨人は初回、若林の2ランで先制する。その後は同点を許すも、4回裏には坂本、泉口、キャベッジの適時打が飛び出し、一挙4点を勝ち越した。投げては、先発・山崎が5回4失点で今季5勝目。最後は守護神・マルティネスが締めた。敗れた阪神は、先発・門別が試合をつくれなかった。

◆阪神が東京ドームで球団新記録の開幕から6戦6勝を狙う。相手先発投手は開幕から35回連続無失点中の山崎伊織投手(26)。今カード10得点、7得点と勢いに乗る猛虎打線が打ち崩せるか。自己最長タイとなる4戦連発がかかる森下翔太外野手(24)は「3番右翼」で先発。前日6日にスタメンを外れた前川右京外野手(21)は「6番左翼」で先発となった。先発マウンドに上がるのは門別啓人投手(20)。東京ドームは4月6日にプロ初勝利を挙げた場所で、2勝目を目指す。

◆試合前に両球団のレジェンドOBによる打撃対決が行われ、阪神から桧山進次郎氏(55=日刊スポーツ評論家)、巨人からは小笠原道大氏(51)が登場した。打撃投手に対して、1人3球勝負。先行は桧山氏。現役時代と同じ登場曲で左打席に入った。左翼席から現役時代の応援歌が流れる中、ライナーで初球をはじき返す右前打を放った。2球目は二塁方向への飛球、3球目は一、二塁間への二ゴロとなり、3打数1安打の結果となった。後攻は小笠原氏が登場。同じく右翼席の巨人ファンからは、現役時代の応援歌が演奏された。初球から左翼前にライナーで流す技ありのヒット。2球目は二ゴロとなったが、3球目は右前にライナーで安打を放った。3打数2安打の結果となり、対決は小笠原氏が勝利。小笠原氏は「ホームランは打てなかったんですけど。初球も振り遅れてレフト前ヒットで。なかなか角度が上がらないですね(笑い)」と振り返った。桧山氏も阪神ファンの応援に「ありがたいですね。懐かしい応援をして頂きながら打てるというのは。1本目にいい当たりを打ったので、いけるかなと思ったんですけど、続かないですね(笑い)」と笑顔を見せていた。

◆巨人山崎伊織投手(26)が開幕からの連続無失点記録が36イニングで途絶えた。試合前時点でセ・リーグ記録を更新する35イニングまで伸ばしたが、2回に阪神打線を前に今季初失点を喫した。この試合は4回まで無失点でしのげば、39年高橋敏(阪急)が持つ開幕から38回1/3無失点のプロ野球記録更新となっていた。山崎は登板前日の6日には「投げている試合はやっぱり0でいきたいと思っていますけど、投げる試合は目の前の1試合をなるべく最少失点でという思いが強いです」と話していた。連続イニング無失点メモ 山崎の開幕からの連続無失点は歴代3位の36回でストップ。連続イニング無失点の計算は野球規則で決められており、失点のあったイニングのアウト数は加算しない。失点した次の回から失点する前の回までとなるため、山崎の場合は2回の1死を数えずに36回となる。39年高橋(阪急)と21年平良(西武)は適時安打、63年中井(阪神)と23年村上(阪神)は本塁打を打たれてストップしたが、山崎は失策で止まった。

◆阪神が難攻不落の右腕からついに1点を奪った。2回1死一、二塁から小幡竜平内野手(24)が一、二塁間にゴロを放った。二塁の吉川尚輝内野手(30)が難しい体勢から二塁に送球したが、これが大きくそれて、ボールが転がる間に、二塁走者がホームインした。巨人山崎伊織投手(26)は開幕から37イニング目の今季初失点だった。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が元気な姿を見せた。初回1死から遊撃前に内野安打。2回の第2打席も。先頭で中前に抜ける安打を放った。中野は前日6日の試合で一塁に駆け込んだ際に、一塁手の岡本和真内野手(28)と激しく接触。そのまま交代した岡本は左肘の筋損傷のため、出場選手登録を抹消。長期離脱の可能性もある。一方の中野も左腕付近を痛めた。そのままプレー続行したが、8回の守備からベンチに下がった。仲がいい同学年の岡本との接触については「僕もよけたんですが...。プレーのことなので仕方ないです」と暗い表情で話していた。

◆絶好調の阪神森下翔太内野手(24)は運も味方につけた。1-2の3回。無死一塁から左中間を割りそうな鋭い当たりを放った。フェンス手前で中堅ヘルナンデスが追いついたが、グラブに当てて後逸。その間に、一塁から中野拓夢内野手(28)が一気に同点のホームを踏んだ。記録は二塁打で、打点なしとなった。試合前の段階で打率3割3分8厘、44安打はともにリーグトップ。前日6日まで3試合連続本塁打。この日も打てば昨年9月の自己最長4試合に並ぶ。

◆先発山崎伊織投手(26)は開幕からの連続無失点記録こそ途切れたが、3回までは自責0。「すしレース」も意地と意地がぶつかり合った。スタートは横一線。コハダがやや遅れる。4貫混戦模様で中盤に差しかかるも、アナゴが頭一つ抜け出す。両肩を力強く振りながら一気にスピードに乗って、最後は7貫差をつけてゴールイン。やはり、アナゴは強かった。2着争いはエビとタマゴが競り合い、エビが先着。マグロ、コハダが続いた。通算成績は通算成績は、アナゴ8勝、エビ4勝、マグロ3勝、コハダ1勝、タマゴ1勝となった。すしレース 3回終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの計5体。参加対象は公式ファンクラブ「CLUB GIANTS KIDS MEMBER」で当日の開場から1回裏終了まで応募受け付けし、東京ドーム内ファンクラブブースで抽選によって決定する。

◆阪神森下翔太内野手(24)が自己最長に並ぶ4試合連続アーチを記録した。4点を追う5回1死一塁。巨人山崎伊織投手(26)のフルカウントからの151キロを強振。打った瞬間にスタンドインと分かる放物線を左翼席に描いた。6号2ランで2点差に詰め寄った。森下は昨年9月8日のヤクルト戦(神宮)から13日の広島戦(甲子園)まで4試合連続で本塁打していた。日本記録は王貞治とランディ・バースの7試合。

◆阪神門別啓人投手(20)が今季最短でKOされた。今季5度目の先発マウンドに上がり、初回は若林に先制2ランを被弾。2、3回は無安打で切り抜けたが、味方打線の援護を受け2-2で迎えた4回2死から捕まった。6番ヘルナンデスに左前打を許すと、7番坂本に勝ち越し適時二塁打を献上。8番増田陸を敬遠四球後、9番山崎伊の左前打で満塁にすると、1番泉口に2点左前適時打を許した。石黒への交代を告げられ3回2/3を6安打6失点で降板した。

◆虎党大歓喜森下翔太 4試合連発6号2ランで2点差に追い上げる?プロ野球(2025/5/7)??巨人×阪神??Live on DAZN#オレをみろ #阪神タイガース pic.twitter.com/7iS1orOaJ7

◆「7番サード、坂本勇人!」。試合前、スタメン発表のアナウンスが響き渡った。前夜、チームを襲った岡本離脱の悪夢。覆う重たい空気を拭い去ってほしい。緊急昇格が決まり、いきなりのスタメン出場となった精神的支柱に、願いが詰まった声援が飛んだ。プロ19年目の今季は、開幕から11試合の出場で打率1割2分9厘と不調が続いた。自ら決断して阿部監督に申し出て、4月15日に出場選手登録を抹消。昨年6月以来のファーム再調整となった。若手選手と18年ぶりの遠征にも出た。「テレビで見てて、あそこ(1軍)で野球しないとダメだなって毎日思います。周りの方の期待もまだ裏切れない。なんとか1軍の舞台でもう1度活躍できるように」。阿部監督からの助言など周囲の支えに感謝し、復活の時を思い描いてきた。チームの緊急事態に出番が来た。2-2の4回2死一塁。阪神の先発門別の外角低めの変化球を粘り腰で左翼線への勝ち越し打。握った拳を太ももに当てて歓喜した。今季初長打となった二塁打は日本歴代2位の"ミスター二塁打"の面目躍如の通算460本目。1位立浪の487本に迫る一打で流れを引き寄せた。開幕から阪神に東京ドームで5連敗。史上初の屈辱に重なった主砲の離脱。この日先発の山崎の開幕からの無失点記録が、日本記録を目前にした36イニングで途絶えた直後でもあった。「おかえり」のタオルマフラーも揺れるスタンドは、希代の36歳に救世主の姿を見た。【阿部健吾】

◆阪神湯浅京己投手(25)が1軍復帰後5試合連続となる無失点投球を見せた。2点ビハインドの6回に登板。2死から泉口に左前打を与えたものの、1回を無失点で切り抜けた。4月29日中日戦で国指定難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復帰登板し、いまだ防御率は0・00。「ゼロで抑えられているのは自分にとっても良いことですし。もっともっと良くなるように頑張りたい」と力強い。

◆阪神中野拓夢内野手(28)に一瞬ヒヤリとするアクシデントが起きた。2点を追う7回1死二塁、巨人高梨の抜けた144キロ直球が背中を直撃。その瞬間、球場が大きくどよめくと、藤川球児監督(44)が小谷野打撃チーフコーチらとともにベンチを飛び出した。藤川監督は球審に何かを話した様子で、中野も苦悶(くもん)の表情を見せていたが、その後は立ち上がって一塁ベースへ。球場からは大きな拍手が起こった。巨人阿部監督もベンチを出て、高梨から田中瑛へ交代を告げた。

◆阪神が今季の東京ドーム6試合目で初黒星を喫し、同一シーズンで球団初となる6戦6勝はならなかった。2カード連続の勝ち越しも、これで9連戦は4勝5敗の負け越しとなった。初回に2点先制を許して迎えた2回の攻撃。1死一、二塁で小幡竜平内野手(24)が、巨人山崎から放った一、二塁間のゴロを、二塁手吉川が難しい体勢から二塁送球も大きくそれて、その間に二塁走者がホームイン。山崎の開幕からの無失点イニングを36で止め、39年高橋敏(阪急)が持つ開幕から38回1/3無失点のプロ野球記録更新を阻止した。さらに4点を追う5回1死一塁では、森下翔太内野手(24)が自己最長に並ぶ4試合連続本塁打をマーク。山崎の151キロ直球を完璧に捉え、左翼スタンドへ運ぶ6号2ランとした。しかし、この日は投打がかみ合わず。阪神先発の門別啓人投手(20)は先発で今季最短となる4回途中6安打6失点で降板。初回に若林に先制2ランを献上し、4回2死から4本の安打を浴びて3点を失い、なおも2死一、二塁で降板。2番手石黒もキャベッジに適時二塁打を浴び、流れを止められなかった。この日までの9連戦は4勝5敗と負け越しも、巨人と同率首位をキープ。1日はさんで本拠地甲子園に帰り、9日から中日3連戦に臨む。

◆みんなが待ってた帰ってきた坂本勇人今季初の長打は貴重な勝ち越し打?プロ野球(2025/5/7)??巨人×阪神??Live on DAZN#オレをみろ #ジャイアンツ pic.twitter.com/cuHnn8uCEM

◆巨人が宿敵・阪神に競り勝った。1回に若林の2ランで先制。一時は2失策で同点に追いつかれるも、この日、緊急昇格した坂本勇人内野手(36)が4回に決勝二塁打を放った。「内容としてはきれいなヒットではない。僕らしいレフト線のツーベース」。前日6日の同カードで岡本和真内野手(28)が負傷交代。左肘の筋損傷で主砲の長期離脱を強いられた一戦で、意地を見せた。頼れるベテランはヒーローインタビューで大歓声に「久々の1軍の舞台でこうやって歓声を受けられてうれしいです」と、にっこり。前日6日阪神戦はテレビで観戦していた。「和真がケガして。巨人軍の4番で1人で背負いながら闘っている姿を見ていましたので、和真の代わりにはなれないですけど、チーム全員でカバーしながら、帰ってくるまで頑張ります」と、誓った。東京ドームでの阪神戦は今季6戦目で初勝利となった。

◆阪神が今季の東京ドーム6試合目で初黒星を喫し、同一シーズンで球団初となる6戦6勝はならなかった。2カード連続の勝ち越しも、9連戦は4勝5敗の負け越し。先発の門別啓人投手(20)は先発で今季最短となる4回途中6安打6失点で降板。初回に若林に先制2ランを献上し、4回2死から4本の安打を浴びて3点を失い、2死一、二塁で降板。2番手石黒もキャベッジに適時二塁打を浴び、流れを止められなかった。藤川球児監督(44)は今季最短KOの高卒3年目左腕について、「初回に本塁打を打たれて、そのあと2ボールとか逃げていたんで、若いなというところは感じますね。そのあたりは経験値がなかなかというところですから。いろんな課題が。若いから見え出しているんではないですかね」とこの日の投球内容を分析。「状態を含めて、明日もあるから考えます」と、今季開幕ローテを担ってきた若虎の今後の去就に含みを持たせた。阪神は巨人との同率首位をキープ。本拠地甲子園に戻り9日から中日3連戦に臨む。

◆一体、誰が止められるんや! 阪神森下翔太外野手(24)が敵地巨人戦で自己最長に並ぶ4戦連続アーチを決めた。3回は左中間二塁打で同点に導き、4点を追う5回には左翼席中段へ6号2ラン。試合前時点で開幕から35イニング連続無失点だった巨人山崎を5回4失点で降板させた。チームは開幕からの東京ドーム連勝が5で止まり、9連戦を4勝5敗と負け越し。とはいえ、猛打が続く虎に重苦しいムードは感じられない。ウソだろ...。まさに打った瞬間。乾いた音を残した森下のアーチが左翼席中段にかかる。東京ドームの巨人ファンは絶句し、飛球を迎え入れたスタンドの虎党は狂喜乱舞した。昨年9月の自己最長に並ぶ4試合連続の本塁打。佐藤輝とのジャンピング・エルボータッチも慣れたもの。背番号1がまた加速した。「点差もあったので、とにかく後ろにつなぐ意識でした。ボール球も見極めて我慢できていたし、いい打席だったと思います」5回1死一塁。フルカウントから巨人山崎の真ん中151キロを強振した。6号2ランだ。3回にも無死一塁で左中間に二塁打。敵失が絡んで2点目を加えていた。そして、4回に4点を追加されて再び窮地に立たされた直後に豪快弾をぶちかました。前の試合まで35回無失点を続けていた難攻不落の右腕を、5回限りで降板させた。攻略の中心にいたのが森下だった。ただ、2点を追う7回1死一、二塁では遊ゴロ併殺に倒れた。納得は全くしていない。4番で開幕。4月中旬に昨年までと同じ3番に戻ってから、ちょうど20試合目だった。打率3割4分3厘、46安打はともにリーグトップ。本塁打も量産しているが「調子は良くないです」と言って驚かせた。「結果は、準備をしていたら伴ってくるので、意識はしない。修正ができているだけ。143試合ある中で調子がいい、悪いで済ませていたら、調子が悪い時に落ち込むだけなので」。すべての打席に最善の準備、修正をかけて臨む。その繰り返しで結果をひねり出している、というわけだ。好機での心持ちについて、以前にこう話したことがある。「投手の配球とかを見るくらいで、あまり考えていないです。自分が打てなくてもいいでしょ、くらいの気持ちで。回ってきたらラッキーくらいに思っています」。責任は強く自覚するが、余計な情報を入れて自らを縛ることはない。 チームは東京ドーム6試合目で初黒星を喫した。大事な9連戦を4勝5敗で終え、巨人と同率の首位。ただし、ライバルに「阪神強し」を見せつけた3連戦でもあった。【柏原誠】阪神森下が4試合連続本塁打。森下は昨年9月にも4試合連続本塁打を記録している。2年連続で4試合以上連続で本塁打を放ったのは、阪神では09、10年にマークしたブラゼル(09年は4試合、10年は5試合連続)以来。森下は次戦で球団では前記10年ブラゼル以来の5試合連続本塁打に挑む。なお、連続試合本塁打のプロ野球記録は、72年王貞治(巨人)と86年バース(阪神)の7試合。

◆アクシデントに見舞われた阪神中野拓夢内野手(28)が、状態について語った。7回の打席で、左腕高梨の抜けた144キロ直球が背中を直撃。しばらく苦悶(くもん)の表情を見せながらもプレー続行し、試合終了までフル出場した。試合後、状態について問われると「そりゃ『大丈夫』って言うに決まってるでしょ。『ダメです』なんて言わないでしょう」とキッパリ返した。

◆緊急昇格した背番号6の一打が、苦境のチームを救った。巨人坂本勇人内野手(36)が、2失策で追いつかれた後の4回2死一塁から、左翼線へ決勝の適時二塁打。百戦錬磨のベテランが重い空気を一掃し、首位阪神に並んだ。投げては山崎伊織投手(26)が開幕から無傷の5連勝でハーラートップタイ。開幕から37イニング目で失点し、38回1/3連続無失点のプロ野球記録更新はならなかったが、防御率0・45で12球団トップを守った。「サッカモト! サッカモト!」。はち切れんばかりのコールの中で、救世主はほほ笑んでいた。「久々に1軍の歓声を受けられて、うれしいです!」。お立ち台で喜びの声を響かせると、スタンドのボルテージがさらに上がった。「7番サード、坂本勇人!」。スタメン発表の声援から願いが込められていた。前夜、チームを襲った岡本離脱の悪夢。緊急昇格の精神的支柱に期待は募った。2-2の4回2死一塁。阪神の先発門別の7球目、外角低めの変化球を粘り腰で左翼線に運んだ。ヘルナンデスが一気に本塁まで駆け抜ける決勝打。「あまりきれいなヒットでもない。まだまだかなと思いますが、僕らしい二塁打だった」と拳を握った。今季初長打は日本球界歴代2位の"ミスター二塁打"面目躍如の通算460本目。1位立浪の487本を追う決勝打で一気に流れを引き寄せた。開幕から11試合出場で打率1割2分9厘。阿部監督に申し出て、4月15日に出場選手登録を抹消。2軍戦は12試合出場で打率2割6分5厘。「純粋に野球をもっとうまくなりたい」と若手選手と18年ぶりの遠征にも出た。同時に「(1軍で)野球しないとダメだなって毎日思います。なんとか1軍の舞台でもう1度活躍できるように」と誓った。「まだまだですけど少しずつチームに貢献できたら」。納得のいく手応えがあっての昇格ではない。ただ、巨人の主力は勝つために存在する。試合前、ロッカー室を訪れたOBの松井秀喜さんの「自分がどうやって試合に臨むか、どう準備するか。そしてユニホームを着た時はチームが勝つために良いプレーをする。これは当たり前のこと」との訓示を耳にした。その使命を誰よりも理解するのが坂本。そして、体現した。阪神に開幕から東京ドームで5連敗。史上初の屈辱に重なった主砲の離脱。「おかえり」のタオルマフラーも揺れる客席は、希代の36歳に救いを見た。「どういう形でも貢献できたらいい。和真の代わりにはなれない。何とかチーム全員でカバーしながら帰ってくるまで頑張ります!」。今年、東京ドームのビジョンに踊る言葉がある。「BORN TO WIN」。勝つために生まれてきた-。それが巨人の坂本だ。【阿部健吾】巨人阿部監督(決勝打の坂本に)「実績は誰も文句言わない。試行錯誤しながらやってるんでしょうけど、この1軍でのヒットというのが、すごくいい薬になると思う。続けていってもらいたいなと思います」巨人若林(プロ初の3番でスタメン出場し、1回に先制2号2ラン)「3番目の打者というぐらいでいきました。先制点を取れたので良かった」

◆敵地の巨人戦で、虎党は今季初めて肩を落とした。開幕から続いていた東京ドームでの連勝は5でストップ。前夜まで5戦連続で2ケタ安打を放った打線はこの日も好調だったが、期待の高卒3年目左腕が巨人打線につかまった。先発の門別啓人投手(20)が今季最短の4回途中で6安打を浴び、今季ワースト6失点。「(状態は)本当に別に悪くなかったんですけど、カウント負けして自分から崩れる展開が多かった。そこがすべてかなと思います」。4月6日にプロ初勝利を挙げた舞台で先発の役目を果たせず、悔しさがにじみ出た。初回1死一塁で、若林にカウント2-1からのフォークを左翼席に運ばれた。味方が2点を追いつき迎えた4回。2死まで奪うも、ヘルナンデスに左前打を浴びると、フルカウントから坂本に勝ち越し適時二塁打を献上した。続く増田陸を申告敬遠で歩かせた後、投手の山崎に左前打を許し、最後は2死満塁で泉口に2点適時打を浴びた。門別が口にした反省を、藤川球児監督(44)も同様に指摘した。「初回に本塁打を打たれて、その後2ボールとか逃げていたんで、若いなというところは感じますね。そのあたりは経験値がなかなか、というところですから。まあ課題ですよね」。一級品の直球を持つ素質を知るからこそ口惜しい。「そのあと勝負しながらというところでも、いろんな課題が。若いから見え出しているんではないですかね」と続けた。開幕ローテ入りを果たすも、6試合を投げて1勝2敗、防御率4・73。6回を投げきれない「壁」に苦しむ。指揮官は「ゲームの中の先発として投げているところですから。状態を含めてね、また明日もありますからね。考えます」と出場選手登録を抹消する可能性も示唆した。壁を乗り越えて、先発としてチームを白星に導く姿を待つ。【磯綾乃】阪神安藤投手チーフコーチ(先発門別について)「監督が言うように、課題が出たかなと思います」阪神工藤(1日に再び出場選手登録されて以降、3試合連続無失点)「僅差で負けている展開だったので、とにかく流れを渡さないようにと思っていた。うまく力が抜けてコースに投げられた」

◆阪神・島本浩也投手(32)が出場選手登録を抹消された。球団は左上肢の張りのためと発表。東京ドームで行われた試合前練習から姿はなかった。島本は4月18日から1軍に昇格し、8試合に登板して1勝、防御率1.17をマーク。6日も八回に登板して1回を無失点に抑えていた。

◆巨人は4人の入れ替えを断行した。6日の同カードの守備中に左肘の筋損傷を負った岡本、40歳のベテランで打率.105の長野が出場選手登録を抹消され、2軍調整していた坂本、打撃不振で3軍に降格し、6日に2軍に復帰したばかりだった浅野が登録された。東京ドームでの試合前練習には長野が参加し、浅野が不在。浅野はこの日のイースタン・リーグ、DeNA戦(ジャイアンツタウンスタジアム)で本塁打を放ち、急きょ1軍昇格が決まったもようだ。

◆巨人・坂本勇人内野手(36)が「6番・三塁」で4月13日の広島戦(マツダ)以来、24日ぶりに先発する。主砲の岡本和真内野手(28)が6日の同戦、一塁守備で打者走者と交錯し、左肘の筋損傷で戦線離脱。打撃不振でファーム調整していたベテランが〝緊急昇格〟した。4番にはプロ初の吉川尚輝内野手(30)が入り、第92代4番を務める。

◆巨人・若林楽人外野手(27)が先制2号2ランを放った。0-0の一回1死2二塁。阪神・門別の浮いたフォークボールを一振りで捉えた。打球は左翼席中段に突き刺さり、4月20日のヤクルト戦(神宮)以来、17日ぶりの一発となった。

◆阪神の先発・門別啓人投手(20)が痛恨の一発を浴びた。一回先頭の泉口に中前打を浴びると、続くキャベッジ(前パイレーツ)の犠打で1死二塁。3番・若林を打席に迎えた。4球目、133キロフォークを捉えられると、打球は無情にも阪神ファンが待つ左翼席へ。試合開始直後に主導権を奪われた。

◆巨人・山崎伊織投手(26)が先発し、開幕からの連続無失点記録が36イニングでストップした。開幕から35イニング連続無失点とし、マウンドに上がった右腕。二回1死一、二塁から阪神・小幡の二ゴロを吉川が二塁へ悪送球。その間に二走が生還した。1939年に高橋敏(阪急)が樹立した日本記録、38回1/3には届かなかった。

◆阪神は二回、巨人・山﨑伊織投手(26)の開幕無失点記録を36回で止めた。0-2とリードされて迎えた二回、大山悠輔内野手(30)の右翼線二塁打、前川右京外野手(21)の四球などで1死一、二塁とし、小幡竜平内野手(24)の二ゴロ処理後、二塁封殺を狙った吉川尚輝内野手(30)の送球が乱れ、二走の大山が生還した。

◆阪神が相手のミスに乗じて同点に追いついた。1‐2で迎えた三回。先頭の中野が投手強襲のヒットを放つと、無死一塁で森下が打席へ。カウント1‐1から山崎伊の129キロスライダーを捉えた。左中間で弾む一打に、相手中堅手のヘルナンデスがファンブル。この隙に、一走の中野がホームへと生還した。なおも無死二塁と勝ち越しの好機で4番・佐藤輝は空振り三振。大山の中飛で森下が三進し、2死三塁とするも2試合ぶりに「6番・左翼」で先発した前川が三振に倒れた。

◆プロ野球記録の更新はならなかった。開幕から35イニング連続無失点でマウンドに立った巨人・山崎は、二回に今季初失点。1939年に高橋敏(阪急)が樹立した日本記録、38回?には届かなかった。登板前には「今まで『0』が続いているということよりは、投げている目の前の1試合をなるべく最少失点で抑えたい思いの方が強い」と語っていた右腕。悔やまれる形で記録は36イニングで止まった。2-0の二回1死一、二塁で、阪神・小幡を二ゴロに打ち取ったかに見えたが、二塁を守る名手・吉川が二塁へ悪送球。その間に二塁走者が生還。東京ドームはため息に包まれた。なお1死一、三塁とピンチは続いたが、後続を断った。三回も中堅手ヘルナンデスが中前打の処理でボールをこぼす失策を犯し、同点を許すなど、守備が山崎をもり立てられなかった。記録は止まったとはいえ、セ・リーグ記録保持者として名を刻んだ。昨季15勝を挙げ、夢を追って米大リーグ、オリオールズに移籍した菅野の穴を埋める活躍を続ける。同じ東海大出身で、背番号19を譲り受けた先輩のようなエースとなるべく、再び「0」更新を目指して腕を振る。(谷川直之)

◆巨人・坂本勇人内野手(36)が「7番・三塁」で4月13日の広島戦(マツダ)以来、24日ぶりに先発し、2-2の四回2死一塁での第2打席で左翼線へ適時二塁打を運んだ。フルカウントから阪神・門別のスライダーを振り抜いた。これが今季のオープン戦、2軍戦も含めて初めての長打となった。主砲の岡本が6日の同カードの一塁守備で打者走者と交錯し、左肘の筋損傷を負って戦線離脱。打撃不振で2軍調整していた坂本は〝緊急昇格〟。持ち前の勝負強さを発揮し、合流即スタメンの起用に応えた。

◆阪神・門別啓人投手(20)が3回?を投げ6失点でKOされた。初回に1死二塁から若林に2ランを被弾し、先制を許した。援護もあり、2-2に追いついたが、四回二死からヘルナンデスに左前打を浴びると、打席にはこの日1軍昇格した坂本。左翼線への二塁打を打たれ、勝ち越された。その後もG打線の勢いを止めることができず、二死満塁から泉口に左前への2点適時打を浴びたところで降板。代わった石黒もキャベッジに右中間への2点適時打を打たれ、この回4点を許した。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が自己最長タイの4試合連続アーチを放った。2-6の五回1死一塁の場面でフルカウントから巨人・山崎の甘く入った151キロ直球をフルスイング。打球は虎党が待つ左翼スタンドへ吸い込まれた。6号2ランで2024年9月8日のヤクルト戦(神宮)から13日の広島戦(甲子園)で放った4試合連続本塁打の自己最長に並んだ。

◆巨人・山崎伊織投手(26)が先発し、5回4失点でリーグトップタイ5勝目の権利を持ってマウンドを降りた。試合前時点で開幕から35イニング連続無失点とし、日本記録更新にあと4イニングと迫っていた右腕。二回、三回に味方の失策が絡んで計2失点を喫し、記録更新とはならなかった。五回には森下に左越え2ランを浴びた。開幕から無傷の4勝を挙げている右腕。リーグトップ、阪神・村上に並ぶ5勝目の権利を持って中継ぎにバトンを渡した。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が自己最長タイの4試合連続アーチを放った。2-6の五回1死一塁の場面でフルカウントから巨人・山崎の甘く入った151キロ直球をフルスイング。打球は虎党が待つ左翼スタンドへ吸い込まれた。6号2ランで2024年9月8日のヤクルト戦(神宮)から13日の広島戦(甲子園)で放った4試合連続本塁打の自己最長に並んだ。「打ったのはストレート。点差もあったので、とにかく後ろに繋ぐという意識でした。打席の中でボール球もしっかり見極めて我慢できていましたし、いい打席だったと思います。このあと追いつけるように頑張ります」とコメントした。

◆4-6と2点ビハインドの七回、阪神・中野拓夢内野手(28)が死球を受け、グラウンドに倒れ込んだ。1死二塁から巨人の左腕・高梨が投じたボールが抜けて、背中に直撃。その場にうつ伏せに倒れ込んで起き上がれず、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。藤川球児監督(44)もベンチを飛び出し、球審に何やらアピール。高梨は2023年に近本も死球を受けて骨折で負傷離脱をしていただけに、スタンドは大ブーイングで怒号が飛び交った。中野はこの後起き上がって一塁へ。次の回の守備にも就いた。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が、5月4日のヤクルト戦(甲子園)から4試合連続本塁打。4戦連発は昨年9月8日のヤクルト戦(神宮)-同13日の広島戦(甲子園)に続く自身2度目。阪神の選手が2年連続で4試合以上続けて本塁打を打ったのは、2009、10年のブラゼル(4試合-5試合)以来15年ぶり。日本選手では04、05年の金本知憲(ともに4試合)以来20年ぶり。生え抜き選手では1972、73年の田淵幸一(ともに4試合)以来52年ぶり。

◆阪神は反撃及ばず、東京Dでの今季初黒星を喫した。先発の門別は一回に若林に左翼への先制2ランを浴びると、同点の四回には2死から4安打を集められるなどし、3回2/3を6安打、自己ワーストタイの6失点でKO。4月6日にプロ初勝利を挙げた思い出の地で悔しい結果となり、直近4登板勝ちなしの今季2敗目を喫した。前回登板まででセ・リーグ新記録となる開幕35イニング連続無失点と好投を続けていた巨人・山崎を相手に打線は、二回に敵失で右腕の記録が止まると、三回は無死一塁で森下の左中間への二塁打に敵失が絡み、同点。4点を追う五回は森下が自己最長タイの4試合連続本塁打となる左翼への6号2ランを叩き込み、反撃を続けた。しかし、六回以降は相手の計5投手の継投リレーの前に得点ができなかった。チームは6日の同戦までで、フランチャイズ制となった1952年以降、球団史上初となる巨人の本拠地での開幕5連勝としていたが、記録はここでついに止まった。4月29日から始まった大型9連戦も4勝5敗で負け越し。1ゲーム差をつけていた巨人には首位に並ばれた。

◆七回、巨人・高梨雄平から死球を受けた阪神・中野拓夢に歩み寄る藤川球児監督。その視線の先は? =東京ドーム(撮影・萩原悠久人)

◆巨人・坂本勇人内野手(36)が勝ち越し打を放ちチームの連敗を止めた。巨人は2-2で迎えた四回、坂本が2死一塁から左翼線に適時二塁打を放ち勝ち越しに成功。その後も打線が繋がりこの回一挙4点を奪った。以下、坂本のヒーローインタビュー。--すごい歓声「久々に自分の舞台でこうやって歓声を受けられて嬉しいです」--どんな思いで1軍に戻ってきて、試合に臨んだ「昨日、家で試合も見てたんですけど、(岡本)和真がけがして、巨人軍の4番で1人ですごい背負いながら戦ってる姿を僕も見てましたんで、(離脱した)和真の代わりにはなれないですけど、チーム全員でカバーしながら、帰ってくるまで頑張ります」--四回の打席を振り返って「内容としては、あまりきれいなヒットでもないですし、まだまだかなと思うんですけど、僕らしいレフト戦のツーベースだったんで、もっともっと打てるようにやっていきます」--通算460本目のツーベース「通算っていうのは、過去のことなんで、これからまだまだ出ると信じて普段からやっているので、ファンの方の期待は裏切ってますけど、もっともっと打てるようにやっていきます」--ファンに向けて「ファンの人たちも和真がいなくなって心配してると思いますけど、若い選手も出てきてますし、僕もまだまだ負けないように頑張るので、ファンの皆さんも一丸となって頑張りましょう」

◆阪神の東京Dでの開幕連勝が「5」で止まった。門別啓人投手(20)が三回?を投げ、6安打6失点で降板し、2敗目(1勝)を喫した。打線はリーグ記録の開幕35回連続無失点の山崎伊織投手(26)から二回に敵失で得点。三回に同点二塁打を放った森下翔太外野手(24)が五回1死一塁、24年9月に次いで自身2度目の4試合連続本塁打を左翼席に運んだ。また藤川球児監督(44)が七回1死二塁で高梨雄平投手(32)から背中付近に死球を受けた中野拓夢内野手(28)に歩み寄るシーンがあった。チームは9連戦を4勝5敗で終え、巨人に同率で首位に並ばれた。

◆阪神の東京Dでの開幕連勝が「5」で止まった。七回1死二塁で高梨雄平投手(32)から背中付近に死球を受けた中野拓夢内野手(28)は試合後、報道陣に対応。「大丈夫ですか? って聞かれたら大丈夫って言うに決まってるでしょ。ダメですって言わないでしょ」と話した。

◆巨人は7日、阪神戦(東京ドーム)で負傷交代し出場選手登録を抹消された岡本和真内野手(28)について、横浜市内の病院で左肘の靭帯損傷と診断されたと発表した。岡本は6日の一戦の一塁守備で打者走者と接触し、負傷交代。同日東京都内の病院で左肘の筋損傷と診断されていたが、翌7日に再検査を受けた。同診断は一般的に、全治約3カ月と見られる。

◆阪神の東京Dでの開幕連勝が「5」で止まった。門別啓人投手(20)が三回?を投げ、6安打6失点で降板し、2敗目(1勝)を喫した。打線はリーグ記録の開幕35回連続無失点の山崎伊織投手(26)から二回に敵失で得点。三回に同点二塁打を放った森下翔太外野手(24)が五回1死一塁、24年9月に次いで自身2度目の4試合連続本塁打を左翼席に運んだ。また七回1死二塁で中野拓夢内野手(28)が高梨雄平投手(32)から背中付近に死球を受けた。チームは9連戦を4勝5敗で終え、巨人に同率で首位に並ばれた。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)3回?を投げ、6失点降板の阪神・門別啓人投手(20)に言及した。門別は剛速球で三振を取るタイプではない。決して速くない145キロ前後の真っすぐと変化球の緩急を駆使して、外角を丁寧に攻めて相手を打ち取る。その外角の球を生かすには、内角を攻める必要がある。いわゆる見せ球だ。門別は、その内角を攻める球があまりにも少なかった。これでは、いくら外角に素晴らしい球を投げても、打者は困らない。内に厳しく来ないから、巨人打線は決め打ちのように外の球にも踏み込んで対応していた。右打者のセンターから左方向へのヒットが多かったことが証明している。もう少し、というレベルではなく、もっともっと厳しい内角攻めが必要だ。今後の大きな課題だろう。梅野もベテランなのだから、バッテリー間でもう少し話し合っても良かったのではないか。

◆阪神育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は2点ビハインドの八回に登板。2三振を奪うなど、完ぺきな内容だった。「流れを渡さないようにと思っていた。うまく力が抜けてコースに投げられた」。1日に1軍復帰してから3試合連続無失点。課題の制球も安定してきた。首脳陣の信頼を勝ち取るべく、これからも結果を残す。

◆4-6の六回に登板した阪神・湯浅京己投手(25)は2死から泉口に中前打を許したが、新外国人キャベッジ(前パイレーツ)を145キロ直球で空振り三振に仕留めた。「なんとかいい流れを持ってこられるようにと思ってマウンドに上がった」。国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」の手術などを経て4月29日の中日戦(バンテリンドーム)で1軍復帰後は5試合連続無失点。「ゼロに抑えられているのはいいこと。もっともっと良くなるように頑張りたい」と胸を張った。

◆巨人は7日、阪神9回戦に6―4で勝利。東京ドームでの同カードは今季6戦目で初勝利を挙げ、阪神と同率首位に浮上した。打撃不振のため2軍で調整していた坂本勇人内野手(36)が、左肘の靱帯損傷で出場選手登録を外れた岡本和真内野手(28)に代わって緊急昇格し、四回に決勝の適時二塁打を放った。坂本は2軍調整期間の前から、試行錯誤していた。それはグラウンドを離れた生活の中にも-。4月の広島遠征中に「朝早く目が覚めたから」と広島城公園を散歩した。花見や歴史観光とは縁がなかったが、春の陽気に誘われて名所を散策。「興味ないねんけどな」と笑いながらも、外国人観光客に交じり、きれいに咲いた桜や自身の命名由来でもある池田勇人元首相の銅像を立ち止まって眺めた。重圧を忘れる時間を求めたのかもしれない。「歩いたら昼飯がうまい」と明るく言いつつ、悩める日々に何か変化を与えようとしたのではないかと感じた。広島から戻ると、再起をかけて2軍調整を志願した。「新しくいろいろ試して、何かをつかみたい」と語った〝変身〟はまだ途中。変化を模索する日々の先に、必ず復活がある。(巨人担当キャップ・谷川直之)

◆この男だけは誰にも止められない! 首位阪神は巨人に4-6で敗れ、連勝は2でストップ。開幕からの東京ドームでの連勝は5で止まったが、森下翔太外野手(24)が五回に山崎から自己最長タイ、4試合連続本塁打となる6号2ラン。球団日本選手初の東京ドーム3連戦3戦連発をマークした。9連戦ラストゲームは飾れず、巨人に並ばれたが、虎には〝覚醒〟した森下がいる。さぁ、甲子園で出直しや!また、美しい放物線が虎党が待つ左翼スタンドに届く。開幕から無双状態だった山崎に顔をしかめさせた。ゴールデンウイーク9連戦を4勝5敗でフィニッシュも、森下のすごさが目立った。「点差もあったので、とにかく後ろにつなぐという意識でした。打席の中でボール球もしっかり見極めて我慢できていましたし、いい打席だったと思います」5、6日は2本塁打6安打7打点。この日も三回1死一塁から二塁打を左中間に放って6試合連続安打とすると、驚きの姿を見せつけたのは、2―6の五回だった。試合前までリーグ新記録の35イニング無失点を続けていた山崎にわずか2球で追い込まれるも、ファウルで粘ってフルカウントに。「(投手は)フォアボールを出したくないですけど、際どい球は来るかなという予測はしていました」。8球目の直球をすくい上げた。打った瞬間にそれと分かる特大の一発。虎党は総立ちで歓声をあげた。

◆千両役者が帰ってきた!! 巨人は7日、阪神9回戦に6―4で勝利。東京ドームでの同カードは今季6戦目で初勝利を挙げ、阪神と同率首位に浮上した。打撃不振のため2軍で調整していた坂本勇人内野手(36)が、左肘の靱帯損傷で出場選手登録を外れた岡本和真内野手(28)に代わって緊急昇格し、四回に決勝の適時二塁打を放った。百戦錬磨のベテランが、主砲が不在となったチームの救世主になる。頼りにされるほどに燃える。2軍から緊急昇格した坂本は2-2の四回2死一塁、門別の外角スライダーに泳がされながら、左翼線へ決勝の適時二塁打を運んだ。お立ち台では日に焼けた肌がスポットライトに照らされ、ホッとしたような表情を浮かべた。「あまりきれいなヒットでもないですし、まだまだかなと思うんですけど、僕らしいレフト線のツーベースだった。もっと打てるようにやっていきます」ピンチのチームを鼓舞する復活の一打だった。主砲、岡本が6日の阪神戦の一回、一塁守備で打者走者と交錯。この日に左肘の靱帯損傷と診断され、復帰まで3カ月程度を要する非常事態に、坂本は1軍から招集がかかった。即「7番・三塁」で先発出場。「和真の代わりにはなれないけど、精いっぱいやる」。打撃は万全とはいえなかったが、岡本からも連絡を受けて覚悟を決めた。プロ19年目の今季は開幕前から不振にあえぎ、この日に二塁打を放つまでオープン戦、2軍戦も含めて長打が一本もなかった。打率・129と不振の中にいた4月14日、「客観的に見ても、自分が打席に立っていい状態じゃない」と判断し、阿部監督に2軍での調整を直訴した。現役最多の2420安打を誇る36歳。本来の打撃を取り戻すために構え、スタンス、バット、練習法と変化の必要性を探った。打席でのスタンスを狭めて体のひねりをスムーズにする構えを試し、外角球を捉えるために『ホームベースに近寄る』という阿部監督の助言に従った。シーズン中は行わないウエートトレーニングに時間を割くなど、長年のルーティンにもこだわらなかった。長く愛用する野球用品メーカー「SSK」のバットのほか、今季はマルチ、2軍調整中は大谷翔平も愛用するチャンドラーのバットも試した。坂本の執念で、チームは今季、東京ドームの阪神戦6試合目にして初勝利。再び阪神と首位に並んだ。阿部監督は「試行錯誤しながらやっているんでしょうけど、この1軍でのヒットが、すごくいい薬になる」と今後に期待。岡本の無念を背負う坂本が、ここから本領を発揮する。(谷川直之)

◆阪急阪神ホールディングス(HD)元会長の角和夫(すみ・かずお)さんが4月26日午前1時10分、自宅で死去した。76歳。元阪神キャップで、現メディア局コンテンツ編集部次長の阿部祐亮(42)が取材を通じて感じた角さんの人柄をつづった。まるで子供をあやす、好々爺のようだった。これぞ、手をたたいて笑う-。漆黒の空の下、角さんは「ほうほう」「それで?」「それがベストなシナリオですなぁ」と、私の阪神再建論に身を乗り出して聞いてくれた。兵庫・宝塚市内にある角さんの自宅で取材するのは年に数回だったが、経済のケの字も知らない私の顔でも覚えてくれていた。家でくつろいでいるタイミングでも、襟付きのシャツに再び袖を通し快く対応してくれた。「宝塚の帝王」などの異名をとり、各界に絶大な影響力があった。株主総会でも「帝王」っぽい。でも野球を見るときは「ファン」目線。だから岡田前監督を再登板させたときも「長く優勝から離れていたから、私が一回だけ出しゃばってね」とちょっぴり自虐的に阪急主導の2年間を笑って振り返っていた。マンネリ化することを決して許さなかった。ある日、いつものように角さんの自宅前で待っているとゲリラ豪雨がやってきた。折りたたみ傘が壊れてしまって、かばんも靴もずぶぬれ。最悪のタイミングで角さんが社用車で帰ってきた。角さんは一旦、自宅に帰ると、傘を一本持ってきてくれた。軒下まで移動した上で、角さん自ら私に傘を差してくれたのだ。恐れ多すぎて、断ろうとしても「いや、いいですよ」の一点張り。どうしても譲らない。もう、甘えることにしたが、今となっては失礼だったな、と。傘から垂れてくる雨粒が角さんのシャツをぬらし、どんどん染みていった。「帝王」だけど、意外にも「帝王」っぽくない。天国で音楽を聴きながら、大好きなハンバーグを味わっていると願いたい。(メディア局コンテンツ編集部次長・阿部祐亮)

◆開幕から東京ドーム6戦6勝を狙うわが阪神の前に立ちふさがるのは、開幕から35回無失点の巨人・山崎! いいね、燃えるでェ!! しかも~、巨人は一回先頭の泉口がヒットで出ると外国人キャベッジに送りバント! 大巨人軍マジやんかー!! こーいうプロとプロのしのぎを削る試合が見たかったァ!!まではプロ野球にしびれてたんだけど...。門別が若林に先制2ラン許すなよ~。ちゅ~か、巨人も巨人で岡本の負傷欠場で一丸にならなきゃいけない試合で、2つのエラーで三回までに同点許すかあ?それ以上に本日一人スランプ(?)だったのが梅野だったのだ!! 二回無死一、二塁、チームで一番バントがうまいはずなのにキャッチャーファウルフライ。マスクをかぶっては同点の四回2死無走者から四球を挟んで5連続ヒットを許す...。弱冠20歳の門別だけど(5安打目は石黒)、素材はダイヤモンド級なんだからベテランのリードで生かしてやったれよー!! 森下の4連続アーチがせめてもか...。正直もったいね~!!

◆岡本が故障離脱して、緊急事態の巨人の4番は吉川に。第92代目の4番打者らしい。「第何代とか、マスコミが必死で数えるのは、内閣総理大臣と、大相撲の横綱と、巨人の4番打者だけでしょ」かつて、異常なこの騒ぎっぷりを皮肉交じりに表現したのは歴史に残るスラッガー・清原和博だった。かつてはONがいて、原辰徳がいて、松井秀喜がいた4番。巨人だからこそ、数えたくもなるのだろう。ただ、次々と増えるのは、ヨロシクないはず。阪神も昨年、近本が4番を任されて、非常事態ムードが漂ったことがあった。その時、明らかになった事実がある。やっぱり4番はドッシリ、圧倒的存在感のある打者が座らないと、チームに勢いもつかない。トラ番・渡辺洋次が報告してきた。「東京ドームでも3番・森下、4番・佐藤輝が打席に入る瞬間の三塁側から左翼スタンドにかけての歓声はものすごいです。ホンモノの中軸打者の迫力ですね」相手が及び腰になるような威圧感が、今の阪神の3、4番にはある。ただ、巨人も伝統球団。大黒柱を欠いて、急きょの4番の打線でも、門別をKOした。満身創痍で東京ドームの阪神戦連敗を「5」で止めた。さすがだ。いや、巨人をホメている場合ではないか。森下の4試合連続ホームラン。見ましたか? マジですごい。

◆調子は決して悪くはなかった。ただ、出ばなをくじかれた一発が20歳の歯車を微妙に狂わす。阪神・門別啓人投手(20)はマウンドで何度も首をかしげた。今季最短でのノックアウトにベンチで戦況を見つめる表情から悔しさがにじみ出た。「カウント負けして自分から崩れる展開が多かった。そこがすべてかなと思います」一回先頭の泉口に中前打を許すと、犠打で1死二塁。3番の若林に甘く入ったフォークを痛打された。左翼席への先制の2号2ランを献上。主砲・岡本がけがで不在の中、一丸となって襲い掛かってきた巨人打線の勢いに飲まれていった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
18141 0.563
(↑0.015)
-
(↓1)
110108
(+6)
106
(+4)
23
(+1)
15
(-)
0.250
(↑0.001
2.750
(↑0.03)
1
(-)
阪神
18141 0.563
(↓0.018)
0
(-)
110124
(+4)
91
(+6)
21
(+1)
27
(+1)
0.249
(↓0.001)
2.480
(↓0.11)
3
(-)
広島
16141 0.533
(↑0.016)
1
(↑1)
112106
(+5)
82
(+3)
12
(+2)
13
(-)
0.249
(↑0.002)
2.310
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
14152 0.483
(↓0.017)
2.5
(-)
11292
(+1)
83
(+2)
10
(-)
13
(-)
0.220
(↓0.001)
2.410
(↑0.01)
5
(-)
中日
14162 0.467
(↑0.019)
3
(↑1)
11169
(+2)
95
(+1)
11
(+1)
19
(-)
0.210
(↓0.001)
2.800
(↑0.06)
6
(-)
ヤクルト
10171 0.370
(↓0.015)
5.5
(-)
11575
(+3)
117
(+5)
8
(+1)
5
(-)
0.223
(↓0.001)
3.650
(↓0.05)